花山薫 総集編

範馬刃牙 餓狼伝 疵面 シグルイ(アニメ版) Gロボ バックナンバー  日記 掲示板 リンク1 リンク2 TOP


2008年12月18日
花山薫 総集編 VOL.1 天の巻

 バキ外伝 疵面(スカーフェイス)が、来年のチャンピオン6号(1/8発売)でプレ新連載をして、7号(1/15発売)から本格連載する!
 8月のプレ連載から五ヶ月の雌伏をへて、ついに連載開始だ!
 まず、プレ連載ではじまるあたり 今後が不安になる。
 まあ、『クローズZERO』もプレ連載からはじまったので、期待の新作あつかいなのかもしれない。


 そんなわけで、外伝の宣伝をしつつチャンピオンの一回休みをフォローする『花山薫 総集編 VOL.1 天の巻』が発売された。
 疵面13撃までと、vs稲城文之信戦、vs愚地克巳戦が収録されている。
 『疵面』については過去感想を見てください。

 総集編には花山以外の外伝を読みたいか? というアンケートがのっている。
 バキ外伝の増殖プロジェクトでも進んでいるのだろうか?
 外伝候補のメンバーは次のとおりだ。

 (1) 渋川剛気  (2) 愚地独歩  (3) 愚地克巳  (4) 烈海王  (5) 範馬勇次郎
 (6) 鎬昂昇   (7) 鎬紅葉    (8) 夜叉猿   (9) 本部以蔵  (10) 柴千春
 (11) オリバ   (12) ジャック・ハンマー    (13) ストライダム  (14) ガイア  (15) ゲバル
 (16) ピクル   (17) その他

 人気順に並んでいるのだろうか?
 だとしたら、夜叉猿に負けている本部があわれだ。
 そして、外伝ストライダムというのは冗談すぎる。

 実際のところ、ヤング愚地独歩をやってしまうと『空手バカ一代』になってしまう。
 さすがに、独歩はマズかろう。
 ただ、愚地独歩・渋川剛気・本部以蔵たちが若かったころのエピソードはみたい。
 1シーンだけ描かれた渋川剛気 vs. 柳龍光だって気になる。
 地下闘技場は昔からあったみたいだし、昔のエピソードを見てみたい。

 あと、バツグンにキャラが立っているのは烈海王だろう。
 克巳といっしょになって、片足・片腕となった状態から這いあがる話を見てみたい。
 逆境からの復活は長い話になるので本編では扱いにくい。
 ぜひとも、二人の若き拳雄に機会(ジーフィー)をッ!


花山薫 vs. 稲城文之信  (更新 08/12/17 )

 東京ドーム地下闘技場・最大トーナメントッ!
 超A級喧嘩師・花山薫は日本拳法の稲城文之信とたたかう。

 日本拳法は、防具をつけての直接打撃(フルコンタクト)制、さらに投打極なんでもアリ。
 古くから総合格闘技を実践していた。じつに興味深い武術である。
 ……相手が普通なら。

 なにしろ相手は花山薫だ。
 これはもう勝ちが決まっている。
 古くからの人気キャラが、パっと出の新人に負けるワケにはイカンのですよ。

 たとえば、本部だ。
 1巻から出演している最古参であり、勇次郎と二度も戦った実力者だ
 「全ての打撃技を捕え」、「(勇次郎の)攻撃が全て見えるぞ!」と豪語した古強者だ。G6巻 49話)
   最大トーナメント時。2008年12月現在は日本刀ごと敗北事件を入れて三度としてもいいかも。(バキ18巻 156話


 そんな本部が、現役横綱とはいえ、パっと出の新キャラに負けるハズない。
 そう考えていた時期が俺にもありました。
 負けたね。無残に。一話分、気をもたせてから負けたよ。
 一度もちあげてから、落とす。すごいダメージだ。

 全ての打撃技を捕えるハズの本部が相撲の打撃を喰らっている。
 なんでも知っている本部が力士の小指を過小評価していた。
 勇次郎との再戦で頭をはげしく打ちすぎたのだろうか?
 でも、あの場面で親指を取ったとしても勝てた気がまるでしない。
 あそこで勝てたら、グラップラー刃牙22巻の表紙に登場できたのに……
 グラップラー刃牙 (22) (少年チャンピオン・コミックス)
 ↑ 一回戦の勝者たち


 本部の話ばかりになりそうなので、がんばって話をもとにもどす。
 鉄板と思われた本部ですら敗北した。
 もしかしたら、花山ですら危ういのかもしれない。
 そんな空気のただよう、花山 vs. 稲城戦であった。
 いや、あまり ただよっていなかったか。

 ボクシングであれば、序盤はジャブで様子のさぐり合いだ。
 刃牙の場合はパフォーマンスでさぐり合う。
 稲城は防具の面を花山にわたす。
 花山は面を握力で握りつぶすというパフォーマンスで、カウンターを取る。
 ちなみに、花山の顔のほうが、面より横幅大きいのでかぶれなかっただろうな。そりゃ、花山も怒るさ。

 つぎに花山が匕首(アイテム)を稲城にわたすパフォーマンスを見せた。
 稲城は、これを拳で叩き割る。
 日本刀を折るのは本部・敗北級の精神ダメージだ。
 見事なカウンターである。

 「戈(ほこ)を止める」と書いて武である稲城が、相手に防具をわたす。
 ぎゃくに暴力の象徴である花山が相手に武器をわたしていた。
 それぞれ自分にあった属性のアイテムをわたしている。
 だから、相手にとっては使いにくいアイテムといえるかもしれない。
 魔法使いに打撃武器わたして どうするよ的な感じで。

 なお『武は、戈を止めるの意』という解説は許慎の『説文解字』による。
 だが、実際の武は、戈をかついて歩くの意だ。(参考 4.会意に武の説明アリ)
 歩くは、止を二つ重ねた字だ。戦後略字で形がわかりにくくなったのでワカりにくいですが。(参考
 長さの単位『』は、一歩の長さではなく、足を二回止めた長さ=二歩である。
 武は侵略する兵士の姿だ。そういう意味では花山も武人だろうか。


 パフォーマンスの前哨戦は互角にみえた。
 ココから先は、実際にぶつかりあう実力の世界だッ!

 開始と同時に両者がつっかける。
 ホームラン狙いの強打者のように、花山はフルスイングだ。
 たいする稲城は体を反転させてよけると同時に打撃を撃ちこむ。
 カウンター!
 力を技術が押さえつけた。

 タフネスの代名詞であるような花山の上体がかたむいた。
 だが、すぐさま立てなおす。
 反撃された直後でありながら、まったく恐れずに第二打を撃ちこむ。
 普通なら直前にうけたダメージが心にのこって、腰が引ける。
 どんな恐怖も押さえこんで、常に全力を出すのが花山流なのだ。

 二撃目もカウンターにとられる。
 だが、花山は止まらない。
 今度はボディーアッパーで攻撃だ。
 大雑把にみえるし、実際荒い攻撃だが、左右・上下に打ちわけている。
 ヤケクソの攻撃ではない。目を見開き、痛みと向きあいながら殴っているのだ。

 稲城は三発目を足で受けた。
 そして、倒れる。
 受けた足がぐにゃりと折れていた。
 防御すれば、防御した手足が破壊される。
 まさに防御不能の大砲だ。

 トドメの追撃は、防御する稲城の両腕を破壊し、背骨までも砕く!
 盾も鎧もつらぬき通す最強最大の矛であった。
 花山薫、衝撃の地下闘技場デビューだ。


 というワケで、とりあえず危なげなく勝利した花山である。
 触れただけで大ダメージとなるバツグンの破壊力だ。
 本部にもわけてあげたい。

 ところで、稲城の骨折は異質な感じだ。
 体重を支えている足の骨は丈夫だから、関節のほうにダメージがありそう。
 骨折より、ヒザを脱臼しそうなんだけど。
 花山の攻撃は予想外の角度に力がかかっているのかもしれない。

 花山の無軌道なシロウト力まかせパンチは訓練された格闘家には予想できない可能性がある。
 野球マンガの『おおきく振りかぶって』風にいうと、訓練された4シームとは異質の起動をえがくストレートみたいなものか?

 プロは狙う場所が決まっているので、防御も予想しやすい。
 『ディフェンスはゲームのボタンが三つだけあるようなもんだよ』『でも、素人の蹴りは怖いんですよ、どこに飛んでくるかわからない』。平直行の格闘技のおもちゃ箱
 『ヒカルの碁』でも、アキラが目隠し碁をしたとき奥村のヘタな打ちかたに苦戦していた。
 予想を裏切るのは刃牙世界の必勝法だ。

 勝って、なお相手をたたえる花山の義侠心は武人にも通じるものがあった。
 やはり花山は精神力の人なのだろう。
 精神力が強いだけに、妄想をはじめたら取り返しのつかないことになりそうだ。
 リアルシャドーに手を出さないでください。



愚地克巳 vs. 花山薫  (更新 08/12/18)

 最大トーナメントの中でも屈指の名勝負といわれる『愚地克巳 vs. 花山薫』だ。
 コミックスで言うと、グラップラー刃牙27巻28巻のあたりだ。
 この巻はよく読みかえしていたので、コミックスの横が黒くなっている。

 試合は花山の奇襲からはじまった。
 166キロの巨体でありながら胴廻し回転蹴りを放つ。
 ゾウが空飛ぶようなインパクトだ。ダンボッ!
 花山としても、けっこうムリして出したのか、これ以後つかっていない大技である。

 胴廻し回転蹴りは刃牙が対勇次郎戦で使った技だ。(グラップラー刃牙19巻 170話)
 刃牙と克巳は夜叉猿Jr.をめぐって、さきほどモメていた。
 だから花山は、刃牙のかわりに攻撃するつもりで、刃牙の技を使ったのかもしれない。
 友情の胴廻し回転蹴りである。
 花山が克巳に友情を感じてマッハ突きを成功させたら、さぞかしスゴイんだろうな。

 不意打ちでの勝ちを良しとしないのか、花山はダウンした克巳にトドメをささない。
 改めて克巳と向かいあい、仕切りなおしだ。
 花山の攻撃を克巳はガードで防ごうとする。
 克巳は、花山vs稲城戦をちゃんと見ていなかったのだろうか?
 受けちゃダメだ。よけろッ!

 むしろ、ガードごと破壊する花山の攻撃をうけても骨折しない克巳のタフネスがスゴい。
 稲城文之信とは骨の質と量がちがうのだろうか?
 いや、ダメージを吸収する筋肉がスゴイんだろうな。
 やはり、刃牙世界で最後にたよれるのは筋肉なのだ。
 カルシウムよりもタンパク質だッ!

 パワーで花山におとる克巳は、SFチックな離れ技や正中線四連突で対抗する。
 だが、花山は克巳を上まわるタフネルの持ち主だ。
 加藤ならデンジャラスゾーンに突入して突破して再突入するぐらいの威力があるが、花山には効いていない。
 いや、本当は効いているのだろうが花山は精神力でダメージをかくし立ちつづける。

 花山薫は、あえて天然の強さにこだわっている。
 範馬勇次郎がトレーニングではなく実戦の動きで異形の背中を造ったように、花山の身体も戦いの結晶なのだ。
 愚地克巳は自分を天才だと思っていた。
 だが、真の天才とは花山ではないだろうか?
 おそらく克巳は生まれてはじめて自分の才能に限界を感じたのだろう。

 才能で劣っているのなら、努力し工夫すればいい。
 克巳は出し惜しみせず、持てるすべての技を見せる覚悟をする。
 八関節同時加速の、マッハ突きッッッ!
 愚地克巳 VS. ピクル編の原点が、ここにあった。

 不死身とも思える肉体をもつ花山も、音速にはかなわない。
 銃弾を受けるようなものだ。
 花山薫は敗北する。
 だが、倒れない。侠客立ちを実践するのだった。
 試合には負けた。
 しかし、生きざまで克巳に負けてはいない。

 花山外伝につなげるに ふさわしい気魄のこもった戦いだった。
 総集編VOL.2では、スペックとの死闘が掲載されるのだろうか?

 ところで、幼年編の花山にはスネ毛があった。
 だが、バキ時代に無くなっている。脱毛したのだろうか?
 最大トーナメント時の花山にスネ毛はあったのか。それは永遠の謎として残りそうだ。
by とら


2009年1月6日
花山薫 総集編 VOL.2 地の巻

 超A級喧嘩師・花山薫をふりかえろう第二弾ッ!
 花山薫 総集編 VOL.2 地の巻だッ!
 ぶっちゃけて言うと、コミックス全巻持っている人にはあまり買う意味ない雑誌ですね。
 新情報が欲しい。

 今回のアンケートは次のようなものだった。
 あなたはこの増刊号「バキ外伝 疵面 花山薫総集編 VOL.2 地の巻」を何に惹かれて購入しましたか?(3つまで)
(1)表紙 (2)疵面 花山薫ポスター (3)「荒ぶる巨拳の奇跡! 花山薫解体新書」 (4)漫画「バキ外伝 疵面」
(5)漫画「特別収録 花山薫戦記 花山薫vsスペック」 (6)花山薫 漢タオルプレゼント
 3つまでって多いよ。選択肢の半分が埋まってしまうよ。
 どうも、表紙・ポスター・タオルが目玉らしい。
 まさにマニア向けのアイテムですな。


花山薫 vs. スペック

 最凶死刑囚編で最初にして最大の戦いといわれるのが、花山薫 vs. スペックだ。

 花山薫はいきなりクライマックスだぜ。
 さて、話は刃牙と梢江のデートからはじまってしまう。
 シィット! なんてこったい! もう最終戦争(ハルマゲドン)がはじまっているよ。

 後の展開を考えれば、刃牙はスペックの尾行に気がついていた。
 だが、スペックに見せつけるように梢江との接吻を敢行する。
 試合中に歓喜とともに失禁できる男は、スケールがちがうッ!
 そこにシビれるゥけど、憧れないッ!

 スペックを止めたのは、花山薫だった。
 むしろ刃牙と梢江の二人を止めたほうが良かったかもしれない。
 『バキ』の歴史は 不可避のいきおいでSAGAの方向へ進んでいく。
 友情にあつい花山は友人たちの まぐわう時間を邪魔させないようにがんばるのだった。
 花山にしかできない難しい仕事ですが、やりがいを感じないなぁ。


 その後の丸投げっぷりから察するに、刃牙は事前に花山に連絡していたのだろう。
 もしかすると、デートプランも花山が考えていたのかもしれない
 デート中に刃牙は梢江を笑わせていた。きっと、あのギャグも花山が考えた。
 ふんどしを愛用する花山だけに落語とかにも詳しそうだし。
 デートコースがひたすら喰うだけというのも、ある意味花山らしい、か?

 とにかく花山薫という保険をかけておいて正解だった。
 獣臭たちこめるデートづくしの中で、すっごく爽やかな存在だ。
 とにかく刃牙は後難をすべて花山にあずけてデートをつづけるのだった。

「次回二人が会うとき」「俺は君とする」バキ13巻 115話

 そういえば、昔からバキは明日やる子だった。
 この後、刃牙は戦いから遠ざかっていく。
 色と戦のどちらを重視するか?
 もしかすると、この梢江との一戦がターニングポイントだったのかもしれない。
 そう思うと罪作りな花山であった。


 花山薫とスペックの戦いは似た者どうしでもあり、まるで違っている。
 どちらも正規の格闘術を学んでいない。
 刺青がある。
 構えも同じだ。

 ベラベラと一方的にしゃべるスペックは武器をつかう。
 と、思ったら素手の無呼吸連打のほうが強い。
 グラップラーもスペックも、負い目のない素手のほうが強いんだ。
 ただし、本部をのぞく。本部が強くてなにが悪い。

 なかなか動き出さない花山にたいし、スペックはひたすら連打で攻撃する。
 花山はひたすら耐えた。
 強弓を引きしぼるように、波動砲のエネルギーを充填するように、失業に備えて貯金をするように、ためるッ!
 そして、一撃を放つッ!

 連打攻撃よりも、狙いすました攻撃のほうが効くというのは漫画や映画でのお約束だ。
 花山は王道を行く。
 一度殴るごとに、相手の意思を確認している。
 連打にならないように、演出しているのだ。
 あと、一方的なリンチにならないようにする花山の心配りでもある。
 花山は戦う相手にも敬意をはらっているのだ。

 スペックとの戦いは、王道と覇道の戦いでもある。
 つねに花山は正面から勝負をいどむ。それが喧嘩の美学だ。
 スペックは策をろうし、不意をつき武器に頼る。
 卑怯な死刑囚の攻撃を、白格闘士が正攻法で打ち破るという理想的な展開だ。
 ドリアンも同じような展開だけど、最終的にドリアンの卑怯が上まわっちゃったしな。

 スペックの場合、武器に頼りつづけるのだが、最後の最後で信頼できるのは肉体だという結論を出す。
 ただ、普段から使っていないので、地力が育っていないのだろう。
 花山は普段から肉体のみを信じて戦っているからこそ、最後まで戦える。
 ちなみに刃牙は妄想も使っているので、一枚上手かもしれない。

 なんにしても、男もほれる花山薫であった。
 警察官からも頼られる花山薫だ。
 爆砕した頬だって回復しちゃいます。
 だから、ジャックもたぶん治るんじゃないかと期待している。
 でも、ジャックの場合はもっとひどいダメージをうける可能性が高いからな。

 脅威の回復力をもつ花山だが、『疵面』では撃たれまくったあげく雨のふるなか倒れている
 鎬紅葉に「手遅れだ………ッ」と言われたが、とくに説明もなく乗りきったようだし、すぐに回復するだろう。
 『疵面』の完全復活は1月15日からッ!
by とら

←第三部 121話〜130話  ↑最新↑  
餓狼伝 疵面 シグルイ(アニメ版) Gロボ バックナンバー  日記 掲示板 リンク1 リンク2 TOP
和書
コミック

 チャンピオン 
ジャンプ
マガジン
サンデー
RED
 板垣恵介 
夢枕獏
山口貴由

DVD
アニメ
CD
 ゲーム 
DS
PSP
Wii
PS3
360
PS2
PCゲーム
 PCギャルゲー 
フィギュア
パソコン
テレビ
メディア
家電
サプリメント
板垣恵介の激闘達人烈伝 板垣恵介の格闘士烈伝
駿河城御前試合 獅子の門 雲竜編 (カッパ・ノベルス)