刃牙道「61〜70話」感想

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2015年5月21日(25号)
第4部 第61話「擬態」 (1040回)

 宮本武蔵が、烈海王の顔面に青龍刀を押しつけている。
 斬れ、斬ってしまえと、烈がほえた!
 ヤクザ映画で、銃をつきつけられて、撃ってみろオラッ!と言っているようなものだ。

 宮本武蔵は戦国時代の人だし、斬るときは斬っちゃうぞ。
 でも、刀を押しつけた状態から斬るのって勢いがつかないから けっこう難しそうだ。
 寸勁のような技術をもっているのだろうか?
 できるのであれば、さすが剣豪といったところだ。
 とにかく、武蔵のゼロ距離斬撃が炸裂するッ!

 烈は刀の動きよりも速く、前方回転して斬撃をいなした!
 身体を羽毛のように軽く動かす、守りの消力(シャオリー)だ。
 そして、その軽やかな回転を、胴回し回転蹴りにつなげる!
 烈海王のカカトが武蔵の顔面にメリこんだ!

 武蔵が鼻血を出してダウンする。
 白目をむいているぞ。
 このダメージは深刻だ。
 いや、歯が折れていないッッ!
 ならば通常レベルのダウンだな。

 観客が、応援する愚地克巳が声をあげる。
 いままで冷たいことばかり言っていた本部も思わずほめてしまう。
 郭海皇と刃牙も驚愕している。

(刃牙さん…)
(あなたの五体に刻まれ 編み出されたあの構えが…)
(羽毛(はね)に――)
(重量感(おもさ)と刃(きれ)という―――
 矛盾を添えてくれた)


 烈は中国武術の技である「守りの消力(シャオリー)」と、刃牙の技「胴回し回転蹴りカウンター」を合体させたのだ。
 だから、みんながビックリしていた。
 思いつきにしては良くできた技だ。

 「守りの消力(シャオリー)」は防御としては良くできているかもしれないが、守っているだけじゃ勝てない。
 クラウゼヴィッツ曰く「戦闘は防御に始まり、攻撃で終わる。その逆は敗北である」だ。(名将たちの戦争学
 消力(シャオリー)を攻めに転じる方法もあるが、それだと防御と攻撃が分断されてしまう。
 防御から即座に反撃できるこのスタイルは、攻めの消力(シャオリー)よりも進化している。

 烈は武蔵対策で防御ばっかり練習していて、攻撃を考えていなかった。
 それじゃ、負けないかもしれないけど、勝てない。
 刃牙という異分子を入れることで、謎の化学反応を起こして裏返った感じだろうか。
 梢江ちゃんとSAGAることで、理不尽なパワーアップ! みたいなモンですよ。

 強烈な一撃を喰らった武蔵はピクピクと痙攣している。
 これはすぐに立てないダメージか?
 闘技場の砂の上で泳ぐような動きでもがいている。

 ……ちょっと、ダメージ受けすぎじゃね?
 武蔵は打ちどころが悪かったのだろうか?
 戦国時代なら追い討ちで10回は殺されているぞ。
 たとえ倒れたとしても、追い討ちに対応する構えを取ることができるハズだが……
 やっぱ、武蔵さんは油断しすぎですね。

 ほぼ勝負アリの状況だ。
 だが、烈はきっちりトドメを刺そうと考える。
 これが勝負である以上、決着はつけねばならない。

(貴殿(あなた)の武士道(みち)にも叶うはず)

 重傷のまま放置すると痛いし不名誉な姿をさらすから、トドメを刺して楽にしてやろうという武士の情けですな。
 死より名誉を重んじる。そういう戦士階級の精神性はわりと万国普遍っぽい。
 トドメを刺すべく、烈が飛ぶ!
 って、素手かよ!

 倒れている相手を攻撃するのは、けっこう難しい。
 総合格闘技でも一方が寝ちゃうと、膠着するときがある。
 こういう場合は武器をひろって投げつけるのが、イチバンの正解だ。
 素手のまま飛びかかる烈は、勝利を目前にして焦りがあったのかも。

(……ッッ)

 本部が深刻な表情をしている。
 その発言は、ダメのなのか、×(バツ)なのか。
 とにかく、烈の行動が良くなかったっぽい。
 そういうことは、もっと早くワカるように声に出していって欲しかった。

 ヒモッ!
 武蔵が、たすきに使用していた紐をほどき、烈の首にまきつけている。
 やられたフリをしていた。擬態だ!
 倒れた状態から、一気に動いた。
 ものスゴく元気じゃないか!

「武芸百般」
「縛法だ」


 烈がグルグルに縛られた!
 収納するときは、折りたたんでこんなにコンパクトに、って感じに丸めて縛られている。
 これなら100kgを超える烈でも押入れの隙間にしまえそうだ。
 夏物と冬物を入れ替える時期だけに、ピッタリな状態だよ。

 手も足も出ないダルマ状態のピンチだ。
 肉体的にもピンチだけど、精神面もヤバい。
 この格好はカッコ悪いぞッッッ!
 かなり笑える姿になってしまった。
 ものすごく恥さらしなポーズだ。

 まさに今こそ「武士の情け」を発動するタイミングかもしれない。
 これ以上、恥ずかしい目にあわせないであげて。
 写真の撮影はご遠慮ください!
 烈海王、栄光から恥辱への華麗なダイブで次回につづく。


 ついに本部の予言が的中した!
 武芸百般、縄だって使える!(5巻 44話
 武蔵と本部がグルなんじゃないかと疑いそうになるほど、的中したな。

 戦国〜江戸時代は、武士が犯罪者の捕縛をやることもあった。
 『葉隠』にも、捕縛を命じられて、段取りをしっかりやったというエピソードが載っている。
 だから縛るのはSM趣味とかでなく必要だからだ。
 烈の脱出は囚人リクの脱獄よりも難しいかも。

 武蔵は死んだフリの擬態で、だまし討ちをした。
 卑怯も武の内だから、いいんだけど、蹴りを喰らったのが痛い。
 受けなくても良い打撃を受けたのは事実だ。
 最初のうちは、けっこう本気でダメージうけてヘロヘロだったのかも。

 そして、タイトル『刃牙道』に通じそうな、『武士道(みち)』という概念が出てきた。
 勝利のためなら、擬態も辞さない、それが武蔵道だ。
 油断してダメージを受けても、うまくゴマカすのも武蔵道ですね。
 武蔵道は刃牙の生きかたに似ている。
 刃牙道も、武蔵道と同じ方向性なのか?

 いまのところ武蔵は烈を殺さないように戦っている感じがする。
 縛られた烈は恥ずかしさMAXだが、死ぬこと無いだろう。かなり恥ずかしいが。
 範馬勇次郎の闘争とは正反対の思想かもしれない。
 平和主義なところは、刃牙と気が会うかも。

 しかし、これだけ はずかしめられたら……
 烈の肉体は無事だけど、精神的に殺されたようなものだ。
 武蔵道は、ある意味じゃ殺すより残酷かもしれない。

追記 (15/5/27)
 先週のバキのおさらい「烈海王が宮本武蔵に縛られて変顔になった」
(※ エイプリルフールのネタじゃありません)

 相変わらず、ウソみたいな展開だ。
 縛られた烈は今度こそ終わりだろうか。
 宙を舞う羽毛が軽やかに刃をかわしても、濡れて地面に貼りついた羽毛ならたやすく斬ることができる。
 つまり、縛られたら消力が無効だろうな。

 でも、烈は刃牙と闘ったときに自ら首関節をはずしていた。
 その勢いで全身の関節をはずせば脱出も可能だッ!
 いや、全身の関節をはずしちゃった元に戻せず、戦闘不能だろうな。

 烈が脱出するにはどうすれば良いのか?
 チャームポイントの三つ編みに刃物でも仕込んであれば紐を切って脱出も可能なんだろうけど。
 いまの武蔵は肉体的には優しい攻撃しかしてこない。
 だが、精神的にキビしい攻撃を出している。
 烈海王ははずかし固めという屈辱に耐えられるのかッ!?


2015年5月28日(26号)
第4部 第62話「ザンッ」 (1041回)

 現代によみがえった宮本武蔵 vs 中国武術の雄・烈海王の戦いもクライマックスだ!
 武蔵の縛法により烈海王が縛られてしまった。
 後ろ手に縛られるとかの生優しいモノでなく、刑務所で刃牙がやられていたような超本格的な縛りである。
 一瞬で、このマニアックな縛り!
 たしかに高等技術のようだ。方向性はさておき。

 動けないので大ピンチなのは当然だ。
 しかし、肉体のキケン以上に精神面がヤバい。
 烈をかつて無いほどの恥辱が襲っている!
 この格好は恥ずかしいぞ!
 恥ずかしすぎて、恥死量に今すぐ達しそうだ。

「……ど…」
「堂々と不意打ちかましやがった……ッッ」
「武術の……」

「「武」の次元が違いすぎてる」


 克巳と本部が驚愕しまくりだ。
 顔に影が入り今までに無い深刻な顔になっている。
 深刻を通りこしてホラーの域にはいっているよ。

 いままで涼しい顔で見学しがちだった本部も汗だらだ。
 次元が違いすぎるって、アンタ……
 武蔵の武から、みんなを守護(まも)ってくれるンじゃなかったのか?
 また、読みを誤ったなッッ!
 これで何度目だよ。

 徳川さんも深刻な表情だが、汗の量が少ない。
 武蔵が倒されたフリからの不意打ちに対しては、油断した烈が悪いという見解だ。
 烈に対する同情が少ない分、汗も少なく、冷ややかに見ているのだろう。
 人を闘牛の牛ぐらいに見る心が無いと、地下闘技場の管理者はつとまらない!

 見学者のなかでも、渋川さんは冷静に見ている。
 逆にジャックは汗を流し、サングラスをはずした。
 紅葉に出番は無い。最近、姿を見ないが、昂昇から電話が来て席を外しているのだろうか?

 このなかでイチバン武人といえる人物が渋川さんだ。
 だからこそ、こういう場面も想定していて焦っていないのかも。
 ジャックはラフファイトの経験は多いのだろうが、戦っている時に縛られて屈辱プレイなんて想像していなかったのだろう。
 自分が同じ目にあうと想像したら……。そりゃ、汗も出る。

 刃牙と郭海皇のセコンド陣もお通夜のように暗い雰囲気になっている。
 郭海皇も武人なので、わりと冷徹な感じだ。
 刃牙は汗が軽めである。基本がマゾなので痛いとか恥ずかしいは、ご褒美みたいなモノなんだろうな。
 縛法による はずかし固めも刃牙には通用すまい。

「動けるまま動きを封じられる」
「動きを奪われるという…」
「"武"に生きる者ならば 決してあってはならない結末………ッッ」
「醜態も醜態……」
「敗北以下の敗北じゃ…ッッ」


 郭海皇の評価はキビしい。
 ガンバった努力を評価したい、とか言う甘い世界じゃないのだ。
 武の世界は努力しようとしまいと、負けたら死ぬ。
 最低でも負けない戦いをしない限り、今日を生き延びられない。

 その点、烈は敗北したかもしれないが、生きている。
 死んでないんだから、再起をはかることだってできるハズだ。
 などと、前向きに考えてもらえないか。

 「生きて虜囚の辱を受けず」ってのは日本の戦陣訓で有名な一節だ。
 中国でも事情はだいたい似ていて、生きたまま捕虜になると結構な恥辱になる。
 簡単に殺したり自殺する点では、中国人も日本の武士に負けず劣らずだ。
 むしろ変なバリエーションがある分、中国人の自殺はすごいのかもしれない。

 たとえば、変な自殺方法として『策馬赴敵(さくばふてき)』と言うのがある。
 明の曽国藩が、大敗したショックで実行しようとしたが部下に止められ失敗した例が有名だ。
 方法は、単騎で敵陣に突入して死ぬ! というモノである。
 勇ましいというか勢いだけと言うか、失敗して縛られて生け捕りにされたら恥辱の極っぽい。
 不確実で穴だらけのダメな方法である。
 こんなんでも『春秋左氏伝』をお手本にしているとか。(参考「中国の大盗賊」)
 ムチャで馬鹿っぽいのに2000年の伝統ってあたりが、馬鹿インパクトと知性シブイの矛盾を超えた芸となっている。いや、芸じゃないんだけど。

「叩ッ斬れ!!! 武蔵ッッ」

「思い上がるな 烈 海王」
「もはや貴様には」
「斬られる自由すらない」


 羞恥度が限界に達したのか、烈が自分を斬れと言いだした。
 だが、武蔵の返答は冷たい。否、冷たすぎる。
 ついに烈海王は涙を流すのだった。

 あ〜あ、泣かしちゃったよ!
 って、泣くのかよ、拳雄・烈海王がッッ!?
 これは精神崩壊しかねないダメージだ。
 キャンディーが欲しいと言いだしたり しないよね?

 武蔵は投げ捨てた名刀・國虎をひろって、ふたたび腰にさす。
 今度こそ、本当に斬る気か?
 と、まずは地に刺さっている中国の刀に斬りつける。
 刀がナナメに両断された。

 横に斬る場合とは切断距離がまるで違う。
 金属を縦方向に斬ることができるのかッ!?
 なんという、超絶 凄ワザ! だ。
 この切断力で、斬るのか!?

 武蔵は烈の背後に立つ。
 この位置は……、介錯のポジションか?
 いや、ちょっと角度が違うな。
 どこを、どう斬る気なのか……

 って、いきなり振ったッ!
 烈を縛っていた紐が斬れて、チャームポイントの三つ編みがバラける。
 そして、振り返った烈の正中線に閃光が走るのだった。
 斬ったのか、それとも殺気だけなのか?
 次回につづく。


 これは武蔵が斬らないフラグか?
 いままで、斬る斬ると言いながら全然斬っていないし。
 あらかじめ斬っておいた いわゆる青龍刀で殴りつけて気絶させるとか?

 けっきょく烈が修行した消力も、本部のみんなを守護(まも)る宣言も不発に終わったようだ。
 あと、武蔵の羽毛を斬る技も……
 そのかわり、予想もしない縄責めがあったりと、意外性に関しては充分だった。
 烈は、迫ってくる凶刃から逃れることができるのか?
 そして、今度こそ守りの消力をちゃんと発動できるのだろうか?

 烈の三つ編みがほどけるのは、かなりの緊急事態だ。
 ピクルに足を食われた時でさえほどけなかったのに。
 そう考えると、武蔵の潜在力は刃牙と同等かもしれない。
 いや、すでに武蔵は刃牙に勝っているんで、とっくに格上かも知れませんが。

追記 (15/6/3)
 ついに烈が斬られた、のかッ!?
 武蔵は斬る斬るサギというか、けっきょく今まで一度も斬っていない。
 殺すどころか、リアルに斬ったことも無いぞ。
 本当に人を斬るのだろうか?

 この辺の理由を作者の作家性に求めるのは邪道だけど、ちょっとだけ。
 バキ世界は名前つきの人がめったに殺されない世界だ。
 数回の出番がありながら殺されたのって江珠と夜叉猿ぐらいなんだよね。
 母と猿だけだ。……それが同列かよ。

 これが餓狼伝だと、原作との差が顕著に浮かび上がる。
 漫画版のオリジナルキャラクターであるサクラの死がそれだ。
 原作でサクラに相当するのは、リチャード・ダグラスという男である。
 巽は地下リングでリチャードと戦い、壮絶な死闘の果てに殺す。

 だが、漫画版のサクラは壮絶な死闘の果てに、トラウマを解消し、安らぎを得る。
 巽は試合の後日、サクラを母のもとに送るという名目で殺す。

 餓狼伝のグレート巽は真剣勝負という言葉に過剰に反応する男だった。
 その理由が、この地下リングで真剣勝負の果てに人を殺めた体験だ。
 殺し殺されるようなレベルの戦いを経験した巽にとって、真剣勝負は軽々しく口に出せる言葉じゃない。
 現在のグレート巽という人物が現在の姿であるためには、過去に真剣勝負で殺人を犯している必要がある。

 殺人経験と言う絶対条件がありながら、漫画版では試合で殺人ができなかったのだ。
 この展開が、日本人では珍しく殺人を意識せざるを得ない自衛官と言う職業経験が影響しているのか、肝炎による長期入院で(おそらく)自身の死を意識した影響なのかワカらない。

 とにかく、バキシリーズは暴力的な作品なんだけど、死の扱いが意外なほど重いのだ。
 だから、武蔵も簡単な理由で人を斬ったりしないだろう。
 武蔵をマジギレさせる人間が現れたとき、それが当てるのではなく斬る 時だ。
 だれが武蔵を怒らせるのだろう。
 武蔵に無礼なことをしそうな人物は、……やっぱ刃牙かな。
 それで良いのか、主人公。


2015年6月4日(27号)
第4部 第63話「死闘」 (1042回)

 よみがえりし宮本武蔵と中国武術・烈海王の死闘もついにクライマックスをむかえたッ!
 緊縛された烈海王を武蔵が刀で両断しようとする緊迫の展開だ。
 しばられてアホ面さらした時点で烈の負けだと思うんだけど、戦士というものは斬らないと決着つけられないのか?

 武蔵の一刀目は烈を拘束するヒモを斬る。
 ついでにチャームポイントである三つ編みをしばるヒモも斬った。
 三つ編みを斬りおとさずヒモだけって、すごく器用だな。精密動作性もAだ。
 そして、二刀目がッ!
 振りかえった烈の正中線に吸いこまれていくッ!

(刀剣(ほんみ)の一太刀に……)
(回転(まわ)って見せい!!!)


 武蔵の刀が烈を襲うッ!
 って、なんだ、この助命嘆願剣はッ!
 相手の無事を祈りながら斬っているのか?
 心と動作が矛盾した武蔵の攻撃を、烈はどう受ける!?

 消力(シャオリー)本番!!!

 烈が大回転した。
 超本気の真・消力(シャオリー)だ!
 って、61話で出したのは、本番じゃなかったのかよ。
 なぜ烈は出し惜しみをしていたのか?
 消力(シャオリー)と胴回し回転蹴りの合体技ははじめてだったので、練習したかったのかも。

 そして、今度は本番の胴回し回転蹴りだ!
 鋼鉄の義足が武蔵めがけてふりおろされる。
 だが、逆に斬り上げられたッ!
 烈の義足が切断されて、宙に飛ぶ!

 斬りおろした刀を上に跳ね上げる。
 この動きは、佐々木小次郎が使ったといわれる、燕返しか?
 若き日に戦った強敵の技を自分のものとしているようだ。
 ならば、烈が使った消力(シャオリー)もコピーできちゃうんだろうか?
 40年ぐらいかかるかもしれないが。

 烈は義足を斬られただけじゃなかった。
 顔面から血しぶきが飛ぶ。
 真っ二つにされたのかッ!?
 でも、致命傷はまぬがれた。
 いちおう消力(シャオリー)成功だ。

 しかし、郭海皇は失敗と思っていたようだ。
 サングラスを割りながら力説している。
 ふれてもいないのにサングラスを割るなんて……
 無傷じゃないってことは、攻撃を受けるたびにダメージを受けていって、いずれ死ぬ。
 そういう意味で敗れた発言だったのかも。

 刃牙・徳川さん・本部・克巳・渋川先生・ジャックは驚愕しすぎたのか、声も汗も出ていない。
 紅葉はどこだ?
 烈が出血した今こそ出番なのに。
 刃牙世界では刃物傷のあとが残りやすい。
 紅葉がきれいに治してあげないと、烈の顔面に立て筋一本が入ってしまうぞ。

 義足を斬られ、顔面にも筋がはいってしまった。
 それでも烈海王の闘志は消えていない。
 クラウチングスタートのように、両拳を地につけて構える。

「今一度」
「一太刀を」

 烈が戦闘続行を要望する。
 片足になったということは、跳躍力が半分に落ちたってコトだ。
 たりないぶんを両腕でカバーする気かもしれないが、不安がのこる。
 次の一太刀を烈海王は回避できるのか?
 次回へつづく。


 烈が無事に回避できて、一番ホッとしたのは武蔵だったりして。
 無事を願いながら斬りつけているし。
 烈の拘束をわざわざ解いたのは、殺したくなかったからだろうか?

 そもそも縛られた時点で勝負アリだったのに。
 開放されたとたん反撃するなんて、烈さんいさぎよくないぞ。
 でも、武術的にみればトドメも刺さずにヒモを外した武蔵が悪いって話になりそう。

 烈をしばるヒモを武蔵が斬ったのは、ワカる気がする。
 しばられて反撃できない相手を背後から斬るのは卑怯すぎて、武士的にNGだ。
 戦争中や、犯罪者の処罰ならともかく、多数の観客がいる中でヤるのは気まずい。

 武士が喧嘩をする場合でも、背後から斬りつけたりしないで、一声かけてから斬りつけるのがマナーだ。(葉隠 聞書十(63)など)
 無抵抗な相手を斬ったのでは、臆病者と言うそしりを受けかねない。
 武士らしい美意識でヒモを斬ったばかりに、試合が長引いてしまった。
 刀を使わず、そのへんの棒で釣り上げられた魚みたいにグッタリするまで殴ってからヒモを解いても良かったのに。

 この先、どんな決着をつける気なのか?
 武蔵の勝利プランはどんなのだ?
 烈は敗北フラグがビンビンに立っている気がするが、せめて一矢むくいることができるのか?

 前回武蔵が斬った、いわゆる青龍刀が出しっぱなしだ。
 とがった断面を上空に向けているのでキケン度が高そうで、怖い。
 武蔵はこれも計算に入れていたりして。
 烈がふたたび消力を使い大回転したとき、着地地点に青龍刀があれば……
 ……股間や尻付近に当たって刺さったら、烈海王でも二度目のマジ泣きしちゃいそう。

追記 (15/6/10)
 決着がつきそうで、なかなかつかない武蔵vs烈海王だ。
 縛られた時点で勝負アリだと思ったんだけどな。

 で、縛った烈をわざわざ一度解放して斬りかかる武蔵の心境ですが……
(刀剣(ほんみ)の一太刀に……)(回転(まわ)って見せい!!!)
 と言う武蔵の心の声は、烈が生きのこることを期待しているように私は感じました。

 掲示板での意見で、「やれるもんなら、やって見ろ」という意味ではないかと言う意見が多数よせられました。
 私は、自分の感じたままに書いているので、ああ言う解釈になりましたが、「やれるもんなら、やって見ろ」ってのもアリですね。
 その後の言葉とも一貫性が取れている。
 ただ、私は武蔵が本当のことを言わず、煙に巻いていると考えているので、前後の言動に一貫性が無くても誤魔化していると考えますが。

 ちなみに私は、武蔵の言葉を解釈する上で、声に出して聞かせる言葉(当サイトで「」として引用)と、独白する心の声(当サイトで()として引用)を分けて考えています。
 ()のセリフは基本的に本音をしゃべっている。(誤解やカン違いもある)
 「」のセリフは何らかのウソがあるかもしれない。
 もっとも、()なのか「」なのか、判断むずかしいセリフもあるのが悩みどころですが。

 やっぱり深みのある作品は、10人が読めば、10通りの解釈ができる。
 刃牙はハチャメチャなところも多いのですが、それだけに深読みできる作品です。
 私が掲示板等をなくさないのは、自分以外の解釈を読むことができるからです。

 前に本部の守護(まも)るは、『武蔵の武に現代の武が偽物扱いされないために守護るって話だぞ』という意見をいただいたときも、自分にない発想だったので、面白かったです。
 この解釈でいくと、本部が烈のピンチで、みょうに冷ややかな態度なのも説明できますね。

 私としては、本部が烈を守護(まも)りに行ったのに、話を聞いてもらえず背後から殴られて気絶させられた件が、かすかな恨みになって冷ややかな態度だと思いますが。


2015年6月11日(28号)
第4部 第64話「掴んでいる」 (1043回)

 現代に復活した宮本武蔵と中国武術・烈海王の死闘もクライマックスだッッッ!
 う〜ん、クライマックスだと言ったの何回目だろう。
 とにかく、クライマックスが続いているんだってばッ!
 今回はクライマックス中のクライマックスじゃ〜!

 互いにダメージを受けている。
 烈は顔を縦に斬られ、義足も斬られ、地面に叩きつけられたりと、普通なら三度負けるほどのダメージだ。
 もはや普通に立つこともできない。
 武蔵もダウンするほどのダメージを受けているのだが、まだ元気そう。
 審判がいたなら、勝負アリになっていたかも。

 満身創痍、五体不満足になっている烈海王だが、まだ諦めていないッ!
 両手片足を地につく姿は、クラウチングスタートの構えか?
 見かたを変えれば、土下座の構えに近いが、烈は中国人だから違うな。

(姿に…………)
("狙い"がそのまま)
(現れている)
(次の動作が 表面(おもて)に晒され――――――)
(意図が隠されていない)
(もはや"構え"ではない)


 武蔵に言わせると、これは構えじゃないらしい。
 投手が真ン中に直球投げる宣言をしているようなものか?
 烈はここから一直線にブツかってくる気だろう。
 ただ、ひたすら全力の最速で。

 来る、と理解(わか)っている攻撃は対処もたやすい。
 それが理解(わか)らぬ烈海王じゃないハズだが……
 なにか策があるのか?

 烈の姿に、なにか感じたのか、刃牙・郭海皇・渋川さん・本部が注視する。
 いちおう武の水準高い人が反応しているってコトか?
 やっぱ、無策に見えて高度な技を出そうとしているのかも。

 受ける武蔵は、ふと天井を見上げる。
 また、よそ見か。
 もっとも、スキを見せて誘いをかけるよそ見だろうけど。
 天井を見つつ、武蔵は思うのであった。

(そうか…………)
(残念だか 烈 海王…………)
(差し違えてやることは出来ぬ)


 差し違えるッ!?
 烈海王、まさか特攻かッ!
 単騎で敵陣に突入して死ぬ、策馬赴敵(さくばふてき)のような攻撃をしかける気だと!

 烈海王は無策・無防備に突撃する。
 防御も命も考えない、特攻の一撃だ。
 しかし、武蔵は無情に刀を振るう。
 撃ちだす烈の右拳を、刀が切り裂いた!

 握った右拳の中指部分から両断だ!
 指のあいだだから、骨が斬れずにノーカン、ではない。
 中指は完全に真っ二つだ。
 これは拳が破壊されている。
 治療したとしても、拳を握れるようになるのか?

(止!!?)
「ぬう!!?」
 生身で!!?
(鉄拳)(密度)(凄)(怖)
(硬)(握り固い)(鍛)(好)(偉い)

「掴んだぞ むさァし!!!」


 拳を斬り裂かれながら、武蔵の刀を止めた!
 肉を切らせて、否ッ 肉も骨も断たせて、刃を掴む。
 魔拳・烈海王が使う最後の秘策は、技ではなく、鍛えぬいた肉体そのものだったッッ!!
 これが烈海王流の真剣白刃取りだッ!

 大きな代償をはらって、武蔵の剣を止めた。
 だが、まだ遠い。
 日本刀の間合いに比べて、素手の間合いはかなり短い。
 ここから攻撃をどう当てるのか?
 蹴りですら、まだ遠いぞ。

 武蔵の身体が沈んだ。
 そして、流れるように烈の足元に体をよせる。
 烈のスネに肩を当てて、崩し、浮かせ、立ち上がりつつ右手で烈の身体を跳ね上げた。

 まるで渋川さんの柔術だッ!
 いやいやいや、達人渋川は相手の足元に体当たりして倒して見せたが、宙に跳ね上げたりしていない。
 しかも、相手は手負いとはいえ烈海王だ。
 柔の実力だけでも、達人渋川より上なのか?

 投げられた烈海王は、なんとか空中で体勢を立て直そうとする。
 だが、空中では移動自体ができない。
 つまり防御不能のキケンな状態だ。
 この好機をのがす武蔵ではない。
 武蔵さん、また当てるだけの斬撃でお願いしやす!

(君達は掴んでいる!!!)
(剣(やいば)なき この時代(とき)――――――)
(拳こそが 剣!!!)
(あっぱれ也 烈 海王ッッッ)


 烈海王が腹を斬り裂かれた。
 まるで切腹のような切り口である。
 幅・深さ・出血量、どれもかなりのモノだ。
 これは、いくらなんでも死ぬか?
 次回につづく。


 ついに武蔵が斬った!
 それも、拳を斬って、腹まで斬った。
 いままでの思いやりある攻撃はなんだったのかと言わんばかりの斬りっぷりだ。

 当てるだけとか、峰打ちとか、斬らずにすむ手段はあった。
 しかし、今度の武蔵は斬ることを選択している。
 捨て身の覚悟をみせて、実行までしちゃった烈海王に敬意をひょうし、真剣でこたえたのだろうか?
 烈が望んでいた形の決着とはいえ、あまりに無残な……

 腹には内臓がつまっている。
 刃が内臓にまで達していたら……
 助からないだろうな。
 即死はしないだろうが、助からないタイプのダメージになってしまいそうだ。

 観客席にいたはずの鎬紅葉が今日も見つからない。
 いまこそ紅葉の出番なのに。
 スーパードクターKUREHAなら、普通なら助からないダメージでもなんとかしてくれるハズだ。
 本当にどこ行ったんだろう。

 コミックス6巻を読んで思い出したのだが、50話ラストで武蔵は「斬り結ぶ歓喜(よろこ)びに一点の曇りなし!!!」と独白していた。
 烈との戦いで、手を抜いたり、油断しているように見えたのは、歓喜ゆえの遊びだったのかも。
 美味い料理を食うとき、時間をかけて咀嚼するように、烈との駆け引きを楽しんできたのかもしれない。
 そして、味わい尽くしたと感じたとき、料理を飲み込むかのように、斬ったのかも。

 烈海王ですら、武蔵にとって遊び相手だったって事だろうか。
 そうなると、次の対戦者が決まらないな。
 ジャック・ハンマーですら武蔵に勝てるかどうか、あやしい。

 そうなると、ついに範馬勇次郎の出番か?
 勇次郎は花山と接触したあとで行方がわからなくなっている。
 そのまま日本にいるとしたら、なぜ武蔵に興味を持っていないのか?
 今後の範馬勇次郎にも注意が必要だ。

 そして、本部だ。
 みんなを守護(まも)ってくれるんじゃなかったのか!?
 マシンガンを乱射しながら乱入してきてくれても良かったのに。
 やっぱ、解説ってのはコトが起きたあとにするものだから、解説者・本部以蔵も動きが後手に回ってしまうのかも。

追記 (15/6/17)
 烈が死んだッ!
 いや、まだ死んだと確定じゃないんだけど、死んでもおかしくないダメージを受けてしまった。
 前に書きましたが、板垣ワールドではけっこう人が死なないので烈も大丈夫だと思いたいが……

 烈が重傷だとして、観客の中で気になるのが鎬紅葉と本部以蔵だ。
 スパードクター紅葉がいれば、たいがいのダメージも安心である。
 しかし、ずっと姿を見せていない。
 途中で帰ったりしていないよな。

 そして、本部だ。
 仲間達(とも)を武蔵から守護(まも)る発言をした責任を取っていただきたい。
 つまり、武蔵がトドメを刺しにきたら、ちゃんと守護(まも)って欲しいのだ。
 武芸百般の中には戦場の医療術もはいっているだろう。
 すばやく烈を治療してくれても良いぞ。

 本部が上手く機能すれば紅葉は要らないって寸法だ。
 さらに本部が武蔵を倒せば、仲間達(とも)を守護(まも)ることができる。
 実際のところ、現在の本部がどれだけ強いのかが謎なんだよな。

 本部は、烈とほぼ互角の強さになっている。
 いったいナニが起きたら、こうなるのだろう。
 もしかして、この本部は範馬勇次郎が本部の生皮をかぶって偽装したニセ本部だったりして……
 それならば、勇次郎がぜんぜん出てこない理由も説明できるのだが。


2015年6月18日(29号)
第4部 第65話「次に…」 (1044回)

 現代によみがえった宮本武蔵がついに人を斬った
 斬られたのは中国武術の烈海王だ。
 上手いこと皮一枚だけ斬ったとか、そんな技を発動するとか無いのか?
 斬られた角度とか傷口の状況が、どうもダメな感じなんだけど……
 ギャグ漫画じゃないと死ぬ深さっぽいな。

 烈海王は斬られながらも、立っていた。
 うつろな目のまま意識は回想シーンへ飛ぶ。
 ……走馬灯じゃないよね?

 烈はヒゲ坊主の男と修行していた。
 ヒゲ坊主は師の劉海王に少し似ているが、はるかに若い。
 劉海王の子か孫だろうか?
 烈の姿は現在とほとんど変わっていないので、わりと最近のことを思い出しているようだ。

 烈は刃物で斬られたとしても、まだ戦えるんじゃないかと問う。
 中国武術は武器の使用が前提にあるので、武器に対する備えも大きい。
 こう言うことを言いだすあたり、烈は素手での戦闘にこだわりが強いのだろう。

「古来より拳法界にはびこる」
「刃物への盲目的な恐怖心」
「わたしは嫌います」
「首をハネられぬ限りは―――」
「反撃――― 逆転は十分に可能ッ」
「否! 必ず反撃してみせます」


 反撃するのかよ!
 シグルイだな。
 即死しない限り、戦うつもりだ。

 葉隠を題材にした小説『死ぬことと見つけたり』では、自分が死ぬところをリアルにシミュレーションして常に死ぬ覚悟を決める武士の姿をえがいているが、死にながら斬るシーンが何度か出てくる。
 烈もそういう心構えなのだろうか。

 日本人は相討ち、特攻など、死にながら戦うという美意識がある。
 戦働きでも最初に攻撃をしかけるため戦死の危険性が高い一番槍は評価が高い。
 一番槍でなおかつ最初の戦死ってケースも多いのだろうが、それはそれで評価されちゃう。

 中国だと、けっこう簡単に自殺をする。
 三国志では恥のため病になって死んだという話が多数あるのだが、それって自殺の婉曲な言い回しっぽい。
 そいう命を粗末にするわりに、相討ち狙いというケースにおぼえがない。
 この辺は日本と中国の文化が違うのかも。

 烈海王は日本人的な感覚をもっているようだ。
 浜崎あゆみの写真集を買った疑惑もあるし、日本文化が大好きなのかも。バキ14巻 121話
 鼻歌でドラえもんとか歌っちゃう人かもしれない。
 で、誰かに聞かれて恥ずかしさのあまり、拳で目撃者を闇に葬ろうとしちゃう。

 腹を斬られても、烈海王はまだ戦う気だ!
 いや、さすがに止めといたほうが良いんじゃないのか?
 これは病院直行コースでしょ。
 動いたら中身でちゃうよ。

 烈がヒザをついた。
 傷口を右手で押さえる。その右手も刀で半ば斬られていた。
 さすがに立っていられないのか。
 出血もひどい。これでもまだ戦うつもりなのか?

 見守る刃牙、郭海皇、徳川さん、本部の表情もキビしい。
 なぜか本部のコマが一番大きいんですけど。
 もしかしてだけど、これって本部が最重要人物ってことなの?
 ついに本部が動くのかッ!?

(これが"斬る"ということ)
("斬られる"ということか!!!)

(切り裂かれる臓腑……)
(切り離される背骨…
 どれもハッキリと感じた…)

(反撃どころではない………)
(立ち上がることすら… 遥かに遠い…)
(大きな収穫だ……………)
(次る………………………………………………


 ダメだ!
 中身出ちゃった!
 モツだよ。臓物こぼれたッ!
 いまどきの少年漫画では珍しい、真っ直ぐな内臓描写だ。
 烈海王、臓腑と血の海に沈みながら敗北す。

 安藤さんが夜叉猿にやられて、腸が飛びでたことがありましたが、今回はもっと酷い。
 オマケに背骨も斬られた。
 内臓が切れて漏れただけでも死亡確認なのに、背骨まで斬られていたのかよ。

 切腹は痛くて見た目も悪いし助からないけど、すぐ死なないってのが有名な話だ。
 松平外記が腹に脇差を突き立てたけどなかなか死ねなかった話は、前にした
 腹を刺しても死にきれず、飛び降りてもまだ死ねず、最後にノドを突いて死んでいる。
 切腹で死ぬのは大変なのだ。

 だが、切腹ですぐに死ぬ場合もあって、それは背骨に刃が届いたときだ。
 背骨には太い血管が通っているので、背骨を切断できれば出血多量ですぐに死ぬらしい。
 首の骨にもこの血管はつながっている。
 絞め技で頚動脈を圧迫しても、すぐに脳貧血を起こさない時があるが、それは骨の中の血管が酸素を脳に送っているからだ。
 そんな重要な血管も断たれたという。

 烈は内臓が飛び出しただけでも死亡確定なのに、背骨まで斬られた。
 これは、本当に死亡確定の大ダメージだ。
 もう助かる理由が見つからない。
 鎬紅葉でもスプーンを丸めて捨てるような状態だ。

 あまりの衝撃に観客たちも声を出せない。
 去ってゆく武蔵の足音だけが聞こえる。
 衝撃的な勝負アリ、であった。
 次回につづく。


 烈海王のダメージは想像以上だった。
 上手いこと内臓をよけて斬っている。さすが達人!
 ……みたいな展開を期待していたのに。
 背骨ごと両断していた。さすが達人! が正解かよ。
 完璧に殺す気で斬ってンじゃねェか。

 さすがにこれはスーパードクター紅葉でも治療不能だ。
 近代・西洋の医術じゃ治療不能ですよ。
 ならばどうするのか?
 古流・東洋の医術に頼るしかあるまい。
 ここで本部以蔵の入場です!
 いや、ダメだな。

 背骨を斬られたことは、首をハネられた事に近い。
 首をハネられて治せる医術なんてないだろう。
 あったとしたら、それはもう医術と言うより魔術・妖術・仙術のたぐいだ。
 さすがの本部も魔法は使えまい。

 奇跡が起きて烈が一命を取りとめても……
 背骨を斬られたから、下半身不随だろうな。
 今後は車イス生活だ。
 もっとも烈なら、車イスを利用したオリジナル武術を完成させちゃいそうだけど。

 ついに本気の刃を見せた宮本武蔵であった。
 今後、武蔵に挑戦するものは出てくるのだろうか?
 武蔵と戦うということは、斬られる覚悟が必要だ。
 刃牙に、ジャックに、克巳に、渋川さんに、その覚悟があるのか?
 本部は勝つ気でいるっぽいから、覚悟の必要ないな。

追記 (15/6/24)
 モツが出たらそこで死亡確定ですよ。
 そんな状態の烈海王だ。
 こんどこそ死んだかな……

 死亡関連に関して、メールとblogコメントで情報をいただきました。

 メールでは、麻酔科の医師をしている方から情報をいただきました。
 スゲェ、プロだ!
 今後も身を引き締めて書かないと。

@背骨の血管について
基本的に骨というものは造血組織(血を作る組織)の為、破損すると出血多量に成る可能性はあります。外傷による骨盤骨折で出血多量となり死亡する方は多くいらっしゃいます。作った血液を外に出すための”血管”はありますが、いわゆる毛細血管に等しいものです。少なくとも、”太い血管”はありません。背骨を1本切断して死につながる出血を来すかどうかは、不明です。
”絞め技で頚動脈を圧迫しても、すぐに脳 貧血を起こさない時があるが、それは骨の中の血管が酸素を脳に送っているからだ。”の下りについてですが、骨の中の血管ではなくおそらく頚椎の横を走行している”椎骨動脈”が脳に酸素を送っている、という意味かと思います。(見ようによっては”背骨の中”と言えなくもないですが…)

”切腹ですぐに死ぬ場合もあって、それは背骨に刃が届いたときだ。”
↑これに関して言えば、おそらく”背骨に届く程深く刃物を刺している”=”それより腹側にある腹部大動脈や下大静脈”を損傷するからだと思います。

A脊椎切断と下半身不随について
若干屁理屈にもなってしまいますが、背骨が切断されても脊髄が損傷してなければ下半身不随にはなり ません。基本的には。。。
脊椎が骨折しても下半身不随にならない方は大勢いらっしゃいます。ただ、脊髄に酸素・栄養を送る動脈を傷つけていれば下半身不随になる可能性はあります。

@、Aを考慮しても、残念ながら普通はあそこまで斬られたら死亡ですが。。。内臓もズタズタでしょうし。
でもバキワールドなら回復しちゃうかもしれませんね。
 @の背骨の血管については、私の憶え違いが原因でした。
 首の動脈については、椎骨動脈のことを書きたかったのですが、かなり雑に書いてしまいました。

 切腹と椎骨動脈の情報元は『完全自殺マニュアル』なのですが、引越ししてからずっと段ボール箱の中で眠っているため、情報元を確認せずに書いてしまいました。
 ここは曖昧なままにせず、もうすこし情報の精度を上げてから書くべきでした。

 Aの脊髄は、私の知識不足で背骨と脊椎と脊髄を混同していました。
 しかし、作中の描写からすると、そのあと立っていられたのが不思議なぐらい、満遍なくすっぱり斬られていますね。
 ちょっと謎なのが、イメージでは背中側を斬られているように見えるのに、実際は腹が斬れているというところですが。
 イメージと現実は違っていて、腹を斬られていて背骨周辺はセーフだったのかも。
 なにしろ、しばらく立っていたし。


 頚動脈の圧迫で失神するという点に関しては、blogコメントで情報をいただきました。
頸動脈には動脈内の圧を感知する頸動脈洞という場所がある、絞め技でうまく頸部を絞めるとこの頸動脈洞が圧迫される、そうすると血圧が上がったと感知するため血圧を下げるように反射が起こる、徐脈になり血圧が下がり脳幹血流が下がり失神する
頸動脈洞反射と言われるがほかの迷走神経を介する反射で血圧低下起こし失神する現象とひっくるめて迷走神経反射とも言う
 迷走神経反射で失神するというのは、不勉強で知りませんでした。
 絞め技にも複雑な人体反応があるんですね。

 なお、椎骨動脈の話がでたのは『完全自殺マニュアル』に、首吊り自殺では、首が斜め上に引っ張られることで頚動脈と同時に椎骨動脈も止まり、苦痛もなくほぼ一瞬で意識を失うと情報があったためです。
 座ったままや、寝た状態でも、首を吊ればじゅうぶん死ぬことができるらしい。

 自殺の話はさておき、絞め技でも斜め上への力を意識することでより強力に進化できるかも。
 格闘技はまだまだ進化の余地がある分野ですね。

 かといって、内臓がブツ切りにされて無事にすむような進化は無理だろうな……


2015年6月25日(30号)
第4部 第66話「間違っていた」 (1045回)

 格闘の聖地・地下闘技場において、初となる武器解禁の試合に決着がついたッ!
 勝者は現代によみがえった剣豪・宮本武蔵だ。
 敗者の烈海王は腹を斬られ内臓を撒き散らして倒れふす。

 壮絶な決着に観客たちは声も出ない。
 武器アリのルールと言う時点で想像しうる事態だった。
 しかし、この結末は想像できなかったようだ。

 他人事でなく、私も想像していなかった。
 武蔵の技量なら、烈を優しく倒してくれると期待していたのだ。
 都合のいいことばかり考えて、最悪の事態を考えないようにしていたのかも。

『恥じているのだ』
『"生命(いのち)のやり取り"の現場に居ながら』
『無関係を確保していられる』
『そんな自分を!』


 地下闘技場の観客は、選手が破壊される姿を楽しみすぎだと思っていた。
 惨劇を見て目がさめたようだ。
 物事を娯楽として消費すると、見えないだけで なんらかの罪が生み出されるのだろう。
 これも他人事でない問題だよな。

 観客が沈みこんでいる。
 娯楽ではなく、ひとりの人間が命をかけた闘争の重みを感じているのだろう。
 こりゃ『鮫島、最後の十五日』なみの重さだよ。

 本来なら勝者の姿に観客は熱狂し、賞賛する。
 とくに刃牙の試合では観客が盛りあがることが多い。
 だが、宮本武蔵には歓声も拍手もなかった。
 武蔵が控え室に戻ろうとすると、避けるように観客が逃げだす。
 まだ帯刀したままだしね。

『迷いなし』
『躊躇(ためら)いなし』
『そして支持はなし……』
『それでも尚』
『天下無双也 宮本武蔵』


 なんか剣豪・宮本武蔵の人生を見た気がする。
 剣士としての宮本武蔵は、おそらく当時の最高水準にあっただろう。
 日本最強のひとりだ。
 しかし、柳生新陰流のように有名になり門下生もたくさん、という人生じゃなかった。

 最強の自負がありながら、名声が実力に見合わない。
 宮本武蔵は、天下無双だが、孤独だったのかも。
 そもそも、流派があまり流行ると、技の秘密が漏れて研究される確率が高くなり、流派自体が弱体化する恐れもある。
 最強であるためには、秘密保持のために孤独である必要があるのかも。

 範馬勇次郎も強すぎるゆえの孤独をもっている。
 しかし、武蔵の孤独はより陰性なイメージだ。
 武器を使用して、人を斬るという行為が、陰を生むのかもしれない。
 勇次郎もかなりの人間を殺しているんだけど、妙に明るいんだよな。


 控え室で、徳川さん、刃牙、本部、克巳、渋川さん、郭海皇が烈をかこんでいる。
 鎬紅葉はどうしたッ!?
 今こそスーパードクターが必要なんだぞ。
 会場にいたの、紅葉だよな。アレから姿を見ていないけど。(6巻 50話

 縦に斬られた顔面の傷も、包帯が巻かれた腹の傷も、出血量がほとんどない。
 心臓が停止すると血流も止まるので、出血もほぼ止まるという。
 烈のこの状態は……

「儂は」
「間違っていたのかのォ」

「馬鹿な」
「比武(試合) 武器の使用」
「いずれも烈 自身が希望(のぞ)んだもの」
「徳川さん」
「仮に「貴方は間違っていた」と私が言ったなら」
「烈(こいつ)はハネ起きて 私に噛み付くでしょう」

「ならば……」
「言うてくれ……」
「徳川は間違っていた……………と」


 烈が起き上がってくれるなら、いくらでも責めてくれ。
 徳川さんは涙を流すのだった。
 逆に戦士たちは涙を見せない。
 これは戦う側と 見る側における、覚悟の差だろうか。

 桜庭和志シウバと初めて戦い負けたあと、次のようなコラムを読んだことがある。

 当時の桜庭は高熱を出して体調を崩していたという。そんな状態で試合をさせるのは論外だ。選手というものは「やれます」「戦います」と言うものだ。だからこそ、ドクターや運営側が止めなくてはならない。

 「やれます」「戦います」という選手に対して、止めることが運営の仕事なのかもしれない。
 烈海王は武器アリで戦うというだろう。
 そこであえて、止める覚悟をすることが運営者に必要な責任だったのかも。
 いま思えば本部が、同じようなことを言っていたんだよな。(5巻 44話

 その本部は、けっきょく烈を守護(まも)れなかった。
 烈のほうで本部の助けを拒否したんだけどね。(6巻 49話
 本部を背後から殴って気絶させたこと、いま後悔しているんだろうか?

 しかし、本部だってもっとワカりやすい説明をすれば良かったのに。
 なんか助けるふりして挑発していたような。
 本部は、まだ皆を守護(まも)るつもりなのか?
 今度こそ機関銃(マシンガン)を用意しそうだ。


 徳川邸で徳川さんは武蔵と向きあっていた。
 試合内容は武蔵の楽勝だと徳川さんは見ている。
 武蔵は顔面をこれだけ負傷したので、楽勝じゃないと言う。

 たしかに油断したのか、クリーンヒットもいくつがあった。
 しかし全体的に見れば、武蔵の圧勝だったと言えるだろう。
 武蔵はプライドが高いのか、徳川さん子飼いの戦士・烈をもちあげているのか?
 とにかく武蔵の言葉は虚実が入り混じり、真意がつかめない。

「烈海王はどうじゃった」

「「関ヶ原」なみ………………」
「―――と言ったところかの」


 また、わかりにくい。
 関ヶ原の合戦は当時の合戦としては史上最大級の規模だった。
 つまり、武蔵にとって史上最大級の勝負だったということだろうか?

 また、関ヶ原の合戦といえば、小早川秀秋などが裏切りをしたことでも有名だ。
 大げさに言えば、戦う前から勝負は決まっていた。
 武蔵も、戦う前から勝つとワカりきっていたと言いたいのかも。

 それとも、武蔵は烈陣営にも裏切り者がいたとか?
 裏切り者がいるのなら、それは……?
 「関ヶ原」の真意については、次回のお楽しみだ。


 烈が死んで、あとに続く人間などいるのだろうか?
 烈をかこんだ人間が、ひとまずの候補だろう。
 克巳あたりが突撃しそうな気もするが……

 武器術という点では超軍人ガイアが活躍しそうなんだけど。
 ナイフや剣だって使えそうだし。
 烈がハードル上げちゃったから、いまさら素手限定の勝負でお願いしますとは言いにくいんだろうな。

 それと、武蔵は戦国時代を体験している唯一無二の人物だ。
 当時と現代では、「関ヶ原」の意味が違っているのかもしれない。
 徳川さんも武蔵を戦わせてばかりいないで、戦国時代の専門家を呼んで武蔵の知識を収集すればいいのに。
 やっぱ、徳川さんは武蔵の使い方を間違えているッッッ!

追記 (15/7/1)
 う〜ん、烈が死んでしまった。
 名のある人が めったに死なないのが刃牙世界だと思っていたので、かなりショックだ。
 鎬紅葉は、なにをやっているんだか。
 医者の仕事はどーした!

 掲示板やTwitter、メールなどを見ている限り、烈をクローンでよみがえらせるという展開を期待している人が多い。
 でも、それやっちゃうと今度こそ世界観のバランスが崩れそう。
 どんどん死んで次々生まれ変わるような展開になってしまいそうだ。
 もっとも徳川さんの資金にも限度があるだろう。

 武蔵のクローン研究所はどれぐらい応用が効いて、どのていどの生産性があるのだろうか。
 常識的に考えたらクローンは失敗する確率が高いので、受精卵を多く作って成功したのを育てていくのだろう。
 武蔵だけに634体ぐらいのクローン武蔵がいるのかも。
 もっとも、そのうち630ぐらいは失敗しているかもしれないが。

 いまから烈クローンを生産する余力があるのだろうか?
 あまり期待しないでおいたほうが良さそうだ。

 次回は、武蔵の言う「関ヶ原」についての話になるのだろう。
 当時の人の話が聞けるのはスゴいことなんだけどな。
 毒手の日本伝来や、侠客立ちの歴史故事などを知る 歴史に強い板垣先生のことだから、烈のことを忘れてしまうような、スゴい歴史秘話を披露してくれるかもしれない。


2015年7月2日(31号)
第4部 第67話「関ヶ原」 (1046回)

 現代によみがえった宮本武蔵は やはり強かった。
 武器ありルールで烈海王を斬る。
 烈海王は武蔵にとって、どの程度の相手だったのか?
 武蔵は 関ヶ原なみ と言う。
 その真意はッ!?

 いきなり回想である。
 場所は天下分け目の決戦・関ヶ原だッ!
 17歳の宮本武蔵は雑兵として参加していた。
 カブトをつけず、肩当てもない、腹当と思われる簡素な鎧をつけている。

 武器も刀だけだ。
 しかし、武蔵は強い!
 槍ごと敵を斬り、刀を斬り、殴り、踏みつける!
 戦場のトータルファイティングだな。
 のちの二刀流につながる片手斬りで無双の働きをしている

 つうか、殴るのか。
 拳による打撃は琉球唐手の技であり、古流柔術だとあまり使わない。
 鎧やカブトを殴った場合、拳のほうがダメージ大きいだろうし。
 片手斬りで開いた手を武器にするという発想で武蔵は打撃もするようになったのだろうか?

 だが、戦場では槍や刀だけが相手じゃない。
 弓矢・鉄砲までもが襲ってくる。
 矢に腕を射抜かれ、足を槍で貫通されても、宮本武蔵の闘志は衰えなかった。

 それが武蔵の関ヶ原体験らしい。
 すごい重傷だな。
 昔は良い薬がなかったので、負傷して膿んだりすると、わりとポックリ行ってしまう。
 武蔵の負傷具合なら前線から離脱しても怒られないダメージだと考えられる。

 周囲に味方なく、武蔵は単独で戦っているようだ。
 功にあせって単騎突入しちゃったのだろうか?
 17歳だけに若気のいたりですな。
 周囲の旗が数種類入り乱れている。
 一箇所にコレだけ複数の旗があるのはおかしい気がするが、戦場で混乱していた武蔵が見た幻覚かもしれない。


 回想は武蔵の脳内で起きているので、徳川さんに伝わらない。
 たとえ映像が伝わっても、「関ヶ原なみ」という意味が良くわからないぞ。
 この辺が剣豪の処世術なのだろう。
 難しいことをワカりやすく言ったのでは、ありがたみが少ない。
 簡単なことを抽象的に伝わりにくく言うことで、なんか良くワカらんがスゴそうだと思わせるのだ!

 やっぱり徳川さんには伝わらなかったようで、解説をお願いされた。
 さらに説明を重ねることで精神的優位に立つことが狙いだろうか。
 宮本武蔵、闘技場の外でも剣豪だッ!

「上下――――――」
「前後――――――」
「左右――――――」
「一瞬たりとて油断は許されぬ」
「太刀」「槍」「弓矢」「薙刀」
「果ては鉄砲に至るまで」
「何が 誰が飛び出すやら まるで分からん」
「ふふ………… それはそれで面白くもあるのだが……」
「当時の俺にとって関ヶ原とは」
「そういう場所だった」

 最初からそう言ってくれれば良かったのに。
 「俺にとっての関ヶ原みたいな感じ」って、人に伝える気ゼロだよね。
 個人の体験・感想のタイトルだけ言っても通じないって。

 武蔵は「一瞬たりとて油断は許されぬ」と言っているが、回想シーンで油断して矢に射られ、槍に刺されている。
 これは油断してヒドい目にあった反省の言葉なのだろうか?
 戦場で油断するな! 俺みたいになるぞ!

 武蔵は烈と戦っているときも油断して直撃喰らったときがあった。
 どうも油断するクセは治らなかったようだ。
 刃牙も同じなのだが、肉体的に強いと油断して攻撃うけても、あとで挽回できるから反省せずに油断したまま成長するのかも。

 とにかく、烈海王は鍛錬に裏づけされた実力と、予想できない発想力と、戦士としての豪胆さがあった。
 そんな烈に惚れつつも畏怖(おそ)れた。
 武蔵の賛辞に徳川さんは烈も自分も救われたと言う。

 簡潔に言えるのなら、最初から言って欲しかった。
 そもそも、あんまり関ヶ原と関係ないよね?
 この回りくどさが剣豪の処世術なのだろう。

 烈をほめられて気を良くした徳川さんは、佐々木某と烈を比べたらどうだと、問う。
 早くもいつもの徳川さんに戻っている!
 しょせん俺らは大の大人を二人並べて、さぁ どっちが強いんだ? ってのをやりたいのだ。

 問われた武蔵はしばらく考えこむ。
 こうやって長考したあとの武蔵発言はちょっとダマしが入っている気がしてならない。
 剣豪として気配の読みあいをやっているようなモノか。
 武蔵はどんな回答をするのだろう。
 次回につづく。


 この武蔵は関ヶ原の合戦に参加していたようだ。
 このへんは諸説あるので、なにが正しいのかよくワカらん。
 バガボンドでも関ヶ原の合戦に参加しているし、一般的な理解だと参加しているのだろう。

 16歳の範馬勇次郎はベトナム戦争に参加している。しかも、素手で。
 武蔵よりも派手な活躍だ。
 16歳の時点(武蔵17歳は数え年だろうから、満年齢なら15〜16歳)では勇次郎のほうがはるかに強そうだ。

 もっともベトナム戦争では、防具がほとんどない。
 銃器の発達により重い防具をつけても貫通されるので、身軽になって回避を優先する発想になっている。
 なので素手の攻撃でも効果が高かったのだろう。
 でも、普通なら銃相手に素手じゃ勝てないけど。

 戦場体験で強くなったという点で武蔵と勇次郎は共通している。
 そうなると、武蔵に対抗できるのは超軍人ガイアだろうか?
 あと、さすがの武蔵も鉄砲は恐れているようだ。
 ならば機関銃(マシンガン)を装備した本部なら勝てる! ……かも。

追記 (15/7/8)
 武蔵の養子・伊織が立てた小倉碑文には、兵術の達人・岩流と戦い勝ったとだけある。
 二天記のもとになった『武公伝』では、岩流小次郎と戦ったとあるらしい。
 つまり佐々木小次郎という名前は後世が生み出した名前である可能性が高い。
 武蔵が考え込んでいるのは、聞き覚えのない名前という可能性もある。
 次回「佐々木って誰?」の巻だったりして。

 掲示板で、30代の武蔵をクローンで作ったのだから、30代の魂が入って、佐々木小次郎を知る前じゃないのかという意見があった。
 これって心身二元論的な考えなのかも。
 私は二元論を否定気味なので、こういう発想が出てこなかった。
 だから、新鮮なアイデアだ。

 脳の一元論で考えると次のような話になる。
 人間の精神活動が100%脳によるものだと考えると、クローン武蔵に戦国時代の記憶などない。
 剣豪・宮本武蔵としての期待をされた優れた肉体が、無意識に武蔵を演じているのだろう。

 心(魂)の一元論で考えると次のような話になる。
 人間の精神活動が100%魂によるものだと考えると、戦国時代の武蔵を降霊術で呼んできたのだから、ホンモノの宮本武蔵だ。
 魂は一つなのだから、中身は剣の奥義を極めた老成した武蔵だ。
 ただ、若い肉体に入っているので気持ちも若くなっているかもしれない。
 脳の一元論と、心の一元論は表裏一体みたいなもので、意外と良く似ているのだ。

 心身二元論的では、精神活動はどこまでが脳でどこまでが心なのかと考えることが良くないとしているとか。(脳の中の「私」はなぜ見つからないのか?
 そういう考えは、問題から逃げているようで、私の好みじゃない。

 ただ、30代の武蔵の精神と言う意見をみると、そういう考えは心身二元論的なのかもと。
 なんでもかんでも、割り切って定義できない部分はあるし、それが人間だって感じで。

 この武蔵はどういう理屈で動いているのか?
 バキ世界は歴史の資料性にこだわったりしないだろうから、ちゃんと佐々木小次郎を知っているだろうけど。
 佐々木小次郎はどれだけ強いのか?
 でも、最後のほうに戦った相手ってだけで、佐々木小次郎が本当に強いのかもナゾなんだよな。


2015年7月9日(32号)
第4部 第68話「佐々木某(なにがし)」 (1047回)

 現代によみがえった剣豪・宮本武蔵が烈海王を倒した。
 やっぱり武蔵は強かったのだが、烈だって強かったよね?
 そんな感じで戦後の検証中である。

 徳川さんは烈海王は佐々木小次郎と比べてどうだったか武蔵に質問する。
 ミッちゃん、実に楽しそう。
 烈が死んだ(推定)というのに、やっぱ徳川さんは根っからの死闘マニアだな。

 武蔵は黙ったまま なにやら考えこんでいる。
 烈海王は、かの天才美剣士・佐々木小次郎と比較になるほどの実力があったのだ。
 徳川さん大興奮しとる。
 だが、その烈海王は斬られて死んだ。
 もう烈の蛮勇を見ることもできないというのに。

 反省しているようでも、この切り替えの早さが、魔性徳川の血筋なんだろうか。
 地下闘技場は徳川さんが主催者をしている限り安泰ですね。良くも悪くも。
 武蔵の次なるエモノもすぐに用意するんだろうな。
 やっぱり、公開切腹エンドで、また泣いて反省して、寝て起きたら忘れるパターンだろう。

 で、武蔵が考えこんでいたのは、佐々木小次郎を忘れていたからでした。
 思い出してみると、特別に強くも弱くもなく、普通だ!
 普通かよ! 並みか! 松竹梅でいえば竹だよ!

 でも、佐々木小次郎が武蔵にとって最大の強敵ってのは、吉川英治の小説の影響が大きい。
 実在の佐々木小次郎に相当する人物は強いのか若いのかわからないし、名前すら定かではないのだ。
 刃牙道の武蔵から見たら普通ですか。
 変な技とか武器を使わなかったら印象に残らないかもしれないしな。

 なお烈海王は、普通の強さを超えている。
 武蔵が合戦に喩えるほどの戦力だ。
 一国の軍隊に匹敵する戦闘力といわれる範馬勇次郎に近い評価だな。
 烈は死ぬ最後の瞬間に、範馬勇次郎の領域まで手が届いていたのかもしれない。
 もっとも現代と戦国時代の軍では装備が全然違うけど。
 機関銃と充分な弾薬があれば戦国時代で無双プレイできそう。

「おぬしの紹介した3名」
「奴らは皆 普通ではない」
「かの戦国の世にあっても」
「そこそこ名を成したであろう


 範馬刃牙・愚地独歩・烈海王、彼らは武蔵にとっても特上の相手だったようだ。
 いちおう佐部京一郎の顔も出ている。(3巻 20話
 誰得のサービスだよ。
 それとも何か意味があるのか?
 武蔵の実力にまいって、弟子入りしたのかも。

 刃牙たち三人を普通ではないと持ちあげつつ、そこそこ名を成したと落とす。
 これは自分への自虐だろうか?
 天下無双の自負はあるが、当時の宮本武蔵はそこそこ名を成した程度だったのだろう。

 流派をおこし、大量の門下生を抱えてこそ、立派に名をなすというものだ。
 そこ行くと兵法者の頂点は将軍家兵法指南役となった柳生宗矩ろう。
 戦国時代は、個人の強さだけで戦争に勝てない時代になっているのだ。

 そして、武蔵はつぎの普通ではない相手を所望する。
 現代において宮本武蔵の知名度はバツグンだ。
 誰もが宮本武蔵を知っている。
 だから知名度を上げることを気にせず、思う存分に無双の強さを見せたいのかも。
 こんな世に呼びだされて気の毒に思ったこともあったが、武蔵にとって夢のような環境だったりして。


 そのころ、範馬刃牙は本部以蔵の道場を訪問していた。
 本部以蔵かッ!
 まだまだ本部のターンだ。
 なんだろう、この本部押し展開は……
 上げて落とす気かもしれないが、本部の実力を考えるとあまりに高く上げすぎている。
 落ちたら死ぬ高さだよ。

 刃牙は本部流に入門する気なのだろうか?
 花田との対戦前に本部から教えを受けているので、仮入門みたいな感じではあるんだけど。
 本部が烈と互角にたたかったと聞いて、訪問したのだろうか?(6巻 49話

「銃で脅してでも止めるべきだった」
「俺が烈 海王を」
「守護(まも)れなかった」


 また出たッ!
 本部さんの、みんなを守護(まも)る宣言だッッ!
 そんな少年漫画の主人公みたいなこと言っちゃって。
 ヒゲ面のオッサンなのに。

 で、やっぱり銃なのか。
 なんか最近の本部はすぐに銃の話題を出すようになった。
 独自ルートで銃を入手できたので使いたくてしかたがない、とか?
 最近の本部がもっている根拠のない(ように思える)自信は、銃を入手したため発生しているのかも。

 本部の自信がどこから来ているのかは、置いといて……
 みんなを守護(まも)るという決意は揺るがない。
 烈を守護(まも)れなかった無念もあるようだ。
 でも、烈の場合、せっかく守護(まも)ろうとしたのに郭海皇が背後から本部を殴って気絶させた。
 悪いのは郭海皇じゃなかろうか?

 とにかく本部はみんなを守護(まも)ると言う。
 だが、守護(まも)られる対象にされた刃牙の表情は険しい。
 弱いと見下されたようなものだしな。
 刃牙が本部にキレるのか?
 次回につづく。


 佐々木小次郎があまり強くなかったというのは予想しうることなので、そんなに意外じゃなかった。
 しかし、刃牙が本部に会いに行き、キレるってのは予想外だ。
 なんか本部を中心に話が回りはじめた気がする。
 たぶん気のせいだろうけど。

 本部のみんなを守護(まも)る宣言で刃牙がキレたようだ。
 これは、刃牙vs本部のスペシャルマッチかッ!?
 本部の道場には背後から襲いかかる郭海皇がいない。
 刃牙が泣こうが叫ぼうが、本部を止める妖怪はいないのだ。

 目撃者もいないと言うことで、本部スペシャルとして機関銃(マシンガン)を持ち出すかもしれない。
 次回、刃牙が蜂の巣になるのか?
 場所が本部道場だけに、隠しトビラに銃器をしまっている可能性もあるんだよな。

 ただ、銃を持ちだしたとしても、刃牙がおとなしく撃たれるとは思えない。
 そうなるとフルボッコにされて床で伸びるのが本部になってしまう。
 なんか、地面でのびている本部のほうが似合っているな……

追記 (15/7/15)
 本部の自信が高止まりだ!
 でも、烈相手に健闘していたし、虚勢やカン違いってことじゃないんだよな。
 キレた刃牙が本部に襲いかかり、逆に負けたら連載以来の大珍事だ。

 刃牙が本部に負ける姿は、ちょっと見てみたいぞ。
 道場の床に隠していた機関銃を取りだして、刃牙を蜂の巣にする本部とかを希望する。

 烈と軽く手合わせしたとき、銃器に頼らなくても本部は強かった。
 この謎現象の秘密がまだ明らかになっていない。
 烈は武蔵と戦う前に、その秘密を教えてもらっておくべきだったんだよな。
 ……たぶん。

 強さの秘密は、ジャック兄さんからヤバい薬わけてもらったとかじゃないだろう。
 本部は、武蔵のイメージ斬撃と同じ構えを見せた。
 そこにも秘密があるかもしれない。

 なんにしても、烈敗北と言うタイミングで本部のところに来た刃牙の嗅覚はさすがだ。
 もっとも勝利に近い道を選択するのは刃牙の天才性ですな。
 教えをこいに来たのに、怒るって神経が刃牙らしいけど。

 しかし、本部がこんだけ強いとなると……
 弟子の花田も強くなっているのだろうか?
 加藤に片キン潰された花田は、もういない。
 いまの花田なら、加藤にも勝てるッ!
 ……微妙な強さだな。夜叉猿には負けそうだし。


2015年7月16日(33号)
第4部 第69話「300点」 (1048回)

 伝説の剣豪・宮本武蔵が科学とオカルトの合体技で現代によみがえったッ!
 やっぱり武蔵は強かったということで、中国武術の雄・烈海王が斬殺されてしまう。
 烈は覚悟のうえで勝負を挑んだのであり、納得ずくの決着だった。
 ゆえに仇討ちなどの意見はでてこない。

 だが、のこされた刃牙たちも一流を自負する戦士たちだ。
 仇討ちではなく、戦士としてのプライドだろうな。
 刃牙も武蔵に負けているので、個人的なリベンジをしたいだろうし。(4巻 31話
 大事なことなので二度言うが、刃牙はすでに負けているからね!

 更なる強さを欲する刃牙は実戦柔術・本部以蔵の道場を訪れる。
 本部かよ!?
 うん、本部だな。
 2015年2月19日の活躍を見る前なら、悪い冗談だと思ったが今はちがう。(6巻 49話

 素手の本部が烈と互角に戦えたという事実は消えない。
 だが、本部が急に強くなったのは、やっぱり異常だ。
 きっとなにか謎がある。
 本部が強いなんて、おかしいじゃないですかッ!(言いすぎ)

 刃牙は本部に学びにきたはずなのに、本部がみんなを守護(まも)ると言ったらイラっとしている。
 学ぶ態度がなってない。
 あと、本部を下に見すぎだ。
 刃牙め……、あらわしたな、本性をッッ!

「いったい誰を守るのかって訊いている」
「その肉体(からだ)でッ その技術(わざ)でッ」

「自分より遥かに弱いおっさんが」
「何をハネっ返ってるんだと」
「俺は天下の範馬刃牙だと」
「見損なってんじゃねぇと」
「概ね」
「そんなところか…」

「ちょっと違うけど…」
「いいやそれで」


 刃牙が正座をくずした!
 無礼にあぐらで対面する気だ。
 範馬刃牙ッ、すでに容赦していない!

 刃牙が本部に怒るのに、まず肉体で、つぎに技術か。
 細かな技術よりも身体能力のほうが強さに直結するのは実戦派の考えだ。
 大抵の格闘技は体重別で試合をするし。

 本部が肉体的に弱いのはワカる。
 むしろ、刃牙たちが変態的な肉体をもっているだけかもしれない。
 刃牙クラスの肉体をもっている戦士はそうそういないぞ。

 だが、技術にまでダメ出しするとは思わなんだ。
 本部から技術をとって、ナニが残る。
 解説か?
 それとも、刃牙は本部の精神面を認めているとでも?
 本部だけじゃなく、刃牙までナゾになってしまった。

「誰であれ許さねェよ」
「俺を守護(まも)ることは許さねェ」


 範馬勇次郎でもかッ!?
 とにかく、刃牙は自負心と自信が増えたようだ。
 小説『影武者徳川家康』(AA)で、忍者である甲斐の六郎は、戦闘で負傷したことが原因で一時離脱する。
 己の身を守れないのは、男としての誇りを傷つけられたためだと言う。
 自分の身を守ることは、男にとって最低限のプライドなのかも。
 逆に、虎の威を借りる狐ってのは恥知らずな行為ってことか?

 刃牙は偉大な父の庇護からも脱したようだ。
 親子喧嘩で、いい方向に親離れできたのだろう。
 勇次郎のほうは、子離れできたのか?

 刃牙の発言に対して本部は無反応だ。
 強い、弱いではなく、誇りの問題である。
 守ると言うことについては論じにくいのかも。
 卑怯な振る舞いをするぐらいなら、負けを受け入れる覚悟か。

 ここで本部は話題を変える。
 宮本武蔵の強さについてだ。
 武蔵の武を見ることができたのは、武術家として喜ばずにいられない。
 もちろん烈の死は悲しむべきことなのだが。

 このへんはワカらんでもない。
 なにごとも、お手本があったほうが理解が早いものだ。
 しかも、武蔵の武はとても高度だったので、新たに学べる部分もあるのだろう。
 武蔵に学べば、本部はもっと強くなれる!

 本部は武蔵に弟子入りするつもりだろうか?
 でも、そうなったらみんなを守護(まも)れないよな。
 それとも内側から武蔵を崩すつもりなのか?

 さらに本部は先日の試合を解説する。
 武蔵は全力を出していなかった。
 現代の闘争術を学ぶため、イロイロと試していたらしい。

 ――――ッッ!?
 それは思い至らなかった。
 武蔵が本気を出していないのは、なんとなくワカっていたと思う。
 理由については、油断か楽しみだと思っていた。
 だが、武蔵が学ぶために全力でなかったとすると話がちがう。

 武蔵は油断していたワケではなく、観察していたのか。
 この考察力、着眼点、さすが解説王・本部以蔵だ。
 いや、もはや解説神・本部といっても言いぐらいだぞ。
 やはり、本部のストロングポイントは解説にあったのだ。

 そんな宮本武蔵が相手だから、自分がみんなを守護(まも)る義務がある。
 けっきょくそこに話が戻ってしまった。
 そして、やっぱり刃牙がキレる。
 さっきから、このパターンばっかりだよ。
 行き着く先がバトルしかないような会話だ。

 座ったままの状態から刃牙が飛んだ!
 そして立つ。
 いきなり臨戦態勢だ。
 刃牙、ヤる気だな。

 いっぽうの本部さんはゆっくりと立つ。
 遅い動きは、刃牙を誘っているのか?
 この間合いなら急いで立たなくても安全と考えたのかも。
 どちらにしても、対照的な二人である。

 素手の範馬刃牙は100点満点で120点だってつけられるほどの実力だ。
 と、本部がとりあえずホメる。
 だがこれは上げて落とすパターンだ。

「しかし………」
「たかがだ」
「たかが120点だ」


 いっぽう素手の本部は何点だ? と自己評価する。
 60点、70点、甘めに採点しても80点は超えない。

 本部は自己採点が甘くないか?
 最大トーナメントの一回戦で金竜山に敗北したコトを思いだせ。
 素手なら金竜山より低いのだ。
 刃牙が120点として、金竜山は何点だろう。
 60点ぐらいか?
 本部はそれ以下だ。

 そもそも刃牙が120点で、本部が80点なら、本部二人で刃牙を倒せる計算になる。
 本部二人じゃ刃牙は倒せなさそうだし、やっぱり59点以下っぽい。
 だが、本部は剣・槍・杖・鎌・縄・忍なども使いこなす。
 総合ポイントは300点以上だッ!(自己採点)

 っと、これに刃牙もイライラが頂点にたっした!
 そりゃ、刃牙でなくともイラっとくるだろう。
 だが、この話術も本部の計算かもしれない。
 刃牙が闘争のペースに巻きこまれている。
 本部の言葉が挑発的だったのは、すべて狙い通りなのか?

「全部使用(つか)ったらいい」
「計算違いを思い知らせる」


 刃牙が突っ込もうと、足指に力をいれた瞬間――――ッ!
 爆発ッッ!
 自爆か? いや、機関銃の硝煙?
 そうじゃない。煙幕だ。

 完全に虚を突かれた刃牙は汗ダラで動揺する。
 その刃牙の後頭部に本部は刃物を突きつけるのだった。
 これは本部の勝利だな。

 つうか、煙幕かよ。
 真・餓狼伝の丹波久右衛門も煙幕を使用していた。(真・餓狼伝3巻 23話
 古流柔術に煙幕は必須なのかも。

 さりげなくスゴいのが、煙幕を投げるモーションを見抜かれなかった点だ。
 同じモーションで手裏剣や飛礫(つぶて)を投げられていたと思えば、無事で良かったと思える。
 武器を使用した本部は300点、刃牙の2.5倍以上強いぞ!
 この調子でみんなを武蔵から守ってくれるのだろうか?
 次回へつづく。


 これが本部の実力か。
 総合ルールに参加したボクサーを、不慣れな攻撃で倒す図みたいな感じですね。
 刃牙であっても、不慣れな条件だと勝てないのだ。
 でも、ちょっと技術を教えればよさそうだ。
 刃牙はパクるの得意だし、すぐに憶えそう。

 しかし、刃牙は何をしに本部の道場に来たのだろう。
 あっさり怒って喧嘩をしかけるなんて。
 まさか、本部の解説目当てだったワケじゃないよね。

追記 (15/7/22)
 刃牙が本部に敗北したッ!
 渋川さんが柳に負けたように、油断とか相性とかの問題だろうな。
 相性と言うか、一方が素手で戦う気でいるのに、武器を持ち出すという認識の違いだ。
 ボクサーがK-1ルールや、総合ルールで戦って苦手分野を攻められるような感じだろう。

 範馬勇次郎は戦場で機関銃相手に素手で無双している。
 その勇次郎に匹敵する能力となった刃牙が、武器アリ本部に不覚をとってしまった……
 つまり、武器アリ本部 > 機関銃を持った兵隊 なんだろうか?

 どっちかと言うと、格闘家のスキをついた作戦だったのかも。
 煙幕とか、誰も予想できない意表のつきかただったし。
 いきなり武術家というより忍者っぽい技だよ。

 今後の本部は本当に油断できないぞ。
 お茶を出されたら毒が入っていることを疑わなくちゃいけない。
 座布団をすすめられたら、トリモチがついていて動きが取れなくなっちゃうとか。
 炭酸抜きコーラを出されたら、炭酸抜きドクターペッパーだったりするかも。

 とにかく、今後の本部からは目が離せない。
 武蔵と次に戦うのは、本部になるんだろうか?
 刃牙に勝っても、やっぱり格下っぽい感じが消えないんだよな。
 そういう油断させる部分も"武"なのか?


2015年7月23日(34号)
第4部 第70話「武芸百般」 (1049回)

 超実戦柔術の使い手として、生きながら伝説になっている男が、本部以蔵である。
 地下闘技場の最大トーナメントでは大相撲の現役横綱・金竜山に不覚をとったものの、充分強い。
 さらに武器をためらいなく使用する最凶死刑囚を、武器を使って圧倒する。(バキ18巻 153話
 あぁ、本部さんって武器使えば強かったんだ。
 世界中のバキファンが驚愕した瞬間であった。

 その本部以蔵が範馬刃牙を倒す!
 刃牙の戦闘力はもはやホモサピエンスを超えたところにある。
 なんかネコがライオンを食い殺すような下克上だ。
 世界中のバキファンが驚愕した瞬間である(12年ぶり2回目)。

 本部は、いかにして刃牙を倒したのか?
 そのプロセスを振りかえってみよう。
 刃牙のダッシュは時速270kmといわれている。
 1秒で75m移動できる計算だ。

 本部との間合いは5mぐらいか?
 わずか、0.07秒で接触するぞ。
 だが、それより早く本部は懐から煙幕玉を取り出し、床に叩きつける。
 なにげにスゴい反応速度だ。
 これが本部以蔵の本気なのかッッ!?

 野球の場合150 km/hで打者に届くのが約0.41秒らしい。
 0.41秒ですらボールを見て反応したのでは間に合わず、位置予想をしてバットを振っている。
 本部も、刃牙が動く気配を察知して、動くより早く煙幕玉を使ったのだろう。

 しかし、刃牙が本当に時速270kmで動けるのだとしたら、野球のピッチャーが投げた球を後ろから追いかけてキャッチできるンだよな。
 やっぱり刃牙は人間の域を超えちゃっている。

 刃牙が動揺しているスキに、本部は背後へまわり短刀でチクリだ。
 この回り込みスピードも凄いな!
 最近の本部はナメちゃいけない強さがある。

 本部は刃牙がくると聞いた時点で準備をしたそうだ。
 武器で戦うだけでなく、ワナを仕掛けるのも武術である。
 まさに武芸百般だ。
 忍び用の煙幕玉までもっているとは、本当に油断できない。
 こりゃ、やっぱ床下に機関銃(マシンガン)ぐらいは隠し持っているな。

「殺されたんですね」
「俺は」

「それはどうかな」
「少なくとも俺に殺す気はなかったし」
「殺すつもりなら君の反応も違っていたハズ」


 勝者の余裕なのか、本部が謙虚だッ!
 というか、かなり冷静な分析だな。
 『東天の獅子』(AA)で、武田惣角は相手の殺気を読むことができる達人の域に達したため、殺気のない普通の動きだと反応できないという体験をしている。
 独歩の菩薩拳も殺気無しの攻撃なので、渋川さんは反応できなかった。

 殺気のない攻撃だから当たったというのは、さすが本部の解説術だ。
 ただ、殺気がなくとも、ヒモでしばったりすれば、刃牙も手足が出るまい。
 やっぱり、この戦いは刃牙の完敗だったな。

 力、技、武器、それらを使いこなすだけではない。
 意表をつくための煙幕もある。
 そして、闘争を支配する戦術だ。
 武術家と言うよりも、戦国時代風に兵法家って感じだな。

 本部は勝利のためなら何でもしただろう。
 煙幕だけでなく、銃器も用意していそうだ。
 本部以蔵は、行動の予測がもっとも不可能な男になっている。
 ちょっと目をはなしたスキに女装して迫ってくる可能性だってあるのだ。
 いきなり一本足打法の構えで意表をついて、相手が動揺したところを斬りつけるかもしれない。
 本当に油断できないな。


 いっぽう、徳川さんのところに内海警視総監がやってきた。
 烈海王を斬殺した宮本武蔵を殺人容疑で逮捕するためだ。
 地下闘技場の観客の何人かが訴え出たためである。
 阿部康宗(33)公務員、山根高(41)自営業などが訴えたらしい。

 地下闘技場は、ルールなしで なんでもアリで戦う過激な試合場だ。
 なので、世間に公表できるものじゃない。
 選ばれた観客が、秘密裏に観戦している。

 だが、烈が斬殺されて、訴え出る気になったらしい。
 試合であっても、殺人は見逃せないってか。
 しかし、あの試合は主催者も含めて観客全員が共犯者と言えよう。
 罪の意識に耐えられず警察にかけこんだのだろうか?

 でも「東京ドームの地下に闘技場があって、そこで現代によみがえった宮本武蔵が中国人を斬り殺したんですよ!」なんていわれたら、普通は精神病院を紹介するところだよな。
 おそらく阿部、山根以外にも訴えでた人がいるのだろう。

 武蔵は社会勉強の一環として、警察に連行される道をえらぶ。
 たぶん武蔵の身体能力なら余裕で脱獄できるだろう。
 警察は武蔵を確保したことで、大変な目にあうだろうな。
 きっと、みんなを守護(まも)るため、本部がやってくるだろうし。

追記 (15/7/29)
 武蔵逮捕で、舞台は警察へ!?
 そして、次なる挑戦者はだれか?

 烈海王が、武器アリ・負けたら死亡という高すぎるハードルを設置してしまった。
 この条件で戦える戦士はそんなにいないぞ。
 やっぱり本部がみんなを守護(まも)るため戦うってのが最有力か?

 武器アリといえば、超軍人ガイアもいる。
 ガイアが機関銃を装備した場合、どれぐらい強いのだろうか?
 普通の世界法則なら範馬勇次郎に匹敵する強さを発揮できると思うのだが。
 武蔵のせいで、機関銃と日本刀の戦闘力がおかしなことになっているよ。

 他にも武器アリといえば、最凶死刑囚5人だろう。
 警視庁の地下にフリーズドライで保存されている死刑囚たちをお湯でもどして戦わせたらどうなるのか?
 ヒマつぶし程度の相手だろうけど、武器同士の対決を見ることができるだろう。

 武蔵vs烈海王で、ひとつ残念だったのは、剣同士で戦わなかったことだ。
 日本の剣術と中国の剣術という異種剣術対決は見たかった。
 視力復活したドイルがフェンシングで武蔵と戦うとか、どうですかね。

 のこる候補はオリバとゲバルだ。
 二人とも対武器のエキスパートである。
 武蔵の剣術を封じる策があるかもしれない。

 こう考えていくと、刃牙が候補からどんどん外れていく。
 刃牙は素手の武蔵にも勝てなかったしな。
 動物・昆虫の観察から、なにか新しい技を思いつけばいいのだが。
 本部の動きをパクって、本部拳とかどうだ?
 いや、それは普通に弟子入りしろって話になるか。


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