刃牙道「21〜30話」感想

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2014年7月10日(32号)
第4部 第21話「七対〇」 (992回)

 宮本武蔵を現代によみがえらせたら、なにをさせるのか?
 当然、闘争(たたか)わせるッ!
 それ以外の選択肢など与えないッ!
 人権ムシだけど、それが徳川光成のやり方なのだ。

 宮本武蔵は絵画とかも一流の腕前なのだが……
 筆をもたせる気なんて、まったく無いんだろうな。

 宮本武蔵と言う美酒を味わうには、ふさわしいツマミが必要だ。
 なので、ふさわしい相手を呼んできた。
 佐部京一郎(9段)だ。
 現代日本でありながら20人以上を斬ったといわれている男だ。
 通称「人斬りサブ」である。

 すごい通称だな。
 警察官に聞かれたら職務質問されるコトまちがいなしだ。
 とにかく、日本はもちろん世界でも珍しい現役の実戦剣士である。

 独歩と戦ったときは、14人を斬ったと言われていた。(拳刃1巻 2話
 その後、6人以上斬ったようだ。
 最後に斬ったのはいつなんだろう。
 地下闘技場でも真剣をふるった経験があるにちがいない。

 佐部は日本刀を二振り持っている。
 つまり、武蔵と真剣勝負する気か?
 真剣勝負をやらせる!
 死亡率120%の試合だな。(100%を超えているのは相打ちの場合を重複して予想したため)
 さすが、法も倫理観も捨てきった徳川光成だ。

 光成と顔をあわせるのは久しぶりということで、佐部は笑顔のまま歩いてくる。
 が、なにかを感じ足が止まった。
 武蔵との距離は三歩ていどだ。
 刀であれば、間合いに入っているのかッ!?

 佐部が冷汗を大量に流している。
 もはや、光成の話など聞いてはいない。

「いったい誰なのですか」
「この方はッッ」

「それは聞かぬ約束だったハズ」
「立ち合った後 説明すると」

「徳川さん」
「約束を破る無礼どうかお許し願いたい」
「この立ち合い受けることができません」
「歳を重ねた身とはいえ」
「命を捨てる無駄は受けいれ難い」


 さすが、みっちゃんだ。
 なんの情報も与えぬまま真剣勝負をさせる気だった。
 そして、歴戦の剣士・佐部京一郎は相手のキケン度を察知したようだ。
 こういうカンがあるから、二十人以上を斬殺し生き延びているのだろう。
 あと、逮捕されずにいるのもカンの良さだな。

 独歩はかつて言っていた。「武道家は特攻隊じゃない」「勝算のないケンカはせんよ」と。(刃牙6巻 48話)
 佐部も、勝ち目の無い勝負はしないようだ。
 真剣勝負だと、死ぬし。
 って、佐部は勝つ気でいたのだろうから、殺す気だったんだな!?
 老いて、まだ斬りたりぬらしい。

 もっとも、佐部ほどの実力があれば真剣勝負でも殺さずに終える自信があったのかも。
 どちらにしても、相手が悪かった。
 五輪書で武蔵は、六十余も戦って一度も負けていないと書いている。
 たぶん、60人以上を斬っているのだろう。
 佐部の3倍斬っている。単純な斬殺経験で、負けたッ!

 戦わずして、佐部は敗北を認めた。
 では、二人の間になにがあったのだろうか?

「都合七度…………」
「この片に斬られています」


 八文字、喉への突き、大袈裟、面割り面頬、本胴、敷き袈裟、太々!
 いろいろなパターンで斬られていた。
 死体をもちいた試し斬りのように、好き放題に斬っている。
 敷き袈裟なんて、斬られる本人が協力しないと成功しないンじゃないのか?

 佐部がスキだらけだったので、武蔵がイメージ攻撃を仕掛けたらしい。
 もちろん、佐部はスキだらけと言う意識もなく、ちゃんと抵抗していたようなのだが……
 まるで効果が無かった。
 七対〇の滅多斬りだ。ワールドカップ、ドイツvsブラジルよりも厳しい敗北である。

 武蔵の攻撃は、基本的に一撃必殺のようだ。
 ボクシングで言えばジャブが無い。
 スキを見つけたら、一気に斬る。
 先の先をとるタイプだ。
 戦いに対する武蔵の思想がわかる。

 戦国の剣らしい、先手必勝の荒々しい攻撃だ。
 幻惑や、相手の攻撃を誘ったりしない、ひたすら攻める剣だろう。
 基本マゾの範馬刃牙は、まず殴られたがる。
 一撃必殺だとすると、相性の悪い相手かもしれない。

 自分の届かない達人同士の決着に徳川さんも汗をかく。
 そして、ひとつの疑問を口にする。
 武蔵は素手なのに、どうやって斬ると言うのだ?

 いやいやいや。ノーノーノー。
 そもそも、イメージだよ。
 リアルシャドーだし。
 巨大カマキリとかと戦えるんだから、刀を持っていなくても持ったイメージで充分でしょ。
 そんな風に考えていた時期がページをめくる前の俺でした。

「剣がなくては人は斬れんか」

「剣とはそんな不便なものか」


 この宮本武蔵は、剣がなくとも斬れるのかッ!?
 素手でも斬れるのかよ。
 そうなったら、鎬昂昇の立場がないな。

 安易な精神論では無いだろう。
 宮本武蔵の時代は、リアルに戦争をしていた。
 実際に戦った人間として語っているのだろう。

 佐部のもっている剣を奪うイメージで、とか?
 いや、それだと「剣がなくては〜」と言わなさそうだ。

 しかし、武器が折れたとき、相手の武器を奪うのは重要な技術だといわれている。
 武蔵の戦いかたは、もっている武器は全部使わないともったいないと言う思想だ。
 ならば、落ちているモノや、相手の武器も使えばいい。
 何もなければ、肉体で戦う。
 環境すべてを自分の武器にするのが宮本武蔵なのかッ!?

 戦いそうで、リアルに戦わない。
 寸止めで勝負を回避しやがった。
 これが巌流島で使用した武蔵のじらし戦術なのか?
 もし、そうなら……本気で年内に戦わないかも。

追記 (14/7/15)
 宮本武蔵が闘わないッ!
 ここまで舞台を整えて、役者を用意しても、進んで台無しにしちゃう。
 宮本武蔵、とことんまで闘わないッ!

 ただ、武蔵の立場からすると、むやみやたらと死合いをする理由も無いのだろう。
 勝っても就職出来るわけもなし。
 自分の居場所を作るためなら、むしろ自分の価値を高め、安く売らない努力が必要だ。
 なんか、ヒクソン・グレイシーっぽい感じですね。

 板垣先生が同じコトを考えて引き伸ばしているのだとしたら、ちょっと困った展開だ。
 このペースが改善される見込みが減るってコトだし。
 死刑囚編のころの刃牙は本当に闘わなかったが、あの頃の悪夢が再現しちゃいそうだ。

 ただ、宮本武蔵を出しといて闘わせないってのは宝の持ち腐れですよ。
 せっかくの機会なんで、誰かが勝負をしかけに行くだろう。
 問題は、誰が行くかなんだけど……

 佐部京一郎は一流の剣客だ。
 当然、殺気も読める。
 だから武蔵のリアルシャドー辻斬りで斬られたと感じた。

 つまり、ここで必要なのは鈍い人間ってコトだ。
 武蔵が殺気を放っても「へッ、いつまでダマってンだよ。ビビッてンのか、オラァッ!」とか言っちゃう人ですよ。
 殺気も読めなきゃ、空気も読めない。
 そんな人間でないと特攻はかけられないだろう。

 思い当たるのは、加藤だ。
 アイツは空気が読めない。
 夜叉猿Jr.に勝つ気でいたのは、イイとしよう。
 普通の人は巨大猿と戦うことを想定しない。
 初登場の加藤は、ヤバかった。

 末堂を倒した刃牙の前にあらわれた加藤は、刃牙を倒す気マンマンだ。
 刃牙に、加藤の前蹴りは速くて見えなかったと言われ、お前の蹴りは見えたと返す。
 微妙な表情を、刃牙はみせる。

 今思えば、アレは「リップサービスで言ったのに、頭にのっちゃったよ。恥ずかしい人だな」って表情だったのかも。
 これは空気が読めていない。
 ダテに「かとう」で変換かけると「加糖」になりがちだったワケじゃない。
 甘々ですよ。果糖にハチミツかけて砂糖をまぶすしたぐらいに甘い。

 そんな感じで、加藤なら殺気も読めず襲いかかってくれそう。
「テグス……、使うぜッ!」(ドヤ顔ッ!)

 はたして素手のままの武蔵はテグスと言う凶器攻撃に対抗できるのか!?
「テグスは一本じゃねーんだ。二刀流だッ!」(ドヤ顔ッッ!!)

 そういえば、刃牙と初対面の本部さんも、刃牙に勝つ気マンマンだったな。
 今の独歩なら一分で殺せると言っていたし。
 あのときの本部は武器を隠し持っていた説を私は支持する。

 でも、本部さんは知識はスゴくとも、予想を外す人だ。
 実は計算がニガテな人なのかもしれない。
「宮本さんと言ったか……。真剣を向けられたのは初めてかね?」(ドヤ顔ォォッッ!!!)


2014年7月17日(33号)
第4部 第22話「刀」 (993回)

 クローン技術と降霊術を駆使して、現代に宮本武蔵を復活させた!
 科学と魔術が交差するとき、古の剣豪が再誕する。
 うさん臭いッ!
 「あ、オレだけど」と言ってくる電話なみに、うさん臭いぞッッッ!

 当代随一といわれる剣法家・佐部京一郎を武蔵は殺気によるシミュレーションだけで屈服させた。
 若い頃の宮本武蔵は勝利の証として、幼子であろうと殺している。という話もある。
 それを考えれば、よみがえった武蔵は人間的にかなり丸くなっているようだ。
 いや、伝承が間違っているのかもしれない。

 勝利した武蔵は佐部のもってきた剣を見たがる。
 早速、抜いてみた。
 抜き身の真剣がギラリと光を放つ。
 って、抜くのかよッ!?

 刀を見るときの作法として、刀を全部抜いちゃダメらしい。
 基本的に見るのは拵(こしらえ)、つまり鞘や鍔などの装飾部分だ。
 まず鞘などの外観を見る。
 刃を見る場合も、鞘から全部抜かず、抜きかけで止めた状態で拝見するのだ。
 刀は凶器だから、防衛上の理由があるのかもしれない。

 でも、こういう作法はたぶん江戸時代に完成し定着しているのだろう。
 宮本武蔵なら無礼なのも仕方が無いかも。
 こんなんだから、就職できなかったってオチかもしれないが。

「ふむ」
「懐かしい…」


 武蔵のつぶやきを徳川さんは聞きのがさなかった。
 あの剣豪・宮本武蔵が刀を懐かしがるだと?
 懐かしいってコトは、しばらく疎遠だったってことだよね。
 などと徳川さんは考えているようだ。

 でも、400年前の人だし。
 生きて刀にぎったの400年ぶりだよ?
 という気がする。

 魂に記憶があるのか? そして、魂に時間感覚があるのか?
 そういう問題に踏みこむと、心身二元論みたいな話になってしまう。
 徳川さんの認識では、寝て目が覚めたような感覚で武蔵が死後復活したと思っているのだろう。
 つまり、晩年の武蔵は剣から遠ざかっていた、と。
 ……この人、本当にアノ宮本武蔵なのか?

 その辺が気になるところだが、武蔵が太刀の二刀流をやったので、気がそれてしまった。
 これが、リアル二刀流だッ!
 本物(……だよね?)の宮本武蔵が二刀をもっている!
 こりゃ、なんかパフォーマンスしてもらいたい。
 と、遠慮しらずの徳川さんはお願いする。

「見せろと言われるが」
「ここにはアンタら二人しかいないではないか」
「どちらを斬れと?」


 斬るのかよッ!?
 これには徳川さんもサブちゃんも高速否定だ。
 文字通り、必死の拒否です。
 これは待ち受け画面にしたいような逸品だ。
 みっちゃんが「じゃあ、佐部を三枚におろして!」と言い出さなくて良かった。

 いちおう、コレは武蔵ジョークだったらしい。
 冗談に聞こえないから怖いぞ。
 もし、徳川さんが「佐部を輪切りにして!」と言ってたら「ゴメン、もう縦に斬っちゃった」と返していそう。

 とにかく、宮本武蔵が技を見せてくれる。
 刀を持つ手をゆらりとたらし、脱力しているようだ。
 武蔵は五輪書で剣の構えをとる他流を批判している。
 構え無き無形の姿勢こそ、武蔵の二天一流かッ!?

 脱力と緊張の振り幅が打撃の要なのは、打撃力=体重×スピード×握力と同じぐらい鉄壁の理論だ。
 硬いだけの金属バットにくらべ、しなるメタルフェイスのドライバーはその破壊力において金属バットに勝る
 だが、武蔵は究極の脱力をしながら日本刀で武装したことに、一抹の不安を感じている。
 なぜか? インパクトの瞬間、ヘッドが回転する!?

(美しく… 仕上がってはいるものの…)
(これは… 鍛錬の甘い鉄の延べ板…)
(人を斬る代物ではない)


 佐部のもってきた刀は、おそらく明治以後に作られた現代刀だろう。
 斬りあって刀をダメにする可能性もあるから、安い刀を持ってきたと考えられる。
 だが、武蔵にとって、この刀は弱すぎるようだ。
 それでも全力で振るッ!

 柄を人差し指のみで引っ掛けるようにし、二刀とも上から下に振りおろす。
 ドヒュッ

 二刀とも折れちぎれ、バラバラに飛散したッ!
 刀の「茎(なかご)の部分から切断されている」ぞッ!
 人を斬るどころか、素振りにも耐えられぬまがい物だ。
 宮本武蔵の求める刀は基準が高い。

 弘法筆を選ばずと言いますが、武蔵は刀を選ぶらしい。
 武蔵の場合、達人の領域を超えて超(スーパー)達人になってしまい、なみの刀じゃ振りに耐えられなくなったのかも。
 そのせいで、しばらく刀を握っていなかったのかもしれない。
 究極に極めすぎちゃって、本末転倒って感じだな。

 剣の達人なら、名刀でなくとも、短刀だろうが木の枝だろうが、なんでも使いこなして斬って欲しい。
 素振りで剣を折るほどの破壊力がなくとも人は斬れるだろう。
 武蔵は巨大化しすぎて進化の袋小路に入った恐竜のような剣豪になってしまった。
 こいつ、……本当に宮本武蔵なんだろうか?

「この国随一の実力者をッッ」


 宮本武蔵が、強き者を求めている!
 刀は振れないが、素手でも問題無いようだ。
 と、なれば範馬勇次郎を紹介することになるぞ。

 範馬勇次郎なら歴史的に見ても最強クラスの怪物だ。
 相手が恐竜だろうがガンダムだろうが互角以上に戦えるだろう。
 宮本武蔵は、範馬勇次郎を見てどんな感想をもつのだろうか?


 一振りで刀を台無しにした武蔵だが、握りかたが気になる。
 ジャンプで連載中の『磯部磯兵衛物語』でもネタになっていましたが、五輪書では刀は薬指と小指で持つようにと書いてある。
 ここの武蔵さん、人差し指で保持していますね。
 うん、武蔵は秘密主義者だからワザと逆のこと書いたんだろうな。

 ……だが、疑わしいことが多いのも事実だ。
 徳川寒子は本当にあの宮本武蔵を呼びだしたのだろうか?
 間違って、ちがう人を呼んでないだろうな……

 だが、断言しよう。
 武蔵は闘わない。
 範馬勇次郎と闘うなら、もっとずっと先の話だ。

 いまはイロイロあって闘えなくなる。
 やるなら、ちょっとしたワザ比べぐらいだろう。
 遠くから見ているだけって可能性もある。
 武蔵が護身開眼していれば、たどりつけない可能性だってあるぞ。

 勇次郎への接しかたで、この宮本武蔵の資質がワカるだろう。
 危険を前にして、回避するのか、戦いを避けるのか?
 宮本武蔵は、職につけなかった男だ。
 その武蔵の自己アピール力が炸裂するぞ!

追記 (14/7/23)
 宮本武蔵が刀を使わないッ!
 使わないと言うより、使えない状態だ。
 肉体を鍛えすぎちゃって、使える刀が限定されているっぽな。
 もう、国宝級の名刀じゃないと武蔵の使用に耐えられないのだろう。

 宮本武蔵は五輪書で試合をしたのは若いころと書いている。
 逆に言えば、年をとってからは試合をしていないのだ。
 吉川英治の宮本武蔵が巌流島で話を終えているのは、そこが最後の試合だからという説によるらしい。
 その後の武蔵は就職活動したり、絵を描いたりと、闘争の場から離れている。
 巌流島でなにか虚しい思いをしたのかもしれない。

 だが、板垣版の武蔵は鍛えすぎちゃって使える刀が無くなった説だろうな。
 強すぎて戦う相手がいない勇次郎といい勝負になるのだろうか?

 刀を持てなくなった武蔵は、素手で戦う選択をしたのだろうか?
 柔術は戦場で生まれた格闘技と言うこともありますが、かなり誇張している。
 集団戦で戦う戦場では、訓練された画一的な動きのほうが強い。
 一対一の格闘技は、自分の強みを出して、相手の強みを潰す闘いかたが有効だ。
 戦争とは相性が悪い。

 少人数での乱戦を想定しているのなら、戦場と言うより追いはぎとか夜盗のたぐいになる。
 逆に少人数で自衛のために戦うと言うのは格闘技のコンセプトにもあう。

 武蔵は一軍の将を夢見ていた。
 だが、武蔵の強さは一対一や少人数での戦いで光るものっぽい。
 刀がダメなら、素手で戦う!
 そんな発想で、世間には知られていなかったが二天一流拳法とかを作っていたりして。
 とにかく、範馬勇次郎との出会いが気になる。


2014年7月24日(34号)
第4部 第23話「衝撃映像」 (994回)

 現代によみがえったクローン宮本武蔵は、当代随一の使い手を所望する。
 ムリヤリ現代に呼びだされてしまい、やることは闘うことだけ。
 職も戸籍も人権もなく、闘犬のように闘わされる。
 だが、闘いだけが宮本武蔵の孤独を癒してくれるのだ。

 宮本武蔵をよみがえらせた張本人・徳川光成が紹介するのは誰だッ!?
 地上最強の生物、一国の軍隊に匹敵する戦闘力の持ち主、そんな異名をもつ男・範馬勇次郎かッ!?
 時空を超えた超決戦に期待が高まる前回ラストであった。

 徳川光成が呼び出したのは、勇次郎の息子・範馬刃牙だ。
 刃牙かッ!? 主人公かよ!?
 いや、これは意外な盲点というか、……コイツの存在を忘れていた。

 勇次郎とイイ勝負をして、刃牙は実質的に世界で二番目に強い戦士となっている。
 宮本武蔵と闘うに足る人物であるのは間違いない。
 ないのだけどッ!
 ……最近の刃牙はすっかりヤる気をなくしているっぽい。

 強くなりすぎて、闘争が退屈になっている。
 それでも、地下闘技場の王者として義務的に闘っている状態だ。
 アクビを かみ殺しながら。
 グラップラー刃牙 → バキ → 範馬刃牙 → 刃牙道 と、闘わない主人公として確実にレベルアップしている。

 徳川さんが刃牙を呼んだのは、範馬勇次郎 vs 花山薫があったと教えるためだった。
 って、もう翌日以降なのか!?
 時の流れるの早いな。時系列がメチャメチャだよ。
 つうか、武蔵はどうした。

「範馬勇次郎なら きっと救えると…」
「退屈で退屈で やりきれない日常を打ち消してくれると」


 刃牙と同じく花山も強すぎて退屈な日常をおくっている。
 なんか、上から目線で刃牙が語るのだった。
 だからといって、範馬勇次郎と闘うのは無謀だ。
 10mの高さから11mのヒモをつけてバンジージャンプするような、そんな無謀かも。

 刃牙はそんな危険な勝負を挑んだ花山の勇気をたたえる。
 やっぱり、ちょっと上から目線っぽい。
 俺のほうが早くに勇次郎と闘ったもんね!
 そんな自負があるのかも。

 徳川さんは勇次郎が挑発をして、花山に超全力パンチを撃たせたシーンを説明する。
 ちょうど19話の つづき部分らしい。
 花山が放った渾身の一撃を勇次郎がカウンターで返す。
 ハンドポケットから拳を加速して抜拳する居合拳だッ!
 この技は龍書文が得意としていた技ですね。(バキ24巻 208話

 勇次郎は見ていただけなのに、マスターしちゃったようだ。
 単純に腕力が強いだけでなく、技術もスゴい。
 範馬勇次郎は無敵の怪物であり、死角の無い天才だ。
 この一撃を喰らい、花山は吹っ飛んでコンビニにつっこむ。

『陳列棚を4本なぎ倒し――――――』
『奥の弁当の棚まで達していたそうな』

 トラックが突っ込んできたような大惨事だ。
 被害額はどれぐらいだろう……と、よけいな心配をしてしまう。
 166キロの巨体が生みだした運動エネルギーはどれほどのものだろうか。

 ここで、166キロと言われて、花山の体重なのか、飛んできた速度なのか、ちょっと考えてしまった。
 たぶん体重でまちがいないのだが、時速166キロぐらい出ていそうな気がした。
 なにしろ、相手は範馬勇次郎だし。
 退屈ごと吹っ飛ばす範馬勇次郎の一撃に花山薫は満足の笑みを浮かべるのだった。

「――で…」
「ジッちゃん…………」
「誰だい…?


「隣の部屋の野郎だよ!!!」

 刃牙が吼えたッ!
 一流戦士の感覚で、隣の部屋にとんでもないヤツが潜んでいると感じ取ったのだ。
 となりの部屋にいるのは、とうぜん武蔵だろうか……
 まさか、山籠り中に遭難して保護された本部ってオチは無いよね?

 せっかく復活した武蔵だが、実は闘いを回避する人だった。
 今まで闘えるチャンスはあったのに、腕力で切り抜けるようなコトをしていない。
 闘わない剣豪と闘わない主人公をかける。
 武蔵 × 刃牙 の闘わない対決だ。

 闘わないと言う、マイナス属性を掛けあわせてプラスに転じる!
 これが、刃牙と武蔵の闘わない戦士問題を解決する必殺の作戦か?
 でも、"かける"になればイイのだが、"たす"になってしまったら……
 マイナスにマイナスを足しても、マイナスにしかならない。

 主人公のやる気が逆転するのか、それとも闘わないヤツらが、ますます闘わなくなるのか?
 今後の展開に大きく関わる、歴史的な出会いとなりそうだ。
 部屋にいるの、山から出てきた夜叉猿Jr.ってオチじゃないよね?

追記 (14/7/30)
 はやくも範馬刃牙と宮本武蔵が出会うッ!?
 刃牙道、いきなりクライマックスだッ!

 などと私には思えない。
 刃牙には十数年築き上げてきた信頼がある。
 コイツを闘わせるのは、山を動かすほどの労力がいるのだ。

 でも、刃牙だって理由なしに闘いを拒否したりしないだろう。
 どんな理由をもちだしてくるのだろうか。
 武蔵のほうが逃げ出しちゃうと言う展開はあるかもしれない。
 吉川英治版でも、部屋から勝手に退出したことあったし。

 そもそも、刃牙はなんで隣の部屋に反応したのだろう。
 宮本武蔵は風呂に入らなかった説があるので、異臭に反応したのかもしれない。
 その場合、山で遭難してやっと帰ってこれた本部と区別がつかないだろう。
 なんか本部と武蔵の親和性が高い。
 二人を合体させたら、すごい武人が生まれるかもしれないぞ!

 そんな感じで、実は武蔵じゃなかったパターンも刃牙が闘わない理由になる。
 すでに武蔵に倒された本部が流した血のニオイに反応したという可能性もあるかも。
 なんか本部ばっかりネタにしていますが、刀で戦ってくれそうな刃牙キャラは本部だけだし。

 ガイアも武器を使うけど、アイツは平気で拳銃を使いそうだしな。
 シコルスキー相手でも銃をぶっ放したぐらいだし。
 弱いものに容赦しないのが戦場のオキテだろうか。
 さすがの武蔵も連発できる拳銃なんて知らないだろうから、ガイア相手だと即死しそう。

 しかし、刃牙が謎の鼓動を気にしていたのも事実だ。
 鼓動の相手を確認するぐらいの行動はしてほしい。
 でも、ピクルを見たときも、興味を持っていたのに全ッ然ッ動かなかったし。
 次回ッ! 主人公は動くのか、動かざるのかッ!


2014年7月31日(35号)
第4部 第24話「印象」 (995回)

 現代によみがえった宮本武蔵が隣の部屋にいるッ!
 その事実を範馬刃牙はまだ知らない。
 だが、ただならぬ気配を感じているようだ。

 本当に武蔵がいれば、なんだけど。
 夜叉猿とかの野性がいる可能性も捨てがたい。
 刃牙と武蔵がこんなに早く出会うとは思えません。
 きっと刃牙のことだから、より道して闘わないし、出会わない。

「俺は範馬勇次郎の子だぜ」


 相変わらずの勇次郎リスペクトだ。
 地上最強の生物・範馬勇次郎の子という立場は重い。
 というか、地上最強の後継者と言う自負だろう。
 早い話、俺スゴい宣言ですね。
 親父大好きで、自分も大好き。

 刃牙には異母兄弟が何人か居るはずだ。
 しかし、自分以外の兄弟を認めていないかもしれない。
 最強の子は、最強の一人だけで充分だと思っていそうだ。
 父への憎しみが消えて、今度は独占欲が生まれた気配がする。
 範馬最大トーナメントへの伏線って気がするな。

 刃牙は隣にいるモノが、何者かわかるようだ。
 ネチネチ、クドクドと説明してくれる。
 あげく、気配なんて「感じるワケないじゃん」「時代劇じゃねェんだから」と言う。
 ウソなのッ!? ホントなのッ!? どっちッッ!?

 虚実の混ざった範馬流話術に翻弄されてしまう。
 正直なところ、どうなんだよ。
 ウソだとしたら、2ページにわたってクドクドと遅延行為されたワケで……
 印象悪い。

 それでも、刃牙がなにかを感じているのは本当らしい。 ……本当だよね?
 自己アピールして、自分で落とし、再アピールする。
 けっきょく刃牙はナニがしたかったんだ?
 もしかして、ハッタリを言って徳川さんの反応を見て、有能さをアピールしたのかも。
 で、具体的なコトを言えないからゴマカした、と。

 刃牙がほんとうに気配を感じたのかはワカらない。
 ただ、刃牙の有能さだけが印象にのこった。
 刃牙はサギ師にだってなることができるぞ。
 これが範馬流話術だな。
 いや、これが刃牙道なのか!?

 背後にッ!?
 人が、気配ッ!?

 髪が総毛立つ。
 危険を感じたのか、刃牙は振りかえりもせず背後を蹴る。
 が、蹴った刃牙の右足が斬り飛ばされる。

 いや、切れてない。
 イメージ斬りだッ!
 相手はとうぜん宮本武蔵である。

 イメージとはいえ、今の勝負は刃牙の負けだ。
 真剣勝負なら、リアルに足を切り落とされていた。
 いや、刃牙のイマジネーションなら、思い込みで足を分離していたかも。
 武蔵がもうすこし強い念をおくっていたら、危なかった。

 不意討ち気味だったが、剣を持てば武蔵のほうが刃牙より上ってことだろうか?
 だが、刃牙は筋金入りというか、鋼鉄製、いや金剛石(ダイアモンド)マゾである。
 痛みや辱めを積極的に受けるタイプだ。
 そのせいか、刃牙は不意討ちにとても弱い。

 武蔵は刃牙のイチバン弱いところを直撃した。
 不意討ちで勝てたが、向かい合っての闘いなら勝負の行方はわからないだろう。
 でも、武術家なら不意討ちで負けても文句いえないんだけどね。

 そんな勝負の判定は置いといて、範馬刃牙と宮本武蔵が出会ってしまった。
 出会ったよ!
 いろいろムダなジャマがはいって、秋になるんじゃないかと心配していた。

『刹那 二人が垣間見た(イメージした)もの……』
『片や巨大なキノコ雲………
 …………に対し』
『片や地平線まで続く懐石料理(ごちそう)だったという』


 刃牙は武蔵に核兵器(?)を感じた。
 武蔵は刃牙を獲物ととらえる。
 相手の観察イメージ対決でも、刃牙が負けているぞ。
 刃牙のほうがエサになるってコトだよな。

 武蔵のイメージがキノコ雲というのも意味深だ。
 すでに爆発済ってことだよな。
 抜き身の刀よりも危険だ。
 放射能とかも怖いし。

 猛獣や人間が手で持つような武器でないと言うのも気になる。
 一国の軍隊に匹敵するといわれる範馬勇次郎の戦闘力と ほぼ同等かもしれない。
 でも、宮本武蔵がそこまで強かったら、もっと日本の歴史に介入できただろうに。
 新しく得たクローンの肉体が、武蔵の戦闘能力を高めたのだろうか?
 みっちゃんが、こっそり善意でゴリラの遺伝子をブレンドしてくれたのかも。

 武蔵は刃牙の動きに感心している。
 ごちそうと感じただけに、、こりゃ美味そうだと興味をもったらしい。
 刃牙を忍者(しのび)かと問うている。
 宮本武蔵は忍者と戦った経験があるのだろうか?
 二刀流 vs ニンジャ! これは売れそうな対決だ。

 そして、徳川光成は再び刃牙に問うのだった?
 なにを感じたのか、と。

「宮本武蔵さん………?」

 刃牙は感じ取ったッ!?
 これが一流のもつ直観力なんだろうか。
 殺人事件が起きる前から「あ、オマエが犯人ね」と指摘できそうなセンスをもっている。
 刃牙ぐらいのド変態級スペシャリストになると宮本武蔵だって、すぐに理解(わか)るのだ。

 そして、やっぱり隣室の気配を感じたってのはウソだったんだろうな。
 気配を感じていたなら、武蔵だってワカっただろうし。
 いや、宮本武蔵というのも、ハッタリかもしれない。
 とりあえず大きなウソをついて相手の反応を見て、次の手を考えているのかも。
 範馬流話術はコールド・リーディングと同じ技法だ。

 意外にも範馬刃牙と宮本武蔵が出会ってしまった。
 ふたりが出会うのは、早すぎじゃなイカ?
 だが、出会ってしまったものはしかたがない。
 ここから刃牙の資質が問われるところだ。

 刃牙がおとなしく武蔵と闘うワケがない。
 どのように、戦いを回避するのか?
 ちゃんと納得の行く理由を用意できるのだろうか気になるところだ。

 それとも、観念して刃牙は闘うのだろうか?
 『範馬刃牙』時代は、すぐに親父と闘うよ詐欺で5年以上も引っぱった。
 せっかく築きあげた闘わない男としてのキャリアを捨てて闘うのだろうか?
 とにかく、次回で刃牙という道が、真っ直ぐなのか曲がりくねっているのか、分岐しまくっているのかワカるだろう。
 もしかしたら、次回から烈海王ボクシング編が再開するかも。

追記 (14/8/6)
 刃牙と武蔵が出会ったッ!
 おかしい。こんな素直に出会うなんて、嘘っぽい。
 なにか罠があるんじゃなかろうか?
 そんなふうに疑っていた時期が今もつづいています。

 やっぱり刃牙には今まで積み重ねてきた闘わない実績がある。
 もはや常識とまで化した その習慣をくつがえす事ができるのか?
 刃牙が変化する事も刃牙道には求められているのだろう。

 さて、刃牙は武蔵と闘うのか?
 死刑囚編の序盤のように不意討ちを喰らって刃牙がアッサリ負けると言うパターンもあるかもしれない。
 もっとも、スペックの不意打ちは心身ともにあまり効いていなかった。
 スペックが目の前に出現してもデートを優先させちゃうぐらいだし。
 鎖につながれた犬よりも危険視していないかのような態度だ。

 柳には完膚なきまでにダウンさせられた。
 しかし、柳が自信マンマンで「半日は起き上がってはこねェ」と言っていた低酸素攻撃だったのに、刃牙はすぐに目覚めている。
 見方を変えれば、刃牙の勝ちかもしれない。
 たぶん遠くで見守っていた勇次郎もそう思っていただろう。
 そして「柳のヤロウ、いつかブッ飛ばす」とも思っていたに違いない。

 刃牙は武蔵に足を切り落とされて敗北した。(※ 映像はイメージです)
 いちおう地上最強の生物の息子の中で最強を自負している刃牙だけに、やられっぱなしってワケにいかないだろう。
 多少なりとも刃牙が反撃するハズだ。

 ここで刃牙が勝てば、武蔵が素手の戦いを学ぶ展開になるだろう。
 刃牙が負けたら、武蔵が宙ぶらりんになるな。
 やはり、武蔵には負けてもらうしかないのだろうか。

 だが、けっして予想通りに転がらないのが刃牙シリーズである。
 予想外の乱入者が出てきて台無しにしてくれる可能性が高い。
 いったい誰が台無しにしてくれるのか?
 ピクルか?
 ガイアか?
 それとも、松本梢江かッ!?
 油断できない面子が控えている。

 ところで、武蔵復活と同時進行していた、花山vs勇次郎はなんだったんだろう。
 勇次郎を呼ぶエサに花山を利用したんだから、武蔵と勇次郎を会わせるのがスジだよね。
 思いつきで行動しているな、こりゃ。
 ボケてきたのかもしれない。
 ……徳川さんの話ですよ。


2014年8月7日(36+37号)
第4部 第25話「対面」 (996回)

 範馬刃牙は最強の高校生だ。
 しかし、謎の男に襲撃され足を斬りおとされる。
 ただしダメージはイメージです。
 これは、互いのイメージをぶつけ合うイメージバトルになりそうな予感がする。

 刃牙を斬った凄腕は何者なのか?
 ありえないと考えながらも、刃牙が感じ取った答えは……宮本武蔵だッ!
 どーでもいいが、刃牙スゲェ汗だな。
 よっぽど宮本武蔵が目の前にいると言う認識に衝撃を受けているようだ。

「戦国時代の侍が現代に蘇る」
「SF作家でさえ躊躇(ため)らう安易な設定だ」


 刃牙みずから「安易な設定」って言っちゃったァ〜〜〜〜ッッ!
 誰が強いんだ対決をしていれば、いつか行き着く設定だよな。
 サイボーグ、超能力者、宇宙人、過去の偉人ってのが ありがちな設定だ。
 中学二年生ぐらいに誰もが考えがちな設定だよな。

 考えるのは自由だけど、どうやって強者を連れてくるのかが難しい。
 過去の偉人は、とくに連れてくるのが難しいだろう。
 常識的に考えたら、宮本武蔵という解答は無い。
 時空を超えるとか、魔界転生とか、クローンとか、かなりムチャな手段が必要になるからだ。

 でも「恐竜時代の原始人が塩漬けになっていて現代に蘇る」に比べたら数段マトモな気がする。
 ピクルの存在を超えた今ッ、怖いものなどなにも、無いッ!
 無いったら、無いッッッ!
 こわく無いのだ!

 宮本武蔵と相対している。
 その事実を刃牙は考えるんじゃなく感じているようだ。
 さすが脳よりも肉体で動く地上最強の高校生(留年疑惑あり)である。
 と、いきなり刃牙が跳ねたッ!

「斬ったな」

「否……」
「躱(かわ)された」
「エラいぞ」
「少年(ボン)


 またもや武蔵がイメージの斬撃を放ち、刃牙がリアルに避けたようだ。
 現代随一の剣法家・佐部京一郎はなすすべもなく7回も斬られていた。(21話
 刃牙のほうが刀を装備した佐部よりも上のようだ。
 じゅうぶん予想の範囲内だけど、さすが刃牙と言ったところか。

 ちょっと避けかたがオオゲサすぎる気もしますが。
 ジャンプして回転する必要あったんだろうか?
 一撃目のあとで刀を返して追撃されたら、空中にいる刃牙は逃げられない感じがするけど。

 背中は丈夫だから平気! 理論なのか?
 それとも空中で振りまわす手足がジャマで手を出しにくいのかも。
 まあ、その手足を狙えば刃牙もピンチだろうけど。
 むしろ空中回転に見とれる効果を狙っていたのかもしれない。

 どちらにしても、結果的に刃牙は武蔵の攻撃(※ イメージです)をよけることができた。
 刃牙はこの斬撃(※ イメージです)で宮本武蔵という確信を強める。
 徳川さん、この期に及んでも武蔵の正体を明かさない。
 ナニをもったいぶっている。ナニかたくらんでいるのか?

 武蔵の提案で、一同は外に移動した。
 刃牙が丸腰のままだが、良いのかと武蔵は問う。
 アンタも素手だと刃牙は返す。
 言われた武蔵は、指を立てて剣のように構える。
 そう、刃牙道が連載開始時にオマケになっていたクリアファイルの絵の構えだッ!

 刀を持たずとも、イメージの刀が具現化して見えるようだ。
 刃牙にはハッキリと刀の姿が見えた。
 今度は徳川さんにも見えているようだ。
 少なくとも汗を流すほどの迫力を感じている。

「我は天下一…」

「俺ほどになるとな」
「姿がそのまま刃」
「帯刀の必要もない」


 天下一の剣豪になれば、イメージの刀が自在に出せると言うコトかッ!
 コメントでも指摘がありましたが、どげせん3話感想に書いた話の弓矢を使わずに射る「不射の射」みたいな状態だ。(中島敦「名人伝」(AA青空文庫
 剣術の究極技のひとつは無刀取りだ。
 武蔵の技はその一回転上を行く、無刀斬りだぞ!

 この技で佐部京一郎を斬ったときは、横にいる徳川さんに感じ取れなかった。
 狙った相手だけに効く技なのかも。
 戦場などで、複数の相手をすると使いにくそう。
 日常の護身術なのか?

 また、相手もそれなりの実力が無いと感じ取れない気もする。
 21話感想追記でも書きましたが、ニブイ相手だと効かなさそう。
 加藤とか、本部さんは大活躍ですよ。
「おいおい、おっさん。ビビッてないでかかってこいやッ!」(ドヤ顔)

(こういう強さもあったのか………ッッ)

 刃牙はなんか感心していた。
 え、どーいう強さなの?
 イメージ攻撃力か?
 しょせんイメージだし気にしないという選択肢もありそうだけど。

 素手 vs イメージ真剣!
 どうみたら圧倒的に刃牙が不利だ!
 つまり、よくワカらんが、徳川さん的には刃牙が次元のちがう不利らしい。
 生身の梢江よりも、二次元美少女のほうが良いよねって感じか?
 うん、やっぱり良くわからん。

 それでも、構えるのが範馬刃牙だ。
 分厚い左肩を盾のように前に出すいつものスタイルで構える。
 武蔵の時代には無かった近代格闘技で、武士を仕留めることができるのか?
 というか、武蔵はイメージだけで刃牙を止められるのだろうか?
 次回につづく。


 戦闘スタイルは時代とルールによって変化する。
 武蔵の時代は甲冑をまとって戦うことが大前提だ。
 とうぜん軽やかなフットワークよりも、重い甲冑でもバランスを崩さない足運びが重要になる。

 刃牙のスタイルは素手を前提にした、総合的格闘術(トータルファイティング)だ。
 カカトは浮かし素早いフットワークで戦う。
 素手同士で戦うなら、400年の進化があるので刃牙が有利なハズなんだけど……

 刃牙と武蔵の闘争(たたか)いはイメージバトルになりそうだ。
 武蔵は実戦と人斬りを重ねるコトでスタンド能力というか、素手でも真剣をもった気になる能力を身につけたのだろう。
 竹刀や木刀ではなく真剣である。
 肉を斬り 骨を断つ本物の凶器、……のイメージだッ!
 まさにイマジネーション・リアル・ソードッ!
 もはや理解不能の超絶バトルになりつつある。

 刃牙は昔からイメージ具現化能力が高かった。
 イメージ真剣の使い手である武蔵にとって、闘いやすい相手だろう。
 加藤あたりだとニブくてイメージ真剣に反応してくれない可能性があるし。
 刃牙にとって相性が最悪の相手といえる。

 つまり、武蔵は刃牙に圧勝できるけど、他の戦士たちに苦戦する可能性がある。
 刃牙が負けて引きこもっている間は、他の戦士たちが交代で挑戦して負けて行く展開になるかも。
 渋川先生あたりは武蔵に出会えない可能性もあるけど。

 もっとも、戦国時代にイメージ真剣だけで宮本武蔵が勝ってきたとは思えない。
 乱暴な時代だから、武の素養もない落ち武者狩りの農民と戦う必要もあっただろう。
 そんなときは、イメージではなくリアルな暴力で切り抜けるしかない。
 宮本武蔵の武は、まだ鞘の中に収められていると見た。
 そして、基本 鞘に収めっぱなしの刃牙の闘争心は解放されるのだろうか?

追記 (14/8/20)
 範馬刃牙 vs. 宮本武蔵!
 ただし闘争はイメージです。
 脳内だけでなく、ちゃんと戦ってくれるのだろうか。

 イメージでなければ、刃牙と武蔵の闘いはかなり興味深い。
 ひさしぶりの素手vs刃牙と言う対決だ。
 しかも相手は街のチンピラなどでなく、伝説的な剣豪である。

 刃牙は日本刀を相手にどう闘うのか?
 ちょっと前に真・餓狼伝で素手vs.木刀の戦いをやっていたからネタがかぶっているんだけどね。
 真・餓狼伝では「剣を持った達人に素手じゃ勝てません」って常識的なコトを言われてしまった。
 刃牙世界はもっと非常識なので真剣(イメージです)相手にしても充分闘えるだろう。

 勇次郎の教えで、日本刀を持った相手の戦いかたもあるのだろうか?
 戦場を戦い抜いた勇次郎なら機関銃の対処法も教えてくれるかもしれない。
 でも、さすがの勇次郎も戦国時代の剣豪と闘うときの注意点は無いだろうな……

 それにしても、勇次郎と花山のケンカはなんだったんだろう。
 まさか、武蔵を復活させて勇次郎を連れてきたのに放置するのか?
 やっぱり刃牙世界は非常識すぎる。


2014年8月21日(38号)
第4部 第26話「少年(ぼん)」 (997回)

 強の高校生・範馬刃牙(たぶん19歳。ダブリ?)と、蘇えった剣豪・宮本武蔵が勝負する!
 強さに自信のある二人が出会ってしまったのだ。勝負でしょう。
 二人を引きあわせた徳川さんが もったいないと思うほどのビッグカードが開始(はじ)まる!

 緊張した構えをとる刃牙に対し、武蔵は自然体だ。
 闘争に対する この余裕ッ!
 貫禄では武蔵のほうがずっと上のようだ。

 刃牙は今にも飛びかかりそうなテンションでいる。
 だが、武蔵は徳川さんと雑談する余裕をもつ。
 徳川さんは随一の実力者として刃牙をつれてきた。
 武蔵は刃牙の実力をどう見るのか?

有馬や秋山あたりじゃ勝負にもならんだろうな」
(※ 有馬喜兵衛・秋山新左エ門。武蔵が13歳、16歳の時に打ち勝った剣豪。)


 むむ、わりと無名な相手と比べるのか。
 自分が若かったときの相手と比べているのかもしれないが。
 腐っても賞味期限が過ぎているかもしれなくても、範馬刃牙なんだから最強クラスの相手と比べてほしかった。
 やっぱ、素手じゃ戦闘力で落ちるのだろうか。

 などと武蔵が考えこんでいるスキに刃牙が蹴りを放った!
 神速のハイキックだ。
 様子見や牽制、フェイントではなく、いきなり本気の蹴りか。
 今の刃牙は久々に、ヤる気になっているぞ!

 だが、武蔵はあっさり攻撃をよけていた。
 路上の石を拾うように、これまたアッサリと刃牙の軸足をつかんで持ちあげる。
 軽量級とはいえ70kgを超える刃牙を片手で、ひょい!
 単純な筋力だけでもスゴいな。

 70kgの刃牙をつかんで持ちあげる握力も並みじゃない。
 日本刀は2kg前後の重さだ。刃牙を振りまわす筋力は 明らかにオーバースペックといえる。
 武蔵は鍛えすぎちゃって、日本刀が追いつかなくなった剣豪なのだろうか?

「まだ立ち合ったことはないが」
「琉球に足蹴りを技とする「術」があると聞く」


 武蔵、博識だな!
 琉球のことを知っている人が少ない時代だろうに、そこの武術まで知っていやがる。
 野獣のような少年〜青年だった武蔵も、年を重ね知識と経験を兼ねそなえた達人になったってコトですかね。

 江戸初期には少林寺で武術を学んだといわれる陳元贇が日本に移住している。
 ちょっとウソっぽいが、陳舜臣の小説『珊瑚の枕〈上〉風雲少林寺』の主人公・陳元贇は少林寺で学んでいるし、そういうコトにしておこう。
 つまり、宮本武蔵は中国武術についても詳しい可能性がある。
 烈海王はボクシング編のノルマが終わっていないのに、苦戦フラグが立ってしまったぞ。

 知識として知っていたのだろうが、初見の蹴り技をあっさり破るあたりが達人だ。
 軸足をつかんで持ちあげる。
 総合格闘技なら、軸足にタックルをかけて倒すこともできただろう。
 武蔵は進化している近代格闘技にすぐ対応できる。
 ――――どころの話じゃなくて、すでに対応できる能力をもっているぞ。

 武蔵は足をつかんだ。もちろんタックルで倒すこともできただろう。
 少し上を向けば、こかんのオイナリさんをモンマリ掴むこともできた。
 刃牙は基本マゾだから金的打ちなんてしたら悶えて喜んでしまっていたな。

 股間打ちの話はギャグだけの話じゃない。
 鎧を着ている相手は稼動部にできる鎧のスキマを狙って攻撃をするものだ。
 股間は弱点のひとつである。
 武蔵の動きは鎧武者の足元に沈み、下から股間を突き刺す動きから来ているのかも。

「変わったことをする……………」
「立ち合いの最中というのに」
「自ら好んで安定の欠く片足に……」


 武蔵が琉球・空手から誕生した蹴り技に物言いをつけた!
 五輪書で武蔵は他流派を批判している。
 わざわざ書いて後世に残すあたり、わりと自己主張の強い人なのだろう。
 周囲に対して自流を宣伝しなきゃならない事情もあるのだろうけど。

 蹴り技に対し、片足だと不安定だとダメ出ししている。
 けっこうマトモな批判だ。
 総合格闘技やケンカの場合だと、安定を欠くハイキックの実用性に疑問がもたれるケースが多い。

 まして、武蔵の時代は鎧を装備して戦う可能性があったのだ。
 鎧を着こんでいたら、蹴りを出すのは難しいだろう。
 武蔵の考えは戦国時代のものだ。
 一対一の試合で闘う、近代格闘技のルールだとよけいな配慮が多すぎて不覚を取るかもしれないぞ。

 武蔵は刃牙の身体をゆっくりと持ちあげる。
 この構えはッ!
 刀を振っただけで折った、破壊の素振りだッッ!

 日本刀を折った時の勢いで、武蔵は刃牙を振りまわす。
 刃牙が地面に激突した!
 日本刀より丈夫な刃牙だけどダメージは大きい。
 幼年編でガイアに時速80キロで地面に叩きつけられても平気だった。(G刃牙16巻 143話)
 今回もすぐに立ち上がることを希望する。

 いいところが一つもなく、刃牙は圧倒された。
 これが何度も死線をくぐりぬけた剣豪の実力なのか?
 刃牙は立ち上がれるのか?
 次回につづく。


 さすが宮本武蔵、強いな。
 ただ、やっぱり鎧を着た状態を前提とした技術体系で闘っている感じがする。
 身軽な動きで対抗すれば健闘できるかも。
 つまり、アライJr.なら勝てる!
 いや、ムリだな。

 武蔵が刃牙を圧倒してしまったとなると、地下戦士たちがダマっていない。
 刃牙に恩返ししようと、弱った刃牙を攻撃しにくるかも。
 見ず知らずの武蔵よりも、刃牙へのリベンジが先だよな。

 刃牙に勝てないのに、刃牙より強い武蔵に勝てるワケがない。
 常識で考えればそうなる。
 なので、ちょっと頭脳が残念な人が、武蔵への挑戦者になれる。

 やっぱり空気が読めない人が無謀に闘いを挑むことになるのだろうか?
 刃牙と闘ったことが無いなら、なお良しだ。
 そうなると、本部、加藤あたりが有力候補かもしれない。
 スゴい面子だ。これなら、手に一人ずつ掴んで振りまわすだけで決着がつきそう。

 刃牙も負けたままじゃ、いられない。
 宮本武蔵に勝つため、修行をするんだ!
 でも、一人でやっても限界があるだろう。
 誰かに弟子入りするのだろうか?
 ガイアに弟子入りしたら、銃を学べて武蔵にも楽勝しそうだ。
 でも、勇次郎に怒られる。確実に。
 ガイアのほうが、刃牙より殴られるかも知れないけど。

追記 (14/8/27)
 宮本武蔵に刃牙が敗北した!
 予想外にちゃんとリアルで戦いましたね。
 宮本武蔵はちゃんと強かった。

 刃牙を倒した宮本武蔵に対して、戦士たちはどう動くのだろうか?
 ピクルが登場した時は「あの野生に俺の技をかけてみたい!」って人ばっかりだった。
 そうなると、武蔵に対しても「伝説の剣豪に俺の技をかけてみたい!」って人ばっかりなんだろうな。
 たしかに、伝説の剣豪と戦えるのなら、負けて死んでも構わないって思いそうなヤツらが多そうだ。

 ただ、ストーリーの流れを考えると、宮本武蔵に勝つのは刃牙じゃないとしまらない。
 ピクルの時がそうであったように、だ。
 そうなると、みんなは負けるために宮本武蔵と戦うことになる。
 そういう不毛な消化試合は、いまいち盛り上がらないんだよな。

 死刑囚たちみたいに複数の敵がいれば、刃牙以外のキャラにも活躍の余地がある。
 武蔵クローン細胞のあまりで、宮本戦隊ムサシンジャーを結成してくれないものか。
 いかにクローン武蔵でも失敗作で魂も入っていなければ、サムワン海王だって勝てる。いや、ムエタイじゃ勝てないか。
 とにかく、脇役たちが戦うのに適度な強さの相手が欲しいと切に願うのだった。

 しかし、私なら「武蔵よりも、負けて凹んでいるバキを今のうちに倒しておきたい!」って思っちゃうけど。
 こういうセコイ考えだと強くなれないんだろうな。
 最大トーナメントで刃牙に負けたリーガン、ズール、猪狩あたりのバーリトゥーダーが連合組んで刃牙を狙ってくれないかな。
 今や、何をやっても勝てるイメージがわきませんが。


2014年8月28日(39号)
第4部 第27話「竹」 (998回)

 範馬刃牙が敗北したッ!
 相手は現代によみがえった宮本武蔵である。
 だが、刃牙はまだ相手の素性をしらない。

 刃牙は徳川屋敷のフトンで目覚める。
 って、ガチ気絶していたのかよッ!
 かなり深刻なダメージを受けていたんだな。
 そして、気絶するほどのダメージを受けながら病院に連れて行ってもらえなかったのか。
 さすが人命軽視に定評のある徳川さんだ。

 でも、徳川屋敷だから医者の1人や1ダースはいるんだろうな。
 宮本武蔵が目覚めて歩けるようになったからお役御免でなく、目覚めた後のケアに医者が必要だろうし。
 見えないだけで、周辺に医者が潜んでいそうだ。

 刃牙は異常なしと判断されて寝かされていたのだろう。
 ……かけ布団なしで。
 なんとなく、小さな悪意を感じる。

 刃牙は布団の上で敗北をかみしめる。
 完敗だった。
 だが、刃牙はあまり深刻に受けとめていないようだ。
 まだ本気出していないからノーカンとか考えているのだろうか?

 敗北よりも、相手が宮本武蔵っぽいという方が刃牙にはショックだったようだ。
 一時期は殺す宣言をするほど憎んでいた父・勇次郎にたいして最大のリスペクトをするようになった刃牙である。
 強い相手にたいする敬意が強いのだろう。
 逆に弱い相手にはけっこう無礼だよね。

 あの男は本当に宮本武蔵なのか?
 刃牙は強く会いたいと思い、外に出る。
 なんかSAGAる直前、梢江を探す時のような勢いだ!

 武蔵と徳川さんは、あっさりと庭にいた。
 まだ日があるし、気絶していたのは短時間だったようだ。
 この回復力はさすの刃牙ですね。
 いや、むしろ目覚めるのがおそいぐらいだ。
 医者が検査したときに、気をきかせて一服もったとか?

 武蔵はちょうど今からトレーニングをするところらしい。
 みっちゃん、武蔵の前で横文字使わないであげて!
 でも、武蔵も多少の外来語を学んだのかもしれない。
 戦闘関係の言葉なら武蔵も吸収が早いのだろうし。

 すごく厳密なことを言うと、戦国時代の日本人は現代とけっこう発音が違う。
 日葡辞書によれば、「は・ひ・ふ・へ・ほ」を「ふぁ・ふぃ・ふ・ふぇ・ふぉ」と発音していたらしい。
 「ふ」だけは戦国時代のままですが、あと200年ぐらいすると変化するかも。

 さらに、明治の文明開化で外来語を輸入したため、江戸時代以前に無かった単語が大量に生まれている。
 おなじ日本人でも戦国時代の人間と意思疎通するのは、かなり難しい。
 ただ、この辺を厳密にしちゃうと戦国時代のドラマや映画が解読不能の言語で行われてしまう。
 なんちゃって武士語で、時代劇っぽさを出すのが、リアルっぽさの限界だろうな。

 宮本武蔵のトレーニングは孟宗竹の素振りだ。
 伝説だと武蔵は切りたての青竹を一振りで、ささらにする!
 この武蔵も竹をバラバラにするのか?
 スポンサーを得るためのパフォーマンスとしては最適なものかも。
 人も死なないし。

 武蔵は両手に竹をにぎり、振りかぶる。
 人視指だけで竹を引っ掛け、一気に振りおろす!
 その形相はまるで仁王だッ!
 一振りで、竹がバランバランになる。
 手に一本ずつ、同時に二本の竹を破壊した。

 武蔵は次々と竹を解体して行く。
 偶然ではなく、通常技と呼べるほどに熟練して身につけた技だ。
 まえに22話感想で書きましたが、五輪書に刀は人差し指に力を入れず小指で握るようにして振ると書いてある。
 秘密の奥義だから文字にしなかったってコトですかね?

 人差し指を支点にして小指でにぎりこむコトで、武器を手の内で加速させているのだろう。
 両手持ちの剣を凌駕する速さと威力を片手剣で出すための工夫かも。
 この攻撃は刀をもっていない時にも応用できる技術なのだろうか?

 この技を見て、刃牙は彼が宮本武蔵であると言う確信を強めたようだ。
 いやそれは、わりと どーでもいい。
 肝心なのは今後どうするのかだ。

 武蔵に対して、ナニが劣っていたのだろう。
 筋力か? 技か? 戦術か?
 それとも、それら全体のバランスか?

 弱いところを鍛える。
 または、弱いところでは勝負しない。
 そんなふうに作戦を考えるか、身体を鍛えるのか?
 刃牙は考えるより鍛えるほうが似合っている。
 これは修行編の予感がする。

 刃牙は敗北した。
 敗北した人間がすることは二つだ。
 再挑戦するか、あきらめるか、である。
 オレはまだ負けてないから! と言い張る第3の道もあるが、死刑囚向けなのでオススメしない。

 刃牙は再挑戦する人間だ。
 勇次郎に敗北した刃牙は、復讐のため、長い長〜い ひたすら長い時をかけて再挑戦したような気がする。
 そういえば、ユリーに負けたときは、戦わなかったな。
 俺のほうが強くなったから、戦わなくてもイイもんと大人の対応(?)をしている。
 ……刃牙さん、挑戦しないほうの人間だったか。

追記 (14/9/3)
 刃牙が宮本武蔵に敗北した。
 しかし、刃牙はあまりショックを受けていないようだ。
 むしろ相手が本当に宮本武蔵なのかどうかに興味がうつっている。
 負けたままでいいのか、主人公よ。

 刃牙がヤる気ないのはいつもの事なので、良いとしよう。本当は問題だけど。
 だが、刃牙を倒したとなると勇次郎がダマっていないハズだ。
 次は範馬勇次郎vs.宮本武蔵という歴史的対戦になるのだろうか。

 昔は刃牙を倒せば、勇次郎と闘えると言って刃牙を狙うヤツもいた。
 実際に、刃牙と闘うと後で勇次郎がボコりに来る可能性が高かったし。
 だが、刃牙に勝てない上に、勇次郎がダメ押しでボコるので、そのうち誰も刃牙に挑まなくなった。と言うのが現状だろうか。

 刃牙に負けた上に勇次郎にダメ押しされるなんて、ダメージがデカすぎる。
 泣きっ面に蜂ってヤツだ。で、蜂の毒はアンモニアで中和できると言い出して、尿をかけられるような感じで。
 死刑囚以後は刃牙に絡んでくる相手がいなくなったのは、そんな感じなんだろうな。
 あ、アライJr.は刃牙に絡んでいたか。
 なんか、残念な感じだったけど。

 で、刃牙と闘った宮本武蔵にも、もれなく勇次郎が絡んでくるのだろうか。
 あ、でもオリバとピクルの時は、刃牙と戦った後も放置していたな。
 勇次郎も子離れできたのだろうか。

 超レアな現代に蘇った剣豪が、刃牙を倒した。
 どう考えても、勇次郎は絡んでくるだろう。

 宮本武蔵は勇次郎相手でも無手で戦えるのだろうか?
 範馬勇次郎は機関銃相手でも戦ってきた男だ。
 リアルな真剣を相手にしても勇次郎なら戦えるだろう。
 範馬勇次郎 vs. 宮本武蔵は、どんな流血の戦いになるのだろうか。


2014年9月4日(40号)
第4部 第28話「勝負観」 (999回)

 刃牙を倒した男は、現代によみがえった宮本武蔵だッ!
 伝説の剣豪が現代によみがえっても、やることは あまりない。
 とりあえず鍛錬をするしかないようだ。
 武蔵の鍛錬方法は、青竹を素振りでバラバラにすることである。

 武蔵は汗を流しながら素振りをつづけていた。
 刀を振るうのも全身運動なのだろう。
 竹をバラバラにする強烈な振りは、8関節同時加速によるマッハ突きのように、全身の関節を利用しているのかも。
 素振りだけやっとけば、他の運動は必要ないぐらいの万能性がありそうだ。

 武蔵は何のために鍛錬をするのか?
 刃牙は武蔵に質問する。
 ……オマエが聞くのかッ!?
 刃牙だって、ほぼ無目的にハードトレーニングをしているぞ。

 もっとも、刃牙は基本マゾだから身体を痛めつけることが好きなのだろう。
 正確には、ハードトレーニングの苦痛をやわらげるために分泌される脳内麻薬の快感におぼれているのだろうけど。
 このムチャな性癖が刃牙を限界なしの肉体活動に駆りたてている。
 武蔵は、どうなのだろうか。

「稽古は稽古だ」
「兵法者にとっての嗜みか」


 嗜み=趣味かよ!
 というか、兵法者にとって稽古は日常の延長なのだろう。
 非日常のトレーニングは、ムリをしているってことで長く続かないし、つづけると身体を痛める。
 ほどよくムリなく、毎日つづけられる稽古が兵法者には必要なのだ。

 マゾ全開が日常になっている刃牙は、どーなんだろう。
 普通なら身体を壊して10代で引退ってことになりかねない。
 刃牙は非日常を日常として、強くなったんだろうな。
 代償として、変態が日常になってのだが、他にナニを失ったのだろうか。

 スポーツ選手は試合のために練習をする。
 非日常のために特訓をしているのだ。
 じゃあ、兵法者はなんのために稽古をするのだろうか?
 戦争がある、かもしれない。ないかもしれない。
 目標が、そんな感じで曖昧だから日常として稽古するのだろう。

「俺と勝負したほうが稽古になる」

 刃牙がさそった!
 え、なに、なんか急に積極的になっているぞ。
 範馬刃牙の後半で筋金入りのニートなみに動こうとしなかった刃牙が積極的だ。
 なんか急にヤる気だされると、不気味だな。

 やっぱ、刃牙は負けたコトを気にしているのだろうか?
 それとも伝説の剣豪・宮本武蔵ともう一度闘いたいのかも。
 どちらにしても、珍しく積極的だ。

「お前は死んでいるではないか」

「おぬしは」
「一刻ほども眠り続けた」(※一刻…今の時間で約30分。)
「その間幾度殺せた………?」


 武蔵とは勝負観が ちがう!
 土下座観がちがければ、「どげせん」だってコンビが分離するのだ。
 勝負観が ちがえば、闘いにならない。

 そして、勝負観というより、負けた側が再戦を希望しても勝った側が受けてくれないとはじまらない。
 勝者の特権ですね。
 負けたのに偉そうにしても恥ずかしいだけど。

 ただ、武蔵の言い分もおかしい。
 「殺せた」と「殺した」は、違う。
 目の前に相手が立っていて襲いかかって来たら、戦わなくちゃならない。
 トドメを刺さなかったのは失敗だった。

 でも、武士には刀以上に口先でゴマカス能力も求められている。
 『葉隠』では、武士たるもの一丁(約109メートル)あるくごとに七度ホラを吹くぐらいでないとダメって教えもあるくらいだ。
 『シグルイ』の名刀・七丁念仏は、斬った相手が気づかず念仏をとなえながら七丁あるいた後に傷口が開いて絶命した。
 武士が斬られたら49回ホラを吹いて、「実は斬られていませんでした!」と50回目のホラを吹いたところで死なないとダメってことだ。
 とにかく、武士にはハッタリも重要です。

 武蔵は刃牙をうまくダマして精神的優位に立った。
 オマエも振ってみるかと竹をさしだす。
 相手を自分の意思で動かそうとするのは、精神的優位に立とうとする狙いだ。
 誘いにのったら、本格的に格下になってしまうぞ。

 だが、今年の刃牙は一味違う。
 武蔵の差し出した竹を蹴る。
 見事に寸断したッ!

 かつて、愚地独歩が角材を折ると言うより、斬るような試し割をしたことがあった。(G刃牙21巻 181話)
 刃牙も、この領域に達したようだ。
 矢の材料として、木より竹のほうが丈夫と言われているので、たぶん竹切りのほうが難しいのだろう。

 武蔵は感心するがオドロかない
 素手でモノを切るなんて、武蔵の時代にはなかった技術だろう。
 なのに全然オドロいていない。
 本当はオドロいているのだろうけど、ゴマカしたか?

 せっかくスゴ技を見せても、武蔵に精神的ショックを与えることができなかった。
 刃牙の攻撃は不発だ。
 疾(はや)いが、武じゃないとも言われる。
 これも勝負観の違いっぽい。
 やっぱり武蔵はうまくゴマカしている感じがする。
 そして、そういうゴマカシも武、なのだろう。

 武蔵は刃牙を放置して外出すると言い出す。
 19話で、もそっとゆっくり……と言っていたのに、なれたのか?
 一度、刃牙から距離を置いて、その技術について考えたいのかも。
 兵法者だけに、戦いかたを研究したいんだろうな。

「甘エよアンタ」
「幾度だって殺せたのに――――」
「止めを怠った!!!」

『現存する近代武術 格闘技 格闘スポーツ…………………』
『その全てで最速の技術(わざ)はジャブ!!!』

(俺のは閃光(ひかり)より疾(はや)いぜ!!!)


 刃牙が仕掛けた!
 なんだ、この積極性はッ!?
 武蔵の肉体に武蔵の魂が宿ったようにッ!
 刃牙の肉体にも、刃牙の魂が宿ったのかもしれない。

 とにかく、刃牙が仕掛けた。
 近代を代表する必殺のジャブだ!
 パンチが許可される闘争において、もっとも基本といえるのがジャブだろう。

 ジャブは疾(はや)い。拳のスピードが速いってことじゃない。
 最小の動きで繰りだすので、反応しにくい攻撃なのがジャブだ。
 戦国時代にはなかった発想の攻撃であり、いくら武蔵でも初見でかわせる技じゃない。
 逆に避けられたら、武蔵がスゴすぎるって話だ。

 でも、武蔵は居合いも知っているだろうし、ジャブに対応できるかもしれない。
 刃牙のリベンジマッチは、ちょっとダメそうな予感がする。

 それにしても、刃牙が妙に積極的だ。
 オリバと勝負するため米国大統領を拉致監禁したとき以来の積極性かも。
 行動的なのは良いことだけど、負けたら反動でまた動かなくなりそうだ。
 それにしても、今回の刃牙はまるで主人公みたいだったな。

追記 (14/9/10)
 刃牙がすごいヤる気を出している!
 なんだろう。雨でもふるんじゃなかろうか。ちなみに明日の関東は雨らしい。

 本来の実力を考えると刃牙はもっと闘えるハズ。
 たとえ相手が宮本武蔵だろうとしても、だ。
 範馬勇次郎の強さは人類史や地球生物史のなかでも最強クラスだろう。
 戦績を考えれば、宮本武蔵よりも強いと思うのだが……

 板垣史観だと宮本武蔵は戦争を左右できる戦略兵器級の強さなんだろうか?
 戦国無双とか戦国BASARAとかで歴史を再勉強してたりはしないよね。
 バキ世界の戦国武将は、火縄銃程度なら剣ではじくのはもちろん、箸でつかめるぐらいの怪物なのか?

 真剣勝負だと高確率でどっちか死ぬ。
 だから再戦の可能性は少ない。
 ゆえに得意な技を一つとことん磨くほうが良い、って話を聞く。
 これが刃牙と武蔵の勝負観の違いだろうか。

 武蔵はひたすら反復練習で一つの技を鍛えているっぽい。
 一撃必殺で一刀両断なら、あまり情報漏洩もしないし。
 死人に口なしだ!
 試合で強くなった刃牙は、投打極、立っても寝ても、なんでもアリの世界で、色々な技を学んできた。
 一点集中の武蔵と、多角経営の刃牙というスタイルのちがいだ。

 再戦がないことを前提に鍛えていると、技術の進化が止まってしまいそうな気がする。
 技術は隠すし、すぐ死ぬから技術も途絶えやすい。
 覚えやすい簡単な技をひたらら磨くのがイチバン実戦的ってコトになってしまう。
 なので武のスポーツ化も悪くないと思うんだが。
 というワケで珍しく(?)刃牙ガンバレって気分になってる。

 武蔵が刃牙を手玉に取っているのは、まっとうな戦力差というより、駆け引きの差かもしれない。
 刃牙はけっこう駆け引きがニガテだ。
 基本的にマゾだから、攻撃を受けたくなっちゃうんだろうな。
 つまり、刃牙が負けているのは、自分の性癖に負けたってことになる。
 やっぱり変態は厄介な病気ですね。


2014年9月11日(41号)
第4部 第29話「ジャブ」 (1008回)

 この世でもっとも速い攻撃、――――それはジャブだッ!
 俺のは閃光(ひかり)より疾(はや)いぜ! と、刃牙も必殺のジャブに自信を見せております。

 ……うん、これは高くあげて落とすパターンっぽいな。
 期待させて、おとしめる。
 奪うためには、まず与えよ!
 刃牙は受身をとることができるのか?

 今回、ジャブの解説をするのは範馬勇次郎(回想)だ!
 勇次郎が出てきたコトで迫力が増す。
 つまり信憑性が増してきたってコトだ。
 では、過去の勇次郎はなにを言っていたのだろう。

 世には「飛燕の」「閃光の」「音速(マッハ)の」と呼ばれる技がある。
 って、アンタの息子が前回ラストで言ってたネーミングじゃねェか!
 回想の勇次郎が時空を超えて、現代の刃牙にダメ出しそうな流れを感じるぞ。

「笑っちまうのは これらの技―――――」
「どれも準備(そな)えてる敵には命中(あた)らねェってことだ」


 うわぁああァッ!
 命中(あた)らない宣言されたッッ!
 閃光(ひかり)より疾(はや)いジャブに、黒光り肌の呪いがかかったよ。
 これは、当たらんな。
 刃牙が気合入れすぎて、必殺技っぽい名前にしたのが敗因でした。

「ナゼそれが命中(あた)るのか」

 フェイントで気をそらす。
 地味で確実な攻撃でダメージを蓄積して、やっぱり意識をさせる。
 そのスキをついて飛燕・稲妻・音速の攻撃が決まるのだッ!
 つまり、スーパーロボット風に言うと超電磁スピンを当てるために超電磁タツマキで動きを封じるようなものですね。
 準備は重要だ。

 って、さりげなく必殺技リストが、閃光→稲妻に変更されとる。
 じゃあ、閃光は使ってもOKなのか?
 勇次郎は回想シーンでも刃牙を気づかってくれるな。

 話をもどす。
 勇次郎の言っていることは、良くわかる。
 大技を決めるためには、相手のスキを作らないとダメだ。
 相手を倒す大技が注目されがちだけど、前段階の準備も必要ってコトですね。

「ところがだ」
「ここに例外が存在する」
「命中(あた)る」
「「来る」とワカっていても」
「身構えていても」
「準備(そな)えていても」
「必ず喰らう」
「世界チャンピオンだろうが その「技」を喰らうことを前提にリングに上がる」
「その「技」とは」


 長々とした勇次郎の解説を聞いて、刃牙はスゴい必殺技名が飛び出すと身構える。
 そう「ギャラクティカ ファントム ウルトラスーパー 44マグナム アルティメット…………」ぐらいのヤツをッ!

「「ジャブ」だ」

 他の技とは違い、速度のみを求めた攻撃である。
 シンプル・イズ・ベストと言える単純ゆえの優れた打撃だ。
 でも、それを大マジメな顔で勇次郎が言うと、ちょっとおかしい。
 あらゆる料理の中で、最高に美味いのは卵かけご飯だッッ! とかマジメ顔で言ってくんないかな。

「速度のみが旨」
「その意味では骨っぽく」
「漢(おとこ)らしい技とも云える」


 ほう……、漢(おとこ)らしい!
 それは考えたことなかった。
 フェイントとか作戦を考えず、速さでネジ伏せる正面突破だ。
 たしかに男らしい技かもしれない。

 でも、一般敵に男らしい戦いってノーガードでの殴りあいだろうな。
 それこそ花山薫のように。
 どちらにしてもシンプルな強さ比べが男らしさってことか。
 シンプルなソースの味って男のコだよな、という感じで。

「空手では「刻み突き」の名称で使用される」

 さらに勇次郎の豆知識がつづく。
 でも、空手とボクシングでは、やっぱり違う気がする。
 ボクシングはスポーツで試合だから相手も準備して打ち合う。
 打ち合う覚悟でリングに上がるから、たしょう打たれても倒れない。
 だから数多く打つ必要が出てくる。

 空手は基本的に武術だ。
 突発的な凶事に対応するため、相手より早く心の準備をして、速く攻撃したい。
 不意をつければ一撃必殺も可能だし、積極的に狙う。
 とくに伝統派空手の打撃は速いが、ボクシングのように連打を狙うものじゃない。

 勇次郎が話しているのは幼い刃牙なので、あまり厳密な話はしていないのかも。
 範馬親子は空手衣っぽい格好をしているし、直前に空手の「刻み突き」を見せたのかもしれない。

 と言うわけで、勇次郎がジャブを実演する。
 踏み込んでの右ジャブ三連だッ!
 かなり踏み込んでいるから、ジャブの中でも威力のあるほうだろう。
 こりゃ、たしかに「刻み突き」に近いかも。

「ジャブこそが」
「近代武術 格闘技における
 最速の技術(わざ)だ!!!」


 ずいぶん高く持ち上げられたが、大丈夫かッ!?
 刃牙が放つ最大の―――― 否、最速の打撃・ジャブだッッッ!
 左拳が武蔵のアゴを打ち抜くッ!
 ………―――ダウンだッ!

 宮本武蔵が方ヒザと、片手をついた。
 これは見事なダウンだ。
 いにしえの剣豪も近代格闘技の技術・ジャブを見切ることはできなかったようだ。

「過去 10秒間」
「「幾度も」…ってのはムリでも」
「3回ぐらいなら殺せてたぜ」


 武蔵に言われたコトを言いかえしたッ!
 範馬刃牙、会心のドヤ顔だ!
 近代格闘技が戦国兵法に一矢報いた。
 武蔵はこのままダマっているのか?
 次回につづく。
 なお、作者負傷のため刃牙道は一週おやすみだそうです。


 最速の攻撃はジャブだ!
 勇次郎の話はグラップラー刃牙2巻15話でボクサー高山が言っていたのと同じような内容だった。
 それだけに格闘技の常識ってことなのだろう。

 単純な速度だけなら、ジャブは最速じゃない。
 全盛期の具志堅用高は「サウスポーだから、左ストレートが一番早かった。それで時速30キロだったんだ。」らしい。(板垣恵介の格闘士烈伝
 やっぱり、利き腕のストレートが最速なのだろう。

 愚地克巳のマッハ突きは、打撃に使用する8関節を同時加速することで脅威の速度を出している。
 久我重明の寸勁は20ヵ所余りの関節を駆動させる正拳突きから、肩・肘・手首の3ヵ所を引いたものだ。
 使用する関節の数が違いますが、それは熟練度の差だろうな。
 ジャブは、逆に肩・肘・手首の3ヵ所だけで撃つイメージのノーモーション打撃だ。
 威力は弱いが、速いしスキも少ない。

 これは打たれるコトを覚悟して戦う、近代格闘技の試合が磨き上げてきた技術だろう。
 真剣勝負でも有用な技術っぽいけど、真剣勝負では地道にダメージを与えると言う発想が少ないのだろう。
 短刀などを持ったままジャブをしたら強そうな気もしますが。
 致命傷を与えるには、もっと強い力が必要なのかも。

 とにかく、近代格闘技が鍛え上げたジャブが決まった。
 あまり持ちあげるから落とすための前振りかと思って心配してたよ。
 武蔵も これで近代格闘技に興味を持ったかもしれない。
 今日からボクシングをはじめて、近代格闘技を学びはじめるかも。
 で、刃牙がエラそうに教えるとか。


 今週の作者コメントは「骨折だ。正拳が握れない。休ませてくれ!」だった。
 再来週には連載再開らしいので そんなに酷くはないようですが、骨折ってのが穏やかじゃないですね。
 何を、誰を殴ったんだろ。
 いや、殴って折れたと決まったワケじゃないけど。

 なお、今回でグラップラー刃牙371話+外伝9話+バキ276話+SAGA4話+範馬刃牙312話+ピクル7話+刃牙道29話=1008話で、累計1000話を超えていた。
 先週まで、ちょっと数え抜けがあったようで、1000回記念をスルーしてしまいました。
 今回1000話記念だったら、記念すべき回で作者骨折と言う、逆にすごいエピソードになっていたところなんですが。

 外伝を除外すると今回は988話目だ。
 12話後、41話でなにかが起きるかも?
 来週はバキ休載ということなので、恒例の過去展開まとめをやるつもりです。
 連載開始から1000話が過ぎて、一週回って刃牙も主人公らしさを取りもどしたようだ。
 すぐに失くしてしまいそうな不安があるけれど。

追記 (14/9/17)
 明日のチャンピオンは刃牙が休載だ。
 板垣先生が負傷(骨折)したらしい。
 長いバキシリーズの中でも作者負傷による救済は初めてだったと思う。
 そもそも急病すらおぼえがない。
 たまに三倍祭りで休んだりしますが……

 板垣先生が負傷休載した理由を考えた時、真っ先に「ムエタイ選手と喧嘩した」が浮かんだ。
 なんとなく正解のような気がするあたりが板垣先生の恐ろしさである。
 で、そのときにジャブの有用性を改めて認識して、「ジャブなら宮本武蔵にも勝てる!」と思ったのが今の展開だったりして。

 何度か書いていますが、武術のスポーツ化ってのは悪いことだけじゃない。
 競技人口が増えて、試合が盛んになると、技術が高まって行く。
 ただ、試合のための技術ばかり磨かれて、実戦から遠くなる危険性もありますが。
 とにかく、ここ100年ぐらいの格闘技は競技人口や録画による技の分析などで、17世紀にくらべると技術水準があがっている。……ハズ。
 宮本武蔵がそのまま魔界転生しても、剣道の試合をすれば、そんなに強くない。……ハズ。

 歴史上の宮本武蔵は勝ち負けにこだわる人だったようなので、変に土をつけちゃうと歴史的偉人級のストーカーになってネチネチ攻撃してきそうでこわい。
 そもそも五輪書を信じるなら、武蔵は生涯無敗だ。
 はじめての敗北にショックを受けて切腹しちゃうかもしれない。

 葉隠に、殿の用事を言いつけられた男が船に乗り遅れて、期日に間に合わなくなったら、ショックのあまり切腹したって話がある。
 ただし、男は手当てして助かる。
 とにかく、昔の人は簡単に殺すし、死ぬ傾向がある。
 武蔵が敗北の自覚をもってショックを受けたら、どうなるのか? 今後が気になるところだ。
 とりあえず、刃牙は増長しそうな気がする。

「親父、オレ、宮本武蔵に勝ったよ」(ドヤッ)

追記 (14/9/24)
 先日の『探検バクモン』は小池一夫特集ってことで、板垣先生もインタビューを受けていた。
 あいかわらず板垣先生は小池先生が大好きですね。
 話はいつもの通りキャラクター論だった。

 やっぱり、板垣先生はキャラクター論を使用して話を作っているらしい。
 キャラクター論の弱点はキャラ立てに失敗した時のダメージがけっこうデカい所だと思う。
 アライJr.みたいに、上手く行かないと、かなりの時間を浪費してしまう。
 いろいろとエピソードを重ねたけど、モノにならなかった時の虚しさといったら……

 結果だけ見るなら、アライJr.は範海王に負けていれば良かった気もする。
 範海王は名前や勇次郎っぽい雰囲気、愚地克巳そっくりな外見など、強敵っぽいオーラが出まくっていた。
 もっとも範海王はアライJr.にも勝てないほどキャラが薄かったのだろうけど。
 作者ですら範海王のこと忘れてたしな。

 アライJr. 対 範海王 ってのは刃牙史上にのこるキャラの薄い者同士の戦いだったことになる。
 ボクシングの技術だけで総合格闘技を戦い抜くと言うキャラ付けは面白かったんだけど。
 不安定になる蹴りをあえて捨て、刃物や目突きを警戒して組み付き寝技を拒否する。
 もっと面白くなりそうな要素があったんだけど、ナニが良くなかったのか。

 で、肝心なのは今後の宮本武蔵である。
 武蔵のキャラ立ては大丈夫なんだろうか?
 これだけ大風呂敷を広げて やっぱダメでした、じゃシャレにならん。

 武蔵が独歩や本部、渋川さんと出会えば、どんな達人トークをするのか楽しみだ。
 だが、楽しみなだけじゃダメな時もあるとアライJr.が教えてくれている。
 みんな、武蔵をもっと盛りたててあげて!


2014年9月18日(42号)
刃牙道 1話〜29話 まとめ

 作者が負傷・手術・入院のため刃牙道は休載です。
 と言うわけで、休載を利用して今までの刃牙道をふりかえって見る。



 退屈な戦士たち
サブタイトル内容
1「欠伸」 刃牙は危険な特訓をしながらも退屈で欠伸がとまらない
2「王者(チャンピオン)」 総合格闘技の王者アトラスが刃牙に挑戦する
3「退屈」 やっぱり刃牙は圧倒的に強く、アトラス相手でも退屈なのだ 

 連載再開の4話同時掲載だ。
 こうして見ると、3話までは本当に序章というか導入部ですね。
 共通キーワードは退屈だ。
 起承転結の起なのに、退屈なことが事件だってのは、斬新かもしれない。




 宮本武蔵 復活計画
サブタイトル内容
4「スカイツリー地下」 スカイツリー地下では極秘に宮本武蔵のクローンを作っていた! 
5「ジョン・ホナー」 宮本武蔵のクローン計画はこんな感じだ
6「予感」 戦士たちは強敵登場の予感で特訓していた
7「鼓動」 刃牙も何者かが復活する鼓動を感じていた
8「受精」 宮本武蔵のクローン作成中だ
9「出産」 該当年齢32歳6か月の宮本武蔵が培養液から出産する

 ここからが本番で、宮本武蔵というキャラクターが当面の刃牙道を引っぱって行くのだろう。
 退屈という起をうけて、宮本武蔵が登場した。
 クローン作成の説明に時間かけすぎと言う気もしますが。




 花山vs勇次郎 と 魂注入
サブタイトル内容
10「最強という言葉」 退屈している花山は勇次郎と戦うことを考える
11「仏作って魂入れず」 クローン宮本武蔵が目覚めてくれない。ので、霊媒師・徳川寒子を呼ぶ 
12「霊媒師」 徳川寒子はスゴ腕の霊媒師だ!
13「A君とB君」 花山と勇次郎が並んで歩く。激闘は必至だ!
14「疑念」 花山と勇次郎の戦いも、武蔵の覚醒もなかなか始まらない
15「本来の顔」 花山と勇次郎の戦いも、武蔵の覚醒もそろそろ始まりそう
16「変貌」 クローンの肉体に、宮本武蔵の魂が入ったッ!?
17「覚醒」 花山と勇次郎は激突寸前だ。武蔵が立ってしゃべった!
18「開始」 花山の全力パンチだ。武蔵もヤる気っぽい
19「近いな…」 勇次郎のカウンターが炸裂する。武蔵は現代日本を初体験だ

 退屈をまぎらわせるため、花山vs勇次郎だ!
 いっぽうクローンじゃ記憶は引き継げないだろうと言うツッコミを受けたのか、魂注入を行う。
 しかし、せっかくの花山vs勇次郎も なかなか戦わないな。
 でも、勇次郎と花山のコントは面白かった。




 よみがえった宮本武蔵
サブタイトル内容
20「現代」 地下闘技場に宮本武蔵がおりたつ。相手は佐部京一郎だ 
21「七対〇」 宮本武蔵はイメージ斬撃で佐部を七度斬る
22「刀」 素振りだけで宮本武蔵は日本刀をブチ折れるのだ!

 復活した宮本武蔵が、その実力を見せつける!
 と、思ったら戦わないコトで強さを知らしめるのだった。
 剣豪だけど刀を使わなくても やって行けるとアピールしたのが収穫か。




 範馬刃牙vs.宮本武蔵
サブタイトル内容
23「衝撃映像」 花山と勇次郎の激突に感心しつつも、刃牙は隣室にただならぬ気配を感じる
24「印象」 第一印象は核兵器級と、超ごちそうだ。刃牙は相手の正体を感じ取ったようだ
25「対面」 武蔵のイメージ斬りに刃牙は戸惑いつつ、正面から挑む!
26「少年(ぼん)」 刃牙のハイキックをよけて、武蔵が刃牙を地面に叩きつけた
27「竹」 ダウンから目覚めた刃牙は武蔵の特訓を目撃して衝撃をうける
28「勝負観」 刃牙は再戦を求めるが勝負観の違いから断られる。でも、ムリヤリ襲いかかる 
29「ジャブ」 近代格闘技最速の技、それはジャブだ! 武蔵すらダウンさせる
30「     」 範馬刃牙vs.宮本武蔵は、まだ続く!

 そして、いきなり頂上決戦が始まった!
 予想外にガチバトルだったし、刃牙があっさり負けて、武蔵もあっさりダウンする。
 どっちが強いのかワカらなくなった。混迷の展開だ。
 ダウンした武蔵はどんな反応をするのだろう。

 まとめて見ると、いちおう現代によみがえった宮本武蔵にそった流れになっている。
 ただし、花山vs勇次郎が かなり異質な感じに割りこんでいるようだ。
 二人の喧嘩はなにか意味があったのだろうか?

 それと、刃牙以外の戦士たちのアクビを止めるために武蔵が動くことになりそうだ。
 刃牙はその間、修行するのだろうか?
 どちらにしても武蔵が復活してからが、やっと本番だ。
 次回からは超絶バトルの連続だぞ! ……たぶん。


2014年9月25日(43号)
第4部 第30話「二刀流」 (1009回)

 現代によみがえった剣聖・宮本武蔵を、範馬刃牙がジャブでダウンさせたッ!
 ジャブこそは近代格闘技が生んだ、最速の打撃だ。
 宮本武蔵でも避けられない!

 倒れた武蔵を見下ろし、刃牙は得意顔だ。
 立ち上がった武蔵は自分の敗北を受けいれる。
 ダウンのスキで殺されていただろう、と。

 五輪書に生涯無敗と書くぐらいだから、宮本武蔵は負けず嫌いだったと言われている。
 無敗というだけでなく、他流のダメなところも五輪書に書いてしまう。
 そういう他者を認められない精神が仕官の道を閉ざしちゃったのかもしれない。
 だが、よみがえった武蔵はけっこう大人の対応をしている。
 自分の失敗を認めて、対策をするから、人間は成長できるのだ。

 死ぬ直前に宮本武蔵は大きな度量を備えたのだろうか?
 それとも、もともと度量が大きかったのか?
 五輪書は武蔵の弟子が書いた部分も多いと言う説もあるので、実際の武蔵がどんな人なのか分かりにくいのだ。
 とりあえず、この武蔵は立派な態度っぽい。

「跳び込んでくる直前――――」
「顔面を気配が叩いた」

「お前の気配は強いのでな」

「あれが防御(ふせ)げぬようでは」
「もはや兵法者ではない」
「知りたかったのはその効果だ」
「叩かれたのは」
「顔面(かお)の中心ではなく顎だ」


 って、負けず嫌いだ!
 読めていたけど、興味があったので喰らってみました的なコトを言っている。
 最初から犯人はワカっていたが、その後の行動を見たかったので泳がせておきました。と探偵が言うようなモノだぞ。
 ムチャなこと言う剣豪だな。

 さすがにコレは半分ぐらいウソだろ。
 28話でも気になっていたが、武蔵は話術で相手を煙にまいている。
 今回もゴマカしている気がするなー

 ただ、武蔵の言葉に説得力も感じる。
 気配を読めていたと言う点だ。
 あと、殴られた場所の指摘も。

 気配が実在するのかカン違いなのかは、さておき、武蔵は刃牙の攻撃を読めていた。
 少なくとも、もう一度きたら読めるのだろう。
 これで またジャブ喰らってダウンしたら赤っ恥だ。
 伝説の剣豪・宮本武蔵の名も地に落ちて、もう外も歩けない。
 きぐるみ着て、ゆるキャラ化するか、美少女になって萌えキャラ化しないと生きのこれなくなる。
 だから、もうジャブは喰らわない自信があるハズだ。

 渋川剛気 vs 愚地独歩で達人・渋川は「敵意 殺意を持つ技ならいかに速かろうがものの数ではないが」と言っていた。(G刃牙36巻 312話)
 達人クラスなら、殺気を読む的なこともできるのだろう。
 理屈や原理はおいといて、とにかく攻撃を察知できる。

 刃牙のジャブはもう当たらない。
 というか、ジャブに入る動作を読まれてしまう。
 武蔵は読む自信があるから「あれが防御(ふせ)げぬようでは」「もはや兵法者ではない」と言っているのだ。
 おなじ兵法者でも、本部なら何度だって喰らってくれますよ、きっと。

 ついでに武蔵は顎を叩かれたと見切っている。
 顎への打撃がいつぐらいに開発された技術なのか、ちょっとワカりませんが、わりと最近だろう。
 と言うのも、武蔵の時代だと刀の装備が前提にあるので、殴るより斬ったほうが早い。
 もちろん、武士であってもムヤミに刀を抜いちゃダメなので、当て身や組み技にも需要はあっただろう。
 だが、打撃で脳を揺らすと言う発想はなかなか出てこない。

 やはりボクシングなどの、殴りあう試合から生まれた技術だろう。
 ちなみに足の破壊を狙うローキックも近代格闘技で生まれた技術だ。
 試合で何度も闘う行為は新しい技術を生み出すことになる。

 武蔵ははじめて見た近代格闘技のジャブと、顎先への打撃を経験した。
 そして、すぐに理解している!
 高い理解力は達人の証だろうか?
 刃牙さんはドヤ顔で見下ろしていないで、追撃しておけば良かったのに。

「不覚」
「遊びとはいえ」
「我を失った」


 武蔵が遊びにしちゃった!
 今の遊びだから、ノーカンな! 宣言だよ。
 やっぱ、武蔵は負けず嫌いだ。
 負けを認める気が微塵もない。

 こっからが本番だから!
 そんな感じで「宮本武蔵」「範馬刃牙」と名前を名乗りあう。
 まさに戦国武将の一騎討ちだ。
 いや、戦国時代はもう名乗ったりしないのかも。
 とにかく、ここからが本番の一騎討ちがはじまる。

「刃牙」
「お前を容赦(ゆる)さん!」


 武蔵さん、怒っている!
 めちゃめちゃ怒ってるよ!

 寛容なフリをしていたけど、やっぱ怒っていたか。
 そりゃ怒るだろうな。
 さんざん因縁つけてきて、ちょっと優位に立ったら上から目線のドヤ顔で偉そうなことを言う。
 武蔵の立場なら、私だって怒る。
 人を本気にさせる男、それが範馬刃牙だ!(ちょっとカッコイイ感じに まとめてみました)

 本気の宮本武蔵は、二刀流だッ!
 無刀だけど、二刀流の構えですよ。
 こころの目で刀を見るんだ!

 両手を広げた武蔵の構えは、本気の勇次郎を彷彿とさせ、刃牙も戦慄する。
 この類似性は血縁ってこと無いよね?
 宮本武蔵は養子だけで、実子がいないハズだし。
 でも、隠し子ならアリか?

 とにかく、恐怖を感じながらも、刃牙は突っかける。
 先に仕掛ける こころの強さが範馬刃牙だ!
 まるで、少年王者時代の刃牙みたいだよ。

 ジャブを撃つため、刃牙が前ダッシュ=踏みこみ(ステップイン)をする。
 ボクシングの基本動作だ。
 簡単に言うと、後足で地面を蹴るようにして、前足を踏みだす。
 鋭いステップインと組み合わされたジャブは、遠間から最速で当たる!

 だが、武蔵も同じように、踏みこんでいた。
 後足は同じように蹴りだしている。
 前足は刃牙ほど速くないようだ。
 これは剣術での足さばきなのか?

 

 刃牙のジャブは掴まれていた。
 腕が伸びきる前にッ!
 伸びきるどころか、肩の手前で止められている。

 ジャブ自体は最速の攻撃だ。
 最小の関節駆動でもっともスキなく攻撃する。
 だが、ステップインの動作は大きい。
 なにしろ身体の移動だ。
 腕の重さは体重の5%ほどなので、動かすべき質量が20倍もある。

 腕の動きを見て止めることは、人間の反射速度じゃできないかもしれない。
 それこそ世界王者でもよけられない。
 だが、身体の動きなら見て、反応できる。

 武蔵は腕の動きを見切るコトをあきらめた。
 腕が動く前に、腕を止めることにしたのだ。
 居合いで言えば、相手が刀を抜く前に腕を押さえて止める。

 必殺の左ジャブを右手で掴まれた。
 次の動作にうつるより早く、武蔵の左手が一閃する。
 刃牙が逆袈裟に斬られたッ!(斬撃はたぶんイメージです)
 やっぱり本気の宮本武蔵は強かった。
 次回につづく。


 本気を出せばオレのほうが強いから!
 と有言実行した武蔵さんは、内心ほっとしているだろうな。
 一回見たから対策は立てていたのだろうけど、現実にできるか賭けだし。

 今回の二刀流は右手を盾とし、左手を剣とする、役割分担タイプのようだ。
 武蔵の父・新免無二は十手術に長けており、左手の十手を防御に使い、右手の刀で攻めたという話もある。
 そこから武蔵の二刀流は父の十手術を発展させたものだという説もあるのだ。

 左右の手を、防御と攻撃に役割分担するのは混乱しにくく使いやすい術なのだろう。
 日本では、なぜか盾が流行らなかった。
 だが、他の地域だと盾と武器と言う装備は一般的で有効だ。
 二刀流は盾のなかった日本で生まれた、盾と武器のスタイルなのかもしれない。

 武蔵は強かったが、圧倒的ってほどでもないようだ。
 刃牙が勝ち誇らずに追い討ちをかければ、絞めおとして武蔵を失禁させていただろう。
 悪く言えば、油断した刃牙の自業自得ですな。

 武蔵の強さは分析力と対応力にありそうだ。
 未知の戦技もすぐに見抜いて、対策をたてている。
 あと、会話が上手い。

 歴史上の宮本武蔵はもっと世渡り下手の印象がある。
 この武蔵は死亡直前の技術も人格も円熟した武蔵なのだろうか?
 でも、メチャメチャ怒ってたけどね。

 ものすごく大人げなく怒っていた。
 内面温度は『シグルイ』の虎眼先生なみの怒りで熱くたぎっていたに違いない。
 いまの武蔵は「気絶したからお前の負けね」などと、優しいコトを言わないだろう。
 トドメは刺せるときに刺す。
 大将首は取れるときに取る!
 戦国のならいで、刃牙が首を切り落とされそう。

 さすがの刃牙も生首になったら死ぬ。たぶん、死ぬと思う。
 そうなったら困るので、誰かの助けが欲しいのだが……
 武蔵もスポンサーの徳川さんに泣きつかれたら、刃牙を殺したりしないか。

 それとも、ダウンした刃牙は無意識の防衛本能で失禁して武蔵を撃退するとか、どうだ。
 無敵の剣聖も刃牙の聖水は浴びたくないでござろう!
 刃牙は命を拾って、大切な何かをすてるコトになるかもしれないが……
 いや、刃牙はもう、それを捨てていたんだっけか?

追記 (14/10/1)
 範馬刃牙、日に二度目の敗北か?
 首筋を打たれたらダメージはただ事じゃないハズだ。
 空挺団の運動会でも「確実に制圧するには首を狙ってください」と訓辞が出るそうだし。

 刃牙は言い訳不能なぐらいに負けちゃったけど、これからどうするんだろう。
 ユリーに負けた時は山籠にいって猿と戦った。
 今度は部屋にこもって想像のカマキリと戦うのだろうか?
 とにかく再修業が必要なのはまちがいあるまい。

 でも、現在の刃牙は技術に関しても達人レベルだ。
 刃牙を指導できる人なんて数人しかいないだろう。
 でも、刃牙はカマキリやゴキブリから学べる人だから独学のほうが強くなるのかも。
 普通の人間じゃ到達しない領域に刃牙は達してしまったのだ。

 勝者の武蔵は放浪者(バガボンド)だろうか。
 戦国時代と現代じゃ、外国どころか地球と火星ぐらいに環境がちがう。いや、それは言いすぎだ。
 異邦人として孤独を感じてても良いはずなのだが、目の前の勝利で機嫌がよくなっているのだろうか?

 連載前のインタビューで、板垣先生は新キャラと旧キャラの絡みが楽しみだと言っていた。
 つまり、実は、ここからが刃牙道の本番なのだろう。
 本番前に主役が敗北していて大丈夫なのか心配だ。
 でも、逆に言えば本選がはじまる前の練習試合で負けたようなものだし。
 それにしても、30話かかって まだ序章って、そうとうなスローペースだ。


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