今週の範馬刃牙 SON OF OGRE 1話〜10話

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2005年12月1日(1号)
第3部 第1話 闘神の血族 (657+4回)

 ついに新連載『範馬刃牙 SON OF OGRE』が開始(はじ)まるッ!
 一週間の沈黙をへて、ついに刃牙シリーズが復活した。
 ついに刃牙と勇次郎が闘う。今度は親子喧嘩だ。血族間内戦とよんでもいいだろう。
 本部流なんかまきこまれたら一巻の終わりだ。
 決着を目指して、物語が加速していく!

 えー、物体は超高速で動いていると時間の流れがゆるやかになるそうです。
 スポーツ漫画は、のこり一分からが長い。
 つまり、超高速モードに突入した『範馬刃牙』は 今まで以上に体感時間が遅くなる可能性もある。


 前作『バキ』のラストで、範馬勇次郎は『東アフリカ タンザニア連合共和国 セレンゲティ国立公園』にいた。
 今作も同じ場所からはじまるようだ。
 背景にはサバンナの景色が広がり、黒人がいる。
 ただ、どうみても死体です。

「Mr.サマン」
「あなたはこの事故の唯一の生存者ですが」
「そんなあなたに今 世界中から非難が集まってます」


 サバンナを守るレンジャーのMr.サマンが記者会見を行っている。
 仲間は全滅したらしい。Mr.サマンもケガをしている。
 とんでもない失態をやらかしてしまったようだ。
 たぶん、ヒゲがよくない。

 オリバと同じタイプのちょびヒゲである。しかし、オリバが無事なのは超筋肉があるからだ。
 一般人なら日本刀で武装しても、本部以蔵クラスがせいぜいである。
 板垣ワールドにおいて、ちょびヒゲは不幸の予兆だ。餓狼伝の審判も、さらなる不幸を味わうと予想される。

「たった一頭のアフリカ象のハンティングに軍隊を導入ッッ」
「この事実に全世界がショックを受けているのです」


 部隊が壊滅したほうじゃなくて、象狩りに軍隊を使ったほうに文句がきているのかよ!?
 弱い軍隊のほうが問題だと思うんだけど。国防力が弱いのはヤバい。紛争とか、大丈夫なんですか?
 南蛮兵が象兵で攻めてきたら、近代軍が負けるってことですよ。
 火縄銃よりも使えない軍隊だ。血税は有効に使おう。

 だが、そのアフリカ象はただのアフリカ象ではなかった。

「古代から蘇ったかのような超規格外!!!」

 足のサイズは大人の身長よりも大きく、頭の位置が樹木よりもはるかに高い。
 ライオンを牙で引っかけて つらぬけるほどの巨大な体だ。
 ほとんど恐竜レベルの巨体である。
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」に出てきたオリファントぐらいのデカさだ。
 完全武装した騎馬兵をふんづけて倒せる。

 なんだ、この神話の時代から出てきたような象はッ!
 アカデミー賞 11部門独占級の巨体である。
 どこかで間違えて肉食で育ったのではないかというサイズだ。
 ライオンだってはだしで逃げる。陸上用のクツをはけるなら、はいて逃げるだろう。

 ちなみに逃げているのは雄ライオンだ。
 もう、女子供にかまっている余裕はないらしい。
 こりゃ、一国の軍隊に匹敵する象だ。

「977頭 41名」
「あのモンスターの犠牲となった動物」
「及び人間の数だ」


 やはり、被害量を真剣に考えたほうがいいと思う。
 軍隊が負けるのは、存在意義に反する。卑怯でも勝たなくてはならない。
 PS2ゲーム『餓狼伝Breakblow』において、久保涼二やチャック・ルイスで松尾象山に勝とうと思ったら、卑怯に闘うしかないのだ。
 戦いの内容よりも、勝利したという事実のほうが重要なのだ。

 とりあえず このアフリカ象には、最強の象である松尾象山からインスパイヤして『松尾象』とかりに名づける。
 松尾象(仮名)は、動物と人あわせて なんと千人斬りを達成したらしい。そなたこそ真の三国無双よ。
 そりゃ、通常の兵士では手がつけられない。

 松尾象の暴威により公園内の植物は喰い荒らされている。食事量は一日に21.2トンだ。
 天王寺動植物園のゾウは一日に219Kg 73Kg(訂正)食べるらしい。
 動物園だと根野菜などの栄養価の高いエサをあたえているので、単純比較はできない。
 しかし、一般ゾウの百倍喰っているのは確かだ。フンだって、百倍落としている。
 まさに規格外の怪物だ。

 山のようにそびえる松尾象に 機関銃を装備したジープがいどむ。
 しかし、ふみつぶされ、鼻でなぎはらわれる。
 カテゴリー5のハリケーンに向かっていき吹っ飛ばされるような絶望感がある。

 どんなに文明を発達させても、人間は自然の力には勝てないんですね。
 なんとなくエコロジーな気分でごまかしたいところだ。
 つうか、この象はぜったい遺伝子いじっている。
 ジャックにドーピング教えたジョン博士が作ったにちがいない。
 なんだよ、この巨神兵は。ナウシカよんできて。

 ちなみに、猛威をふるった松尾象も今では死体になっている。
 しかし、Mr.サマンは銃を使用していなかったし、たおしてもいないという。
 では、だれが松尾象を倒したのか?
 その者黒き衣をまといて、サバンナの地に降りたつべし。

「男が現れた」
「我々を壊滅させゆうゆうと立ち去ろうとするモンスターの眼前に」
「黒いコスチュームに身を包んだ男が!」


 いわずと知れた範馬勇次郎である。
 軍隊が勝てなかった松尾象を素手でたおした人間がいた。
 ムチャの上にムチャを重ねる話なので、記者団は納得しない。
 記者団のさらなる批判をあびながらMr.サマンは退席するのだった。


 そのころ、範馬勇次郎は食事中だった。
 食材は水牛のようだ。
 頭部が陥没し、ツノが折れている。
 急所を狙わず、正面突破でたおしたと思われる。

 ちゃんと焚き火にあうサイズに切っていて芸がこまかい。
 水牛クラスにデカいと丸焼きにしては火が通らず喰えなさそうだ。勇次郎はけっこうこだわりの人らしい。
 肉のみの食事をワイルドに口いっぱいにほおばって勇次郎は喰べるのだった。


 場面がかわる。アフリカからはるかに離れた東京郊外 武蔵野だ。
 草むらにひとりで立つ少年は範馬刃牙である。
 タイトルにもなっている、主人公だ。

 刃牙は棒状のものをもち、大上段にかまえている。
 日本刀か?
 父である地上最強の生物・範馬勇次郎に勝つため修行をしているのだろう。
 口元はへの字に結ばれ真剣な表情だ。
 範馬刃牙よ、なにを思う?


 またまた場面はかわり、Mr.サマンの家だ。
 息子のフリオは父サマンの言葉を信じていた。
 父に絶対の信頼だ。その信頼にこたえ、サマンはだれにも話さなかった戦いの詳細を語る。

 勇次郎が、松尾象の前足にローキックをはなつ。
 描かれてはいないが、松尾象の鼻フックをかいくぐった攻撃であろう。
 相手のフトコロに飛びこむスピードも賞賛すべきだ。
 範馬勇次郎のローキックだ。圧縮バットまたはムエタイの足であれば、十数本いっぺんに折ることのできる。

 だが、相手は怪物・松尾象だ。
 かすかに前足をあげてローキックを受けている。
 この象、ローキックの受けかたを知っておるのか!?

 ローキックでは仕留めきれないと勇次郎は判断したのだろう。一気に跳躍した。
 キリンより高いであろう松尾象だ。おそらく上空からの攻撃は受けたことがない。
 勇次郎の跳躍力があってはじめて可能な奇襲攻撃であった。

 だが、松尾象のデカさは想像以上だった。
 跳躍したものの完全に上を取ることができない。
 勇次郎は目標を変える。この切りかえの早さも強さの秘密だろう。
 松尾象の鼻を絞めあげる!

 象の鼻は人間にとって腕のようなものだ。
 つまり、これはアームロックにあたる攻撃と考えればよい。
 鼻関節が悲鳴をあげる。ノーズロックだ!
 内部に骨があったら、即座に折れていただろう。それほどに強烈な絞めあげかただった。

 最大の武器を折られた時点で松尾象の敗北が決した。
 牙を折られ、体を蹴られ、山が崩れる。
 壮絶な死闘であった。

「ねェパパ 誰なら勝てるの?」
「勝てぬさ 誰も………」
「その人がもう1人いても?」
「ン〜〜〜……」
「その人の子供が大きくなっても!!?」
「ン〜〜〜…………………」


 子供のまっすぐな問いをごまかしたり、テキトーに答えたりせずに、サマンは考える。
 たしかな親子の絆が二人に存在しているようだ。
 どこかの範馬親子とはずいぶんちがう。


 そして、場面はふたたび武蔵野へ。
 主人公・範馬刃牙がふりおろした虫網は確実にカマキリを捕らえたのだった。
「よっしゃあ‥‥」
 手書き文字で喜びを表明する主人公であった。コレが主人公の初台詞で、今回コレだけ。
 そして、次回へつづく。


 第一話から、ようしゃなく飛ばしている主人公であった。
 いきなり予測不能だ。
 レイザーラモンHGにまで「"バキ"の話の展開は普通じゃない、フ――――――ッ!!」といわれるだけの事はある。

 なんで刃牙は童心にかえってカマキリなんかハンティングしたのだろう。
 自分の行動が「蟷螂の斧」であるというアピールなのか。
 カマキリを捕らえて うれしそうにしている表情がちょっと虚ろで 怖い。

 範馬勇次郎・妄想体とリアルシャドーを行い打たれすぎて、脳に深刻なダメージを受けた可能性がある。
 実は尿を漏らしっぱなしで 大変な状態かもしれない。
 ドリアンはキャンディーを欲しがり、刃牙はカマキリを欲しがるのだった。
 いまごろ友人たちが刃牙を探して奔走しているのだろう。

 ちょっとグラップラー刃牙の幼年編を思い出す。
 母・江珠の死体を刃牙は花でかざりたむけとした。
 範馬勇次郎・妄想体が暴走して独歩たちを撲殺していたとしたら……。
 カマキリは戦う武術家たちへの供物なのかもしれない。
 きっと草むらの影に加藤と花田が転がっているのだろう。80%ぐらいの確率で本部もいる。

 キャオラな加藤には、キャオラ → キャオキリ → キャマキリ → カマキリ、ということでカマキリをささげる。
 戦闘能力がちょっと低い花田には、バッタをささげる。
 本部さんにはその辺の草を。
 そうやって戦士を弔っているのだろう。

 冗談はさておき、地下闘技場で具現化した勇次郎とのリアルシャドーの結果が知りたい。
 勇次郎に引きずられて松尾象まで召喚してしまってドームに穴が開いていたりして。

 主人公である範馬刃牙の本格始動は次回からになるようだ。
 最大最強の親子喧嘩の行方や、いかに?
by とら


2005年12月8日(2+3号)
第3部 第2話 その人の子 (658+4回)

 親父とチョットもめている範馬刃牙18歳が、今日も蛮勇をふるう!
 前回は凶暴な肉食昆虫のカマキリに激勝した。
 次の獲物はどいつだッ!? 弱いヤツから順番にかかってきやがれ!


 だが、今回は小学生(?)の視点ではじまる。
 三人の友人(?)たちにバカにされながら、とある高校に入っていく少年がいた。
 のこる三人は少年の身を案じるわけでもなく、興味本位で笑いながら見送っている。
 最悪です。友人はちゃんと選ぼう。
 コイツら「ポコを襲っているスキに逃げろォ」とかいうタイプだ。
 そして、自分たちが先に襲われる。

「叔父さんが言ってた」
「世界一強い高校生だって…………」


 この高校に怪物がすんでいることを、三バカ小学生は知っていた。
 範馬刃牙のことに間違いない。
 高校生どころか、三十五歳以下のだれよりも強い生物である。たぶん。
 三十五歳より上には勇次郎に郭海皇、オリバなど強敵が存在している。
 前回登場した松尾象が生きていれば刃牙より強かったかもしれない。
 そうなると、勇次郎は息子のランキングアップに貢献したのか?
 親バカですな。

 それより、刃牙の強さを知っている「叔父さん」の存在が気になる。
 刃牙は数ヶ月前(「バキ」開始時)まで強さを隠していた。
 それなのに刃牙の強さを知っている。そうなると、地下闘技場の関係者だろうか。

 バカっぽさという共通点を考えると、"ペイントしただけのピエロ"マイク・クインがあやしい。
 じつは日本人で珱米久(よう よねひさ)という名前なのかもしれない。
 アダ名は女王米久(くいーん まいく)だ。
 苗字を分解して女王とし(「ッ」は省略)、チェスで最強のコマであるクイーンを意識した。
 海外にわたり、マイク・クイーンと名乗った。のちにマイク・クインと改名する。


 話をもどす。
 高校に潜入した少年は、三人の不良生徒にかこまれる。
 超高校生級のフケ顔をもつ猛者どもだ。
 少年はあわててポケットをさぐる。
 取りだしたのは、おりたたみ式のナイフだった。
 使いなれていないようすで、ぎこちなく刃を引きだす。

「殴り込みだよコイツ」
「ツブしにきたンだよ ここをッ


 フケ顔三人衆は大爆笑する。
 相手が小学生でも刃物を出されたら引きそうなものだが、コイツらは動じない。
 刃物にもなれているのだろう。不良世界ではそれなりに名の知れた人間かもしれない。
 花山薫を柴千春で割ったぐらいの知名度はありそうだ。
 思いっきり爆笑されても少年は、後退しなかった。

「イ…イチ…バン」
「強い……人を……だせ…… …くだ…さ…い」


 泣き出しながら宣戦布告だ。
 どういう事情があるのか知らないが、少年の覚悟はかなり強いようだ。
 昔のバキと同じように、最強を目指す理由があるのだろうか?
 そう、最大トーナメントを勝ち抜いていたころの刃牙のように……。

 少年の気合が通じたのかもしれない。フケ顔のなかでも特にフケているヒゲ男が返答する。
 オレたちはイチバンではない。
 だから世界一強い人間を連れて行く。
 多摩川で待て。

「ただしボウヤ…」
「世界一のことも多摩川のことも これは本気(マジ)なんだ」
「約束違えるとえれぇことになるぜ」


 えッ?
 違約者にたいし、刃牙が制裁を加えるとでもいうのですか。

 いや、今の刃牙ならやりかねないけど。容赦なく折りそうだ。
 または、カマキリとかの虫がいっぱい詰まったツボに放りこんでフタをする(蟲ツボ拷問)に違いない。
 過去にやられたから、ヒゲ男も忠告するのだろう。

 スペック襲撃前後の事件で、刃牙の名は不良たちの間に知れわたっているはずだ。
 すっかりカリスマ高校生だ。
 勇次郎より強ければそれでイイといいながら、高校生の頂点に君臨している。
 もし勇次郎を倒しちゃったら、「結果的に地上最強になっただけさ」といいながら、大威張りしそうだ。
 というか、現時点ですでに大威張りしているっぽい。


 少年たちは多摩川のほとりで世界一の高校生をまつ。
 高校にのりこんだ少年だけが、やや沈痛な面持ちだ。
 他の連中は、最強の高校生というのを信じていないのだろう。
 なにしろ、都市伝説みたいな肩書きだ。10mを超す巨大象なみに信憑性がうすい。

 そこへ伝説の漢(おとこ)・範馬刃牙がやってきた。
 制服のボタンを全てはずして輝くボディーを見せている。
 もう、ヘルニアをわずっている気弱な高校生を演じる必要はないらしい。
 これが、新生・範馬刃牙の姿だ!

 ちなみに「連れて行く」といった、フケ顔三人衆はいない。
「勝手に約束すンな、バカッ! 裏声ルームへ連れて行け!」って感じに制裁を受けたのかもしれない。
 まあ、蟲ツボ拷問よりはマシだ。
 ヒゲは悲惨な目にあうという法則が、行間で実行されたのだろう。

(本当に来たッ 世界最強の高校生ッ)
オレと戦いにッッ)


 少年の一人称は「オレ」だった。
 やはり、内面に熱い思いを秘めているのかもしれない。
 三バカはあっさり逃げだす。しかし、少年はひとり踏みとどまり、ナイフをかまえる。
 刃牙の圧力に屈しないとは、小学生とは思えぬ胆力だ。
 大人でも問答無用で尿を漏らすほどの圧力が範馬にはあるはず。気力だけなら大人に負けていない。

(正直……オレが想像していたより…………
 ずっと小さな世界一だった)

『 第五十四回 日本統計年鑑 平成17年』によると、18歳の平均身長は171.2cm(2001年度)だ。
 刃牙の身長は167cmなので、平均よりも低い。
 少年―― 鮎川ルミナ ――が小さいと感じるのもとうぜんだ。
 互いに名乗り、勝負する空気がただよう。

「使うんだなそれを……」

 武器の使用を確認する。
 ルミナは、いちおう武器を使用すると認めた。
 あせって答えたので、認めたというより、認めてしまった感がある。
 銃を持ってこそ人間(ヒト)は獣と対等になれる。
 刃牙にとって小学生のもつナイフなど、バナナのような物なのだろう。
 おやつとお弁当の間ぐらいの存在だ。

「だったら………」
「本気でやらせてもらう」


 ッッッ!
 お、おとなげねェ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!
 本気だ。超本気だ!
 クリリンのことかと問うぐらいに本気だ!

(見る間に―――――
 見る間にバキさんは)
オレにもワカるほど)
(世界一になった!)


 髪の毛は金になったりしなかったけど、デカくなった! これが世界一のオーラなのか。
 身長が4mぐらいに見える。大豪院邪鬼なみの、本気だ!
 今の刃牙なら、松尾象にも十分勝てそうだ。いや、まだサイズで負けているけど。
 しかし、この本気を小学生に向ける気かァッ!?

 範馬刃牙、容赦せん!
「挑んでくる者ならたとえ赤ン坊でも叩き伏せかねない」と江珠に言われた範馬勇次郎の息子だ。
 悪鬼の素質をしっかりと受けついでいる。
 刃牙は、挑んでくる小学生を叩き伏せるのか?
 さすがに児童虐待は主人公らしくないぞ。

 ただ、範馬刃牙は1500m走を重いコンダラ(ローラー)引っぱり競技に脳内変換する男だ。
 松本梢江を美少女と認識することも、たぶん朝飯前である。
 もしかすると、前回のカマキリ狩りも 闇に潜む鬼を日本刀で斬るイメージに変えていたのかもしれない。
 鮎川ルミナ少年を、修斗の佐藤ルミナに脳内変換した可能性がある。
 まあ、どう変換しようと闘いが終わったあとには殺人の現実を突きつけられるんだけど。

 カマキリの次は小学生だ。
 好意的に見ると、エモノがレベルアップしている。
 次回は中学生で、ムエタイ選手、不良高校生、花田、猛獣、一流格闘士、範馬関係者という感じに強い敵と戦うのかもしれない。
 それにしても、勇次郎と戦う日はいつ頃なのだろう?


 板垣先生の今号巻末コメントは以下のとおりだ。
『約40日前(10/20)、新連載を決定して以来 鼓動のスピードが下がらない。(12/2現在)』
 良くも悪くも、新連載でハジけまくっている。
 すごい勢いで加速しているようだ。

 それはともかく、チャンピオンの製作体制がわかって興味ぶかい。
 巻末コメントは漫画よりもあとで書くと言われている。
 漫画には写植作業が入るから先に入れないとダメなのだ。
 というワケで、チャンピオンの原稿は(おそくて)一週間前の木曜日あたりに入稿するのだろう。

 そして、新連載を決定したのが10/20なので、270話の原稿を描いていたあたりだと思われる。
 試合をさせてみたら、Jr.が全然ダメで、こりゃ仕切りなおすしかないと悟ったのだろうか?
 269話に勇次郎が出てきて、刃牙との戦いをにおわせているので、10/20に描いたのはこっちかもしれない。

 なんにしても、そこから七話ほどで連載終了してしまうとは、恐るべき力技だ。
 板垣先生こそ、勇次郎イズムをつらぬいている。
 いたがきぐみスタッフの方々には、板垣先生の身長が3mぐらいに見えているのだろう。
 たぶん、編集部から見ると4mだ。こりゃ、勝てない。
by とら


2005年12月15日
第3部 チャンピオンはお休みです

 年末調整でチャンピオンはお休みです。
 小学生にマジ勝負をする主人公という最高のヒキで一回休みはキツイ。
 最高のヒキというか、普通にヒキそうな展開ですが。

 チャンピオンが休みなので、穴埋め的な雑談でも。
 一話に登場した松尾象の話で天王寺動物園のゾウは一日に219Kg食べると書きました。
 これに関して、メールで情報をいただきました。

『天王寺動物園に行ってきました。一頭のゾウのえさは一日に70から80kgだそうです。これを3回に分けて食べます。』

 つまり、一日に210〜240Kgですね。計算はまちがっていなかったようです。
 情報ありがとうございます。

 しかし、重要なのは量だけでなく質ですね。
 栄養価の低い木の皮を食べるのと、果実を食べるのでは、同量でも得られるカロリーがちがいます。
 草なんかは栄養価も低い上に消化も悪い。
 牛は草を消化するため胃を四つも持っている。
 松尾象は一日に21.2トンの食料を食べるらしいが、あんまり消化できていないかもしれない。


 なお松尾象のときに『ロード・オブ・ザ・リング』の話をした。
 せっかくなんで、映像ものせてみます。
 ↓こんな感じだ。
ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還より
 たぶん、松尾象と同サイズだ。
 そういえば、上野動物園のゾウが事件を起こしたが、これもシンクロニシティーなのだろうか?
おわびの追記 (2005/12/16)
  でゾウの食事量は一日210〜240Kgと書きましたが、普通に間違っていました。大変申し訳ありません。
 掲示板ではジムさんとzakiさんとkouさんに、メールでも一件指摘を受けました。
 二度も間違えるとはたいへんみっともないですね。以後、気をつけます。
 連絡ありがとうございました。

 最初の計算で使った天王寺動植物園のゾウ情報では食事内容は以下のとおりです。
[人参10キロ、じゃがいも10キロ、さつまいも10キロ、青草20キロ、干草20キロ(ふーっ、まだまだあるでぇ)、ペレット(ペットフードのようなもの)2キロに、栄養剤が1キロ]
 せっかくなんで、ちょっとカロリー計算してみる。
 カロリー早見表というサイトに80Kcalあたりの食品重量がのっている。
 にんじん=220g・じゃがいも=105g・さつまいも=61g、青草と干草はないので長ねぎ=290gで代用して計算すると、それぞれ3636Kcal・7619Kcal・13115Kcal・11034Kcalになる。
 ペットフードはざっと検索で見たところ100gで300Kcal強ぐらいだ。2Kgだと6000kcalぐらいになる。
 栄養剤はとりあえずムシして、合計すると41405Kcalだ。

 成人男子の平均必要カロリーが2500Kcalらしい。ゾウは人間の17倍エネルギーを必要としている。
 41405Kcal分をサーロイン(輸入牛)で食べたとすると約14Kgになる。
 オリバなら三食で普通に食べていそうだ。ヤツはゾウ並みだな。
 普通の人なら844gも食べれば十分です。

 41405Kcalを低カロリーのサニーレタスでとろうとすると260Kgが必要となる。
 青梗采(チンゲンサイ)なら460Kgだ。
 松尾象が質の悪いものを食べているなら21.2トンの食事量でも、カロリー比較だと46倍とか82倍だ。
 人間なら一日でサーロイン39Kgとか69Kgを食べているような状態だ。

 う〜ん、やっぱり松尾象の存在は規格外にもほどがありすぎる。
 すでにアフリカ象という種を超えた存在だ。
 そして、それをたおす勇次郎も尋常じゃない。
by とら


2005年12月22日(4+5号)
第3部 第3話 世界最強の高校生 (659+4回)

 小学生相手に地上最強の高校生が本気の牙をむく。
 あんたも未成年とはいえ、オ・ト・ナ・ゲ ないッ!
 この容赦ない態度が範馬刃牙の真骨頂である。
 松本梢江とのファースト バトルでも気づかいや妥協を いっさいしなかった男なのだ。
 まして、はじめてあった小学生なんかにかける慈悲なんてカケラもない。

(この人 本気じゃん!)

 本気の刃牙は、身長が20mぐらいにみえる。
 この巨大刃牙なら松尾象にも勝てるかもしれない。
 でも、まあ小学生にとっての迫力だしなー。

(ムリヤリやらされている イジメだったけど……)
(オレは期待していた)
(高校生が小学生に本気になるワケがない)

(甘かった!!!)


 ルミナ少年はナイフを出して本気でたたかう演技をしていた。
 しかし、とぼけまいぞ!と、刃牙は本気を出しちゃう。
 自分にはむかう相手であれば、アライJr.であっても金的蹴りこんで殺す気で首を絞める男なのだ。
 鬼を倒すために、自分も鬼になるつもりだろう。
 すぐにでも死体を川に流して証拠隠滅をはかりそうだ。

「泳げるか………?」

 とつぜん刃牙がみょうな質問をした。
 ルミナ少年を尿の海へ沈めるつもりだろうか?
 とまどいながらもルミナ少年は「少しは」と答えてしまう。
 ヤバイッ! なんか知らんが沈められる!

 答えた瞬間、少年の視界から刃牙の姿が消えた。
 超一流の闘いで使用される刃牙のフットワークだ。小学生が見切れるものではない。
 一瞬でルミナ少年の背後をとった。
 そして、平手とはいえ渾身の一撃が炸裂する。

(尻(けつ)!!?)


 夢枕獏の小説によく出てくる、ツマ先で肛門を蹴りあげて悶絶させる技か?
 やわらかな尻であっても、強く打たれれば死にいたることがある。
 範馬刃牙はようしゃしない。

(きっと…………)
(80年間は生きる僕の人生で――――――)
(最大の衝撃(ショック)!!!)


 範馬家ではおなじみの ブッ飛ばしビンタだ。
 刃牙め、範馬勇次郎を気どるつもりか?
 尻を引っぱたいたいきおいで 少年の体が回転してふっ飛ぶ。
 ルミナ少年は多摩川の水面を数度バウンドした。

 時速80kmで激突すると水面はコンクリートの固さに変化(かわ)る。軍神ガイアのお言葉です。
 ガイアに投げられて水面を跳ねた経験をインスパイヤして小学生に衝撃を与えたのだろう。
 他人の技をパクるのはけっこう得意な範馬刃牙であった。
 いや、パクリじゃなくて、インスパイヤか。

「なんだ…」
「浅ぇじゃん…」


 深いつもりで投げたンかいッ!?
 さすが範馬勇次郎に鍛えられた刃牙である。
 安全基準が一般人とは比較にならない。
 人が車にはねられたのを見ても「なんだ、乗用車じゃん」で すませてしまいそうだ。

 九死に一生を得た。とまでは行かないが、三死に一生を得たようなものだ。
 成人の儀式でバンジージャンプを強制的にやらされたような感じのルミナであった。
 今までの人生が走馬灯のように脳内を駆けめぐっていたことだろう。
 これで死に際の集中力を手に入れたかもしれない。
 人間として一回り以上にデカくなったはずだ。

(12年間生きてきて――――――)
(僕は生まれてはじめて――――)
(自分が男であることを意識した)

「今から…」
「親友(だち)だ」


 ちっぽけなイジメっ子は置いといて、ちいさな漢(おとこ)が誕生した!
 次回へ、つづく!


 いや、イイ話で終わられてもさぁ…
 勇次郎との闘いはどうすんの。
 予告には、
『刃牙の最初の対戦相手が決定!!』
 とか書かれているし。
「最初」ってことは、二番手・三番手もいるのかよ!


 いつものようにダマされている感じの刃牙シリーズであった。
 まあ、いちおう父親との戦いにむけて、少年心を描いているのだろう。
 強大な相手に立ち向かう勇気こそが大事なのだ。
 きっと刃牙も勇次郎ビンタでふっ飛んで瀬戸内海をわたって四国で勇次郎と握手するんだろう。
「今から…、親子だ」
「じゃあ、今までの関係ってなに?」


 刃牙はルミナをふっ飛ばす前に、泳げるかと聞いているので殺す気はなかったようだ(当たり前だけど)。
 ただ、泳げる人でもおぼれる。風呂で溺死する人だっているぐらいだ。
 しかも、ルミナ少年は回転している。
 溺れる原因は三半規管の急性循環不全らしいから、眼を回しているのは二重にキケンだ。

 しかも、流れのある川はヒザよりも深いと、危ない。
 ルミナはヒザが水上に出ていない。ルミナにとって、多摩川は危険水域だ。
 やっぱり刃牙は、最悪殺す気でやったっぽい。まさに外道!


 それにしても、ルミナは十二歳だったのか。
 体つきをみた感じだと、もっと幼いかと思っていた。
 十二歳であっても、刃牙の苛烈さが緩和するわけでもない。やっぱり、非情の男だ。

 死ぬ可能性すらある極限状態を共有すると、強い絆が生まれるのかもしれない。刃牙と花山のようにだ。
 それでダチになっても、梢江に石を投げつけられたりする。
 刃牙の友達になってもイイことは少ないかも。

 いちおう、刃牙の相手が確実にレベルアップしている。
 しかし、カマキリなど、肉食昆虫といっても、それは虫の世界でのこと。
 われわれ、人間にとっては番犬にも劣る存在よ。

 ほう、小学生をたおすとは。刃牙も、少しは実力をつけてきたらしい。
 この中学生が相手をするにふさわしい敵となったやもしれん。
 というワケで、次あたりは凶暴中学生が登場しそうだ。
by とら


2006年1月4日(6号)
第3部 第4話 小さな親友(だち) (660+4回)

 「思いっ切り叩いた」

 そりゃ、範馬刃牙ですもの。小学生だろうと全力でブッ叩きますよ。
 カマキリにようしゃしない男が小学生に手加減するわけありません。
 新年叩きまして、おめでとう!
 いや、叩いたのは去年なんですけどね。

 範馬刃牙の全力を受けた小学生・鮎川ルミナは精神的にデカくなった。
 100mぐらい先にいる三バカいじめっ子など小さい存在だ。
 でも、アライJr.などの格下相手に、スキをついての奇襲金的をしかけるのは小さくないか?
 そりゃ、恋人もはなれていきますよ。
 刃牙さん、主人公だけど ちっちゃいスね。

 ルミナと楽しげに会話をしていると、刃牙の背後に背後にキャプテン・ストライダムが出現していた。
 背後1m以内への侵入をゆるすとは油断しすぎだ。
 だからゴルゴ13に狙撃されたら死ぬとか言われるんだよ。(言いがかり)
 どうも、範馬一族は日常で油断しすぎる傾向がある。

 ストライダムは迷彩服をきて葉巻をスパスパ吸っている。
 眉間のシワが不機嫌の証だ。
 どうみても一般人ではないし、普通の外国人でもない。
 この格好で飛行機にのろうとしたら、普通の人より三倍は丁寧にチェックしてもらえます。
 ストライダムが姿をみせたあたりから三バカ小学生の姿がみえなくなる。
 こわい人が新たに出てきたので、逃げだしたのだろうか。

 ストライダムは刃牙へ勇次郎が松尾象をたおしたことを伝えた。
 よこで話を聞いていたルミナは「まるで御伽噺」と感想をもらす。
 恐竜のようなゾウが御伽噺なのか、ゾウを素手で狩る男が御伽噺なのか。
 どっちも御伽噺だが、マイナスにマイナスをかければプラスに転じるかもしれない。
 この場合のプラスがなんなのか、言ってる私にも不明だが。

 勇次郎が松尾象をたおした。
 その意味とは、刃牙との戦いを「受けた」ことにほかならない。
 しかし、地下闘技場で勇次郎は受けたんじゃなかったのか?
 ゾウをたおす事で正式な回答を息子に伝えたのかもしれない。なんて回りくどい親子なんだろう。
 多摩川の上流から下流の刃牙へ向けてビンに手紙を入れて流すような連絡方法で、ものすごく不確実だ。
 というか、ストライダムさん地球半周お疲れさまでした。

 刃牙は石を投げ水面ジャンプで向こう岸まで飛ばす。
 ルミナもあやうく、あんな感じに飛ばされるところだったのだろう。
 向こう岸で「カキッ」って音がしている。もしかして人に当たっていたりして。


「アメリカ人のアンタが首をつっ込んでんじゃねェよ」

 刃牙はとことん冷たかった。
 刃牙なら、アメリカ人じゃなくても、親子喧嘩に首をつっこませないだろう。
 でも、わざわざアメリカ人と ことわりを入れるのが意地悪い。
 アンタ、そんなにアメリカ人が嫌いですか?
 アメリカ人は、みんな…ハンバーガーとバーベキューしか食べませーん とか思っていたりして。

 刃牙に暴言をあびせられて呆然となるストライダムがちょっと かわいい。
 しかし、ストライダムは歴戦の勇者だった。ショック状態からすぐにたちなおる。
 これぐらい精神的にタフでないと勇次郎といっしょに旅はできないのだろう。

「私ハ首ヲツッ込ムヨ」

「コレハ一国ト一国ノ喧嘩ニ匹敵スル問題ナノダ」


 すごみを効かせて刃牙をにらみつけるキャプテン・ストライダムであった。
 他国の戦争に介入して利益を得るのは古代からつづく戦争の常套手段だ。
 今回も範馬一族の内戦を好機ととらえて漁夫の利を狙っているのかもしれない。

 範馬勇次郎は最強最悪の素手テロリストになりうる存在だ。
 金属探知機でも探しだせない困った生物兵器ともいえる。
 倒せるものなら倒してしまいたいのだろう。


「とりあえず俺もスパーリングぐらいはやっとくよ」
てきとうな奴と」


 怒って帰るストライダムに刃牙は声をかける。
 刃牙はフォローしたつもりらしい。
 あんまりフォローになってないので、ストライダムは怒ったまま去っていくのだった。
 まあ、当然だな。

 親友(だち)になったばかりのルミナもさすがに疑問に思ったらしい。
 ゾウを倒した父親と闘うのに、「てきとう」でイイのか?
 そりゃ読者も疑問に思う。
 新年一発目で テキトーに郭春成と範海王をまとめて秒殺されても困る。
 こいつら正直なところサムワン海王にも劣っていそうだし。

「てきとうと」
「ハンパは違う」


 範馬刃牙がめずらしくイイことを言いました。やっべ嵐がくるよ、こりゃ。
 たしかにハンパと適当はちがう。
 郭春成と範海王は中国武術をハンパに学んだダメ武術家だったが、サムワン海王は郭海皇の残虐性を見せつけるのに最適の獲物であった。
 作品における貢献度では天地の開きがある。

 つまり、刃牙はおのれの残虐性を見せつけるために獲物を狩るのだ。
 勇次郎が自分の実力を息子にアピールするため松尾象を狩ったように。
 となると、勇次郎が松尾象をたおしてのけたのは、息子へのラブレターだったワケだ。
 今度は刃牙が勇次郎に答える。たぶん。

「恐竜に負けない適当な相手ってこと」

(その時だった)
(ボクの前にとんでもないものが現れたのはッッ)

 シャドーをしまくる刃牙の前にナニカが出現した!?
 ルミナ少年が見たものとは、なにか!?
 驚天動地の次回へつづく。


 前回の予告では『刃牙の最初の対戦相手が決定!!』だったが、決定してないじゃん(スネ蹴り)。
 しょうがないので、予想と妄想をする。
 適当といっても適当なムエタイということは無いだろう。
 とんでもない目にあわされたムエタイ選手が出てきたら、ルミナだって引く。

 ちなみに次号で板垣先生はレイザーラモンHGと対談する。
 少年チャンピオンだって引くかもしれない。
 つうか、この二人がナニを話すんだか。

 そうなると、やはり動物系だろうか。
 範馬刃牙にはムサシという愛犬がいる。
 鎬紅葉とジャック・ハンマーが協力すればドーピング骨延長した強化型ムサシも夢ではない。
 ゾウのような巨体をもつ犬なら、松尾象にも負けない。
 小学生をビビらせて失禁させるに足る存在感がある。

 もしかすると、第一話で刃牙が狩っていたカマキリの親である巨大カマキリが出現するかもしれない。
 これはさすがにルミナも驚愕してアゴがはずれるに違いない。
 あきれて読者のアゴがはずれるかもしれないが。

 ものすごく普通に考えると、オリバか花山が出てくるのだろう。
 やはり見た目のインパクトは大事だ。オリバと花山なら小学生もビックリだ。
 愚地独歩や鎬昂昇も火傷のせいでインパクト十分になっているけど、いまさら刃牙と闘うとは思えない。

 あとは、例によって刃牙がリアルシャドーをしてルミナがまきこまれるとか。
 まきぞえで、小学生もピンチだ。
 そういえば、地下闘技場の独歩たちはどうしたのだろうか。
 ストライダムが出てきたのは、独歩たちが全滅したためかもしれない。

 しかし、勇次郎とリアルシャドーで闘ったはずの刃牙に目立ったキズはない。
 テキトーというか、ハンパなところで闘いを切りあげたのだろうか。
by とら


2006年1月12日(7号)
第3部 第5話 てきとうな相手 (661+4回)

 地上最強の生物である父・範馬勇次郎を、超越する!
 鬼父親越えが本作『範馬刃牙』のテーマであり、最終目的だ。
 そんな刃牙がイケニエに選んだ最適の戦士とは だれだ!?
 恐竜なみのサイズをほこる松尾象に匹敵するファイターでないと納得できない。
 高まる期待をうけて登場するのは………ッ

 あれ? 登場しない。
 刃牙はひとりでシャドーボクシングを繰りかえす。
 これは、まさかッッッ!
 リアルシャドーか! また妄想か!
 他人を妄想に巻きこむなッッッ!
 もはや主人公にツッコんでいるのか作者にツッコんでいるのか、俺にもワカらん。

(ハッキリ言ってオレはボクシング通だ)

 ルミナは小学生だが、シャドーボクシングがどんなものか知っていた。
「通」というだけあってマニアックだ。
 対戦者を想像して攻防のシミュレーションをするのが、シャドーボクシングである。

 だが、シャドーボクシングは攻撃の型を練習するという認識のほうが一般的だと思う。
 野球の素振りでいえば、ピッチャーの球を想定して振るのと、自分のフォームを確認するための違いだ。
 どちらも重要なのだ。
 ただ、相手を想像するのは、あるていどの経験がないとできない。まさに「通」好みである。

のまタコ」にインスパイヤされたらしきロゴがついている帽子をかぶった男がルミナの脳内でシャドーボクシングをしている。
 ルミナは混乱しているのか想像図がちょっと ややこしい。
 まあ、とにかく刃牙がはげしく妄想していると思っていただきたい。

(ハンパじゃなく真剣になっている)

 熱く はげしく 狂おしく。シャドーをするたび、刃牙が汗をあたりにまきちらす。
 知らない人がみたら、危険思想をもったカルト教団のおどりと誤解するかもしれない。
 または、麻薬中毒患者がイカれておどっていると思うかも。
 どっちも当たりに近いのが問題だ。
 父親殺し思想にとりつかれた男が脳内麻薬だしまくっている
 おどりじゃないけどね。

 3話で「僕」となったルミナの一人称が、「オレ」に戻った。
 自分の弱さをしった小学生は「僕」で、格闘好きなルミナだと「オレ」になるのだろうか。
 刃牙のシャドーをみてルミナの格闘好きが目覚めたようだ。


 そして、刃牙の狂気がルミナに感染していく。
 ゆらり…と人影が見えた!
 あまりの超常体験にルミナは総毛立つ。
 幻覚が見えた。しらないうちに狂っているのだろうか?
 そういえば、高校にのりこんだあたりから、話がメチャクチャすぎる! 夢オチかッ!?

 だが、幻覚はどんどん存在感をましてハッキリしてくる。
 刃牙に攻撃を打ちこみ、刃牙の攻撃をよけた。
 カウンターを受けているようすもワカる。音すら聞こえてきそうだ。

 そして、刃牙のリアルシャドーを見ているうちに、ルミナには相手がだれかワカりはじめた。
 対戦者はボクサーだと ルミナが断言する。
 ボクサーでございますか。ボクサーといっても、いろいろございますなァ。
 ただ――――――、たった一人というのなら やはり…………

 アイアン・マイケルでございました。


 弱そう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
(ガビ――――――ン)


 なんで、間池留(まいける)なんだよ。What's Michael ? イミわかンねェーよ。
 だってマイケルって、イマイチな人じゃないですか。
 弱くはないけど、強くもないぞ。
 加藤には勝てても、克巳に負けるタイプだ。
 えっ、次回につづいちゃうんですか?


 予想外のアイアン・マイケル登場である。
 最近の読者は知らないかもしれない。
 それにしても、意外なところから意外な人をもってきた。
 ルミナもかなりショックを受けたようだ。
「はっきり言ってボクはボクシング通だ」と、ショックで一人称が「ボク」になっている。
 カテゴリー5のハリケーンに匹敵する、圧倒的狂気を見せつけられて、弱い小学生に戻ってしまったようだ。
 おろせる尿があったら、全額引きだしていたかもしれない。

 そして、アイアン・マイケルの肩書きが統一ヘヴィ級チャンピオン」になっている。
「元」ですよ、「元」。もう「現」ではありません。
 作中時間がどれほどすぎたかワカらんが、防衛に失敗したらしい。
 最大トーナメントで両拳とも負傷したので休業中なのだろうか。
 どちらにしても、景気の悪い知らせだ。ますます、ハンパ者感が強くなる。
 適当と ハンパは違うんじゃ、なかったのか?


 とはいっても、全面的に刃牙がわるいワケでもないと思う。
 苫米地英人の「洗脳原論」によると、人はいがいと簡単に幻覚をみてしまうそうだ。
 幻覚は人間の脳がおこす誤作動のようなものらしい。

 小説などを読んで、自分の身におきたことではないのに涙を流したりする。
 そんな感じで、脳は肉体に刺激がなくても、神経に反応(感情など)を返すことがある。
 脳がおこす反応の延長に幻覚があるらしい。
 いや、私もちゃんと理解できていないので、うまく説明できないんですけど。

 著者の苫米地氏はオウム幹部の洗脳解除(脱洗脳・デプログラミング)をおこなう。
 そのとき、オウム幹部がオウムで体験した至福体験(もちろん幻覚)を上まわる至福体験(やっぱり幻覚)を与えることで、オウムのすばらしさを打ち消していた。

 脳には感動の記憶が残っているらしい。
 その記憶を強化してもう一度与えれば、より大きな感動になるそうだ。
 魚で食あたりした人が、魚をみると苦痛を思いだして魚嫌いになるシステムの逆パターンだ。

 本題にもどる。
 幻覚を見る場合でも、元になる記憶がないと上質の幻覚はでてこない。
 ルミナにとってもっとも印象深く、最強だと思えるボクサーが「アイアン・マイケル」だったのだろう。
 刃牙が具体的にアイアン・マイケルを思いえがいて闘っていたのか不明だが、ルミナの記憶からはアイアン・マイケルの姿がうかんだと思われる。

 ボクサーには、それぞれファイトスタイルがある。
 幻覚がボクサーだと気がついたルミナは、印象に残っているアイアン・マイケルのスタイルを思い出したのかもしれない。
 心理学の実験によると、人間は相手に期待されている行動を無意識にとることがあるそうだ。
 刃牙はルミナの視線を感じていたはずだ。
 ルミナの反応から、対戦相手を名無しのボクサーからアイアン・マイケルに変更した可能性もある。

「洗脳原論」では、幻覚をみやすい状態を「変性意識状態」と定義している。
 休息が少なく脳が疲れていたり、興奮していたり、情報を大量につめこんでオーバーフローしているときになるそうだ。
 自己啓発セミナーや宗教団体の合宿で、外界と隔絶して睡眠不足にしたりするのは、理にかなっているワケだ。
 ルミナは未体験の衝撃を連発でうけて、地上最強の話など聞かされた。
 興奮かつ情報過多で変性意識状態になっている可能性がある。
 幻覚をみる下地は十分あったのだ。


 主人公の闘う相手は確実にレベルアップしている。
 カマキリ → 小学生 → 元ヘヴィ級王者、すばらしいステップアップだ。
 次こそオリバと闘うかもしれない。
 レイザーラモンHGとの対談で、板垣先生が「刃牙とやっちゃおうと。」と言っているのでマチガイナイ。
 あ、でも「何試合かのうちに」「ごくごく近い将来」とか言っているから、もう少し先か。
 刃牙展開の近い将来はだいたい一年先か?

 で、板垣先生とレイザーラモンHGがそろって2/3(金)の「たけしの誰でもピカソ」に出るらしい。
 しかし、なんだ、このレイザーラモンHGとの相性ピッタリ感は。
 夢枕獏先生と同じぐらい仲がよさそうだぞ。

 板垣先生は、刃牙が勇次郎に追いつけそうもないから、追いつめるつもりで『範馬刃牙』をはじめたらしい。
 作者にすら「僕にもどうなるかわからない。どうすんだって思いながら描いている(笑)。」状態らしい。
 レイザーラモンHGの体をさわっている場合じゃないですよ。


 作者からのお墨付きまででてしまい、ますます先が読めなくなるのだった。
 とりあえず、刃牙がアイアン・マイケルと互角というのは、マズイ。
 改造手術をほどこした鉄(くろがね)・アイアン・マイケルHG(ハイパーグレード)ぐらいの強化策が必要だ。

 とりあえず、板垣先生に自分を出してくれといわなかったレイザーラモンHGはえらい。
 作中でヒドい目にあった人物は、現実でも不幸な目にあうという刃牙都市伝説を知っているのだろう。
 つまり、マイク・タイソンは今後さらに落ち目になる可能性が高いッ!
 K-1からの誘いが、たぶんヤバイ。
by とら


2006年1月19日(8号)
第3部 第6話 幻影闘争(ファントムマッチ) (662+4回)

 地上最強の生物である範馬勇次郎とたたかう!
 というのは、ちょっときびしい。
 はじめての登山でエベレスト登頂を目指したりはしない。
 まずは富士山か。いや、とりあえず公園のジャングルジムを制覇だ。
 そんな感じで、地上最強のボクサーであるアイアン・マイケルと妄想ファイトだッ!

 えっ……………と。アイアン・マイケルって最強ボクサーなのだろうか?
 なにしろ、暴走族・特攻隊長の柴千春に負けたのだ。
 病をわずらっているアライ父に一分以内で倒されそうな気がするんだけど。

「このマイケルこそが史上No.1だと言える時期が絶対にあった」

「VTR(ビデオ)の中にしかいない最強 最高の時のマイケルがボクの前で闘っている」


 なぜアイアン・マイケルなのか? 答えは「全盛期」でした。
 みんな、真のアイアン・マイケルを知らないのだ。
 最近の刃牙や餓狼伝しか知らない人が「板垣漫画って主人公がぜんぜん活躍しない」と言っているようなものだ。
 昔は大活躍していたんですよ。全盛期の活躍はバキSAGAどころの騒ぎじゃない。
 いや、丹波は間欠泉みたいに ときどき活躍する程度だけど。


 話をもどして、主人公の妄想バトルにもどる。
 アイアン・マイケルの幻影と刃牙はマジメにボクシングをしているようだ。
 右の豪腕アッパーを刃牙はスウェーでかわす。
 このディフェンスはアライJr.からパクったのだろうか。
 いや、パクる間もなく倒したんだっけ。

 だが、幻影マイケルはスキだらけのボディーに左拳を叩きこんでくる。
 身をくの字にして刃牙がもだえた。
 最近の刃牙はサドっ気が全面に出ているが、本来は打たれてよろこぶマゾ体質だ。
 ひょっとしたら、わざと攻撃を受けたのかもしれない。

(マイケルのK.O.パターン)
「バキさんアッパー………」


 するどい踏みこみから放たれる左のアッパーが刃牙のアゴをとらえた。
 たまらず、刃牙がダウンする。
 ダウンしてどうする。
 範馬勇次郎が相手なら、すでに五回は死んでいそうだぞ。
 今の刃牙は 普通の象にも勝てない。


「なにやってンだ………??」
「あいつら2人で……」


 三バカいじめっ子がまだいた。
 遠くから刃牙のプレイを見学している。
 たしかに、遠くから見たらただのパントマイムだ。
 むしろ、狂ったパントマイムか。
 常人には理解不能だろう。

 妄想マイケルに打たれて鼻血をだしたりアザをつくったりしている範馬刃牙であった。
 さすがにルミナもちょっと引いている。
 念のために明記するが『範馬刃牙』はギャグ漫画ではない。たぶん。おそらく。
 ときどき真剣にギャグ漫画かどうか悩むこともある。
 だが、今はその時ではないッ!

「温まった…」

 ッッッ! 主人公力がでやがったッ!(参考:サイコドクターぶらり旅
 どんなピンチになっても、この手の呪文を唱えると、たちまち立場が逆転する究極の主役魔法だ。
 呪文には「準備運動が終わった」「こんな事もあろうかと」「そろそろ本気を」「これだけは出したくなかったが」「重りを外す」「目覚める」「卍解」「限定解除」「真血」などがある。

 相手はこれを言われたらダマって倒れるしかない。
 ましてや、範馬一族だ。
 ヘタに刺激すると爆発します。尿大爆発。

 自分のつくった妄想に、刃牙が「終わらせる」宣言をする。
 幻影マイケルも危機感を感じたのか、表情がかたい。
 わずかに 幻影マイケルがつまさきを動かし、パンチを放つ。
 そこにカウンターの蹴りが決まった!

 け、蹴ったァ〜〜〜〜〜〜ッッ!
 えっ、ナニコレ。ギャグ漫画?

 幻影マイケルはキック一発で沈み、消えていく。
 うたかたの妄想(ゆめ)が空気にかえっていくのだ。
 詩的にごまかしても、ギャグ漫画疑惑は消えない。

「反則…」

「そう…
 反則だ」
「ボクシングではね」


 な、なんか誇らしげッ!
 アンタ、勝てば官軍の人ですか。
『あと味のよくないものを残す』とか『人生に悔いを残さない』だとか… 便所のネズミのクソにも匹敵するそのくだらない物の考え方が命取りよ! とかいって血で目つぶしをする人ですか。

 勇次郎はアイアン・マイケル(実体)をボクシングで倒した。
 手負いのうえに 全盛期ではないとはいえ、真っ向勝負で打ち勝ったのだ。
 たいする刃牙はあまりにセコい。
 夏にラーメン勝負をするなら平気で冷やし中華を出しそうな感じだ。
 それは悪役(自滅タイプ)の行動でしょう。

 新シリーズの刃牙はちがう方向にキケン度が上がった。
 ペテン師系のヤバさだ。
 そのうち、コイツは絶対落とし穴をしかけたりするぞ。
 そして自分が落ちる。


 刃牙が幻影マイケルを倒したところで、三バカたちがおそるおそる質問にきた。
 範馬刃牙という未知の生物にたいして、恐怖より好奇心のほうが上まわったようだ。
 刃牙は三バカたちに、シャドーボクシングをやっていたと教える。
 そして、妄想の実践がはじまる。

「ウメボシが5つ」
「カットレモンが一切れある」

「すッッ」「…ッぱいッ」


 たら…
 勝負ありッッッ!
 刃牙の妄想力にまきこまれ、三バカたちはヨダレをこぼす。
 アイアン・マイケルの打撃よりも"効いた表情"をみせた範馬刃牙の勝利だ。

 ウメボシとレモンをイメージすると唾液がでる。
 前回紹介した苫米地英人「洗脳原論」風にいえば「ホメオスタシス仮説」による現象だ。
 ホメオスタシスは人間の恒常性機能を意味する。外気が低いと体温を上げたりする機能のことだ。
 架空世界の臨場感は恒常性機能の反応で生まれるという仮説がホメオスタシス仮説だそうだ。
 臨場感のある冬の映像をみると、外気温が高くても寒気を感じるような状態のことをいう。

 刃牙のパフォーマンスによって、三バカたちは"すっぱい"イメージを脳にえがく。
 すると、体が"すっぱい"という刺激にたいする反応をかえす。
 きっと、君がヨダレをこぼすまでウメボシの話をやめないッ! という刃牙の気迫が伝わったのだろう。
 これで唾液が出ないときは"痛い"話をして泣かせたハズだ。

 刃牙はウメボシとレモンという「すっぱい物」のイメージを出して相手の精神状態を把握した。
 コンマ1秒をあらそう闘争の世界でいきている刃牙だ。
 敵の精神状態を把握して追いつめることもできるのだろう。
 まして、相手は小学生なんだし。

 これで小学生の間でカリスマ的な人気を得ることができるかもしれない。
 得て、どーなるものでも無いだろうけど。
 小学生の間に集団リアルシャドーがはやったら問題になるぞ。

 ところで、今回の『範馬刃牙』はギャグ漫画だったのだろうか?
by とら


2006年1月26日(9号)
第3部 第7話 意志力 (663+4回)

 ボクシング元統一ヘヴィ級チャンピオンアイアン・マイケル(妄想体)を、範馬刃牙は反則キックで倒す!
 反則してなお、誇らしげだ。
 いちおう少年漫画の主人公なんだから、自分より格下の相手を卑怯な手段でたおすのはやめて欲しいものだ。
 せめて、サムワン海王のように伊達にしてやってほしい。


 おのれの最強最悪ッぷりを見せつけた刃牙はルミナをともなって、例の家に向かう。
 そう、愛欲の巣「刃牙ハウス」だ。
 もはや、伝説となった梢江との一戦は、忘れたくても忘れさせてくれない。
 いまも臭いさえ感じるほどにナマナマしく読者の心に刺さっている。

 なお、三バカいじめっ子たちは姿がみえない。
 多摩川に流されたのだろうか?
「すッッ」「…ッぱいッ」
 という刃牙の精神攻撃を喰らって、ヨダレがとまらず病院に駆けこんでいるのかもしれない。


 夜になって冷えてきたのか、ルミナは刃牙の学ランをはおったままだ。
 作中が何月なのかワカらない。刃牙が冬服なので、ちょっとは寒いのだろう。
 地上最強の高校生は細やかな心づかいもできる。
 小学生の幼い心は刃牙の魅力で完全掌握だ。

 女性が描いた刃牙の同人誌(ネタではなく、ちゃんと実在します)で、刃牙に学ランを着せた作者は天才と書かれていた。
 男なんで、そっち方面の萌えの理解は浅いのだが、世界には『学ラン萌え』というモノがあるらしい。
 よしながふみ の漫画『西洋骨董洋菓子店』でも、学ランには色気があるという証言がある。
 登場人物の小野は、雨にうたれズブぬれになった学ラン姿をもちいて、「魔性のゲイ」という怪物へ生まれ変わる。

 つまり、この『小学生に学ランを着せる』というシチュエーションは、女性が見れば大爆発を起こすような萌えポイントなのだ。
 同じことを『テニスの王子様』とか『ガンダムSeed』でやったら、このネタだけで同人誌が百冊作られます。
 これで、刃牙も女性向け大人気が約束されたようなモノだ。
 そのうち、ジャニーズが刃牙ミュージカルをやりますよ。ステロイドを死ぬほどうって体も作ります。


 魔窟「刃牙ハウス」にルミナを連れこんだァ!
 もう、女性読者のハートはきざむぜ血液のビート!状態だ。
 とりあえず、刃牙は柔軟体操をはじめる。
 うむ、エロスへの準備体操にちがいない。
 指関節の柔らかさが、柳龍光なみだ。ちょっと不吉である。

 しかし、小学生に手をだしたら、いくらチャンピオンでもアウトだろう。
 いや、出しませんね。出すなら、ヤングチャンピオンに行く。
 もしくは、舞-乙HiMEのように エロをするため「チャンピオンRED」へ出張だ!


 話はいっこうにエロス方向へ進まず、リアルシャドーの話になる。
 ルミナは、はじめての体験だったのに「見えた」。
 刃牙はちょっと見直したようだ。
 5話感想でも書いたが、元になる記憶がないとイイ幻覚を見ることができない
 地下闘技場のお客さんたちは格闘好きな人だから、幻想を見ることができたのだ。
 幻想を見たルミナも、十分な知識をもっている。刃牙はそう判断した。

 ボクシング通だからとルミナはこたえる。
 ならば、俺が闘っていたのは誰か、と刃牙が問う。
 間違っていたら、ウメボシ・シャドーが炸裂しそうな雰囲気だ。
 ルミナもおもわず生唾を飲みこむ。

 暴走族に負けたアイアン・マイケルで正解だ。
 刃牙もこれには感心したらしい。みごとな観察眼である。
 つうか、理解されるとは思わないままリアルシャドーをやっていたのか
 一般人にアレをみせても、良くてパントマイムをする変人、悪くてパントマイムをする狂人と思われるのがオチだ。
 もうすこし、場の空気をよめ。

 ボクシング通のルミナは鉄人マイケルなら刃牙の相手として十分だという。
 それなりに刃牙も苦戦していた。
 反則のキックを使わなければ、危なかったかもしれない。
 まさに相手に不足なしだ。

「あれはウォームアップ」
「準備体操がわりだ」


 なんだってェッッッ!
 アイアン・マイケルが準備運動だとッ!
 たしかに、アイアン・マイケルでつまづいていたら勇次郎と闘う資格はない。
 でも、反則して勝った男がいうセリフですかい。
 アッパー喰らって鼻血をだしたのは、なんだったんだ?

 ルミナがせっかく ほめたのに台無しだよ。
 人の心をもてあそびやがって……
 倒した相手にツバを吐きかけるような行為だ。
 むごすぎる。
 倒したアライJr.に梢江を押しつけたのも悲惨だったが、今回も悲惨だ。

「全地球 全生物」
「統一無差別級チャンピオン」
「ライオン トラ 象 シャチ」
「癌細胞だってかなわない」

(お父さんの強さを話すときのバキさんは――――――)
(なぜだかチョッピリ誇らし気に見えた)

 刃牙の父とは何者かと聞かれて、誇らしげにこたえる刃牙だった。
 イロイロあるけど、刃牙も勇次郎のことを誇りにおもっているらしい。
 なんか、失敗したツンデレって感じだ。
 烈海王藤巻十三から、学 べ ッ!

 バキ 199話で勇次郎に壁ごとブチぬかれたときも「誇りたくなるほど」と刃牙は言っていた。
 心の底――イヤ そんなに深くない 表面からせいぜい10cm――、では今でも父を尊敬しているようだ。
 地上限定の最強だったのに、「全地球」にしちゃった。
 今までにない、新基準「シャチ」「癌細胞」まで出している。
 三年後には全宇宙で、エイリアンとかプレデターにも勝つと言い出しそうだ。

 無敵の勇次郎も、水中戦はニガテかもしれない。そんな予測が昔からあった。
 また、病気やウィルスには勝てないかもしれない。そういう声もあった。
 しかし、反対意見を息子が全否定してしまった。
 このままだと、「範馬勇次郎=不老長寿で無敵」説が完成してしまう。
 そして、俺にはその最強遺伝子が流れていると さりげなく自慢しているのかもしれない。

 外伝で花山はサメを倒した
 水中だと抵抗が強いので動きが鈍る。しかし、握撃なら水中でも関係ないはずだ。
 勇次郎よりも、水中なら花山のほうが有利かもしれない。
 そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。


 服をぬいで、刃牙が上半身はだかになる。
 ヤル気か!?(児童ポルノ)ルミナをッ!(梢江より萌え?)(発禁回収)ヤバいッ!
 刃牙はお色気方面にはすごく健全なので、心配無用だった。
 準備運動マイケルを超える、本当に「適当」な相手と闘うらしい。
 また、妄想ですか?

「この中にいるんだ」

(地下ッスか!!?)


 刃牙は「いる」と言った。
 つまり、幻想ではなく実体ということだ。
 まさか、地下に夜叉猿Jr.を飼っているのか!?
 しかし夜叉猿Jr.を持ってきても、ちょっと微妙だ。
 加藤 < 夜叉猿Jr. < 愚地克巳 なので、ちょっと力不足っぽい。
 と、なると地下にはどんな怪物が……

 机があるだけで、誰もいません。
 やっぱり、妄想でした。
 まあ、地下いっぱいに独歩とか花山がコレクションしてあったら、ものすごくイヤだ。
 チャンピオンを引き裂くいきおいで、イヤだ。

 何もない地下室で、刃牙は本日二度目の仮想ファイトに入った。
 自分で妄想しておきながら、刃牙の顔が驚愕している。
 刃物じみた鋭い光が空間を斬った。
 相手は、日本刀か!? それともナギナタか!?

 ドンッ

 刃牙が壁までふっとんだ。
 シ、シャドーの反応にしても、その動きは無理なのではッッッ…
 物理を超えた無理の力か。
 まあ、いいや。ハリウッドだって「ファイトクラブ」でやっているんだし、刃牙だって問題ない!

 とりあえず、刃牙の相手は刃物使いではないようだ。
 斬られたようすがない。敵は打撃系か?

「象より強ぇ相手は もうそこにいる」
「さっきから その机の上に」


 机の上には、カマキリがいた。
 え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
 カマキリかよ。
 妄想で巨大カマキリと闘っているのか!?


 第一話ラストの伏線がこんなところにつながるという、神秘だ!
 カマキリにもちゃんと意味があったんだ。
 たしかに、巨大カマキリならゴジラにも出演できる。(参考:ウィキペディア「カマキラス」)
 恐竜のような象にも対抗できよう。
 しかし、カマキリの前座にされた鉄人マイケルの立場はいったい……


 今回は素直に敗北を認めよう。
 カマキリが伏線とは夢にも思いませんでした。
 せいぜい、駄ネタで巨大カマキリ出現と書いたぐらいだ。

 まだ、刃牙の妄想が形になっていないので、本当に巨大カマキリかどうかわからない。
 油断していると、もっとトンデモない事態が発生するかもしれない。
 妄想の加減をまちがえて、巨大カマキリに喰われる。
 何もない空間に血肉が吸いこまれる怪奇現象が発生だ。
 それぐらいは、想定しておこう。

 しかし、刃牙はとことん虚像としか闘わないんだな。
 これでは世界最強の高校生なのか、超妄想力をもつ高校生なのか区別がつかない。
 刃牙が、たまたま通りがかった妄想高校生だった。そんな可能性だってある。
 いまごろ多摩川のほとりに、不良たちが認める最強の高校生(本物・実体)が ひとりさびしく立っていたりして。
by とら


2006年2月2日(10号)
第3部 第8話 初戦 (664+4回)

 今回のタイトルは『初戦』だ。
 ………アイアン・マイケルは数にも入らないかませ犬だったのか?
 あんなボクサー数えなくていいよ、ってことなのか。
 そして、刃牙が選んだ「真の初戦相手」とは、カマキリだった!
 鉄人マイケルはムシ以下と申したか。

「こと闘うという一点において昆虫はプロ中のプロだ」
「猛獣なんて めじゃない」

 すでに、比較対象がボクサーではありません。
 刃牙の気持ちは最初から象に向けられていたのか?
 だったら、ボクサーを迫害せずに、さっさと象とかライオン出せばいいのに。
 そんなにボクサーを いじりたいですか。

 リアルシャドーにつづいて、刃牙の説得大会がはじまる。
 納得してもらうまで、席から立たせない。そんな勢いと迫力だ。
 刃牙は進む道がちがっていれば、成績優秀なペテン師になれたかもしれない。
 ドリアンも泣いてすッぱッがるような、妄想十段のペテン師だ。

 昆虫の体力は動物よりもはるかに上だ。
 ノミが人間の大きさなら、10階建てのビルだって飛び越えることができる。
 そんな感じに刃牙はルミナを説得するのだった。
 昆虫が人間の大きさだったら、とんでもない怪物になる。そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。

 さらにプロの上で巨大クワガタと選手が闘う図などを出してルミナを説得する。
 同じ体重といいながら、巨大クワガタはあきらかに人間より大きい。
 痛そうなハサミで武装されているクワガタと人間が闘うには、武装してやっと互角という感じだ。
 相手が昆虫でも「あの前足で捕らえ(ホールド)られ」などと格闘する気マンマンの刃牙であった。
 狂気の格闘バカである範馬刃牙も武器を持ってこないと、互角に会話できない。

 なお、昆虫は体が軽くできているので、体重が人間と同じならずっと大きくなる。
 描かれたクワガタのサイズは正しいのかもしれない。
 ゾウカブトムシは体長130mm、体重60gだ(参考:ゾウカブトムシ切手)。
 体重が1000倍になると、体長はだいたい100倍になると思われる。
 60Kgのカブトムシなら、130mのサイズだ! ……でかすぎ、怪獣島の決戦かよ。

 そして、最強の高校生にして最狂の妄想家である範馬刃牙が オススメするのがカマキリだ!
 カブトムシやクワガタなど、しょせん樹液を食べる草食昆虫、肉食のカマキリこそ最強最悪とでも言いたいのだろうか。

「古代中国拳法でも蟷螂(かまきり)の闘法から
 蟷螂拳(とうろうけん)を創造(つく)りあげたことはあまりにも有名だ」
「打撃――――――」
「抑え込み(グラウンド)――――――」
「咬みつき――――――」
「凶暴性――――――」
「なにをやらせても超一流」


 やっぱり、マジメにカマキリの格闘センスを判定してしまう刃牙であった。
 きっと、レイザーラモンHGの腰の動きにも武術性を感じるんだろうな。
 虫をあいてにして、ホールドとかグラウンドとか言い出すのは、エンドルフィンの出しすぎだ。
 そんな小学生を見かけたら「今日、アホな小学生を見ました」と日記のネタにしてしまうぞ。
 まあ、刃牙は高校生だから「今日、ヤバげな高校生を見ました」というネタになる。

 咬みつきや凶暴性も評価に入っているのが巨凶範馬の価値観なのだろう。
 噛みつく男・ジャック兄さんもポイント高そうだ。

「彼らが100キロを超えたなら――――――――――
 必ずアフリカ象を捕食する」


 妄想炸裂だ!
 倒した象の上で誇らしげに構えるカマキリの図が浮かぶ。
 範馬刃牙は絶好調だ。エンドルフィンが止まらない。
 あんまり、張り切るとルミナに引かれるぞ。

「現在(いま)この世に存在しないマイケルが現れたんだ」

 なんか故人みたいな言いかたになっています。
 強かったマイケルはもういない。今いるのは強くないマイケルだけだ。
 どっちにしろ、オレは勝ったけどね! と言いたいらしい。

 とりあえず、妄想でカマキリを巨大化させる計画だ。
 ルミナも、はやく察してあげてください。
 目の前にいる人は、きっちり100%狂った人なんです。

(動いたッッ)


 範馬刃牙と幻想カマキリとの空想科学バトルがはじまるッ!
 次回の見所はズバリ「刃牙は妄想だけでカマキリを殺せるのか?」だ。
 妄想で、アフリカにいる勇次郎をふりむかせることが できたのだ。
 ならば目の前にいるカマキリを妄想力だけで殺すことができるかもしれない。

 ちなみに勇次郎は「グラップラー刃牙 164話〜165話(19巻に収録)」で、十時間三十分のあいだ花をにらみつけて、花を枯らしている。
 もしかすると、にらみつけは勇次郎流のリアルシャドーだったのかもしれない。
 花とカマキリのちがいはある。
 しかし、指一本触れずにカマキリを殺したとなると、刃牙の精神力は勇次郎に並んだと考えていいだろう。

 そして、部屋にいるのはルミナだけだ。
 人間を念じるだけで殺せるか?
 刃牙が行う実験はどんどんキケンな方向へ加速しているのかも。

 今回の話には、なんとなく既視感がある。
 ちょっと考えてみると『消力(守り攻め)』の解説をしたときの感覚に似ているのだ。
 ちょっと極端な事例をいくつかあげて、力技で説得させるアレだ。
 マホメド・アライ Jr.が闘ったばっかりなのに「モハメド・アリ」の名を出して、全国の読者を混乱させたアレだ。
 ガード不能の説得なので、おとなしく喰らうしかあるまい。

 そんなわけで、次回は人間 vs. カマキリだ。
 読者的には目隠しをされたまま車にのせられた気分だ。
 この話、どこへ向かっているんだろう………。


 以下は、ほとんど雑談になる。
 ちょっと、ヤボだけど昆虫が巨大化したらどうなるかについて書いておこう。
 生物にとって、闘いの強さは性能の一部分にすぎない。
 強さをめざすだけなら、生物は全て巨大で角や牙をもった進化をとげただろう。
 実際は、小さくて武器の少ない生き物も多い。

 生物にとって一番重要なのは、生き延びて子孫を残すことだ。
 闘って強いのは、生き残るという条件の一部分にすぎない。
 速く走って逃げ延びることができれば、生き延びる上で角や牙よりも強力な武器になる。

 おなじ小さい生き物として、ネズミを例にする。
 身近な野生のネズミには「ドブネズミ」「クマネズミ」「ハツカネズミ」がいる。
 イチバン大きいのはドブネズミで、やっぱり闘っても強い。
 だが、生存競争になるとクマネズミのほうが優勢なのだ。
 体の軽いクマネズミは、ドブネズミの登れない高所にも登ることができる。
 行動範囲が広いので環境に適応しやすいのだ。

 もともと、ネズミは体を小さくすることで生き残る方針を選んだ生き物だ。
 だから、目先の闘争よりも 身軽に生き残るほうを選択したほうが生物として強いのだろう。(参考:クマネズミ

 ちなみに、ネズミアニメの傑作「ガンバの冒険」の、ガンバたちはドブネズミだ。
 原作も負けずに傑作です。子供のころ読んで泣いた。
 未読ですが、おなじ作者の「グリックの冒険」では、ガンバたちドブネズミとクマネズミが戦争をするらしい。
 似た生活をする生物の生存競争は、とても容赦のない戦争なのだ。


 話を昆虫にもどす。
 昆虫が生き残るために選んだ戦略は「大量生産・シンプル・小さく」だった。
 とりあえず卵をいっぱい産んで、物量作戦で生きのこる。
 構造は簡単にして、サイズも小さくする。
 サイズが小さいからエサも少なくてすむし、大量生産もできる。一石三鳥だ(参考:昆虫の技能)。

 だから、昆虫を大きくするのは基本戦略からはずれている。
 とくに1mを超えるようなサイズは想定外だ。
 昆虫の外骨格は重い体重を支えることができない。
 体重をささえようとするなら、殻ばっかり厚くて中身がちょっぴりになってしまう。

 浮力が生まれる水中ならともかく、陸上ではつらい。
 材料から選びなおさなくてはならない。
 せっかくの持ち味を殺している。
 本部に解説をさせず、戦わせるようなものだ。

 虫の筋力も体重のわりに強いだけだ。
 体重の分だけ、筋力が増えるわけではない。
 軽自動車にF1カーのエンジンを載せているのが昆虫の魅力だ。
 しかし、大型トラックにF1カーのエンジンを載せても速く走らない。
 重いものを動かすには、特性のちがうエンジンが必要なのだ。

 単純にデカいことが生存に有利なら、そういう昆虫がすでにいるはずだ。
 進化はバカにできない。あらゆる可能性を試して生き残ることが進化だ。
 大きいことには、それなりの欠点もある。
 生き残るための手段はイロイロあるのだ。


 だが、刃牙のリアルシャドーはちがう。
 リアルシャドーだから物理法則や、材料学とは関係ない。
 呼吸方法の関係で体の幅が 1.8cm 以上だと酸欠になるとかも関係ない。
 純粋に体のサイズだけを大きくした完璧な巨大カマキリを、刃牙は」創造(つく)りだした。

 刃牙の意志力であれば、完璧な彼女だって創造(つく)ることができる。
 年齢は20歳なんだけど中学生にしか見えなくて、でも巨乳で、性格はしっかりしているけど甘えん坊な部分もあって夜になるとHで、ぞっこんメロメロに俺に惚れていて、髪がなぜかピンクで、声が堀江由衣。
 そんな、妄想も今の刃牙なら完璧にやってのけるだろう。
 梢江にたいする執着が消えたのは、きっと刃牙がリアルシャドーを完成させた翌日からだ。

追記 (06/2/3)
 上で『体重が1000倍になると、体長はだいたい100倍になると思われる。/ 60Kgのカブトムシなら、130mのサイズだ!』と書いた。
 これが大間違いでした。
 正方形の場合、一辺の長さを10倍にすると表面積が100倍に体積が1000倍になる。
 だから、60Kgのカブトムシなら1.3mだ。
 前提も計算も間違っていました。

 showさん、ALIKさん、スタンド名募集中さん、すでに何人かつっこまれてますがさん、すまりやんさん、空師さん、愛藤遊彩さん、渡辺さん、ご指摘ありがとうございました。
 かなりの凡ミスだったせいか、相当数ツッコまれています。  来週に訂正を書いてもいいのですが、このまま放っておくと合計百人ぐらいにツッコまれそうなんで早めの訂正です。

 下でネズミ話を書くつもりだったので、ミスったのかもしれない。
 ネズミは体重のわりに表面積が大きいから熱が逃げる。
 だからしょっちゅう食べてないと死んでしまう。ジョジョ4部でも、そんな話があった。とか考えていたのが、まずかった。

 あとで見直したときは、最後のネタをどうするかが気になっていたので見落としたようだ。
「もう少し こう何というか、手心というか…」
 脳内の牛股師範がたしなめる。
「痛くなければ笑えませぬ」
 最初はもっと己の趣味全開だったのだ。

「とらの筆先 やや熱いか…」
 やっぱり、牛股師範がたしなめるので、ダメそうな部分を取りのぞいたのだった。
 アレは私自身の理想ではないかと言われたが、失礼極まりない。
 私の理想はもっとマニアックだッ!
by とら


2006年2月9日(11号)
第3部 第9話 異"種"格闘技 (665+4回)

『格闘マンガ初の異色マッチ!』
 初というか、今後も人間が昆虫とマジメに格闘するマンガは出てこないと思います。
 SFとか改造ぬきで、純粋に昆虫と闘うバカがあるかッッ。

 火星人と真剣に殴り合いをする元ヘビー級王者が出てくる『マーズ・アタック!』に匹敵するバカっぷりだ。
 殴り合いのシーンで 感動しちゃう私もバカなんですけど。
 ちなみに、この映画でナタリー・ポートマンの声を当てている小島幸子さんは、アニメ刃牙で梢江役を演じています。
 アニメの梢江ちゃんはちゃんと美少女ですよ。Gyaoで無料配信をしているので、確認してみよう!


 話をもどす。
 むかしむかしの話です。
 中国の修行僧である周亜門は、スズメを倒すカマキリを見た!
 見たといったら、見たんだ! 火星人が出てくるより、なんぼかマシだろ。
 それで、カマキリの強さに感動した周亜門は蟷螂拳を創造(つく)るのであった。

 さすがにカマキリがスズメと戦うのはムチャすぎだろ。
 と、思って調べると福建生まれの北派螳螂拳(周家螳螂拳)では、カマキリ対スズメの伝承があるらしい。
 ただし、創始者は周亜南だった。周亜門は誤記だろうか。(参考:破軍星、福昌堂公式サイト)

 一般的には、山東系の蟷螂拳のほうが有名なようだ。
 日本老螳螂拳研究会によれば、創設者は王朗であり、セミと闘っているカマキリから技の発想を得たらしい。


 とりあえず、少林寺の修行僧がカマキリの動きを学び蟷螂拳をつくった。
 つまり、人間の考えた少林寺の理合より、カマキリの動きのほうが実践的だったということになる。
 なることにしましょう。

 カマキリは超天然の格闘昆虫なのだ。
 きっと遺伝子に効果的な戦闘方法が刻まれている。
 アイアン・マイケルなんてカマの一撃であっさりノックダウンできるのだ。
 そんな、仮想最強生物カマキリを相手に刃牙は、どう闘うのか!?


 アイアン・マイケルを倒したハイキックが効いていない!?
 刃牙の対戦相手が見えないから、ルミナも困惑気味だ。
 とにかく刃牙は必死で戦っている。
 想像上の蟷螂に緊張して汗まで流す。
 刃牙がド変態か狂人のように見える。
 それでも引いて逃げだしたりしないルミナは、やさしい少年だ。

 ドン

 すさまじい音がひびき、刃牙が宙を舞った。
 いや、よけたのか?
 着地と同時に構えをとっているので、自主的に飛んだものと思われる。

 壁に凹みができている。
 コレって、刃牙が体をぶつけて作ったんだよな?
 まさか幻影のカマキリが直接破壊したワケではあるまい。
 刃牙が攻撃をよけたら、触れてもいないのに壁が勝手に壊れるのだろうか?
 妄想力も極めれば壁を壊せるのだ! …………いや、ムリ。

 なんとなく、餓狼伝BOYの展開を思い出してしまう。
 強さをアピールしていた丹波文七は、トリックで演出していただけのペテン師だった。
 刃牙も壁に細工をして、ルミナをダマしているのではないか?
 過去の話を知らなければ、疑うところだ。
 もちろん私はグラップラー刃牙からとおして知っている。
 だから「刃牙は変態だから!という、答えにならない答えで納得できてしまうのだ。

 刃牙が渾身の飛び後ろ回し蹴りを放った!
 身が軽くないとできないといわれる難易度の高い技だ。
 カマキリにはワカらんだろうがなッ!

「アッ」

 だが、攻撃した刃牙の足が空中で止まった。
 刃牙は必死になって空中にある見えないナニカを両手で押している。
 これって、まさか……ッ パントマイム!
 ちがうんだけど、芸しにか見えない。むしろ極めつけにハードな芸だ。
 必死であればあるほど、異次元の芸術になっていく。

(捕まってる!!?)
(蟷螂(かまきり)に!!!)

 とうとう、ルミナにも見えちゃった。
 ようこそ変態へ。もう、後戻りはできない。
 ところで、幻想のカマキリにもちあげられると、刃牙の体はささえなしで宙に浮くのだろうか?
 重力に逆らえるほど 思い込める力なのか?

 なんにせよ、カマキリにつかまってしまった。
 大ピンチだ。頭から喰われてしまう。
 刃牙は左手で必死にガードしている。
 うん、とりあえず イキナリ100Kgのカマキリはやりすぎだ。
 まずは昆虫だけにフライ(ハエ)級50.802Kgあたりから始めればよかったのに。
 考えずに反射で行動する刃牙は昆虫なみの頭脳なのかもしれない。

 喰われそうになった刃牙が、起死回生のヒザ蹴りだ。
 相手の頭部を引きこんで思いっきり打ち抜いた。
 って、この攻撃は相手をつかんでいないと出せないっぽいんだけど?
 ついに、物理現象を破壊しはじめたのか。
 幽界の門が開いて、五人のゴッドハンドとか出てきそうな勢いだ。

(入ったッ)
[顎(チン)だッッ]
(クリーンヒットッ)


 ルミナが心中で歓声を上げる。
 もはや、カマキリが現世に存在しないことなど忘れてしまったようだ。
 カマキリの部位にたいしても「顎(チン)」とボクシング用語を使うあたりが、ボクシング通だ。
 刃牙の狂気が伝染して、ルミナも真剣で妥協のない妄想に巻きこまれている。

 人間の場合では、アゴに打撃をうけると首を支点に頭が動く。
 そして、脳が激しくゆれてダメージになるのだ。
 昆虫の場合も、脳がゆれるのだろうか?
 人間とちがって、昆虫の脳は硬めの殻におおわれているらしい。(参考:昆虫の脳
 とりあえず、震動に強そうだ。
 これは巨大昆虫・最強伝説の新証拠と考えてよろしいのでしょうか?

 ヒザ蹴りを決めた刃牙だったが、壁に投げ飛ばされる。
 一度捕らえた獲物をカマキリが投げるとは思えない。
 ヒザ蹴りが けっこう効いていたようだ。
 昆虫であっても、脳震盪をおこしたのかもしれない。

(カンタンに勝てるカマキリにしてしまえばいいのに……………)

(なんて自分に厳しいんだ)

 ちがう。その人、ただのマゾだ。
 ルミナが感動しているところ申し訳ないが、刃牙が苦戦するのはほとんど趣味である。

 刃牙は卓越した戦闘技術をもっている。
 猛毒状態でありながら次期海王候補である張洋王をコケにしたこともある。
 郭春成アライJr.にたいしては、非情な秒殺劇をみせた。
 刃牙の技術なら、一方的に相手をボコるのもたやすい。

 刃牙は技だけでも十分に闘えるのだ。
 しかし、試合になると なぜか相手の攻撃をよく受けてしまう。
 とくに必殺技はだいたい当たる。
 よけられるはずなのに、なぜ受けるのだろうか?

 答えはマゾだからだ。


 刃牙がマゾになったのは、いつからだろうか?
『ボクの格闘技修行は、父にコンクリートに叩きつけられるところから始まりました…………』
 という発言がある。痛みを父の愛情表現として記憶してしまったので、マゾになったのだろうか。

 医者(看護婦?)を目指している人のエッセー風 同人誌を読んだことがある。
 世の中には、痛みをやわらげるためのモルヒネが忘れられず、自分で骨を折って救急車を呼ぶ人がいるらしい。
 幼年編で脳内麻薬エンドルフィンを知った刃牙は、その快楽におぼれたのだろうか?
 エンドルフィンを出すために、苦痛を重ねる。リッパなマゾの誕生だ。

 最大トーナメントの決勝で刃牙は異母兄のジャックと殴りあう。
 そして、失禁する。ただの失禁ではない。
 シャワーのような、洪水のような、大失禁だ。

 試合前にトイレに行くとか、コーラをひかえるとか、失禁を防ぐ方法はいくらでもあった。
 失禁は事故ではない。
 刃牙は出したいから、出したのだ!
 まさにド変態のマゾである。
 幼年期のトラウマとかエンドルフィンは、関係ないかも。
 生まれついてのマゾだな。


 巨大カマキリを妄想し、思う存分に痛みを味わって苦戦している地上最強の高校生であった。
 一人で痛がるだけではなく、恥ずかしいすがたを見られるッッッ!
 おそらく刃牙は100万馬力のエクスタシーを感じているだろう(単位はテキトー)。
 つまり、だれかに見てもらいたいから、ルミナをつれてきたのか……
 ド変態め。


(ホンモノの蟷螂(かまきり)に――――――)
(フツウの格闘技は通用しない)
(バキさんの動きは徐々に)
(格闘技ですらなくなっていた………)


 刃牙が闘っているカマキリは「ホンモノ」ではなく「幻影」だ。
 ルミナもすっかりダマされている。

 刃牙がさらなる変態をとげようとしている。
 いや性的倒錯のほうじゃなくて、イモ虫がサナギになって蝶になるとかのほうの変態だ。
 つまり、刃牙が生まれ変わる!

 もともと とらわれていなかったけど、さらに常識からときはなたれる。
 人間の知識ではなく、野生の本能が生みだす戦闘スタイルに開眼しそうだ。
 全シリーズをとおして、範馬刃牙がもっとも成長したのはvs.夜叉猿編だろう。
 刃牙は野生と闘って生まれ変わる生物なのだ。

 本能全開で闘っている刃牙が中国武術の精髄といえる郭海皇と同じく、型から外れていのがおもしろい。
 烈に「拳法に見えぬほどのオリジナル」といわれた、郭海皇の闘いを見たことが刃牙の力を高めたのだろう。
 範馬勇次郎も、技術をもっていながら悪魔に授かった筋肉でただブン殴るだけだ。
 異次元の強さだから、人間には対応がむずかしい。
 刃牙も型をすてることで、勇次郎に近づけるかもしれない。

 ただ、郭海皇は勇次郎に勝てなかった。
 人間のあみだした技術だけでは、勇次郎に勝てない。
 だから 刃牙はリアルシャドーでピンチを味わい、スタンド能力に目覚めようとしているのだろうか?
 でも、勇次郎のことだから、刃牙を上回る幻影を出せるんだろうな。

追記 (06/2/15)
 前回の感想で「福建生まれの北派螳螂拳(周家螳螂拳)」と書きましたが、その点に関してsfさんからメールをいただきました。

 周家螳螂拳は北派武術ではなく、一般的にはく南派武術(南拳)に分類されています。位置的には東江より南、東江周家螳螂拳とも呼ばれています。
 南派螳螂拳がどのようなものかざっと理解するには、こちらを読まれるとよいと思います。↓
http://www.geocities.jp/izk341/bujutukikou1.html

 ちなみに今週の刃牙に描かれていた螳螂拳のポーズ(架式)は北派螳螂拳の代表的なもので螳螂捕蝉式というものです。(おそらく中国武術の登場する漫画には一度は出てくるので、刃牙の読者ならば「ああ、螳螂拳だ」と思う効果がありますね)南派螳螂拳は基本的にあの手形は用いませんし、腰の位置も高いのが普通です。詠春拳と同じように短橋狭馬(歩幅は狭く、腕を短く使う)の武術なのです。
 ですから今回の「蟷螂拳開祖伝説」は南北の始祖伝説が混合されてしまっているのですね。何故このようになったかについては自分はこう推測しています。↓

 想像力の力で螳螂を等身大に巨大化させて行うイメージバトル→螳螂の強さの強調→螳螂拳を引き合いに出して説得力アップ!→取り敢えずのその開祖の有名な逸話を漫画化しよう→おそらくネットで検索→南北螳螂拳の開祖伝説が!→蝉(北)より雀(南)の方が強そうでインパクトあるよね♪(この流れは板垣先生のハッタリズムから考えて間違いないのではないでしょうか)→南派螳螂拳の開祖伝説を漫画化→でも一番インパクトがあるのはやっぱりこのポーズ(架式)だ!それに南派螳螂拳の姿とかみんな知らないだろうし!→螳螂捕蝉式(北派螳螂拳)がドーン!

http://fukushodo.com/sub3/usyuhowto.html
 現在の日本には南派螳螂拳に関する資料はほとんど無く、こちらのサイトを今回の作画における参考にしたのではないかと思います……。あるいは何年か前に出された福昌堂の「武術」が資料だったのではないかと思います。
 情報ありがとうございます。
 経験者の方から情報をいただけたのは、実にありがたいことです。
 ちなみに、前回「北派螳螂拳」と書いたのは、純粋なミスです。
 sfさんに教えていただいた「福昌堂公式サイト(http://fukushodo.com/sub3/usyuhowto.html)」は、前回参考にしたのですが、引用をミスりました。
 ちなみに、無断リンクお断りと書かれていたのでリンクは張らず、サイトの名前だけにしました。
 このあいだ、無断リンクを張って迷惑かけたので反省中。

 南派と北派では蟷螂拳でも型がちがう。そう書かれていても、どうちがうのかワカらないので、漫画の絵が北派のものとは思いもよりませんでした。
 蟷螂拳の特徴は、あの手の形だとばかり思っていたので、けっこうショッキングな情報です。

 中国では南船北馬といって、北はひらけた土地があるので馬に乗り、南は川が多いので船に乗る風土のちがいがあるそうです。
 拳法でも南派と北派にはちがいがあって、南派は拳技が多く、北派は蹴り技が多い。
 昔、南船北馬の影響だといわれて納得しかけたのだが、馬に乗っていたら蹴れないだろ?
 ゆれるから踏んばっていないとダメな船よりも蹴れないだろ。

 乗馬にはズボンのほうが便利だし、蹴りにもズボンのほうが便利だ。
 だから北派は蹴りなんだという説明もある。
 でも、少林寺ができるずっと前から胡服(ズボン系の服)を好む人はいたんだし、この説もいまいち納得できない。
 というワケで、謎は謎のまま残ってしまうのだった。

 ちなみに、板垣先生はネットをやらないそうです。
 最近の表紙はCGで色をつけています。
 これもCG担当のスタッフさんが全面的にやっているようで、別枠の署名になっています。
 板垣先生は、電化製品が苦手なのかもしれません。そして、そういわれるとスゴく納得してしまう。
 電気炊飯器すら使えずに、飯盒炊飯でご飯炊いてそうだし。

 板垣先生の情報源は武術雑誌からでしょう。
 先生の著書「格闘士烈伝」には、太気拳のS先生(のちに島田道男先生と判明)に板垣先生がボコボコにされた話がのっている。
 当時の板垣先生は出版社の社員をしていて、S先生に取材を申しこんだのがきっかけらしい。
『武術(うーしゅう)』や『月刊空手道』の取材は断られていると書いてあるので、ちがう出版社の社員をしていたのだろう。
 ………取材にいってボコられても、労災でるんでしょうか。


 それと、掲示板で a.nさんからいただいた情報があります。
 なんと鳥を襲って喰らうカマキリだ!
 スゲェェェェッッ!
 こりゃ、すげぇ。強い。恐るべしカマキリ。
 こんなん見たら、マネして拳法作っちゃいますよ。

 現実とは、時として板垣漫画を上回るらしい。
 まあ、おおむね板垣漫画のほうがヘンなんですけど。
 現実に、妄想の巨大カマキリと闘える人はいないだろう。
 ………………いたりして。
by とら


2006年2月16日(12号)
第3部 第10話 その先 (666+4回)

 刃牙SAGAを数えなければ、『グラップラー刃牙』の第一話から666回だ。
 不吉そうな数字にふさわしく、いつもどおり超絶に変な話でおおくりいたします。

 黒魔術の儀式のような あやしげで超常現象的な特訓を、刃牙はつづけている。
 換気扇も無さそうな地下室で はげしい運動をしているのだ。
 酸欠になって幻覚が見えてもおかしくない。
 巨大カマキリの正体は酸欠が見せた幻想だったりして。

 何もない空中を攻撃し、何もない空中からくる攻撃を防御する。
 まさしく変人で狂人だ。
 だが、この刃牙ハウス地下では狂気こそが正常である。
 ルミナも環境に適応するかのように、キケンな領域に近づくのだった。

(見えてくる!)

 適応、早ッ!
 小学生という若さで、いきなり狂人の仲間入りですか。
 ルミナが将来偉人になったら、伝記に「このときカマキリの幻影を見たことが、ルミナの人生を大きく変えることになった」と書かれるだろう。

(実際に(?)目の前にすると)
(笑ってしまいたくなるほど絶望的なシロモノ)


 たしかに、巨大昆虫が存在したらおそろしいだろう。
 トゲがいっぱいついているし、複眼からは表情が読めない。
 非常に不気味な存在だ。
 しかも、念入りに説得されたので、デカい昆虫は強いと思いこんでいる。
 こんなカマキリならハリウッド版ゴジラを秒殺できそうだ。

(けれどアフリカ象がどんなに強いと言っても)
(それは大きいから有利なので…)


 ルミナが真理をついた。
 けっきょく、固体の戦闘能力は体の大きさに比例するのだ。
 だからといって、ただ大きくなればいいものではない。
 八話感想で書いたネズミの話のように、ただ大きくなっても弱点が発生することもある。

 昆虫は体が軽いので、高いところから落ちてもたいてい死なない。
 体重が重くなればなるほど、落下のダメージは大きくなる。
  (注:重いほうが早く落ちるからではない。念のため)
 大きいことにも不具合はあるのだ。

 だから、刃牙が本気で強い敵と戦いたいなら、巨大な恐竜を出せばよかったのだ。
 説明しないと強さがワカらないような相手を選ぶ思想が、ちょっと後ろ向き。
 ムリに昆虫をデカくしないで、幻影ティラノサウルスと闘えばいいのに。
 実在した生物でも、会ったことがないとリアルにシャドーできないのだろうか。
 ならば、女体を知らないうちはリアルシャドー彼女を生み出すこともできぬ。
 梢江との一戦は避けては通れぬ道だったのだ。


(バキさんが得意(?)のハイキック)
(スピード タイミング 文句なしのジャストヒット)


 刃牙とあって間もないので、得意技も知らない。
 しかし、ルミナの精神は急速に刃牙とシンクロしはじめている。
 あっという間に、狂気の世界だ。

 ハイキックをまともに喰らった妄想カマキリの体が おおきくかたむく。
 刃牙の表情が勝ちほこっている。
 都合のいい幻想を見て、勝利か。

 だが、ふっとんだのは刃牙だった。
 真性マゾである刃牙にとって都合のいい幻想とは、自分が打たれることだ。
 おそらく、シナリオどおりの展開だろう。

(ナルホドねェ……………)

(蟷螂の頭部(アタマ)には脳がないに等しい)

(脳震盪がない)


 鞍馬彦一もしくはオリバのような感心のしかたで刃牙が解説する。
 鞍馬やオリバとちがうのは、感心する余裕がないことだ。
 急いで立ちあがらないと喰われます。

 カマキリには、ゆれるほどの脳がない。
 だから、脳震盪もないという二段論法だ。
 脳があるんだから多少はダメージがあると思う。
 しかし、創造主が「ない」と思えばないのだ。
 思いこめば、冷たい態度のあの娘だって「0時をすぎるまで素直になれないツンデレラ」に変身だ!

 まあ、しょせん昆虫ですから。むずかしいことなんて考えていません。
 シンプルな行動だからダメージを受けてもエラーが発生しないのだろう。
 そういえば刃牙って、脳震盪の耐性が高い。
 さぞかし、シンプルな脳みそしているのだろう。

 打撃技が有効ではないと思いこんだ刃牙が、カマキリの背後をとった!
 そして、そのままチョークだ。首を絞めあげるッ!
 刃牙の口元が勝ち誇っているぞ。

「なんだこりゃ…………ッッ」

 だが、思いもかけない展開に刃牙は戦慄するのだった。
 刃牙が受けた違和感とはなにか!?
 次回へつづく。


 なんか、ジャック兄さんと同じ反応だ。
 もしかすると、カマキリの背中に「鬼の形相」が浮かんでいるのだろうか?
 ドラクエ8に「人面ガエル」ってモンスターが出てくる。
 刃牙には人面カマキリが登場か?
 なんだそりゃ…………ッッ!?

 八話感想のときに張ったリンク先にも説明がありますが、昆虫は口で呼吸をしない(参考:昆虫の呼吸)。
 さらに血管もない(参考:昆虫の体液と心臓)。
 首を絞めても苦しくないのだ(たぶん)。
 人間とは体の構造がまるでちがう。
 まさに異次元の怪物である。

 ちなみに昆虫が空気を取り入れる穴(気門)のは だいたい腹にある。
 ゴキブリに中性洗剤をかけるとあっという間に死ぬらしい(私はやったことない)。
 これは毒性で死ぬのではない。
 ヌルヌルの液体が気門をふさいで窒息死させるのだ。

 だから、カマキリに中性洗剤をかければ死ぬだろう。
「反則…」
「そう…、反則だ。試合ではね」
 地上最強の高校生が開き直って逆ギレしそうだ。


 カマキリには人間の常識が通用しない。一流の変態である刃牙も苦戦している。
 全て刃牙のシナリオどおりという気もするけど。
 最終的に失禁で気門をふさいで勝利する計画だったら、どうしよう。
 それでも、ルミナは感動しちゃうんだろうな。最悪だ。

 マジメに考える(バカの行為だが)と巨大カマキリを倒すのはムズかしい。
 頭部への打撃と絞め技が通用しないから、頼れるのは関節技ぐらいだろう。
 ただ、カマキリの力とスピードを考えると、関節をとるのはムズかしい。
 オマケにトゲが多いので、さわるとキケンだ。

 幸い地面はコンクリートのようなので、投げつければ倒せるかもしれない。
 なにしろ体重100Kgだ。貧弱なカマキリの外骨格では耐えられない衝撃だろう。
 でも巨大化することで外骨格の硬度も高くなっていそうだ。
 妄想でつくったカマキリだけに、あるべき死角が見当たらない。

 ならば、目潰し!
  → 複眼だから多少傷ついても平気だ。

 ならば、金的蹴り!
  → 精巣はあるらしいけど、効くのか?

 ならば、幻想の巨大夜叉猿を出して喰わせる。
  → 刃牙も喰われるって。むしろ、最初から巨大動物を出せばいいのに。


 マジメに考えれば考えるほど、倒せない気がしてきた。
 つまり、マジメに考えたのでは巨大カマキリを倒せないのだ。
 そうなると、尿をかけるとか、もっと粘り気のある液体をかけるとか、下ネタしか出てこない。


 もし、刃牙が幻影の巨大カマキリに負けたら、どうなるんだろう。
 創造主を倒したカマキリが実体を得て 暴れまわるのだろうか?

 もちろん、無いところからカマキリは生まれない。
 強烈な自己暗示で、刃牙がカマキリに変化するのだ。
 ジョジョ6部のカタツムリ化みたいな現象だと言い切れば、説得力も生まれる。

「体重100Kgのカマキリ。いまの俺こそ最強だ! 勇次郎に勝つ!」
 実は勝利のため、我が身をカマキリにかえる捨て身の戦法だ。
 餓狼伝では「ヒグマになろうとする空手家」がいるぐらいだ。
 カマキリになった変人がいても、おかしくない。い〜〜や、自然じゃ!

「カマーッ!」
「愚か者がッ! 邪ッ!」
 ズシャァ〜〜!
 刃牙の体重は100Kgなかったので、最強には届かなかったのだ。


 範馬刃牙 完!

 ところで、カマキリにチョークしている刃牙って、ナニにつかまって浮いてるんだ?
by とら


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