今週のチャンピオン(と言うかバキ)
2000年12月14日(3号)
第2部 第61話 神心会(441回)
頭蓋骨骨折 及び 脳挫傷
鼻骨骨折
第7歯から第4歯欠損
第1歯及び第2歯欠損
頚椎捻挫
左鎖骨不完全骨折…
と、のっけから被害状況の報告が始まります。
神心会のメンバーを集め克巳が淡々と加藤の怪我を読み上げていく。3ページ分に渡って怪我を読み上げ、なお「これで…… やっと半分ってところだよ…」と克巳。それを悲痛な顔で聞く神心会のメンバー達。中には久しぶりに姿を見せた末堂もいる。
「もう ワカったろう
滅茶苦茶にヤラれたンだよ メチャクチャに」
と、怒りもあらわにカルテを床に投げつける。
ああ、で、カルテの最後には、頚動脈断絶、出血多量、死亡…とあるんだろうな…。と思っていると。
「現在 加藤清澄氏は絶望的な状況下を懸命に死と戦っている」
って、ええっ、生きとったんかいッ、加藤ォ―――!(「かとぉー」と読んでください)
いや、良かった。生きていてくれただけで良かった。生きてさえいれば、とりあえずOK。なんとかなります。
そして、克巳のなそうとしている事は…、
「今 我々のなすべきこと―――
それは集中治療室の前で氏の安否を気遣う事か?
俺たちは――
教育集団でもなければ宗教団体でもない
俺たちゃよォ……
武道団体だッッッッ
戦う団体なんだぜェッッ」
と、言う訳で神心会100万人がドリアンに対し宣戦布告!!
神心会の皆さんもやる気満々だッッ!
刃牙が優勝したときにフクロにしようとした門下生をいさめた独歩も今回は黙っている。マスコミの目が無ければ、OKなのか?(^^;
それと、非力な加藤を一人ほったからしにして、無謀な戦いを挑まさせた克巳や独歩にも責任はあるような気が…。まあ、復讐に正論や理屈はいらないんですけどね。
場面は変わってレストランで食事を取る紳士が。カツラかぶってヒゲをそって眼鏡をかけていますが、どう見てもドリアンさんです。
「いかがでございましたか……………」とウエイターが変装ドリアンへ声をかける。
「存分に堪能なさるのが よろしゅうございますよドリアンさま……」
「加藤清澄はわたくしの後輩………」「随分とシゴいたものでございます」「あなたはカラテ道 神心会スタイル 全国100万人を敵にまわしたのです」
「変装は無駄に終わるでしょう」
と、言うより無駄なのは変装なのでは? そんなマッチョでデカい外人なんて日本国内にはごく少数しかいませんって。
店を出ればゴツい男の集団に囲まれ、タクシーに乗れば運転手まで神心会会員。さすがのドリアンも大ショックだ!
神心会メンバーの中でまともにドリアンと戦えるのは独歩と克巳、そして客分の烈ぐらいだろうが、こうやって日常からプレッシャーをかけ続けドリアンを消耗させようとする作戦だろうか?
もう、容赦ありませんね、コイツら。
ところで、独歩って自分で破門したんじゃなかったのか??
克巳がヒゲをそったと思えば、独歩がまたヒゲを伸ばしている。今回、独歩は台詞無し。何を考え何をするのか気になるところです。
で、神心会はほぼ完全に克巳がしきっているようです。前回の「あの男がついに動く!!」とは克巳の事だったようです。ちょっと考えていたのとは違っていますが…。
せっかく神心会のメンバーがいっぱい出てきたので、加藤に指の間を切り裂かれた指導員・木や刃牙に敗れたらしい男・大和田とかの登場も期待していたのですが出てきませんでしたね(^^;
さて、次回もこのままドリアン編が続くのか?
一時中断して、主人公の登場になりそうな気がするのですが…。どうでしょう。
ところで、刃牙だけでなく月刊チャンピオンの「花右京メイド隊」もアニメ化するらしいですね。小●生をレイプしまくる話ばかり描いていたあの作者もこれで、晴れて日の下へ…?
このところの動きを見ると、秋田書店はなんかメディアミックスに気合を入れているみたいですね。
2000年12月21日(4+5号)
第2部 第62話 門下100万人(442回)
先週に続いて、表紙でオールヌードだグラップラー刃牙ッ!
そして発売されたばかりのバキ6巻では作者・板垣恵介がオールヌードッ!一物の形が微妙に見える気がするんですけど…。ぎゃふん。
先週はあのまま終わるのではないかと思っていましたが、どっこい続いています。
ドリアンと車内と言う密室に二人っきりで挑発をするタクシー運転手(神心会所属)。先週はビックリしていたドリアンさんも己を取り戻し、必殺の繊維を手にするッッ。それも、素手でつかんで。指、落ちますよ、そんな事をすると(≧_≦´
が、運転手も負けていない「わたしも………」「わたしたちの周りも……」「全てが……」
神心会門下です
と、タクシーに平走する大量の車がッ!
「ごらんになれますかミスター・ドリアン」「乗用車・トラック・大型・小型 ―――」
「果てはパトカーや―――」「消防車―――」「救急車までも」
「そのどれもが神心会門下生たちです」
「ある者は勤務中に」「ある者は休暇を利用し……………」「それぞれが同一の目的でここに集まっている」
あなたへの復讐のためです
雄々ッ、まるで猪狩vs斗羽の戦いを見るために集まったプロレスファンのようだッ!
と、言うか、まさに愛する者の死にも匹敵する強力さで瞬く間に燃え広がっています。死んで無いけど。
いや〜〜〜〜〜、加藤って愛されていたんですね。
ドリアンよ、一人一発でも100万回のタコ殴りは、もはや必死なのかッッ!
が、敢えて暴れなずおとなしく車に揺られるドリアンには何か考えがあるのか? それとも運転中の人を殺したらどう考えても交通事故になって、その方がヤバイと気がついたのか?
「どこへ向かっているのかな……」
「今しばらくのしんぼうです………………」
と交通渋滞を起こしかねない車の数々と共に、たどり着いた目的地はッ!
遊園地!!?
◆すべてはここから!!
世紀の大復讐劇の幕が
今、上がる!!
……って、ホントに勝てるんでしょうか?(^^;
神心会のトップの姿が見えないんですけど…?
次週きぐるみで登場か? さて、愚地独歩館長はどのきぐるみに入っているでしょう? まずは、ダンスを踊ってもらいます! って、お笑い番組じゃないんだから…。ちなみにそう言う展開になったらクマのきぐるみに入っているのは最近出番が全然無い餓狼伝の主人公・丹波文七に違いない。
セコイ予想だと烈が出てくるのではないでしょうか。だって、コミックスの「地下闘技場闘士5人、丸秘ファイル」に未登場なのって刃牙と烈なんですよ。
と、言う訳で次回は烈が竜のきぐるみに入って登場。きぐるみを脱ぐと「もわァ〜〜〜」と臭気が漂い、神心会門下、戦わずにして半数が沈黙。
2001年1月4日(6+7号)
第2部 第63話 誠意(443回)
ここは………遊園地!?
と言う驚愕の展開から年も明け21世紀最初の「バキ」はドリアン驚愕からスタートだ!
「この遊園地の経営者は神心会の関係者だ…」ってやっぱり身内の施設でしたか。さぞかし、エ・ゲ・ツ・ねェ罠とかが仕掛けてあるんでしょうね(^^;
「なにがあると言うのかね…………この園内(なか)に……」
「さァ……」「我々が命ぜられたのはここまで………」「あなたをここへ連行しろと…………」とシコルを拉致したときの猪狩たちのようになんか段取りが悪そうだ。猪狩に続いてこのまま拉致失敗か?
「君たちは…………」「カン違いをしている」
と、ドリアン、この状況下で大胆な発言だ。
「おそらくこの園内(なか)で誰かがわたしを待っているハズだ」
「わたしがイチバン会いたがっている誰か……………」
「すなわちこの遊園地こそわたしが来たかった場所……………」
何と言うへらず口だろうかッッ!
前回「目的地――― 新宿へは辿りつけそうもないな」と言って事なんかすっかり忘れているみたいです。と言うより「ほんとは ちがうけどカーズが くやしがるなら こういってやるぜ ケッ!(by ジョセフ・ジョースター)」と言う気分なんでしょうか。
ともかくレストランの1件からずっと根に持っていたのでしょう、ドリアンさん神心会門下たちを挑発しまくりです。
「クミテだよ」「わたしとヤリたかったンだろう」
と、挑発しておいて「何百人集まろうが」「君たちは一対一でしかわたしと闘えぬ」と神心会の空手競技者たちを
舐めまくり。一対一ではタクシー運ちゃんでは勝てません。1回分長生きしたもののあえなく撃沈。まさに「格(ランク)が……」「違う!!!」
しかし、神心会の人達よ、加藤の身内ならば遠慮無く襲いかかってやれよ(^^; その方がより神心会的だぞ(何を基準にしているのかは分かりませんが)。
そして、神心会門下にうさ晴らしをしてスッキリしたドリアンさんは単独で遊園地へ乗り込むッッ!
そこに待つは、独歩か、克巳か、はたまた烈かッ!?
そして、末堂に出番はあるのか!?
このパターンだと、なんかドリアンが主役みたいだぞ。と言うより20世紀最後と21世紀最初を飾る「バキ」に主人公はおろかメインキャラすら出てないのだが、それでいいのか?(^^;
などと考えつつも次回へつづく!!
2001年1月18日(8号)
第2部 第64話 ッしゃアァッ(444回)
鬼が出るか、蛇が出るか。何が潜むか遊園地。無人の遊園地を一人歩くドリアン。
と、そこへピエロ登場ッッ!!
メリーゴーランドを背景に対峙する怪物と道化師。もはや、常人の理解の外にいるような構図です。
ピエロの合図と共に静まり返っていた遊園地に電気が、灯りが、文字通りドリアン一人のためにショーアップ! 遊園地の電気代って馬鹿にならないでしょうに、加藤の復讐のために手間暇を惜しみません。
「初めてお目にかかりますドリアンさん」
「この遊園地の支配人――― 芦田と申します」
なんと、経営者自らコスプレしてお出迎えだァッ!
二人でおててつないで歩きます。「遊園地はお好きですかね」「今日は楽しませてもらうつもりだ」
そして―――
本気で楽しんでいるッッ!!
メリーゴーランドでコーヒーカップでまるで子供に戻ったように、いや今どきのスレた子供なんかよりもはるかに純粋に楽しんでいるッッ!!
これには全国の読者の99%がツッコミを入れた事でしょう。いや、実際に入れられている。入れてない人がいたとしたらショックのあまり「カシャッ」となって「あれ……」とか神心会のメンバーでしょう。
と、そこに末堂厚(神心会館・三段)電撃参戦!!コーヒーカップごとドリアンを蹴り飛ばす!
が、恐るべきドリアンの身体能力、柵をつかみ見事に足から着地する。
「加藤清澄とは同期の桜―――」「共に砂を噛んだ間柄だ――――――」
と、言う気持ちはわかるが、末堂よ君と加藤ではどっちが強いのだ? とりあえず加藤はメタメタに負けたのだぞ。とてもじゃ無いが勝てるとは思えない。と、思っていると…
「今日は死んだっていい」
とうとう、そこまでの覚悟を決めているのか、末堂。もはや確信犯ですか? タチ悪いです。孫娘を困らせるタメだけにへんてこな生物を作る「しゅーまっは」のおじいちゃんと同じぐらいタチが悪いです。
久しぶりに見るおどろおどろしい吹き出しを見せて、後退のネジを外した超本気モードに入っています。
それにしてもメリーゴーランドの前で二人っきり。なんてロマンティックなんだろう…。
「この国に来て初めて――――― サイズ的にはわたしと見合うな」
猛る末堂を前に余裕のドリアン。205cm末堂厚。データーの出ているキャラクターの中ではNo.3のサイズです。巨漢・末堂、命を燃やし最後の戦いかッ!?
「ッしゃアアァァッ」
末堂の咆哮はドリアンへ届くのか!? 次回へつづく。
神心会一番手は末堂でしたが、加藤の時と同じく勝てるとは思えません。彼はドリアンの手口を調べるための捨石なのでしょうか? 神心会的思想に目覚めた克巳なんかがこの非情な策略を考えたような気もするのですが…。
末堂が致命的なダメージを受けないうちに助けに入って欲しいものです。
今回はアニメ情報も載っています。「驚異的な視聴率で始まった”バキ”アニメ!!」とありますが、悪い意味で驚異的と言う事は無いでしょうね(-_-;
今までの2話についての感想は、なんとか合格点と言う感じなんですが、3話からは格闘漫画史上に残る猿との本気のバトルの開始です。もう、視聴者がついて来れるか来れないかのブチ切れた話にしていただきたいです。
2001年1月25日(9号)
第2部 第65話 こんなもんかよ(445回)
誰もが勝てないと思っていたでしょう。加藤の時もそうでした。でも、何かやってくれそうな予感が……予感はあんまり無いのですが、そんな複雑な思いを受けつつ末堂厚、出陣すッ!
ですが、サブタイトルを見てどんな話か8割方読めてしまう!(爆) ほどほどにダマされてくれよ、末堂…。
「ッしゃァラッ」と野生動物を相手にするような、一発放ったあとは反撃の備えもクソもないイッパァアアツ!
その一撃にさすがのドリアンも驚愕し、靴底はすべり煙を立てる。が、受けきり止めたその隙を逃さないッッ!
「フンッッ」
でたッ、正中線三連突き・中国拳法バージョンッッ!
が、倒れない、踏ん張る、頑張る末堂。
「オイ」
「こんなもんかよ」
「うわさの死刑囚ってのは―――」
「こんなもんかよッッ」
猛り放った末堂のローキックに顔を歪めて逃げ出すドリアン。一瞬あっけにとられるが、末堂は猛然と追いかける。
「逃がすかバカッッ」
いや、バカはおまえだッ! 騙されているんだって。相手はあのペテン師・ドリアンですよ。いくら用心しても足りないぐらいですよ。
克巳や独歩からこいつの危険性について話を聞いていないのか?
必死なふり(?)をして逃げるドリアン、追う末堂。
ああ、なんてロマンティックな二人なんだろう?(by 殺し屋−イチ−)
先々週の殺し屋イチは真性マゾの垣原組長が、イチに追われる絶望感を心底楽しんでいたようですが、こっちの追われる人も追われる事の絶望感を楽しんでいるのでしょうか?
そして、ドリアンの逃げた先はジェットコースター乗り場だった。
発進するコースターに思わず乗りこんでしまう末堂。
「言っただろ……………」「逃がさねェって」
が、背を向けたまま黙るドリアン、その沈黙が不気味です。
「末堂くん」
「今日は死んでもいい
そう言ったな」
「見せてもらうよ」
「君の覚悟」
◆ドリアンに導かれついた決戦場は―――
ジェットコースター!!
次号は空中大バトル!!
と、ますます格闘技の範疇から離れていく展開ですが、闘いの場を設定した神心会側が地の利において翻弄されているという、この矛盾! やはりペテン師ドリアンの知力は底が知れません。
今度の闘いは肉体的な能力だけではなく、知力も必要なようです。人間はどんなに速く走れたってオートバイにはかなわないんです、この世の中は全て筋肉の力ではなく、脳の力で動いてンだよ。と、言う訳です。ドリアンさんならインシツ教師を拳を使うことなく舌先三寸で黙らせることができそうです。
しかし、神心会側にも何らかの用意があるでしょう。あのジェットコースターも末堂が合図をすると急停止するとか…、いや、しないでしょうけど芦田さんが何やら罠を仕掛けている事を祈ります。でないと、末堂は加藤の二の舞ですよ。全然教訓を生かしていない(--;
そして、克巳・烈・独歩の神心会所属の三勇士がどこに潜んでいるのかも気になります。
と言うよりちゃんと会場入りしているんでしょうね?
末堂はみんなが来るまでの時間稼ぎではないでしょうね??
次週の空中大決戦、果たして地に落ちるのはドリアンか末堂か!?
って、また「殺し屋−イチ−」とシンクロニシティーですか?
2001年2月1日(10号)
第2部 第66話 空中決戦(446回)
空中決戦です。末堂はともかく、あのドリアンであれば空も飛びそうな気さえします。私も、ドリアンにダマされているのか??
「今日は死んだっていい」―――
そう言いきった君の覚悟が
ここで証明される
そこは危険な高所・高速のアトラクション、ジェットコースター…。普通に乗っているだけでも恐ろしい、絶叫マシーンのベスト・オブ・ベストッ!
今まで激怒していた末堂も冷や汗をかいて緊張している。これは末堂のキケン度が高まっているぞ! デンジャラス(な状態にある)ライオン・加藤の二の舞かッ?
一方、余裕のドリアン。優しげな微笑さえ浮かべています。
「スエドウ君」「君がお友達のカトー君のために決めた覚悟―――」「理解(ワカ)らぬワケではないが」「この現実はどうかね」
そう言われ思わず「チラ…」と下を見てしまいます。
「……………………ッッ」「ゴクリ………」(注:聖水を飲んだ音ではありません)
ああ、もう。下を見るから恐いのに…。と思いますが見ずにはいられないんでしょう。かさぶたを剥がしたくなるのや、虫歯の穴をほじってしまいたくなる事と同列でしょうか。
「落ちたら助からぬというこの現実は」
「あまりに原始!」
「あまりに本能的(リアル)!」
ドリアンさんメチャメチャ嬉しそうにジェットコースターの危険性を説明しています。
あー、もう、この人超サディストですよ。
つうか、支配人の芦田さんジェットコースターを止めてやれッ!
この状況下で何を思うのか末堂厚。生死の淵に立っている友の事か? 敬愛する師匠とその左手の事か?
高さと言うリアルな恐怖に直面しながら、
「おッしゃアアァッツ」吠える末堂。
気合だ、末堂!
闘え、末堂!
が、やっぱり高いやっぱり恐い。ジェットコースターから見る風景はどうしようもなくリアルに迫ります。
ちなみにお城が見えたりする事から、この遊園地はディズニーランドをモデルにしているような気がします。
末堂が恐怖に凍るその瞬間をドリアンが見逃すはずも無かった。いつのまにか背後に回りこみ、一気にチョーク、裸締めッ!
花山はスペックのチョークを握撃で返すことができましたが、末堂に返すアテはあるのかッ!?
が、ジェットコースターの動きの方が恐くてそれどころではないらしい。
激しく動くジェットコースター。ふわりと浮き上がる足元。
幸いにも吹き飛ばされず、それどころか着地の衝撃でドリアンのチョークが解ける。おぉ、まだ末堂には運が残っているッ!
が、安心するのはまだ早い。ジェットコースターの最高峰、空中一回転が迫る。
「そろそろクライマックスかな………………」
落ちるという危機に関しては末堂よりもはるかに危険度が高かったにもかかわらず、この状況を楽しんでいるドリアン。彼にとってはジェットコースターの立ち乗りもメリーゴーランドやコーヒーカップと同じなのかッッ!
改めてドリアンの胆力の凄まじさに驚嘆しつつ。天地逆さまで驚愕の表情を浮かべる末堂の表情で今週はおしまい。
はたして末堂は何を見て驚いているのか?
次週、彼は生きていられるのか?
芦田さんは何をやっているのか?
全ては、次号に…
それにしても、ドリアンは性格が悪いですね。彼は敵を肉体的に破壊するだけではなく、精神的にも屈服させないと気がすまないようです。
武道団体のトップが門下生の前で敗北すると言うことは、その組織が崩壊する事につながる。弱い人間に師事して強くなれると考える人間がいるだろうか? 組織の長は負けてはならない。強くなくてもいいから、強いと言う幻想だけでも見せていなくてはならない。だが、克巳は門下生の前で血の噴水を上げさせられている。
真正面からぶつかろうとした烈は、かわされ闘う事すらできなかった。彼の憤りからもドリアンの行為が精神的苦痛を生んでいる事が良く分かる。今回のようにドリアンは神心会の人間に囲まれていても実は恐れていないように感じる。その後も白格闘家5人の集まりに単身で乗込んでいる事からも、ドリアンは1対多数を恐れていない。烈との闘いで引いたのは「賢い」判断からではなく、そうする事が烈を怒らせて精神的苦痛を与えられるから引いた、と言う計算があったのかもしれない。
独歩に対しては容赦の無い攻撃をしかけ、その腕を落とし、加藤には勝利の幻想を見せる事でより深く敗北を味あわせている。
そして、末堂は心を折られている。
もし、仮に、末堂に「死んでもいい」覚悟があったのなら、ドリアンが裸締めをかけてきた時に、そのまま外へ飛び出し、共に地に落ちれば良かったのだ。
もちろん、それはヤケクソな行為で空手もクソも無いものだが、この方法ならドリアンを道連れにできる可能性が高い。
だが、現実の末堂はジェットコースターから落ちないようにする事で精一杯だった。
この時点で、末堂の「死んだっていい」覚悟は折れている。
ドリアンの裸締めがあっさり外れたのは、末堂が心中を企んだ時に脱出しやすいように本気で締めていなかったのかもしれない。ドリアンは裸締めが外れた後に見事な着地をしている。さらに彼には張力200キログラムのアラミド繊維がある。
末堂が相打ち狙いでそのまま飛び出したら素早く裸締めを解き、末堂は地面に激突するが、ドリアンは繊維を利用し助かるつもりでいたのではないだろうか。
ところで今週のゲーム特集は「UFC」。そして、板垣先生がアルティメットファイターに対しての解説を書いています。こっちも要チェック!
店頭デモを見た事があるんですけど、このゲームはできがいいんですよ。あんまり言いたくは無いんですけど、刃牙もカプコンが作ってくれたのなら…
あ、いや、なんでも無いっス。
オマケ情報。
アニメ刃牙のオープニング・エンディングの発売日が決定!
2月28日に発売!
初回特典は『グラップラー刃牙 特性リアルフィギア』!!
歌を歌っている、青柳涼子さんが泣いても知りませんよ(^^;
ちなみに、マキシシングルでオープニングとエンディングは別々に売っています。そんな、スタイルだけ大手の真似しないでも…(--;
いや、まあ当然買うんですけど、1枚にまとめて欲しいですね。
皆さんも買うときは「君は俺が宇多田ヒカル以外で買った…初めてのマキシシングルだ」とウソでもいいから言って喜ばせましょう(笑)
私はマキシシングルの童貞を捨てて買います。
2001年2月8日(11号)
第2部 第67話 バランス(447回)
天地がひっくり返るジェットコースター空中一回転。こんな状況でどう戦うのだ、末堂よッ。
「クライマックスだ……………」
「フフフ闘うどころか――― 立っているのがせいいっぱいって表情(かお)だな」
おのれの優位性を十分に堪能し、ドリアンさん余裕の表情です。
「有利だ……!!!」
はいっ?
「思い上がりじゃねェ………………………」
「俺が………ッッ」「有利だ!!!」
え……と、頭を打ちましたか末堂さん?
それとも、ドリアンに催眠術をかけられているのか!?
「開始(はじ)めるぜェ〜〜〜〜」
今までの紳士的な言葉遣いも止め、調子ノリまくりのドリアンが容赦の無い拳を振るう。
「ワカっちゃいねェな……」
「これが三戦(サンチン)てんだよ」
苦しい時に思い出すのは、やはり師匠・愚地独歩の教えだった。
末堂がまだ坊主だった頃(5年前、プロレスラーを倒した時は坊主でしたが、それ以前でしょうか?)の話のようです。
「攻撃・防御 両面に優れ……」「なによりもバランスがいい」
「船の上であみだされたもんだからな」
時の琉球では海上での合戦が多く
不安定な船の上での闘争が中心だった―――
多くの犠牲と試行錯誤―――
淘汰の果てに残った立ちかたが
これッッ
「三戦(サンチン)だ」
「電車の中でケンカ売られたら試してみるといいさ」
空手にいたる前の唐手。まさに古流の技術(わざ)です。あらゆる打撃に耐えられるだけではなく、こう言う意味があったとはッッ。
と、ここで私の個人的な回想に入らさせてもらいます。
15年以上も昔…。まだ、地上最強を夢見ていた小学生の空手を習い始めたばかりの頃…
「いいかい、襟を捕まれているのをはらう感じで腕を開いて。つま先は内股に変えていくんだ。そして構えを変えながら、おなかに力を入れて『コォォォォォォォォォ』と息を吐いていって、最後に『呼ッ』と息を吐く」
「押忍っ」
「足は、床をつかむ気持ちで親指に力を入れる」
「押忍っ」
「いいか、この構えが完成したのならッッ、決して倒れる事は無いッッ!」
「〜〜〜〜ッッ」
「以後、電車に乗ったときは、これを試すがいい…。技が完成しているのなら、つり革につかまらなくとも、貴様は決して倒れる事も、よろける事も無いッッ!!」
これかッッ…
あの教えが『三戦』だったのかッッ!
稽古ではわざわざ構えの名前を漢字で教えないし、知りもしなかったのだが、アレが三戦だったのかッ!?
そうとう昔のことなので、記憶に脚色が入っていますが、電車の中…と言われたのは本当だし、夏合宿へ行く時の電車の中で、少年部の連中がほぼ全員コレを試していたのも事実です。なお、功が成っていない少年部の連中は全員失敗したのも、悲しいが、事実です。(回想終わり)
そう、コレだッ!
覚醒した末堂がドリアンのパンチを捌く、止める。
「せいいッッ」
ついに末堂のパンチがヒット! バランスをとれないドリアンに対し、荒れ動くジェットコースターで不動の三戦立ちをとる末堂。
「ナルホドね」「たしかにいいわこれ」
「地上よりむしろ」「このほうが有利だぜ!!!」
雄々ッ! イカしているぞ、末堂。なんかこの瞬間、君は加藤を確実に超えている、気がする。元々、身体能力では加藤の上を行っていた末堂です。空手選手から空手家へ、覚悟を切り替えた末堂は強そうだぞッ!
「………ったね」
が、せっかく末堂を精神的にいたぶり愉悦(たの)しみまくっていたドリアンさんが、本気で怒り出した! メチャメチャ機嫌を損ねていそうですこの人。普段はエセ紳士ぶりを発揮しているだけに本気で怒ったらどうなるか、非常に怖い状況です。
そのドリアン、いきなりタックル!
なんと、末堂を道連れにジェットコースターからダイビングッッ!
繊維を使うにしても鉄柱に届かないような距離まで飛び出す、ドリアン+末堂。
「今日は死んでもいい」
「そう言ったね…………」
しつこいドリアン、またもや覚悟を確認。とことんまで嫌がらせをするつもりのようです。
「バカかてめェ〜〜〜〜ッ」と悲痛なツッコミをしつついっしょに落ちていく末堂でした。
次回、どうなるッッ!?
もはやペテン師と言うよりは奇術師ですドリアンさん。驚異の首吊り脱出、徳川邸大爆発から決死の脱出、これらの脱出劇に続いて、またもや引田天功も真っ青の脱出劇を見せてくれるのでしょうか?
そして、十分過ぎるほど見せ場をもらえてしまった末堂。彼の寿命はこれまでなのか?
加藤も活躍した後で無残な死を迎えましたが(まだ死んでいません)、末堂も大ピンチです。
やはり、ここはサーカス出身で空中ブランコから落ちかけた事もある克巳が、緊急用のネットを張って待ち構えていると言うのはどうでしょうか?
タイミング的に絶対間に合わない気もするんですけど、それぐらいの用意が無いとドリアンはともかく、末堂はリアルな死が待ち構えていそうです。
また、胃の痛む1週間になりそうだ…。
2001年2月15日(12号)
第2部 第68話 空中決戦決着!!(448回)
「バカかてめェェッ」
叫びながらまっ逆さまに落下する末堂とドリアン。路上の電燈よりもはるかに高い高さから垂直落下です。何メートルなんでしょうねコレ…。コースの途中なので一番高い所では無いんでしょうけど、10mぐらいはありそうです。
「〜〜〜〜〜ッッ」口から唾液を飛ばして表情を歪める末堂に対して、微笑すら浮かべているようなドリアン。人間力がどうのこうのと言うより、精神構造が違っていそうです、この人。恐怖と言うものを経験した事があるんでしょうか?
だからこそ、敗北を望んでいるのかもしれません。
自分が真に絶望し、恐怖する事に憧れていると考えられる気がします。自分から進んで負けたのでは、絶望しない。負け無い様に力の限り抗って、力尽きて、敗北した時こそ甘美な敗北となる、のか?
ドリアンはひょっとすると恐怖不感症とでも言うべき、恐怖を感じた事の無い人間なのかもしれませんね。
そんなドリアンに空中落下を付き合わされる末堂は不幸としか言いようがありません。もっとも、彼も「今日は死んだっていい」と言いきった男ですから、こうなる覚悟をしているべきなんでしょうけど。
何の助けも無いまま、地面に激突する二人ッ!
人間死ぬときは2mの高さから落ちても死にますし、落下した地面はどう見てもコンクリートです。
目や鼻から出血し痙攣する末堂に対し、立ち上がったのはやはりドリアン。
「意識はあるかなスエドウくん」
ダメージを感じさせないにこやかな笑顔
だ。やはり、この男は恐怖を感じていないッ。
「わたしの肉体の強さというより……」「わたしの知恵が勝ったようだな……」
「君はダイレクトに地面に激突し……」「わたしは…………」「地上スレスレでブレーキを掛けた……………………」
使うと思われていた繊維をドリアンはやっぱり使っていた。ちょっぴり芸が無いと思ってしまうのは私だけでしょうか(^^;
1ページ目に出てきていた電燈に引っ掻けてブレーキを掛けていたようですが、自慢のアラミド繊維で電燈が輪切りになってブレーキが不発と言う事態になれば面白かったんですけど(笑)
生きている事自体が奇跡に思えた末堂、その肉体の頑強さに感心したのですが、体の痙攣は止まり静かに目を閉じていく…。
うげっ、死ぬのか末堂ッッ!?
そんな、いくら身に余るほどの見せ場があったとは言え死ぬことは無いでしょう!
でも、アレで死なないと嘘だよなとも思えてしまいます。末堂も加藤と同じく生死不明のまま、しばらく放っとかれるんでしょうね(--;
そんな末堂を見下し笑い声を上げるドリアン。板垣先生は「激闘達人烈伝」で「笑ったときに、その人の本性は顔に出る。」と書いています。
そして、このドリアンの笑い顔は怖い。
メリーゴーランドやコーヒーカップで遊んでいたときの笑顔とはあきらかに異質。ドリアンと言う人間の持つ狂気が笑顔に出ています。何人も殺してきた凶悪な殺人犯の顔がそこにあります。すごく、怖い笑顔だ。
そして、この危険人物に迫る男がいた。
「グッドゥ イーブニング ミスター・カツミ」
この状況でも人をおちょくるのをドリアンは止めない。ふざけた態度だ。
「反吐が出る……」
怒っています、新生・克巳。天賦の才に加え非情な覚悟も決めている異質な天才が怒りに燃えているッッ!
「もう生きて帰れねェぜ」
「てめェは この世にいちゃならねェッ」
ついに登場、神心会3大巨頭! 克巳、烈、独歩の揃いぶみだッ!
期待も大きいのですが、全国のファンにもっと早く登場して末堂を助けてやれよ!とツッコまれています。
まあ、当然でしょうね。今まで何をやっていたんだか…。三人とも高所恐怖症ですか?
サーカス出身の克巳は空中ブランコに失敗しかけた日に父親が死んだショックで二度と高い所に行けなくなってしまった、とか?
三人そろって登場している所を見ると、末堂が単独で闘ったのは、彼の暴走だったような気がします。討ち合わせを無視してドリアンに挑んじゃったのではないでしょうか?
もしくは、やっぱり3人が到着する間の時間稼ぎとか。
なんにせよ、この三人がどうドリアンと戦うのか実に興味深いです。組み手ルールで1対1になると油断しているドリアンを三人掛かりでボコるのも良し、いまだに左腕を見せていない独歩の新・神の拳が炸裂するのも良し、こっそり付いている克巳の首のガーゼをはがすと再び出血して血の噴水になるも、良し?
去年の9月7日から続いているドリアン編も次週から、ついに本番なのでしょうか(^^;
2001年2月22日(13号)
第2部 第69話 記憶(448回)
「生きてちゃいけねェ人間なんだよオメェは」
ジャージ姿の克巳が吠える。ジャージの下にシャツを着ていないようで、着心地が悪そうだ。
烈は白い中国風の服を着ている。白は加藤の喪に服しているのか(死んでないけど)。
独歩は背広姿だ。「ガッ ガッ」と地面を蹴っているのは、足場を確かめているのか?
「板垣恵介の激闘達人烈伝」によると空手道拳道会総帥の中村日出夫先生は試し割りの際に足場を固めたりしないそうだ。『実戦のときにそんな暇はないでしょう』と言う事らしい。だが、逆に言うと可能であるのなら、戦いの前に足場を確認し準備を整えておく事も悪いことでは無いと思う。少しでも有利になるのならそうするべきだろう。
それにしても独歩だけがニヤニヤしていて、ドリアンと視線を合わせていないのが不気味だ…。
「烈くん」「君も…」「そう思うかな…」
なぜ、ドリアンは烈に話しかけるのか?
「君もこのわたしが無価値な人間だと………?」
絶対に話しかけてはいけない男・ドリアンの魔性の会話がスタートだッ!
と、言うかその一言で見る見る血管を浮かべ凶相になっていく烈ッ。
「貴様……」
早くも怒り心頭で、今まで秘密のベールにつつまれていた烈の過去があきらかにッッ!?
中国拳法の総本山(?)から回想は始まる…。
巨大な水槽を叩き、中の水をどこまで波立たせる事ができるのか、それが試験内容のようです。
中国拳法最強の漢・劉海王久しぶりに登場だッ!
「十名……」「挑んで………」
「合格者なし…………」「六分(リューブ)に達した者僅か一名………」
不甲斐無き弟子達に怒りを感じているのか、立っただけでこのジイさん全ての者に威圧感を与えています。お弟子さんたちはビビリまくっていますね(^^;
「気の置きどころ…」「二分(アルブ)まで達する者は二分まで………」
「六分(リューブ)と信じられる者には六分まで………………」
この辺は、やはり「板垣恵介の激闘達人烈伝」に登場した内家拳社の蘇東成老師の「ゴールを設定せずに変化し続け、先に進み続けることを求める」と言う姿勢の影響を受けているのではないだろうか。
そして、恐らく己の限界を考えた事のない男・劉海王が(100歳で「やっと半分生きた」だもんな、この人)お手本を見せる。
含
その打撃は、「立ち位置から離れるにつれ」「波が大きくなるッッ」凄まじい一撃だッ!
「破ッ」 呑ッ
そこに乱入したハゲ男が反対側から水槽を叩くッ。
「烈ッ」「幽閉されていたはずッッ」「不義(プイー)ッッ」
なんと、この男は若かりし日の烈だったのか。何ゆえツルツル?
劉の起こした波と烈の起こした波がぶつかりはじけ、水槽を破壊するッッ!
「老師ッッ」
「なぜ私に…………ッッ」
「なぜ私に試験をッッ」
「なぜ私に機会(ジーフィー)をッッ」
烈が憤ったまま次回へ続く。
しかし、「幽閉されていた」って何をやらかしてたんでしょうね、烈は?
回想シーンにはそんなに昔と言う印象は無いんですけど、短期間であの見事なツルツル状態からよくぞまあ今の弁髪が結えたものです。やはり、中国四千年が生み出した奇跡の育毛剤なんでしょうか?
さて、ここで烈が幽閉された経緯を想像してみます。
修行に異常なほどのめり込む烈は、その強さ故に戦う相手が居らず常に苛立ち、ハネッ返りとみなに呼ばれていた。そんなある日…
「劉海王様、烈がッ、烈が大変な事をッッ」
「フォッ、フォッ…。また蛮勇を振るっておるのか…。よい、好きにさせておけ」
「はぁ、それが、そのぉ…。暴れた時に、劉老師の育毛剤『101』をぶちまけてしまいまして…」
含ッ!
「ひっ、ひィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!」じょばぁぁぁああ…。
「幽閉…」
「はっ?」
「剃髪の上、無期限の幽閉を申し付けるッ」
「ははぁ〜〜〜〜ッッ」
「いたずらに武を振るうとは、あやつは無価値な人間だ。食事は日に2度。3日に一度は頭を剃らせろッ」
「はぁ……」
と言う事があったのでは無いでしょうか?
それにしても的確に烈を怒らせている所を見ると、烈の事をドリアンは知っていたのでしょうか?
中国拳法つながりなのか、劉海王と老人つながりなのか、ヒゲつながりなのか…
さて、誰もが突っ込んでいると思われる水槽破壊のシーンですが、あのシーンはムチャのようで、やっぱりムチャです。でも、ちょっと考察してみます。
水を波立たせるエネルギーはぶつかって弾けるという事は無いんですよね。エネルギーの推移でしかないので、すれ違ったときに波が大きくなるだけです。
と、言うのが普通の物理法則なんですけど、この場合の波は撃った後で大きくなっています。だから普通の波では無いと思われます。
考えられるのは左右の壁に衝撃が反射しながら進むと言う波です。この波なら、左右の壁自体が微妙に振動していき、壁が波を作っていると考えられます。
エネルギー保存の法則から行くと波が大きくなるはずはありません。ですが、見えない形で伝わっていたエネルギーが壁を揺らす事で、見えるようになったと考えられます。
例えば、エンジンが動く時に発生する振動や音は本来の仕事の目的では無くエネルギーの無駄使いになりますが、エンジンの回転を直接見れないときには、その振動や音が発生するエネルギーの目安になります。
つまり、劉海王の打撃が壁に反射しながら進むものと考えると、水槽が割れた理由も説明できます。
烈の打撃も、同様に左右の壁にぶつかりながら進むエネルギーだったとすると、二つの波が重なった時、そのエネルギーは掛け算にはなりませんが、少なくとも足し算になります。超音波を利用し、柔らかな肉体には傷をつけずに体内にある結石だけを破壊すると言う技術があります。達人二人分の出したエネルギーは壁を叩きながら水を伝わり、それが重なった時、石の壁の耐えられる衝撃を超えたのでしょう。
あの打撃は「打震」に通じる北派の技でしょうか?
最後の一つ手前の予告のページではチャンピオンにギャルが増えてきた事を思い出させてくれます。「KUROKO」と「おまP」も入れてくれればいいのに。そして、なぜか刃牙が混ざっていて違和感が(笑)
板垣先生の「お家の一大事!」って何なんでしょう。身勝手ですけど、刃牙が休載になりませんように。
えーっと、それはともかく末堂の事はほったらかし?(^^;
2001年3月1日(14号)
第2部 第70話 海王の名(450回)
「老師!!!」
「なぜ 私に機会(ジーフィー)を与えないのですッッッ」
怒りのあまり、なんか変な文法で吠える若かりし日の烈。もちろんその激しすぎる言葉は周囲(まわり)の者を騒がせる。
「控えんか未熟者ッ」「老師になんという暴言だッッ」
「未熟……?」「それはここに首を並べる者たちと比べてのことか…………」
怒っています、猛っています。さすが幽閉されていただけのことはあります。10人の兄弟弟子たちを睨みつけます。試験に参加したぐらいだからかなりの実力を持っているであろう10人の戦士が、烈一人に冷や汗をかかされているッッ。
フンッと鼻であしらう烈。格(ランク)が違いすぎます。
「ついてきなさい」
そんな烈に対し、悠然と歩き始める劉海王。
まずは烈が脱出したらしき幽閉場所を通り過ぎる。
「ブ厚い樫の扉を素手で叩き割り」「武器を持つ警備兵6名を倒してのけたというワケか……」
まるで、麻酔銃で眠らされた勇次郎の収容場所のような厳重な警備です。と、言うかこれだけ警戒されている烈って、よっぽどメチャクチャな事をやっているんでしょうね。
「フフ立派なものだな」「烈 小龍(シャオロン)」
ついに烈の本名が明らかにッッ! と、言うか「カードキャプターさくら」の李小狼(リ・シャオラン)とシンクロニシティー。こうなったらアニメ版烈の声は幼年時代の花山を好演した「くまいもとこ」(代表作 カードキャプターさくら・李小狼)さんに決定だッ! うむっ、良き声優です。しかし、遅すぎたッ
すいません、ふざけ過ぎました(^^;
まあ、それはともかく、これだけの惨劇を起こし脱走した烈に対して、劉海王は余裕をもって接しているように感じます。さすがは中国拳法最高峰だ。
そして二人は、階段を降り寺の深部へ。
「儂も40年振りになる………」「ここに降りてくるのは……」
訪れる者の無い寺の最深部にあるのは頑丈そうな扉だ。その先にはいったい何が?
「烈 小龍」「おまえの海王への道を閉ざす理由――――――」
この扉の向こうにある
扉に手をつき、力をこめる劉海王。おいおい、閂(かんぬき)を外せよ。と、突っ込みたいところだが、目が悪いのか、頭が…ボケたのか、
パワーだけで閂を破壊して扉をこじ開けるッッ!
そして、その部屋にあったのはッ
「………隧道(トンネル)………」
そう、地下の部屋から外界へと続く坑道。人一人が背を屈めることなく通る事が出来そうな隧道がッッ!!
「この洞穴を」
今を遡(さかのぼ)ること40年
一切の道具を用いることなく己の拳足だけで掘り抜いた男がいた
その男の姿、細かくまとまりながらも逆立つその髪型はッッ、勇次郎!?
あ、いや、40年前は勇次郎の訳無いか…。しかし、似ています、この男。勘違いしたのは私だけじゃなかったようなので、やっぱり似ているんでしょう。
この洞穴を前にさすがの烈も驚きを隠せず、唾を飲みこむ。
「一晩でな………」
さらに追い討ちをかける劉海王ッ! つうか、一晩でですか!? 機械でも出来そうにないんですけど。
「おまえが海王へとどかぬのは無頼の人間性故ではない」
「技量こそが問題――――――単におまえの技量が低いだけのこと」
低いッッ このわたしが!!!
烈、大ショックッッ!!
「欧米人でありながら海王の名を継いでいる」
「その者は今どこに!!!」
烈、怒っております。今すぐ殴りに行きかねない勢いです。
「おらぬ………」
「死んだのですか」
「否……」「死する予定……………………というべきか」
「…………………予定……??」
烈、困惑しています。怒りのあまり頭が働いていないようです。と言うか、劉老師、もう少しわかり易く話してください。
どうも世間の皆さんは、烈に話しかけるときは回りくどい言い方をするようで「烈海王、おまえさんとだよ」とか「勝ったのは俺だ」とか、みんなワカりにくい言い方ばかりです。
こりゃ、烈さんでなくてもキレますって(^^;
などと思っているうちに回想終了。
「謎が解けた……………」
「お会いできて光栄です」
と烈が金田一少年のような事を言い出したと思ったら、手を合わせ礼を尽くしている。
これには克巳でなくても「え?」って気分だ。
うーん、ドリアンが「もう一人の海王」だったと言う展開ですか。でも、ドリアンの事だしペテンにかけているという可能性もある気がします。
昔は素手でトンネルを掘っていたのに今では道具無しで戦う事も無い。腕自体は衰えたと言う事なんでしょうか。しかし、ドリアンさん昔はちゃんと髪がフサフサ…、あ、いや、ゲフン ゲフン…。
えー、ドリアンの若い頃が勇次郎に似ていると言う事は、ドリアンは勇次郎と血縁があるという噂も捨てたものでは無いと言うことなんでしょうか。でも、この謎って、FBIでも解けないんですけどね(笑)
さて、次回ですが、烈がドリアンサイドに付くと言う予想が多いようです。
が、私には「その者は今どこに!!!」と「死んだのですか」の烈の表情が非常に気になります。自分が否定された怒りがツルツルの頭からたちのぼっているようです。
特に「死んだのですか」と言う台詞は鬼気迫っています。まるで「わたしが殺す前に死んだというのかッッ!!!」と言うような迫力があります。
これだけの思いがあったのにいきなり仲良くなれないでしょう。
「貴様を殺した時ッ! その時こそ、わたしが真の『海王』を名乗ることができる時だッッ!!!」
それぐらいは言い出しそうです。と、言うか言い出せ!
ドリアンがあのトンネルを掘ったとすると、やっぱり幽閉されていた可能性もあるわけで、幽閉されていたのに脱走したのなら、ドリアンは中国拳法界から狙われているかも知れません。そうなると、ますます烈との対決は避けられない物になりそうですね。
奥義が外に漏れるのを中国拳法は嫌っていそうですし、ドリアン抹殺指令が出ていたと言うのは、ありそうな気がします。
とにかく、次回どう転ぶのか。非常に気になります。
あと、末堂の生死もね(^^;
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バックナンバー(仮) 今週の餓狼伝(最新版) 今週のグラップラー刃牙(アニメ版)(5月26日更新予定)