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「スター・ウォーズ エピソードIII シスの復讐」感想と考察 (05/7/25)
忘れないうちに書こう。(ネタバレ無しはこちら)
ジェダイはライトセーバーを落として弱った敵にトドメを刺さないと言うルールがあるらしい。
エピソードIIでドゥークー伯爵が腕を斬られて意識を失ったアナキンを斬らずに吹っ飛ばしたのは、そういうワケか?
エピソードIIIでは、パルパティーンにうながされてアナキンが容赦なくドゥークー伯爵の首をぶった切っている。
なんか、ヤクザにそそのかされて麻薬に手を出す人のようだ。
アナキンはドゥークー伯爵のトドメを刺したのに、メイス・ウィンドゥがパルパティーンにトドメを刺すのを止めている。
エピソードIIのころから同じで、アナキンは自分のことを棚に上げる傾向がある。
そして、パルパティーンも腕を斬られて弱ったメイス・ウィンドゥを「スキだらけ」とばかりに全力でトドメ刺している。
もう、シスは理不尽な人ばかりだ。
ちなみに、電撃出しすぎて老いていくパルパティーンを見て、「ブラックエンジェルズ」とか「すごいよマサルさん」とか「バビル二世」を思い出し必死になって笑いをこらえた。
DVDが出たら、家で見て思いっきり笑ってやる。
アナキンの全能志向はエピソードIIのころから出ている。
パドメに「あなたは全能じゃない」と言われて「そうなりたい」と返したりしている。
「人を死から救うすべも学ぶ」「最強のジェダイになる」などとも言っている。
ちなみに「最強のジェダイになる」ってのは、パルパティーンになれると言われてその気になったのだろう。
基本的に、アナキンはのせられやすいのかもしれない。
アナキンはエピソードIから、才能はズバ抜けているけど認めてもらえない立場にある。
そんな中でアナキンを純粋に認めてくれたのが、クワイ=ガン・ジンとパルパティーンだ。
クワイ=ガン・ジンが生きていれば、アナキンもちがう成長を遂げていただろう。
クワイ=ガン・ジンとパルパティーンには共通点がある。
どちらも、アナキンにとって父親的存在であると言う点だ。
生まれたときから父のいないアナキンにとって、父性を求める傾向があったのかもしれない。
エピソードIIで、アナキンはオビ=ワン・ケノービを父だと思っていると言っている。
アナキンとオビ=ワンは十六歳差で父と思うには不自然だ。
実際にエピソードIIIで、オビ=ワンはアナキンを弟だと思っていたと言っている。
この辺の意識のズレが、二人の関係を壊す遠縁になっているのだろう。
ついでにエピソードIIで、アナキンが母を亡くしたシーンで「胸が張り裂けそう」といっている。
エピソードIIIではパドメが、ダークサイドに落ちて変わってしまったアナキンに対し「胸が張り裂けそう」といっている。
陳腐なセリフ(日本語訳が陳腐なのか?)だけど、両者の対比を考えると深いセリフになる。
もう一度、ジェダイはトドメを刺さないと言う話に戻る。
オビ=ワン・ケノービはダルマ状態のアナキンを放置して帰った。
ここでも、トドメを刺さない法則が成立している。
ただ、のちの未来を考えると、オビ=ワンの行動は正しくないのだろう。
責任転嫁してジェダイやオビ=ワンに罪をなすりつけるアナキンは問題だらけだ。
でも、オビ=ワンやヨーダも正しい行動をしているわけではない。
パンフレットにあるジョージ・ルーカスの言葉に次の一文がある。
『オビ=ワンとヨーダはアナキンの子供たちがダース・ベイダーを倒すことを望んでいるが、彼らが理解していなかったのは、目的を達成する唯一の方法は、子供たちがアナキンの中に善があると信じることだった。』
これは「エピソードVI ジェダイの帰還」の話だが、エピソードIIIでも事情は同じだ。
パドメはアナキンの中に善があると最後まで信じていたようだが、オビ=ワンは殺す気十分だった。
一応の下手人を探している虎眼流剣士なみにタチが悪い。
ライトセーバーがまだ赤くないから改心の余地はあったと思うんだけど。
死にそうになっているアナキンとそれを見ているだけのオビ=ワンの構図は、エピソードVIにおけるルークとベイダーの構図に通じる。
アナキンが素直に助けを求めたり、オビ=ワンが父としての愛でアナキンを助けたりすれば、歴史は変わっていたかもしれない。
でも、オビ=ワンは「理解していな」い人なので、歴史は悲劇に向かうしか無いのだった。
考えれば想像がつくことも多いけど、パンフレットを見ないとわからないこともある。
エピソードIV(第一作目)で、死ぬ前のオビ=ワンが「たとえ倒しても、わしは無限の力を与えられてよみがえるのだ」と言っている。
この言葉の意味は、今作のパンフレットを見ないとワカらない。
想像力で、ここまで飛ぶのはちょっとムリだろう。
他にもベイダーがパドメを失っても皇帝に従う理由もパンフ任せだ。
ベイダーは力の限界で、従うしかなかったらしい。
だから、ルークを勧誘していたんですね、この人。
あと、この世界の帝国制と言うものがちとワカらん。
エピソードIV(第一作目)で帝国元老院を解散しているから、二十年は帝国制民主主義が成立していたのだろうか?
帝国といっても、絶対権力者なワケではない。まあ、かなり自由は効くんだけど。
ローマよりも中央集権度の高い中国でも奥さんが怖くて浮気できなかった皇帝とかもいる。
権力を振りかざして無茶するとクーデター起こされたり、後世の歴史家に暗君と書かれたりする。
名皇帝になるには忍耐力が必須らしい。
いちいち部下を殺していたらキリが無いのだ。
で、パルパティーンは皇帝になってなにがやりたかったのだろう。
ただの権力欲じゃつまらない。やっぱりハーレムだろうか。
アナキンに向けた執着心を考えると、ねちっこく銀河各地からスカウトしているんだろうな。
・ なぜアナキンはダークサイドに堕ちたのか?
どうも、SW3は肝心のところがわかりにくい。
まあ、そこが想像できる楽しみではあるが、納得しにくい部分があるのは確かだ。
そこをちょっと洗いなおしてみる。
(05/7/25)
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