今週の範馬刃牙 SON OF OGRE 141話〜150話

←第三部 131話〜140話  ↑最新↑  151話〜160話→
餓狼伝 疵面 シグルイ(アニメ版) Gロボ バックナンバー  日記 掲示板 リンク1 リンク2 TOP


2008年12月25日(4+5号)
第3部 第141話 咬む(バイティング) (797回)

 噛む! 咬む! COME! WELCOME!(ようこそ)
 変態仮面も編みタイツで逃げだすような人類究極のファイトがはじまる。
 人間じゃねェ……。はひいィィ〜〜〜〜〜!

 死闘 ピクル vs. ジャック・ハンマーだ。
 2m超の大型戦士で、ともに得意技が噛みつき。
 文明以前の原始的で暴力的な戦いが予想される。
 牙 vs. 歯ッ!
 噛むのは、どっちだ!?

(遭いたくて……………
 会いたくて……………
 合いたくて……………)
(おまえに逢いたくて……)


 ジャックが熱い思いをピクルにぶつける。
 これだけ、あいたいと思っていた。でも、あえない。
 やっぱり道に迷っていたのだろうか。
 ジャックはつねに道をふみはずし気味だ。薬物使用においても。
 ここであえたことがすでに奇跡ッ!

 ジャックとピクルがぶつかる。顔からッ!
 むしろ口からだ。
 お口のほうから迎えてあげて下さったッ!
 二頭のけものがぶつかり、光を放つ。

 噛んでる。咬みあっているッッッ!
 口と口をぶつけて、かみあう。
 マウス・トゥ・マウスに絡みあっている。
 シンプルにしてディープ。ディープにしてデンジャラス。デンジャラスライオンといえば加藤清澄。
 加藤なみのキケン度で二頭の怪物が歯と牙で鍔迫り合いを演じている。

 ジャックが押す。
 ピクルの長髪を指に絡めつつ、頭を抱えこんで上のポジションをとった。
 もう、なんの戦いなのか理解(わか)らなくなってくる。
 これはもしや、刃牙SAGAのつづきなのか?
 悪夢はまだ終わっていないのか?

 猛獣の戦いは、愛すら感じさせる。
 闘争は愛に似ている。そうバキも言っていた。
 きっとジャックもピクルも乙女座でセンチメンタルだ。

 上のポジションをとって有利だと思われていたジャックだが異変が発生した。
 持ち上げられたのだ。噛みあう口を支点にして。
 100kg超あるジャックの体重が口に集中する。
 いくらジャックの歯でも、さすがに折れ……

 ゴォッ

 ピクルがブンまわしたッ!
 肉食獣がのどに喰らいつき、ひねるように。
 相手の肉や血管を引きちぎる、必殺の咬みつき(バイティング) 攻撃だ。
 ジャックが飛んだァッ!

 落下したジャックは無言で上体を起こした。背中しか見えない。
 ピクルは、"ナニか"を咀嚼している。
 喰った。食いちぎった。
 どこだ? 歯か? 舌か?

 ジャック・ハンマーの鼻から下の皮膚がはぎとられていた。
 スペックに爆破された花山よりもヒドい状態だ。(バキ5巻 36話)
 劉海王にくらべると、ずっとマシだけど。(バキ21巻 180話

 だが、歯は無事だった。
 ジャックとしては、クチビルより歯のほうが大事なのだろう。
 花山の例もあるし、口周囲の肉をちぎられても問題なし。
 これだけのダメージを受けながら、笑ってみせるジャック・ハンマーであった。
 死闘ははじまったばかり。このまま次回につづくぜ!


 いっぽう主人公である範馬刃牙はご老公に電話をかけていた。
 あ、俺だけど。やるぜ、俺は。明日からやる。
 マジ、ヤバイぜ、明日の俺はよ。
 そんな感じでヤル気をアピールする刃牙であった。

 烈海王が説得して、刃牙に電話をかけさせたのだろうか?
 きっと「筋だけは通そうよ、バキちゃん」と言ったのだろう。
 電話かけて正解だ。
 なぜなら、徳川さんは闘技場でジャックとピクルが噛みあっているのを見ていたから。

 刃牙は 俺ってスゲーとご満悦である。
 そのとき、すでに死闘がはじまっていた。
 完全に出遅れだ。
 さすが、油断にかけてもチャンピオン級の力を発揮する範馬刃牙である。

 なぜか、うしろでひかえる烈が「アホな子ですいませんねー」みたいな感じにたたずんでいる。
 一流拳士のカンで刃牙がなんかやらかしたのを感じ取ったのだろうか。
 それとも、刃牙が電話をするたいどが普通に無礼だったので、かわりに恐縮しているのかも。
 いずれにしても、事情をしっているような雰囲気をだしているところがタダ者ではない。

(何という………………
 屈辱………………)
(醜態…………ッッ)


 人間は自分の優位を破られたとき大きな精神的ダメージをうける。(〈勝負脳〉の鍛え方
 得意になって話していた刃牙は、カウンターで大きなダメージを受けたにちがいない。
 だが、そのショックをすぐ「屈辱」という感情にかえている。
 屈辱 → 復讐 と、刃牙は精神ショックをエネルギーに変える気だろう。
 この前向きの発想が刃牙の強さをささえている精神性だ。後向きの発想かもしれんが。

 今の刃牙は仕置きを受けた伊良子清玄なみに復讐に燃えていそうだ。
 明日といわず、今すぐ東京ドームに行く気か!? 走ってッ!
 範馬刃牙の乱入がなんとなく予約されたような雰囲気です。
 はたして、刃牙は間にあうのか!? 『走れメロス』のように……
 動機は復讐心ですけど。


 ジャックとピクルが噛みあうという想像を絶する衝撃映像でスタートした、ジャック vs. ピクルだった。
 副題は「ドキッ! 大男だらけの噛みつき(バイティング)大会! (皮が)ポロリもあるよ!」だな。
 板垣先生が『堂本剛の正直しんどい』に出演したときのアニメーションが、今回のきっかけだろうか?
 伏線があったのに気がつかないとはッ ……不覚。

 そして序盤からいきなり大ダメージをうけてしまったジャック兄さんであった。
 だが、闘志は失っていない。
 年末最後の範馬刃牙は、ジャック・ハンマーがしきる。
 というわけで本日の二本目、刃牙の出てこない142話へと物語りはつづく。
by とら


2008年12月25日(4+5号)
第3部 第142話 最強打撃(ベストパンチ) (798回)

 顔を喰われたジャック・ハンマーがわらう。
 まるで諦めちゃいないッッッ!
 ジャックの尽きぬ闘志が、見ている徳川さんにもつたわった。
 誰よりも汗をかいて戦いを見守っている。
 そして、刃牙のことは完全に忘れていそうだ。

 ピクルが追撃の咬みつきをしようと、口をあけた。
 瞬間、ジャックが動く。
 座った状態から一気にハネ起き、身体をひねる。
 全身の筋肉を使った、アッパーカットが炸裂したッ!

(200キロに達するピクルの巨体を宙に浮かせるッッ)
(これがジャックのパンチぢゃッッッ)


 これには徳川さんも大興奮だ。
 噛みつくため口をあけた瞬間は打たれ弱い。
 昔、ジャックが刃牙にやられた攻撃だ。(グラップラー刃牙40巻 346話)
 ほう、経験が生きたな。

 街を徘徊しているときのピクルは体重が130kg超だった。(14巻 105話
 あの時は空腹でやせていたのだろう。
 その後、肉を約50kg食べた。
 トラックに肉をつめてピクルをはねるという餌付け法が完成したので、さらに20kg太ったのかもしれない。
 今のピクルはベスト体重200kgだ。
 ……身長も伸びている気がする。まだまだ成長期なのか?

 ジャックはそんな200kgの肉体を浮かせたのだ。
 だが、殴ったジャックは異常な手ごたえを感じていた。
 過去に何人ものアゴを打ちぬいている。
 しかし、ピクルの感触はまるで別物だった。

(まるで…………
 顎 その物の重量(おも)さが200キロであるかのような……ッッ)


 人間が頭部に打撃をうけると、首を支点に頭が動く。
 この急加速で脳が頭蓋骨にぶつかりダメージをうけるのが、脳震盪だ。
 胴体にくらべると頭は軽く 簡単に動くので、鋭く速い打撃が有効になる。
 逆に胴体には体重をのせた重い打撃が有効だ。(吉福康郎『格闘技「奥義」の科学』)

 首が安定して動かない場合、脳が受ける加速はかなり小さくなったハズ。
 上空に飛ぶ場合、重力加速度で減速するため高さと初速は比例する。
 ピクルは異常な高さに飛んでいない。走り高跳び世界記録にも届かないだろう。
 この加速でダメージを受けていたら、走り高跳びの選手はたいてい脳震盪で倒れることになる。

 ジャックの最強打撃(ベストパンチ)を喰らってもピクルの首はびくともしない。
 やはり、打撃でピクルを倒すことは不可能なのだろうか?
 学習しない徳川さんは、今回もピクルの頑強さに驚愕するのだった。
 年齢が年齢だけに、ちょっと心配だな。
 ここでペイン博士が登場する。徳川さんより前から観戦していたらしい。

 徳川さんは、予告もなしにやってきたジャックに対応し観戦している。
 さすが徳川の血だ。戦場の空気をよんでいる。
 ご先祖の水戸黄門は、関ヶ原に遅参した秀忠の血をひいていない。
 ある意味では本家以上に優秀な戦士といえる。

 そんな徳川の血を上まわるのがペイン博士だ。
 ノーベル物理学賞戦士はあなどれない。
 ピクルの脳をゆらすには、単純な打撃の力ではダメだ。
 有効な打撃角度をペイン博士に計算してもらえば、あるいは……。
 つうか関節技を使え。

 効かなかったとはいえ、破壊力バツグンの攻撃だった。
 ピクルはたった二発で本気となる。
 狩りのポーズ――――、四足による体当たりの構えだ。
 最短を最速で最強の力でぶつかる。
 猛獣らしいシンプルな攻撃だ。

 人間技ではない。
 ピクルタックルは低い位置からの攻撃だから、対応しにくい。
 しかも、タックルは相手を倒すための技術だが、ピクルのそれは相手への打撃技だ。
 蹴ればカウンターになりそうだけど、力で押し切られて吹っ飛ぶだろう。烈海王がそうだった。
 ジャック・ハンマーは、この攻撃にどう対処するのか?

「きた」


 ピシッ


 ジャックの貌(かお)が変化(かわ)ったッ!
 マックシングだッッッ!
 まだ薬をやっていたのか?
 大麻がさわがれるご時世だというのに、とことん反逆している。
 序盤から、互いに全力を出す展開だ。
 この試合は短期決戦かッ!?
 次号(2009年 1/8)につづく。


 いきなりジャックが大ダメージを受ける。
 烈は足を喰われた。克巳は腕が爆砕した。
 ジャックは顔を喰われる。
 こりゃ、刃牙も喰われないと納得できないかも。
 銃弾がさけて通るような主役の特権はズルい。
 穏便に得意武器のチンポあたりを喰わせてみてはどうか?

 両者出し惜しみなく、必殺技をだしている。
 ジャックのマックシングは、力が足りないなら もっと力を出す理論だ。
 戦術としてはわりと下策です。
 RPGでボス倒せないんだけどと質問されて「もっとレベル上げれば?」と返すようなものだ。
 弱点とか装備を見直すことが戦術だから、力押しは頭の悪い作戦といえる。

 ただ、イチバン分かりやすい作戦でもある。
 ジャックの潜在能力に余裕があるのなら、ピクルの脳をゆらすことができるかもしれない。

 しかし、ピクルはまだ泣いていない。ふんどしも脱いでいない。
 戦力に余裕があるのはピクルのほうだ。
 ジャックのパワーアップはもうなさそうだけど……
 今のジャックはクツをはいているから野性度が足りないかも。
 まずは裸足からはじめよう。

 最後の手段としてゲロはいて、激ヤセか?
 薬物だらけのゲロである。ピクルは毒液を吐きかけられたと思うかもしれない。
 ピクルが動揺すれば、ジャックにもチャンスがある。
 って、けっきょくピクルにダメージを与えることがムズかしいんだよな。

 超ハード(デンジャラス)なディープキスにも見える今回は、女性ファンが血尿流してよろこぶ展開だろうか。
 MSKさんは微妙によろこんでいるようだ。
 これは女性読者にむけたクリスマスプレゼントだろうか。

 壮絶な歯と歯のぶつかりあいといえば、『めぞん一刻』の主人公・五代くんのファーストキスだ。
 板垣先生と高橋先生は友人らしいので、リスペクト!(参考
 はい、ちがいますね。カミソリレターは送らないでください。

 ジャックが噛み負けたのは、牙と犬歯のサイズ差だろうか。
 槍と剣で戦えば、相手を刺せるのは槍のほうだ。
 牙のほうが長いので、先にジャックの肉をむしることができた。
 かつての強者キャラが活躍するのはいいのだが、壊されていく姿が悲しい。
 まるで派遣主人公だ。契約期間が切れたら、ポイ捨て。
 昇格して、外伝の主人公という正社員ポジションを入手できないものか。

 肝心の主人公はちゃんとヤル気を維持しているだろうか?
 せっかく明日戦うつもりだったけど、先こされたからやる気なくした。ピクルなんて、もう中古だし。
 などと言わなければいいのだが。
 油断すると刃牙はひとりリアルシャドーで満足しかねない。
 範馬刃牙流リア充 = リアルシャドーが充実している。

追記 (09/1/7)
 今年こそ範馬刃牙が飛躍する年になるだろう。
 主役の貫禄をたっぷり見せつけてくれると思われるのだが……
 範馬刃牙という男は油断ならない。

 兄に先をこされた刃牙がどう反応するのか。
 急いで東京ドームに向かっていれば、吉だ。
 ジャックがどれぐらい喰われるのかは、刃牙の速度にかかっている。

 逆ギレしなきゃいいけど。
「今日は一日外に出ない!
 烈、なんか美味いモン作れ!
 神心会の女子部つれてこい!
 お年玉をくれ!」

 精神テンションが最悪の刃牙なら、これぐらいは言いそうだ。

 ジャックは打撃だけではなく、投げや組技も使える。
 ピクルに打撃が通用しないのはじゅうぶんワカったので、そろそろ違う角度から攻めてみたらどうか?
 でも、ジャックはせっかくマックシングになったので、やっぱり打撃で勝負しそうだ。
 刃牙よりもはるかに不器用な兄であった。
by とら


2009年1月8日(6号)
第3部 第143話 実感 (799回)

 新年、あけまして範馬刃牙ッ!
 ジャックにばかり活躍させんと、刃牙が登場だ。
 冒頭から主人公が活躍するぜ。

 って、はやッ!
 もう東京ドームに着いているよ、これもリアルシャドーの力なのか?
 ストライダムに泣きついて軍用ヘリを用意させたのかもしれない。
 それとも、前回から数時間後のできごとで、すでに決着ずみなのか?
 骨しか残ってないから、どっちが勝ったかワカらないなんてオチは勘弁して。

 とにかく、予想外の活躍をみせる範馬刃牙であった。
 友達の烈海王もいるよ。
 片足の烈に全力疾走を命じる刃牙さんマジ容赦しねぇッ!
 本当に付き合いのいいガングロおさげですね。

「行きましょう このままッ」

「明白了(ミンパイラ)ッ(承知した)」


 刃牙と烈海王はいきおいよく走りだす。
 もう日本語でこたえる余裕すらない。
 いや、テンションが高くなっているだけか?
 ジャックはドアを開けずに壊す習性があるらしい。
 ……ジャックの後にトイレとか風呂に入るのは、ちょっと嫌だな。
 とにかく、刃牙は破壊された扉をくぐって先をいそぐ。

 廊下には大量のビンが落ちていた。
 おそらくドーピング薬の入っていたビンだろう。
 まるで「ヘンゼルとグレーテル」だと刃牙がうまいことを言った。
 ゴミのポイすてワガママっぷりが範馬らしさだ。

 急いでいても、驚愕の材料があると反応してしまう。
 刃牙は、だんだんリアクション芸人となりつつあるのかもしれない。
 ビンを踏んで、転んで、破片の上に落ちて、血まみれになって一人地獄絵図にならなかっただけで良しとしよう。
 ドリアンがいたら拳にグリースつけて凶器完成をやりたがったろうな。

 ひととおり驚愕したあとで刃牙と烈は走りだした。
 今度こそ止まらない覚悟だ。
 落ちているガラス類のなかに注射器が混じっていた。
 走りながら静脈注射は難しいんじゃないのか?
 さすがのジャックも注射のときだけは立ち止まっていたのかもしれない。

 柵が見えた。ゴールだ。
 ゴール手前に注射器が落ちていたのは、直前に使ったからだろう。
 飲むタイプの薬は口の粘膜や胃腸から吸収されて、血液に流れる。
 直接血液に薬を流しこむ注射は、もっと即効性が高い。
 たぶん、ジャックはここでいったん立ち止まって注射をしてから、柵を蹴破ったのだろう。
 かっこよさの裏には地味な努力が隠されているのだ。

 刃牙と烈が闘技場内に入った。
 二匹の怪物が、まさに激突する瞬間だ。
 間に合った。
 ベストタイミングでの乱入は、まさに主役の証ッ!


 ピクルは、まるで水中を泳いでいるかのようなモーションでタックルをかますッ!
 濃密に圧縮された時間では、空気も水のような粘度をもつ。
 ジャックとピクルがぶつかる瞬間は、高速カメラが必要だ。
 まるでジョーズのように大口を開けてピクルが襲いかかる。

 ジャックは、いかにして迎え撃つのかッ!?
 閃光ッ!
 ピクルが消えて、ジャックひとり残る。
 いったいナニが……
 四人の識者すべてが見逃した。

 ドガァッッ

 ピクルはジャックのはるか後方……観客席に落下していた。
 いったいどんなマジックを使ったのか?
 くしくも刃牙がピクルに蹴り飛ばされた距離とほぼ同じぐらい、20メートルのダイビングだった。(15巻 114話
 弟を蹴り飛ばした相手を、兄が投げ(?)飛ばす。
 範馬兄弟の絆が意外なかたちで出てきた。

 ジャックはどうやってピクルを吹っ飛ばしたのだろうか?
 両腕は前に出されている。拳は握っていない。
 あまり力を入れず、技を使った雰囲気だ。
 でも、それだとマックシングの立場が無いな。

 ピクルはミサイルみたいに突っこんできた。
 ジャックは斜めにした腕の上を滑らせて いなしたのだろうか。
 自分の体をジャンプ台と化し、ピクルをジャンプさせた。
 これも、マックシング関係ないな。

 それとも、バレーボールのレシーブみたいに打ち上げたのだろうか?
 これならマックシングがいきてくる。
 ドラゴンボールで言えば天津飯の必殺技「排球拳」みたいな感じに。(参考
 排球拳、いくわよ――――! はあ――――い♥(はぁと)参考
 名づけて、排球拳マックシングだ。

 観客席まで飛ばされたピクルだったが、もう動き出している。
 出血も発汗もない。ダメージは皆無だ。
 ヨダレをたらして気絶した刃牙とはちがう。

 ダメージはない。だが、スキだらけである。
 ジャックはピクルの背後に立ち、髪の毛を鷲づかみだ。
 ピクルの顔が天地逆をむいた。
 投げたのか? それとも、ひねったのか?
 ジャック・ハンマーの逆襲だッ!


 全力で戦う兄の姿を刃牙は眺めるだけだった。
 それが、遅刻者のあるべき姿です。
 全力で放置されてかなりミジメだ。

『出遅れたことは理解していた』
『その理解が―――――』
『実感へと変化し――― 実感は痛みへと変化した………』


 刃牙の背中が泣いてるぜ。
 冒頭で主導権をとったと思わせて、叩きつける。
 刃牙にとってきびしい新年スタートになった。
 大丈夫、明日がある! 明日やろう!

 刃牙がへこむのは勝手なんだけど……
 となりにいる烈まで巻き添えで凹ませないでくれ。
 二人とも うなだれているように見える。
 上を見ようぜ。涙がこぼれないように。
 せめて前を見よう。ジャックが戦っているんだし。


 ジャックは薬をキメながら闘技場へ入っていた。
 刃牙が「ヘンゼルとグレーテル」に たとえていたけど、そりゃ怖いよ。
 森の動物たちが落ちているドーピング薬を食って、みんなムキムキに!?
 悪い魔女が住む家だってプロテイン製になりそうな状況だ。
 タイトルは「マッスルとグレート」に変更される。同じ部分がすくない。

 米軍基地でも同じようにビンを落としながら潜入したのだろう。
 ひろい食いした米兵がいまごろスゴイことになっているぞ!
 基地内がバイオハザードみたいなことになる。
 むしろ、マッスルハザードだ。
 そういう混乱があったから、ピクルを地下闘技場に移動させたのかもしれない。

 2009年は刃牙のピンチではじまった。
 肉体的な問題ではなく、気持ちや立場が危機だ。
 でも、戦いに間に合った。
 これで、いつでも乱入できますよ。

 ジャックが勝ちそうになったら「オレの親友(ダチ)にナニしてやがる!」と乱入する。
 かつてジャックを倒した因縁技フロントチョークでジャックを再びたおす。ジャックの歯が全折れだ。
 ジャックとの戦いで弱っているピクルを、返す刀で倒して、刃牙最強を見せつける。
 おそらく、こんなシナリオを考えているのだろう。
 表情が見えないよう、下を向きながら。

 それにしても、刃牙の移動速度がすごい。
 最短距離を走りぬけたのだろうか?
 片足の烈がいるので、乗り物を使った可能性が高いのだが。
 まさか、烈をお姫様だっこで抱えたまま走ったワケないだろうし。

 逆に考えると、ジャックとピクルの戦いが長引いたのかも。
 二人のディープな噛み合いが、実は1時間以上もつづいていたとか。
 それか、ジャックがマックシングに達するまで時間がかかっていたの可能性もある。
 言葉はわからずとも、変身・合体中に攻撃してはいけないと言う闘争の妙味を理解しているピクルであった。

 喧嘩の美学という部分で、ピクルと花山は似ていると思う。
 刃牙も空気をよんでピクルとジャックの間に乱入しないだろう。
 だが、追いつめられている刃牙がナニをしでかすのか予想不可能だ。
 刃牙ではなく、隣にいる烈に期待するしかない。

 今週はひさしぶりにバキ外伝疵面がのっている。
 来週からが本番で、本格スタートだ。
 花山薫 総集編のアンケートを見るかぎり、他のメンバーでの外伝もありそうだ。
 読み切り『バキ外伝 GaiA(ガイア)』の連載化がイチバンの候補だろうか。
 もしかしたら、バキSAGA(サーガ)を超えるバキLEGEND(レジェンド)を『チャンピオンREDいちご』で連載開始するかもしれないぞ。
 キャッチコピー「ジャック兄さんの めくれあがったところ、あんまり見ないで……」

追記 (09/1/14)
 ピクル vs. ジャック・ハンマー
 簡単に二人の能力を比較してみよう。

ピクルが勝っているもの
・身長
・体重
・パワー
・タフネス
・噛みつき

ジャックが勝っているもの
・技
・ドーピング
・戦闘知識
・衣服
・血統

互角のもの
・スピード
・技術吸収力
ジャンクマンに匹敵する残虐性(参考


 動物としての力ではピクルのほうが上だ。
 ジャックは人間の英知で戦力差をカバーしている。
 ドーピングしてからパワー負けたことが少ないジャックは、未知のパターンに戸惑うだろう。

 身長・体重の差は格闘技にとって大きな差となる。
 だが、刃牙世界では参考数値ていどに考えておけばいい。
 むしろ問題なのはパワーとタフネスの差だ。
 ピクルの戦いは、全力で打って、全力で受けきる傾向がある。
 ものを言うのは力と防御力だ。
 さすがのジャックも、ピクルとまともに殴り合ったら負けるだろう。

 パワーの差をジャックはドーピングで埋める。
 タフネスの差はテクニックでカバーする。
 あとは知識だ!
 ピクルはきっと関節の構造や頚動脈を絞める技を知らないぞ。

 あと、ジャックがクツをはいているのが気になる。
 実は、底に鉛が入っていて鉄ゲタみたいに足腰を鍛えるクツなんだよ。
 脱ぐよちを多くのこしているジャックには、逆転の余裕もあるのだ! ……たぶ ん。

 そして、極めつけが範馬の血筋だ。
 うまく巨凶に目覚めれば勝てる!
 前に掲示板でLittle Beach, Makenaさんがおっしゃっていましたが「範馬も負 けることがあるけど、背中に鬼を出した時は負けない」という法則がある。
 ジャックの背中には残念ながら鬼が宿っていない。
 そこがジャックにとっての急所だ。

 背中の鬼を出せればジャックの勝ち。
 出せなければ負ける。
 最終的にジャックとピクルの戦いは、そこに集約されるのではなかろうか。
 で、すでに鬼もちの刃牙が上位者として出てくるワケですよ。

 範馬だけ鬼が出るのはズルイ。
 ならば、ピクルの背中にもなんか出てきたらどうか?
「あれは、鬼ッ!? いやちがう龍だ。筋肉が作りだすティラノサウルスの 面ッ!」
 ここまで来たら、刃牙だって勝てる気がしない。
by とら


2009年1月15日(7号)
第3部 第144話 この闘いとは―― (800回)

 強さのためならすべて捨てる。
 顔の皮膚だって捨てちゃった。っていうか喰われた。
 だが、ここからがジャック・ハンマーの逆襲だッ!

 鍛錬とドーピングと素質で造った強靭な肉体だった。
 ひとつあたり10時間分の効果があるとして、一日30時間のトレーニングに匹敵する。
 説得力の成分は迫力だッ!
 フォントを大きくしておけば大丈夫だお。

 マックシング・パワーでピクルの頭をつかみイスに叩きつける。
 さらに髪をつかんで背負い投げ風に投げとばす。
 観客席から、闘技場まで飛ぶ。200kgが宙を舞う。
 ピクルは受身もとれずに落下した。

 ピクルの首は頑丈なので、頭が揺れにくい。脳をゆらすのは困難だ。
 ならば、体全体に衝撃をあたえればいいんじゃね?
 吉福康郎「最強格闘技の科学」によれば、頭は体重の4.4%をしめる。
 なら、通常打撃の22.7倍以上のパワーを出せば全身ごとゆれるハズだ!
 だったらイケるぜ!(いや、ムリ)

 投げられたピクルは、まだ地面にすわったままだ。
 ジャックはすでにピクルの背後に立っている。
 さっきから、ピクルの正面にたたずに背後をとっていますね。
 ノーガードで殴りあうのを好んでいたジャックも、慎重になっているのだろうか?
 ピクルがふりむくと同時に頭へローキックを叩きこむ。

 顔面にローは、かつて刃牙がジャックにやった技だ。(グラップラー刃牙40巻 346話)
 ジャックも使っているので、けっこう効いていたんだろうな。
 蹴られても平気そうな顔をしていたが、ジャックも痛みに耐えていたらしい。
 鈍感力ではない。精神力だ!
 花山だって痛いのをガマンしている。(バキ13巻 110話


(美食も――――――)
(美酒も――――――)
(美女(オンナ)も―――――)
(金銭(カネ)も――――)
(地位(ステータス)も―――  名誉も―――――)
(一切 興味はない)
(たった一つ あればいい)

(強きこと!!!)


 ただ純粋に強さをもとめる。
 鍛えられた刀のように。磨かれた銃のように。
 ただ純粋に、強きことを目指して。ジャック・ハンマーは己を鍛えあげてきた。

 致死量ギリギリまでのドーピングをして強さをもとめる。
 限界を超えた特訓は、失禁してもやめなかった。
 激痛を耐えて骨延長の手術もうける。
 すべては強くなるために。

 いや、それって特訓ではなく、尿のほうを止めるべきでは?
 必要な栄養を補給するのも特訓だ。
 ならば、不要な老廃物を捨てるのも特訓のうちですよ。
 大量に食えば、大量に出るんだし。
 便器とファイトだッ! 叩きつけて破壊しろッッ!

 烈海王や愚地独歩は、歴史によって作られた戦士だ。
 ジャック・ハンマーの体は最新科学によって造られた。
 現代版フランケンシュタインの怪物である。
 オマケに範馬の一族ですよ。ナースでメイドの委員長って感じにゾクセイてんこ盛りだ。


 頭を蹴られたピクルは地面に後頭部を打ちつけた。
 ジャックは追い討ちで、ピクルのノドを踏みつける。
 かんたんに全体重をのせることができる踏みつけ(スタンプ)攻撃だ。
 オマケに動物の弱点であるノドを狙う。
 頭部をゆらすことにこだわるより、効果的な攻撃だ。

 ピクルの目がゆれたッ!
 効いている。
 鼻血や汗は出していないが、確実にダメージがあるぞ。
 ジャックはピクルの髪をつかみ、ムリヤリたたせる。

 そして、ピクルの左耳に噛みついた。
 噛まれたら、噛みかえす。
 ジャック・ハンマーが喰われた顔の恨みとばかりに、噛みちぎる。
 ちぎった耳をピクルの鼻に叩きつけた。
 最古の戦士にたいし、最新の戦士が挑戦状を叩きつける。

 ピクルに消えない傷を与えた戦士が、ついに出たッ!
 耳というあたりが、みみっちいが……
 とにかく、初ダメージですよ。
 バキ世界ではあきらかに治らない傷も平気で治ります。
 だが、切断されると、なかなか治らない。
 ピクル鉄壁伝説も、いまから崩れはじめる。

 生きた世界遺産に傷をつける行為に、ペイン博士が怒りそうだ。
 ジャックは背後からの麻酔攻撃に気をつけろ。
 すでに薬物まみれのジャックだけに、麻酔は効かないかもしれないが。

 いちど喰らった肉を、吐き出す。
 人を喰らう戦士にとって、喰うに値せぬという意味に見えるだろう。なんという屈辱か。
 怒りを力にかえ、ピクルが逆襲するのか?

 はれてジャンル"最新"の代表選手となったジャック・ハンマーは、どう戦う?
 迎えうつピクルは噛みつきスペシャリストの意地を見せるのか?
 噛みあう残虐ファイター二匹の本気は、たぶんココからだ。
 次回へつづく。


 最強打撃(ベストパンチ)が通用せず、ジャックはあせっていた。(142話
 でも、打撃にこだわる。やはり、自分の武器を信じることが大切なのだろう
 強打者を前にして敬遠するのは弱い心であり、オリンピックや国際大会で通用しないらしい。(〈勝負脳〉の鍛え方
 ちょうど、今週の『ストライプブルー』で敬遠敗北フラグが立っていた。
 お前が信じる、お前を信じろ! の心意気が重要だ。

 肉体の強さではピクルに負けている。
 だが、ジャックは自分が歩んできた20年ほどの短い人生を信じているのだ。
 鍛えあげ造り上げた肉体は裏切らない。
 肉体の戦いであり、心の戦いだ。

 ピクルに肉で勝つのはむずかしい。だから精神の強さを上乗せする。
 ジャックには信じられる土台があるから、戦えるのだ。
 強靭な精神力をもつ花山がピクルに汗を流させた。(14巻 111話
 人は心で戦っている。

 さて、今週の主人公 反省会です。
 烈海王と愚地克巳は歴史・伝統の代表選手だった。
 ジャック・ハンマーは科学・最新の代表だ。
 じゃあ、刃牙はなにを代表しているのだろう?
 リアルシャドーと妄想の代表かなぁ。
 たしかに、まちがいなく第一人者だとは思うけど。

 どうも、最近の刃牙は背負っているものが小さい。
 地下闘技場のチャンピオンをやっていたときは、チャンピオンの称号を守ってた。
 母の死も背負う。
 最近、大切なものを落としていないか?

 ジャックは、すべてを捨て強さを欲している。
 あの回想っぷりからすると、範馬勇次郎への復讐心よりも強さが優先かもしれない。
 勇次郎は地上最強の生物と言われている。
 だから強さを証明するために勇次郎を倒す。
 たまたま勇次郎は父で復讐の相手だった。復讐はオマケ。
 そんな感じがする。

 刃牙は逆だ。まず、父を倒したい。
 たまたま父が地上最強なので、最強を目指す。
 それはそれとして、女も欲しい。
 強さへの欲求が少ない感じだ。

 刃牙に親しみはもてる。
 だけど、応援しづらいな。ジャックと比べちゃうと。
 今週もがんばって驚愕している。
 驚愕する刃牙を応援するってのは、なんか違うよね。

 来週にはアメリカ大統領も交代する。
 油断していると刃牙にも主役交代の要求がせまってくるかも。
 刃牙と同じく、活躍しない主人公だった餓狼伝の丹波文七は年末年始で大活躍だ。
 ちょっと、方向性に問題があるかもしれないけど、とにかく結果を出している。

 刃牙も活躍するためには、己の手を汚す覚悟が必要なのかもしれない。
 でも、ある意味すでに刃牙はヨゴレているのかも。
 ピクル争奪戦に自信過剰で参加表明して、いきなり脱落のくだりは身を削ってのギャグだった。
 ポジションはすっかり、ヨゴレ芸人だ。
 しばらくリアクション要員として活躍しそう。

 今のところ、戦いはジャックが優勢だ。
 ジャックが敗れても刃牙がいる。
 せっかく独歩が計算してピクルの出会いを必然と見破ったのに、範馬のターンで終了なのか?(138話
 このままでは、なんのための必然なのかワカりませんよ。

 ピクル争奪戦・参加者の残りもさびしいことになる。
・ 烈、克巳、ジャック → 戦った
・ ガイア → 次期アメリカ大統領の警護役に就職
 この4人は活躍したから問題ない。
 ガイアも就職したから良しとしよう。短期契約の仕事っぽいですが。

 残りの人たちの今後を予想する。
・ 独歩 → 準備中?
・ 渋川 → 本気になったら、たどりつけない
・ 鎬 → 鍵の差し出しかたが良かったのでホストに転向
・ 寂海王 → 烈と克巳の勧誘失敗に泣いている

 どうもピクル戦にからめそうな人がすくない気がする。
 独歩+渋川の達人コンビは刃牙のトレーナーになったほうがいいと思う。
 こう考えると最初の8人に入っていなかった刃牙が話の中心に近づいたのは、快挙だ。
 さすが主人公である。

 そうなると、なんで最初から参加しなかったのだろう?
 勇次郎も向かっていたんだし、優れた戦士はひきつけられると思うのだが。
 やっぱり、ピクル交尾事件が刃牙に精神的なダメージを与えたのだろうか。(11巻 80話
 刃牙も刃牙なりに、ピクルの野性に触発されたのかもしれない。
 そして、女も欲しい年ごろなので 梢江にかわる逸材をもとめ街をさまよっていたのかも。

 ただし、現在の刃牙はピクルをわりと重視している。
 明日さっそく逢いに行くと言い切るほどの気魄だった。
 今の刃牙なら、勝負に乱入しかねないほどのキケン度がある。
 でも、徳川さんとペイン博士にちゃんと挨拶しておかないと、背後から麻酔を打たれそうだよな。
 会場で イチバン危険な男は、……ペイン博士だ。

追記 (09/1/21)
 ジャック・ハンマーは猛りまくって攻撃している。
 古代環境が生みだした怪物がピクルならッ
 近代科学の生んだ怪物はジャック・ハンマーだッ!
 と言うわけで、ジャックにしかできない逆噛みつきで前回は終わった。
 まあ、噛みつきは刃牙も勇次郎もやっているんですけどね。
 刃牙はマウント斗羽に噛みつき、勇次郎もジャックに噛みついた。(G刃牙5巻 37話、G刃牙42巻 370話)

 夜叉猿ならちぎられた耳を自分で食べてしまうところだろう。
 ピクルが自分の耳を食べたなら、猿並ということなんだろうか。
 猿、あるいは夏侯惇なみ。
 夏侯惇≒夜叉猿なのか!?

 疵面では勇次郎のクローン化計画が出てきた。
 強敵が少なくなったバキ世界における最後の切り札みたいなものだったけど、先に使われちゃいましたね。
 バキ世界でクローンが使われなかった理由はわかる。
 クローンってことは劣化勇次郎なワケだ。それだと、面白みが少ない。

 『ジャングルの王者ターちゃん?』の世界では、ターちゃんのクローンが育つ環境の差でオリジナルよりもデカい体になっていた。
 そういう理屈でいかないとダメだろう。
 たとえば、養殖の世界だと、エサを大きな魚にかえると、養殖も大きく育つらしい。
 勇次郎クローンに鯨肉ばかり喰わせればジャイアント勇次郎の誕生だ。

 ただ、すぐに実戦投入させるには急成長させる必要がある。
 そういうイビツな成長は体に悪かろう。
 やっぱり体が大きいだけの劣化勇次郎になるのだろうか。

 劣化勇次郎を避けるのであれば、別の方法論が必要だ。
 それがピクルだったのだろう。
 恐竜を倒した原人だ。
 クローンよりもはるかにムチャ設定なんだけど、劣化勇次郎を超えるにはこの方法しかなかった!
 ……気がする。

 塩漬けがイヤだったら亜光速で動きつづけた剣豪とか出せばいいのかもしれない。
 亜光速の動きをすると内部の時間はゆっくり流れるようになるので、4000年ぐらいなら簡単に超えられるハズ。(時間の遅れ - Wikipedia)
 宇宙人が時代ごとに最強の戦士を拉致しまくって、光速で移動しつづければ、豪華な最強トーナメントが開催できますよ。

 まあ、宇宙人に拉致されるていどの戦士など いらんと言われそうですが。
 範馬勇次郎なら、宇宙人が相手でも、殴って追い返しそうだし。
 つうか、勇次郎が若い肉体を保っているのは亜光速で動いているからかもしれない。
 黄金聖闘士(ゴールドセイント)なみの強さだ。

 それと、143話 追記に関して、「身長はジャックのほうが勝っているのではないか」との質問をいただきました。
 鋭いツッコミですね。
 たしかに、数値上はジャックのほうが大きいはず。(14巻 105話
 ところがぎっちょん、140話では、あきらかにピクルのほうが大きい。
 体重も増えているし、ピクルが成長した! と考えておきましょう。

 刃牙世界は、写真による客観ではなく、人の目による主観で描かれている。
 強そうなヤツはデカく見えるのだ。
 数値上は小さくても、ピクルはデカく見える!
 刃牙小っさ! と言われないと良いですね。今年こそは。
by とら


2009年1月22日(8号)
第3部 第145話 柔軟性 (801回)

 ジャック・ハンマーの反撃ッ! ピクルの耳を噛みちぎったッ!
 残虐技なら負けないぞ。
 範馬の血筋は、ここからがこわい。

 分離してしまった己の耳を、手にとってながめる。
 ピクルは恐竜のとおり道でも無防備に寝る男だった。12巻 93話
 いままで痛い目にあったことが無いんだろうな。
 私なんて、家の廊下で寝転ぶこともしませんよ。痛い目みたから。

 ピクルは初体験(推測)の激痛(いたみ)を感じる。
 でも、疼痛(いたみ)に動揺していない。
 実はしょっちゅう恐竜にふまれて痛みに慣れているんだろうか?

 ピクルが感じていたのは痛みだけではない。
 左右の耳で感じる音がちがう。
 地上の雑音がとどかない地下だが、ピクルはちゃんと音を感じている。
 まあ、空調や某主人公が「ッッッ!」と驚愕してうるさいのだろう。

 刃牙だとドリアン以来の耳そぎだ。
 『クローズZERO』(AA)で、落とし前の方法となるほど厳しいダメージだ(マンガでやるのは、とうぶん先)。
 チャンピオンでも数少ない残虐攻撃なのだ。
 外見に影響するし、聴覚まで狂ったらしい。今後の人生に影響する。
 ピクルもこれには怒った。

 野生動物にとって、ケガをすることの意味は大きい。
 ケガをしていると弱った個体として狙われやすくなるのだ。
 いくら強くても、常に狙われたら消耗していき、いつか喰われる。

 また外見に特徴がある個体は狙われる傾向があるらしい。(マイクル・クライトンプレイ -獲物- (AA)」)
 めだつ個体は狙われるのだ。
 冨樫義博が狙われるのはめだっているからだろうな。(参考:冨樫だけ休載で叩かれるのは納得いかない
 PTAがジャンプを攻撃するのもめだっているから。
 チャンピオンはめだっていないから、わりと自由だ。
 ――――ッ、悔しくないぞッ!

『憎悪…………』
『許すまじ……ッッ』
『決して許すまじッッ』


 好敵手は喰う。とうぜん再起不能だ。
 でも、自分が治らない傷を受けるのは許せない。
 すさまじいワガママっぷりだ。
 まるで範馬一族のような自己中心主義である。
 だからこそ、他人に容赦ない攻撃をしかけられるんだろうな。

 痛みでもなく、恐怖でもない。
 肉体を、誇りを傷つけられた怒り。
 ふんどしが卍解しそうなイキオイで、ピクルの怒りが有頂天になった。
 しかし、動かない。
 ピクルよ、なにを狙う?


 ピクルにダメ一矢報いたジャックは、気を良くして追撃のアッパーを撃つ。
 さっきアッパーが効かなかったのに、また同じ攻撃だ。
 効かないからといって諦めるようでは熱血主人公はつとまらない。
 敵が鉄壁の防御を誇っていれば、その守りを粉微塵にしてこそ熱血ですよ。
 やはり、明日やる男−範馬刃牙−とは器がちがう。

 ジャックはマックシングでのアッパーがどれだけ通用するのか試すつもりだったのかも。
 マックシング・アッパーすら通用しなかったら、別の方法に変更するのだろうか。
 限界ドーピング状態なのに、けっこう冷静だ。
 なにごとも慣れなんだろうか。
 SAGAも毎日見れば、慣れるかも……

 バァン

 ジャック渾身のアッパーは空をきった。
 だが、なぜか妙な音がする。
 ピクルは一歩も動いていない! ……ように見えた。
 空振ったあとの無防備な状態をさらしていたジャックは、あわてて後ろにさがる。ちょっと、かわいい動きだ。
 やっぱり、マックシングにもなれたのだろう。驚愕リアクションが良くなっている。

 ピクルには攻撃を紙一重でかわす技術がない。
 そう考えていた時期が今のジャックでした。
 でも攻撃が当たらない。
 なぜか、砂埃が舞いあがっている。
 ピクルはどんなトリックを使ったのだろうか?

 打撃がピクルに通用するのか、わからない。だから試す。
 なので、当たらないのはこまる。
 そこで今度はローキックだ。
 深くふみこんで、下段蹴り。

 近づくと、とうぜん相手の攻撃も当たるようになる。
 さりげなく蹴っているが、ジャックの行動はけっこう勇気がいる攻撃だ。
 また空振ったら、今度こそ反撃を喰らうかもしれない。
 それでもジャックは深くふみこむ。被弾を恐れぬ勇気が道を切りひらく!

 バァン

 また、スカったッ!

 スネを狙った蹴りが当たらない。
 しかも、ピクルは一歩も動いていないように見える。
 一体、なにがあった?

 ジャックは、またスキだらけになっていたので、あわててさがる。
 もう、範馬一族の威厳もきれた。
 皮膚の残った顔半分で汗を大量にながす。
 汗が出ないはずのアゴに手をやり汗をぬぐうしぐさをしてしまう。
 皮膚があったころの感覚がのこっているようだ。
 現状を認識できないほど、ジャックは激しく動揺している。

 高いところから見下ろしている刃牙たちには、ピクルの動きが見えていた。
 どうも人類史には無い未知の動きをしているようだ。
 見ているだけで、思わず汗を流してしまうような動き。

「あの白亜紀(じだい)のピクルのッッ」
「あの白亜紀(じだい)での闘争法(うごき)だッッ」

 ついにドラゴン殺しの秘奥義が炸裂するのかッ!?
 ならば、烈海王が喰らったタックルはなんだったんだ。(13巻 100話
 烈の立場無いな……

 ピクルの動きを見て、ジャックは刃牙の背中に鬼を見たときのような反応をしてしまう。
 そいつは、死亡フラグだよ、ジャック……
 ピクルはどんな動きをしているのか?
 そして、ジャックはピクルに勝てるのか?
 生きて帰れるのか!?
 次回へつづく。


 ピクルの闘争法(うごき)とは、なんでしょうか。
 ありそうな方法は四つんばいですね。
 ローキックのさらに下をかいくぐる低姿勢だ。
 二足歩行になれてしまった人間にはできない姿勢です。

 ただ、四足でもさすがにローキックより下にはならない。
 ならば寝て、蛇のように身をくねらせて動くのだろうか?
 これだと、ほふく前進を極めた軍人なら互角に戦えるかも。
 無事に大統領の就任も終わったし、ガイア呼ンでくっか?(参考:バキ外伝 GaiA

 四足の構えは、相手にさらす体の面積を最小にできる。
 防御の面で、大きなメリットだ。
 立って構えるときも、多くの格闘技では半身をとる。
 普通の人間なら、四足の構えになると動きにくくなる。だが、ピクルなら問題ない。

 四足の構えなら、ジャックがピクルの姿を見失ったのもわかる。
 また、高いところから見下ろしている刃牙たちが、ピクルの動きを理解できるハズだ。
 上から見ていれば、寝たのが丸わかりだし。
 四足の構えには、ジャンプして空中から見た垂直の視点が必要なのかもしれない。
 ジャンプといえば天内なんだけど、再登場はしないだろうな。

 出遅れた刃牙はカッコ悪いが、ギャグ的に成功をおさめた。
 そして、ピクルの本気を目撃できる。
 なんか刃牙は勝利の方程式をといているように見える。
 さすがチャンピオン。運も一流です。

 刃牙は先人たちの成果を受けついで戦っていく。
 現時点で遅れているけど、最初にゴールするのは刃牙だ。
 急がば回れ。『ドラクエVI』の「欲望の町」エピソードみたいだ。

 ちなみに私は温泉の秘密に気がつかなかったので、最大HPが1の状態で「欲望の町」をクリアしました。
 「あしばらい」で行動を止めつづければ、なんとかなる!
 ジャック、足だ。ローを狙え!(ダメだって)
 自分の中のジャイアント・キリングを起こせ!

 しかし、刃牙も有利ポイントばかりためていないで、そろそろ戦えばいいのに。
 婚活ならぬ闘活が必要ですよ。
 このままだと、恋ヶ窪ゆり(独身)みたいなノリで、範馬刃牙(独闘)と書かれてしまうぞ。

 と、まあ真実から目をそむけるように、話題をそらしまくりました。 ―――がッ!
 だが、やはり言っておかねばならないだろうな。
 今回のサブタイトル「柔軟性」って、次回発表されるべき答えだよね?

追記 (09/1/28)
 ピクルの使った「あの白亜紀(じだい)での闘争法(うごき)」とは、いったいナニか!?
 砂埃と「バァン」という音がヒントだ。
 当サイトの掲示板によせられた予想をまとめてみる。
「柔軟性」、「立ち位置が変わらない」、「野生の戦士」
で、ターちゃんのふにふに(避け)を思い出すんですが

ワムゥ避け

柔軟性ってのは予期せぬダメージを負っても即座に対応できる戦闘センスの事じゃ無いですかね。
身体が柔らかい事とあの音は結びつきませんし。
と言う訳で、俺は凄い勢いでジャンプして天井か壁に跳ね返って元の位置に着地してると予想するぜ!

埃が舞っているのを考えれば、動いてないようでピクルは動いている。
ポイントは「あの時代」に生きていた、ピクル特有の地面をつかめる
強力な「爪」かな。
ジャックに触れていれば「さばき」、そうでなければ「かわし」。
あとは、回転方向はわからないが瞬間的な宙返りもある。
そういえば、過去に勇次郎が室内でそうやってタバコの火を消していたな。

体中の骨と肉をしならせて全身を「マッハ突き」させてるとみた。
50cmくらい高速で移動するので砂埃も立つ。
「バァン」は空気の破裂音。ピクルでかいし。

まさか今更 マ ト リ ッ ク ス 避 け なんてしないですよね板垣先生?

ピクルの本気タックルを見切ったジャックでも見えない速で動いてる

かなり昔 ゆで大先生が
超人強度を 0 にすれば
光の速度で 動けるって
言っていた 気がする。

スター・プラチナ「ザ・ワールド」を使ったのでは?

光速土下寝!
バアン!砂埃。
直れ。

音の吹き出しは「バァン!」となっているから、
足の裏をつけたまま後ろに倒れて受身みたいなことしてるのかも。
そしてふくらはぎの筋肉でまた立ち上がるみたいな。
これはマトリックス避けになるのかな。

バァン を屁と直感した自分は負け組
異臭で距離感を狂わせる古代の格闘法
柔軟な括約筋による自在な放屁
腸内環境は... 肉食ッッ!!

屁でしょう。
おそらくとてつもない推進力で直立状態から垂直ジャンプ!
砂埃の説明も付く。
 貴重なご意見ありがとうございます。

 改めてピクルの防御方法をまとめてみる。
・動いていないようだが、柔軟性をいかして動いている
・ジャンプ
・土下座
・マトリックスよけ(後ろに倒れる)
・放屁
・超常現象

 前回感想で書いた「四つんばい」説は、土下座と同じですね。
 急にしゃがみこむという防御方法は武術的にもアリだ。
 グラップラー刃牙25巻 220話で達人・渋川剛気がロジャー・ハーロン相手にやって転ばせている。
 蘇東成先生も大勢に囲まれたときは、しゃがみこむことで攻撃をかわせると言っている。(激闘達人烈伝
 という話は、先週すべきだったんだけど、時間切れだった。
 予想が外れていたら、明日の感想じゃ使えない。仕方がないので、今書く。

 音+砂埃+柔軟性をクリアする防御はマトリックスよけだろうか。
 それも、ぐにゃっと変形するような変体感あふれるスタイルで。
 ジャックが驚いているぐらいだから、かなり変なポーズをしていると思うんだけど。
by とら


2009年1月29日(9号)
第3部 第146話 反射神経 (802回)

 ピクル消失事件!
 東京ドーム地下で繰りひろげられるドラッグとフンドシの宴。砂煙のなかで高校生は見た! 打撃が当たらない、究極の防御トリックとは?
 というわけで『あの白亜紀(じだい)での闘争法(うごき)』の解答編だ。
 砂埃がはれると、いきなり答えが判明する。

 ピクルの背後にある柵が破壊されていた。
 柵の状態を見てジャックは、なにが起きてていたのか瞬時に理解する。
 ピクルはジャックの攻撃を後方へジャンプすることでかわしていた。
 そして、10mほど後方にある柵を蹴って、元の位置に着地したのだ。

(それを俺は――――――
 視界に捕らえることすらできなかったのだッッ)


 ジャック・ハンマーはマヌケな姿を世間にさらしてしまった。
 刃牙なら、いまさらマヌケな姿をさらしても、なんら問題はないだろう。
 だが、ジャックには育ててきたイメージがある。
 ピクルの動きを見逃していたのは、致命的なミスだ。
 このままでは負け犬一直線になってしまう。

 耳を噛みちぎられ修復不能のダメージを受けたピクルだった。
 復讐として、ジャックの心に大きな傷をつけたのだろうか。
 ならば、目的は達せられている。
 ピクルはとんでもないものを盗んでいきました。

 だが、ジャックは範馬勇次郎の血をひく優良種だ。
 追いつめられたときの対応方法も知っている。
 ジャックは自分の失態を帳消しにするため、ピクルを持ち上げる作戦に出た。
 相手は強いんだから仕方がないという理屈だ

『人類(ひと)と猫が檻の中で闘ったなら……』
『実戦空手の父―――――― 大山倍達 答えて曰く』
『"ヒトは日本刀を持って初めて対等と言えるだろう"』

 猫の運動神経とスピードに、人間は勝てない。
 脳を進化させることに特化した人間は、体力で動物に数段劣る。
 でも一応ピクルもヒト属あつかいだったような……

 まあとにかく、ピクルが恐竜に勝てた理由はスピードにあったのだ。
 恐竜の反射神経を凌駕する速度で動き、攻撃する。
 それがピクルが、巨体の恐竜に勝利できた理由だった。

 今までピクルはムチャなパワーで恐竜と戦ってきたと思われていた。(16巻 129話
 スーパーサウルスに踏まれても、腕力ではねかえす雄だと言われていたのだ。
 だが、ここにきて、実はスピードもすごいんですと来やがる。
 理不尽なタフネスと無敵のパワーだけでも手に負えなかったのに、さらに倍プッシュだよ。
 もう、これは泣くしかない。泣いていいんだ。

(ピクル(こいつ)と闘うということは――――――
 恐龍達(やつら)に全勝するということなのだ…………ッッ)


 ティラノサウルスとむかいあうイメージがジャックの脳内でスパークしている。
 ピクルの背後にはあらゆる恐竜がいるのだ。
 となると、刃牙がティラノサウルスとリアルシャドーしたのは、正しい選択だったのかも。(15巻 122話
 本能的に正解を選択しているあたりが、刃牙の強さなのだろう、

 独闘をしないジャックは想像以上にスケールの大きくなったバトルに戸惑っていそうだ。
 ピクルと闘うにしては、マジメすぎたのかも。
 刃牙ぐらいふてぶてしく生きていかないとピクルのペースに飲まれるぞ。
 弱気になったのか、ジャックはさらなる悩みを見せながら、ピクルに向かっていく。

(神さま……………………………
 初めて貴方にお懇願(ねが)いいたします
 どうか……………………………)
(どうかわたしに勝(か)――――――――――――)


 ついにジャックは神頼みをする。
 神にケンカを売るような投薬をしてきた男だ。(グラップラー刃牙35巻 305話) )
 かつては、神への祈りを無力を断じ、力を得るためなら悪魔に魂をささげる覚悟だった。
 そんなジャックが、宗旨変えだ。
 かつてないほどに追い込まれて、絶望的状況なのか?

 ところでジャックの信じる神はなんなのだろう。
 カナダで活動していたし、キリスト教なんだろうか。
 キリスト教の神は、寛容なので許しを請えば手を差し伸べてくれるハズ。
 はたして、ジャックの願いは神に届くのか?

 結論から言うと、ダメでした。
 ピクルのアッパーがアゴに入り目がゆれまくる。
 そして、次回へつづく。


 ピクル防御の予想は、難しかった。
 見事に正解している人もいますが。
 ジャックほどの男がピクルの動きに気がつかないってのは、想像を超えていた。

 そして、ピクルはジャックのマネをするようにアッパーで攻撃だ。
 ピクルとちがい人間の首は細く弱い。
 さすがのジャックも、この一撃で脳がプリンのように超振動だろう。
 うまく立ち直らないと、次回でさっそく喰われるぞ。

 ジャックがピクルの動きに気がつかなかったのは、かなり問題がある。
 なんか、マヌケで無能にみえてしまう。
 それでも、気づかなかった理由は説明できる。先入観だ。

 今までのピクルは、よけるという行動をしてこなかった。
 出始めのガンダムみたいに頑丈で、いくら打っても効かない。
 だから、ジャックは「より強い打撃を当てる」ということしか考えていなかった。
 動くと思っていなかったので、動かれたときに反応できなかったのだ。

 オリバ愛読の書ユーザーイリュージョン』によると、『私たちの意識が処理するのは、せいぜい毎秒四〇ビット程度』にすぎない。
 ひとつのことに集中すると、他への注意は失われる。だから気がつかない。
 ピクルのタックルを返すべく 集中していたときとは、ちがうのだ。

 また、ピクルの動きが速かったので、脳が情報を処理しきれなかった部分もあるのだろう。
 視神経からの刺激を脳が処理するのは、けっこう複雑だ。
 反射で動くにしても、時間がかかる。
 野球のバッターはボールを見てから振るのでは遅い。
 ボールの軌道を予測して振っているのだ。
 ピッチャーのモーションを見せずに、球だけ飛んできたら打てない。
 予想外の動きをされたら、反応できないのだ。

 とはいっても、まったく気がつかないのは問題だ。
 ドーピングの副作用なのかもしれない。
 やはり、急がば回れの精神で地道に進んだほうがいいのだろう。
 刃牙を見習って「宿題は、明日やる!」の精神で行こう。

 ジャックはアゴを打たれて、来週にも死亡確認されそうな勢いだ。
 逆転の秘策はあるのか?
 母のジェーンが傭兵仲間をつれてきて、銃を乱射するぐらいしか思いつかない。
 問題は、ジャック敗北で刃牙がどう動くのかだ。
 いまほど主役が望まれている展開は、2008年にはなかったぞ。
 早くも2009年における最大の正念場がおとずれようとしている。


 今週の板垣先生のコメントは以下のとおり。
『悪役の魅力=作品の魅力。大相撲初場所にて再認識。』

 初場所を盛り上げたのは、間違いなく朝青龍の功績だ。
 ガッツポーズぐらいイイと思うんだけど。
 それはさておき、バキ世界の悪役だ。

 現在での悪役はピクルなのだろうか?
 たしかに憎いほど強い。
 人気キャラクターを喰ったり(文字通りに)する悪虐三昧だ。

 だが、個人的にはそれほど憎めない。
 悲しいほど野性だからだろうか。
 ピクルじゃ、しょうがないよな。

 そういう意味では、あまり悪役ではないかも。
 では、バキ世界の悪役は誰か?
 範馬勇次郎も悪い人間だ。
 出番すくないけど、重要な悪役だ。

 あと、他人をイラっとさせる才に優れた人がいる。
 こいつも、相当な悪(ワル)だ。
 魅えいて力的でもある。
 もちろん、範馬刃牙のことです。

追記 (09/2/4)
 ジャックが絶賛死亡フラグ中だ。
 どうすれば、回避できるか?
 そして、逆転できるのか?
 刃牙が見守っているかぎり、勝てる気がしない。
 そして、刃牙がピクルと戦っても勝てなさそう。

 板垣先生は、強さのサジ加減を間違えたんではなかろうか?

 いくらなんでもピクルが強すぎる。
 どれぐらい強いのかというと、「バキ外伝 疵面(スカーフェイス)」の花山ぐらいに強い。
 銃で乱射しても軽量級ボクサーのジャブをあびた程度のダメージしかないよ。
 そりゃ、いくらなんでも硬すぎだろ。

 もう、烈海王が四千年の歴史を誇る閨房術で戦うしかない。
 白亜紀には無かった舌による愛撫(わざ)とかで、ピクルを腰砕けにしてしまえ!

 というのは冗談ですが、ピクルに本気で勝てそうにない。
 ジャック兄さんに残っているカードは……
(1) 大量ゲロ
(2) 背中に鬼の面
(3) 母の愛
(4) 身長が伸びたことによる利点って、ちゃんと描写されてないよね

 なんですが、(1)以外は見込みが少ない。
 (2)をやられちゃうと、刃牙の立場が無くなるし。
 まあ、ここで「背中の鬼」を超えるナニカを刃牙が出せるのであれば、(2)という選択肢もあるんですけど。
 その場合、こんどは範馬勇次郎の立場がなくなるんだよな。

 ところで、ジャックの大量ゲロなんだが、一時期アレのことをマックシングと呼んでいた。
 例) 酒が苦手なのに、そんなに飲んだらマックシング起こすぞ

 マックシングがドーピングによる筋肉の最大出力状態だとすると、ゲロしゃぶ現象はなんて呼べばいいのだろうか。
 ここはオサレに「マックシング・リバース」かな。
 いや、「マックシング・ブレイク」か。
 あ、オサレに飾るにはスペイン語が必須だっけ。「吐瀉物」ってスペイン語でなんていうんだ?



・おまけ
 範馬刃牙 17 範馬刃牙 17巻
 17巻が発売されます。克巳編の完全決着だ。
 それにしても、コミックス15巻の絵はいつになったら入るんだろう。
 Amazonさん、刃牙だと思って手をぬいてませんか?
by とら


2009年2月5日(10号)
第3部 第147話 神頼み (803回)

 ジャック・ハンマーは、仏に逢っては仏を殺し、熊に逢っては熊を殺してきた。
 そんなジャックが神に祈る。
 ピクルとの戦いで、人間と獣の差を思い知った。
 相手が猫であっても、日本刀を装備して互角なのだ。
 つまり、猫は日本刀を装備した本部クラスといえる。
 強敵だ。猫が強くてなにが悪い。

 信仰心ってのは人間のみにあって、動物に無い。
 ……と思う。動物に聞いたことないので推測だけど。
 神という概念をもつ動物は人間ぐらいだろう。
 推測ですが。

 ジャックは生まれて初めて神に祈る。
 今までは、不確かなものに頼ることなど無い。
 血統・鍛錬・努力・薬物・手術など、つねにリアルなものを求めていた。
 今まで自分を支えていた物がゆらいでいるのだろう?
 自信を失いつつあるジャックは、寂海王に狙われたら陥落(お)ちそうで、心配だ。

 ジャックは祈りながら、右ストレートを撃つ。
 拳はピクルの顔面に当たった。
 しかし、ピクルは人知を超えるスピードで移動できる。
 ジャックの打撃は、腕が伸びきる適切な間合いから外れていた。
 ピクルが詰めている。さらに前進する気だ。
 体重の乗らない打撃では、ピクルを止められない。

 ピクルは全身で突っ込んできた。
 間合いに入ると、横の動きを縦に変化させる。
 拳の速度で移動できる脚力をいかし、凄まじき右アッパーカットだ。
 2メートルを超えるジャックの巨体が浮いた。
 撃たれて曲がった首の角度がヤバいッ!
 頚椎が折れたかもしれない。

 ジャックの思考は神に(勝)を願う寸前で崩壊した。
 『勝』の"月"の下半分と"力"の部分が砕けている。
 神に"勝たせて"と願う前に撃たれてしまった。
 『勝』の字から"力"が消えるとは、なんと象徴的な現象だろう。

 ドビシャッ


 怒れるピクルは容赦しない。
 ジャックをアッパーで浮かせ、さらに追撃してきた。
 空中に浮いているジャックを左手で打ち落とす。
 撃たれたジャックは反動で頭が下を向き、脳天から落下する。
 首がねじれたまま地面に落ちそうだ。
 これは、今度こそ首が折れてしまうのか!?

 落ちるジャックを、ピクルがアッパーでひろったッ!
 地面に接触する寸前に左アッパーを叩きこむ。
 ジャックは回転しながら、上昇していく。
 かつてジャックは敵をアッパーで攻撃して空中回転させるブンブン・アッパーを得意としていた。
 だが、いまはピクルに回転させられている。
 因果がめぐったのだろうか。

 回転+上昇中のジャックを狙いすまし、ピクルは渾身の右拳を振るう。
 まるで、レフトの深いところから本塁送球するような力強いフォームだ。
 もう、ジャックのHPはアバウト0なのに容赦ない攻撃をしやがる。
 今度は水平方向の打撃だったので、ジャックは柵まで吹っ飛び、動きを止めた。

 下アゴの骨は無残に折れ、砕けた。
 まるでジグソーパズルのようにバラバラだ。
 しかも、1割ぐらいピースが無くなっている。これでは、一生完成しないぞ。
 歯も上下あわせて6本しか確認できない。
 バキ史上、もっとも細かく砕かれた骨折だ。

 柵にぶら下がった状態のジャックはピクリとも動かず、声も出ない。
 ジャックが完全に沈黙したのを確認し、ピクルは勝利のダンスをはじめる。
 刃牙たち見学者もまた、驚愕して汗しか出せないのだった。
 次回へつづく。


 戦慄する破壊劇だった。
 総合格闘技の宮田和幸選手は山本"KID"徳郁選手のヒザ蹴りをくらいアゴを割られた。
 治療中はアゴを固定して動かせないため、鼻からチューブを入れて胃に流動食を流しこむ生活を送ったそうだ。
 ジャックも、しばらく鼻から流動食生活だろうな……
 ……死ななければ、だけど。

 いつまでも空中でもてあそばれるジャック兄さんを見ていると、古いゲームの『幽☆遊☆白書 魔強統一戦』や『ガーディアンヒーローズ』を思い出した。
 数人同時対戦ができるゲームで、倒した相手をいつまでも拾って攻撃し続けることができるのだ。
 友人間では「死体をもてあそぶ」状態と言われた。
 ジャックもそんな感じに、弄ばれてる。

 今回はストーリーだけまとめちゃうと、一行で終わる程度の内容だった。
 しかし、ジャックが破壊されていくようすが克明に描かれ鬼気迫るものがある。
 SON OF OGRE だけに。

 つづきが気になって、はやくページをめくりたい。
 でも、次のページに待つであろうさらなる破壊を予感して、ページをめくるのが怖い。
 せめてジャックが無事であって欲しい。
 そんな読者の神頼みに似た思いも、アゴの完全粉砕シーンと同時に砕かれるのだった。

 噛みつきファイターとして、ジャックは再起不能ではなかろうか。
 アゴをコナゴナにされては、もう噛むことができない。
 烈海王、愚地克巳、ジャック・ハンマー……
 みな最大の武器を破壊されてしまった。
 対戦相手を再起不能にする、恐怖のピクル伝説は更新中だ。

 もし、寂海王がピクルと戦ったら、どうなるか?
 勧誘するための武器=舌をやられそうだ。

 本部以蔵なら、どうか?
 知識の元である脳をやられそうだ。
 酸素欠乏症になって、迷言ばかり言うようになるかもしれない。
 あと、日本刀を振りまわすときだけ強気になったり。
 …………まあ、今とあまり変わらんか。

 ジャック兄さんが倒されるのを目撃した刃牙は、どのていどのショックを受けるのだろう。
 刃牙が傷心旅行にでかけるような事態にならなければイイのだが。
 小説・餓狼伝の丹波文七なら確実に放浪しちゃうレベルの精神ダメージなので心配だ。

 今回見せたピクルの攻撃は、対恐竜用のコンビネーションだろうか?
 全力攻撃を連続で撃ちこみ効率的にダメージを与える。  タフな恐竜でも、これならダメージがあるだろう。
 逆にいえば、ピクルにダメージを与えるには、これぐらいヤらないとダメなのかも。

 ジャックの武器であるアゴは破壊された。
 だが、ジャックにはドーピングという武器がのこっている。
 解毒するための肝臓が健康なうちは、何度でもドーピングしてみせるハズだ。

『ドーピングの語源は、アフリカ東南部の原住民カフィール族が拝礼で用いた植物エキスなどからできる酒「dop」であるといわれる。また、英語では、dopeにはどろどろの物質とか、競走馬に与える興奮剤などの意味のほか、ぼんやりした人、無気力な人などという意味まである。』(船山信次「毒と薬の世界史」)

 ドーピングを裏返して、ピクルに毒液ゲロを吹きかけ無気力状態にするんだ!
 ジャックには、まだ希望がのこっている。
 そして、肝臓を破壊されて、薬も酒も飲めない体になるのかも。

 ……ダメだ。
 明るい未来が見えない。
 ジャックは薬に手を出さないで、ムエタイでも学べばよかった。
 そうすれば、噛ませ犬すぎて噛む余地がなくなっていただろうに。

 負けて勝つ。
 それも、ひとつの戦略である。
 なにしろ、ピクルに攻撃されて無事だったのは刃牙だけだ!
 あっさり負けることで、かえって活路が開けるものらしい。

 それにしても、ピクルが強すぎて刃牙が勝てるイメージがまったくわかない。
 刃牙が勇次郎に勝つイメージがわかないのと同じだ。
 なにか、こう、革新的な進化をしないと鼻血を出させることもできないだろう。
 イモムシがサナギとなり、カエルになるように。オタマジャクシが空飛ぶ蝶になるように。
 板垣センセ、それ違ッ! とツッコまずにはいられない劇的進化が必要だ。

追記 (09/2/11)
 刃牙がピクルに勝てる気がしない。
 ジャック・ハンマーは刃牙に次ぐ実力者のハズだ。
 たぶん、オリバより強い。
 そのジャックがピクルには、まるで通用しないのだ。

 もう、ピクルと戦える人間は勇次郎しかいないんじゃなかろうか。
 ピクルが勇次郎を倒してしまい、敗北した勇次郎は精神的ショックから廃人へ。
 父が世界最弱の人間なら、自分は二番目に弱い人間でいいと言い切る刃牙だ。
 弱った勇次郎にトドメをさして『範馬刃牙』完!
 と、いうのは最悪なんでカンベンしてもらいたい。

 ピクル相手でも、渋川さんの合気ならなんとかなるかも知れない。
 ただ、ピクルも合気をマスターしつつあるし、多少 地面に叩きつけたところでダメージは少ないだろう。
 マッハ突きが効かなかったとき、絞め技や関節技が有効じゃないかと書いた。
 しかし、筋力差が大人と子供なみだ。これでは極まるものも極まらない。
 もう、八方塞がりですよ。
 やっぱ毒か? 毒なのか?

 板垣先生もピクルのあつかいには困っていそうだ。
 ジャック編の次は、どーすんだろ。


 前回の疵面(スカーフェイス)で「本部道場」が爆破されたというシーンがあった。
 本部(ほんぶ)を一瞬、本部(もとべ)と呼んだ人がけっこういたようです。
 私も、一瞬思った。
 本部は、出番は少なくとも愛されているキャラクターなんですね。
 なぜか『ミカるんX』(AA)の背景(街の看板とか)にも出演しているくらいだし。
by とら


2009年2月12日(11号)
第3部 第148話 憧憬 (804回)

 ジャック・ハンマーが完全敗北した。
 もう一度 戦っても勝てる気がしない。
 アゴの骨も粉砕されて、口を閉じることもできないダメージだ。
 巨凶範馬の歴史的敗北である。

 比較でいうなら、柳龍光が武器を装備した本部にたおされた時のよう。(バキ18巻 155話
 なんとも言えない ダメだこりゃ感がある。
 本部(もとべ)が強くて何が悪い。
 ……怒られた。

 バレンタインデーに煮干を渡された感じ。(※ 2/14は煮干の日
 もう、戦士としての人生は終わったと宣告された気分だ。
 ジャック・ハンマー、今週セリフがひとつも無し。


 ジャックは懐かしさをおぼえるほどの獰猛さをもつ戦士だった。(140話
 ピクルは強敵をたおし、喜びのダンスをおどっている。
 今すぐギニュー特戦隊に入れそうな強さであり、ダンス好きだ。
 そして、ピクルが哭(な)いた―――

 かつて、烈海王の足にかぶりつきながら泣いた。(13巻 101話
 愚地克巳の右腕を噛みちぎり涕涙する。(17巻 133話
 ピクルは敵を食すとき、涙をながす。
 刃牙のときは泣きませんでしたが。(15巻 114話
 今日の泣き顔は烈や克巳のときよりも眉をしかめて、表情を変えている。

 ピクルはより人間らしい表情を手に入れた。
 より深い悲しみを感じている。
 それだけジャックが強敵=好き だったのだろう。

「好敵手とは…」「よき友」
「出会い― 戦い―― 勝利する」
「そして勝利すなわち―――――― 別離(わか)れ」
「何故なら――――」
「食べるから」


 経験者の烈海王が語る。
 中国四千年は過剰なねちっこさで解説するのだ。
 烈さん、その話はもう聞いた。三度目だよ!
 濃厚な中華料理のように、味に味を重ねる烈海王である。

 でも、聞いてる刃牙だって「なにそれ、初耳!」みたいな顔をしている。
 刃牙の おミソは短期の記憶しかできないんだろうか?
 たしかに、ピクルに一撃で倒されたことを忘れているなど、幸せそうな脳をしているっぽい。
 烈はそこまで読んで解説したのかも。

 刃牙は烈の解説を聞き、白くなって驚いた。
 自分だって負けたら喰われる戦いに参加しようとしていたのに、敗北の罰ゲームをご存じない?
 気がついたら刃牙も明日見ぬ戦士になっていた。
 自主的ではなく、無意識に明日を見ていない。動物的な生きかただ。

 同じく驚愕している人間が、もう一人いた。
 徳川光成である。

(わしの……… 憧れ達が…)

 みっちゃん号泣。
 あんた、これで三度目だぞ。刃牙よりも見通しが悪い。
 見通しが甘いよ、みっちゃん。
 この豚っ!

 試合で痛めつけたジャックは、この後ピクルが美味しくいただきます。
 今の時期は絶好のバレンタインデーポジションだ。
 甘かったり辛かったりするチョコレートネタがあるハズなのに、惨事のオヤツですよ。
 血のバレンタインだ。
 ピクルが、ちょこっと喰う。

 ピクルが相手を喰うことはワカりきっていたハズだ。
 でも、徳川さんは試合を止めない。
 そして、ピクルが喰おうとすると怒ったり悲しんだりする。
 憧れの選手に戦わせ、敗北を泣くのは死刑囚編のころから変わらん。バキ6巻 48話
 老人としての知恵は装備していないのだろうか?


 徳川さんは、たよりにならない。
 ピクルはジャックに向かう。
 ジャックの危機に、思わず刃牙が飛びだす。
 まさかの主人公的な行動だッ!

 ピンチに駆けつけてくるのが主人公というものだ。
 たとえ佐賀にいたとしても駆けつけてくれるだろう。
 文字どおり走って。一部泳いで。
 追いこまれた刃牙が覚醒したのか!?

 独歩は武道家のケジメとして、克巳を救おうとしなかった。(17巻 133話
 だが、刃牙はジャックを救おうとする。
 悪く言えば覚悟が足りず甘い。良く言えば情があつく、優しい。
 伝統派のワクに縛られていないぶん、より人間らしい行動を取れるのだろう。
 兄弟愛が刃牙を動かした!
 克巳のとき、刃牙が動かなかったのはナイショ……

 刃牙のヘルプはうれしい。だが、勝てる気がしない。
 このままでは兄弟そろって喰われる。
 兄弟どんぶり、または兄弟定食だ。
 息子二人のピンチに鬼パパ召喚となるのか?


 カチッ

 ピクルは異変を感じた。
 思わず汗がながれる。
 ッ!
 ピクルを発汗させる事態だと!?

 たおれるジャックの姿を見て、ピクルの脳はを連想した。
 スズメバチに似た蜂がカチカチと歯を鳴らし、羽音をたてる記憶がよみがえる。
 冷や汗をのこしたまま、ピクルは後退した。
 そして、そのまま去っていく(?) ……帰ったのか?

 ちなみに、このときピクルの背後に刃牙が迫っていたのだが、ガン無視
 ピクルにとって刃牙は、その辺の石みたいな存在なのだろうか?
 寝ているジャックの危険度 > 背後を取った範馬刃牙  ……と判断された。
 ――――なんという屈辱かッ!

 ピクルが去っていった謎も気になるが、刃牙への態度も捨ておけぬ。
 戦士にとって無視されるほどの無視されるほどの屈辱はあるまい。
 『HUNTER×HUNTER』のシュートだってご立腹しますよ。
 悪意ではなく、素でスルーしやがったんだし。
 刃牙は怒っていい。むしろ怒れ。怒ろうよ。

 とりあえず、スルーされた刃牙のことはスルーして、ピクル退却の謎にせまる。
 ピクルがまだ幼かったころ、一匹の蜂と戦った。
 白亜紀に毒をもった蜂がいたのかどうか、よく知らない。
 ただ、ヒトがいるんだから、毒蜂がいても良かろう。
 ココで詰まると先に進めないので、いたことにする。

『多少 手こずったものの―――――』
『遂には仕留めた』

『食べた……』
『その瞬間(とき)だった…ッッ』


 世界まる見え!っぽい、ノリで次回に続いてしまった。(参考
 いや、コレ毒でしょ?
 引っぱるまでもなく毒だよね。

 このネタフリして、トゲに刺さっただけとか、思ったより苦かったなんてオチじゃないだろ。

 ドーピングしまくっているジャックを食べると体に悪いんじゃないか、という説は昔からあった。
 まあ、体には悪いだろう。
 ピクルにとって未知の薬物だし耐性もない。
 ただ、ピクルはジャックより体重がある。
 ジャックが死んでいない量を取りこんでも死なないと希望的に推測する。

 そもそも、自然由来の毒に合成された毒は勝てていない。(以下「毒と薬の世界史」による)
 最強の毒はボツリヌス菌がつくるボツリヌストキシンで、致死量0.0003μg/kgだ。
 これはVXガスの5万倍、サリンの140万倍、青酸カリの3333万倍という毒性がある。
 フグ毒のテトロドトキシンはVXガスの1.5倍、矢毒ガエルのパトラコトキシンはVXガスの7.5倍の毒性があるらしい。
 ちなみに、記念すべき勇次郎・最初の犠牲者はココイヤドクガエル亜種だ。

 自然界の毒で鍛えられているなら、合成の毒には負けない!
 ……かもしれない。
 ペイン博士の麻酔でダウンしている実績があるので、強く言えませんが。

 死ぬことはないと思う。
 だが、ジャックを食ったら腹をくだしそうだ。
 ドーピングの副作用で勃起不全になるかもしれない。
 ピクルの野性が、ジャックから異臭を感じて逃げ出したのだろう。

 負けてもなんとかしてしまう悪運は範馬の力だ。
 ジャック範馬、奇跡の生還か?
 ただ、アゴを砕かれているので復帰は難しいかもしれない。

 刃牙も無事に生きのびた。
 屈辱を受けたが、生きていれば復讐もできるハズ!
 次回から刃牙のターンか!?


 というわけで、ジャックが生還かもしれない。
 そして、ピクルは毒に弱いのかも? でも、ピクルに勝てる気がしないよね。
 刃牙の立場はいったい。
 今回は、だいたい上の三行で説明できる。

 ピクルの弱点が毒だとしても、使いにくい。
 いまさら柳龍光や李海王をつれてきても困る。
 猛毒・松本梢江を出されたら、別の意味で困るし。

 毒で裏返った経験をいかして、刃牙が毒手の特訓をするのは主人公的に問題がある。
 なるべくなら王道を歩んでほしい。
 ただ、ピクルとまともに戦って勝てるのか……
 やっぱり、刃牙には修行する時間が必要だ。

 たとえば、現在の『弱虫ペダル』(AA)では主人公たちの自転車を走りにくい状態にして練習させている。
 やはり主人公は試練と負荷を与えて乗り越えさせるべきなのだろう。
 ボトルの中身をスポーツドリンクではなく、青汁ドクターペッパー(AA)のブレンドに変えるなどの試練を与えてはどうか。
 自転車こぎにくいぞ。
 刃牙も、ドクターペッパーを飲んで独特のニオイでピクルを幻惑しちゃえ!

追記 (09/2/18)
 子供時代のピクルは蜂で、どんな衝撃を受けたのか?
 さて、恐竜時代に蜂はいたんだろうか?

 坂上昭一『ハチの家族と社会』によると、二億五千万年前にはいたらしい。
 ただ、毒はビミョウだ。
 他の昆虫をエサにするカリバチは、進化して針をもった有剣類だ。
 昆虫を襲い、毒針で麻痺させてタマゴを生みつけたりする。
 エモノが死ぬとすぐに腐っちゃうので、殺さず生かさずな毒性だ。

 植物が花蜜と花粉を生みだしたとき、ハチのなかにそれらを食料とする物が出てきた。ハナバチの登場である。
 ハナバチは保存のきく食料を手に入れたため、巨大な巣をつくり大量の幼虫を養うことが可能となった。
 だが、脊椎動物から見るとハチの巣は、食料のカタマリでもある。ハチの巣を狙う動物が出てきた。
 そこで対抗するために、ハチは毒性を強めるのだ。

 花は恐竜時代の最後のほうに登場する。
 だから、あまり猛毒のハチはいなかったんだろうな。
 まあ、それをいうとピクルの存在自体が問題ありまくりなんで、気にせず流しましょう。


 ピクルがビビったのは、範馬の潜在能力を恐れて説もある。
 毒だと、ジャックが完全敗北した印象だ。
 ジャックに潜む鬼にビビった説のほうが未来が明るい。

 今後は刃牙が戦うことになるんだろうけど、大丈夫なのか?
 ダメだと思う。
 修行しないと。
 それも、常の方法じゃなくて、非常識なヤツで。

 リアルシャドーは十分すぎるほど非常識なんだけど、もっと上を行かないと。
 いっそうのこと、一度冷凍して解凍してみたらどうか?
 タマネギは組織がこわれて美味くなるらしいし。
 刃牙も味わい深くなるかもしれないぞ!


 先週書き忘れていた話だが、2/10に通信衛星「イリジウム33」とロシア衛星「コスモス2251」が衝突した。(参考
 デブリ(宇宙ゴミ)にデブリがぶつかって、デブリだらけになるという「ケスラーシンドローム」を引き起こしかねない。
 『プラネテス』(マンガアニメ)好きなら間違いなく連想したハズだ。
 人類の宇宙進出が危うくなるかもしれない深刻なニュースなんだけど、あまり大騒ぎしていないですね。

 当サイトとしては範馬勇次郎が原因説を提唱したい。
 勇次郎が急に走り出したものだから、あわてて軌道をかえてぶつかってしまった。
 米国がこの不祥事を隠匿したいがために、別のニュースを取り上げているのかもしれない。
 大臣が辞任したのも、勇次郎のせいだ。


・おまけ
 範馬刃牙 17 (17) (少年チャンピオン・コミックス) 範馬刃牙 17巻
 なぜか17巻には前巻までのあらすじがのっていない。
 克巳のマッハ修行は空手界の暗黒史になってしまうのだろうか。
by とら


2009年2月19日(12号)
第3部 第149話 蜂の一刺し (805回)

 ピクルがジャックを食べずにひいた。
 白ヤギさん、黒ヤギさんなみに食の衝動に負けて(空気を)読まずに食べちゃうヤツだと思っていたのに。
 というわけで、今回はジャック放置事件の解答編だ。

 最近、謎をふって解答編というパターン多いっスね。
 少年漫画の王道・探偵物へのクラスチェンジをはかっているのか?
 筋肉探偵・範馬刃牙。
 なんでも筋肉で解決させる。

 幼年時のピクルは原始のハチを食す。
 戦い、勝ち、喰う。
 子供のころもピクルがやることは同じだ。

 そういえば、ピクルは人生のある時期まで四足歩行だったハズ。(13巻 99話
 少年ピクルは普通に立っていますね。
 このころは二足と四足を使いわけていたのだろうか。
 それとも、ついさっきまでは四足だったのかも。

 まあ、とにかくハチを食ったピクルは口中に衝撃を感じる。
 『がきデカ』の こまわり君以上に口が広がったと思うようなダメージだ。 → 
 チャンピオンつながりだな。
 ピクルはギャグ漫画のようなリアクションでハネ回るのだった。
 そして、体が動かなくなる。
 雨までふってきた。
 まっぱだかでダウンです。まっぱ全開ゴーオン ピクル。

がきデカTHE BEST 1 (1)
 雨に濡れたのは不幸だった。
 しかし、おかげで脱水症状にならなかったのだろう。
 雨水を飲んで、尿を大量に放出すれば解毒できるかもしれない。
 長い目で見たらラッキーだ。
 洗っていない犬みたいなニオイになって、女子に嫌われるかもしれないが。

『心に刻み込んだ』
『殺しても―――』『死なない者がいるッッ』
『アイツは―――』『まさにそのタイプ』


 アイツとは、すなわちジャック・ハンマー!
 ピクルの直感が警報を鳴らす。
 ジャックは毒針をもっている!
 武術の残心に近い概念だろうか。
 敵をたおしたと思っても油断しないで、心をのこす。

 恐竜時代を生き抜いてきた野性のカンが危険を読みとったのだろう。
 反対側の柵までいって、体育すわりで腰をおろした。
 あのピクルが、汗ダラダラですよ。
 よっぽどハチの記憶が痛かったのだろう。

 気絶したジャックにどんな危険があるのか。
 やはり毒っぽい気がする。
 ためしに刃牙がジャックをかじってみてはどうだろう。
 毒見ができるし、毒のショックで刃牙が裏返るかもしれない。
 まさに一石二鳥だ。


 いつのまにか、徳川光成も試合場におりていた。
 刃牙のとなりに立って、二人で汗をながしながらピクルとジャックを交互に見ている。
 見巧者(観戦の達人)である徳川氏はジャックが失神していると判定した。
 ゆだんの多い刃牙とはちがい、とりあえず信用してよかろう。
 たまに、みっちゃんも間違えますが。

 いっぽう、烈海王とペイン博士は並んで驚愕していた。
 さすが、忍びよる狩人・ペイン博士だ。
 今度は烈を狙っているのだろうか?
 烈には、ジャックに注射されて一発ダウンをくらった苦い経験がある。(バキ14巻 120話
 ペイン博士には気をつけろ。

「いかにジャックが怪物とは云え」
「この状況からの反撃は有り得ん」


 そう言いながら、徳川さんはジャックにふれようとする。
 あわてて刃牙が静止をかける。
 だが、おそかった。

 ベチィッ

 ジャックの両手が徳川氏の頭上で交差した。
 左右の手は中指一本貫手の構えだ。
 失神したままでありながら、ジャック・ハンマーが最後の攻撃を仕掛けた。

(あのままピクルがジャックに触れていたら――――)
(恐らく……)
(その中指はピクルの両耳を貫き―――)
(延髄を分断させた可能性

 ふせていたトラップカードが発動だッ!
 無意識による条件づけだろうか。
 刃牙は気がついているのなら、もっと早くに注意しておけばいいのに。
 みっちゃんの身長がもっと高かったら、即死ですよ。
 さすが、ゆだんにかけてもチャンピオンだ。

 中指一本貫手はスペックが花山に仕掛けたのと同じ技だ。(バキ5巻 39話総集編
 スペックは片手だったせいか、花山を倒せなかった。
 と、なると花山も薄氷の勝利だったようだ。
 二本だったら危なかった。
 追いつめられた無頼派ファイター最後の切り札が同じだったのは、なかなか面白い。

『意識失えどなおジャック…』
『地上最強のファックユー』


 敗北するも、範馬の矜持を見せたジャック・ハンマーであった。
 砕かれ、失神し、それでもなお諦めない根性だ。
 兄の姿に、範馬刃牙はなにを思うのだろう。
 次回へつづく。


 ジャックの毒属性に、ピクルがビビったのでは無い。
 残されたジャック・トラップを野性が見破ったのだ。
 意地をみせたものの、ピクルが引っかからなかった時点でジャックはさらに敗北したといえる。
 喰われなかっただけマシだ。しかし、敗北にはちがいない。

 次期挑戦者(予定)の範馬刃牙は、どうするのだろう。
 またリアルシャドーして、ピクルの姿が思い浮かばないと悩むのか?(17巻 139話
 とりあえず、明日やるッッッ!

 ジャックが神に祈ったのは、自分の無意識に勝負を賭けたからだろうか?(147話
 失神しているから、当たるも外すも運だのみになる。
 運だのみ、すなわち神頼みだ。
 人事を尽くして天命を待つ心境で失神したのだろうか?

 最後に触れた相手に攻撃すると強く念じて気絶したのかもしれない。
 自己暗示による攻撃だ。
 昔の歌で、枕を逆において三度たたいたあと 好きな相手のことを思いながら寝ると、夢であえるというのがあったハズ。
 小野小町の『いとせめて恋しき時はむばたまの夜の衣をかへしてぞ着る』というのもあり、「衣を裏返して寝ると恋人に夢で逢えるという古い俗信があった」そうだ。(参考
 こういうのも、一種の自己暗示だろう。

 小泉八雲怪談』(AA)に『かけひき』という話がある。
 ある男が、罪を犯した使用人を斬首することにした。
 使用人は、自分を殺したら呪ってやると言っている。
 男は「もし、キサマの恨みが本物であるなら、首を斬られた後にそこの石にかじりついてみろ」と言い、使用人の首を斬り落とす。
 使用人の首は、斬り落とされたあと本当に石にかじりついて見せた。
 以後、男の周囲の人間はたたりがおきないかとビクビクしてすごす。
 だが当の男は落ち着いていた。
 なぜかと問われると「使用人は確かに呪いの一念で石にかじりついてみせた。だが、石にかじりつくことのみを念じたため、私の身を呪うことを念じる余裕はなかったのだ」とこたえる。
 それ以後も男の身にたたりがおきることはなかったと言う。

 二兎を追うものは一兎も得ずですね。
 強烈な自己暗示は死をむかえた肉体をも動かすのかもしれない。
 残念ながら、ジャックの一念はピクル届かなかったが。

 みっちゃんのせいで不発でした。もう二発目はないだろう。
 つまり、今のジャックはさわり放題・食べ放題の状態にある。
 毒針を使用した後のミツバチ状態だ。もう刺せない。
 みっちゃんのせいで絶体絶命ふたたびだよ。
 よけいなコトしやがって。

 ピクルもビビった指攻撃……
 そうなると、浮かび上がる戦士は鎬昂昇だ。
 鍛えぬかれた指で、ピクルの穴という穴に突っこむぞ。
 とりあえず、神経の位置は人間とちがうかもしれないので、あまり期待しない。
 ピクルの首に視神経なんて通っているハズありません。常識で考えよう。

追記 (09/2/25)
 ジャック・ハンマー完全敗北だ。
 ピクルの耳をかみ切るのが精一杯でした。
 どん底時代のマイク・タイソンぐらいの活躍だよ。(試合中に相手の耳を噛み切ってで失格になった)

 ピクルがあまりに強すぎる。
 刃牙とまともな勝負になるんだろうか?
 パワーバランスが狂いすぎて、今後の展開がどうなることやら。

 だが、まって欲しい。
 ジャック・ハンマーはたしかに範馬一族だ。
 しかし、鬼の背中をもっていない。
「フフフ……、ジャックは われら範馬一族の中でも最弱……」
「ティラノサウルスを常食にする原始人ごときに負けるとは範馬の面汚しよ」
 なんて、展開があるかもしれない

 次は範馬一族でもっとも愚地克巳に似ている範海王かッ!?
 郭海皇の実力をはかるため、わざと負けた、範馬一族でもっともムエタイなサムワン範馬かッ!?
 範馬一族でもっとも童貞な範馬良一(メイキャッパー1巻 9話より)かッ!?
 ついに範馬四天王が動きだす。

 いっぽう、われらが主人公・範馬刃牙は?
「このオレに生き別れた弟がいるような気がしてきたが、ついに登場したぜ!」
 新キャラで、刃牙の弟が登場だ。
 これで、さらに十年戦える。

 勇次郎や刃牙がもつ『鬼の背中』は、異常だと中国四千年が認めている。(バキ27巻 236話
 刃牙にあって ジャックに無いのが背中の鬼だ。
 幻獣クラスの異常生物ピクルと戦うには、幻獣クラスの異常筋肉しかないのかもしれない。

 やっぱ、ピクルが「オレは実は耳を刺されただけで死ぬぞオオ!」とか言い出さないとダメかな。
 いや、ピクルはしゃべらない。
   (参考:ソードマスターヤマトのガイドライン
by とら


2009年2月26日(13号)
第3部 第150話 人の一刺し (806回)

 治療だったらこの人を外せない!! スーパードクターK 鎬紅葉だ!!!
 もみじじゃないよ、くれはだよ。
 ジャックの治療に鎬紅葉がかけつけてくれた。
 バキ外伝疵面(スカーフェイス)でも、手遅れと自分で診断した花山を見事に復活させている。(疵面4巻 28撃
 これでジャックも一安心だ。

 紅葉は最大トーナメントでマックシングになったジャックを止めようとして、逆に大ケガをした。(G刃牙42巻 365話)
 だが、ジャックに頼まれ骨延長手術をおこなった。(バキ14巻 116話
 人の骨より、バキバキになった自分の指を治療するほうが先だろ、と当時思いました。
 紅葉とジャックには不思議な縁がある。そして、紅葉が意外とお人よし。

 でも、油断していると『ドーピングによる能力向上とその弊害』なんて論文の対象にされそうだ。
 睡眠を研究しているイスラエルの医師は軍から「眠らない兵士ってできる?」と聞かれたりする。(『20章でさぐる睡眠の不思議感想
 科学者や医者は油断ならない。
 書類にサインをするときは気をつけろ。

「頚椎に強いストレスがありますが」
「神経に問題はありません」
「ま……」
「鍛えた肉体(からだ)ですから」


 突然メガネっ子になった紅葉は、治療だいたいOKと頼もしい返事をする。
 ……アゴの骨が粉になっていたんですけど。アゴにはノーコメントなのか?
 まあ、鍛えた肉体といわれたら、バキ世界的に万事OKという感じはする。
 鍛えてあるんじゃしょうがないな。スゴいね、人体 ♥(はぁと)

 ジャックの両手は包帯に巻かれていた。
 どうやら前回やった『地上最強のファックユー』で痛めてしまったようだ。
 ピクルと戦って受けた傷が、アゴと首と指だけとは、おそろしく頑丈だな。
 さすが範馬一族の末裔である。

 徳川光成は、失神したままジャックが攻撃したコトを紅葉に説明した。
 ジャックの執念について熱く語りたかったのだろうか。
 紅葉はさほど驚かない。
 そして、語りだす。

「ペイン博士ならご存知じゃないでしょうか」

「人間(ヒト)は意識がなくとも…」「否…」
「更に言うなら――――」
「たとえ絶命したと思えても――――」
「行動できる」

 実話です。
 昔、戦争があり兵士がとらわれ捕虜となった。
 甲冑姿をみるかぎり、鉄砲もない時代らしい。とうぜんジュネーヴ条約もないので、即刻処刑だ。
 だが、捕虜側の隊長は斬首された自分の首を抱えて走るので部下の命を助けて欲しいと言いだす。
 そして、見事に走りぬけた。
 実話です。
 大事なことなので、紅葉は最初と最後で二回もいう。

 ペイン博士なら知っている発言は過大評価だ。
 ノーベル化学賞戦士だけに生物には くわしくなかろう。(12巻 92話
 だが、これでペイン博士が知らないことを知っている鎬紅葉という図式が成りたつ。
 ペイン博士を踏み台にしやがった。――――ッッ、策士!

 首を斬られても動くという話は、前回書いた『怪談』(AA)の『かけひき』に通じるものがある。
 検索したけど、見つかったのは2chでの発言だけで、オリジナル情報が見つからない。(参考
 「最近の若者は」という文句は昔からある。というネタもオリジナル情報がわからず、元ネタがエジプトだアッシリアだと錯綜している。(参考
 この手の原典がよくわからないネタは、態度を保留にするしかない。
 まさか、LOGIC&MATRIXさんバカミステリレビュー(2のほう)が元ネタじゃないよな。

 脳なんてかざりです。筋肉さえあればいい。
 そんな人たちだから、肉だけでも動くかもしれない。
 シグルイでも、牛股師範が大暴れしていたし。筋肉とて人を恨むのだ。(シグルイ10巻 51景
 うん、なんとなく動くような気がしてきた。

「ジャック・ハンマーなら やるでしょう」

 紅葉が太鼓判を押した。
 倒されてなお、どう闘うかまで考えていたであろうジャックなら、細胞にまでプランが刻まれていたッ!
 なんか、ジャックを誉めれば誉めるほど刃牙の立場がなくなっていく。
 ジャックが気絶しても戦いつづけるなら、刃牙は気絶してもSAGAをつづけるぞ。
 カマキリのオスは頭を喰われても交尾をつづけるんだ!

 シグルイの牛股師範は脳を斬られても、怨敵・伊良子清玄を追った。
 気絶しても戦いつづける男・ジャックは病院をぬけだす。
 向かう先は、ふたたび地下闘技場だ。
 明日ではない、今日! 今すぐにッ!
 刹那的の生を灼熱させるジャック・ハンマーは、ひろった命をふたたび賭ける。
 ピクル、これから第二ラウンドだッ!

(途中で抜けてすまなかったッッ)
(続きを!!!)


 立ちあがろうとするピクルに全力で蹴りつける。
 これが、ジャック・ハンマー 明日見ぬ男!
 次ページの里中&サチ子 結婚記念カラーを踏みつけるようにジャックが爆発だ。

『◆激闘必死の第2ラウンド緊急開戦ッッ!!
  更なる決着を求めて…本当の闘争(たたか)いはこれから!!
  先生、打ち合わせと違うじゃないですかァァ〜!!!(担当)』


 紙面の外まで破壊するような暴挙ッ!
 禁じ手であるプレイヤーへの直接攻撃……、というより審判への直接攻撃だ。
 もはや、ジャック vs. ピクルがどこへ向かって、だれと戦うのかすらよめなくなった。

『ジャックvsピクルの激闘を見せつけられた刃牙は……!?』
 と、次号予告まで、なんかズレてる。
 明日見ぬ男ジャック・ハンマーは、担当の明日まで見えなくしてしまった。
 混迷の次回へつづく。


 ジャックは喰われるまで、ヤルのかもしれない。
 MSKさんも認めるとおり、予想だけは確実に裏切っている。
 刃牙の展開予想が当たるぐらいなら、今のご時世でも株やって儲かるよ。
 そりゃ日本の作品がアカデミー賞に二本はいるワケだ。
 いや、どんなワケだよ。

 アゴの骨が粉砕されたので、ボディーランゲージで意思をつたえるジャックだった。
 「だめ」が「らめ〜〜」と発音されるほどのダメージだから仕方あるまい。
 素直に頭をさげています。最近の刃牙には できない謙虚さだ。
 グラップラーたちは筋肉による意思の疎通をしていると言う仮説がますます有力になってきた。

 肉コミュニケーション仮説では、筋圧縮現象のため会話よりも多くの情報がつたわるとされる。
 たとえば、1バックドロップ中に17ページ分の情報をつたえた例が確認されている。(餓狼伝14巻 114話
 一瞬の間に膨大な解説をおこなう秘密がこれだ。本部以蔵もビックリ。

 戦うのはイイんですが、ジャックに勝ち目はない。
 もう、噛みつけないし、ダメージも大きい。
 今ならセルジオ・シルバにアゴ蹴られただけでダウンする。
 それとも、病院から こっそり麻酔を持ちだしているのか?

 ジャックに逆転の秘策があるんだろうか?
 食事をする瞬間のスキを狙ったトラップだったからこそ有効な『地上最強のファックユー』だった。
 「当たったら」「当たれば」などのタラレバは、武の世界ではむなしい仮定にすぎない。
 必要なのは、当たった結果だ。
 ジャックは、いかにして当て、いかにして倒すつもりなのだろう。

 目や耳・鼻などを狙った攻撃はどうだろうか?
 さすがにピクルも油断しないで、キケンな攻撃は防御するだろう。
 高速移動をされては、体に当てるだけでもむずかしい。
 マトが小さい穴狙いは成功率が低そうだ。

 今度気絶してもネタバレしているから、ピクルは対応してくるだろう。
 砂を投げつけるとかで、攻撃を不発させてから喰らいつく。
 本当に寝ているかどうかを試すため、そのへんにいた刃牙をつかまえて、刃牙の尻をジャックの顔にくっつける作戦にでるかも。
 ジャックが反応して、ファックユーしたら 肛門に脇道ができて三叉肛門になってしまう。

 今回、紅葉がからんだことで、鎬昂昇にもピクル情報が伝わったかもしれない。
 鎬昂昇といえば指技だ。ジャックに負けない指攻撃が期待される。
 「刃牙を差し置いて戦うシリーズ」の次なる刺客は鎬昂昇か?
 また、担当の悲鳴があがりそう。

 刃牙はどこまで出遅れるのだろうか?
 前回ラストから今回までの間にナニか成果があればいいのだが。
 家に帰って、さっそくリアルシャドーしているかもしれない。
 また、明日に先送りなのだろうか?

 刃牙につきあわされて、烈も帰ったのだろうか。
 ジャック兄さんは貴重な1日24時間を有効につかおうと必死なのに。
 刃牙はアカデミー賞クラスの「おくれびと」だ。


追記 (09/3/4)
 ジャック・ハンマー予想外の第二ラウンドだ!
 すでに書きましたが、ジャックが勝てるとは思えない。
 マックシングは通用せず、歯もボロボロだ。
 どんな秘策があるというのか。

 そう書いたら、掲示板でヤン元帥さんに「普通に鬼の貌じゃないでしょうか?」と指摘された。
 あっ、…………いや、ジャックに鬼の背中が出る展開はちゃんと考えてましたよ。
 負け惜しみじゃないけど、話の流れ的なもので。
 149話の追記でも、ネタにしてるし。

 すいません、負け惜しみです。
 ジャックの切り札に、背中の鬼があることを失念しておりました。

 ここでジャックが背中の鬼を出しちゃうと、刃牙の立場がさらに無くなる。
 だが、ピクル > 範馬一族の切り札「背中の鬼」という図式を作ることができるだろう。
 それは、範馬の第二形態、背中の鬼を上回るパワーアップ表現につながるかもしれない。
 胸にも鬼とか、尻にも鬼とか、股間が天狗とか、とにかくそんな感じで。
 刃牙や勇次郎を敗北に汚すことなく、パワーアップの必要性と時間を与えることができるのは優位点だ。


 前回の疵面(スカーフェイス)なんですが、花山が背景キャラとなっていた。
 刃牙だったら、いつものことなので あまり気にならないのですが(それもどうかと思う)、花山が棒のように突っ立っていると悲しいものがある。

 花山薫といえば胆力ある無口な男だ。
 驚かないし、解説もしない。
 わきで立つには不向きな存在だ。
 次回はちゃんと活躍の場があるといいな。


 あと、たびたび掲示板で教えていただいていた情報があったのですが、乗せ忘れていたネタがあります。
 モーニングで連載中の『エンゼルバンク ドラゴン桜外伝』(AA)がヤバい。

 背景のモブ(群集)シーンで、餓狼伝や刃牙のキャラクターが登場しているのだ。
 1/22のモーニング8号には藤巻十三、堤城平が。
 2/19のモーニング12号にはピクル、愚地独歩、本部以蔵が。
 2/26のモーニング13号には松尾象山、グレート巽、神山徹、片岡輝夫がッ!

 餓狼伝→範馬刃牙→餓狼伝 と交互に登場して、オマケに人数が増えている。
 そうなると、次は刃牙キャラが5人登場するのかッ!?
 今後も、『エンゼルバンク』(の背景)から目が離せないッッッ!
 睦月さん、ショウさん、カラテオドリさん、ROMさん、情報ありがとうございました。


・おまけ
ジャイアント ロボ THE ANIMATION 地球が静止する日 CUSTOM COMPOSITE BOX [DVD]ジャイアントロボ DVD-BOX
 伝説の名作、OVAジャイアントロボがDVD-BOXで再販だ。
 最初に出たDVD-BOXをもっているから無理に買う必要はないんだけど、これにはコメンタリーがついているんだよな。
 BDになるまで待つべきか……


by とら


←第三部 131話〜140話  ↑最新↑  151話〜160話→
餓狼伝 疵面 シグルイ(アニメ版) Gロボ バックナンバー  日記 掲示板 リンク1 リンク2 TOP
和書
コミック

 チャンピオン 
ジャンプ
マガジン
サンデー
RED
 板垣恵介 
夢枕獏
山口貴由

DVD
アニメ
CD
 ゲーム 
DS
PSP
Wii
PS3
360
PS2
PCゲーム
 PCギャルゲー 
フィギュア
パソコン
テレビ
メディア
家電
サプリメント
板垣恵介の激闘達人烈伝 板垣恵介の格闘士烈伝
駿河城御前試合 獅子の門 雲竜編 (カッパ・ノベルス)