今週の範馬刃牙 SON OF OGRE 81話〜90話

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2007年9月27日(44号)
第3部 第81話 嫉妬 (737回)

『日本中が見ていた』

 見ちゃ、ダメ〜〜〜〜〜ッッッ!

 とくに子供はッッッ!

 ピクルの悲しくて滑稽なほどの野性に、日本が震撼した。
 むき出しの野性に日本中が注目している。
 この期に及んでも、カメラを回しつづけるスタッフの行為は、良いのか悪いのか……
 どっちにしても、日本じゃ放送できませんよ、それ。

 生中継の番組は、あわててCMを入れて対応をはかる。
 遅すぎる対応だが、やらないよりはマシだ。
 生放送の笑福亭鶴瓶よりもタチが悪い。
 いや、別の意味では、素晴らしいタチっぷりを見せている。
 せめて萎れていてくれたら、シャツがかぶさって見えないのに。
 やはり、これは放送できない。

「受け止められずにいる者」

 TVでピクルを見ていた刃牙とストライダムは現実を受け止められずにいたらしい。
 もう、汗ダラダラだ。二人がかりで汗まみれ。
 前回、「強ぇよこいつ」と持ち上げた発言をした直後にこの展開だ。
 主人公の立場がない。
 ちなみに、刃牙の出番はこの1コマだけ。ますます、主人公の立場がなくなる。

 強敵を連れてきた。とにかく見てみろ。と言ったら、ポルノショーが始まったわけですよ。
 まるで『はじめの一歩』に出てきそうなベタなギャグだ。ストライダムも、かなり気まずい。
 ムリヤリ用事を思い出して本国に帰りたいところでしょう。

 ピクルに感じた尊敬以上の愛はなんだったのかと。
 いや、愛までは言ってなかったか。
 ピクルにとっては目覚めてから初めて逢う雌だったのかもしれない。ストライダムとは別腹の愛だ。
 動物なら、止まらないよね。

 日本中の注目を集める中で、ピクルはいきなり寝るのだった。
 異国についてすぐに寝るとは、無防備な……
 肝が太いだけかもしれないが、なんか野性度が低そうな行動だ。
 そのへんのアホな飼い犬じゃないんだから、無警戒で寝るなよ。


 ここにきて、ペイン博士がピクル生存の秘密を解説する。
 恐竜時代を終わらせた巨大隕石は大量の粉塵をまきちらし、太陽熱を遮断した。
 地上は一瞬でマイナス270.4℃にさがり、瞬間冷凍+その後の岩塩封印でピクルは生き残ったのだ。

 どの辺からツッコメばいいのやらというノーガード理論武装だ。
 下手に撃ちこむと、よくわからない所からカウンターが飛んできて、撃墜されそうな緊張感がある。
 地球の約半分は太陽光が遮断されて(簡単に言うと、夜だ)いるけど、一瞬で冷えたりしない。
 ペイン博士のことだから、話をごまかしているのだろう。

 凍ると体組織の水分が凝固して膨張するから、ズタズタになる。
 『鉄鍋のジャン!』だって、タマネギは一度冷凍してから料理に使ったほうが、組織が崩れて美味くなると言っていた。
 つまり、一度冷凍されたピクルは、より美味しくなっているってコトか?
 よりふさわしい好敵手となっている予感がする。


 ピクル事件は、大問題になっている。
 キビしいことを言うと、猛獣の檻の中に勝手に入って噛まれたレポーターにも落ち度があるんだよな。
 つうか、外部の侵入を許した米兵の責任能力を問うべきではなかろうか。
 制止能力のない軍人って、問題だろ。

 しかし、市民感情はおさまらず米軍基地の前でデモをしている。
 さらに、範馬勇次郎までもがやってきた。
 問答無用で正門から入る気だ。
 多数の目撃者がいる前で、範馬勇次郎は蛮勇をふるうのか?
 米軍は、とんだ赤っ恥をかくハメになるのか?

 正門ふきんが騒がしくなっていたころ、一人の男がフェンスを飛び越えていた。
 蛮勇だったらこの人を外せない!!
 超A級中国武術家 烈海王だ!!!
 水面を走ることができる烈海王にとって、フェンス飛びなど、電動自転車に乗るよりたやすい。
 まあ、烈の場合は電動のほうがかえって苦手っぽいイメージだが。

 とにかく、烈は驚異のジャンプ力で米軍敷地内に侵入した。
 烈がオリンピックに出れば、中国政府は大喜びなんだろうな。
 海王の名をつぐ者としては、見世物になりたくないのだろう。
 大擂台賽ではすっかり見世物でしたけど。

 とにかくピクル攻略の先鋒は烈海王がつとめることになりそうだ。
 四千年 vs. 二億年の勝負である!
 なんか、五万倍の差がついているけど、烈は大丈夫なんだろうか?
 次回につづく。


 黒い対決と言うべきか、列海王が出てきた。
 ピクルが目覚めて以来、おそらくは初めて目にする真の戦士であろう。
 烈はピクル捕獲の密命を受けたのかもしれない。
 よみがえった北京原人として、改めて中国で発表して、一気に大躍進だ。
 外国人が米軍基地に侵入ってのは、国際問題にもなりかねない行為だし、すごい裏があるのかもしれない。

 意表をついて、烈はピクルに中国拳法を教えるかもしれない。
 そうすれば、二億年前から中国拳法は存在していたと主張できる。
 大逆転の「五万倍 海王拳」作戦だ。

 勇次郎も烈も動き出し、物語はピクルを中心に回りはじめた。
『無性にキャラクターが暴れることがある。これがあるうちは俺は大丈夫。』
 と、板垣先生も認める大暴れだ。
 そういう意味では、刃牙っておとなしいヤツなのかもしれない。

 現実を受け止められない刃牙は、ナニをやっているんでしょうか?
 祭に参加しないで、何をする。
 TVに勇次郎がうつっても、居場所がわかったと喧嘩をしかけたりしないのだろうし。
 今ごろ、ストライダムが必死にフォローしているんだろうか?

刃牙「だって、あいつタダの交尾好きな猿じゃん」
スト(自分のことをタナに上げやがってッッッ!)


 なんて感じのやりとりが、あるのかもしれない。
 戦わないつもりになった刃牙を闘わせるのは、難しいぞ。
 オリバだって失敗したんだから。
by とら


2007年10月4日(45号)
第3部 第82話 行動 (738回)

 雄度の高い人間はピクルにひかれる。
 範馬勇次郎しかり、烈海王しかり。
 喧嘩師・花山薫は外伝で忙しいので、ピクル情報を知らないのだろう。
 そして、範馬刃牙はピクルを受け止められずにリタイアだ。
 さすが主人公、きっちりオチをつけてくれる。

 渦中のピクルは居心地の悪そうな部屋に滞在していた。
 三面は壁で、残る一面がガラスになっている。あつかいは最強死刑囚たちと変わらない。
 ガラスは天井まで届いていないので、その気になれば脱出できそうだな。
 刃牙世界の牢屋は脱走されてナンボのもんだ。
 近いうちに、破壊されると予想しておこう。

 うろの空いている木や、丸太のブランコなどが置いてあるが、かえって印象が悪い。
 自然に見せようとして、不自然になっている感じだ。
 雑誌や、水たまりのような水槽、恐竜のオモチャなどが、外している感を強めている。

 とくにオモチャの恐竜はいかん。
 なんかプラスチック製っぽい。喰ったら腹壊すよ。そして、ピクルなら喰う可能性が高い。
 そして、古い学説にもとづいた直立型の姿をしている。
 こりゃ、昭和一ケタ生まれの人ぐらいじゃないとダマせないよ。

 当然というか、ピクルはヒザをかかえてうずくまっているのだった。
 ストライダムを信じたばっかりにと、後悔しているのかもしれない。
 そんなピクルはストレス解消のためか、全裸だ。
 やはり全裸がピクルの基本なのだろう。
 悲しくて滑稽なほど野性度が高い。


「これではまるで」
「夜這いではないか」


 米軍基地に忍び込んだ烈海王は物陰で汗を流していた。
 いや、夜這いって。
 この三つ編みガングロは、なにを言ってるんだか。
 烈は夜這いをされる側だろう。
 地割れにはまって「救命阿(ジュウミンヤ)と言った時点で、受キャラ確定だ。(バキ15巻 125話

 あれはきっと、下に地底人がいて、烈の下半身を責めているに違いない。
 バキの女性読者は妄想に心をときめかせたであろう。
 コミケにも『烈総受』というカットがのる。むしろ、のった。描いたの俺だけど

 烈は放送でピクルの野性を見せつけられて、たまらなくなったらしい。
 刃牙なんて全力で引いていたのに、さすが烈老師だ。器の大きさがちがう。
 しかし、烈はピクルにナニを期待して逢いにきたのだろうか。
 まさか掘られるコトを期待しているワケではあるまい。

 刃牙も最初見たときは、ピクルに強さを感じていた。
 強さへの興味が、レイプのショックに負けている。
 刃牙って強さに対する優先順位が低いんだよな。
 勇次郎なんて、酸素よりも闘争を優先するのに。
 刃牙が輝いていたあの時はもどってくるんだろうか。
 はて、最後に輝いていたのはいつだっけ?

 侵入者・烈海王に話をもどそう。
 潜んでいる烈は近づく足音に気がついた。
 どうも警備兵のようだ。
 烈海王はどうする?
 気づかれる前に倒してもいいし、隠れてもよい。

 とりあえず烈は手をつき身を低くして潜む。
 立って歩く人間は足元が意外な死角となる。
 中国拳法は、こういう奇襲にも重点を置いているのだろう。
 でも、車の下に隠れたりしないあたりが、まだ甘い。
 コントだったら、車の下に隠れると車が発進して姿が丸見えになると言うギャグになるんだけど。

 警備兵が通りすぎる瞬間に、烈は軽く車を叩く。
 当然の反応として、警備兵は音した方向へ銃と懐中電灯をむける。
 ものすごい過激な反応だ。
 ホラー映画の登場人物でもここまで過剰に感応しない。
 どんだけビビリなんだか。

 しかし、現在の基地には人類の財産であるピクルが滞在中だ。
 オマケにデモ隊が押しよせている。
 実は現在の基地は高レベルの警戒態勢なのだろう。
 警備兵もかなり気合が入っているようだ。
 見つかったら、警告抜きでいきなり発砲されかねない。

 烈海王は警備兵の背後に密着するッ!
 夜這いだけに、これはッッッ!?
 音をフェイントにして、警備兵の背後を取っていたのだ。
 右手は相手の尻にそえるだけ。いつでもシュートを決められる体勢だ。
 烈海王は、ヤル気か? 176cmの体がデカく見えるぜ。

 と思ったら、そのまま背後に取りついて歩くのだった。
 ドリフのコントかよッ!
 浦安鉄筋家族にありがちな展開だ。
 このままの展開だと晩飯をこっそり頂きかねない。

 しかし、烈さん、それは近すぎだ。
 むわ〜と蒸す烈と言われるほど、烈は温度と湿度が高い。
 そんなに近づいたら、15秒以内に気づかれるだろう。
 CM 一本分も持たない時間だ。リモコンでチャンネルを帰られるより短い。
 作中の季節が夏の熱帯夜でも、すぐにバレる。

 烈海王の運命やいかに!?
 というか、見つかったら烈よりも警備兵のほうが危ういよな。
 烈を見つけたときが、警備兵の最後だ。


 一方、正面ゲートの範馬勇次郎は、範馬勇次郎らしさを見せていた。
 警備兵が近づくと身を隠すのが烈海王である。
 蛮勇でありながら、技術と度胸と無駄にスゴい行動力で乗りきる男だ。
 川だって走って渡る。
 これが範馬勇次郎ならどうなるか?
 たぶん、最初から隠れたりしないで仁王立ちしているんだろうな。

 米兵は近づく勇次郎を押しのけようとする。
 だが、吹っ飛んだのは米兵のほうだ。
 寸勁は足・背中・腰など腕以外の関節を使って打撃する。
 ならば肩や胸でも打撃が出来るはずだ。
 勇次郎は胸を使った打撃をしたのだろう。
 刃牙も不良の蹴りを腹で弾き返した。同じ原理と思われる。(グラップラー刃牙6巻 51話)

 暴力を使いつつ、自分は何もしていないと主張できる。
 実に狡猾な暴力だ。
 ただ強いだけではなく、力の使い方を工夫できるところが範馬勇次郎の怖さである。

 さらに範馬勇次郎は殺気を全開だ。
 エンジンのように熱かったと評される闘気で、背景が歪みまくる。
 デモ参加者 石塚保(34)は、次のように語った。

「「突然 兵士同士が殴り合い始めたんです」」
「「彼―――黒服の男の見てる前でッッ」」
「「残った一人も止めるどころか」」
「「殴りだしたんですよ 自分を」」

 勇次郎の異常な闘気で防衛本能が暴走したのだろうか?
 拳をふるうことなく、範馬勇次郎は米兵たちを突破しようとしている。
 真相は次回であかされるらしい。
 兵士すら狂わせる殺気とは、どれほどのモノなのか!?
 次回へつづく。


 連載再開になり、順調に出番のない刃牙であった。
 まあ、刃牙が出てこないのは予想の範囲内だが、ストライダムはどうした?
 ピクルはさびしそうだし、勇次郎は暴れている。
 こういう時の接待役だろう。
 ストライダム以外の誰が接待できるというのだ?

 さすがのストライダムも、受け止められなかったのだろうか。
 実は、相沢レポーターのファンだったのかもしれない。
 そりゃ、受け止められないよな。
 今ごろヤケ酒をあおっているのかもしれない。

 次回は烈と勇次郎がさらにピクルへ接近するのだろう。
 勇次郎接近にともなう混乱に乗じて、烈が一番乗りだろうか。
 こういう話は、一番手が噛ませ犬になることが多い。
 そうなると、烈がついた時点で、すでに加藤がやられていたコトにでも期待する。
「烈よ、俺……相沢レポーターのファンだったんだ……」
 加藤がそう言えば、たぶん烈も答えてくれるかもしれない。

 とりあえず、ピクルは全裸でお出迎えなんだよな。
 烈も全裸で応じるのだろうか?
 やはり、最大全裸トーナメントしかあるまい。
 野性度の高さを競えッ!
by とら


2007年10月11日(46号)
第3部 第83話 大統領命令 (739回)

Q : 気合の入った勇次郎を前にしたらどうしますか?
A : 同士討ちや、自分殴りを行います


 米兵の考えはまったく理解(わか)りません。
 熊を死んだフリでやりすごす作戦をパワーアップさせたら、こうなるんでしょうか?
 まだ死んでないので、これから死にます作戦だ。
 米兵たちは狂ってしまったのだろうか?
 あまりの展開に、デモ参加者たちは声もでない。

 歯が跳んでも、米兵たちは殴りあうことをやめない。
 まるで、君が泣くまで殴るのをやめない状態なのだ。約束どおりジョナサンはディオが泣いたら殴るのをやめた。
 泣くまで殴るのは英語圏の伝統かもしれない。
 しかし、そんな米兵たちも、勇次郎の一言で止まった。

「「大統領命令ですよ あれじゃ
 止まりましたもん ピタって」」


 まさに「ピタッ」と音を立てて米兵たちは止まった。
 軍人だけに命令に対する反応が鋭い。
 勇次郎も軍人に命令するのはなれているのだろう。「イエッサー」の軍人などの例もあるし。グラップラー刃牙24巻 207話)

 米軍基地なんて勇次郎にとっては別宅みたいな感覚なのだろう。
 しかし、ここの基地の米兵は最重要危険人物である範馬勇次郎のことを知らないのだろうか?
 基地にいる者たちは、下っ端や料理人も含めて範馬勇次郎を知っておかなくてはならない。
 デパートの接客係がお得意様の顔と名前を憶えるようにッ!

「闘おうともせず――――」
「一人でも逃走(にげ)だしたなら」
「その場で屠り去っていた」


 範馬勇次郎が英語で説教だ。
 内容を理解できているデモ参加者 石塚保(34)も英語が得意なのだろう。
 米兵に抗議するため、英会話が得意な人間を呼んできたものと思われる。

 しかし、勇次郎はキビしい。
 発言をみると、一人でも臆病者(チキン)がいたら全員倒すつもりだったようだ。
 連帯責任ですかい。本当にキビしいな。
 ところで、最近の刃牙は戦いから逃げ出すことが多い。その辺について どう思っているのだろう?
 口で言い負かしてから逃げているので、範馬的にはOKかもしれない。
 まあ、勇次郎は親バカなんで、たいていの事は許すと思われる。

「かと言って俺に向かってきても同じ運命」
「ならば苦肉の策」
「自らを殺傷し合う……………………自らを殺傷する」
「それでいい」
「それがいい」
「許してやろう」


 つまり、逃げると死ぬ。抵抗しても死ぬ。
 ならば、自分たちで殴りあう。
 という結論に達したらしい。
 ……まったく理解(わか)りません。

 ダマって立っているという選択肢はなかったのだろうか?
 無抵抗も、ある意味では逃げかもしれないけど。
 でも、勇次郎は無抵抗な人間を殴らないという都市伝説がある。
 アニメ版のオリジナル最終話が元ネタだ。(最大トーナメント編12巻 or DVD BOX2 24話
 無抵抗というか、何もしていないジャガッタ・シャーマンにした仕打ちは忘れていいのだろうか?グラップラー刃牙24巻 208話)

 なんにしても、米兵たちは闘う意志を見せつつ、勇次郎に逆らわないという矛盾を解決した。
 勇次郎も、米兵たちの回答に満足したらしい。
 すると、アニメ版の大統領も自分を殴って見せれば勇次郎は満足したのだろうか?


 勇次郎は手刀でゲートを斬り、堂々と施設内に入っていく。
 カギだけ壊して入るところが、けっこう親切だ。
 チェーンの鍵などを使用すれば、すぐに門の役割を回復するだろう。

 目撃者は多い。あまり派手に暴れると米軍の面子がつぶれる。
 そうなったら、米軍としても勇次郎に本格的な講義や攻撃をしなくてはならない。
 さすがに全面戦争は勇次郎も避けたかろう。
 いくら勇次郎でも米軍と総力戦をしたら勝てまい。
 あまり米軍を追いこむのは得策ではないのだ。

 『勇次郎を倒すさいに出る被害 > 勇次郎への接待費』
 この式が成りたつ範囲で勇次郎も暴れているのだろう。
 戦車一台で約7億円ぐらいする。勇次郎のご機嫌とりのほうがずっと安い。
 勇次郎のワガママって、飯と対戦相手ぐらいだし。
 兵器を買いそろえたり、他国に資金援助をすることを考えたら、安く済む相手なのだ。

 勇次郎は「許してやろう」と言っている。
 つまり、範馬勇次郎をちゃんと接待しなかったから怒ったのだ。
 勇次郎が顔を見せた時点で「イエッサー、お入りください」と開門するのを期待していたんだろうな。
 門の警備をしていた米兵はピクル来日で急遽配備になった新人なのだろう。
 だから、勇次郎の顔を知らなかったのだ。

「「ええ………………誰も止めません……危ないですから……」」

 みなさん、理解(わか)っていらっしゃる。
 範馬勇次郎と止めようとするのは非常に危険なのだ。
 動物園から逃げだした猛獣よりもヤバい。
 きっとデモ隊の中にも失神者と失禁者が出ているだろう。

 とりあえず、勇次郎の出現でデモ隊も気をそがれた。
 すこしは米軍にとって役に立つこともしている。
 もしかすると、勇次郎なりの気づかいなのか。
 次回はちゃんと接待しろよという期待を込めているのかもしれない。
 とりあえず勇次郎に対する最大のプレゼントは、刃牙の罪をモミ消すことだろうな。

 なんにしても、範馬勇次郎は基地内に入った。
 この後、ピクルの居場所を米兵に聞くことになるのだろう。
 人に教えをこう勇次郎は、どれぐらい横柄な態度をとるのか?
 勇次郎に接客業はムリだ。


(こうして呼吸を合わせてる限りは)
(この兵士がわたしに気付くことはない)

 そのころ、烈海王はまだドリフ風コントをやっていた。
 ハンパでない芸達者っぷりである。
 これなら一流の芸人として食っていけるだろう。

 自由に移動したいのなら、警備兵の後ろにつく必要はあまりない気がする。
 だって行き先は警備兵まかせだ。
 もっとも、烈はピクルの居場所をしらない。
 だから警備兵のあとをつければ、何らかのヒントが得られると期待しているのだろう。
 警備兵は、重要な物を見回るのだから。
 だからといって、ドリフは無いよ。

 警備兵同士が出会い挨拶をするときも、烈は動揺しない。
 寸分たがわず手を挙げ、完璧に相手の死角に入っている。
 うむぅ、中国武術おそるべし。ものすごいシンクロっぷりだ。
 エヴァンゲリオンのユニゾンキックだって、練習無しで成功するに違いない。

 中国武術には『聴勁』という技術がある。
 相手に触れた状態で、相手が次にどう動くのかを感じる技術だ。(参考
 対戦者の動きが読めるのは、説明するまでも無く有利になる。

 烈海王ほどの達人になれば、相手の動きを完全に読み取ることもできる!
 斗羽と闘ったときも、烈は視界の効かないまま闘っていた。(グラップラー刃牙27巻 236話)
 烈の底知れぬ強さがわかるエピソードだ。
 しかし、その技術もこんなコントに使われる日がくるとは……

 二人目の警備兵はピクルの施設を見回っていると会話から読みとれた。
 すかさず烈は張りつく相手をチェンジする。
 今夜は運も烈に味方しているようだ。
 ピクルと接触するのは、烈が先か?

 だが、ここでトラブルが発生した。
 後方から照らすサーチライトで映る影に、烈の三つ編みがハミ出てしまったのだ。
 警備兵はあわてて振りかえる。
 すかさず烈が親指一本拳で耳の下を打つ。声も無く気絶した。
 鮮やかな手並みだったが、発見されたのは痛い。

 警備兵は定時連絡を取っているだろう。
 先ほどのように、仲間同士が会う地点も設定されている。
 そうやって、互いに安否を確認し、別人がなりすましてもバレるようにしているのだ。
 警備兵がなんらかのトラブルにあった事は、数分でバレる。
 烈に残された時間は、わずかだ!

(これが)
(原人の居所…………………………
 基地内、基地!!?)


 それでも、烈はピクルの居場所らしき施設を発見した。
 フェンスで囲まれた基地内に、さらにフェンスで囲まれた施設がある。
 前回、ピクルの住居は脱走しやすいと書いた。
 しかし、部屋から出てもまた壁があるだけなのだ。
 脱走は意外と難しいらしい。

 同様に、侵入するのも難しかろう。
 烈はどうやって侵入するのか!?
 勇次郎は、いつ現れるのか!?
 次回へつづく。


 とりあえず、烈海王が先に到着したらしい。
 運が良かったのは、日頃の行いの差だろうか。刃牙とはちがう。
 でも、サーチライトで照らされたとき、サーチライト係り(?)が烈を発見しているのではなかろうか?
 見つからなかったのも運のよさか?

 陳舜臣の小説『珊瑚の枕』(上・風雲少林寺下・幻夢秘宝伝)でも、主人公の陳元贇が少林寺の技を応用して尾行するシーンがある。
 あたりまえだが、コントみたいなマネはしない。
 中国武術と尾行には何かの縁があるのだろうか。

 今回はピクルの姿が出てこなかった。
 ヤツはおとなしく捕まっているような雄だろうか?
 今ごろ、こっそり外出しているかもしれない。
 烈が侵入したら、誰も居なかったというオチは十分にありうる。

 ピクルがいない部屋に烈が入ると、非常にマズい。
 なぜなら、烈もピクルも黒いからだ。
 オマケに雄度が高い。超マッチョだ。髪も長い。
 並べて立たせると、シロウトには見分けがつかない。

 つまり、烈海王はピクルと間違われる。

 先ほどまでのドリフ的コントは、この展開への伏線だ。
 今度はカン違いネタが炸裂する!

 烈よ、髪を伸ばした花田が交代にくるまで、耐えろ!
 ……でも花田は片キンだから裸になったらバレるな。
 烈よ、捕まったらホモ・サピエンスとして終わりだぞ!
by とら


2007年10月18日(47号)
第3部 第84話 同窓 (740回)

 烈海王はピクルの居場所を発見した。
 スピード勝負では範馬勇次郎に勝利したのだ。
 本人は知らないだろうが、歴史的快挙といってもよかろう。

 烈海王はズボンの股間部分から鉄球つきのロープを取り出す。
 おそらく流星錘(りゅうせいすい)だろう。
 ドイルをボコった時に使用したのとは形がちがうので別物だ(バキ14巻 118話)。
 烈は武器をいっぱい持っているな。税関で止められたりしないんだろうか。
 あ、正規じゃないルートで出入国でしたっけ。(バキ20巻 170話

 烈は現在しがみついている鉄塔からピクルの施設にむけ流星錘を投げつけた。
 鉄塔と施設の間にロープを通し、上空から侵入をはたす。
 なんかスパイ映画の主人公みたいな活躍だ。妙になれている。
 特殊諜報機関『海王』のメンバーとして各地で破壊工作とかやっていそうな感じだ。
 まあ、ドリフやった時点で、マジメな活動は期待できませんが。

 屋上にはりついた烈は異変を感じる。
 下に通じるハッチが開いているのだ。
 なんて無用心な。

(まるで誰かが先に侵入したような…)

 疑問を感じながらも、烈は侵入をつづける。
 むしろ、誰かが外に出た可能性も考えたほうがいい。
 ピクルがすでに逃げ出していたら、無駄足になってしまう。
 だが、疑問はともかく先に進む。
 真実を確かめないことには、引き返すわけにもいかない。


 ピクル部屋の前にたどりついた烈海王は意外なものを目撃した。
 警備の米兵を倒している鎬昂昇だ。
 烈が恥ずかしいコントをして、必死になって侵入したのに、先を越されている。
 これは、相当なガッカリだろう。

 鎬昂昇はおなじみの黒い空手着を着ている。
 けっこう目立つ格好だと思うが、よく見つからなかったな。
 気配を消す技術では、烈よりも上なのかもしれない。
「現在(いま)のわたしは烈海王にだって勝てる!!!」発言は思い上がりじゃ無かったのかも。バキ12巻 106話

 ところで、昂昇はクツをはいている。
 空手の特色である手首&足首から先の用法に問題が発生するが、いいのだろうか?
 いや、もしかしたら鉄板の入った安全靴で、ほとんど凶器みたいなモノかもしれない。
 たまたま はいていた安全靴なら独歩的な美学でもOKだろうし。

「一目で強さが伝わる外見」
「人目はばかることなく交尾に及ぶ底知れぬ野性」

「そしてできることなら戦ってみたい」


 もちろん昂昇もピクルを狙っている。
 受け止められなかった刃牙よりも、ずっと積極的だ。
 昂昇が烈に先んじることができたのは、日本の地理に詳しいのと、兄・紅葉がサポートしてくれたためであろう。
 とりあえず烈は米軍基地に来るまでが一苦労だっただろうし。
 途中で迷子になっている上に、徒歩で来ているよ、烈海王なら。

 昂昇は自分が烈よりも早く到着したことを主張する。
 つまり、ピクル挑戦の優先権は自分にあると言うことだ。
 烈と対決してでも、譲らない様子を見せる。

「おいおい鎬よ……」
「先客はおめェじゃねェよ」


 ピクル部屋にある恐竜の模型が破壊され、中から愚地独歩が出てきたッ!
 って、エ〜〜〜〜〜〜ッ!?
 あなた、どこに潜んでいますか?

 いつ恐竜の内部に入ったのだろうか。
 警備兵は昂昇が倒していた。だから、警備兵が気づく前に入っていたことになる。
 ピクルが基地に到着する前に侵入したのか?

 だが、事情事態はこれで終わらない。
 部屋のスミにある小さな水槽からは、ジャック・ハンマーが出てきた。
 あの巨体がよく入っていたな。それに呼吸はどうした?

 ベッドの下からは渋川剛気が登場だ。
 さすが年の功である。
 イチバン楽な場所を確保した。
 恐竜の中や、水の中では、窒息死するおそれがある。

 廊下の壁を破って愚地克己も出てくる。
 物を破壊しながら登場するのは、愚地流だろうか。
 ガイアやゲバルのようにバンダナを巻いて、ニューファッションになっている。このオシャレさんめ。
 だが、ちょっと待って欲しい。もしかして彼は範海王ではないだろうか?

 最後に天井から寂海王がぶら下がる。
 高すぎるから簡単に降りることができない点が萌えポイントだ。
 今回は少林寺っぽい服装で、本気度が高い。
 すかさず烈に挨拶するあたりも、危険だ。

「とんだ…………………同窓会だぜ…」

 いきなりオールスターが勢ぞろいだ。
 ピクルがもつ野性の力はこれだけの戦士を呼びよせた。
 刃牙はいませんが、流しましょう。

 これだけの面子がそろったのだから、おとなしく早い者順とはならないだろう。
 アンタじゃムリだオレがかわる、と言い出しそうな人間ばかりだ。
 ピクル挑戦権をめぐり格闘士たちの争いとなるか?
 次回へつづく。


 予想だにしなかった豪華メンバーがそろった。
 なんか、部屋の酸素が足りなくなりそうなほどの強者たちだ。
 この調子なら、さらに新たなる戦士が出てきてもおかしくない。
 克巳が気がついたら範海王になっていた展開もありうる。
 油断していると独歩と寂海王が入れ替わってしまう事態もあるだろう。
 ジャックの中から刃牙が出てきたりすることは、……無いな。刃牙は出てこない。

 さらに範馬勇次郎が接近中だ。
 渋川先生の危険センサーに反応しなかったので、この場の危険度は低いと見た。
 この場で勇次郎が暴れる可能性は少ない。
 しかし、いずれ勇次郎はやってくる。注意は必要だ。

 部屋の中に入れなかった烈・昂昇・克巳は老獪さ or 範馬力に敗れたのだろうか?
 外に居る連中は、しょせん若造だ。
 ジャックも相当若いのだが、彼は範馬だし。
 勇次郎とジャックが出会うのは、ちょっと都合悪そうだ。ジャックなら勇次郎との闘いを優先しそうだし。
 そうなると、やはり勇次郎は来ないのか?

 それにしても、第二部『バキ』シリーズ以降から登場したキャラクターが寂海王しかいない。
 やや さびしい状況だ。
 オリバやゲバル、海王たちは海外にいるからしかたがない。
 ドリアンを大擂台賽につれてきたぐらいだし、パワーアップしたドイルやシコルスキーを呼べば良いのに。

 『カラマーゾフの兄弟』の新訳本がヒットしているなど、ロシアは今が旬かもしれない。
 11/15発売予定の「バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ」(公式AA)にはアンブレラ幹部「セルゲイ・ウラジミール大佐」というキャラクターが出てくる。
 刃牙ファンであればセルゲイ・タクタロフ+ウラジミール(ユリーのトレーナー)であると見破ることができる。
 ロシアキャラは期待されているのだ! たぶん。

 シコルスキーなら、ヤモリのように侵入できる。
 復活・活躍するチャンスは今しかない。
 ガイアに鍛えられた、新シコルスキーの登場を期待する。
 そして、見事な負けっぷりを見せてくれ!

 シコルスキーもそうだが、この場にふさわしい人が数名足りない。
 雄度の代名詞・花山薫はどうした?
 外伝で忙しいのだろうか。
 裸のにあう人だけに、おしい。

 そして、猪狩がいない点も気になる。
 猪狩なら、ピクルをリングに上げると言いだす。
 リング上で公開処刑などと宣伝すれば、お客さんも呼べそうだし。
 客をよべる悪役が世間では流行っているのだ。

 ところで肝心のピクルだが、これだけの騒ぎなのに姿を見せない。
 ちゃんと部屋にいるのだろうか?
 すでに脱走した後というオチもありうる。
 その場合はみんなでピクルを追いかけるピクル争奪戦となるのだろう。
 ピクル脱走をゴマカすなら、全裸の烈海王を置いておけば大丈夫だし。

 もしかすると、この施設はダミーなのかもしれない。
 雄度の高い人間が集まったところで、クレーン車で吊り上げて捨てる。
 日本の雄度は急激に下がって、米国は今後交渉しやすくなるという作戦だ。
 刃牙が参加していないのは、危機察知能力が高かったと言い訳できるし。
by とら


2007年10月25日(48号)
第3部 第85話 恋心 (741回)

 豪華キャストが勢ぞろいだ。
 さらに範馬勇次郎もこちらに向かっていると言う情報がある。
 格闘士(グラップラー)オールスター状態だ。
 ちなみに刃牙はいません。
 今、うっかり「いりません」とタイプミスして、さすがにそれは酷いと自分ツッコミ。

「こうなると照れ臭ェ…」

 いい大人が黒装束に身をつつみ、ドリフ風のコントしたり、綱渡りしたり、三つ編みだったりするのだ。
 全部、烈の行動じゃねェか。

 とりあえず空手着の鎬昂昇と、道着の寂海王は恥ずかしさが倍増しだ。
 もうちょっと地味な服に出来なかったものかと。
 ビジュアル系は服装に こだわり過ぎる。
 ……寂もビジュアル系なのか?

 道着のまま逮捕されちゃったら、流派にマイナスイメージがつく。
 個人でやっているっぽい鎬はともかく、寂海王はマズイぞうだ。
 ……もしかして、あの格好は他流派の物で偽装だったりして。


 一応、寂海王は前途ある若者を正しく導くために来たと主張する。
 もちろん嘘っぽいので克巳につっこまれた。
 さすが増長ぎみの天才だ。年上にも容赦ない。

 けっきょく、みんなはピクルと戦いたいのだ。
 誰が最初に戦うのか?
 互いに牽制し、殺気が周囲に満ちた。
 ちなみに、部屋に入っていない烈海王・鎬昂昇・愚地克巳はあきらかに出遅れている。
 認めたくないだろうけど、若さゆえの あやまちだな。

「……と その前に あれだよ…」
「肝心のピクルは………」


 ここで、独歩がイチバン重要なポイントを確認する。
 さすが愚地独歩だ。
 みんなピクルのことを忘れているんじゃないかと心配だった。
 前回のラストなんて「せっかく集まったんだし、飲みに行くか?」と言い出しかねない感じだったし。

 この面子で飲みだしたら、それはそれで面白そうだ。
 表じゃ語れない、格闘秘話なんかも飛び出しそうだし。
 たまたま店に強盗が入ってきたら(たぶん見えない力に引かれて入ってくる)、その場で生き試しだ。
『孤独のグルメ』(参考AA)みたいに、食事中の雰囲気をジャマされ アームロックで仕置き、なんてレベルじゃすまない。
 むしろ、シグルイの牢人クラスだ。

 同時に、独歩の菩薩拳は水月、
 ジャックのチョッパーブローは首筋に、
 烈のヒョウ[金票]は眉間に狙いを定め、
 克巳が取り出したるは加藤直伝のテグス、
 そして渋川剛気の笑み。(……昂昇と寂海王は居るんだけど出番無い)
 ドッポたちなら、飲食店でも これぐらいは、ヤる。


 話をもどすと、ピクルは木のうろで寝ていた。もちろん全裸だ。
 寝ているだけなのに あふれる野性がある。
 寂・独歩・ジャックのスキンヘッド+坊主頭たちは、見ただけで汗を流した。
 範馬の血すら汗を流すとは、かなり迫力があるようだ。
 さすがピクルである。

 野性らしく、寝るときは安全を考えて隠れているのだろうか。
 なんか袋のネズミと言う感じもしますが。
 この状態で肉食獣に襲われたら、たぶん食われる。

「のんびりしてやがんなァ…」
「これだけ大騒ぎしてンのによ」


 またも克巳が突っこむ。
 今日は突っ込み担当のようだ。
 というか、うるさいのは自覚していたんだ。
 アンタら仮にも潜入中なんだし、もう少し静かにできないのか?

 克巳の疑問に対し、達人・渋川はピクルが自分たちを敵と認識していない可能性を指摘する。
 独歩たちは闘いたいという欲求はあっても、殺意や食欲にまで発展していない。
 闘いなど、ピクルからみたら遊びなのだろう。
 衣食住が満たされているから、純粋に闘いをたのしむ余裕が生まれる。
衣食足りて礼節を知る』の変形ですな。
 あ、ピクルに服はいらないのか。

 とりあえずジャックが木を蹴る。
 範馬の眷属らしい積極的な行動だ。
 あまり活躍すると、寂海王がスカウト地獄をしかけるので注意したほうがいいぞ。

 この衝撃で、さすがにピクルも目覚める。
 そして、尿だ!
 目覚めて一発目の放尿である。
 セクシー&ダイナマイトに、股間に手も触れず放出だ。
 両手は腰というか尻ふきんに添えるだけで、なんか誇らしげ。
 これが野性の力なのか!?

 ピクルはなにも考えていないのか、とりあえず正面に放尿した。
 運良くガラスがあったものの、烈と克巳の真正面だ。
 烈&克は過剰に反応して、大げさに体をよじる。
 ふたりの弱点は水属性なのだろうか?

 なお、烈と克巳の間に居たはずの鎬昂昇が消えている。
 昂昇はビジュアル系なので、尿はNGなのだろう。
 なんにしても、面白いポーズをとってしまった烈や克巳よりも、回避能力が高いようだ。
 鎬昂昇はけっこう腕を上げている。

 動揺する青二才とはちがい独歩は揺るがない。
 ハネが顔面に飛んでも平気だ。
 汗もかいていない。
 ちょっとは、動揺してもいいと思いますが……

「ウェルカム ピクル……」
「ようこそ未来へ……」


 放尿中のピクルがふりむく。
 視線の先には範馬勇次郎がいた!
 壁を破って、ついに参戦だ。
 破る場所を間違えた(?)克巳とは実力がちがうぜ。

 ついに役者がそろった!(刃牙以外)
 ピクルをめぐる戦いが始まろうとしている。
 次回へつづく。


 次回予告では刃牙も参加するようなことが書いてありますが、本当に出てくるんでしょうか?
 ピクルに対する興味が、他の人間とは段違いに低い。
 どうやって、呼び出すのだろう。
 刃牙の興味を呼びおこすのは、やはりエロか……。エロしかないのか。梢江じゃダメか。

 とりあえず、勇次郎は参加した。
 勇次郎にしては おとなしい登場である。
 ピクルの居場所を探りながら壁を壊したから、地味になったのかもしれない。
 先を越されて、内心はかなり悔しいんだろうな。

 勇次郎も野性度の高い男だ。
 ピクルをふりむかせたのは「喰うぜ!」の気迫なんだろう。
 ここにいる人間よりも、ズールのほうがピクルと気が合いそうだ。
 二人で仲良くワニを喰ったりしそう。

 独歩たちはピクルに興味がある。
 それは確かだが、勇次郎への復讐も大事だろう。
 ピクルと勇次郎のどっちに手を出すか、悩みはじめたりして。

 それにしても、濃い人間がそろった。
 戦士としても一流だ。くぐりぬけた修羅場の数は計り知れない。
 なにしろ、爆破された経験を持つものが三人いる。
 独歩はドリアンに顔面を爆破され、鎬昂昇はドイルにブレストファイヤーで焼かれ、克巳もドイルに粉塵爆発された。
 これで、スペックに爆破された花山を呼べば、さらなる爆破因果を呼び寄せそうだ。
 花山がいないのは、むしろ良かったのかもしれない。

 ところで、克巳のバンダナが気になる。
 ガイアの技術をパクリまくって記念にもらったのだろうか?
 それとも、爆破のダメージが残っているのかもしれない。
 『バキ最終巻275話での克巳には、ちゃんと毛がある。
 しかし、爆破されてから克巳の着帽率が上がっているのも事実だ。
 もしかして、克巳の毛根は再起不能で……カツラ?


追記 (07/10/31)
 勇次郎も登場して、ついにピクル争奪全裸トーナメントの開催だろうか。
 油断すると全選手全裸入場とか考えてしまいます。

全裸入場


「虎殺しは脱いでいた!!
 更なる脱衣を重ね人間凶器が甦った!!!」
「裸神!!」
愚地独歩だァ――――!!!」

「全裸はすでに我々が完成している!!」
「日本拳法
 稲城文之信だァ――――!!!」

「着こみしだい脱ぎまくってやる!!」
「五輪アマレス代表
 ロジャー・ハーロンだァッ!!!」

「全裸の殴り合いなら我々の歴史がものを言う!!」
「裸拳のムエタイ ムエカッチュアー
 ジャガッタ・シャーマン!!!

「真の裸体を知らしめたい!!」
「少林寺拳法
 三崎健吾だァ!!!」

「ボクシングは3階級制覇だがケンカなら全裸でオレのものだ!!」
「パナマの裸拳
 ラベルト・ゲランだ!!!」

「脱衣は完璧だ!!」
「全裸日本柔道
 畑中公平!!!!

「全裸のベスト・ディフェンスは私の中にある!!」
「レスリングの裸神が来たッ
 ローランド・イスタス!!!

「全裸なら絶対に敗けん!!」
「暴走裸(ぞく)のケンカ見せたる
 特攻隊長
 柴千春だ!!!」

「全裸(バーリ・トゥード:なにも着ない)なら こいつが怖い!! マジ怖い!!」
「ブラジルのピュア・ファイター
 ズールだ!!!」

「韓国海兵隊から裸の虎が上陸だ!!」
「テコンドー
 李猛虎!!!

「着衣の無いケンカがしたいから(ストリップの)バウンサーになったのだ!!」
「プロのケンカを見せてやる!!
 リチャード・フィルス!!!

「全裸にベルトだけとは よく萌えたもの!!」
「達人の奥義が 今 全裸でバクハツする!!」
「渋川流柔術
 渋川剛気先生だ―――!!!」

「世界ヘヴィ級チャンプこそが地上最強の全裸だ!!」
「まさかこの男が脱いでくれるとはッッ
 アイアン・マイケル!!!」

「脱ぎたいからここまできたッ
 着衣一切不明!!!!」
「カナダのピット(ケンカ)ファイター
 ジャック・ハンマーだ!!!」

「オレたちは立ち技最強ではない 全裸で最強なのだ!!」
「御存知ムエタイ
 デントラニー・シットパイカー!!!」

「柔術の本場は全裸のブラジルにある!!」
「オレを驚かせる●はいないのか!!
 セルジオ・シルバだ!!!」

「デカカァァァァァいッ着衣不能!!」
「2m40!!! 310kg!!!
 アンドレアス・リーガンだ!!!」

「柔術は全裸で使えてナンボのモン!!!」
「超全裸柔術!!
 本家日本から本部以蔵の登場だ!!!」

「ベルトはオレのもの 邪魔する衣服は思いきり破り 思いきり脱ぐだけ!!」
「キック・ボクシング統一王者
 ロブ・ロビンソン

「全裸を試しに日本へきたッ!!」
「サンボ全裸ロシアチャンプ
 セルゲイ・タクタロフ!!!」

「鎬流に更なる磨きをかけ」
「"紐切り"鎬昂昇が脱いできたァ!!!」

「今の自分に着衣はないッッ!!」
「シュート・レスラー
 山本 稔!!!

「中国四千年の肢体が今 衣服を脱ぐ!!」
「香港から
 烈 海王だ!!!」

「私と脱がないか? 魔性の握手が妖しく光る!!」
「ウホッ! 空拳道!
 寂海王だ―――!!!」

「ファンの前でならオレはいつでも全裸だ!!」
「燃える闘魂 猪狩完至
 全裸で登場だ!!!」

「医者の衣服はどーしたッ
 股間のモザイク 未だ消えずッ!!」
「脱ぐも脱がすも思いのまま!!
 鎬紅葉だ!!!」

「特にまわしがないッ
 横綱が脱ぐのは当たりまえ!!」
「日の下開山!
 金竜山がきてくれた―――!!!」
「協会にはないしょだ!!!」

「暗黒街で脱いだ実戦カラテ!!」
「神心会のゼンラダス・ライオン
 加藤清澄だ!!!」

「オレは脱いだのではない 脱がされたのだ!!
「悲運のムエタイ王子がきてくれた!!
 サムワン海王!!!

「実戦(ケンカ)だったら全裸は譲れない!!」
「超A級喧嘩師
 花山 薫だ!!!」

「超一流レスラーの超一流の全裸だ!!
「生で拝んでオドロキやがれ
 ニューヨークの鋼裸人!!
 マイク・クイン!!!

「武術空手はこの男が脱がせた!!」
「神心会の切り札!!
 愚地克巳だ!!!」

「若き王者が脱いできたッ」
「服はどこへ行ったンだッ チャンピオンッッ」
「全裸で君を待っていたッッッ」
範馬刃牙の登場だ――――――――ッ」




 ――――――衣服の使用以外、すべてを認めます!

by とら


2007年11月1日(49号)
第3部 第86話 本能のままに (742回)

 範馬勇次郎、参戦ッッッ!
 この先は範馬が仕切る。
 トーナメント形式にするとか、勝ち抜きにするとか、順番も全部決められてしまう。
 ……ジャック、立場ないな。

 主役は最後に登場するとばかりに範馬勇次郎が登場する。
 前回感想で、壁を破ってと書きましたが、克巳のあけた穴を利用したようだ。
 勇次郎は、カッコつけているけど、イチバン到着が遅い。
 おまけにピクルとは壁で隔たれている負け組みグループに所属している。
 なんだ。けっこうダメ男じゃないか。
 面と向かってはいえないけど。

「揃いも揃ったり………」
「"烏合の衆"とはよくぞ言ったもの」

『※烏合の衆…カラスの群れ。/ 転じて実力の無い人々の集まりをさす。』

 さっそく勇次郎がダメ出しをする。
 一流がそろっているのにキビしい意見だ。
 ディーノイ、デントラニー・シットパイカー、ジャガッタ、チャモアン、サムワン海王といったムエタイ勢たちならともかく。
 ……範馬なのに、その他おおぜい扱いされるジャックの立場が無い。

 なお、辞書で『烏合の衆』をひくと『《「後漢書」耿エン伝から》規律も統一もなく寄り集まった群衆』となっている。
 弱いのではなく、規律なく乱れた集団と言う意味だ。
 確かに、協調性はゼロっぽいな。

 後漢書・列伝九の『耿エン(コウエン)』伝には『轔烏合之眾(烏合の衆(眾は衆の本字)をふみにじった)』とある。
 なんか、今後の展開を案じてしまう。

 『烏』自体には弱いという意味は無い。
 唐末の猛将李克用のひきいる黒装備の軍団は鴉軍(あぐん)と呼ばれ恐れられた。カラスちがいですが。
   (※ 漢語林によると、鴉は『はしぶとがらす。からすより小さく、口ばしが太く、腹が白い』)
 驍勇絶倫と正史に書かれる明初の武将・花雲は「黒先鋒」「黒将軍」と呼ばれている。(顔が黒かったらしい)
 水滸伝の暴れん坊である李逵(横山作品では「鉄牛」)のアダ名は黒旋風だ。(コイツも色黒)

 黒は不気味で強そうに見える色なのだろう。
 そういえば範馬勇次郎も黒い服を着ている。
 オタ系の人が黒い服を好むのも、強さに対するこだわりがあるのだろうか?
 単に着がえるのが面倒なので、汚れの目立たない色にしている気もしますが。


 話をもどす。
 勇次郎は、かなりムリヤリに悪口を言っている。
 なぜか?
 自分が出遅れたのをゴマカすためだろう。
 みんなを刺激したことで、勇次郎がイチバン遅れたという事実から話がそれて行く。

 まず克巳がツッコんだ。
 やはり、前回からツッコミ担当になったらしい。
 とりあえず、勝手に弱者認定するなと勇次郎に文句を言ってみる。
 猛獣に襲いかかるよりも、勇気ある行為だ。
 克巳も勇次郎にたてついた自分をほめてあげたいという表情で満足している。
 まあ、確かにガンバったよ。

「だから相手にもされんのだ―――――――――
 俺にも刃牙にも父親にも」

「何一つプランも立たぬまま やれば何とかなるだろうと」
「敗北を予感しながらも」
「父親を前にしてうっかり虚勢を張ってしまう」
「しかも瞬殺を免れたなら―――」
「加勢も期待できると」


 勇次郎が語りまくる。
 息子の刃牙以外にこれだけ語るのは めずらしい。
 まるで、何かの失敗を誤魔化そうとしているかのようだ。

 ……それにしても、ずいぶん克巳の相手していますね。


 独歩は克巳の相手をしていないのだろうか?
 昔の独歩は、克巳を自分より強いと評して頼りにしていた。
 しかし、最大トーナメントの二日前に菩薩拳に目覚め、愚地流が完成する。グラップラー刃牙30巻 264話)
 この時から、克巳に対して冷たくなったのかもしれない。

 克巳が神心会の復興を目指しているときも、独歩はひとりで修行をしていたようだ。
 やっぱり、相手をしてくれなかったんだろうな。

 そして、刃牙はあまり関係なさそうなのに、ムリヤリ名前を出している。
 勇次郎の過剰な親心だろうか?
 どちらかと言うと、刃牙が相手にされていない気がする。
 みんな、まだ刃牙が米国の刑務所にいると思っていそうだ。

 ムチャと知りながら一歩踏み出さなくてはならない時が、人にはある。
 極端な例だが『葉隠』(AA)だって、生きるか死ぬかの選択をするときは死ぬほうを選べと進めていた。
 そうすれば、不思議と生を拾うこともあるのだ。

 克巳は自分が「ツッコミ担当」であると理解して、あえてツッコミ入れたのだろう。
 そばに居るのは烈海王と鎬昂昇だけだ。
 加勢として、ちょっと弱い。
 命がけのツッコミなんだから、もうちょっと評価しても良いのに。
 本人がちゃんと自覚しているかどうか、あやしいけど。


 すべて見抜かれバカにされた克巳は、さらに命がけの反逆に出る。
 右手の打撃をフェイントにした蹴りを勇次郎に放った。
 だが、独歩は苦い表情でうつむき汗を流す。
 独歩も勇次郎にフェイントからの攻撃をしかけたが、鬼の反射神経に凌駕された(グラップラー刃牙7巻 61話)。
 克巳の攻撃は通用しないとワカっているが、壁に阻まれ助けることもできない。
 独歩はちゃんと克巳を大事におもっているのだろう。血縁はなくとも、親子なのだ。

 勇次郎は克巳の蹴りをハンドポケットのまま かわす。
 かわしたと言うより、当たらない。
 勇次郎は動いていないように見えるが、攻撃がかすってもいないのだ。
 さすが異次元の男である。

 そして、克巳の靴ヒモが抜き取られていた。
 ヒモは切れていない。
 確実に抜き取ったのだ。
 どんな早業なんだよ。

 勇次郎は抜き取ったヒモを克巳に投げつける。
 ヒモは意思があるかのように、克巳の顔面に絡む。
 まるで克巳が靴ヒモ以下の存在に落ちた感じだ。
 靴ヒモよりセロハンテープのほうが便利そうだし、ハマーとポジション争いをしそうな勢いがある。(参考:ピューと吹く!ジャガー


「入るぜ」

 克巳のことは捨ておき、勇次郎がピクルにむかう。
 思わず鎬昂昇は鍵を取り出す。
 なんか、空のグラスをみたらすかさず酒をそそぐ人みたいだ。
 すっかり負け犬根性が出ちゃっている。

 だが、勇次郎は鍵など使わない。
 手すら使用しない気だ。
 そのまま顔面を透明な壁に押しつけるッ!

 材質はスペックを閉じこめていたものと同じ特殊アクリル板だろうか?(バキ1巻 5話)
 アクリル樹脂は優れた透明性と成形性をもつ。
 CDやDVDの材質であるポリカーボネートよりも、ディスクを作る素材に向いている。
 しかし、空気中の水分を吸収しやすい欠点があり採用されなかった。(ただし、LDはアクリルを使用している)
 自衛隊などが使う透明な盾はポリカーボネートでできている。アクリルも同程度の強度であろう。

 勇次郎は、そんな壁を顔で押し破ろうとする。
 顔がムニぃぃッと押しつけられて、面白い状態だ。
 さっきまでエラそうに語っていた人とは思えない。威厳、まるで無し。
 うっかりすると、『迫力あるオバケのQ太郎かと思うような顔になっている。
 とくに口のあたりが。
 まさに、オバケのU次郎ッッッ
    新オバケのQ太郎 1 (1) (てんとう虫コミックス 61)

 そして、むりやり部屋に入ったァ!
 さすが勇次郎だ。つねにムチャな手段を選ぶ。
 手を使うとかは、選択肢に無かったのだろうか?

 なんにしても、地上最強と史上最強が出会った。
 二人は最強の座をかけて、さっそく戦うのだろうか?
 次回へつづく。


 勇次郎が出てきて、あっという間に他の連中が雑魚化した。
 特に克巳と昂昇がヒドい。
 克巳は早く顔にまきついている靴ヒモを外したほうが良いと思う。

 歴史的な瞬間に範馬刃牙は居合わせない。
 このハズしっぷりが主役の余裕なのだろうか?
 今ごろストライダムと現実逃避をしているのかもしれない。

 もう一人の範馬であるジャックの動向も気になる。
 徹底的に勇次郎に無視されている気の毒な兄だ。
 なんとか活躍して欲しい。
 刃牙なんかよりも、ずっとヤル気あるのに。
 このままでは、なんのタメに骨延長したのかワカらないよ。

 しかし、現在の勇次郎が発揮するワガママ度はキケンすぎる。
 わが子のジャックですら烏(カラス)あつかいしそうだ。
 部屋に入るとき、服が破けたのもポイント高い。
 すぐにでも鬼の面を出せる状態だ。
 もう抜き身の日本刀と同じです。斬らずにはいられない。危険すぎる。


 オバケのU次郎と化した状態では、どんなコトを言い出すのか予想もつかない。

涼宮ハルヒの憂鬱』における、未来人が『朝比奈みくる』ならばッ
 キサマは過去から甦った『朝比奈ぴくる』だッッッ!


 ……ぐらいの発言は覚悟しておこう。


涼宮ハルヒの憂鬱 朝比奈ミクルの冒険 Episode00 通常版朝比奈ミクルの冒険
by とら


2007年11月8日(50号)
第3部 第87話 力比べ (743回)

 前回、範馬勇次郎氏(推定38歳)が想像を絶する面白い侵入方法をひろうしてくれた。
 今ごろカッコイイ顔をしても手遅れだ。
 背後の扉に消せないギャグの証が刻まれている。
 勇次郎はあの侵入方法がイカしていると思っていたのだろうか。

 なお、扉の材質はアクリルのようだ。
 前回書いたが、スペックの監獄も特殊アクリル板だった。(バキ1巻 5話)
 透明度の高いアクリルだから、中の人は丸見えですよ。

 せっかく扉が破れているんだし、愚地克巳も壁抜けにチャレンジしてみてはどうか?
 へっぽこ役から抜け出すためには、マネのできないスゴイ奇行をやってのける覚悟が必要だ。
 あ、でも、壁抜けだと勇次郎のマネになっちゃうのか。
 パクりまくるのが克巳スタイルなんだし、マネても大丈夫だろう。

 ただ、克巳がマネしたら、アクリル板のトガったところに引っかかって血まみれになりますね。
 今の克巳はそういうレベルにある。なにをやってもギャグになる運命だ。
 なんかスゴくオーラが出ている気がする。
 克巳のそばにいるかぎり、烈海王がやっても三つ編みが引っかかって「救命阿(ジュウミンヤ)」だろう。
 いっぽう、鎬昂昇は鍵を使用(つか)いそうだ。

「ピクル…」
「塩漬けの名で呼ばれし」
「遠き古(いにしえ)の大地に立つ戦士」


 なんか「光速の異名を持ち重力を自在に操る高貴なる女性騎士」みたいな、キャッチコピーだ。
 ピクル本人の意思とは関係なく、名前をつけられて定着しちゃっている。
 『金色のガッシュ!!』のウマゴンみたいだ。本当の名前はシュナイダーなのに……

 勇次郎も『鬼<オーガ>』という異名をもっている。
 オーガ…。悪鬼の名で呼ばれし異形の打撃筋肉を持つ戦士。などとストラダムに言わせていたのかもしれない。
 刃牙が活躍できないのは、異名が無いだめだろうか?
 個人的には『増長王子』と呼んでいるが、もっと強そうな異名が欲しい。

「貴様への想い―――――」
「芯に刻め」
「ここに集いし8名同様」
「この俺も―――――」
「貴様とヤリにきた」


 誤解を生む言いまわしだッ!
 闘争もSEXも似ているから、仕方がないと割りきろう。(バキSAGA 3話
 格闘漫画もラブコメも、ツンデレが重要な要素だし。
 主人公が問答無用でモテモテなのも宿命づけられているのだ。
 最近の刃牙は放置されていますが。

 ところで、84話での登場順に戦士をならべる。
 (1)烈海王、(2)鎬昂昇、(3)愚地独歩、(4)ジャック・ハンマー、(5)渋川剛気、(6)愚地克己、(7)寂海王だ。
 勇次郎以外の人間は7人しかいない。
 そうなると「8名同様」「この俺も」というセリフがあやしくなる。
 勇次郎とピクルは人数に含まれないんだから、7名同様だよね。
 もしかして、8番目の戦士として刃牙が潜んでいるのだろうか?

 やっぱり勇次郎は遅れてきたという失点を取り返すために、アセっているのかもしれない。
 遅れを取りもどすために、壁抜けなんて荒行も行ったのだろう。
 服が破けたのも、実は失敗だったとか。ズボンが破けなくてよかった。
 そして、人数を間違える。
 勇次郎にも失敗があるのだ。


 わざわざ最強のティラノサウルスを捕食する。
 困難な道をえらぶピクルの行為に、勇次郎は戦士の心を感じた。

 そもそも、ピクルの胃にはティラノサウルスの組織があったのだ。(ピクル1話
 現代人はだいたい食後2時間で胃が空っぽになり、食後6時間で空腹を感じる。
 消化が終わっていない。つまり、空腹ではなかった。
 ピクルがティラノサウルスと戦ったのは、食欲ではない。闘争欲だ。

 ピクルが生き残ったのは偶然ではない。
 当時の人類で最強だから、生き残れたのだろう。
 もし現代に隕石が落下したら、生き残る最有力候補は範馬勇次郎だ。
 塩漬けで蘇生というムチャが通用するのも勇次郎ぐらいだろう。
 実写映画の『トランスフォーマー』(AA)で、氷漬けのメガトロンが復活したのも強いからなのだろう。
 目覚めた第一声が『I am Megatron』で、自己主張も強いし。


 現代の戦闘狂・範馬勇次郎と太古の戦闘狂・ピクルが対峙する。
 勇次郎が差しだす拳に、ピクルも拳をあわせた。
 そして、拳で押しあう力比べだ。

 歯を食いしばり力を出す勇次郎に、ピクルは好敵手ティラノサウルスの力を感じた。
 牙をムキ出しピクルが笑う。
 そして、野性が全力を出した。
 圧倒的なパワーに、勇次郎が思わず合気(?)を使用する。
 ピクルの巨体が宙を舞ったッ!

(野郎……ッッ)
(俺を技術(わざ)に追い込みやがった……………ッッッ)


 ピクルが純粋な力で範馬勇次郎に勝った!
 これが野性の力なのか?
 次回へつづく。


 勇次郎が完全に力負けした描写は、今回がはじめてだ。
 鎬紅葉とドアノブ対決をして苦戦した事はある。(グラップラー刃牙6巻 52話)
 しかし、負けたのは今回がはじめてだ。

 勇次郎は進化しつづけるので、今なら紅葉に楽勝という説が多い。
 また、勇次郎は握力だけニガテという解釈もある。
 イイ夢見たあとで興奮していて、汗で手が滑ったというのはどうか?
 もしかすると、寝起きで調子が悪かったのかもしれない。

 勇次郎は麻酔銃に倒れている。
 また、麻酔から目覚めたとき、扉を開けろと要求した。(グラップラー刃牙36巻 315話)
 もしかすると起きたばかりで体がほぐれ無かったので、開けるように言ったのかもしれない。
 外の小坊主を脅しながら、勇次郎はラジオ体操などをやって、体を温めていたのだろう。
 範馬勇次郎の弱点は睡眠にある! のか?


 勇次郎よりもオリバのほうが、純粋な力では上かもしれない。
 だが、二人が力比べをした事は無いのだ。
 それゆえ、ピクルが暫定的な腕力王者となる。
 オリバを倒した刃牙に、ピクルの腕力を評価してもらえば、正確なランキングがわかるだろう。
 やはり、刃牙とピクルは戦う運命にありそうだ。

 ピクルには腕力がある。だが、技が無い。
 克巳相手なら楽勝だろうが、渋川先生の合気攻撃には負けそうだ。
 そんなワケでピクルには修行が必要だと思う。

 勇次郎の語りぶりだと、「ここに集いし8名」はなんか実力者っぽい。
 ピクル争奪トーナメントを開けば全裸入場マチガイなしの逸材だ。
 こいつらが、よってたかってピクルを鍛えあげたら、エラいことになるだろう。

(1) 烈海王:中国拳法、足技
(2) 鎬昂昇:斬撃技、爪を使った攻撃
(3) 愚地独歩:打撃全般、コッカケ
(4) ジャック・ハンマー:体格が近いのでスパーリング・パートナー、噛みつき
(5) 渋川剛気:合気、組み技
(6) 愚地克己:プラン無し
(7) 寂海王:護身、防御、握手

 ある程度、バランスよく鍛えることができそうだ。
 一部にプランの立たない人もいますが。

 勇次郎を上まわる筋力に、彼らの技術を上乗せしたらどうなるのか?
 ボブ・サップに格闘技を学習させれば最強!』という感じの期待感がある。
 ……いや、ゴメン。例が悪かった。
by とら


2007年11月15日(51号)
第3部 第88話 完全包囲 (744回)

 勇次郎に転がされピクルは股間をさらして倒れた。
 いきなりダイタンなセクシーポーズだ。
 股間の白修正がまぶしいぜ!
 このあとで、『ストライプブルー』(AA)をみたら関口の股間も光っていて、二度笑えた。
 キャッチャーのサインを出している手が光っているんでしょうけど、場所が場所だけに……

 なお、ピクルの白修正はサイズから判断して勃起していないようです。
 銃口を向けられて持ち上がったオリバに、変態度で負けているらしい。(バキ11巻 89話
 この場合は勝たなくて正解だけど。

「ヤロウ…」
「俺に技を使用(つか)わせやがった…ッッ」


 さすがの勇次郎も冷静ではいられない。
 今まで腕力(ちから)で負けたことがなかったのだろう。
 勇次郎なら、乳幼児であっても差しだす大人の指をつかんでヘシ折っていそうなイメージがある。
 もしかすると、勇次郎にとって はじめての屈辱かもしれない。

 人間とは別次元の筋力を有する範馬勇次郎だが、技術も高い。
 過去に筋力を無効化する技術をかけられて苦戦し、対策として技術も学んだのだろうか。
 かつて、勇次郎は郭海皇の消力(シャオリー)を短時間で学習した。(バキ26巻 232話
 やはり、格闘センスもズバ抜けているのだろう。
 天はニ物を勇次郎に与えたのだ。

 倒れたピクルは数コマかけてゆっくり起き上がる。
 やや反応が鈍い。
 野性としてはちょっとニブい気がする。
 生物の弱点である腹をいつまでもさらしているのは いかがなものか。
 ピクルも人間社会になじんじゃって、野性度がうすれたのかもしれない。
 今ではなんにでもマヨネーズをかける食習慣になっていたりして。

 だが、ピクルがただ立ち上がる姿にも野性度があふれている。
「機能的に優れているものは、例えゆっくりと動いていようと、ほんの小さな動きの中にもその力の大きさを感じさせる」激闘達人烈伝
 そんな感じだろうか。
 宇城憲治の三戦(サンチン)に力を感じ、歌う矢沢永吉にパワーを感じるようにッ!
 きっとゴルゴ13の顔だけ描いている さいとう・たかをも、すごいオーラ出しているぞ。

『文明と呼ばれるものを甘受した――――
 結果 人体から消え失せた多くの機能』
『本来の機能に満たされた人体とは単純な動作ですらが
 かくも美しい


 立ち上がるだけで勇次郎を除いた七人の戦士たちに汗を流させるピクルであった。
 衣服と呼ばれるものを甘受した結果、人体から見えなくなった多くの部分があるので、野性度が低いのだろう。
 なんにしても、潜在的な力があるから立ち上がるだけでも強そうに見えるらしい。
 TV中継で勃ちあがる姿を見て、みんなたまらなくなるワケだ。

 ここにいる連中は、基本的に自分より強い人間がいることを許せない。
 強さを求めつづける強いんだ星人である。
 だからこそ鍛えつづけるのだ。
 そんな彼らはピクルに強烈な嫉妬を感じた。
 コイツを倒したいッッッ!


『ミスター ユージロー ハンマ』
『ソコマデデース』


 だが、ここで米軍からSTOPがかかった。
 まるで見ていたかのような見事なタイミングである。
 第301歩兵大隊 第2中隊 ヘンリー中佐が放送で呼びかけた。
 中佐だから、けっこうエラい人です。

 たとえば、ガンダムのシャア(初登場時に少佐)よりも上の階級だ。
 勇次郎の接待をするからには、高い階級でないと失礼になるのだろう。
 もし、勇次郎の趣味がゴルフだったら、毎週誘っていたはずだ。
 刃牙の渡米費用も出した可能性があるな。

「オ楽シミ中 誠ニ恐レ入リマスッッ」

 また誤解をまねくようなコトを言いやがってッ!

 お前はドラクエ1に出てくる宿屋のオヤジか。
 よけいなコトを言うな。

 ヘンリー大佐の目的は、お勇次郎の逮捕・拘束ではない。
 勇次郎に帰っていただくように、お願いすることだ。
 傍若無人な侵入方法と兵士の証言から範馬勇次郎と推察したヘンリー大佐は接待作戦を展開したらしい。
 でも、銃を持った兵士を配置しているのはいただけない。
 無用な威圧感は勇次郎を怒らせるだけだ。
 男ならば全裸で接待しろ!(ピクル7話

 正面ゲートにて、勇次郎は兵士たちに同士討ちをさせた(83話
 だが、その後は普通に兵士を倒していったらしい。
 やっぱりピクル夜這い事件への参加が遅れたので、あせっていたのだろう。
 人目があるときは、強さのアピールをしたかったのかもしれない。
 遅刻しそうになって走る勇次郎なんて、なんかカッコ悪いし。
 角曲がったときに転校生の烈海王さんとぶつかったりしたら大変だ。(参考


 手を引くことに関して、勇次郎が出した条件は「他の8名も不問」にすることだった。
 みんなのコトを雑魚あつかいしているものの、けっこう気にかけてくれる範馬勇次郎だ。
 意外と頼れるアニキですな。本当に意外だ。刃牙の父親とは思えん。
 そして、やっぱり8名だ。

 勇次郎だけに見える空想の刃牙とかがいるんじゃねーか?
 脳内恋人ならぬ、脳内息子だ。
 こっちの刃牙は常に強くなるコトを目指している少年なのだろうか。
 本物の刃牙よりも、脳内刃牙に出てもらいたいかも。

 他の連中もピクルへ挨拶をしにきただけと勇次郎は言う。
 まずは挨拶なのか。
 そして、いずれ戦うつもりだろう。
 勇次郎はふくみのある発言をしている。


 そして、とりあえず7名が放免となった。
 米軍の車で基地から10km離れた地点でおろされる。
 夜中ですが、その後の行動はどうするんでしょうか。
 基地に行くまでは各自で車などを用意していそうなだけに、また基地にもどったりして。徒歩で。

 この状況でも、寂海王は隣の席に座った愚地克巳を口説くのだった。
 独歩の隣に座らせてもらえない克巳は、やっぱり相手にされていないのだろうか?(86話
 傷心の克巳に狙いをつけるあたり、やはり寂海王はタダ者ではない。

 車には勇次郎の姿がない。
 面倒はみても、なれあわないと言うことだろうか。
 まあ、なにか別の用事があるのだろう。

 むしろジャックが普通に座っている点に違和感を感じる。
 こんな普通な反応をみせるんだ。
 さすがパジャマ愛用者である。グラップラー刃牙35巻 302話)

「8名……って………」
「バレバレじゃん」


 そのころピクルの部屋では、木の模様がついたシートをかぶせて潜んでいたガイアがボヤきながら退室するところだった。
 ガイアは偽装術のエキスパートだ。(グラップラー刃牙16巻 135話)
 それを見破るとは、さすが範馬勇次郎である。

 やはり、勇次郎とガイアの実力には大きな差があるらしい。
 たぶん指揮官としてのガイアが優秀だったので、勇次郎と互角だと思われていたのだろう。
 戦争は個人で戦うものではない。多数と多数が戦うものだ。
 勇次郎は個人で戦っていたけど。
 ……最近のガンダムなみに戦力過剰だな。

 せっかく二人っきりになったのだから、思う存分ファイトすれば良いのに。
 しかし、ここで退いてしまうのがガイアの弱さなのだろう。
 なにか勇次郎が仕切ったので、勝手に戦えない事情が生まれたのかもしれない。
 偽装がバレたショックで、ノムラにもどった可能性もある。
 そして、今度こそ誰もいなくなった。

 勇次郎はおとなしく帰るような男ではない。
 おそらく合法的にピクルと戦える場を作り出すのだろう。
 範馬勇次郎プロデュースのピクルゲームを開催する気だ。
 次回からの新展開に、目が離せないッ!
 でも、次号はお休みらしい……

 今週の作者コメントはコレだッ!
『緩やかに過ごしたかった年末。どーやら無理!!』
 なにか、スゴい計画を立てていそうだ。
 まさか第三の連載をはじめるつもりかッ!?
 餓狼伝が休みがちなのも、コレのせいかもしれない。


 とりあえず、刃牙は本格的にピクル争奪戦となりそうだ。
 ラストで勇次郎が車に乗っていなかったのは、米軍と話をつけるためだろう。
 ピクルの戦闘力を見るために、最強の現代人をぶつけてはどうか。などと提案中と見た。

 今回、いきなり戦いにしなかったのには、もう一つ理由がありそうだ。
 この場には、刃牙がいない。
 親バカの勇次郎は、刃牙を参加させたくてしょうがないのだ。
 だから祭を延期させて、刃牙を呼ぶ計画なのだろう。

 やる気の無い主人公に、ラスボスまで振り回されている。
 刃牙ってある意味、大物だ。
 RPGってのは、普通主人公が歩き回ってラスボスの所にたどりつく。
 刃牙の場合は、ラスボスが歩き回って主人公のところに獲物を届けている。
 オリバと戦うために渡米した積極性を 刃牙は取りもどしたほうがいい。

 とにかく、ピクルをめぐる戦いは始まったばかりだ。
 あとは会場が決まるのを待つだけといった心境である。
 なにか不祥事が起きない限り、問題は無い。
 ……刃牙よ、妙なことはするなよ。

 不祥事と言うと、最近賞味期限の偽造問題が多発している。
 ピクルも保存年数の偽造が発覚しないかと心配だ。
 本当に恐竜時代にいたとしても、ティラノサウルスはジュラ紀のあとにくる白亜紀の恐竜である。
 どこかで決定的に間違えている気がしてならない。
 恐竜ステーキを食って怒られたアレン君が逆恨みして、内部告発をするかも。

 まあ、イチバンの詐称疑惑は範馬勇次郎の年齢なんですが。
 ベトナム戦争(1959-1975)に参戦していたって、……アンタ 本当は歳いくつだ?
by とら


2007年11月22日(52号)
範馬刃牙はお休みです

 刃牙は休載なので、今までの展開をすこし振りかえる。
 とりあえず、外伝作品『ピクル』に入る直前までをまとめてみた。

 1〜35話のまとめと合わせて見ると、オリバ編の終了する79話までが第一部完という感じだ。
 全体の流れが、いちおう存在している。


 決戦前夜
サブタイトル内容
第36話 オリバとゲバル 刃牙はゲバルに勝負を申し込む。そこへオリバがやってくる。
第37話 共通点と相違点 喧嘩に勝つ事だけは譲れないオリバとゲバルだが、戦いへの動機がちがった。
第38話 カヤの外 刃牙はオリバとゲバルの間に割って入り、吹っ飛ばされる。
第39話 譲れぬ想い オリバはマリアのもとへ行く。ゲバルは謎のツボを取り出す。
第40話 前夜 オリバはマリアと愛を交換し、ゲバルはツボの中に勇気が入っていると説く。
第41話 愛 マリアの正体はジャバ・ザ・ハットだった。いや、ぬりかべか?
第42話 刑務所(プリズン) オリバは愛で戦い、ゲバルは勇気で戦う。

 刃牙はすっかりカヤの外で、オリバとゲバルの試合に向けて緊張が高まって行く。
 オリバとゲバルの戦いへの動機の違いがテーマとなっているようだ。
 共通する点は、誰かのために戦っていることだろうか。

 現在の刃牙は、自分の都合だけで戦っている。
 つまり「愛」が無いのだ。
 まあ、松本梢江嬢に出ていただかれても、あまり嬉しくありませんが。



 オリバ vs. ゲバル
サブタイトル内容
第43話 小さな動作と大きな意志 勝負方法は「ルーザールーズ」だ!
第44話 超雄と超雄 ハンカチの持ち方はさらに過激になっていく!
第45話 燻り ゲバルの猛攻を受けつつ、オリバは逆転のハンカチ握りを見せる。
第46話 ジルベルトスタイル オリバとゲバルはハンカチを握らずに戦う。刃牙はマリアのベッドに乱入する。
第47話 破壊 刃牙の介入により、戦いは真っ向勝負に変更され、オリバの一撃が決まった。
第48話 暴風(かぜ) ヤイサホー! とゲバルは起き上がり、逆襲する。
第49話 鉄(くろがね) GPSも狂わせるオリバの全力攻撃だ!
第50話 自由の国(アメリカ) 範馬勇次郎がゲバルに興味をもった。
第51話 刃牙 今日を生きぬく二人のアンチェインが最後の力を振りしぼる。
第52話 新たなる動き ゲバル最大の奥義、地球の核を踏み抜く『地球拳』だッ!
第53話 決着の刻(とき) それでも、筋肉を愛し巨大筋肉を有するオリバが勝つのだった。
第54話 完全決着 オリバの力は範馬勇次郎なみだ。その筋肉は愛で作られた。
第55話 脱走 ゲバルは国に帰る。そこには愛する国民と日常があった。

 試合は限定ルールから始まり、真っ向勝負となり、力が技を凌駕して決着となった。
 最初は策略で戦っていたゲバルだが、オリバの愛を崩せない。
 ルール解除で真っ向勝負になる流れは、刃牙とオリバの戦いでも再現される。
 そういう意味では、J・ゲバルとの戦いは、刃牙戦の伏線だったのかもしれない。

 誰かのために戦うことを否定していたゲバルだが、戦いの動機が弱きもののためだったりと、愛が絡んでいる。
 愛する島民のもとに帰り、日常を取りもどすというオチも、ゲバルの生き方を暗示しているようだ。
 ゲバルは自分の内面をちゃんと認識していなかった。
 そのため純粋さでオリバに負けたのかもしれない。

 地球すら利用していると言い出した必殺技『地球拳』はオリバの筋肉に負けた。
 これは「力 > 技」というコトなのだろう。
 人間 一人の筋肉は地球よりも強いんです。



 増長王子・範馬刃牙
サブタイトル内容
第56話 距離 範馬刃牙は外出によるアンチェイン化をめざす。
第57話 オリバと刃牙 刃牙はアンチェインを完成させる。
第58話 刃牙の自由 オリバは刃牙をお仕置きしようとする。が、出直してこいと逆ギレされた。
第59話 追う者、追われる者 オリバは刃牙の会話術で凹まされる。
第60話 追う者 オリバとマリアの愛ある生活
第61話 規律 拘束されてなお傲岸不遜にふるまう範馬刃牙であった。
第62話 弱者 尿まみれでも勝ち誇る刃牙と、豪華な食事でも不満ののこるオリバであった。
第63話 平伏す オリバは刃牙と試合をする決意をかためる。
第64話 こーゆー意味 二週間も待てないと、刃牙が喧嘩を仕掛けた。バトル開始だ!

 刃牙がひたすら、口でオリバを凹ませる。
 なんでココまで反逆男なんだろうか。
 父親と喧嘩するつもりになったから、今ごろ反抗期がやってきたのかもしれない。
 なんにでも反抗したいお年頃なのだ。



 激闘、刃牙 vs. オリバ
サブタイトル内容
第65話 純粋 驚異の身体をもつ刃牙とオリバが激突する。
第66話 受刑者は語る 壁を三枚ブチ抜く、オリバの怪力が炸裂だ。
第67話 刑務官は語る さらにオリバの怪力が荒れ狂う。
第68話 その変化 刃牙は溶ける感覚を味わい。鬼の背中が発現する。
第69話 刹那 宮本武蔵の脱力を見せた刃牙は、見えない攻撃でオリバをダウンさせた。
第70話 無意識 刃牙の攻撃は意識と無意識の間にある反応差を突いたものだった。
第71話 意識 オリバは球体と化す。
第72話 誤差 球体オリバに剛体術は敗れ、パックマン攻撃で刃牙はグッタリだ。
第73話 恐怖 刃牙は、オリバのパックマン攻撃を鼻攻撃で破る。
第74話 Over the Muscle 刃牙はオリバと真正面から殴りあいコトを宣言する。
第75話 筋肉の向こう側 全米No.1ヒットの打撃戦だ!
第76話 拳の果て 刃牙は真正面からオリバと殴りあい、押しこむのだった。
第77話 勝る 重撃と重撃のぶつかり合いの果てに、刃牙はオリバを倒す。
第78話 実現 刃牙に敗北したオリバは、刃牙を刑務所から追い出すのだった。
第79話 親孝行 勇次郎は刃牙の成長をよろこぶ。

 序盤は、オリバがパワーで刃牙を圧倒する。
 そしてビックリ技対決となり、真っ向勝負になった。
 対ゲバル戦と似た展開だ。

 今回も「力 ≧ 技」という図式は同じだ。
 だが、愛を持たない刃牙がオリバに勝っている。
 刃牙にとって愛など不要なのだろうか?

 あと「尿を頭からかけられても、爆笑する変態 → 勝つ」と言う図式も発覚した。
 愛は不要かつ性癖が変態という組み合わせが、イチバン強い要素らしい。


 オリバ編は、オリバと刃牙の闘いをゴールとして作られている。
 まず、オリバのライバルとなるJ・ゲバルを登場させた。
 ゲバルに勝つことで、オリバの強さ証明はさらに強固なものとなる。

 これを現在連載中の話に当てはめると、ピクルが噛ませ犬になる可能性が高いとワカる。
 既存キャラを持ち上げるために、ピクルを使い捨てるかもしれない。
 オリバとゲバルが戦っているあいだ、刃牙の出番は少なかった。
 現在の刃牙は出番を減らすことで、力を溜めているのだろうか?

 けっきょく、刃牙に尿をかけることのできる人間が、刃牙のライバルとなるのだろう。
 ピクルの放出量を考えると、ピクルが刃牙挑戦権を獲得する可能性も高い。
by とら


2007年11月29日(53号)
第3部 第89話 静寂 (745回)

 ピクル争奪戦の第二章がはじまる!
 だが、刃牙はいまだにカヤの外だ。
 やる気の無いヤツだが、これでも主人公です。

 その範馬刃牙はファミレス「Erry's」で、ルミナとダベっていた。
 デニーズの親戚だろうか。
 二人とも飲み物しか注文していない。
 おかわりドリンク320円で粘るのが、学生の基本戦術だ。刃牙も基本に忠実なのだろう。

 つうか、刃牙はまだ学生なのだろうか。
 米国で大統領を拉致して入獄したら、退学になりそうなものだが。
 退学以前に、オモテ歩けないだろ。

 それにしても、二人にまだ付合いがあったのがオドロキだ。
 帰国した刃牙は、とりあえず関係者に出所(脱獄?)したと連絡したのだろう。
 そして、せっかくだし 逢いましょうと言う流れになるはずだ。
 刃牙は、他の人たちとも旧交を温めていたと思われる。


 よみがえった原人ピクルに勝てるのか?
 ルミナは刃牙に質問をする。
 刃牙はキョーミないと流しちゃう。
 勝てないと言わないところが、範馬のプライドである。

「原人…… ピクル…? 彼はさァ」
「文化遺産なんだぜ」
「ワカる?」

「ピラミッドを自宅にしたいってぐらいムリ」

 一国の代表者を拉致した人間がなんか正論吐いています。
 ピラミッドはともかく、絶滅危惧動物を喰いたいという程度にはムリな話だ。
 でも、殺すわけじゃないんだし、ピクルの身体能力を試すと言う意味で戦うのはアリだろう。

 刃牙は世界最強を目指しているワケでは無いと言う。
 ただ地上最強の生物である親父に勝ちたいだけなんだ。
 相変わらずの、親父LOVEっぷりである。

 刃牙はピクルに勝てると問われても話をそらす。
 だが、勇次郎とピクルのどっちが強いと言われたら、「親父」と即答するだろう。
 心技体のすべてにおいて親父のほうが上と言いきりそうだ。
 勇次郎が力負けしたといわれても、信じないんだろうな。

「お父さんのハナシをするバキさんて」
「ホントうれしそうです」


 刃牙の親父LOVEっぷりに、ルミナがツッコむ。
 ルミナは初めて会ったときから刃牙の親父LOVEを見抜いていた。(1巻7話
 刃牙は無自覚らしいけど。

 刃牙は本気で勇次郎を倒す気があるのだろうか?
 勇次郎が誰かに殺されたら、今より熱心にカタキを追いまわしそうだけど。

 刃牙がルミナと逢うのは、無条件に尊敬してくれるからだろうか?
 なにしろ、ちゃんと刃牙に敬語つかってくれる人って貴重だし。
 でも、今日の会話でルミナの好感度がすこし落ちた気がする。
 ダメだ。この人、やる気無い上に ファザコンだよ。


 そのころピクルは、まどろみながら勇次郎の技を思い出していた。
 勇次郎によって破られた入り口はテープで応急処置をされたままだ。
 コレを見ればいやでも、勇次郎を思い出すだろう。
 ピクル関係で問題がありすぎて、修理するヒマと費用が無いのだろうか。

 原人(ピクル)にとって、初体験の技であった。
 真っ直ぐ押し合っていたら、いきなり体が回転したのだ。
 野性の世界には無い、人類の英知である。
 恐竜世界にも銀牙みたいなのがいれば、ピクルも技術を知っていただろうが。
 まあ、ああいうスゴい獣は普通いない。

『退屈だった日常に突如現れた解けない玩具(パズル)―――――――
 原人(ピクル)は嬉(うれ)しんでいた』


 なんという飽くなき探究心かッ!
 バトル漫画の主人公になりうる器だ。
 戦いに対する好奇心が非常に強い。
 原始人と言っても、十分に高い知性を持っていることがワカる。

 ヒントもなしに考えていても答えは出るのだろうか?
 ちゃんとした人に学ばないと技を理解できないかもしれない。
 だが、野性の力はあなどれぬ。
 自分の体に起きたことなのだから、記憶を反芻して原理をつかむ可能性もある。

 実力が未知数の原人は、まどろみながら戦いの夢を見るのであろうか。
 とりあえず、ストライダムはピクルとの約束をまったく果たしていないコトがわかった。
 勇次郎にあわせるだけなら、米国でもよかったのに。
 本命の刃牙がここまで腑抜けというのは、ストライダムにとっても計算外だったのだろう。


 烈海王は「中国武術練成研究会」に居た。
 ビルの一室を借りていると思わしき会場だ。
 おそらく神心会の克巳派が中心となって作った研究会だろう。
 空手着を着ている人間が多い。

 烈はコンクリートブロックの試し割りを披露する。
 くっつけて置いた10個のブロックを端から叩き、指定の物だけを破壊する技だ。
 さすが海王の名を継ぐ者である。
 これだけブロックを破壊していても、他のブロックが倒れていない点もスゴい。
 エネルギーの無駄がない攻撃なのだろう。

 参加者の中に刃牙がいた。
 中国拳法の妙技に刃牙も拍手を惜しまない。
 刃牙もすこしは他人を敬う気持ちがよみがえったのだろうか?

「やろうと思えばバキさんにもできるでしょう」

「どうだろ……」
「ああいう繊細さは俺には……」


 相変わらず、完全に否定はしない刃牙であった。
 それに「繊細さ」と来たもんだ。
 繊細な芸はできないけど、破壊はできる的な意味がありそうだ。
 なんか大道芸とか言い出しかねない感じがする。

 どうも、最近の刃牙は言うことに裏の意味がある気がする。
 たぶん疑いすぎなのだろう。
 でも、刃牙が常に疑う余地を残しているのも事実だ。
 素直に烈をほめて、俺にはまだまだ修行が足りませんよと言えばイイのに。

 刃牙のセリフに何かを感じたのか、今日の烈海王はみょうにそっけなかった。
 で、用件は? と言う感じに、さっさと話を切り上げてしまう。
 もうちょっと技の原理とか、実戦への応用について聞いて欲しかったんだろうな。
 ピクルに比べると刃牙の好奇心はゼロに近い。

「中国武術は理合の宝庫です」
「過去の勝敗はどうあれ俺にとって烈さんは武の大先輩です」


 刃牙は土下座して烈海王にたのみこむ。
 土・下・座 ―― DOGEZA ――!
 いちおう刃牙なりの誠意を見せている。
 ゲバルに試合を申し込んだ時以来だ。(範馬刃牙5巻 36話

 なお、ゲバルがオリバに負けると、刃牙はゲバルに対しての興味を失ったように見える。
 刃牙の誠意ってのは、この程度なんだろうか……

 さりげなく「前に戦ったときは俺が勝ったけどね」というアピールが入っている。
 なんで、疑う余地を残す発言をするのだろう。
 どっちが強いかだけはハッキリさせておかないと、土下座もできないのだろうか。

「お断りします」
「あなたに興味がありません」

 烈が ことわったッッッ!
 刃牙の甘えを一刀両断だ。
 いままで他人に無関心な態度を見せていた刃牙が、他人から無関心にされる。
 因果応報な展開だ。

 刃牙は、このまま引き下がるのか?
 それとも逆ギレして大暴れするのか?
 暴走する18歳はどこへゆく。
 次回へつづく。


 せっかく頭を下げたのに、拒絶される範馬刃牙であった。
 キレて人に迷惑をかけないか、心配だ。
 なんでこんな子に育っちゃったんだろう。
 昔はけっこう素直だったのに。

 まあ、烈はピクルに夢中だから、刃牙に付きあうつもりがないのだろう。
 今ドラクエIVで忙しいから、他のゲームは後回しという感じだ。

 でも、烈は研究会に出ている。
 優先順位としては、ピクル > 研究会 > 刃牙 > ドラクエIVだろうか。
 烈がゲームすると力はいりすぎて「Rボタンだけッッッ!」という感じで繊細に壊しそうだ。

 最近の刃牙はイロイロと理由をつけて闘いを回避している。
 とくにピクルとの戦いは断固拒否状態だ。
 大統領の拉致監禁をした男なんだし、世界遺産とケンカするぐらいやってもおかしくない。
 それとも、ピクルのイチモツを見て、男として敗北を感じたのだろうか。

 消極的な態度をとる刃牙に、烈は興味を失ったのだろう。
 それと、拉致犯である刃牙と親しくすると、外国人である自分の立場が危ういと思っているのかもしれない。
 刃牙って、法的には脱獄者だしね。

 刃牙が小学生のルミナに連絡を取ったのは、戦士たちに声をかけても興味を持ってもらえなかったタメであろうか。
 もちろん、兄ジャックもスルーだ。
 お前、俺の入院中に一度も見舞いに来なかったよな。と、言われてそうだ。
by とら


2007年12月6日(1号)
第3部 第90話 興味の対象 (746回)

 烈海王が刃牙を拒絶したッ!
 グッジョブ、海王ッ!
 刃牙がヒドい目にあっているけど、ニヤニヤ笑いが止まらない。

 さすがの刃牙も烈の発言は意外だったようだ。
 思わず汗を流してしまう。
 加藤に攻撃されても、ここまでのダメージはない。

 そもそも、主役にはイロイロな特権があンだろ。
 偉大な血族だったり、えらばれし勇者だったり、無条件にモテモテだったり、負けなかったり……
 なんで、俺がフラれるンだよ。
 そんな心境のようだ。

「あの…」

「誤解を恐れずに言うのなら―――」
「今のわたしは何物にも興味が持てないのです」


 刃牙は説明を求めようとするが、言葉をさえぎられる。
 オマエの話など、ひとつも聞きたくないと言う感じだ。

 刃牙の言い分もワカる。
「興味がない」と「技術を教える」は両立できるじゃないか。
 だいたい、烈は「中国武術練成研究会」で雑魚ども(刃牙視点)を教えていた。
 クズども(刃牙視点)に教えて、なんで俺様に教えないんだ!

 きっと刃牙はそう言いたかったのだろう。
 しかし、烈は刃牙の先手をとり言葉を封じた。
 刃牙と会話するとペースを持っていかれる。
 オリバは、それでヤられた。
 舌戦をさけたのは賢明な判断といえよう。

 まあ、「興味がない」は言い訳なのだろう。
 本音は「刃牙を教えたくない」だ。
 なんでオマエみたいな外道に中国武術の至宝を教えなくちゃいけないんだよ。
 烈にとってはイイことがひとつも無い。

 烈海王はピクルのことで頭がイッパイなので、刃牙を教える余裕がない。
 たぶん、ヒマでも教えたくないんだろうな。
 刃牙にとって、烈がピクル萌えというのは初耳だ。
 コイツもかよ、と内心では思っているらしい。
 親父のほうが もっとスゲーよ。とも思っているだろう。

「誰かと闘いたいと願うこの気持ち」
「恋愛とよく似ます」


 夜這い発言(82話)につづいての問題発言だ。
 烈よ、ネタになるため、わざわざ日本にきたのか?
 とりあえず「刃牙とは闘いたくない」という気持ちはワカった。
 刃牙には、触れたくもないのだろう。

 野性に、中国四千年を試したい。
 闘争に人生をささげてきた男だ。焦がれる思いがあるのだろう。
 ピクルへの思いは いまだ消えず。刃牙への無関心は抜きにしても。

(フラれたな…………)

(みんなピクル…………)
(日本中ピクル…………?)


 刃牙はつまらなさそうに歩く。
 実際に、みんなから無視されてつまらないのだろう。
 こういうときの範馬刃牙は怖い。
 逆恨みというか、逆ギレして暴走する可能性がある。

 人が闘争を申しこめば流し、後にしようと言われると殴りかかるのが最近の刃牙だ。
 まさに巨凶の血筋である。

 烈海王を寝取られた恨みでピクルに突撃する気か?
 プランも無いのにどうするんだろう。
 のび太なら、ドラえもんに泣きつくところだ。
 刃牙は勇次郎に泣きつくだろうか。

(とんだ迷惑だろう…………
 アイツも……)


 刃牙が なんか変な同情したッッッ!
 ピクルにあったコトないけど、気持ちを理解した気になっている。
 とりあえず、ピクルがかわいそうなヤツだと思うことで、相対的に自分を高めているようだ。
 なに、勝手な決めつけをしているのだろう。

 暴走すらできないダメダメな18歳であった。
 それこそ聖闘士星矢・冥王神話(車田版)なみのグダグダっぷりだ。
 刃牙が本格的にアバレるのは、来年になってからだろうか。
 ちなみに、冥王神話の次回掲載は来年の1/24だ。

 そういえば、刃牙も死刑囚たちに絡まれていたときは、迷惑そうにしていた。
 刃牙の格闘魂はずいぶん前にしおれたようだ。
 まあ、このままのほうが平和かもしれない。


 場面はかわって、東京ドーム地下闘技場にピクル登場だッ!
 相変わらず全裸だが、目が死んでいる。
 なんでも一ヶ月間 水しか飲んでいないらしい。

「彼は獣ではない」
「あえて言うなら」
「誇り高き戦士(ウォリアー)
「志高きファイターなのです」
「己に向かって来る敵以外は――――――」
「捕食しない」


 やっかいな戦士である。
 狩ってのは、逃げる獲物を追いかけて倒すものだ。
 向かって来る敵を探すだけでも大変だぞ。
 だからジュラ紀原人は絶滅(?)したのだろうか。

 ピクルを満足させるため、スペインの猛牛、カムチャッカの羆、ライオンなどを送りこむ。
 だがピクルの姿を見ただけで逃げ出す。
 単に見知らぬニオイにおびえただけかもしれないが、野性の本能で強さを感じたのだろう。
 ピクルにしても見たことの無い生物に驚いただろうな。
 恐竜と違ってフサフサだし。(恐竜にも羽毛が有ったという説がありますが)

 そして、現代代表の野生動物・第四弾が登場する。
 猫科最大最強の怪物がやってきた!
 全長4.7メートル、体重490キロッ!
 シベリアトラの入場だァ――――――!!!

 奇しくも白虎の門から登場する。
 虎だけに。
 とりあえず、哺乳類はやめて爬虫類にしたらどうか?
 ピクルだって恐竜に近い生物のほうが口にしやすいだろうし。

 掲示板で小沢民さんからいただいた情報によれば400kgを超えるシベリアトラもいたらしい。(参考
 虎のなかでも特別に巨大だ。
 人間ではリーガン級といえる。
 今、ちょっとガッカリした。

 とにかく最大の肉食動物がピクルに挑む。
 松尾象(1巻 1話)は勇次郎に狩られちゃったから、しかたがなくリーガン虎だ。
 リーガン虎はピクルの食欲を刺激することができるのか!?
 次回へつづく。


 虎と言えば地下戦士に狩られる宿命の生物です。
 愚地独歩の別名もズバリ「虎殺し」だし。
 独歩が倒したシベリアトラは2.5m・260kgである。(バキ9巻 71話
 鎬紅葉は400kgのホワイトタイガーを倒した。世界最大というキャッチコピーは本当らしい。(グラップラー刃牙6巻 53話)
 そうして考えると、シベリアトラもイマイチかもしれない。

 すでに敗北しているライオンは、加藤の別名「デンジャラス・ライオン」以来デンジャラスだ。(参考:選手入場パロ
 範馬一族が好きなホッキョクグマでいいと思うのだが、ダメだろうか。
 ジャック見て逃げだした過去があるし、逃げると思われているのかもしれない。(グラップラー刃牙39巻 338話)

 強い動物が必要と言うより、逃げない動物が重要なのかもしれない。
 悪の組織っぽい手術をして凶暴化させるとかできないのだろうか。
 むしろ訓練した犬に襲わせるほうがいいかもしれない。

 ピクルの機嫌が悪いのは、せまい所に閉じこめているのもマズイのかも。
 サバンナとかジャングルとかの自然環境に出してあげれば生き生きするかもしれない。
 それにしても、ピクルって植物はまったく食べないのだろうか。

 ピクル絶食から一ヶ月である。しかし、いつから一ヶ月なのか不明だ。
 たぶん、蘇生してからだろう。
 となると、勇次郎と力比べしたとき、すでに絶食だったのだろうか?
 食べないのにエラい元気だな。
 レポーターとか食っちゃうし、そっちも元気かよ。さすが野性だ。


 刃牙のことはスルーして、みんなピクルに夢中だ。
 シベリアトラでもピクルの食欲を回復できなかったら、独歩たちが世話を焼いてくれそうだ。
 恐竜のきぐるみを着て襲いかかるぐらいはする。
 途中でうまく脱げば、中の人も食われたりしない。
 脱出の達人として、最凶死刑囚たちを有効活用してみてはどうか?

 烈を代表するように、世界の強者はピクルに夢中だ。
 ピクルが携帯小説っぽい思考だったら「男たちは、みんなアタイの体目当てで群がってくる」と言うな。
 実際、そのとおりだし。

追記 (07/12/12)
 1号での板垣先生コメントは以下のとおりだ。
『12・9、勝負する。28年ぶり、本気のボクシングだ。』

 すでに勝負は終わっているハズですが、誰とどこで戦ったんでしょうか。
 自衛隊に所属していたときの板垣先生はボクシングで国体に出場したほどの実力者だ。
 今でもボクシングジムに通って、肉体を維持しているらしい。

 その板垣先生がふたたび本気のボクシングをする。
 相手は誰だろうか?
 最近、餓狼伝の休載が多かったのは決戦にむけてトレーニングしていたためだろう。
 51号の作者コメント『緩やかに過ごしたかった年末。どーやら無理!!』の謎もとけた。

 森川ジョージ先生と漫画対決したかったのに、気がついたらボクシング対決になっていたのかもしれない。
 運悪く拳を痛めてしまった場合、作者負傷により連載終了になったりするのだろうか?
 だとしたら、予想外のエンディングだよな……

 まあ、板垣先生のことだから「まだ口があるッ!」と、がんばるかもしれない。
「先生、先に左手で挑戦してください」とツッコミ受けたりしながら、絶賛連載中だ。
by とら


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