今週の範馬刃牙 SON OF OGRE 211話〜220話

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2010年6月10日(28号)
第3部 第211話 鬼火 (867回)

 刃牙は液化に成功した!(注:知らない人には意味不明ですが、強くなったと言うことです。私もよくワカらん)
 そして、息子を祝福するかのように範馬勇次郎が登場する。
 刃牙が成長したら期待に応えちゃうのが勇次郎パパなのだ。
 186話〜203話まとめを見ると、刃牙の登場した回の次に勇次郎が高確率で出現しているのがわかる。
 まるで息子をストーカーしているようだ。
 このッ、親バカめッ!

 さ〜て、今週の勇次郎さんは?
 州身舵川(すみだがわ)恒例の花火大会に来ています。
 なに花火見にいってんのッ!?
 アンタ、範馬勇次郎だろ。
 地上最強の生物が花火見にいくのかよ。ハーゲンダッツ喰うなみにありえない姿だよ。

 花火を見て、夏の風情とか感じるのか?
 おまえに季節なんて関係ない。
 季節に関係なく半袖、しかも袖まくりファッションの男がッ!
 アンタがいると人がよけて通るから ぬりかべ なみに交通の邪魔だよ。

 それとも愚息が梢江をつれて花火見にいったから、つけていったのだろうか?
 例によって仁王立ちで通行人の視線を浴びながら堂々たるストーキングで。
 すぐ側で花山とスペックが戦いはじめても気がつかない梢江だから、勇次郎がいても気がつかないだろうな。
 刃牙は気がついても無視する性格(タイプ)だ。
 むしろ見られているほうが闘志がわく性癖(タイプ)かもしれない。

 見物客は端唐橋(はしからはし)をわたって帰る。その数は7000人だ。
 そこで事件がおきた。
 橋にあるブロンズ像に雷が落ちる。
 高圧電流10億ボルトだ!!

 だが、7000人の見物客は全員無事だった。
 なぜか?
 雷は範馬勇次郎に直撃したからだッ!
 電撃を浴びても、それとワカる範馬勇次郎である。
 腐っても鯛 なんて目じゃない。落雷で骨が透けて見えても勇次郎 だ。

 って、骨は透けて見えないだろ。
 ドリフのコントじゃあるまいに。
 骨が透けて見えるってコトは、(1)皮膚と肉が透明になって、(2)骨が発光する、ってコトですよ。
 手のひらを太陽にすかしてみればワカるように、肉は光を通さない。
 肉がスケルトンになったとしても、骨が光ってくれないとハッキリ見えないだろう。
 つまり勇次郎は二つの奇跡を同時に実現したことになる。
 なんてことだ。範馬勇次郎に不可能はないのかッ!

 『スター・ウォーズ』のダース・ベイダーも電撃で骨が見えていた。
 たぶん、あの電撃は骨が見える電撃なのだろう。フォースの電撃だし。
 監督のジョージ・ルーカスはスタッフに「宇宙は真空だから音が聞こえませんよ」と言われてもサラッと反論したらしい。
 「僕の宇宙では音が聞こえるんだ。そのほうが楽しいだろ」
 彼の宇宙では骨が透けるんですよ。

 とにかく『範馬勇次郎の骨格』はニュースで公開された。
 なんか肖像権とか個人情報とか、まるっとムシされている気がする。
 見られてる。世界中の人に、わたしの中を見られちゃってるっ。てな感じで恥ずかしいだろうな。
 これは勇次郎の影響で退陣することになった某前首相の復讐ではなかろうか?

 とにかく全国公開された勇次郎の頭蓋骨だ。
 眼窩がツリ目で、怒っている!
 範馬勇次郎は骨格から怒っているのか!
 刃牙は脳が鬼だけど、勇次郎は骨格が鬼だ。(23巻 184話
 つうか、こいつ本当に人間なのか?
 ピクル族の生きのこり、かも。

 解説の東京大学教授・宮下勉は、頭蓋骨も落雷に耐えたことも有り得ないという。
 頭蓋骨については、それ以上深入りしない。
 きっと落雷に耐える人間よりも、異常な現象なんだろうな。

 宮下教授は勇次郎が特殊体質じゃないかと推論する。
 赤血球の比率が高く金属に近い体質とか?
 すごいムチャ理論だな。
 人体は金属には遠すぎるぞ。

 まあ、とにかく『ワカりません』というのが答えなんだろう。
 質問されたら何か答えなくちゃいけない。それが大学教授の本能ですな。
 『レッドクリフ Part1』(AA)の副音声で大東文化大学教授・渡邉義浩が解説しているんだけど、明らかに無理に答えている。
 槍で簡単に鎧を貫いているけど、鎧って意味無いんですか?(要約)と、聞かれて鎧にはスキマがあるからと答えていた。
 そこは「映画的表現だから」でイイのに。もしくは「雑兵の鎧は弱い」で。


 徳川さんはテレビを見ながら宮下教授にダメ出しをしていた。
 雷は尖ったところから出て行く。
 地面に落ちた雷が選んだ、地上最尖が範馬勇次郎だったのだッ!
 ジッちゃん、ムリヤリすぎるわ それ。

 なんにしても、四十すぎても尖りまくる範馬勇次郎であった。
 全身から煙でて、プスプスいってる。
 オマケに髪の毛はハリネズミのようにピンピンに尖っているぞ。
 もしかして、サンダー勇次郎の誕生かもしれない。
 落雷でうまれたOGREMAN!
 次回につづく。


 刃牙がゴキ師匠の足元に届いたころ、勇次郎は雷を克服していた。
 どっちがより成長したのだろう?
 刃牙は地にもぐり虫に近づき、勇次郎は天空のイカヅチを克服した。
 迫力では勇次郎の勝ちだよな。そして刃牙世界では迫力が重視される。
 刃牙が一歩進むと、勇次郎は二歩進んでいるようだ。

 チャンピオンで昔連載していた『激闘!! 荒鷲高校ゴルフ部』(AA)の主人公は落雷を受けても平気だった。
 むしろパワーアップする。
 勇次郎もパワーアップしそうだな。

 電気攻撃が効かなかった勇次郎は、地属性か電気属性なんだろうか?
 液化刃牙は水属性っぽい。尿との相性はバツグンだし。
 水属性は電気に弱いのが定説だ。
 幼年編で花山の足を折ったとき、勇次郎は電撃をまとっていた。グラップラー刃牙14巻 123話)
 ヤバい。刃牙はパワーアップの方向をまちがえた。
 ゴキブリを師匠にしている時点で、そうとう間違えていたけど、属性の選択をあやまった。
 進むどころか後退してるよ。

 ところで、なんですが……
 雷ってのは、雲から降りてくるだけでなく、地面からも登るものだ。
 だから、勇次郎は積極的に放電していたことになる。
 やっぱり電気体質なのかもしれない。
 殴るのが好きだから使わないだけで、電撃を撃てるのかも。10万ボルトぐらいのヤツを。

「しかも この人物この後―――」
「何事もなかったように立ち去ったと云うのですが」


 そんな風につたえられている勇次郎ですが、あきらかに何事かが起きている。
 服はプスプスいってるし、髪はビンビンだ。
 いくらなんでも、自然体を装いすぎじゃないか?
 せめて「アンパンは少し焦がしたほうが美味い(by サンガース)」ぐらいの台詞を言って誤魔化してほしかった。

 勇次郎はムリに無傷をアピールしているよね?
 かなりガンバってハンドポケットしてる。
 アレは意地はって平気なフリをしているよな。
 じつは早足で歩いていて、一刻も早く一目のないところで休みたいと思っていそうだ。

 やっぱり、堂々と刃牙を尾行していたのがバレると恥ずかしいのだろう。
 まあ、落雷の時点で大騒ぎになっているから無駄な努力かもしれないけど。
 地上最強の生物をやっていくには、雷にうたれても効いてないフリができる精神力が必要なのだろう。
 勇次郎の姿をTVで見た各国の指導者はいっせいに茶ふいているんだろうな。
 防衛上の脅威がドリフコントするとは思わなかった。

 落雷に耐えて見せた勇次郎を見て、徳川さんはどう出るのか?
 急いで地下闘技場に電流・爆破を取りつけさせているかも。
 神心会のメンバーは爆破に縁があるから気をつけたほうがいいぞ。

 勇次郎だったら電撃だろうが爆破だろうが何事もなかったように立ち去るハズだ。
 入浴中に襲撃されたって 何も着なかったように立ち去る。

追記 (10/6/16)
 達人は暴力の話で、範馬親子がギャグの話だった。
 そうなると烈の担当はなんだろう?
 チャンピオンっぽい要素なら、バトル・ギャグ・  …………エロス?

 最近のチャンピオンはバトル・ヤンキー系が増えた反動で萌え・エロ系が減っている。
 主人公がいつの間にか美少女に囲まれている漫画はなくなり、主人公がいつの間にか屈強な男に囲まれている漫画ばかりだ。
 弱虫ペダルだって、そーだし。
 エロスの供給不足を補うため、烈に一肌脱がせる展開もあるかも。
 いや、無いな。無い。無いよ。

 エロは冗談として、最近の傾向だと話が短いスパンで入れ替わる。
 順番で行くと、次は烈のターンだ。
 ついにプロのリングに上がるのだろう。
 しかし、ボクサーの中にまだ見ぬ強豪が残っているのかどうか?
 いまだにアイアン・マイケルだのみって気がする。

 そんなワケで烈と戦いそうなボクサーを考えてみよう。
 烈はタイトルマッチに参加しない方向で試合を組まれる。
 つまり、相手はすべてワケありのボクサーと思いたい。
 ドーピングしまくったボクサーとか、傷害を起こしたボクサーとか、賭博疑惑のあるボクサーだ。
 なんか途中から相撲協会の話題みたいになってしまった。

 逆に言うと、もう普通のボクサーじゃ烈の相手にならないんだろうな。
 サイボーグボクサーぐらい出てきてくれないと、烈も本気を出せずに困ってしまうだろう。
 ここで予想外のピクルボクサーとか出てきたら、さすがに烈も涙目だろうな。


 明日(6/17)木曜日の23時15分〜 アメトーク!(TV朝日系)にて『グラップラー刃牙芸人』放送!!
 二週にわたって書き忘れていましたが、アメトークで刃牙芸人祭りだそうです。
 放送時間中は感想書いていると思うので、チラ見ていどに押さえる予定だ。
 でも、多少はTwitterでつぶやくかも。
 本格的な感想は金曜日以降の日記で書きます。


2010年6月17日(29号)
第3部 第212話 虚飾 (868回)

 烈海王 in ラスベガスッ!
 ついに烈海王のカンフーが北米大陸に上陸した。
 まさに21世紀の逆黒船だッ! ガングロだけに。
 って、まだ試合してなかったんかいッ!

 烈はホテル『シーザース・パレル』のスペシャルスウィートに泊まっていた。
 ジュリアス・シーザーの名を冠するホテルだけに豪華そうだ。
 やっぱカイザーのお勧めホテルは、こういう皇帝っぽい所なんだろうか。
 私は皇帝に縁がないのでよくワカりませんが。
 烈も縁がないだろうから、内心ドキドキなのかもしれない。
 置いてあるフルーツ、喰ったら追加料金つくんだろうか? ドキドキ

 烈は敵地に乗りこんで戦うワケだ。
 体調は万全にしておきたい。
 ずっと飛行機で座っていたし、時差もあるだろう。
 きっと烈のことだから飛行機で「お客様、機内で加湿器を使用するのはやめていただけませんか?」「あ、この蒸気は自前です」みたいな問答をして気疲れしているハズだ。
 戦士にも休息が必要である。

 烈はラスベガスについてから一言も喋ってないらしい。
 うむ、烈も緊張しているのだろう。
 と思っていたら、街が気に喰わないそうだ。
 それも緊張しているからかもしれないけど。
 気のもちようで世界の風景はかわるのだ。
 仲間が近くにいれば気持だって楽になる。今週の弱虫ペダルもそんな感じだったし。

「この街にはホンモノがない」

 砂漠に作られたラスベガスは、近代的な文化が生み出した都市だ。
 ドバイの先輩ってところだろうか。
 造り上げた情熱と独力がスゴいが、すべて偽物だ。

「偽の女神」
「偽のエッフェル塔」
「偽の凱旋門」
「偽のスフィンクス」
「偽のピラミッド」


 偽テーマパークとか、偽ブランド品とか、そんな感じね。
 って、オマエがニセモノを糾弾するか!?
 同族嫌悪か?
 なんか非難されているようで落ち着かないのかも。
 ニセモノ批判をする烈海王の声をカイザーがさえぎる。

「ただし」
「偽物の全てが一流だ」

「この世にはカイオー・レツ」
「ホンモノと云うだけの三流品がいくらでもあるのだよ」


 カイザーは深いことを言う。
 本物で伝統があるだけの粗悪品はある。
 中国拳法だってそうだ。
 たとえば、海王十二人の実力はどうだったか?
 烈はガッカリしていた。(バキ23巻 201話

 ダメな本物よりも、優れたニセモノのほうが良い場合もある。
 リアルよりもラブプラス彼女!(公式AA)
 この実にSFチックな発言をした ある既婚者を私は知る。
 さすがに名前は伏せるが、自己を発狂寸前まで追い込まなくても、
 バーチャル彼女は実在する!!

 世の中は変化しつづける。
 伝統を守るだけでは、世の中についていけない。
 烈にも思い当たることがあるようだ。
 たぶん脳内にはダメ海王たちの顔が浮かんでいるだろう。

 アメリカは歴史が浅い国と言われることがある。他国のやっかみかもしれないけど。
 だからか知らんが、現実主義というか機能優先なのかもしれない。
 烈の存在は、そんな機能の国に伝統が挑む戦いになるのだろうか。

 カイザーは烈にシャンパンをわたす。
 いまごろ歓迎会か?
 と思ったら深町コーチの様子がおかしい。
 なんか あわてている。

「これを飲むならリングへは上がらんぞ」

「そんときゃ酔拳を見せてやれ」


 カッ (※ 刃牙伝統の酒を飲む音)

 って、これから試合かよ!?
 アルコールを飲むと危険度UPだよ。
 反応が鈍って、命取りになりかねない。
 死ぬか。死ぬ気か、烈!?
 てか、これってカイザーの罠じゃね?
 この人は結局ボクシング界の人だし。

 ラスベガスのボクシングリングでは試合が行われていた。
 キャンバスにシーザース・パレルと書いてあるので、ホテルのリングらしい。
 スケールでかいな。
 ニセモノだろうと、やっぱりスゴい。

 さて戦いに勝利したボクサーは元チャンピオンの男だ。
 237cm 151kg という巨漢である。
 呉紋さんに教えていただきましたが、巨漢のロシア人ボクサーニコライ・ワルーエフがモデルのようです。
 巨漢のロシア人ボクサー……

 刃牙世界の死亡フラグがテンコ盛りだよ。
 これだけそろったら、ムエタイにすら負けるかもしれない。
 ホンモノの巨人だけど、戦士として三流だ。
 そして、カイザーが行ったッ!
 リングにあがり、マイクを借りて烈をアピールする。

『中国武術4001年ッ 遂にドラゴンが名乗りを上げたッ』
『カイオオオォオォオォッッ』
『レツ!!』


 烈海王を売りこむ!
 だが、ここは実力主義の国アメリカだ。
 肩書きだけのホンモノより、強いニセモノのほうが認められるだろう。
 烈海王はさっそく この場で試練にあうのか?
 相手は237cmの巨漢ボクサーだッ! ……まあ、刃牙世界だと楽勝の相手なんだけど。

 中国武術は四千年の歴史を誇る。
 新たな一歩を踏みだした、4001年目の烈海王がボクシングに宣戦布告だ。
 烈海王のボクシング挑戦は、今ここから始まる!
 次回につづく。


 なんかダマされているような感じの烈海王だった。
 最高級のホテルで接待されて試合に出るのを承諾した感じだもんな。
 オマケに酒まで飲まされて。
 ちなみに「女の子は夜景に弱い」というのが、本日の『HEROMAN』情報だ。
 烈も夜景で陥落(おち)たのか?

 それにしても、烈は挑発に弱い。
 ちょっと あおられただけで酒を飲んじゃうし。
 でも「そんときゃ酔拳を見せてやれ」の、どこに納得して飲んだんだろう。
 その程度の酒でにぶるとは言わせないってコトかな?

 烈にゆるゆるのトランクスを与えても、うまく挑発すればは装備しそうだ。
 「これを着るならリングへは上がらんぞ」
 「そんときゃ粗チンを見せてやれ」
 カッ!(← はいた音)
 って感じに。

 「この青少年育成法を飲むなら紙面へは上がらんぞ」
 「そんときゃSAGAを見せてやれ」
 カッ!(← 吐いた音)
 大丈夫、エロくない。芸術だよ!

 肝心の試合ですが、相手が巨漢なので微塵も心配できません。
 小学生にケンカ売られた刃牙より安全かも。
 刃牙世界の巨人は本当に勝てない。
 身長200cm以上が危険ラインじゃなかろうか。
 199cmまでなら強いぞ。

 リーガン(240cm)、末堂(205cm)、ガーレン(200cm)の三人は言うにおよばず。
 ジャックは背を伸ばして逆に弱くなった気がする。
 斗羽さんも強いんだけど、正式な試合じゃ勝ててないんだよな。
 相手が悪かったこともあるんだけど。

 普通の戦いなら、身長差がありすぎて烈は苦労する。
 だが、相手の末端を破壊できる烈ならリーチの差も克服できるハズだ。
 あとはどんな技で破壊するのか、だな。

 ちなみに試合前に飲まされた酒が最大の不安要素である。
 酒で反応がニブって不覚をとり、引退して屋台の中華料理屋になるかもしれない。
 で、料理食っているときにお客さんが別の店をほめると、一瞬で激怒する。怒りのあまり水上走りまくる。
 烈飯店は料理もキケン度も 超一流だ。

追記 (10/6/23)
 アメトーク!『グラップラー刃牙芸人』の感想を書きました。
 アメトークの影響なのか、いつもよりバキで検索されているような……
 そして、確実に刃牙SAGAで検索している人が多い。
 こりゃ刃牙SAGAに風が吹いてきたな。

 さて、本編は中国武術の達人である烈海王がボクシングに挑戦しているところだ。
 大活躍することはマチガイないだろう。
 なにしろ中国四千年の生んだ蛮勇王だし。

 勝利した烈海王がどんな暴言を吐くかに私の興味は移っている。
 まあ、それは言いすぎだけど、勝利に間違いないだろう。
 どうやって勝つのかも気になる。
 正確には、ボクシングがちゃんと活躍するのかが気になるのだ。

 刃牙世界のボクサーといえば、ユリー、アイアン・マイケル、アライ親子が代表だろう。
 みんな不幸な噛ませ犬って感じです。
 アライ父ぐらいが、グレイテストの意地を見せたというところだろうか。

 そろそろボクシングを活躍させてあげないと、ムエタイなみの噛ませ犬格闘技と言われてしまうぞ。
 まあ、今回の相手は巨漢ボクサーなんで期待はしない。
 刃牙世界の巨漢は噛まれるために育っている。

 だから烈が巨漢ボクサーを気の毒なぐらいに殴りまくって破壊するのは確定と思う。
 そんな姿を客席から見ている真打のボクサーがいると予想する。
 つうか、そういう人がいないとボクシング界が寂しすぎるよ。

 板垣先生は国体に出場したこともあるボクサーだ。
 本来ならハイレベルな経験者として、高度なボクシング話ができる人だと思うのだが……
 むしろ、よく知っているから描けないのかもしれない。
 そうなると、かつて板垣先生が所属していた自衛隊の精鋭習志野第一空挺団の裏話もあまり描けないのかも。

 だから、現実を超えまくる話ばかりなんだろうか。
 これならボクシング負けてもしょうがないよね。
 そんな予防線なのかもしれない。


2010年6月24日(30号)
第3部 第213話 起動 (869回)

 烈海王がついにプロのリングにあがったッ!
 さりげなくポーズまでとっている。
 このお茶目さんめ。
 見られる快感を知りはじめたのか?

 そんな烈にカイザーが近づく。
 カイザーは多量の汗を流していた。
 ボクシング界に烈海王という異物をぶつけることに成功して興奮しているのだろうか。

「一か八か思いきって君を紹介してはみたが」
「正直 冷汗ものだったよ」
「君が気をきかせて上がってくれなければ」
「今ごろわたしは袋叩きにされていた……」

 打ち合わせなしかよ!?
 オマエら大勝負をするくせに、行き当たりバッタリですか。
 むしろ、行き倒れバッタリ。
 もし、烈が出てこなかったらボクシング制覇の野望もいきなり試合終了でしたよ。

 烈がちゃんと空気よめて良かった。
 あの烈海王が空気よむなんて、まさにラスベガスに起きた奇跡だ。
 いや、待て。
 バキSAGA3話で、相手の嫌がることをするのが格闘で、相手の欲することをするのがセックスと言っていた。
 ふたつは表裏一体だ。だから刃牙どちらもスゴい。
 ということは、烈ほどの達人なら相手の思いを読むぐらい簡単なハズ。
 じゃあ、いままでの烈がしていた空気を読まない言動は、ワザとか?

 烈海王は相手を怒らせようとして暴言を吐いていたということになる。
 いや、ちょっとちがうな。
 どっちかというと烈が先に怒っていた気がする。
 烈海王はニトログリセリンなみに爆発しやすい性格だ。
 怒って冷静さを失うから暴言を吐くのかも。
 普段の烈は、けっこう礼儀正しい。

 変人二人が いきなりリングに上がって妙な寸劇をはじめた。
 これには巨漢ボクサーであるアンドレイ・ワーレフも抗議せずにいられない。
 烈海王はマジ舞台荒らしだ。
 観客もブーイングを烈に浴びせる。
 ここは、大物プロモーターのカイザーが返答をして収めるぜ。

「この男は君を侮辱しに来たッッ」
「否―――― 君1人にとどまらず―――」
「ボクシングそのものを踏みにじりにきたのだッッ」


 業火にガソリンをブチこんだ!
 烈海王が指をつきつけられて弾劾される。
 思わず烈の表情が、なんで急に怒られるの?みたいな感じになってしまった。
 打ち合わせなしでやっているから、この仕打ちもアドリブだ。
 感謝されたと思ったら、怒られる。
 カイザーのデレツン攻撃で烈のハートはズタボロだよ。

 ただ、烈は176cmとヘビー級だと小柄な部類だ。
 オマケに右足が義足だし。
 アンドレイ・ワーレフは烈のことを弱者とみなし、相手にしない。
 そりゃ、義足の人とは戦えないよ。

 本当は空気の読める烈海王がここで動く。
 オマエらには四千年の武なんて理解できないんだよ。
 いつもどおりの暴言だけど、比較的おだやかに話している。
 うん、烈はまだ怒っていない。冷静に話しているぞ。
 本気で怒った烈は、「貴様―――ッッッ!」と理屈ぬきで吼えて白目になる。

 烈のクールな暴言はワーレフに効かなかったらしい。
 見えすいた挑発と、見すかされた。
 いかん。いかんなぁ、ワーレフさんよ。
 そこは「中国四千年などと言っても、古いだけがとりえの時代遅れ。そんな大道芸に興味ない」と言い返さないと。
 これ聞いたらニトログリセリン大爆発って感じに烈が発火して白目になって吼えるのに。
 ワーレフさんは人格者すぎる。

 大人の対応をされたので、烈はなにも言い返せない。
 うつむいちゃってる。
 激怒すれば勢いで突っ走れるのだが、冷静だと立ち止まってしまうものらしい。
 烈の米国ボクシング挑戦はいきなり失敗か?

 そんなときは、プロモーターの出番だ。
 こんな事もあろうかと、コンクリートブロックを用意しておきました。
 準備よすぎ! いつのまに用意したんだ?
 ちなみに餓狼伝(18巻 165話)情報で、ブロックは乾燥させておくと割れやすくなるらしい。
 気をきかせて乾かしてあるのだろうか?
 だが、烈は不満らしい。

「こんなものを壊して誰が喜ぶというのだ」

「あるじゃないか」
「ここにもっと大きくて」
「もっと頑丈で」
「もっと壊し甲斐のあるものがッ」

 烈海王が巨漢ボクサーを試し割りたいと言いだしたッ!
 バキ世界では、昔から巨漢が虐げられてきた。
 ほとんど試し割の対象物みたいに扱われている。
 そして、烈海王が本当に試し割の対象だと宣言してしまった。
 とうとう、言ってしまいやがった。

 ムエタイ選手も同じく試し割り用格闘家である。
 刃牙たちは1ムエタイ、2ムエタイなどのように壊したムエタイ数を強さの基準に使っていそうだ。
 養殖のムエタイはアブラが多くて歯ごたえが悪い。
 そんな通っぽい会話もしていそう。

 とにかく烈海王がとんだ暴言ですよ。
 「パンがあるけど お菓子を食べたい」的なワガママ発言だ。
 ちょっと白目になっていました。
 どっかのポイントで怒っていたのかも。
 それとも空気を読んで、怒ったフリだろうか?

 アンドレイ・ワーレフは、烈の発言で さすがに怒った。
 コンクリートブロックを割る。
 空手出身らしいので、試し割りも得意なのだ。

 いっぽう烈は残っていたコンクリートブロックを叩く。
 ブロックを縦方向から打撃した結果、ブロックは粉砕される。
 文字通り、粉々だ。
 ボクシングとは、打撃の質がちがう。
 だが、この質の差がグローブをつけた状態で活かせるのだろうか?

 とにかくパフォーマンスとしては大成功だ。
 観客のブーイングも止まっている。
 カイザーも大満足だ。

「ドラゴン VS ゴリアテ」
旧約聖書に登場する巨人兵士。)

「史上――― 最大 最強 最豪華」
「空前のエキシビジョンマッチ(模範試合)だ」


 試合決定だッ!
 って、勝手に決めるなよ。
 ワーレフは何も言ってないぞ。
 話が上手く転がりすぎている。やっぱり、カイザーの仕込かもしれない。

 とにかく顔にドロをぬられたワーレフもひけない状況だ。
 これは試合決定でしょう。
 それにしても巨人をゴリアテと呼ぶとは……
 ゴリアテは石に敗北した。コンクリートブロックと同時に出すと、なんか不吉だぞ。
 ちなみに、昔に書いたコトがあるが投石は弓矢に匹敵する武器だった。(戦争の考古学
 巨人が弱かったワケではない。

 これで烈海王の試合が決まった!
 リングに上がらないボクサーなんて、自宅警備員みたいなものだ。
 これで、やっとお金のもらえる仕事ができるぞ。
 次回、ついに烈海王のプロデビューか!?


 ビックリするぐらい無計画な烈海王プロジェクトだった。
 カイザーって本当に凄腕プロモータなのか?
 まあ、こんな人だから業界から嫌われているんだろうな。
 チョー成り行きまかせだもん。
 ぶらり途中下車の旅なんかよりも無計画だ。

 唯一、計画的だったのはコンクリートブロックを用意していたことぐらいか。
 ちゃんとブロックの下にシートしいている。
 これなら試し割りしたあとに片づけるのが楽だ。
 って、気づかう部分を間違ってねェか?

 リングの上では台本無しみたいなことを言っている。
 でも、本当は烈としっかり打ち合わせをしていたのだろう。
 前回の烈が酒を飲むときに「これを飲むならリングへは上がらんぞ」と言っている。
 これは、リングに上がる予定があった証拠だ。

 カイザーは「そんときゃ酔拳を見せてやれ」と、かえした。
 これもリングの上で技を見せるという暗黙の了解がある証拠だ。
 二人はイロイロと計画をねっていた。
 それこそ、コンクリートブロックを置くタイミングまで考えている。
 ブロックの下にはシートをしけよ。後片付けがタイヘンだ。などと段取りしていたハズ。

 しかし、うまい話には裏があるというもの。
 烈はダマされているかもしれない。
 否ッ、まちがいなくダマされている。
 少なくとも金は巻きあげられるだろう。

 まあ、金だけならいいか。
 犯罪に巻きこまれなければ。
 米国の刑務所ぐらしは刃牙だけで充分ですよ。

 そういえば、烈海王はボクシングのプロライセンスをちゃんと持っているのだろうか?
 ライセンスなしでリングに上がるのは違法行為だよな……

追記 (10/6/30)
 ついに烈海王がデビューだ!
 って、これ何回書いたんだろう。
 長いよ。引っ張りすぎだ。
 これで次回が刃牙の話だったら、どうしよう。

 巨漢ボクサーであるアンドレイ・ワーレフと烈海王が勝負する。
 これでは、どう考えても烈海王が勝つ。
 バキ世界において巨人であることはムエタイ並みの敗北フラグなのだ。
 斗羽さんですら、ちゃんとした試合で一回も勝ってない。

 そんなワケでリングにあがろうとした、ワーレフが凶暴なアメリカン夜叉猿に襲われるという可能性を捨てきれない。
 金髪でガムをクチャクチャかんでいるヤンキー夜叉猿が右手にワーレフ、左手にアナコンダをつかんで入場するとしたらどうだろう。
 ガーレンも思わず「あのアナコンダを一撃でッッ!?」と驚くところだ。

 まあ、烈海王をすこしでも苦戦させたければ、理不尽な野性とかもってこないとダメってコトなんですよ。
 理不尽な科学はバキ世界にはないので、もっとダメだけど。
 ボクシングはちょっと近代的で科学的すぎるんだよな。
 バキ世界では、もっと泥臭くてウソ臭い修行のほうが効果出るのに。

 一番大事なのは理論や根性、地味な基礎トレじゃない。
 迫力だッ!
 投げつけるなら、紙の玉より、鉛玉であるる。
 そのほうが迫力が出て説得力も増す。

 ここに生物を加えると、もっと迫力が出る。
 ヘビとかサソリとかの、毒をもった生物を投げつけるのだ。
 こうなると投げるトレーナーも命がけである。
 自然と語尾が「〜〜〜〜ッッッ!」となって迫力がでるぞ。

 まあ、きっと烈海王なら、それを上回る迫力の修行をしているのだろう。
 なにしろ中国四千年だ。
 四千年って数字自体が迫力重視のハッタリみたいなものですから。
 ボクシングに勝ったら、その技術は何年前に通過したのか鑑定してくれるだろう。


2010年7月1日(31号)
第3部 第214話 記者会見 (870回)

 緊急記者会見ッ! 烈海王 VS. アンドレイ・ワーレフ!
 というワケで、記者が大量に集まっています。

 背後のパネルにはスポンサーと思われる企業名が7社以上ある。
 カイザーが短期間で見つけてきたのか?
 なんという凄腕だ。
 いや、すべて最初から仕組まれていた可能性もある。
 烈海王は米国を出るとき、身ぐるみはがれ パンツすら無い状態にならなければいいのだが。
 まあ、パンツがなければフンドシをはけばいいじゃない。

 巨人ボクサーであるアンドレイ・ワーレフは前世界チャンピオンだ。
 説明不要の有名人である。
 対する烈海王はまったくの無名だ。
 当然、烈の経歴についての質問がきた。

「4才で白林寺に入山した」
「後は修行 鍛錬の日々を…………」


 そういう経歴を聞きたいワケじゃない。
 ボクサーと戦ったことがあるのかとか、公正に実力を判断できるような試合での成績を聞いているんだ!
 天然なの? やっぱ、烈海王は天然のボケキャラなの?
 就職面接で特技に「15メートルまでなら水面を渡れます」って書いちゃうタイプか?(バキ14巻 122話

 仕方がなく記者たちは、もうすこし具体的な質問をする。つまり、質問レベルを下げた。
 戦歴は? 戦績は? ルールは?
 烈は公式の試合に出ていないという。
 勝敗の数も数えていない。
 ちなみにルールのない戦いだった。
 質問にほとんど答えていない。

 あぁ、ぜったい烈は おバカだと思われている。
 日本のバラエティー番組が、おバカタレント候補として烈をロックオンしたに違いない。
 珍回答を連発してウケがとれるだろう。
 まあ、烈の場合はバカにされていると感じたら、激怒して大暴れしそうなのが難点だ。

 烈は経歴一切不明のカンフー戦士である。
 こんな人間は信用できない。
 私だって、烈が強いことを知らなければ、胡散臭いヤツだと思う。
 回答も、まともに答えていないし。

 烈は刃牙とピクル以外に負けていない。
 最近に限れば充分誇れる戦歴だと思うのだが……
 修行中のころはけっこう負けていたのだろうか?
 師匠の劉海王にボロボロにされて、恥ずかしいお仕置きとかされたから、過去にはふれて欲しくないのかも。

「失礼ですがその脚は…」

「友人との試合で失いました」
「そういうこともある」
「試合とはそういうものです」


 一発で会場を引かせたッ!
 さすが烈海王である。
 相手がピクルだと言わないのは、ピクルへの配慮だろうか?
 ピクルは有名だから戦ったといえば話題になるんだろうけど。
 カイザーにバレたら利用されたんだろうな。

 とにかく記者たちは烈海王の生きてきた世界が異常であることを知ったようだ。
 でも、片足を失ったということは、負けたってコトだよね。
 さらに言えば、負傷でさらに弱くなったハズだ。
 などと突っこむ人はいなかった。
 いれば烈がすごい勢いでキレたかもしれないのに。

 烈に質問するのが気まずくなったのか、記者はカイザーに話をふる。
 今度の試合、ルールはどうするのか?
 ちなみに、ここまでアンドレイ・ワーレフへの質問なしだ。最後まで一切なし。
 前世界王者を放置って、ヒドいな。

「2人の男が2つの拳で強さを競う」
「それがルールだ」


 カイザーまでごまかした回答だッ!
 まず、グローブをはめると言ってない。
 素手での戦いなら、中国武術の烈海王がはるかに有利だ。
 殴ってイイ場所に制限があるのかどうか?
 フリーにしたら、烈は相手の金的を徹底的に破壊するぞ。

 この辺は、事前にハッキリさせないとマズい。
 だがカイザーは模範試合(エキシビジョン)だからという理由で流してしまう。
 プロモーターの仕事は、怪物二人が戦う試合を実現させるだけだ。
 なんか責任から逃げているような感じもする。
 興行優先がカイザーの考えなんだろうな。


 ホテルに戻った烈海王は夜景を見ながらコーチの説教を聞いていた。背中で。
 デビュー戦が前王者だなんて、ボクシングをなめてる。
 コーチは怒っていた。

 確かにそうだ。
 将棋でいえば、デビューしていきなり羽生名人と戦わせてくれというようなものだ。
 野球で言うなら、新人投手がいきなり開幕戦投手になるようなものである。
 って、あれ? 今のドカベンって、両チームとも開幕投手が新人だったような……
 まあ、なんだ。7月になっても開幕戦をやっているドカベンがいる限り、刃牙はスローペースなどと言われない。

 コーチは、いきなり烈にジャブを放つ。
 烈が鼻血を出した!
 喰らったの!?
 不調か? 米国の食い物はなじまないとか?
 枕がなじまず不眠なのかもしれない。

 10年前にボクシングから引退したコーチのジャブが当たってしまった。
 相手がワーレフなら死んでいる。
 コーチが吼えた!
 烈に敗れた 東洋太平洋チャンピオン麻仁アキオを間接的にバカにしてンのか!?(24巻 197話

 コーチはさらに烈を説教するのだが、左手の異変に気がつく。
 手首(リスト)を外されちまったぜ。
 なんでも、烈が「反射的に関節を外してしまったようだ」。

「よけるつもりはなかった」
「長年ボクシング界へ身を置く原田さん」
「あなたの怒りは妥当すぎる」
「このパンチはあなたを傷付けたわたしへの罰です」


 ひとつのジャンルを極めようとした人間がもつ思い。
 烈が武術に思い入れをもつように、コーチにも思い入れがある。
 そう、烈海王はちゃんと空気の読める男なのだ。
 でも中国武術の優位性を見せつけなきゃイケないので、蛮勇ふるっちゃう。

 反射的に攻撃しちゃったのは、実に象徴的だ。

 烈海王の才能はボクシングに対抗できるかもしれない。
 そして、烈はちゃんとボクシングにたいして敬意をもっていた。
 ツンデレ体質だから、表面には出ないけど。
 烈の本質を初めて理解したコーチは、烈の試合を認めるのだった。
 こうして米国拳闘編の幕が遂に上がる!!!
 って、まだ上がってなかったのかよ!?


 まさか、試合にすらたどりつけないとは思っていなかった。
 引っ張る。引っ張る喃。

 それはともかく…………
 烈はコーチを「原田さん」と呼んでるけど、名前『深町元一(46)』だったよね?24巻 197話
 コミックスを確認したけど、そっちも『深町』のままだった。

 烈が間違えたんだろうか?
 間違えるだろうな。
 烈って、ただの人間に興味なさそうだし。
 礼儀正しいんだけど、根本的に無礼な人だよな。

 前回で、烈はちゃんと空気が読めると判明した。
 つまり、記者会見で烈の質疑応答がコミュニケーション不全だったのは意識的にやっているコトになる。
 烈はとことんツンデレ体質だよな。
 か、カン違いしないでよ。甘んじてジャブを受けただけなんだから!

 そう、拳も甘んじて受けるのだ。
 ツンデレ誘い受けですか、厄介な性格してますね。
 でも、反射で攻撃しちゃうから、ツンデレ誘い受けカウンター攻めですね。
 もう何がなんだか。

 烈が反撃したのは本当に反射なんだろうか?
 やっぱり中国武術の強さを見せつけるために、攻撃しなきゃいけないと思っていたのかも。
 内心は平穏に話を進めたいのだけど、蛮勇をふるわずにいられない。
 烈が白目になってプルプルするのは無理して攻撃性を高めているのだろう?
 いや、素だよな、ありゃ。

 ただ、原田コーチ(深町コーチ?)の手首を外したのはヤリすぎかも。
 烈は失敗したのかもしれない。
 もっと軽めに喰らうつもりだったのに、鼻血が出るほど喰らっちゃったとか。
 思ったより痛かったから、思わずビクンと手首を外しちゃった。

 鼻血なんてたいしたコトないよ。止まってるし。
 などと言いながら、内心あせりまくっているのかもしれない。
 記者会見でもフラッシュ浴びせられて動揺しちゃって、言葉が出なくなっていたのかも。
 意外と烈海王は動揺するタイプかもしれない。
 気をつけろ。反射で手首外すような人は、反射で対戦相手を蹴るぞ。

追記 (10/7/7)
 烈海王、いまだ闘わずッ!
 アンタなにやってんの? 米国行ってムダに二回ついやした気分だよ。
 二回つったら、アレだよ。ムエタイの最長寿命じゃん。

 サムワン海王が闘って二回もったのが現在のレコードだ。(バキ22巻 191話192話
 そのへんの野良ムエタイなら、すでに敗北して、また敗北しているところだよ。
 あ、けっきょくサムワン海王も一回の寿命を二回重ねただけなのか。

 烈の試合を引っ張る意味がわからない。
 ボクシングのルール内でいかに残酷にエゲツなく巨人を破壊できるかのアイデアを練っているところなんでしょうか?
 そのうち、巨人が虐待されているという主張のドキュメンタリー映画が作られそうな感じだ。
 適度に捏造して、常習的に巨人を虐殺していると偏見を与える。
 まあ、バキ世界の巨人が虐待されているのは事実かもしれないけど。

 明日の本編はちゃんと試合がはじまるのだろうか?
 ここまできて、さらに引き伸ばしたりはしないよね。
 いや、常識にとらわれていると足元をすくわれるのが刃牙だ。
 液化すれば速いとか、尖っていると雷が落ちるとか、そういう理論で攻めてくる。

 きっと烈が黒いのにもスゴい理由が隠されているんですよ。
 で、次回は深町(?)コーチに「ところで、なんでオマエそんなに黒いの?」と聞かれて回想に入ると予想する。
 たぶん4話ぐらいは回想して黒い理由を説明するだろう。
 回想から戻ってきたら、今度は地下闘技場の話にうつって、範馬親子のネタをやる。
 で、烈に話がもどったらカイザーがボクシングの歴史を語りだす。

 まあ、いろいろあってゴングが鳴るのは10月ぐらいだろう。
 ぐらいに思っておけば、話が進まなくてもイライラしないぞ。


2010年7月8日(32号)
第3部 第215話 不可解 (871回)

 選手入場ッ!
 チャイニーズドラゴンが米国襲来だ!
 カンフーシューズに長ズボンをはいたまま、カンフーファイターがリングに上る。
 中国四千年! 烈海王だ!

 と言うわけで、ついに試合が始まるらしい。
 よく格闘技の試合を行う『さいたまアリーナ』ぐらいありそうな会場は大満員だ。
 会場の温度は早くも沸点に達しているッ!
 観客総立ちで烈海王をむかえる。

 観客のノリの良さにおいて、米国は日本をはるかに凌駕する。
 大昔『スター・ウォーズ』が日本で受けるかどうか調べるために、試写会を開いたら観客が黙ったままだったので米国人は「こりゃダメだ」とショックを受けたらしいぞ。
 『エピソード1』(AA)の映像特典で劇場の様子がわかるが、米国人はのりよすぎ。
 立つな。ライトセーバー振りまわすな。

 異常な熱狂を目の当たりにして烈海王は戸惑っていた。
 そんな烈の表情をカメラがとらえて大スクリーンに映しているものだから、アホ面が大写しだ。
 いかん、開始前から精神ダメージを受けているぞ。

『烈は困惑していた』
『初めて体験する興行としての闘い……………』
『不可解…!』
『不可解……!』
『不可解…!』
『興行不可解也!!!(こうぎょう ふかかい なり)


 場内の広告看板や、ステージで歌う矢島美容室(AA)みたいな人とか、リングアナとかとにかく不可解だ。
 スポンサーの『SCNY』とか、リングで歌うのとかは、確かに不可解です。
 だいたい、烈が入場しているのに矢島美容室がまだ歌ってるのか?
 そりゃ、烈もポカーンとなる。
 まあ、回想しているだけなのだろうけど。

 烈は地下闘技場や大擂台賽をどう思っていたのだろう?
 賞金はないだろうが、アレだって興行的な試合だったのに。
 爆竹鳴らして龍の演舞とかやってたぞ。バキ22巻 196話

 いや、まてよ。
 電気など人力以外で動いているものを使っているのを興行と認識しているのかもしれない。
 中国の武器は、剣・槍・弓など人力で動かすものを「冷兵器」、銃や大砲など火薬等で動くものを「火器」と区分している。(武器と防具〈中国編〉
 電気を使ったアトラクションを試合で使うなんて、不可解ッ! …なのかも。
 烈海王の感覚は400年前で停止している!

 もう、お兄ちゃんのことなんて知らない。興行不可解! てな感じに心乱れる烈であった。
 それでも烈はリングに上がるとき、ジャンプしてトップロープを超える。
 片足でありながら、この跳躍ッ!
 これってリング下から飛んだよね。天内悠なみのジャンプ力かもしれない。

 烈のパフォーマンスに、米国のお客さん大喜びだ。
 なんだよ、烈だって興行的なパフォーマンスやってるじゃないか。
 空気を読んでハデな行動をとったのだろうか?
 烈海王の行動不可解也。

 リングにあがった烈に、アンドレイ・ワーレフがつっかかる。
 周囲の人間に止められるが、なんかスゴい怒っているようだ。
 ワーレフは烈を挑発するかのように、空手の黒帯をしめている。
 この人は空手出身だから昔の帯を探して持ってきたのだろう。(213話

 烈はワーレフの怒りが演技だということを見抜いていた。
 カイザーのマイクパフォーマンスも茶番だ。
 迫りくる中国の脅威に怒ってみせている観客までもが、役割を演じている。
 ただ強さを競うだけであるべきリングが、観客参加型の劇場と化していた。
 烈のテンションが下がったようだ。

「ミスターレツ……」
「俺個人のショータイムは終わりだ」
「フフ……」
「ここからは競技だ」
「演出は一切ない」


 急に素にもどったワーレフが烈に正式な勝負を告げる。
 演出は演出。勝負は勝負。
 盛りあげる部分と、真剣な部分をわけて考えている。
 合理的なビジネス思考だろうか?
 興行とは縁のなかった烈だったが、未知の世界をすこし理解したのかも。

 そして、ついにゴングが鳴る!
 ルールの詳細は不明だが、たぶんボクシングルールで試合開始だ。
 コーナーから振りかえった烈は思わず息をのむ。

「ぬぅ…ッッ」

(この巨躯でこの運足(フットワーク)……)


 速い!
 ワーレフ速いぞ!
 ヘビー級とは思えぬスピードだ。
 まるでアライJr.みたいだよ!バキ25巻 222話
 え〜〜と、この時点だとアライJr.は強かったから、ほめ言葉になっているハズだよな。

 すばやい巨人はキケンかもしれない。
 怪力オリバのように、一部分に特化したほうが持ち味をイカせる。
 巨人が本格的なジャブを撃ってもダメージにならないように、巨人とスピードは相性が悪い。
 速く動くよりも、巨人の圧力を見せたほうが良いンじゃなイカ?
 まあ、どっちにしても倒されると思いますが。

(やはりな…………
 巨体だけの甘い戦力ではない…………)
(ならば…)

「ああッッ」
「バカァッッ」


 烈海王がナニかしたッ!
 思わず原田(?)コーチが叫ぶ。
 前世界王者にたいして烈がとった行動とは!?
 原田(?)コーチの名前は、本当に原田で確定しちゃっていいのか?
 次回へつづく。


 というワケで、烈の試合がはじまってしまった。
 昨日、試合がはじまらない覚悟をしっかり決めておいたので、話がすごく進んだ!と思えるほどだ。
 正直、かなりの確率でゴングがならないと思っていた。
 なんかワールドカップの日本みたいな、予想外の大活躍って感じだ。

 てっきり、会場にすらたどりつけないと思っていましたよ。
 ボクシング界のやとった暗殺者が待ち伏せている心配もあったし。
 まあ、烈なら当然返り討ちなんですが。
 ズボンの中に武器がたっぷり入っているから安心だ。
 で、コーチが武器なんて持つな、反則になるぞ。と大激怒する。

 しかし、烈の知人・友人がいっさい応援にこないってのはさびしいですね。
 暗殺者が襲ってくれば、ドイルが出てきて助けに入るって可能性もあるのに。
 また座頭市リメイクされるから、盲目の座頭ドイルはイケそうなんだけど。
 『餓狼伝』の掲載されているイブニングでも、女座頭市の『ICHI』(AA)を連載しているし、縁がある。

 まあ、ドイルはともかく克巳は来てほしかった。
 神心会って米国にも支部があるんだしさ。
 烈は恥ずかしがりやだから応援を断ったんだろうか?
 受刑中に、友人がひとりも面会にこなかった刃牙と同じで、人望が……

 それはさておき。
 烈はショービジネスとしてのボクシングに戸惑っているようだ。
 ボクシングの世界も純粋に強さの競い合いにならないんですね。
 亀田兄弟とかも、興行のために無理してパフォーマンスをやっていたりして。

 烈がボクシング界に数年いたら、空気にそまってしまいそう。
 ボクシングは不完全な拳法だッ! 四千年の歴史を思い知るがいい!
 なんて挑発するようになるんだろうな。
 …………今も同じようなこといってるか。

 さて、烈はナニをしたのだろうか?
 ワーレフのスピード見て、思わず棒立ちになっていた。
 そこから、どう動くのか?

 まさか、寝て"アライ猪狩状態"に持ち込んだりはしないよな。
 ああッッ、バカァッッ! やっぱルールわかってない!
 これにはコーチもビックリだ。

 ワーレフに対抗して動く。のは、ちがうと思う。
 なにしろ烈は片足なのだ。
 フットワークでは数段劣る。
 でも、スゴいジャンプしていたしな……

 ならば、思い切って飛ぶ!
 ジャンプして上空から襲いかかる。
 ボクシングのルール的には大丈夫なのか知りませんが、インパクトはあるぞ。
 迫力さえあれば説得力はあとからついてくる。
 これならイケる!

 あとは、棒立ちのまま迎撃スタイルになる。というのも考えられます。
 ああッッ、バカァッッ! ワーレフと正面から撃ちあう気か!?
 フツーだから、ハズレかもしれない。
 あと、烈とワーレフには決定的なリーチの差がある。
 止まっていたら一方的に殴られる可能性がたかい。

 となると、相手の攻撃を迎撃する。
 これが現実的な作戦だろうか。
 実際、前にこの方法でヘビー級ボクサーを倒した。(201話
 でも、ワーレフは空手出身だから拳も鍛えられているかもしれない。
 烈海王、失策か?

 まあ、きっと烈海王ならスゴいことをやってくれるのだろう。
 次回が楽しみだ。
 昨日が七夕だったから、短冊に願いごとを書けばよかったな。
 疵面(AA)みたいに次回のネタ思いつかなくて、長期休載ってことになりませんように。

追記 (10/7/14)
 烈海王はいったいナニをしたのか!?
 Twitterや掲示板でいくつか意見をいただきました。

 その前に、興行不可解といいながら烈だってパフォーマンスしてるじゃん!に関して。
 米国人は演技でパフォーマンスしてるけど、烈はマジにやっているという説をいただきました。
 確かに烈は遊びじゃなく、本気でやっていそう。
 まさに天然の男よ。

 すると、213話で巨人で試し割する宣言も本気だったということになる。
 もちろん本気なんだろうけど。
 やっぱ、天然はこわいな。

 話をもどす。
 烈はナニをやったのか?
 ざっと見たんですが、コーナーを背負って迎撃の構えを取るというのが多かったですね。
 たしかに、コレはありそうな気がする。
 一見バカな行為だけど、烈ならば……ってのが良い。

 リーチとパワーの差があるから、コーナー背負ったら本格的にピンチなはずなんですよね。
 まあ、烈だからなんとかするんでしょうけど。
 はじめの一歩に出てきたウォーリーのようにロープをつかんで脱出するかもしれない。
 つかむのは足指で!
 スゴイを通りこして変態の域にまで達した烈海王の足技に米国人も驚愕せざるをえまい。

 他にもイロイロな意見がありました。
 でも、烈のことだからもっと異常なことをするんじゃなかろうか?
 たとえば、逆立ちとか。
 もう、ボクシングする気あるのか!? と怒られるレベルのパフォーマンスだ。
 原田(深町?)コーチも、今度こそ辞めると言いだしそう。

 しかし、烈ってやっぱりパフォーマンス好きに見えるよな。
 天然のハデ好きなのだろうか?
 あのガングロも目立つために日焼けサロンで造っているのかもしれない。


2010年7月15日(33号)
第3部 第216話 最危険地帯 (872回)

 中国四千年・烈海王 VS. 巨人ボクサー アンドレイ・ワーレフ!
 237cm 151kg 前世界王者のワーレフは巨漢だが見事なフットワークをしている。
 ……刃牙世界の巨人には不要な能力なんだけど。
 烈海王は、どう戦うのか!?

 いきなり背を向けた!
 試合中になんと大胆な!?
 よそ見をすることで相手のスキをさそって殴るテクニックは輪島功一が使用して有名だ。
 しかし、烈の行為はよそ見ってレベルじゃねーぞ。

 などとツッコムあいだに、烈はコーナーに陣取る。
 騎馬立ち、というか空気イスみたいな状態だ。
 両手は四本あるロープの下から二番目をつかんでいる。
 完全に無防備な姿だ。股間蹴り放題だよ。

 お客さんは騒然となり、深町(原田?)コーチが怒鳴る。
 レフリーのミルスは烈に立って戦えと言う。
 たしかにコレは態度悪い。
 烈はボクシングに敬意を持っているようだったけど、蛮勇ふるうのやめられないようだ。214話

「君こそ立てとはどういうつもりだ」
「わたしは座っているのではない」
「腰を深く下ろし」
「間違いなく立っている」

 烈海王、レフリーに超歯向かう。
 サッカーなら最低でもイエローカードもらうような態度だ。
 まさか真っ向から文句をつけるとは思わなかった。
 さすが反逆児・烈海王だ。
 上下関係の厳しい武術界でも、師匠に暴言吐く男だもんな。(バキ8巻 70話

 烈の構えは「騎馬立ち」あるいは「四股立ち」だ。
 極真ではツマ先が開くと四股立ちなので、四股立ちかも。
 どちらも、稽古に使われる構えであまり実戦的ではないとされる。
 だから夢枕獏先生は小説『餓狼伝』で松尾象山にあえて騎馬立ちをさせてみたらしい。(餓狼伝VII

 立っているが、実戦的ではない。
 マジメに戦っているように見えない姿だ。
 やっぱり、これはレフリーに注意をうける行為だろう。
 ちゃんと戦う気があるのかと1ラウンド問い詰めたくなる。

「わたしは彼ワーレフとファイトするつもりはない」
「殴ったり殴られたりするつもりはない」

「制するのだ」
「ジャブの一つも打たせずに」


 烈海王が一方的にボコるよ宣言だ!
 いや、「ジャブの一つも打たせずに」と言っている。
 これは瞬殺して ジャブを打たせない宣言だな。

 なにをどうやって、巨人を倒すのだろう?
 ジャブはボクサーにとって基本の攻撃だ。
 それを封じるということは、一度も攻撃させないといっているに等しい。
 どうやって打たせないのか?

 巨人ワーレフの圧倒的なリーチとパワーで繰りだされるジャブは反則級の攻撃力をもっている。
 打ちやすい上に威力もバツグンだ。
 そんな攻撃を烈はどうやって防ぐつもりなのか?

 ワーレフはレフリーをさがらせる。
 烈がこのスタイルで戦うというので、受けて立つらしい。
 相手のペースにあわせて戦うのは危険だ。
 相手が用意した戦場には罠がしかけてあると考えられる。
 でも、あえて踏みこんじゃうあたりに前王者という自信とプライドがあるのだろう。

 ワーレフが近づく。
 烈はロープから手をはなし、腰にすえる。
 さらに太ももの前で構えた。
 上半身と顔は無防備のままだ。
 そこへワーレフのジャブが放たれる!

 あらゆる格闘技で最速の攻撃といわれる、ボクシングのジャブ!
 打たせてるじゃん。
 なにが「ジャブの一つも打たせずに」だよ。
 さっそくジャブを打ってるよ。烈は初弾でいきなりつまずいたな。
 と、思ったけど「ジャブ一つも食らわず」だったのかも。

 このジャブは空を切る!
 そして、ワーレフの視界が暗転した。
 烈がグローブでワーレフの目を覆っているのだ。
 ワーレフのジャブをかいくぐって目隠しを敢行した!
 烈海王は、ジャブより速いッッッ!?

 ワーレフはあわてて烈の手をはらう。
 だが、またもや暗黒だ。
 烈が逆の手でまたワーレフの目をふさいでいる。
 ふたたび、ワーレフが烈の手をはらった。
 今度はちゃんと見える。
 だが、目前に烈の姿は無い。

 完全に烈を見失った。
 動揺するワーレフの頬にナニかが当てられる。
 汗が上に流れるような戦慄がワーレフを襲う。
 グローブを当てているのは、もちろん烈海王だ。

「無寸勁…」

『ワーレフが最後に見た景色………』
『それは一人のカメラマンだった…』


 カメラに写らない速度でワーレフの頭が吹っ飛ばされる。
 Hayemaker Dragon(強打ドラゴン)衝撃の米国でビューであった。
 あ、ちなみにスペルは誤字っぽい。たぶん「Haymaker」が正解だ。
 こんな所にまでネタを仕込むなんて、さすが烈海王は油断できない。

 とにかく烈海王は最初の関門である巨人を見事に倒した。
 刃牙世界の巨人は試し割りの対象という法則からすれば、当然の結果である。
 だが、なにもさせず寸勁一発で勝ったので、烈の強さを見せつけることができた。
 範馬一族が試し割ると、たぶん巨人を真正面から力尽くで破壊するんだろうけど。

 とにかく、烈海王はじめての米国ボクシングは無事に終了した。
 次回へつづく。


 まあ、とくに問題なく烈海王が試し割りに成功した。
 さすが巨人は試し割りの対象物と言い切っちゃう人だ。(213話
 なんか「お寿司はおやつ」「カレーは飲み物」「コーラは麦茶」「ドクターペッパーも麦茶」みたいな無茶っぷりだよ。

 巨人を一発で倒して見せた。
 なんか烈って、パフォーマンス大好きっぽい気がしてきた。
 それとも天性の芸人なんだろうか。

 ただ、烈の行動が全部パフォーマンスというワケでもなさそうだ。
 ボクサーとパンチを打ち合うのは、やっぱり分が悪い。
 さらにフットワークの勝負になっても、烈が不利だ。なにしろ片足だし。

 烈はコーナーに静止することで、相手の動きも止めている。
 ボクシングの試合を、足を止めて一発を打ち合う勝負にしちゃっているのだ。
 ワーレフさん、「そんな隅っこに引きこもってないで、男なら堂々と勝負しろ!」とか挑発すればよかったのに。
 そうなりゃ、烈は白目になって怒りまくって出てきただろう。
 自分の距離を保って、足とジャブを使って戦えば勝てたハズだよ。
 ワーレフは、自信過剰だったのが敗因か。

 烈は目隠しを二回した。
 目隠しができるぐらいなら、殴ったほうが早くね?
 そんな気がするのも烈の作戦なのだろう。

 打たれる覚悟をした状態の攻撃だと、人間はなかなか倒れない。
 ジャブをカウンターで返しても、ワーレフは倒れなかっただろう。
 そこで目隠しをして、ワーレフの意識をそらして不意をついた。

 前にも書いたが『餓狼伝 最強格闘技作法』で、板垣先生は次のように言っている。
『相手に目をつぶらせて(中略)、そ〜っと近づいていって思いっきり顎を叩いたら絶対倒れるんですよ。』
 烈海王は、まさにこの状態を実現させたのだ。

 さらに烈は横からの攻撃している。
 横からの打撃による頭蓋骨の加速度は、正面攻撃の数倍になるらしい。(最強格闘技の科学
 無防備な相手に、効果的な角度から攻撃する。
 烈海王はパフォーマンスだけじゃなくて、理にかなった攻撃をしているのだ。

 それでも、ジャブをかいくぐって相手の間合いに入る速度がスゴすぎるけど。
 巨漢ファイター相手に、そんなことできるなら苦労しないんだよな。
 烈海王が一番スゴいのは、ダッシュ速度だ。

 さて、いきなり前王者を倒した。
 こうなったら次の相手を探すのに苦労しそうだ。
 現役王者を引っ張ってくるか、ワケあり実力者(反則が多いとか)を連れてくるのか?
 烈の挑戦は、すでにクライマックスだ。

 と言うワケで、次回は別の話になると予想する。
 順番どおりなら徳川さんのターンだ。
 戦いに餓える戦士たちの対戦カードは決まったのだろうか?
 早くしないと達人たちが、どんどん若者狩りをはじめてしまうぞ。

 そのころ、刃牙はひたすら液状化しているのだろう。
 こちらも早くしないと本当にゲル状になってしまうかも。
 本当に刃牙はどこへ行こうとしているのか。
 ――――――次回は、どっちだ?

追記 (10/7/21)
 そういえば今週末は西原理恵子vs板垣恵介の画力対決だ。
 板垣先生は練習してないけど自信たっぷりらしいぞ。
 アレだ。リアルシャドーで練習してんだ。
 いたがき組は妄想の怪物が暴れて被害甚大だぞ。

 次回の刃牙はなんの話だろう?
 烈の話は区切りがついたので、しばらく放置だろうな。
 そして、少し見ないうちに烈海王が激変するかもしれない。
 なにしろ宿泊地はラスベガスですよ。
 よく知らないけど、スゴい街らしい。
 東北の田舎者である烈海王は骨の髄までとろかされてしまいそうだ。

 次に登場したころには、白くなってサングラスかけて「フゥー」とか言って、どっかのマイケル・ジャクソンみたいな変化をしているかもしれない。
 いや、それは無いか。というか、白い烈は違和感がある。

 烈はアレで けっこう空気が読める男だ。
 周囲の期待にこたえて、パフォーマンスをやっちゃうんだろうな。マジメに。
 龍のコスプレぐらいはやるだろう。興行不可解! とか言いながら。

 あとは、ブルース・リーのコスプレだな。
 浦安鉄筋家族の春巻龍みたいな格好になって登場する。
 まったくもって興行不可解也。
 などと言いながらも空気を読んで、どんどんコスプレしているんだろう。
 「私はボクシングをやりに来たはずなのにッッッ!」

 油断すると 烈は見世物にされてしまいそうで心配だ。
 しかも、空気読んで最適の芸とか見せちゃうから、意外と馴染んじゃうんだろうな。
 最終的に烈海王の打岩ショーとかを開催することになるのだろう。
 刃牙も友情出演して、リアルシャドー・ショーで競演すれば完璧だ。


2010年7月22日(34号)
第3部 第217話 ミリオンダラー (873回)

 まだ烈海王のターンだ!
 そうか後日談が残っていたのか。

 ドラクエっぽく前回を振りかえってみる。
 烈海王はヘビー級の前王者を一発で倒した。
 その話はたちまち全米につたわり、そして夜が明けた。

「ウェルカム」

 カイザーが大股開きで待ちかまえていた!
 これは『究極!! 変態仮面』(AA)の技かよ!?
 烈がカイザーの股間に吸い込まれちゃう!

 いや違う。カイザーの股間には札束が置かれていた。
 昨日の試合のファイトマネーらしい。
 烈はとまどっている。
 ファイトマネーについての契約をちゃんとしてなかったようだ。
 そんなコトじゃ、尻の毛までむしりとられるぞ。


 ここで、ちょっと回想がはじまる。
 回想は油断していると襲いかかってくるものだ。
 いつ いかなるときも回想への備えを忘れてはいけない。

 烈海王は無寸勁でワーレフを倒した。
 パフォーマンス性はバッチリだ。
 寸勁は腕以外の筋力で打つ。
 肩で体当たりするようなもので、けっこう大きな力がでるらしい。
 だが、速くはないので脳震盪を起こすような鋭い攻撃はニガテだ。(格闘技「奥義」の科学
 わざわざ難しい攻撃で倒しているんだから、烈はやっぱりハデ好きなんだろうな。

 勝利した烈はリングの上でインタビューを受ける。
 無寸勁をノーインチパンチと説明するなど、けっこう気配りしている。
 ブルース・リーがやったのはワンインチパンチだから、上をいく秘技だ。(発勁 - Wikipedia

「中国武術の優位性を示したまでです」

「君たちの拳法は――――」
「ボクシングはまだ幼い」
「成熟した拳の闘いを見せたい」
「次なる強敵をすぐにでも…」


 烈ゥ――――――ッッッ!
 また暴言はいた。
 やっぱり暴言はいたよ。
 なにも変わってないよ、こいつ。

 いつもの暴言で全ボクサーを敵に回したらしい。
 でも、烈はボクサーと戦うことを望んでいるから、これでイイのだろうけど。
 やっぱり烈は興行向けの挑発トークをしているとしか思えないな。
 興行不可解と言っていたことが不可解也。

 烈の挑発でさらなる怪物たちが出てくるだろう。
 カイザーは、そう予言する。
 だけど、ワーレフだって前世界王者なのだ。
 すでにトップクラスの怪物を倒している。……巨人だけど。
 もう、人材無さそう。これから、どうするの?


 今後の 心配 期待は置いといて、とりあえずファイトマネー受けとりな。
 カイザーが用意した金は200万ドル、重さ20kgだ。
 やっぱり、銭というものはキロで数えるんですね。(23巻 191話
 さっき確認したら、だいたい1$=\87だったので、1.74億円だ。
 俺の人生、余裕で買い取れそうな金額だな。

 いくらなんでも無名選手がデビューで手にする金額ではない。
 カイザーは烈を金の魔力で絡めとろうとしているのだろうか?
 烈はとりあえず、素直に受け取るという。

 だが、お前の態度が気にくわない!
 金の横に足を投げだしているカイザーの姿勢がダメだ。
 烈海王は静かに怒る。
 いきなりカイザーのサングラスを蹴り飛ばした。
 ボクシングしているけど、本業はこっち!と言わんばかりだ。

「持って帰れではない」
「君があのケースに入れ手渡すのだ」
「さもなければ――――」
「その悪い脚をヘシ折る」


 さすが烈海王だ――――――ッッッ!
 ぜんぜん大金に感謝してない。
 もらって当然という、スゴい態度だ。
 これが烈海王なんですね。
 折るっていったら、本当に折りますよ。脚だけじゃなく腕も。

 烈にこう言われたら、カイザーも逆らえまい。
 シャキっと背筋を伸ばして、20kgのスーツケースをさしだす。
 烈はとってもいい笑顔で帰るのだった。

 用意されたリムジンで烈は帰宅する。
 車内でブランデーを勧められるが、烈はウーロンティーを頼む。
 ノーインチパンチと同じく、謙虚に英語で頼んでいる。
 暴言をはくだけではないのだ。
 だが、烏龍茶はなく紅茶のフォションしかなかった。

 200万ドルを抱えながら、烈は不便なものだとタメ息をつく。
 四千年の伝統をもつ烈はやっぱり保守的らしい。
 いきなりキレて運転手に烏龍茶買って来させたりはしないだろうな。

 暴言をはき、全ボクサーに喧嘩を売り、プロモーターに金を用意させた。
 それでいて謙虚だったり、烏龍茶が飲めなくてしょんぼりする。
 これらの行動を烈は計算でなく、本能でやっているのだろう。
 烈海王は本当に天然だ。
 次回につづく。


 烈は、巨人ワーレフを一撃で倒した。
 楽勝に見えたが、けっこう苦労している。
 ワーレフが烈の奇策にのらずボクシングをしていれば、もっと苦戦していただろう。
 もしかしたら、負けていたかもしれない。
 ……それは言いすぎか?

 かつて烈が愚地克己を倒したときも同じだった。(15巻 116話
 烈は戦術を駆使して、有利に闘い勝利している。
 実は知将なのだ。短気だけど。

 ワーレフに勝ったけど、わりと危うい勝利だったのだろう。
 リングの上で咆えていた時も、ドキドキしていてハイになっていたのかもしれない。
 もちろん、カイザーに咆えて見せたのも大金を見て心拍数が上がったためだろう。
 きっと今晩は大金の入ったスーツケースが気になって眠れないぞ。

 次の相手はワーレフより劣るボクサーかもしれない。
 だが、烈を研究してクールに戦えば勝機はある。
 烈にとって最大の優位点は、自分の技術が知られていないという奇襲効果だ。
 研究されつづければ、いつか負けるだろう。
 勝つためには、烈もまた進化しなけばならない。

 まあ、烈のことだからすぐに強くなって行くのだろうけど。
 そうなると、やっぱり相手に不自由するよな。
 すでにヘビー級にいるから、階級を上げられない。
 こうなったら、烈にダイエットしてもらって階級落とすしかないかなぁ……

 または、思い切って烈にムエタイを習ってもらうのはどうか?
 強い敵を探すのではなく、自分を弱体化させる逆転の発想だ!
 刃牙もG師匠のマネをしてないで、勇次郎にムエタイを習わせる方法を考えてみたらどうか?

追記 (10/7/21)
 明日のチャンピオンは刃牙がお休みだぞ。
 で、来週は刃牙三倍祭りだ。
 一倍でいいから毎週つづけて欲しいものだ。

 恒例のフルカラー袋とじは何だろう?
 やっぱり花山だろうか。
 秋には疵面も連載再開する予定だった。秋田書店だけに。
 一回りして夏が来たので、そろそろ連載再開するかもしれない。

 掲示板とTwitterで指摘されたのですが、先週の感想で誤字をしてしまいました。

誤:ワンインチパン
正:ワンインチパン

 よりによって、パンツ誤字かよ!?
 なにコレ!
 みつどもえの呪いか?
 パンツを笑うものは、パンツに泣くってコトですね。
 ご指摘ありがとうございます。

 しかし、ワンインチパンってのは何だろう。
 幅が1インチしかパンツか。
 つまり、Tバックや紐パンのたぐいだ。

「はけというのか、コレを!? 興行不可解!」
 烈海王もビックリだろう。
 プロライセンスももっている俳優のミッキー・ロークがボクシングの試合をしたとき、スケスケのトランクスをはいていて話題になった。
 烈もワンインチパンでセクシーをアピールするハメになるかもしれない。


 サイバラvs板垣の画力対決は、無事(?)に終了していました。
 西原先生の担当者がTwitterで実況中継していたので、雰囲気がなんとなくわかります。
八巻和弘 (yamakikazuhiro) on Twitter

 動画はこちらで今週末まで公開中。
人生画力対決/板垣恵介戦, Recorded on 10/07/25 garyoku on USTREAM. その他

追記 (10/8/4)
 刃牙三倍祭りだ!
 これならボクシング編と地下闘技場編を同時にこなせるぞ!
 あ、範馬親子編があったか。

 そして、恒例のフルカラー袋とじ『疵面(スカーフェイス)』は板垣先生が、原作・作画だ!
 弟子に正しい妄想の具現化を見せつけるべくスゴい仕事をしそう。
 まあ、板垣先生の恐ろしさはどんな妄想でも軟着陸させてしまう力技にある。
 たまに着陸失敗して足をくじきますが、それでも降り立つのがスゴい。
 今回はどんなジャンプと着陸を見せてくれるのか?

 予告には、刃牙と勇次郎がついに邂逅すると書いてあった。
 タイトルが『範馬刃牙』になってから二人は出会っていない。
 ついに親子対決!ってのがコンセプトだったから、出会ったら戦ってしまう。
 刃牙は勝敗度外視で戦うといってたし、最悪の場合『範馬刃牙、死す! 完!』になる。

 刃牙が憎しみではなく、愛で勇次郎と戦うと気がついた。
 これなら出会っても安心だ。
 そこで家族団欒ですよ。

 次回は刃牙vs.勇次郎の食事対決となるかもしれない。
 鬼の形相をした打撃筋肉で米をとぐ範馬勇次郎に、味噌汁をつくる刃牙。

「邪ッ!」
「応ッ!」

 刃牙ハウスを崩壊させる勢いで料理を作る。
 ストライダムが必死になって家を支える。
 自由の女神像の倒壊を防ぐときのような国防的ミッションだ。

 そして試食。
「刃牙よ、目玉焼きにマヨネーズとはとんだ腑抜けよ。見損なった。帰るぞ、ストライダムッ!」
「一口も喰わないうちから背を向ける気か、親父ッ!」
 あまりの迫力にストライダムが初失禁する。
 いや、最近の刃牙は展開が遅いから二話つかっても食事会にたどり着けないかも。
 せいぜい、刃牙と勇次郎が顔をあわせて、闘気をぶつけ背景グニャるぐらい。
 ストライダムが「〜〜〜ッッッ」となって初失禁ぐらいで次回に続くんだろうな。


2010年7月29日(35号)
刃牙はお休みです

 合併号の前あたりには、刃牙が一回休みのあと三倍祭りがやってくる。
 もう定例行事って感じですね。
 夏休みの宿題を最終日にやる人かよ。もっと小出しにしようや。

 と言うワケで、刃牙の休載を利用して今までの話をまとめてみる。
 現在は「烈海王のボクシング」「範馬親子」「地下戦士の喧嘩」の三本立てだ。
 まさに、みつどもえ状態である。
 いまのところ、烈のボクシング挑戦がメインになっているようだ。

● 前回のまとめ
186話〜203話 烈ボクシング挑戦!


まとめ 204話〜217話 烈ボクシング初陣!
 サブタイトル  内容
 204話 親子宣言 日米首脳の極秘会議に範馬勇次郎が乱入して迫力を見せつける。  
 205話 美しき打拳 超大物プロモーターであるカイザーが烈をスカウトにやってきた。
 206話 皇帝(カイザー) カイザーに誘われて、烈海王は米国へ!
 207話 家庭料理 刃牙は勇次郎との一家団欒をリアルシャドーする。
 208話 火事の鉄則 達人・渋川剛気が街のチンピラを倒して、全力で逃げ出すッ!
 209話 喧嘩勧誘(ナンパ)  愚地独歩も街で喧嘩三昧だ。
 210話 液化現象 刃牙はG師匠の液化をパクって、超高速を手に入れた。
 211話 鬼火 範馬勇次郎に落雷!
 212話 虚飾 烈海王がラスベガスでお披露目だ!
 213話 起動 烈海王が巨漢ボクサーを試し割りたいと言いだす。
 214話 記者会見 烈海王はけっこう空気の読める男だった。
 215話 不可解 興行不可解也。烈がなぞの行動に出る。
 216話 最危険地帯 烈海王はコーナーでしゃがみこむ。無寸勁で勝利だ。
 217話 ミリオンダラー 烈海王はエラそうに報酬の200万ドルを受け取る。


 振り返ると、地下戦士たちの話がほとんどない。
 第二回最大トーナメントの開催は遠いのかも。

 まずはレッツ・ボクシング編を終わらせてしまうのだろうか。
 なにしろ話はすでに動いている。
 あと数人倒せばボクシング界を制覇できそうだ。
 興行は不可解のままだろうけど。

 次に範馬親子を解決するのだろう。
 戦う前の地ならしみたいな感じで。
 親子仲良くなって、二人で試合観戦をする。
 そう、第二回最大トーナメントを!
 と言う順番ではなかろうか?

 そして、次回予告によると三倍祭りでは親子の邂逅があるらしい。
 やっぱり地下戦士たちは放置状態なのか。
 闘いに餓えている戦士たちのせいで、治安が危険だというのに。

 あと、袋とじは疵面(スカーフェイス)だ。
 ただし今回は『原作・漫画 / 板垣恵介』となっている。
 原作者以外が担当するスピンオフを、原作者がスピンオフか!?
 さすが不自然主義のトップランナーにして最終走者だ。
 来週の袋とじが待ち遠しい!


2010年8月5日(36+37号)
第3部 第218話 家族会議 (874回)

 グラップラー刃牙シリーズにおける親子の決着をつける最終章が『範馬刃牙』である。
 などと言いながら217話の間、刃牙と勇次郎は顔もあわせなかった。
 手紙も出さず、電話で話もせず、マイミク登録や、メールのやり取りもしない。
 まあ、二人の文化は電話と電報で止まってそうですが。
 そんな二人の連絡手段はキャプテン・ストライダムだったりする。ストライダム、大変だな。
 今日、ついに刃牙と勇次郎が邂逅する!

 ズチャリ

 足音だけでわかる。これは範馬勇次郎だ。
 なんで こんな足音なんだろうか。
 靴の材質。重量(おもさ)。歩行術。
 そんな些細なコトではなく範馬勇次郎という存在が空間をグニャらせるから音がゆがむ。
 ドップラー効果の親戚みたいな原理で。
 ちなみに『グラップラー刃牙』が連載して間もないころ、友人に勧めたら『ドップラー刃牙』と間違う人が多かった。

 刃牙は自宅でコーヒーをいれていた。
 インスタントじゃない。ドリップしてるよ。
 意外とグルメだ。本当に意外だ。
 格闘以外にも興味あるんだな。
 休日はオサレファッションで街にくりだし、軍神ガイアにもっと輝けと囁かせているかもしれない。

 突然、刃牙は気配を感じた。
 髪の毛がうなじから頭頂まで逆立っていく。
 範馬勇次郎の巨大な気が問答無用で刃牙の肉体を警戒態勢にしているようだ。
 いくら息子が好きだからといって、念を送りすぎじゃね?
 離れた場所からコレなんだから、そりゃ朱沢江珠とか視姦(みた)だけで陥落するよな。

 刃牙はあわててカップを追加して、コーヒーを増量する。
 ちゃんとカップにお湯をそそいで温めているぞ。
 なんだ、この芸の細かさは?
 梢江を接待するための練習なのだろうか?
 お願いだから練習の成果と その収穫を見せないでほしい。

「来るかね急に…ッッ」
(一度だって来たことないのに……ッッ)

(近いよ 近いよ これ)
(けっこう近いよ これッッ)
(20メートル…?  イヤ もっと近いなッ)
(10メートル?)
(え……ッッ!?  もっと近い!!?)
(まさか玄関の前…………!!?)
(そこまでは来てないか……)


 すでに ちゃぶ台横に座ってスタンバっていました。
 いつ、どこから、どうやって進入した!? 音も無しに。
 刃牙が達成した液体化を勇次郎はとっくに通過しているのかもしれない。
 本当に妖怪の域にたっしているな。別に妖怪と溶解をかけたワケじゃないけど。

 内心あせりまくっている刃牙だが、外見はきわめて平静をよそおっている。
 まるでSAGA直前の息を乱して梢江を待ちかまえていた時みたいな見栄の張りかただ。(バキ15巻 127話
 梢江も勇次郎も、ついつい虚勢をはりたくなる相手ってことか。

 ところで、刃牙は勇次郎が家に来たことがないと言っている。
 松本家のとなりにある下宿に勇次郎は来たことがあった。(バキ13巻 113話
 刃牙の脱童貞を応援するためにッッッ!
 勇次郎って刃牙の居場所を二箇所とも ちゃんと把握してるんだよな。
 ……親バカめ。

 刃牙は急いでいれたコーヒーで勇次郎を歓迎する。
 勇次郎は砂糖もミルクも入れず、無言でコーヒーを飲む。
 眉間にシワ入りっぱなし。
 海原雄山が新蕎麦にネギとワサビを入れなかったように、勇次郎はコーヒーをブラックで飲む。
 違いのわかるツンデレ親父だ。

「キサマの希望(のぞ)む親子関係とは……」
「こういうことか……」


 ちゃぶ台を囲んでコーヒーをすする父と子である。
 だいたい、こんな感じが希望らしい。
 勇次郎からすれば腑抜けた関係なのだろうか?
 刃牙は勇次郎のちゃぶ台返しを警戒する。

 読者もここは警戒体勢だ。
 でも、勇次郎が普通にちゃぶ台を返すだろうか?
 アッパーと見せかけて、フック……は無いな。
 ならば、カカト落としだ!
 きっと ちゃぶ台カカト落しで攻めてくるにちがいない。

 だが、勇次郎は静かだった。
 自分に恐れをなしたのかと問う。
 確かにこれは大問題だ。
 勇次郎にビビって闘争心を無くしたのなら、刃牙というご馳走を喰えない。
 激しく問いただしちゃうと逆効果かもしれないので、勇次郎はがんばって優しく質問しているのだろう。

 勇次郎を恐れなかった瞬間など無かった。
 「恐れ」「慄き」「憧れ」「尊敬し」「そして」「憎悪した」
 あらゆる感情が混ざりあい、単純に憎むとか愛するとは言えないのだろう。
 だから、親子が戦うのは試合ではなく、些細なキッカケではじまる喧嘩だ。

 なぜかちゃぶ台の上のカップをカタカタ鳴らしながら、刃牙は説明する。
 勇次郎の迫力に刃牙ハウスも震えているのだろうか?
 大地震の前の余震って感じだ。
 でも、勇次郎は爆発しない。とりあえず刃牙の言い分を聞いて納得する。

「ところで倅よ」
「この俺に」
「不味いコーヒーを飲ませるとは どういうことだ!!?」

(え…ッッ)(まさか!?)(もう!!?)


 いきなり、些細なキッカケが来た!
 勇次郎はとりあえず刃牙の要求にこたえてくれたようだ。
 あとは、刃牙が受け止めるだけである。
 範馬刃牙、ついにクライマックスに突入か!?
 そして、今回は三倍祭りなので4ページ後につづく!


2010年8月5日(36+37号)
第3部 第219話 ちゃぶ台返し (875回)

 恐怖! コーヒーが不味いだけで怒りだす鬼父!
 これがモンスターペアレントの実態だ!
 勇次郎が怪物であることは議論するまでもない。
 範馬勇次郎は間違いなく地上最強の怪物父(モンスターペアレント)です。
 小説『蒼穹の昴』(AA)の西太后は料理が不味いというだけで、主人公を撲殺させるところでしたが、勇次郎だってやりかねない。

 ついに範馬親子の最終決戦が始まってしまうのか!?
 勇次郎は怒るために怒っている。
 これをなだめるコトは不可能にちかい。
 刃牙はどう受ける。逆ギレか!?

「お父さん ごめんなさい」

 土下座だ!
 思わず逆立つ勇次郎の髪が下がってしまうほどの礼儀正しいDO-GE-ZAであった。
 やったことは土下座だけど、結果的に勇次郎の攻撃を回避したことになる。
 うまく意識をそらした。
 刃牙は腕を上げたと勇次郎も思っているだろう。

 勇次郎は黙って刃牙の謝罪を聞く。
 珍しくマヌケ顔になっています。
 勇次郎にとって不意打ちを受けたようなものだし、マヌケ顔も仕方がないか。
 これは小さいながら勇次郎の敗北と言えるかもしれない。

 勇次郎の闘気がしずまった。
 そう刃牙は判断したのだろうか、ちょっと なれなれしい態度になる。
 勇次郎がコーヒーを二口で飲んだことを指摘した。
 美味かったからコーヒーを飲みほしたのだ。
 ホンモノのトラブルじゃないと戦いにならない。

 刃牙に機会をつぶされ、演技を指摘された。
 なんか合わせ技で一本分はとられた感じだ。
 やはり、刃牙は確実に腕をあげている。
 勇次郎はちょっと反論できなくなった。

 とりあえず、勇次郎は家族団欒に興味がないので理解もできないという。
 だから、刃牙の希望には添えないってことだ。
 通訳が必要だけど、ちゃんと親子の対談をしている!
 こういう悩みを打ち明けることこそが、家族ってものかもしれない。

 刃牙は勇次郎にコーヒーをいれてほしいと言う。
 言葉通りの意味じゃない。
 興味が無いという自分の望みに、歩みよって欲しいという願いだ。
 刃牙は勇次郎の望む闘争を続けてきた。
 だから、今度は勇次郎のほうから近づいてほしい。
 けっこう切実な願いである。

「範馬勇次郎のコーヒー…」
「飲めるぞ」


 勇次郎が立ち上がった!
 背景がグニャってる。グニャってるぞ!
 なんだかワカらんが、とにかくヤル気だ。
 地上最強のコーヒーを作る気かッ!?
 刃牙よ、そこは汗をかいて良いシーンだ。

 素手で豆を砕きすりつぶすコーヒーだろうか?
 それとも、今飲んだコーヒーを下から出したりして。
 文字通り範馬勇次郎のコーヒーだ。
 いや、勇次郎はそういう下品やらないな。

「飲む方法が一つだけある」

「無理矢理 淹れさせる」


 力尽くで従わせろ。
 それが勇次郎の返答だ。
 団欒の象徴である ちゃぶ台を二つに引き裂き、さらに重ねて四つにねじ切った。
 いやいやいや、カステラじゃないんだから、そんな風に千切るなよ。
 久しぶりに範馬勇次郎の純粋腕力を見せつけられた。

 近づいてほしけりゃ、ムリヤリさせて見ろ。
 「北風と太陽」ではなく「北風と超北風」だ!
 範馬勇次郎の辞書には全ページに暴力と書かれているにちがいない。
 たとえば『妥協』だと、次のような感じだろう。
 『対立した事柄について、双方が譲り合って一致点を見いだし、おだやかに解決すること。でも、俺は暴力で解決する』

 勇次郎は四つに分裂したちゃぶ台を投げすて玄関に降りたつ。
 靴は逆向きに置いてあったので、こっそり向きを変えたハズだ。
 ちゃぶ台に注意を向けて庶民的な行動から目をそらさせた。上手い!
 そして範馬勇次郎は嵐のように去っていった。

『4つに引き裂かれたちゃぶ台と――――』
『父の言葉』
『反芻しながら思った』
(なんだ………
 いいんだそれで……………………)


 納得しちゃった!
 勇次郎に歩みよって欲しいという刃牙の思いは否定されたんだけど、納得している。
 やっぱり説得力は迫力から生まれるんだな。

 今回のセリフは、ちゃぶ台ちぎりが重要だったのだ。
 内容はともかく ちゃぶ台をちぎることで迫力→説得力が生まれた。
 刃牙もコーヒーや土下座よりも、もっと迫力あることをするべきだったのだ。
 たとえば全身をザリガニに挟ませながら謝罪するとか。

 コーヒーも中身を激熱おでんに変えるべきだったかも。
 刃牙が飲もうとしたら はんぺんが顔に落ちて貼りついて七転八倒する。
 そこで、すかさず「親父、今すぐコーヒー淹れてくれッッッッッッ!」と「ッ」を連発すれば、勇次郎も動くかも。
 刃牙世界では とにかく迫力が大事なんだと理解(わか)らせてくれるエピソードだった。

 ……迫力にダマされたけど、この2話って内容的には1話分ぐらいだよね。

追記 (10/8/18)
 範馬親子の団欒(?)は無事に終了した。
 一部読者の腹筋にダメージを与えたかもしれないが……
 とりあえず、次のターンに移行だろう。
 すなわち、輝く! 第二回地下最大トーナメントだ。

 流行のAKB48っぽく、BKA48ってことで48人トーナメントなんかどうだろう。
 どうせ一回戦は噛ませが大半だから有望選手はシードにして無駄な試合を減らす。
 もっとも、勝敗のわかりきった試合のほうがスピーディーで面白いこともありますが。
 準決勝まで、全部一話で相手を倒した烈海王とか、どの試合も名勝負だったと思う。
 烈vs克己あたりから、ネットを見ていますが、予想外の圧勝に当時のネットはド肝抜かれていたし。

 その他、波乱の一回戦といえば以下の試合がある。
・ まさか負けるとは思わなかった、本部さん
・ なにしに来たんだよ、加藤……
・ 打撃 vs 組技! 克己 vs イスタス
・ 柴千春、衝撃のデビュー
・ 驚異の大回転アッパー、ジャック・ハンマー
・ 試合には出られなかったが、伝説を作ったジャガッタ・シャーマン
・ 達人の強さにみんながビビった、渋川剛気
・ 範馬兄弟をさきどる、鎬兄弟の対決。

 もう一度トーナメントやるなら、同じぐらいのインパクトが欲しい。
 となると、烈海王、渋川剛気、ジャック・ハンマー、柴千春と同レベルの戦士が必要ってことだ。
 うわー、こりゃハードル高いな。

 烈海王に匹敵できる人間となると、インドのヨガ戦士とかだろうか?
 渋川先生なみの達人は、まだ日本にいるのだろうか?
 新たな範馬兄弟の可能性は……あるハズなんだけど。
 千春は精神力至上主義の具現化だ。暴走族を上回る気迫の持ち主が必要だ。

 どれもこれも、レベルが高い。
 やっぱり第二回の開催は簡単じゃなさそうだ。

 あ、そういや「BKA48」だと「バキ」って読めませんね。
 これじゃ「バカ48」だ。
 だが、ここは「刃牙キャオラ48」の略称だと思って流していただきたい。


2010年8月19日(38号)
第3部 第220話 選択 (876回)

 範馬勇次郎とのお茶会は、とりあえず無事に終了した。
 無事じゃなかったのは、ちゃぶ台だ。
 勇次郎が四つに引き裂いて帰っていった。
 刃牙は今後の食事をどうやって取ればいいのやら。

 って、よく見ると勇次郎は玄関前の廊下でちゃぶ台を引き裂いている。
 ちゃぶ台もったまま、わざわざ玄関前まで移動したんだ。
 クツをはく時のマゴマゴした様子から意識をそらすために、ちゃぶ台を利用したのだろうか。
 己の保身のために ちゃぶ台を切り捨てるとは、まさに悪鬼の所業だ。

 刃牙は怒るのかッ!?
 虐げられた ちゃぶ台の無念を晴らすべく、勇次郎への闘志を燃やしそうだ。
 一目散に地下へかけこみ、リアルシャドー百本組み手でもやるかッ!?
 だが、刃牙はその場に崩れ落ちた。

(俺は………………
 安堵しているのか!?)


 勇次郎との戦いを回避できて、ホッとしている。
 口で どれだけ親父と戦うと言おうが、体は正直だった。
 立つこともできず、四つんばいになって汗ダラだ。
 刃牙は本当に勇次郎と戦えるのだろうか?

 だが、そのまま恐怖に飲みこまれるような刃牙ではなかった。
 死に際の集中力を得るため、半分ヤケクソで崖に飛びこんだこともある。(G刃牙11巻 98話)
 刃牙はあえて勇次郎の後を追うッ!
 はだしのまま飛びだし、勇次郎を呼びとめた。

「どうした」
「コーヒーか?」

「……玄……
 ……関……」

「そっと……閉めなきゃ」


 さっそく無理矢理コーヒー淹れさせる気かと問う勇次郎に対し、刃牙はマナーの話でゴマカした。
 勇次郎は息子の腑抜けっぷりに怒ったのかもしれないが、とりあえず帰る。
 刃牙は突撃したものの恐怖に勝てず、戦いをさけたのだろうか?
 前回で決戦に三歩ぐらい近づいたが、四歩さがってしまったようだ。

 勇次郎は刃牙のヘタレを見抜いているのだろう。
 刃牙の成熟を待つため、あえて見逃したのか?
 または、刃牙のプライドに気を使ったのかも。
 どちらにしても、やっぱり息子には甘い親父だ。

 それにしても、勇次郎は一言いうために顔の筋肉動かしすぎだ。
 本当に筋肉つかうの好きだなー
 無駄に筋肉動かしてから しゃべっているよ。
 こんな時、どんな表情をすればいいのかワカらなくなったのかもしれない。

 背を向け、勇次郎は去っていく。
 片手を軽くあげて挨拶がわりだ。
 なんか刃牙の行動ってピンポンダッシュみたいだね。
 ちょっと音を鳴らして逃げる、みたいな。
 でも、刃牙の表情からすると、小さな達成感があったようだ。

『刃牙の心の中――――――』
『一つの言葉が高速回転していた』

("戻ってやりなおせ"は―――――)
(言いすぎだ)
(父親にそこまで言うのはやり過ぎだ)
(このくらいが丁度いい)


 足を震わせながら、刃牙は必死に自分を正当化する。
 近年まれに見るヘタレ刃牙だった。
 ここまでダメだったのは、布団に梢江が進入してきたとき以来だろうか?
 刃牙はイイ所を見せようとするとダメになるのかもしれない。

 ただ、敗北感に打ちのめされていないところに希望がある。
 チャンスがあれば戦う、という姿勢なんだし。
 もちろん「いつかヤる」と言いつつ、やらないって可能性はおおいにありますが。
 自分のことを振り返っても、非常に良くある。
 そのうちヤルよ。土曜日に『華と修羅』感想書くよ! などといいつつ……

 マナーの悪い父親に注意してやった。
 そんな感じに勝ったも同然と思い込もうとしながら刃牙は家に入る。
 まあ、地上最強にちょっとでも歯向かったんだから良しとしよう。

 とりあえず、新しいちゃぶ台を買いに行くんだ!
 つうか、ちゃぶ台を破壊したコトを怒ればよかったのに。
 いや、あの破壊は笑ってすませる問題じゃない。
 本格的な対決を避けるため、刃牙はあえて軽い文句を言ったのだろう。

 たとえば「親父、たまには違う服着たら?」と挑発してみたらどうか?
 コレは即死コースですね。
 いきなり背なの鬼面を開放して破りながら攻撃してくる。
 たぶん、勇次郎のファッションに突っ込んだらダメだ。

 勇次郎は来たけど、いつもと変わらぬ午後だった。
 刃牙はそう思いこむ。
 強く思いこめば、刃牙ハウスだって豪邸だ。
 梢江ちゃん、マジ美少女!


 そのころ、本物の豪邸で徳川さんが鎬紅葉と対面していた。
 徳川さんは治療よりも、大会開催を優先するようだ。
 もっとも、徳川さんのガンは転移しまくっている。(24巻 199話
 こうなると、治療といっても苦痛や進行をおさえる程度のコトしかできない。

 勝ち目の無い籠城戦をするぐらいなら、討って出て戦う。
 悔いなき道を歩むと徳川さんは決意した。
 一度の人生なのだから、勝負でしょう!
 もちろんリスクと相談して考える必要はありますが、何事もやってみるものだ。

 患者の延命をあきらめるコトに、紅葉は医者として悩んでいるようだ。
 だが、徳川さんの言うことは紅葉の心にも響いている。
 紅葉にも戦いたい相手がいるのだろう。
 それは、強く成長した弟・昂昇かもしれない。
 思うぞんぶん弟の体をコキャリたいのかも!

 つうか、紅葉には別に達成してほしいものがある。
 試合での初勝利だ。
 イケメンだけど噛ませ犬ポジションなんだよな。
 ジャックには、試合じゃないのに噛まれたし。


 米国では烈海王の対戦相手が決まっていた。
 烈とカイザーは、その対戦相手の試合をリングサイドで見る。
 顔をまったく腫らさずに、見事なKO勝利だ。
 防御も攻撃も超一流らしい。
 ニックネームはスモーキンだ。

「煙のように追いすがる」
「煙のようにまとわりつく」
「過去―― 試合中一度も後退したことがない」
「タイトルに一番近い男だ」


 超攻撃的なストーキング風ボクサーってことだろうか。
 なんかスゴい うざいボクサーだったりして。
 みつどもえの宮下みたいに。

 それはともかく。
 「タイトルに一番近い男」……だと?
 ワーレフなんて、タイトルをつかんだ男ですよ。それも、つい最近に。
 コレじゃあ、ワーレフと互角かそれ以下だ。
 徳川さんが悔いなき道を歩む以外の選択肢がないように、スモーキンも烈に弄られる以外の選択肢が無い。

 次回からは、スモーキン弄られ祭りの開催だろうか。
 しばらく烈ボクシング編がつづきそう。


 範馬親子対決は遠ざかり、徳川さんの出番がすくない。
 こっちの二つはしばらくお休みだろうか。
 そんなワケでここからは烈海王のターンだ。

 スモーキンが試し割られるのは、ほぼ確実だろう。
 たぶん、追いつけず まとわりつけず、初めて後退して無様に負ける。
 相手の長所を殺して倒すのが烈海王のパフォーマンスだ。
 ワーレフをしとめた「コーナーにうんこ座りして待ちかまえる」で充分たおせると思うけど、新技つかうんだろうな。

 スモーキンの強さはフットワークにありそうだ。
 片足の烈にとって、相性が良くないハズ。
 もしかしたら苦戦するかもしれない。
 烈は異質のファイトスタイルで戦っているから、強いのだ。
 ちゃんと研究して対策を立てれば、烈も苦戦するだろう。

 フットワークの強い選手を選んだのは、烈の優位性があるうちにボクシングを経験させようという考えかも。
 スモーキンはかなりの確率で噛ませ犬だろう。
 だが、烈を苦しめる可能性もある。

 なによりニックネームが気になります。
 サンドマンは聞き間違えだ。本当はサウンドマンだ。みたいなノリで爆弾発言をするかもしれない。
 スモーキンは聞き間違えだ。本当はスモウキング(横綱)だ!
 実はハワイ出身で元力士だったとか。
 大相撲はボクシングよりも優遇されているので、実現したら結構強いぞ!
 追いすがる、まとわりつく、まさに相撲の動きだッ!
 本部殺しの相撲術が烈海王に襲いかかるか!?

追記 (10/8/18)
 レッツ、ボクシング!
 というワケで、もう烈海王ボクシング編に戻ってきました。
 ボクシング編の問題点を一言でいうと「敵が弱すぎる」に尽きる。

 ワーレフ戦感想の繰り返しですが、実際のところ烈は楽勝じゃなかった。
 一方的だったけど、奇策で勝ったにすぎない。
 でも、それが伝わりにくいのだ。
 なんかまともに殴り合っても烈なら勝てんじゃね? という気がしてしまう。

 戦いに危機感が欲しい。
 ピクルと戦った時ほどの緊張感は無理にしても、もうちょっとドキドキしたいのだ。
 そのためには、敵の強さを見せつける必要がある。
 烈の相手になる時点で試し割の材料なんだけど、その試し割のために試し割が必要なのだ!

 そうなると、やっぱり試合前にムエタイ選手を殴り倒すパフォーマンスだろうか?
 最近、ムエタイ選手が出てきて無いから新鮮味があるかもしれない。
 ムエタイ選手をフットワークとジャブだけで制したスモーキンが、リングに上がる前に襲撃されて新選手の登場だ!
 すでにボクシング界に潜伏していた、中国武術ボクサーである。

「ぬぅ! その構えは! 失われたはずのッッッ!?」
「そう、文化大革命時に"旧文化の破棄"が叫ばれ、中国より脱出した武の本流。自由の国アメリカにて、みごと花開いたのがこの新・武術よ!」

 まるで、柔道vsブラジリアン柔術のような因縁対決が勃発だ!
 でも、これだと本当にボクシング関係なくなっちゃうけどな。
 やっぱり、ただのボクサーに興味ありません状態なんだろうか。


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