今週の範馬刃牙 SON OF OGRE 101話〜110話

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2008年2月28日(13号)
第3部 第101話 闘う意味 (757回)

 数多の恐竜を屠ってきたピクルのブチかましが決まった。
 人間である烈海王の体重は、恐竜より二桁小さいのだ。
 ハデに吹っ飛ぶのも、仕方あるまい。
 でも、ピクルだってヒトなんだけどな……

 ピクルは鼻血をぬぐう。
 ちゃんとダメージはあったらしい。
 刃牙世界において鼻血を出したら効果アリだ。

 だが、鼻血どまりである。
 汗もセットでないと、ダメージは軽い。
 これが人間(非範馬)の限界なのだろうか。

「術を活かす余地もない」
「完敗だ」


 軍人ストライダムが戦いを総括する。
 烈は術をすてて あえて真っ向勝負をいどんで負けたように見えた。
 細かい技の攻防がワカっていないのは、勇次郎の闘いを見すぎているためかもしれない。
 勇次郎といっしょにいると、普通の感覚を失う。
 あの人、食事量もハンパない。いっしょにいると、つられて喰ってメタボの危険性も増えそうだ。

 徳川・ストライダム・ペイン博士の三人はそろって深刻な表情だ。
 前の二人は中国武術が野性に通用しなかったことにショックを受けている。
 やっぱり、人間の技術を信じたかったのだろう。
 一方、ペイン博士は別の心配をしていると後に判明する。


 勝利したピクルが泣いた。
 号泣率がさらに上がる。鼻水もヨダレも流しまくりだ。
 ピクルが泣くのは食欲の証である。
 コイツ、まだ喰うのを諦めてないのか!?

 ピクルのディナータイムと聞いて徳川さんがあわてる。
 うむ、急いで烈海王に救護班を向けるのだ。
 腕っこきのハンターを出すのも投入しよう。

 しかし、徳川さんはまったくの無策だったらしい。
 思いっきり動揺している。
 空中ブランコをさせたものの、下にネットを張り忘れていたようなものだ。
 ものすごいウッカリミスをしている。
 アンタの祖先は徳川家康じゃなくて、織田信長じゃないのか?

「食べさせると言ったのは他ならぬアナタだ」

「アホウッ」
「真に受けるバカが」
「どこにおるんじゃッッッ」

 光成ィィ〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!
 バカは、オマエじゃッ!
 そりゃ、真に受けるだろ。
 相手は原始人ですよ。価値観もちがうし、言葉も通じない。
 だいたい、ピクルは96話ですでに烈を喰っている。
 現実を認識しろ。

 暴走した徳川さんは単身ピクルを追うのだった。
 小柄な老人の力で何とかなるとも思えんが、とにかくガンバレ。
 烈の 体を守れるのは、今のところ徳川さんだけだ。
 ジャンプ作品なら、廊下の先で刃牙が待ちかまえていたというご都合主義な展開もある。
 だが、チャンピオン作品では あまり期待するな!

 思えば徳川光成のスペシャルマッチはロクなことが無かった。
 範馬勇次郎 vs. 愚地独歩は死者の出る悲劇となる。
 最強死刑囚と地下戦士を戦わせたときも、双方に不幸がおきた。
 シコルスキーを地下闘技場にまねいて、公開リンチした時もある。

 そして、ピクル・デスマッチだ。
 光成の辞書には反省の文字がないのだろうか?
 反省しても、さらなる喜びで塗りつぶしていそうだ。

「寝ても覚めても……ッッ」
「おまえだけを想っていた男ぞッッ」
「その友を食べる気かッ」


 徳川さんがピクル説得にかかる。
 言っていることは正しい。だが、ピクルに通じるとは限らない。
 くどいけど、価値観がちがう生物なのだ。
 強い戦士の血肉を取りこむのが礼儀と思っている生物かもしれない。

 そんな熱弁をふるうなら、あらかじめ烈に似せて作った人形でも用意しておけばいいのに。
 もちろん動物の生肉で作って食糧問題も解決だ。

 「寝ても覚めても想っていた」=「友」なら、ストーカーも友や恋人になってしまう。
 互いの思いがあってこその友である。
 というワケで、イキオイだけはあるのだが、肝心の説得力が弱い。
 こんな説得力だと、天下を狙うことはムリだ。

「キサマそれでも人間――――」

 とうとう、ムダな発言No.1をしてしまう。
 ピクルは人間じゃない。人間とは別の生き物である。
 チンパンジーに人間の倫理を押しつけるようなモノだ。

 徳川さんはガーレンとアナコンダを戦わせたことがあった。
 もし、アナコンダにガーレンが飲まれたら、「キサマそれでも人間か」と言って怒ったのだろうか?
 夜叉猿Jr.には 怒りそうだけど。
 正座させて、本気で説教する。

 さすがにうるさいと思ったのか、ピクルが背後の徳川さんを叩く。
 しょせん一般人+老人である。一撃でKOだ。
 やっぱり、アレン君のタフネスっぷりは異常だった。

 徳川さんは、ピクルから逃げず、立ちむかった。
 ならば食べられる可能性もある。
 烈よりも先に食べてくれないかな……


 ピクルが、ふたたび烈に向かう。
 おおきく口を開けた。
 東京ドームの外にまで響く悲鳴を合図にディナータイムがはじまる。

『喰らうことは――――』
『別離(わか)れること』
『呪わしき運命(さだめ)
『凶暴なる食欲沈静の内――――』
『原始の心はただ苦痛(いたみ)ばかりが………』

 友であるティラノサウルスも喰ったピクルである。
 生きることは喰うことだ。
 喰うからには、わかれがある。
 異常な食事をしているピクルは、呪われた人生を送っているらしい。

 涙をながし、それでも喰うピクルであった。
 生きている限り喰え!
 それが原始から変わらぬ、野性のオキテだ。


 食事中でスキだらけなピクルの背後をペイン博士がとった。
 そして、麻酔だ。
 必殺の皮下注射でピクルもあっさりダウンする。

 範馬勇次郎も、烈海王も敗れて眠った麻酔攻撃だ。
 皆川亮二『ARMS』で「有史以来、最も多くの生命を奪った武器は銃でも剣でも無く、それは"毒"だよ!!」というセリフがあります。
 麻酔も広義では毒だ。
 刃牙を死の寸前に追いつめたモノは毒手だったし。
 毒はあなどれない。

 少量でピクルを昏倒させるとは、ペイン印の麻酔は強力だ。
 とりあえず、烈海王は一命を取りとめる。
 だが、右ヒザの下から先が無かった。
 喰われてしまったからには、修復不能だ。ゴムチューブ巻いても治らない。

 烈は生き残った。
 だが、稀代の武術家である魔拳・烈海王は死んだ。



 まさか、こんな事までヤルとは思わなかった。
 ショックのあまり、ショックで木曜発売の他雑誌を読んでいないことに、さっき気がついたぐらいだ。

 あーん!レツ様が死んだ!
 レツさま よいしょ本&レツさまF.Cつくろー!って思ってたのに…
 くすん…蛮勇薄命だ…
 カットまで描いたのに…

烈海王総受け
 (注:このカットはフィクションです)


 片足は片腕よりも、戦力ダウンが激しい。
 烈がふたたび海王なみの強さを取りもどすことはできるのだろうか?
 シグルイのように、失うことから全ては始まるのだろうか?

 隆慶一郎作品だと、柳生新次郎厳勝が片足ながら恐るべき剣の使い手となっている。(「柳生非情剣」など)
 また、柳生宗矩も義足(あるいは負傷)という設定も隆慶一郎ワールドでは多用されている。
 素材を活かさないと怒ること海原雄山のごとしな隆先生なので、それなりに元ネタはあるのだろう。
 まあ、五味康祐「柳生武芸帳」へのオマージュという可能性も高いのですが。(参考

 片足でも強い人は漫画にも多少いる。
 『ONE PIECE』ではサンジの師匠『赫足のゼフ』がいる。
 喰われた点でも同じというシンクロニシティーだ。
 チャンピオンREDで連載していた『RAY』の沢院長も片足の達人(?)である。

 銃夢の主人公ガリィも片足だった時期がある。
 まあ、サイボーグなんであんまり意味無いですが。
 北斗の拳には義足の戦士ファルコがいる。
 最期の活躍がさびしい人でしたが……
 古いところでは『カムイ伝』の水無月右近も片足だ。

 こうして見ると、烈にもまだまだ可能性があるかもしれない。
 片足キャラの傾向的にオヤジが多いので、多少気になりますが、まあ何とかなるだろう。
 沈んだ太陽はふたたび昇る!
 烈海王は、烈陸王となってちがう方向に強くなるのかもしれない。
 もはや、刃牙の出番など必要ないッッッ!(暴言)

 大丈夫、テリーマンだって義足だッ!

 …………

 ……

 …ッ

追記 (08/3/5)
 刃牙世界における屈指の実力者・烈海王が片足を失った。
 おそらく足は二度と戻らないだろう。
 現在(いま)の烈海王は鎬昂昇にだって負ける!

 パンチの威力は、脚力も大きくかかわる。
 ボクシングだって大地を蹴る格闘技ですから。
 腕を失うより深刻な状況だ。

 だが、そこは魔拳・烈海王である。
 不屈の闘志でふたたび立ち上がるのではなかろうか。
 長い中国武術の歴史であれば、片足の戦士だっているかもしれない。
 中国では馬に乗って戦うことも多いので、理屈の上では片足でも戦える。

 孫子の兵法を書いたのは、孫武とその子孫の孫臏[月賓](ソンピン)だ。
 孫臏は、ライバルにはめられ足斬りの刑にあう。
 その後、イロイロあったのだが孫臏は軍師として活躍する。
 烈も、同様の活躍をするかもしれない。
 あんまり頭良さそうじゃないけど。

 昔の中国では肉刑といって、鼻を削いだり、足を斬ったりした。
 三国志を読んだかぎりでは、右足切断のほうが重罪らしい。烈は右足なんだよな……
 まあ、そういう刑があった以上、対応する技法があってもおかしく無い。
 鶴脚拳とか、片足で戦う技があるかも。

 ただ、烈復活の展開はあまり期待ができない。
 なぜなら『範馬刃牙』は刃牙が主人公の話だからだ。
 天才拳士が片足を失い、それでも復活するエピソードは、テーマとして大きすぎる。
 刃牙を数年間放置するのならともかく、脇役にやらせるには重い話だ。

 すると、アレだ。
 外伝作品・疵面がリタイヤしたばかりだから、席が空いているじゃないですか。
 『範馬刃牙外伝・烈火独脚』をチャンピオンREDで連載開始する方向でお願いします。


2008年2月28日(13号)
板垣恵介 激筆24

 メイキングだ!
 範馬刃牙が完成する最後の24時間を我々は目撃するッ!
 いや、あんまり目撃していないッッッ!

 徹夜が数日つづくというスケジュールは読みきり作品『実録・陸上自衛隊 習志野第一空挺団 200000歩2夜3日』から変わらない。
 約七年以上の年月がすぎても、板垣クオリティーはまったく変化なし!
 『200000歩2夜3日』だと、つらいときは人生でもっともつらかった富士山一周100km行軍演習を思い出すと書いていたのだが、思い出していない。
 今回程度の修羅場はものの数では無いと言うことか!?
 スゴい職場だな。

『既に…… ネーム(ストーリー作り)に2日使用……』
『残り時間 24時間!!』
『3日目の徹夜はここに決定した』

 漫画はネームがもっとも重要だといわれる。
 今回、ネームの製作過程はあかされない。
 つまり『範馬刃牙』の最重要機密は隠されたままなのだ。
 見せていいところだけ見せるのは、武術においても通じる思想である。
 意外と老獪な作者だ。

 ネームを描くのは板垣先生だ。
 つまり板垣先生だけが徹夜した事になる。
 だが、なぜかスタッフも疲れているようだ。
 板垣先生がムリヤリ徹夜につきあわせたのかもしれない。
 スゴい職場だな……

 浜岡賢次もネームができずに、アシスタントだったフレッシュ樋田(のちに京四郎を描く樋田和彦である)がパチンコに行ったりしている。
 ネーム完成しだい作業に入れるようにアシスタントを拘束するのも漫画家の仕事なのだろうか。

 そして、ネームが完成したので作業開始だッ!
 まさに刃牙が刃牙を描いているようなノリとテンションである。
 スタッフのテンションが低いぞ。
 今までの48時間で燃え尽きているのか?

 描きながら、独白しつつ自分ツッコミを入れるッ!
 アレだ。
 刃牙SAGAは実在した思考だったんだよ。
 死際の集中力で、作画しつつイロイロ考えているっぽい。

 そして、作者は毎週真っ白に燃え尽きるのだった。
 やっぱり、スゴい職場だな……
(更新 08/3/3)
by とら


2008年3月6日(14号)
第3部 第102話 烈という意味 (758回)

 烈海王は右足をピクルに喰われた。
 天才拳士の終焉である。
 ベッドで目覚め、失った右足を見つめる烈海王の胸中はいかなるものであろう。

 まあ、とりあえず服を着ようや。
 なんで黒パンツ一丁なの?
 しかも かけ布団ないし。
 風邪ひくよ。

 裸祭のポスターが掲示拒否になるご時世だから、半裸の烈海王もヤバいかもしれない。
 それとも全裸のピクルを見習って裸ですごす決意をしたのだろうか。
 パンツはいているところが、烈の弱さかもしれない。

(済まないッッ)
(約束を)
(違えた……ッッ)


 ピクルにたいする恨みは無かった。
 むしろ、敗北したら喰わせる約束を破り、すまなく思っている。
 花山に敗れ再起不能となったユリーも、相手にたいする恨みは無かった。(グラップラー刃牙13巻 112話)
 相手の肉体を破壊する武術家にとって、自分の体が破壊されるのも覚悟のうちなのだろう。

 そうなると、やっぱりアライJr.の覚悟は甘かった。(バキ31巻 272話
 傷つく覚悟があってこそ、他者を傷つけることができる。
 烈海王に足を失った後悔はない。

 寂海王も勧誘のためなら、すすんで身を打たれる覚悟がある。
 昔のジャックなんて、長生きする考えすらない。
 最近はどう思っているかワカりませんが。
 なんか反動で、青汁を常飲する健康的な生活になっていたりして。

(心の底では…………)
(生き永らえること……)
(現実には喰わせるハズはないと――――)
(期待していたのではないか!!?)


 しかし、烈は自分の甘さも自覚していた。
 さすがに喰われることはないだろうと考えていたのだ。
 そりゃ、読者もそう思っていたさ。
 人気キャラクターの肉を喰わせる漫画がどこにある。
 まあ、『ジャングル大帝』の例がありますが。手塚先生は偉大なる先駆者だ。

 自分の身におきた不幸よりも、考えの甘さを反省する。
 それが烈海王なのだ。
 こういう性格だから、あきらめずに修行をつづけて強さを身につけたのだろう。

 不屈の闘志をもつ烈海王ならば、片足となっても戦いつづけるのでは無かろうか。
 前回追記でも書いたが、外伝作品で烈の復活を追って欲しい。


 刃牙が見舞いにきた。
 さすがに刃牙もショックを受けているようだ。
 ただ、表情に動揺を見せず、肝がすわっている。
 刃牙もイロイロと修羅場を経験しているので、精神的に強いのだろう。
 オマケに、負けたら喰われるという状況は夜叉猿との戦いで経験済だ。

 だが、烈海王は失った足にショックを受けているわけではなかった。
 甘い決意で戦いに臨んだことを悔やんでいる。
 刃牙は烈海王の精神性の高さに静かな感動を受けていた。
 久しぶりに主人公らしい言動だ。
 でも、こういう言動が長つづきしないのが最近の刃牙なので油断できない。

「いつか調べたことがある
 烈という言葉の意味」
「烈―――― はげしい はなはだしい そして――――」
「道にはずれない」
「あなたそのものだ」


 刃牙は烈にたいし最大限の賛辞を贈るのだった。
 烈も刃牙の心づかいに感謝する。
 に書いたが、中国人がありがとうを言うのは貴重なのだ。
 烈は、本当に感謝しているのだろう。

 なお、漢語林で『烈』をしらべると『(2)気性が強く正しい。また、道義心にあつい。「烈婦」「義烈」』『(5)てがら。いさお。功績。「功烈」』という意味もある。
 もとは火力がはげしくて、物がさけるの意味だ。
 烈海王の場合は姓なので、代々の誇りとしてきたのだろう。

 烈は自分の足をさほど問題にしていない。
 ならば、心の整理がつけば復活もできるだろう。
 ただ、蛮勇を奮いまくってきた烈のことだから、恨みも買っているハズだ。
 烈が負傷したと知って、復讐にくる連中もいるだろう。
 真の苦難はこれから始まるのかもしれない。


 刃牙は、烈にふられた直後なんだが、遺恨も残さず爽やかな態度だ。
 わずかな間だったが、人間的に成長したらしい。
 いや、昔の刃牙はけっこうナイスガイだったので、モトにもどったのか?
 とにかく刃牙・復ッ活ッである。

 帰路、刃牙はピクルのことを思う。
 烈海王の心配はしない。
 高い精神性を見せられたあとだ。
 心配などしては、かえって失礼なのかもしれない。
 自分で自分の問題をなんとかするのが自立した大人である。
 刃牙が冷たいだけという可能性も、ちょこっとありますが。

 ピクルは烈海王が相手にならなかった怪物だ。
 文字通り相手を喰ってしまう野獣である。
 夜叉猿と人間の中間みたいな存在だ。
 危険極まりない。

(範馬勇次郎がときに使用する喰らうという言葉)
喰らう それは比喩だ もののたとえ――――― 表現方法にすぎない)

 でも、リアルに実行しちゃうのがピクルなんだよね。
 すごい原始人がいたもんでしょ。
 脱・腑抜けをなしとげた今の刃牙は、ピクルにただならぬ興味を持っている。
 スゲェ相手と戦いたい。
 ついに刃牙とピクルの戦いがはじまるのだろうか?
 次回へつづく。


 ピクルのことを考えつつも、勇次郎のエピソードを入れちゃうあたりが刃牙らしい。
 どんだけ父親のことが好きなんだか。
 でも、戦いの優先度はピクルのほうが上らしい。
 勇次郎が知ったら、ピクルを排除して自分がイチバンになりたがりそうだ。

 でも、勇次郎なら『リアル喰う』を実行しているかも。
 アフリカでは実際に喰っていた。(範馬刃牙1巻 1話
 中国で猿をよく喰っていたという発言もある。
 動物はけっこう喰っているのだろう。
 もしかしたら、戦場で人間も こっそり喰っていたかもしれない。

 今回は、ひさしぶりに刃牙から戦いを仕掛けそうだ。
 ただ、烈の負傷があるので、徳川さんが戦いを許可しないかも。
 ピクルと戦う前に揉める可能性がある。
 刃牙はどう対応するのだろうか?

 そして、勇次郎の動向も気になる。
 ピクルに興味を持っていた勇次郎は、いつか動き出す。
 今夜中に動いてもおかしくない。

 勇次郎が動くと、ピクルの前で刃牙と鉢合わせになるかも。
 範馬刃牙になってから、刃牙と勇次郎は直接顔を合わせていない。
 二人が出会ったとき、最終決戦が始まってしまうのだろうか?
 最後の戦いが近づいてきたようだ。

 ピクルに負けたら、喰われる。
 烈の犠牲を見ても戦う人間は少ないだろう。
 ピクル対戦希望者8名のうち、何人がまだ戦う意志を持ちつづけているのだろうか?
 寂海王なら、それでも勧誘しそうだけど。
 烈を……


追記 (08/3/12)
 ついに範馬刃牙、復活ッ!
 なんだろうか。
 だが、ここで立たねば主人公じゃない。
 久しぶりに熱い範馬刃牙を見たい、が。

 刃牙はピクルと闘うため、徳川さんのもとに向かうのだろう。
 そして、土下座で交渉だ。
 もちろん、警備員を全員たおす。
 徳川さんも涙目だ。

 刃牙はピクルと どう闘うのだろうか?
 烈の負傷を教訓にして噛みつき対策をするのが常識的な考えだ。
 だが、刃牙はあまり深く考えない人間なので、たぶん無策で突っ込むのだろう。
 ピクルの居場所が変わったとも知らずに、米軍基地に乗りこむかもしれない。
 オリバ戦で見せた、今すぐ戦おうと言われれば口先で逃げ、後日戦おうと言われたらその場ではじめる ヘソ曲がりっぷりが今回も炸裂するかもしれない。

 今回は徳川さんが反対するだろう。
 ピクルに負けたら喰われる。
 危険すぎるから、やめるんじゃ。
 烈のときも止めるべきだった。

 徳川さんに、そう反対されたら、刃牙は燃える。
 永遠の反抗期である範馬刃牙は反対されればされるほど、やる気を出す。
 今後の範馬刃牙は米国大統領でも止められまい。
by とら


2008年3月13日(15号)
第3部 第103話 敗北の報 (759回)

 ついに範馬刃牙がやる気になった!
 餓狼伝の丹波文七は放置に放置を重ね、気がついたら連載期間の半分以上も背景になっているが、刃牙はちがう。
 ヤル気になった刃牙は行動力がちがうぞ。
 電車にのって逃亡した梢江を走って追いこし待ちかまえてSAGAる男だ。

 さぁ、復活した範馬刃牙が最初に起こす奇跡はなんだッ!
 あ……、今週出てこない。
 別の意味で、奇跡を起こしやがった。


 今回の舞台は神心会である。
 拳神・愚地独歩が試し割をしている。
 見学者が多数いるので、研究会のようなものだろう。
 いる人間は黒帯ばかりなので、才能ある人間をあつめたらしい。

 机の上に置いた巨大な氷塊に独歩は拳を当てる。
 そして、そのまま打撃だ。
 全身を捻りこむようにして打ちこむ。
 氷は一撃で砕けた。

 この技は寸勁だろうか。
『愚地独歩』『当年とって55歳』
『ピークを維持できるのは今年が最後だろう』
グラップラー刃牙7巻 55話)
 などと、昔は言っていたが、いまだに進化しつづけている。
 俺より強いといって出してきた最終兵器・克巳ですら、あっさり超えちゃったもんな。

 次に独歩は横たえられた針金に向かいあう。
 軽くやわらかい針金を切る。
 天才・愚地克巳ですらが初めて見るという技だ。
 鍛えられた日本刀のごとき独歩の手刀が振りおろされる。
 しばし遅れて、切られた針金が落ちた。
 針金切りの完成である。

 独歩はドリアンのアラミド繊維切りをやっている。
 その経験から、この技を思いついたのかもしれない。
 人間の身体はコンクリートよりも やわらかい肉に覆われている。
 肉を切り裂くためには、針金を切るような鋭さが必要なのかもしれない。
 過剰すぎる力だと思いますけど。
 人間を超えた野獣・ピクルと闘うには、これぐらい必要なのだろうか?

 かつて、独歩に試し割りで勝ると思っていた克巳の立場が無い。(グラップラー刃牙30巻 264話)
 最後のよりどころまで失ってしまった。
 いや、そんなものは とっくに無くなっているのかも。
 現在も克巳はバンダナをしている。
 ドイルの爆破で、毛根ごと持っていかれたのかもしれない。
 頭髪まで独歩に勝てなくなったら、のこった優位点は身長ぐらいだな。


 50歳をすぎてなお 伸び盛りな独歩に、ピクルが烈を捕食したという連絡がはいる。
 情報もとは徳川さんだ。
 やはり、イチバン最初に声をかけたくなるのは、愚地独歩なのだろう。

 なら、なんで烈とピクルの戦いに呼ばなかったのだ?
 徳川さんは、自分だけの楽しみを大事にする人なのかもしれない。
 困ったときだけ、独歩に頼るのだ。

 独歩は、克巳にも話をつたえる。
 烈とは浅からぬ縁をもつ克巳だけに、原人ピクルに激怒した。
 だが、独歩は意外と冷静だ。
 ピクルと自分たちの実力差は歴然としている。
 我々は餌としか思われていない。

「ピクルは舐めとらん」
「我々が魚や肉を舐めてないようにだ」

「そーゆーのをナメてるって言うんだよ」


 独歩は、食料を実力がないと見くだす考えはないと考える。
 だが、克巳はそういう考えが見くだしていると主張した。
 魚や肉にしてみたら、自分は喰われるために生きているわけではないと思うだろう。
 独歩の考えは強者側の思考だ。克巳には弱者の呪いがこもっている。
 天才と言われながら、挫折も味わい、毛根も失った(?)克巳らしい考えだ。

 独歩も克巳のいう事に納得する。
 つまり、ピクルと闘うことを諦めかけていたのに、考えを変えたのだろうか?
 餌だって戦えるのだ。
 これは愚地克巳の反逆宣言だろうか?


 そのころ渦中のピクルは、白サイ用を一晩眠らせる麻酔をうたれながら数時間で覚醒していた。
 扉を破壊して、逃亡する。
 かつて範馬勇次郎を閉じ込めていた、核シェルターのような扉がメチャメチャだ。
 その破壊力は、まさに範馬勇次郎クラスである。

 思わず徳川さんも笑みをこぼしてしまう。
 やはり、これが本性か!?
 闘争を見ることに喜びを感じる徳川の血だ。

 逃げだしたピクルは、東京ドームの隣にそびえる『東京ドームホテル』の屋上に腰をおろす。
 見知らぬ世界にやってきたピクルは、なにを望むのであろうか?
 そして、刃牙にも出番はあるのか?
 波乱の展開を予想させつつ、次回へつづく。


 逃げだしたピクルだが、あんまり怖くない。
 なにしろ向かって来る相手しか喰わないのだ。
 そのへんにたむろしている不良ぐらいしか、襲われないだろう。
 まあ、女性に交尾を迫る可能性があって、そっちは危険ですけど。
 今思えば、相沢アナウンサーも立ちむかう人だったなー(範馬刃牙11巻 80話
 とりあえず、逃げれば安全らしい。

 気になるのは、場所が東京ドームという点だ。
 近くで戦隊モノのアトラクションをしている。
 ピクルが乱入したら、新手の怪人とカンちがいした戦隊が襲いかかって返討ちにあうかもしれない。
 子供たちの目前でヒーローがやられて喰われるのだ。
 世界遺産クラスのトラウマになるぞ。

 それ以前に、全裸でうろつくピクルはあるく重要問題だ。
 せめて下着の着用ぐらいはおぼえて欲しかった。
 でも、ピクルのことだから靴下だけ履くのをおぼえて萌え度UPなどと、野性ゆえの正解を出したりするんだろうな。


 烈が喰われたという情報は米軍侵入グループを中心に伝わっている。
 ガイアにも伝わっているので、勇次郎以外にもバレていたようだ。
 では、刃牙はどこから連絡をもらったのか?
 やはりキャプテン・ストライダムからだろう。

 ストライダムは勇次郎に情報を伝えつつ、刃牙にも連絡したと思われる。
 だから、刃牙は烈の見舞いに行くことができた。
 独歩たち7人組もそろって見舞いに行くのだろう。
 そして、烈にピクル攻略のヒントを聞く。
 彼らの中には、まだ闘志を失っていない者がいるはずだ。

 ところで、勇次郎はなにをしているのだろう。
 不気味に沈黙を守っている。
 息子の成長を期待して、あえて静観しているのだろうか?

 もしかしたら、烈の敗北を知らないのかもしれない。
 なんか勇次郎が携帯電話を使う姿が思い浮かべにくいのだ。
 ストライダムを秘書がわりにして、雑務は全部ストライダムにやらせている気がする。
 現在は放浪中につき、連絡不能なのだろう。
 むしろ、息子を尾行中につき、連絡不可能だな。

追記 (08/3/18)
 木曜日が休みになるのはめずらしい。
 というワケで、めずらしくチャンピオンが水曜発売だ。
 マガジンとサンデー相手に、肩身のせまい販売スペースなんだろうな。

 ピクル争奪戦は第三章に入った。
 克巳はともかく、独歩はピクルと戦わないだろう。
 武道家は特攻隊じゃない。勝算のないケンカはせんよ。
 まあ、独歩と本部はすごい計算ちがいをして勇次郎にケンカを売ったけど。

 烈海王ですら相手にならなかったと、徳川さんに言われている。
 独歩は無理にピクルとは戦わないだろう。
 負けたら喰われるし。


 心配なのは克巳だ。
 ヤツはけっこう暴走して、ムチャをするプランの無い男である。
 加藤と末堂をつれてピクルにケンカを売りに行くかもしれない。
 当然、勝負ジャージは上着を全部ズボンに入れる超絶・本気モードだ。
 で、たぶん喰われるのは末堂だけだったりする不幸な展開がまっているんだろうな。

 烈海王が敗れた以上、相手になる人間はジャックぐらいしかいない。
 まあ、今回は刃牙がヤる気になっているようだし、直接対決が始まるだろう(期待)。
 しかし、読者の思い通りにならないのが範馬刃牙だ。
 ある意味ではピクルよりも油断ならない。


 水道橋に全裸で出現したピクルはどこへ向かうのだろうか?
 近くに秋葉原があるので、刃牙初の秋葉原マッチがあるかもしれない。
 いや、無いな。

 メイド喫茶に行くのは花山だけで充分です。
 !
 そうか、秋葉原には出稼ぎに出ていた花山がいるのか!?
 いや、無いな。
by とら


2008年3月19日(16号)
第3部 第104話 強奪 (760回)

 世界は残酷だ。
 烈海王の右足は喰われ、ピクルに逃げられる。
 そして、主人公は出てこない。
 表紙にいることはいるが、まるでプロジェクターに焼きついた残像のようだ。
 102話で刃牙が見せた輝きは、一幕の幻だったのだろうか。

 水道橋にときはなたれた原人ピクルは、どこに向かうのか?
 場面は水道橋近くの繁華街にうつる。
 水道橋の近くなので、上野あたりだろうか。
 とりあえず、東京ドームで特撮ヒーローが生きたまま喰われるという悲劇は回避されたようだ。
 あと秋葉原も無事なので、なによりである。

「巨体(おお)きな男だった」
「周囲の通行人と比べて頭一つ」
「実数でもおそらく185センチは楽に超えていそうである」
「剣持武志 21歳」


 今回登場したチンピラは、新登場の剣持武志だ。
 夢枕獏作品で悩んだ主人公が岩手の花巻に流れつくのと同じぐらいの確率で、ピクルの餌になるのだろう。
 せめて失禁しないことを祈るばかりである。

 夢枕獏の小説に出てくるようなナレーションを受けながら、剣持は歩む。
 チビッ子相撲や柔道で鳴らした猛者である。
 全国優勝の経験が無いあたりが、噛ませる犬っぽい。
 大学からは空手・ボクシング・ウェイトトレーニングをはじめ、さらに磨きをかける。
 今では、地下闘技場の前座にだしても恥ずかしくない噛ませ犬だ。
 まあ、ムエタイには負けるだろうけど。

 ジムや道場ではイチバンの実力者だった。
 だが、剣持は試合よりも喧嘩に興味がある。
 夜の繁華街を歩くのも、闘争を求めているのだ。

 ルールある戦いで強さを競うわけではない。
 ある意味、剣持は勝負の世界から逃げたのだ。
 リアルファイトをやりたいのかもしれないが、強い相手を探すワケではない。
 無計画に歩きながら相手を探している。
 ちゃんと勝てる相手を選んで喧嘩をうっているかもしれない。

 喧嘩では苦戦すらしていないという。
 やっぱり、相手を選んでいるっぽい。
 喧嘩師・花山薫のそばを通るときは、携帯電話をチェックするフリをして乗りきりそうだ。
 空手も神心会をさけて、小さめの流派に入っていたりして。
 そういう慎重さも実戦では必要な要素だ。意外と侮れないかも。
 なんにしても、実戦での活躍描写がないので、剣持の強さには疑問がのこる。


 剣持は小便禁止の張り紙があるゴミ捨て場で、立ちションをする。
 あえて反逆して、喧嘩を呼ぶつもりだろうか。
 ゴミ出しにきた、オッサンあたりとトラブルを起こして喧嘩に持ちこむつもりかもしれない。
 こういうテクニックを駆使して、喧嘩最強伝説を築いてきたのだろう。

 だが、この日は意外なところから襲撃があった。
 ゴミ袋の下から手が出て、剣持の股間をワシ掴みだ。
 褐色の肌に、猛獣のような爪である。
 どう見てもピクルです。
 本当にありがとうございました。

 勇次郎以上の力をほこるピクルの力で股間を握りしめるのだ。
 股間に握撃されるような威力があるだろう。
 指の隙間から尿が高圧で吹き出ている。
 尿の影まで描きこまれた精密描写で、剣持の根がグラップされた。

 おそらく、握られたあたりから、尿の種類が放尿から失禁にかわっただろう。
 色やニオイも微妙に変化していそうだ。
 たぶん、失禁のほうが苦い味がする。
 ピクルに握られ、モツの姿が見えない。実は、小さいのか?

 剣持は股間から引っぱられコミ袋の山の中に飲みこまれる。
 まるで、オリバのパックマン攻撃だ範馬刃牙10巻 72話)。
 ピクルは剣持を ポッキポキにしながら飲みこんでいく。

 ピクルが立ちむかってこない相手を捕食するのだろうか?
 剣持など烈海王の足親指一本にも満たない人間だろうが、喰われるのは気の毒だ。
 寝ているところを、水鉄砲で攻撃されたので、ピクルは宣戦布告と受け取ったのだろうか?
 もしかすると、剣持の股間だけは立ちむかっていたのかもしれない。
 尿がたまっていただけに。

 ゴミ袋のしたでの動きが止まる。
 剣持の服を着たピクルが出てきた。
 キッチリと帽子までかぶっている。
 ……けっこうノリノリだな。

 ピクルと剣持では体格差がけっこうあるのだが、見事に着こなしている。
 意外と知性派のピクルは、変装もできるのだ。
 まあ、基本は全裸が大好きなんだろうけど。
 きっとパンツだけははいていない。そこだけは妥協できないはず。

 服を着ていても、体のデカさは隠せない。
 ものすごく目立ちながら、ピクルは繁華街を歩く。
 次回、どーなる?


 なんで、ピクルは隠れて着がえたんだろうか?
 普段は全裸だけど、服を着るという前提だと、裸が恥ずかしくなったのかもしれない。
 まあ、そんなコトはないんだろうけど。
 服を着ている瞬間は無防備だから隠れていた。そう思ったほうが健全だ。

 逃げようとする獲物を捕まえる。
 本来の意味での狩りに近い行為だった。
 ピクルはハンターとしても一流なのだろう。
 見事な偽装術と、まったく濡れずにいる回避能力は純粋にスゴい。
 超軍人ガイアより上かも。

 わざわざピクルに喧嘩を売る一般人は少ないはずなので、基本的にピクルは無害なはずだ。
 まあ、剣持を多少コキャコキャ言わせてしまったが。
 梢江をお姫様抱っこしたまま街を疾走するバキよりも、危険度は少ないと見る。

 服だってちゃんと着ているし、ピクルは意外と紳士だ。
 繁華街という場所を考えると、花山と戦うことになるかもしれない。
 まあ、花山ならピクルと酒を飲み交わして友になるぐらい、やりそうだけど。
 刃牙が乗りこんでこない限り上手くいく。

 主人公である範馬刃牙のほうが、なんか危険度高いよな。
 刃牙がピクルの立ち場なら、剣持の尿をあえて受け止めるぐらいはヤリそうだし。
by とら


2008年3月27日(17号)
第3部 第105話 徘徊 (761回)

 愚地独歩は言った『やっぱり喧嘩はよ、裸だろ』と。
 ピクルが徘徊するなら、全裸だろ。
 これでは、絶食したマグロのトロみたいなものだ。
 そんなワケで服を着ているせいか、ピクルの元気がイマイチ足りない。

 ピクルは、見慣れぬ景色に困惑していた。
 これでは全裸どころではない。
 夜だというのに光があふれ、人が大量に群れている。
 巨大な建築物があり、空は見えない。
 まるで宇宙人に拉致された人間のような気分だろう。

 いや、現代人は宇宙人と言う可能性を知っている。
 ピクルの場合は、想像すらしたことのない状況だろう。
 驚き度合いがまるでちがうハズだ。

 昔の人間は数が少なかった。
 農耕をはじめ、収穫物を輸送できるようになるまで、人類の数はなかなか増えない。
 あまり一箇所に人間が集中してしまうと食料がなくなって、とても悲惨なコトになる。
 ピクルが(あまり)ためらいなく烈海王を喰ったのは、過去にも同じことがあったのだろうか。

 だから、これだけ大量の人間がいるのは、ピクルにとって不気味な状況だ。
 ピクルと直接関係ないが、昔の人類は総数一万人ぐらいにまで減ったことがあるらしい。(われら以外の人類
 そのせいで、人間の遺伝子は差がとても少ないそうだ。
 だからこそ、現代人とピクルの差も大きく感じるのだろう。


 ピクルは、襲ってくる恐竜だけを喰って生きていけた。
 戦いに勝つ自分を誇らしいと思っていたのだ。
 誇らしいと思う。つまり、他の原人たちは恐竜に勝てない。
 やはり、ピクルは当時の人類で最強クラスの雄だったようだ。

 ピクルの噂(?)が恐竜界に広まって、みんな逃げ出したりしなかったのだろうか?
 逃げる敵を追わないんだから、生きのびてピクルの危険性を知るヤツもいそうなんだが。
 それともピクルは、一度交戦状態になったら決着をつけるタイプなのか?
 恐竜時代にもネットがあれば「ピクルはマジやばい」と情報が行き交っていただろうに。

 最強を自負していたピクルだが、いまは偽装している。
 本人としてはコソコソしていて嫌なのだろう。
 だが、戦士の本能が服を着ろと命じている。
 そりゃ周囲に全裸の人間はいない。脱衣(ぬい)だらダメだ。

 だが、2m・130kg超の体格は服を着ていてもめだつ。
 周囲の人間は目をあわせようとしない。
 それでも、ピクル的には脱がなきゃOKなのだろう。
 実際、ゴマかせているようだし。

 今までの印象からすると、ピクルは2m30cmぐらいありそうだった。
 ところが2mだ。
 ジャック兄さんはもちろん、末堂(205cm 130kg)よりも小さい。
 オマケにガーレン(200cm 169kg)に体重で負けている。
 ……巨漢キャラは、背の伸びたジャック兄さんで充分という気がしてきた。

 だが、人間と野生動物を単純に比べてはいけない。
 チンパンジーは人間よりも体重は少ないが、力が強いのだ。(参考
 ピクルの130kgは人間の260kgぐらいに当たるのだろう。だいたい小錦ぐらい。
 ……ただの巨体キャラは、一発屋で終わることが多いから、フォローがむずかしいな。
 ジェットコースターから落下すると、姿が消える例もあるし。
 末堂ならピクルと互角の体格だし、そろそろ戻ってきてもらえないでしょうか?


 弱き人間の群れを見ながら、ピクルは烈海王のことを思いだす。
 恵まれない体格ながら自分に向かってきた。
 怖気づきながらも逃げなかった。

『アイツを好いていた……』

 好きでも喰うのを止められない。
 ピクルが、そこまで空腹だったのか。
 それとも、倒した相手を喰うという生き方なのか。
 答えはワカらない。

 西洋の決闘では、敗者が生きていた場合 きっちり処刑する。
 そういうルールなのだ。(図説 決闘全書
 なかには、ちょっとした行きちがいで決闘になり、友と戦い殺すことになった者もいただろう。
 現代人には理解しがたくとも、違反の許されない決まりごとがあったのだ。

 烈海王のサイズは176cm・106kgだ。
 格闘家としては、やや小さい。体格の不利を鍛錬で補ってきたのだろう。
 ピクルと烈の戦いは 例えるなら、末堂(205cm・130kg)と独歩(178cm・110kg)の戦いだ。
 ごめん。たとえを間違えた。

 とにかく、チンパンジーに力で負ける人間なのに、体格でも負けていたら、どうしようもない。
 だが、烈海王は逃げなかった。
 その勇気こそが素晴らしい。

 ピクルは喰ってしまった男のことを思い出すのだった。
 まさか、残りの部分も喰いたいとか言わないよな。
 「腹へった」の後につづくから、昔喰ったご馳走を思い出しているみたいだ。

 烈のことを考えていたピクルは 赤信号に気がつかず渡ってしまう。
 いや、気がついていても渡っていた。
 周囲が立ち止まろうと、ピクルは進みたいように進む。
 強者は弱者の顔色をうかがったりしない。

 当然というべきか、車にハネられる。
 それもトラックだ。
 さすがのピクルもたまらず吹っ飛ぶ。

 具志堅用高の右ストレートは時速30kmだ。(格闘士烈伝
 この速度は、車ではどうということのない速度である。
 さらに、車は重さが一ケタちがう。
 車にハネられるのは、ものすごいダメージなのだ。
 アイアン・マイケルなんて相手にもならない威力である。
 ピクルは倒れたまま起きあがれない。

 トラックの前面は人形に凹んでいる。
 ピクルが本能で踏んばって身体を硬直させたのだろうか?
 消力(シャオリー)を使えば、流せたかもしれない。
 だがピクルはダメージを最大限に受けきったようだ。
 こりゃ、ダメか?

 だが、ピクルは笑う。
 自分に襲いかかるモノがいたのだ。
 しかも、すごい攻撃力をもっている。
 餌の気配に、ピクルの野性が目覚めるのか?
 敵はトラックッ!?
 次回へつづく。


 ティラノサウルスは体重5〜6tで移動速度が時速18km〜70kmといわれている。
 恐竜の体当たりに耐えられるのなら、トラックの一撃だって大丈夫だ。
 ピクルの無事はほぼ確定だろう。

 横断歩道を通過するとき、普通は減速する。
 だが、このトラックは減速しないで走ったようだ。
 ハネかたにも迷いがない。
 というか、当たるまでブレーキ踏んでなさそうだ。
 かなり荒っぽい運転といえる。

 内燃機関の呼吸で大気をよごし、爆走する輸送機械は 文明の産物だ。
 原始の申し子が、文明にしっぺ返しをするという展開になるのだろうか?
 範馬刃牙は、エコロジスト推薦図書マチガイなし。
 レイプシーンと人肉喰いは、カットされるだろうけど。

 さて、ピクルは本当にトラックを襲うのだろうか?
 中の人が操作しているなんて概念はないだろうし。
 、M.P.B.Mを破壊したことはあるが、トラックとM.P.B.Mは同じには見えないだろう。

 問題はトラックを喰うのかどうかだ。
 普通に考えたら、食える部分は無い。
 タイヤなら喰えるかもしれないが、消化器官につまって死にそうだ。
 こんな死因はいやだな。
 ある意味、文明が自然に勝ったと言うことなんだろうか?

 あとは、あのトラックが食料品を運んでいることを祈る。
 トラックの中身は、すなわち内臓だ。
 ピクルは心ゆくまで中の肉(?)を喰えばいい。
 あとは、異臭のする冷凍食品を回収したトラックでないことを願う。

 最後の心配は、倒れたピクルがこのまま消えることだ。
 落下した末堂が何事もなく消えたように、ピクルも消えたりして。
 なぜか、ピクルの服だけが消えるのなら、問題ないんだけど。
by とら


2008年4月3日(18号)
第3部 第106話 発見 (762回)

 ピクルがトラックにはねられたッ!
 主人公と勝負するまえにハネられるなんて、『タッチ』かよ。

 交通ルールを守ろうという少年誌らしいメッセージだろうか。
 なお、男性は交通事故で女性の二倍以上の死者数をだしている。(男4284人:女2068人 総務省統計局平成18年)
 当サイトの読者はほとんど男だと思います。皆さん、お気をつけて。
 うっかり、原人を轢くとヒドイ目にあいます。
 これから、その実例が展開される。

 トラックの運転手は、ピクルのもとにかけよる。
 目撃者の情報によれば、ピクルは20メートルぐらい飛んだらしい。
 ピクルが1秒間浮いていたとするなら、時速72kmで飛んだ計算になる。
 実際はもっと短い時間の飛行だっただろう。
 トラックはものすごいスピードを出していたようだ。

 だが、重さ数トンの恐竜と戦ってきたピクルにとって、この程度の衝撃はどうってコトない。
 なにしろ神心会の巨漢空手家・末堂とほぼ同サイズの逸材である。
 トラックにハネられたり、ジェットコースターから落下したぐらいじゃ死んだり消えたりしないのだ。

 ピクルは鼻血や汗を出していない。
 さいわい股間も出していないぞ。
 ナイス、ズボンだ。
 今日も規制と戦いつづけるピクルである。
 敵はトラックだけではない。


 立ちあがったピクルの目が驚愕の丸から、攻撃の三角になっていく。
 こ、この攻撃ティラノサウルスと互角ッッッ――――――、いや それ以上ッッッ!
 敵(エサ)として、申し分ない。
 きっと、そんな感じの思考が頭の中をかけめぐっているのだろう。
 たぶんトラックにぶつかった衝撃で、烈海王の記憶が脳から出ていっちゃったんだろうな。

 裸足のピクルは駆けていく。
 訓練されたスプリンターとはまるでフォームがちがう。
 手足を振りまわすように動かす、野性の爆走だ。
 トラックに激突する寸前、ピクルの姿は周囲の人間に見えなくなるほどの速度である。

 ピクルは笑っている。
 好敵手の出現に喜びを隠しきれないようだ。
 トラックにぶつかる直前まで、牙をむき出しにした笑顔だった。
 そして激突する。頭から突っこんだ。
 一撃でトラックの外装がメチャメチャにひしゃげる威力である。

 トラックの後輪は完全に浮き上がり、前輪だけが地面に接している状態だ。
 運転手はあわてていたけど、サイドブレーキをちゃんとかけていたらしい。
 けっこう余裕あったんだな。
 タイヤが動く状態だったら二次被害が起きていたかもしれない。
 運転手の密かな好プレーである。

 一撃でスクラップになった。
 少なくとも見た目は廃車である。
 ピクルは車のことを知らないだろうが、十分な手ごたえを感じたようだ。
 トラックはピクリとも動かない。
 ピクルの表情はおだやかだ。気絶させるだけの一撃を与えた気分なのだろう。

 動かぬ巨体にトドメをさすべく、ピクルはトラックの前面をつかんで投げの態勢だ。
 いくらなんでも、それは無理だろう。
 乗用車ではなくトラックだ。重さは数トンある。
 自分の体重の何十倍だと思っているのだ。

 だが、ピクルは力をかけつづけた。
 周囲の者たちは静止画のようにかたまり、ピクルを見守っている。
 トラックを投げ飛ばすなんて、ムリだ。
 でも、ピクルの迫力に、つい期待してしまうのだろう。
 迫力 = 説得力だッ!

 ッッ!
 もちあがったァ!

 ブキンッ


 トラックのつなぎ目がちぎれて、前部分だけが飛んだ。
 ピクルの力と荷台の重さに耐え切れなかった。
 文明が野性に敗北した瞬間である。

 過去に恐竜の首をねじきったことでもあるのか、ピクルは動揺しない。
 投げている途中で、首が取れたら普通はビックリする。
 それとも、ピクルはビックリしているのを隠しているのだろうか?

 静かな顔のまま、ピクルは荷台に追撃の蹴りをはなつ。
 頭が取れたんだから、もう勝ったも同然だ。
 ピクルの闘争心は止まることを知らない。
 それとも、ビックリしたことをごまかすために戦いつづけているのだろうか?

 ピクルは、破れた外装を引っぱがす。
 中にあったのは大量の『肉』である。
 トラックは精肉を輸送する冷蔵車だったのだ。

 肉ッ!
 言うまでもなく肉大好きなピクルである。
 トラックの内臓とカンちがいしたのか、つるしてある肉にかぶりつく。
 って、死んだ肉でも喰っちゃうんだ。
 これでピクルの食糧問題が解決した。

 ピクルのために右足をささげた烈の立場が……
 前号で登場すると予告されていた刃牙の立場も……
 それでも物語は、次回につづく。


 トラックに肉を詰めて、ピクルにぶつかれば問題解決だ!
 ケガの功名である。
 しかし、冷えた肉を喰って腹をこわしたりしないのか?

 野生動物にとって病気は死に直結する。
 人間だって薬が発達するまでは、病死が多かった。
 1792年のプロイセンとオーストリアの戦いでは、プロイセン軍15,068人中12,846人が病気で戦闘不能になったらしい。(戦争の世界史
 ピクルも空腹感がおさまってきたら、冷たい肉には手を出さなくなるかも。

 トラックの肉を喰うとき、ピクルは泣かなかった。
 相手が大きいから感動がなかったのだろうか?
 やっぱり、機械と生物では温か味がちがうのだろう。
 次回からは、炎上させたトラックを突っこませてみたらどうか?

 ピクルの大雑把な行動を見ると、餓えに負けた感じがする。
 襲ってくる敵しか喰わないという俺ルールを、ゆるくした感じだ。
 例えるなら、地面に落ちた食べ物は3秒以内ならOKというルールを、プロレスの3カウントなみする。
 これなら、ほぼ無限に拾い食いできるぞ!
 ピクルは烈やトラックには勝ったが、貧しさに負けた。

 板垣先生は『文房具を中心に扱っている問屋で、トラックの助手をやっていた』ことがある。(格闘士烈伝
 突然、バケモノみたいな男が現れて、トラックをぶっ壊すシーンを想像しながら働いていたのだろうか?
 絶対にできそうもないコトをやるのが、試し割りだ。
 強烈なピクルの破壊劇であった。

 トラックの中に食料が詰まっているのは前回の予想どおりだ。
 神心会のメンバーがぎっしり詰まっていなくて、よかったな。
 加藤には、サンドバックの中に詰まっていた過去もあるし、すこし心配だった。

追記 (08/4/9)
 前回感想で『プロイセン』と書くべきところを、『プロセイン』と書いてしまいました。
 ご指摘ありがとうございます。

 さて、ピクルの食糧問題はかたづいた。
 そうなると、ピクルの戦う動機が弱くなる。
 わざわざ人間と戦ってくれるのだろうか。
 また、徳川さんは戦いを許可するのだろうか?

 ただ、満腹のピクルは弱き人間と遊んでくれるかもしれない。
 今の私はピクルと戦っても生還できる!
 まあ、空腹でも泣いて土下座したら、興味をなくしてピクルも喰わんと思いますが。
 猪狩なら生き残れそうだ。

 烈海王ですら相手にならなかったピクルだ。
 本気を出されたら、一流の戦士も秘密のベールをぬいだ範海王なみになる。
 たとえ、本部に日本刀を装備させても勝てないだろう。
 最大の問題が解消したことで、次の問題ができてしまった。

 ところで、家畜の肉だと脂肪分が多いと思う。
 そんな けしからん肉を大量に食べてピクルは大丈夫なのだろうか。
 ピクルの愛称がメタボになったり しませんように。
by とら


2008年4月10日(19号)
第3部 第107話 長たる器 (763回)

 夜の神心会本部で空手家が一人だ。
 と、なれば修行でしょう。
 愚地克巳が一人で練習中らしい。
 相手はいないのだろうか?
 人に囲まれていることが多い克巳にしては、めずらしいシーンだ。

 床に水たまりができるほど大量の汗を流している。
 まるで烈海王のような修行姿だ。
 烈からナニか学んで、汗が多くでるようになったのだろうか。
 こういう泥臭い努力を人に見せないようにするのが、"天才"克巳のプライドかもしれない。
 涼しい顔で、誰もできないことをやるのが天才だと思っていそう。

 克巳は右半身を前にして構える。
 床の汗はふかない。
 地面の状態がどうであろうと戦うのが武術家である。
 床が濡れていたので失敗したと言い訳したら、中村先生に「日頃から水をまいて稽古しておかんからだッ!」と怒られます。(達人烈伝

 閉じた目を、開く。
 静かに踏みこんで、連打ッ!
 七連打以上の攻撃だ。

 克巳が得意としていた正中線四連突きが、さらに進化したのか!?

 息を乱した克巳は正座して体と心を静める。
 本日の修行はこれで終わりだ。
 この技を会得するための練習だったのかもしれない。

 克巳の新必殺技だろうか?
 目を開けた瞬間に距離をはかり、踏みこんで連打する。
 左右の足を踏みかえる、空手らしい技だ。
 対ピクルの秘密兵器だろうか?
 さすが空手を終わらせたと言われた(過去形)男だ。
 終わったと思ったら、新しいものが出てくる。


 瞑想する克巳は、かつて範馬勇次郎に言われたことを思いだす。
 勇次郎にも 刃牙にも 独歩にすら相手にされていないと言われた。(範馬刃牙11巻 86
 修行を終え、事務室(?)にもどった後も克巳の悩みは消えない。
 本人も愚地独歩に、歴史・伝説・カリスマで及ばないと自覚しているのだ。
 自覚しているだけに、悩みは深刻である。

 愚地独歩は生きながら伝説になりつつある偉人だ。
 克巳が、その高みに達するには圧倒的に人生経験が足りない。
 なにしろ克巳はまだ二十歳なのだ。
 今思えば二十歳なんて、なにもワカっていない未熟者ですよ。

 戦国武将なんかでは、たまに若くして国をついだりする人がいる。
 だが、彼らには脇を支える重臣がいた。
 克巳にも誰かいるのだろうか?
 100万人の組織だと、一人のカリスマにも限りがある。
 きっと参謀役がいたハズだ。
 克巳は、彼らの信用を得られなかったのだろうか。

 克巳の強さそのものは、独歩とほぼ互角だろう。
 一時期は、独歩を追い抜いたこともあったぐらいだ。
 ただ、その強さをアピールできていない。
 やはり、歴史が圧倒的に足りないのだろう。
 カリスマを手に入れるため、克巳が考えた作戦とはッ!?

 ピクルと戦う!

 だめだろ、そりゃ……


 克巳が煮詰まって考えた末に、なにも考えていないような結論を出した。
 さすがMr. ノー・プランだ。
 克巳って計画をたてるのが、本当に苦手なんだな。
 遠足のおやつを買うときに、いつも失敗していたんだろうな。
 死ぬほど大量のバナナを持ってきて、食べきれず持って帰ったりしていそう。

 その時、克巳の携帯電話が鳴る。
 神心会門下生からピクルの情報がもたらされたのだ。
 克巳がサンドバックを叩いているころ、ピクルはトラック一台を破壊していた。
 同じような試し割り的行為でも、スケールの差で負けている。

 ピクルは肉を約50kg 喰っていた。
 喰いすぎだァッッ!
 130kgのピクルにとって、体重の約40%にあたる。
 70kgの人なら、28kgの肉を喰うようなものだ。
 野生動物は食いだめするのだろうけど、限度を超えている。

 ピクルのことを、体格が末堂なみとバカにしたのが良くなかったのだろうか。
 これで体重180kgの立派なバケモノだ。
 華麗なる、脱・末堂である。
 どちらかと言うと、本当に身長が2mなのか のほうが気になるんだけど。

 ピクルは長い間、絶食状態だった。
 130kgというのは、やせた状態だったのかもしれない。
 大量の肉を喰うことで、健康なピクルが復活したのだろうか。
 でも、やせたのだとすると、シベリアトラの立場ないな。
 トラの血肉が、役にたっていない。

 家畜の肉は野生動物にくらべて脂肪が多い。
 脂質は生きのびる上で必要なので、美味いと感じる。
 ピクルは未体験の美味を感じて、つい食べすぎたのかもしれない。
 メタボが心配だ。


 克巳は烈海王の仇討ちという大義名分で、ピクル操作網を展開する。
 警視庁4万3000人に対し、都内門下生は5万5000人だ。
 ドリアンを先んじて発見した実績もある。
 東京都下の神心会220支部が臨戦態勢に入った。

 100万人の門下生を束ねるために、仮想敵を設定して人を動かす。
 若き野心家は、神心会を完全掌握しようとする。
 そのそばに加藤も末堂もいない。
 孤独を抱えて、愚地克巳はどこへ行こうというのだろうか?

 大勢の前に姿をさらしたせいか、克巳はバンダナをはずしている。
 しっかりと髪の毛があった。
 ちゃんと生えていたようだ。
 それとも、威厳をだすためカツラを用意したのだろうか?

 100万人というと、だいたい東ティモールの人口と同じぐらいだ。
 一国を束ねるのに匹敵する政治力が必要である。
 克巳はピクル捕縛を名目に、神心会の完全掌握を狙っているのだろうか?


 そのころ、ピクルは風俗店の呼びこみに引っかかっていた。
 マズいッ!
 食欲が満たされたあとは、性欲かッ!?
 ピクルはヤる男だ。
 ヤると決めたときには、すでに射精(だ)している。

 また、悲劇が繰りかえされるのか?
 チャンピオンは名目上・少年誌だが鉄パイプで殴るなみの気楽さでレイプ描写が出てくる。
 滑稽なほどの野性が爆発しそうだ。
 そして、ピクルを補足した神心会はピクルが射精(だ)すよりも早く、到着するのか?
 次回へつづく。


 ピクル争奪戦は、負けたら喰われると言う恐怖を回避して、純粋な争奪戦に戻ったようだ。
 もっとも、克巳はピクルが満腹だと知らない。
 噛みつき対策をして出陣するのだろう。
 全身にトウガラシをまぶして食われないようにするとか。
 でも、股間がトウガラシを喰らって、炎症を起こしそうだな。

 次回の目玉はピクルの下半身事情と、克巳の動向だ。
 気持ちがいいくらい、プランの無い暴走はどこに向かうのだろうか?
 そして、刃牙の出番はあるのか?

 50kgの肉食をしてみせたピクルだが、骨は残していた。
 初期のヒトが骨髄や骨そのものを食べていたという説がある。(われら以外の人類親指はなぜ太いのか
 食べかたのちがいから見ても、ピクルは現代人の先祖ではないのだろう。
 ヒトのアゴは前後左右に動かすことができる。骨でも頑張ってすりつぶせるのだ。
 ピクルの巨大な犬歯は、アゴの自由な動きを邪魔している。
 人類とは別の方向に進化したのがピクルなのだろう。

 それにしても、50kgも喰ったわりにピクルの腹は膨らんでいない。
 50kgなんて妊婦さんですら裸足で逃げ出すような重さだ。
 とうぜん、腹がふくらむハズ。

 ふくらんでいないと言うことは、出したのだろうか。
 冷たいままの肉を喰うから、下すんだ。
 克巳なみのプラン無し行動である。
 しかし、50kg出したてホカホカの排泄物が道に落ちていたら、ビビるよな。
 『浦安鉄筋家族』の国会議員が、出したと誤解されそうだけど。
by とら


2008年4月17日(20号)
第3部 第108話 強き父を持つ事 (764回)

 人肉喰いにより少年誌の限界に近づいたピクルが、風俗店で別方向への限界に挑む。
 カンベンして。
 マジ、カンベンしてくれ。
 いっそうのこと、バキSAGA2で梢江OO(ダブルオー)とか出てきてもいいから。(※ Oは「お下劣」の「オー」)
 ……ごめん。それは嘘だ。

 ピクルも読者も出版社も、そろって大ピンチである。
 相手は客引きの おっさんだ!
 多彩な表情でピクルに迫ってくる。
 柔軟な顔筋肉をもった 技巧派だ。

(親し気に近付いてくる)
(なのにこの雄は――――――)
(まるでを好きではない)


 ピクルは男の本心を感じとっていた。
 言語が発達していない(?)社会の生物だけに、うわべの言葉にダマされないのだろうか?
 野性のカンかもしれない。
 冷凍肉と同じく、この男を喰っても泣かないんだろうな。
 不健康でマズそうだけど。

 客引きの男は、ピクルをなんらかのアスリートと思っているようだ。
 あふれだす体力・精力を店で発散してみないか?
 そう言って誘っている。
 筋肉男のあつかいになれた店のようだ。
 マッチョ専門店なのか?

 店名はハッキリしないが、もしかすると悪魔憎涅巣(アマゾネス)なんて名前かもしれない。
 屈強な美女軍団がむかえてくれる大人の遊園地だ。
 乳房と言うより胸筋な感じで、背面の隆(おこ)りHカップ分の働きは充分にするものと覚えたり。

 ピクルがまさに悪魔憎涅巣(仮)に連れこまれようとするとき、神心会メンバーが阻止にはいった。
 呼び込みのオッサンもタダ者ではない。
 ヤクザとも かかわりがあるようで、すごみを効かせている。

 だが、神心会は構成数100万人の暴力組織だ。
 看板の捧を試割りしてみせて、オッサンをだまらせる。
 さらに、周囲に神心会メンバーがあつまっていた。
 大人数の圧力も加わり、オッサンはピクルを引き渡す。

「恩に着ます」
「次に来るときは客として」


 アメとムチだッ!
 恫喝しつつ、礼をかえす見事な交渉術である。
 おそらくピクル捕縛隊の長だろう。
 暴れ者をまとめあげているだけでも、タダ者でないとワカる。
 さりげなく、神心会では重要なメンバーなのかもしれない。

 捧切りも、かなり見事なものだった。
 無名な彼だが、実力者だったのだろうか?
 こっそりと捧に切れ目を入れていたのかもしれないけど。
 加藤と末堂が行方不明の現在、彼こそが克巳の腹心なのかもしれない。

 そして、神心会門下生が通うことになる店は、やっぱり筋肉パブなのだろうか?
 バニーと言うよりバーニングな感じで。
 たぶんメニューには、プロテインとかがそろっているんだろな。
 スイーツ(笑)じゃなくて、ミート(肉)
 必殺技はマッスル・ドッキング!

 無事にピクルを確保できた。
 神心会メンバーは、すみやかに本部へ連れて行こうとする。
 だが、そこへ新たな参戦者が現れたッ!

「は……」
「花山…………さん」

 喧嘩師・花山薫の登場だッッッ!
 花山は一発でピクルの正体を見破っている。
 当然のようにピクルの強さにも興味があるらしい。

 一切のトレーニングを拒否している花山は、ある意味もっとも野生に近い男だ。
 まさに天然素材である。
 雄度を競うような二人が出会った。
 野性の世界だと、雄は縄張りをかけて争う運命にある。
 この二人、どうなるッ!?
 次回につづく。


 一方、神心会本部では愚地克巳が正座で精神集中をしていた。
 無計画にピクルと一騎討ちをするつもりらしい。
 とことんプランを立てない男だ。
 前回の克巳スペシャル(?)を完成させたことで、もう勝った気になっているのだろうか?

 そんな無計画男の背後に、愚地独歩が立った。
 義理とはいえ、親子だ。
 子が道を間違えそうなときは、正すのが親のつとめである。
 欲を言えば、もうちょっと早く出てきて欲しかった。
 部下をピクル確保にむかわせた以上、やめるのがむずかしい。
 今、やめたら克巳の面子は丸つぶれだ。

「武道家にとってイチバン大切なことはなんだ」
「生き延びるってことよ」


 宮本武蔵が生涯無敗だったのは、勝てる相手としか戦わなかったからだと言う説もある。
「武道家は特攻隊じゃない」「勝算のないケンカはせんよ」刃牙6巻 48話)
 昔から、独歩は冷静に勝ち負けを計算していた。
 武士は勝つためなら手段を選ばない。(佐伯真一「戦場の精神史」)

 武道家らしからぬ、バッドエンドまっしぐらの選択肢を選んでしまった克巳である。
 だが、本人は間違っていると思っていないようだ。
 空手家同士、意見が対立したら、組手でカタをつけよう。
 かつて独歩が言っていたセリフをそのまま反す。

 超雄同士がであっていたころ、稀代の空手家二人が親子対決をはじめようとしていた。
 刃牙シリーズで、空手家同士が本格的に戦ったことは、無い。
 初の空手対決だ。
 そして、範馬親子にさきがけて、初の親子対決でもある。
 共に偉大な父を持つ者同士の共有感(シンパシー)で、刃牙にも闘争が訪れないものだろうか?

 親子対決と、雄度比べだ。
 贅沢な二次元中継のまま、次回へつづく。


 予想外の花山参戦である。
 外伝が連載終了したので、本編に帰ってきたのだろうか?

 今回重要なのは、ピクルが相手の行為を感じることができる点だ。
 呼び込みの本心を感じとっている。
 花山はピクルに敵意を持っていないだろう。
 つまり、ピクルと花山は理解(わかり)あうコトができるのだ。

 いまのピクルは満腹だろうし、負けたときのデメリットも少ない。
 ピクルが真の友を得ることのできるラストチャンスかも。

 ピクルが人の好意を読みとれるのなら、克巳はヤバい。
 今回の行動は神心会の組織をまとめるためのデモンストレーションみたいなものだ。
 腹の黒さが透けて見えるかもしれない。
 もっとも、克巳は悪になる以前に、無計画な男だ。
 ある意味、天然素材としてピクルと気が合うかも。

 そして、克巳は真のリーダーになるため父親越えを目指す。
 昔は越えていたハズなんだが、気がついたら逆に越えられてしまった。
 二度目の父親越えに挑戦中だ。
 たぶん、越えるのに成功しても、すぐに逆転されるんだろうな。

 そして、われらが主人公・範馬刃牙はなにをしているんだろうか。
 一度は予告に名前がのったのに、今では影すらない。
 克巳が先に親子の相克をやってしまったら、立場が無いぞ。

 今週の『鉄鍋のジャン!R』で、『水のために料理があるんじゃない 料理のために水がある』という言葉が出てきた。
 つまり、主人公のために作品がいるんじゃない 作品のために主人公がいるんだ!
 今の主人公は水のように、みんなを支えているのかもしれない。
 生物にとって水は必要不可欠だ。主人公も、またしかり。
 まあ、無味無臭で、見えませんけど。

追記 (08/4/23)
 範馬刃牙のテーマは父親超えだ。
 大吉さんも書いていますが、非常に重要なテーマが父親超えである。
 掲示板で、アライ親子や勇次郎vs.ジャックの話も出ていましたが、ちゃんとした意味で超えるシーンは描かれたことが無い。

 神話の時代から描かれる永遠のテーマが父親超えだ。
 似たテーマで、師匠超えと兄超えというものもあります。
 バトル系漫画では避けて通れない話題ですね。

 刃牙ではすでに、刃牙による兄(ジャック)超えと、鎬昂昇の兄(紅葉)超えが存在している。
 ただ、刃牙とジャックは初対面で決着だったので、葛藤としては薄い。
 幼年時代の刃牙 vs. 勇次郎で描かれた密度の濃い肉親間の愛憎劇に比べたら、水みたいなものだ。
 むしろ、今の刃牙が水だ。
 鎬兄弟は野菜水ならぬ、やおい水かな。

 一応、克巳とアライJr.は父を越えた瞬間があった。
 アライJr.は偶然っぽかったが、克巳は天才と努力で超えたのだろう。
 その後、また追い抜かれましたけど。

 で、克巳が二度目の父親超えに挑戦する。
 どう考えても勝てる要素が思い浮かびません。
 プランを立てない男の面目躍如である。
 ぜったいに借金をしてはいけない男だ。

 ピクルと戦う。
 それは烈海王を超えることでもある。
 烈に正面から挑んで一撃で倒されたことは、忘れちゃったのだろうか?
 未来のプランだけではなく、過去のメモリーも無いらしい。
 金を貸したり、飯をおごったりしないほうがいいぞ。すぐに忘れるから。

 でも、限界を突破して偉業を成し遂げる人って、こういうブレーキの外れたヤツなのかもしれない。
 死際の集中力を得るため、ガケに飛び込むような無謀ができるヤツだ。
 昔の刃牙は、偉人の素質があったんだな……
by とら


2008年4月24日(21+22号)
第3部 第109話 奇妙な二人 (765回)

 ゲゲェッ、克巳が表紙になっている!?
 ついに刃牙がリストラされたのか?
 せっかく、やる気を出したと思ったのに。
 ……アレは本当にやる気だったのだろうか?

 強きものは惹かれあうのか?
 なんという………ッッ、偶然!!! で花山薫と原人ピクルが遭遇した。
 お互いに雄フェロモンを感じて近づいてしまったのだろうか?
 刃牙は、引っかからないらしい。

 神心会の猛者たちも遠巻きに見ている。
 花山とピクルの邂逅には、それほどの迫力があるのだろう。
 最大トーナメントで克巳を何度も追いつめた花山だ。
 神心会の中でも、花山の強さは伝説となっていると思われる。
 刃牙も、きっと『末堂殺しの範馬刃牙』と呼ばれて恐れられているんだろうな。

「花山さん」
「神心会の寺田といいます」
「ハナシ聞いてくださいッッ」


 唯一、緊迫する二人に近づけたのが、ピクル捜索隊の隊長(?)寺田である。
 掲示板で通過人さんに指摘されましたが、ドイルに克巳の言葉を伝えていた人が寺田だ。(バキ15巻 129話
 神心会・克巳派の重要人物らしい。

 加藤や末堂は、どう考えても独歩派だ。
 姿を見かけないのは、克巳派が権力を握ったため失脚したのかもしれない。
 シベリア支部に派遣されているとか、そんな感じで。
 末堂は、それ以前に生きているのかどうかすら、あやしいのですが……

 克巳は加藤に師事したことがある。
 アレは独歩派の中でもっとも過激な加藤に、近づく意味でやったのかもしれない。
 ご機嫌をとって、俺を支えてくれと頼む。
 でも、加藤はあくまで独歩LOVEなので、克巳派にはならないのだ。
 克巳はイロイロ画策しているかもしれないが、根本的なプランを間違っているのかも。

 烈海王や鎬昂昇を講師に招いたのも、外部協力者が欲しかったのだろう。
 経営者視点で言うと、猪狩と仲良くなったほうが良さそうだけど。
 もっとも、猪狩が相手だと逆に利用されるかもしれない。
 克巳は負けない喧嘩をしないために、猪狩を避けたのかも。


 克巳の懐刀である寺田が花山に交渉しようとする。
 早くも汗が流れていた。
 花山のプレッシャーは、10年以上の空手暦をほこる寺田すら発汗させる。
 気位の世界に生きている花山の出す任侠オーラが、スゴいのだろう。

 寺田の脇腹に匕首が突きつけられた。
 花山の側近・木崎がいつのまにか現れ、刃物を当てているのだ。
 空手家の懐をとり、刃物を突きつける。
 さりげなく、木崎もかなりの実力者だ。

 いつも花山に酒をさしだすだけというイメージが、木崎にはある。
 だが、けっこう匕首を抜いているのだ。
 彼も花山組の重要人物である。地味だが、強いのだろう。
 おそらく木崎の内ポケットには花山用の酒ビンと匕首がぎっしり詰まっている。

 花山は無口なので、木崎がトーク担当になる。
 木崎がいるからこそ、花山も安心して無口なのだ。
 花山のダンディズムを陰でささえるのが木崎なのだろう。

 匕首を突きつけられた寺田は、かえって汗がひく。
 戦力的に、花山(素手) > 木崎(匕首装備)なのだろう。
 寺田はまったく怯まない。
 手の甲で、木崎の目を打つ。木崎がひるんだ。すかざず、匕首を蹴りあげる。

 克巳は黒帯研究会で刃物を蹴りでハネ飛ばす技を見せていた。(バキ14巻 123話
 寺田も同じ技を使ったと思われる。
 ちゃんとした実力があってこその腹心だ。
 トーク対応によけいな気を使わない分、木崎より腕が上らしい。

 宙に舞った匕首をピクルがつかもうとする。
 同時に花山も手を出す。
 匕首が両者の手に挟まれたまま、二人は手を握りあう。
 このまま腕相撲をするような格好だ。

 握力だけでならバキ世界No.1候補の花山である。
 この勝負ならピクルとも互角だろう。
 匕首をはさんだまま、危険な握りあいだ。
 横で見ているだけの寺田に汗が戻るほどのキケン度である。

『行為そのものは攻撃だった』
『なのにこの雄(オトコ)は』
『俺のことが大好きなのだ』


 ピクルの本能が花山を理解する。
 喧嘩師・花山薫は強い男との喧嘩が大好きなのだ。
 花山はまったく笑顔を見せていない。むしろ、怖い顔をしている。
 しかし、ピクルは花山の気持ちを見抜いていた。

 二人の超握力は匕首をきしませ、ついに刃を折る。
 これほどの力を出しながら、ピクルに笑みがこぼれた。
 よろこびのピクルパンチだッッッ!
 花山が吹っ飛ぶ。


 巨体+侠客立ちの花山はめったに吹っ飛ばない。
 さすが範馬勇次郎を上まわる怪力だ。
 だが、ふんどし状態になってからが、本当の花山である。
 克巳と戦ったときは、最後までクツもズボンもはいていたから調子が出なかったんだろうな。
 次回の花山は、脱ぐのか!?


 愚地克巳 vs. 愚地独歩の親子対決がはじまる。
 克巳は独歩の上着を脱がしかけの状態でつかむ。
 両腕が封じられた。
 無防備な独歩のノドボトケを親指で突く!
 独歩倒れる。
 予想外の、一撃決着だ!

 組手では使わないような、不意打ち+危険技のコンボである。
 克巳もそれをワカっていながら使った。
 一刻も早くピクルのもとに行きたいのだろう。
 目的のために手段を選ばなくなった修羅が、そこには居た。

 ただ、不意打ち+危険技は空手の常識でもある。
 餓狼伝の片岡輝夫だって親指でノドボトケを突いていた。(餓狼伝16巻 144話
 試合でアレやったら、普通は危険行為で反則負けなんだろうけど、許されるのが北辰館ルールだ。
 同じように、神心会でも許されるだろう。
 なお、上着を脱がしかけて両手を封じるのは、餓狼伝の藤巻も使用している。(餓狼伝3巻 12話)

 独歩は、油断していたのだろうか?
 言い訳のできない不覚だ。
 もしかして、死んだフリだったりして。
 克巳の覚悟を見るため、わざと喰らったのかもしれない。
 コッカケを極めると金的だけではなく、耐久力全体が上がるらしいし。

 克巳には覚悟がある。
 だが、真っ当に戦って勝つ自信がない。
 ピクルも不意打ちで倒すつもりなのだろうか?

 克巳がピクルと戦うのは、強さへの興味じゃない。
 組織を動かすための仮想敵だ。
 動機が黒いよ。
 ピクルが克巳と戦った場合「この雄は俺を好きではない」と感じそうだな。

 とにかく、独歩をたおした。
 克巳は急ぎピクルのもとに向かうのか?
 すでに始まってしまったピクル vs. 花山はどうなる?
 次回は、みつどもえの戦いか!?


 花山とピクルが戦ってしまうのか!?
 ピクルは満腹状態だ。
 だが、負けたら喰われるという危険性は消えていない。
 烈海王につづいて被害者が出るのだろうか?

 足技が得意な烈は、足を喰われた。
 握力が武器の花山は手を喰われるかもしれない。
 ピクルは強者の肉体を喰うことで、その特性を取り込んでいくのだろうか。
 とりあえず、克巳は目だって喰われる場所無いよね。

 花山はパワータイプの戦士だ。
 バツグンの耐久力と攻撃力をもっている。
 乱打戦にもちこんで打ち勝つのが必勝法だ。
 だが、ピクルはおそらく花山以上の防御と攻撃をもっている。

 パワータイプ同士が戦う場合、力で劣っていると圧倒的に不利だ。
 花山とリチャード・フィルスが戦うと考えればわかるだろう。
 二人ともノーガードで戦う喧嘩スタイルだ。
 でも、打たれ強さがまるで違う。
 フィルス泣いちゃうよ。

 技でも戦える烈は、力で劣っても戦うことができた。
 だが、花山は烈以上に勝ち目がうすい。
 相性が最悪である。

 だからこそ、克巳が来るのだろうか?
 克巳も力と技のバランスがいい男だ。
 力で負けても、技で持ち直せる。
 でも、ピクルのことは好きじゃ無いかもしれない。

 花山がピクルにやぶれて食われる寸前、克巳が駆けつける。
「この雄は俺を好きではない」
 ピクル、こんどこそ風俗店へ……
 というカタチだと被害者が最小になるのだが。


 浦安鉄筋家族が連載15周年ということで、いろいろと特集が組まれている。
 板垣先生の描く春巻龍はチャンピオンを保存する価値のあるキモさだ。
 そして、こち亀30周年ジャンプ隠れ両さんのように、春巻が各漫画に遭難(出演)している。
 ドカベンへの出演はすぐにワカったのだが、似てなさすぎて吹いた。(参考:春巻先生遭難

 連休の関係で、次号のチャンピオンは5/8発売だ。
 かわりに、当サイトではピクル編のまとめをしたいと思います。
 刃牙の登場率を計算したら、悲惨なことになりそうだな……

追記 (08/5/7)
 愚地克巳が止まらない。
 手段を選ばず強さを求める姿は、愚地克巳流の開眼なのだろうか。
 そのうち銃器の使用もすべて認めてしまいそうだ。

 ところで、独歩はどうしてしまったのだろうか?
 克巳の不意打ちを喰らったのは、独歩らしからぬ失態だ。
 これに関してはフォローする言葉が見つからない。

 やっぱり勇次郎と戦う直前が最盛期だったのだろうか。
 菩薩拳に目覚めて強くなった気がしたけど、あれは一時的なものだったのかも。
 ドリアンにも不覚を取っていたし、肉体よりも精神の面で衰えている気がする。
 範馬勇次郎との再戦で絶望的な戦力差を感じ、心が磨耗したのだろうか。

 克巳を愛するあまり油断したという可能性もある。
 やられたフリで、今後の展開を見守っているかもしれない。
 克巳がピンチになった瞬間に飛び出して、かわりに喰われるとか。
 いかん。悪い方向に考えがいってしまう……

 ピクルが喰うことで戦士の能力を取り込むとすると……
 烈の右足、克巳の左足、花山の右手、独歩の左手が合体すると、本気ですごそうだ。
 なんか悪魔将軍みたいな感じだな。

 最終的に勇次郎の背筋を手に入れたら本気で最強だ。
 そうするとアレですよ、刃牙は敵討ちと父親越えを同時に果たせる。
 『親父の強さは、背筋だけじゃないんだ!』と刃牙が吼えて倒すわけだ。
 オマエはどんだけ親父が好きなのかと。

 まあ、最終的にピクルは刃牙に倒されてコヤシになるとは思いますが。
 刃牙と戦った後で、勇次郎に倒されて、夜叉猿の時と同じになる可能性も高いけど。
by とら


2008年5月1日
チャンピオンはお休みです

 休みを利用して、ピクル編を振りかえってみよう。
 わざわざ外伝作品としてデビューしたピクルが刃牙世界を震撼させる。
 この衝撃は『バキSAGA』以来だ(え〜


 ピクル(PICKLE)
サブタイトル内容
第1話 新説人類史 白亜紀の原人ピクルが発見され、現代に目覚めようとする。
第2話 動き出した時間(とき)  よみがえったピクルを止めるべく、アレン君が銃を取りだす。
第3話 食欲 ピクルに9ミリ弾は通用しない。アレン君、大ピンチだ。
第4話 困惑の野性 逃げるアレンは偶然ピクルを捕獲することに成功する。
第5話 憤怒(いか)り ピクルは脱出した。改めてピクルを捕らえるため新兵器が登場する。
第6話 最新 vs 最古 多目的戦闘マシーン M.P.B.Mとピクルの戦いがはじまるとしている。
最終回 雄として M.P.B.Mは敗北した。そして、ストライダムがピクルに男の交渉をする。全裸で。 

 主人公の座をうばった感のあるピクルです。
 ただ、あくまでピクルは争点でしかなく、本人の意思が感じられない。
 ピクルのストーリーを追いかけると、周囲のほうが主体的に動いているとワカる。
 外伝ピクルと銘うっていても、ピクルはいじられる側なんだよな。

 ピクルもキングコングと同じで、文明と相容れない孤独な存在なのだろう。
 キングコングも本人の意思とは関係なく、世間と文明にどつき回される存在だったな。
 まあ、美女に殺されるあたりが、キングコングの自主性だろうか。
 ピクルも相沢レポーターへの愛で死んだりして。
 いや、そこは烈海王の愛で死ぬべきだろう。



 ピクル争奪戦 第一章 〜 ピクルにひかれる漢たち 〜
サブタイトル内容
第80話 混沌の始まり ピクル来日。そして、即レイプする。超野性ヂカラだ。
第81話 嫉妬 範馬勇次郎と烈海王がピクルと逢うため、米軍基地へやってくる。
第82話 行動 烈海王はドリフコントで侵入し、勇次郎は迫力で通過する。
第83話 大統領命令 勇次郎は解説をして、烈海王はピクルの居場所を発見する。
第84話 同窓 烈海王、鎬昂昇、愚地独歩、ジャック範馬、渋川剛気、愚地克己、寂海王が勢ぞろい。 
第85話 恋心 ピクルは放尿する。そして、勇次郎が登場だ。
第86話 本能のままに  克巳は勇次郎に口でへこまされる。勇次郎はオモシロ!な方法で部屋に入る。
第87話 力比べ 勇次郎はピクルに力比べを挑む。そして、技に逃げることを余儀なくされた。
第88話 完全包囲 米軍のお願いで、勇次郎と愉快な仲間は帰る。ガイアもこっそり帰るのだった。

 9人の屈強な男がピクルに求婚する!
 これがピクル争奪戦の第一章だ。
 そして、いきなり刃牙が脱落しているんですけど。

 後の展開を見ると、彼ら9人は最後までピクルに関わりそうだ。
 ピクルを殺すのが愛だとしたら、寂海王あたりがこわいよな……
 レイプにはじまり、嫉妬や恋心というサブタイトルが並ぶ。
 やっぱり、ピクル編は愛の物語だろうか。

 あと、なんというか、みんな一発芸が達者だよな。
 勇次郎の殴り合いさせ芸や、アクリル破り。
 みんなの進入芸も面白かった。
 朝比奈ぴくる のピクルビーム(尿)も強力だ。

 うむ、わかった。
 今の刃牙に必要なのは、一発芸なんだ。



 ピクル争奪戦 第二章 〜 烈海王 VS. ピクル 〜
サブタイトル内容
第89話 静寂 刃牙はピクルに興味がない宣言をする。烈はバキに興味が無い。
第90話 興味の対象 烈はピクルにぞっこんだ。ピクルは食糧問題に悩んでいた。
第91話 戯れ ピクルはシベリアトラを倒して、喰うのだった。
第91.5話 気付き 刃牙も本当はピクルに興味があったんですね。
第92話 成就 ピクルの食料問題解決に烈が名乗りをあげた。わたしが餌となっては如何かッ!? 
第93話 自然力VS武力 ピクルも警戒させる武の力だ。烈海王が、ピクルの前に登場する。
第94話 小細工 力では負ける烈だが、華麗なコンビネーションでピクルを追いつめる!?
第95話 謝々(ありがとう) 烈の攻撃はピクルに通用しない。サバ折りを喰らい、烈が喰われるッ!?
第96話 流るる涙 ピクルは烈を喰う。烈の抵抗はむなしく終わり、最後の手段はグルグルパンチ。
第97話 離さない 巨大・烈海王の幻影が出て、海王復活!?
第98話 武の懐 理想の中国武術家として烈海王は、ふたたび戦う。
第99話 対人間(ヒト) ピクルの頚骨は四足獣と同じく頑丈だ。人間技が通用しない。
第100話 矛盾 野性の矛と、武術の盾がぶつかり、ピクルの野性が勝った。
第101話 闘う意味 敗北した烈海王は、ピクルに右足を喰われる。
第102話 烈という意味 烈は覚悟の足りなかった自分を恥じる。刃牙はやればできる子。

 忘れたころに出てくるのが範馬刃牙だ。
 実は、章のわかれ目に登場している。
 出番は少ないけど、重要なポジションにいるのだ。
 さすが主人公と言うべきか。

 ピクルに対する第一の刺客は烈海王だ。
 力・技・スピードすべてが高いレベルにある強力な戦士である。
 おそらく範馬一族に次ぐ実力者だろう。

 その烈海王がピクルには手も足も出なかった。
 郭海皇は範馬勇次郎に敗れたことで、人間の技術で範馬を倒せないと証明したことになる。
 烈海王がピクルに敗れたので、ピクルを倒せるのは範馬クラスということだろうか。

 しかし、ピクル争奪戦第三章では克巳と花山が参戦する。
 三章では技術というより、組織力で戦うのだろうか。
 今後の展開と刃牙の活躍に注目だ。

 そして、やっぱりピクルは受身の性格だな。
 刃牙も積極的に追いかけないと、相手にしてもらえないぞ。
by とら


2008年5月8日(23号)
第3部 第110話 通行止め (766回)

 表紙の刃牙が、となりにいる「クローバー」(AA)のキャラと同じような帽子でシンクロニシティーだ。
 17歳に見えない「クローバー」のイチゴさんも、初登場時の花山薫15歳に比べたらマシかもしれない。
 少年漫画では未成年の飲酒喫煙描写に規制があるケースがある。
 だが、花山薫は未成年に見えないという画期的な方法で回避できるのであった。
 今回は、そんな花山薫(もう20歳か?)が主役をつとめる。
 ……刃牙はどうした?

 ピクルの一撃で花山がダウンした。
 大の字に倒れたまま起きあがらない。
 まさか、タフネスの代名詞である花山薫が一撃で倒されたのか!?
 ピクルの打撃力はガーレンの投げに匹敵する破壊力があるらしい。
 アナコンダですら、ガーレンの投げに数回耐えたんだけどな……

 組長がヤられたらアダを討つのが構成員の務めです。
 というわけで、木崎がいったァ〜〜〜ッ!
 ピクルを殴るが、まるで通用しない。
 前回、匕首を折られたのが痛かった。

 ピクルは木崎の腕を無造作につかむ。
 あっさり折れた。
 手首とヒジの間に関節がひとつ増えたような状態だ。
 花山よりも強い握力を持っているのかもしれない。

 匕首と腕が折れた。
 さすがの木崎もダウンする。
 どっちかが無事ならまだ戦えたのだろうけど。
 酒ビンは何本も持っているのかもしれないが、匕首の予備がなかったらしい。
 ピクルに酒ビンで殴りかかっていれば、もうちょっとダメージを与えられただろうけど。
 酒ビンを守るのが、木崎なりの忠義なのだろう。

 ピクルにとって、木崎は顔にたかったハエを振りはらう程度の存在だったらしい。
 木崎には目もくれずピクルは去っていこうとする。
 喰う価値すら無いと言うことなのか。ある意味、弱くてラッキーだ。
 だが、克巳から足止めを指示されている寺田が立ちはだかった。

 近代空手らしいコンビネーションで、寺田はピクルに打撃を叩きこむ。
 ピクルは防御しない。
 恐竜と戦ってきた原始の肉体には、近代空手のコンビネーションなど防御するまでもないのだろう。
 ピクルは、寺田を上からはたく。一撃で、沈黙させた。
 大人と子供 ――――あるいは素手の本部と武装した本部のような 力の差がある。


 寺田がまったく問題にならず、神心会のメンバーは手が出ない。
 このまま、ピクルを見逃してしまうのか?
 だが、ここで花山薫の復活だ。

 立ち上がるのが遅れたのは、それなりのダメージがあったのだろうか。
 それでも、現在の花山は足もふらつかず、汗もかいていない。
 花山薫の本気は、これからだ。

 思わぬ好敵手の出現にピクルの口元がゆがむ。
 闘争の喜びだ。
 満腹であっても、戦いは別腹らしい。
 ピクルの弾丸タックルがいった。
 全白亜紀No.1ヒットの一撃だ。

 花山は、それを胸で受けとめる。
 胴タックル状態になっているので、格闘技の試合なら倒されるだろう。
 だが、花山もピクルも本能のままに戦う雄なので、通常の攻め方などしない。
 寝技に持ち込むことなど、考えず力比べだ。
 花山はクツが破れるほどに踏んばり、ピクルの突進を止めた。

 ピクルが汗を流す。
 花山の力はトリケラトプス並みッ!

 ピクルは花山にトリケラトプスを感じる。
 花山の前世はトリケラトプスなのだろうか?
 そういえば、攻撃に専念した花山の構えは、両手と頭の位置がトリケラトプスだ。


 一方、神心会では独歩が放置中だった。
 克巳の思いやりなのか、独歩には布団がかけられている。
 すでに独歩は覚醒していた。
 それとも最初から気絶などしていなかったのだろうか?

「フフ……」
「化けるかもな」


 満足そうに笑う愚地独歩であった。
 すなおに息子・克巳の成長を喜んでいるようだ。
 いろいろありますが、独歩も親バカらしい。
 克巳が化けて、烈海王以上の力を発揮すると思っているのだろうか?
 いくらなんでも、希望的観測すぎだろ。
 どっちかと言うと、花山のほうが化けた。

 トリケラトプスに覚醒した(?)花山とピクルの戦いはどうなるのか?
 そして、克巳は戦いに間にあうのか?
 寺田は気絶している。電話もつながらずに克巳は迷子になる可能性が高いぞ!
 次回へつづく。


 花山が意外とモロかったようで、やっぱりタフだった。
 一瞬の気絶が花山の野性をよみがえらせたのだろうか?
 花山は外伝で苦労して、一皮むけたのかもしれない。
 けっきょく外伝では握らなかった『本気の拳』を、今度こそ握るのかッ!

 脱いでからが花山薫の本気だ。
 全裸は問題が発生するのでフンドシまでだが、脱ぐほどに強くなるのが花山だ。
 きっと脱いでいれば、ガーレンの投げにも耐えた。
 そして、その脱衣を花山はあと2回残している。
 この意味が分かるか?

 まあ、ピクルも脱いでパワーアップする可能性があるところが問題だ。
 なにしろ、ピクルは容赦なく全裸だし。
 フンドシ(=文明)の差で花山は負けるのだろうか?
 それとも、フンドシを脱ぎすてて、捨て身の花山が炸裂するのか?

 戦いの場に到着した克巳が目撃するのは、全裸で戦う雄二匹なのか?
 せっかく独歩に化けるかもフラグを立ててもらっても克巳が活躍する姿がいまいち想像できない。
 独歩はかつて『アライJr.の覚醒フラグ』を立てた実績がある。バキ30巻 267話
 だから、どうにも信用できません。
 息子への愛で、目がくもっちゃっているんだろうな。

 それとも、加藤あたりに密かにサポートさせる気だろうか?
 克巳が負けそうになったら、かわりにオマエが喰われろと指示を出しているのかもしれない。
 さすがに、加藤もそこまでつくしたりはしないだろうな。
 たぶん範海王を身代わりにして、克巳を逃がすのだろう。

 花山はタイマンにこだわる人だ。
 克巳と共闘することはないだろう。
 つまり、花山とピクルの戦いは短期決戦になるか、克巳の妨害により中止になる可能性がある。
 願わくば、克巳が迷子になって、じっくりと怪物二人が雌雄を決するさまを見てみたい。

 しかし、花山は腕の折れた木崎を放置でしょうか。
 まあ、主人公の刃牙が放置なんだし、木崎も放置でいいのか。
 刃牙は、まだピクルの蛮行に興奮して固まっていそうだ。
 動きが鈍い刃牙から、ピクルはステゴサウルスのオーラを感じるかもしれない。
 脳がクルミていどの大きさといわれるステゴサウルスは、刃牙のイメージに合いそうだ。脳なんて飾りです。
 独歩はパキケファロサウルスだろうか。頭、ハゲ。

古代王者恐竜キング Dキッズ・アドベンチャー 恐竜王列伝 15 パキケファロサウルス パキケファロサウルス

追記 (08/5/14)
 愚地克巳が止まらない。
 克巳はちゃんと化けるんでしょうか?
 大吉さんは「化けて出るかもな」と描いておりましたが……
 誰がうまいことを言えと。

 それはさておき、バキ世界の住人としての克巳を振りかえってみよう。
 克巳は、けっこう化ける男だったのだ。

・ VS. イスタス
 独歩の後を継げるかどうかの試金石となる試合と言われ、この試合であなたを超えるとこたえる。
 つまり愚地克巳的には、最初の「化け」なのだ。
 どのへんで独歩を超えたのかよくワカらないあたりが、非常にツウ好みの渋い戦いといえる。

・ VS. 花山
 この試合は、文句なしに「化けた!」と言えるだろう。
 バキ世界の戦いでイチバン好きと言う人も多い名試合だ。
 克巳はここで己がタダの若造と悟り、力量を知った上で、限界を超えた。
 バツグンの身体能力をもっていたがゆえに傲慢だった天才は、もう一人の天才に出会い、一皮むける。
 ちなみに、花山のほうが年下なんだよな。このころは未成年の飲酒だ。

・ VS. 烈海王
 秒殺だったため、化けたのかどうか良くわかりません。
 まあ、これで克巳の意識もイロイロかわったらしいが。
 そして、この試合で克巳が負けたため、独歩が神心会の看板を下ろす決意をする(半分だけ)。
 克巳と言うよりは、神心会の置かれる状況を化けさせる試合であった。

・ VS. ドリアン
 不意打ちを喰らって血の噴水を出す。
 ここで負けたせいで、加藤に弟子入りすることになった。
 化けたよね。方向性はともかく、スゴい勢いで化けたよ。

 克巳はドリアンと戦ううちに、神心会を危険な暴力組織に変貌させる。
 トップ(仮)が化ければ、組織も化けるのだ。
 伊達にジャージのすそをズボンに入れていない。

・ VS. ドイル
 爆破されたせいで、髪の毛が大変なことに……
 別の意味で化けた。
 最近まで頭を隠していたので、今の髪は『実はズラ』という疑念が消えない。
 暗黒面に入った克巳だったが、ドイルとの戦いで、すこし真っ当な人間にもどったのかも。

 ふりかえるとワカるように、克巳が化けるとロクなことが無い!
 むしろ化けないほうがイイのでは?
 そして、明日だ。
 愚地克巳がまたまた化けるのか!?
 改名して大蛇克巳にならないことを祈る。(ヒント:地虫十兵衛
by とら


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