今週の範馬刃牙 SON OF OGRE 151話〜160話

←第三部 141話〜150話  ↑最新↑  161話〜170話→
バックナンバー 餓狼伝 疵面 シグルイ Gロボ みつどもえ 蒼天航路 日記 掲示板 リンク1 リンク2 TOP


2009年3月5日(14号)
第3部 第151話 点火 (807回)

 恐竜時代からよみがえった原始人がピクルなら、地獄から蘇りし凶気の逸材はジャック・ハンマー!!!
 東京ドーム地下闘技場が誇るダーク・ファイターが復活だ。イエス・アイ・キャン!
 地獄戦士にはボウズ頭がよくにあう。阿鼻谷しかり。

 明日見ぬドーピング戦士ジャック・ハンマーが、ピクルに再挑戦だ。
 アゴの骨を完全にくだかれたばかりなので、当分しゃべることはできません。
 今日勝てれば、明日死んでもかまわない!
 ここで勝てれば 一分後に死ぬもよし。
 そんな覚悟だろう。

 帰ってきたのはいいのだが、ジャックに勝利の方程式があるのだろうか?
 しかし、勝算があろうと無かろうと戦うのがジャック・ハンマーだ。
 刃牙に敗北した直後でありながら勇次郎に戦いを挑む男。(グラップラー刃牙42巻 370話)
 ここでピクルに敗北したら、勇次郎にまた「日に2度敗れるバカがいるか」と言われるぞ。

「続行(つづ)きを!!!」
「続行(つづ)きを…ッッ」
「続行(つづ)きを…ッッ」
「続行(つづ)きを!!!」
「続行(つづ)きを…!!!」


 続行を(心の中で)叫びながら、ジャックがピクルの顔面に怒涛の五連蹴りだ。
 衝撃でピクルが背もたれにしていた木の柵がくだけちる。
 刃牙世界で試し割りに使用されるムエタイ戦士なら、一蹴りで三回はダウンできそうな蹴りだ。
 それを五連発で喰らう。
 15ムエタイ戦死級のダメージだ。

 だが、ピクルのダメージは少ない。
 なにしろトラックにはねられても平気だった生物だ。14巻 106話
 自分の100倍以上重い恐竜と戦ってきたピクルにとって、体重200kgもないジャックの攻撃など児戯に等しい。

 さすがに体重100倍はふかしすぎだろ。
 ピクルが200kgだから、20トンですよ。
 と、思ったけどスーパーサウルスは体重40トンぐらいあったらしい。
 スーパーの名前はダテじゃないな。
 じゃあ、やっぱり20トンの恐竜を日常的に倒していたんだ。

 なので、ジャックの攻撃はあまり効いていないハズ……
 だが、ピクルは逃げだした。
 つんのめり、汗を流しながらピクルは走る。
 その姿に白亜紀最強といわれた戦士の面影はない。
 色黒だけに、どこぞのムエタイ戦士とまちがえそうだ。

 殺しても死なない敵ならば、過去にもいた。
 だが、さすがに向かってくることはない。

『自然界(ここ)ではそれが仕組み(ルール)だろッ』
『それが摂理(ルール)だろッッ』
『ここでは それが掟(ルール)だろ!!?』


 死んだから襲ってこない。倒したから再戦は絶対にない……!
 このピクルの思考、バトルではこういう考えが一番危ない。
 まさに地獄に直結する道。
 仕組み・摂理・掟だからジャック編は終了する。
 などという読みは まさに泥沼。

 私もすっかりダマされ、首まで泥中に嵌っていた。
 死刑囚たちも死ぬほど負けても、わざわざ再戦にはこないワケですよ。
 圧倒的な力の差で刃牙にボコられた柳龍光とシコルスキーは復讐の連鎖から逃げ出す。(バキ16巻 138話
 ゲバルもオリバに負けたら、あっさり帰国する。(8巻 55話
 完全敗北した戦士は、再挑戦などしない。
 そう考えていた時期が俺にもありました。

『ジャック範馬』
『稀有なる闘技者(ファイター)…………』
『意図的な過剰負荷(オーバーワーク)
『先行きをも鑑みない度を越した薬物摂取』
『四肢の切断をも厭わぬ骨延長の外科手術』
『明日に期待せず――――』
『刹那(いま)に徹した生き様』


 幽鬼のように痩せ衰えしまう、逆効果なほどの過剰特訓をした。
 1日30時間といわれる不可能特訓を支えるための、ドーピング。
 今日強くなるなら、明日死んでもいいという覚悟で戦ってきた。
 まさに不自然主義の申し子だ。

 エベレストに登山するためには、普通の装備じゃダメなんだ。
 そんな不自然主義者ジャック・ハンマーにピクルは恐怖した。
 天然・野性のピクルにとって、まったく理解不能なのだろう。

 病的に肝臓を肥大させたフォアグラより、健康そのもののアンキモのほうが美味いと言い切る山岡さんも恐怖しそうだ。
 不自然主義な美味さのフォアグラを喰わせようと、ジャックが追いかけてくる姿を想像してほしい。
 こりゃ、山岡さんでも逃げ出したくなるだろう。
 むむぅ……、フォアグラこわい。

『しかし――――』
『人間(ヒト)は どこまでも恐怖に背を向けていられない』
『逃走を開始(はじ)めて ちょうど2分――』
『白亜紀無敗の誇りが』
『火を吹いた……ッッ』


 未知なる恐怖へ立ちむかうッ!
 海原雄山の食卓にフォアグラを置いてみる。このフォアグラを置いたのは、誰だぁっ!
 男は度胸! なんでもためしてみるものさ。
 現代によみがえった原人ピクル、試練の時ッ!
 次回へつづく。


 予想外のピクル逃亡劇です。
 ポスト勇次郎という位置づけだったピクルが、シコルスキーJr.を襲名した感じだ。
 米原秀幸『ウダウダやってるヒマはねェ!』で一撃必殺の拳をもつといわれていた久条も相手を倒せなかったとき「未知との遭遇」で激しく動揺した。(12巻 106話)
 やはり、経験していないものは恐ろしいのだ。

 腹が減ったとき そこにあった店に入る、野武士的な蛮勇がピクルには必要だ。
 だれが置いたのかわからない料理でも、とりあえず食べてみる海原雄山的な勇気をもて。
 でも、野性で生き延びるには、慎重すぎるぐらいが ちょうどいいのだろう。
 ジャックにトドメを刺さなかったことといい、ピクルは慎重派だ。

 殺したはずなのにジャックは襲ってくる。
 ピクルはきっとゾンビ映画が苦手だな。
 恐怖にとらわれているピクルは、ジャックをバラバラにするかもしれない。
 今度こそ、ジャックが完全死亡するのか?

 白昼どうどうと全裸、じゃなくて公開人食だ。
 フンドシ一丁の野人ピクルを、パンツ一丁のギブス男ジャックが追いかける。
 そのころ東京ドームではWBCをやっているかもしれない。
 人も多いし、これは大変なことになりそうだ。

 ニュースを見た刃牙が急いで駆けつける展開になるのだろうか?
 いや、刃牙はめったにTVを見ないんだろうな。
 やはり今回も刃牙は出遅れてしまうのか。
 座右の銘は『明日できることは今日やるな』だ。


 今週の作者コメントは、以下のとおり。
『三田紀房(スタッグの方?)さん アリガトウ!!』

 ちょうど前回の追記で書いたのだが、三田紀房がモーニングで連載している『エンゼルバンク-ドラゴン桜外伝-』(AA)の背景に刃牙や餓狼伝のキャラクターが出演しているのだ。
 今までに9人も登場している。
 まちがいなく会社勤めが似合わない連中が、転職や人事をテーマにした作品に出ているのが面白い。


 ゴルゴ31さん情報で『 12時間セックスマラソンに挑んだ28歳男性(ロシア)、“ゴール”後に死亡
 最初に連想したのが『バキSAGA』(AA)です。
 4話の描写を見るかぎり、推定48時間 ティッシュペーパー6箱のスーパーバトルだ。
 質・量ともに刃牙の圧勝!

 『TOUGH』にも24時間セックスを達成したヤツがいた。
 やっぱり、戦士の体力は一般人とはちがいすぎるのだろう。
 ちなみにロシアでは週に16回セックスしないと奥さんが満足しないそうです。
 数がおかしいだろうと思うんですが、毎日朝晩やって14回、土日は仕事がないから昼もやる。
 それで合計16回だそうで。(手嶋龍一佐藤優インテリジェンス武器なき戦争」)

 小説では、ソ連兵の婦女暴行はヒドいという描写が多い。
 上のようなエピソードを聞くと、ソ連兵がヒドかったのは事実だったんだろうと思えてしまう。
 ちなみに12時間耐久で亡くなったロシアの人はバイアグラを飲みすぎたそうだ。
 つまり、ドーピングがマズいと言える。
 ジャックにも キケンな副作用が迫っているのかもしれない。

追記 (09/3/11)
 屋内での戦いがしばらくつづいていたが、ここに来て野外プレイとなった。
 戦いにかけるジャックの執念がピクルをおびえさせ、逃走させたのだ。
 室内で戦うなら裸もOKだが、路上で裸(正確にはパンツ一丁か)は警察力と争うことになりかねない。
 いろんな意味でデンジャラス!

 ところで作中季節はいつでしたっけ?
 刃牙世界は常夏といわれても納得してしまいそうだが。
 たまに上着をきているけど。

 ジャックの執念がピクルを逃走させた。
 花山も体力より気力で、ピクルの体当たりを止める。
 そうなるとピクルに勝つには精神を鍛えるほうがイイのかもしれない。

 人類がピクルに勝っている確実な部分。それは、脳=精神だ。
 ならば、長所を伸ばして勝つ!
 つまり精神を鍛えるのが勝利への近道だ!
 いまごろ、刃牙はすごい修行をしているのかもしれない。
 でないと、この場にいない言い訳ができないぞ。

 まあ、刃牙のことだから想像を絶するゆるいことをやっているかもしれない。
 白いご飯の上にリアルシャドーでカレーをのせてみる実験とか。
by とら


2009年3月12日(15号)
第3部 第152話 自らの欲せしモノ (808回)

 恐竜時代からよみがえった最古の戦士・ピクルッ!
 科学的考証についてはご容赦いただきたい。
 薬物・骨延長手術・近代格闘技の習得と最新科学をつぎこんで造りあげた怪物・ジャック・ハンマー!
 だが、最後の最後でたよりになるのは、死すら超える闘争本能だった。
 最新のキャッチコピー、あんま意味ないな。

 最古 対 最新の第二ラウンドが はじまる。
 はじまったのだが、ピクルがいきなり逃げ出す。
 殺しても死なないジャックにおびえているのだ。
 未知との遭遇。未知への恐怖。
 知らない作家のエロ漫画を表紙買いするときも、ドキドキだ。(なんか違う)

(おい………)
(行くなよ………ッッ)
(待てったら)


 尻を見せながらピクルが全力で逃げた。
 それをジャックが追いかける。
 場所が海岸だったら、二人の姿もロマンティックだったかもしれない。
 むしろ、ルナティック。

 フンドシはいたピクルを 追っかけて
 はだしでかけてく 陽気なジャックさん
 みんなが笑ってる お日さまも笑ってる
 ルルルルルル 今日もいい天気

 自分にとっての死神を追いかける状況だ。
 戦いは、まさに狂気のゾーンにッ!


 ところで、床がぜんぜん片付いていません。
 まだジャックが散らかしたアンプルが転がっている。
 だれも片づけなかったのか。
 重体のジャックが運ばれていったのだから、掃除の手配をする余裕なんてなかっただろう。
 ジャックが病院に運ばれてから数時間もたってないのだろうし。

 ジャック敗北と同時に姿を消した主人公・範馬刃牙はなにをしているんだろうか?
 こういうときに、ゴミかたづけをして高感度をあげればいいのに。
 ゴミは放置し、兄も放置し、ピクルも放置した。
 刃牙はなにを目指し、どこへ行くのだろう。

 ピクルは東京ドーム地下から、地上に逃げだす。
 近所には、遊園地やジャンプショップもある。
 子供が巻きこまれたらタイヘンだ。
 だが、この日は平日なのか子供の姿はない。

 大人たちは、突然あらわれたパンツ一丁の怪物二匹にビックリしている。
 一部は逃げるようすを見せているが、のこりは見学するつもりらしい。
 君ら危機感たりない。野性度たりない。
 安全圏まで逃げないと巻きこまれるぞ。
 このままではショーくんの二の舞だバキ17巻 143話

 ピクルは恐怖から逃げるのをやめた。
 ふりかえる。 ――――やる気だ。
 恐竜時代最強の生物といわれるピクルが、窮鼠となってジャックに襲いかかる。
 あ、窮鼠なのはジャックのほうか?

 ジャックが構える両拳のあいだを、ピクルの巨大な右拳が突っこんでくる。
 これは、ジャブか? ストレートか?
 喰らった。

(空……?)

 打たれたジャックは、頭がハネあがって完全に上を向いたらしい。
 たった一発で、意識が飛んだ。
 自分がどこにいて誰と戦っていたかという記憶も砕かれた。
 正面を向く。ピクルが目前にいる。
 ジャックは、やっと自分がピクルと戦っていたことを思い出した。しかし、時すでにおそし。
 襲いかかってきたのは、もっともKO率が高いといわれる左フックだった。餓狼伝17巻 151話

 ジャックのアゴは原型をとどめていないほどに砕かれている。(147話
 東映版『Kanon』のアゴよりも状態が悪い。
 そのアゴに、喰らう。


『目撃者の一人――――』
『向山 努(35)は述懐する』


 ファミレス(たぶんジョナサン)で何者かにインタビューを受けているようだ。
 格闘雑誌の記者がピクルの強さに興味を持ったのだろうか?
 そうなると、からんできそうなのがプロレス界のドン・アントニオ猪狩だ。
 原人 VS. プロレスラーの興行をやりかねない。
 人喰いがはじまっちゃうので、放送できませんけど。

 向山(さきやま)は、けっこう冷静に戦いを見ていた。
 ピクルの左フック一発で決したことを語る。
 ただの一発ではない。
 喰らったジャックの上半身が消えたように見えるほど、ふっ飛ばす一撃だ。

「回ったんですよ」
「イヤ首とか顔じゃなく」
「身体ごと」
「イヤもう一回転とかじゃ ぜんぜんなく」


 ジャック・ハンマーは腰を中心に大回転した。
 遊園地の近くだけに人間観覧車といったぐあいだ。
 速度は比較にならないほど速いけど。
 そのまま揚力で浮いてしまいそうな回転っぷりだった。

 だが、ジャックは重力に引かれ、地面に激突する。
 頭から落ちた。
 今度こそ、首の骨が折れてしまったのではないかと心配だ。
 酸欠で浮き上がった魚のように、ダランとのびている。

『自らが求めた 自らが認められる敗北
 認めようにも自らは深き昏睡状態のまま――――――――
 生涯2度目の"日に2度の敗北"』


 刃牙世界では屈指の実力者であるジャックが勝負にならない。
 猫とネズミの勝負どころの騒ぎではない。
 牛と草ぐらいの関係だ。
 一方的に喰われるだけ。万が一のチャンスもない。

 かつて勇次郎に言われた「日に2度敗れるバカがいるか」という言葉がよみがえる。(グラップラー刃牙42巻 370話)
 しかも、おなじ相手に二度負けた。
 負けるからには、死ぬぐらいに負ける。
 それが明日見ぬ戦士ジャック・ハンマーのポリシーなのかもしれない。
 漫画の第一巻を買ったら最終巻まで買い切る心意気だ。

 ジャックは完全敗北した。
 ピクルはジャックに恐怖していたのだが、この後どうする。
 喰うのか!?
 本日 二度目の生命危機がやってきた。
 次回、ジャックは五体満足でいられるのか。
 すでにアゴの骨はたりなくなっていそうですけど。


 なんか敗北するために戻ってきたようなジャック・ハンマーであった。
 烈海王は、全身をピクルに喰わせなかったと反省していた。(13巻 102話
 ジャックは言葉ではなく行動で反省したのかもしれない。

 生きる本能に逆らうジャックの行動は、野性の子であるピクルに理解できない。
 だから今回もジャックは襲われずにすむかも。
 これぞ『葉隠』(AA)のいう「死を覚悟することでかえって長生きできる」生きかただろうか。
 スローライフならぬ、士道(シドー)ライフ。
 ゆったり切腹。

 ピクルは、肉食男子を超えた人喰男子だ。
 あまりガツガツしないで、野菜も食べたほうがいいとおもう。
 よけいなお世話だろうが。

 そして、主人公である範馬刃牙はなにをしている?
 刃牙もたいがいスローライフだ。
 さすが、現役ゆとり世代。ゆとり黄金期。十年に一度のゆとり。
 ジャックの死闘を見届けたあと、ナニをやっていたんだろう。

 ひょっとしたら刃牙はすでに到着しているのかも。
 いつの間にか存在しているのは主役の特権だ。
 これには、兄のジャックもビックリする。

「えっ、刃牙かよ。いつからココにいたんだ?」
「そうだな。兄さんが『弟である刃牙さんには勝てないよ。刃牙さんがケンシロウなら、オレはジャギ。ジャックのジャはジャギのジャだ』と、泣き出したあたりかな」
「いや、言ってないよ! 言ってないよ、そんなこと!」

「じゃあ、兄さんが『顔の皮膚がはがれちゃったし、もう鉄仮面をかぶるしかないよ。ますますジャギだよ。愚劣な兄は弟にはかなわないんだよ』ってボヤいたあたり」
「いやいや、言ってない。言ってないってば」

 だが、刃牙が出てきたとしても、ピクルに勝てそうもない。
 ジャックの敗北をどういかし、ピクル攻略に活用するのか?
 『バキ外伝 疵面(スカーフェイス)』が、先の展開を考えなさすぎてまた休載になってしまった。
 刃牙は大丈夫なんだろうか?

 まあ、10年以上の実績が保障してくれている。
 ナニも考えていなさそうだけど、刃牙は突き進む。
 後退のネジもブレーキもついていない。(世間では それを欠陥車といいますけど)


追記 (09/3/18)
 ジャック範馬、完全敗北!(2回目)
 これではインパクトが弱いので3回目の敗北もありうるのだろうか?
 さわると、やっぱり最強のファックユーで反撃しそうだ。
 駆けつけてくれるであろう救急隊員がピンチだ!

 ピクルが圧倒的に強いのはワカった。
 でも、ジャックにビビって格が下がった感じだな。
 ゾンビ映画を見せたら泣いて逃げだしそうだし。

 車椅子に乗るほど重傷だったのに立ちあがった加藤なら、ピクルをおびえさせるコトができる。
 もしかしたら、ピクルを倒すのは加藤かもしれない。
 それか愚地克巳と範海王が交互に入れかわって攻撃すれば、倒しても死なないとピクルが勘違いしてビビるかも。

 とりあえず、ピクル攻略は精神面から攻めるのがよさそうだ。
 原始人がこわいものってなんだろう?
 恐竜をたおして喰っちゃうヤツだから、デカい姿やトゲで武装しても通じないだろうな。
 とりあえず、ハチのコスプレをすればビビりそうだ。

 魔性の女・松本梢江が香水ふりまいてピクルに迫ったら勝てそうな気もしてきた。
 ピクルだって両手を合わせて祈りのポーズとっちゃいますよ。
 ……本当に、梢江はいまどこでナニをしているんだろうか。
 私の予想ではアライ三世を身ごもっているところだと思うんですけど。

 そういえば『バキ外伝 疵面(スカーフェイス)』が、また風呂敷をたためず休載しちゃったじゃないですか。
 風呂敷については板垣スタイルを継承すればいいのに。

「師匠、風呂敷のたたみ方をご教授ください!」
「え、風呂敷ってたたまなくちゃいけないの?」

 などと、なまやさしい回答は出てこないんだろうな。
 考えうる めい言(by Itagaki)としては……

・風呂敷は破くもの!
・新キャラだよ! 漫画はキャラクターが命なんだから!
・たためない風呂敷を広げきったと思ったとき。そこがスタートだ!
・朝青龍を見ていると、やっぱり悪役は強くなくちゃって思うね!
・とにかく予想を裏切れ。身近なところで、担当との打ち合わせを裏切るんだ!
・とりあえず富士山の8合目を一周してこい!
・いや、オレはちゃんと考えてるよ。
・以上の予想を全部裏切って、その上というか違う方向に行くのが板垣!

 まあ、板垣先生の上を行く妄想ができるぐらいなら、人気作家になってるだろう。
 一般人は、明日のチャンピオンを待つだけなのだった。
 そして、MSKさんの近所でチャンピオンが売っていればいいですね。
 チャンピオンには待っているだけでは届かないこともあるのだ。
 コミックス化とか。
by とら


2009年3月19日(16号)
第3部 第153話 早贄(はやにえ) (809回)

 日に二度敗れたジャック・ハンマーが、また目覚めた。
 どうやら、ピクルには喰われずにすんだらしい。
 服を着ているから断定はできないが、どこも欠けていないようだ。
 『銀魂』なら、確実にチ●ポに障害がおきているところですよ。

 気が付けば……、病院っ…! ジャック、日に二度続けて気絶っ…!
 さすがのジャックも二度連続の気絶は猛省…!
 ……しているんだろうか。
 父である範馬勇次郎に負けたことが知られたら、ヒドいお仕置きされるぞ。

 目覚めるジャックを見守っていたのは、徳川光成とペイン博士だった。
 徳川グループ総帥とノーベル化学賞にはさまれる豪華な目覚めだ。
 きっと、二人がかいがいしく服を着せてくれたんだろうな。
 ジャックの弟である刃牙はナニやってんだろ。

 加藤クラスの一般グラップラーなら洗濯機に入れられたタコのようにグテングテンになって死んでいるところだ。
 生きているだけでもスゴい。さすがジャック範馬である。
 徳川さんとペイン博士はジャックの無事をよろこぶ。
 一生懸命なぐさめる。
 君はベストを尽くしたんだから、もう戦うのを止めなさい。大人の忠告だ。

 だが、反逆児ジャック・ハンマーは戦いを選択する。
 いまのジャックにふれたら地上最強のファックユーをされるぞ。
 ジャックは点滴のチューブを引きちぎり廊下に飛びだした。
 日に三度負けるという新記録を目指すのか!?

「どこ行くンだい……?」
「ジャック兄さん」


 廊下で刃牙が待ちかまえていた。
 むしろ、お前が今までどこに行っていたのか問いただしたい。

 刃牙はピクルと戦う宣言をした。「明日、戦う!」と。
 で、今日戦うジャックに先をこされた。(17巻 139話
 ジャックはピクルに敗北する。だが、目覚めるとすぐに再戦をいどんだ。(150話
 刃牙は、その間ナニをしていたのだろう。

 勝てる気がしなくなったから、帰ったのか。
 本気のピクルを見たので、妄想ファイトでシミュレーションするつもりだろうか。
 あくまで戦おうとするジャックにたいし、なぜか戦いをさけるほうに行く刃牙であった。

 刃牙の制止をふりきり、ジャックは戦場に戻ろうとする。
 だが、範馬刃牙はジャックの足を言葉で止めた。
 人の行動を自在にあやつる範馬流話術は健在だ。
 言葉のわからないピクルに通用しなくて残念。

「アンタはもう――――……………」
「戦士(ファイター)として終わりなんだよッッ」


 ものスゴい上から目線で、実兄にダメだしッ!
 なんという暴言か。なんという暴挙か。
 刃牙の中で、巨凶範馬の血が目覚めようとしている。
 戦いから逃げていたのは、覚醒のための時間かせぎだったのかも。
 刃牙は本能でベストの選択ができる男だ。

 ジャックを完全失神せしめたピクルは、どう行動したのか?
 刃牙は自分で見たかのように語りだす。
 ……刃牙だって、人から聞いた話だよね? 現場にいなかったんだから。
 それとも、現場にいたんだけど うまく隠れていたのだろうか?

 ピクルはジャックをお持ちかえる。
 傷つけないように注意しつつ、ジャックを抱えた。
 そして、ジャックを抱えたままビルの外壁をのぼっていく。
 外壁のぼり名人のシコルスキーを上まわるクライマーっぷりだ。バキ11巻 95話

 屋上にたどりついたピクルは、ポールにジャックを吊るす。
 まるでモズの早贄(はやにえ)みたいに。
 ピクルはジャックを保存食とみなし、大切に保管したのだ。

 戦士として終わり。
 ジャックの服装がちがう。
 以上の二点からてっきり『銀魂』的な股間いじりネタが待っているかと思った。
 ギャグ展開ならイチモツが特殊ドライバーに変えられても笑って流せるけど、ストーリー漫画でいじられたらキツい。

 スチュワーデスがファースト・クラスの客に酒とキャビアをサービスするように優しくあつかってもらったので、ジャックの股間は無事だった。
 だが、戦士としてのプライドはズタズタだ。
 実弟の刃牙が、きっちりトドメをさしてくれました。
 黙っていればよかったんだけど、言わずにはいられない。
 死刑の宣告とか、やりたいタイプなんだろうか。

 エサあつかいされたと懇切丁寧に説明されたジャックは慟哭する。
 砕かれたアゴでありながら、包帯を破ってほえるのだった。
 ピクルはジャックの肉体を砕く。
 そして、刃牙が精神を砕いた。
 次回へつづく。


 ……コレだよ。
 範馬一族の伝統芸。
 敗北した人間にトドメをさす廃品回収。残飯処理。ハゲタカ殺法だ。

 今までは範馬勇次郎がやっていた。
 刃牙が苦労して倒した相手を、軽くひねることで実力差を思い知らせる。
 花山を転がし、夜叉猿を殺し、ガイアをふみつけ、関係ない柳やサムワン海王まで倒した。
 ……サムワン海王にダメ押しする意味がわからない。
 巨凶範馬の血が、ムエタイをいじれと言っているのだろうか?
 ムエタイは強いから、叩けるうちに叩けという意味で。

 刃牙は、勇次郎の域にたっしたのだろうか?
 ピクルがビビりながら倒したジャックを口先で泣かす。
 これで、俺とピクルは互角(タメ)だ。
 いちおう刃牙のベクトルはピクル攻略にむいているらしい。

 実のところ、ピクルの行動が本当に食料保存とはかぎらんのですよ。
 立派な勇者を表彰しているだけかもしれん。
 そもそも、モズの早贄ってなんでやっているのかワカらないのだ。

 人類がチンパンジーとの共通祖先から枝分かれしたごく初期に持っていた特長は「直立二足歩行」と「犬歯の縮小」だ。(人類進化の700万年
 そして、霊長類の歯と前足の形状は主食に適応するという仮説がある。(親指はなぜ太いのか
 死肉あさりをしていた人類祖先は、食料を見つけると前足で木の上に持ちかえり、牙がなくなり自由に動くようになったアゴでゴリゴリ骨ごと食べたのかもしれない。
 そう考えると、ピクルのお持ちかえりは人類祖先と同じ行動だ。

 ただ、ピクルは牙も大きいし、幼年時まで四足歩行をしていたらしい。
 やっぱり、ホモ・サピエンスとはまったく別の生物なのだ。
 ジャックを吊るしたのも、なんか別の意味がありそう。
 天日にさらすことで毒抜きするつもりかもしれないし。
 醗酵させてより美味しくする予定だったとか?
 保存食のつもりなら、腹をすかせたピクルが帰ってみると食料がなくなっていて絶望します。

 その後のピクルは何をしているのだろう?
 刃牙といっしょにいた烈海王の姿も見えない。
 もしかしたら、烈がピクルに餌付けを試みているのだろうか。

 ジャックが敗北してしまった以上、ピクルに勝てる可能性があるのは刃牙と勇次郎だけといってよかろう。
 そろそろ勇次郎が刃牙に説教して奮起をうながす頃合だろうか。
 第三部『範馬刃牙』になってから、刃牙と勇次郎は顔をあわせていない。
 このスレちがいは いつまでつづくのか?


追記 石井慧 × 板垣恵介 対談 (09/3/25)
 北京五輪 柔道金メダルの石井選手と板垣先生の対談があったので簡単に感想など。

 前に日記にも書きましたが、石井選手は熱烈な刃牙ファンでもある。
 UFCデビューに向けて海外修行中の石井選手は、国際電話で刃牙のあらすじを説明してもらっているらしい。

『日本にいる付き人に、画の説明をしてもらいながら、台詞から擬音まで全部読んでもらって…。だいたい、1話の説明で15分くらい掛かりますね。』

 擬音も大事です。
 そこで、バオッっとジャックがアッパーを撃って……なんて感じに説明しているのだろうか。

 石井選手の好きなキャラクターは、ビスケット・オリバだ。
 もともと、モデルのセルジオ・オリバが好きだったのでオリバの登場はうれしかったとか。
 石井選手はJUDO的な戦いに注目がいっているが、肉体強化の質もすごいのだ。
 外国人選手を相手にパワーとスタミナで勝っている。
 その根底に刃牙の要素もあったらしい。
 国士館大の廊下に「技術の中で、一番純粋なのはパワーだ」と書いてあるらしいぞ。


板垣『一日トレーニングしたら、2、3日休むのがウエートトレの基本ですよね?』
石井『(国士館大の)斉藤(仁)先生の言葉を借りれば、「それは一般人の考え方。俺たちは武道家なんだから」です。』

 前に書いた、アンディ・フグの名言みたいだ。
「俺達はファイターだから、毎日練習している」「痛い所でも、できる範囲でいいから、動かさなきゃダメなんだ。毎日練習しているんだから、その方が早く治るんだ」「今、ここでやれ」(格闘技のおもちゃ箱
 アンディ・フグは青い目のサムライと言われた空手家・K-1選手だ。
 やはり、武道家は常住坐臥が修行なのだろう。

 石井選手が実際に戦ってみたいのは寂海王らしい。
 騙し合いの戦いになる!
 実際に、井上康生選手へ心理戦を仕掛けたことがあるそうだ。

 9月ラスベガスでデビュー予定の石井選手。
 板垣先生も応援に行くと担当を青くさせていた。
 合理的な洋の科学と、歴史のある和の武道を合わせて、石井選手は鍛錬している。
 まだまだ若い石井選手だけに、今後の飛躍が楽しみです!
by とら


2009年3月26日(17号)
第3部 第154話 範馬の系譜 (810回)

 範馬家の推定長男ジャック範馬が敗北したので、反省会だ。
 主賓はもちろん この人"地上最強の生物"・"鬼<オーガ>"などの異名をとる範馬勇次郎です。
 むかえるのは徳川光成である。
 征夷大将軍徳川家康の遺伝子を持つ男と、地上最強の生物が激突だ。

 対談に入るまえに、現状の報告があった。
 ジャックのコトは置いといて……
 ――って、置くのかよ!?
 範馬の系譜につらなる男の敗北は、重大事件だろ。
 もっと重要なことがあるというのか?

 範馬刃牙の話でした。
 ああ、重要ですね。主人公だもの。
 そりゃ、範馬勇次郎もやってきますよ。むしろ自分から押しかける。
 範馬勇次郎は刃牙のことが隠れ大好きなのだ。地上最強の親バカです。
 まずは、刃牙の話をしてもらおうか。

「今はフェアじゃないと――――――」
「待つそうじゃ」
「何日でも―――― 何日でも――――」
その時がくるまで」


 刃牙は座りこむピクルの前で何日も待つ構えだ。
 
 なんで、こんな状況になってるんだ??
 っていうか、「待っててやる」という上から目線の態度はナニごとですか。
 自分が先週の記憶を失ってしまったのかと思ったぞ。

 ピクルは常識外の狂戦士ジャックと戦って、心に深い傷をおったのかもしれない。
 だから、刃牙が傷がいえるのをまつと。
 それならつじつまが合うし、上から目線も説明できる。
 納得できるかどうかは ともかく。

 とりあえず、刃牙は飯も喰わず何日もまっているらしい。
 両者衰弱でダブルノックダウンになったりして。
 ピクルは絶食一ヶ月の記録を持っている。(12巻 90話
 ベストの体重が200kg(142話)と思われるピクルが、130kg(14巻 105話)になるほど過酷な体験だ。
 実に体重の35%が失われている。つまり、70kgも出したんだよな……
 71kgの刃牙は、体重46kgに激減しても戦う覚悟があるのか?


 刃牙とピクルのビミョーな関係はともかく、徳川さんには懸案事項があった。
 というか、勇次郎の反応がにぶいので話をかえたらしい。
 勇次郎さん、口もきいてくれません。
 なんか怒ってない? まあ、いつものことか。

「勝てるかの刃牙は………………?」

 聞いちゃったッ!
 読者の99.9%が疑問に思っていることを口にしたよ。
 いや、勝てないって。
 喰われて死ぬ。あるいは、死んで食われる。
 範馬刃牙、完! だよ。

 烈海王、愚地克巳、ジャック・ハンマーという刃牙世界の三大戦士がピクルに惨敗した。
 徳川さんいわく地球防衛軍最強と云える戦士達じゃ」と。
 地球スケールですよ。火星人が攻めてきたとき、頼れるのは素手のコイツらだ。
 まだ、愚地独歩や花山、渋川先生などもいますけどね。

 烈・克巳・ジャックには、刃牙に勝つ可能性だってある。
 徳川さんはキケンな挑発を勇次郎にしてみるのだった。
 勇次郎の前で刃牙をけなすと怒られるぞ。
 だが、勇次郎はおとなしく北海道産のメフンをたべる。
 地上最強の生物が、ちまちまと箸で食べてますよ。
 なんか、ブキミな光景だ。お宝映像まちがいなし。

「鮭の内臓の塩辛だな」
「好物だ」


 意外とグルメな勇次郎だった。
 闘争以外にも喜びを感じることができたんだ。
 減量中のボクサーみたいに、好きなものを喰わずに我慢する生活とはちがう。
 好きなものを喰って、それでいて勝つ。そのワガママっぷりが最強たるゆえんなのか?

 勇次郎は酒も飲むし、タバコも吸う。(17巻 138話
 奥義・秘伝・ウエイト・スタミナなんかの鍛錬は俺以外の弱者がやれと言った勇次郎だ。(バキ27巻 234話
 食事制限も、俺以外の弱者がやれというコトなんだろうか。

「兎にも――― 角にも―――」
「刃牙は俺の血を引く」
「明らかな範馬の系譜」


 刃牙を他の連中といっしょにするな!
 親バカとしては、譲れない部分らしい。
 思いっきり無視されて、ジャックが涙目だ。

 もちろん徳川さんも、ジャックだって勇次郎の血を引いているとツッコむ。
 だが、勇次郎はジャックを「薄い」と断じる。

「結果を見るなら明らか
 あれは血が薄い」


 因果を逆転させやがった!
 装備と練度が高く指揮官が優秀な軍が強いのではない。勝った軍が強いのだ。
 そんな理屈です。

 だが、刃牙への期待は結果からみちびいているワケではない。
 ジャックに対する評価が不当に低い気がする。

 刃牙の母親・朱沢江珠は勇次郎が自分にふさわしい女として選んだ。
 その点、ジャックはハズミで作っちゃった。
 勇次郎的には自分の選択で作った子のほうが可愛いのだろう。

 勇次郎「俺の……」「子を産め!」G刃牙15巻 128話)
 刃牙「やるよ」「君とセックスをする」バキ13巻 115話
 範馬の系譜は口説きモンクが直接的だ。
 とにかく勇次郎としては厳選して選んだ相手の子だから、刃牙のほうがカワイイのだろう。

「なんとまァ」
「呆れ返った自負心じゃ」


 勇次郎の自我(エゴイズム)は、史上の偉大な指導者や宗教家にも負けない。(G刃牙15巻 132話)
 地震すら拳で止めることができるという誇大妄想的な自信がある。(G刃牙19巻 167話)
 けっして揺るがぬ、最強への自負心。

 そうなると、勇次郎の言う『範馬の系譜』は戦闘一族・範馬という意味では無いのかも。
 勇次郎は過去に自分より強い人間がいたことを認めないだろう。
 また、未来にも出現しないと思っているハズ。
 最強とは、勇次郎に始まり 勇次郎に終わる。
 自分が最強なんだから、自分に近いほうが強いと言う理屈なのだろう。

 レースゲームの『マリオカートWii』(AA)では世界最速の走りをダウンロードして見ることができる。
 最速を目指すには、とりあえず世界チャンプのコース取りを真似るのが近道だ。
 勇次郎のコピーを目指せというのも、同じ理屈だろうか。
 なるべく遺伝子が近く、なるべく同じように修行する。それが最強への近道だ。

 勇次郎はドーピングしていない。だが、ジャックは薬にたよった。
 この時点で、勇次郎のコース取りから外れたことになる。
 強さは上がったかもしれない。しかし、最強からは遠のいている。
 そして、(結果論だが)ジャックの背中に鬼は現れなかった。
 勇次郎が期待する刃牙には背中の鬼が発現している。
 この差を、勇次郎は血の濃さで表現していそうだ。


「ところでオーガよ」
「おぬしは やらんのか」


 炎の男みっちゃん!
 果敢に3ポイントシュートを狙うかのごとく、読者の気持ちを代弁して勇次郎にぶつける。
 勇次郎が応えた。
 床をたたいて、畳返し。
 浮かせた畳を、手刀で縦に斬るッ!

 刃牙とピクルの勝者が、俺と戦う。
 そう言うだけですむのに、意味もなく畳を切ってしまう勇次郎であった。
 でも、親バカ勇次郎の本音は「刃牙を成長させるためピクルとぶつける」だろう。

 水よりも酸素よりも闘争を求める男と言われている勇次郎が断食ならぬ断戦ですよ。
 勇次郎の愛情は、そこまで深い!
 ずっと呼吸を止めているようなものだ。
 たまたま通りかかったムエタイ選手を いじって息継ぎしているのかもしれませんが。
 というか、畳はムエタイ選手のかわりか?

 ついに 刃牙 vs. ピクルを勇次郎が認めた。
 勇次郎が認めるものじゃないと思うけど、言い切られては仕方がない。
 ついに眠れる主人公が目覚める。
 次回、誰が主役が思い知らせてやる編がはじまるッ!(たぶん)


 で、スタートにもどって……
 刃牙はナニをやっているんだろうか。
 ピクルを前にして、リアルシャドーか?
 それって、ピクルに対する放置プレイなのか?
 ピクルがまだ立ち上がらないのは、相手として認識してもらえていないんだろうな。
 烈海王のときは、すぐに立っていたのに。(12巻 93話

 まあ、次回はいやでもピクルを立たせるのだろう。
 一休さんの「とんち」攻撃みたいな感じで。

 たとえば、ジャックに変装した末堂を乱入させるとか。
 末堂はジャックより10cmぐらい小さいのでシークレットシューズを使用する。
 またジャックがきたと思ったピクルは必死になって、引きこもり生活から脱出できるぞ。
 末堂は殴られて重傷になるかもしれないが。

 でも、ピクルがジャック恐怖症になっているのなら、偽装ジャック作戦は傷口を毒手で揉んでもらうような行為だ。
 ピクルがますます引きこもる。
 恐竜時代に帰りたいと泣き出してしまう。

 それとも、ピクルの行為はハンガー・ストライキだったりして。
 自分の保存食(ジャック)を勝手にもっていかれたので怒っている。
 だったら、やっぱりジャックに扮した末堂を……

 なんにしても、刃牙がヤル気をだしたのだ。
 ピクルをのっぴきならない状況に追いこんで試合開始させるだろう。
 はじまりはともかく、最後に勝てばいい。
 劉邦のように99敗しても最後の戦いに勝利すれば、天下を取れる。
 今週の『さよなら絶望先生』で「最終章に入ってから数年がたってしまった漫画」とネタにされても問題なし。
 WBCのイチローみたいに、最後の最後で活躍できればヒーローだ!


追記 (09/4/1)
 とりあえず、範馬勇次郎が刃牙を激励(?)して終わった。
 勇次郎がほめるんじゃ、しょうがないか。
 一日おくれのエイプリルフールみたいなノリで、主人公が大活躍しそうだ。

 ちなみに、来年は4月1日が木曜日でチャンピオンの発売日です。
 なんか、普通に更新しても内容を信じてもらえそうもないな。

 肝心の刃牙は、ピクルをひたすら観察中だ。
「今はフェアじゃない」ので、「待つそうじゃ」「何日でも」「その時がくるまで」。
 鳴くまでまとうホトトギスですね。
 範馬刃牙はみっちゃんに敬意をひょうして徳川戦術でのぞむようだ。
 動かざること豚のごとし。

 で、なんで刃牙はまっているんだろうという話だ。
 掲示板で、通りすがるさんに教えていただいたのですが、
「ピクルが戦いたいと思ってない=テンションが低い」説と
「ピクルは空腹だけど俺は満腹だから俺も飢える」説が
 流れているそうです。

・ピクルが戦いたいと思ってない=テンションが低い
 向かってくる敵だけを食すヤツなので、攻撃する意思を見せれば戦いそうだ。
 この説の場合、ヤる気のないピクルだけが問題ではない。
 ピクルの闘志を呼びおこせない刃牙にも問題がある。
 今の刃牙はシベリアトラ以下ですね。

・ピクルは空腹だけど俺は満腹だから俺も飢える
 これはある種、画期的な手段です。
 姫川が腕を負傷しているから、俺も自分の腕折っちゃうという狂気を実行した藤巻並だ。(餓狼伝22巻 203話
 藤巻の場合は時間が無かったから、互角になるため腕を折るしかなかった。

 だが、刃牙には時間がある。
 またシベリアトラを喰わせるとか、肉満載のトラックをぶつけるとかして満腹にしてやればいい。
 あえて自分にダメージの大きくなる手段を選ぶあたり、すごいマゾ性をもっている。
 なんか、意図的に自分を喰わせて恍惚となりそうだ。

 こうなったら、複合技だ。
 ピクルが戦いたいと思っていない。
 でも、刃牙にはその気にさせる実力がない。
 だから、ピクルを弱らせて、自分も弱ることでフェアになって戦うぜ!
 ピクルも飢え死に寸前になれば、俺の相手をしてくれるハズ。

 ……どんな主人公だよ。
by とら


2009年4月2日(18号)
第3部 第155話 醒悟(せいご) (811回)

 主人公・範馬刃牙は明日になればやる漢(おとこ)である。
 今日も座りつづけ、明日をまつ。
 明日になれば、明日の明日がある。

『待たせたな…… やっとおれの出番だ!!』

 表紙のアオリ文句がほとばしるぜッ!
 ……出番ない自覚、あったんだ。
 自虐ギャグに走りやがった。
 ピクルが出てきてから、刃牙の出番が極端に減ってしまった。
 活躍の場をうばわれた怒りをこめて、刃牙がピクルに復讐する。明日からッ!

 そんなワケで、刃牙はピクルの前に座り込んで持久戦のかまえだ。
 やっぱり、今日は戦わないらしい。
 一見おだやかな表情だが、内心では闘争心がうずまいている。

(俺以外の誰かがピクルと闘うことに―― 我慢したくない)

 今度こそ自分を中心にまわしてやるという強い決意だ。
 我慢せず、今すぐ戦えばいいのに。
 現在の刃牙くんはナニを考えているのだろう。
 自分は闘わないけど、他人が闘おうとするとジャマしたい。
 ここにピクルへの挑戦者が入ってきたら、どうするんでしょ。

 多分、こんな感じだ。
「刃牙、君が戦わないんなら、私とピクルが戦うところを見学していたまえ」
「いや、戦うから、オレ。すごいやる気だよ。今すぐ、明日にでも戦うから」
「私は今日、この場で、ピクルと戦いたいんだ」
「いーや、オレが明日戦う。いままでズッと待っていたんだから、最初に戦う権利はオレにある」
「ならば、今すぐ君が戦いたまえ」
「あー、やる気無くした。本当は5分後に戦うつもりだったんだけど、今の一言でやる気無くした。もう、今日は寝る。戦うのは明日」
「ならば、私が戦う」
「ハァ? ナニ言ってんの? オレが明日戦うっていったでしょ。聞いてなかったの?」
 そして、上にもどる。

 こんな感じでグダグダな会話がひたすら続きそうだ。
 梢江とSEXするときに見せたムダな積極性はどうしたんだろ。バキSAGA 感想
 精液といっしょに、ティッシュにくるんで捨てたんだろうか。

(………………馬鹿野郎………………)
(だからダメなんだ………)


 ば、刃牙が自分ツッコミしたァ!
 自分で自分にダメだしだよ。
 反省した。 反省したのか? オイ。
 範馬刃牙、覚醒のきざしだ!
 今日はエイプリルフールじゃないよね?

 明日やるじゃダメなんだ。今日やらないと。
 チャンピオンの感想は木曜のうちに!
 あ、ちなみに私は27時ぐらいまで日付が変わらない自分ルールを適用していますんで、ご容赦ください。

(先んじる――――ではなく
 最初(はな)っから居りゃーいい!!!)


 動かない!
 範馬刃牙、動かず。
 不動の範馬刃牙だ。
 風林火山でいえば、ひたすら林山の二択で攻める。いや、攻めない。

 果報は寝て待て作戦だ。
 刃牙はなにを待つというのだろう。
 いきなり「明日やる」精神にもどったから、1ページ飛ばしてしまったかと思ったよ。

 いちおう刃牙は時をまっているらしい。
『指導者には、三つのタイプがある。何かを起こす人、何かが起きるのを見ている人、何かが起きると驚く人である』(名将たちの戦争学
 驚愕する人であった刃牙が、見ている人になった。
 いちおう進歩しているんだろうか。
 汗ダラ状態にならなくなっただけマシだ。

 とりあえず、時がくるまでは のんびりする覚悟だ。
 同じ空気を吸い、ともに眠る。
 まるで、つきあって何年もたち新しい発見がなにもなくなった恋人のようにダラっと。
 今日なに喰う?  いつものとこで いいんじゃない?
 ぐらいのダラけぶりを期待しているようだ。

(そーだよ……ッッ)
(喰うんだよピクル(こいつ)は…ッッ
 腹が減ったら俺をッッ)


 刃牙に電撃走る!
 汗ダラ状態で驚愕した。
 なんという、ゆとり。
 忘れていた。倦怠期なムードに流されていたが、敗者には過酷な罰ゲームが待っている。
 刃牙は自分が喰われるかもしれないという可能性を思いだした。
 むしろ、イチバン重要なことを忘れられる刃牙の脳に驚愕したよ。

 ふたたび驚愕する人に転職した刃牙は、さっそく汗をながす。
 喰われると思うと、ピクルが視線をこっちに向けている気がする。
 なんか、狙われている!?
 ルックスもイケメンだ。
 範馬刃牙(18)、なにをいまさらだけど、大ピンチです。


 そのころ地下闘技場の主催者・徳川光成とノーベル賞戦士(化学)ペイン博士は、食事をしていた。
 二人とも高齢だと思うのだが、肉喰っています。ステーキだ。
 ヘルシーな和食にしたほうが、良くないか。
 やっぱり、戦闘大好きな人たちは肉を喰わずにいられないのだろう。

 二人は普通に食事をする。
 だが、ピクルは自分がしとめた獲物しか食べない。
 しかも、向かってくる相手としか闘わないのだ。
 ピクルは強すぎるため、ライオンすら尻尾をまいてにげだす。(12巻 90話
 獲物を狩ることのできないピクルは食糧難に苦しむ。
 だから、刃牙が泣きながら逃げだせば、襲われないぞ。

 ゆゆしきピクルの食料問題だが、ペイン博士は解決策をあみだしていた。
 だが、すぐに答えを言わない。
「じらすのォ…」
 みっちゃんだって、はやく言って欲しいのだ。

 答えは、T-レックスッ!
 ピクルといっしょに発見された恐竜だ。(外伝ピクル 1話
 あれはピクルがしとめた獲物だから、喰う。
 過去に恐竜の肉を喰った実績もある。(外伝ピクル 2話

 重要文化財ではあるが、ピクルを生かすためだ。
 しかも、あのT-レックスはピクルがしとめた。
 肉を本人に返すときがきたのだ。
 恐竜を持ちださなくても、肉屋のトラックをぶつければすむ話という気もしますが。(14話 106話
 というワケで、オペレーション・ミートが発動されるのだった。


 肉を運ぶのは、外伝ピクルで大活躍したアレン君たち二人だ。
 ティラノサウルスの肉を40kgもってきた。
 だが、うかつに近づいては危ない。
 かつてピクルに襲われかけたアレンはキケン度を知っている。
 距離100メートルの地点に肉を置き、さっていく。

 アレンは、かつてティラノサウルスの肉をこっそり喰ったことがある。(外伝ピクル 1話
 今回も、またチョロまかしたんじゃないだろうな。
「殺されちゃいますよ見つかったら」
 刃牙よりも危機感をもっているようだし、危ない橋はわたらないか。
 肉をパクったため、いまだピクルに恨まれているという自覚があるらしいアレンだった。

 肉を見つけたピクルは闘技場に運んでくる。
 そして、喰う。
 自分がしとめた肉だとわかるらしい。
 微妙なニオイの差があるのだろうか。

 ピクルは覇気のない刃牙にも肉をわけてあげる。
 生で砂もついている肉だが、すすめられるまま刃牙は食す。
 貴重なティラノサウルスの肉だ。
 同じ重さの金よりも貴重である。

「マジ イケる」
「何の肉?」


 『みつどもえ』(AA)の みつばなみに食す刃牙であった。
 やはり、格闘士(グラップラー)な人だけに肉には目がない。
 昔、クマの刺身を食べた経験があるので生肉への抵抗は少ないのだろう。(グラップラー刃牙11巻 92話)
 しかし、何の肉か確かめずに喰うのはキケンだろ。
 最近のピクルが喰うのは人肉……

 刃牙はピクルにあわれんでもらったのだろうか?
 肉喰って元気出せや って感じに。
 それとも、対等の関係として認められた?
 刃牙とピクルに友情フラグが立った気がする。
 次回へつづく。


 ピクルのやる気を1mmも引き出せない刃牙であった。
 烈海王は近づいただけピクルを立たせることができたのに。(12巻 93話
 ネアンデルタール人以前の原人時代でもヒトは弱った仲間を助けていたらしい。
 歯が抜けたあとも生きていたと見られる(つまり養われた)化石が出土している。(「人類進化の700万年」「われら以外の人類」)

 刃牙は養うべき弱者とみなされたのだろうか?
 エサですらない。
 刃牙よ、…………肉をうれしそうに喰っている場合じゃないぞ。

 生肉はビタミン類が損なわれていない。
 だから、エスキモーなど野菜が育ちにくい土地の人は、生肉を食べてのりきるそうだ。
 ピクルの時代も生肉だけで、野菜は食べなかったのだろうか。
 ただ、生肉は寄生虫などの危険性がある。
 恐竜時代の巨大サナダムシが体内に住みついちゃったらエラいことですよ。

 この肉は塩漬け保存されていたようなものだから、あまり腐敗していないと考えておきましょう。
 勇次郎の好物はメフン(鮭の内臓の塩辛)で、刃牙はティラノサウルスの塩漬け(ピクルス)なのだ。
 塩漬けされているから、塩味で美味いのだろう。
 適度に熟成されているかもしれないし。
 小説『楊令伝』(AA)で方臘と呉用が食っていた熟成させた生肉は、こんな感じなのだろうか。

 ちなみに方臘ってマニ教の指導者で『喫菜事魔』の異名どおり菜食主義者のハズ。
 やっぱり、宗教を利用しているだけなのだろう。

 刃牙の異母兄ジャック・ハンマーも、ピクルに圧倒された。
 ピクルとジャックの間には、エサと捕食者の超えられない壁がある。
 自分は烈海王や愚地克巳とちがう。そう自負していたであろうジャックだけに、同列に扱われて無念だろう。
 ジャックですら、ピクルから見ればエサでしかないのだ。
 なのに刃牙は戦う気でいる。

 その闘争心はすごい。
 行動がともなっていないのが、ちょっとアレだけど、やる気だ。
 勝てるとか勝てないとかぬきにして勇次郎に勝負を挑むといってた時代の精神テンションだ。(バキ27巻 240話
 それとも、刃牙には勝つ見込みがあるのだろうか?
 なんか、しあわせ脳になっちゃったから、楽観的に考えすぎている気もします。
 マルチ商法をさそったら、あっさり引っかかりそうだな。

 来週19号と再来週20号の範馬刃牙はお休みで、21+22号は刃牙三倍祭りらしい。
 つまり、一挙二本掲載してオマケも一本と言うところだろう。
 疵面(スカーフェイス)は秋に連載再開なので、まだ登場しないと思われる。
 もしや、『バキ外伝 GaiA(ガイア)』のつづきか?

 今回のタイトル『醒悟(せいご)』とは、『迷いからさめて、悟ること』だ。(Yahoo!辞書
 どんな迷いからさめたんだろ。
 刃牙は戦士、……さもなくばエサ。そう考えていた時期が俺にもありました。
 悟ったけど、ピクルにとって刃牙は弱者だ。
 こうなったら、刃牙よ認識を裏返せ! 梢江で荒治療すべし。
by とら


2009年4月9日(19号)
ジャック・ハンマー VS. ピクル まとめ

 今週は『範馬刃牙』がお休みなので、ジャック・ハンマー VS. ピクル まとめをしてみる。
 だいたい30話ぐらいで、まとめをしている計算になる。
 今までの、まとめは以下のとおり。

範馬親子編、純ゲバル編(1話〜35話)
純ゲバル編2、オリバ編(36話〜79話)
ピクル編(烈海王 VS. ピクル)まで
ピクル編(愚地克巳 VS. ピクル)まで

 今回は17話分であまり話数が進んでいない。
 ジャック編はけっこう短かったのだ。
 まあ、修行したりしなかったもんな。


ピクル争奪戦 第四章 ジャック・ハンマー VS. ピクル
 サブタイトル  内容
 139話 Like an Ogre 刃牙は明日ピクルと戦うと宣言し、ジャックは今ピクルに戦いをいどむ
 140話 歯VS牙 ジャックは、ピクルとのチキチキ!ガチンコ噛み合い勝負を希望する
 141話 咬む(バイティング) ジャックとピクルは超ディープに噛み合う。ジャックの顔が食われた!
 142話 最強打撃(ベストパンチ) ピクルの強い首には打撃が通用しない。ならば、マックシング!
 143話 実感 ジャックが反撃開始。そして、刃牙は反省開始だ!
 144話 この闘いとは―― ジャックはピクルを攻めて、耳を食いちぎる
 145話 柔軟性 耳の恨みをはらす! 本気になったピクルになぜか打撃が当たらなくなった
 146話 反射神経 ピクルの超スピードで、ジャックの打撃が当たらない
 147話 神頼み ピクルは徹底的にジャックのアゴを破壊した
 148話 憧憬 ジャックが喰われる!? だが、なぜかピクルは喰わずに帰る
 149話 蜂の一刺し 意識を失いながらもジャックは反撃できる状態だったのだ
 150話 人の一刺し 病院で目覚めたジャックはふたたびピクルに勝負をいどむ。先生、予定とちがう
 151話 点火 ゾンビ・ジャックにピクルはビビって逃げだす。でも、反撃だ。
 152話 自らの欲せしモノ ジャックはあっさり倒され、生涯2度目の"日に2度の敗北"となった
 153話 早贄(はやにえ) ピクルから見たら、ジャックも戦士ではなく餌だ。刃牙が言葉でトドメをさす 

 ピクルに勝負を挑んだ三人目の戦士は、噛みつきファイター ジャック・ハンマーだ。
 範馬の血を引く優良戦士です。
 だが、ジャックですら、ピクルの相手にならなかった。
 ちょっと かたい エサ ぐらいの扱いだ。

 そして、刃牙が変な覚醒をしてしまう。
 今日はやらない。明日やる!
 いや、男前の顔でそんなコト言われても……
 それとも、ギャップを楽しむギャグなのか?

 それでも、ジャック・ハンマー VS. ピクル編の最初と最後は刃牙が登場している。
 刃牙にはじまり刃牙に終わるあたり、さすが主人公だ。
 しょせんジャックなど、範馬一族では最弱の男…… と刃牙は余裕ぶっこいているに違いない。


ピクル争奪戦 幕間 食事
 サブタイトル  内容
 154話 範馬の系譜 勇次郎は刃牙とピクルの勝負を見守るつもりだ
 155話 醒悟(せいご)  ティラノサウルスの肉を喰わせることで食糧問題は解決だ。刃牙にも御馳走する   

 範馬親子が食べる話が二話つづく。
 とりあえず、刃牙に闘う気がないらしいとわかった。
 いや、ヤル気はあるのか?

 このまま闘っても刃牙がピクルに勝てるとは思えない。
 なにも考えずに行動することには定評のある刃牙だが、本気でどーすんだろ。
 ティラノサウルスの肉を喰ったコトで劇的にパワーアップするのだろうか?
 とりあえず、肉をもらうのではなく、体の肉を狙われるような立場を目指そうや。
by とら


2009年4月16日(20号)
刃牙はお休みです

 今週はお休み。そして、来週は刃牙三本立てだ。
 配分ペースがおかしいぞ。
 原稿がギリギリ締め切りオーバーしてしまい、せっかくだから二話同時掲載にしたんじゃ無いだろうな。
 刃牙のない木曜日はさびしい。
 あ、今日さびしいのは、主に『ストライプブルー』が最終回だからなんだけど。

 で、来週の刃牙なんですが、三本立て最後の一本は『烈海王』でございます。
『烈海王 知られざる秘話!』
 説明不要!
 いや、ちゃんと説明してよ。
 オールカラーということ以外はなんの情報もありません。
 ヤる気あるのか、無いのか、どっちだ?

 そして、ゴールデンウィークでチャンピオンが休みになったら、恒例の刃牙増刊号が代打で登場する。
『バキ総集編 烈海王特集』
 あれだ、MSKさんとかが血尿流して喜びそうな感じですよ。
 刺又(さすまた)モーニングスターを合体させたオリジナル兵器を作って暴れまわりそうな勢いで。
 玉が二個だから攻撃力二倍ッ!
 いや、なんか違うか?

 とにかく烈ファン感涙の別冊が出るらしい。
 『バキ』ってことは、死刑囚編と大擂台賽編がメインなのだろうか?
  防犯用不審人物防御棒 サスマタ こない手U型
刺又


モーニングスター シルバー
モーニングスター

 戦いだけではなく、ツンデレヒロインから料理師まで幅広く活躍できると言われる烈海王だ。
 こっそり三国志に登場しても違和感ない。
『烈海王にたすけられた劉備は、感謝の意をこめ、自分を昭烈皇帝と名づけるよう命じた』
 歴史的捏造もバッチリだ。

 まあ、外伝・烈となると謎の転校生として入学してくるかもしれない。
「〜〜〜〜ッッ! これでは転校初日から遅刻してしまう」
 転校生・烈海王は急ぐあまり、周囲をよく見ないで街角を曲がる。
 もちろん、朝食の饅頭はくわえたままだ。
「噴ッ破ッ!」 ドン!
 曲がったところでぶつかった少年・範馬刃牙を吹っ飛ばしてしまった。
「すまない、おもわず全力で突き飛ばしてしまった。
 血! ……耳からッッ!?」

「今日は大切な転校初日。だが、この者を病院へ届けなければッッ
 病院まで直進すれば、問題無いッ!」
 烈は刃牙を背負って病院へ急ぐ。
「河!?」
「問題はない!! 15メートルまでなら!!!」
「ッッ! 16メートルあった!?」

 転校初日でズブ濡れになってしまう烈海王。
 地下闘技場学園へたどりつけるのか!?
 次回へつづく。


 う〜む、やはり烈の場合は料理漫画のほうが似合うだろうか?
 せっかく料理を作って刃牙の帰りを待っている(と予想)のに、刃牙は料理とは無縁の生肉を喰って満足している。
 烈海王の料理にも機会を与えてあげて欲しい。


追記 (09/4/22)
 来週は刃牙外伝(?) 烈海王も掲載予定ですよ。
 そんなワケで、ちょっと予想してみる。

 香港時代の烈が蛮勇をふるう話だろうか。
 すごい些細なことでも烈火のごとく怒る烈海王伝説だ。

(1) マクドナルドで、どれを買うか悩んでいるときに「お決まりでしょうか?」と聞かれて、激怒する。
「貴様は客をせかしたッ!」

(2) トイレの小をするとき、横に立った男が烈の股間のほうを見たあとちょっと笑った。
「貴様は私を嘗めたッ!」
 ワンインチ・パンチならぬワンインチ・チン……(略

(3) 「烈老師って意外と(背が)小さいんですね」
「貴様は私を嘗めたッ!」


 逆に、こんな烈海王はイヤだというのも考えてみる。
(1) イメチェンをはかって、美白に挑戦する。
(2) 三つ編みを二本にしてパワーアップを狙ってみる。
(3) 紅葉にたのみこんで、ジャックと同じ骨延長手術をやってもらう。バランスが悪くなりすぎて、失敗。

 やっぱり、地下闘技場学園しかないのだろうか。
「3年の加藤ってんだけど、生意気な一年生ってのはオメーか?」
「私は四千年だ!」
「ッッ!?」(こいつ、言っていることは馬鹿まるだしなのに、迫力があるから反論しにくいッッッ)
 会話にならないのが烈海王クオリティー。

 ところで肝心の本編主人公・範馬刃牙は元気にしているんでしょうか?
 二本立ての話だけど、刃牙が戦わない確率はけっこう高そうだ。
 戦闘にならないのが範馬刃牙クオリティー。
by とら


2009年4月23日(21+22号)
第3部 第156話 超雄同士… (812回)

 今日のチャンピオンは刃牙3倍祭りだ。
 赤い彗星っぽいイキオイで爆走するぜ。
 つうか、2週休んで3本描くなら休まず1本ずつ描いて欲しかった。
 読者に対する冷たい仕打ち、新手のツンデレかッ!?

 袋とじの烈は後回しにして、まずは二本立ての本編をチェックするぜ。
 最初の表紙は範馬勇次郎だッ!
 顔がデカ写しすぎて、最初だれなのかワカらんかった。
 一瞬、加藤かと思ったけど、加藤はありえないな。

『迫る! 惑星(ちきゅう)史上最強決定戦!!!
 …………ってッ
 いつまでかかってんだ!!!』


 勇次郎にツッコまれたッ!
 なんという自爆的発言だ。
 それ、言ってよかったんだ。

 鎬昂昇クラスが言ったなら、
「ヤロウ…… タブー中のタブーに触れやがった……」
 と、本部に心配されるところだ。
 しかし、勇次郎であればどんな爆弾発言でも許される。

 ならば よし!
 作中世界の視点でも、刃牙のヤル気に問題を感じていたようだ。
 そりゃ、感じるよな。
 野球でいえばエースピッチャーがいろいろ理由をつけて、まったく試合に出ない状態だ。
 頼むから、試合をしてくれ。


 だが、勇次郎の言葉は届かない。
 刃牙とピクルは平和的にメシを喰って、ごろんと寝転がる。
 ……オマエら、牛になっちゃえ。

(満腹になったピクルってさ………………)
(闘争(たたか)うの!!?)


 とりあえず満腹になった刃牙は、けっこう重要なことに気がついた。
 満ちたりたらピクルは戦わないんじゃないの?
 刃牙も肉を喰うことに夢中だったので、気がつかなかったらしい。
 アンタ、どこまで肉が好きなんだよ。
 やっぱり、根本的な問題はピクルではなく、刃牙のヤル気にあると思う。

 徳川光成氏と会食中のペイン博士も「満腹ピクルは闘わないよ」派だ。
 ピクルが本能に忠実であれば、ムリに狩をする必要はない。
 飼育される動物が、狩のしかたを忘れてしまうように。
 ……なんか、刃牙のことみたいだな。
 刃牙はナニに養われているんだ?

 さらに、ペイン博士にはティラノサウルスの肉を培養する計画があるらしい。
 ……でも、培養された肉だとピクルが狩った肉じゃないよね。
 他の肉を混ぜて偽装肉にしているのと、あまり変わらない気が。
 それとも、ピクルが狩ったことのある恐竜の肉を増やしたコトが重要なんだろうか。
 素直にトラックアタックでいいと思うんですけど。(14巻 106話

 ペイン博士の計算ではティラノサウルスの肉はピクルの食事2年分だ。
 塩漬けティラノサウルスはおそらく15トンある。(16巻 129話
 それが730日分だから、一日20.5kgのペースで食べるとの予想だ。
 食いすぎだよ、ピクル……

 とにかく、食欲を満たしてやるので、もう戦闘にならない。
 そう考えているノーベル化学賞戦士がペイン博士です。
 ――――ッだが、それは学者の考えにすぎない。
 花山薫が断言する。

 場面はかわって花山組の事務所だ。
 花山とみっちゃんがワイルドターキーを楽しむ会を開催している。
 みっちゃんは、精力的に飲み食いしますね。
 よほど強靭な内臓をもっているのだろう。……これが徳川の血か?
 いっぽうの花山は、外伝の新刊も五月発売予定で絶好調だ。
 ……また、連載が止まっていますけど。ときには、そう言うこともあるよね。

「学者さんですから…ペイン氏は」
「そういう発想もいたしかたないでしょう」


 ――――ッ!
 花山の口調がすごく丁寧だ。
 武士の棟梁=徳川家康の子孫である徳川さんに敬意をひょうしているのだろうか?
 花山はひとつの台詞がスゴく短い印象があった。
 こんな長台詞しゃべれたんだ。

 刃牙世界では、科学者の見識など加藤の助太刀ほどに役に立たない。
 紅葉の忠告なんて、ネタのための前フリですよ。
 裏返ったり、マックシングするのが、格闘士の常識だ。

 まあ、科学者の言葉は仮説に仮説を積み重ねる砂上の楼閣みたいな部分がある。
 カール・ポパーいわく「科学は、常に反証できるものである」竹内薫99.9%は仮説」)
 つまり、科学の法則はいずれくつがえってしまう可能性を秘めている。
 けっして、くつがえらない真理は科学ではない。
 科学じゃなくて、宗教とかですな。

 格闘士の心のもちようは、ある意味宗教的だ。
 肉体の実力差を埋めて、さらに超えることが可能な精神力が認められている。
 そういう世界では、満腹でも戦うのだろう。

 花山はピクルと触れた経験がある。(14巻 110話
 だから、ピクルのことも少し理解できるようだ。
 満腹というだけで満たされる雄ではない。

 花山がピクルと戦ったことをみっちゃんは知らなかったようだ。
 みっちゃんにしてみたら、痛恨の情報漏れだろう。
 正直、刃牙vs.ピクルよりも面白いかもしれない。
 なにしろ刃牙は戦わないから。

「喰っても喰わんでも――――――」
「比べっこが大好きってことです」


 戦士の根っこにあるのは「俺はお前より強い」という思いだ。
 どんなに満腹でも、お前より強いと証明できないなら満たされない。
 貧しい生活でも、誇れるものがあるのなら満足だ。
 梢江に「強いんだ星人」と言われた男たちには、負けず嫌いな少年心が消えずに燃えている。(バキ29巻 257話

 楽なエモノをねらわず、最強の敵をもとめる。
 意地をはって、襲ってくる敵しか喰わない。
 そんな自然への反逆児ピクルも「強いんだ星人」だ。

「サイコーの漢(おとこ)と サイコーの女が」
「同じ部屋にいるようなもの」


 は、は、は、花山さん。なんで そんなSAGAっぽいたとえにッッッ!?
 食欲を満たされたピクルは、性欲に走るとでも言うのか。
 そして、刃牙なら受けて立つとでも。
 たしかに刃牙は予想を裏切ることが大好きだし、やりかねない。

 まあ、ちょっとしたマチガイで戦いがはじまる可能性はあるだろう。
 世の戦争・紛争だってきっかけは些細なことが多いし。
 そして、範馬刃牙は余計なことをする天才でもあるのだ。
 おとなしく座っていることなど刃牙には不可能ッ
 だから、電車通学・通勤も不可能ッ
 走って電車を追いこす。SAGAの時やってた。

 そして、刃牙がよけいなチョッカイを出す。
 思いついた挑発を実行したのだ。

「その柔らかなアプローチは深く――――」
「前例がないほどピクルを深く傷付けた」


 ピクル大激怒ッ!
 オリバのときも同じだったけど、刃牙って人を怒らせて試合開始にさせる天才だ。(9巻 64話
 いったい、刃牙はナニをやったのか?
 ピクルの股間にソフトタッチっぽく見えるんだけど…………
 とにかく、答えはこの直後にッ!


2009年4月23日(21+22号)
第3部 第157話 食べる為ではなく… (813回)

 刃牙は、ピクルを優しくさわった。まるで愛撫のように。
 そういえば、ジャックも優しく扱われて傷ついた。(153話
 ジャックが受けた屈辱をピクルに返すような行為だ。
 兄のカタキは、弟がとるぜ!

 つまり、ピクルが激怒するような屈辱があったと、ジャックに教えてあげたんですね。
 親切というか、よけいなお世話というか。
 すべったギャグの解説をしてくれるような行為だ。
 刃牙の基本はマゾだが、ときどき裏返ってサドになる。
 それも、超S級ドSだ! Sが多くて、ワカりにくい。

 いつものパターンで、関節技の攻防なみにネチっこい解説がはじまる。
 1994年の第3回UFCでホイス・グレイシーがキモに苦戦した話だ。
 ちなみに、木茂山(きもやま)のダンナではありません。(グラップラー刃牙19巻 162話)
 真剣勝負で梶原に負けたキムでもない。(餓狼伝1巻 5話)

 キモは当時最強と恐れられていたグレーシー柔術を相手に善戦する。
 試合には負けたが、実質引き分けといっていいダメージを与えた。
 その秘密はなにか?

「奴は俺の頬を叩いたのだ」
「軽く値踏みするように軽くなッッ」


 以上、説明終わりッ!
 わかりにくいッッ! 否、ワカらんッッッ!
 スペック編のラスト「射精していたんだよ わたしは!」なみのワカりにくさだ。(バキ5巻 40話
 イントロクイズじゃないんだから、最後まで言ってくれよ。

 侮辱されて怒ったから強くなれたんだよという、少年漫画的な理論なのだろうか。
 てめーは おれを怒らせた?
 こういう理論は科学的じゃない。信仰にもにた精神論の世界だ。
 思いが強ければ、岩をも砕ける。
 気合を入れると攻撃力はあがるんです。
 迫力を出せば説得力もあがるんですよ。


「理解(わか)ってくれたんだな……」
「俺が君を侮辱したこと……………」


 刃牙の行為は偶然ではなく狙ったモノだった。
 オマエに屈辱を与えてやる!
 人の嫌がることをするのが、すごく得意だ。
 実兄を、言葉だけで慟哭させることが できる男です。

 就職活動で「特技はありますか?」と聞かれたら「嫌がらせです」と答えられるぐらい得意ですよ。
 じゃあ、ちょっとやってみてと面接官に言われて、優しいボディータッチ。
 「嫌がらせが上手いのはワカった。だが、オマエの顔は二度と見たくない」と言われそうだ。
 就職活動には向かないが、稀有な才能ですよ。
 外交官になれば好きな国と戦争ができるようになる。

 刃牙にたっぷり屈辱を受けたピクルは、食欲ではなく誇りのために戦うのだ。
 花山はこの展開を予想していたのだろうか? 最近の刃牙は本当にむかつくのかもしれない。
 30分以上おなじ部屋にいると、殴りたくなる!
 アニメ一本分ぐらいの時間しかもちません。
 『けいおん!』を見終わったころには、部屋でK-1やっているような状態だ。

 そして、ピクルが怒って襲いかかるのは計算どおり。
 ニヤリと笑った刃牙がドロップキック → ハイキックのコンビネーションでピクルを沈める。
 ジャックの攻撃が通用しなかったのに、刃牙なら効くのか?
 ハーレム漫画の主人公が理不尽なまでにモテるように、刃牙も理不尽なまでに強い。
 これが主役の実力か!?

 だが、ピクルはこの程度では終わらない。
 ……ハズだ。
 このダウンは開始のゴングにすぎない。
 次回、本格激闘のはじまりだ!


 その時が来るまで待つといいながら、待ちきれなくなったらしい。
 これで何かが起きると驚く人から、何かを起こす人になったワケだ。
 人に迷惑をかけずにいられない巨凶・範馬の血が活性化しすぎている。
 今の刃牙は一日100件の迷惑メールよりも うざい。

 掲示板でZさんが書いた感想が次のものだ。
  『刃牙がブツブツ五月蝿いから「コレ喰って早く帰れ」という意味で肉を渡したのかと思いました
 思わず納得してしまった。スゲー、ありそう。
 刃牙は、いるだけでウザかったもん。

 同人誌即売会でいえば、
「俺以外の誰かが新刊を買うことに―― 我慢したくない」
「先んじる――――ではなく 最初(はな)っから居りゃーいい!!!」 開始前から座り込み(マナー違反です)
「なんか………エロいじゃんこれ」「マジ イケる」「何のネタ?」
 想像するだけでウザい。
 270円やるから帰れ。(今週のチャンピオン代)

 ピクルが満腹になっている瞬間を狙って喧嘩をうる。
 これなら、負けても喰われない。
 きっちり予防線をはるあたり、狡猾だ。
 退路を確保したうえで突撃するところが戦闘巧者たるゆえんだろう。
 烈や克巳、ジャックとは ちがうんです。

 しかし、なんの修行もパワーアップもしていないのに、ピクルに勝てる気なんだろうか?
 用心深い刃牙のことだ。
 なにかキケンな物を隠しているのかもしれない。
 たとえば、食欲の次にくる欲……
 混沌の魔女・松本梢江の入場だァ――――!


追記 (09/5/6)
 やっと刃牙vs.ピクルがはじまろうとしている。
 範馬刃牙は相手をイラっとさせる天才ですね。
 優しくタッチがあれほどピクルをいらだたせるとは。
 梢江が刃牙と別れた(ような気がする)のも、刃牙にやさしくタッチされたのが原因かもしれない。

 だが、ピクルがあれほど怒るのは、優しいだけではないのかもしれない。
 優しいだけなら、バファリンの半分だって優しさでできていますよ。

・仮説1 ぬるぬるしていた
 刃牙世界の住民は多汗な人が多い。刃牙もまた汗かきだ。
 で、手のひらが ぬるぬるしていた。
 もしくは、直前に股間をいじって ぬる度をアップさせている。
 これはキモい。激怒します。

・仮説2 臭かった
 ぬるぬる に近いですが、臭い。
 体臭ってのは、皮膚の雑菌がだす老廃物が原因で臭くなる。
 現代人と古代人では雑菌の種類が違う。
 見たこと無いけど、違うハズ。

 なれないニオイは特別臭い。
 ピクルにとって、いますぐ帰れと言いたい気分の臭さだろう。
 まあ、いまさら現代と古代の差をいっても仕方がないんですけど。


 どちらにしても、刃牙に優しくタッチされたらムカツキそうだよな。
 殴りかかっても、3秒でジャガッタされるんだろうけど。
by とら


2009年4月23日(21+22号)
第3部 Extra Round 烈海王

 花山の次は私だ……
 刃牙シリーズ外伝に参戦したいッ!
 烈海王が主張している。
 ガングロ・マッチョ・ミツアミの三拍子がそろった実力者が烈海王だ。

 そんな烈は夜の繁華街を歩いている。
 なぜ、こんな場所を歩いているのだろうか。
 烈には似合わない場所だ。
 ……迷子か?

 場ちがいな人間は烈だけではなかった。
 なぜか小学生がいる。
 その横には教師もいた。
 道行く人たちは、だれも二人を気にしていないようだ。
 だが、烈だけは立ち止まって、ガン見している。
 なにやってんですか、烈さん。

「探したぞォ 潤一ィッッ」
「イジメに屈してどーするッッ」
「勉強で見返してやれッッ」
「ペンは剣より強しッッ」


 教師の言葉はちょっとむなしい。
 たしかにペンは剣より強しというけど、世の中理屈どおりにいかない。
 努力すれば報われるという保障なんてないのだ。
 いくらガンバっても人間は水の上を歩けない。
 そう考えていた少年が潤一くんでした。(予想)

 そこに女性の悲鳴がッ!
 まさか、烈が公然わいせつをやってしまったのか?
 警察だけはカンベンしてください。
 まちがいなく銃刀法違反だし、薬膳料理の材料として法に触れるモノを持っていそうだ。
 スネが傷だらけの烈海王であった。

「悪く思うな」
「花山の大将に言われたんだ…………」
「アンタの命(たま)取ったら"杯をやる"って」


 ボウズ頭のチンピラがあらわれたッ!
 匕首を烈に向けている。
 なんか花山がムチャなことを言ったらしい。
 それだけ烈の強さを信用しているのだろう。

 たしかに烈は強かった。
 人間の出せる限界の強さを持っているといっていいだろう。
 だが、今の烈は片足を失い戦闘力が落ちている。
 烈といえども、不意打ちされたらヤバかろう。
 けしかけて大丈夫なんだろうか。

「わたしはかまわん」
「花山氏がそういうのならッッ」


 烈がほえたッ!
 この蛮勇っぷりが烈海王だ。
 いかなるプレイも受けてたつ。
 全裸勝負を挑まれても、即座に受けるだろう。

 潤一のもつペンを烈はかってに借りた。
 おまえの物は俺の物。俺の物は俺の物。日本の有名な蛮勇者がいっていた言葉だ。
 烈海王も俺さま主義で行くらしい。
 勝手に借りたペンを構える。
 ただのペンも、烈が持てば「百兵之王」と呼ばれる槍にも匹敵しよう。

 チンピラ坊主は匕首を振りかぶる。
 おおげさでスキの多い動き。
 素人めッ!

 烈は振り落とされる男の手をペンで迎撃する。
 おそらく点穴(てんけつ)を突いて、マヒさせたのだろう。
 男の手からいつの間にか匕首が消えている。
 そして、眉間に一撃!
 足払いをして、ノドへ押しこむ。
 烈海王の完全勝利だ。

 流れるような連続技だった。
 ペンで攻撃する必要なかったけど。
 烈はしょぼくれる少年にペンが強いところを見せたかったのだ。
 ショーウィンドーに飾られたトランペットを見ている少年がいたら、笛でチンピラを殴打するパフォーマンスをみせてくれるに違いない。
 なんと過剰に親切な男なのだろう。

(人間って凄いッッ)

「先生……」
「ペン……て 強いんですね…………」


 スゴい技を見てしまった。
 15メートル以内なら水を歩いて渡れそうな気さえする。
 烈海王の雄姿が火花のように激しくはじけた。
 この感動が潤一少年の人生に大きな影響を与えたのはマチガイない。

 烈は少年に背をむけ去っていくのだった。
 どこへ行くというのだろうか?
 花山のところというのが妥当だ。

 もしかしたら、烈は花山を訪ねに行くところだったのかも。
 だが、迷子になった。
 烈がいつまでもやってこないので、花山は道案内としてチンピラをけしかけたのだろう。
 かなり遅刻しているから花山が怒っていると思い、烈はチンピラ襲撃も受けて立った。
 チンピラの背後に見届け人がいるのかもしれない。
 烈はこれで花山組へ行くことができる。

 ペンは剣より強し。
 洗濯物もすぐに乾きそうな、さわやかな烈風を吹きつけ烈海王は去っていく。
 潤一はこの感動を大事に胸のなかにしまうのだろう。
 人に話しても信じてもらえず「ウソつき」と言われそうだし。
(更新 09/4/24)
by とら


2009年5月7日(23号)
第3部 第158話 矜持(きょうじ) (814回)

 作品タイトルにもなっている主人公・範馬刃牙がついに、ついにッ、ついにッッ、闘うッッッ!
 出陣! 範馬刃牙、出陣! 範馬刃牙、出ッ陣ッ!
 ピクルを侮辱しまくって怒らせて、ケンカを売ることに成功した!
 ただ殴るだけじゃ、ケンカ売っていると思ってもらえないんだろうな。

 恐竜時代からよみがえった原人ピクルと、鬼の子・範馬刃牙が激突だ。
 初見の人はどこから どこまで ギャグなのか判断に苦しむ状況だろう。
 残念、120%本気だ。100%を超えているのは、迫力があるぶん本気に見えるため。
 もしかしたら150%ギャグかもしれないけど。

 歴史的な対決を予感したのか、花山薫と徳川光成が駆けつけた。
 二人よりはやく到着していたのが烈海王である。
 地球史上最強の予備戦となる闘いを見守るのは、この三人だ。
 親バカの範馬勇次郎がこっそり愛息・刃牙の闘いをのぞいているかもしれませんけど。
 ツンデレでもある勇次郎は「未熟者めッ!」と髪を逆立てながら応援するにちがいない。

 烈はいつから闘技場にいたんだろうか?
 最後に烈が登場したのは149話だった。
 ジャックが敗北したので、気を使って距離を置いたのだろうか。
 いっぽう、異母弟である刃牙はジャックに言葉でトドメをさす。(153話
 好意的に考えれば、武士の情けで介錯したというところでしょうか。

 とにかく、烈は姿を消した。
 そして、刃牙はピクルの前に座りこみをはじめる。(155話
 ピクルがヤル気をだすまで待つ作戦だ。
 持久戦で重要なのは補給である。
 水・食料・武器などがつきた側が敗北することが多い。

 刃牙は、ピクルとの持久戦で烈海王という逸材を補給部隊に使ったのだろうか。
 烈海王は万能ネギよりも万能なのだ。
 カレーパン買ってこい。マックスコーヒー買ってこい。
 今週のチャンピオン買ってこい。バカッ! 刃牙が休載じゃねェかッッ!
 理不尽な刃牙の要求だが、律儀な烈は対応するんだろうな、きっと。
 で、がんばって食料を用意したら、当の刃牙は恵んでもらった肉にかぶりついていたと。


「凄まじい上段廻し蹴りでした」
「豊饒(ほうじょう)な―」
「それでいて厳かで」
「いかにも刃牙さんらしい初弾です」


 かつて蛮勇の代名詞といわれていた烈海王が丁寧語でしゃべっている。
 すっかり刃牙に調教されてしまった。のか?
 まあ、いいや、とりあえず。

 ほめたい気持ちはワカりますが、意味がさっぱりワカりません。
 単に「豊饒」って単語を使ってみたかっただけじゃないか?
 ちょっとむずかしい言葉をおぼえたらムリに使いたがるのはアホを宣伝しているようなものですよ。
 って、アレ? 俺自身のことじゃねーか!

 でも、なんだかよくワカらんが凄そう ってのは刃牙の特徴だ。
 的確に刃牙さんらしさを表現している気がする。
 さすが烈海王といったところだ。
 昔にくらべると、本当に丸くなったな。
 『バキ総集編 烈海王』や『特別編 烈海王』を出してもらって、満ちたりてしまったのだろうか?


 とにかく、刃牙とピクルの闘争(たたか)いがはじまった。
 狩りのための戦いではない。
 生存をかけた戦争としての戦いともちがう。
 お前と俺のどちらが強いのか?
 そう、花山のいう「比べっこ」だ。(156話

 弱いものいじめの暴力ではない。
 強いお前を認めた上で、倒したいと思う。
 誇りを守るため、自分を認めさせるための闘争(たたか)いだ。

「言うなれば――――――」
「文化としての闘争(たたか)い」


 四千年の歴史をかけて戦いと向きあってきた、烈海王らしい解説だ。
 殺し合いではなく、スポーツ的な闘争(たたか)い。
 コミュニケーションとしての闘争(たたか)いだ。

 最近すっかり忘れていたが、刃牙が闘いに求めるものは相互理解による絆だった。
 いまごろ原点回帰ですよ。
 だから、この場に花山がいるのだ。
 花山薫こそ、刃牙が闘争を通じて友情をむすんだ男である。
 闘争による絆を語る場にふさわしいゲストだ。

 刃牙は、範馬勇次郎を倒せさえすればそれでいいと言いだす。
 相互理解の拒否であり、巨凶・範馬の世界に足を踏みいれた。
 だが、刃牙はふたたび相互理解としての闘争に目をむけたのだ。
 暗黒面に堕ちようとしていた刃牙が、踏みとどまり復活した!

 たとえ、言葉の通じない原始人でも闘えば友情がめばえる。
 米国人には二系統の頭ジラミがあり、両者は約百十八年前に枝分かれしたらしい。
 これは、アジアにいた原人(ホモ・エレクトス)が、後からやってきた現生人類(ホモ・サピエンス)にシラミをうつした可能性を示している。
 両種が格闘による相互理解を行った結果、シラミが移った可能性があるのだ。(「PLoS Biology Vol.2 Issue.11」、内容は「人類進化の700万年」より抜粋)

 たとえ相手が火星人だろうと、格闘技なら相互理解がはかれる!
 まちがいないッッッ!
(下図は、火星人とボクシングをする元ヘヴィ級王者)
 迫力が説得力を生む。
 ライトヘビー級とかじゃダメ。ヘビー級だ。
Mars attacks! (Tim Burton, 1996)
 Mars attacks! (Tim Burton, 1996)


 ダウンするピクルを見下ろしながら、刃牙は服を脱いでテーピングをまく。
 憎たらしいほど余裕たっぷりだ。
 ……そ、相互理かい?

 起きあがろうとするピクルに優しさのサッカーボールキックだ。
 さらに、友情をこめたスタンプ(ふみつけ)で追撃する。
 文化だ! 文化だ! 文化だ!
 明治維新を起こしそうなほどの文明開化で原人を踏みつける。

「こ…ッ」
「殺す気か……ッッ」


 みっちゃんもビビるほどの鬼気迫る攻撃だよ。
 毎度のことだけど、みっちゃんはナニを言ってるかね。
 今まで殺して喰う気だったのはピクルのほうだ。
 ピクルだって、殺される覚悟も十分しているだろう。

 そして、ピクルはこの程度で死ぬほどやわな体をしていない。
 あらゆる打撃技に耐えてきた肉体なのだ。
 なんで、毎回みっちゃんはピクルのタフネスを忘れるのだろう。
 ……とうとうボケたのか?

 もしかしたら、みっちゃんは殺人ショーに興奮しているのかもしれない。
 刃牙の残虐プレイに大喜びなのか?
 ピクルも殺されそうだと感じたのか、逃げだす。
 みじめに這いつくばって逃げようとする。

 弱みを見せた相手を逃す刃牙じゃない。
 実兄だろうとトドメをさす男なのだ。
 すかさず、ピクルの背後をとって裸締めをかける。

(俺達がやることは)
(殺し合いではないッッ)

 殺す気まんまんの技だァ――――――!
 言っているコトと殺(や)っているコトがちがう。
 これが文化……
 相手の言葉の裏を読めということなのか?

 打撃の通用しないピクルを倒すには、絞め技!
 そう考えていた時期が今もつづいています。
 さすがのピクルも、このままダウンじゃなかろうか。
 相手の頚動脈を圧迫して脳貧血を発生させる絞めは、まさに文化の極みだ。
 科学万歳! 文化万歳!
 で、刃牙が勝利なのか? ちと、ズルくねェ?

 ピクルが刃牙を背負ったまま走ったッ!
 一気に観客席のイチバン上まで駆けあがった。
 そして、最上段から刃牙を背負ったまま飛びおりる。
 この高さはヤバい!
 しかも、ピクル体重200kgに下敷きされたら、文化も砕けるダメージだ。

(ワカってるじゃんピクル……)
(それでいいんだよ…………)
(そんな程度でいいんだよ……
 強さ比べなんて……)


 見る者に死を予感させるダイビングだった。
 だが、刃牙にとっては"そんな程度"の攻撃だ。
 やはり、範馬刃牙は人類よりも数段上のレベルで闘っているらしい。
 ジャックですら、普通の人間だったんだな……
 地面に激突する結果は、次回へ持ちこしだッ!


 ひさしぶりに、刃牙がコミュニケーションとしての闘争を意識した。
 そして、一般人とはちがうレベルのタフネスを見せつける。
 いや、次回で見せつける予定だ。
 落下してポッキポキで「こんなに高いとは思ってなかった」と泣きながら逃げだす可能性も残っているけど。

 暗黒面から帰ってきたのに、なんか黒さがぬけきらない気がする範馬刃牙だった。
 邪推すると、負けても喰われないように保険をかけつつ闘っているようにも見える。
 劣勢なら「あやうく死にそうなダメージだけど、殺し合いじゃないンだから、喰ったりするなよ!」とアピールだ。
 ピクルもあきれて見逃してくれるかもしれない。

 とりあえず、今後の刃牙は闘うことで理解を深めあうのだろう。
 もしかしたら、勇次郎と和解できるかもしれない。
 そういう意味では、オリバと闘うのが早すぎた。

 でも、刃牙が暗黒面に堕ちたのは自業自得だったのかもしれない。
 刃牙はどんどんリアルシャドーの達人になっていった。
 リアルシャドーは妄想の相手とファイトするから、絆が生まれない。
 二次元の嫁とファイトしても、子供が生まれないように。
 刃牙は妄想の世界に入りすぎて、現実の仲間をおろそかにしすぎたのかも。
 範馬の暗黒面に堕ちるというより、リアルシャドー廃人になるところだったんだな。


・おまけ(日記から転載)
 コンビニなんかで売っている厚くて安いまとめコミックスがあります。
 刃牙もいくつかシリーズを出している。
 で、新作が↓コレだ。

 範馬刃牙 実戦シャドーファイティング編 (秋田トップコミックスW)範馬刃牙 実戦シャドーファイティング編

 名前が『実戦シャドーファイティング編』かよッ!?
 巨大カマキリと戦うあたりだと予想つきますが、こういう名前になるんだな。
 知らない人が見たら、ワケのワカらん名前だ。
 『妄戦リアルシャドー編』で良かったんじゃないのか?


追記 (09/5/13)
 最近の刃牙は名言が多いと思う。
 迷える18歳の熱狂が、世界を捻じ曲げてしまうのだろうか。
 なかでも特に心に響いた名言を振りかえってみる。

「明日…………」「直…………」「俺がピクルの下へ出向く」139話

 わかりやすく言いかえると「明日やる!」だ。
 本人カッコつけているのに、すべりまくっている状況がすばらしい。
 今日中に客先へ提出しなきゃいけない書類があった場合は これで乗りきれる。
「明日…………」「直…………」「俺が●社の下へ出向く」
 烈海王も納得させた迫力に、上司もタジタジで胸キュンだ。(心臓に悪いという意味で)

 まさに、今日から使える名言といえる。
 名言中の名言。ベスト・オブ・名言!
 今日からッ! いや、明日……。明日から使う!


「アンタはもう――――……………」「戦士(ファイター)として終わりなんだよッッ」153話

 刃牙の上から目線が爆発だ。
 なかなか、上から目線で人を怒る機会なんてありませんが、一年に一回ぐらいは言ってみたい台詞です。
「アンタはもう、テキストサイトとして終わりなんだよッッ」
 うむ、これは言えない。私にも付きあいがあるから。
 でも半年ぐらい更新をサボっている人がいたら、言ってみたいかも。

「アンタはもう、週刊少年漫画雑誌として終わりなんだよッッ」
 これは、本当に言っちゃダメ。
 漫画雑誌が本当に終わってしまうという経験をした今では、めったなことを言えません。


「俺以外の誰かがピクルと闘うことに―― 我慢したくない」155話

 あきれ返るほどの自己中心性ッ!
 まさに範馬刃牙である。
 この勢いで梢江タンとSEXしたんだろうな。
 たぶん、やることやって興味をなくしたら、誰がピクルと戦っても気にしないんだろうな。


「先んじる――――ではなく 最初(はな)っから居りゃーいい!!!」155話

 ある意味画期的なヒラメキを得た範馬刃牙であった。
 バカだろ、お前。
 パンツをはき忘れるなら、最初っから はかなけりゃーいい!!! 的発想だ。
 でも、最初っから居りゃーいい!!!は使いやすいフレーズですね。
 コンビニでチャンピオン争奪になるなら、最初っから居りゃーいい!!!とか。


「文化としての闘争(たたか)い」158話

 そして、新作が「分化」だ。デカルチャー!
 大吉さんも「石田純一が不倫は文化とか言い出した時の衝撃と同じ」と言っています。

「文化としての不倫」
「文化としてのSAGA」
「文化としての脱衣」
 なんかエロ方向にしか使っていませんが、なんでも文化にできますよ。
 美味しんぼとも相性がよさそうだ。
「文化としての料理」

 餓狼伝の丹波文七は「文化としてのプロレス」に苦しめられているのだろうか。
 そして、ピクルは「文化としての闘争(たたか)い」に苦しむだろう。
 主人公の攻撃は芯に響くのが文化だ。
 逆に、主人公への攻撃は急所を数ミリずらすとまったく効かなくなる文化がある。
 何もさせず、フルボッコで倒すと「空気読んでない」と言われるのも文化なのだ。
 暗黙のルール相手に、ピクルはどう戦うのか!?


・おまけ(日記から転載)
 コンビニなんかで売っている厚くて安いまとめコミックスがあります。
 刃牙もいくつかシリーズを出している。
 で、新作が↓コレだ。

 範馬刃牙 実戦シャドーファイティング編 (秋田トップコミックスW)範馬刃牙 実戦シャドーファイティング編

 名前が『実戦シャドーファイティング編』かよッ!?
 巨大カマキリと戦うあたりだと予想つきますが、こういう名前になるんだな。
 知らない人が見たら、ワケのワカらん名前だ。
 『妄戦リアルシャドー編』で良かったんじゃないのか?


2009年5月14日(24号)
第3部 第159話 ダイビング (815回)

 恐竜時代からよみがえった原人ピクルに「文化としての闘争(たたか)い」教えたるッ!
 上から目線で刃牙が勝負をかける。
 頚動脈を圧迫する近代格闘術の絞めにピクルは失神寸前だ。(推測)
 窮したピクルは、観客席の最上階まで駆けあがり、刃牙を背負ったまま飛びおりる。
 決死のダイビングだ。

 試合を見ていた烈海王、徳川光成、花山薫の三人も、このダイビングにはびっくりだ。
 しかし、この人たちはいつまで立ったまま見ているんでしょうか。

(高いッッ)
(高すぎるッッ)
(受け身が効かない)
(20…イヤ 30メートル!!?)

「うッわッ」

(ヤバイッッ)
(高すぎだッッ)
(ただでは すまねェッッ)


 烈と花山ですら危ぶむ高さだ。
 武術家も喧嘩師も高いところから飛びおりる職業ではない。
 専門外のことには高目の点数をつけてしまうのだろう。
 パラシュートによる降下訓練をたっぷりやっていそうなガイアなら、笑って見ていそうだけど。

 そして、徳川さんだけが残虐ショーを期待して興奮している。
 ひでぇ!
 さすが屍山血河の果てに天下統一をした徳川家康の子孫だ。
 封建社会の完成形は、少数のサディストと多数のマゾヒストによって構成される。

 昔、マウント斗羽が天井から車の上に落ちて、車を破壊して見せたことがある。(G刃牙23巻 198話)
 だから、徳川さんも安心して見ているのだろうか?
 しかし、砂をなめてはならない。
 尿・汗・爪・歯が混じったままで不衛生というだけではない。
 コンクリートの床を踏みぬく天内悠のジャンプに耐える強さを持っているのだ。(G刃牙24巻 209話)

 斗羽さんが車におちたのは、マットにおちたようなもの。
 砂地におちていたら、逃亡した栗木くんを探してきて出場してもらわなくちゃいけないところだった。
 地面は武器だ。
 しかし、いまだにあの時の斗羽さんがどこからおちてきたのか、謎だ。


(高ッッ)
(30メートルね………………)
(ムリね…… 受け身……)


 あまりの高さに刃牙があきらめた。
 刃牙の五接地転回法は『7〜8m(3階の窓)からコンクリートに落下しても無傷が保障される』。(G刃牙17巻 148話)
 30メートルの 1/4しか保障されていない。
 だったら、ひねりを増やして二十接地転回法にすればいいンじゃね?
 愚地克巳が妄想で関節を増やしたように、刃牙も妄想で接地数を増やすんだ。

 だが、刃牙は子泣きジジイのようにピクルにしがみついて離さない。
 なんの工夫もしないで、このまま心中するつもりか?
 痛くて苦しい方向に向かってしまうマゾの性癖が脱出のジャマをしていそうだ。

 恐竜と戦っていたピクルにとって、この程度の高さから落下しても大丈夫だろう。
 巨大な恐竜に持ちあげられて、地面に叩きつけられた経験ぐらいあるハズだ。
 頑強なピクルなら、耐えられる。

 だが、刃牙はどうだろう。
 まあ、落ちたら死にますな。現実は甘くない。
 ならば なんらかの技をつかってダメージ緩和をするのだ。
 たとえば、ピクルを踏み台にする。
 ピクルにダメージ与え、自分のダメージを減らす。
 成功すれば理想的な展開だ。

 また、刃牙にはリアルシャドーという特殊能力もある。
 妄想の巨大カマキリと闘ったときは、浮きました。(2巻 14話
 ならば、巨大な猛禽に襲われるリアルシャドーをすれば、ツメにつかまって飛べる。
 一歩まちがえると、さらに高いところに持っていかれてしまう諸刃の剣だけど。
 刃牙のリアルシャドーは、リアルな妄想だけに都合よくいかない。
 現実は厳しいのだ。たとえ、妄想でも。


 だが、範馬刃牙は小器用に危険を回避する男ではなかった。
 そのままピクルと一緒に墜落する。
 刃牙とピクルの体が、地面ではねた。
 砂・歯・その他よくワカらん物が宙に舞う。
 空中にうく刃牙は白目をむいている。ピクルには黒目がある。
 ダメージは刃牙のほうが上か?

 だが、砂ぼこりが舞う中で、二人は立っていた。
 見学する三人が見ただけで発汗する異様な光景だ。
 つうか、砂に混じる歯が多い。多すぎる。
 串カツのソースじゃないんだから、交換しようよ。
 そのうち未知の病原体が発生するぞ。刃牙インフルエンザとか。

(あり得ねェ……)

(範馬刃牙とはそこまで強靭(タフ)な戦士か……!!?)


 即座に立ちあがった刃牙を見て、花山と烈がビビる。
 どんなダメージを受けても精神力で立ちつづける花山もビックリだ。
 四千年の歴史をひっくり返しても、こんな頑丈な人間はいなかった。烈海王も驚愕する。
 まあ、未体験のダメージだからワカらんだろうけど、君ら二人なら落ちても死なないぞ、きっと。
 ジェットコースターから落ちた末堂だって生きているんだし。バキ8巻 68話

 だが、刃牙の様子がおかしい。
 立っているのだが、立っているだけだ。
 ピクルが近づいても動かない。
 異変を感じたのか、ピクルはゆっくりと腕をのばす。
 刃牙は気絶しているのだろうか? それとも、なにかの作戦なのか?
 次回へつづく。


 脅威のタフネスを誇る刃牙が、いきなり沈没か?
 立っているだけでも奇跡のようなダメージを受けた。
 vs.ピクル第二戦は、刃牙の立ち往生で終了だろうか。
 範馬刃牙の次回戦にご期待ください。

 刃牙が意識を失っていた場合、ピクルは逆襲するだろう。
 優しくタッチされたので、タッチしかえす。
 保存食として丁重に扱うのも良かろう。
「俺ほどの実力があると、ピクルも俺をVIP待遇にせざるをえない! ジャックとは違うんです」
 だが、刃牙ならポジティブシンキングで乗りきりそうだ。

 さすがに、二度負けるのは主役として恥ずかしい。
 ここから刃牙の逆襲がはじまることを期待しよう。
 でも、刃牙が硬直している状態は演技ではなさそうだ。
 落下したときの打ち所が悪くて、気絶していると思われる。

 刃牙は落下しながら、烈・徳川・花山の三人を発見している。
 これは死に際の集中力だ。
 幼年編の刃牙はガケから飛びおりることで、死に際の集中力を獲得した。(グラップラー刃牙11巻 98話)
 今回も死を覚悟するような落下だ。
 死に際の集中力を復習したから、唐突にパワーアップするのかもしれない。

 オリバ戦の時も、刃牙は叩きつけられてからパワーアップした。(9巻 68話
 死と再生をこえる神話的な脱力する宮本武蔵っぽい幻覚を感じさせる脳内麻薬が全開だ。
 ワケのわからん状態になった刃牙は怖い。
 これからピクルは恐るべき変態を目撃するだろう。

 とりあえず、刃牙には脳内麻薬・脱力・鬼の背中と三つの切り札がある。
 刃牙にとって、本気の本気の本気はまだまだコレからなのだ。
 しかし、本当にロースタートなやつだな。


 先週、範馬刃牙の最新18巻が発売された。
 すっかり忘れていたのだが、144話乳首描写があったんだな。→
 せっかく乳首描写があったけど、世間の反応は静かなものだった。
 当サイトをふくめてですけど。
 烈海王の茶色い乳首でよろこぶ人もときにはいますが、女乳首には無反応だった。

 これが、ジャンプ連載中の『To LOVEる』で乳首描写だったとしよう。
 そしたら、あちこちで大はしゃぎですよ。この温度差はなんだ?
 『"To LOVEる" 乳首』でググると、約40,000件もヒットします。

 これが『バキ 乳首』だと、半分以下の約14,300件だ。
 SAGAがなければ、さらに半分だったと思う。
 危ないところだった。
    刃牙世界の乳首描写

 世界には、良い乳首と悪い乳首でもあるんだろうか。
 「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉がある。(参考
 ならば、刃牙の乳首は良い乳首なのか?
 まあ、乳首が出てもPTAには怒られずにすみそうだ。


追記 (09/5/20)
 ラストを棒立ちで終えた刃牙だった。
 なんで、こんなことになってしまったのか、改めて考えてみる。

(1) 気絶している
 ごく常識的に考えると、気絶しているのだろう。
 意識を失っても肉体が戦いを求める。それが範馬刃牙だ。
 たんぶん、SEXの途中で気絶しても、刃牙なら闘いつづけるぞ。

 刃牙はオリバ&ゲバルに吹っ飛ばされては気絶し、ピクルに蹴られても気絶した。
 けっこう気絶しやすい体質なのだ。
 柔道では何度も絞め落とされると、落ちやすい体質になってしまうらしい。
 また、脱臼も繰りかえすと、クセになる。
 刃牙の気絶も同じようにクセになっているのかもしれない。

 まあ、屈指のドMである範馬刃牙なので「痛いのって気持ちいい!」という感じにクセになっているのかもしれないけど。
 刃牙は気絶するたびに、貴重な壊れ物のように扱われて運ばれたのだろうが、それって戦士として終わったりしないのだろうか?
 対戦相手に運ばれない限り終わらないッ! という刃牙理論で返されるんだろうな。


(2) 寝てる
 ダウンではない、寝てる!?
 あの程度の高さから落ちても刃牙にダメージは無いとアピールだ。
 今まで気絶していたと思われていたものも、寝ていただけと答えれば万事OKですよ。
 過去の汚点をすべて消し去ることもできる、スペシャル技だ。


(3) 困っている
 せっかくのリアクション・チャンスだったのに、普通に立ち上がっちゃった!
 どうしよ。今からダメージがあるふりをしてみるか?
 いやいやいや、ノーノーノー。今ごろ効いていましたじゃ、チョー不自然。
 どうすればいいんだッ!?

 などと若手芸人のようなことを考えているかも。
 あれだけハデに落ちたんだからノーダメージだとかっこ悪い。
 かと言って、ダメージが大きすぎても今後の展開にさしさわる。
 効いたけど、あんまり効いていないよ。とアピールすることができるのかッ!?

 でもまあ、板垣先生なら多少強引でも風呂敷たたんでくれるだろうという安心感があります。
 疵面(スカーフェイス)みたいに、登場人物もピンチだけど、作者はもっとピンチだ! って状態は、読者の心臓に良くない。


2009年5月21日(25号)
第3部 第160話 祈り (816回)

 地上最強の18歳・範馬刃牙(得意技:上から目線)
        vs.
 よみがえった恐竜紀最強原始人・ピクル(好物:生肉)

 約30メートルの高さから落下した両者だが、刃牙だけが動かなくなった。
 いきなり決着かッ!?
 ピクルが刃牙にちかづき手を伸ばすが反応しない。
 でも、昔の刃牙なら、もっと軽い衝撃でヨダレをたらして気絶していた。
 いつのまにか、気絶しないほどに成長している。

(すでに失神しちょる??ッッ)

 徳川さんも驚愕する展開だ。
 かなり動揺しているのか、「?」の位置がおかしい!!ッッ
 刃牙がイッパツ失神だったら、あっけなさすぎる。
 烈海王、愚地克巳、ジャック・ハンマーの三人はもっと粘っていたぞ。

 もちろん、克巳やジャックだって30メートルダイブをしたら立ち上がれないだろう。
 でも、二人なら10メートルのぼった時点で手をはなして脱出する。
 10メートルだってじゅうぶん高いけど、刃牙世界なら問題ない。
 刃牙世界のスペランカーなら、低いところから落ちても死にませんよ。
 行けるところまで行ってしまう刃牙は、根本的に脳がおかしいのかもしれない。

 なお、烈の場合なら三つ編みを回転させてヘリコプターのように滞空して助かる。
 15メートルまでなら問題ない!
 問題は、それでも のこりが15メートルあるということなんだが……
 まあ、烈ならなんとか耐えるだろう。


 ピクルの指先が刃牙の肌にふれそうになる。
 だが、刃牙の右手がピクルの手をハジいた。
 動ける!
 まだ、刃牙は動けるのだ!
 だったらイケるのか!?

(こッッ)
(これが)
(せいいっぱいッッッ)

 ……ダメでした。
 刃牙は幼少期のジャングルジム落下やブランコ落下などを思いだして痛さをアピールする。
 受けた痛みは、とことん利用して、痛みの記憶を反芻するのが範馬・ド・M・刃牙のやりかただ。
 私は、むしろ刃牙がジャングルジムやブランコで遊んでいた事実におどろいたよ。
 普通の子供みたいな遊びもやっていたんだ。

 いや、違うな。
 普通の子供がやらないような危険な遊びかたをしていたんだ。
 ジャングルジムに自分から吊るされてみて、落下したり。
 ブランコで自分から吊るされてみて、落下したり。
 たぶん、友達の母親から「バキくんと遊ぶと、死ぬか大ケガするから遊んじゃダメ」と言われていたんだろうな。

(落下によるインパクト
 内臓が大混乱を起こしているッッ)
(横隔膜がせり上がるだけ せり上がり――――)
(肺を押し潰し――――――――――
 新しい酸素の補給を完全に妨げているッッ)


 内臓描写をして、痛さを再確認だ。
 エロマンガの断面図描写が好きな人は大興奮まちがいなし。
 「格闘(たたかい)とセックスはッッ」「そっくりだ!!」バキSAGA 3話「本能」
 刃牙タンの内臓、ハァハァ(呼吸停止で酸欠のあえぎ)。

 刃牙は呼吸ができなくなっているらしい。
 弱いフリしているときの猪狩なみに立っているのが精一杯だ。(G刃牙32巻 282話)
 数分したら酸欠でダウンしてしまう。
 はやくピクルに 墓穴を掘ってもらわなければッ!

 さらに、刃牙が吐血するッ!
 だが飲みほす。
 ほっぺパンパンに膨らむほど吐血したのだが、みごと飲みきった。
 異常なまでの気迫というか、プレイがただ事じゃない。
 東京四天王の鬼塚だってこれは飲めないぞ。

 内臓にダメージがある。
 さすがの刃牙も倒れてしまいたい。
 だが、痛みを楽しめる性質が無限の耐久力となる。
 刃牙は気迫で立つ。

(いかに刃牙さんが強靭(タフ)とはいえ)
(あの高さからの落下……ッッ)
(明らかに人類の耐久力外だ)

(無事なハズがねェッッ
 よくぞ立ったままで…………ッッ)


 烈と花山が汗を流して驚愕する。
 すっかり烈は敬語キャラになってしまった。
 外伝で主役をはれる二人がおどろく。
 アンタらも、じゅうぶん人類規格外だよと言ってやりたい二人からも、人外あつかいされる刃牙でした。
 範馬一族はどんだけ宇宙人なのやら。

 ところで、徳川さんのコメントが無い。
「さすが、刃牙じゃ。よくぞ立った!」
 などと、能天気なことを言っているのだろうか。
 だまれ、このジジィ。村正で刺すぞ。などと二人は思っているかもしれない。(村正は徳川家に祟るといわれている刀)

 あらためて烈と花山に解説してもらわなくても、刃牙にダメージがあるとわかる。
 そりゃもう、前回ラストの時点からワカっていた。
 お客さんがいないから、一般人のリアクションがわかりませんよ。
 観客は喜んでいるけど、こんなのちっともいい試合じゃない?


『原人は悔いていた…』
『自分は――――――』
『やりすぎてしまったのだ』


 気が付けば……、瀕死っ…! 刃牙、30メートルの落下で死亡寸前っ…!
 さすがのピクルも やりすぎたと猛省…!
 もっと、遊ぶつもりが、いきなり壊してしまった。

 ピクルにも知性はある。
 ちゃんと刃牙がダメージを受けていたことを理解していた。
 スゴい汗を流しているし、全然動かない。
 刃牙がかなり弱っていることは、ちょっとした知性の目で見ればワカる。

 やりすぎたと反省したピクルは、両膝をついて刃牙の回復を祈ろうとした。
 火山の噴火のような「手の下しようのない脅威に」人は合掌して祈ってしまう。(17巻 133話
 なんか、刃牙は天災のような人間ですね。
 本当にどうにもままならない。
 ピクルとの勝負には負けたけど、精神ダメージを与えた点で勝った!

 だが、戦士にとって大切にあつかわれるコトは屈辱だ。
 キサマ、俺をジャックあつかいする気か!?(153話
 刃牙の怒りが爆発する。
 おれが人をバカにするのはかまわん。人がおれをバカにするのは許せん。
 鉄筋コンクリートよりも強固な自己中心主義が範馬一族の強さをささえる。
 SON OF OGRE ! (鬼の息子!)

『敵が――――――』
『己の為に祈るという屈辱……』
『それを目にしたとき――――――』
『少年の気位はかろうじて――』
『空前の肉体的苦痛を上回った』

「才LのT;ψl:〜」「い9ζτωι"…え!」
(俺のために――――ッッ)(祈ってんじゃねェェッッ)


 肺が動かないため、声がちゃんと出ない。
 だが、刃牙の強固な意志力は気持ちを周囲に伝えるのだった。
 気合で肉体の限界を突破する。

 刃牙は祈ろうとするピクルの両手をハジき、ピクルの顔面に拳を叩きこむ。
 また、ピクルが倒れた。
 範馬刃牙、奇跡の復活だ。
 次回へつづく。


 やっと、ここからが刃牙vs.ピクルの本番だろうか。
 刃牙の侮辱で激怒したピクルだが、直後にやりすぎたと反省している。
 素直な性格ですね。
 まあ、お返しに祈ってみせて、刃牙を侮辱したという感じもありますが。
 そして、人に侮辱されるのはガマンならない刃牙くんでした。
 強くなれる性格しているよ。

 死んでも死なない刃牙の活躍に、ピクルはジャックを思いだしてビビるかもしれない。
 また、ピクルが逃亡するのだろうか。
 走って逃げられたら、今の刃牙に追いかける力は無いだろうな。
 すると、ピクルが逃げたと刃牙が主張して勝利宣言を出すのか?

 刃牙とピクルの身体能力差は歴然としている。
 この差を埋めることはむずかしい。
 多少修行しても縮まらない差だろう。
 なら、修行はパスして、まず闘ってみる。
 そして、闘いのなかで超進化だ。
 これが刃牙プランなのだろう。無意識の計画だろうけど。

 前回、死に際の集中力を復習した。
 今回は内臓を鍛えなおす。
 毒で裏返ったときみたいに、内臓から超回復だ。(バキ22巻 190話
 脳と内臓に活を入れたので、さらなる飛躍が期待できる。

 内臓が出血するほどのダメージがあったじゃないか?
 そういう疑問もあるけど、問題無い。
 刃牙は直前にティラノサウルスの生肉を大量に食っている。
 吐血と思ったものは、血肉が主成分のゲロだっただけです。
 刃牙はそれを、また飲みこんだから、14kgの砂糖水と同じように復活の栄養源になるだろう。

 内臓の位置をひっくり返すような衝撃も、内臓の位置修正になって良かったかもしれない。
 正しい筋肉は、正しい内臓から生まれるんだよ!(力説)
 いまごろ内臓の配置が鬼の形になっているハズッッッ!


追記 (09/5/27)
 ドラゴンボールのサイヤ人は瀕死状態から回復すると強くなる。
 範馬一族にも おなじような能力があるのかもしれない。
 だから、刃牙はマゾなんだ。

 30メートルの落下で死にかけた刃牙は、これから来るぜ〜。超来るぜ。
 しかし、ピクルに殴られず死にかけるというのもマヌケな話だ。
 ピクルにしてみたら、思わぬところで相手が死にそうになってビックリだったろう。
 もしかしたら、刃牙は本能的にパワーアップをしようと瀕死になる落ちかたをしたのかもしれない。
 刃牙は、マゾな人だもんな。

 刃牙がピクルに勝てる理屈が思いつかないのが、現在の問題点だ。
 筋力(パワー)・敏捷性(スピード)・耐久力(タフネス)・持久力(スタミナ)など、すべて問題にならない。
 技術(テクニック)は刃牙のほうが上だろうけど、これだけ圧倒的に負けていると、多少技術で勝ってもダメだ。
 さんざんバーベキューで肉食っておいて、ダイエットコーラーを飲むような無駄なあがきですよ。
 技術だけで勝てるなら、烈海王がとっくに勝っている。あと、克巳も勝っている。
 ジャックはどうだろう。あの人もけっきょく血筋頼みだったし。

 刃牙が圧勝している点は、マゾぐらいだろう。
 マゾ度において、範馬刃牙に勝てる生物は地球上にいないといっても過言じゃない。
 範馬勇次郎だってマゾ度では刃牙に勝てないだろう。勝ててもうれしくないだろうし。
 鞭打の打ち合いで、痛いのガマン対決をするなら刃牙に勝てる人間などいない。

 つまり、刃牙は闘いのステージを別方向に持っていったほうがいいのではなかろうか?
 熱々おでん対決とか、熱々あんかけ対決とか、そんな感じに戦うのだ。
 いくらピクルが頑丈だろうと、こういう痛対決なら刃牙の楽勝だろう。
 さすがのピクルも熱湯風呂対決などになったら、泣いて刃牙に許しをこうだろう。

 だが、つねに上から目線の範馬刃牙はこういうだろう。
「小細工を弄して勝ったところでさほど意味はない」

 また、刃牙はこうもいうだろう。
「仮に勇次郎がこの世で一番弱い生き物であるなら、オレは二番目に弱い生き物でいい」

 けっきょく、刃牙ってナニがしたいのだろうか。
 もう本人もわからない状態なのかもしれない。
 ある意味、無我の境地だ。

←第三部 141話〜150話  ↑最新↑  161話〜170話→
バックナンバー 餓狼伝 疵面 シグルイ Gロボ みつどもえ 蒼天航路 日記 掲示板 リンク1 リンク2 TOP

和書
コミック

 チャンピオン 
ジャンプ
マガジン
サンデー
RED
 板垣恵介 
夢枕獏
山口貴由

DVD
アニメ
CD
 ゲーム 
DS
PSP
Wii
PS3
360
PS2
PCゲーム
 PCギャルゲー 
フィギュア
パソコン
テレビ
メディア
家電
サプリメント
板垣恵介の激闘達人烈伝 板垣恵介の格闘士烈伝
駿河城御前試合 獅子の門 雲竜編 (カッパ・ノベルス)
管理人:とら  連絡先(E-mail):E-Mail
【特定電子メール法に基づく表示】広告メール、迷惑メールの送信はお断りします