今週の範馬刃牙 SON OF OGRE 41話〜50話

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2006年10月5日(45号)
第3部 第41話 愛 (697回)

 オリバ vs. ゲバルッ!
 刑務所最強の座をかけて、二人のアンチェインが激突する。
 同時に愛と勇気の戦いでもある。愛と勇気は、どちらが強いのか!?

 刃牙なら愛も勇気も両方もっていたような気がする。
 って、ことは昔の刃牙は最強なのか。
 現在の刃牙は、失恋と無謀をたっぷりもっている。
 対戦相手に愛すら感じて闘う範馬勇次郎の域にたっすれば、愛と勇気で闘えるかもしれない。


 ブラックペンタゴンのNo.1を決定するスペシャルマッチだ。囚人も職員もあつまってお祭り状態である。
 みんなが試合を楽しみにしている。ゆえに脱走者が出る心配もないらしい。
 いや、脱走者が出るときは、出るでしょ。
 絶好の脱出タイミングだし。

 そのころ主人公の範馬刃牙はその他大勢の囚人として、群集の中にいた。
 た、立場無ェ……。

 餓狼伝の主人公・丹波文七はトーナメントに参加できず観客になっていたが、刃牙も同じ道をたどることになってしまった。
 うつろな目をしたままヨダレをたらしていないだけマシか。
 なお、刃牙のそばにアイアン・マイケルの姿はない。今のアイアン・マイケルはゲバル派なのだろう。


 まずは、みんなの大歓声を受けながら挑戦者J・ゲバルが入場する。
 アメリカから独立した男が、アメリカ最強の喧嘩に挑むッ!
 大統領にして、海賊野郎ッ!
 そして今では二代目アンチェインッッッ!
 通称ミスター2(セカン)、純・ゲバルの入場だァ!

 アイアン・マイケルを斬って陥落(おと)した手際を思い出せば、ゲバジュンが大人気なのも納得だ。
 地味に囚人たちの生活をサポートしているのだろう。
 さすが元大統領である。支持率アップは得意技らしい。

 上着にソデを通さず、肩にかけるだけの伊達男スタイルをしている。
 はやくも風を感じているっぽい。
 今回、メイクは無いんでしょうか。
 メイクアップ・ゲバルは派手で好きなのだが、尿で作った泥がないと完成しないのかもしれない。

 そして、J・ゲバルの左手には勇気のつまったツボがある。
 やっぱり、自分で持ってるよ。
 そんなに巨人ケントが信用できないのか?

 もしかすると、ケントは開けるなと言われると、開けたくなっちゃう人なのかもしれない。
 で、開けようとしているところを見つかって怒られた。
 そういえば、ケントが姿を見せていない。今ごろ医務室だろうか。
 ゲバジュンはさりげなく、元力士を排除するなど自分に逆らった人間にはキビしいところがある。
 お仕置きタイムはさぞきびしいものだったのだろう。


「一つだけ断言できる」
「もし仮に今 脱走者が出たとしても」
「俺はここを一歩も動かんッッ」


 アリゾナ州立刑務所長マイケル・ホールズは力強く宣言する。
 やっぱり今日は脱走するにはいい日だ。
 でも、所長が動かないだけで、部下たちをコキつかうという可能性もある。


 そして、王者・オリバが入ってくる。
 勝負服のタキシードを着たままで選手入場だッ!
 もちろん、例のハンカチも装備しているぞ。
 世間で流行しているハンカチ王子に対抗して、ハンカチ・オリバはどうか?
 人のハンカチにツバを吐きかけるのだ! いや、そりゃハンカチ・ゲバルだな。

「キングサイズのベッドじゃねェか!!!」

 そう、オリバはベッドを運びつつ選手入場していたのだ。
 でか〜〜〜い。キングサイズベッド!
 かわいい彼女が乗っているから運んできた!
 マリアの美しさを知らしめたい。
 剛力無双ッ、ビスケット・オリバッ!

 まるで十字架を背負って歩くキリストのように神々しい姿だ。
 なにしろ乗っているのはマリアだし。
 オリバのテーマは愛だから、現代のキリストといっても問題あるまい(冒涜しすぎ)。

「バカな…」
「つれてきたのか…」
「あの恋人を」


 さすがに所長は恋人の正体を知っていたらしい。
 オリバがどんなに力を持っていても、刑務所に彼女を連れこむときと、衣食の補充に刑務所の力を借りる必要がある。
 だれもマリアの姿を見たことがないというのは、不可能に近いことなのだ。
 しかし、所長が協力していたというのが、謎の答えだった。
 依頼主が実は犯人という逆転のトリックみたいだ。

 そして、四千人がオリバの恋人を見せつけられるッ!
 姿は、芸能人でたとえれば…………
 …………ジャバ・ザ・ハット似か?

 ……芸能人とは、ちょっと違いますか。
 口もこんなに大きくないし。
    STAR WARS 12インチフィギュア ジャバ・ザ・ハット参考画像(Amazon):
STAR WARS フィギュア
ジャバ・ザ・ハット

 胸に顔を埋めたら窒息しそうなほどの豊満な肉体である。まさに肉感的な美女だった。
 オリバの超肉体に対抗するには、コレぐらいの超肉体が必要なのかもしれない。
 そりゃ、ベッドがギシギシきしみますわ。
 オリバのハニーとはいえ、糖分とりすぎだよ。
 いろいろな意味で衝撃を巻き起こしつつ次回に続くのであった。


 オリバさんは、どこまで本気で見せつけるつもりだったんでしょうか。
 凱旋門賞に出るので、ディープインパクト物語を連載した秋田書店の野望なみに、予測と現実があっていない。
 確かにマリアは極上のツンデレさんだ。
 現在デレ(むしろ、ダラっ?)っとしているようなので、キャラが立っている時間帯である。
 ただ、自力で立てない雰囲気がありますが。
 刑務所内に引きこもって、運動をしなければ あんな体型になっちゃうよね。

 マリアの姿を隠すフェイクは『ONE PIECE』のアルビダ(初期バージョン)みたいだ。
 スベスベの実を食べると、ちゃんとした美人になれますよ。

 次回は、マリアさんに見守られて 愛の戦士オリバが戦うのだろうか。
 なんか試合が始まる前に、観客がぐったりとダウンしそうな気がする。
 もしかすると、マリア・ザ・ハットの背中にはファスナーがついていて、開くと中から設定年齢19歳の美女が……
 ……もう、このネタはいいや………。いいです、ザ・ハットで。
 冗談で書いたんだけど、本当にマリアは酸性の汗をかくミュータントなのかもしれない。
 または、『北斗の拳』に出てくるハート様のように拳法家殺しの肉体という可能性もある。


 今週の板垣先生コメントは『「空手バカ一代」世代よ。「大山倍達 正伝」を読め。スゴイぞ。』だった。
 大山倍達正伝に、マリア誕生の秘密とかが入っているのだろうか。(たぶん、無い)
 板垣先生が、大山先生のエピソードに興奮したのなら、愚地独歩の登場もあるかもしれない。
 たぶん、マリアの中から……(以下略)。

空手バカ一代 (1)
空手バカ一代 (1)
    大山倍達正伝
大山倍達正伝
by とら


2006年10月12日(46号)
第3部 第42話 刑務所(プリズン) (698回)

 ついに伝説の恋人マリアが登場した。
 その姿はまるでジャバ・ザ・ハット(by スター・ウォーズ)のようだ。
 そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。

 全身公開された御姿は、ハッキリいってジャバ・ザ・ハット以上である。
 ベッドと人間を合成したような べったりした生命体だった。
 キングサイズのベッドの上に人間布団がしいてあるような感じだ。
 やっぱり、中に人が入っているんじゃないのか?

 これだけ太っていると一人で生活できない。
 オリバが日本〜中国・格闘旅行をしていたあいだ、どうやって生活していたんだろう。
 一般職員にマリアを見たものはいなかった。つまり、職員が世話をしたという事実はない。
 あ、所長みずから世話をしたんだ。
 だから、所長だけはマリアを知っていた。

 もっとも、マリアを見たものは全て不審な死を遂げていたという可能性はある。
 不審というか、オリバが超頭脳を駆使して、職員たちを排除していったのだろう。

「「肥満(ふと)ってる」という程度の表現では到底伝わらない」

 四千人にたっする受刑者の思いは一つだった。
 しかし、相手は刑務所最強(現)であるオリバの恋人だ。
 うっかり笑ったりしたら、とても大変な目にあう。
 受刑者たちがとることのできる行動は、沈黙だけであった。

 マリアさんは、なに見てんだとやや怒る。
 すかさずオリバが、みんなは見とれているんだとフォローする。
 いや、フォローになってねェよ。

「バカ言ってんじゃないよッッッ」
「どこをどう見たら美しいってんだッッ」

 すかさずマリアが大激怒だ。
 火のついたタバコをオリバの眉間に投げつけ、ツバをオリバの左目に吐きかけた。
 この女、急所を熟知してやがる。
 デトロイト・メタル・シティーのカミュは人間とブタの区別がつかないサディストだが、マリアも同種なのかもしれない。

 それにしても、寝たまま投げたのに、すごい命中力だ。
 寝たままの生活をすることで、マリアはバツグンの射撃能力を身につけたのかもしれない。
 体を動かさないでできることは、しゃべること(おもに罵倒)と物を投げることぐらいだったのだろう。
 若いころのマリアは、オリバも恐れるような名スナイパーだったりして。

 人間とブタとの区別はともかく、マリアは自分の容姿がヤバいとの自覚がある。
 サディストかつナルシストだったら、本気で手がつけられないところだった。
 まだ改善の余地があります。

 マリアの発言に、囚人たちは口を開けたまま凍りつく。
 否定も肯定もできない状態だ。黙るしかない。
 中心には我らが主人公・範馬刃牙の姿もある。
 やっぱり、ぽかーん状態だ。

「どこからどう見たって美しい」
「誰にも異論ははさませない」


 オリバが言い切ったッ!
 曇りなき愛の力で強化されたオリバの視力は曇りまくっている。
 というか、恫喝だよ、これ。
 目つきがマフィアの大親分みたいになっている。

 四千人がツッコミたかった。でもできない。
 やっぱり目の前にいるオリバに逆らうのは怖いのだ。
 こういうツッコミにくいボケは勘弁してもらいたいという空気が流れている。


 オリバが大きく息を吸いこんだ。
 空気読まないバカが本音を漏らすキケン性を感じとって、さらなる威嚇行動に出たのだろうか。
 顔つきがこわい。
 龍書文と闘っていたときのほうが、もっと愛嬌のある表情だった気がする。

 オリバが筋肉を膨張させる。
 すると、タキシードが背中から破れた。
 すさまじい筋肉の膨張力だった。なんか北斗の拳みたいだ。

 と、思ったらいつのまにか、ブリーフ一丁のオリバが空中にいた。
 華麗なるクロス・アウッ!!(脱衣)
 ズボンを破ることができなかった北斗の拳を、超えたかッ!?

 いや、タキシードは残っていた。
 地上には背中が破れたタキシードと靴が立っている。
 まるで、ルパン・ダイブを進化させたような脱衣法だ。
 毎晩、マリア相手にこんな芸を見せているのか!?

 試合前のパフォーマンスで、オリバは四千人の心をわしづかみだ。
 脱衣が強さにどうつながるのかは不明だが、なんか無敵感をかもし出す。
 カワイイ彼女=マリアのために、オリバは戦う。
 ところで、首が下を向かないせいか、マリアさんはそっぽ向いているんですけど。


 試合開始となる前にJ・ゲバルがビンのふたに手をかける。
 アイアン・マイケルと巨人=ケントが汗をかいて緊張状態にはいった。
 居たんだ、こいつら。
 ビンを預けたものの、なくしたり落したりしそうだから返したのだろうか。
 二人そろってお笑いコンビのような風格が漂いはじめている。

 ゲバルがフタを、開けたッ!
 上着やバンダナを吹き飛ばす風と、叩きつける雨、そして雷鳴が響き渡る。
 間違いなく最大規模のハリケーンがビンの中に閉じこめられていた。

 フタをしめると、いつもの刑務所だった。
 服も吹き飛んでいない。
 ビンの中に詰まっていたのは、ハリケーンというより ハリケーンのリアルシャドーだったのかもしれない。
 バーチャル絶世の美女マリアと、バーチャルハリケーンという、仮想合戦がすでに始まっていたのだ。
 とりあえずズボンの脱衣に成功したぶんオリバの優勢だろうか。

 リアルの戦いは、次回からはじまるようだ。
 力のオリバと、技のゲバルが激突する。
 耳から直接三半規管を破壊できるゲバルと、鼓膜は鍛えていなかったオリバだ。
 オリバが弱点を克服しているかどうかが、試合のポイントになるだろう。
 でも、鼓膜は強化できないよな。

 ならば、ゲバル有利だろうか。
 いや、けっきょく互角の戦いであると再確認するだけであった。
 そして、刃牙の活躍がしばらくないことも再確認だ。


 新旧アンチェインの妄想力を競うようなパフォーマンスだった。
 次回からはマジメに戦うんでしょうか。
 オリバのポイントはマリアの応援でしょう。
 タキシードを脱ぐときに、大事にしていたハンカチも置いたままですが、いいんでしょうか。

 でも、脱いだあとのタキシードにはハンカチが確認できない。
 こっそり抜き取ってパンツの中に隠している可能性もある。
 なんか、刺激が強そうだ……

 J・ゲバルはいきなりビンを使用してしまった。
 戦いのメイクというパワーアップ行動があるものの、未知の切り札ではない。
 試合は、オリバがやや有利というところだろう。


 なんにしても、オリバの愛が試される試合になりそうだ。
 愛無くしてマリアのヘルパーはできないだろう。
 でも、オリバが留守のときは所長が代わっているので(推測)、愛は恐怖で代用できるらしい。

 オリバのことだから、マリアへの愛も徹底しているのだろう。
 アンチェインと呼ばれた男であっても、愛というなの監獄からは逃れられないのだ。
 きっと、オリバはギ・ド・モーパッサンの作品を愛読していそうだ。
 代表作は女の一生』『脂肪の塊です。
by とら


2006年10月19日(47号)
第3部 第43話 小さな動作と大きな意志 (699回)

 ブラックペンタゴンのNo.1をめぐり、オリバとゲバルが激突する。
 そして、主人公はその他大勢として試合を見守るのだった。
 今年中にダメ主人公ネタから脱出できるんでしょうか。無理だろうな。

 ゲバルがバンダナを外す。
 はやくも闘いのメイクアップをするつもりだろうか。
 ビンを開くタイミングもはやかったが、バンダナもはやい。
 どうもゲバジュンはこらえ性がないようだ。
 ポークぐらいガマンして喰えばいいのに。

「ミスターオリバ」
「このバンダナの端を持ってもらいたいのだが………」


 えっ? やらないか作戦ですか?
 まるで、手をにぎらせようとする寂海王だ。
 マウス三兄弟の時には転がって登場したりと、ゲバルには幻惑の行動がおおい。
 握らせるのもゲバルの作戦だろうか。
 毒がぬってあるってことは無いよな。

 マリアが現在暮らしている刑務所にあるバンダナだから、オリバには刺激が強すぎる可能性がある。
 またツバを吐きかけて、オリバを泣かせる作戦かもしれない。

「「ルーザールーズ」か…………」

 最近、色ボケなところを見せていたので忘れていたが、オリバさんは超頭脳の持ち主だった。
 抜け毛予防以外のたいていのことなら、なんでも知っている。
 さっそく、ハンカチ・デスマッチ「ルーザールーズ」の説明開始だ。

「元々は16世紀にヨーロッパの貴族の間に生まれた決闘のルールだ…………………」
「戦う双方が互いにハンケチの両端を握り合い」
「殴り合う」
「ルールは至って単純」
「離したら敗(ま)け」


 つまり、チェーンデスマッチのような決闘らしい。
 チェーンデスマッチとちがうのは、自分の意思でハンカチを握ることだ。
 ハンカチを失う者(ルーザー)が、名誉も失う(ルーズ)という決闘である。
 しかし、ハンケチって聞くと『くまのプーさん』を思い出す。それって私だけか?
 とりあえず、ハンケチってのは昔の発音らしい。オリバさんは上品な発音をしているのだろうか。

 刃牙世界における暗黒格闘史のあらたなるページが開かれた。
 バキ7巻 54話で、ドリアンが見せた、手につけたグリースにガラスの破片をまとわせてグローブとする喧嘩法に匹敵する作法だ。
 コロッセオを制覇する中国武術から、日本に渡った毒手など、暗黒格闘史は奥が深い。
 民明書房にも匹敵するかもしれない。


 ゲバルの流派は「無隠流忍術」だとオリバが指摘する。
 親指のみで逆立ちをする訓練をおこなう流派で、指の強さはハンパじゃない。
 ゲバルは自分の得意分野で勝負をする気だろうか。

 だが、オリバだって指力では負けていない。
 ゲバルはオリバの逸話をいくつか言ってみせる。
 意外なところで互いにほめあう展開となってしまった。
 嫉妬のあまりバキが割り込んできそうな予感がする。

 指力といえば、花山薫とシコルスキーを忘れてはいけない。
 必死になってスプリンクラーにしがみつくシコルスキーの雄姿はコアなファンの間で語り草になっている。
 直後に電話ボックスでの死闘をやったせいで印象薄いけど、マニアなら憶えていて欲しい。

 バキ世界でもっとも握力が強いのは誰か?
 ファンであれば一度は通過する疑問だ。
 握力に限定すれば、花山という可能性がある。
 しかし、勇次郎に勝てるのか?

 一度、指力対決を行い疑問を解消して欲しい。
 そうすればシコルスキーにも、いま一度の光が当てられよう。
 あと、鎬紅葉の初勝利があるかもしれない。


 話をもどす。
 ともに指力に自信をもち、ともに認めあう二人が同意した。
 バンダナの端をつまむ。
 握るのではなく、つまんだ!
 まさに指力のみで勝負する気だ。

「始まっているのかな坊や………?」

「ああ… 始まってますとも……」


 ゲバルが動いたッ!
 マウス三男"舌"を二階の高さまで吹っ飛ばしたアッパーだ。
 オリバのアゴに思いっきり入った。

 だが、オリバは縦に飛ばない。横に飛んだ。
 勢いを受け流したのだろうか?
 とにかく、まともに入ったワケでは無さそうだ。
 マリアも余裕でタバコの煙をふかしている。

 吹っ飛ぶオリバを引き止めたのはバンダナだった。
 バンダナを間にはさみ、ふたりの指力でつなぎとめる。
 破けぬバンダナ、えらい丈夫だ。

 さらにゲバルが追撃のストレートを打ちこむ。
 試合はどうなる。そして、バンダナの運命はッ!?
 次回へつづく。


 オリバは打撃の威力を首の筋肉で吸収しているのかもしれない。
 だから、あまり吹っ飛ばずに、バンダナが無事なのだ。
 もっとも、スプリンクラーだって丈夫だったし、勇次郎と鎬紅葉の握力を受けたホテルのドアノブも頑丈だった(グラップラー刃牙6巻 52話)。
 刃牙世界では、人も物もとにかく強いのだ。
 バンダナも強くて当然である。本部だって強い。


 あと、J・ゲバルの流派が判明した。
 てっきり「風車の弥七流忍術」だと思っていたが、「無隠流忍術」だ。
 ………忍者が、隠れ無くていいのか?
 拙者、卑怯なことはキライでござる。とかいって、正面から戦う忍術なのかもしれない。

 ちなみに、初見良昭先生が宗家をつとめる戸隠流忍術は木曽義仲に仕えた仁科大助(戸隠大助)が始祖らしい。
 だったら、「無隠流忍術」は水戸黄門に仕えた風車の弥七が始祖でもよかろう。

 ゲバルの戦い方は身近なものを武器にかえている
 これは忍術の応用だ。
 敵地に潜入することのある忍者は、怪しまれないために武器をもたず現地調達することもある。
 身近なものを武器にかえるセンスが、戦場では必要なのだ。

 と、なるとバンダナも武器になるのかもしれない。
 うっかり握ってしまったオリバは、すでにJ・ゲバルの術中にハマっているのだろうか?


 だが、序盤で一方的に攻撃するのは、負けパターンでもある。
 序盤の連打はダメージにならないというのが、バトル漫画の常識だ。
 マリアも余裕を見せているし、オリバにダメージはないと考えてよかろう。

 ただ、試合の流れが柴千春 vs. アイアン・マイケルに似ている。
 序盤は柴千春が一方的に攻撃する。ダメージ無い。
 両者の足をサラシでしばる変則対決になる。
 千春が肉を切らせて骨を断つ作戦で、マイケルの拳を破壊して勝利だ。

 今回もアイアン・マイケルが絡んでいるのがシンクロニシティーだ。
 そして逃げ場のない戦いになった。
 ゲバルが肉を切らせて、マリアを断ち、勝利するのかもしれない。
 柴千春vs.アイアン・マイケル戦のあとには、ガーレン降臨だった。今回の場合、ジャック範馬の登場だろうか。

 そんなわけで、楽勝ムードが出ているものの、オリバもけっこうピンチなのかもしれない。
 ゲバルのことだから、バンダナが破れるのも策のうちだろう。
 オリバが大事にしている思い出のハンカチを使って続行しようと提案する。
 きっと、オリバは動揺する。これこそ、ゲバルの作戦なのだろう。
by とら


2006年10月26日(48号)
第3部 第44話 超雄と超雄 (700回)

 バンダナから手を放したら敗北の『ルーザールーズ』でオリバ vs. ゲバルがはじまった。
 なんとなく民明書房の香りがする試合だ。
 知っておるのか、雷電ッ!?

(知ってるさ……)
(アメリカでイチバン喧嘩が強い男は)
(こんなパンチじゃ倒れない)


 野獣のような猛攻を仕掛けながらも、J・ゲバルは冷静だ。
 自分の打撃でオリバをたおすことができないと判断している。
 マウス三兄弟を倒す気でいたアイアン・マイケルよりもずっと判断力が上だ。
 もちろん、オリバとゲバルの間に割って入って、吹っ飛ばされた刃牙よりも上である。
 冷静なぶん、ちょっと面白みにかけるかもしれない。
 刃牙のような体を張ったギャグも重要だぞ。

 試合開始直後のラッシュってのは、勝ちほこったらダメだ。
 相手が弱っているように見えるのは、たいてい演技か思い込みである。
 信じると後で痛い目にあう。
 柴千春は開始直後ラッシュを仕掛けたが、油断しなかったので勝つことができたのだろう(グラップラー刃牙29巻 248話)

 ゲバルの攻撃は、オリバを倒すことを目的としていない。
 打撃の衝撃でバンダナの存在を忘れてくれれば、それでいいのだ。
 恐竜なみの耐久力をもつオリバを倒すことは難しい。
 だからこそ、『ルーザールーズ』だ。

 力では負けるかもしれないが、勝負で勝つッ!
 さすが、元大統領だけあって駆け引きがうまい。
 むしろ海賊流の戦いだろうか。
 アメリカから独立するときも、真っ向勝負をさけて奇策で勝った。
 このまま策士J・ゲバルの勝利となるかッ!?


 オリバの体が大きくかたむく。
 そして、ダウンへ……。……倒れない。
 オリバはバンダナをつかんで耐えていた!
 J・ゲバルはバンダナを離すまいと、両手を使って喰らいつく。

「オリバの巨体がッ」
「バンダナ一枚で支えられて…ッッ」


 ッッ!?
 どこまで丈夫なバンダナなんだッ!?
 オリバの体重をささえていやがる。

 ゲバルはバンダナを引っぱるという形で、オリバの体重を支えている。
 なんか、ぎっくり腰になりそうな体勢だ。
 ゲバルの腰を破壊するのが、オリバの狙いかもしれない。
 マリアにちょっかい出さないように、まずゲバルの腰を破壊する気か?

 真に驚愕するところは、バンダナじゃなくオリバのつかみ方らしい。
 相変わらず人差し指と親指だけでつまんでいる。
 でも、シコルスキーだって、それくらいできるぞ!(たぶん)
 観客は、もっとバンダナにおどろくべきです。

 ところで、ゲバルはバンダナを引っぱる必要があるのだろうか?
 倒れるオリバにあわせてマウントポジションをとるのも一つの手だ。
 横にまわって、バンダナを持っている左腕に関節技をかけてもいい。

 ゲバルは基本的に反逆者だ。反政府的存在である海賊だったし、アメリカにも逆らった。
 だから、引っぱられると、つい反抗して引っぱり返しちゃうのかもしれない。
 単に、怪力オリバと密着するのは避けたかっただけかもしれないが。


 人差し指と親指のみでバンダナをつまみ、握力の差を見せつけたオリバである。
 だが、アンチェインは止まらない。
 さらなる握力自慢がはじまり、つまむ型を変化させた。
 今度は、小指と親指だけでつまむッ!

「そよ風で飛んじまうぜ」

 さっそく、囚人たちがツッコむ。
 飛ばねェよッ!
 いくらなんでも、そよ風じゃ飛ばないだろ。
 飛ばすには、浦安鉄筋家族の春巻なみの握力が必要だ。
 ノリがよすぎだ。もしかすると、オリバの手の者か?

 刃牙は、オリバの行動が自信なのか、戦略なのか判断つかないようだ。
 解説系のように悩んでいる。めずらしい。
 今までのオリバは、考えているようで考えていない行動を取っている。
 龍書文と闘ったときも、思いつきだけで行動していたっぽい。(バキ24巻 207話
 だから、今回も深い考えは無さそうだ。
 マリアさんを連れてきたのも、思いつきだろうし。


 昔の貴族は高価なスパイスを節約するため、親指と小指でつまんでいた。
 だから小指をぬらさないように、グラスを持つときは小指を立てるのだ。

 って、また民明書房系の小ネタが出やがった。
 小指を立てるのは、貴族のたしなみなのか!?
 教えてくれ、雷電……

 昔の貴族って、ハンカチをつかみ合って殴ったり、小指でスパイスとったりと指力を必要とする人種だったようだ。
 花山とかは立派な貴族になれますな。
 たぶん、スパイスの取り合いでも握力がモノをいうのだろう。
 食は生命の基本だから、食を制すものが貴族をも制すのだ。
 この頃の貴族は平均握力が100Kg超えるようなヤツばかりなんだろうな。

 で、オリバはつつましさの美徳をゲバルにもすすめる。
 両手でバンダナをつかむなんてヤボですよ。
 握力で負ける気はないが、両手でもたれると勝てないと思っているのだろうか。
 オリバにしては、ちょっと消極的だ。
 今のゲバルは両手がふさがっているんだから、そのまま殴るのがベストだと思う。

 二人とも駆け引きを楽しむあまり、試合に勝つことを忘れかかっているようだ。
 だが、J・ゲバルは勝つために手段を選ばないと決めたらしい。
 無精ヒゲをねじって抜く。そして、息で飛ばすッ!
 飛んでいったヒゲはオリバの瞳に刺さったッッッ!

 雷電、この技はッ!?
 ヒゲミサイル……
まさか、最強死刑囚編の技を使える男がまだいたとは……。
 バキ2巻 16話バキ7巻 56話で、ドリアンが使用したヒゲ凶器だ。
 中国拳法・白林寺に伝わる技であり、かつて皇帝の暗殺にも使用されたことがある。
 あまりに威力があったため、皇帝の身の回りに仕える宦官たちはヒゲが生えないように睾丸を切除される事態が発生した。
 現在においても、就職活動で無精ヒゲを剃らず面接に行くと暗殺をしにきたとうたがわれ、採用率がさがるといわれている。
 参考:民明書房刊『ヒゲよさらば』

 柴千春作戦にはじまりドリアン殺法につづくか、純ゲバルッ!
 進む道は間違ってやいないのか?
 さまざまな疑問をかかえつつ、次回へつづく。


 ひたすらトリッキーな攻撃でオリバ攻略を目指すゲバジュンであった。
 まともに戦っても勝つ自信がないのだろう。
 バキは、わざわざこんなゲバルとの闘いを望んでいるのか。
 いまいち見る眼がない主人公であった。

 勝つためには手段を選んでいられないという気持ちはわかる。
 ただ、卑怯技で勝って周囲の人間がついてくるのだろうか?
 どうも目先の目標に気をとられて、最終目的を忘れている感じだ。

 ゲバルの眼を覚ますのは、やはり例のビンだろうか?
 勇気を思い出すんだッ!

 一方のオリバだが、今回もマリアが全然応援していない。それどころか、登場もしていない。
 だから気を引こうと親指と小指でバンダナつまんだりしたのだろうか。
 オリバの強さは愛から生まれる。
 そして、過剰なパフォーマンスも愛から生まれたのだ。
 刃牙も梢江ちゃんをつれてきて、対抗するしかないね。
by とら


2006年11月2日(49号)
第3部 第45話 燻り (701回)

 ゲバルのヒゲミサイルが飛ぶッ!
 オリバの瞳に命中した。
 ITEッとばかりに オリバが涙をながす。

 え、それだけなの?
 片目失明で眼帯つけて、独歩とキャラがかぶっちゃうと心配していたのに、あんまりダメージ無いらしい。
 毛を抜いてしまえば、なかったことにできそうだ。
 さすがオリバだ。眼球まで鍛えているのか。

 だが、ゲバルの狙いはダメージではなかった。
 ダメージだったのかもしれないが、スキができればよかったのだ。たぶん。
 可能であれば、マリアに変装させた部下を仕立ててオリバの意表をついたりしますよ、きっと。
 そうなると、超知力の持ち主であるオリバはニセ恋人の出現を防ぐ意味もあってマリアを恋人にしているのだろうか。
 マリアの変装は作るの難しい。

 オリバのスキを見逃さず、ゲバルがタックルに入った。
 後ろ足はほとんど動かさない。最小の動きだ。
 オリバには目潰ししている。どんな攻撃も当たるだろう。
 しかし、ゲバルはさらによけにくい動きまでしている。
 ゲバルはかなり慎重かつ徹底した人のようだ。

 刃牙もSAGAでの描写を見ればわかるとおり、徹底的にヤル人だ。
 しかし、慎重とはいえない。不意打ちにはかなり弱い。
 刃牙もゲバルも、カレーに七味とコショウとタバスコとカラシとワサビを入れるぐらい徹底している。
 ただ、そのカレーを喰ってのたうち回るか、喰わせてのたうち回せるかのちがいがあるのだ。
 最近の刃牙が活躍できないのは、大雑把な性格のせいかもしれない。

「シェィラッ」


 オリバの腰に組みついたゲバルは、気合を入れて一気にオリバを持ち上げた。
 そして、ン投げェッッッ!
 上空に放り投げた。
 倒してマウントポジションとか、地面に投げ落とすとか、ダメージ狙いの行動はとらない。
 あくまで『ルーザールーズ』にこだわった闘いかたをしている。
 カフェオレにクリープと牛乳を入れるぐらいの徹底ぶりだ。

 投げ飛ばされたオリバを引き止めるものはバンダナのみだ。
 親指と小指のみでつまんだ頼りない状態なので、指がすべっていく。
 だが、オリバはバンダナを確保しつづけ着地する。
 無防備にガニ股状態で着地した。ゲバルがヤる気だったら金的蹴りが炸裂していたことだろう。
 あくまで、紳士流喧嘩法『ルーザールーズ』で決着をつける気か?

「持ちかたを……」
「変えたのかい」
「そんな」
「鷲摑みになんかして」


 前回カッコつけて親指と小指のみでバンダナをつまむ宣言をしたオリバだった。
 しかし、離すまいと必死になるうちオリバは五本の指を使ってしまった。
 さっそくゲバルはツッコミを入れる。
 そうか、ゲバルが直接攻撃をしなかったのはツッコミを狙っていたからか。

 思わずオリバも汗をながす。
 カッコよく決めたつもりが外してしまった。
 ハンドブリーフをしたつもりが、パンツに引っかかって、モロ出しになったような心境だろうか。
 いや、オリバの場合だと見せてよろこぶな。

「ハッ」
「かっこわるッッ」


 恋人界の重鎮・マリアさんから野次が飛んだ。
 マリアがツンデレなのはガチである。
 そのうち「べ、べつにアンタのことを応援するわけじゃないんだからね」とか言い出す。
 だが、ツンデレを味わいつくすには、ツン段階で地獄の苦しみを受けるのが作法だ。
 愛気の達人・オリバはとうぜんショックを受ける。

 ガビ〜〜〜ン!
 ビリ ビリ ビリ ビリ!

 音はなくとも電撃をほとばしらせるような衝撃を受けている。
 こんなオリバの表情ははじめてみた。
 隕石の直撃で死んだとき(想像図)よりもショッキングな顔をしている。


 ゲバルはやっぱりスキをのがさない!
 左ハイキック! ノドヘ右平拳! 左ヒジ!
 容赦のない必殺の攻撃がつぎつぎと決まっていく。
 そして、要所でバンダナを引っぱり、決着をねらう。
 やはり、オリバを倒す事はむずかしいので、『ルーザールーズ』での勝利を狙っているようだ。

(スマないマリアッッ)
(すっかり退屈させちまったね)
(もう 大丈夫だ)
(わたしは男らしく生きる)


 ゲバルのさらなる攻撃を受けながらも、オリバは愛のために戦っている。……の かなぁ。
 目打ち、頭突き、手刀、蹴り、眉間への一本拳などすさまじい攻撃だ。
 しかし、愛に目覚めちゃったオリバはもう手がつけられない。
 鼻血を出しながらも、なんか誇らしげだ。

「君は……」
「いつまでハンカチなんか握ってるんだい」


 また、握りへのこだわりを見せはじめた。
 オリバはバンダナ(ハンカチ)の握りかたにこだわりすぎだ。
 自分で親指と小指のエレガントつまみを推奨しておきながら、文句を言いやがる。
 まさにワガママなオリバ流だ。

「もう つまんですらいない」
「もう握らない……」


 握りにくい形状を究極にまで求めると「手に置いただけ」に行きついた!
 まさに逆転の発想ッ!
 コペルニクス的転回ッ!
 でも「ルーザールーズ」って「離したら敗(ま)け」じゃなかったっけ?
 にらめっこ勝負で相手を笑わすために変な笑顔を見せるようなモンでしょ。
 手の上にのっているかぎりはセーフなんでしょうか。

 まあ、なんにしてもアンチェインらしい開放的な握りかたになった。
 今度こそ、そよ風で飛んじまうぜ。
 となると、ゲバルの風を呼ぶ能力が有効になる。
 思いっきり息を吹きかけてバンダナを飛ばしてもゲバルの勝ちだ。
 それどころか、普通にバンダナを引っぱっても勝てそうなんだけど。
 引っぱられたら、握って引っぱり返すんだろうか。かっこわる。

 ついに、オリバが全開モードに入ったらしい。
 なんか闘争というよりも意地の張り合いのような展開になってきたが、そろそろ決着になるのだろうか?
 次回につづく。


 とりあえずオリバは体や腕を動かさないことで、バンダナを落さないという手段をとるようだ。
 まさに不退転の決意である。
 なんか燃費の悪い決意という気もしますけど。

 ゲバルとのたたかいは龍書文 戦と流れがにている。
 二人のアンチェインがたたかう。
 オリバは相手の戦法に翻弄される。
 とりあえず相手のマネをした。失敗する。
 オリバは懲りない。もう一度。
 ノーガードで勝機をつかむ。

 ワンパターンと言ってしまえばワンパターンだ。
 ただ、野球でいえば先発・中継ぎ・抑えの投手リレーを行うように勝率の高い戦闘パターンを繰り返しているのかもしれない。
 格ゲーでいえばハメ殺しのパターンだ。
 オリバが相手のマネをしたあとガードをすてたら、マジやばい。


 龍書文との闘いでもオリバにはアンチェインなところを見せて欲しかった。
 ポケットに縛られるような闘いじゃなく、もっと自由に。
 理想はブリーフを引きちぎらんばかりのアンチェインっぷりだ。
 自由なブラジャー「ヌーブラ」みたいに、アンチェインなブリーフ「ヌーブリ」とかを装備するぐらいの暴挙を見せて欲しかった。

 参考画像:ヌーブラ
ヌーブラ エアーライト A (専用ポーチ付)



 すっかり背景の人がにあってきている刃牙だが、逆襲はあるのだろうか?
 36話のようすだと、刃牙はゲバルを応援しているっぽい。
 オリバとの試合がどうなろうとも、闘って欲しいといっている。
 そうなると、ゲバルが負けたら、乱入してきた刃牙が弱ったゲバルにトドメを刺すのだろうか?
 あるいみ範馬勇次郎的な行動ではあるんだけど、……やっぱり主人公らしくない。

 出番のない主人公なんて、チャレンジしないガチャピンみたいなものだ。
 がんばって活躍してください。
by とら


2006年11月9日(50号)
第3部 第46話 ジルベルトスタイル (702回)

 かつて金竜山は言った。相撲は踊りじゃないッスから。
 オリバの場合は次のようになる。
 アンチェインは繋ぎ止められないッスから、バンダナをつかみません。
 というワケで、オリバがつかまないルールでの戦闘を提案する。

 あ、あんたらアンチェインだろ。
 なにルールに縛られてんだよ。
 もっとマジメに戦えッ!
 いや、これが彼らの精一杯マジメな戦いなのかもしれない。

「耳にしたことはある」

 し、知っておるのか 雷電 ゲバルッ!?
 アンチェイン対決は、知識量でも競うらしい。
 この負けず嫌いどもめッ!
 食事なら、大食い・早食い対決をするだろう。
 連れションしたら、どっちが長く出せるか対決に発展するにちがいない。

「シシリー島出身のホテル王 ジャン・ジルベルト」

 また、なんかスゴい歴史秘話が来やがったァ――――ッッッ!
 マフィアの一員でもあるホテル王ジルベルトは1947年パリのシャンゼリゼ通りに外国人初の大型ホテルを建築した。
 1962年1月4日、裏切り者として処刑される。
 ハンカチをはなしたら、銃殺というルーザールーズマッチだ。

 しかし、処刑を完遂するためか、ジルベルトには大きなハンデがあった。
 ハンカチを握ることを許さず、手のひらにのせるだけ。
 とうぜんジルベルトは銃殺される。
 だが、ルールに名をのこす。
 以後、握らないルーザールーズを『ジルベルトスタイル』と呼ぶようになったッッッ!(力説)
 アマレスのグレコローマン・スタイルもビックリな命名だ。
   ※ グレコローマン(Greco-Roman)は人名ではなくギリシャ・ローマの意。(プログレッシブ英和中辞典

 なんか無駄に長くて詳細なエピソードが出てきちゃった!?
 はたして『ジルベルトスタイル』は、どれほど真実なのだろうか。
 考察サイトとしては、検証せねばなるまい。
 いや、もう『ルーザールーズ』とか言っている時点で岩鬼ホームラン間違いナシの悪球って感じですが。

 ジャン=マルク・ジルベルト・モルメクという人物は実在する。
 ただし、フランスのボクサーだ。
 名前だけ拝借したのかもしれない。フランスという部分につながりを感じる。

 1962年に亡くなったマフィアのボスは二人いる。
 ジョゼフ・プロファチラッキー・ルチアーノだ。
 特にラッキー・ルチアーノはシチリア(シシリー)島出身という部分が共通している。
 若いときに受けたナイフの傷で右瞼が垂れ下がっていたらしいが、ジルベルトも じゃっかん右まぶたがたれているようだ。
 顔は似ていないが、影響を受けているのかもしれない。

 ホテル王といえばセザール・リッツが有名なようだ。
 15歳でウエイターからはじめてホテル王になった人物だ。
 ジェフリー・アーチャーの小説「ケインとアベル」の主人公であるアベルみたいな成り上がりっぷりである。
 日本でいえば足軽から天下人になった豊臣秀吉みたいなものか。

 いろいろとワキ道にそれてしまった。
 どうも、いろいろな要素をまぜて完成したのがジルベルトのようだ。
 えられた情報からすると、やっぱり「岩鬼なら場外ホームラン」でしょうか。


 気がついたら、ゲバルまで『ジルベルトスタイル』になっている。
 つきあわなくてイイのに、毎回律儀な人だ。
 オリバをルールでしばったはずなのに、今では逆にしばられている。

 そして、殴り合いがはじまった。
 ハンカチを保持するために左手は使えない。
 そのためガードはほとんど使えず、ノーガードでの殴りあいに近い状態だ。
 このスタイルはオリバの領域である。

 ゲバルはオリバ有利を感じているのだろう。
 先制攻撃で蹴る殴る。
 ゲバルはバンダナを手から落さずに攻撃だ。
 対するオリバはバンダナを手から落さないように殴られる。
 オリバはまだ攻撃しないのか!?

「これだからやめられんッッ」

 防御をすてつつ、バランス感覚全開の芸に所長も囚人も大興奮している。
 所長がやめられんと言っているので、頂上決戦は ほぼ公認の大会なのだろう。

 ついに、オリバが動いたッ!
 ゲバルの後頭部に手をかけると、一気に引き倒し、地面に叩きつける。
 オリバは大型ヘリコプターと綱引きをする事ができる怪力の持ち主だ。(バキ24巻 210話
 ただ相手を引きこむだけで、ガーレンスペシャルよりも強力な投げ技になる。

 即死したのではないかと疑うような勢いだ。
 しかし、ゲバルはバンダナを手の甲にのせてキープしている。
 オリバもすごかったが、ゲバルの芸もスゴい。
 そして、立ち上がる。耐久力もかなり高い。さすが二代目アンチェインだ。

 戦いを続ける二人を突風がつつむ。
 前回、風が吹けばバンダナが飛ぶと書いた。
 風といえばゲバルだ。この突風はゲバルにとって勝利の風となるのか?

 ところが、二人は手の位置を調整してバンダナが飛ばないようにしている。
 試合続行のため協力しているのだ。
 なんという勝負根性かッ!

 一方、主人公である範馬刃牙(18)は『ルーザールーズ』を茶番と斬ってすてた。
 なんとなく自分が参加できないから、試合にダメだししているような感じがする。
 イソップ童話でいうところの「酸っぱいブドウ」だ。
 ふてくされた(?)刃牙は、帰って寝るとばかりに会場から出ていく。

 しゅ、主人公ッッッ!?
 出て行ったらダメだろ。あきらめたら、ここで 連載 試合 終了ですよ。
 ところが、刃牙の行動はとんでもない奇手であった。むしろ鬼手だ。

「ちょ…ッッ」
「なに……?? この子…」


 マリアも驚愕ゥ!
 範馬刃牙がマリアのベッドに闖入している。
 マリアをだき枕がわりにして寝ているのだ。
 肉が多いので判定が難しいが、右手と右足がかなりエグい部分をつかんでいる。
 もみしだきには定評のあった松山せいじ「エイケン」をほうふつとさせる、危険部位への接触だ。

 もちろんオリバは大ショックッ!
 いっそうのこと見開き二ページで表現してくれてもいいぐらいの衝撃をうけている。
 体勢を崩したため、バンダナは風で吹き飛んだ。
 だが、バンダナの行方を見るよゆうもなく、オリバとゲバルはベッドを見ながら呆然とするのだった。
 これで次回に、つづいちゃうのか?


 刃牙、覚醒!
 もう、予想外の行動だ。
 確かに、マリアを寝取るという予想はあった。
 だが、それは現実に起こらないことを前提にしたギャグだ。
 「うちの会社、経営が危ないんじゃない?」というのはギャグであって、本当に危なかったら口にしにくい。
 だが、刃牙はやっちゃったのだ。

 本当に、やっちゃった。
 そんな感じだ。

 刃牙は基本的にマゾだ。
 しかし、逆も真なり。
 相手を喜ばす事ができれば、逆も可能なのだ。
 梢江とのデートでバキは言っていたし、天内も言っている。

 つまり、最大級のマゾである刃牙は相手を痛めつけるサディストに転職できるのだ。
 何しろ父親は地上最強のサドである範馬勇次郎である。
 なにをすれば相手が痛いかすぐにワカるのだ。


 刃牙が傷つけたのはオリバだけじゃない。
 オリバと戦っていたゲバルも、試合をめちゃくちゃにされた。
 試合を楽しんでいた囚人&職員もガッカリだ。
 ブラックペンタゴンを寝業師・刃牙が壊滅したも同然である。
 暴動がおきて、刃牙をボコボコにしちゃうかもしれない。それもまた良し。

 とにかく範馬刃牙という人間の 空気読まないっぷりに、驚愕した。
 オリバ………。もうマリアをだき枕がわりにしたのかい? まだだよなァ。
 初めての相手はオリバではないッ! このバキだッ!

 おれたちにできない事を平然とやってのけるッ。
 そこにあこがれないけど、シビれるゥ!

 イロイロなものを台無しにして、バキは勝ちを得たのだった。
 これも漁夫の利と考えておけばいいのだろうか?


 ただ、ゲバルはちょっとうれしいかもしれない。
 まともな殴りあいだと、オリバには勝てないだろう。
 だから、『ルーザールーズ』に持ち込み、ルール上の勝利を得ようとした。
 ところがオリバが勝手にルール変更しちゃって、けっきょくノーガード殴りあい対決になる。
 今のままだと、勝てません。

 刃牙の奇行のおかげで、無効試合になった可能性もある。
 もう一度やり直せば、今度こそ有利な状況を作れるかもしれない。
 ゲバルには、やり直しのチャンスというわけだ。


 ただ、ゲバルは根本的な弱点を抱えている。
 何度やり直しても、オリバのペースに巻き込まれる可能性が高い。

 ゲバルは「オリバに勝ってアメリカ最強のケンカ野郎になる」ことを目指している。
 だが、同時に「人々の支持を受けたい」という要求もあるのだ。
 二つの目標がうまく重なるときはいい。
 しかし、二つの目標が重ならないと悲劇だ。

 オリバに勝つためゲバルは、ルールある試合で戦うと誘導した。
 ならば、ルールにしたがって、オリバの指をバンダナから外させることに全力を出せばよい。
 バンダナをもつ左手に打撃を与えるなど、方法はいくらでもある。

 だが、人望を集めたいゲバルは卑怯すぎる攻撃ができない。
 オリバがカッコよさげなことを言って、つまみ方を変えようと言い出したら、つきあう。
 試合で勝つためにはルール内で認められているギリギリの行為をするべきだ。

 野球なら、2ストライクまではバットを振らない選択もある。
 強打者を敬遠してもいい。
 勝つために最善をつくすのがスポーツだ。
 だが、ゲバルは観客の反応が怖くて、強打者を敬遠できず真っ向勝負を挑んでしまう。
 矛盾する二つの目標を持つかぎり、ゲバルは実力を発揮しきれない。

 そう考えると、所内全員の楽しみを粉々に打ち砕いた刃牙は、タダ者ではない。
 戦闘力はともかく、ワガママ度では刃牙のほうが数段上だ。
 覚醒した範馬刃牙は手に負えない怪物になったのかもしれない。
 次回、怪物の本性があきらかになるのだろうか…………。
by とら


2006年11月16日(51号)
第3部 第47話 破壊 (703回)

「なにやっとんじゃアアアアアアアッ」

 見開きでオリバが絶叫する。
 そうだ、お前は今怒っていい! 怒っていいんだ!
 そりゃあもう、『スクライド』っぽく許可出したくなります。
 全力で激怒しろ。
 怒りにまかせて刃牙の歯を全部折りそうだ。

 普通にオリバが泣いて逃げだすんじゃないかと心配だった。
 なにしろ、ハンカチにツバを吐きかけられたときは泣いていたし。
 今回は、ちゃんと怒ってくれた。血管を浮かせまくって本気怒りだ。
 いつも余裕のある態度をとっているオリバだが、マリアが絡んでくると冷静さを失う。
 マリアを狙った刃牙の攻撃は、おそろしいほど的確だ。
 サドとしても超一流である。

 激昂するオリバだったが、マリアは意外と冷静だった。
 前回は刃牙に抱きつかれて動揺していたのだが、もうなれたらしい。
 体だけではなく、肝も太い。さすがオリバの恋人だ。

「握った 摑んだ つまんだ 乗せた」
「より危ういほうが男らしい……?」
「バカバカしい……」
「この子が眠ってしまうのもムリないわよ」


 ダメ押しだッ!
 マリアみずからがオリバにトドメをさした。
 今度こそ泣きそう。オリバの表情がゆがんでいる。
 オリバ、泣いちゃうっ。

 みんなが納得してキケン度を上げた戦いを楽しんでいたのに、根底から否定しやがった。
 ムダに危険なところで戦うことが多かった『魁!!男塾』の立場はどうなるのだ。
 仮にも「漢(おとこ)」を売りにしている作品なのに。

 しかし、『ルーザールーズ』はゲバルが提案したものである。
 オリバには若干不利な状況なのだ。
 まともに ぶつかればオリバの勝ちは揺るがないだろう。
 だが、変則ルール『ルーザールーズ』で戦うと、もしかしたら負けるかもしれない。
 マリアは恋人を不利なルールから解放しようとしているのではないか?

「男勝負はシンプルな倒し合い」
「他に方法なんてあるの?」


 シンプルな倒しあいこそ、オリバの得意分野だ。
 しかし、今までやって来たことを否定されて、オリバは凹みまくっている。
 おまけにマリアは刃牙に頬ずりしたり、デコチューしたりと、セクハラ(?)攻撃だ。
 寝ているはずの刃牙も思わず汗をかいてしまう。
 さすがの刃牙も、これは想定外だったか。

 攻めたつもりが、攻められた。
 マリアの実力はあなどれない。
 ブラックペンタゴンを一人で台無しにした刃牙もスゴい。
 だが、刃牙を手玉にとっているマリアはもっとスゴい。


 グチャ

 凹んでいるせいで、スキだらけになっているオリバを見逃すゲバルではない。

 全力(マックス)なハイキックをオリバの鼻面にメリ込ませた。
 オリバの頭は跳ねあがり、鼻血の噴水が吹きあがる。
 かなり脳がゆれていそうな打撃だ。

 脳がゆれていては、次の攻撃に反応できない。
 ゆえに連打を受ける。
 無防備なオリバにゲバルがしかけた攻撃は?

 パン

 耳打ちだッ!

 鼓膜が破けた。
 オリバは龍書文との闘いでも鼓膜を破られた。(バキ24巻 206話
 実は鼓膜が弱点なのだ。まあ、普通の人間はたいてい弱点でしょうけど。
 とにかく、ゲバルはオリバの弱点を的確についてきた。

 そして、ゲバジュン・スペシャルだ。
 22話でみせた、髪の毛を利用した三半規管の破壊術である。
 いくらオリバでも、喰らえば勝負アリになるダメージを受けるはずだ。

 だが、ゲバジュンスペシャルは耳の中で髪の毛を広げるというアクション時に腕が止まるという弱点を持っていた。
 鎬昂昇の紐切りが、神経を切る瞬間に腕が止まるのと似ている。
 そして、オリバはゲバルの腕が止まった瞬間につかむ。
 なんでも知っているといわれるオリバだけに、ゲバジュン・スペシャルの防ぎかたも知っていたのだ。

 勇次郎つながりで、範馬刃牙vs.鎬昂昇をオリバが知っている可能性がある。
 また、監視カメラや職員からゲバジュン・スペシャルの正体を聞きだしていただろう。
 戦う前から、オリバは純・ゲバルの戦術を熟知していたにちがいない。
 やはり、まともに正面から戦っても、ゲバルは オリバに勝てないのだ。

 オリバの怪力に片腕をとられた。
 この状況で何とかできるのは渋川先生ぐらいだ。(バキ12巻 101話
 単純な力では、オリバから脱出できないッ!

(今一度 君に見直されたいッッッ)

 オリバはやっぱり愛のために戦う。彼女のために戦う。
 もうちょっと、戦っている相手のことも見てあげてください。
 マリアに見直されるのであれば、相手がゲバルでなくても良さそうだ

 範馬勇次郎はヒドイ人間だと思う。
 だが、勇次郎の暴力はゆがんだ形の愛であって、闘う相手に愛をぶつけているような感じがする。
 勇次郎にくらべると、オリバには対戦相手に対する愛情と敬意が足りない。
 色を知った後の刃牙も同じような傾向があると思いますが。

「パン」

 ブラックペンタゴンの外に聞こえる打撃音だった。
 まるで砂漠に響いた一発の銃声だ。

「ウワァッッ 壁だッッ」
「壁まですっ飛んだッ」
「一パツで決着だッッ」


 オリバの張り手を喰らってゲバルは飛んだ。
 回転しながら壁に激突し、小さなクレーターを作る。
 声も出さずに倒れたゲバルだが、本当に終わったのだろうか?


 ここで、ハリケーンの詰まったビンが再登場するのか?
 ハリケーンと同しだ――――! だったらイケるぜ!
 ゲバジュン奇跡の復活で、アイアン・マイケルの両拳を破壊しそうだ。
 超(スーパー)ゲバルになって復活する可能性はまだある。

「やればやれるくせに……」
「タヌキ親父…………」


 タヌキ寝入りしていた刃牙が起きあがり、オリバに物申す。
 ひたいについた口紅のキスマークが、チャームポイントだ。
 ベルセルクでいえば生贄の烙印みたいなものか?
 以後、怪物の本性をみせるオリバに執拗に追いかけられます。

 ところで、刃牙ってゲバル派だったはずだが?
 過程も結果も、オリバを助けるものになっている。
 いつ、派閥を変えたのだろう。
 自分の特性を発揮できるのはオリバ派だと思ったのだろうか。

 なんにしても、刃牙の仕掛けによりオリバが激勝だ。
 ただ、オリバは、わざと苦労してピンチを演出し、マリアの気を引くのが狙いだったのだろう。
 オリバの計画は範馬刃牙によって破壊された。
 おまけにマリアとイチャイチャしている。
 今のオリバにとって、もっとも憎い人間は範馬刃牙だ。

 ゲバルとの試合は、マリアの気を引くためだ。
 だが、刃牙との戦いは、マリアを取りもどすためになる。
 奪われたマリアの心を取りもどすのだ。
 次回、いきなり刃牙vs.オリバがはじまりかねない。
by とら


2006年11月22日(52号)
第3部 第48話 暴風(かぜ) (704回)

 マリアを抱く。で、デコチューされました。
 理屈はともかく、範馬刃牙が敗北したような気分だ。
 だが、今週の刃牙は額についたキスマークをぬぐいさり、余裕の表情を浮かべている。
 さすが主人公だ。百戦錬磨のタフネス。どんな技でも一パツじゃ壊れんちゅうことかい。

「マリアさん」
「柔らかくって暖かくって……………」
「スッゲェいい香りでした」


 すっかり"喰っちまったぜ"的な雰囲気で刃牙がマリアの感想をいう。
 柔らかくて暖かいってのは、想定の範囲内 ど真ン中の感想だ。
 マリアさんは、ムスっとしている。
 ほめているようで、ほめてないような響きが言外にあったのでしょうか。
 なんか、霜降り和牛のステーキを食した感想にも聞こえるし。

 いい香りってのが、気になる。
 オリバが使用済みハンカチでは刺激が強すぎるといったのは、ウソではなかった。
 強力なフェロモンが混じった体臭をしていそうだ。
 ケーキとポテチが混ざったような臭気なんだろうか。

 というか、刃牙のいう「いい香り」を信用してよいものか。
 普通に、尿の香りだったりしたら嫌だなー。

「しかも…」
「優しい」

 刃牙はマリアのツンデレを見抜いていた。
 つれない態度もオリバのためという、献身的な面をもつマリアの本質を理解している。
 これはツンデレの達人・烈海王を身近で見てきたため、理解力が高まったのだろう。

 刃牙にほめられて、マリアもちょっと照れている。
 だが、烈に比べると可愛さが足りない。


 見かたによっては、マリアが刃牙といちゃついているようにも見える。
 とうぜんオリバの血管が浮かび上がった。
 だが、オリバは殴りかかったりしない。
 なぜか刃牙に礼をいう。
 気難しいマリアがなごんでいるかららしい。
 いや、なごんでいるのは、たぶんオリバが勝ったからだ。
 オリバは、必要のない感謝をしている気がする。

 オリバの本音としては、刃牙を殴りたいのだろう。
 しかし、大人の対応をマリアに見せるため、怒りをこらえているようだ。
 素直に殴ってイイと思いますが。

 オリバのパワフルな勝利に囚人たちは「アンチェイン」コールだ。
 いろいろあったけど、腕力が最強な男はあこがれの対象らしい。
 刃牙だって試合前は同室のゲバルと仲よさそうだったのに、今じゃ「そんな人は知りません」的な態度だ。

「ヤイサホー」

 とつぜん、奇声が響きわたる。
 発生源は倒れたままのゲバルだった。
 ウホッ! いい革命家…
 まだまだヤります、純ゲバル。略してゲバジュン!

 奇声の次は熱唱だ。歌う!
 なぜか歌う。なぜ歌う!?
 しかも、うつぶせに寝たままで。
 地面に顔をつけた状態でも声が通ると自慢をしたいのだろうか?

 歌は海賊ソングだ。
 ワク外に著作権がなんたらという表記がないようなので、ゲバジュンのオリジナルソングのようだ。
 作詞・作曲・歌においても頂点を極める男なのか?
 『ONE PIECE』や『キャプテンハーロック』を歌うのは、イメージ的にあわないかもしれない。
 宇宙の海はオレの海〜♪って感じのジャイアニズムは似合っている気もするけど。
『海賊王ゲバジュン』(ショートバージョン)

♪月夜の晩に(ヤイサホー)
 錨を上げろ(ヤイサホー)
 嵐の夜に(ヤイサホー)
 帆を上げろ(ヤイサホー)
 星を標(しるべ)に(ヤイサホー)
 宝に向かえ(ヤイサホー)
 ラム酒はおあずけ(ヤイサホー)
 鉄を焼け(ヤイサホー)

 慎み深くをハネ返し 耐えて忍を退けろ
 満ち足りることに 屈するな
 満ち足りないと なおも言え ♪
 歌いながら立ち上がり、メイクアップをしている。
 マウスを恐怖に失禁させた(スーパー)ゲバジュンがふたたび降臨だッ!

(これからだッッ)
(ゲバルはここからだ!!!)

 刃牙も太鼓判を押す、ゲバルの完全復活だ。
 むしろ、超回復している。
 倒れる前よりもあきらかに強そうだ。

 ゲバルの胸にはオリバに打ちこまれた手形がくっきりと残っている。
 ダメージはあるはずだ。
 しかし、ゲバルの足取りは力強い。
 オリバの一撃を正中線上に喰らって立ち上がれた人間がいただろうか。
 恐るべきゲバルのタフネスだ。ゲバルが変化した。

 ゲバルが猛然とダッシュする。
 速いッ!
 まっすぐに、オリバへ突っこみ全力の前蹴りだ。
 オリバが吹っ飛ぶ。
 ゲバル劇場の第二幕が開始された。
 次回へつづく。


 ゲバルが復活した。
 しかも強くなってる――――――!(ガビーン)
 とりあえず、ゲバルが強いのはいいことです。
 メイクも見る事ができて大満足だ。
 しかも、戦いかたがストレートになっている。

 今までのゲバルは策をこねくりまわしていた。
 勝つためには仕方がない。だが、爽快感がすくない闘いだ。
 だが、オリバの一撃を喰らって、なにかが吹っ切れたらしい。
 真正面の戦いを挑みはじめている。

 オマケに歌だ。
 ゲバルが水戸黄門ファンなのは説明不要だ。
 たぶん、アニメファンでもあるのだろう。
 日本アニメで変身シーンや、盛り上がるところにはキャラクターソングがかかる事がおおい。
 つまり、ゲバルは自分の歌を流しつつ変身という演出をしているのだ。

 策を捨てたゲバルはひとまわり大きくなった。
 今ならオリバと同格かもしれない。
 ますます刃牙が置いていかれますが。

 34話でゲバルがメイクアップしたときも、まずダメージを受けていた。
 単純にメイクをしても、ゲバルはパワーアップできないのかもしれない。
 ダメージを受けて、生命の危機を感じた状態で気持ちを切りかえると超絶パワーが発揮されるという仕組みだろうか。
 なんか、意図的に出すエンドルフィンという感じがする。


 ところで、ゲバルソングはなかなか興味深い。
 前半から中盤までは、海賊時代におこなった夜襲の直前を描写しているようだ。
 海賊ゲバルの体験談といえる。
 仕事前の緊張と高揚した雰囲気をもりあげる歌のようだ。
 たびたび入る合いの手「ヤイサホー」で、全員が声を合わせて一体感を得るのだろう。

 後半は海賊というより、ゲバルの人生観というところだ。
 小さな幸せで満足せずに、貪欲に喰らいつくす。
 海賊→大統領→アメリカ最強に挑戦、と好き勝手に転職してきたゲバルらしい歌詞だ。

 まるで、ルールで勝てばイイヤと妥協していたさっきの自分をしかっているような雰囲気がある。
 今後は貪欲に完全勝利を求めていきそうだ。
 それこそ、範馬勇次郎のようにッッッ!

 しかし、自分テーマソングを歌うとき自分で合いの手を入れるってのはちょっとさびしい状況だ。
 ツボなんか渡すよりも、歌詞カード渡してバックコーラス作っていたほうが良かったんじゃないか?
by とら


2006年11月30日(1号)
第3部 第49話 鉄(くろがね) (705回)

 復活のJ・ゲバルがオリバを蹴り飛ばした!
 今までさんざん殴ってきたが、真にダメージを与える事ができたのは、これが最初かもしれない。
 まさにゲバルが覚醒したといってよい。
 試合中に覆面かぶるテニス漫画があるんだから(参考:12)、戦闘中にメイクアップする格闘漫画があってもいいのだ。

 ゲバルの逆転に 観客(同じ囚人だけど)も大喜びだ。
 みんなで腕を突き上げ、ゲバルコールを繰り返す。
 さっきまでオリバコールをしていたのに、変わり身早ッ!

 モラルの欠如に関しては少年誌の主人公でもトップクラスをほこる範馬刃牙(18)も、ちょっとあきれている。
 だが、範馬刃牙がせっそうない観客にあきれるわけが無い。
 刃牙は「じゃあ俺が最終的に勝利したら、英雄になれるじゃん?」と計算しているはず。
 高いところから見くだしているようなあの表情は、悪(ワル)の証だ。


 オリバは何事もなかったかのように立ち上がった。
 むしろ、ダウンしたとは思えないほど元気に見える。
 よそ見をしながら歩いて木にぶつかった時よりもダメージが無さそうだ。

 脚本家の三谷幸喜は、よそ見をしてして木にぶつかったとき、まずやるべき大人の対応は「人に見られていないかを確認する」だと書いている。
 その点、オリバはダウンから立ち上がるのにも誇らしげだ。
 カッコよくハネ起きて、観客を唸らせている。
 ダメージすらプラスに変える、オリバの強力な人間力だ。

「君を見くびっていた」

「本気で叩くには――――」
「小さすぎると…………」


 蹴り飛ばされてもオリバは自信たっぷりだ。
 鍛えぬいた肉体は、いかなる攻撃も弾きかえすと言わんばかりである。
 たぶん、マリアを刃牙に寝取られかけたときのほうがダメージ大きい。

 そして、ここに来て「今まで本気じゃなかった」発言をする。
 バトル系漫画で多用されるセリフですな。  「○○無しで勝てると思っていたけど、甘かったようだな」って感じだ。
 ちょっと都合よすぎという気もする。

 確かに、ゲバジュン・ヤイサホー形態になる前はかなり力の差があった。
 だからゲバルは奇襲と奇策で戦ってきたのだ。
 しかし、すべての策がやぶれて開き直ったゲバルは上位海王級の強さがある(※ ほめてます)
 ついにオリバも本気を出すと決意したのだろう。

 今までのファイトは、やっぱりマリアに見せるための闘いだったのか?
 そのワリに、カッコ悪いところが多かった気がするんですけど。
 頭のいいバカと言うか、職人芸な不器用者って感じですね。
 アンチェインなのに彼女に縛られているし。


 アンチェイン二人の闘気に呼応するかのごとく風が吹きはじめる。
 最初に気がついたのはオリバだった。
 ゲバルは指先をなめて風を確認する。
 風を感じる能力はゲバルのほうが高いと思っていたが、この描写だとオリバのほうが上のようだ。
 直接、戦闘には関係ないが、ゲバルの未来に影がさした気がする。

「いい日だな」

「ああ…」
「死ぬにはいい日さ」


 オリバとゲバルが言葉を交わす。
 ベトナムでの米兵が使用し、かつてはインディアンも使用していたと言われる言葉だ。
 悔いなき人生を生ききる。
 J・ゲバルは真っ直ぐに突っこんだ。

 正面からだ。
 今までのように奇襲や変則的な攻撃ではない。
 純粋に最大の一撃を打ちこもうとする。
 稲妻をまとうような強烈なアッパーがオリバめがけて放たれた。
 これこそ、マウス三兄弟を仕留めた二階まで打ち上げアッパーの再現だッッッ!

(ああ……………………………
 いったい何時以来だろう……)
(他人を全力(ほんき)で叩くのは………………………)


 ゲバルを迎え撃つ、オリバの全力カウンタービンタが炸裂した。
 地震計に記録されそうなすさまじい勢いでゲバルが地面に叩きつけられる。
 受身も取っていない上に、首に負担がかかっていそうな格好で叩きつけられた。
 死んだり、障害が残るようなダメージを受けているかもしれない。
 だが、ゲバルなら……。
 ゲバルなら、きっと。ヤイサホー!


 同時刻、世界のGPSが狂っていた。
 オリバとゲバルが激しく戦いすぎたため、衛星軌道上にアメリカの軍事衛星が大集合しているのだろう。(範馬刃牙 4巻 26話
 それは、第42代米国大統領ボッシュも同様だった。

「国のコントロールも」
「車のコントロールも おそまつなことだぜ おめェは」

 ボッシュに運転させているのは範馬勇次郎だったッ!
 刃牙がブラックペンタゴンに入ったと聞いて、米国まで追いかけてきたのか!?
 さすが世界規模の親バカである。
 刃牙の期待にこたえるため、速攻でアフリカ象をたおしに行くだけの事はある。(範馬刃牙 1巻 1話
 地上最強の行動力を発揮して、大統領を運転手がわりにしやがった。

 ボッシュは、世界一安全な車になっていると、勇次郎を持ちあげる。
 でも、本当のところは勇次郎の気まぐれで即死になる車内紛争地域みたいなものだ。
 キケン度は『ジョジョ3部』でDIOに運転をさせられたウィルソン・フィリップス上院議員なみだ。
 ただ、勇次郎にとっての目的地(おそらく刃牙)につくまでは運転手として生かしておいてもらえるだろう。

「フンッ」
(俺だけ仲間外れかよ………………)


 勇次郎ォオオオオオオッッッ!!!??
 な…ッ、ナニ拗ねてんだ?!
 刃牙たちは、本人の知らんところで、ちょっとだけ勇次郎に敗北感を味あわせている。
 ものすごい快挙だ。

 そして、反動がこわいな〜〜。
 ボッシュが八つ当たりの対象になりそうだ。
 勇次郎がスネて、次回へつづく。



 範馬勇次郎が出てきた。
 普通に観光旅行をするとは思えない。
 おそらく、ブラックペンタゴンに向かっているのだろう。
 勇次郎が出てくると、話がいろいろ壊れる可能性がある。

 特にヤバいのが、ゲバルだ。
 勇次郎は負けている人間にダメ押しする事がおおい。
 今回もゲバルに対する死刑執行人としての役割をになっている可能性がある。

 やっぱり、ゲバルが負けるのだろうか。
 個人的には、立ち上がって戦って欲しい。
 ゲバルソング二番を熱唱するのだ。
 しかし、全力と書いて「ほんき」と言い出したオリバには勝てそうもない。
 やっぱり、本気度がまるでちがう。


 気になるのは主人公・刃牙の動向だ。
 あの悪い表情は、なにか企んでいる表情だと思う。
 オリバとゲバルの戦いに割りこんで、漁夫の利を狙っていそうだ。

 刃牙は38話で受けた屈辱を忘れていないだろう。
 オリバとゲバルに吹っ飛ばされて、ヨダレをたらした屈辱をッ!
 二倍か三倍にして返したいと機会をねらっているはずだ。
 マリア寝取り事件は、試合を台無しにしてやろうという刃牙の計画だったと思う。

 勇次郎の到着前までにナニか、刃牙が仕掛けそうな気がしてならない。
 でも、オリバには通用しないんだろうな。


 次回の勇次郎は、入り口から入らずに刑務所の外壁を破壊して侵入すると予想する。
・ 難攻不落のブラックペンタゴンがほこる外壁を素手で破壊しやがった。
   ↓
・ さすが、地上最強の生物! という流れになるだろう。
 勇次郎、オリバ、ゲバルのトップスリーが集まったら、GPSはどれだけ狂うのだろう。


 ところで、現実世界の米国ではブッシュの所属する共和党が議席数を減らし、支配力を落とした。
 刃牙世界でかまれた格闘家は現実でも、なぜか調子を落す。そういうジンクスがある。
 まさか、米国の政治にまで刃牙とシンクロニシティーするとは思わなかった(妄想です)。
by とら


2006年12月7日(2+3号)
第3部 第50話 自由の国(アメリカ) (706回)

 地上最強の生物・範馬勇次郎ぐらいになると米国大統領に車を運転させるぐらいのワガママも通用する。
 息子の遊びグループに入れてもらえなかったのが悔しかったのだろうか。
 なんか大統領にヤツアタリしているような感じだ。

 前回は足を前の座席の背もたれにのせていた。
 ちょっとグチって気が晴れたのか、今はちゃんと座っている。
 ひょっとしてシートベルトも装着していたりするのか?
 勇次郎には道徳的な行為がにあわない。
 交通ルールを守ったり、ゲームを1時間やるごとに休憩したりする姿が思い浮かばん。

 てっきりボッシュ大統領に運転させて刃牙のいるブラックペンタゴンへ向かっているのかと思っていたが、ちがった。
 どうも普通のドライブだったらしい。
 でも国のトップは多忙だからのんきにドライブしているヒマなんてないはずだ。
 実は国防的行為で『範馬勇次郎への接待ドライブ』なのかもしれない。
 ヘタなテロリストよりも危険な男だし、機嫌をとるのは重要です。

 やはり大統領ともなると護衛なしに自由に運転するわけにもいかない。
 前後には警護車両がいる。道路にも100mごとに私服の警備員だ。
 走るコースも限定された不自由なドライブである。

 私が昔住んでいたところは近くに皇族用の施設がある。皇太子が皇太子妃にプロポーズした場所として有名だ。
 ときどき、無線で連絡とっているらしき あやしげな黒服集団が、施設へむかう道路の要所に発生する。
 やっぱり要人警備ってのは どこの国も大事らしい。


 オマエは大統領かもしれないが、自由という点では俺のほうがずっと上だ。
 範馬勇次郎のアピールに冷や汗を流しつつボッシュは謎の家に到着する。

 警備員に誘導してもらっているので、大統領本人も細かい場所は知らなかったようだ。
 目的だけ伝えて、場所の指定は部下に任せたのだろう。
 優秀な部下がいれば、上司に多少の問題があってもなんとかなるらしい。
 魅力ある脇役がいれば、主人公にかなりの問題があってもなんとかなる……ということか。

 家具がまったくない広い部屋だった。
 ボッシュと範馬勇次郎、そして範馬刃牙 4巻25話に登場したゲバルの部下カモミール・レッセンの三人だけが部屋の中にいる。

 ボッシュは勇次郎とレッセンを戦わせてみようと企んでいるようだ。
 どっちが勝っても、憎い人間が負ける。つまり自分の勝利は間違いなし。
 ボッシュなりに考えた計画なのだろう。
 得意満面で勝ち誇った表情をしている。TVには放送できない大統領の裏の顔だ。

 勇次郎が怒るッ!
 人を利用しても、人に利用されることは許せないのが範馬勇次郎だ。

「俺に対する大統領任期最後の願いとは――――――――」
「よもやこの事ではあるまいな」

「ならばこれはもうゲームじゃねェぜ」


 範馬勇次郎へ、大統領からのお願い。
 超大国のトップにはヘンな権限がついてくるらしい。
 まだ任期は二年ぐらいあるはずだが、勝手に最後の願いにしている。さすが範馬勇次郎だ。
 それとも願いを聞くのは二年に一回なのだろうか。

 そして、レッセンをたきつけるために範馬勇次郎が襲ってくるといったボッシュは、超ヤバいことになった。
 勇次郎がかけひきを拒否した。本気で襲うつもりらしい。
 レッセンは、はやくも自分に止めることは不可能だとサジを投げた。

 武道家は特攻隊じゃないと愚地独歩や本部はいっていた。
 つまり相手の戦闘力を分析して勝てる見込みを計算する事も必要なのだ。
 素直に自分の敗北を予想したレッセンは武道家といえる。

 だが、負けるからといって素直にあきらめるようでは、甘いのだ。
 絶望的な状況下でも最善をつくすのが武術家である。
 レッセンは範馬勇次郎に勝てないと悟った。
 だが、ボッシュを逃がすことだけなら可能だ。
 ここで、ドロップキックですよ!
 二階の窓から大統領を下に蹴り飛ばすのだった。

 ボッシュを庭に落下させて、すぐさまレッセンが構える。
 庭にも警備員はいる。すこし時間をかせげばボッシュを逃がすことができるはずだ。
 捨て身でボッシュを守る唯一の方法である。
 大統領をおどした事もあったが、シークレットサービスとして立派に活躍だ。

 だが、部屋に勇次郎の姿はなかった。
 勇次郎は庭で落下する大統領をキャッチしていたのだ。
 どういうスピードしていやがるッ!?
 テレポートなどの能力をつかったとしか思えない。

「取った行動にミスはねェ」
「良き教育を受けた証だ」


 ボッシュの耳に指をつっこんでグリグリしつつ、勇次郎はレッセンを評価する。
 確かに見事な行動であり、思いきった決断力だった。
 優秀な武術家である。

 でも、猪狩だったら土・下・座ッ!でなんとかしてくれそうな期待感がある。
 猪狩の人間力はあなどれない。
 シコルスキーぐらいの変態をぶつけないと猪狩には勝てないのだろう。
 もっとも、猪狩は最終的にジャックとガイアを助っ人にして、徹底的に精神的苦痛をシコルスキーに味あわせている。
 猪狩の怖さはアメリカ大統領以上かもしれない。

「おめェには興味ねェが」
「おめェの師匠を喰ってみてェ」


 ついに範馬勇次郎がみつどもえ刑務所への参戦表明だ。
 すなおに刃牙に逢いたいといえばいいのに……。

 渦中の人物ゲバルはオリバの一撃を喰らったところだった。
 目はうつろだが、まだ戦う意志がのこっているらしい。
 本当のゲバルは これからなのか!?
 次回へつづく。


 テロリスト・ボディーガード=レッセンが再登場だ。
 なんで大統領への忠誠心があんなにあるんだろうか。
 大統領が変わると素手によるテロリスト作戦を説明しなおす必要が出てくる。
 説明やり直しが面倒だったのだろうか。

 今回は連載一周年だ。そして記念すべき第50話でもある。
 雑誌の表紙も刃牙だ。範馬刃牙五巻の絵なので手抜きかもしれないが、まあ良し。
 さらに人気投票も行われる。
 これだけお膳立てしておいて、本編に主人公の出番ナシというのは、突っこみ待ちなんだろうか?

追記 (06/12/14)
 とりあえず、ボッシュ大統領の主成分がアホなのはワカった。
 いまだに"赤信号をわたってはいけません"的な指導が必要な人物のようだ。
 こんな人間に一国の指導をさせているのだから、こわい。

 ただ、逆に考えれば無敵にポジティブな人間ということもできる。
 勇次郎と同じ車に乗っていて「世界一安全」といっちゃう神経は異常だ。
 イラクに視察に行って、テロ対策でピリピリした米兵がうじゃうじゃいたら、「米軍が守っているから今のイラクは世界一安全」と言い出しそう。
 脳がなさそうなぐらい能天気なボッシュは、あるいみ大物かもしれない。
 ボッシュの"ボ"はボンクラの"ボ"だッ!

 で、ボンクラ・ボッシュはまだレッセンをやとっていたのでビックリだ。
 潜在的な危険因子が足元をちょろちょろしていても平気なんだろうか?
 ボッシュは肝が太い。

 私だったら、潜伏している人間をなんとか洗い出して一斉に逮捕すると思う。
 潜伏している人間たちは、国の独立阻止をするための素手によるテロをするためにいる。
 自分の身を守るためにテロを起こしたら、報復で国を爆撃されるかもしれない。
 そういう意味で、排除しようと思えば排除できるのだ。

 ただ、範馬刃牙 4巻25話で、レッセンは各州に二人のメンバーがいると発言した。
 つまり、レッセン以外にもメンバーがいるのだ。
 レッセンを排除する時には、のこりのメンバーも探しだしたい。

 勇次郎とレッセンを戦わせるのは動揺した潜伏者が飛び出してこないか、反応を見るためなのかもしれない。
 たぶん、CIAあたりが計画したのだろう。
 最悪、ボッシュが勇次郎に殺されてもいいか。ぐらいの軽い気持ちで。

 深く考えずに、ホイホイやっちゃうのがボッシュのスゴいところだ。
 これこそが開拓精神だよ!
 成長期だったら、気持ちを盛り上げてくれるイイ大統領なのかもしれない。


 主人公抜きで盛りあがっているオリバ vs. ゲバルだが、ゲバルの第三形態はあるのだろうか。
 ラストのゲバルには復活の予兆があった。
 ただ、範海王とかアライJr.のように復活するフリだけつづけて、そのまま沈む例がある。
 しかも、範海王・アライJr.・ゲバルはイケメン系の戦士だ。
 一度もちあげてから、改めて落すというサディズムな展開がまた待っているかもしれない。

 とりあえず勇次郎がやってくるまでに決着がつくのだろう。
 今、勇次郎がどこにいるのかワカらない。
 砂漠をこえてブラックペンタゴンへ行くには、かなりの時間がかかる。
 普通なら到着は翌日ぐらいになるだろう。
 しかし、勇次郎には常識が通用しない。
 気がついたら、いた!ぐらいはやる。

 あとは、土産かわりにボッシュをつれてくるかどうかがポイントだ。
 そして、刃牙のために無罪放免の特赦状を書かせるにちがいない。
 親バカの極みである。
by とら


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