今週の範馬刃牙 SON OF OGRE 71話〜80話
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2007年5月24日(26号)
第3部 第71話 意識 (727回)
前回のサブタイトルが無意識だったのに対して、今回は意識だ。
意識がもどったタメか、今回の刃牙は表情が豊かになった。
ポジション的には驚愕キャラになっている。
こういうダメ刃牙のほうが好感度高いぞ。
前回のラスト時点で刃牙は驚愕していた。
今回の冒頭では、いきなり汗ダラダラ状態だ。
一度、液体化した幻覚を見ただけに、汁っぽくなったのだろうか。
刃牙だけではなく職員たちも汗を流している。
オリバは、どんな驚愕変化をしたのであろうか?
丸い。まん丸だ。
まるっきり球体状態になっている。
胡坐をかくようにすわり、上半身は頭をガードして丸くなっていた。
「オドロキます……ってそりゃ」
「まん丸のまん丸 ボール状になったンだから人間が……」
「ほら…いるじゃないですか動物の………」
「アルマジロ―――?
あれですよ まさに あれッッ」
刃牙が液体人間なら、オリバは球体人間だ。
むしろ人間アルマジロである。(参考:アルマジロ)
そのうちに臨獣アルマジロ拳とかを創設してしまいそうだ。
人の身体は球体を作ることが出来るのか。
出来る。出来るのだのだ。
これは尋常の格闘術ではない。読めぬ…、技の方向性が全く………
なんというか、『メトロイド』みたいなオリバである。
モーフボールになれば、せまい通路も通ることが出来るぞ!
出来る。出来るのだのだ。
え、じゃあ、オリバの中の人は金髪美女なのか?
球体オリバの前では、正常な考察など出来ぬのだ。
オリバの中身を詮索するのは置いといて、今は外の話をしよう。
ボブがいうには格闘技の技は関節を利用することが多い。
つまり身体の角だ。
だが、球体オリバは文字どおりカドが取れて丸くなっている。
コレはッ!
ッ!
――――ッッ!
――――――ッッッ!!
…………ゴメン。
スゴいのかどうか、よくワカらない。
カドが出ていないから捕まえることができないということだろうか?
つまり弱点を隠している。
でも、打撃のときもカドを使って攻撃することが多い。
攻撃を捨て、防御に専念しているのか?
まあ、なんにしても丸まっていたら攻撃はできない。
文字どおり手も足も出ないのだ。
当然、反撃もできない。
反撃しない敵なら、思い切って好きな攻撃ができる。
球体オリバは本当に有効なのだろうか?
じっくりガードの隙間を探して攻撃してもいい。
背後にまわって、首筋にお湯をかければ、一撃で倒せそうな気もする。
または、背後にまわって、パンツの中にムカデを入れるとか。
それとも、背後にまわって……。
まあ、とにかく完璧すぎる防御ゆえにスキだらけだ。
「でも そこは」
「悪魔の子……」
攻略不能とも思えるオリバだが、刃牙は不敵に笑う。
ニィ…‥と範馬笑いだ。
刃牙、怖い子……。悪魔の子……。
……悪魔の子はちょっと言いすぎというか、ヒドいな。
せめて悪鬼の子ぐらいにしてあげてください。
そんな悪鬼の子は、何を狙う?
まさか、背後にまわって、尿をかける気か!?
オリバ、すごいピンチだ。
小便臭くなったら、マリアに逢いにいっても追い返されるぞ。
と、思ったら刃牙は普通に飛び後ろ蹴りだ。
動かない相手に、最強の蹴り技をブチこむッ!
しかし、オリバはビクともしない。
球体だから勢いよく転がると思ったのだが、実に安定している。
オリバの足は地面に触れていない。尻近辺だけが地面に接しているのだ。
尻が地面にたいして最適にフィットしているのだろうか?
おそるべきは、オリバの尻力よ。
ボブ・マッカーシー(米国)27歳 刑務官は、かつてオリバの筋肉パフォーマンスを見たことがあった。
筋肉に力を入れる位置を変えて、力瘤がまるで移動しているように見えるパフォーマンスである。
オリバは全身の筋肉を自在にコントロールできるのだ。
チャンピオンで連載中の『王様のオーパーツ(AA)』に出てくる筋肉大移動もできちゃいそうな超肉体であった。
『ハイスクール奇面組』でも通用しそうな筋肉大移動である。
「ぶつかってくる力に対し――――― 内側からの力で弾く」
「だから転がらない」
その理屈はおかしい。
ボブの説明はムチャすぎる。
だれか日本から本部さん呼んできてよ。
内側から力入れれば、蹴りを弾き返せるかもしれない。
でも、転がらないのは、地面に対して踏んばっているからだ。
尻の謎を解明しないと、転がらない原因がワカらない。
中途半端に東洋の神秘を聞きかじった米国人ってのはタチが悪いな。
忍者は塀をジャンプで跳びこえたり、チャクラをねって影分身したりできると思っていそうだ。
むしろ、肉をクッションにして打撃を吸収したのなら、転がらないかもしれない。
筋肉を自在にあやつるオリバなら、筋肉をスポンジのように変えることもできそうだ。
だったら、筋肉のない頭を狙うとか、背後にまわって唐辛子をパンツの中に入れるなどの攻略方法がある。
悪鬼の子はなにをたくらむか?
「考えてみりゃ以前(まえ)にも同じことがあった」
寂海王のことかッ!?
ヤツのあみだした護身開眼をさらに丸めて正面をむくと、モーフボール・オリバになる。(バキ25巻 220話)
寂海王は防御面が背中だけだったが、オリバは全方位を防御したのだ。
そうなると、弱点は地面に面している尻だろうか。
「鎬 紅葉…………」
「彼がやったことも同じ」
「筋量にあまりの差があるので気付かなかったよ」
鎬紅葉かよ。
たしかに完成された肉体を持っていて、肉で防御するというコンセプトは同じだ。
あと、超頭脳の持ち主という点も同じか。
オリバって、紅葉の進化系なんだよな。
でも、紅葉のほうが美形+兄弟萌え属性という優位点も持っているぞ。
同人方面じゃないと役に立たないけどね。
背中でガードするのが寂海王で、筋肉に自信のある紅葉やオリバは正面でガードする。
圧倒的な肉量を攻略する方法は、鎬紅葉のときと同じだッ!
だったら剛体術だぜ!
というワケで、刃牙はひさしぶりに剛体術を使うことにする。
オリバも剛体術の存在を知っていた。
とうぜん、なにか秘策があるようだ。
剛体術はインパクトの瞬間に関節を固めて、全体重を打撃にのせる。
ならばオリバも対抗して、インパクトの瞬間に全関節を固めて防御するのだろうか?
むしろ、転がることで威力を受け流したほうがダメージ少ないような気がするんですけど。
次回、壮絶な激突だッ!
刃牙はオリバの筋肉を突き破れるのか?
オリバは刃牙の打撃を弾き返せるのか?
剛 対 剛のガチガチ対決の行方はッ!?
次回へつづく。
守りの切り札が出たッ!
反撃の無いガードだと普通なら役に立たない。
そのまま ずっと相手のターンで体力を削られていくだけだ。
援軍や外部支援のない籠城は時間稼ぎにしかならない。いつか落城する。
ただ、オリバぐらいスゴい筋肉の持ち主だと、事情が少し変わる。
相手の攻撃を受けきることができれば、相手の精神にダメージが行く。
この男を倒すことができない。そう思ってしまうと、心が折れる。
刃牙の攻撃をガードするのは むずかしい。
ならば守りに専念して、刃牙の自信を砕こう。自信が無くなれば、攻撃も鈍る。
そんな作戦かもしれない。
球体オリバの前では、0.5秒の無意識も関係ないというのが定説だ。
でも、オリバは打撃を「内側からの力で弾」いている。
やっぱり、0.5秒のスキがあったらマズいと思う。
それとも、ずっと力を入れっぱなしなのだろうか。
あと、前回の感想で刃牙の能力を見誤っていた。
刃牙は武蔵のポーズから0.206秒後にオリバを殴っている。
予備動作もふくめて0.208秒しかかからない。
野球だと、ピッチャーが構えもしないで いきなり時速322kmの球を投げた状態だ。
これは、とても防御できません。
立っていようと、球体になろうと、反応できる速さではない。
やぱり、オリバは常に筋肉を緊張させているのだろう。
ゲバジュンの地球拳も球体オリバで防御していたら、なんかなごむ。
映像的にアシカがボールを鼻先でつついて回転させているような感じになりそうだ。
刑務所の名物ショーになりそうなんだけど。
人間ピンボールや人間ボーリングなど、可能性は無限にある。
刃牙 vs. オリバを放送することができなくても、オリバの特番を組めばなんとかなりそうだ。
主人公とはちがい、オリバは役にたつ。
2007年5月31日(27号)
第3部 第72話 誤差 (728回)
範馬刃牙、最大の必殺技『剛体術』だッ!
どれぐらい必殺かと言うと、読者時間で14年ぐらい出し惜しみしているぐらい必殺である。
グラップラー刃牙8巻71話で出したっきり、二度と出していない。
大河ドラマ『風林火山』における上杉謙信=Gacktなみのレア度だ。
いつになったら出てくるんだろう。もしかして忘れているんじゃないのか?
そんな心配をすることになる存在だ。
10年前から読みはじめた読者なら知らない可能性もある幻の技である。
とうぜん、初心者のためにも解説が入るのだ。
解説役はもちろんこの人、ボブ・マッカーシー(米国)27歳 刑務官である。
またかよ。あんた、詳しすぎ。
君の怪しげな解説にドキドキだ。
「ポリス・スクールの頃―――――」
「体重60キロの日本人(センセイ)が見せた奇跡(ミラクル)…………」
ボブが学んでいたマーシャル・アーツの先生が実は『剛体術』使いだった。
先生は、ボーリングの球を一撃で破壊してみせる。
さりげなくスゴい人だ。
こういう奇跡を見たことで、ボブは日本人に対する印象が狂ったんだろうな。
人間の身体には関節がある。
関節は完全に固定されているわけではなく、衝撃を和らげるクッションの役割もかねている。
そのため、打撃の威力は弱まってしまうのだ。
しかし、打撃の際に関節を固定することができれば「人は鉄球になれる」!
エネルギーロスの少ない攻撃が剛体術の正体だ。
もちろん、関節を固めたままでは動くことができない。
当たる瞬間に関節を固める。タイミングを見極めるには長年の経験が必要だ。
「動く人間相手だと………………なかなかこうもいかんがね」
動かない相手だろうと、できるのは十分すごい事だ。
刃牙だって、鎬紅葉やオリバのように動かない相手にしか使っていない。
だから、ジャック戦では克巳のマッハ突きを使ったのかもしれない。(グラップラー刃牙41巻 362話)
剛体術は相手を選ぶ必殺技なのだろうか。
だから、めったに使わないんだろうな。
なんにしても、止まっていれば打てるという簡単なモノではない。
加藤あたりなら、相手が寝ていても打てないシロモノだ。
むしろ、昼寝から起こすこともできないだろう。
今思うと、刃牙ってかなり酷いコト言ってるな。(グラップラー刃牙22巻 196話)
高度な技術であり、最高の破壊力をもつ技である。
そんな出し惜しみの必殺技・剛体術を刃牙が打ったッ!
あんまり久しぶりなので、タイミングを忘れていないか心配だ。
ギャドッ
「人間(ヒト)が人間(ヒト)を打つ音が…… あんなにも…………」
67話で人間をコンクリートに叩きつける音に驚愕していたボブが、今度は人間と人間のぶつかる音にビビった。
今日は生涯初めての音を たくさん聞くことができてラッキーだな。
実に濃い一日を過ごしている。
刃牙が久しぶりに見せた剛体術はオリバが動かなかったおかげで命中した。
だが、オリバは動かない。球体なのに転がらない。
おそるべき安定性だ。
尻を接着剤でくっつけているのではないかと疑ってしまう。
転がらないだけではない、ダメージも無いようだ。
剛体術とは逆に、全身の関節をリラックスさせて、衝撃を吸収しているのだろうか?
一撃で気絶したのなら、変身がとけるだろう。
花山の侠客立ちは立ったまま気絶したが、オリバの球体化は気絶したまま維持できない難易度だ。
オリバはまったく動かない。
球体の内部で、ナニが起きているのか?
……と、オリバが動いた!
剛体術のあと前に突き出したままになっていた刃牙の左手をつかむ。
相変わらずのすさまじい力だ。
これは、手を引っ込めない刃牙が悪い。油断しすぎだ。
それとも、剛体術は硬直が長いのだろうか?
そして、オリバが刃牙を喰った。
アルマジロ状態を解除して全身が伸び上がる。
まるで全身が獣の口になったようだ。
手や足がしっかりと牙の形状を保っているあたり、オリバ本人も獣の口を意識しているのだろう。
隠れていた肉食生物が、近づいた獲物に襲いかかる姿に似ている。
刃牙を「ばくんッ」と捕食する。
オリバ球の中に取り込んだのだ。
じたばたと暴れる刃牙を、さらにバクン バクンと喰っていく。
「……………パックマン…………?」
どこまで日本文化がすきなんだ、ボブよッッッ!
またボブの解説が始まるかと身構えてしまった。
さすがにパックマンの解説まではしなかったので、一安心だ。
解説がおおいよ。
だが、確かにパックマンに似ているかもしれない。
口しかないような姿でエサを丸のみだ。
関係ないが、パックマンでググったら、こんな画像見つけた。
でも、オリバのほうが怖いかもしれない。
オリバは刃牙を飲み込んだ。
とは言っても、実際には筋肉でおおっているだけのハズ。
内部で窒息する可能性はある。だが、急なダメージを受けることは無い。
刃牙を飲み込んで、内部で何が行われているのか?
オリバの顔は内部を向いているので、捕食した刃牙を噛むことができる。
なめることも。
地味だがダメージの大きい攻撃だ。肉体的と精神的に。
数秒ののち刃牙が「ぺっ」と吐き出された。
内部でナニがあったのか知らないが、とにかく刃牙はぐったりしているッ!
一体、内部でナニがッッッ!?
人知を超えたオリバの攻撃で、今回は幕を閉じるのだった。
前回、反撃の無いガードは役に立たないと書いた。
ところが球体オリバには反撃があったのだ。
むしろ攻撃のための構えだったのかも。
理屈はよくワカらんが、喰らいたくない攻撃だ。
オリバに取り込まれると、周囲は全部肉だ。
外側のオリバが球体なんだし、中の人間も強制的に球体になる。
オリバは自主的に丸まっているから楽だろう。
しかし、中の人は強制的に丸められるので、かなりキツい。
若手芸人がサランラップでグルグルまきにされるよりキツいだろう。
身体にふれる部分はぜんぶ肉だ。おまけに密閉空間である。
熱くて息苦しい。
刃牙作品の技には、スゴい痛そうなモノが多い。見ているだけでも痛い気がする。
だが、パックオリバは痛そうと言うより 嫌そうな技だ。
痛いかどうかよりも、くらいたくない。
そりゃ、出てきたらぐったりしているよ。
刃牙の性質がマゾでなかったら勝負アリになっているところだ。
まあ、さすがの刃牙も初体験の責めに面食らっているのだろう。
次回は普通に起き上がりそうだ。
刃牙にとって最大の攻撃力を誇る剛体術が敗れた。
つまり、刃牙はオリバを倒す手段を失ったことになる。
RPG風に言えば、相手に通用する属性攻撃がない状態だ。
通常攻撃で地味にダメージを重ねる事はできるが、相手より先に自分の限界がきてしまう。
一度、街にもどって別の武器を買ったほうが良い。
しかし、現実ではリセットしてやり直せない。
手持ちの武器で戦うしかないのだ。
あるいは戦闘中に、なにかヒラメク可能性に賭ける。
刃牙に剛体術を超える、新必殺技が誕生するのか!?
攻防一体で無敵の球体オリバだが、弱点は多い。
相手を見ていないのでカンタンに背後を取れる。
とりあえず、喰われる心配が無くなるのは大きい。
まあ、オリバのことだから、0.5秒でふりむいてパクっと喰うのだろうけど。
喰われてしまうと脱出はかなり絶望的だ。
身体を動かすスペースも無い。
力でこじ開けるにしても、相手は剛力無双だ。
象の大集団に囲まれるよりもキビシい状況かもしれない。
まあ、刃牙なら失禁して相手をひるませて脱出という手段がありますが。
キン肉マンだってキャメルクラッチを失禁で破っているし。
思い切ってオリバを転がすのはどうか?
目が回れば平衡感覚を失い攻撃力が多少、落ちるはずだ。
つけいるスキも生まれる。かもしれない。
あと、刃牙は左手で剛体術を打っている。
鎬紅葉と戦ったときは、右手が動かなかったので左手で打った。
だが、今回は右でも打てるのだ。
真の切り札として、右の剛体術があるかもしれない。
・ 追記 (07/6/6)
グラップラー刃牙22巻 196話で、刃牙が加藤にひどいコトを言ったと書いた。
これも12年ぐらい前の話なので、すこし説明する。
最大トーナメントで加藤の試合に夜叉猿Jr.が乱入した。
加藤は夜叉猿に攻撃をしかけるが、あくびをさせるのが精一杯だ。
そこへ刃牙がやってくる。
加「まさか「アンタじゃムリだオレがかわる」……なんて言いだすんじゃねェだろうな 刃牙ちゃん」
刃「アンタじゃムリだオレがかわる」
刃「そんな蹴りや手刀じゃ奴らを昼寝から起こすこともできない」
今見れば、ホントひどい事いってる。
当時は加藤のヘタレっぷりが注目されていた。
だから刃牙の暴言はわりと流していたのだ。
後に範馬の血に覚醒して性格悪くなる刃牙だが、すでに性格が悪くなっていたのだ。
そうなると、範馬の血が悪なのではなく、悪が範馬の血を呼び起こすのだろうか?
オリバの絶対防御と捕食攻撃である球体フォーム+パックマンをどう攻略すればいいのか?
掲示板でフッカーさんが、メールでポチさんが、鞭打で 責め 攻めたらどうかと指摘しています。
確かに液体化するほどの脱力(※ イメージ映像)を身につけた刃牙なら進化した鞭打を使いこなすだろう。
柳なら失禁しながら逃げ出して、逃げだした先で脱糞しそうなほどの威力がありそうだ。
ただ、オリバは粗塩をすりこんで皮膚を強化している。(バキ11巻 97話)
シコルの一本拳でも切れない皮膚なら、鞭打にも耐えることができるだろう。
オリバは死刑囚全員を逮捕するつもりで来日したハズだ。
全死刑囚への対応はカンペキなのだろう。
シコルスキーの一本拳が通用しなかった現場には刃牙もいた。
だから、鞭打の使用をさけているのだろう。
それと、刃牙はいちおう勇次郎と戦うための踏み台としてオリバを選んだのだ。
いまでも、ちゃんと憶えているのかどうかあやしいけど。
どんな手段でもいいからオリバを倒すというのは、目的から外れる行為なのだろう。
オリバに鞭打を使うのは、勇次郎にも使うのと同じなのだ。
勇次郎も鞭打で対抗してくるだろう。
そうなると『共食い父子 鞭打責め』というマニアックな性癖の中でも、さらにトガッた人向けみたいな展開になってしまう。
さすがの刃牙も念願である親子対決で、そんなドロ試合をやりたく無いだろう。
勇次郎戦を考えているうちは、鞭打封印だ。
まあ、溶けちゃったときに、全部忘れているだけかもしれないけど。
2007年6月7日(28号)
第3部 第73話 恐怖 (729回)
球体オリバの恐怖は外にあるのではない。
オリバ肉の内側にこそ、真の恐怖が待っているのだ。
筋肉で捕食する。
想像もしたくない真の恐怖が内部には待っているのだ。たぶん。
なにしろ想像したくないから、細かい部分は考えない。
吐き出された刃牙が、ぐっしょり濡れていそうでイヤだなぁ。
ええ、考えたくもありませんが。
一仕事終えたオリバは満足そうなため息をつく。
今日もいい仕事でした。
球体オリバの構えは、両腕を頭のワキに構えるのが基本姿勢だったハズだ。
しかし今は右手が頭の前に、左手は股間のあたりに置かれている。
……なぜ?
股間で圧迫することを重視しているのか?
考えたく無いけど、考えてしまう。
クロス・アウッ!!(脱衣)だけではなく、おいなりさん攻撃まで使えるのか?
オリバよ、どこまで変態仮面 (AA)なんだ。
勝利を確信したオリバは球体変身を解除して立ちあがった。
一方の刃牙は骨を抜き取った魚みたいに ぐにゃぐにゃになっている。
目が死んだ魚状態だ。
ひょっとしたら、恍惚の表情なのかもしれないけど。
ボブが、またまた語りだす。
相変わらず語り好きだ。
ボブがムックだったら、真っ赤な毛をさらに血で朱に染めるまでガチャピンに殴られる。
いや、ガチャピンは紳士だから暴力は使わないか。
Blogで悪い噂を流して精神的に追いつめるタイプだ。
幼少のボブは、捕まえたトンボをやさしく握り帰宅した。
手をあけると、トンボは衰弱していたのだ。
そして、次の教訓を得る。
「「閉じ込めるという行為のもたらす生体へのストレス 生命への影響力」」
拘束されるとストレスで弱る。
だから刃牙もぐったりだ。
柔道でも、寝技で下になると体力を消耗する。
自由に動けないのは、疲れるのだろう。
ただ、昆虫と人間では身体のサイズと力がちがいすぎる。
人間だって、ゾウなどの巨大な獣にじゃれつかれてたらキケンだ。
改良マンドリルに訓練中じゃれつかれたら、顔面がメチャメチャになる。(by「バオー来訪者 (AA)」)
パワーの差がありすぎると、大きいほうが軽く遊んでいるつもりでも、小さいほうはたまらない。
ボブは自分を基準に考えすぎだ。それが米国思想というものか?
ただ、オリバと刃牙の体力差を考えると人間と昆虫でもいいのかもしれない。
現に刃牙はぐったりしている。
まだ起きる気配が見えない。
オリバも勝利を確信したようだ。
「仮にこの闘いが
ルールのあるリング上の試合なら
わたしの"一本勝ち"といったところだろう」
オリバさんが禁句を言っちゃったッッッ!
刃牙世界では言ってはいけない言葉がある。
敗北へつながる負け犬ゼリフだ。
たとえば「汚ぇ」は言ってはいけない。
刃牙世界ではノールールが当たり前だ。
汚い技にハマるほうが悪いと言われる。
「今、金的に入った。ちょっとまって」なんてK-1の武蔵的なアピールは通用しない。
同じように、「試合だったら俺の勝ち」も言ってはイケない。
死刑囚編でさんざんダメ出しされた言葉だ。
オリバは死刑囚たちと戦った経験があるのに、なんでこんな事を言ったのだろうか?
気の迷いというか、オリバの中で何かが狂いはじめている。
刃牙を捕食したときに、ナニかされたのか!?
密室(というか密肉?)の中で一体……
なお、「試合だったらアンタの勝ちだ」は言ってもいいセリフだ。
喧嘩だから俺の勝ちという意味である。
勝者の余裕です。
禁句を口走ったオリバは、さらに自滅の道をゆく。
刃牙に敗北を認めろと言いだした。
さらに死刑囚編の暗黒面に突入している。
あきらかに負けている状況でも「負けた」と言わないかぎり負けていない。
往生際の悪い死刑囚スタイルが発生してしまう。
「アンタは今ハッキリと弱みを見せた」
刃牙が核心をついた。
降参してくれと懇願するようになったら、アウトだ。
相手がヘソ曲がりだと、もう殺すしかない。
克巳もドイルにトドメを刺せなくて負けを認めたことがある。(バキ15巻 129話)
追いつめられているのは、オリバの方だ。
だが、オリバは殺人も辞さない男だった。
コンクリートの床を踏み砕くような、スタンプ(踏みつけ)連続攻撃だ。
刃牙は紙一重で攻撃をよける。
さっきまでグタっとしていたのは、擬態だったのだろう。
死んだフリや動けないフリも作戦のうちだ。
オリバがふたたび必殺パックマンで刃牙を捕らえる。
一飲みにして、圧をかけようとした、その時ッ!
「ガァッ」
オリバの鼻の穴に刃牙の指が刺さっている。
しかも、両穴にッッッ!
あまりの激痛に、思わず球体解除してしまう。
鼻の穴への攻撃は、古流武術などにも存在する。
もっとも、相手をつかむための取っ掛かりとして利用する場合が多い。
鼻の穴や、鎖骨、耳、眼窩など指が引っかかるところを利用するキケンな攻撃だ。
夢枕獏の『餓狼伝』では、プロレスラーの裏技として登場する。(参考:餓狼伝169話感想)
刃牙も幼年編で夜叉猿に使用していた。
呼吸器を攻撃するという点では、「根止め」に近いキケンな技だ。
なお、板垣先生の「メイキャッパー 1巻」でも、W鼻の穴ツッコミが敢行されている。
同作品では『「小指(エンコ)づめ」の10倍は痛い』と表現されていた。
私的な話で申し訳ないが、今春 花粉症デビューを果たした。
耳鼻科に行ったら鼻の穴に棒状のものを突っこまれて、グリグリやらたのだ。
生理反応で鼻の異物を体が排出したがって、くしゃみが止まらない。
イイ歳した大人なのに涙もボロボロ出て、最悪である。
痛みとしては、泳いでいるときに、鼻に水が入ってしまった痛みを激しくした感じだ。
のどちんこの裏まで届いているとか、破瓜の痛みってこんな感じかとか、自分にツッコム余裕すらない。
思考が停止する痛みだ。
なれれば平気になるのだろうけど、初めては かなりキツい。
とにかく、無言でいきなりツッコムの止めてくれ。心の準備は重要だぞ。
「なめたらイカンぜよ」
「一流に二度も同じ手を使うなんてよォ」
急に土佐弁(?)に目覚めて刃牙が勝ちほこる。
ついでに、さりげなく自分が一流だとアピールした。
刃牙は謙虚なので、「超一流」だといわず「一流」にとどめているのだ。
聖闘士(セイント)の戦いでも、同じ技は二度通用しないと言われている。(参考:聖闘士星矢 - Wikipedia)
でも、主人公の星矢はバカの一つ覚えみたいにペガサス流星拳しか撃ちませんけど。
「ぶかつどう」金田の必殺技みたいに、毎回デタラメに撃っているから、同じ攻撃では無いのかもしれない。
話をもどす。
オリバに捕食されながらも攻略方法をきっちり考えていた。
刃牙の天才性が爆発している。刃牙は転んでもタダではおきない。
基本的にジャックの噛みつき攻撃と同じで、攻撃のさいに弱点をさらしていたのだ。
肉の内側には弱点がある。まさに死中に活を求める といえよう。
オリバは刃牙を殴り、鼻を解放する。
互いに変態の限りをつくした戦いもクライマックスが近い。
次回、決着かッ!?
早くも決着らしい。
この流れだと刃牙が勝ちそうだが、まだ油断できない状況だ。
オリバのパックマン攻撃はやぶった。
しかし、球体防御は不落である。
オリバがまた丸まったら、刃牙も困るだろう。
もう、剛体術が通用しない事は判明している。
刃牙にはオリバを倒すだけの技が無いのだ。
ただ、鼻の穴攻撃で球体オリバごとやぶったような空気を刃牙が出している。
オリバが弱気になれば、球体防御は出さないだろう。
そうなれば刃牙もオリバ攻略がやりやすくなる。
この展開も予測していたのだろうか?
天才的な読みだ。
なんにしても、今のオリバさんは「やっぱり全米中継の試合にしておけば良かった」と思っていそうだ。
もし、これが試合だったらパックマンが決まった時点でオリバの勝ちだったのに。
刃牙が試合を嫌ったのは、ルールに縛られるのを嫌ったためかもしれない。
ここでも刃牙は天才的な読みをしている。
懲罰房にいるあいだ、ヒマだからリアルシャドーで、勝利のパターンを考えていたのかもしれない。
刃牙は転んでもタダでは起きない男なのだ。
2007年6月14日(29号)
第3部 第74話 Over the Muscle (730回)
なぜか表紙がアメコミ調だッ!
アメリカ最終決戦だからか?
タイトルも英語で『(74) / Over the Muscle』となっている。
あいかわらず、タイトルと本編の関連性は うすいけど。
「小指(エンコ)づめの10倍は痛い」鼻の穴攻撃を喰らい、オリバの余裕が消えた。
大量の鼻血と涙があふれている。
目と鼻はつながっているから、鼻を攻撃されると涙が出てくるのだ。
つながっていなくても、痛くて出そうだけど。
また、鼻は重要な呼吸器官だ。
息は鼻で吸うのが基本である。(参考)
格闘技や運動競技では、口で呼吸をしたらスタミナが切れた状態だ。
呼吸器系にダメージを受けたオリバは、これから体力の消耗が激しくなるだろう。
もっとも、ペレツ・ラヴィー『20章でさぐる睡眠の不思議』に、欧米人は寝るときに口で呼吸する人が多いととれる記述がある。
普段から口で呼吸しているのなら、慣れているからあまり疲労しないかもしれない。
「このガキ…」
「ただではおかん…?」
「ただではおかん!!!」
刃牙がオリバのセリフを先読みした!?
なんだか知らんが、ものすごく優位にたった感じで余裕ぶっている。
セリフを先読みされたオリバが動揺しなかったのが救いだ。
「ただではおかん …はッ!」などと、おどろいていたら負けパターンだし。
ちなみに、刃牙は加藤にセリフの先読みをやられた事がある。(参考)
さっきまで起き上がれないほどのダメージを受けていたハズの刃牙だが、へらず口が止まらない。
でも、壁によりかかっているので、それなりに疲れているのだろう。
会話をする事で回復の時間をかせいでいるのかもしれない。
「お互い」
「これ以上なにができる……………」
刃牙の暴言が止まらない。
たしかに刃牙の引き出しは空っぽだ。
最大の必殺技・剛体術も通用しなかった。
だが、オリバには筋肉解放など、まだまだ技がありそうだ。
かってに人の引き出しを閉じないでもらいたい。
しかし、刃牙は今までの攻防が小細工合戦だと言う。
小細工かどうかは判断しかねるが、球体オリバはたしかに変則的な技だ。
逃げるのは簡単だし、あまり戦闘向けではない。
ところで、刃牙の剛体術も小細工だったのだろうか?
「小細工を弄して勝ったところでさほど意味はない」
「小細工でなら勝てるとでもッッ?」
オリバが読者の疑問を代弁してくれたッ!
小細工でなら勝てるとでも?
小細工でなら勝てるとでもッ?
小細工でなら勝てるとでもッッ?
さすが刃牙だ。
優勢とは言えない今までの戦闘内容でありながら、ここまで増長できるとはッ!
その無限の自信はどこから湧きでてくるのだろうか。
ただ、刃牙の言うことも一理ある。
刃牙の最終目標は勇次郎を素手で倒すことだ。
オリバと戦っているのは、勇次郎を倒す実力を身につけるためのトレーニングにすぎない。
極端にいえばオリバに負けても、勇次郎を倒すヒントを得られればいいのだ。
筋トレで毎日百回の腕立て伏せをしたとしよう。
これは筋肉をつけることが目的で、毎日百回くりかえすのが目的ではないのだ。
楽なフォームをみつけて、毎日百回を達成したところでさほど意味はない。
その一方で、刃牙はこれ以上オリバに変な技を使わせないようにしている、様にも見える。
オリバのパックマンは二度目で失敗した。しかし、刃牙は球体オリバを攻略できなかったのだ。
特殊技を使われると困るのは、刃牙のほうである。
また、丸まられては刃牙のほうが手も足もでない。
勇次郎は丸まったりしないだろう。
ならば、球体オリバを倒したところでさほど意味はない。
刃牙はそう考えて、球体オリバとの対決を回避したのかも。
なんとなく、自分をダマしている感じだけど。
正面からの殴りあいで決着をつけようと刃牙は提案する。
とりあえず、自分のペースで話を進めたい。
言葉で相手をコントロールして、自分の望む展開に持ちこむ。
これぞ、範馬流話術だ。
例によって、オリバは今度も刃牙の言いなりだ。アンチェインなのに、とても不自由である。
オマエの話にはしたがわんッ! と言って丸まれば良いのに。
毎回、刃牙の言葉におどらされるオリバは不憫だし、カッコ悪い。
マリアの機嫌をとっているうちに、ムチャな注文を受けてしまう性格になったのだろうか?
オリバの提案をことごとく蹴りつづけた刃牙とは対照的だ。
「絶対に打ち合うなッッ」
「殺されるぞ バキッッ」
「ボクシングがなぜ17階級もあるのか考えてもみろッッ」
ここで、まさかのアイアン・マイケル登場だッ!
いつのまにか懲罰房に入れられて、壁ぶち抜きのときに脱出できたらしい。
マイケルならば、巻き込まれてKOという選択肢もあった。
それだけに、身体の無事を祝いたい。
アイアン・マイケルは刃牙に体重差から発生する攻撃力のちがいを警告する。
まったくもって正論だ。正論だが、範馬一族の能力はkgでは測定できない。
マイケルの空気読めない力は超ヘビー級だ。
「俺ですらがミスターの正面には立たないッッ 立てないッッ」
さらにマイケルは加速する。
なんと「俺ですら」と、刃牙より上の立場で物をいう。
マイケルが刃牙に勝っているのは、年齢と体重ぐらいだろ。
いや、身長とかでも勝っているか。
ただ戦闘力という点では、カマキリ(妄想)にも及ばない。
たぶん、この空気読めなさを発揮して懲罰房に入れられたんだろうな。
懲罰房にやたらと人が入っているのは、バキ賛美をおさえるため、見せしめとして普段よりも厳しく懲罰を与えたためだろう。
当然、刃牙と同室の人間は狙われる。
イチバン空気の読めない人間が、最初に捕まったワケだ。
「やっぱ、バキはすげーよな。俺のダチなんだけどさ」などと、私語をしまくったに違いない。
吼えるマイケルに1mgの説得力もあるわけなく、刃牙は戦闘開始をする。
よりかかっていた壁から身体を起こす。
そして、壁に背を打ちつけた反動で前に出た。
見よ。壁には鬼の面が刻まれている。
なんと言う筋肉の強度か!? マイケルの拳より数倍硬い。
鬼の面を出したのに、今までの刃牙は本領を発揮していなかった。
今度こそ、本領発揮なのか!?
オリバと刃牙がガチンコ真っ向勝負だッ!
次回につづくッッ!
前回の予告に出てきた決着というのは、ガセ情報だった。
むしろ決着に向けてスタートという感じだ。
俺たちの決着はこれからだ! 次回にご期待ください!
またもや、オリバを口先であやつる刃牙であった。
でも、戦いを回避するよりは数段マシだ。
もっとも、勇次郎攻略に つながらないのが痛い。
言葉を弄して勝ったところでさほど意味はないんだよな。
しかし、真っ向勝負の殴りあいでオリバに勝てたのなら、けっこう意味がある。
なにしろオリバは作中で最大の筋力を誇るキャラクターだ。
筋力だけなら勇次郎よりも上かもしれないと言われている。
そんなオリバを正面から打ち合って倒せたら、刃牙の強さは勇次郎に並んでいると認識できよう。
大擂台賽・後半戦のまとめで、考察したが「技術だけでは範馬勇次郎を倒すことができない」のだ。
人類が四千年かけて積み上げた技術の結晶である郭海皇も、勇次郎を倒すことができなかった。
刃牙が勇次郎を超えるためには、別のアプローチが必要なのだ。
たとえば剛力無双であるオリバを超える筋力とか。
ただ、オリバを倒してみたら「しょせん、ただの力自慢で戦士ではない」と言われそうだけど。
そろそろ勇次郎の足音が聞こえてくるころだろうか。
2007年6月21日(30号)
第3部 第75話 筋肉の向こう側 (731回)
今回は、ただ殴るだけだッ!
まるまる一話をバックドロップだけにつかった餓狼伝114話のようなものだ。
息を止めたままでも読みきれた。
ページ数が1/5の『サナギさん』(AA)よりも早く読み終わる。
その気になったら、今日の内容は三行で終わりますよ。
・ マリアは決着が近いことを感じとる。
・ 刃牙とオリバのスゴすぎる殴り合いだ。
・ ちょうどその頃、外柵いっぱいにハゲワシが並んでいた。
以上、今週の範馬刃牙でした。
これで終わっても切ないので、細かいツッコミをする。
マリアは花瓶の花が枯れるのを見て決着が近いと感じていた。
葉が全部落ちたら決着なのか?
『最後のひと葉』(AA)じゃないんだからさ。
刃牙との決戦を前にした勇次郎は、花瓶の花を睨み枯らしている。(グラップラー刃牙19巻)
範馬の波動は植物に優しくないのだろうか。
半分宇宙人みたいな存在だから、有毒な屁を出したりするのかもしれない。
健康を気づかうなら、範馬の風上に立ったほうが良さそうだ。
マリアの横にある花はなぜ枯れたのだろうか?
トンデモ理論だが、オリバの危機を感じている可能性はある。
しかし、もともとオリバは刃牙と戦うつもりが無かった。
予定外の戦闘が発生したので、水やりの時間を逃したので枯れたのかも。
巨凶なる範馬の血は、花も枯らすのだ。
なんにしても、予想外に発生した戦闘を部屋に閉じこもっているマリアが知っているのはすごい情報通だ。
オリバの部屋だけに、監視カメラの映像を見ることができるようにしてあるのかもしれない。
もし、オリバが他の誰かを口説いていたら一発でワカる。
刑務所だけに男しかいないから、そんな心配ないんでしょうけど。
刃牙とオリバが笑顔で殴りあう。
殴られた衝撃で顔の皮がめくれあがって、面白いコトになっている。
とくに、刃牙だ。
アンタ、そりゃ主人公の顔じゃない。
ひょっとこ状態だよ。
くらべてみたら、あまりに刃牙と似ていたので吹いた。
今日から、君のアダ名は『ひょっとこバキ太郎』だ。
オモシロ顔対決をしながら、刃牙もオリバも踏みとどまった。
足指に力をこめて、吹っ飛びそうな身体をささえる。
大きく踏み込み、ふたたび殴りあう。
衝撃波が発生しそうな打撃戦だ。
互いに防御をすてた特攻形態で攻めている。
アイアン・マイケルなら、この打撃音だけで失神KOするかもしれない。
そして、やっぱりボブ・マッカーシー(米国)27歳 刑務官は語るのだった。
『「3人が3人……見られなかったんだよ…」』
『「スゴすぎて」』
直視できないような打撃戦であった。
アイアン・マイケルもそうとうショックを受けているだろう。
ボクサーだから打撃のスゴさが一般人よりもずっとよくワカっているハズだ。
間違いなく失禁KOしている。
北方謙三の小説『楊家将』では、オトリを引き受けた楊家軍の壮絶な戦いぶりを見て、伏兵部隊が戦わずに総崩れする場面がある。
看守たちも同じような状況だろうか。
今なら簡単に脱走できそうだな。
まあ、アイアン・マイケルのようにヘタレ揃いの懲罰房たちは、やっぱり殴りあいを見て総崩れなんだろうけど。
そして、死者を待つかのようにハゲワシが集まる。
刃牙かオリバが死ぬと言うのか?
なんか、アイアン・マイケルをついばみに来ている気もするが。
花は枯れ、ハゲワシはやってくる。
刃牙とオリバの戦いは生物界にも影響を及ぼしているのだ。
全米の全生物が注目しているかもしれない一戦のクライマックスは近いッ!? かも、しれない。
次回へつづく。
予想通りの殴りあいだった。
ただし、予想を超えたスローモーション展開だ。
くどいけど、『サナギさん』より早く読める。
無呼吸で読める。って、ことは水中でも読めるのか? いや、紙が持たないか(論点ズレている)。
それにしても、オリバと真っ向から打ち合って互角なのがスゴい。さすが範馬刃牙である。
特にスゴいのが、回復力だ。
忘れかけているけど、刃牙は体力を消耗しそうな懲罰房で数日すごしている。
さらに壁を破る攻撃を受けるし、三階から落ちるし、コンクリートに投げつけられるし、パックマンに喰われた。
普通の人間なら四回ぐらい再起不能になっているダメージだ。
しかも、一回ごとにけっこう深刻なダメージを受けたようすを刃牙は見せていた。
だが、超回復している。
豪華な食事と十分な休養をとって試合にのぞみ、さっき準備運動をすませたばかりと言う感じの元気っぷりだ。
無限に体力とダメージが回復する変態が相手では、さすがのオリバも倒しきれない。
範馬の怖いところは、攻撃力よりも無限の回復力だ。
殴りあいのような消耗戦ならば、範馬の勝ちは揺るがないだろう。
ハゲワシが集まっている。
ならば、勇次郎の襲来は無いだろう。
野生動物は敏感にオーガの気配を感じとる。
猿から象まで、容赦なく野生動物を狩るのが範馬勇次郎だ。
動物からしたら、銃を持った人間よりも怖い存在だろう。
だから、たぶん勇次郎は近づいていない。
オリバが敗北したあと、勇次郎にダメ押しされるという展開は避けられそうだ。
勇次郎は、これ以上ない屈辱を受けたムエタイにすら、追撃するような男である。
オリバは十分に注意しなくてはならない。
刃牙はオリバに勝ったら、刑務所を出て行くのだろうか?
勇次郎が大統領にかけあって罪をなかったことにしてくれているかもしれない。
なにしろ、スゴい親バカだ。
オリバを倒せば、勇次郎への道のりに立ちふさがる人間はいない。
よいよ、範馬勇次郎との決戦が待っているのだろうか?
その前に、刃牙と同じく人間を超えた範馬一族が出てくるかもしれない。
ジャック・範馬である。
せっかく背を伸ばしたんだから、ちゃんと活躍してほしい。
現状ではなんのために背を伸ばしたんだかワカらんしな。
烈海王を驚かせたのが、唯一の成果だろうか?
2007年6月28日(31号)
第3部 第76話 拳の果て (732回)
今回も、ただ殴るだけだッ!
刃牙とオリバがノーガードで殴りあう。
そりゃアイアン・マイケルも失禁するような打撃戦だ。(していません)
刃牙の拳がオリバの鼻にめり込む。
オリバの拳が刃牙の頬を変形させる。
だが、二人は攻撃をゆるめないし、防御に逃げたりもしないのだ。
お互い一歩も引かない。
むしろ、前へ。前進するッ!
オリバに勝つと言うことは、技術や頭脳(ちえ)で勝つことではない。
腕力(ちから)で押し勝つと言うことだッ!
ボブ・マッカーシー(米国)27歳 刑務官が熱く語る。
なんで、ボブがそんな定義を決める?
解説好きの刑務官は表の顔にすぎないのだろうか?
実は国際解説者連盟のエラい人だったりして。
オリバは渋川先生に手首(リスト)をはずされてブラックベルトをあきらめたことがある。(バキ12巻 105話)
しかし、技術で勝っても本当の勝利では無い。
渋川先生はオリバに勝ったとはいえないのだ。少なくともボブは認めないだろう。
まあ、ボブに認めてもらわんでも、一向に構わんが。
そして現在、範馬刃牙がオリバから真の勝利を得ようと奮戦中だ。
ボブも認める完全勝利を刃牙はおさめるコトができるのか?
ところで、刃牙は力だけで戦っているようだが、少しちがう。
ダメージを受けている鼻を狙うなど、無駄のない攻撃をしているのだ。
また、オリバの鼻を狙った。
オリバが顔を動かさない限り打撃は鼻に当たるらしい。実にエゲツない。
そして、オリバの拳は頑丈な額で受ける。
筋力で劣る分は、技術と頭脳(ちえ)でカバーしているのだ。
両者の拳が同時に当たる。
しかし、打ち勝ったのは、刃牙だッ!
鼻を打ちぬかれ、オリバは鼻血の噴水を上げる。
そして、スキだらけだ。
追撃のチャンスを逃すような甘い刃牙ではない。すかさず正中線に三連突きを撃ちこむ。
もちろん一発は鼻に当たった。徹底的に弱点を狙っている。
オリバもかろうじて一発返すが、刃牙は止まらず倍返しをする。
いや、三倍、四倍、五倍の五連撃だ。
頭部・胸部・腹部にくわえ、肝臓と膵臓も狙っている。
打撃力=筋力(ちから)+技術(わざ)+頭脳(ちえ)だッ!
激しい刃牙ラッシュにオリバが押しきられる。
どんなに踏んばっても、コンクリートの地面は砕けブレーキにならない。
全盛期の曙なみに刃牙が押しきって行く。
体重で100kg以上も負けている刃牙が押し勝っているのだ。
曙(215kg)を舞の海(85kg)が押しきるような状態である。
「気高くて……」
「崇高で……」
「おかしがたく…」
「跪(ひざまず)きたくなるような………」
三人が三人とも無意識に帽子を取ってしまう 刃牙の姿であった。まさに脱帽している。
これが範馬の血に流れるカリスマなのだろうか?
背中の鬼で、刑務官三人を陥落(おと)す。
刃牙 VS. オリバを全米中継しなくて良かった。
中継していれば、大統領候補になることができるぐらいの支持を刃牙は集めていただろう。
次回、ついに決着か!?
前回につづいて今回も殴るだけの闘いだった。
まあ、セリフがあったので息を止めたまま読みきったり、4ページの『サナギさん』(AA)より早く読めない。
いや、『サナギさん』よりは早く読めるかもしれないけど。
試してみたら、刃牙のほうが10秒ぐらい早く読めた(※ 絵をじっくり見ない場合)。
腕力だけでオリバに勝つと言われながら、きっちり技術と頭脳(ちえ)を使っているように見える刃牙であった。
範馬の血が強力とはいえ、力だけで圧倒できるのは おかしい。
やはり、技術と頭脳も大切なのだろう。
前回で「見られなかったんだよ」と言っていた、三人もけっきょく戦いを見ている。
ついでに、アイアン・マイケルも見ていた。
しょせん慣れてしまえば どうってコトないのだろうか?
オリバと殴りあう事をスゴい勢いで否定していたアイアン・マイケルは本当に立場が無い。
現実はまるっきり反対の結果なのだ。面目丸つぶれである。
戦ってもいないのに噛ませ犬になったような感じだ。
これが原因マイケルは殴り合い(ボクシング)から足を洗ったりして。
マイケルの主張通りデカいやつは圧倒的に有利だ。
だからこそ、小さいほうが戦う姿は崇高に見える。
少年漫画の主人公に小さい男が多いのも、同じ理由だろう。
現在連載中の餓狼伝では、松尾象山が巨漢と戦うところだ。
コレが逆に、巨漢が小さい人間を自分の相手に指名していたら、松尾象山に幻滅する。
やはり、大きな目標に立ちむかう姿が気高い。
刃牙も軽量級なんですけど、血筋が反則だから あんまりチャレンジしているように見えないのが残念だ。
そうなると、身長をのばしたジャック・ハンマーは噛ませ犬指数を自分で上げちゃったと言うことなんでしょうか?
オリバ編のあとは、謎のファイターに襲撃されたジャック兄さんが血まみれダウンで登場する可能性もある。
刃牙世界では、同じ相手と二度戦うことが少ない(スパーリングや小競り合いは別として)。
刃牙の場合、二度戦ったのは柳とシコルスキーぐらいだ。
再試合が少ない刃牙世界である。刃牙とジャックが戦う事は、もう無いのかもしれない。
そうなると、やっぱりジャック兄さんは新キャラクターに噛まれる運命なのだろうか。
……それにしても、グラップラー刃牙の最終回に登場したジャック母=ジェーンの謎はいつまで放置なんだろう。
前回と今回のサブタイトルはなかなか詩的な感じだ。
二つあわせると『筋肉の向こう側、拳の果て』となる。
そのまま映画のタイトルになりそうな感じだ。
次回は決着編として、さらに気の効いたタイトルになるのだろうか?
話しかわって、今週の板垣先生のコメントは以下のものだった。
『お〜〜〜い! 誰か西条真二に巨乳の彼女を紹介してやってくれェッッ。』
なんじゃい、コリャッ!?
『鉄鍋のジャンR』(AA)で、巨乳ばかり描いている西条に欲求不満があると感じたのだろうか?
だったら、『ゾクセイ』(AA)の松山せいじ先生のことも気にかけてください。
それとも進化に進化を重ねすぎて孔雀の羽根なみに必要以上の巨大化を果たした巨乳のデッサンが気になるのだろうか?
もう一度、実物を見直して基本に戻れと。
だったら、松山先生のことも三倍ぐらい気にかけてください。
まあ、板垣先生の描く筋肉も年々肥大化している。
だから「ミスター・オリンピアに出場するような彼氏を紹介する」と返されそうです。
でも、ボディービルダーから見れば、刃牙世界の筋肉も常識の範囲内なんだろうけど。
・ 追記 (07/7/4)
76話感想で「ボブ・マッカーシー(米国)27歳 刑務官が熱く語る」と書きましたが、この点について以下の指摘を受けました。
> diabolo さん
この言葉ってボブの言葉なんでしょうか?
私はボブの言葉ではなくバキの心の言葉と解釈しましたが。
一応根拠としては
・ボブの言葉はこれまで「」付きだったが、この言葉には「」が付いてない。
・ボブの言葉であることを示す描写が無い。
・ボブの語る内容にしては不自然。それよりバキの決意を示す言葉と解釈したほうが自然。
> も さん
今週の前半を彩る「頭脳で勝(略」なる独白文ですが、
あれはバキ君の心中吐露なのではないでしょうか?
件の状況で観客があのような積極的・主体本意な感想を
抱くとは考えにくいでしょう、攻防に魅入るのに精一杯かと。
今回は「」のチェックを忘れていました。毎週のことなので油断していたようです。
確かに、あれは刃牙の独白っぽいですね。ボブが語りすぎな人間なので錯覚しておりました。
申し訳ありません。情報ありがとうございます。
あと、刃牙がこっそり技術と頭脳(ちえ)を使っていたのも気になる所です。
しかし、これは『グラップラー刃牙14巻 118話』で登場した『最も効果的な動きを身体が選択(セレクト)してくれる者』という行動なのかもしれない。
刃牙は無意識にオリバの力を最小化する攻撃を選択しているのだ。
意識してする行動よりも無意識の行動のほうが優れている。
『ユーザーイリュージョン―意識という幻想』でも取りあげられている考えだ。
また、刃牙とオリバにはリーチの差があるのに打撃は同時に当たっている。
これも良く考えたら刃牙が前に出ることで、間合いをズラしているのかもしれない。
オリバは腕が伸びきらず打撃力も半減だ。
闘争において、前に出て攻撃するのは有効な戦法の一つでもある。
攻撃は最大の防御なのだ。
技術と頭脳(ちえ)だけではなく、前に出る勇気が刃牙の強さを支えている。
攻撃力=腕力(ちから)+技術+頭脳(ちえ)+勇気だッ!
……そこに、愛は無いらしい。
> (有)さん
全然関係ありませんが、今週のジャンにバキがいました。
扉絵含めて3ページ目の最後のコマ。
巨乳の彼女を紹介してもらう気は満々のようです。
おおッ! 確かに刃牙が!
他の観客があっさりしている中で、一人だけトーン貼られて濃い顔だ。
情報ありがとうございます。
となると板垣先生の『お〜〜〜い! 誰か西条真二に巨乳の彼女を紹介してやってくれェッッ。』というコメントは、本音100%なんですね。
二人が一緒に飲みに行って、「板垣先生、僕は巨乳がッ、巨乳がもみたくてッッ」と告白されたんでしょうか。
2007年7月5日(32号)
第3部 第77話 勝る (733回)
範馬刃牙がビスケット・オリバを真正面から押し切るッ!
背中の鬼は、範馬クオリティーの証だ。
徳川家・葵の御紋よりもずっと強力である。
葵の御門は精神攻撃だけど、背中の鬼は物理攻撃だし。
精神だけでは卵も砕けないが、物で殴ればクルミだって割れる。割れるのだ。
オリバは刃牙に追いつめられつつある。
危機感がオリバをあせらせるが、足はかえって滑って後退していく。
足が滑るというより、足元のコンクリートが砕けて止まることができない。
こんだけコンクリートが砕けているのだから、足が血だらけになっていそうなものだ。
オリバさんは、足裏まできたえているのだろうか?
くすぐり攻撃とか効かないんだろうな。
一方の刃牙は、足元のコンクリートは砕けていても、一部分が砕けるだけですり鉢状の穴になっている。
その穴を足場にすることで、滑らないように工夫しているようだ。
滑りやすさの差が、体重差以上の効果をうみ、刃牙が押し出している。
大地を斜めに利用するしかないと言っていたゲバルの技術論が今ごろ効いてきたのか? (範馬刃牙7巻 52話)
とにかく前進して戦うという状況を評価するのが刃牙世界だ。
刃牙世界で妙に相撲の評価が高いのは、前進するスタイルが刃牙世界に合っているからかも知れない。
そう考えると、オリバを押し出していく刃牙のスタイルも、なんだか相撲に見える。
押しに押されて、ついにオリバの背中が壁に押しつけられた。後が無い、大ピンチだ。
動きの取れるスペースが無くなったので、さらに打撃力も落ちるだろう。
しかも、土俵を割れば相撲なら負けだ。相撲的に負けたら、勝負にも負けそうな雰囲気がある。
オリバも世界が相撲でできている事に今ごろ気がついたのだろう。私も今日 気がついた。
後がない。ヤバい。
「100キロも軽い少年に――――――――――」
「わたしが―――――――」
「アメリカが――――――――」
またアメリカかよッ!?
いつからオリバがアメリカ代表になったんだ?
オリバはたしかにアメリカ人だが、出身はキューバだ。(バキ11巻 93話)
他国出身の人が代表していて良いのだろうか?
でも、看守たちもオリバに星条旗を感じているので、アメリカ代表だと思っているようだ。
多民族国家だから、出身とかにはあまりこだわっていないのかもしれない。
外国人横綱にたいする風当たりは、日本よりやわらかいな。
アメリカ代表として小僧っ子に負けるワケにはいかない。
オリバが渾身の力を振りしぼる。
雄叫びをあげながら右フックを打ち込んだッ!
フックッ!?
今までストレートで打ち合っていたのに、なんで近い間合で使用するフックなのだ?
そう、間合はすでにここまで近づいていた。
刃牙は打たれながら、オリバの首に組みついている。
この間合ッ、相撲の間合だ。いや、相撲かんけい無い。
全身の筋肉を総動員して、刃牙が頭突きをオリバにブチ込んだ。
頭突きは、オリバがもっとも輝いたvs.龍書文で勝負を決めた技である。(バキ24巻 210話)
そんな頭突きをあえてオリバに決める!
刃牙の性格がしのばれる攻撃だ。
機会さえあれば、ジャック兄さんに噛みつきを仕掛けかねない。
このとき、ボブたちは星条旗が落ちる姿を脳裏に描いたという。
君ら、どれだけオリバが好きなんだ。
オリバの食事に出すワインも自主的に探しているんだろうな。
62話で、嬉しそうにロマネを見つけたと言っていたし。
さらに刃牙がトドメの一撃を放とうとする。
相手に背中の鬼が見えるほど体をひねったトルネード・オーガ・パンチだッ!
コイツが当たればひとたまりも無い。
大砲の口径を見ると威力が想像できるように、フォームを見ただけで威力が想像できる。
直後に訪れる陰惨なシーンを想像して、思わずボブたちは目を閉じてしまう。
だが、オリバはすでにダウンしていた。
刃牙のパンチは空を切り、壁を砕く。勢いあまって体ごと壁を突きぬける。
『「象徴的なシーンだった……」』
『「気が付いて……」』
『「顔を上げてみたらさ…」』
『「もう………………自分の前には誰も……いないのだから………」』
最後に突っこんでいって、足を引っかけて転ぶ刃牙を見ると、本当に無意識に戦っていたとわかる。
意識があるときの刃牙は暴言を吐きまくる印象があるから、今後ずっと無意識のままでもいいのに。
刃牙は限界を突破し、新しい世界を開いたのだ。
コレを期に生まれかわって、口先でケンカを回避する性格が治ればいいんですけど。
なにはともあれ、範馬刃牙がアメリカを拳で制圧した。
やたらと回り道した感のある刃牙vs.オリバ戦もこれで終了だ。
18話で、オリバに仕掛けたとき、そのまま戦っていれば話は早かったのに。
一年以上の回り道であった。
オリバはおとなしく球体防御 → カウンター・パックマンをやっていればハメ殺せただろうに。
卑怯を良しとしない紳士的態度が敗北をまねいた。
今夜のオリバは、マリアの胸で泣く。
筋力では作中最強(勇次郎は除く)のオリバを刃牙は真っ向勝負で倒した。
なんか範馬一族と人間の間に越えられない壁が一枚できただけという気もする。
例によってストライダムに報告を勇次郎が受けたら、当然のように受け流すんだろうな。
「オリバごときハンパ者にてこずるとは、成長の無いヤツ。ニィ…(と言いつつ嬉しそう)」
勇次郎はゲバルを喰いにくる途中らしいから、そろそろ刑務所にやってくるのだろうか?(範馬刃牙7巻 50話)
あの時点では刑務所にゲバジュンがいると思っていたはずだし。
ただ、まだ刃牙と勇次郎が出会うには早い。
刃牙は勇次郎とあった時点で勝負するつもりだろう。
オリバに勝ったものの、刃牙が勇次郎に勝てるとは思えない。
とりあえずスレ違いの展開が待っていそうだ。
勇次郎がくるとしても、以下のような展開になるだろう。
オリバ戦のダメージもあり寝つづけている刃牙の寝顔を見て勇次郎は満足する。
とりあえずオリバを いじって「オマエの筋力など範馬の前では…(略)」
ついでにボッシュを脅して刃牙の罪を帳消しにしていく。
ゲバジュンのことは忘れてください。
けっきょくゲバジュンはなんだったんだろうか?
ナナメに地面を蹴るとすべる。この情報を伝えるためのキャラだったのかもしれない。
これで、勇次郎がゲバル国まで殴りにきたら、本当に不幸な人だ。
オリバと刃牙の打撃戦は刃牙が制した。
見た目の筋肉量もちがうし、体重もちがう。なのに出力は刃牙のほうが大きい。
これは範馬の血というだけでは無く、刃牙が微妙に技術を使っていたからだろう。という、考察は前回した。
範馬の血も地球の物理法則を超えるほどの力は無いのだろう。たぶん。
それでも、範馬に勝つには範馬しか無いという印象ができた。
こうなるとジャック兄さんに再登場願うか、世界中にバラまいている範馬の種が芽吹くのを待つしかない。
次回からは骨肉の争い編になりそうだ。
最大範馬トーナメントの開催も近い?
当然、タイからやってくるサムワン範馬(仮)は666%の確率で噛ませ犬だ。
2007年7月12日(33号)
第3部 第78話 実現 (734回)
さっきまで戦っていたハズ。
だが、刃牙の目前に巨大な壁が出現していた。
範海王ならば、目前の壁は死亡確認の証だ。(バキ26巻 224話)
しかし、刃牙は主人公なのでまったく問題ない。
出現した壁は刑務所の外壁だ。
建物の壁を突きぬけて、外壁の前に出たらしい。
しかし、建物のすぐ横に壁があるのは構造上マズいぞ
最上階の窓からエイヤッと飛び出せば、壁の上に着地できそうだ。
ロープを用意していれば、おりるのは簡単にできるだろう。
脱走防止の観点からだと、壁の周囲は狙撃しやすいように何も無い土地であるほうがいい。
と、なるとこの壁は外壁じゃないのだろうか。
限界突破して新世界がひらけた。と思ったら超えられない壁がある。
なかなか意味深長なシチュエーションだ。
オリバを倒して、最強に近づいたと思ったのだが、壁がある。
まだまだ刃牙の挑戦はつづく。
刃牙にさとすために出現したリアルシャドーな壁だったのかもしれない。
オリバは完全にダウンしていた。
しかし、なんといってもミスター・アンチェインである。
すぐに目を覚まし、がばっと起きあがった。
そこで、オリバが見たものはッ!?
「え――――――?!」
壁が出現した。
ぬりかべ かッ!?
いやちがう、マリアだ。
マリアが立ったッ!(※「クララが立った」の発音で)
愛の力だろうか?
75話でオリバへの異変を感じていたマリアは、起き上がってやってきたのだ。
立てるんだ、この人。
長年 寝ていたせいか、体つきがなんか平べったい。
まさに ぬりかべだ。
「あの子に」
「敗(ま)けたね」
「うん…」
マリアは冷徹に事実を確認する。
オリバは素直に答えた。まるで子供に帰ったような反応だ。
かたくなに負けを認めていなかったアライJr.にも見習って欲しい態度である。(バキ30巻 260話)
互いに心が通じているから素直になれるのだろうか。
言いにくいのか、オリバは目をそらしているけど。
梢江も、マリアにくらべたら小娘にすぎない。まさに、文字通りの意味で。
オリバが敗北を噛みしめていると感じとり、マリアは帰ると言い出す。
変になぐさめない優しさが染み渡るようだ。
そして、命令する。自分はもう歩けないから、運べ。
なんというツンデレかッ!?
互いに通じ合っていながら、さらにツンデレだ。
あの巨体でなんと言う動きをしやがる。
やはり、小僧っ子の梢江などより数段上の実力がある。
ところで梢江はどこでナニをしているんでしょうか。
愛をすてて修羅の道に入った刃牙が勝利し、愛のために強くなり互いを支えているオリバが敗北した。
グラップラーの世界に、愛は不必要なのだろうか?
だったら、読者はなんのためにバキSAGA (AA)を乗り越えてきたのかと……
そして、翌朝が来た。
まるでドラクエ的イベント戦闘後の宿屋からスタートみたいな状況だ。
とりあえず村人全員に話しかけるようなノリで、受刑者を全員集める。
なんて迷惑な。
本当にイベント好きなブラックペンタゴンであった。
みなの前でオリバが敗北宣言をした。
最強をほこっていたオリバ政権の崩壊に受刑者たちがどよめく。
でも、アメリカがッといって取り乱す人はいない。
前回のアメリカ幻想はなんだったんだろうか?
「ところがだ」
「俺にはそれがガマンできない」
まさか、オリバがリベンジするのか? 自分はNo.1じゃないとイヤだ宣言である。
と、思ったら刃牙を刑務所から追い出すという作戦だった。
喧嘩では負けたけど、権力じゃ負けていない。
ビスケット・オリバのアンチェイン力を見せつけた。
刃牙はおとなしく出所する。
オリバに勝ったので目的は果たした
もう、用は無い。
というか、誰も引き止めてくれなかったので、泣く泣く出て行ったのかも。
刃牙って人望無さそうだし。
刃牙は出所したものの刑が残っている。
世間的には脱獄した扱いになるのだろうか?
それとも記録上は受刑していることになっているけど、外出中かもしれない。
なんにしても、また一人アンチェインが世に放たれたのだ。
そして、勇次郎と接触するチャンスが消えた。
もうちょっと待てば勇次郎がやってきたのかもしれないのに。
刃牙はすごい強運の持ち主だ。
この調子で永遠にスレちがうのかもしれない。
水・食料・現金・自転車をもらって刃牙は旅立つ。
行く先はとりあえず空港だ。
パスポートが無さそうだけど、アメリカから旅立つのだろうか。
そして、次回は今世紀最大の驚愕 が待っているらしい。
ハイジャックに遭遇して、範馬刃牙ダイ・ハード編でも始まるのか?
梢江と再会して、Saga2だったりするなら、秘宝伝説級に今世紀最大の驚愕だ。
愛は捨てたんだろ。捨てたものを拾うな。喰うな。
とにかく刃牙はオリバを倒した。
勇次郎への障害がまた一つ取りのぞかれたのだ。
もはや、刃牙の敵は人類にいないのかも。
刃牙が目指すのはNASAか? 宇宙人か!?
むしろロシアに行って、かつて政府が製作した強化兵士と戦う展開もアリかもしれない。
とりあえず、アメリカ大陸からは出て行きそうな気がする。
オリバというアメリカの象徴を倒しちゃったんだし。
なお、当サイトでは「宇宙:アメリカ大陸の外」と定義する。
ところで、アイアン・マイケルの姿が見えない。
サムのジイさんや、巨漢はいるのに、なぜアイアン・マイケルがいないのだ?
刃牙とオリバの死闘を見て、迫力にノックダウンしたのだろうか。
今のマイケルなら十分ありうる。
出演する最後のチャンスだったのかもしれないのに、惜しいコトをした。
先々週の板垣先生のコメント『誰か西条真二に巨乳の彼女を紹介してやってくれェッッ』に返答があったッ!
『お願いします! 紹介してください!! 板垣先生!!! 板垣様!!!!! 巨乳〜〜〜〜ッッ!!!!!』
さ、西条真二ィィィッッッ!!?
あんた、そこまで、そこまで巨乳が欲しいかッ!?
巨乳タイプの『ARMS』があったら、三分かからずに取り込まれているぞ。
一度、西条真二・秋本治・松山せいじを集めて鼎談させてみたらどうか?
テーマは言うまでも無く、 奇乳 巨乳だ。
あと、板垣先生に頼んでも、胸囲100cmの中身は筋肉という感じの男性しか紹介できないと思う。
もしや、今世紀最大の驚愕とは巨乳がキーワードなのか?
範馬刃牙、セクシーダイナマイト編スタート?
2007年7月19日(34号)
第3部 第79話 親孝行 (735回)
刃牙のターンが終了すれば、範馬勇次郎のターンだ。
そういえば刃牙が巨大カマキリを狩った直後も勇次郎は出てきた。(範馬刃牙 3巻 15話)
さすが地上最凶の親バカである。
勇次郎は、お供のストライダムを引きつれて歩き回っている。
本日は博物館をまわっているようだ。
意外と考古学も好きなのだろうか。
そして、毎度つきあわされるストライダムが あわれだ。
たぶん対勇次郎の接待手当て(危険手当とも言う)でボーナス出ているんだろうな。
範馬勇次郎は歩く音からしてちがう。
ストライダムが「カッ」「コッ」と歩くのに対し、「ズチャ」と歩く。
クツの材質がちがうためだろうけど、他にも理由がありそうだ。
何しろ相手は範馬だ。見た目以上に体重が重いとか、足裏から変な汁を出している可能性もある。
範馬に限れば、重いほうが速く落下してもおかしくない。いや、その理屈はおかしい。
ガムを踏んだというオチは、たぶん無いと思う。踏んだら周囲に八つ当たりしてそうだし。
「あのアンチェインに腕力(ちから)で勝ったか」
親バカな人は喜んでいるようだ。
小技で勝っていれば喜びも微妙だったろうが、正面から殴り勝てたのなら大喜びだ。
刃牙の選択は、お父さんを喜ばせると言う点で正解だったらしい。
喜びを噛みしめているのか、今日の勇次郎は無口だ。
ストライダムの質問には答えているが、自分からしゃべらない。
まあ、ベラベラと刃牙の自慢話をする勇次郎なんて見たくありませんが。
刃牙が行った幻影カマキリ戦も、勇次郎に対する強烈なアピールだ。ストライダムはそう見ている。
あれほどエフエフ笑っていた勇次郎だが、今回は反論しない。
内心ではけっこう刃牙のことを認めているのだろう。
なにしろ刃牙が反応を返したのだし、本当はスゴク嬉しいにちがいない。
まったく、素直じゃないんだから。
「アメリカ 一(いち)………
否 世界で最もパワフルな男――――
アンチェイン・オリバをパワーで圧倒した」
「君ですらが一目置くあの怪物をだ」
ストライダムがさらに刃牙を褒めたたえる。
返事はしていないが、勇次郎も内心は満足しているにちがいない。
あとで、ボッシュにかけあってストライダムにボーナス出すように言うかもしれないぞ。
でも、ついでにオリバを褒めすぎると「オリバなど単なる力自慢にすぎん」と言い出すかもしれない。
チョイ悪・ツンデレ・オヤジ心は複雑なのだ。
範馬勇次郎はニトログリセリンよりも用心深くあつかえ。
しかし、ストライダムは生粋のチャレンジャーだ。
勇次郎と握手するために命すらかける男である。(グラップラー刃牙40巻 351話)
虎の尾を見たら踏まずにはいられない。
「今やバキはこの地上で――――」
「最も君を脅かす存在かもしれんな」
「しゃべりすぎだぜストライダム」
怒られたッ!
調子にのりすぎだ。ストライダム自重せいッ!
さすがに「脅かす」は言い過ぎだったのだろう。
生物の頂点に位置する範馬勇次郎に、並んだり脅かしたりする存在はいないのだ。
勇次郎の逆鱗に触れてしまった。
ストライダムは急いで謝罪し、話題を変えようという。
でも、いきなり話題が出てこないのでしばらく黙って歩くのだった。
これは、さぞかし気まずいだろうなー。
でも、ストライダムの素直な謝罪能力が、勇次郎接待で活躍しているのだろう。
最近の企業も素直な謝罪は見習ったほうがいいかもしれない。
アメリカは良き人物を養っておられる。
しかし、勇次郎も完全に怒っているわけじゃないのだろう。
勇次郎の喜怒哀楽は、ほとんどが暴力行為となって表面に現れる。
怒りの暴力もあるけど、喜びの暴力もあるのだ。
江珠を殺害した後の暴力は、哀しみの暴力だったのだろうか?(グラップラー刃牙20巻 173話)
範馬勇次郎の心は、いまだに理解できぬ。
ストライダムは熊の剥製を見つけて、やっと新しい話題を見つける。
刃牙なら熊に勝てるかい?
勇次郎は、造作もないと答える。
うわぁ〜、嬉しそうだ。すげぇ、嬉しそう。
どこまで息子が好きなんだよ。その愛情を少しはジャック兄さんにも注いであげてください。
刃牙は夜叉猿との友情がある関係から、野生動物はあまり襲わないのだろう。
ガイアたちレンジャーが熊を殺したと知ったときには激昂していた。(グラップラー刃牙16巻 139話)
そういう刃牙を知っているから、勇次郎は「奴はやらねェだろうが」と付けくわえる。
お父さんは、息子のコトを良く知っていますね。
調子にのったストライダムは、巨大な牙をもつ化石の前でも同じ質問をする。
おそらくサーベルタイガー(スミロドン)だろう。
ネコ科史上最強といわれる、絶滅した獣だ(参考:1、2)。
果たして、刃牙はこの獣に勝てるのかッ!?
「手こずるな………」
「無傷じゃ済まねェが」
「檻の中でなら30分以内ってところか」
範馬勇次郎からお墨付きが出ました。
俺の息子なら勝てるもんね。
勇次郎の息子自慢は止まらない。加速する。
ストライダムも加速する。
「ム」が一個すすんで「メ」になったようなものだ。名づけて、ストライダメ。ダメっぽい感じが似合う。
周囲を見渡して、さらに仮想試合を組もうとしている。
せっかく話題を変えたのに、ダメっぷりは変わらない。
むしろ酷くなっている。
「いい加減にしねェかッ」
「玩具(オモチャ)を前にした餓鬼じゃあるめェし」
「しゃべれねェように されてェかッ」
勇次郎がスゴい怒ったッ!
攻撃する部位まで特定できる怒りかただ。
口が危ない。舌ぬかれるか、アゴを砕かれるか。
そう油断(恐怖?)させておいて、目を狙ったりするかもしれない。
ストライダムは異常に調子コキすぎだ。
本当に命が惜しくないのだろうか。
でも、こういう特攻精神があるから勇次郎とも付きあえるのだろう。
普通の人ならビビって「はい」と「イエッサー」しか言えなくなる。
まあ、ストライダムの場合はバカなのか勇気があるのか、判別つかないけど。
この人、昔はこれほど変な人じゃ無かったと思うんだけど……。
性格に影響が出るほどショックな目にあったのだろうか?
「ワカった… もう質問はしない」
「2度としない」
平謝りするストライダムであった。
背景にマンモスの化石らしきものが出たので、次はマンモスで質問したかったのだろう。
ネットしているときのストライダムは質問ばかりする、うるさい人なのかもしれない。
少しは自分で調べたり考えたりしろ と言われますよ。
だが、ストライダムは刃牙を最強の敵とみなしている。
ゆえに質問せずにいられない。
漫画のキャラで誰が最強かとか、そういう質問はいつの世も出てくるものだ。
さりげなく、刃牙を生涯最強の敵と持ち上げるあたりが、ストライダムの老獪さだ。
刃牙を褒められたので勇次郎は機嫌を直す。さすが天下無双の親バカだ。
キャプテン・ストライダムが、全米No.1の危険&重要な接待役をこなしているのはダテじゃない。
ストライダムと呼びすてにするな。キャプテンだ。キャプテン・ストライダムと呼べ。
彼はバカではない。勇者なのだ。
「君はこいつに勝てるかなァ?」
バ、バカだッッッ!
全力でバカだ。
ダメだ、コイツ。絶望的に記憶力が欠如している。
やっぱり、ストライダメだよ。
二度としないといった直後に質問している。
当然、勇次郎も怒る。
背景がゆがむほど怒った。
この怒りはかなりのモノです。
今度こそストライダムもアウトか?
だが、巨大恐竜の化石を前にして勇次郎は思わず笑みを浮かべた。
おそらくは史上最大の肉食獣ティラノサウルスだ。
暴君竜と言われるコイツは、現代の暴君である勇次郎に通じる部分がある。
思わず勇次郎も楽しげな妄想をしてしまったらしい。
範馬勇次郎は恐竜に勝てるのか!?
次回へつづく。
『次号より「範馬刃牙」はお休みさせて頂きます。
43号[9月20日(木)発売]の再開をお楽しみに!!
しかし、板垣恵介は休みません。』
次号より、板垣恵介・短期集中連載ッ!
『地域(エリア)を越え―――
闘法(ジャンル)を越え―――
体重(サイズ)を越え―――
思想(イズム)を越え―――
身分(ステイタス)を越え―――
そして時空(とき)を越えた!!』
『ピクル PICKLE』
なんと、七話限りの連載をはじめるらしい。
出てくるのは史上最強の怪物だ。
ティラノサウルスが現代によみがえるとでも言うのだろうか?
でも、銃で武装した人間には勝てないと思うのだが。
とりあえず予告には人間の絵が出ている。
主人公は人間のようだ。全てを越えた怪物が誕生するのか!?
そして、今までの『範馬刃牙』を振りかえる『範馬戦記』も同時スタートするらしい。
萌え漫画が増殖するチャンピオンにおいて、あくまで筋肉をつらぬく板垣先生であった。
ところで、『PICKLE』といったら、ピクルス(漬物)のことだよな。
ハンバーガーに入っている酸っぱいアレだ。
今日もまた、ハンバーガーにピクルスをはさむ仕事がはじまる……。
などと、ストレスためている男がブチ切れるところから、話がはじまるのだろうか?
今週のチャンピオンは水島新司 画業50周年と言うことでゲストが多い。
そのせいかチャンピオンが売り切れていて探しまわるハメになる。
各界から豪華ゲストが終結していて、チャンピオン連載陣もイラストとコメントを寄せていた。
一人色紙 一枚分と言う感じなのだが、なぜか板垣先生は二枚分だ。
ッッッ!
さすが、作者も刃牙そっくり・刃牙が刃牙を描いているような漫画家と称される漢(おとこ)だ。(週刊少年『』)
ワガ マ マ っぷりのレベルが段違いである。
そして、コメントが『山田太郎にはユニホームではなく、真白な柔道着こそが似つかわしいのです』だ。
確かにドカベンが柔道漫画で始まったのは有名である。しかし、板垣先生の思惑はちがうだろう。
この人、ドカベンを柔道(自分のテリトリー付近)によんで、勝負して、勝つつもりだッ!
たしかに、作者も刃牙そっくり・刃牙が刃牙を描いているような漫画家だ……。
おそらく妄想のカマキリと戦ったのも、一度や二度ではあるまい。
2007年9月20日(43号)
第3部 第80話 混沌の始まり (736回)
『これほど濃く、これだけ肉体が過剰な漫画が、これまであったであろうか。』
と、夢枕獏先生の寄稿で範馬刃牙の再開が始まった。
パックマンが出てきたあたりから、格闘漫画すら超えて肉漫画になった気もする。
とにかく連載再開だ!
バキハウス地下で、刃牙はトレーニングをしていた。
かつて朱沢江珠の前で勇次郎が行った、突きと蹴りの動きをゆっくりと行うものだ。(グラップラー刃牙18巻 158話)
勇次郎は最後に『呀ッ』と汗を飛ばした。しかし、刃牙はそこまでの域に達していないらしい。
汗まみれのまま、鍛錬を終了する。地下室だけにニオイがこもりそうだ。
勇次郎が鍛錬をしていたときは江珠が性的にときめいて近づいてきた。
刃牙の場合はストライダムが見ている。
ま、まさかッ!?
ピクル最終話につづいて、ウホッ!なことになるのか!?
刃牙よ、そんなオッサンをときめかせて、どうするつもりだ?
「お待たせしましたキャプテン」
待たせてたのかッ!
人生の先輩で、恩義もある人を待たせていたとな。
「これから練習がするので、そこで立ったまま待っていてください」などと暴言はいたのか?
おそるべし範馬刃牙18歳ッッッ!
刃牙は「オリバに勝ったから、米国は俺の属国」などの妄想を持ってしまったのかもしれない。
日本に帰るときも、米国人にたいして すげぇ態度デカかったんだろうな。
正式に釈放されていないから、脱獄犯あつかいのハズなのに目立ちまくっていそうだ。
夏休みの宿題をやってこなかった生徒よりも酷いあつかいを受けるストライダムであった。
これだけの屈辱を受ければ、欲情も引っこむだろう。
今日も眉間のシワが消えません。
ただ、この程度で腹を立てていては範馬勇次郎の接待はできぬ。
頭から尿をかけられてなお、笑顔を見せる。
さらに「おや昨日は安物のブランデーを飲みましたかな?」などといって、かえって怒らせるのがストライダムの仕事だ。
ストライダムは素直に階段を登って、地下室を出て刃牙の部屋に移動する。
本当は、座布団に座って部屋で待っていたかったんだろな。
とりあえず、一つしかない座布団を譲ってもらい、お茶も出してもらえた。
ストライダムはちょっと満足しているだろう。
もっとも、お茶の用意をするあいだ、ずっと放置プレイだ。肝心の話ができない。
かえってストレスが クライマックスだったのかも。
なんか刃牙の遠まわしな嫌がらせという気もしてきた。
やっとストライダムは刃牙に話を切り出す。
しかし、相手は最悪の18歳・範馬刃牙だ。
とにかく態度が悪い。
話を混ぜっかえしたり、胡坐すらしないで、崩れた姿勢をとる。
「イーカラ答エテクレッ」
ストライダムがせっかく興味を引くような質問をしたのに、刃牙は答えない。
これは、さすがにストライダムがかわいそうだ。
でも、全米の平和はストライダムの接待にかかっている。
がんばれ、ストライダム!
けっきょく、6ページぐらい消費して、ストライダムはやっとピクルの話をすることができた。
長い。長かった。アホが無駄に抵抗しやがったせいで、まともに会話することもできない。
思い返せば、4話で刃牙とあったときも本当に態度が悪かった。
範馬親子によるストレスで、ストライダムの胃に穴が開きそうだ。
ストライダムの持ってくる話は、いつも勇次郎関係だ。
なのに、刃牙はマジメに話を聞かない。
勇次郎と戦う気がないと思われても仕方のない態度である。
本当に勇次郎と戦うことをすっかり忘れていそうだし。
そんな刃牙に、ストライダムはティラノサウルスよりも強い雄・ピクルの話をする。
コミックス派の人は、いきなりピクルが出てくるから、戸惑うんだろうな。
ピクル連載を読んでいても戸惑うぐらいだし。
ピクルは羽田空港に軍用機でやってくる。
TVで生中継だ。
けっきょく、ピクルの情報は漏れまくったらしい。
ペイン博士の野望はやぶれたのだ。
しばらくは学会への対応で精一杯だろう。
ニューヨーク・タイムズらしき新聞にも掲載され、来日するところをTV中継する。
けっこう有名な事件のようだ。
もっとも、われらが刃牙は新聞なんて読まないだろうし、ニュースも見ない。
現代を舞台にした少年漫画の主人公で、もっとも携帯電話を持っていなさそうなタイプだ。
刃牙ならハトサブレと電話を まちがる。そのまま電話を喰う。最後まで気がつかない。
今日のミッションは、ピクル来日という時間的な制約があった。
ストライダムはなんとか、生中継までに刃牙をTVの前に連れ出すことに成功する。
刃牙がのんびりとお茶をいれている間は、時計を気にしながらソワソワしていたんだろうな。
最初の目的は、刃牙を羽田に連れていき、ピクルと刃牙をあわせるモノだったのだろう。
しかし、刃牙がダダをこねる。「トレーニングが終わるまで、絶対に話は聞かない」と言い出したので、最初の計画は失敗したと思われる。
「キャプテン…………」
「強ぇよこいつ」
とりあえず、刃牙はモニターごしにピクルを見つめる。
見ただけでワカる強さがあるらしい。
ピクルの放つ高い野性度を範馬の本能で感じとったのだろう。
見ているだけなのに刃牙が汗をかいている。
今日のピクルは服を着ている。
そのため野性度がかなり下がっているはずだ。
しかし、刃牙がもつ獣性は、ピクルの強さを感じとっているらしい。
現場では相沢アナウンサー(♀)がピクルに直撃インタビューを試みる。
なんと米軍兵士の囲みを簡単に突破した!
この女、タダ者ではないッ!
韓流スター来日などの戦場を生き抜いてきたプロ中のプロだろうか?
彼女がテロリストだったら、ピクルと護衛の米兵は全員爆死している。
目前に雌があらわれた。
しかも、バツグンの突破力を持った雌度の高い固体だ!
即座にピクルの野性が反応する。
いきなり、抱えこんで押し倒した。
『悲しいほどの……』
『野性…………』
『滑稽なほど……… 野性……!!!』
米兵たちが蹴る殴るで必死にピクルを止めようとするが、野性はそんなもので止まらない。
野性的な故、純粋ッッ! 純粋故に、的確(ただし)かった!
まさしくSAGAの乱と言うべき野性の嵐だ。
未知のアイテムであるブラジャーもパンツも引き裂いて、ピクルは野性の本能にしたがう。
前代未聞ッ、TV生中継で公開レイプだ。
米兵や観客のいる中で事におよぶ。
しかもTV中継である。
これはさすがにマズい。
中継を中止しないと、抗議の電話がスゴい勢いでくるぞ。
『大変なことが起きてしまいましたッッ』
『信じ難いことが起きてしまいましたッッッ』
だが、スタジオではしっかりとコメントまでつけてしまうのだった。
それにしても、このアナウンサー(?)ノリノリである。
事態は、さらに悪化する。
済んですっきりしたのか、ピクルは下半身を露出して立ち上がってしまう。
いつのまにかズボンを片足抜いている。とても手際がいい。
高い学習能力を持っていることがワカる。
そして、イチモツは誇らしげに天をさしていた。
ヘソまで届く、というかヘソより高そうなほどのサイズでござる。
バッチリ生放送しちゃいましたね。
圧倒的な野性度を見せつけて、ピクル来日す。
最近、主人公は活躍できない傾向がある。
だったら、ピクルも『範馬刃牙』に来たら、もっと活躍するかもしれない。
先週、そう思っていました。
そして、想像をはるかに超えた方向に大活躍している。
たしかに活躍したかもしれないが、コレでいいのか?
そして、早ッ!
もう行為は終了ですか。
野性度、高ッ!
セックスの最中は生物が無防備になるということは、刃牙ファンであれば知っているだろう。
それゆえか、野生動物は一般的に交尾の時間が短い。
ほとんどの動物がインサートしてから射精するまで数秒ないし、長くて数十秒である。(参考:動物おもしろ性態学・AA)
野性度が高いピクルも、そうとう早いのだろう。
早いとお悩みの方は、自分は野性度が高いッと誇ってみては如何かと愚考いたしそうろう。
なんにしても、最大全裸トーナメントは無いとワカった。
ピクルを参加させたら、対戦相手と戦わずに、別のファイト始めちゃう。
しかも早撃ちだから、制止する間もない。タップする間もなく折ってしまう関節技師なみにタチが悪い。
野性度が高すぎるのも考えものだ。
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