刃牙道「111〜120話」感想

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2016年6月2日(27号)
第4部 第111話「殺気」 (1090回)

 伝説の剣豪・宮本武蔵が現代によみがえった。
 対するは、伝説の傭兵ガイアだ!
 ガイアは、大地の神を自称する 神がかった能力の持ち主である。
 さいきん本部の弟子であると判明し、本部にしばられる醜態をさらした。(11巻 91話
 今のガイアは運気がスゴい さがっているんで、おとなしく帰ったほうがイイぞ。

 ガイアは右手の腱を切られて大ダメージだ。
 はやくも汗がダラダラでている。
 これは危険信号だ。
 おとなしく帰ったほうがイイぞ。(2回目)

 武蔵が原人ピクルと戦ったときは、戦車なみに頑丈なピクルの肉体を素手で倒しきれなった。
 そのため、愛刀・金重を持ってきてくれないと嫌だとダダをこねて試合中断になる。
 ガイアの肉体はそんなに丈夫じゃないんで、簡単にダメージを与えられたようだ。
 やっぱ、今すぐ帰ろうや。(3回目)

 刃牙と闘ったときのガイアは、刃牙の肉体を苦痛を与えて不自然に発達させた筋肉と断じていた。(G刃牙17巻 145話)
 これは刃牙を動揺させるための話術だったのだろう。
 ただ、ガイアが高負荷を与えて肉体を鍛えるトレーニングを否定的なのは確かなようだ。
 でも、もうちょっと鍛えておけば、腱まで切られずにすんだかも。
 鍛えている刃牙は痛みを感じただけですんでいるし。(3巻 24話

 ただ、ガイアが高負荷トレーニングをしないってのは理解できる。
 傭兵・軍人のガイアは即時出動できないとダメだ。
 疲労が溜まりすぎるトレーニングは、明日発生するかもしれない戦闘で命取りになる。
 日常も戦場の心がけだと、体力は落とさず疲れすぎない運動が必要なのだろう。
 武術でも「ウエイトトレーニングには有害無益論も根強くあり」、だ。(激闘達人烈伝

「ここでは人目につきますよ」

ハハ……
 人目につくほど」
「立っていられるつもりか」


 ガイアが武蔵に言葉で揺さぶりをかけるも、バカにされちゃった。
 右手の腱を切られたぶんを取りもどそうとしたのだろう。
 だが、武蔵の精神は揺らがない。

 逆にガイアは、武蔵の放つ悪魔的オーラに圧力を感じる。
 様々な軍人とあったことのあるガイアだが、武蔵の迫力のほうが圧倒的に上らしい。
 でも、殺した人間の数は、たぶんガイアたち軍人のほうが上だろう。
 射程距離が長く殺傷力の高い銃を使用する軍人のほうが、より効率的に殺人を行える。

 能力の低いものを苦労しながら使っていた昔の人のほうが、鍛えられるって事かもしれない。
 それと、人間は剣などの手でもつ武器で殺すよりも、弓矢のような飛び道具で殺すほうが、心理的抵抗が低いそうだ。(ヒューマン
 宮本武蔵は、殺人という重みを、刀を通じ手に感じながら六十余の勝負で不敗を守った。
 ガイアたち軍人よりも、潜り抜けた修羅場の質が上だ。
 そう考えると、素手で戦闘にこだわっている範馬勇次郎は武蔵よりもさらに上っぽいな。

 オーラだけでなく、武蔵の姿勢もスゴい。
 脱力のできた自然体でたつ。
 さりげなく、光源を自分の後ろに置いている。
 『五輪書』の「火之巻 場の次第」での心得、太陽や火に背を向けるってヤツだな。
 こうすると、相手は光が目に入りまぶしくなる。だが、自分は眩しくない。

 まぎれもない本物の宮本武蔵だ。
 ガイアは汗をかきつつ笑う。
 闘争の喜びが、腱を断たれた痛みに勝ったか!?
 ガイアは『殺人(コロシ)という名の美酒』に酔う男である。(G刃牙17巻 146話)

 本物の宮本武蔵だ。強いに決まっている。
 だが、ガイアには秘密兵器があった。
 無事な左手が構えたのは、ナイフだ。
 しかし、このナイフには安全装置のピンがついている。

 旧ソ連軍の特殊部隊スペツナズが使ったと言われるスペツナズ・ナイフだ!
 柄にしこまれたバネで刃を飛ばず暗器である。
 本来はイッパツ勝負の奇襲武器だ。
 だから、刃を飛ばせることを直前まで隠さなくちゃいけない。
 しかし、ガイアは露骨に刃で狙いをつける。

「突く気がない」
「切る気もなければ放る気もない」

「小刀を模した」
「短筒か」


 バレバレだ!
 ガイアの特技は偽装術とナイフ術じゃなかったのかよ。
 得意分野のハズなのに、失敗しているな。

 だが、ガイアは刃の射出を強行する!
 5mの至近距離で、時速60kmの刃が飛ぶ!
 だが、武蔵はあっさりキャッチした。
 ネタがバレていたんだから、当たらなくて当然だ。
 しかし、素手でつかむとは思わなかった。

 ボクサーの「ストレートが一番早かった。それで時速30キロだ」という話がある。(板垣恵介の格闘士烈伝
 スペツナズ・ナイフは倍のスピードだ。
 よけるだけでも精一杯の速度なのに、掴んだ!
 さすが、武蔵と言ったところか。

 さっきまで口元が笑っていたガイアだが、今は驚愕の冷や汗である。
 勝った気になっているのか、武蔵は無防備に近づきナイフを見せてくれと言う。
 そして、近づいたところでガイアを頭から股間まで真っ二つだ!

 エア斬撃なんだろうけど、ガイアは最初の一撃で腱を切られた。
 今度の攻撃も深刻なダメージにならなきゃいいんだけど。
 というか、右手を破壊された時点で撤退しておけば良かったのに。
 ガイアの安否やいかに。
 次回へつづく。


 ガイアの強さには三つの理由がある。
 1.傭兵としての実戦を戦った経験・技術
 2.アドレナリンを強制分泌することによる身体能力の強化
 3.戦う相手の殺意を感じ取ることができる能力

 だが、これらは武蔵も持っている。
 1.流派を起こすだけの経験と技術
 2.特訓により異常なまでに鍛えられた肉体
 3.戦う相手の殺意を感じ取ることができる能力

 比べてみると、ガイアは自分の得意分野で負けている。
 いつものガイアなら、相手の殺気をよんで攻撃をかわすことができたハズだ。
 しかし、武蔵は逆にガイアの行動をみやぶっている。
 自分の得意分野で負けるのは、ダメージがでかい。
 今日のガイアは、もうひとつの人格ノムラなみに弱ってみえる。

 ガイアの仲間が、スペツナズ・ナイフを刃牙に向かって使用したことがあった。(G刃牙16巻 136話)
 刃牙はよゆうをもってかわしている。
 さらに、ガイアの別人格ノムラは刃牙にナイフで襲いかかり、真剣白刃取りをされている。(G刃牙16巻 136話)
 それらを考えると、スペツナズ・ナイフをつかんだ武蔵と刃牙は同等なのかも。

 刃牙がスペツナズ・ナイフをよけた所をガイアもノムラも見ていない。
 そして、刃牙が真剣白刃取りをした事はノムラだけが知っていることだ。
 だから、ガイアがスペツナズ・ナイフつかみに驚愕したのも、筋が通っている。

 ガイアは勝てそうな相手としか戦ってこなかったのかも。
 死のリスクをかかえる傭兵としては正しい判断だ。
 しかし、成長速度が落ちる可能性がある。
 楽をしたぶん、あとで苦労することになったのか。

 武蔵は相手の殺気を読む。
 そうなると、本部が銃を使おうが、アラミド繊維の上着で身体を守ろうが、武蔵に通用しない。
 本部はどんな武蔵攻略の秘策を持っているんだろうか。

 だが、本部は殺気が読めるガイアを完封している。(11巻 91話
 殺気が読める相手への対策があるのかもしれない。
 戦うまえに『バキSAGA』(AA)を読みなおし、透明な与え合う明鏡止水の境地になるとか。
 この状態になっている本部の思考を読みとったら、骨折2カ所ぶんぐらいのダメージになりそうだ。

追記 (16/6/8)
 ガイアが使用(つか)って通用しなかったスペツナズ・ナイフは『旧ソ連の特殊部隊が使っていたとされる』ってのが定番の説明になっている。
 あくまで仮定なのが軍事機密っぽくて良いね。
 軍事機密だから使っているかどうか教えない。
 そして、これだけ世間に情報が流れているのなら、おそらくもう使うことはないだろう。

 米国のステルス戦闘機F-117も、開発しているとされるだった頃の想像図は実物と違って丸っこい形だった。
 実際に公開された映像はカクカクしていたので、軍事機密っぽくて良い。
 武術も基本的に技を非公開にするのは、研究されるのをさけるためだ。
 つまり、武蔵が『五輪書』に書いていることは公開情報だから、当たり障りのない内容なのかも。

 知っているようで知らなかった本物の武蔵に、現代の武人である超軍人ガイアも敗北しまくりだ。
 せっかく飛び道具を持っているんだから、もう少し遠くから攻撃すれば良かったのに。
 それとも接近しなきゃいけない理由があったのだろうか?

 そもそも、ガイアは110話で、右手の腱を切られたのに戦闘を続行している。
 武蔵vs本部を さっさと始めてほしい派としては、ガイアの役割が本部がくるまでの足止めてあって欲しい。

「軍人たるもの、たとえ死すとも達成すべき任務がある」

「みごとな覚悟。だが死ぬ覚悟は出家者でも女でも百姓でもできること。(五輪書 地之巻)」
「ならば、その覚悟が本物か、見せてみよ」
 五輪書にも書いていない武蔵の究極奥義が炸裂だ!

「カッ(吐血音)! 私はこれまでだが、師に武蔵おぬしの技を見せることができた」

「なにを言っておる。周辺に気配など……。む、なんだあれはッ!?」

「極秘に開発中の静音性ドローンだ。機械に人の気配は無い。本部先生、あとは頼みます……」

「ノムラ……。お前が残してくれた情報、かならず役立てるぞ」

◆ 命がけで伝えた情報で、本部よみんなを守護(まも)ってくれ!
  って、ガイアじゃなくてノムラかよ! 次回につづく

 ってパターンはどうでしょう。
 もっとも、あまり何でもアリにしちゃうと、狙撃最強になっちゃうから武器にはあるていどの制限かけないとな。
 勇次郎を倒した腕っこきのハンター集団が最強かもしれないと思えるあたり、刃牙はトンデモなりのリアリティーがあるのだ。

週刊少年チャンピオン2016年27号 [雑誌]
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2016年6月9日(28号)
第4部 第112話「あな不思議」 (1091回)

 現代によみがえった宮本武蔵はやっぱり剣豪だった。
 超軍人ガイアですら歯がたたない。
 ガイアは素直に遠距離から狙撃しておけばよかったのに。

 武蔵のエア斬撃がガイアを襲う。
 サジタル面切断!!(※ サジタル面(SAGITTAL PLANE)=人体の額の面と垂直で、体軸と平行な面。)
 たちまちコロナル面切断〜〜ッ!!(※ コロナル面(coronal plane)=人体の額と体軸の両方に平行な面。環状面)
 ガイアが果物みたいに四つ切にされた!(※ イメージです)

 背骨も脳も内臓も、ぜんぶマル見えだ。
 四つ切だから、いろいろな角度で中身を見ることができるぞ。
 あまり嬉しくないサービスだ。
 断面図ファンが狂喜乱舞しそうな、見事な断面図である。

「あな不思議」

 四つ切ガイアは、もちろん武蔵が見せたイメージだ。
 しかし、斬られたほうが四つ切を認識できるのだろうか?
 即死せずに意識があったとしても、ガイアはなにを見ることができたのか謎だ。

 ガイアは四分割の姿をハッキリ見たという。
 鏡もないのに自分の姿を見たというのは、あな不思議だ。
 武蔵のエア斬撃は強力な催眠術みたい効果もあるのかも。
 やっぱ、エア斬撃の威力は武蔵しだいという気がする。

 ガイアは銃やスペツナズ・ナイフを使っても、素手の武蔵に勝てなかった。
 そりゃ、剣の間合いで戦ったからだよ。
 相手が素手だと油断して、間合いを見誤ったのかも。
 武蔵はイメージの刀を、ガイアに見せたり消したりする。
 便利だ!
 と言うか、やっぱ催眠術じゃね?

「戦闘(たたか)う者としての格」
「高過ぎて」
「もはやその頂上も見えないほどです」


 ガイアが完敗宣言をする。
 なんか その言いかただと、本部以蔵に勝ち目が無いみたいだ。
 いや、本部も時に底が見えないほどの実力を発揮する。
 武蔵と本部は見えないモノどうしの対決になりそうだ。

 ガイアから称賛されて武蔵も満足っぽい。
 武蔵は名誉欲の強い人だから、てきどに褒めてあげないと。
 だが、人間の欲望は無限だ。
 さらなる名声を求めつづけると、いつか破綻が生じるかも。
 武蔵がフェイスブックをやっていたら、しょっちゅう炎上しそうだな。

「ピクルとの試合で再び剣を手にする」
「必要でしょうか」


 ガイアが異議をとなえた。
 相手をおだてて気持ち良くさせてから、自分の用件をつたえる。
 これが軍人の交渉術か?

 ガイアは師である本部以蔵の指示で動いているように見える。
 飛び道具で倒すことができれば良し。
 倒せずとも相手の戦力を測る。
 そして、ピクル斬首計画を取りやめてもらうように頼む。
 ガイアには3つのミッションが与えられていたのかも。

 武蔵が強いのはじゅうぶんワカった。
 だから、無益な殺生をやめませんか。
 ガイアは人道的な発言をする。
 う〜む、『殺人(コロシ)という名の美酒』に酔っていた男とは思えん発言だ。(G刃牙17巻 146話)

 いまのガイアは別人格なのかもしれない。
 あえて弱いものと戦わせて、武蔵を油断させる狙いかも。
 江戸時代と比べると、現代は人命尊重だ。
 軍人は仕事として敵兵を殺すのであって(建前では)、趣味で非戦闘員を虐殺するワケじゃない。

 戦国時代では、他国に侵略し土地の人間をさらい売り飛ばしていた。(雑兵たちの戦場
 現代の軍人とは精神性がちがう。
 もっとも、現代でもテロ組織なんかは人をさらったりしていますが。

 だが、武蔵は斬る気だ。
 ピクルは武蔵も剣も知らない。
 だから、その身に宮本武蔵の強さと日本刀の切れ味を教え込みたいのだ。

 って、教えても斬り殺したら意味ないじゃねェか!
 武蔵のイメージでは、首を刎ね飛ばしている。
 せめて手足とか死なない所を斬ろうよ。
 首だと、治療する間もなく即死だ。

 武蔵の燃えたぎる斬殺欲求にガイアは沈黙するしかなかった。
 やはり、弟子じゃダメだったか。
 ここは師匠の本部に出てきてもらって、ピクルを守護(まも)ってもらうしかあるまい。
 武蔵vsピクルの再戦は近いぞ。
 次回につづく。


 けっきょくガイアはなにをしに来たんだろう。
 エア斬殺、エア四つ切されるためか?
 いや、ピクル斬首計画を阻止するためだ。
 つまりガイアの行動は本部が考えた作戦の一部なのかもしれない。

 と考えても、今日のガイアは弱かった。
 相手の土俵と間合いで戦ったら、そりゃ負けますよ。
 近代兵器の限界を見せて、武蔵を油断させる作戦だろうか。

 本部がスペツナズ・ナイフを出したとしよう。
 武蔵は「それ知ってる。刃が飛んでくる武器だ」と思って、刃先に注目する。
 本部がスイッチをいれると、靴底からバネがビヨーンと飛びだし、刃でなく本部自身が飛ぶ。
 これには さすがの武蔵もビックリだ。
 そんな作戦があるかも。

 武蔵はピクルを首チョンパする気だ。
 今度こそ本部に守護(まも)ってもらわないと。
 でないと、首を斬られたピクルを前に「なぜ止められなかったんじゃ」と徳川さんが、また泣き出すぞ。

 しかし、徳川さんは動かぬ烈を前にしたときの反省をどこに置いているのだろう。8巻 66話
 烈の時は腹だった。ピクルは首なので、別件として反省するのか?

 クローン技術の応用で、こっそり烈を生き返らせているという説もある。
 生き返るのであれば、武蔵と日本刀を知った経験がいきてくるぞ。

 頭がとれたピクルの肉体に、下半身がダメになっていそうな烈の頭部をつければ、中国武術と原始人の合体になるぞ。
 中国武術の烈海王と塩漬原人ピクルが融合して、原始武術・烈 塩王の誕生だッッ!
 どっちも浅黒い肌だから、継ぎ目も目立たず自然な仕上がりになる。
 ここはブラック・ジャック先生に依頼しましょう。料金は徳川さんもちで。

追記 (16/6/15)
 先週書き忘れていましたが、偉大なボクサーであるモハメド・アリが逝去した。
 テレビでも特番がいくつか流れていたが、これを見た板垣先生が妄想爆発させて、アライ三世を出してきたりして。

 本来ならアライJr.は親世代からの因縁をもつ刃牙のライバルになりうる男だった。
 しかも、梢江をめぐる三角関係と言う、あまり興味を引かない(私見)因縁もある。
 板垣先生も、アライJr.には何度もチャンスを与えたのだがダメだたっと語っていた。

 全局面対応ボクシングという格闘技が、どんな形をとるのかワクワクしていただけに残念だ。
 というワケで、アライ三世とか出てきて良いぞ。
 長期連載の難しさで、ベトナム戦争は40年以上前の話になっている。
 これなら、孫がいても問題ない年齢のハズだ。
 バキ世界には、刃牙と同年齢の戦士が少ない。
 花山ぐらいしか居ないもんな。

 もっとも、板垣先生の妄想はしばらく武蔵に集中するのだろう。
 アラミド繊維グローブをはめたアライ三世が乱入する余地なし、だ。
 とりあえず、ピクル問題を片付けないと、本部とすら戦えない。

 掲示板等の感想を見ていて思いだしたんですが、武蔵だってピクルに負けたら喰われるというリスクを抱えている。
 いちおう命がけって意味では武蔵も同じだった。
 ただ、素手勝負で実力を探った限り、武蔵の圧倒的な優勢だ。
 これで刀を装備したら、きっちりピクルを刺身にできる。

 やっぱ、本部に守護(まも)ってもらうのが現実的なピクルの延命方法だ。
 ガイアの師匠として格の差を見せてもらいたい。
 拳銃を使用したガイアの師なら、機関銃を使う!
 スペツナズ・ナイフを使用したガイアの師ならば、スペツナズ日本刀を使うぞ!
 柄に空気銃を仕込む白土三平の忍者漫画みたいなギミックを本部なら用意してくれるハズだ。

 そして、本部ならガイアをはるかに上回る負けっぷりを見せてくれるッ!


週刊少年チャンピオン2016年28号 [雑誌]
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2016年6月16日(29号)
第4部 第113話「絶好調(ベストコンディション)」 (1092回)

 恐竜時代の原始人が塩漬け状態で保存され現代によみがえったのがピクルだッ!
 この一文に何回ツッコめるのかで、あなたの力量が試される。
 最近、不自然に慣れすぎて、むしろ常識に思えてきた。危ない、危ない。

 その原人ピクルが、食事をとらなくなっている。
 誇り高き狩猟者であるピクルは自分に向かってくる相手しか倒さないし、自分で倒したエモノじゃないと食べない。
 なので、恐竜時代にピクルが倒したティラノサウルスの肉が困ったときの非常食だ。(範馬刃牙19巻 155話
 生肉をかぶせたロボットで襲いかかって、逆に喰われる作戦でも通用しそうだけど。

 しかし、武蔵と闘ったあとから、ピクルはものを食べなくなったらしい。
 大きなケガはしなかったが、わりと徹底的に打たれたのでショックを受けたのだろうか?
 せっかく持ちだした恐竜肉をだしても食べない。
 ピクルは野生動物みたいなもんだ。
 動物が虐待されて食欲を無くすという現象か?

 拒食になっているピクルは、地下闘技場の砂地でヒザを抱えて座っている。
 もしかして、ズボンをはいているのが良くないのか?
 股間を開放したら、きっと気持ちも軽くなるぞ!

 範馬刃牙と徳川光成は4日間も食事をとらないピクルを心配している。
 最近は刃牙がよく姿を見せるな。
 やっぱり、型の見直しが終了したのだろうか?4巻 34話

 そろそろ刃牙の出陣が近いのかも。
 だが、その前に本部以蔵を片付けないとダメだ。
 本部の前にはピクルを片付けないと。
 刃牙の行く道は、大渋滞だッ!
 刃牙と武蔵が戦うのって、来年ぐらいだろうか。

 闘争(たたか)い理解(わか)りあえた、刃牙とピクルが顔をあわせる。
 ピクルは言葉をしゃべる事ができないが、気持ちが通じた。
 夜叉猿やズールと言葉が通じなくても理解(わか)りあえたのは、闘争と言う濃密なコミュニケーションをしたからだ。
 なんか、野生で浅黒い人ばっかりなのは偶然だろうか?

 最近の刃牙は、なんか主人公みたいな活動をしているな。
 憎まれっ子が善人になると、死亡フラグだが、刃牙は大丈夫だろうか?
 たぶん、根本的な性格が憎いままなので、たぶん問題ないと思うが。

 刃牙と徳川さんは、地下闘技場から出て歩く。
 ピクルから なにを感じたのか?
 刃牙は徳川さんになにも話していない。
 おう、もっとジラしてやれや。
 悪なる人間・徳川さんには少しでも苦しみを与えてやらんと。

「ピクル(あいつ)」
「宮本武蔵さんを"餌"だと認めたんだ」


 って、マジかよッ!?
 ピクルは武蔵にたいしたダメージを与えられなかった。
 勝てるチャンスは皆無だったような……
 ピクルは野生動物だから、戦力分析とかニガテっぽい。

 だが、刃牙はピクルが武蔵を喰うところが見たいと言う。
 刃牙の見立てではピクル有利なのか。
 でも、刃牙はピクルが何度もエア斬撃を喰らっているところを見ていないしな。

 武蔵には、まだ隠された技がいくつかありそうだ。
 そういう可能性も考えると、やっぱり死ぬのはピクルだろう。
 刃牙は筋肉至上主義だから、身体能力が(おそらく)最強のピクルに勝って欲しいのかもしれない。
 武器使って強いんじゃ当たり前だもんな。

 ピクルは無手の武蔵にも勝てなかった。
 今度の武蔵は愛刀を持ってくる。
 どう考えても、ピクルが不利だ。
 だが、刃牙は虎と闘った経験のある愚地独歩から次の言葉を聞いていた。

「飢えこそが野性における 絶好調(ベストコンディション)なんだよ」

 『バキ外伝 拳刃 3話』で独歩が、二度目の虎殺しを達成した時の話ですね。
 最近、野生のクマが人を襲う事件も起きている。
 飢えた野生は確かに恐ろしいのかも。
 ちなみに、刃牙は試合前にオジヤとバナナ、炭酸抜きコーラで栄養補給をする。
 わざとコンディションを崩して、相手にハンデを与えているのか?

 あとは、子供を守る時の獣も攻撃的だ。
 子連れのクマとかは超キケンらしい。
 刃牙を下手にいじると、鬼父さんがスっとんで来て攻撃してくるという都市伝説があるし。
 都市伝説というか、だいたい事実だ。

 飢えたピクルは一味ちがう。
 刃牙は日本刀よりもティラノサウルスの牙に勝ったピクルを信じるのだった。
 やっぱり、武器に頼るよりも天然成分のほうがイイってことか?
 そうだとすると、人体改造をしたジャック兄さんは、やっぱり勝てない体になってしまったのかも。
 野生と剣豪の対決は、どうなるのか?
 次回へつづく。


 意外と、刃牙がピクルを持ちあげた。
 でも、これも高く上げて落とす行為に思えてしまう。
 愛刀の装備と言う大幅パワーアップの武蔵にくらべて、飢えて絶好調のピクルじゃ、さらに差が開きそうだ。

 この戦いは、どっちが勝っても、そうとうダメージになる。
 なんとか中止できないものか。
 試合終了後に無残な姿になった戦士をみて涙する徳川さんは、もう見たくないぞ。
 どうせ、すぐに忘れて同じこと繰りかえすから。

 武蔵を喰わせない。
 ピクルの断面図を晒させない。
 この二つを両立するには、どうすれば良いのか?

 やっぱり本部に介入してもらうのがイチバンっぽい。
 ピクルは文明から遠い存在なので、本部の武器術と罠で いかようにも絡めとることができよう。
 などと油断していると、ピクルの小指をとって横綱以上のパワーに驚愕しつつ、潰されちゃうかもしれないが。

 あとは、せっかく刃牙が出てきたんだし、ピクルに対刃物の戦いかたを教えてみたらどうか。
 流派『刃牙道』でチーム結成と言う展開を、まだ期待している。
 武器を使えば強いのはあたりまえと言う常識を打ち破ってこそ、刃牙道である。
 とか言いながら、刃牙の新戦型は武蔵からパクったエア斬撃だったりして。
 互いにエア斬撃で戦いあえば、世界はわりと平和かもしれない。

追記 (16/6/22)
 ピクル斬殺と言う悲劇を刃牙なら止めてくれるかと思っていたが、むしろ焚きつけた感じだ。
 このままだと、武蔵vsピクルの再死合いは確実に行われるな。
 勝負を止めることができるのは、本当に本部だけになってしまった。

 私が「武蔵vsピクル」にいまいち盛り上がれないのは、たぶん武蔵にもう隠し球がないからだろう。
 エア斬→真剣装備→実は無刀奥義あり→やっぱり真剣装備、で一度とおった道をまた歩く感じだ。
 真剣だと強いのはすでにワカっているんだから、もう確認しなくてもイイのに。

 未完成だった武蔵の無刀奥義は、ちゃんと完成するのだろうか?
 それとも、やっぱり真剣のほうが強いと忘れるのだろうか?
 柳龍光の「最強の毒」は本当に強力だったのに、なぜか使わなくなった。
 同じように武蔵も素手奥義を使わなくなったりして。

 柳が「最強の毒」を使わなくなった件は、本当に謎だ。
 板垣先生が真空と低酸素は別物と気がついて理屈に合わないから止めた、なんて事ないだろうな。
 少しぐらい……、いや大いに……、というか凄まじく理屈に合わなくても、それぐらいで板垣先生がネタを引っこめるとは思えない。
 そんなんで引っこめるなら、恐竜時代の原始人なんて描かないし、そもそも思いつかないぞ。

 一度、技を見せちゃったら、興味が無くなったんだろうか?
 ビックリ技ってのはネタバレしちゃうと効果が減っちゃうもんな。

 そのビックリ技と言えば、先週書き忘れていたんですが112話感想コメントで「靴底からバネがビヨーン…と言えば、相原コージ先生の忍者漫画『ムジナ』を思い出しましたw」と言うのをいただきました。
 実は、私も『ムジナ』を意識して書きました。
 たしか過去にも『ムジナ』にふれたことがあるハズ……。(検索したら二回ありました12
 古い作品ですが『ムジナ』は刃牙好きなら、たぶん楽しめる傑作忍者漫画です。
 ビックリ技だから、ネタバレすると威力半減だけど。

 さて、武蔵には まだビックリ技があるのだろうか?
 本来なら二刀流が最強のスタイルだ。
 しかし、無刀の奥義もあるらしい。
 でも、愛刀一本あれば充分のようでもある。

 そこで今まで出てこなかった三刀流だ!
 股間あたりに仕込んでいたスペツナズ脇差が飛びだしてくる!
 これなら相手もビックリするだろう。
 ……いかん。アイデアの方向性が「強い」でなく「ビックリさせる」になっている。

週刊少年チャンピオン2016年29号 [雑誌]
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2016年6月23日(30号)
第4部 第114話「猛獣」 (1093回)

 現代によみがえった恐竜時代の原始人と、現代によみがえった伝説の剣豪・宮本武蔵が闘う。
 となると、どっちが強いトークが始まってしまうのが勝負好きな人間のサガです。
 ちなみに板垣先生は「M(モハメド)・アリとM(マイケル)・ジョーダンどっちが上? 井上雄彦氏と論争したっけ…。」と、やっぱりどっちが上かトークをしていたようだ。

 ただ、宮本武蔵と原人ピクルはすでに戦っている。(101話〜 )
 武蔵ばかり攻撃していたが、ピクルが丈夫なので素手じゃ倒せなかった。
 だから、愛刀・金重でピクルを斬殺したいってのが武蔵の主張である。
 斬ることができるとワカったから、そっとしておいてもらいたい。
 でも、強いんだ星人は妄想だけでなく、じっさいに戦わせないと気がすまないんだろうな。

 100回の妄想は、1回のリアルに勝てない!
 あの臓腑まき散らしの惨劇をもう一度見たい!
 と言うのが徳川さんの本音かも。

 と、いうワケで徳川光成と愚地独歩が紹興酒をやりつつ餃子をつまみ、強いんだ談議だ。
 まるで飲み屋のオヤジトークみたいだぞ。
 なお、ラーメンを日本で初めて食べたと言われる水戸黄門こと徳川光圀は、日本で餃子を初めて食べた人とも言われている。
 徳川さんは ご先祖様をリスペクトですか?

 紹興酒や餃子のマメ知識よりも、さっさと試合を始めてほしい。
 それとも、裏では部下が忙しく働いているのだろうか?
 本来、リーダーとは部下が判断に迷ったとき、いつでも相談できるようにデンと構えている必要があるのだ。
 徳川さんは、それなりにリーダーをやっている。

 または、裏の動きを悟られないために、わざとのんびりしていたりして。
 ピクル斬殺を阻止すべく本部以蔵が暗躍しているんですよ。
 あえて時間を余らせることで、本部に動く余地を与えているとか。
 いや、考えすぎかな。

 紹興酒と餃子という中華料理を楽しむ独歩たちであった。
 中国武術の雄であり、宮本武蔵に斬殺された(?)・烈海王の追悼も兼ねていたりして。
 ピクルが斬殺されたら、恐竜肉で追悼しそうだ。

 徳川さんが餃子の豆知識を語る!
・行きすぎた肉食信仰のせいでカン違いされているが、餃子は野菜料理なのだ。
・敗戦による欧米コンプレックスの弊害である。


 って、これは日本の焼き餃子についての豆知識か。
 日本の餃子の話で構わないんだが、妙なことを言っている。
 それは、肉食否定だ。

 バキ世界では肉大好き、肉こそ至高、とにかく肉中心主義である。
 それが、野菜の甘みとか言っちゃって。
 独歩も加齢で枯れちゃったんだろうか。

 それとも独歩は肉の呪縛から解放されて新しい境地にたどりついたのかも。
 殺気の無い菩薩拳がパワーアップして、草食系の打撃を生みだしていたりして。
 そもそも、武蔵に負けた独歩は引きこもりたいと言っていた。(5巻 41話
 独歩が表にでていること自体、なんらかの成果があったと見るべきだ。

 中国大陸では南北で農作物や食習慣がちがう。
 南では米をつくり、北だと小麦などを作っている。
 北では小麦を粉にして食べることが多いようだ。
 つまり、餃子は皮の小麦が主であり、日本人にとってのご飯です。

 また、餃子は旧正月である春節に食べる縁起ものだ。
 映画『レッドクリフ Part2』(感想AA)でも、主人公・周瑜を気づかって、みんなが餃子をあげているシーンがある。
 周瑜の妻が作戦のための時間稼ぎをするため人妻マニアである曹操のところへ行ってしまい、残された周瑜がとても気の毒な状態になっていたので慰めているのだ。
 時代的・地理的(周瑜は南の人)に正しいのかワカらんが、家族を思う気持ちによりそうものが餃子である。
 独歩たちも、ここに居ない烈を思いながら餃子を食べているのかも。

 独歩と徳川さんは、宮本武蔵の日本刀とティラノサウルスのどっちが強いか談議をはじめる。
 宮本武蔵なら体長3メートル・体重1トンのヒグマでも楽勝だ。
 だが、体長13メートル・体重6トンのティラノサウルスに勝てるだろうか?
 オッサンたちの強いんだ談議は終わることなく次回へ つづくのであった。


 う〜む、話がすすまない。
 予想がつかない事を無理に考えても時間のムダに思える。
 ただ、飲み屋談議はダベることが目的だから、結論などいらないんだよね。
 時間と言う貴重なものを、ムダに浪費することこそ 最大の贅沢だ。

 今回の話は読み飛ばしちゃっても、次回でこまらないだろう。
 とりあえず、独歩の復帰がかなり近づいてきたことが今回の収穫か。
 それも、108話に出てきた情報だから、今回の情報はあまり重要でない。
 やっぱ、今回の目玉は餃子のマメ知識だ。

 あと、古くからの刃牙ファンには思いがけない情報があった。
 人間と猛獣の戦闘力の差について、独歩が語る。

『狩猟をライフワークとした小説家
 大藪春彦氏の言葉だが――――』
『「人間と猛獣が対峙するならば――――」「銃(ライフル)を手にして初めて対等だ」』


 この話は、グラップラー刃牙・幼年編で夜叉猿に勝利した刃牙が安藤さんに言われた話と同一である。

「スポーツハンティングを熱烈に支持するある高名な小説家がこんなことを言っているんだ……」
「"獣に対しての銃の携帯は卑怯な行為ではない………"
"銃を持ってこそ人間(ヒト)は獣と対等になれる"…………と」G刃牙12巻 104話)


 20年以上前には謎だった高名な小説家の正体が判明した!
 ゾウにむけて銃を構える絵まで一致しているぞ!
 高名な小説家の正体判明こそが、最大の収穫だったのかも。

 人間は強い肉体よりも、優れた頭脳を武器として進化し生きのびてきた。
 進化の過程で、人間は強い力をもつ頑丈型と、力の弱い華奢型に分岐したことがある。
 だが、肉食獣に捕食され絶滅したのは頑丈型だった。
 ハンパな筋力よりも、生きのこる知恵のほうが有効だったようだ。(「われら以外の人類感想

 武器をもつという事は有利な点が多い。
 最大の利点は間合いだ。
 牙や爪で戦うばあい、顔や前足を相手に近づける必要がある。
 槍などを使うと、武器の長さだけ自分が攻撃されない安全距離が生まれるのだ。

 頑丈型のヒトも武器は使っていたらしいが、獣に喰われる場合も多かった。
 だから、槍という武器があっても圧倒的な有利と言えない。
 投げ槍や、弓矢のように、飛び道具を生みだしてから、人間(ヒト)は獣と対等になった。

 もっとも武蔵の技量なら相手が恐竜でも勝てそうだ。
 噛みつこうと相手が牙をむくとき、同時にそれは相手の顔を攻撃できる間合いである。
 道具を使うほうが人間らしい戦いかただ。

 もちろん、銃を装備したほうがより強いんだろうけど。
 武蔵は銃は「「道」にはならん」と言っていた。(103話
 同じ武器を使うにしても、火薬とかに頼るのはNGなんだろうか。
 と、なると、本部が煙幕玉をつかったら、ムチャクチャ軽蔑されそう。

追記 (16/6/29)
 周囲は武蔵vsピクルに盛りあがっている!
 だが、この二人が戦うと、敗者のダメージがデカすぎる。
 なんとか戦いを阻止できないものか。

 本部が路上でピクルを襲って、手足を折って徳川邸に投げこむとかどうか?
 で、よく見たら花田だった。
 手足を折られて投げこまれるのは二度目なので手慣れたものである。
 ピクルも花田も浅黒い肌なので、夜道で間違えちゃったのだ。
 ……という展開もあるかも。

 恐竜と人間が戦ったらどうなる!
 ってのは、男子なら一度や二度や、もっとたくさん妄想したことがあるだろう。
 恐竜とホッキョクグマでもいいけど、とにかく恐竜の強さを見てみたいって欲求はある。

 でも、恐竜と戦うのは無理だ。
 時間的にかけ離れている。
 あと、恐竜も動物だから意思の疎通ができないってのがマイナスポイントだ。
 なので、恐竜と戦ったことのある原始人を現代に復活させた。
 と、言うのがピクルの存在だろうか。
 かえって無理度が上がっていますが。

 原始人や古の剣豪まで出しちゃったから、もう次のネタがなさそうだ。
 のこる相手は宇宙人とか地底人とかサイボーグぐらいしかいない。
 でも、科学より筋肉が強い! ってのがバキ世界の正義である。
 科学よりの敵は弱そうだ。
 ジャック兄さんの悲惨な末路を見て確信したよ。
 のばした身長、縮めばいいんだけど。

 科学より筋肉! なので、バキ世界では、たぶん銃より剣が強い。
 銃弾も拳銃に装填して撃つよりも、デコピンで撃ちつけたほうが強い! 気がする。
 本部も煙幕玉を火薬で動作させているのが弱点になりそうだ。
 粉とウチワで、人力煙幕にしたほうが良いかも。

週刊少年チャンピオン2016年30号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2016年30号



2016年6月30日(31号)
第4部 第115話「逸話」 (1094回)

 クローン技術やら降霊術やらで現代によみがえった宮本武蔵と食事をする!
 武を愛する者にとって最高のステータスだ。
 徳川光成も大満足であろう。
 その喜びのため、何人の命が犠牲になったのか気になりますが。

 広大な庭に板で台を作り、その上に敷物をしいて武蔵と徳川さんは食事をしている。
 野点っぽい感じだろうか。
 いや、食事がメインの時は野掛け(のがけ)というらしい。
 現在の季節なら暑すぎず、野外で過ごすのにちょうど良いのかも。

 そうは言っても作中の季節は謎ですが。
 刃牙はたいていTシャツ着ているから、イカ娘に負けないぐらい、常夏のイメージなんだよな。
 人間加湿器みたいな格闘士(グラップラー)がイッパイいるので、人力で気温が高めです。

 野外なので、ちょっと虫が多い。
 虫と言うか、ハエです。
 なんでこんなにハエがいるんだろう。
 徳川さんの庭に、ハエを呼ぶようなナニかが埋まっているとか?
 ……リアルに怖いんで、徳川埋蔵品については考えるのを止めておこう。

 武蔵は飛んでいるハエをハシでつまんだッ!
 汚たねェッッッ!
 じゃなくて、スゲェ!
 しかも、ハエのハネをハシでつまんでいる。
 ハで始まる言葉ばっかりで、ハナヂ出そうになるほどスゴい。

 武蔵はハエの動きを完全に見切っているようだ。
 飛んでるハエをハシでつまんでは投げ、つまんでは投げ、で 次々と倒していく。
 一回成功だけなら偶然だが、この成功率は本物だ。
 凄まじい動体視力と精密動作性をもっている。

 ハエを駆除した武蔵はハシをふく。
 新しいハシを持ってきてもらったほうが良さそうな……
 江戸時代の人と現代人じゃ衛生の感覚がちがうのだろう。

 食事終了後に武蔵は衝撃の事実を知る!
 ピクルは倒した相手を喰うというのだッ!

 ……いや、まて。武蔵はピクルと戦ったとき「旨いぞ俺は」と言ってたよね。(12巻 103話
 これは誤記で7/8発売の12巻で修正されているのだろうか?
 徳川さんがドヤ顔で説明をはじめたので、知っていたけど初めてのような顔して聞いていそうだ。
 武士にとって権力者のご機嫌をとるのも重要なスキルである。

 ピクルは人を喰うと聞いて武蔵は悩んでいるようだ。
 飢饉や兵糧攻めで、食糧不足が極まると人肉食という事態が発生する。
 武蔵は島原の乱にも参加しているが、ここでも兵糧攻めがおこなわれていた。
 かつて見た地獄の風景を思いだしているのかもしれない。

 武蔵は島原の乱で投石を受けて負傷している。
 剣豪の面目的な意味で恥さらしちゃって地獄のような心持だったのかも。
 ただし、戦場で負傷するのは危険な場所に行った証であり、名誉の負傷になる。
 一番槍や一番首、大将首などのほうが評価高いから、本当はそっち狙っていたんでしょうけど。

 人を喰うという話に武蔵は考えこむ。
 池のなかのコイらしき魚は、やたら大きいがナニを喰って育ったのだろう。
 地下闘技場で運悪くなくなった戦士を自然にかえす役割だったりして。
 さいきんは徳川さんの言動すべてが怪しく思える。


 超実戦柔術の雄・本部以蔵は東京ドームの前でタバコを吸っていた。
 明日、この東京ドームの地下にて帯刀した武蔵と原人ピクルのデスマッチが行われる。
 比喩ではなく、本当に死ぬ可能性の高い試合だ。
 実際に、烈海王は死んでいる。(8巻 66話

 あの美しい悲劇を繰り返さないために、本部は策を練っているのだろうか?
 夜の東京ドームの前に喫煙者ひとり、注意でしょう。
 本部が警察官に怒られている!
 喫煙マナーがなってない本部は、ひたすら謝るのだった。

 本部を注意した警察官はのちに語ったかもしれない。
 なんとなく小汚い感じのオッサンでした。
 えっ、強そうに見えたか、ですか?
 いや、それはありません。
 断言します。ただの小汚くてマナーの悪いオッサンです。

 最近はテロが横行しているため、不審な人物には持ち物検査をすることもあるだろう。
 だが、この警官は本部をチェックしなかった。
 実に幸運である。
 この警察官が、だ。

 本部は全身に武器を隠しもっている。
 警察官に調べられたら即アウトだ。
 本部は武術家だから日本刀の所持許可はもっているだろう。
 でも、外に武器をもちだすのはマズい。

 死合いを止めるため、選手を刺したり斬ったりするのに武器が必要なんです。
 そう正直に言ったら、逮捕されるぞ。
 人知れず、本部以蔵が大ピンチだ。

 だが、本部なら、ボディーチェックをやりに近づいた警察官へ煙幕玉を投げつけ、動揺したところを刃物で軽めに何度か刺し、最後に縛る。
 とうぜん本部は走って逃げだす。
 いや、走ると目立つから、早足で逃げるのかもしれない。本部流には競歩術もあるだろう。
 そして、残されるのは緊縛放置の警察官ひとりって寸法だ。

 警察官は持ち物チェックをしなくて幸運だった。
 追いつめられた本部に反撃されて、痛くて恥さらしな攻撃を受けていたぞ。
 ついでに、拳銃をこっそり盗まれるかもしれない。

 本部が小汚い感じなのは、周囲の人間が距離を置きたくなる効果を狙っているのかも。
 あらゆる打撃に対処しようと、本部は自分の身体を実験台にして鍛えた。
 その代償で、歯が総入れ歯になっている。(G刃牙6巻 49話)
 入れ歯と言えば、おじいちゃんお口くさいってCMがあった。
 長話したく無い口臭も本部の武器かも。

 警察官が去ると、本部は新しいタバコに火をつけた。
 うぉいッ! また、吸うのかよ!
 マナー悪すぎだな!
 さっきの警察官に見つかったら、今度こそ持ち物検査をされるぞ。
 むしろ、それを狙っているのか?

 本部の考えることは理解(わか)らない。
 なにか策があるのか? それとも、なにも考えていないのか?
 本部はひとり東京ドームの前でタバコの煙をふかすのだった。


 武蔵と戦う予定のピクルは地下闘技場で体育座りをしている。
 闘技場の小坊主2人によれば、6日間も飲まず・食わず・眠らず、らしい。
 これはさすがに体調崩すだろ。
 とくに水を飲んでいないのが痛い。

 だが、飢えた状態が野生のベストコンディション理論である。
 半開きになった口から唾液がたれているが、これでもベストらしい。
 今すぐ入院させて点滴うったほうが良さそうだけど、ベストなのだ!
 ベストはベストでも、噛ませ犬としてのベストだったりして。

 ところで、闘技場の小坊主は若い男ばかりだが、今回出てきた片方がけっこう老けている。
 頭の剃りかたも甘い。
 チーフ小坊主かなにかだろうか?
 というか、小坊主って言いかたがファンのスラングなので正式名称が謎だ。
 アニメでは審判を兼ねているので役名が「審判」になっています。
 だが、地下闘技場の建前は「武器の使用以外すべて認める。審判すらいない」だ。
 審判って呼びかたは相応しくない。

 とにかく、うつろな感じになっているが、ピクルも万全の体制だ。
 このまま武蔵vsピクルの死合いが開始(はじ)まってしまうのか?
 それとも本部が阻止するのか?
 もしくは、もどってきた警察官にタバコを怒られた本部が公務執行妨害を起こすのか?
 次回につづく。


 武蔵・本部・ピクルの三人がしっかりと登場してきた。
 これは みつどもえの戦いになる予兆だろうか?
 武装して強くなっている武蔵と本部に対して、ピクルは飢えて弱くなっていそうだけど。

 飢えは本当にピクルを強くするのだろうか?
 さる高名な漫画家は自衛隊に所属していた時、禁射精をつらぬくと欲求不満で野獣のようになれるんじゃないかと禁欲していたらしい。
 が、使っていないと機能が衰えると聞かされる。
 これじゃ、飢えた獣になる予定が、枯れた動物になってしまう。
 と、なって慌てて、情報を知ったその日のうちに発散したそうな。(ラジオデイズ対談

 つまり、あまり飢えるとピクルの野生が飢餓対応モードになっちゃうんじゃないかと心配してるんですよ。
 強敵倒すよりも、簡単に狩れるヤツを狙う。
 もっと飢えた時は、死体を喰ってでも生きのびる。
 極限のサバイバルも、また野生だ。

 範馬一族の背中に浮かぶ「鬼の形相」も、実戦で筋肉を使いつづけた結果完成する。
 ジャックみたいに安易に薬に頼ると実戦経験が蓄積せずに、発動しないのかも。
 使わない機能は劣化していくのだ。
 そういえば本部って最近解説しなくなっているが、まだ解説できるんだろうか?

 次号のチャンピオンで超特報があるらしい。
 刃牙シリーズ25周年企画の衝撃情報だ。

 そういえば、刃牙って四半世紀もつづいていたのか!
 現在の読者の中には、自分が生まれる前から刃牙が連載していたって人もいるだろう。
 特報と言えば、ありがちなのがアニメ化だ。
 『ジョジョ』や『うしおととら』が長い年月をへてアニメ化しているんだし、刃牙ももう一度アニメ化しても良いだろう。
 ただ、どこをアニメ化すればいいのかが悩みどころだけど。

 刃牙シリーズの長い歴史で、イチバンの山場は刃牙と勇次郎の親子喧嘩だ。
 怪獣がぶつかり合うような破壊劇は、クライマックスにふさわしい。
 しかも、親子喧嘩はかなり長く戦っている(だいたい70話ぶん)ので、それだけで半年分以上ありそうだ。

 トンデモネタとしては、ピクル編も捨てがたい。
 だが、ピクルって最初のころはパンツはいてないから、放送できないんだよな。
 いや、テレビ放送時に股間を光らせておき、DVDで見えるようにすれば問題ないか。

追記 (16/7/6)
 明日が武蔵vsピクルの試合だ。
 本部がこのタイミングで東京ドーム前に出現した。
 ってことは、ピクルを守護(まも)りに来たと思っていいんだろうな。

 ヒゲふしゅる、花田純一、バトルサンボ黒川、超軍人ガイアの本部門下四天王が武蔵を闇討ちする!
 武器はもちろん、不意打ち・集団攻撃も辞さない。
 これが超実戦柔術じゃい!
 ちなみにガイアは急用ができて参加できない。(卑怯とは言うまい)
 黒川は「自分の本職はサンボなんで……」と言って逃げそう。
 もちろん、全員揃っていても返り討ちにあうんだろうけど。

 門下生が武蔵に挑戦するのは、情報収集と時間稼ぎだ。
 本命の本部はピクルを倒して守護(まも)る!
 武蔵が闘技場につくと、ピクルのかわりに本部が入場だ。
 つづいてピクルの死体を背負った花田がでてくる。
 ピクルは重いので、本部ひとりじゃ運べないのだ。

 武蔵は路上で因縁をつけてきたヒゲの男のせいで遅刻する。
 その遅れが、ピクルとの戦いを不可能にした。
 すべてチーム本部の計算通りだ。
 なんて、展開が待っているかも。

 次のチャンピオンではバキの超特報がなにか気になる。
 戦闘機、軍艦、戦車などが美少女になってヒットしているから、バキを美少女にしたらどうか! みたいな狂った企画だと、ちょっと面白い。

 今のチャンピオンは『弱虫ペダル』のおかげで、女性人気がアガってる。
 チャンピオン編集部が女性向けのコンテンツに注力するとしても不思議はない。
 そこでアツい男のぶつかり合い、バキですよ。(おかしい)

 最近、女性にヒットした作品と言えば『おそ松さん』だ。
「その『おそ松さん』ってのは、どんな作品だ」
「下ネタがキツ目の作品です」
「だったら、問題ない。うちの得意分野じゃねーか!」
「いや、それはちょっとズレてますよ……」

 なんて話が編集部で行われているかも。
 とにかく、下ネタはチャンピオンの得意分野なんで、ドンとこい、だ!

週刊少年チャンピオン2016年31号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2016年31号



2016年7月7日(32号)
第4部 第116話「獣(けもの)」 (1095回)

 東京ドーム地下には、闘争(たたか)いの聖地・地下闘技場がある!
 世間の格闘ブームとは無関係に、地下闘技場はつねに満員御礼だ。
 なぜなら、地下闘技場こそが地上最強を決める場所なのだから。

 と言うワケで、地下闘技場の主催者である徳川光成は今日も闘技場から「いつもと変わらぬ熱気」を感じていた。
 今日の死合いは、伝説の剣豪・宮本武蔵と恐竜時代の原始人・ピクルだ!
 どちらも時空を超えるムチャっぷりで現代に登場した。
 ここで科学的なツッコミをすると先に進めないので、流す。
 ……流しましょう。

 愛刀である無銘金重を装備して、ラスボスすら輪切りにできそうな殺傷力を発揮するのが宮本武蔵だ。
 いっぽうのピクルはティラノサウルスすら倒して捕食している強者である。
 武蔵はとうぜん相手を斬殺する気だ。
 ピクルのほうは、倒した相手を食べちゃう。
 つまり、負けたら身体の一部を失うか、死ぬ!
 テレビじゃ放送できない試合内容になるぞ。

 流血の予感に、徳川さんもたぎっていそうだ。
 前回、武蔵とピクルを戦わせたときは斬殺フィニッシュまでもって行くことができなかった。(107話
 今度こそ屍山血河の決着だ!

 だが、闘技場はガラガラだった。
 観客たちは烈海王が武蔵に斬殺されたショックから まだ立ち直れていないのだろうか?(8巻 66話
 すぐに復活した徳川さんは、やっぱ血を見たくてしょうがないサガなんだろうな。

 そのかわり、わずかにいる観客たちがタダ者じゃないぞ。
 範馬刃牙、愚地独歩、渋川剛気、鎬紅葉、鎬昂昇、ジャック・ハンマー、加藤清澄、末堂厚、ガイア、佐部京一郎、郭海皇、寂海王、あとは良く知らないが みんな一流の戦士らしい。
 満席の観客に匹敵する熱量を徳川さんが感じたのもうなずける。
 人数は満員の1%ぐらいかもしれないが、かれらの闘気は一人で百人分だ!
 中にはジャストひとり分の闘気しかもたない人もいるでしょうが、足りない分は刃牙あたりが補っているのだろう。

 ジャックは本部にやられたダメージが治っていないようで、松葉杖をもってきている。(94話
 いっぽう、ジャックを倒した本部の姿が見えない。
 この二人が顔を合わせると気まずいかも。
 本部が気をきかせて身を引いたんだろうか?
 気配りもできる みんなの守護者・本部以蔵であった。

 ついでに愚地克巳の姿もないぞ。
 なにか、裏があるのだろうか?
 盟友・烈海王の死が、克巳を手段を選ばぬ復讐鬼にかえたのかも。

 さらに言えば、範馬勇次郎が居ない。
 ピクルとも武蔵とも、少なからぬ因縁があったハズだが、なぜ居ないのだろう。
 見ると喰いたくなっちゃうから、あえて観戦しないのかも。
 ダイエット中の女子みたいな行動だ。
 勇次郎は刃牙との親子喧嘩で満足しちゃって、闘争への飢餓が弱くなっているっぽい。

 刃牙はこれから始まる死闘を思い、早くも汗を流している。
 試合開始前から発汗だ!
 今日の試合は荒れそうだ。

 タスキがけをし、愛刀ひっさげ宮本武蔵が入場する。
 原人ピクルが野生の動きで、飛びかかった!
 迎撃する武蔵の刀がピクルの顔面に喰いこんだ!
 まさかの一撃必殺で決着か!?
 次回につづく。


 本部の介入も無く、試合が始まってしまった。
 ピクルを守護(まも)ることができそうなのは本部だけだし、期待していたんだけどな。
 弟子であるガイアがいるのに、師匠の本部がいない。
 なんかの計略と考えるのは、深読みしすぎだろうか。

 徳川さんは恐竜喰いのピクルに期待していたようだ。
 前にピクルを武蔵と戦わせたとき、武蔵が圧倒的に優勢だったことを忘れている。
 これが本部が言っていた、戦士と非戦士の意識差ってヤツなんだろうか。

 で、武蔵はピクルを斬りつけた。
 武士である武蔵は偉い人である徳川さんの意向に敏感だろう。
 いきなり斬ったら盛りあがりにかける。
 強いものが 良い剣闘士ではない。試合を盛りもりあげる剣闘士が喜ばれるのだ。
 武蔵の大人対応で「斬らずに押しただけ作戦」と予想します。

 今週発表となった刃牙の特報はアニメ化計画始動だった。
 下にチャンピオン電子版32号の表紙がありますが、そこにもしっかりと書いてある。
 どの部分をやるのか、媒体はなにか、そのへんの情報がさっぱりない。
 コミックス特典DVDの情報がのっているが、これを指してアニメ化というワケじゃないよね。

 とにかくアニメ化という めでたい情報のあとでピクル斬殺ですよ。
 やっぱり、もちあげてから落とす気か。
 普通に戦わせたら、遅かれ早かれピクルが斬殺される。
 やはり、これを阻止できるのは本部しかいないんだけど……

 本部は、どこでなにをしているのだろうか?
 前回、警察官にタバコを注意されたのに、またタバコをすっていた。
 見つかって、激怒されたのかも。
 警察官を倒して逃げようとしたが失敗して逮捕されている可能性がある。
 ピクルを守護(まも)るどころか、自分を弁護士に守護(まも)ってもらいたいと泣いているかも。

 それとも、試合にたどりつけないのは護身完成の証だろうか?
 守護(まも)るという義務感はあるけど、実力差を考えると武蔵に勝てるわけがない。
 みんなを守護(まも)りたいけど、間にあいませんでした。
 これが本部の護身完成だったりして。

追記 (16/7/13)
 宮本武蔵vsピクルのビックカードが開始(はじ)まる!
 本来なら超絶変態バトルが期待できるんだけど、今はタイミングが悪い。
 いままで責任があるあると本部が言いつづけていたから、ここでピクルが勝つワケにいかないのだ。

 勝っても構わないんだけど、勝ったら本部の立場が台無しになる。
 武蔵へのリベンジを考える刃牙も立場ない。
 もう一度ピクルと戦えば良いのか?

 武蔵が本部と決着つけたあとにピクルと戦えば、こんな妙な因果を気にせず観戦できたのに。
 そこ行くと、やっぱり本部は偉大だ。
 本部vsジャックは、もしかしたら本部が負けるかも、と思った。
 ざっと見積もって本部の負ける確率は20%ぐらいかと。
 降水確率だとしたら、折り畳み傘はもっていくぐらいだ。

 勝利間違いなしと思っていた金竜山に負けた過去は、本部の戦いをスリリングにしている。
 本部は超実戦柔術級の希望だ!

 前回ラストでピクルの顔面に武蔵の刀が喰いこんでいた。
 このまま両断、即死、秒殺になるのか?
 掲示板で、ピクルの中から本部が出てくるという意見がありました。

 それは面白い展開ですね。
 あらかじめピクルの中身をくりぬいていて……
 ……だと、ピクルが死ぬし、夜叉猿を勇次郎に殺されたことを思い出した刃牙に攻撃される。
 ここは、あらかじめ作っておいたピクルの着ぐるみに入るほうが安全だろう。

 着ぐるみに入って油断させるのは漫画版・餓狼伝で丹波文七も使用していた策だ。
 本部流の極意が冴える展開である。
 どんな相手と戦っても、本部なら負けるかもしれない。
 逆に、どんな相手と戦っても、はずみで勝つかも。
 本部以蔵はつねに予測不能な男だ。
 ひょっとしたら、永遠に武蔵と戦わないという事態もありうるかも。

週刊少年チャンピオン2016年32号 [雑誌]
2016年7月14日(33号)
第4部 第117話「筋(きん)」 (1096回)

 よみがえりし剣豪・宮本武蔵と、よみがえりし恐竜時代の原始人ピクルが激突する。
 最初の闘争(たたか)いでは武蔵が優位になるが、ピクルが頑丈すぎて素手じゃ倒せなかった。(107話
 なので今回は愛刀・無銘 金重を装備して、真っ二つにする気だ!
 やっぱり、サムライは人を斬ってこそ輝くのだろう。

 剣豪と原始人は対峙した瞬間に動いていた。
 エモノに襲いかかるような速度で原人ピクルが飛びかかる。
 剣豪・武蔵は腰を切る動きで抜刀し、空中のピクルを迎撃した。
 ピクルが野生の速さで襲い、武蔵が作りこまれた技術で返す。
 野生と技術の勝負だ!
 無銘 金重の刃がピクルの顔面に喰いこむ。

 これはヤバい。
 ギャグ漫画でなかったら死ぬぞ。
 じゃなくて、本当に斬る気だったら死んでいる。
 この喰いこみパターンは愚地独歩と烈海王でやっていて、どっちも無事だった。(5巻40話7巻60話
 武蔵の不殺技、当ててるだけ斬撃である!

 だが、今回はチョット様子がちがう。
 ピクルに喰いこんだ刃が静止している。
 これは筋肉による真剣白刃取りだ!

「憤怒(いか)りの表情筋(かおきん)とッッ」
「原始の上半身筋(からだきん)でッッ」
「武蔵の刃を止めたッッ」

 なんかムチャな事を言いだしたぞ!

 上半身筋(からだきん)は良しとしよう。とりあえず、そこは置いとく。
 表情筋(かおきん)は、量が少ないから止まらないだろ。
 どんだけ面の皮(というか筋肉)が多いというのか。
 憤怒だろうが歓喜だろうが悲哀だろうが、止まんねーよ。

 顔は気持ちや気迫をあらわして、迫力による説得力をうんでいるのかも。
 バキ世界には『迫力があるから説得力もある』という法則がある。(格闘士烈伝
 ピクルの筋肉には、範馬一族の背中に宿る鬼の形相かと思うような迫力があった。

 で、上半身筋(からだきん)だ。
 この場合は胸筋と腹筋で刃を止めている。
 ピクルはボディービルダー並みの筋肉をもつ。
 顔より胸のほうが前に出ていそうな体つきである。
 なので、顔を断ちきられる前に上半身の筋肉が刃を止めたのだろう。
 厚胸板が厚くないとできないし、厚くても普通はできない技である

 実質的には胸筋による真剣白刃取りだ。
 刃牙、独歩、徳川、昂昇、渋川、紅葉、ジャック、郭海皇、寂海王、佐部……
 かれら猛者たちが声も出ない神技だ。
 オリバがこれを見たら筋肉ジェラシーだろうな。

「天晴れなり肉の宮……」

 斬った武蔵が汗を流すほどの偉業だ。
 で、また肉の宮か。
 どんなホメ言葉だよ。

 頑丈→スーパーロボット→マジンガーZ→鉄(くろがね)の城→生物化すると「肉の宮」って感じだろうか。
 超合金Z級のタフネスだ。
 あと、肉の宮→宇都宮→餃子→本来は野菜料理→肉食系の敗北→ピクルの敗北という謎かけだったりして。
 114話の餃子談議は、この勝負の伏線だったのか!
 いや、ちがうかも。

 刃を止められ、武蔵の動きがとまった。
 恐竜ハンター原人ピクルはこのスキをのがさない。
 右拳をアッパー風に叩きこみ、武蔵が吹っ飛ぶ。
 武蔵の頭がちぎれとんだかと思うような一撃だ。

 先の戦いで武蔵はピクルのタックルを受けても平気だった。(107話
 だが、今回の攻撃を受けた武蔵は立ちあがれない。
 ピクルの表情筋(かおきん)が生みだした迫力に動揺して不意打ち効果がでたのかも。

 武蔵をブッ飛ばしたピクルだが、刃が喰いこんだところが斬れていた。
 顔から腹まで傷がひらいて出血する。
 ピクルも無事ではすまなかったか。

 刃が股間まで達していなかったのは幸運だった。
 ズボンのお蔭かもしれない。
 自由解放状態だったら、刃に先っちょを斬られて二股になっていたかも。

 自分を切り裂いた日本刀をピクルはひろう。
 原人ピクルの一族は道具を使っていないようだ。
 なのでピクルは基本全裸だった。
 今では下着もズボンもはいている。
 ちょっと野生から遠ざかったのかも。
 そのうち、普通にスマホをいじるようにもなるだろう。

 道具を知らぬピクルが日本刀をもってどうするのか?
 柄じゃなくて、刃の部分を握ってケガしなきゃいいんだけど。
 そして倒れた武蔵は立ちあがるのか?
 次回につづく。


 武蔵がピクルを一刀両断にしなかった。
 いつものようにサービスで最初は当てるだけ斬だったのだろうか?
 刀は顔から腹までピッチリ当てていた。
 当たる面積が大きいから、切れ味もにぶったんだろうな。

 武蔵が刀を引かず斬らなかったのは、試合を盛り上げるためのサービスだったのだろうか?
 または、油断していたのかもしれない。
 前回戦った時はおおむね優勢に戦えていた。
 序盤は軽く遊んで、試合を盛りあげてから斬る計画だったのかも。

 ピクルの筋肉が生みだす迫力を、武蔵は見誤ったのだろう。
 刃を喰いとめる筋肉は迫力を生み、説得力をかもしだす。
 私だって、そんなムチャな、と思いつつピクルの迫力に負けた。

 「武蔵vsピクル」は、いずれ行われる「刃牙vs武蔵」の前哨戦である「武蔵vs本部」の前座試合だ。
 勝敗の見えている試合なので、あまり興味がわかない。
 だが、今回のピクルは筋肉の強さを前面にだしてきた。
 勝敗はくつがえらないだろうが、ピクルの筋肉がどこまで日本刀に対抗できるのか、見たくなってきたぞ。

 ただ、ピクルが自慢の筋肉を披露したのに、武器を手にするのはマズい。
 骨延長で身長のばして、ムエタイを習うなみに危険だ。
 素人(よかた)が武器を手にすると、逆に弱くなるぞ。

 ……まさか、それが武蔵の狙いじゃないよね?
 卑怯も武の内と考える武蔵は死んだフリも得意だ。
 純朴なピクルは武蔵の悪魔的な策術に翻弄されそう。

 そうなると、やっぱりピクルを守護(まも)るのは、超実戦柔術の本部しかいない!
 武術だけでなく忍術もふくめた武芸百般を使える現代人は本部だけだ!
 さすがに馬術は使う機会がなさそうなので、練習していないだろうけど。

 だが、試合前から本部の姿が見えない。
 武蔵の控室で、人知れず冷たく横たわっていなきゃ良いんだけど。
 なにしろ本部のことだから、あらゆる敗北パターンを覚悟しておかないとダメだ。
 忍術の初見先生みたいに、相手の小指を取るだけで動きを制圧する!(「いま忍者 初見良昭八十四歳」感想
 ……と言うのを、力士相手にやって、また失敗しても驚かないぞ。

 いや、もしかしたら、本部はすでにピクルを守護(まも)っているのかも。
 東京ドームの前までやって来た本部は、そのまま地下に行く。
 そこで、ピクルに超実戦柔術を教えたのなら!
 武蔵が戦っている相手は、技術をもたない野蛮な原始人じゃない。
 原始柔術ピクルだ!
 こりゃ、本部道が本格的に始まるな。

追記 (16/7/20)
 書き忘れていたけど、アレだ。
 武蔵が「ピクルは敗者の肉を喰う」ことを知らない発言をしていた問題についてですよ。(115話

 刃牙道12巻 が発売された。
 103話での「旨いぞ 俺は」発言はそのままだ。
 誤字とか、誤記とか、印刷ミスでなく、ちゃんと武蔵はピクルが自分を喰うと理解している。

 つまり、武蔵はピクルが敗者を喰うと知っていたけど、徳川さんの話にあわせて知らないふりをしている。
 これが就職難を経験した剣豪の処世術か!
 というか、徳川さんも武蔵の発言ぐらいおぼえておいてくださいよ。
 武蔵は「あー、その話聞いた。知ってる! でも主人の話を聞くのも客の仕事だしな……」などと考えていそうだ。

 この発言に限らず、刃牙道の宮本武蔵は発言が虚実が入り混じって信用ならない。
 出世したい発言も、裏になにかの意図があるのかも。
 徳川さんを油断させて天下を奪う気とか……
 早めに現代日本の政治システム教えてクーデターが難しいことを教えてあげないと。

 そういえば、トルコでクーデター未遂があった。
 クーデターの占領目標の一つに放送局がある。
 だから、クーデター対策で放送局は構造がわかりにくく迷子になるのだ。
 と、小説「ガタラの豚」(AA)に書いていた通りだった。
 現実には放送局があっさり占拠されていたけど。

 実際にクーデター未遂があったりすると、軍隊のありかたとかが気になったりする。
 超軍人ガイアは株が激落したばっかりだけど、こういうクーデターとかで活躍してほしい。
 むしろ、警戒されない素手の暗殺者として刃牙オールスターズがテロ組織に挑む外伝でも良いんだけど。

 ただ、刃牙は殺人と言う一線をまだ超えていない。
 そこを超えちゃうと明るく楽しい格闘士には戻れないかも。
 躊躇なく人を斬ることができる武蔵とは、そこで差が出るかもしれない。
 勇次郎が刃牙の成長を促すため、童貞を捨てさせる(敵を初めて殺すこと)計画を立ててなきゃいいのだが。

週刊少年チャンピオン2016年33号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2016年33号



2016年7月21日(34号)
第4部 第118話「角」 (1097回)

 伝説の剣豪・宮本武蔵と恐竜ハンター原人ピクルが激突だ!
 奇跡とかムチャとかで とにかく現代によみがえった強者同士の勝負が始まった。
 まずは、武蔵が油断したのか安易に斬りつけて失敗し、反撃でブン殴られる。
 伝説の剣豪が開幕ダッシュでいきなり大ピンチだ!

 宮本武蔵って、イロイロな作戦で相手を怒らせたり油断させたりしてスキを突く戦闘スタイルだったよね。
 オマエが油断して どーするッ!
 ただ、武蔵が卑怯な策をつかったというのは、後の時代の作り話と言う可能性が高い。
 武蔵の養子である伊織が『小倉碑文』では、武蔵と岩流(佐々木小次郎)は普通に対峙して勝負したとある。
 真実の宮本武蔵は、逆に油断の多い人だったりして。

 ピクルは武蔵の落とした刀をひろう。
 原始人が使いなれない物をもつもんじゃないぞ。
 武器術のスペシャリストである本部も「磨いた五体以外の何ものかに頼みを置く」「そんな性根が技を曇らせる」と言っている。(バキ18巻 155話
 シロウトさんが日本刀をもっても、自分の足を斬るのがオチだ。

 はじめて武器を手にしたピクルは、ためしに刀をふってみた。
 武器の扱いはシロウトだけど、人類が失った野生の筋肉がピクルには備わっている!
 振るった刃は闘技場の砂地を斬り裂き、鍔元まで埋まった。
 主人公である範馬刃牙ですら見えない速度であり、現代の剣法家・佐部京一郎も驚愕する斬撃だ。

 とりあえず怪力でスゴいパフォーマンスをした。
 刀をもつ角度を間違えて、刀の腹部分を叩きつけたら、折れぬ曲がらぬと言われる日本刀でもポッキリいったろう。
 この刀は武蔵の愛刀「無銘 金重」だから、折れたら武蔵の心も折っていた。
 もしかしたら、ここで金重を折って勝負アリにしていたほうが平和だったかもしれない。

 みんながピクルに注目しているスキに、武蔵が立ちあがっていた。
 頬は腫れているが、出血がない。
 息も乱れず、汗もかいていないぞ。
 とりあえず、武蔵のタフネスだけは原始人クラスだ!

 観客に気がつかれることもなく、静かに立ちあがった。
 独歩は平静だが、寂海王に冷や汗がある。
 不意打ちのチャンスだったが、なぜか武蔵は動かない。
 寂は武蔵の行動が読めずに焦っていたのかも。
 独歩は汗をかいていないので、まだ余裕ありそうだ。

「刃を止めるほどの肉の宮」
「俺も初めて見る」
「兜を両断する我が剣を」
「骨で喰い止め筋肉で挟み掴んだ」
「そんな肉体(からだ)もある」


 武蔵がピクルを大絶賛だ。
 ウラをかえせば、相手をホメるだけの余裕がある。
 ピクルを斬ることができなかったのはあきらかに武蔵の油断だ。
 油断さえしなきゃ問題ないという自信があるのだろう。

 武蔵は素手でピクルと戦った時も、圧倒していた。
 だから油断していたんだろうけど。
 とにかく、もう油断しないから勝てる。
 そんなふうに考えていたら、やっぱり武蔵の油断ですな。

「倒れ伏し待つも 次の一手はなし…………」

 この武蔵の台詞がムズしい。
 普通に考えると「ダウンして追撃を覚悟していたが、追撃は無かった」という意味だろう。
 だが、二天一流・活殺自在術(死んだフリ)の使い手である武蔵ならば次の可能性がある。
 「死んだフリに油断して近づいたところを不意打ちするつもりが、近づいてこなかった」だ。

 虚実をおりまぜる武蔵らしく、二つの意味にとれる発言をしたのだろうか。
 武蔵が烈と戦ったときは擬態をしていた。(7巻 61話
 ダメージも無いようだし、武蔵は反撃を狙っていたのかも。

「ぴくるは剣士となっていた」
「つまらん」
「圧が消えたわ…………」


 む、やっぱりそうか。
 武器に不慣れなピクルが武装したら、かえって弱体化する。
 ピクルの強さは原始の肉体の強さだ。
 上等な料理に ハチミツをゲリラ豪雨のようにかけるがごとき所業ッ!

 自分の持ち味をイカすのが勝利のカギだ。
 ジャックが身長伸ばしちゃったのは、持ち味をカン違いしたんだろうな。
 上等な料理にハチミツをかけて、さらに果糖を山盛りで かけたようなものである。


『かつて作者が高名な空手家を取材した際のエピソードである』
『衝撃的ともいえる言葉を聞いた』

「刃物を持った相手は」
「危険ではありません」
「刃物しか使用(つか)いませんから」


 ここで突然、作者のコメントが入る。
 高名な空手家とは誰だろう。
 オールバックでメガネで背広を着ていて、中華料理を食べている。
 情報なさすぎで、わからんですよ。

 武器を持つと、武器を使う動作をしてしまう。
 人が陥りやすい罠ですね。
 漫画版の餓狼伝にも出てくる罠だ。(餓狼伝23巻 218話

 相手の選択肢が限られていたら、対策は容易になる。
 もちろん、自分の実力が高いという前提だろうけど。
 相手がチョキしか出せないと知っていれば、ジャンケン無敗だ!

 刃物をもったピクルなど、テグスで武装した加藤のようなもの。
 果糖なみに甘々だッッ!
 武蔵の右手刀がピクルの左目を打つ。
 たまらずピクルは刀を手放した。

 さりげなく攻撃したが、武蔵はピクルの巨体と刀と言うリーチの差を超えて反撃している。
 踏みこみの速度が速いのだろう。
 刃牙のゴキブリダッシュなみか?

 元祖ゴキブリダッシュの刃牙も汗を流し驚愕している。
 そして武蔵の手刀にナニか感じたのか斬撃空手の鎬昂昇も汗を流す。
 となりにいる鎬紅葉は涼しい顔ですが、古流武術に対する知識がないので武蔵のスゴみがわからんのかも。

 目を打たれ、ピクルはよろめく。
 武蔵は無銘 金重を取りもどし、両手でかまえる。
 二天一流の特色である片手斬りじゃないのか?

「斬る箇所は幾らでも………………」
「「角」を猟(と)る!」


 肩、ヒジ、ヒザ、などの人体にある角を斬りさく。
 左右6カ所が斬られた!
 本気になった武蔵に死角なしか。
 なお、斬る時はちゃんと片手もちにするようです。

 鮮血が ほとばしる。
 ヒジやヒザの関節部分には腱があるので斬られたら、かなり大変な事になるぞ。
 今度こそピクルが死ぬのか?
 次回につづく。


 武蔵が見せたいといった「希代の斬れ味」無銘 金重が炸裂した!(12巻 107話
 丈夫なところを斬ろうとするとダメなので、弱い角を斬る。
 うむ、これは刀の斬れ味でなく、剣豪の斬る技術を見せていただきました。
 金重は、思ったいたほどには斬れなかったようで。

 でも、技量を見せるという意味なら、角斬りで正解だよな。
 弘法筆を選ばず、ニュータイプはモビルスーツを選ばずですね。
 アムロはガンタンク、ガンキャノンに乗っても強いし、オリジンならジムに乗っても強いのだ。

 この角を狙うってのは、力学的にも戦術的にも理にかなっている。
 消しゴムケースの四隅をカットすると、消しゴムが折れにくくなるのと、逆の理論だ。(参考
 城や砦でも、城壁の角の部分は弱点になるので補強してある場合が多い。
 オセロでも角の優位は言うまでも無く……。いや、オセロはちがうな。

 武蔵は油断して失敗したけど、致命傷じゃなかった。
 そして、愛刀の金重をもってきたけど、あまり斬れない。
 なんか、武蔵は予想の逆を突いてばかりだな。
 と、なると角を斬られて動けなくなったピクルに油断して、また殴られるって可能性もある。

 それでも、やっぱりピクルのダメージが大きそうだ。
 ここは本部にすがるしかないんだよな。
 本当にここで活躍しないと、守護(まも)る守護(まも)るサギだ。
 なにしろ本部がやったことって、ジャックに重傷おわせたことぐらいだし。

 だが、本部なら武蔵に勝てるかもしれない。
  「刃物を持った相手は、危険ではない。刃物しか使用(つか)わんからの」
  「鎖分銅と、木刀と、煙幕玉もあるぞ!」
 これには武蔵も困るだろう。
 まあ、普通に本部を手刀で打ったら倒せそうだけど。

追記 (16/7/27)
 前回の板垣先生の巻末コメントは次の通りだった。
「俺のセンサーが一場所早かったンだな。優勝オメデトウ。横綱稀勢の里。」

 結果は、みなさん知っての通りです。
 いや、知らない人もいるでしょうが、無理に知って悲しい気持ちになる必要ありません。

 板垣先生が作者コメントで稀勢の里をほめると、負ける。
 そんな現象が二場所連続で起きた。
 偶然なんだろうけど、ちょっと気になってしまう。

 バキ世界に実在格闘家をモデルにした人が出てきてボコられると、モデルである実在格闘家にも不幸が起きる。
 そんな都市伝説がかつてありました。
 最近は実在格闘家があまり出てこないので、この現象も鳴りをひそめていたのだが……
 まさか、巻末作者コメントで発現したのか?

 K-1で活躍したピーター・アーツをモデルにしたロブ・ロビンソンは、最大トーナメント1回戦で敗退し、現実のアーツも調子を崩した。
 ところが、長い最大トーナメントが続いているうちに、アーツは復調し"沈まぬ太陽"なんて異名までつくほどだ。
 そうしたら、最大トーナメントが終わったあとの最凶死刑囚編でロブ・ロビンソンがドイルに倒される。
 で、なぜかアーツは調子を崩し、太陽が沈んでしまったワケだ。

 当時は、板垣先生の強大な妄想力が現実に影響しているのではないかとウワサになっていた。
 または読者のイメージも加わって、スーパー・リアルシャドー状態か。

 ただ、次のような説明を聞いて、納得しました。
 実在格闘家が活躍しているのにインスピレーションを受けて、漫画に登場させる。
 ただ、新キャラ投入にはタイミングもあるし、制作やストーリーの進み具合で現実との時間差が生まれてしまう。
 その結果、新キャラがボコられる頃には、対策を考えられたり加齢で体力落ちたりで下降期になっている。

 現実と漫画内の時間の進みかたによる違いが、このシンクロニシティーを生んでいるのだ。
 という説明は納得できるのだが、ちょっとだけ板垣先生の影響を感じてしまう。

 それは、それとして、稀勢の里に関してはボコったわけじゃないんで、純粋に偶然ですね。
 というか、木曜日ぐらいになると、横綱と戦うことになるので勝率が落ちるのは当たり前だ。
 稀勢の里については、来場所に期待して応援しましょう。

 板垣先生の妄想力が絶賛爆発中で、本当に現実に影響を与えたなら……
 古の剣豪や、太古の原始人が復活するかもしれない。
 それなら、ちょっと見てみたい。

週刊少年チャンピオン2016年34号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2016年34号


2016年7月28日(35号)
第4部 第119話「ここ」 (1098回)

 恐竜にも負けない頑強な肉体をもつ原人ピクルと、よみがえりし剣豪・宮本武蔵が激突だ!
 ちゃんと愛刀・無銘 金重を装備した武蔵は、ピクルを斬ることができるぞ。
 でも、肉や骨の厚いところは難しいので、角を狙いました。
 上手く切れない時はカドをねらう。生活に役立つ豆知識だ。
 やはり武蔵の技量は超一流ですな。

 掲示板で教えていただいたのですが、五輪書にも角を攻撃すると良いと書いてあるそうです。(五輪書 火之巻 17 角にさわる
 これは気がつきませんでした。情報ありがとうございます。
 前回感想でも書いたとおり、角への攻撃は力学的にも戦術的にも有効であり、武蔵も知っていたのだ。

 徳川光成、範馬刃牙、愚地独歩、渋川剛気、佐部京一郎らが流血する原人ピクルに衝撃をうける。
 だが、独歩と渋川さんは汗をながしていない。
 戦前生まれの古い武術家は度胸のすわりかたが違うのか?
 ……長期連載のせいで、戦前生まれだと年齢にムリが生じていますが、そこは流しましょう。

 「今現在の日本では並ぶ者なき剣法家」である佐部京一郎は武蔵の技術(わざ)に戦慄を受けた。(3巻 20話
 指や足首を狙い、切断する。
 竹刀ではなく、刃物だからこその技術(わざ)だ。

 刃物の扱いに関しては、やっぱ戦国時代の人に負けるよ。
 佐部も、現代人なのに けっこうヤっちゃっている人らしいが、武蔵にゃ勝てない。
 決まった動きをする約束組手の剣とはちがう。
 本物の剣術を見て独歩もかすかに汗を流してしまう。
 独歩は武蔵に斬られかけたから、それを思いだしたのかも。(5巻40話

 この会場内で、人を殺めた数ならトップであろう伝説の傭兵である超軍人ガイアのコメントも聞きたい。
 ガイアさん、でてきませんね。
 100m以上の射程距離で連射できる機関銃(マシンガン)を装備する現代の軍人にとって、日本刀は懐古主義の武士道ロマンにうつりそうなものだけど。
 でも、ガイアは武蔵にボロ負けしたので、意見を言いにくいんだろうな。112話
 銃を持っていたのに、剣の間合いに入ったガイアが甘い。

「なんたることか」
「狙った角」
「ことごとく」
「切り落としたハズが」
「深手を与えたのみ」


 武蔵は角を斬り落とす気で斬っていた!
 って、殺す気かよ!
 いや、もちろん最終的に斬り殺すのもやむなしという心構えでいたのは知っていた。
 だが最初から殺す気マンマンだったのか。

 ピクルと言う奇跡の存在を容赦なく斬殺する気だ。
 これは、主催者権限で試合を止めるべきだぞ。
 また死人が出る。
 死人が出てから泣いたって遅い。

 もう充分だ。日本刀の凄さも、武蔵の技量も充分にワカった。
 いまこそ、斬殺を見たいという快楽欲求をおさえて、人命を守る時だ!
 でも、止める気ないんだろうな。
 ここで止めたり、後で反省するぐらいなら、この戦い事態が成立していない。

 ピクルは大量の出血をしている。
 このまま待つだけで出血多量で戦闘不能になるだろう。
 だが、剣豪たる武蔵は、そんな不細工な決着じゃ納得いかない。

「左右か」
「上下か」
「前後か」
「花の一刀両断だ」


 狙いは一刀両断で断面図を大公開だ!
 武蔵はノリノリで武芸披露を行うつもりらしい。
 でも、現代人には刺激が強すぎるぞ。
 誰か、徳川さんを人質にとって試合中止の要求をだすんだ!

 だが、この状況でも刃牙はピクルの強さを信じている。
 恐竜と戦ってきた原始の肉体はかんたんに屈しない。
 刃牙の考えはワカるが、両断されなくても太い血管や神経、腱を斬られたらエラいことだぞ。

 剣豪・宮本武蔵には一刀両断の美学がある。
 いまさら峰打ちとかでゴマカしたりしないんだろうな。
 というか、木刀で撲殺と言う実績のある武蔵なら、峰打ちでも殺(や)れそうだけど。
 それどころか、武蔵にはピクルを斬る秘策があった。

(肉の宮が…)
(最大出力を発揮しようと)(する刹那…)
(する瞬間…)
(筋肉(にく)は……)(鋼の直前)(豆腐と化す…)


 武蔵が狙うのは筋肉(にく)が弱まる一瞬だ!
 弛緩と緊張が筋肉のちからを最大限に引き出すのなら、最大出力の直前に弛緩した状態になる。
 武蔵はそれを狙ったのか?
 それとも、かつて刃牙がジャック・ハンマーとの戦いで見破った、噛みつこうと口を開けた瞬間は歯を食いしばっていないので弱いという攻略だろうか?

 もしくは、武蔵はもっとも柔らかい場所をねらったのか?
 具体的に言うと、股間とか。
 動物も捕食するときは柔らかい性器周辺から行くって、チャンピオン漫画の豆知識にあったし。
 チンパンジーだって、群れ同士で争う時は一匹に多数で襲いかかり、手足を押さえたうえで股間に噛みつくとかやるらしいし。

 とにかく武蔵の刃が、なにかを斬った!
 武蔵の狙いは何だったのだろう。
 刃はどこを潜った?
 ピクルは生きのびることができるのか?
 次回につづく。


 武蔵は素手で戦ってもピクルを圧倒していた。
 頑丈だからトドメを刺すのが大変なので真剣を使ったが、負けたわけじゃない。
 勝者の余裕があるんだし、いきなりピクルを殺したりしないだろう。
 烈を斬殺したときも、なんども烈に生きのびるチャンスを与えて、最後に斬っていたし。
 そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。

 武士とは、日本刀とは、人を斬ってナンボのもん。
 って事なんだろうか。
 そりゃ、宮本武蔵が現代によみがえったら、自己実現や自分探しの方法は人斬りしかないだろうし。
 斬らずにはいられない。
 だから、斬殺させないためには、主催者の介入が必要だったんだけど。

 しかし、武蔵は愛刀・金重がもつ希代の切れ味を見せるハズだったのだが。(12巻 107話
 なんか武器に頼らず技量でカバーしているよな。
 技術もふくめて、希代の切れ味ってことなのか?

 そして、このまま行くと、確実にピクルが死ぬ。
 徳川さんに頼っても無駄だ。
 そうなると、やっぱり本部に頼るしかなんだよな
 ……とても不安だ。

 もう、頼る相手が本部しかいない。
 遭難して空腹になって荷物のなかに食べるものないか探したら、アメ玉が1個だけ出てきたような心細さである。
 バキ世界に出てきた戦士を紹介する記事「『刃牙道』最強グラップラー列伝」で、今週はサムワン海王だったときのような場違い感だ。
 なぜ、サムワンを出す。
 最強グラップラーの優先順位は、それで合っているのか?

 烈が斬られ、ピクルも斬られようとしている。
 黒い人ばっかりなのは、偶然だろうか?
 なんかのシンクロニシティーなら、本部の弟子・花田がヤバそうだ。
 あいつも黒いしマッチョだし、やられるのがスゴく似合う人になったし。
 この流れで、黒いやられ役としてサムワン海王を特集したんじゃないよね。

追記 (16/8/3)
 ピクルが大ピンチである。
 武蔵って、ヤるときには ヤる人だ。
 斬ると言ったら斬っちゃう人だもんな。
 ピクルの間に何かを入れてかわりに斬らせないとヤバい状況だ。

 板垣先生はあまりキャラを殺さないのだが、あっさり死ぬ場合もある。
 烈をヤっちゃうぐらいだから、ピクルだってヤるだろう。
 いや、烈もクローン技術の応用で復活と言う線はまだ残っているんですが。

 烈が敗北を受けいれず、死に至ったのは作者とキャラクターが格闘していたんじゃないかと思う。
 作品の要求とすれば、力量の差を見せることができれば良いので殺す必要はない。
 だが、烈海王と言うキャラクターは甘んじて敗北を受けいれるキャラじゃないのだ。

 板垣版・餓狼伝の藤巻十三が「藤巻性」を言いだして再逃亡しちゃったみたいな感じだ。(餓狼伝23巻 213話
 原作じゃ大人しく服役しているのに、整合性が取れなくなってしまった。
 藤巻十三というキャラクターは、原作通りに動くことを拒否しちゃったのだろう。
 おなじガングロ・ツンデレキャラの烈海王も、大人しく敗北することができなかったのかも。

 じゃあ、ピクルはどうだろう。
 ピクルも安い獲物を狩るぐらいなら飢え死にを選ぶ誇り高きハンターだ。
 自分が狩られる立場になってた、大人しく死を受けいれそうな気がする。
 相手を倒し、その肉を喰らうように、自分も死して喰われる覚悟があるのだろう。

 今のところ本部と克巳が姿を見せていない。
 ピクルを救出するには、この二人の暗躍に期待するしかなさそうだ。
 本部だけだと、パワーとスピードが足りない。
 克巳だけだと武器に対応できず斬られる。
 二人が力を合わせたらスゴい効果が生まれそうだ。

 克巳がマッハ突きの威力で本部を吹っ飛ばす!
 武蔵の刃よりも速く、本部マッハ以蔵がピクルの前に飛びだして、代わりに斬られる!

 この時のことを、のちに愚地克巳はこう語った。

「はい」「秘密裏に特訓しました」
「本部氏には刃を通さぬアラミド繊維の上着があります」
「これならば骨は折られようが、肉も切れない」

「当日、会場に入ってすぐに最初の誤算が生じました」
「武蔵に気取られず本部氏を飛ばすには観客が少なすぎた」
「幸いジャック・ハンマー氏が協力してくれました」
「巨体を盾にし、最後まで存在を隠せたんです」

 ズズ……(コーヒーすする音)

「あとは、ご存知の通りです」
「二つ目の誤算は武蔵の斬りかたでした」
「水平に斬られたので、ノーガードの首に入りました」
「次からは、アラミド繊維のマフラーも用意したほうが良いですね。ハハ……」

 ピクルの肉体以上に、本部の防御には穴が多いと思うんだ。
 手首とか足を狙われるかもしれないし。
 やはり、万全を期すため、本部はここでも待ち、か?

週刊少年チャンピオン2016年35号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2016年35号

2016年8月4日(36+37号)
第4部 第120話「斬り込む」 (1099回)

 現代によみがえった剣豪・宮本武蔵は愛刀・金重を使えば高層ビルだって斬り倒せると言う。(110話
 まさに戦国最強の矛である。

 たいするピクルは恐竜を常食とする原始人だ。
 ナニを言っているのかワカらんだろうが、迫力で感じろ!
 ティラノサウルスの噛みつきにも耐えた強靭な肉の宮は、原始最強の盾だ。

 最強の矛と盾がぶつかろうとしている。
 原人ピクルの肉の宮は武蔵の刃をはばめるのかッ!?

 武蔵にはピクル攻略の秘策があった。
 打撃の直前にもっとも弱い瞬間がある。
 死中に活あり、じゃなくて死の直前に活ありだ。
 弛緩と緊張の振り幅が打力の要、その弛緩した瞬間を狙う!

「最強の直前 最柔になる」
「ここ…ッッ」


 左肩から入った刃がピクルの背中に突き抜け、走ったッ!
 斬ったぞ。かなり致命的なヤツが入った。
 一拍おくれて大出血だ!
 見守る徳川光成・範馬刃牙・愚地独歩・郭海皇・渋川剛気・鎬昂昇・鎬紅葉・加藤清澄・末堂厚・佐部京一郎たちに電撃走る。
 予想されていたことだが、やはり斬られたか。

 刃牙・独歩・佐部は、これで決着と考えているようだ。
 この三人は武蔵と立ち合い敗れている。(3巻20話〜24話〜、5巻36話〜)
 その経験から、これ以上つづけると死が待っていると理解(わか)るのだろう。
 戦国時代の精神性をもつ武蔵は、斬る時には斬る 武士である。

 でも、渋川さんは無言だ。
 渋川さんも武蔵に敗北している。(9巻 73話〜)
 だが、上手い負けかたをしたので、面子や精神面へのダメージは少ない。
 渋川さんにしてみたら、真剣をもった武蔵と立ち合うこと事態が失敗に見えるのかも。

 医者である鎬紅葉は徳川さんに決着を進言する。
 紅葉は人体実験じみたことをやった過去があるけど、ちゃんと更生しているんだな。
 過剰ドーピングでジャックが暴走した時も中止を進言していたし。
 いつも、話を聞いてもらえないのが気の毒だけど。」

「決着を決定(きめ)るのは当事者2人のみ」
「ワシらはその決着した後 宣言するにすぎん」


 徳川、やっぱりゴネるッ!
 に試合を止めるのは主催者の仕事と書いた。
 戦士は納得いくまで戦いたいと言うだろう。
 だからこそ、憎まれようと嫌われようと、選手の無事を願うなら試合を止めるべきだ。

 あとで思いだしたのだが、試合中のダメージを判断するリングドクターも似たようなことをやっている。
 選手は続けたいと思っているが、選手の無事を考えるなら非常になり憎まれてもドクターストップをかけることが必要だ。(参考
 ドクターストップで負けた選手はしばらく医者を恨むのだが、数年後にあの時止めてくれてありがとうと言われた事もあるとか。
 選手の無事を願うなら、勇気ある決断をしてほしい。
 だが、徳川さんはピクルの死を受けいれる決断をすでにしちゃっているんだろうな。
 最悪だ。

 いっぽう武蔵も無事ではなかった。
 左肩の肉がえぐれている。
 ピクルが喰ったのだ。

「当たり前だ……」
「克巳館長を喰ったピクルだぜ」


 末堂がスゴむ。
 ピクルと戦った刃牙などはムサシよりも、ピクルに肩入れしているようだ。
 加藤と末堂は直接戦っていないが、克巳を通じてピクルを認めているのだろう。
 で、肝心の克巳館長はどこに居るんだろうか?
 ピクル救済計画をたてて、どこかに隠れていることを期待する。

 武蔵も無傷ではなかった。
 深く斬るため、武蔵も危険域に踏みこんだのだろう。
 肉を喰わせて、骨を断つ、だ!

 互いにダメージを受けたが戦闘意欲は高い。
 武蔵は首の両断を狙いピクルを挑発する。
 怒れるピクルはティラノサウルスに噛まれた古傷を浮かべ、関節を変形させていく。
 刃牙との死闘で見せた最終形態だッ!(範馬刃牙22巻 175話

 さすがの武蔵もチョットおどろいているぞ!
 良く考えれば武蔵が考え磨きあげてきた技術は人間向けのものだ。
 ピクルみたいな人外の怪物との戦闘は想定外である。
 もっとも、ふつうは考えないだろうけど。
 猛獣と戦う剣闘士か、妖怪と戦う能力者じゃないと、学んでも役立たないし。

 ピクルの異形は、武蔵の想定を超えるのか?
 というか、ピクルは あのダメージでどれだけ戦えるのだろう。
 武蔵の狙いはピクルの首だ。
 さすがに首は、1/4ぐらい斬られてもヤバいぞ。
 この状況のまま、夏休みで1週休みだ!
 次回につづく!


 ピクルは思ったより普通に斬られてしまった。
 本部の守護(まも)りは今回も不発かも。
 そして、ピクルの傷は深い。
 紅葉じゃないけど、今すぐ止血とかしないと死にそうだ。

 武蔵の斬撃は左肩から袈裟掛けに入っている。
 少なくとも鎖骨は斬られ、肋骨も何本か斬られているだろう。
 あと、肩甲骨も半分は斬れていそうだ。

 本部がいうところの出血が致命となる急所9つ(※)からは、さいわい外れている。
  (※ 頸動脈×2、上腕動脈×2、心臓、尺骨動脈×2、大腿動脈×2 G刃牙41巻 359話)
 だが、傷は肺に達しているかもしれない。
 これは緊急手術が必要だろう。
 野生動物はタフだから、内臓が飛びだしても走って逃げるらしいが、それって逃げられても死ぬよねって話だ。

 鎖骨が断たれているので、ピクルの左腕は使えないと思ったほうが良いだろう。
 四つんばいでタックルをかけるのがピクルの必殺技だが、片腕で使えるのか?
 最終形態になるのが遅かったかもしれない。

 肩甲骨へのダメージも気になる。
 武狭小説の世界では、肩甲骨に穴を空けられると再起不能になるらしい。
 そのように金庸の『連城訣』(AA)の巻末解説に書いてあった。
 実際に『連城訣』の主人公は、右手の指を全部切られ、無実の罪で投獄されて、肩甲骨に穴を空けられ、恋人は敵に寝取られて、心身ともに再起不能になる。
 だが修行したら普通に強くなって、話の流れでうっかり手で物をもったりしてしまう。
 ……肩甲骨重要説は、なんか信用できない。

 とにかくピクルがあぶない。
 今こそ本部を投入すべきところなのだが……
 あのオッサン、どこでなにしてるんだろ。
 警察官をなめたような喫煙スタイルをしたので、また説教されたあげく身体検査されて、当然ヤバい物を持ちすぎているので逮捕されたのかも。(115話
 で、警察官に顔のきく克巳が本部の解放のために奔走していたりして。
 つじつまはあうが、こういう展開は情けないのでカンベンしてほしい。

 あと、今回はジャック兄さん、ガイア、寂海王の姿も見えなかった。
 本部と縁の深いジャックとガイア、そして穏健派の寂海王が裏で動いていて欲しい。
 すべては、本部しだいなのが、難しそうだ。

 戦うまえはスローペースだったが、開始(はじ)まってしまうと展開が早い。
 次回で、ピクルが斬首されて決着なのか?

 それとも、本部が両者傷ついて弱ったところを漁夫の利で狙っていたりして。
 武蔵の肩にできた傷口に、金竜山からもらった塩をすりこむ奇襲攻撃だ!
 卑怯も武の内だ。卑怯とは言うまい。
 評判は落ちるだろうけど、いまさら評判を気にしなくても良いのが本部の強味なのだ。

追記 (16/8/17)
 映画の『シン・ゴジラ』を見たんですが、ゴジラの圧倒的な強さにビビった。
 板垣先生も『シン・ゴジラ』を見たら、巨大トカゲの強さを再認識して、ピクルもパワーアップで、武蔵に勝つ!
 ……みたいな事になるんじゃないかと期待しながら2週間がたちました。

 オリンピックも始まったのだが、刃牙道で小さくボルトが倒されていた影響が、現実に及ぶのを心配していた。
 なにしろ、7月には太もも裏のケガで棄権していたぐらいだし。
 がッ! ボルト3連覇オメデトウ!

 板垣先生が改めて、ボルトの強さに目をつけて、烈との試合を回想シーンでやったりして。
 そこで詳細にボコったりしたら、ちょっと心配だけど。
 もっとも、ボルトは引退すると言っているし、安心だ。
 さすが世界一速い男、逃げ足も世界一だせ!

 最近、ヒドい目にあった戦士としてジャックがいる。
 そういえばドーピングが問題になって参加できなくなった選手が大量にいたような……
 まさか、これも刃牙世界の妄想力が現実に影響を及ぼした影響だったりして。

 そこ行くと、武蔵は歴史上の人間だし、安心だ。
 そう安心していたんですけど、前にツイッター『これてさらに、武蔵の株が下がるような新発見が出たりしたらもう本物ですね!』という意見をいただきまして、シンクロニシティーの可能性に気がついて戦慄しました。
 武蔵の弟子が、息を吹き返した佐々木小次郎を集団でボコってトドメさしたという『沼田家記』が注目されたのも、わりと最近だしな。

 もうそろそろ、ピクルも大変な目にあいそうだ。
 でも、ピクルにいたっては架空の生物だしまったく心配なし!
 いや、まてよ。
 ピクルの最強を裏づけるのは、地球史上最大最強の陸棲肉食獣であるティラノサウルスを倒したという武勇伝だった。
 ジャック・ハンマーじゃないけど「デカいは強い」ってのが生物界のオキテだ!

 だが、最近はティラノサウルスより大型の陸棲肉食恐竜スピノサウルスがいたことがワカっている。
 ピクルよ、一回塩の中にもどって、スピノサウルスも倒しておこうか。
 いや、デカいだけじゃ、ダメな事だってあるし。
 ジャックとか、デカくなるたびに勝率落ちていそうだよね!

 新たな強敵を用意するだけでなく、かつてのラスボスの復権もお願いします。

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