刃牙道「101〜110話」感想

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2016年3月17日(16号)
第4部 第101話「野生」 (1080回)

 恐竜時代の原人ピクルと、伝説の剣豪 宮本武蔵が激突必至だッッ!
 今日はじめて刃牙道を読んだ人はナニを言っているのか、さっぱり理解(わか)らんと思うが、そういうモノだとあきらめてくれ。
 世界は広く、人間の理解できる範囲は狭い。
 "なぜそうなったか"よりも、"これからナニが起きるのか"に集中するんだ!

 原人ピクルと宮本武蔵、戦ったら、どっちが強いのか。
 こりゃ、明日からでも使える話題ですね。
 否ッ、今日ッ、現時点からでも使用(つか)えるッ!

 と、いうワケで5トンのクロロホルムを投入して眠らせたピクルが運ばれてきた。
 眠れるピクルの顔面に、宮本武蔵が平手で張りをいれるッ!
 これは痛そうだ。
 というか、確実に痛い。
 いきなりの暴力に見ていた徳川光成、ペイン博士、野々村もビックリだよ。

 だが、ピクルはまったく動かない。
 クロロホルムは麻酔の効果があるので、痛くないのだろう。
 全身麻酔だと身体を斬って内臓とりだしても痛くないんだし。
 だが、武蔵はピクルの野生がスゴいと認識したようだ。
 武蔵さん、江戸時代の人だし麻酔知らないもんね。
 華岡青洲が世界で初めて全身麻酔を成功させたのは文化元年、武蔵の死から159年後のことであった。

 野生動物が攻撃を受けても起きないってのはいかがなものか。
 でも、ピクルは無防備に寝ても平気な男だった。(範馬刃牙12巻 93話
 強すぎて鈍くなっちゃったようだ。

 武蔵はつづいてエア斬撃を放つ。
 何人も斬ってきた剣豪による殺気は、相手に斬られた感覚をあたえる。
 野生のピクルには通じないんじゃないかと心配される技だ。
 というか、寝ている人間に効くのか?

 エア斬撃の手ごたえ(?)が硬い。
 かつて試し斬りで『八ツ胴』を達成した武蔵ですらビックリするピクルの首であった。
 武蔵は『八ツ胴(死体8人を重ねてまとめ斬り)』を達成していたのか!
 伝説級の試し斬りだな。そりゃ将軍も絶賛する。

 武蔵はかつて独歩の試し割りを揶揄するような発言をした。(5巻 37話
 おまえも試し斬りしてたじゃないかッ!
 ワカったうえで挑発していたって事だな。
 武蔵も昔「動かぬ死体を斬るのが、おぬしの剣でござるか?」と言われてブチ切れて、相手も斬った経験があったのかも。

 エア斬撃を受けたピクルが目覚める。
 クロロホルムの麻酔から抜けたのか。
 というか、エア攻撃がワカるんだ。寝てても。
 野生のカンですかね。

 恐竜に踏まれても起きなさそうなピクルが目覚めた。
 つまり武蔵の斬撃は恐竜以上の攻撃力ってことだ。
 人間の叡智が生みだした武器は侮れないってことですね。
 ピクルだってクロロホルムに不覚をとったワケだし。

 人間の言葉がわからないピクルだが、目の前にいる相手が自分を攻撃したことは理解した。
 牙をむき、ピクルは武蔵に襲いかかる。
 だが、武蔵の手刀がピクルの口に入った!
 そして斬撃乱れ斬りだ!

 バキ世界の武蔵は剣を極めて、その先に刀を持たずに斬るという境地にたっした。
 正確には完成間近だ。
 ピクルの口に決めたのは、無刀の斬撃だろう。
 では、乱れ斬ったのはエアか? それとも無刀の攻撃なのか?
 正解はたぶん次回で。
 ……剣豪の攻撃は難しすぎる。


 宮本武蔵vs原人ピクル!
 特撮映画みたいなタイトルだよ。
 とにかくインパクトだけはある。
 これに勝つには、ブルース・リーvs北京原人ぐらいのビックタイトルにしないとダメだ。

 この勝負だが、武蔵は負けたらピクルに喰われるという事を知っているのだろうか?
 殺伐とした戦国時代だって、試合で毎回殺したりしない。
 今回は素手で勝負しているから、殺し合いでなく試合のつもりで戦っているとしたら……
 ……武蔵もちょっと危ないかも。

 いっぽうのピクルだが、ちゃんとエア斬撃につきあってくれた。
 わりと人間社会にとけこんでいる証拠だろうか。
 なんか牙も小さくなっている気がするし。

 というか、刃牙に折られた牙がはえていますね。(範馬刃牙34巻 275話
 野生パワーで再生したのだろうか?
 ジャックが歯を失いインプラントになっているのと対照的だ。(95話
 もしかして、ピクルも歯医者に行っていたりして。

 ズボンもはいて、牙も小さくなった。
 どうもピクルが弱っているようだ。
 恐竜を好きなだけ狩っていた白亜紀と違い、いろいろ妥協しないと生きていけない。
 現代社会がピクルを弱らせたのかもしれない。
 そのうち、冬になったらコートを羽織るようになったりして。

 ピクルが弱っているとなると、やっぱり本部に守護(まも)ってもらう必要がある。
 だが、本部は戦いの場所を知らないだろう。
 本部は今どこをさまよっているのか。

 だが、希望はある。
 そもそも、日本で起きる格闘事件のほとんどに徳川さんが絡んでいる
 とりあえず徳川さんの動きを見張っておけば、事件にたどりつくって事だ。
 本部には家屋潜入が得意な弟子・ガイアがいる。
 その気になれば、徳川さんの動きを見張ることができるぞ。

 もしかすると、本部はすでに手をうっているのかもしれない。
 あのピクルは本部がひそかに作らせたダミーかも。
 骨格を金属で作っていたので、首が斬れなかった可能性もある。
 牙が生えていたのはニセモノだから、とか?

 もちろん中に入っているのは本部です。
 今回のラストで斬られて、深刻なダメージだ。
 アラミド繊維で作った上着は防弾・防刃だけど、打撃への耐性が低いんだろうな。

 あれが偽ピクルだとしたら、ピクルを演じられる人間が一人いる。
 骨延長でピクル並みの体格になったジャック・ハンマーだ。
 本部に倒されて、弱気になったところで強制的に弟子にされて、いいように使われたのかも。
 影武者用として古来より伝わる化粧術で、ジャックを偽ピクルにした。
 ラストの斬撃でジャックは大ダメージを受けたど、ピクルを守護(まも)ったぞ!?

追記 (16/3/23)
 武蔵vsピクルが開始(はじ)まった!
 でも、正直なところ、武蔵と本部をさっさと戦わせて区切りをつけて欲しいので、ピクルには早目で無事な退場を願っています。
 過去の強敵で試し割りは切ないから、ほどほどにして欲しい。

 ピクルは人間と野生動物の中間みたいな存在だ。
 自然に育まれた超肉体で闘う。
 たいする武蔵は武術家だ。
 人間の叡智で作られた技術で闘う。

 この勝負はピクルの不利だろうな。
 パワー馬鹿のピクルは技術で封じられると弱いハズだ。
 たとえば、達人・渋川さんなら合気でピクルを完封できるだろう。
 油断したり、手を抜いたりしなきゃだけど。

 ただ、人間用の技術である合気がピクルに通用するのか、一抹の不安もある。
 最大トーナメントのころから、渋川さんの合気は夜叉猿に通用するのか? という疑問があった。
 夜叉猿に効いたとして、アナコンダにも効くのか?
 蛇の噛みつき・絞めつけに合気ってのはシュールな戦いだ。

 蛇や猿は精神状態が人間と違うから、合気が効かないかもしれない。
 そう考えると、ジャックへの合気がイマイチ効いていなかった感じがしたのは、ジャックが興奮剤などを使って普通でない精神状態だったからかも。

 話がそれたが、ピクルは武蔵の武術に完敗しそうって事だ。
 ピクルは技の理解力をもっているが、けっきょく都会で野生生活をしている。
 技術的な進歩はないだろう。

 野生生活をしているわりに、ズボンをはいて野生度が下がったピクルである。
 そもそも、ピクルは原始人のクセに細面で毛深くも無い。
 あまり原始人っぽくないぞ。

 ツルっとした、ピクルはあれでも女性人気狙いのキャラなんだろうか。
 餓狼伝の鞍馬は女性人気狙いだったらしい。
 板垣先生には「ロン毛にすればとりあえず美形」とかの方程式があるんだろうか?

週刊少年チャンピオン2016年16号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2016年16号



2016年3月24日(17号)
第4部 第102話「似(かぶ)る」 (1081回)

 現代によみがえった恐竜時代の原人ピクルと、現代によみがえった伝説の剣豪 宮本武蔵が闘う!
 くしくも現代によみがえった者同士対決だ。
 もう、これ以上インパクトのあるよみがえりは無いだろうな。
 あとは宇宙から飛来するか、未来からやってくるかぐらいだ。
 もしくは、範馬一族の逆襲かな。

 5トンのクロロホルムで昏睡したところを拉致されて、寝ているところを攻撃された。
 そんなピクルの境遇には同情してしまう。
 私は手術で全身麻酔したことありますが、目覚めたとき自分がどこで何をしていたのか思い出せず、意識が戻ったら大勢に囲まれ名前を連呼されていて軽いパニックになりました。
 ピクルもクロロホルムからの目覚めでビックリしていただろうな。

 だが、白亜紀の戦士ピクルは目覚めると同時に攻撃にうつる。
 ピクルは感じ取っていたのだ。
 周辺にいる人間、武蔵・徳川光成・ペイン博士・野々村のうち、誰が自分を攻撃したのかをッ!
 この辺は、さすが原始人だ。
 野生のカンで誰が強いのかをイッパツで見抜いたな。
 ちなみに、イチバンの悪は徳川さんだと思う。

 武蔵はピクルの攻撃をかわしつつ、手刀を口に叩きこむ。
 抜き胴、ならぬ抜き口だ。
 さらに武蔵は攻撃をつづける。
 エア斬撃なのか、無刀斬なのか、定かじゃないけど乱れ斬りだ!

「獣だ」
「俺に勝るとも劣らず」


 その言いかただと、武蔵も原始人クラスの獣ってことか?
 少年期から青年期の宮本武蔵は荒ぶる獣性をもてあまして暴れることもあった。
 有馬喜兵衛を殺したのは13歳のときと言われている。
 数え年で13歳だから、満年齢で言えば11〜12歳だ。
 現代風に言えば、小学生で童貞を捨てた!(※ 敵を初めて殺すこと)

 晩年の武蔵はもっと落ち着いたモンだと思ったが、まだまだ荒ぶる獣だったのか?
 それとも若い肉体になったことで、体内の獣がよみがえったのかも。
 いや、この言葉も相手を動揺させるための策だったりして。
 原人ピクルは言葉を理解できないけどね!
 武蔵は、そのへんの話を聞かされていないようだ。

 甲冑すら両断する武蔵の剣だが、ピクルの筋肉は斬れなかった。
 動物の皮はけっこう丈夫だ。
 人間が素手でシカを解体できるのか試した学者は歯やツメじゃ文字通り歯が立たなかったとか。
 生身の皮とは条件が違うが、革製の鎧でも斬撃には充分な効果があるらしいし。(「戦闘報告書」が語る日本中世の戦場
 昔チャンピオンで連載していた石山東吉『CHICKEN CLUBII-覇王の森-』でも皮ベルトで刃物を防いでいたし。

 野生のピクルも丈夫な皮をもっているのかも。
 毛がないから防御力に不安があるが。
 ピクルの薄毛は原始人らしくないんだよな。
 白亜紀は気温が高いから毛が不要だとでも言うのか?
 赤道の動物でも毛が生えているのがほとんどだし、白亜紀でも必要だったと思います。
 肉質の良さはダイヤモンド級だから、打たれ強いのに疑問無いけど。

 武蔵、必殺の斬撃もピクルにアザを作るだけだった。
 エア斬撃じゃなく、無刀の斬撃だったのか?
 そのへんは謎だが、ピクルにあまり効いていない。
 どうすればピクルを倒せるのか?
 これは武蔵にとって、勝利の方程式が狂ったな。

 いっぽう斬られたピクルは武蔵の攻撃に、白亜紀で戦った強敵を思い出していた。
 ティラノサウルスのような巨体ではない。
 小型だが、素早く、足指に鋭いカギヅメをもつ恐竜だ。
 デイノニクス、――――――ヤツに似(かぶ)るッッ!

 ティラノサウルスは巨大すぎて鈍重になり死肉食をしていたという説もあります。
 それに比べるとデイノニクスは、素早い動きで敵を狩る優秀なハンターだ。
 小説映画の『ジュラシック・パーク』ではラプトルと呼ばれていた恐竜である。(学説が変わったりで現在はデイノニクスに相当するらしい)
 高い知能と素早い動きは、恐竜のイメージを一新させた。

 その恐るべきデイノニクスの姿が、両腕をだらりとおろす武蔵の例の姿にかぶる!
 かぶりすぎだッ!
 デイノニクスも、なんか脱力しているよ!
 尻尾でバランスとらずに、直立してんですけど。
 中に人が入っていそうな立ちっぷりだ。
 だから、被(かぶ)るか! いや、字がちがう。

 もしかして、デイノニクスも脱力を利用した攻撃をしていたのだろうか?
 知能高そうだしな。
 上手く進化すれば『のび太と竜の騎士』(AA)の恐竜人みたいになるかもしれないし。
 デイノニクスも、カギヅメ二刀流などを使用(つか)う個体がいたのかもしれない。

 武蔵はピクルの肉体に強さを感じた。
 ピクルは武蔵の技にかつての強敵を思う。
 たがいに強さを認識した。
 ここからが本当の戦いになるのか?
 次回につづく。


 武蔵の攻撃が通用しない!
 本物の日本刀を使っても斬りきれないんだろうな。
 武蔵の非破壊検査能力はかなりのものだし。
 安藤さんの山刀も夜叉猿を斬ることができなかった。G刃牙11巻 94話)
 野生の強さは侮れない。

 ピクルの超肉体は、高い防御力をもっている。
 刃牙に折られた牙も戻っているし、肉体の質が現代人よりはるかに上だ。
 武蔵は、この難攻不落の原人ピクルをどう攻略するのだろう。
 打撃技だけじゃキビしい感じだが……

 未完の奥義、剣の道を究めて無刀に至る必殺技を完成させる時が来たのだろうか?
 いままでの戦いを見た感じだと、手刀でちゃんと斬っているようだ。
 鎬昂昇の斬撃空手を強化したような技ですね。
 出番がほとんどないのに、技で敗北している昂昇がかわいそう。

 武蔵はピクルの超肉体すら斬ることのできる必殺技を完成させるのか?
 戦場でつかうことを考えるなら、鎧も両断できる威力が欲しい。
 二刀流だから、左右の手刀を交差させて、二倍の威力で斬ったりするんだろうか?

 それと、本部がまだ来ない。
 完全にピクルを見失っているね。
 ピクルを守護(まも)るため、本部は街をさまよっているのだろう。

 そして、刃牙の出番も、話題も、無い。
 まだ新しい型が見つからないのだろうか。
 巨凶・範馬の血と言えども、油断すると悲惨な目にあう。
 ジャック兄さんは巨人化して、見事に噛まれた。
 型を見直しているうちに、ムエタイにたどりついだらダメだぞ。

追記 (16/3/30)
 明後日は4月1日のエイプリルフールだッッッ!
 でも、刃牙感想の更新と被りまくっているので、なにもやりません。
 そもそも、刃牙でエイプリルフールネタをすると、最初の1行目を読んだだけでウソとわかる内容にしたつもりでもダマされる人がけっこういた。(過去ログ
 刃牙がなんでもアリ過ぎて、どんな無茶でもとりあえず信じちゃうようだ。

 そもそも、刃牙の「塩漬けで保存された恐竜時代の原始人が復活」とか「宮本武蔵をクローンと降霊術で現代によみがえらせる」が、エイプリルフールのネタみたいだし。
 過去の自分に教えても、絶対信じてもらえないと確信している。
 「板垣先生だって、そこまでバカじゃねーよ!」と過去の自分に怒られるだろう。

 そんなワケで、こんなネタならみんなダマされるエイプリルフール刃牙ネタを検証してみよう!
 四月バカ刃牙だ!

・ 刃牙の映画化決定!(ダマされ率99%)
 TVシリーズだと金がかかりすぎて、ハイリスク・ハイリターンなのか、最近マンガの映画化が増えている気がする。
 ならば刃牙が映画化しても良かろう。
 映画のほうが暴力描写の規制もユルめだし。

 問題は、どこを漫画化するのかだけど……
 などと楽しく妄想できてしまう。
 人は嘘にダマされるのではなく、信じたい情報にダマされるのだ。
 お金が欲しいから、うまい儲け話にダマされるように。

・ 刃牙の実写映画化決定! 主演は剛力彩芽(ダマされ率70%)
 一時期ほどじゃないけど、剛力彩芽なら何でも主役はれるよネタだ。
 これは絶対に信じて激怒する人が出てくるだろう。
 ちなみに、剛力彩芽でググると検索候補に「バキ」が出てくるほど似ていると評判です。

・ 刃牙のミュージカル化決定!(ダマされ率80%)
 漫画のミュージカル化は女性に人気がある。
 刃牙だと客層が違っていそうだけど、筋肉パフォーマンスが実現したら面白そう。

・ 刃牙外伝 本部が連載決定!(ダマされ率50%)
 これはさすがにウソっぽい。
 最近は漫画業界も不況なのか、ヒットした漫画という資産を活かして、外伝を作成する場合が多い。
 刃牙もまだまだ資産がありそうだ。
 花山と独歩はやったので、烈海王なんかどうだろう。
 イチバン望まれているのは範馬勇次郎なんだろうけど、勇次郎だと強すぎて話になりにくい気もする。

・ 新キャラは宇宙人!(ダマされ率30%)
 さすがに宇宙人は無いだろう。
 などと言っても、ピクルや宮本武蔵という例があるしな。
 サイボーグはドイルが実現したようなもんなので、今更だし。
 むしろスピンオフで『グラップラーズvsエイリアン』とか、どうだろう。
 宇宙人だろうがゾンビだろうが、ひたすら素手で殴り倒す。

・ 刃牙が死んで次回最終回(ダマされ率40%)
 毒手くらった刃牙が弱っていたころに、掲示板へフライング情報として「刃牙が死んで次回最終回」と書いた人がいました。
 それ読んで信じた人がいたんですよ。
 今の刃牙は元気だから良いけど、予測のできない刃牙ワールドだけに、とつぜん死んで最終回ってのもありうるのかも。

・ 外伝 女子バキ(ダマされ率10%)
 いっそうの事、刃牙を女体化して新しい地平を拓く!
 なんか混ぜちゃいけないモノを混ぜているような不安があるが……

・ 実際の展開(ダマされ率0%)
 ある程度は予想がついても、どこかで突き抜けるのが刃牙だ。
 武蔵vsピクルの決着も、きっと予想外なんだろうな。

 と言うワケで、良いエイプリルフールを!


週刊少年チャンピオン2016年17号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2016年17号



2016年3月31日(18号)
第4部 第103話「夢」 (1082回)

 クローン技術と降霊術で現代によみがえった宮本武蔵と、塩漬けで現代まで保存されていた恐竜時代の原人ピクル が闘う!
 まさに夢の対決、ドリームマッチだ!
 まるで悪魔が見せる夢(略して悪夢)のように危険で甘美な戦いである。
 念のため書いておきますが、エイプリルフールは明日です。

 徳川光成・野々村は武蔵・ピクル・ペイン博士を実験場に連れていく。
 ジュラルミンの壁に、ラバー性(製?)の床という丈夫そうな部屋だ。
 ここで思う存分に闘うがいい。と言う事のようだ。

 武蔵とピクルは互いに強敵と認めあっていた。
 あれだけテンションが上がっていたのに大人しく移動したのか。
 武蔵はともかく、ピクルもけっこう冷静ですね。

 ここでペイン博士が異議をとなえる。
 ピクルも宮本武蔵も、タチの悪い妄想クラスの奇跡的な存在だ。
 二人を闘わせて失ったらどうする、と。

 うわぁ、正論だッ!
 刃牙世界は頭のネジがブッ飛んでいる人ばっかりだから、常識的なツッコミはいると思わんかったよ。
 戦士たるもの、どっちが強いかと競ってしまうのは理解(わか)る。
 でも、その結果で死んだり重傷になったりするのは良くない。

「ムサシ・ミヤモト と ピクル どちらが強い」
「そんな子供じみた好奇心のため」
「我々はかけがえのないものを失おうとしているのだ」
「目を覚ますのだ!!!」

「声がデカいわ」
「目覚めてしまうわい」
「戦国期 最強の剣士と」
「白亜紀最強の戦士がここに出逢ってしまった」


 常識的なことをいうペイン博士に、徳川さんが反論する。
 反論と言うか、思いっきりワガママ言っているだけじゃねェいか。
 やはり、この場にいる人間のなかでイチバンの悪は徳川光成だッ!

 ところで徳川さんの「目覚めてしまうわい」がチョット意味がとりにくい。
 ペイン博士の「目を覚ますのだ!!!」に対して「目覚めてしまう」と言うのは、会話が噛みあっていない。
 最強の剣士と戦士が出逢えば、勝負したい気持ちが「目覚めてしまう」ってことか?
 それとも、屋根裏(?)に本部とガイアが居て、なぜか居眠りしているから起こすなととでも。
 この謎は次回以降であきらかになるんだろうか?

「この「夢」を中断することだけは許さん

 徳川ァ〜〜〜〜ッッ!
 やっぱ、コイツは烈が死んだことを全然反省してねェよ!
 横たわる烈を前にした時の態度はなんだったんだッ!(8巻 66話
 徳川は自分の欲望に正直すぎる人なんだな。
 この強欲は、なおらぬ病だ。

 エゴイズム モンスターの徳川を、どう止めるのか?
 ペイン博士は拳銃を取りだす。
 いや、拳銃じゃ威力がたりないぞ。
 ストップ徳川なら可能だろうが、かんじんの武蔵とピクルに通用しないと見た。
 ピクルには拳銃が効かなかったし。(外伝ピクル 3話

 先に動いたのは武蔵だった!
 ペイン博士の手首を折り、エア斬撃で乱れ斬りだ!
 手首をキッリチ折るあたり、闘争をジャマされたくない意志を感じる。
 達人である武蔵なら無傷で制圧することもできるだろうが、あえて折った、な。

「短筒の類(たぐい)か」

 武蔵は奪いとった拳銃を乱射する。
 戦国時代には馬上で使用するため銃身を短くした火縄銃『馬上筒』があった。
 だが、拳銃サイズの銃は、たぶん無い。
 そして、江戸末期まで日本の銃は火縄を使用していた。
 拳銃とは構造がかなり違うぞ。

 さらに言うと、武蔵の時代に再装填をしないで連射できる銃もない。
 白土三平の忍者漫画には銃身を数本まとめた回転式の銃が出てきますが、武蔵の時代より後だ。
 武蔵は短筒も、連射式銃も、火縄銃以外の銃も知らない。
 なのに使って見せた。
 実はこっそりTVとか見て研究していたのだろう。

 戦闘における情報収集が重要なのは言うまでもない。
 武蔵は現代の武器をすでに研究している。
 そうなると、本部がひそかに機関銃(マシンガン)を用意していても、通用しないかも。
 ……本部の死亡フラグがひとつ増えたか?

「手裏剣よりは容易(たやす)いが」
「よく当たる」
「怖いな」
「「道」にはならんがな」


 武蔵は銃の性能を評価しつつ、「「道」にはならん」と言う。
 ここで言う「道」とは生きる指針だろうか?
 銃は強いけど、道具でしかない。
 手段になっても、目的にならない、のか?

 銃がダメなら、刀もダメっぽい。
 それとも、日本刀は魂がこもっているからOKなんだろうか?
 武蔵が無刀の境地を目指しているのは、道具に頼らず「道」を見つけるためのかも。

 とにかく邪魔者は排除した。
 これで、武蔵vsピクルの勝負がはじまる。
 ピクルから見て、武蔵は噴火する火山クラスの危険だ。
 武蔵は敗北して喰われることも辞さない覚悟である。
 この勝負は、死をもって決するのか?
 次回につづく。


 ペイン博士が思っていたより常識人だった。
 そして、徳川さんの悪人度が増している。
 烈の一件で、人間を死ぬまで戦わせることに快感をおぼえたんだろうか。

 ペイン博士は徳川さんの罠にウッカリはまりすぎだ。
 ノーベル賞の頭脳なら保険として、なにかの策を用意していてもいいンだけど。
 ペイン博士が本部と連絡をとっていれば助かるが、本部とペイン博士って面識ないよな。
 ガイアが共通の知人として引き合わせてくれたらいいのだが。

 それにしても、前回からビックリするぐらい話が進んでいない。
 いちおう新情報はあったから良しとしますか。
 ペイン博士はわりと良心的な人だ。
 徳川さんの悪人レベルがあがりました。
 銃は道にならない。

 すると、本部が機関銃(マシンガン)を乱射しながら乱入してきたら、道を外れた者として非難されそうだ。
 本部が報われない予感がする。
 もともと本部は報われないポジションだったから、もとに戻っただけかもしれないけど。

追記 (16/4/6)
 前回感想で考えさせられるコメントをいただきました。
 全部じゃないですが、紹介と返事です。

 前回感想のコメントから。
> 目覚めてしまうわい というのは単純にそんな大声で正論言ってジャマされるとこの夢のような光景を前にして冷めてしまう。ようするに徳川のじっちゃんは夢の光景が見たいから黙ってろって言いたいのを博士の目を覚ませに対応して目覚めてしまうと皮肉っぽく返してるだけかと

 なるほど!
 「いつまでも、そんな夢みたいなこと言ってないで働け!」と言うのに対して「俺は夢を見ていたいんだよ!」って返した感じですか。
 サブタイトルの「夢」とも合っているし、これは良い解釈ですね。
 つうか、徳川さん良い大人どころか、ジイさんなのに若い脳しているな。

> 本部はどうやって割り込むんだろう
 現状だと難しいですね。
 武蔵は銃も学習しちゃったし、ますます危うい。

> 博士があまり苦しんでないので、もしかして外しただけかも。。。某渋川先生みたいに。
 確かに、折ったのでなく脱臼かもしれませんね。
 脱臼でも痛いはずですが、声を出さないペイン博士はけっこう肝がすわっていますね。

> 銃道といったらあのアニメですね
> 奇しくもミヤモトムサシが主人公の・・・うおっまぶしっ
 GUN道のことは、そっとしてあげてください。

 掲示板のコメントから。
> ピクルの体って恐竜の爪で切れるんだね。

 武蔵が肉を斬れなかったと言っているので、薄皮一枚のダメージなのかも。
 ただ薬の無い時代は傷口が膿んだら結構ピンチなので、ピクル的に嫌なダメージかもしれません。

> 今週の銃のくだり、スカイツリー地下に進入したはいいけどピクルの場所がわからない本部が銃声で位置を特定するための伏線だったりする気がして不安。
 これで本部がきちゃったら、夢をブチ壊された徳川さんがハンターたちに銃殺を命じそう。

> このペイン博士はニセモノだな。銃、野暮ったい服装、つまり正体は本部
 髪の感じもちょっと似ているし、もしかしたら……

> 死ぬまで戦わせたくなっちゃった爺はもはや人ではないものになってしまった
 徳川さんの外道レベルが上がった!
 この人、やっぱり悪だ。

> 1つ考えたのは、刃牙や独歩や花山は闘技場で闘う時はあくまで試合で、相手を殺そうと思って闘っていない。あくまで格闘家、喧嘩師であって殺人鬼ではない。
 たしかに、倒すために強い攻撃を出すのと、殺すために強い攻撃を出すのじゃ、おなじ全力でもずいぶん違いますね。
 幼年編の刃牙が勇次郎の戦いに疑問をもったのと同じ違いっぽいし、それこそ「道」に通じるテーマかも。

> 「道」についてどういう考えをもってるのか知れる展開になったらいいな
 軽く流しちゃいましたが「道」の概念が出てきたのは重要だったかも。
 刃牙も進むべき「道」を見つけたのだろうか?

> 銃で相手を撃ち殺しても名声は得られないといったとこかな。
 戦国時代では、銃や弓矢で敵を倒すよりも、刀や槍で殺したほうが評価高いらしいですね。

> ただ最近のクナイやら木刀やらが効果がある描写を見ると当然それ以上の威力がある銃が効かないっていうのは違和感があるんだよねえ
 クナイや木刀が強いのではなく、使っている本部が強いのかも。
 銃も本部が使えば、スゴいぞ! ……たぶん。

> とらさんにお聞きしたいんですが、率直に言って今の刃牙道って面白いと思えますか?
 つまらなかったら毎週長い感想を書けません。
 実際、感想書くの止めちゃったのもありますし。(忙しいのも原因でしたが)
 現在の展開は全盛期の熱量に比べたら劣りますが、その辺の漫画より楽しんでいます。


週刊少年チャンピオン2016年18号 [雑誌]
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2016年4月7日(19号)
第4部 第104話「何者」 (1083回)

 恐竜時代の原始人ピクルと、戦国時代の剣豪 宮本武蔵が激突する!
 そして、二人は知らないだろうが武器を使えばかなり強い本部以蔵がスキあらば妨害(まも)ろうと狙っているぞ。……たぶん。
 本部がこの場を探りあてるまでに、決着をつけられるのか!?

 武蔵とピクルの闘争をとめようとした常識人のペイン博士は右手を折られて座りこんでいる。
 いや脱臼かもしれないが。どっちにしろ汗を流して動けずにいる。
 ペイン博士は、ついでに宮本武蔵の得意技エア斬撃を喰らって斬殺される感覚を味わった。
 シロウトに ここまでのイメージを与えるってのはスゴいな。
 武蔵のエア斬撃は本格的な精神攻撃のようだ。

 武士社会では、城中などで刀を抜いちゃいけないというルールがあった。
 しかし、たまに城中で襲ってくる人間もいる。
 そんなとき、エア斬撃で対応すればルールを破らずに相手を制圧できるのだ!
 侍にとって夢のような技だ。
 こりゃ、きっと入門希望者が押しかけてきたことであろう。

 武蔵のエア斬撃をうけてペイン博士は立つこともできない。
 右腕はリアルに負傷しているんだから、早く病院行ったほうがイイぞ。
 骨折も脱臼も放置すると症状が悪化してしまう。
 だが、徳川光成も、野々村もペイン博士をガン無視している。
 さすが非道の格闘鑑賞マニアだ。まったくブレてない。

 ピクルvs武蔵は つつがなく進んでいる。
 武蔵の姿に難敵だった恐竜デイノニクスを感じたピクルは、まっすぐに蹴りを放つ!
 攻撃をかわした武蔵は、両手でピクルの足を叩きつける。
 これは槍などの攻撃を迎撃する技を応用したのだろうか。

 武蔵はピクルの足を叩きつつ、エア斬撃も出していた。
 リアルの攻撃と、エアの斬撃の相乗効果だ!
 武蔵は無刀の奥義を完成させようとしていた。
 その前段階として、この合わせ技を使っているのだろうか。

 だが、この攻撃ではピクルの足を両断できない。
 肉は斬れても、骨が断てないイメージだ。
 しょせんイメージなんだから、思いきって地球ごと真っ二つにしても良さそうなのに。
 たぶん真剣を使用(つか)ったときと同じダメージなのだろう。
 武蔵は律儀にダメージ計算しているようだ。

 足にダメージを受けたピクルだが、激痛にひるまず反撃する。
 天を突くような豪快なアッパーだ。
 武蔵はこれもかわし、胴に斬りこむ。
 これも筋肉しか斬れないイメージだ。

 筋肉だけといっても充分なダメージだし、ピクルは痛がって反撃できない。
 エア斬撃で充分に相手を倒せるのなら、烈海王と戦った時もやって欲しかったな。
 それとも、最近思いだして使いはじめたのだろうか?
 武蔵だって、突然よみがえったのでナニをすべきか混乱していたようだし。

 恐竜と戦う原始人と言うのは、戦国時代にも江戸時代にも無い概念だ。
 現代にも無いけどね!

 ピクルという強靭な肉体は、武蔵にとって初体験である。
 常識を超えた肉体をもつピクルは何者だろうと武蔵は思う。
 江戸時代の人に進化とかの説明するのは難しそうだな。

 ピクルに黄金の山と名声を感じて、武蔵は決着をつけようとする。
 武蔵はやっぱり富と名声のために戦うのか。
 でも、観客3人の地下で名勝負しても、富も名声もついてこないぞ。
 試合に勝って、勝負に負けそうな武蔵は ほんとうに決着をつけるのか?
 次回につづく。


 う〜む、今回も話が進んでいない。
 ピクルが丈夫で、武蔵が決着つける気になった。って話は3話前と同じだし。
 次回で決着となるのか?
 そして、本部は間に合うのか?

 話は進まなかったが収穫もあった。
 武蔵の無刀斬が少し見えてきたのだ。
 エア斬撃と普通の打撃を合わせることで、肉体と精神へ同時にダメージを与えている。
 もっとも、ちゃんと日本刀を使ったら肉体をきっちり斬ることができるだろうけど。

 武士だからと言って、やたらと人を斬り殺しちゃいけない。
 江戸時代でも、罪に問われる。
 だからこそのエア斬撃であり、無刀斬なのだろう。
 たとえば、自衛隊の精鋭がエア斬撃を学べば、戦闘・戦争に巻きこまれそうな状態でも、相手を無傷で制圧できる!
 人を殺さず、己も守れる。とても便利な技だ。
 ただ、射程距離の問題で銃には勝てないだろうけど。

 銃で武装した本部が乱入してきたら、銃相手のエア斬撃・無刀斬を見ることができるのだろうか?
 ボディーガードもやっているガイアなら、その有効性を理解して、本部を捨てて武蔵に弟子入りしちゃうかも。
 前回、武蔵は銃について「道」にならないと言った。
 武蔵は何らかの思想的な成果を求めているのかもしれない。

 ただ、武蔵はあいかわらず富と名誉に執着しているようだ。
 道とか言いながらも、けっこう俗っぽい欲望をもてあましている。
 それとも、武蔵の言う「道」とは立身出世の道なのだろうか?
 だとしたら……
 …………猪狩に弟子入りしてプロレスラーになるのが出世の早道かもしれない。

追記 (16/4/13)
 武蔵vsピクルも、そろそろ決着だろうか。
 もっとも、烈の時も「最速」「最短にて決着(おわ)らせるか」と言ったのに長引いたけど。(6巻 52話
 ピクル戦も長引くかも。

 武蔵と本部がさっさと決着つけてくれないと次に行けない。
 早く勝負して楽にしてほしいものだ。
 で、話の都合からすると武蔵が勝つだろう。
 そして、本部の次に挑戦するのは、もう本命の刃牙だけかも。

 刃牙世界の強者ランキングで考えると、ジャックとピクル以上の人間はほぼ居ない。
 強いて言えば郭海皇ぐらいだろう。
 じつは生きていた範馬勇一郎と言う隠し玉があるかもしれないが、それぐらいだ。
 もう、武蔵と戦わせる人間がいない。

 本部と戦ったら、もう刃牙と戦うしか無いのだ。
 だが、刃牙の準備は整っているのだろうか?
 ピクルが粘っているのは刃牙が型完成するための時間稼ぎだったりして。

 刃牙の修行はどの程度すすんでいるのだろう。
 ゴキブリダッシュを上回る技を編みだすとなると、大変だろうな。
 やっぱり本部に弟子入りするのが簡単だが。
 タイトルから考えても、そろそろオリジナル格闘術『刃牙道』の完成が近いハズだ。
 刃牙道vs武蔵道の対決が、この作品における最初のクライマックスだろう。

 刃牙ハウスで修行していたところに、ズタボロにされた本部が投げ込まれて対戦カード変更になれば、一気に話が進むんだけど。
 板垣先生もアイデアってのは、使って空けないと新しいアイデアが生まれないと言っていた。
 武蔵を倒したら、新たな敵がやってくるだろう。
 次は、どんなトンデモ戦士が出てくるんだろうか。
 そして、鎬兄弟とかが活躍する余地はあるんだろうか?


週刊少年チャンピオン2016年19号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2016年19号



2016年4月14日(20号)
第4部 第105話「アイツも」 (1084回)

 現代に転生した宮本武蔵はナニをするのか!?
 当然、金と名声だッッ!
 剣の道はきわめることができたけど、俗な欲望から解脱できなかったようだ。

 名誉欲は上手く使えばモチベーションになる。
 でも、大きすぎる名誉欲は自分を苦しめるよな。
 武蔵は強くなったかもしれないが、心の平穏から遠い。
 もっとも、武士は名誉欲が大きい。
 武蔵は武士らしく見栄を張って生きているだけなのかも。

 対するのは恐竜時代からよみがえった原人ピクルだ。
 ピクルは薬で眠らされて拉致され、武蔵の攻撃で目覚めた。
 ヒドい扱いを受けた。ピクルは怒ってイイぞ!
 そんなワケで、武蔵(というか首謀者の徳川光成)が一方的に悪いと思う状況で勝負開始だ!

 武蔵はピクルを倒して、知名度も経歴も根こそぎもらう気だぞ。
 でも、地下で観客は徳川、ペイン博士、野々村の3人だけだ。
 こんなところでピクルを倒しても、名声は手に入らないぞ。
 だが、徳川さんはその辺のことをつっこまない。
 この人は闘争さえ見ることができたら満足なのだろう。
 やはり、徳川光成こそがッ、最大の、悪だッッ!

 ピクルは四つん這いになる。
 この体勢から 体当たりをかます。
 数多の恐竜を倒してきたピクルの必殺技だ。
 ピクルは思いだす。このタックルで烈海王を倒したことを。範馬刃牙13巻 100話

 そして、ピクルは知らない。
 強敵と認めた烈海王を目の前にいる武蔵が斬殺したことをッ!(8巻 66話
 武蔵とピクルは、間に烈海王をはさんだ関係なのだ。
 烈海王が生きていたら、この勝負を止めることができたかも。

 ピクルの構えを見て、武蔵はそのキケン度を即座に感じとる。
 特に回想シーンの全裸ピクルがデンジャラスだ。
 こっちに尻むけて丸出しですよ。検閲受けそうなアングルだ。
 もう少し角度が深ければ、股間に黒塗りが必要だったな。

 嵐の前の、凪だ。
 ピクルがパワーを溜めているぞ。
 受けとめるのか? よけるのか?
 武蔵がわずかに考えたときには、ピクルが動いていた。

 ピクルの四足タックルは強烈無比だ。
 おそらく勇次郎の打撃に匹敵するだろう。
 鍛えた格闘士(グラップラー)であっても、正面からぶつかればパワー負けする。
 烈だって、ハジき飛ばされて負けた。
 身長伸ばして体重増加したジャック兄さんなら、きっと軽かった時より1.3倍は吹っ飛ぶ。

 刃牙が分析した武蔵の強さは、予知能力と握力にある。4巻 33話
 確かに武蔵の身体能力は優れているのだが、ピクルの恐竜殺しタックルを止められると思えない。
 先読みでよけるか、カウンターを仕掛けるのか?
 剣豪・武蔵はどう動く?

 ピクルのタックルがまともに入ったッ!
 受けるのかよ!
 武蔵よ、そりゃ悪手だ。
 とうぜん、武蔵は壁に叩きつけられる。

『奇遇…………』
『この時―――――――― 双方が共有した重い』
『捕獲(つか)まえた♥(はぁと)


 武蔵とピクル、両者の手が掴みあっている。
 これは手四つ状態だ!
 武蔵は自分のストロングポイントである握力勝負にもちこむ気か?
 身体全体のパワーなら、現在の地球でピクルこそが一番だ。

 しかし、握力限定ならどうか?
 武蔵が狙ってやったのかどうか不明だが、この状態なら勝つチャンスもあるだろう。
 手四つの膠着状態から、武蔵はどう戦うのか?
 渋川さんにかけられた合気をこっそり会得していて 使ったりして。(9巻 75話
 次回につづく。


 前回ラストの武蔵はさっさと決着つける気だったようだ。
 しかし、アクションはピクルの攻撃を受けとめるだった。
 あまり積極的でないし、戦いの主導権を奪われている。
 武蔵には迷いがあるのだろうか?

 そして、ピクルを倒して名声を得ようとしている。
 目的のための手段が間違っているぞ。
 その辺に気がつかないのは、武蔵なりに動揺しているのかも。

 いや、もしかしたら武蔵は手段と目的がズレていることに気がついているのかも。
 だから、モチベーションが下がって行動が受け身になっていたりして。
 ここでピクルを倒しても有名にならない。
 ほめてくれるのは二人だ。(ペイン博士は非難している)
 これじゃ、戦っても傷つくぶんだけ損じゃね?

 まるで闘犬のように、娯楽に使いつぶされていると武蔵は感じているのかも。
 王とは他者の命をもてあそぶ支配者である。
 やはり、徳川家こそが巨凶だ。
 武蔵は戦うべき相手を考えなおしたほうが良いぞ。

追記 (16/4/20)
 武蔵vsピクルは手四つでパワー対決になりそうだ。
 でも、武蔵もピクルも組み技系じゃなさそうなのに、組んでどうするんだろう。
 互いに苦手な分野で競うのか?
 もっとモチ味をイカそうよ。

 武蔵は何度エア斬をしてもピクルを倒しきれなかった。
 これで、真剣使ったらアッサリ倒せて「やっぱ真剣最強」とかいう展開になったりして。
 骨は断てずとも、肉を斬れば充分なダメージだ。

 武蔵の目指していた無刀斬は真剣よりも強いのだろうか?
 無刀でも戦えて便利ってレベルだったら、今以上の完成度を目指す必要が無い気がするんだけど。
 でも、奥義って言っているんだから、スゴい威力があるのだろう。

 武蔵が無刀の奥義を完成させちゃったら、本部と戦うときも素手になる。
 素手の武蔵vs武装した本部 という、なんか困った状態になってしまうぞ。
 こうなると勝っても負けても本部がいい恥さらしだ。
 でも、そのほうが本部らしいかな。


週刊少年チャンピオン2016年20号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2016年20号



2016年4月21日(21号)
第4部 第106話「手四つ」 (1085回)

 剣豪・宮本武蔵の握力は青竹の節を一瞬で握りつぶすことができる。
 恐竜時代の原人ピクルは恐竜をつかんで捕食してきた。
 握力自慢の二人が手四つで組みあう。
 ここからは純粋なチカラ比べか!?

 両手 を(右手と左手、左手と右手)つかみ合う形が手四つだ。
 プロレスで、もっともシンプルに力比べをする形と言える。
 武蔵とピクル、二人が漢(おとこ)を比べあう。
 手四つはパワー勝負の王道だ!

 二人の筋肉が盛りあがり、きしみを上げる。
 ピクルはツマサキ立ちになり、上から圧力をかけていく。
 対する武蔵はカカトを踏みしめ、跳ね返そうとしている。
 握力だけでなく、全身筋力を考えるなら巨体のピクルが有利か?

 高速回転するコマが静止しているように見えるように、二人の力比べは激しく押し合いながら静止しているように見える。
 見学する徳川さんは大興奮だ。
 格闘技の知識がなさそうな野々村にも、この熱が理解(わか)るらしい。
 シンプルな力比べは、シロウトが見ても理解(わか)るのだ!
 ペイン博士だけ反応が薄い。腕を折られているから、早く治療に行ったほうがイイぞ。

 ピクルが倒し、捕食してきた恐竜は こういう握力を持っていなかった。
 手で物をつかむのは人間の特徴だ。
 恐竜と手四つなんてやらないだろうしな。
 ピクルは人間相手の組み技がニガテなのかも。

 手四つで押し合いながら、ピクルは武蔵が自分のことを大好きなんだと感じる。
 戦士は戦うことで理解(わか)りあえるのだ。
 でも、ピクルの場合は戦う相手を好きになっても、喰って別離(わか)れることになるという矛盾をかかえている。
 ピクルは今日出会った好敵手と、今日別離(わか)れることになるかもしれない。

 と、武蔵は壁を蹴った反動でピクルの鼻に頭突きをした。
 鼻血ほとばしる激痛にピクルの動きが止まる。
 そのスキを逃さず、武蔵はピクルの上に馬乗りになるのだった。
 近代総合格闘技で有利な体勢とされるマウントポジションをとったぞ。
 古流の武蔵も、このポジションで有利なのだろうか?

 真っ向勝負で愛情を感じた瞬間に頭突きをくらって、押し倒される。
 なんかピクルの片思いみたいな展開になってきたぞ。
 武蔵はパワーで勝てないから、技に逃げちゃったんだろうか?
 ピクルの思いをスルーしやがった。

 戦国時代の戦場格闘技は、弱った相手に素早く小刀を刺してトドメを刺すのが定石だ。
 しかし、いまの武蔵は無手である。
 この状態から、どう決着をつける気なのか?
 やっぱり無刀斬で「斬れない、斬れない」を連発するのか?
 次回につづく!


 パワー対決ならピクル有利と思っていたが、武蔵が技に逃げて勝負が流れた。
 握力限定なら武蔵とピクルが互角かと思っていたので、決着がつかず残念です。
 そもそも、握力王者が誰なのか謎ですね。
 範馬勇次郎、花山薫、オリバ、ピクル、武蔵、この5人が5強だろうか。(並びは登場順)
 あと、現在生きているかどうか分からないので除外だけど範馬勇一郎だ。
 花山とオリバの手四つは見てみたいな。

 サムライたるもの、狼藉者を取り押さえて縛る仕事もある。
 武蔵は縄術でピクルを縛るのだろうか?
 ピクルのはいているズボンが凶器に化けるかもしれない。
 戦国時代だと、マウントポジションから殴るとか、あんまりやらないだろうけど。
 『シグルイ』では、マウントから殴っていましたが。

 ピクルは武蔵に好かれていると感じた。
 でも、武蔵が見ているものはピクルを倒すことで得られる富と名声だ。
 武蔵はピクルが好きではなく、ピクルのもたらす富と名声が好きなんだぞ。
 これはピクルの悲しい片思いになりそうだ。

 それとも、武蔵も本当はピクル自身が好きなのだろうか?
 ツンデレって可能性もあるしな。
 戦国時代の割り切りで、好きな相手であろうと出世の手段にしちゃうのかもしれない。
 主君の命令であれば、友だろうが斬らねばならぬのがサムライの生きかただ。
 もっとも、戦国時代だと主君を見限る自由もある。とうぜん失業ですが。
 武蔵はどういう考えなのだろう。

 それにしても、ピクルを守護(まも)る宣言をした本部はなにをしているのだろうか?(99話
 もちろん、ピクルを見失い涙目で街をさまよっているハズだ。
 でも、そろそろ介入しないとピクルを守護(まも)る機会を逃すぞ。
 思い返すと、目の前で烈が斬られるのを見ていただけという実績がある。(8巻 65話
 本部に過剰な期待をしちゃダメかも。

 そして、ピクルがこのまま負けるとは限らない。
 ゾウに踏まれても大丈夫どころか、恐竜に踏まれても大丈夫なピクルだ。
 マウントポジションをブリッジの勢いでハネ返すぐらいできるだろう。

 だが、だが、武蔵も手ごわいはずだ。
 武芸百般にも優先順位があるだろうが、身分ある武士に欠かせないのが乗馬スキルである。
 日本の武士が乗るのは、小型だが去勢をしていない気性の荒い悍馬だ。
 馬術には多くの流派があり、さまざまな技術もある。
 ピクルと言う暴れ馬だろうと、武蔵ならなりこなせるだろう。

 武蔵とピクルの勝負は、どこに着地するのだろうか?
 武芸百般なら、さいごはオモテナシの心・茶道でしめるのもアリかも。
 でも、そこに本部が乱入して煙幕玉を投げこみ、抹茶の粉塵に引火して爆破オチになる可能性があるが。
 とりあえず、徳川光成を巻き添えで倒せたら、世界がすこし平和になるぞ。

追記 (16/4/27)
 バキ世界の握力No.1は誰か?
 という話を前回感想で描きましたが、オリバは勇次郎に握力で敗北していると指摘を受けました。(範馬刃牙22巻 183話
 すっかり忘れていましたよ。情報ありがとうございます。

 握力五強候補を範馬勇次郎、花山薫、オリバ、ピクル、武蔵と書きました。
 この中でも、強弱がわかりそうな並びもあります。
 勇次郎 > オリバってのは指摘された通りだ。
 で、勇次郎と対峙した花山は「単純な腕力だけでも格(レベル)が違いすぎる」と栗谷川さんに言われている。(G刃牙14巻 124話)
 その勇次郎もピクル相手をして「俺を技術(わざ)に追い込みやがった」となった。(範馬刃牙11巻 87話
 握力勝負ではないのだが、腕力とだいたい同等と考えれば、ピクル > 勇次郎 > オリバ、花山か?

 鎬紅葉も初登場時に勇次郎と握力勝負できるぐらいのパワーを見せた。(G刃牙 52話)
 だが、勇次郎はあの時からさらに進化している。
 それに対して、紅葉はあまり変わっていないようだ。
 今の紅葉は5強に入ることができない。

 勇次郎と紅葉のドアノブ勝負だが、別の解釈もある。
 もっと雑魚い相手を想像して勇次郎が油断しいた説だ。
 思ったより握力があってビックリしただけ。

 あと、ドアノブが壊れないように勇次郎が加減してドアノブを回した説もある。
 ホテル暮らしの勇次郎にとって、ドアが壊れるのは自宅のドアが壊れるのと同じぐらいの不便だ!
 ちなみに、10歳の花山(5歳という異説もある。アニメ7話を参照)は紅葉が破壊できなかったドアノブを変形させている。(G刃牙14巻 117話)
 ドアノブの材質が違うかもしれないが、握力勝負なら 花山 > 紅葉だろう。

 武蔵ですが、刃牙がその握力を脅威としている。(4巻 33話
 刃牙が言うからには、相当なものなのだろう。
 短時間だがピクルと手四つを維持できたんだし、武蔵の握力はやっぱり強力だ。

 刃牙は型を見直すだけでなくパワーもつける方法を考えたほうが良いのかも。


週刊少年チャンピオン2016年21号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2016年21号



2016年4月28日(22+23号)
第4部 第107話「原人(ピクル)」 (1086回)

 戦国時代から現代によみがえった剣豪・宮本武蔵 VS. 恐竜時代から現代によみがえった原人ピクル!
 めまいを起こすようなスペシャルマッチも やっと決着か?
 けっきょく本部は間に合わなかったようだ。
 知識が豊富なのに、予想がニガテな本部らしい。

 武蔵がピクルの上に馬乗りだ。
 近代総合格闘技で圧倒的有利といわれるマウントポジションである。
 でも、武蔵は昔の人なので、あまり有利じゃないかも。
 刀を持っていれば、ここでトドメを刺せたんだけど。
 思わず馬乗りになったけど、刀が無くて困っていたりして。

 武蔵も素手のマウントポジションでどう攻撃すれば良いのかワカらんのだろう。
 なかなか攻撃ををしかけない。
 実は追いこまれているのって、武蔵のほうかも。
 決着の方法が思いつかないぞ。

 ここで野々村リーダーが壁の凹みに気がつく。
 ピクルのタックルをくらい武蔵が壁に叩きつけられたときにできたらしい。
 厚さ30センチのジュラルミンが凹んでいる!
 凹ませたピクルのパワーもスゴいが、はさまれても平気な顔している武蔵のタフネスもスゴい!

 野々村に指摘されて徳川さんも よそ見だ。
 雑談できちゃうほど、マウントポジションが膠着しているのだろう。
 やはり武蔵が こまっていそうだ。
 武蔵もピクルも頑丈すぎて決着がつかずグダグダになっているのか?

「徳川」
「この勝負」
「改めてもらえぬか」

「本身(ほんみ)を使用(つか)いたい」


 武蔵の必殺技であるエア斬撃はピクルに通じなかった。
 だから、真剣を使ってピクルを倒したい!
 ッッッ!
 これはッ!
 ついに武蔵が泣きをいれた!

 素手じゃいくら攻撃してもダメージ通らないから、武器を使わせて!
 って事だよな。
 武士としては正しい考えだ。
 剣を倒すなら、槍を。槍を倒すなら弓矢で。弓矢を倒すなら鉄砲を使う。
 手段を選ばず敵を倒すのも武士道だ。(佐伯真一「戦場の精神史」)

 でも、素手じゃ勝てないから自分だけ武器を使いたいってのは卑怯すぎで印象悪い。
 それでも勝てば、富と名声が手にはいるのか?
 富と名声のためには、ただ勝つだけじゃダメだぞ。

 マウントポジションのまま雑談してスキだらけの武蔵はピクルのブリッジで跳ね飛ばされる。
 さすが恐竜にふまれても壊れない原人ピクルだ。
 武蔵も野生の裸馬より上と絶賛を惜しまない。
 これは、あっさりマウント返しされた自分をフォローしているのだろうか?

 パワー勝負ではピクルに負けた武蔵だが、真剣を使っていたら俺が勝っていたよ宣言をする。
 徳川さんも武蔵の言い分を認め、真剣ならばピクルの出血多量死であると判定した。
 なにを今更言う。
 と言うか、武蔵って無刀の奥義は もう諦めちゃったんでしょうか
 剣を究めれば、無刀に至る! でも、やっぱり剣で斬ったほうが強い。

 ただ、武蔵は実際に斬ってみないとピクルを殺せるのかどうかワカらないという。
 また武蔵がムチャを言いだした。
 とうぜん この場で唯一の常識人であるペイン博士が文句を言う。
 いかん! 正論はいたら、今度は左腕を折られるぞ!

 だが、武蔵は自分のエリをつかんだペイン博士の手を押さえて、膝抜きで転ばせる。
 武蔵は達人・渋川さんの合気をくらって倒れたが、その合気を学習したのだろうか?9巻 74話
 この吸収力は、さすが伝説の剣豪って感じですね。
 普通に近代格闘技を学べば、短期間で技術を習得できそうだ。
 もっとも、こういう異色の戦士ってのは、独自色を無くさないほうが強かったりする。
 へんに近代格闘技を学びすぎたら、パワーのある初級者になってしまいがちだ。

 ペイン博士の左腕は折れていないようだ。
 ノーベル化学賞であっても、むきだしの暴力には勝てんか。
 暴力と知力では戦う土俵が違いすぎる。

「決着を畏怖(おそ)れるな」

 武蔵がペイン博士に言い放つ。
 畏怖(おそ)れるなって、ムチャをいう。
 武蔵は真剣勝負なら自分が勝つと確信しているから、おそれなど無い。
 高確率でピクルが死ぬんだから、ペイン博士が嫌がるのは当然だ。

 ペイン博士を暴力と迫力で黙らせた武蔵は刀を所望する。
 やっぱりピクルを斬りたいのか。
 骨まで断たずとも、太い血管を斬れば殺せる!
 理論を実践したくなる心情は、ワカらんでもない。
 ペイン博士だって、実践したい理論がいくつもあるだろうし。

 武蔵が欲するのは徳川さんから借りた国宝・國虎ではない。
 かつて自分が使っていた希代の切れ味をもつ『無銘 金重』だ!(参考
 肥後の国・熊本に眠る、武蔵の愛刀である。

 武蔵は なにがなんでもピクルを斬殺する気だ。
 というか、今から熊本に行く気なのか?
 その場で斬殺できるようにピクルも連れていくのだろうか?
 これは妙な感じで、勝負の一時中断になりそう。

 今の熊本は地震で大変な状態だ。
 作中時間では、まだ地震の発生前なのだろうか?
 変な方向に話が転がりそうな気がする。
 新たな波乱を予感させつつ、次回につづく。


 ピクルが硬くて斬れないので、武蔵が泣きごと言いだした。
 と言う感じですが、わざわざ熊本行ってまで斬殺したいのかよ。
 映画『戦場のピアニスト』(AA)で、並ばせたユダヤ人を順番に射殺しいき、途中で弾を装填しなおして淡々と全員を殺すシーンのような人命をなんとも思わない不気味さを感じる。

 武蔵が熊本に行くのか、誰かが熊本から刀を取ってくるのか、わからない。
 とにかく試合は一時中断だろう。
 つまり、やっと本部が介入するスキができたわけだ。

 今までは秘密施設の地下で戦っていたので、本部が守護(まも)ろうにも場所を知らないという状態だった。
 だが、地上に出て熊本に行くのなら、本部が追跡できる可能性がある。
 ついに本部が活躍するときがきたぞ。……たぶん。

 なんの罪もないピクルが斬殺されようとしている。
 ピクルを守護(まも)ることができるのは、本部しかいない!
 おおッ! まるで本部が少年漫画の主人公のようだ。ヒゲはえてるけど。

 ピクルを折に入れて、みんなで熊本入りした時に地震が起きるかもしれない。
 その混乱をつけば、本部はピクルを守護(まも)ることができるだろう。

 頼んだぞ本部よ。ピクルのかわりに斬られてくれ!
 アラミド繊維上着なら、『無銘 金重』も防ぐことができるような気がする。
 斬れなくても、鉄パイプで殴られるようなものだから、骨が折れたりするかもしれませんが。
 あと、横に斬って首チョンパされたらアラミド繊維上着の意味ないんで気をつけてください。
 ……ダメだ。考えるほどに本部の失敗ばかり浮かんでしまう。
 アラミド繊維でできた『くまモン』をかぶって、奇襲をかけたらどうだろうか?

追記 (16/5/11)
 ピクルが斬れませんと言うことで、武蔵は愛刀を取りもどしに行くぞ!
 武蔵は勇次郎と戦うことで、真剣より上の無刀攻撃があるとアピールした。
 次にピクルと戦って、やっぱり真剣のほうが強いとなった。
 一週回って同じところだよな。

 掲示板に寄せられた感想を読んでいて気がついたんですが、武蔵は泣き言いってるのに偉そうだ。
 打つ手がないから刀が欲しいと言っているのに、なんか上から目線っぽい。
 これは武士らしい精神性なのかも。
 本当は負けていても、勝利アピールをする。
 戦国時代の武士らしい、したたかな精神性だ。

 渋川先生も、武蔵に負けたけど、負けていないような演出をしていた。(9巻 77話
 武蔵も負けそうなときは、うまくゴマかすのかも。
 刀を持ちだすと言えば、時間稼ぎにもなる。
 武蔵の生涯無敗は、負けそうになったら仕切り直し作戦で打ち立てたのかも!

 真剣を使えば、武蔵の言う通りピクルも簡単に斬殺できるだろう。
 その条件ならフルアーマー本部と戦っても違和感がない。
 武蔵が素手に拘っていたら、武器を使いたい本部が卑怯っぽく見えちゃうもんな。

 ピクルと戦って、やっぱり真剣のほうが強いと言いだした武蔵が、本部との戦いで素手に覚醒するかもしれない。
 そうなれば、やっぱり素手最高! ってことで、次に戦うかもしれない刃牙も安全に戦える。
 二周半ぐらいしたけど、結果良ければ全て良しってことで。

週刊少年チャンピオン2016年22+23号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2016年22+23号



2016年5月5日
チャンピオンは お休みです

 ゴールデンウィークの一週休みなので、今までの刃牙をふりかえってみます。


 本部以蔵 VS. ジャック・ハンマー
サブタイトル内容
91「実戦屋」  なんでもアリならば本部はガイアをも圧倒する。そして、ジャック参戦だ!
92「責任感」  本部vsジャックが決定する。夜の公園で前田光世方式だ!
93「煙草」  タバコをも武器にかえて、本部が容赦ない攻撃をかける。
94「戦士(ウォリアー)」  本部は刃物を使い、ジャックは歯を使う。噛みつきが決まった!
95「有資格者」  噛みつきはアラミド繊維に破れ、抜けて散る。ジャックの反撃に煙幕が爆ぜる! 
96「逸材」  逸材ジャックの猛攻に、本部は本気の武器攻撃にでる。
97「生殺与奪」  本部はジャックを縛りあげ、勝利宣言をする。

 本部 VS. 武蔵の前哨戦として、本部とジャックが戦う!
 武器をもてば本部が強いのは当たり前だ。
 でも、身体能力も けっこう上がっている気がする。

 そして、ジャックはデカくなってから弱くなっているようだ。
 本部の復権も良いんですが、ジャックの復活も考えて欲しい。
 伸びた身長を縮めることはできないんだろうか。
 思い切って本部に弟子入りして、武器も使う超ダーティー戦士(ウォリアー)になるのはどうだろう。
 勇次郎を倒すにしても、素手というこだわりがあるかもしれないが。
 ドーピングや噛みつきがOKなんだから、武器もOKかも。


 剣豪 宮本武蔵 VS. 原人ピクル
98「巨大生物」  神田川に巨大ワニが出現し、そのワニをピクルが捕獲する!
99「ぴくる」  恐竜をも倒す原人ピクルという存在に武蔵が興味をもった
100「下水道」  ペイン博士が来日して下水道のピクルを捕獲し、スカイツリー地下に移送する
101「野生」  武蔵は寝ているピクルにエア斬撃を連発し、目覚めさせてから無刀攻撃だ
102「似(かぶ)る」  武蔵とピクルは互いに強敵と認めあう
103「夢」  ペイン博士は戦いを止めようとするが、そのペイン博士が止められた
104「何者」  武蔵はエア斬+無刀撃を何度も出すがピクルを倒しきれない
105「アイツも」  ピクルは必殺のタックルを出す。武蔵は受けとめる。組みあって、手四つだ
106「手四つ」  手四つのパワー対決だ。武蔵は頭突きでピクルをひるませ、マウントポジションをとる 
107「原人(ピクル)」  エアだとピクルは斬れないので、武蔵は愛刀・無銘 金重を使いたいと言う

 武蔵 VS. 本部の前哨戦として、武蔵とピクルが戦う!
 本部とちがって、いまさら武蔵の強さをアピールしなくても良いんで、どうも余計な寄り道という感じがする。

 頑丈なピクルと戦った武蔵の結論は「素手よりも真剣」だ!
 無刀の奥義を完成させる気は無いんだろうか。
 愛刀・無銘 金重をゲットするため、この勝負は一時中断っぽい。
 真剣で勝負して、改めてピクルを斬殺する気か?
 前座試合は第二ステージへ!


2016年5月12日(24号)
第4部 第108話「死合い」 (1087回)

 闘争の決着は、どのようにつけるべきか?
 戦士にとって悩ましい問題だ。
 「まいった」と言えば終わるのか?
 それとも、死をもって決着とするのか。
 連載はじまって1000回こえているけど、いまだにムズカしい問題だ。

 久しぶりに登場した我らが主人公・範馬刃牙は、実戦空手の雄・愚地独歩とコーヒーを飲む。
 場所は独歩の自宅だ。
 たぶんドリアン時以来の愚地邸である。久しぶりですね。(バキ10巻 80話

 角砂糖はあるが、ミルクが置いていない。
 禁ミルク主義なのか、コーヒーに見せて実はプロテイン飲料なのかは謎だ。
 なお、運動直後に「たんぱく質」と「糖質」をとると効果的に筋肉がつくそうです。参考
 刃牙の愛飲する炭酸抜きコーラも効果的かも。

 ちなみに、糖尿病の人に聞いた豆知識ですが、低血糖時に効く最強糖分補給はファンタグレープだそうです。
 ファンタオレンジとかがダメらしい。
 グレープだけにブドウ糖たっぷりなんだろうか。
 炭酸抜きファンタグレープならコーラをも超える!?

 戦士たるもの、相手の筋肉をチェックせずにいられない。
 刃牙は独歩の身体が以前より鍛えられていることを指摘する。
 現在の独歩は56歳ぐらいのハズだ。
 この年齢で筋肉量を増やすとは、並々ならぬ鍛錬をしたのだろう。

 そういう刃牙だって鍛えあげている気配がすると独歩が返す。
 気配って事は、刃牙の筋肉に大きな変化がないのだろう。
 たしかに刃牙は自分の型を見直していた。磨いたのは 技か!?(4巻 34話
 年配の独歩が筋肉を鍛え、18歳と若い刃牙は技を鍛える。
 普通は逆って気がしますが、おのれの足りない部分を鍛えているのかも。

「癒されるなァ……」
「敗(ま)けた同士で褒め合ってる」

「いいじゃないか」
「褒め合って良くなるなら」
「ベタベタに褒め合えばいい」


 刃牙は癒しを感じ、独歩がほめて伸ばす主義だ。
 本気で刃牙は癒されているんだろうか?
 皮肉か自虐かも。
 ただ、二人とも鍛えているのは確かだし、単純に成果を喜んでいそうだ。

 独歩は空手家であると同時に巨大組織「神心会」の指導者でもある。
 ほめて伸ばすのが独歩流か?
 そういえば、加藤のことを自分の後継者になりうると過剰にほめていたような。

 教育方針はともかく、達成感やモチベーションの維持に褒めるってのが重要だ。
 刃牙も独歩も それなりに成果を実感しているのだろう。
 この調子なら刃牙が武蔵に再戦を挑む日も近いか。

 刃牙が独歩を訪ねたのは、やっぱり宮本武蔵がらみであった。
 クローン技術と降霊術の合わせ技で現代によみがえった剣豪・宮本武蔵との戦いは死をもって決せられる。
 中国武術の雄・烈海王は(たぶん)斬殺された。(8巻 66話
 武蔵との戦いは「試合」じゃない。「死合い」だッ!

 刃牙は「死合い」と言う内容よりも武蔵の態度に不満があるらしい。
 武蔵は闘争そのものをしたいワケでなく、富と名声を得るために勝ちたいのだ。
 なんで武蔵の言動を刃牙が知っているのかと言うと……

「親父が俺に告げ口した」

 勇次郎とこっそり会っていたのか!
 というか、告げ口かよ!
 親子喧嘩の果てに刃牙と和解して、勇次郎の精神状態が変化しているようだ。
 いまの勇次郎は、ちょっと弱くなっていそう。

 少年らしい純粋さがある刃牙は、武蔵の動機が不純に見える。
 「純くん不潔!」と言っちゃいかねない 若さゆえの潔癖だ。
 しかし、独歩には武蔵の功名心がワカるらしい。
 独歩は神心会を作り、富と名声を得た男だ。
 名をあげて出世したかった武蔵の気持ちもワカるのだろう。

「混沌(カオス)と云えど徹すりゃ おめぇ」
「透明感を帯びるってもんだ!」


 バキSAGAの事か!
 「欲望の濁りは跡形もなく消え去り」「透明な……」「与え合うものだけが………………」(バキSAGA 4話
 性欲の混沌の果てに透明になる。
 真っ白に燃え尽きるどころじゃなく、煙になって消えるってもんだ。

 とにかく、独歩は武蔵を見直したらしい。
 独歩の発想に、刃牙はとても不細工な表情となった。
 そんなに混沌(カオス)な透明感という発想がダメだったんだろうか。
 久しぶりに登場したから、顔の筋肉がほぐれていないのかも。

 独歩は独歩で、猛烈に武蔵vsピクルが楽しみになったらしい。
 最強の肉体に動物の純真さをもつ原人ピクルと、純粋なる出世欲の塊・宮本武蔵の激突だ!
 刃牙を引かせるほどに期待しちゃっている。
 楽しみは良いけど、ピクルだって斬られたら死ぬんだぜ。

 武蔵がピクルと真剣で戦うという情報はトップシークレットのはずだ。
 独歩は徳川邸にスパイでも送りこんで情報収集しているのだろうか。
 うむ、やってるな。
 徳川光成と言う男は、とんでもないコトをやらかす。
 ちゃんと監視していないと、危険すぎる。


 その徳川光成は肥後(くまもと)から、武蔵の愛刀『無銘 金重』を取りよせた。(参考
 早ッ!
 もう到着かよ。
 Amazonお急ぎ便なみだな。

 てっきり、武蔵といっしょに熊本旅行かと思っていましたよ。
 取りよせちゃうんだ。
 この刀は けっこう価値のある文化財だと思うのだが、どうやって入手した。
 たぶん、後ろ暗い方法でゲットしたんだろうな。

 武蔵の前で『無銘 金重』をつつむ袋のヒモがほどけていく。
 エルフのロープも勝手に結び目がほどけて、戻ってくるが、同じような魔力があるのか?(参考
 とにかく、武蔵の腰に愛刀がもどったぞ。
 これで、孫悟空に如意棒、アムロにガンダム、関羽に青龍偃月刀だ!
 パーフェクト宮本武蔵の完成である。

 宮本武蔵は完全にピクル殺しの体勢に入ったぞ!
 あとは、どこかに保管しているピクルを斬るだけだ。
 死をもって決する、死合いがふたたび始まろうとしている。
 次回につづく。


 ピクルに勝てなかった武蔵の狙い通り、戦いは仕切り直しだ。
 まさに、富と名声のために戦うスタイルだな。
 戦うのが好きなのではなく、勝って名声を得ることが好きなのだ。

 闘争を手段として割りきるあたりが、逆に純粋なのかも。
 楽しみで戦うと、vsピクルでの刃牙みたいに余計なことをして負けることもある。(範馬刃牙22巻 180話

 闘争に対する思想の違い。
 これこそ『道』の違いなのかも。
 手段を選ばない武蔵道派と、楽しみのために戦う刃牙道派で団体戦が組めそうだ。

 さて、素朴な原人ピクルが武蔵の凶刃にかかろうとしている。
 今度こそ本部に守護(まも)ってもらいたいところだ。
 武蔵はピクルに勝つため試合中断をしたのだろうが、本部の奇襲を受ける確率を高めてしまったぞ。

 正直なところ、ピクルはこれ以上いじめないで自然に返してあげてほしい。
 武蔵と果てなき武器勝負をするのは本部だけで充分ですよ。
 本部には今度こそ、仲間を守護(まも)って欲しい。

 いちばん確実な方法は、徳川さんを斬って『無銘 金重』の入手阻止だったんだけどな。
 こっそりニセモノとすり替えるとか、柄に毒をぬって渡すとか、そういう手段もある。
 武術の恐ろしさは、本来そういう非道な行為にあるのだ。
 毒を盛られても、武蔵ならば卑怯と言うまい。

 でも、本部はウッカリして毒をぬろうとして、自分につけて人知れず倒れていたりしていそうだけど。
 人を呪わば穴二つ。
 武器を使うものは、武器で泣くかもしれない。
 かつて本部が柳を武器で凹ませたように。

追記 (16/5/18)
 久しぶりに刃牙が登場したぞ。
 意外だったんだが、ちょっと嬉しかった。
 武蔵編に決着をつけることができるのは刃牙だけだ。
 ピクルと本部が前に詰まっていますが、決着(ゴール)が見えてきた。

 このタイミングで刃牙が出てきたのは、話に絡むと思っていいのだろうか?
 そして本来なら絡むべき本部の不在が不意討ちを狙っているようで怖い。
 本部がピクルを守護(まも)るため、ピクルを闇討ちして返り討ちにあって再起不能になっているスキに刃牙が武蔵に挑むかも。

 ただ、刃牙が刀装備の武蔵と戦うには、防刃対策が必要だ。
 型もいいけど、本部からアラミド上着を借りる用意をしたほうがイイぞ。
 ものすごく、ダサいけど。

 メールで「恐竜時代に人類はいない」という情報をいただきました。
 ただ、外伝ピクル1話で言われたように、バキ世界では常識が覆った世界です。
 板垣先生は人生画力対決で、なんで原始人なんて出したのと聞かれて、思いついちゃったから仕方がないと答えている。
 思いついちゃったなら、仕方がないか。

 宮本武蔵編も、なんか劇的なことを思いついて、想像を絶する決着になるかもしれない。


2016年5月19日(25号)
第4部 第109話「試し斬り」 (1088回)

 現代によみがえった宮本武蔵が愛刀『無銘 金重』を装備する。
 無刀の奥義が完成直前と言っていたが、やっぱり真剣を装備したほうが強いという事らしい。
 五輪書で武蔵も、もっている道具は残らず役に立てたいと書いている。
 武器があるなら使わないともったいない。

 おなじ理屈だと、斬殺できる相手がいるなら斬らないと もったいない! って事になりそうだ。
 いや、強さアピールできる機会があれば、逃すのはもったいない! かも。
 就職活動のためにも、武蔵は自己アピールする必要があるのだ。
 こりゃ、血の雨が降るな。

 そして、武蔵に名刀・金重を渡した徳川光成も、戦士たちが斬殺されるのを楽しみにしている人だ。
 いきなり生きた人間を斬らせるのも問題あるので、とりあえず試し斬りである。
 武蔵も徳川さんもノリノリですね。

 用意したのは粘土で作った人形に服を着せたものだ。
 一般人っぽい洋服(スーツ)、防弾チョッキを着た警察官、防弾チョッキに盾をもつ機動隊、迷彩服の自衛隊、巻き藁の5種類を用意した。
 って、一般人も対象かよ!
 マンがついていても、サラリーマンはヒーローじゃありませんよ。
 これは武蔵に辻斬りでその辺の庶民を斬るがいいというアピールか?

 そして、シグルイによれば人体の感触に酷似している巻き藁だ。(シグルイ14巻 72景
 粘土の人形は人の形をしているので臨場感があるのだろう。
 米軍でも的を人間の形にした訓練のほうが、実戦で射殺するときのためらいが少ないという話がある。(参考
 人に似ているから見た目の臨場感はバッチリだ。
 そして感触は巻き藁で味わう。
 斬り放題なプレイだ。

「疼いておるのではと………」
「武蔵殿 御自身も 腰の金重も」


 などと言う徳川さんであるが、疼いているのはアンダだろッ!
 出来れば生身の人間を斬るところを見たいハズ。
 つぎは犬を斬ってくれと言いだしそうだ。
 そして、そのつぎは犬のような人間を斬ってくれ、かな。

 武蔵は金重を抜き放ち、巻き藁に刃をあてる。
 そのまま袈裟斬りだ!
 ゼロ距離からの斬撃、まるで寸勁のような攻撃である。

 ナナメの袈裟斬りだと断面積が増えるので抵抗が増す。
 戦車装甲がナナメに設計することで強度を上げるのと同じ理屈だ。
 そんな巻き藁を豆腐のように斬っちゃう。
 武蔵の技量と金重の切れ味が合わさった絶技だ!

 武蔵の剣は止まらない。
 機動隊の人形を盾ごと上から下まで真っ二つだ。
 次に自衛隊の人形を横一線、両腕ともに斬る。
 返す刀で、防弾チョッキポリスマンを横から斬った。
 最後にサラリーマンを突く!

 突いた後で、刀を降ろし、刃を返し真っ二つだ。
 さらに横にはらって十文字斬りにする。
 一瞬でサラリーマン人形が四つ切りだ。

 武蔵の剣技に徳川さんも大喜びする。
 やはり外道な徳川さんは、本物の人間が斬られるところを見たいんだろうな。
 というか、見るための準備を進めているハズだ。
 烈海王が斬殺されたときの反省はドライアイスのように跡形もなく消えてしまったらしい。8巻 66話

 よろこぶ徳川さんの首を、武蔵がエア斬撃で跳ね飛ばした。
 斬られる側の痛みを知れ!
 徳川さんのエア斬首で、なんかスカッとしたぞ。
 人が斬られるのを見るのは好きだが、自分が斬られると嫌がる徳川さんであった。
 次回につづく。


 武蔵も徳川さんも斬る気まんまんだ。
 こりゃ、やっぱりピクルを斬らないと気がすまなさそう。
 防弾チョッキや、防弾能力のある機動隊の盾を豆腐のように斬ってしまうのが武蔵の剣だ。
 今度こそ頑丈なピクルも首を跳ね飛ばされるだろう。

 ピクルを守護(まも)るには、やはり本部の力が必要だ。
 でも、防弾チョッキや盾を問題にしなかった武蔵の剣を、本部のアラミド繊維上着で止められるのだろうか?
 どうもダメな気がする。
 本部は人を守護(まも)る前に、自分を守護(まも)る防具を装備しないとダメだ。
 守護(まも)る技術については、期待しきれない。

 武蔵の斬撃は、鎧や兜を気にせず斬っているようだ。
 自分の切断力に大きな自信を持っているのがワカる。
 刀で防具を斬るのはかなり難しい。
 防具が発達した地域では、斬るのをあきらめて、ハンマー系の武器であるメイスで叩きつけるようになったぐらいだ。

 武蔵の突きは刃を縦にしていた。
 肋骨の隙間を通すため、刃を寝かせる突きってのもありますが、武蔵の突きなら肋骨どころか鎧も貫けるんだろうな。
 恐るべき切断力であり、恐るべき貫通力だ。
 やっぱ、武蔵は刀をもったほうが強いよ。

 武蔵と無銘金重の結婚(マリアージュ)なら、どんな鎧も無効化できるのかもしれない。
 表現するなら、長き対立から殺意を抱くまでに至りつつもタイマンはったらダチ的な感じで邪魔が一切無くなって仲良くなった範馬刃牙・勇次郎のマリアージュだ。
 除け者にされて可哀想なジャックを添えることで、わずかな人生の苦みも加わり、力強い味わいになっている。

 本部が、武蔵の剣を止めるにはアラミド繊維だけじゃたりない。
 ものすごく粘着性の高いものを身にまとって斬られることで、刀をベタベタにしちゃうとかどうだろう。
 せっかく愛刀を取りもどしたのに汚されたら、さすがの武蔵もマジ泣きするかも。
 そして、武蔵がまた無刀の奥義を再度目指してくれたら助かる。
 人が斬られるのはエアで充分ですよ。
 リアルに斬るなら徳川さんを斬るべし。

追記 (16/5/25)
 愛刀・金重を装備した武蔵はやっぱりスゴかった!
 ……日本刀は強いとワカったから、もう無益な殺生は止めませんか。
 と言っても聞かない徳川さんなんだろうな。
 人形をいくら斬っても、人間ひとり斬り殺す感動には勝てないッ!

 で、また徳川さんは死体を前にして泣くんだろうか。
 徳川さんの言葉は信用度ゼロだぞ。

 ピクルを守護(まも)れるのは、やはり本部しかいない。
 かつてないほど、本部への期待が高まっている。
 まるで、ドラゴンボールで悟空の到着を待っている時のような気分だ。
 いや、それは言いすぎた。
 強くなった直後のピッコロを待っている時ぐらいの期待感か?

 とにかく、これ以上の死者を出さないためには本部にガンバってもらうしかない。
 まさか本部にこんな期待をする日が来ようとは。
 本部よ、最後に死ぬのはお前で打ち止めにしてくれ!

 前回感想のコメントで金重が短く見えるという感想をいただきました。
 こちらによれば、金重の刃渡りは70.1cmで、二尺三寸余だ。
 刀の定寸は二尺三寸と言われています。
 当時の日本人に扱いやすい長さなのだろう。
 江戸時代ぐらいの平均身長は157cmぐらいだ。
 ところが武蔵はかなりの長身で180cmぐらいあったらしい。

 武蔵の身長は平均の1.4倍強もある。
 現代人の平均身長を170cmとすると、1.4倍は195cmぐらいになる。
 空条承太郎ぐらいのサイズだ。

 つまり、長身の武蔵がほぼ定寸の刀をもつと、相対的に刀が短く見えるのでしょう。
 板垣先生は、けっこうリアルな長さを描いているようだ。
 ただ、板垣先生がよく言う強いとデカく見える理論がある。
 今は短いように見える金重も、武蔵が斬る気になったら、刃渡り1メートルぐらいに見えるかも。

 迫力があると説得力が増す。
 ならば、説得力があれば迫力が出るのかも。
 人体真っ二つで、断面図見せるという説得力があれば、金重は刃渡り2メートルぐらいに見えるぞ!


2016年5月26日(26号)
第4部 第110話「破壊」 (1089回)

 科学と降霊術の合わせ技で剣豪・宮本武蔵が現代によみがえった。
 そんな宮本武蔵にナニをやらせるのか。
 とうぜん、人斬りですよ。

 この殺し合いという娯楽を堪能するのは徳川光成である。
 やはり、この男こそが諸悪の根源だッ!
 徳川さんが居なければ、もっと世界は平和だったかもしれない。
 ……ちょっと退屈だろうけど。(ココが最大の問題点だ)

 武蔵の人斬りを阻止しようとする男がいた。
 実戦柔術の雄・本部以蔵だッ!
 武蔵に原人ピクルを斬らせようと計画している徳川さんを止める気である。
 よし、思いきって徳川さんを斬り殺そうや。

 本部は武蔵vsピクル(武器アリ)にダメだしをする。
 だが、徳川さんは話題をそらして試合中止の言質をあたえない。
 こいつ、なにがなんでもピクルを斬殺させる気か?

 本部は殺人ショーを止めようとしている。
 だが、本部は武蔵との戦いに勝算があるのだろうか?
 いちおう本部は実力者のジャックに勝っている。(11巻 97話
 だから、武蔵と戦っても善戦はするんだろうけど、勝てる気がしない。
 本部にはどの程度の勝算があるのだろう。

「勝算あっての申し出とお思いか」
「からかっちゃダメだ 徳川さん」
「わたしは逃避(にげ)られない」
「あの時代に学ぶ者として」
「あの時代から繋ぐ者として」
「あの時代を追う者として」
「宮本武蔵との対峙は」
「避けられない わたしの責務なのです」


 勝算がなくとも、戦わなくてはならない時もある!
 今日の本部はなんかイケメンだ!
 いや、イケメンっぽく見える。
 さすがにイケメンはウソなんだけど、雰囲気がイケメンっぽいというか。

 とにかく、これ以上の死者を出さないためにはワラにもすがりたいのだ。
 本部の髪ってワラっぽい感じもあるし。
 守護(まも)ってくれそうな本部の頼もしさに、徳川さんも心動かされたようだ。
 武蔵に斬殺させる相手をピクルから本部に変更しようかな、と考えているのかも。
 いや、徳川さんなら、ピクルを斬り 返す刀で本部を断たせようとしかねない。
 やっぱ、本部は先制攻撃で徳川さんを斬っておくべきかも。

 そのころ、話題になっている宮本武蔵は夜の街を歩いていた。
 武蔵は巨大ビルを見上げる。
 四隅の支柱を斬れば、自重で破壊することができると脳内シミュレーションした。
 その破壊のプロセスはアメリカ同時多発テロの世界貿易センタービル崩壊と同じだ。

 武蔵はアメリカ同時多発テロを知らないだろう。
 本などで調べることは可能だろうが、ちょっと敷居が高い。
 日本は明治の文明開化や、第二次世界大戦敗戦後など、自信を無くし海外に学ぼうとしたときに、漢字を廃止してカタカナかローマ字だけを使おうと考えたことがある。(漢字と日本人
 で、戦後にその第一段階として使用漢字を減らす常用漢字を選んだ。
 さらに一部の漢字は略字を作成して、それを正式採用した。

 こういう事をすると、どうなるのか?
 当然だが、戦後教育を受けた人は、戦前に書かれた(印刷された)文字を読むことができなくなる。
 日本人は自信を無くしていた時なので、過去の文化を全て捨てても良いと考えていたのだ。(この計画は第一段階で頓挫して、わずかずつ後退している)
 なので、戦前に書かれた文章を読むにはそれなりの訓練が必要になる。
 逆も真なり、で文字の読み書きができる武蔵だが、現代日本の漢字は形が違っていて、ほぼ読めないハズだ。

 武蔵は外部知識ではなく、己の知識と推測で破壊可能と言う結論をだした。
 超握力に、相手の殺気を読む能力が武蔵の強みである。(範馬刃牙/談 4巻33話
 それに加えて、弱点を見つける観察眼と、攻撃が有効かどうか判断できる推理力もあるようだ。
 この能力があれば、戦う前から相手の分析をして、徹底した弱点攻撃ができるようになる。
 宮本武蔵、恐るべし。

 巨大ビルを破壊するというのは、凶悪なテロ組織に匹敵する武力をもっていると言える。
 勇次郎の武力は一国の軍隊に匹敵すると称されているから、勇次郎にチョット劣るのかも。
 ただ、闇討ちとか影の戦いでは武蔵が有利かもしれない。
 あと、巨大ビル破壊と言えば、怪獣のお仕事である。
 武蔵の武力はゴジラ一頭に匹敵するのかも。

 脳内イメージでビルを破壊できた。
 武蔵は満足している。
 と、その武蔵の背後にツルっとした男が立っていた。
 伝説の傭兵・超軍人ガイアである。

 ガイアは範馬勇次郎と並び称される傭兵だ。
 もっとも、ちょっと噂先行ってところがありますが。
 ガイアのすごいところは、勇次郎よりかなり弱いんだけど、うまいこと勝負を避けることができていた所だ。
 戦闘任務の達成よりも、自分の生還こそが傭兵の第一目標である。
 高確率で死ぬようなことは、やらないほうが良い。あたりまえだけど。

 でも、自分から勇次郎にケンカうってボコられてしまった。
 ガイアは刃牙に負けたことで、自信をなくし判断力がニブったのだろう。

 そして、現在のガイアは本部の弟子だと判明している。(11巻 90話
 うぉおおぅ!  この情報は良い話なのか、悪い話なのか?
 とにかく、本部の株は上がったが、ガイア株が下がっているっぽい。

 師匠とはいえ、本部に完敗して おパンツまで見せられた。
 いまのガイアは動揺して自信を無くしているのかも。
 米国ドラマの『SUITS/スーツ』で、精神的ダメージを受けたときは重要な判断をしてはならないというセリフがあります。
 今のガイアは戦わないほうが良いと思う。

「これがあの―――――」
「最強の誉れ高い宮本武蔵とは……」
「仮にわたしが―――――」
「あなたを殺そうとしていたなら」
「数度は機会(チャンス)がありました」

 それ言っちゃダメ!
 「仮に」「数度は」「殺せた」というキーワードは噛ませ犬臭が漂うNGワードだ。
 冷や汗を流すのに匹敵する負けフラグだぞ。

 案の定、武蔵はガイアが尾行をはじめた15分前から気づいていたと言う。
 ガイアは偽装の達人でもある。
 それでも気が付かれてしまった、と。
 失敗の原因は近づきすぎだ。
 もっと遠くから見張っていたら良かったのに。
 やっぱり本部に完敗して動揺しているのだろうか?

「おまえには危険がない」
「色々身に帯びているようだが」
「アブナくはないがな」


 武蔵の迫力にガイアが汗を流す。
 こりゃ、負けパターンだ。
 戦略的撤退を考えたほうがいいぞ。

 ガイアは拳銃を抜こうとする。
 だが、武蔵のエア斬?がガイアの右手首を打つ。
 腱を切られたらしい。
 携帯に便利な拳銃だが、抜く・狙いをつける・引き金をひく の3アクションが必要で、いきなり斬る の1アクション斬撃に勝てない。

 せっかく飛び道具もっているんだから、もっと間合いを取れば良かったのに。
 尾行がばれたのも、銃で撃てなかったのも「近づきすぎ」が原因だ。
 もしかして、師匠の本部にムチャな命令をされたんだろうか?
 米軍に潜入した烈海王みたいな密着プレイをやれ!範馬刃牙11巻 82話
 ……とか?

 ガイアはせっかく出てきたのに、もう敗北決定みたいな状況だ。
 だが、これも本部の計画通りなら……
 ガイアを自爆させて武蔵もろとも倒す気か?
 拳銃を無効化して勝ったと思った瞬間を狙っていたりして、

 はたして本部はみんなを守護(まも)ることができるのか?
 勝算は無いらしいが、策を一コぐらい用意しとけよ。
 早く来てくれ、本部
 走れ、本部!
 いや、走ると息がきれて戦えなくなりそうだから、適切な速度で体力消耗しない早足で、なるべく早めに来てくれ!

追記 (16/6/1)
 先週の感想で、せっかく機会(チャンス)というセリフを引用したのにツッコミを忘れていた。
 ガイアのチャンス発言を武蔵はスルーしている。
 これは武蔵が テレビかラジオで現代日本語を学んでいたからだろう。
 戦国時代と現代日本じゃ、発音も単語もかなり違っているんだけど、文章を読むよりはマシだ。
 ピクルの時にテレビを斬っていたし、テレビを情報源にしているのは間違いない。

 もっとも、水戸黄門のうっかり八兵衛だって「チャンスですぜ」と言ったから問題ないか。(※ 都市伝説です)
 実際のところ、英語圏の異人も来日していた可能性もあるし、チャンスという言葉を知っている可能性も、チョッピリある。
 武蔵は洞察力が高いので、前後の流れから意味を理解していたのかも。

 幼年編のころ、ガイアは勇次郎に挑んで、ボコボコにされた。(G刃牙19巻 166話)
 だが、自力で歩くことのできるダメージのようだ。
 勇次郎の打撃を受けて歩くことのできた人間ってかなり希少ぞ。
 負けたけど、ガイアは健闘したのかも。

 そんなガイアだけど、一撃で右手の腱を断たれてしまった。
 だけど、戦闘不能と思わせて油断を誘い、反撃するかも。
 口中に潜ませた硫酸カプセルを使うのは今だ!
 腱を斬られた痛みで動揺して、うっかり飲みこんで自滅しなきゃ良いんだけど。


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