今週の範馬刃牙 SON OF OGRE 91話〜100話
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2007年12月13日(2+3号)
第3部 第91話 戯れ (747回)
今回も表紙は刃牙だッ!
オマケにカラーポスターもある。
完全版1巻と2巻の表紙を使いまわしていますが。
虎を生き試しにするのも使いまわし展開といえなくもない。
そうなると、次の被害者はムエタイか?
クリスマスプレゼントにムエタイの生き試しが今年の流行だ。
ムエカッチャーは原産地が、タイではなくビルマなので、偽装に気をつけよう。
『見つめる先には、ただ好敵手(あいつ)だけ…』
ところで刃牙のアオリ文を見てくれ、こいつをどう思う?
すごくネタっぽい。
ねらって書いているのか? それとも天然か?
勇次郎は、刃牙にとって好敵手と呼べない。
刃牙はピクルのことを見ていない。
また、空想のカマキリでも出しているのだろうか。
ならば、弛緩して半開きになっている口元にも納得できる。
たまには現実のライバルのことも見てあげてください。
(どうなっちまったんだ俺は)
出番が激減している刃牙が、自分の境遇を振りかえっていると思った。
しかし、ちがう。
シベリアトラの心理描写だ。
畜生の分際で、ものすごく語る。
銀牙なみに語る。
なんだ、コイツ。
訓練された獣か?
丹波文七なみの分散型 思考ができるようだ。
とにかく語りまくる。
まるで『ハヤテのごとく!』のタマなみの人間力を有している。
きっと声は小杉十郎太似なんだろうな。
思考派シベリアトラは闘技場のスミにピクルを発見する。
この間、6ページッ! フキダシ数はだいたい23個だ。
なげーよ。いろいろムダに考えすぎ。
オマエは俺か。虎だけに。
地元じゃ無敵だったシベリアトラである。
立ちむかうものなど無く、みな逃げ出していた。
だが、目前にいるピクルは逃げる気配がない。
それどころか笑顔を見せながら近づいてくる。
コイツは人間の笑顔が判別できるらしい。さすが小杉十郎太だ。
しかし、笑顔にツッコンでも、全裸は流している。
シベリアに住む人間はみな裸なんだろか。
シベリアトラは、近づくピクルを捕食しようとする。
だが、一瞬でピクルにヘシ折られた。
首や脊髄が一撃でメチャメチャだ。
力まかせで、野性度高い攻撃である。
インテリ思考タイプのシベリアトラなんて、ピクルからみたら温室育ちの坊ちゃんなのだろう。
ピクルは打撃以外の攻撃もできるようだ。
瞬時に殺すには、打撃よりも首を折るほうが速い。
できるかどうかは、別問題だ。よほど力の差が無いとできない。
虎も、おなじように獲物の首を折る攻撃をする。
シベリアトラの首を軽く折ってしまう怪力だ。
人間相手にやった日には……
線の細そうな鎬昂昇あたりは、戦わないほうがいいかもしれない。
「彼(ピクル)から見れば………」
「シベリアトラも………… 三毛猫も……」
「向かってくるなら――――」
「餌ですから」
だったら、猫でガマンしてもらえば良いのに。
なんかシベリアトラはインテリタイプだから野性度が足りず、ピクルの危険度に気がつかなかっただけという気がする。
訓練した犬で十分だろ。
ピクルは自分に向かってきたシベリアトラに牙を突きたてる。
やはり野性っぽく生で喰うようだ。
生肉はビタミンも多いので、野菜を取らなくても平気なのだろう。
でも、人間なんだからバランス良い食事を目指そうよ。
今週の『サナギさん』でライオンを喰うサンタクロースというネタがあった。
あまりのシンクロニシティーに笑わざるをえない。
サンタも野菜食わなくて大丈夫そうだ。
赤い服を着ているのは、返り血ですか?
向かってくるのがエサだと言うなら、ピクルと戦いたがる戦士たちは負けたら喰われるのだろうか?
まあ、同族同士で喰いあっていたとは考えにくい。
たぶん人間は喰わないんだろうな。
向かってきたレポーターは別の意味で喰っていたけど。(80話)
ピクルはレポーターを戦士と認識したのだろう。
となると、スネ蹴り系ヒロイン・松本梢江も喰う可能性がある。
ピクルと梢江を近づけるのは非常に危険だ。
読者にとっては死活問題といえよう。
塩素系洗剤と酸性洗剤を混ぜるより危険です。呂布と董卓の出会いよりヤバい。
今度はピクルが保護動物を喰った!
ピクルの暴挙が新聞にスクープされている。
三つ葉の葵に×印がついているし、御老公の関与もバレたらしい。
地下闘技場の存在までバレてしまったら、かなりヤバいのだが……
刃牙は、この事実を新聞で知る。
そして息を吐いて、新聞を投げるのだった。
ものすごい無関心だ。
烈海王に興味が無いと言われた恨みを、ここで晴らしたのだろうか。
見つめる先には、誰もいない……
次週はチャンピオンがお休みだ。
そのかわりにチャンピオンREDが発売される。疵面で刃牙成分は補充しよう。
さらに、次号のチャンピオンでは刃牙が二本立てらしい。
袋とじで『範馬刃牙外伝』をやる。
本気のボクシングをすると言ったり、相変わらず板垣先生は不自然主義だ。
今回はシベリアトラがしゃべりすぎたので、話が進まなかった。
高度な頭脳をもった獣だ。
乱・蛇龍身抜刀牙ぐらいは使えると思う。
やっぱり国際保護動物は一味違うな。
スクープされた写真は地下闘技場内で撮影されたものだ。
もしかすると、ご老公が刃牙の奮起をうながすため、マスコミに流したのかもしれない。
しかし、肝心の刃牙はまだやる気が出ていないようだ。
刃牙の格闘魂は、冷凍庫に入れて忘れていた刺身のように、冷え切ってしまった。
どうすれば、解凍できるのだろうか。
今の刃牙をふるい立たせるには、メシと女なのかな。
勇次郎は酸素よりも闘争を優先する人なのに……
2007年12月27日(4+5号)
第3部 第91.5話 気付き (747.5回)
袋とじフルカラーでオマケ話となっている。
買って、切って、読め というコトらしい。
袋とじを切らずに、隙間からのぞくと引きずりこまれるって、『フェイスガード虜』(AA)で言ってたぞ。
外伝ピクル(AA)のあつかいと同じく、中間の0.5となっている。
半端者あつかいですか。
ここでは刃牙がずっと登場している。
久しぶりに主人公として輝いている、かもしれない。
とにかくフルカラーだ。
なんか油絵の具でぬったようなエフェクトになっている。
色を塗る年齢(とし)か……
刃牙の起床は朝五時だ。
震動する目覚まし時計を指一本で止める姿も雄雄しい。
今回は最初から最後まで俺が主人公と言う気迫に満ちている。
ハンパな話数だけどな。
これだけ激しく押していると、一年もしないうちに時計が壊れそうだ。
それとも、特殊合金の防弾仕様なのだろうか。
偶然ふところに入れておけば、撃たれても死なない。
刃牙は、ムサシをつれてロードワークに行く。
ちゃんとトレーニングはやっていたようだ。さすがに、そこまで腐ってはいない。
上半身裸のまま歯をみがいて顔を洗う。
セクシーアピールを忘れない優良主人公である。
そして、学校に行く。
行くのかッ!?
アメリカで服役していたのだから、刃牙は学校をやめたものだと思っていた。
日本の高校に通えるワケがない。
出所できるまでに何年もかかるだろうし、休学してもムダだ。
どう考えても退学しかない。
刃牙が嫌だといっても、学校がやめさせるだろう。
徳川さんの口利きで復学できたのだろうか?
むしろ、再入学かもしれない。
学力的には高一からやり直しても、まったく問題ないハズだ!
なんにしても、刃牙は平穏が学園生活を送っている。
教師に怒られ、死んだ目を見せるのも、まったく同じだ。
女子に手紙を渡されてあせったりするサプライズもある。
刃牙はモテモテなのか?
それとも、誰かに手紙を渡してくれと頼まれているのかも。
俺って、神心会の愚地独歩とはマブダチだよ。と自慢していたから、ファンレターを渡してくれと頼まれたのかもしれない。
ターゲットが刃牙なら、手紙を手渡しせずに、口で言えばいいのだし。
帰宅した刃牙は、淡々と食事をするのだった。
山盛りのスパゲティーにピザとお好み焼き(焼きうどん?)と、チーズらしき物体を食す。
ペットボトル二本にティーカップと水がある。
食いすぎに飲みすぎだ。
食事量も常人を超えるのが範馬クオリティーである。
当然、排泄もすごいのだろう。
大量の食料を刃牙はまずそうに詰めこむ。
刃牙作品だと、食事は狩りの後のお楽しみてな感じで、美味そうに喰う。
だが、今回は異常にまずそうだ。
風呂に入っても、布団の上に寝ても、刃牙の表情は晴れない。
(うん…)
(わかったよ…… わかったよ……)
(もう…… 嘘はつけない…)
(惚れているんだ…)
刃牙の心もピクルに奪われていたッ!
なんか、弱いのがバレた丹波くんみたいな「わかった」連発だ。(餓狼伝BOY2巻 14話)
けっこう、刃牙もイッパイイッパイだな。
刃牙は、ピクルの行動を受け止められなかった。(範馬刃牙11巻 81話)
だが、受け止めて自己分析すると、惚れていたのだ。
なんというツンデレッ!
いや、ツンでもないし、デレでもないな。
烈を寝取られた腹いせに復讐したいというのが本心かもしれない。
これで刃牙もピクル争奪戦の参加者となるだろう。
やっと主役のポジションに復帰だ。
動きはじめた範馬刃牙は、イロイロな意味でこわいぞ。
とりあえず、ハンパな幕間に出てないで、本編に顔出せや。
肝心の本編は、この後に二本も待ちかまえているのだった。
そして、刃牙の出番は無かった。
良いお年を……
2007年12月27日(4+5号)
第3部 第92話 成就 (748回)
みのもんたがピクルを糾弾するッ!
もったいぶって、パネルのシールをはがす所が、まさに みのもんた的だ!
VTRッ!
映像をうながすのにも「ッ」を入れるとは、さすが みのもんた だ。
ひらがなばかりで、読みにくいぞ。
「ダメなんですか? ふつーに肉を与えるだけじゃ」
解説の増添さんも文句をつける。
ダメなのはキサマらだ。
そもそも、ピクルが向かってくる相手しか喰わない事実を無視して話を進めている。
彼らはペイン博士のインタビューにもケチをつけるのだった。
どうも、ペイン博士のインタビューは、都合のイイ部分だけを抜き出して編集したようだ。
ピクルの重要性が伝わらず、シベリアトラを軽く見ている部分だけが強調されている。
だからメディアと言うものは信用ならん。
もっとも、ペイン博士も絶叫しすぎ。
この人からノーベル賞の肩書きを取ったら、マッドサイエンティストにしか見えん。
強くない上に性格のゆがみが強調された鎬紅葉みたいだ。
手術の腕とブラコンしか残らん。
ピクルという生物は現在の地球にただ一匹しか残っていない貴重な種だ。
宇宙人を捕獲したよりも、すごい成果といえる。
なにしろ地球人と宇宙人では生まれ育った環境がちがいすぎて、参考になる部分が少ない。
だが、原始人ならなにかと参考になる。
彼の体から未知の抗体が見つかって、新薬の開発につながる可能性も高い。
もっとも、二億年の壁は大きく厚いと思いますが。
ピクルは知性も高い。うまくやれば過去の情報を知ることもできる。
生きた恐竜を見たことのある唯一の存在なのだ。
シベリアトラ500頭のすべてを捧げてもあまりある存在といえよう。
この激論をテレビで見ているのが、烈海王であった。
床に直接大型テレビを置いて見ている。
中国武術練成研究会の部屋だろうか? なんとなく、寒そうな場所だ。(89話)
ピクルの話をやると聞いて、あわててテレビを借りたのかもしれない。
たぶん、ニュースの後で浜崎あゆみのDVDでも見ようと思っているんだろうな。
写真集を買っていたみたいだし。(バキ14巻 121話)
烈はさっそく徳川光成のもとへ行く。
ピクルは向かって来る相手しか食べない。
烈もその話を聞いたらしい。
なんだ、テレビでもやっていたのか?
それとも別ルートで話を聞いたのだろうか?
「わたしが餌となっては如何(いかが)かッ」
烈海王がエサ宣言だ。
さすがに徳川さんも、これには動転する。
いくらなんでも人間の生き餌はまずかろう。
襲ってくるピクル相手に1分持ったら無罪ともちかけて死刑囚をぶつけても、世論は沸騰する。
死刑廃止にむかう国のほうが多いらしいし、残酷な刑は大問題だろう。
だが、烈海王の決意はかたい。
ピクルが襲いやすいように、ネコ耳をつけるとかの注文をつけられても、OKしそうな勢いだ。
エサになると言い張る。
そして、烈はただ餌になる気もない。
「たしかに わたしは」
「餌として彼の前に立ちはしますが」
「食われる気など さらさらありませんッ」
烈海王はピクルを打ち倒すつもりでいる。
貴重なピクルに対して、良いのか悪いのかワカらんが、とにかくすごい自信だ。
闘うと聞かされ、みっちゃんも顔を張るしかなかった。
範馬勇次郎に抑えられぬ殺傷欲があるように、徳川光成には無限の観戦欲があるのだ!
それこそ、死刑囚を街にはなって地下戦士と戦わせるようなムチャレベルで。
中国拳法と野性の対決に、徳川の血が騒ぐ。
即、試合決定となる。
徳川+ストライダム+ペイン博士の三人だけが見守る捕食試合が始まろうとしている。
負けたら喰われるという、超ハイリスクの戦いだ。
ギャンブルフィッシュや福本伸行作品なみに負けたときのリスクが大きい。
福本作品なら、確実に三話ぐらい引っぱって、負けたら喰われるってどういうことだ(ぐにゃ〜)となる状況だ。
だが、烈海王は自らの足で、猛獣ピクルがまつ闘技場へ向かう。
その表情に恐れはまったく無い。
中国四千年と原始の力が激突だ。
次回へつづく。
2007年12月27日(4+5号)
第3部 第93話 自然力VS武力 (749回)
烈海王の恋は成就した。
なんという恋愛実現力かッ!
女学生の間で、三つ編みにして打岩を完成させると、両思いになれるという おまじないが流行りそうだ。
スピリチュアル打岩で彼をトリコに。もう逃がさない!
肝心の烈は前回ラストで廊下を歩いていた。だが、まだ闘技場に到着しない。
巨大な門の幻影でも見ているのだろうか?
それとも、さっそく刃牙に乱入されて、不意打ちを喰らっていたりして。
野性 → 夜叉猿 → 不意打ち → 加藤がヤバい → 烈が発見、でなんとなく関連があるし。
キーワードは「デンジャラス(な状態の)ライオン」だ。
迎え撃つピクルは寝ていた。
全裸で大の字だ。
しかも、闘技場のド真ん中で寝ている。
まことに野性度の低い寝かただ。
散歩中の恐竜に踏まれて、一発アウトになりそうな無防備っぷりである。
なんか尊敬してもらえないような寝姿だ。
ピクルには、いきなり眠ってしまうという野性らしからぬ習性がある。(範馬刃牙11巻 81話)
赤子なみに無防備な姿だ。全裸だし。
どうも、油断しすぎと思えてしまう。
それにしても、ピクルの股間にタオルをかけてあげる気遣いが、地下闘技場には無いのか?
シロウト目にはアホ丸出しの姿に見える。オマケに股間も丸出し。
だが、徳川光成クラスになると一味ちがう。
ピクルは強いから無防備に寝るのだ。
「サバンナにおけるライオンがそうであるように」
いや、みっちゃん、ライオンは尻尾巻いて逃げる猛獣の代名詞になってしまった。(90話)
ライオン株が暴落しているのに、ピクルをライオンに例えてどうする。
いいとこ、デンジャラスライオン加藤清澄ですよ。
これはピクルの敗北フラグなんだろうか。
そんな、超天然素材のピクルに烈海王が挑む。
烈海王こそ、中国四千年の武力が結晶化した存在だ。
数万年をかけても、人間の体はあまり進化していないかもしれない。
だが、文化を発展させて次世代に受けつぐことで、人間は進歩していく。
ドーキンス風にいうなら、闘争技術のミームだ。
中国拳法は強いので、みんな学びたがる。刃牙だって学びたい。でも、拒否された。
ペイン博士は試合を止めようとするが、まるで話を聞いてもらえない。
ノーベル賞のプライドがズタズタだ。
しょせん腕力の世界では、ノーベル賞などドクター中松と同じ程度の権威にすぎない。
それでも、めげずに話しかける。この根性が受賞につながったのだろう。
寝ていたピクルが目覚めて、上体を起こす。
何者かの接近を感じとったのだ。
そして、立ち上がる。
シベリアトラと戦ったときも、ピクルは立たなかった。
つまり、近づく獣=烈海王の戦闘力はシベリアトラ以上だ。
『とびきりの野生が――――――――』
『とびきりの好敵手を―――――
見抜いた』
「戦闘体勢(ファイティングポーズ)を取った…」
「初めて………」
食事のため狩ったシベリアトラとはちがう。
強者を求めティラノサウルスと闘った時と同じだ。
狩人ピクルではない。戦士ピクルの覚醒である。
一気に柵を飛び越え、烈海王は低く構えた。
中国武術の理合ならば、十分に射程距離だろう。
リーチの差は大きいが、海王ならばヤる!
対するピクルは両手をあげて襲いかかるポーズだ。
野生動物は自分が大きいことをアピールし、威嚇する。
チャンピオンで『魔島伝説ムー』を連載していた岸大武郎の初連載作品『恐竜大紀行』でも、背ビレを見せて大きさをアピールする恐竜がいた。
自分を大きく見せるのは自然力だ。
だが、烈海王は腰を深く落としている。
おそらく足腰のバネをためているのだろう。
ココから一気にヒザを伸ばして、スピードある攻撃をするつもりだ。
まさに、中国四千年の武力である。
「ぶつけるぞ」
「全てをッ」
烈はプレッシャーを感じ汗を流している。
だが、それでもなお全力でぶつかるつもりだ。
敗北=捕食という、超ハイリスクなバトルがはじまる。
登場人物が喰われると言う心配は、刃牙 VS. 夜叉猿や、刃牙 VS. レンジャー5人 以来だ。
烈海王は、生き残ることができるのか!?
次回へつづく。
まずは烈海王がピクルに挑む!
とはいっても、ここで烈がピクルを倒しちゃうと、今後の展開にひびく。
せっかく刃牙がやる気を出したのに、不発だと困る。
だから、烈海王は敗北する運命が待っているのだろう。
後は、いかに敗れるかだ。
負けたら喰われる崖っぷちの勝負だ。
リスクが大きすぎるので、負けるのは困る。
刃牙が到着してみたら、烈の三つ編みだけが残っていたなんて事態はさけて欲しい。
ただ、ピクルはティラノサウルスに敬意を払っていたようだ。
烈と戦うことで友情が芽生えるかもしれない。
まあ、けっきょくティラノサウルスは喰われているんですけど。
安易だけど、中国四千年の技術で、料理作ってやりすごすしか無いのだろうか。
または、烈がピンチの時に熟れ熟れセクシー美女を乱入させてピクルの注意を引きつけてはどうか?
純情そうな烈の劣情まで引きつけて、逃げおくれる可能性も高そうだけど。
(更新 07/12/28)
2008年1月10日(6号)
第3部 第94話 小細工 (750回)
ついに伝統武術 VS. 野性が実現した。
烈海王とピクルが激突だ。
四千年をほこる中国武術だが、相手は二億年である。
歴史の古さで負けたの初めてだろうな。
そういえば、最近の烈は「○○年前に通過している!」って言わなくなった。
「まずは真っ向 力の勝負が望みだ」
烈海王が力勝負を所望した。
大丈夫なんだろうか?
言葉が通じてないと思われるが……
烈って犬に話しかけるタイプの人か?
烈海王は握力自慢の孫海王を力でねじふせた。(バキ23巻 200話)
刃牙世界の戦士の中では小柄だが、けっこう怪力だ。
しかし、それは現代人の中で力が強いというレベルでしかない。
相手は原人ピクルだ。
力だけなら範馬勇次郎をも上まわる。
烈は慎重に間合いをつめる。
左右の足を踏みかえる動きだ。
ボクシングなどでは基本的に足の位置を変えない。
そのほうがスキが少ないので、試合などでは有効だ。
烈が足を踏みだしたのは、ピクルに敬意をはらって、人間が自然に行う動きをしたのかも。
ややスキのある動きで、烈はピクルの間合に入る。
動物は曲げていた関節をのばすことで、動きを生みだす。
ピクルは威嚇のポーズで体を大きく伸ばしていたので、攻撃可能範囲がせまくなっているのだろう。
間合が近い。
近づくには、かなりの恐怖心を感じそうだ。
烈海王の技量であれば、飛び込んで打ちこむこともできる。
でも、あえてピクルの攻撃を受けるつもりらしい。
烈海王は男でござる。
当然のようにピクルが襲いかかる。
アンダースローのように下から攻撃してきた。
拳ではない。爪か!?
コイツを喰らったら、死ぬ!
絵で見ただけでも、死ぬとワカる。
ピクルには拳で殴る技術がないのだろうか。
ストレート系で殴る技術もなさそうだし。
爪でひっかく原始的な攻撃だ。
鎬昂昇の立場無いな……
そして、烈が吹っ飛んだ。
一気に柵まで飛んで激突する。
烈海王が攻撃を受け切れなかった。
だが、出血は無い。
爪はうまくよけたのだろうか。
「力の勝負は無理だ」
「小細工を弄するぞ」
いまさらながら、力勝負は無理だとさとったらしい。
それでも試したくなるのが、烈の蛮勇たるゆえんだろう。
カレー屋にいったらイチバン辛いカレーを頼む。
激辛は無理だ。タマゴを落すぞ。それでも無理で、海王の目に涙状態なこともあったのだろう。
襲ってくるピクルを烈はハイキックで迎撃した。
大きな身長差があるが、見事にキメる。
烈海王の柔軟性とバランス力が優れているとワカる攻撃だ。
蹴りはけっこう新しい技術だ。
服を着ている場合、ズボンでないと蹴った時に、すそがめくれて股間が丸見えになってしまう。
中国北方の流派で蹴り技が発展したのは、北方では馬にのるためズボンを愛用していたのが理由だとか。
まあ、もともと裸ですごしている原人なら股間マル見えでも気にしないのだろうけど。
とにかく蹴り技は、比較的新しい技術だ。
ピクルも不意をつかれたのだろう。
さらに、烈は三つ編みを振り、ピクルの目を打つ。
予想外の攻撃で、これもピクル初体験と思われる。
烈のチャームポイントは、飾りじゃ無い!
ここで、烈は足を払いピクルを転倒させる。
攻撃を頭に集中し意識させ、急に足をせめた。
小細工というか、人を倒すという技術と知恵を結集している。
倒れたピクルの顔面に、追撃の廻し蹴りだ。
無防備にひらかれている股間を狙わないのが、烈の優しさであった。
目を蹴られたピクルは、大量の涙をながす。
打たれたから生理現象で流しているのだろうか?
それとも強敵に出会った喜びが涙となったのか?
次回へつづく。
負けたら喰われるというプレッシャーの中で果敢に戦う烈海王であった。
不利と知っていてなお、力勝負まで挑んでしまう。
アンタ、どんだけギャンブラーなんだか。
刃牙とか、そのへんの連中にも一肌脱いでもらいたい気分だ。
ギャンブルフィッシュのキノコ(♂)は、裸サスペンダー&裸ネクタイとかの衣装サービスいらないから全部取れ。
喰われる恐怖を感じさせない蛮勇引力な烈海王である。
技術を小細工と言うが、誇っていいことだと思う。
刃牙だってオリバと戦うとき、無意識に技術を使っていた。(範馬刃牙10巻 77話)
烈だって技術を使っても問題ない。
……でも、刃牙って、オリバに力勝負で勝ったと本気で思っていそうだよな。
今のところは烈が優勢だ。
しかし、油断できない。
今回ピクルがみせた動きは、威嚇状態からのモノだった。
狩りの動きとは違うハズだ。
狩りは静かにすばやく行われる。
身を小さくし、襲いかかるのだ。
武器を使わないピクルの狩りは、おそらく一撃必殺の攻撃だろう。
猫科の猛獣がするように、すばやく襲いかかり一撃で致命傷を与える。
ピクルはまだ、その動きを見せていない。
思えば、相沢レポーターを襲ったときも、速かった。(範馬刃牙11巻 80話)
襲う速さも、射精(だ)す早さも、ハンパない。
まさに神速の早撃ちだ。
その速度で烈が襲われた場合、無事に乗りきることができるのだろうか?
本気のボクシングをする宣言をしていた板垣先生は、無事に勝負を終えたらしい。
今週のコメントは以下のとおり。
『ボディーブローで肋骨を痛め、アッパーカットで奥歯がかける。それでも立っていた、僕。』
わりとダメージを受けたようだ。
これでは勝負のゆくえがワカらない。
とにかく死闘だったらしい事がワカった。
板垣先生のボクシング熱がふたたび上昇して、アライJr.復活とかのムチャ展開とかありうるのだろうか?
父親になって、強くなったとか言いながら、梢江と子供をつれて登場したりして。
範馬刃牙になってから、梢江の姿が見えない。
そろそろ、見えざる脅威を目の届くところに置いて安心させて欲しいものだ。
主人公の刃牙は見えるところに居るほうが、不安だったりするから、扱いがむずかしい。
2008年1月17日(7号)
第3部 第95話 謝々(ありがとう) (751回)
ピクルが泣いたッ!
目を蹴られたのだから、生理現象という可能性もある。
だが、見学者たちはピクルが感情で泣いていると信じきっているようだ。
格闘脳な人たちだから、なんでも格闘技に結びつけてしまうのだろう。
きっと老人ボケになっても、思い出の関節技(サブミッション)で正気にもどるんですよ。
西洋からやってきた近代スポーツ選手を、日本の伝統武術で説教したりとか。
イイ話系のエピソードを盛りこめば、格闘漫画も料理漫画なみにドラマ化とかできるぞ!
イイ話とは無縁に戦いはつづく。
見学者たちはピクルが泣いていることに驚いているが、烈は別の部分に感心していた。
(普通人ならば確実に死んでいた)
(君のその耐久力(タフネス)に―――――)
(謝々(ありがとう)ッッ)
殺す気で蹴っていたのかッ!?
この蛮勇っぷりが、烈海王である。
そして、それでも死ななかった。
さすが野性の耐久力(タフネス)だ。
『格闘技「奥義」の科学』の計測によると、キックボクシングのローキックは木製バットで打つより強い。
普通人なら顔面への蹴りで十分に死にます。
格闘技をやっている人間でもかなりのダメージを受けるだろう。
だが、ピクルは泣いただけだった。
恐るべき耐久力(タフネス)である。
全力をぶつけても問題ない相手だ。
強敵の出現に烈海王が歓喜する。
中国文学者の高島俊男によれば、中国人はめったにありがとうと言わないそうだ。
烈が感謝したということは、そうとう嬉しいのだろう。
立ち上がるピクルに烈がつっかける。
つかみにくるピクルの腕をはらう。
フトコロにもぐりこんで、垂直に蹴り上げた!
ピクルの歯がカチ合って金属的な音が響く。
烈海王は止まらない。
さらにボディーへ拳を打ちこみ、手刀をアゴに決める。
上下にゆさぶるコンビネーションだ。
タフなピクルもさすがにグラついた。
飛び上がり空中で爪先の二連撃、横蹴り、廻し蹴り、狐拳っぽい攻撃、平拳とピクルのアゴに集中砲火だ。
必倒の打顎六連撃である。
たぶん普通の人間なら最初の一撃で倒れるだろう。
ムエタイならニ撃目、曙なら三撃目、加藤なら四撃目、レスラーでも五撃目で倒れそうだ。
六撃目なら家屋倒壊3%以下・地割れや山崩れぐらいの威力があるかもしれない。
意識的に脳震盪を発生させる攻撃は自然界にない。
直立姿勢をとる人間は首が弱いので簡単に頭がゆれる。
だが、四足の動物は常に頭を水平に支えているため、首の骨も筋肉も強く頭がゆれにくいのだ。
それゆえ、自然界では脳震盪を狙った攻撃はない。
脳震盪を狙うぐらいなら、直接首を折ったり窒息させたりする。
ピクルは未知の技術で攻撃された。
未知の攻撃というものは、防御方法がわからないため効く。
頭蓋の内部に納まる脳は数千回の震動を起こしているだろう。
ピクルの身体が傾きつつある。
烈は十分な手応えを感じているようだ。
(ああ…たまらぬッッ この至福……ッッ)
(ここで終わってくれるなッッ)
烈海王がピクルへの有効打を確信した瞬間に悲劇が発生した。
メキュッ
シベリアトラを一撃で折り殺した、サバ折りが炸裂した!(91話)
烈の表情は確認できない。
体は力なく弛緩し、崩れおちる。
烈が地面に落下する直前で、ピクルが受けとめた。
涙はまだ止まらない。
ピクルは感動しているのだろうか?
偉大な戦士に感謝して、受けとめたのか?
だが、それはそれ。これはこれ。
そう言わんばかりにピクルの口が開いていく。
噛みつき、肉を引きはがすッ!
コレは烈海王の肉なのかッ!?
烈の運命やいかに。
次回へつづく……
2008年が始まったばかりだというのに烈海王が大ピンチだ。
背骨が折れたうえに肉も食いちぎられたようだが……
このダメージでは、生き残ってもしばらくは戦闘不能だろう。
救助が必要だ。
烈が生き残っていそうな可能性を考えてみる。
(1) ダメージは無い
首の骨をはずした過去のある烈だからなんとかなる。
ただ、首の骨をはずした時は、それなりにダメージがあったようなので、やっぱり戦闘不能だろう。
肉を食いちぎられたように見えたのは、クツだ。
皮製のクツだから、それっぽく見えたんだよ!(力説)
(2) 徳川ならきっとなんとかしてくれる
範馬勇次郎すら麻酔銃で撃破した徳川さんだから、今回もなんとかしてくれるはずだ。
ピクルだって生物なんだから、麻酔銃は有効だ!(力説)
まあ、この場合だと、烈は ちょっと喰われていますね。
それと背骨折れているのはどうしようもない。
(3) あの肉はちがう
こんなこともあろうかと、烈がズボンの中に隠していた生肉にかぶりついている。
烈の股間にはイロイロな物が入っているのだ。
肉塊が出てきても、違和感は無い!
無いッッッ!(力説)
(4) 刃牙が助けに入る
横から出てきて烈をさらっていく。お姫様だっこで。
(5) 勇次郎が邪魔する
横から出てきて烈をぶんなぐって横回転でふっ飛ばす。
むしろ、こっちが致命傷になりそう。
状況が状況だけに、あまり明るい未来が予想できない。
実は、アレは烈じゃなくてカツラつけた花田って線はどうか?
本部流から中国拳法に乗りかえたということで。
……やっぱり、ろくな予想ができない。
今回は、衝撃的な展開だった。
『へうげもの』で千利休が牛股師範なみの怪力で竹を握りつぶしたことよりも衝撃だ。
青竹は人骨とほぼ同じ硬さらしい。(シグルイ7巻 33景)
神速で茶をたてる茶人の腕は、容易に人体を破壊しうるのか?
刃牙がやる気を出したので、だれかがイケニエになる必要はないハズだ。
烈には無事でいてほしい。
刃牙のところに烈の生首が届けられたりしたら泣きますよ。
グラップラー刃牙 完全版4巻の表紙が烈海王なのは追悼記念とかいうオチは勘弁してください。
烈が出てくるのって完全版12巻ぐらいなのに、表紙でイイのか?
ところで、刃牙は烈にふられたばかりだ。(89話)
カタキ討ちとかは考えないんだろうな。
格闘技のイイ話でドラマ化! の道は遠そうだ。
亡き父の思い出が詰まった関節技で、息子をボッキボキにして改心させたら泣けると思うんだけどな。
2008年1月24日(8号)
第3部 第96話 流るる涙 (752回)
普通なら人気キャラクターを食料にしない。
だから烈海王も無事だろう。
そう考えていた時期が昨日まででした。
甘かった。
砂糖に果糖を加えてシロップで溶かしたぐらいに甘すぎる。
刃牙世界は非情でキビしい。
烈が噛みつかれた。
首!?
いや、鎖骨の上あたりだ。
頸動脈が無事だったのを、まずは喜びたい。
ピクルが、烈の肉をブチィッと引きはがす。
そして肉をエロ…‥っと舌で巻きとり喰ってしまう。
恐怖の人肉食いだ。
徳川さん、ストライダム、ペイン博士が三人揃って驚愕する。
オマエら息ピッタリだな。
なんか烈がエロ的にも喰われてしまったような感じだ。
あぁ、烈が堕ちていく……
人肉を喰うという禁忌が目前で行われている。
欧米では、人肉食いにたいする嫌悪が日本人や中国人よりずっと大きい。
ストライダムやペイン博士の驚愕は 徳川さんよりもずっと大きいのだろう。
『聖書には、神の言葉として「生きて動いているものはみな君達の食料にしてよろしい」(創世記、関根正雄訳)とある。これに対して、人間は、神が「御自分の像の通りに創造された」(同)存在だ。もしこれを食うものがあるとすれば、それは悪魔だけである。』(高島俊男「水滸伝の世界」)
ピクル……、悪魔の子……
このままだと、ピクル保護活動も中止になってしまうかもしれない。
もう、死体解剖で人類に貢献してくれればいいよ って感じで。
「あひゅッ」
烈はピクルに膝蹴りをくらわし、噛みつきから逃げようとする。
だが、ビクともしない。ピクルだけに、ピクっとしてくれてもイイのに。
ピクルは、さらに烈の肩肉を噛みとった。
烈はあわててヒジをピクルのコメカミに打ちこみ、かろうじて脱出する。
かけ声まで、ダメな感じになっている烈海王であった。
技術を凌駕する圧倒的な筋力だ。
かろうじて脱出できたが、かなり危うい状態だった。
ピクルは平然と烈の肉を咀嚼している。
子供に殴られた象のように、打撃を気にせず平然と烈の肉を味わう。
……泣きながら。まだ、泣いているのかよ。オォッ、ピクル(の涙)が止まらねェ!
劣勢を悟った烈海王はクツを脱ぐ。
さっそく徳川さんとストライダムが、グローブをはずしたと反応する。
さすがのナイス リアクションだ。
つうか、そろそろ試合を止める準備をしてください。
なんでストライダムまで烈の足技を知っているのだ?
勇次郎が最大トーナメントの話をしたのだろうか?
「最終的に刃牙が勝ったんだけどよ」
(けっきょく、息子自慢かよ! しかも、おなじ話を何度も何度もッ!)
……接待役ってタイヘンですね。
烈の裸足がスゴいのはワカる。
だが、烈は裸足になって刃牙に負けた。(グラップラー刃牙37巻 322話)
格下の寂海王にも足技を使い、不満が残ってしまう。(バキ25巻 221話)
烈って、裸足を出すと良くないことが起きている。
あと、93話で「ぶつけるぞ」「全てをッ」と言っていたのに、今まで出し惜しみかよ。
烈ってホント不器用な。
だからツンデレ男と言われるんだよ。
「キサマ……」
「俺を……… 喰っておいて…」
「泣くなッッ」
烈海王、怒りの鉄 拳 足だ!
怒る理由が、ちょっと変な気もしますが。
泣くのがダメなら、笑えばいいのだろうか?
独歩も使った、爪先で蹴りこむ足先蹴りだ。
コイツを廻し蹴りでピクルの首に蹴りこむ。
前回、アゴに集中攻撃をかけたのに あまり効かなかった。
だから、今度は脳ではなく直接首を狙ったのだろう。
狙いは動脈か?
危険な場所と言えば喉仏のあたり(気道)だ。
ただ、首の正面なので敵の防御も高い。
野性にはないであろう廻し蹴りで、横から攻める気だろう。
ピンポイントで動脈を狙うのだとすると、かなり高度な技術を要している。
バシッ
ベシャア
だが、一発で叩き落された。
高度な技術が、野性の怪力に圧倒される。
まるで大人と子供だ。
いや、技術があるから軽量級のボクサーと重量級ボクサーの戦いと言えばいいか。
ここに到り烈海王は中国四千年が通用しないと悟った。
人類の英知が野性に敗北したのだ。
武器使えばイイのに。
中国武術だと、素手は技術のひとつにすぎず、武器を使うのが基本だ。
なにしろ人間は牙と爪をすてた動物だ。
獣と対等になるのに武装化が必要である。
だが、不器用な烈は素手での戦いを望んでいた。
いくら望んでも、素手では勝てない。
もう烈=中国四千年に打つ手なし。
(アリガトウ… 4000年………)
(もう技術(わざ)は使用(つか)わない……)
(武が及ばぬを見ることは―――――
もうできない)
烈海王は中国武術の象徴である『海王』の名をすてる。
両親からもらった名前『烈 永周』として『海王』を守ろうと決意した。
喧嘩師・花山のように高く拳を構える。
この構えから、出る技とはッッッ!?
グルグルパンチだッッッ!
腕を振りまわすだけの、だだっこパンチだ。
どーしたンだ、烈よ!?
すべてを捨て、ヤケクソになったような攻撃のまま、次回につづく。
烈海王、いや烈永周が大ピンチだ。
あるイミ、喰われるよりヒドい。
末代まで呪われそうな奇行をしてしまった。
泣きながら殴りかかるなんて のび太か、君は。
ドラえもん(劉海王)に泣きつくしか無いのか。
そして、烈の本名がまた発覚する。
バキ8巻 70話では、烈小龍(シャオロン)と呼ばれていた。
中国では本名のほかにも通称があったりする。(参考:字(あざな)、人名 Wikipedia)
さらに幼名があったり、改名したりとややこしい。
小龍は通称だろうか?
ブルース・リーのように芸名(李小龍が芸名)だったりして。
素の自分にもどった烈は、子供のような攻撃をする。
独歩の菩薩拳をまねて、人間の自然な姿を狙ったのだろうか。
それとも、郭海皇のようにムチャクチャな動きをする拳法を狙ったのかもしれない。(バキ27巻 237話)
でも、郭海皇は範馬の理不尽な筋力に負けている。
…………縁起悪ッ!
いくら あがいても刃牙世界だと弱者は負ける。
気合・背負っている物の大きさ・悲しい過去・オサレなど武装しても、筋力の差はひっくり返らない。
唯一効くのが範馬の血ぐらいだ。
でも、範馬の血だって異形の筋肉なんだから筋力といえる。
烈永周のだだっこパンチは、ドリアンに挑む加藤のようにはかない攻撃だ。
もう、ゆるしてやれよ。烈、泣いてるぞ。
両者 共に泣きながら戦っている。どんだけヤケクソなんだか。
私も泣きそうだ。
そして、次回も烈は生き残れるのか?
生きていても武の限界を知り、三つ編みを切って引退しそうだ。
本格的に中華料理屋を開いたら、繁盛しそうだよな。
勇次郎に負けて おでん屋になるパターンと同しだ――― だったらイケるぜ?
・追記 (08/1/30)
烈の背骨について突っ込むのを忘れていました。
他の部分がスキだらけなので、みごとにカモフラージュされてしまったようだ。
なんという、深い計算か!?
いや、天然なんだろうな……
95話で、烈の背骨は『メキュッ』と音を立てた。
どう考えても折れたり ひしゃげている音です。
首関節のよう時みたいに、とっさに背骨を外したのでしょうか?
だとしたらピクルに負けないぐらいの怪物だ。
打撃系格闘家は関節が柔らかいといので、あれぐらい折れても平気なのかもしれない。
ちょっとイヤな音がしましたが、アレは別の音だ。
ヤングジャンプ連載中の『TOUGH』では、朝昇がマーシオ"ジェット"内藤と戦ったとき、靭帯を切られた音を出してやられたフリをした。
耳の聞こえないジェット内藤を音でダマすとは、さすが奇人・朝昇だと感心したものだ。
ならば、蛮勇キング烈海王にも、音を出すことぐらいできる。
どこかの筋肉や関節をうまく鳴らして、それっぽい音を出したのだろう。
でも、まさか、そのまま食われるとは思っていなかっただろうな……
現実では、クマ相手に死んだフリすると喰われるって言いますよね。
口を開けた瞬間は力が入らず弱点になるという話が、刃牙vs.ジャック戦で出てきた。
また、食事中の動物はスキができるという話も有名だ。
烈を食おうとするピクルは、二重の意味でスキだらけだと思うのだけど……
やっぱり、背骨をどうかしたのかもしれない。
烈がグルグルしちゃったのは、背骨のダメージが原因だったのかも。
バランスをとっていないと、上半身を支えられないんですよ。
コマが回転することで立つ原理と同じだと考えていただきたい。
いや、この理屈はおかしい。
掲示板でyamaさんに以下の情報を教えていただきました。
『今号の件ですが、『国家の品格』で有名な藤原正彦先生によると
「グルグルパンチで体当たり」は喧嘩必勝法らしいです。(『遥かなるケンブリッジ』より)』
『遥かなるケンブリッジ』は読んだことありませんが、国際的にも通用する必殺技なのでしょうか。
体重をのせたパンチを打つのはむずかしい。練習が必要だ。
シロウトが変にパンチを打つより、体ごとぶつかる体当たりのほうが大きな運動エネルギーを出しやすい。
グルグルパンチはどうなんでしょうか?
高橋華王『武道の科学』での計算値では、腕だけでストレートを打つより、腕を回転させるほうが威力は高くなるとある。
やはり、シロウトならグルグルパンチは有効かもしれない。
シロウトならッッッ!
なんか、泣きたくなってきた。
2008年1月31日(9号)
第3部 第97話 離さない (753回)
命に付く名を「心」と呼ぶッ!
ならば決意に付く名は「この構え」だッッ!
必殺のグルグルパンチッッッ!
海王の名をすて、どこにでもいる平凡なガングロ・マッチョな中国人"烈永周"として腕を振りまわす。
ノリとしては、組に迷惑をかけないため杯をかえしダイナマイト腹にくくりつけて特攻するヤクザみたいなものだ。
グルグルパンチはダイナマイト級だ。
ほら、回転するからドリルっぽいし、男の武器なんだよ。
名前を『打舞流叛魔(ダブルハンマー)』にすれば、なんか強そうな感じになるし。
[ 作戦・戦法 戦略・効率等
一切の謀(はかりごと)を捨て去った―――― ]
[ 純粋な感情のみ ]
[ おそらくは――― ]
[ たぶん…… ]
[ 人類最古――― ]
[ 最終兵器(わざ)ではあるが――― ]
なに言ってんの?
ナレーションまで錯乱している。
正気だとしても「おそらく」「たぶん」と臆測を二度も重ねて、自信なさそうだ。
グルグルパンチが、いつ最終兵器になったのだろうか。
まあ、最終兵器といえば、空手でいうところの愚地克巳だ。
つまり、グルグルパンチ=愚地克巳である。
最初のインパクトだけはスゴいぞ。
ポカッ
烈の打撃音が弱い。否、弱すぎるッッッ!
もう、ブルース・リーを元ネタにしてできたのが、烈海王なのか『浦安鉄筋家族』の春巻なのかワカらない音だ。
ピクルも、この攻撃に困ってしまう。
相手が強かったから、反撃したんだけど、急に弱くなってしまった。
食べたいほどの好敵手だったのに台無しである。
相変わらずピクルは泣いているのだが、涙の種類が変化していそうだ。
あいかわらず、烈は泣きながらポカポカ殴っている。
もう、コイツは烈海王じゃない。
劣永周だ。
(これではまるで―――)
(雌)
烈の掘られるフラグが完成しちゃったァ〜〜〜!
尻穴が大ピンチだ。
このままでは烈が破壊される。
決まり手は、烈だけに裂傷だよ。
海王の名をすてた烈だが、今度は別のものまで捨ててしまうのだろうか?
烈にむけて、ピクルの巨大な拳が振り落とされる。
拳の動きはグルグルパンチとたいして違わないが、威力がちがう。
まともに喰らえば、こんどこそ背骨が折れるかもしれない。
実際のところ、烈の背骨がどうなっているのか不明ですが。
ガッ
だが、ピクルの鉄槌を、烈が蹴りで止めた。
手首を狙っているし、実に的確な打撃だ。
うまくすれば、相手の右腕を破壊できただろう。
技を使うまいと決めた烈海王だが、身体が勝手に動いてしまったようだ。
戦いの最中だが、烈は思わず呆然としてしまう。
イカン、恐竜の前で呆然とするのは自殺行為だ。……たぶん。
恐竜に逢ったことないのでわからんが。
ピクルが低い軌道からのアッパーカットを放つ!
パンチだけとはいえ、いくつかの技をもっているらしい。
今度も烈は足で止める。
さらに、ピクルの右フックが飛ぶ。
両手できっちりガードする。非力をカバーする技だ。
そして、反撃ッ!
烈は空中で蹴りを連発する。
思わずピクルの涙が止まった。
いや、涙が乾いたのかもしれない。
ダメージは少ないようだが、これからが怖そうだ。
まだまだピクルの能力は未知数である。油断はできない。
一方、技がかってに出てしまう烈に、さらなる異変が起きる。
今度は幻聴が聞こえはじめたのだ。
肉体的・精神的なダメージが蓄積して、脳内でスパークしちゃったのだろうか?
(烈よ……)
(この……… 薄情者よ……)
そして、戦場だというのに烈は周囲を見回してしまう。
もうちょっと目前のピクルにも注目しようや。
3Dゲームの初心者がロックオンがわからずに、キョロキョロしているみたいだぞ。
烈にも余裕が出てきたのだろうか?
(そう冷たくするな……)
巨大・烈海王の幻影が出た!
なんじゃい、こりゃ。
刃牙は巨大カマキリの幻影を見る趣味がある。
烈は自分自身の幻影を見るのだろうか?
最初から最後まで驚天動地の展開のまま、次回へつづく。
烈海王、復ッ 活ッ!
というよりも、覚醒だ。
いや、転生かもしれない。
ついに烈海王も刃牙とおなじく妄想力(=スタンド)に目覚めたのだろうか?
これで体重差を跳ねかえす理不尽な力を発揮できるようになるかも。
烈海王が範馬の一族なら、背中に鬼が出現しているにちがいない。
中国四千年が鍛えあげた肉体だから、背中に『海』ぐらい浮かんでもいいぞ。
ダメなら、額に『海』でどうだ。
ピンチの時に出てくる幻影といえば、ヘヴィ級チャンピオン『ジョン・L・サリバン』だ。
アイアン・マイケルを励ますクラス『ヘヴィ級ボクサー』の英霊である。(グラップラー刃牙29巻 250話)
だから、最初はジョン・L・サリバンが出てきたと思ってしまった。
烈とサリバンの間に面識はないのにッ?
そうなると、烈の第一声は「すいませんが、どなたです?」になりそうだ。
自分、ボクサーじゃないんでと烈は反論しそう。
手しか使わないスポーツなど、3000年前に通過している!
烈がブチ切れて、拳士の誇りをとりもどす。
なるほど、この展開か!
と、あやうく納得しかけた。危ないところだった。
しかし、烈の才能には舌を巻くばかりである。
べ、別に中国武術なんて関係ないんだから、と言っておきながら体は中国武術を使う。
なんという超ツンデレ体質であろうか。
郭海皇は武術体質になっているらしいが、烈はツンデレ体質だ。(バキ27巻 239話)
ツンが高まると仮死状態になるぞ!
烈はさいしょ技をだそうと力みすぎていたのだろう。
技をすてることで、リラックスして自然に技が出るようになったのかもしれない。
これは攻めの消力(シャオリー)に通じる技術ではなかろうか。
烈海王は、一皮むけたかもしれない。
ただ、サリバン風の応援というのが気になる。
アイアン・マイケルって、けっきょく負けたし。
烈の未来にも不安が残る。
刃牙が、ようやくピクルに興味をもったところで烈が横取りという展開もおいしい。
せっかくピクルと戦う気になったのに、烈に邪魔されたから、ヤる気なくした。
刃牙なら、そういって逆ギレするのだろうな。
そこで、範馬流グルグルパンチだ!
2008年2月7日(10号)
第3部 第98話 武の懐 (754回)
烈が烈海王の幻影を見た。
そして、声も聞こえる。
戦闘の興奮と、技が通じない絶望と、グルグルパンチのヤケクソが脳内麻薬を誘発したのだろうか?
それとも、ドッペルゲンガーか?
もうひとりの自分(ドッペルゲンガー)を見たら死ぬと言われている。
このままじゃ烈が死んじゃう〜
いけない! レツ先生
(オマエだよ 烈)
(オマエが目指すオマエ………)
(オマエがなりたいオマエ――――)
(烈 海王 そのものだ)
幻影が本人に語りかけてくる。
怖ェよ。
幻影は烈海王だと名乗っている。
だが、本物よりもテカテカしているし、笑顔がいつもよりキモい。
烈永周は こんな風にテカテカしたかったのだろうか。
あと、サイズがデカい。
烈海王は身長176cm 体重106kgと格闘家としては小柄なほうだ。
やっぱり、烈としては大きい身体が欲しかったのだろう。
幻想から判断すると、身長3mぐらい。
デカすぎだろ。兀突骨じゃないんだから。
幻想の烈海王は烈永周を抱きしめる。
中国四千年などと気負わずに、身をまかせろとささやく。
恐るべき口説き文句だ。
そっかー。烈はこうやって口説くのが理想なんだな。
体も大きく、モテモテだ。
…………………………烈よッッ!
今の烈はスピリチュアルな人から見たら、どんな感じなんだろうか。
「烈さんの背後にいる烈さんが、烈さんに対して烈さんに身をゆだねろと仰っているんですよ。」って感じだろう。
まさに精神世界な会話だ。
脳内麻薬を出しすぎると(心の)健康によくないな。
何事もほどほどに。
下ネタもほどほどに。……しないとイカンな。
烈が自分自身と会話しているところだが、ピクルには聞こえていないらしい。
容赦なくピクルが襲いかかる。
残念ながら原始人にはスピリチュアルが理解できないようだ。
そういえば、ご先祖様を呼びだしたら原始人が出てきたという話は聞かない。
まあ、出てこられても困るだろうけど。
なにしろ問答無用でレイプしてきます。
ピクルは、いきなり噛みつきに来る。やっぱり、いきなりだよ。
烈は呆然とした表情のままだ。
だが、ピクルの攻撃が目前にせまった瞬間に身体が動いていた。
掌底によるアッパーである。
上下や左右に打たれると、頭がゆれやすい。
それゆえ、アッパーやフックはストレートよりダウン率が高いのだ。
さらにピクルが攻撃しようとする瞬間の打撃である。不意打ち効果も高い。
手打ちに近い軽い打撃のようだが、ピクルを怯ませた。
速く軽い打撃だったため、ピクルの攻撃よりも先に当たった。
しかし、ダメージは少ない。
ピクルは一瞬顔をしかめただけで、すぐに追撃をはじめる。
牙よりもリーチが長く速い攻撃、爪だッ!
まさに野性の攻撃である。
鍛えた指による猛獣の攻撃をする鎬昂昇の立場が、無くなった。
逆立ちし 足指での紐斬りを完成させても、ピクル戦には呼んでもらえないだろうな。
いまいち眼に生気が無いまま、烈は攻撃をよける。
空ぶったピクルの爪に髪がからんでいた。
まさに紙一重でよけている。
この場合、間一髪のほうが正しいか?
曲線を描き、烈の右手がしなった。
まるでムチのようだ。
右手の甲でピクルを一撃する。
ビシャッ
どこに当たった?
妙にしめった音がする。
ピクルが苦痛で身をよじった。
股間だッ! 金的だッッ! 陰嚢だッッッ!
って、ソコは人類の宝(の種)がつまっている部分ですよ。
打ってイイところと、悪いところを分けるなら、最悪の部分だ。
ペイン博士とか泡ふいて倒れているんじゃないのか?
最悪、ピクルが死んでも精子を冷凍保存しておけば、未来でなんとかなるかもしれないのに。
中国武術は人類の宝を損なうつもりか?
究極の中国武術が選択した攻撃が、コレだ。
急所攻撃ですよ。
去勢した男=宦官を使いつづけた文化はダテじゃない。
漢の武帝は、楼蘭の王子を人質にとったとき、去勢しちゃた(王子は後継者だったので、あとで困った)。(三田村泰助 「宦官」)
そういう歴史のなかで育った武術です。ソコに対する容赦なんて四千年前に捨てている。
サムワン玉ピンの悲劇は起こるべくして起きた悲劇だったのだ。(バキ22巻 191話)
そんなワケで中国武術の結晶である股間打ちを喰らい、ピクルは悶絶している。
股間打ちも「強さ」ではなく「速さ」で攻撃する技だ。
驚異のタフネスを誇るピクルが相手なので、力より技術で攻撃する方針だろうか。
まさに中国武術の化身だ。
股間を押さえ前かがみになる、すかさず頭をを蹴り上げた。
相手の態勢も利用した超絶技巧だ。
そして、廻し蹴り風にヒザを打ちこむ!
今までの速い攻撃から、重い攻撃にかえてきた。
勝機と見て、一気に決着をつける気か?
烈がカカト落し、ではなく足指でピクルの髪をつかみ落す。
落下した先で出迎えるのは、反対のヒザだ!
引きこみ、そして蹴り上げる!
効果は首相撲からヒザと同じだと思うのだが、技にこだわるのが中国武術である。
足でつかんで引きよせた頭をヒザで蹴り上げる。
両脚にはさまれる打撃だから、この技も虎王の一種なのだろうか。
よく見ると、ピクルの頭部に両ヒジを落としているようにも見える。
ヒザとヒジではさみこむ技なのかもしれない。
虎王を超えた技だ。すると、竜王…………、いやこれこそ秘技『海王』だったりして。
ヒザとヒジの攻撃はムエタイ映画『マッハ!!!!!!!!』(AA)に通じるものがある。
ムエタイはムエタイで活躍させてあげればいいのに。
なんか餓狼伝の梶原みたいで不憫だ。
頭を引き寄せつつ、ヒザを蹴り上げる。
ならば、途中で身体が浮くはずだ。
浮いていると、支えが無いから威力が半減しそうだけど……
刃牙がリアルシャドーで浮いたように、烈海王を理想の烈海王が支えていたのかもしれない。
スピリチュアルだッッッ!
ピクルの食事対策という本来の目的を観客たちに忘れさせるような一撃が決まった。
徳川さんは大興奮している。ピクルは全裸でダウンだ。
このまま決着するほど甘くはない。
ピクルは鼻血どころか汗も出していないのだ。
まだ、烈海王のターンがつづくのか?
次回へつづく。
理想の烈海王が出現した。
烈海王のイデアだな。
イデア (Idea)に憑依されたので、今の烈は I 烈海王だろうか?
発音は『あい♥(はぁと)レツカイオウ』です。
微妙なキモさが、にあう。
理想の烈海王は背が高い。
理想の烈海王は汗をかかないから臭わない。
理想の烈海王はモテモテだ。
理想の烈海王はテカってる。
変に外見をもっているから、理想の武術に特化している感じが薄い。
やっぱり、どこかしらヘヴィ級チャンピオン『ジョン・L・サリバン』的な感じがする。
主人公・範馬刃牙の理想は、どんなヤツなのだろう?
そのまま、範馬勇次郎だったりしそうだ。
そして常に駅弁スタイルでまぐわっている。
刃牙の理想は、きっとそんな感じだ。
性欲を捨てきれないのは、ヒトのSAGAである。
2008年2月14日(11号)
第3部 第99話 対人間(ヒト) (755回)
四千年の重みがこもった一撃だッ!
中国文明に王朝が誕生したのが だいたい四千年前である。(最初の帝・黄帝の時代が4000〜5000年前)
人類の英知が積みかさなった歴史だ。
まあ、最初の二千年ぐらいは生きるので精一杯だから、あんまり積む物なかっただろうけど。
烈海王の大逆転に徳川さんも大興奮している。
きっと、水戸黄門を見ているときよりもエキサイトだ。
ピクル保護という考えは、今の徳川光成に無いッ!
「確かに凄いものだな武術とは」
「ここまで喰い下がるとは予測できなかった」
だが、ペイン博士は妙なことを言いだす。
烈が優勢に見えるが、実際はちがうと言いたいらしい。
グルグルパンチの印象がよっぽど悪かったのだろうか?
すかさず、徳川さんはペイン博士に抗議する。
その迫力にペイン博士は小さな汗を流す。
知識の上で優位に立っていると思われるペイン博士がなぜ汗を流すのか?
コマの外で、徳川さんは刃物を出しているのかもしれない。
試合を止めようとした医者に匕首を突きつけた過去があるし。(グラップラー刃牙41巻 363話)
徳川さんは、烈のヒジ攻撃でピクルの脳がゆれたと主張する。
前回ラストの攻撃は、やはりヒジも使っていたらしい。
竹宮流の『虎王』も二千年前に通過していたのだろうか。
さまざまな格闘技を見てきた徳川光成である。
ワガママが過ぎるあまり、最凶死刑囚と地下格闘戦士をぶつけてみるなどのムチャをやった。
だからこそ、経験値はすごく高い。見巧者である。
知識に照らしあわせると、烈の攻撃は確実に敵の脳をゆらす威力があった。
徳川さんはそう判断したのだ。
「いや…………」
「ピクルの脳は揺れてはいない」
ペイン博士の発言にストライダムと徳川さんが驚愕する。
とくにストライダムの眼が血走りすぎだ。何事か!?
ペイン博士がピクルを発掘したときに、当然検査をした。
検査で重要なことがいくつか判明している。
そういう重要な情報を今まで隠していたのか。
本当に油断ならない人だ。
遅くなったが、ペイン博士はピクルの驚異について語る。
「とりわけ異彩を放つのが頚椎」
「その太さ……… 頑強さと言ったら………
二足歩行に甘んじる人間とは構造的にも比較の対象ですらなく―――――」
「おそらくは……」
「巨大な頭部を常に支え続けねばならぬ………」
「四足歩行の大型獣にして――――――
ようやく比肩し得るほどのものだった………」
95話感想で心配していた首の強さ問題がここで持ちあがった。
吉福康郎『最強格闘技の科学』でも人間とゴリラを比較して頚椎の頑丈さがまるでちがうと書いている。
人間の首は頭を垂直に支えているので、あまり頑丈ではないのだ。
ピクルの頚椎はゴリラを通りこして、牛なみらしい。
そういう大切なことは、もっと早く教えてくれ。
とにかく、烈の攻撃はしょせん人間レベルなのだ。ピクルを倒せない
しかし、ピクルはダウンした。多少は効いているのだろう。
何度も攻撃を繰りかえせば、そのうち倒せるかもしれない。
ピクルの頚椎が太いという事は、もう一つの事実をはらんでいた。
何度も言うが、そういう事はもっと早くに……
ペイン博士は深刻な顔で重大な事実をつげる。
「ピクルは―――――」
「おそらくはその人生の――――――」
「ある時期まで――――――」
「四足歩行だった!!!」
上空一万メートルから落下したような衝撃が徳川さんとストライダムを襲った。
ピクルは四足で生活していた獣だったのだ。
二人とも、衝撃受けすぎだよ。
烈の追撃を跳んでかわしたピクルは、四つんばいで着地した。
まさに獣の構えだ。
でも、ピクルは足が長いから窮屈そう。
四足で行動する動物は前足と後ろ足の長さがほぼ同じだ。
ピクルは成長して足が伸びたのだろうか?
今では、スペックと戦ったころの花山なみに足が長く、スネ毛もない。
中国武術は人間と戦うための技術だ。
四足の獣とどう戦うのだろうか?
伝統だけではなく、新しい技術が必要とされる場面である。
なんか、鉄鍋のジャン!みたいな展開になってきた。
(築けるのか……ッッッ
4001年目ッッ)
伝統を超えた技術が烈海王に求められている。
中国武術に新たな1ページを加えることができるのか?
次回へつづく。
四千年が通用しなくなったせいか、トゥルー烈海王(幻)が消えた。
この状況では、帰りたくなる気持ちもわかる。
むしろ、また出てきてアドバイスをしても寒いだけだ。
理想の烈海王はちゃんと空気を読む人だったのか。
だが、長い中国の歴史では猛獣と戦った人もいる。
封神演義にも出てくる紂王は素手で猛獣を倒したらしい。
また、三国志の曹彰は『筋力は人なみ以上、みずから猛獣と格闘し』た。(三国志3)
曹彰の父・曹操も『人なみはずれた腕力をもち、自身で飛ぶ鳥を射たり、猛獣をとらえたりした』らしい。(三国志1)
もっとも、曹操の記述は注に使われている『魏書』の記述なので、誇張があるのだろう。
なんにしても、獣との格闘はすでに通過している!
体を大きく見せる威嚇の態勢から、相手にさらす部分を最小にした狩りの態勢に変化した。
ピクルの本気はここからはじまる。
襲いかかる獣のように、一撃離脱の攻撃もやりそうだ。
攻めにくいし、守りにくい。実に困った相手である。
四つんばいになっている相手だと、ローキックぐらいしか攻撃手段がない。
刃牙世界でいうところの猪狩アライ状態ににている。
打撃系の烈海王にとって、ピンチであることは変わらないのだ。
低い位置にいる敵をどう倒すのか?
工夫が必要だ。
とりあえず、低空グルグルパンチは勘弁してください。
2月14日というバレンタインデーにとんでもない型を出しやがった。
現実世界では、保険勧誘のおばちゃんに貰ったチョコが唯一だったりする。
トゥルー世界では、19人の姉妹がよってたかってチョコをわたしにきたりする。
そして、刃牙世界ではピクルが、チョコレート色の烈海王を喰うつもりだ。
範馬刃牙の記念すべき第100話で、烈は喰われてしまうのか?
2008年2月21日(12号)
第3部 第100話 矛盾 (756回)
ついに烈海王は、ピクルの本気を引き出した!
本気と書いて「マジ」と読むのがチャンピオン読者の流儀である。
一応、映画化したんだよな、アレ。
漫画の実写化というムーブメントを先取りしすぎだ。
烈海王もまた限界を超えた本気を出している。
なにしろグルグルパンチの果てに見出した"武"だ。
通常の三倍回転したから三倍強いのかもしれない。
『迫力があるから説得力もあるって寸法だった』(板垣恵介の格闘士烈伝)
体重×スピード×握力=破壊力ならば、理論×スピーチ×迫力=説得力だッ!
非人間的な構えを見せるピクルに烈海王は戦慄している。
カマキリの動きから蟷螂拳を作った中国武術だから、うっかりするとピクル拳とか作りかねない。
まあ、グルグル拳を作られるよりはマシなんだけど。
短距離走のクラウチングスタートよりも、相撲の立合いよりもッ、低い構えだ。
普通の打撃だと当たらない位置にいる。
だが、烈の懸念は顔の位置ではないらしい。
構えから推測される勢いに危険を感じているようだ。
(猛獣(けもの)の戦闘態勢ッッ)
(前進…… 前へ進む以外は全て排除した突進態勢ッ)
(後ろへ跳んだり……)
(横へ躱(かわ)したりは絶対にしない)
(必ず前へ出ると誓いを立てている)
誰に誓いを立てたのやら。
烈は動物を擬人化する人ですか。
人目につかないところでは、猫に話しかけていたりして。
ピクルの構えは狩りをする肉食獣のモノだ。
獲物を狩るのに、よけたり退いたりする必要は無いッ!
身を低くする事は、物陰に隠れるという点でも有利だ。
遠野物語(AA)によると、狼はわずかな草陰に隠れることができる。(読んだの10年以上前なので曖昧)
ピクルも狩りのときは地面にはうような攻撃態勢で獲物をまっていたのかもしれない。
(ならば応えよう 逃げぬ……)
(躱(かわ)さぬ……)
(退かぬ……)
(断じて迎え撃つ)
(中国武術を象徴するこの武器―――――
崩拳(中段突き)ッッ)
烈海王は不退転の決意をかためている。
正面からねじふせる覚悟だ。
よければいいのに。
そのスピードゆえに止まることは出来ない!
だが、正道を進む者が頭を下げることは、その時点で敗北を意味する!
そういう覚悟か知らないが、烈海王は一歩足崩拳で因果(カウンター)狙いだ。
いや、一歩足ではないけど。
正面から挑んで、あっさり背骨を折られた過去は忘れたらしい。(95話)
背骨も無事みたいだし、因果律のかなたに置いてきたのだろう。
どんなに不利で、敵が強大だとしても、烈海王は身を武術にゆだねたのだ。
たとえこの場で死に喰われても悔いはなかろう。
ピクルと正面からぶつかる一瞬に四千年の歴史をぶつける!
『刹那………』
『原人(けもの)の肉体は発火』
『五体は炎と化し』
『Tレックス(ティラノサウルス)を屠ったあの時の―――』
『トリケラトプスを打ち砕いたあの時の―――』
『ブラキオサウルスを怖じ気づかせたあの時の―――』
『強敵と認めた時のみ発動するあの日の全力(マックス)を』
全ジュラ紀・白亜紀 No.1ヒットの全力だ!
これには全恐竜が泣いた。
リアルな意味で。だって喰われるし。
恐竜すら仕留めたピクルロケットが炸裂する。
時をかける朝比奈ぴくるだけに、時空を超越して転がりそうな勢いだ。
汗が空中に浮くほどの戦慄を烈は感じた。
だが、それでも、信じた武術に身をゆだね、渾身の崩拳を放つッ!
愚地克巳のマッハ突きにも負けない拳速をもつ烈海王である。
その拳速と、ほぼ同じ速さでピクルがぶつかってきた。
意外に静かな音とともに烈の体がきえる。
烈のいた場所には残像しかない。
消えた烈海王は、闘技場の柵を破壊し、廊下を飛んで行き、壁に激突する。
声を出す間もなく烈海王は壁に埋もれてしまう。
烈の攻撃を受けたピクルは右目がはれていた。
パワー・スピード・タフネスでピクルが勝ったのだ。
技術ぬきな野性の勝利である。
烈海王は敗北した。
だが、最後まで小細工をせず正面からぶつかって散ったのだ。
偉大な拳士であった。
この後は、お食事タイムなんでしょうか?
予想するのが、ちと怖いが次回へつづく。
烈は崩拳を使ったのが良くない。
なにしろ、郭春成がその間2秒 で敗れた縁起の悪い技だ。
勝てるものも勝てない。
刃牙が出てきて、「崩拳に勝ったもの同士、俺たちは互角だ」などと言い出すための伏線だろうか?
刃牙も末堂と戦ったときに顔面で拳を破壊した。(グラップラー刃牙1巻 6話)
ピクルは体格に優れているので、烈をフッ飛ばすことができたのだろう。
刃牙とピクルには、地味な共通点があるのだ。
常軌を逸した交尾をしたりとか。
フッ飛んでしまった烈海王だが、逃げるのに容易なポジションだ。
「三十六計逃げるにしかず」とも言う。
逃げるのも立派な作戦だ。
野性では逃げ足も、生物としての強さになる。
試合には負けたけど、喰われなかったから俺の勝ち。
少なくとも刃牙ならそう主張しそうだ。
主人公も出てこないが、その父親も行方不明だ。
戦う前から飽きてしまったのだろうか。
それとも力負けしたのが悔しくて、特訓しているのかもしれない。
陸軍を陵辱しまくった勇次郎である。
次は海軍を狙いそうだ。
勇次郎なら、イージス艦を真っ二つに斬るぐらいはやる。
・ 追記 (08/2/27)
烈海王が敗北した。
敗北=死=喰われる。
烈は俺の 嫁 食料だッ!
単に勝つだけなら、烈はピクルの攻撃をよけるべきだった。
真っ向勝負を挑んで、散ったのだ。
不器用な男である。
餓狼伝の藤巻と同じく、ガングロ・ツンデレな男は不器用に真っ直ぐ進むしかないのだろうか。
まあ、ピクルにもダメージがあるので今回のところは見逃してもらえるのではないだろうか。
烈の実力なら、中華料理でおもてなしも不可能ではない。
原始時代には調味料がないだろうから、現代の味付けにピクルも感動するだろう。
でも、飼いならされたピクルじゃ、弱体化が激しいだろうな。
大擂台賽の前と後におけるアライJr.ぐらいに、がくっと落ちる。
さて、今後の展開はどうなるのだろうか。
せっかくヤル気を出したんだし、主人公の出番だろう。
ここで出てこなきゃ、2008年の活躍は無い。
まあ、刃牙の前にジャックが出てくる可能性がありますが。
烈で終わってしまっては、ピクル争奪戦に参加した8人の意味が薄れる。
あの8人の中で烈より確実に強いのはジャックだけだろう。
独歩と渋川先生はだいたい互角だ。
克巳・鎬昂昇はあきらかに劣っている。
寂とガイアは強さの意味がちがうので、簡単に比較できない。
ガイアが本気になって武器を使用すれば、武器を装備した本部なみにスゴイと思うのだが……
強さの基準がちがうという意味では、花山も別格だ。
花山薫であればピクルと互角に戦えるかもしれない。
外伝が終了しちゃったし、本編に出てきてもいいだろう。
でも、花山がピクルと戦うのかは疑問だ。
二人が出会っても、無言で酒を酌みかわしつつ、肉を喰って友情を深めそうだし。
なんか、刃牙よりもずっと主役っぽい人だな。
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