刃牙道「11〜20話」感想
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2014年4月24日(21+22号)
第4部 第11話「仏作って魂入れず」
(982回)
範馬勇次郎は"地上最強の生物"と呼ばれている。
巨大な北極熊、未知の生物っぽい夜叉猿、
怪物のようなゾウ
、その他あらゆる動物を屠ってきた。
さらに強い相手をもとめて、素手のまま戦場へッ!
素手でありながら、一国の軍隊に匹敵する戦闘力と評価される。
そんな範馬勇次郎と戦いたいと言う漢(おとこ)があらわれた。
花山薫。
素手喧嘩(ステゴロ)にこだわる喧嘩最強ヤクザである。
だが、すでに花山は勇次郎に敗北しているのだ。
それも、はっきりとした惨敗である。
子供が大人に勝てないような、歴然としたパワー差を見せつけられた。
なのに、また戦うのか?
「範馬勇次郎と闘いたいと……………」
「そんな勇ましい言葉」
「久しく耳にしとらんでの」
花山の願いを聞いた徳川さんは嬉しそうだ。
徳川さんは自分が闘わないから、わりと人をけしかけるのが好きだよな。
数万の血を吸い、天下を喰らった
巨凶・徳川の血
がなせる技なんだろうか。
「武道家は特攻隊じゃない」「勝算のないケンカはせんよ」
とは空手の達人・愚地独歩のセリフだ(
G刃牙6巻
48話)
冷徹に勝利を追及する武、ではなく信念をつらぬく侠に生きる花山だから勝算のないケンカもするのだろう。
過剰なまでの男らしさは、同時に理性の放棄にも見える。
男らしく生きるのは、難しい……。というか、考えちゃう時点でムリだな。
徳川さんの見立てだと、花山は勇次郎に勝てない。
うむ、そうだろうな。
「もはやそれは試合とは呼べぬ」
そこまで言っちゃうのかよ!
つうか、鯉にエサをやりながら言うから、イメージ良くないぞ。
餓えた犬と人間を戦わせて、人が生きながらに喰われるさまを見て喜ぶ悪の水戸黄門みたいな雰囲気を感じてしまう。
勇次郎が鯉で、お前がエサッ! それを見て喜ぶのがワシじゃ! ……みたいな感じだ。
徳川さんは調べていた5年前の花山 vs 勇次郎の顛末を語る。
両手・両足を折られ、子ども扱いされた。
花山は現役引退のダメージを受ける。
でも、いつの間にか復帰していますが。
「生涯に渡りトラウマとなるほどの圧倒的決着」
そこまで言うのかよ!
勝手にトラウマ認定しやがって!
あとな、花山はその後、勇次郎にまきぞえ的にボコられている。(
G刃牙20巻
173話)
そこで受けた心身のダメージも考慮してください。
色つきのシャツに白ズボンの組み合わせは花山だけだから、174話で尻をあげてダウンしている人が花山っぽい。
だが、花山はこのトラウマを克服しているハズだ。
脱獄した最凶死刑囚5人のうち一人、深海の怪人スペックとの戦いで、花山は勇次郎にうけた屈辱を思いだしている。
そして、その体験を克服するように逆転した。(
バキ5巻
38話
)
このときの花山は、精神に刻まれた範馬勇次郎の影に勝利しているのだ。
内面世界だけの話かもしれないが、
花山は勇次郎を克服した!
なので、生涯のトラウマはとっくの昔に無くなっているのじゃよ。
花山の精神力はトリケラトプス並みだ。
知らない人には意味不明だろうが、迫力があるので説得力も増しているのだ!
花山は自慢話をしない。
徳川さんは花山の事情を知らないようだ。
と言うわけで、勇次郎への恐怖について誤解があるまま話が進んでいる。
精神的に克服できたが、ケンカで勝てるところに至ってないから、まあイイか。
勝ち目のない戦いを挑む理由、それは"退屈"だッッ!
死ぬかもしれない恐怖を上まわるのは、退屈と言う緩慢なる毒である。
人間は、なにもやることが無いのは最大の苦痛らしい。
辞めさせたい人間を送りこむ仕事のない
追い出し部屋
とかの話もある。
退屈するぐらいなら、範馬勇次郎と闘ったほうがイイ!
〜〜〜〜〜ッッ、いい、のか?
戦士たちの思考は常人にはワカらないから、しかたがない。
「実はワシも」
「オーガを東京へ呼びたかった」
「花山 薫の名なら あの男も動く」
けっきょく徳川さんは武蔵のコトしか考えていないっぽい。
勇次郎と武蔵を闘わせたら、どっちが強い!?
そんなコトばっかり考えているんだろうな。
徳川さんも、退屈と言う魔物から逃れようとあがいている人なのかもしれない。
他人を巻きこむぶん、迷惑度も大きいけど。
さて、
肝心のクローン武蔵ですが81時間たっても、まだ目覚めない。
作るだけ作っといて、これザマかよ。
ここのメンバーは、思った以上にボンクラだった。
人間の赤ちゃんだって、胎内にいるときから意識はあると言う。
胎教
の科学的根拠はやや怪しいが、ありそうな話だ。
クローン武蔵を出してから悩むってのは、困った連中だ。
勝算考えずケンカするヤツらばっかりだな。
「仏作って魂入れず」
「数字や科学では辿り着かない領域がある」
「ワシには一人 姉がおる」
「職業 霊媒師」
ここで徳川さんが出てきた!
って、姉の存在かつ、霊媒師かよ!
亀仙人
と占いババみたいな関係だろうか。
どこかに ただよっている宮本武蔵の霊魂を呼ぶんでしょうか?
江戸時代の日本人はみんな寺に所属する仏教徒だったので、輪廻転生の死後をむかえていると思う。
タイミング悪く、どっかに転生していたりしないんだろうか。
とにかく、勇次郎が来る前に武蔵を目覚めさせないと、もったいない!
科学では辿り着かない領域ってことで、ここでも凶なる徳川の血に頼ることになりそうだ。
ドーピングを乗りこえたジャック・ハンマーみたいなコトを言い出したから、薬漬けにした反作用でも狙うんじゃないかと心配しちゃったよ。
クローン武蔵の復活は、徳川姉の手にゆだねられようとしている。
そんなコトより、範馬勇次郎と言う超パワーが接近するほうが武蔵の復活に影響しそうな気もするんだけど。
花山は武蔵復活のためのイケニエとなるのか?
徳川姉は間違ってK-1戦士のほうの
武蔵
を呼んじゃったりしないのか?(※ まだ、生きてます)
混迷のまま、次回につづくのだった。
・
追記1
(14/5/1)
いまだ目覚めぬクローン宮本武蔵32歳6か月であった。
なんで、32歳にしちゃったんでしょうね。
何歳で外に出すかなんて、みっちゃんの胸先三寸でしょ。
歴史上の
宮本武蔵
が32歳のころは、巌流島などあらかたの死闘をやり終えて、行動の良く分からない暗黒時代に入るところだ。
おそらく就職活動と就活のための勉強をしていたと言われている。
武芸者・宮本武蔵として完成し、熟成しつつある時期と言えるかもしれない。
でも、武蔵の魂を呼びこむんだったら、身体が子供でも問題ないハズだ。
見た目は子供、頭脳は大人。その名は名剣士ムサシ! でもイケる。
成長性を考えれば、20歳ぐらいがベストだと思う。
武蔵が童貞を捨てた(初めて人を殺すこと)年齢の13歳ぐらいでも、良かったのに。
前に、新連載の新キャラは男子フィギュアスケートの
羽生選手
をモデルとしたキャラがいいと言う意見を聞いたことがある。
そう、刃牙世界には若くて美しい戦士が非常に少ない。
けっこう深刻な美形不足だ。
そもそも、昔からバキには美形が少ないし、いても扱いが悪いという傾向があると言われている。
クローン武蔵は活躍しそうだ。よかった。
ヘタに美形でも良いこと無い。
美形キャラで大ケガ(だいたい骨折以上が大ケガ)していない人はいないんじゃなかろうか。
もっとも、顔に関係なく大ケガしている人ばっかりかもしれないが。
そんなワケで刃牙道が飛躍するために、
沖田総司
のクローンとか作ってみたらどうか?
現代医学で結核治せば健やかに育ってマッチョになるかもしれないぞ。
いや、遺体が無いからムリか。
・
追記2
(14/5/7)
クローン武蔵の復活にあわせて、歴史上の
宮本武蔵
を勉強してみた。
以下、
加来耕三
『
「宮本武蔵」という剣客
』を参考にしています。
もともとハッキリした業績のワカっている人じゃないと知ってはいたんですが、本当らしいコトはほとんどワカっていないらしい。
だから、強いのだろうけど、どれぐらい強いのかはよくワカらんそうだ。
もっとも、本だと最終的に「武蔵はやはり、兵法の奥儀に達していた。」と結論づけているけど。
武蔵の勝ちかたは先の先をとり、相手を倒すものだ。
とくに若いころは不意討ち大好きだった。
つまり、死刑囚たちみたいな戦いかたになりそう。
武蔵が就職に悩んでいたのは、強いけど汚いことが要因だったのだろう。
不意討ちのやり方ばっかり教えられても困る。
本ではあまりふれていないが、武術に強くなることと集団戦闘に強くなるのはチョットちがうらしし。
太平の世になって、集団戦闘が減ったほうが武芸者は活躍できる。
武蔵は武将としては遅く生まれてしまった。武芸者としては早すぎた。
ちょっと面白い推測がのっていた。
「二天一流を称した武蔵は、左ききであった。」
「武蔵の筆使いは明らかに、左手によるものであった。」
例の肖像画でも、左手は柔らかく握っているが、右手が不器用に強く握っている!
と、あるが、どうだろう?
あの絵は抽象的でよくワカらん。
見るものが見れば、究極の脱力ができているらしいのだが……
まあ、左ききってのは面白い情報だ。
左側を取ったから有利! と思ったら逆襲されたって展開もありそう。
これは是非とも板垣先生に採用してもらいたい。
ただ、刃牙世界の住人は利き腕をあまり意識しないと思う。
板垣先生がボクサー出身だからだろうか。
ボクシングでは右構え、左構えは重要だ。
しかし、どっちの構えでも両手を使いこなさないと一流になれない。
よく言われるネタが「ボクシングでもっともKO率の高い打撃は左フックだ」だし。
『
はじめの一歩
』が、利き腕の威力を強調するのと対照的だ。
空手も左右に構えて、どちらでも対応する。
試合形式の競技空手になると、キックボクシング風に構えが固定化される傾向がありますが。
刃牙はケンカに近い、より武術的な戦いを意識しているのかもしれない。
利き腕を痛めていても、戦わなきゃいけない時もあるのだ。
試合ではない、武の真髄を武蔵が見せるのであれば、綺麗な闘いかたをする人ほどエジキになりそうだ。
愚地克巳、鎬昂昇、鎬紅葉などの若い衆はヤバいね。
武蔵が遅刻しているから電話しようとスマフォいじった瞬間を狙われる。
と、なると…………
ヤベェ。本部以蔵の時代が来るよ、こりゃ。
2014年5月8日(23号)
第4部 第12話「霊媒師」
(983回)
Q:宮本武蔵のクローン体を作ったんですが目覚めてくれません。
肉体年齢は32歳6か月ですが、どこで間違えたのでしょう?
A:普通、生まれるときは赤ちゃんで出てきますよね?
32歳6か月じゃ、おそすぎ。
人間のクローンと言う未確立な技術を試しているんだから、うまく行かないこともあるだろう。
なんで32歳まで育てちゃったのかとか、イロイロ気になるところもあるが、仕方がない。
100%うまく行くわけないんだから、クローン武蔵も100体ぐらい作っておくべきだ。
次の矢を放てばイイんじゃね?
だが、違法プロジェクトの出資者にして立案者の徳川光成は、予想外の提案をする。
霊媒師だ!
場の空気が変わったッ!
確実にッ! 悪い方向に変わったぞ!
うん、徳川さん年だしな。ボケがはじまった。
「無論 胡散臭い」
自分で言っちゃった!
胡散臭いのなら、たよるなよ。
それでも、呼ぶ気になるのは霊媒師が徳川さんの姉だからだろうか。
もう、刃牙道がどこにつながっているのか予想もつかなくなった。
架空の武蔵ファンドで全財産を失う話とかにつながったりはしないよね?
問題の人物・
徳川寒子(さぶこ)
は街中で辻降霊術(?)をやっている。
それって、街中でやるもんなんだろうか。
屋外でやるのって雰囲気台無しだよ。
せめて、小屋みたいなのたてて薄暗くしようや。
だが、徳川寒子は白昼堂々と降霊術をおこなうのだった。
呼ぶのは、
織田信長
、
J・F・ケネディ
だッ!
ッ!? 呼んじゃうんだ、そんな人たちをッ!
で、呼ばれてきちゃうのかよ。
信長は平民に呼ばれたと怒り、ケネディは若者に政治を語る。
う〜ん、そういうモンなのか?
まあ、私でも知らん人に呼びだされたら機嫌わるくなると思うが。
二人とも現代日本語がペラペラだ。
ケネディは英語しか話せないっぽい。
信長だって、戦国時代の日本語は現代とけっこうちがう。
しかも、信長ってたぶんキッツイ名古屋弁だろうし。
本当なら意思の疎通が難しい。
でも、死者の霊があるのなら、言語で会話していると限らないだろう。
意志のやりとりをしているだけで、言語能力は術者に借りてるのなら喋れてもおかしくない。
降霊術相手にマジメに考えても意味なさそうだけど。
次の客は雰囲気があやしい。
冷やかそうとしている感じがアリアリだ。
一昨年死んだ父親を呼んでほしいと言うが……
「ホントに死んでる?」
出ない。
これは引っかけか?
だが、客は強硬に死んでいると言う。
その態度がかえってあやしい。
徳川寒子は再び挑戦する。
そして、
降りた!
客の名を叫び、説教をはじめる。
『当日の様子を』
『本人である 大学生 安本 隆(21歳)は後に語る』
後追いでインタビューしてんのかよ!?
誰が、何の目的で!?
胡散臭い。超・胡散臭い!
なにコレ、寒子の宣伝用ビデオか?
安本 隆の父はやっぱり生きていた。
が、降霊術をやった時刻に倒れて、息子に説教する夢を見ていたらしい。
「徳川寒子さんは生きた人の霊すらも降ろすんです!!!」
信じちゃった!
死んだ人間を呼ぶより生きた人間呼ぶほうが簡単そうな気がするんだけど。
テレパシーと言うか、人の脳活動は他人の呼びかけに対し有意な反応をする現象はNHKの『
超常現象 科学者たちの挑戦
』で取り上げられている。
この現象はけっこう前から知られていて、おなじ話を脳化学系の本で読んだ。
テレパシー的な現象を肯定すれば、死者を呼ぶより現実的にありうる話かもしれない。
ものすごく疑うと、サギの可能性もある。
安本隆はお調子者っぽい。
事前にTwitterやblog、LINEでウワサの霊媒師に挑戦すると言っていた可能性がある。
寒子グループは自己防衛のため、自分の話題をチェックしているだろう。
安本隆が挑戦するという情報をキャッチして、事前に彼のコトを調べあげる。
父は同じような時間帯に倒れるように睡眠薬を仕込む。
普通、倒れたら病院に行く。
安本父は、そこで休むついでに、息子を叱っていると催眠をかけられれば……
今週の名探偵マーニーのような伝えたい内容の夢を見るかもしれない。
結果、お調子者の安本隆は徳川寒子を信じ、彼女のことをTwitterやblog、LINEで広めまくる。
すべて計算どおり。
という可能性もある。
「そこまでやるハズがないと思える」
「だからこそ やる価値がある」
(
バキ13巻
107話
)
と、かつてドイルが言っていたが、まさにそんな感じだ。
作られた宣伝ではなく、いままでうたがっていた人が一転して信じると言う逆転のリアルな反応は、投資する価値のある宣伝になるだろう。
でも、霊媒師がそこまで宣伝する必要もなさそうですが。
なんにしても、徳川寒子が来てしまった。
これは宮本武蔵の英霊も黄泉路から引きずりだされることマチガイなしだ。
生きた人間も連れてきちゃうスゴ腕だけに、まちがってK-1戦士のほうの武蔵を連れてくる危険性も増すってモノだが……
しかし、武蔵の魂を空っぽの肉体にうつすってコトなんですかね?
そうなると別人の魂を最強の肉体にうつすことも可能かもしれない。
ワシは、このときを待っておったんじゃ!
徳川光成、宮本武蔵の肉体をのっとり最強候補へ名乗りをあげる! ……だったりして。
愚地がつき 刃牙がこねし天下もち 座わりしままに 食うは徳川ッ!
・
追記
(14/4/23)
霊媒師・徳川寒子によって宮本武蔵のクローン体に宮本武蔵本人の魂は宿るのか!?
板垣先生が、新キャラの出現プロセスは自分の詳しくないジャンルと言っていたが、アレって霊媒師のコトだったのか?
そりゃ、板垣先生はオカルト関係に詳しくなさそうだ。
私も詳しくないので、この話題がつづくと、どの程度アレな話題なのかワカらなくなってしまう。
クローン宮本武蔵と聞いた時は、武器の使用を認めるのか、素手でも強いのか、などの議論になると思っていたが、それ以前で引っ掛かっている。
完成したのは本当に武蔵なのか?
御老公自身が胡散臭いと認める姉・寒子だけに、本当に武蔵を呼んでくれるのだろうか?
武蔵には複数人説もあるし。
チャンピオンで連載されていた『
剣聖ツバメ
』も武蔵が二人いた。
絵画が得意で剣がニガテなほうの武蔵とか入れちゃったら、どーするんだろ。
インタビューでは説得力を持つかどうかで、キャラの立ち上がる角度が変わってくると言っていたが……
霊媒師の説得力はいかほどのものだろう。
板垣流の説得力は迫力に比例するとの法則がある。
つまり、ここから大迫力をだすためのイベントが待ちかまえているハズだ?
霊媒師の大迫力祭りで、板垣先生が勉強した成果が発揮されるぞ!
……たぶん。
2014年5月15日(24号)
第4部 第13話「A君とB君」
(984回)
花山薫は歩くだけで注目をあびる!
190.5cm 166kgの巨体だから単純に目立つ。
なにしろ横綱・金竜山の191.5cm 166kgに匹敵する肉体をもっている。
身長も体重も力士なみだ!
身長はともかく、体重が多すぎる気もしますが……
花山は強すぎる肉体を持っているため、意図的に鍛えていない。
やや、
ぽっちゃりだ。
パーフェクト・ナチュラルパワーってやつですね。
なお、力士が街を歩くだけで目立つのは、体型だけの問題じゃない。
あの人たちは基本的に和服を着ているから目立つのだ。
つまり服装の要素も大きい。
花山薫は白スーツを着ている。
パーティー会場の芸能人とヤクザぐらいじゃないと、なかなかしない格好だ。
この白スーツも花山が目立つ原因だろうな。
そして、顔に刻まれた疵もフツウじゃない。
現代日本で普通にくらしていたらつかない疵だ。
どれだけ普通じゃない生活をおくっているのか、ワカってしまう。
あきらかにヤクザだ。
とても目を合わせられない人物である。
そんな意識をしちゃうから、ますます目立つのだろう。
またひとり、目立つ人物がいた。
地上最強の生物・範馬勇次郎である。
歩くだけで威圧的なオーラがにじみ出る男だ。
勇次郎が歩くと人ごみが自然とよけるといわれる。
ディズニーランドに行ったら、自然と人がよけてどんなアトラクションも待ち時間ゼロになるとのウワサだ。
ミッキーもであったら全力で逃げだす。
『サングラスに隠されて尚…』
『その眼光は見る者を射すくめる』
いやいやいや。ノーノーノー。
それは言いすぎだろ。
さすがにサングラスを通してまで眼は光らない。
X-MEN
のサイクロプスじゃないんだから。
…………もしかして、目からビーム出せるようになったのか?
勇次郎が珍しくサングラスをしている。
なにごとだろう。
本当に目からビームが出て、止まらなくなったのか?
勇次郎は刃牙との親子対決でかなり人生に満足したはずだ。
その喜びが原因で、
目つきが柔和になっているのかも
。
ちょっとお見せできない目つきなのか?
でも、眉毛の角度がハンパなさすぎなので、まだ目ヂカラは健在っぽい。
しかし、本当になんなんだ、あの眉毛の角度は。
ほとんど、縦になっている
。
人間の限界を超えてンぞ。
もしかして、目まで縦になっていたりして。
花山薫と範馬勇次郎が路上で出会った。
これは偶然じゃない。
必然だッ!
ふたりが出会っただけで周囲から悲鳴があがる。
それほど危険なオーラがあふれまくりだ。
「これは試合というより生の喧嘩じゃ」
「のォ花山…………」
「人前でヤルもんじゃないじゃろ」
花山が勇次郎と戦いたいと言ったとき、徳川さんはこう言った。
だが、思いっきり人前でヤリはじめそうだ。
地下闘技場のような観客の前ではヤラないって意味なのか?
試合ではなく喧嘩だ。
見るものは観客ではなく、通行人となる。
実にもったいない。
盛り上げ好きの観客と、一流の解説者に説明してもらいたい一戦だ。
「ふしゅる…」「ふしゅる…」
「心ゆくまでヤれいッ」
徳川さんは迷彩服に身をつつみ、双眼鏡で二人を見守っていた。
人前でヤルもんじゃない、と言いつつ自分だけはちゃっかり観戦する気だ!
汚いとさえ言える自分勝手なやり口は、さすが天下をとった徳川家康の子孫である。
普段は和服きているのに、動きやすい格好しやがって……
ひとりだけ逃げる気マンマンじゃねェか!
本部の弟子とかシコルスキーみたいな呼吸音で徳川さんは大興奮している。
徳川さんは地下闘技場を代表して観客と解説役を同時にこなす気っぽい。
ここの第三の危険人物がいる。
花山や勇次郎とちがい、他人のチカラで破壊を生む危険人物だ。
徳川さんのほうが、勇次郎よりもずっと悪い人のように思えてきた。
いっぽう、クローン宮本武蔵の復活は徳川寒子の参加で、新たな動きがあった。
寒子はなぜか、武蔵の身体データをみて納得している。
霊媒師として呼んだのに、医者みたいなことしているぞ!
いつの間にか、高名な医者の霊でも降ろしているのか?
「これなら5分で目覚めよう」
早ッ!
5分かよ! ウソくせェ!
いきなり胡散臭さMAXで徳川寒子が、問題無い宣言だ!
今度は詐欺師の霊でも降りてきたんだろうか?
むぅ〜、霊媒師はツッコミやすいな。さすが胡散臭さのチャンピオンだ。
花山と勇次郎は一触即発の状態だ。
二人の戦いは武蔵復活に影響を与えるのだろうか?
良くも悪くも、与えるとは思うのだが……
遅れる方向に影響を与えないで欲しいな。
花山が勇次郎に勝てるとは思えない。
だが、戦う決意をしたのだから、なんらかの狙いがあるのだろう。
範馬勇次郎に一矢むくいる秘策があるハズだ。
喧嘩師・花山薫の意地を見せて欲しい。
しかし、花山が善戦するとイチバン喜ぶのが徳川さんって構図が、ちょっとムカっとくる。
姉・寒子を押しつけて、自分は観戦を楽しむ気だし。
……徳川さんが寒子による武蔵復活の場に立ちあわないってコトは、姉を信頼していないってコトなのか?
・
追記
(14/5/21)
とりあえず、クローン武蔵は置いといて花山薫 vs. 範馬勇次郎だッ!
武の天才同士が激突するぞ。
どちらも強者として生まれ育ち戦ってきた。
花山は強すぎるがゆえに「鍛えるのは卑怯」と考えるようになったらしい。
勇次郎は良くワカらんが、強すぎて達成感を得られないながらも鍛えるのは大好きと言う矛盾をかかえて生きてきたようだ。
前に花山が負けたのは、才能の差に加えて努力の差もあったのかもしれない。
ふたりに共通するモノが、もうひとつある。
背中に特徴があることだ。
花山は侠客立ちの刺青を背負う。
勇次郎は背中の筋肉が鬼の顔を形づくっている。
せっかく二人が闘うのだから、背中も全開で戦って欲しい。
もっとも、二人が背中を見せるのに少し問題もある。
背中を見せるためには服を脱がなくてはならない。
だが、この二人は基本的に服を脱がない。
服が破れるのだ。
つまり、二人が闘えば自然と服が破れていく。
この戦いに勝利者はいない、のこるのは半裸になった二人だけだ。
場所が街中と言うのも良くない。
きっと携帯でとられまくって、ネットに半裸の姿が晒されまくるんだろうな。
しかし、最大の懸念は本当に二人が戦うのかどうかだ。
武蔵復活のゴタゴタで戦闘中止にならないで欲しい。
中止は全裸より悪い。
2014年5月22日(25号)
第4部 第14話「疑念」
(985回)
宮本武蔵のクローン体を作ってみたが、目覚めてくれない。
ならば、霊媒師のチカラを借りるッッ!
このプロジェクトも、そうとう追いつめられてきているぞ。
かなりムチャな方法になってきた。
招聘されたのは徳川光成の姉・徳川寒子である!
徳川の血が霊的に良いのか悪いのかワカらんが、権威はありそうだ。
エラい霊をよんでも、あまり怒られないだろうな。
サギなのか、本物の能力者なのかイマイチわからん。
プロジェクトメンバーの田中欣一は寒子に反発する。
自分たちは無力で武蔵復活に失敗しているけど、胡散くさいヤツに頼りたくない!
他人の成功をみるぐらいなら、自分も成功しなくてかまわん!ってコトですね。
排他的な学者の習性がしみついている人なんだろうか。
寒子は、田中の祖父を呼びだしてダマらせる。
武蔵の復活など5分でできると豪語する寒子だ。
この小芝居がなければ、とっくに武蔵が復活していただろう。
そんなワケで武蔵の復活は次回以降に持越しである。
イギリスでは武蔵がいつ復活すのかが賭けの対象になっているにちがいないが、今週も復活しませんでした。
このペースなら、6月も復活せずに乗り切れるかもしれない。
いっぽう、べつの場所では危険な空気がたちこめていた。
最強ヤクザの喧嘩師・花山薫と地上最強の生物・範馬勇次郎が対峙している!
勇次郎は地上最強のオーラをまとって背景をグニャらせているぞ。
思わず周囲の人も凝視してしまう光景だ。
そう、闘争とはこういうシンプルなものでイイんだ。
大のオトナを二人ならべて、さあどっちが強いんだと比べる。
これこそ太古からつづく単純にして究極の勝負ってモンだ。
「フフ…………」
「ここでいきなりってのもな…」
始まらないのかよッ!
注目を浴びまくっているせいか、勇次郎はココで闘う気がないようだ。
う〜む。勇次郎もまるくなったな。
昔はどんな場所だろうが容赦なく襲いかかっていたような感じだったが。
勇次郎は最愛の息子・刃牙と闘い、生涯初の譲り合う境地を得た。
強すぎるが故に満足できる闘争に餓える日々だ。
そんな渇きから、わずかな時間だけでも脱却できた。
心の持ちようも変化しているのだろう。
それとも、単純に注目を浴びるのがニガテなのかも。
戦場で生きてきた経験からむやみに目立つと狙撃されそうで落ち着かなくなるのかもしれない。
もっとも、勇次郎は刃牙のあとをつけている時も路上で仁王立ちして、目立ちまくっていたが……
息子をストーキングしても隠せぬ親心、ですね。
「歩くか…」
とくにアテもなく二人は歩く。
やっぱり、注目を浴びている。
ひとりでも非日常の空気をまといまくる二人だ。二人そろうと相乗効果がスゴい。
くまモン&ふなっしーが並んで歩いていても、ここまでの注目を集めないだろう。
いや、チョット言いすぎた。
勇次郎も目立ちすぎることを自覚していたらしい。
刃牙との親子喧嘩が世界的な規模でさらされてしまったので、有名人になってしまった。
お陰でサングラスをしている。
うむ、それあまり意味ないな。
勇次郎は肉体から出てくるオーラが普通じゃない。
野鳥が逃げるレベルのオーラがでている。
くまモンの中に入っても、隠せるものじゃない。
ただ、いままでは「なんか怖そうな人がいる」と注目を集めていたのが、「ネット動画で見たことのある怖そうな人がいる」という注目にかわっている。
最近の勇次郎は目立つ+有名になってしまった。
取材の申し込みがくるのも、そう遠くないな。
「先日………」
「子供
(ガキ)
にサインをせがまれた」
「書いたンすか」
「聞くなッッ」
聞くだろ!?
そのフリをされたら聞くしかない。
むしろ聞かないと失礼なぐらいだ。
勇次郎がサインをねだられる時代ですか。
けっきょく書いたっぽいな。
『地上最強の生物☆範馬勇次郎!』
って書いたんだろうか?
なんか名言を書いてください、とかいわれたりして。
そうしたら、とりあえず
『たわけ!』
と書きそうだ。
花山と勇次郎はマジメにやりとりをしているのだろうが、見た目とのギャップが強すぎてギャグになっている。
見事なボケとツッコミだ。
勇次郎はツッコミ体質かと思っていたが、綺麗なボケもこなせるようだ。
素晴らしい連携で、花山のアクビも止まる。
このまま二人は闘うのだろうか?
そして、本当に武蔵は5分で目覚めるのだろうか?
次回につづく。
花山と勇次郎の語りは、しみじみとした情緒がある。
なんか日本刀をさして浪人二人が決闘の場に向かって行くような風情だ。
ちょっとシリアスなギャグ入っていますが。
強面な二人が軽い話題をしたら、それだけでギャグになる。
このコンビなら好きなおでんネタを言い合うだけで笑いが取れそうだ。
ロールキャベツがアリかナシかで、血を見る可能性もありますが。
ちょっと心配なのが、アクビにふれた点だ。
取材に行ってから、アクビが止まらなくなった。
言わないだけで、みんなアクビをしていますよ。
みたいな感じで、アクビの話題で盛りあがってしまいそう。
刃牙や花山は、アクビが止まらない。
勇次郎のアクビ事情はどうなのだろうか?
強すぎる勇次郎は退屈な人生を歩んできた。
アクビは今にはじまったコトじゃないだろう。
勇次郎だけは平常運転と言う気がする。
だが、最近はアクビがとくにヒドいと勇次郎が言いだしたらマズいかも。
勇次郎が超人的なカンを働かせて、花山より武蔵を探しに行くかもしれない。
花山も一度闘っている勇次郎よりも、武蔵を優先する可能性が高い。
なにしろアクビの原因は武蔵なのだから。
医学的な根拠はありませんが。
徳川寒子が武蔵をよみがえらせるまで、あと五分ッ!
それまでに花山と勇次郎は戦いはじめるのか?
長い5分になりそうだ。
・
追記
(14/5/28)
刃牙が14話かけても武蔵が復活しないというのに、真・餓狼伝は次回最終回だ。
面白く深みのある作品だったが、ちょっとテンポが悪かったのかもしれない。
あと、真餓狼伝は女性が主人公の母すら出てこなかったが、それも伸び悩みの原因だったんだろうか。
つまりバキの梢江ちゃんは必要な存在か?
刃牙道になってから出てきていないが、大丈夫だろうか。
そもそも刃牙の出番がいきなり無いんだけど。
主役不在で安定ってのが刃牙らしい感じだけど。
板垣先生インタビュー
では、刃牙以外のキャラと武蔵が絡むようなコトを言っていた。
刃牙の放置プレイはしばらく続くのかも。
タイトルが刃牙道だけに、刃牙は道であって通行人じゃないッ!
ツッコミ忘れていたが、クローン武蔵の股間の野太刀が白でぼかされるようになっていた。
やっぱ、モロ出しはNGだったんだろうか。
でもね、白修正じゃなくてパンツはかせてあげなさい。せめてタオルかけるとか。
徳川寒子が武蔵の大太刀に興味をしめさんでよかった。
世界三大美女でも、世界三大痴女でも、とにかく召喚して武蔵を一撃で(フロ)に沈めかねない。
そうなったら、武蔵がいつまでたっても外に出られないぞ。
でも、今は武蔵より、花山vs勇次郎のほうが気になっていたりして。
2014年5月29日(26号)
第4部 第15話「本来の顔」
(986回)
素手喧嘩(ステゴロ)最強ヤクザ・花山薫が、地上最強の生物・範馬勇次郎と並んであるく。
二人の戦闘力を考えるなら、恐竜が二匹いるようなものだ。
本当なら市民に避難勧告しないとイカンよな。
この二人なら、戦車にだって勝てるぞ。
だが、ふたりは暴れることなく立ち話をつづける。
文字通り立ったまま話をしているだけだ。
なんとなく平和そうな感じだが、緊張感ものこる。
できれば座って話をして欲しいな。
もっとも、喫茶店とかにこの二人が入る姿も想像しにくいが。
範馬勇次郎が来店する事態はマクドナルドのマニュアルでも想定していないだろう。
約一年前に範馬勇次郎は息子・刃牙と最強の親子喧嘩をした。
242話
から
312話
までと言う、伝説的な長期間ケンカで圧倒的な破壊と笑いのパフォーマンスを見せつけたのだ。
そう、あまりに長く闘ったせいで、世間に知られてテレビやネットで話題になってしまった。
全世界に見せつけたのだッ!
「お二人の親子喧嘩を見終わって以来でした」
「見聞きするどれもが………」
「無価値というか…」
花山もとうぜん親子喧嘩を見ていた。
しかも、現場で見ると言う野次馬根性までだして。
超常現象のような闘争を見て、日常が陳腐に思えたのか。
でも、昔のドットゲームのほうが今のポリゴンゲームより好きだって人もいる。
メジャーリーグを見たって、自分が参加する草野球の楽しさは変わらないと思うのだが……
花山は範馬家の親子喧嘩が退屈の原因だと思っている。
だが、真の原因は復活しようとしているクローン武蔵だ。
……だよね?
クローン武蔵の情報を知らないので、退屈の原因として範馬家の親子喧嘩だと思ったのだろう。
宮本武蔵のクローン体を作ろうと言う徳川光成の悪魔の計画が、思わぬカン違いを生んでいる。
勇次郎はちょっとご機嫌だ。
自分がホメられた、と言うより刃牙がホメられたのが嬉しいのだろう。
この、親バカめッッ!
刃牙が自分と並びたつ存在となった。
サングラスをしているからワカらないけど、きっとニヤニヤしている。
「ところで花山の…」
「そんな退屈しているオマエさんに――――」
「この俺にどうしろと…………?」
勇次郎、怒ったッ!?
サングラスをデコピンで上空に弾き飛ばし、落ちてきたところをキャッチする。
当然サングラスはグシャグシャだ。
ムエタイ王者チャモアンをKOした必殺のデコピンを喰らってはたまらない。
サングラスの下に隠れていた目が、充血して怒っていた。
退屈だから相手をしろ!?
キサマ、何様のつもりだッ!
という感じのオーラが出ている。
たしかに無礼な注文だ。
しかし、花山はワザと無礼な動機を伝えたのかもしれない。
範馬勇次郎にケンカを売るために。
本気の範馬勇次郎と闘うために、だッ!
一度は、手も足もでず惨敗した相手だ。
というか、手も足も折られて引退を覚悟させられた相手と言ったほうが良い。
あれから、6年ほどたっている。
勝てるとは思えない。
今度こそ、死ぬかも。
だが、それでも地上最強に挑戦したい。
勇次郎に本気を出させるための喧嘩の駆け引きだろうか?
いや、ただの天然かも。
なんか天然と言う気がしてきた。
計算しないで望む結果を得られるのなら、やっぱり花山は喧嘩の天才かもしれない。
武蔵が復活するまで、あと5分だ。
それまでに二人の闘いは開始できるのか?
武蔵が復活したら、きっと邪魔が入るだろう。
ここから先は時間との勝負になりそうだ。
いっぽう、目覚めぬクローン武蔵を「5分で目覚め」させると豪語した霊媒師・徳川寒子が動く!
ちなみに宮本武蔵は有名人なので、なんども降ろしているらしい。
さすがの胡散臭さだ。
宮本武蔵ぐらいの有名人になると、死後も大忙しだな。
とうぜん、寒子は武蔵の顔を知っているらしい。
つまり、
源義経
や
沖田総司
のように一般的には美形と言われている人の顔もワカるってことだ。
本当は美形じゃないとも言われている論争に決着がつけられるかもしれないが……
胡散臭いッッッ!
「修羅場をくぐらぬ」
「甘い風貌
(かお)
じゃ」
「一人も斬らずに生きたとしたら」
「この風貌
(かお)
か…………」
「凄いものじゃぞ 武蔵
(やつ)
の面貌
(かお)
は」
たとえ同じ遺伝子でも、経験をつまなければ、アマちゃんだ!
クローン武蔵を全否定だなッ!
中身をちゃんとしないと、クローンでもダメってことですね。
顔と言う、見た目の問題かもしれない。
だが、人の人生は顔に出るとも言う。
この間まで水につかってふやけていたクローン武蔵じゃ、顔も人生経験も赤ちゃんみたいなものだ。
やっぱ、ホンモノの武蔵をいれないとダメですかね。
と思わせるのが寒子の作戦かもしれない。
自分の重要度を上げる気か?
いまは、どんなサギ師が降りているんだろう。
ぶっちゃけて言えば、どんなに怪しくても、本当にサギだとしてもかまわない。
強いクローン武蔵を目覚めさせて、ちゃんと闘わせてくれれば良いのだ。
胡散臭いけど、さっそく寒子は武蔵を降霊するのだった。
例の脱力ポーズだ!
やっぱり、胡散臭い!
って、自分に降ろすのかよ!?
クローンの肉体に、武蔵の魂を入れるんじゃ無かったのか?
と、なんか青果人みたいなツッコミをしつつ、次回につづくのだった。
――――この間、たぶん2分ぐらい。
武蔵が目覚めるまで、あと1.5話と見た。
・
追記
(14/6/4)
そろそろクローン宮本武蔵がよみがえりそうだ。
いや、まだ早いかもしれない。
まずは徳川寒子に憑依して自分のクローン体とご対面だ。
死後300年以上たってから霊媒師に呼びだされてみたら、自分のクローン体が目の前にあった。
シュールすぎる状況で、マジメに考えるとすぐにつまづく。
魂を呼びだすんだから、バキ世界は肉体とは別に魂があるよ説なワケだ。
脳が無くても、魂に記憶や意識があるってコトですね。
少なくとも短期の記憶がないと人と会話できない。
生前の記憶もあるていど持っていないと日本語が喋れないだろう。
そうなると、魂さえあれば記憶も意識もあるんだから脳なんてもともと要らないンじゃね?という結論になっちゃいそうだ。
この話はもはや哲学の分野なので、あまりマジメには考えませんけど。
魂の記録容量と性能が脳以上でないと、降霊術で武蔵呼びだしてもガッカリしちゃうよな。
「いや、すんません。脳に入れていた記憶はあまりなくて。
ほら、剣術って肉体の記憶だから魂だけだと、うまく使えないんスよ」
さらに言えば、肉体の衰えと魂が別物で無いと、ヨボヨボでボケかかった老人武蔵が出てきちゃう。
そもそも、死後の世界が老人ばっかりになっちゃいそう。
ヨボヨボはともかくとして、死ぬ寸前で老成しちゃった武蔵が出てきたら闘いにならず困ってしまう。
でも、そこは全盛期でギラついていた武蔵をよみがえらせるぐらいヤる。
生きた人間から霊魂を呼びだしちゃう徳川寒子なんだから、死んでいる人間など好き勝手にできるだろう。
ついでに、刃牙の霊魂も呼び出してもらえないだろうか?
たぶん刃牙の闘争心がイチバンさかんだったのは13歳のころだ。
13歳の刃牙を呼びだして、現在の18歳の肉体に入れればバキ史上最強の刃牙が誕生するかもしれない。
刃牙の肉体に本部さんの知識を入れるってのも、ちょっと魅力的なんだが……
2014年6月5日(27号)
第4部 第16話「変貌」
(987回)
宮本武蔵のクローン体を作ったものの目覚めてくれない!
と言うわけで
霊媒師・徳川寒子をよんできました。
ツッコミどころの穴が大きすぎる。
穴だらけすぎて、むしろ虚無的空間だよ。ヴァニラアイスの通ったあとみたいだ。
さっそく宮本武蔵を降霊してもらいました。
宮本武蔵が入った徳川寒子の姿は、あの絵画そっくりな感じだ!
「鋭利(するど)い眼光」も、「脱力しきった持ち手」も宮本武蔵そのものである。
それだけで武蔵と信じてイイものだろうか?
ためしに、ムエタイ選手あたりと戦わせてみたらどうだろう。
絵を描かせるのも手だけど、それじゃあんまり面白くないし。
というか、先週も言ったが、自分に武蔵を入れてどーする!
自分の死後350年後ぐらいに呼びだされて、自分のクローン体を見せられても、困るぞ。
武蔵の入った寒子は、ナニをするのか?
と、ここで御老公がやってくる。
花山と勇次郎のケンカを見なくていいのか!?
私は、そっちのほうが気になるぞ!
それとも、徳川DNAが まだ戦の時で無い! と教えてくれたのかも。
とにかく、いったん帰ってきました。
服まで着替えて!
着替えるヨユウがあるなら、向こうのケンカはまだ機が熟していないってコトなのかも。
「インチキかも知れん」
「よォ〜〜〜く瞳目
(みは)
っとけ」
自分で呼んでおいて、この言いぐさだ。
御老公はフリーダムすぎる。
寒子の投入は御老公にとっても賭けだったのかもしれない。
というか、オカルトに頼るぐらいなら武蔵を量産しておいてイロイロ試せばよかったのに。
武蔵同士を戦わせて最強の武蔵だけを選抜する非道なトーナメントだって開催できるぞ。
量産には、予算が足りなかったんだろうか?
見張れと言ってた徳川さんだが、自分は目をそらしている。
またもやフリーダムだ。
超ワガママですよ。
ワガママを通す力が強さだから、御老公最強伝説を作りたいのか?
と、思っていたら
徳川寒子がクローン武蔵にディープキスをかましたッ!
これは、深い!? 深いぞ!?
シンプルにしてディープな、ギロチンチョークのように深く喰いこんでいるッ!?
「おいッッ」
「おいおいおいおいッッ」
「文化遺産だぞッッ」
「なんてこと……ッッ
ベロチューって……
」
どこで、ベロを確認したッ!?
というか、勝手に文化遺産にしやがったな。
正確に言えば盗んできた文化遺産をもとに作った複製品だぞ。
徳川さんが見たがらなかったのは、このせいらしい。
ピッコロ大魔王がタマゴを生むときのように、見ると飯がマズくなるんだろうな。
徳川さんは何度も見ていると言っている。
つまり、何度もやっているのか!?
世の中に何体も故人のクローン人間がいるとも思えない。
どんなシチュエーションで、マウス・トゥ・マウス降霊術なんてやったんだろう。
コンスイ状態の患者を、寒子姫のキスで目覚めさせたのか?
タバスコを注ぎこみつつ電流を流すようなショック療法的効果は、ありそうだ。
なんか迫力もあるし。
説得力と効果は、だいたい迫力に比例するのだ。
とりあえず減るモンじゃないから試す価値はありそうだ。
むしろ増えるかもしれない。
口内細菌が増加しそうだ。
徳川寒子と同じ口臭になるぞ!
と、ここでクローン武蔵に異変がッ!
脳波に変化があらわれ、身体に傷跡が浮かびはじめる。
眉毛が抜け落ち、眼球が浮きあがった。
歴史上の宮本武蔵の経験が、クローン武蔵に移植されているのか!?
身体の傷はくぐりぬけた死闘を追体験している証のようだ。
眉毛がなぜ抜けたのか、不明ですが。
武蔵は風呂に入らなかったと言う話もあるし、不潔で眉毛が抜けちゃったんだろうか?
葉隠武士は、寝る前に刀で眉毛を斬って切れ味を確認し、刀を抱いて右手を下にして寝る。
寝込みを襲われても、右手が無事なら戦えるという作戦だ。
武蔵も刀の切れ味を試しすぎて、人里に出にくい眉毛になっちゃったンだろうか?
そして、
宮本武蔵が目覚めるッ!
目覚めそうだ。
とりあえず、目は開いた。
(こ……!!? この風貌
(かお)
!!?)
精悍な顔つきだったクローン武蔵が、不気味な顔つきに変貌した。
この風貌(かお)こそが、生涯六十余回の真剣勝負をし、一度も遅れを取らなかったと豪語する宮本武蔵なのだろうか?
つまり、
六十人前後の人間を斬殺した男の面貌(かお)だ。
刃牙世界のイケメンは、不幸な目にあいやすい。
不気味な顔になったと言うコトは、不幸の回避能力が上がったというコトかも。
目は開いた。
だが、開いただけでナニも見ていないのかも。
それに、まだ立っていない。
やっぱ自立歩行しないと復活認定はできないっしょ。
次回こそ、宮本武蔵復活かッ!?
やっとクローン武蔵が復活しそうだ。
前回までは、本当に目覚めるのかチョットだけ疑っていたよ。
しかし、立ち上がるまでは油断できない。
いや、立ち上がっても無意識と言う可能性がある。
完全復活と認定できるのは、最初の戦闘が始まってからだろうか?
戦ってみたら、けっこう弱かった、じゃシャレにならんし。
しかし、寒子さんはナニを注入していたんだろう。
口移しに、霊魂が移動したってコトだろうが……
宮本武蔵が身体に乗り移ってたとしたら、接吻は武蔵の意志ってことになるのか?
自分のクローンを見つけたからって、ベロチューするかね?
とにかく、武蔵がやっと復活しそうだ。
5分で
倒す
起こすと寒子は言っていたので、今は4分ぐらいかな。
ラスト1分(ワンミニッツ)ッ! あと、0.5話ぐらいで復活だッ!
でも、ラスト1分って、けっこう長いよね。
・
追記
(14/6/11)
ついにクローン武蔵の目が開いたッ!
でも、開いただけで、見ていないかもしれない。
しゃべって歩き出すまでは復活と断定できないな。
たぶん今の話は刃牙道3巻に収録されるあたりだろう。
なんとしても、3巻のうちに復活していただきたい。
しかし、これだけ引っ張って宮本武蔵が弱かったら目も当てられないんだけど……
歴史上の宮本武蔵は勝つためには手段をえらばず策を弄するとの評価がある。
つまりバキで言えば最凶死刑囚タイプだ。
出だしは勢いイイが、だんだんションボリしていきそう。
それでは困る。
過去に作中で武蔵の脱力は最高と何度も持ちあげているから、大丈夫か?
世間一般では、武蔵といえば二刀流だ。
しかし、バキ世界だと武蔵といえば脱力ですね。
クローン武蔵が脱力すると、弛緩した凄い変な顔になって、相手が噴いてスキができた所を斬る。
そんなセクシーコマンドー的な強さで無いことを願う。
でも、それはそれで面白そう。
とにかく、クローン武蔵は脱力に注意だ。
ゴキブリダッシュ的な攻撃もしてくるかもしれない。
そして、脱力するような駄洒落を言ってくるかも。
目覚めた武蔵の第一声はどんなものだろうか?
霊媒師・徳川寒子に何度も呼び出されているから、現代事情も知っていそう。
「どこだよ、ここ?」
などと、うろたえることも無い。……と思う。
やっぱり、第一声は目覚める直前の状況がかかわってきそうだ。
「オヴェッ! なんか、クチの中が苦ジョッパいッッ!」
霊媒師・徳川寒子の舌技(ぜつぎ)の効果であった。
2014年6月12日(28号)
第4部 第17話「覚醒」
(988回)
素手喧嘩(ステゴロ)最強のヤクザ花山薫が、地上最強の生物・範馬勇次郎に挑む!
ちなみに
過去の戦績は花山の二戦二敗だ。
それもマトモな戦いにもならない、一方的な暴力と言った感じだった。
野球で言えば、1回コールド負けぐらいの差がある。
歴史的惨敗と言えるような敗北をして、なお花山薫は範馬勇次郎に挑む。
かつての戦いでは手も足もでなかったと言う屈辱と恐怖を忘れたのだろうか?
恐怖を克服し、勇次郎と並んで歩いていることが、花山成長の証しだ。
しかし、ちゃんと勝利への策があるのか?
いや、
花山のことだから、何も考えず ただひたすら全力を出すだけだろう。
自分の成長だけが勝利の鍵だ。
勇次郎はサングラスを握りつぶす。
花山はメガネをはずした。
共に臨戦態勢に入ったってことだろう。
戦闘にむけて熱量が上がる。
「あの…」
「オーガ センセイ…」
「サインを…ッッ」
なんか空気読まないアホが入ってきたッ!
ティラノサウルスとトリケラトプスがニラミあっている間に入るような暴挙である。
キサマ、戦場ならすでに死んでるぞ!
いや、これだけアホでクソ度胸があれば生存できるかも。
むしろ、アホが入ってこれる程度の熱量だったのかもしれない。
まだ機が熟していなかったのか。
二人が本気だったら半径10m以内に入っただけで失禁しとる。
勇次郎がにらんだッ!
[モレ……]
漏れたッ!
にらんだだけで失禁だッ!
というか、
失禁音って「モレ……」なのか?
惜しい。
実に、惜しい。否、惜しすぎる。
先週のチャンピオン
は「囚人リク」「いきいきごんぼZ」「オーマガ町の怪」という3作品で失禁事故があった。
「いきいきごんぼZ」では、大きいほうも漏らしていたけど。
刃牙道での失禁があと一週早ければ、奇跡の四作品失禁になっていた。
おそらく空前絶後の歴史的な記録になったのではなかろうか。
ジョボァァアッ
じょっばぁ〜
じょー…
モレ……
しっとりとした温かみのある四重奏(カルテット)を聞くことができただろう。
それにしても、やっぱり「モレ……」は異質だよな。
他は「ジョ」から始まるのに、「モ」だよ。
きっと「いきいきごんぼZ」がリスペクトして使うにちがいない。
あ、スイマセン。
ちょっと尿の話に熱中してしまいました。
話をもどそう。
「見てワカらんかッ」
「取り込み中だ…」
「下がれ」
勇次郎は色紙のど真ん中に指を突き刺す。
障子を破るような容易さで、あっさり穴が開いた。
あの丈夫な色紙がッ!
さらに勇次郎は指を高速で振る!
一瞬で十字に色紙が斬れていた。
コレが勇次郎流のサインだッ!
普通にサインするよりも嬉しいだろう。
できれば録画しておきたかった。
男はさっそく色紙を周囲の人間に自慢している。
いや、色紙自慢よりも失禁後のパンツをなんとかしようよ。
サラリーマン風の男あたりは、視線が下の方むいてるぞ。
色紙よりも股間のシミを凝視されている。
勇次郎流サイン術、さすがです。
花山が勇次郎をほめる。
子供にサインをねだられた勇次郎があみだした新手だろうか?
いや、子供にサインをねだられたので、あとで考えた技かも。
とにかく勇次郎らしさにあふれたサインだ。
勇次郎は、オズマ米国大統領にダイヤモンドを作ってくれとねだられたことがある。(
範馬刃牙22巻
182話
)
この経験をイカして、相手の要求をそらして圧倒的な戦闘能力を見せつけたほうが喜ばれると考えたのかも。
範馬勇次郎、地上最強の生物にして、けっこうサービス精神旺盛なヒトであった。
今日の花山はしゃべりすぎる。
勇次郎がチョット怒った。
たしかに、今の花山はいつもの5倍ぐらいしゃべっている感じだ。
花山も勇次郎との闘いに興奮しているのかもしれない。
遠足の前日は興奮して眠れないタイプか?
おしゃべりの時間は終わった。
ついに二人がぶつかろうとする。
格上の余裕で、勇次郎は花山に仕掛けてこいと言う。
花山は全力パンチの構えで応じる。
二人の熱量が一気に高まった。
背後の風景が陽炎が起きたように歪む!
花山は身体をねじり攻撃の構えだ。
勇次郎はハンドポケットのまま迎え撃つ。
二人の闘志が熱風のように吹き荒れているだろう。
この熱を浴びただけで、常人ならば即座に失禁する。
失禁ゾーンが周囲に広がって行くぞ。
野次馬は見てないで逃げろッ!
そのころ、クローン技術と霊媒師の合わせ技で復活した宮本武蔵がついに覚醒していた。
ちかくにいた徳川寒子の顔をわしづかみにし、研究者たちに投げつける。
研究者たちがフライング寒子の衝撃に気を取られたスキに、武蔵は背後を取っていた。
目覚めて一発目で、この動き!
戦いなれている!
そして、恐るべき決断力と行動力だ。
未知の場所で目覚めた場合、普通の人や動物は情報収集をする。
なるべく動かずに目や耳を働かせ、ココがどんな場所か探るのだ。
だが、武蔵はいきなり動いている。
かなりムチャな人ですね。
平和時よりも戦時が似合うタイプだ。
「その方ら…」
「命までは取らん」
「正直に解答
(こた)
えられよ………」
しゃべった!
記憶も宮本武蔵のものだ。
正直に答えないと、命取られちゃうのか?
この乱暴さは、さすが戦国時代の人だ。
そして、このタイミングで復活だ。
花山が勇次郎へ拳を撃ちこもうとするタイミングで覚醒している。
武蔵の覚醒は、花山VS勇次郎の闘いに大きく影響しそうだ。
なんか、気配を感じるってことで二人とも喧嘩を中止するかも知れない。
そうなると、武蔵が復活したスカイツリー地下にもっとも近い花山たちが現場一番乗りになりそうだ。
花山VS勇次郎は中止して、花山VS武蔵 or 勇次郎VS武蔵になりそう。
どちらにしても、一般人なら失禁必死の深刻なバトルになる。
死者も出るかもしれない。
失禁者は、やっぱり出るんだろうな。
宮本武蔵に関わった一般人は、モレ……なく失禁する。
・
追記
(14/6/18)
ついに宮本武蔵が覚醒したッ!
武蔵復活は17話でした。ゴロ合わせで634話まで復活しなかったら どうしようと心配したよ。
17話のアオリ文句は『吉川英治先生… あの武蔵 たぶん違います(謝)!!!』だった。
もっとも、吉川英治自身が宮本武蔵で確かなことはほとんど無いと言っているので、たいがいのコトは笑って許してくれるだろう。
それに、バキだしねッ!
吉川英治の創作した宮本武蔵は当時の日本人が共感できるように、求道者的な生きかたをする青年として描かれている。
実際のところは、就職活動をするが超一流の待遇を求めるが故に職に就けず流転を余儀なくされる人生だったようだ。
それもハッキリとはワカらないのだが……。
とりあえず就職できなかったのは確からしい。
強かったのは確かだろうが、立身出世と言う願いがかなわなかった。
範馬勇次郎は強すぎて栄光から遠ざかっている。
武蔵は強くても栄光に届かず、もだえ苦しんでいたようだ。
けっこう性格もネジれちゃっているかも。
若いころの武蔵は勝つために手段を選ばないところがあった。
だから、強くても卑怯者として就職できなかった説があるぐらいだ。
方向性として最凶死刑囚っぽいのが気になる。
だが、これだけ引っぱって誕生したクローン武蔵がヘッポコであっては困るのも事実だ。
今まで武蔵の脱力はスゴいという表現が多くあった。
なので板垣版の武蔵は脱力の達人じゃないかと予想していたのだが……
単にスゴい面倒くさがり屋だったりして。
遅刻の常習犯で、戦えば強いんだけど、戦わないから就職できない。
ん?
なんか一時期の刃牙みたいな感じだな。
まさか、刃牙の姿こそ究極の脱力系格闘家なのだろうか?
脱力系同士が激突したら……、両者サボりまくって闘いにならないッ!
平和かもしれないが、とてもヤバい勝負になってしまう。
刃牙と武蔵をあわせるのは、危険かもしれない。
2014年6月19日(29号)
第4部 第18話「開始」
(989回)
虎は…なにゆえ強いと思う? もともと強いからよ!
と言うわけで、生まれつき強い天然強者の二人が激突する。
鍛えない男・花山薫と、強すぎて達成感のない男・範馬勇次郎だ。
単純な強さだけなら勇次郎のほうがずっと上だろう。
しかし、生まれつき強いという点で勇次郎は、花山に共感できるようだ。
強すぎる花山は弱者を気づかい、きたえることを放棄した。
範馬勇次郎がたどったかもしれない、もう一つの道ですね。
強すぎて相手が見つからないとき、どうするべきか?
考えつく選択肢として、以下のものがある。
(1) 俺より強いヤツに会いに行く
(2) 自分が強くなりすぎないようにする
(3) 強い相手を作る
花山も勇次郎も、強いヤツを探したけど途中であきらめたのだろう。
勇次郎は海外の戦場にまで出かけた。
どうも、
勇次郎はあきらめの悪い性格のようだ。
勇次郎は刃牙と言う子供を作り、自分の相手をさせようとした。
花山は自分が強くなりすぎないようにセーブする道を選んだ。
ふたりの性格のちがいが、行動にも出ているっぽい。
勇次郎はけっこう、ねちっこい性格ですね。
戦いに虚しさを感じていたかもしれないが、あきらめずに努力しつづけている。
武術やスポーツをやらない花山の攻撃は、天然のものだ。
全身をたわめ、ねじる。
花山は強者のハンデとして鍛えたりしないけど、闘争への礼儀として手を抜かない。
目撃者の一人である八部公一(34)は、花山のフォームを遠投のようだと評した。
この攻撃はッ!
「一発放ったあとは反撃の構えもクソもない」「格闘技のセオリーもとっぱらった」
(
G刃牙12巻
100話)
そういう攻撃だッ!
刃牙が夜叉猿と闘ったときと同じスタイルですね。
格闘技を学ばなかったからこその、野生的でケモノっぽい一撃だ。
花山の全力パンチは、攻撃力に特化しているので命中率が低く、スキも多い。
だが、その攻撃力は防御不可レベルだ。
ガードしたら受けた手足のほうが砕ける。
花山の一撃をッ! 範馬勇次郎は、顔面で受けたッ!
ハンドポケットのままッ!
一般的な格闘士なら、この一撃で風車のように大回転していただろう。
だが、範馬勇次郎はゆるがないッ!
いやチョット、ゆらいでいる。
すこしのけぞって、左の鼻の穴から
鼻血
がでた。
勇次郎は親子喧嘩のさいに「他人(ひと)の手により出血するのはいつ以来のことか」と言っている。(
範馬刃牙32巻
263話
)
鼻血を出させた花山のパンチは勇次郎にとって合格なのだろう。
勇次郎が凶暴な笑みを浮かべた。
クローン技術と降霊術の合わせ技で復活した宮本武蔵は、自分を作ったプロジェクトメンバーを約二時間といつめていた。
けっこう長いな。
ちゃんと座って話をしているあたり、意外と紳士的だ。
座布団が欲しいところだけど。
そして、武蔵は全裸のままだッ!
しかも座り方が、あぐらだよ。
足開いて丸出しだッ!
二時間だしっぱなしか……
蛇口でさえ資源を大切にするため小まめにしめろと言われているのに、二時間だしっぱなしですよ。
パンツを渡す勇者はあらわれなかったんですね。
武蔵はとりあえず現状を確認する。
周囲の状況だけでなく、自分の格好についても確認していただきたい。
ここで、徳川さんが身をのりだす。
「闘争
(たたか)
っていただきたい」
その前に服を着せていただきたいッ!
あと、飲食も重要だろう。
衣食住よりも闘争を優先するのか。
さすが、倫理観ゼロの徳川光成だ。
「――――とは申してみても…………」
「このナリではなァ…」
宮本武蔵も全裸を気にしていたッ!
二時間もガマンしていたのだろうか?
武蔵は、けっこうシャイなのかも。
武蔵はいきなり襲いかかったりせずに、座って会話していた(全裸だけど)。
自分が裸のままでいることも気にしている(二時間も放置していたけど)。
けっこう
話のわかる常識的な人かもしれない。
範馬勇次郎が同じような状況になっていたら、とりあえず目があった相手に襲いかかっていたハズだ。
そして相手を倒しパンツを奪う。
宮本武蔵はむやみに暴力を振るったりしない。
この精神状態は老成した死ぬ直前の老人・宮本武蔵のものなのだろうか?
徳川さんは武蔵のために用意していた和服を出す。
下着はもちろんフンドシだ。
いや、もちろんってワケでもないけど。
とりあえず、モロチンをなんとか納めていただきたい。
パンツを渡して反応を見ても良かった気がするが、やはり武蔵にはフンドシなのだろう。
服は渡したが、刀が無い。
宮本武蔵は剣豪だ。
刀を持っていないと、カッコがつかないのだが……
もっとも、武蔵は肩での体当たりを得意技としていて、五輪の書でも紹介している。
刀だけに頼らず、使える武器は全部使うのが宮本武蔵流なのだろう。
衣服があれば着るが、なければ全裸でなんとかする武蔵流だ。
「さしあたり…………」
「誰と死合
(しあ)
えと…?」
服を着たら、さっそくヤる気だッ!
この軽いノリは、そうとう死合(しあ)いなれしているっぽい。
穏やかそうな対応でも、やっぱり宮本武蔵だ。
戦国時代を経験している人間は、殺人への抵抗感が少なすぎる。
そして、そう、誰とヤるのか、だ。
徳川さんは、闘争のためなら法も人権もムシしちゃう。
すでにイケニエが用意されていそうだ。
タイで捕獲したムエタイ選手がオリの中で待機している可能性もある。
それとも、山籠りしている本部をひそかに拉致して、オリに入れているかもしれない。
まさか、いきなり勇次郎と戦わせたりしないだろうな。
宮本武蔵の始動は、花山と勇次郎の闘争にも影響するのだろうか?
そして、気になるクローン武蔵はじめての相手はだれになる?
やっぱり、武蔵は無刀で闘うのか?
疑問が山積のまま、次回につづく。
・
追記
(14/6/25)
花山薫と範馬勇次郎が密度の濃い一撃を打って打たれているうちに、宮本武蔵が外に出ようとしている。
だが、武蔵は素直に外に出て戦ってくれるのだろうか?
近年の刃牙シリーズは展開が遅いこと山のごとしである。
わずかなチャンスがあれば遅延行為がはじまるぞ。
徳川寒子が田中欣一の祖父を呼びだして一話消化したことは記憶に新しい。(
14話
)
刃牙道は曲がりくねって長く歩きにくい道だ。
それはもう確信というか信頼を超えて信仰のレベルに達している。
どうせ、話が進まないなら、せめて面白い寄り道であって欲しい。
見学者の失禁は、なんかスゴく楽しかった。
クローン武蔵は服だけわたされて、素手だけどイイのだろうか?
「刀ないの?」「じゅうとうほう、とな?」「じゃあ、木刀で」
「いや、やっぱり武士は真剣でしょ」「あるじゃん。早く出せよ」「やっぱ、拙者が刀持つなら二本でしょ」
「え〜、これ無銘じゃん。
虎徹
(※)とかないの?」(※ 虎徹:
なんでも鑑定団で400万円していました
)
みたいな、やりとりで一週消費しそう。
よけいな漫才されても困るが、武蔵が剣を使うのかどうかは重要な問題だ。
宮本武蔵といえば二刀流である。
日本の剣士のなかでも珍しい二刀流の使い手であり、宮本武蔵の象徴だ。
ただ、宮本武蔵が二刀流を推奨するのは、二本差ししているのに全部使わず負けたらもったいないでしょというケチくさい精神からだ。(
五輪書
)
武蔵がこだわっているのは二刀流というより、刀の片手持ちのほうだ。
自由な動きとリーチの長さに優位性を感じていたのかもしれない。
スポーツチャンバラでは、両手持ちより片手持ちのほうが有利と言う結果が出ている。
武蔵の戦績を考えると、二刀流より木刀のほうが好みの武器かもしれない。
そして、刀が無いなら無いで何とかするのも武なのだろう。
武蔵は素手でもじゅうぶん強い。
少年時代の野試合でも組討で相手を倒している。
でも、剣士としての武蔵を堪能するには木刀あたりを装備してもらいたい。
ところで、宮本武蔵はスポンサーがいてそれなりに金回りが良かったらしい。
素直に死合に行こうとするノリの良さは武蔵なりの処世術だったりして。
ここは現在のスポンサーに従って、あまりもめずに戦って欲しい。
だが、遅延行為があるにちがいないとの疑いは残るのだった。
2014年6月26日(30号)
第4部 第19話「近いな…」
(990回)
クローン技術の科学と霊媒師のオカルトがタッグを組んで、宮本武蔵を現代日本によみがえらせたッ!
長かった……
もう、19話ですよ。
しかし、ここからがドトウの急展開だぞッ!
……たぶん。いや、きっと。お願いします。
宮本武蔵の復活に反応したのは、範馬刃牙だッ!
どこへ行っていたンだッ チャンピオンッッ
忘れていたころに出てきやがった。
このカンの良さが主人公の証だな。
今日も刃牙は地下の特訓室で汗まみれだ。
部屋中が汗でぬれている。
この部屋、換気はちゃんとしているのだろうか?
こもった汗(たぶん尿もまじっている)で、カビとか雑菌がエラいことになっていそうだ。
アクビは止まり、かわりに謎の鼓動が力強く聴こえる。
宮本武蔵と刃牙の間には強者同士の共有感(シンパシー)があるのだろうか?
刃牙に聴こえて、勇次郎に聴こえないのは、理由がありそうだ。
最初から強い勇次郎は、だれともワカりあえない孤高の境地なのかも。
(誰が来たって驚いてやらねェ)
刃牙は親指で逆立ちしながら、鼓動の主との出会いが近いと確信する。
悪いが、
絶対オドロくぞ。
それこそ尿を漏らすぐらい。
それにしても、刃牙の身体能力はやっぱりスゴい。
親指倒立は武蔵でもできまいて。
できたから強いってワケでもないだろうけど。
日本史伝説の人を呼んできても、刃牙に勝てる気がしない。
花山薫と範馬勇次郎のケンカは、いきなりクライマックスだ。
全力で撃った花山のパンチを勇次郎が全力の顔面で受けるッ!
日本語で表現できる領域を超えつつあるぞ。
それを大喜びで見ているのが徳川光成だ。
って、アンタ、武蔵復活の現場にいたハズじゃ……
どういうコトだ?
二人目の徳川光成か?
それとも、生霊?
ドッペルゲンガー
?
この謎については、さておき……
花山が追撃の右アッパーを放つ。
が、空振りだ。
スイングの風圧が颱風のように観客を襲う。
風圧だけでも人を倒せそうな迫力がある。
徳川さんが、遠くから双眼鏡で見学している理由がコレだな。
でも、自分だけ安全地帯で見学と言うのはズルい。
花山は左フックを放った。
これも空を切る。
カラぶりに花山自身がおどろく。
「本人の頭脳
(おつむ)
はおそまつでも」
「肉体
(からだ)
はもう気付いちまっている」
「細胞が怖
(おじ)
けている」
勇次郎がキビしい指摘をした。
花山が無意識に間合いを外しているのか?
だとしたら、かなり深刻な問題だ。
花山の強さは、被弾を恐れぬ精神力にある。
その支えを失ったら、ただの力自慢だ。
ただの力持ちが勝てるほど格闘士の戦いは甘くない。
攻撃を外した花山が驚いていた。
つまり普段の花山ならあそこまで外すコトはないのだろう。
いつもは、確実に当たり反撃もされる位置まで踏み込んで攻撃しているのだ。
相手はよける・ガード・カウンターなどのアクションを取る必要がでてくる。
なにか反応すると、スキが生まれる要因になるだろう。
連続で攻撃すれば、体勢の狂いが積みかさなって、どこかで大きなスキが生まれる。
そして、いつか攻撃が当たるのだ。
これが花山のケンカスタイルだろう。
肉を切らせて肉を切り。骨を絶たせて骨を絶つ!
だが、大前提である"反応せずにはいられない攻撃"が出せないと、花山の体力だけが消費される。
なにより、臆病者というレッテル貼りが精神的なダメージになるだろう。
勇次郎の言葉が花山に火をつけた、のか?
花山が地をえぐるほどに強く踏みこみ、つっかけた。
全身でつっこむ右ストレートだ。
というか、もう頭突きに見えるほどの突進っぷりである。
拳よりも顔のほうが迫力があるぞ!
この突撃なら、よける・ガード・カウンターなどをしないと対応できない。
勇次郎は左の掌底を花山の顔面に撃ちこむ。
カウンター!
花山は耐えられるのか?
カウンターや投げで対応されると、連打の速度が落ちて必勝パターンが崩れる。
勇次郎の掌底に踏みとどまって、次弾を放てるのかッ!?
宮本武蔵は400年後の景色を見て、戸惑っていた。
車で移動しているが、未知との遭遇しっぱなしだ。
横に『弱虫ペダル』の小野田くんがいても気にする余裕すらない。
ガチカレー!コラボ
の縁だろうが、ビル群に目を奪われている。
宮本武蔵は、さっそく闘うつもりだったが、それどころじゃ無くなった。
徳川光成は、それを楽しげに見る。
あ、こっちにも徳川さんが……
花山のダメージ、
二人いる徳川光成
、そして宮本武蔵は本当に闘うのか?
ややこしい問題を抱えたまま、次回につづくのだった。
あ、あと、刃牙が活躍するのかも問題だったな。
宮本武蔵は、けっこう普通な人の感覚をもっている。
まさか、普通に時間旅行した人みたいに世界の変化っぷりに驚くとはおもわなんだ。
この調子だとテレビ見て
「箱の中に小さい人が入っている!」
と驚くにちがいない。
宮本武蔵が普通のリアクションを返すようだと困るところもある。
武蔵のいた17世紀前半に比べると、現代の武術・スポーツは大きく発展しているのだ。
つまり、未知の技や理論が次から次へと襲ってくる。
普通なら初見の技をくらうと、対応が難しく敗北してしまう。
武蔵は普通の反応から脱することができるのか?
ただ、逆に失われた技術ってのもある。
古流剣術の使い手でもある
加来耕三
によれば、古流には横や後方にジャンプして攻撃をかわす技があるらしい。
だが、この回避方法は現代剣道だと否定されているそうだ。(
「宮本武蔵」という剣客―その史実と虚構
)
路上でいきなり襲いかかってくる敵を想定するか、しないかの違いなのだろう。
超・実戦派の武蔵なら、刃牙世界でもやって行けると思う。
武蔵のことは置いといて、二人いる徳川光成について話そうか。
徳川さんが二人いるのはおかしい。
どっちかはニセモノなのだろうか?
それとも、知らないうちに、どっちかが回想シーンになっていたのだろうか?
良く考えると、花山vs勇次郎は回想シーンだ。
武蔵復活後に徳川さんは二時間ほど話しこんでいた。
花山がパンチ一発撃つまでに二時間はかからんよ。
なので、花山vs勇次郎はいつの間にか回想シーンになっている。
迷彩服を着て花山vs勇次郎を見ている徳川光成は徳川B(BはBeforeのB)と仮称しよう。
和服を着て武蔵と車にのっている徳川光成を徳川A(AfterのA)と仮称する。
徳川Aがいるので徳川Bがケンカに巻きこまれて死ぬことは無いといえる。
だが、徳川Bがいずれ着替えることを考えると、服が汚れる事態が待ちかまえているのかも。
徳川Aは武蔵をどこへ連れて行くつもりだろう。
そして、徳川Bはこの先ナニを見ることになるのだろうか?
このまま話が複数進行して、どんどん徳川さんが増えたりしないよね?
徳川48とか結成されても、誰が得すると言うのだ。
・
追記
(14/7/2)
徳川光成が二人に分裂したッ!?
と、思ったけど、実は時系列が違っていたってオチですね。
私は花山vs勇次郎サイドの徳川Bが前で、クローン武蔵サイドの徳川Aが後だと思っていた。
「むしろ武蔵復活が回想で、迷彩みっちゃんの後ろから武蔵が出てきて乱入するとか」と言うコメントをいただきました。
これは充分ありうる展開ですね。
徳川寒子がスカイツリーに入る時は晴れていた気がするが、花山と勇次郎が歩いているとき夜だった。
たんに花山と勇次郎は夜が似合うと言うという印象だけかもしれないけど。
花山と勇次郎の闘いを徳川Bとクローン武蔵が遠くから見学しているのかもしれない。
「どうじゃ武蔵、アレが現代(いま)の天下無双、範馬勇次郎じゃ!」
「うむ、無理。勝てませぬ。拙者、勝てない相手とは闘わない主義なので帰らせていただく」
なんて会話をしているかも。
武蔵が勝てない相手とは闘わない主義ってのはいくつか話があるので、その方向の武蔵だったら試合が成り立たない。
護身完成した渋川先生とはお互い敬意をはらえる良き関係が築けそうだけど。
武蔵の初戦がいきなり勇次郎ってのはきつすぎる。
徳川Aが東京ツアーとして各地のテキトーな戦士をつまみ食いさせるんじゃなかろうか?
都内にいるムエタイ戦士、ロシア人、ブラジリアン柔術家あたりは全力で逃げたほうがいいぞ。
ムエタイ戦士たちが武蔵と遭遇したら血祭りにあうのは目に見えているが……
……宮本武蔵は日本人以外と闘ったこと無いだろうから、ちがう意味で戸惑いそう。
前に「武蔵って黒人見たことあるのかな?」と言うコメントをいただきました。
宣教師が
信長に黒人従者をプレゼントした
話があるので、武蔵も知識として黒人を知っていたかも。
黒人従者は、ちょうどこの前の「
軍師勘兵衛
」にも出てきましたね。
夢枕獏作品にもたまに出てくるので、板垣先生も知っているでしょう。
そうなると黒人を見てもあまり驚かず、冷静にコキャるか?
だが、現代武術や格闘技は進化しつづけている分野だ。
武蔵の武術は古すぎてレベル低いと言われるかもしれない。
ムエタイの蹴り技に敗北した武蔵が弟子入りして両手に両足を加えた四刀流に開眼した!
などという展開にならなければいいが。
2014年7月3日(31号)
第4部 第20話「現代」
(991回)
宮本武蔵が現代によみがえったッ!
そして、初めて見る巨大ビル群にビックリしている。
普通の反応だな!
お前は戦国〜江戸時代からタイムスリップしてきた人間かよ。
江戸時代にはなかった高層ビルに圧倒される。
電気の生みだす光が、武蔵を当惑させた。
高さはともかく、照明にビビるだろうな。
武蔵は大火と比較しているが、安定性や熱が無い点などで遠くおよばない。
魔法や妖術のたぐいだと思ったかも。
人間は電気によって安定した光を手に入れた。
そのせいで睡眠時間が減って、うつのリスクが増えたらしい。(
病の起源 うつ病と心臓病
)
宮本武蔵、現代でうつの危険あり。
あと、騒がしいだろうな。
江戸時代には無かった騒音が常に鳴っている。
小説『
タイムライン
』(
AA
)では、中世に量子力学的時空転送するのだが、最初に静かだと言う感想を言っていた。
実際は動物の鳴き声がけっこうするハズだが、騒音が少ないのは確かだろう。
騒音もノイローゼの原因になりそうだ。
宮本武蔵、現代で心を病みそう。
そして、多勢の人だ。
江戸時代と現代日本じゃ人口も人口密度もまるでちがう。
祭りでも無いかぎり こんな数の集団を見ることもないハズだ。
武蔵といえども、人ゴミに酔いそう。
そして、人の質もちがう。
奇怪なファッションに、
謎の箱に話しかける人
など、異常な人ばっかりだ。
あと、平均身長もちがう。
戦国〜江戸時代だと、男でだいたい160cm弱ってところだ。
現代人はみんな体格がよく見えるだろう。
車、エレベーター、スカイツリーなど、周囲のものがすべて異質だ。
タイムスリップしたローマ人よりもビックリしている。
武蔵は骨の髄まで、ここが自分の知らない世界だと痛感した。
「"居場所"が欲しい」
あまりに違いすぎる世界で、自分を認めてくれる場所が欲しくなる。
海外旅行に行って和食が恋しくなるどころの騒ぎじゃない。
そして、この言葉は徳川光成が待ち構えていた言葉である。
気がきかないでスイマセンなんて謝っているが、この男の本心はちがう。
徳川光成は武蔵を闘争の場に送り込むためにあえて孤独な異邦人状態にしたのだ。
人に与えようと思わば、まず奪うッ!
それが徳川流の兵法だ。
悪魔めッ!
武蔵を連れて行ったのは、東京ドーム地下の地下闘技場だッ!
江戸時代・寛永年間からつづく格闘の聖地である。
三代将軍 家光に命じられた光圀が作りあげた、最強を目指す地だ。
地面の砂には、戦士たちの歯やツメが混ざったままである。
いまだに砂を変えていない。不衛生だ。
「ふふ…」
「落ち着く」
武蔵、ダマされとるッ!
砂漠で乾ききった人に、水を高値で売りつけるような状態だ。
ちょっとでも馴染みがある場所だからって、安心させちゃって。
でも、宮本武蔵が闘争の世界で生きてきたのなら、やっぱり戦いの場のほうが馴染むのかも。
戦うことでしか己を表現できなかった男だ。
もちろん就職活動も戦いでアピールしている。
闘技場こそが、我が憩いの場だッ!
器だけ用意して美酒を用意しないワケがない。
徳川光成はキッチリと武蔵にふさわしい戦士を用意していた。
宮本武蔵が第二の誕生をむかえた祝いのイケニエだ。
刀を二本もって入ってきたのは、白髪の老人であった。
「佐部京一郎
(さぶ きょういちろう)
」
「今現在の日本では並ぶ者なき剣法家です」
本部じゃなかったッ!
最初の相手だと噛ませ犬確定だから、本部じゃなくてよかったとしておこう。
いきなり本部が出てきたら、武蔵が斬殺されちゃうからね!
そして、佐部京一郎だ。
終戦すぐの時代に愚地独歩と紙一重の勝負をした男である。(
拳刃1巻
2話
)
独歩と闘った時点で、14人を斬殺したと言われるリアル人斬りだ。
年月が円熟を与えたのか、人の良さそうなジイさんになっている。
独歩とヤったころは、笑顔が不自然に作ったような感じだった。
人間的に丸くなったのか、人をダマすのが上手くなったのか?
どちらにしても、剣の道をひたすら極めているようだ。
人を斬った経験がある。
現代日本において稀有な経験をもつ剣法家・佐部京一郎だ。
だが、斬った人の数では武蔵のほうが上だろう。
吉岡一門との死闘が本当の話なら、ですが。
いにしえの実戦剣術と、現代の実戦を経験した剣法が激突する。
やっぱり、宮本武蔵は刀で勝負なのか。
佐部京一郎も、もう結構な年だろう。
まちがいなく、
宮本武蔵とやれるなら死んでも良い
と思っていそうだ。
むしろ、おなじ死ぬなら剣豪に斬殺されたいと思っていそう。
刃牙世界では珍しい、日本刀同士の戦いがはじまろうとしている。
宮本武蔵は、洗練され研究されてきた現代の剣法に対抗できるのかッ!?
佐部京一郎は、東京ドームに来る前に山籠りしている本部を斬ってきた。そんなネタがなければ良いのだが。
・
追記
(14/7/9)
ついに宮本武蔵が闘うのかッ!?
意外と早かったな。
いや、遅いんですけど。業界標準で行ったらメチャメチャ遅い。
並みの漫画なら二回打ち切り喰らってもおかしくないペースだよ。
とにかく宮本武蔵が戦うぞ。
だが、この武蔵はどれぐらい強いのだろうか?
武蔵が戦国末〜江戸初期のなかで最強に近い人物だったのは間違いないだろう。
しかし、歴史上最強なのかと言われると疑問がのこる。
戦国時代の兵法(剣術)は、鎧を着た戦いを想定しているだろうから、鎧なしの真剣勝負や、竹刀での試合がニガテじゃないかと思う。
鎧を装備したままの兵法を
介者剣術
と言う。
古流剣術にも共通する介者剣術の特徴は、重心を低く構え、足を交互に踏みだす。
鎧を装備しているときは良いのだが、身軽な状態では、現代剣道のように足を踏みかえない軽く速いステップのほうが有利だろう。
昔、『剣聖ツバメ』で古流にはカカトを使い重心移動させる足捌きをしていた。
あれは鎧を装備しているときに有効なのであって、身軽なときにわざわざやる必要の無い技術だと思ったものだ。
有効な技術ってのは社会状況や競技ルールで変わる。
ルールが固定されれば、そのルールのなかで最適化され進化して行く。
ベーブ・ルースは偉大な選手だろうけど、現代によみがえっても進化した投球術に対応できるのかというと疑問が残るみたいな感じで。
剣道は竹刀と防具が発展した江戸時代で花開いた。
宮本武蔵は黎明期の剣豪って感じだ。
ちょっと古臭いスタイルなんじゃないだろうか。
幕末の剣士は江戸時代に洗練された剣術と真剣勝負の実戦を兼ね備えているので、鎧なしの真剣勝負なら一番強そう。
塩田剛三
の師・
植芝盛平
の師・
武田惣角
の剣術の師が
榊原鍵吉
だ。
その榊原より近藤勇のほうが評判が高かったとWikipediaに昔書いてあった(最近見直したけど、記述見つからず)。
ググったら、出てきました。
『元新選組隊士の阿部十郎の談話にも「勇は百姓の子で ありますけれども、なかなか此の事(剣術)にかけましては熱心なものでございます。・・・榊原鍵吉(けんきち)よりは近藤勇の方が上だろうと云ふのでございます (『史談会速記録』)」と記されている。この榊原という人物は、幕末から明治に』(
参考
)
「格闘技の歴史」(
AA
)では逆に、榊原が格上で悔しいと沖田がいうエピソードがのっている。
『例えば、幕府講武所の名手達が、将軍家茂の上洛を護衛し、京都に滞在していたとき、三段突きの使い手として怖れられた新撰組の沖田総司が、大河橋付近で、講武所の剣術教授・榊原鍵吉と出会ったものの、悠然と歩を進めてくる榊原鍵吉に対し、全く手も足も出ぬまま道を譲らざるを得なかった無念さを組長の近藤勇に報告したところ、それを聞いた近藤勇は、「剣の格が違う」と嘆息し、口惜しそうに腕を組んだまま天井を眺めるばかりだったのである。』
将軍家茂の上洛ごろの近藤たちは多摩の田舎から出てきたての若者だ。
剣の格と言うより、家の格がちがいすぎる。
素直に実力差と判断できないし、沖田総司が榊原鍵吉に道を譲って、悔しがったってことは、割と近い実力なのだろう。
差が歴然なら悔しがりようもない。
近いから悔しいのだ。
なので、剣道三倍段を考慮すれば、板垣世界の沖田総司の戦闘力は渋川剛気の三倍弱ぐらい。
もう、拳銃じゃ勝てないレベルだ。
という具合に、幕末の剣士なら強さの想像もつくし、実際強かったと思う。
宮本武蔵の困ったところは、資料が少なすぎて、なにを信じればいいのかワカらないところだ。
けっきょくのところ、強いと信じるかどうかなのだ。
つまり、思い込みの力だッ! リアルシャドー!
なんか、刃牙世界にピッタリの最強剣士と言う気がしてきたぞ。
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