今週のチャンピオン(と言うかバキ)

2001年3月8日(15号)
第2部 第71話 虎殺し(451回)

「お会いできて光栄です」
 いきなり謙虚になっちゃった烈海王に、「ああ?」と克巳は眉をしかめる。まあ、いきなり横で態度変えられたら戸惑うのも無理はありません。
「大武練場を飛び出したのが40数年前………………………」「それから10数年後…………」
一人の大天才があの地に生まれたことは伝え聞いてはいた
「後のその男が3人目―――」今世紀最後の海王を継承した事も…」
 って、烈って30歳だったんですか!?
 30歳にしては、大人気無い言動が多い気もしますが(^^;
 うーん、それと刃牙の作中はまだ20世紀のようです。最後に年代が確認されたのは、グラップラー刃牙外伝で、関根努氏の年齢が45歳と出た書かれた時で、モデルの関根勤氏が1999年時に同じく45歳だった事から、当時の刃牙世界は1999年と考えられます。と、いう事で今も刃牙世界は1999年?
 さて、天才とおだてられた烈は当然だと言わんばかりの表情で受け流す。
「再び戦ってみるかね」「本来のわたしと」
「あなたが」「極刑に値する大罪を犯そうとも」「教えは絶対」
我々 拳法家に同門対決は許されません
 なんと、烈が戦線離脱ッ!先週の様子から、ドリアンと闘うものと思っていたのですが、掟には逆らえないようです。回想で倒されていた警備兵6名は「対決」と呼べるほどのものではなかったと言う事でしょうか。まあ、他流派の前で同門同士が戦うということは、秘奥義をさらけ出す結果になりかねないわけで、情報漏洩を恐れるのなら闘うわけにはいかないのでしょう。
 それにしても、ドリアンの見事な手際です。神心会門下生に囲まれた時は組み手と言う 一対一のスタイルを利用して、自分に勝てない事を思い知らせ、最小の労力で圧倒しています。今回は、口先だけで烈の戦闘参加を中止させています。
 見事な駆け引き、まさに稀代のペテン師です。
 だが、強敵はまだまだいるぞ!
「気にするこたァねェやな」「もともとアンタは部外者なんだ」
 烈と言う頼もしい戦力を失いながらも、克巳の表情に失望はありません
「誰がやらんでも」「俺がやればいいだけのこと」
 強いです。肉体面はともかく、精神面に関して克巳は格段に進歩しているように感じます。
 と、そこに今まで黙っていた独歩が割りこんでくる。
「師匠をさしおいて俺がヤレばもねェもんだ」
 さすがにこれには克巳も困ってしまいます。珍しく、すごくイヤそうな顔をしている。
「親父ィ 俺は神心会の代表「俺が創った神心会だ」
 さすが独歩有無を言わせません。これには克巳も「やめるって言ったじゃん」と小声でツッコむ事しかできない。
「しかも」「空手家の命と言えるものまで奪われちまってるんだ」
「な?」「ここはオイラに譲りな」
 と独歩が一気に挑戦権を獲得!
 それを微妙な顔で烈が見ています。同門と尊敬できる格闘家の闘い。どちらも応援できない複雑な心境がありそうです。
「フフ…」
「やっぱり喧嘩はよ」
「裸だろ」

 って、エ――― そうなんスかッッ!? っスかッッ!? (注:今週はこの後から5分間ぐらい無呼吸でツッコまないと足りません)
 上着とシャツやクツは普通に脱ぎながら、ズボンはベルトを外した瞬間にジャンプして一気に脱ぐッ!
 まるで、ドリアンに対し、脱出ぐらい俺にだってできるぜ! とアピールしているようだッ! つうか、その脱ぎ方でパンツが脱げなかったのは、なぜ? たぎっているのか!?
 そして、トランクス一丁になぜかごっついベルトつき。ズボンに付けていたベルトとは種類が違うので、わざわざズボンの下に付けていた事になります、なぜッッ!? 達人の行動は難しすぎるッッ!

 愚地独歩 またの名を 虎殺し

「あのスタイル………………」驚愕する克巳。
 20年以上も昔 あの地下で2.5m 260キロのシベリアトラとバカやった時のものだ
 ちなみに勇次郎に襲われたのが10年前、まだ神心会を創る前の話でしょうか?
 この話に烈も冷や汗を流す「伝説とばかり思っていたあの逸話……ッッ」
 思わず克巳も叫ぶ「実話だったのかよッ」
 って、アンタら信じてなかったのかッ!?
 アナコンダが倒される現場を目撃している彼らが、鎬紅葉が400キロのホワイトタイガーを素手でくびり殺したのを見ているはずの、アンタらが、それを言うのかッッ!?

 などと言うツッコミも虚しく、
「ただでも絶滅が叫ばれる最大の猫科動物シベリアトラ」
「動物保護団体の手前――――― 社会教育指導者としての立場―――」
「そしてなにより克巳よ」
「誰も信じちゃくれねェッてッッ」


 な、何を言っているですか、独歩さんに克巳よ。あ………アンタら……ッッ、義理の親子だろォ!?信じてやれよ、そのぐらい。信じていなかったけど、倒した時の格好は知っていたのか?
 少なくとも、本部は信じていたぞ!
 その実力以上に噂が先行し、いつしか本当の実力まで疑われてしまったのでしょうか?
 今こそ、武神の神秘のベールが外される時なのか!?
 それらの疑問をぶつけ、独歩ラッシュッ!!
 連打の最中に砕ける左手ギブス。ちなみに、左手のギブスはたまたま身に付けていた物だから美意識には逆らわないのでしょう。
「まずは………」
「お返しだぜェッ」


「アレ? え? 左手!? え!?」
 そう、なんと独歩の左手が生えている!
 テーピングを巻いているので切断個所がどうなっているのか判りませんが、くっついているようです。

「気ン持ちい〜〜〜〜〜」
 独歩の不敵な笑顔で次号へ続くッッ!!

 やはり、紅葉にくっつけてもらったのでしょうか?
 衝撃的な左手切断(00/03/09)からちょうど1年後の今日、独歩の左手がついに復活ッッ!
 今回はすごい回です。内容が濃すぎて、ツッコミ所が多すぎて、すげぇ展開に打ちのめされて、本当に酸欠気分ですよ。
 参りました、板垣先生ッ。
by とら


2001年3月15日(16号)
第2部 第72話 復活!!(452回)

「お返しだぜェェッッ
 と独歩の左拳が炸裂ッッ!
「え?」「あ…っ」「ひ…左手ェ?」と、これには克巳も大ビックリだ。ついでに烈も。
「気ン持ちいい〜〜〜〜〜」
 と、独歩は失ったはずの左手で人を殴る感触を楽しんでいる。
 その独歩の拳を見て首をかしげる克巳と烈。ぽかんと口を開けっぱなしで、ちょっとアホ面に見えます(^^;
「アリガテェ もんだねェ〜医学ってのは………………」
 と左手をニギニギやりながら、恐い笑みを浮かべている。なんか接合部分にテーピング巻いているだけのような気がして、テープをはがすとポロリと行くんじゃないか心配でしたが、指が動いている所を見ると全然平気のようです。
 さて、ここから回想…、場面はドリアンに左手を切断された直後に移ります。
 ハゲでヒゲで、おまけに切断された左腕をさらしながら歩く独歩。道行く人が振り返るのも無理ありません。恐すぎるですよ、この人。
 歩くホラー映画とかした独歩が向かったのは路地裏に存在する「梅澤外科」
 外れかけ傾いた看板を見ると診療時間10:0014:00〜17:00 休診日 土日祝日カメハメハ大王の息子のような勤勉さを誇る診療所のようです。
 カルテの散らばる机、灰皿いっぱいに詰まった吸い殻、キャップがされていない酒瓶、と胡散臭い、否、胡散臭すぎる診療所だッ。酒瓶はあってもコップは無い。つまり瓶からラッパ飲み。危険な芳香(かおり)がする…。
「おや」「懐かしい客もあったものだ」
 とドクター梅澤(?)が机に足をのせたまま独歩を迎えます。うーん、この人もヒゲですか…。危険な顔相をしている…。
「アンタが近所(ちか)くにいてくれて幸いだった」
 と信頼を寄せる独歩に対し、
「刃物じゃねェな…」「ピアノ線かな……」「先っぽは?」
 と、毛首から切断と言う異常事態に対し酒を(やっぱり)ラッパ飲みにし、あくび交じりに尋ねるッッ!この肝の据わり方は、ただ者じゃありません。きっとヤバイ人達の怪我を治す事で酒代を稼いでいるんでしょう。おそらく、花山もお世話になっているに違いない。
 さて、肝心の先っぽですが、ビニール袋に氷づけ。
「フフ氷づけか…………」「心得たものだな」
 自信と余裕の見える笑みを浮かべるドクター梅澤だった。
「麻酔はなしだぜ」「地獄を見るが3日後には歯ブラシが使えるようにしてやる」
 うむぅ、何と言う自信だろうかッッ! 神の拳を3日で治すと言いきっているッ!
 でも、手術中でも酒を飲んでいそうで、ちょっと恐いぞ。
 なお指の再接着は「4℃で保存することができれば、30時間以内において十分再接着可能である」そうだ。指と手では条件がかなり違うと思いますが、そこはドクター梅澤の実力と言うところでしょうか。
「オッ」「オッ」「オッ」「わかる… 動いているのがわかる……」
「すぐにでも人間ブッ叩けそうだぜ」
 指が動いた最初の感想が、それかいッッ! と、やっぱり喧嘩バカ一代な武神です。大喜びをしていても、人を殴る事は忘れないんですね(^_^;)
「人間ブッ叩くのは………………」「3週間以降かな…」
 一仕事終えて一服する梅澤さんの冷静なコメントで、回想終わり。

「残念だったなミスター海王」「復活しちまったぜ」
 満面の笑顔の独歩に対しドリアンも覚悟を決めたのか、服を(普通に)脱ぎ始める。
「君が…」「空手家として立ち合うというならば……」
「わたしも拳法家として応(こた)えるのが筋というものだろう」
 しかし、でかい。ドリアンと独歩の身長差は大人と子供の差ぐらいありそうです。
 急にフェアプレイ宣言をしたドリアンに意表をつかれたのか、独歩の表情が弛緩した。
「ヘェェェェックシッ」
 と、思っていたらドリフみたいなくしゃみを、しながら菩薩拳をボディにブチこむッ!
 卑怯さでは負けていないぞ、さすがは独歩!
「な〜にが拳法家としてだ」
 独歩の言葉を証明するかのように腹を殴られたドリアンの口からビンが吐き出される。地に落ち割れたビンから漏れた液体は、酸なのか地面を溶かすのだった。
◆!! !! !! !! !! 油断もスキも ―――ないッ!!
 次号へ続く!
 しかし、ドリアン相変わらず人間ポンプですね。地面に落下した衝撃で腹の中のビンが割れたりしなくてラッキーでした。
 あ、そういや末堂は?


 ちなみに「バキ」の次からは「浦安鉄筋家族」417発目★便乗してもいいですか?  でした。私は電車の中で読んだんですけど、吹き出さずにはいられませんでした(^^;
 刃牙ファンは必見!


 ところで、今週はアニメ情報が無いんですね。なんでだろう?
by とら


2001年3月22日(17号)
第2部 第73話 想い(453回)

 独歩の菩薩拳をボディに喰らい卵を生むピッコロ大魔王のように海王・ドリアンがビンを吐き出した。加藤に耳をそぎ落とされた時にも出していなかった冷や汗を出している事からも、この苦しそうな顔は演技ではなさそうです。
「ヘッ これだ…」「な〜〜〜にが「拳法家として」だい」と全国の読者の気持ちを独歩が代弁しています。
 さて、地面に落ちて割れたビンですが、中の液体が見る見るうちに地面(コンクリート?)を溶解(とか)していきます。うわっ、ちょっと強すぎですよこの酸はッッ
 更に言うと、このビンのフタはネジ式ではなくて、はめこんでいるだけです。中華料理屋のしょう油や酢を入れているビンははめこみ式が多いのですが、フタの部分を持ったせいで、フタが取れてテーブルに中身をぶちまけた経験は誰でも見聞きした事があるでしょう。
 こんなモン腹の中に入れていたらフタが取れて内臓から焼けるわいッ!
 しかし、それも覚悟の上なのか、酸に耐える自信があるのか、大胆不敵ですペテン師ドリアンッ! ガソリン火ダルマからも生還する驚異の耐久力は、花山を凌駕しているのではないでしょうか?
「酸?」
 一瞬、気を取られた独歩に因縁の加藤を仕留めた中国拳法の蹴りがッ!
 だが、独歩はその蹴りを受け軸足を刈る。そして、その後の技の連携は独歩を破った達人・渋川剛気の投げに酷似した、相手の顔に手をかけ落下をコントロールする投げだッ。剛気と違うのはフィニッシュにを叩きこもうとしているところだ!
 やはり、あの敗北がこたえたのか? 修行中に相手の技を研究していたのか?
 これぞ、新・独歩ちゃんスペシャルかッ!
 だが、相手はにも中国拳法の最高峰”海王”の名を継続(つ)ぐ漢ッ! 拳より早く空中へ、上空から独歩に、頭の縫合を外すのを狙っているような指先の一撃を放つッ!
 が、更にそれを独歩が正拳で迎撃だッ!
「ホォ〜〜〜〜…」 この高度な技の応酬に克巳も烈もただの観客と化す。
 そう、師匠(加藤)が死んだ今(まだ死んでいません)、驚き役が務まるのは愚地克巳しかいないッッ! だから、烈は末堂のために救急車を呼んでやれ! ちなみに、今週も末堂の死体は確認されませんでした。


 一方、場面は変わって…
 どこへ行っていたンだッ
 チャンピオンッッ
 俺達は君を待っていたッッッ!?
 21話ぶりに、範馬刃牙の登場だ―――ッ

 んでもって、現在、大家の娘とデート中ッッッッ!!

 それで、イイのか主人公ッ! ライバルは熱く激しいバトルの真っ最中だぞッ!?
「最近……」「いつもいっしょにいるなァ…って」などと梢江ちゃんに言われています。いつも一緒ですか? ラブラブですか!? そうですよね、君はデートの邪魔に入ったジャージのイレズミ男(97歳)を親友に預けて銃声を聞いてもデートを優先させた男でした。
 もう、死刑囚なんて眼中に無いのか、梢江ちゃんを喜ばす事に余念がありません。おそらくリアルシャドーでじっくり検討したであろう愛の言葉でメロメロにしておいて(衆目の中)唇を奪うッ!
◆こらえ切れない想いが
 今、あふれ出す…………!!
 次号へつづく!!

 今、ちょっとだけ来週が来なくても、いいと思ってしまいました(爆)
 今週、餓狼伝の方でも主人公の丹波文七が久々に出てきて、静かに荒ぶる所を見せてくれて読者に期待を持たせたのに対し、こっちの主人公はトキメく所を見せて、前半の超絶バトルを帳消しにしていきました。
 なんか、今週のジャンプで「こち亀」の表紙が麗子の巨乳水着姿で、笑えばいいのか泣けばいいのか、訳が分からなくなった気持ちを再び味わってしまったかのようです。
 まあ、需要はともかく作品の上での必要性はある程度あると思います(注:「こち亀」の水着についてではない)。健康な高校生だったら女の子ともデートはしたいだろうし(^^;
 ただ、このタイミングでデートに入られるというのは、どうかと思うんですよね。スペックの時のようにまた邪魔が入りそうな気はしますが。つうか、邪魔を入れろ。できればドイル。で、その美形に梢江ちゃんがメロメロになって、振られろ刃牙ッッ! 夢枕獏先生の「本朝無双格闘家列伝」には振られた後の男は気合が違うと言う事が書かれています。つまり、刃牙が強くなる通過点として、ボロ雑巾のように捨てられなくてはならないのだッッ!
 行けッ、刃牙ッ! 振られて「うわーーーん」と泣きながら、メチャメチャに暴れるんだッッ!!
by とら


2001年3月29日(18号)
第2部 第74話 唇(454回)

バキよ!! 地下闘技場王者よ!!
独歩とドリアンの死闘をよそに
キミは一体、何をしている!!

 初っ端から、アオリ文句でツッコマれている刃牙ッ! このアオリ文句は編集者の人がつけるらしいのですが、これは編集部でも刃牙の行動に対して疑問が持たれていると言う事なんでしょうか。板垣先生は編集者の言うことなんかお構いなしってイメージがあるのですが、今週の展開には編集部も固唾を飲んで見守るしかないッ!
◆街ゆく人の視線もかまわず2人は…!!
 と、再び編集者に攻撃されています。いや〜〜、それしにても、日に2度ツッコミを受けるバカがいるかッ!
 そして、見開きを含む6ページにも渡る無呼吸の接吻ッ! これはもはや「キス」なんて生ぬるいものではない、「せっぷん」だッッ!!
 第29話「2度目の…!!」でもかなり長く激しい口付けを交わしていましたが、今回はそれを上回る。昔ジャンプ系の雑誌に連載されていた「どとーの愛(作:小林よしのり)」 に無呼吸のヨガ・キスと言うギャグがあったと思うのですが、まさにそれを地でいってます。
 そして、このバカップルを見送るひとつの影がッッ。
 足にはカンフーシューズ、顎に梅干状のシワができるほど口を引き結んだこの漢はッッ!?
 どこへ行っていたンだッ 生物界のチャンピオンッッ
 俺達は君を待っていたッッッ!!
 65話ぶりに、範馬勇次郎の登場だ―――ッ!

 約1年4ヶ月と言う長い間、行方不明になっていた彼ですがついに登場です!
「刃牙…………」
「色を知る年齢(とし)か!」

 と、道のど真ん中でツッコむ鬼父(パパ)道ゆく人がみんな恐がっていますよ(^^;
 それにしても、これはどう言う感情から来た台詞なのでしょうか?
 闘いから背を向け、いちゃついている息子に対する怒りか?
 それとも、俺も17の時にはジェーン(本名:ダイアン・ニール)をはらませて1児の父だった(知らなかったけど)よなァ〜、とでも思っていたのでしょうか?
 ネット上の反応を見ると、息子の成長を見た複雑な父親の心境と言う意見が多いようです。

 一方、ヒートアップする独歩vsドリアンの拳の最高峰対決ッ!
 どっかの親子のせいで、すっかり話の腰をジャガッタ・シャーマンなみに折られてしまいましたが、それでもこの闘いは素晴らしいッ!
 正統派の中国拳法を繰り出すドリアン、低い体勢から変則的に動き確実に廻し蹴りを決める独歩!
 そのまま一気に攻めるかと思いきや、
「っとォ…」「上段モロ喰らって 即 反撃かよ」
 実際に手は出していないのですが、ダメージを感じさせない余裕をドリアンは見せている。
「ナルホド…………」「己の全てをカラテに捧げただけのことはある」
「そして」
「だからこそ わたしには 決っして勝てぬ」
 なんと、早くもドリアンの勝利宣言だ!?
 と、言うかまた何か言葉の魔術で罠にかけるつもりなのかッ!?
 多くの疑問を残し、次回へ続く!

 のだが、ああ、何と言う事だろう…。やっぱり、あの生物のインパクトの方が勝っていて、独歩とドリアンの闘いがかすんでいる。


 せっかくなので、勇次郎のあの台詞を検証して見ましょう。
 刃牙が不甲斐無いのは置いといて「闘争とは何か?」を考えてみます。闘争の原点はどこにあるのかを考えると、狩猟生活時代の狩に原点があるのではないでしょうか。ほとんど獣として狩り狩られる世界では、闘争とは生存競争の手段として、自己防衛本能によって行われているでしょう。
 同時に生き抜くために、食料を手に入れるために、食欲も闘争に大きく関わっていると思われます。
 ですが、今日生き残れても、明日はどうなるでしょう、そのまた明日は?
 自分の遺伝子を残すのは生物にとって生存と同じく大事です。そう性欲も闘争本能には欠かせません。動物世界ではメスをめぐって戦う事は珍しい現象ではないのです。
 人間が文化的な生活を手に入れ爆発的な人口増加をむかえたのは18世紀後半の産業革命以後です。寿命が50年以上ある生物にとって200年と言う時は遺伝的変化を迎えるには短すぎます。20歳で子供を産むとして200年で10世代、だいたい1年で世代の変わる昆虫に置きかえると10年になります。10年で進化を遂げる昆虫と言うのは余りいないと思いますが、人間もそれと同じく、肉体的にはほとんど変わっていません。
 と、言う訳で人間の闘争本能は、いまだに自己防衛・食欲・性欲による所が大きいのではないでしょうか。
 そう、巨凶なる範馬の闘争本能は、闘う事ももちろんですが、食欲も性欲も非常に強いのではないでしょうか。
 つまり刃牙は強烈な性欲を手に入れたことで、範馬の血レベル2の覚醒に近づいているのです!
 背中に「鬼」が浮き出る直前に梢江ちゃんの唇を奪ったのは偶然ではありません。覚醒寸前の範馬の血が騒いでいたのです。
 と言うわけで勇次郎も「うちのアホ息子も、これでまた強くなるな」と満足そうにしているのでしょう。

 私のページの掲示板ではジャンプのキャッチフレーズ「努力・友情・勝利」に対し、チャンピオンは「暴力・劣情・勝利(のメイクラブ)であるという意見が出ていますが、まさにそれを目指しているかのような刃牙の行動は、チャンピオン的主人公の正統派(ストロングスタイル)かもしれません。


 あー、ところで読者投稿の司会は次回から「デ・ジ・キャラット」になるようです。「デ・ジ・キャオラット」などと言うまがい物ではなく本物のようですね。最近、美少女系の作品が増えている気がするのですが、そう言う編集方針に移っているのかもしれません。それは、それで嫌いではないのですが…
「色を知る雑誌か!」
by とら


2001年4月5日(19号)
第2部 第75話 ワナ(455回)

 色を知る年齢(とし)か! と突っ込まずに入られない表紙から始まる今週のバキです。我らが主人公は、何をやっているんでしょう。権利が大ありなんでしょうか? それとも最強の毒ガスが何か教えているんでしょうか? 謎は謎のまま話は進みます。

「全てをカラテに捧げた者には」「決してわたしを越えられぬ」
「ほう」「面白ェえ ことを言うジッちゃんだな」
 55歳の独歩から見てもドリアンはジッちゃんと言う事なんですね(^^;
 そして、ドリアンのこの台詞の裏には己の中国拳法への自負があるのか、それとも武器を使わないなどと甘いことを言っている限り自分に勝つことはできないと言う意味なのか。それらの疑問の中、ドリアンのとった行動とはッ、「ユゥラ〜〜〜〜…」
「見ろよ」「あっち向いて表演(注:演武のこと)始めやがったぜ」
 なんと、戦闘中に演武開始ィーッ!
「隙を見せてるつもりかよ」「やることなすこと いちいちがウサン臭ェヤロウだ」と、克巳もこの演武には戸惑っています。
 それを受ける独歩は、隙を作らないためか足で小石を2つ掴んではじき手に取ります。そして、その小石を投げる! 克巳に向かって!
 さすがは克巳です余裕で小石をはじき飛ばします。「なんのテストだい親父」と克巳は問い掛けますが独歩はそれには答えず、今度はドリアンへ石を投げる。
 その石は背を向けているドリアンに届く前に消え…
「愛息子とわたしを比べようと言いたいのかな」
「果たしてどちらが合格かな………?」
 なんと開かれたドリアンの手の中には砂がッ! 投げた石を砕き砂にしたと言うのかッ!? 恐るべき人間削岩機・ドリアン海王!
 そして、掌中の砂を独歩に吹きかける!
「無理だ」「しょせん君らでは」
「わたしを超えられぬ」

 目潰しを機に一気に攻めたてるのか、卑劣なる男・ドリアンよッ!
 だが、独歩が双手の掌底で迎撃ッ!
 更に足払いから相手をひっくり返し正拳を叩き込む、73話で使用された渋川スペシャルから来たと思われる新・独歩スペシャルが炸裂ッ!

「脆い」
 予想以上のドリアンの脆さに独歩も戸惑う。独歩で無くとも、中国拳法の達人と言うよりは、ペテン師の方が似合っているドリアンのことなので、何か企んでいると言う気がしてなりません。
 と、思っているといきなり、
「許して………」
 ドリアン土下座ッ!

 ヤバイッ! この状態はペテン師警報・レベルMAXだッ!
「技術が及ばぬなら武器を用い………」「敵わぬと判じたなら許しを乞う」「つくづく…」
 あまりの恥知らずな態度に独歩の怒りは最高潮へ…
 が、

 その独歩の背後にドリアンがッ!

◆こ、これは…!! 加藤を倒したあの技か………!? 次号につづく!!

 なにやってンだよ 親父!!!
 果たして、独歩に克巳の声は届くのか!?
 愚地独歩、大ピンチです。

 今回も催眠術なんでしょうが、あの演武が催眠の導入に使われていたとような感じです。ですが、その一方で一緒に演武を見ていた克巳と烈は催眠術にかかっていません。
 彼らの差は、砂の目潰しを受けている・いない、ぐらいしかありません。
 そう、砂です。あの砂、小石を砕いたにしては量が多すぎます。
 老獪なドリアンは石を投げられたときに、石は適当に払って、あらかじめ用意していた砂を手に握り、さも石を砕いて砂にした様に見せていたのではないでしょうか?
 もちろん、その砂もただの砂ではありません。催眠効果を上げるため薬品が混じっている可能性が高いでしょう。
 その砂をまともに浴びてしまい、独歩は幻覚を見せられてしまったのです。と、考えられますが、実際のところはどうなんでしょうか?
 同じ幻覚を見るにしても、加藤に比べると独歩はずっと紳士ですね。許しを乞う相手に「許すかバカッッッ」などとは言いませんもん。

 ところで、ドリさんの「わたしを超えられぬ」ですが、「君ら」でくくっている所を見ると「空手」に対してでは無く、「まっとうな闘いしかできない武道家」に対しての台詞だったようですね。
 結局、先週の主人公は何だったのかのままですが…
 次回の独歩の運命が気になるッッ!
 独歩がドリアンのワナに気がついていることを祈りつつ、次回へ…
by とら


2001年4月12日(20号)
第2部 第76話 幻惑(456回)

「お…おい」
「どっち見てンだよ親父………」

「親父ィィッ」
 ドリアンの超必殺技(?)催眠術によって、アッチの世界に行ってしまった独歩、大ピンチだッ!
 この異常事態に克巳は叫び、烈でさえも冷や汗を浮かべ押し黙ります。
「聞こえぬさ」
「たとえ耳元で叫んでも……」

 対称的にヒゲの怪人・ドリアンは余裕の笑みを浮かべ、せっかく取った独歩の背後から、悠然と独歩の周囲を歩きだす。
「ミスター愚地は闘っているのさ」「彼の脳が造り出した」「自分の思い通りになる虚像(かりそめ)のわたしとね」
 必死の形相で汗をかき、見えもしないドリアンと闘いつづける独歩の姿を見て克巳も平常心ではいられない。
「烈ッ」「オマエらあんなことやるのかあ」
 それは中国拳法を持ち上げすぎでしょう、世界ビックリ人間じゃ無いんだから。と、烈が思っているかいないか分かりませんが、烈の方は比較的冷静に状況を捉えています。
「中国拳法ではない」「おそらくは催眠術ッッ」

「あざやかに勝ちたい」「圧倒的に勝利したい」
 そう願う闘争者の心裏の弱みをつき術を施すッッ
 術中の闘争者はこうあって欲しい安易な敵を造り出し こうあって欲しい試合展開をイメージしてしまう
 なんで中国拳法では無い催眠術について烈が詳しく知っているのか少々疑問ですが、独歩の左手が落とされた時に、「武術家も科学の勉強をしなきゃならねェご時世かい……」と独歩に言われ、科学の勉強をしたのでしょう。
「愚地氏は現在(いま)ドリアン氏の術の中で」「仮初の敵を思い通りに圧倒しているのだろう」
 解説するうちにヤバさに気がつき始めたのか、烈も冷や汗を出し始める。そして、…
 独歩のリアルシャドーがついに周囲の人間にも見え始める!
 さすがにノリの良いアナウンサーがいないので、集団幻覚も長続きしませんが、時折ぶちのめされているドリアンが見えます!
「武神と謳(うた)われた男もこうなると可愛いものだ」
「幕を降ろそう」
「今見ている夢を永遠のものとするために」
「行きなさい」
「終わりのこない夢の世界へ!!!」

 とろけるような悪魔の微笑をうかべドリアンが遂にフィニッシュへ!

 が、ドリアンの拳をはじき、カウンターで独歩の前蹴りが炸裂ッッ!

「???」
 予想もしていなかった反撃にドリアンの顔が水面に浮かび上がって破裂寸前な深海魚の様に苦痛に歪む。
 更に独歩の追い討ち、強烈なアッパーにドリアンの目が泳ぎ、膝から崩れダウンッ!
「オ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
 独歩の反撃に実況(克巳)と解説(烈)も沸きあがる。
「かかってなかったのか!? 催眠術にッッ」
 実況の問いに解説が答える。 「否…ツッ」
「解けてないッ」

「知っているのだ」
「百戦錬磨の愚地氏は闘いが安易ではないことなど知りつくしているのだ」
「闘いとは不都合なものッッ
闘いとは思い通りにはならないものッッ」
「武神 愚地独歩にとって―――」

 それが闘争いなのだ!!!

「ホワイ………」とつぶやき倒れたままのドリアンに容赦の無い足刀が襲いかかるッ!
 次号へつづく!

 前回、大ピンチと思われた独歩がピンチを脱出できていないのに大逆転! 相変わらず予想のつかない展開です。
 やはり加藤とは心の強さ、闘争の経験、全てが違っている様です。
 ドリアンもドリアンで、加藤の時のように催眠術を解いたりせずに、そのまま殴りに行くあたりに心の弱さを感じます。まあ、独歩と加藤では渋川さんと本部ぐらいの差があると思うので無理も無いのですが(^^;

 せっかく催眠術をかけたのに不意打ちが失敗したドリアンですが、背後から襲いかかれば良かったのに、最初はそう思っていました。しかし、相手は武神・愚地独歩です。寝ても覚めても人をブン殴る事ばかり考えている人です。寝ている時に飛んできた蚊を菩薩拳で殴り潰すような人です。  殺気を出しまくっているドリアンが背後に立ったら、やっぱり催眠術にかかったままで殴っていたような気がします。
 先週の展開を一気に崩すこのパターンは花山vsスペック戦の展開に通じるものがあると思いますが、そのパターンで行くと、次回はドリアンが繊維を使用するが失敗して、敗北かと思わせたところで意外な技を出して逆転するのでしょうか?
 それとも、深夜営業している遊園地にどこぞのバカップルが父親同伴で侵入してくるとか?

 チャンピオン裏表紙の刃牙トレカですが、36人のグラップラーが揃い踏み!とあります。そう、人数が2人足りません。もちろん、栗木&シャビエルでしょうね(^^;
 4人でチームを組んで闘うらしいのですが、結構ドリームが広がります。「花山、千春、加藤、フィルス」の実戦喧嘩チームとか「加藤、本部、山本稔、、マイク・クイン」の元気そうだけど勇次郎退治に呼んでもらえなかったチームとか、「ロブ、シットパイカー、シルバ、ハーロン」のゲーム攻略本公認・瞬殺トップ4チームとか考えているだけで夜が明けてしまいます。
 こっちも発売が楽しみです。
by とら


2001年4月19日(21号)
第2部 第77話 予感(457回)

 催眠術にかかったままと言う異常事態にもかかわらず、闘う武神・愚地独歩!
 ダウンしたドリアンに的確な足刀を撃ちこみ、無事だったもう一方の耳を半分削ぎ落とすッ!
 かつて、テグスを使ってドリアンの耳を落とした加藤に「そのうちテグスも持たなくてすむ」と言っていましたが、まさにその通り。武神・愚地独歩にとって肉体こそが武器なのです。
 だが、海王の名を持つドリアンも黙って殴られているわけではない。ちぎれかけた耳を意に介さず独歩につっかける!
 だが、独歩はそれを正拳で迎撃! 腰の動き、脇から真っ直ぐに突き出される拳、まさに正拳のお手本のような一撃がドリアンの頬に突き刺さり、奥歯を砕き折る。
「……」「きれいな」「空手だな」
 かつて、ご老公に「気持ちのいいくらい正統派(クラシック)な空手じゃな」と評された事のある克巳が、思わず見とれてしまうほどの美しい空手だ。
「あれで催眠術にかかったままだと言う」
 烈も、信じられないような状況で、恐るべき技を繰り出す独歩に賛辞を惜しまない。
 そして、おもむろに…
「解きましょう」「術を……」
 なんで急にそんな丁寧な口調にッ、と言うか解けたんかいアンタッ!?
 このガングロ中国人は油断するとさり気なくとんでもない事を言い出します。やはり、華僑として全世界を股にかけその商才を発揮してきた中国人は一筋縄では行きません。
 先週は「中国拳法ではない」と言っていた烈ですが、なぜ他人のかけた催眠術を解くことができるのでしょうか。これも科学を勉強して学んだのでしょうか。
 まあ、解説はすごいのですが、予想はまったくと言ってもいいほど当たらず、実戦でもパッとしない本部さんよりは、はるかに優れた解説者と言う事ができますね。
 が、独歩の催眠術を烈が解く前に、ドリアンの起死回生を期する反撃が始まる。
 なんと、折れた己の奥歯をつぶてとして吹き出したのだ!
 己の奥歯を目つぶしとして使用する執念は賞賛にも値しよう!!
 だが、その攻撃も独歩には通用しない。鉄壁の回し受けで見事に迎撃だ。
 ところで、催眠術は? と思っていると…
「べつに変わったようすもねェな」
 と克巳が実況を開始する。
「凄いことです」
 とまたもや妙に丁寧な言葉遣いで烈が解説を始める。
「幻影の動きと――― 現実の敵の動きに差が生じていない以上 変化は起こり得ない」
「愚地氏にとって―――
 自分が催眠術にかかっていたことなど記憶にないということです」
 うーん、と言う事はドリアンが土下座した場合の正確な行動をシミュレートして、現実にドリアンが殴ってくる瞬間に幻影のドリアンの動きと現実のドリアンの動きがシンクロし、そのまま闘いつづけていると言うことなんですね。
 刃牙のリアルシャドーと同じ原理の様ですが、刃牙の場合はネタバラシをすると、その後は違う展開になってしまうらしいのですが、独歩の場合はそこから更に軌道修正して現実を再現しているようです。
 こうなってくると、刃牙と独歩の、どっちが凄いとかそう言うレベルでは無く、とにかく凄い!としか言えません。
 催眠術と言う小手先の技に頼るのを止め、己の肉体をふるい出すドリアン。研ぎ澄まされた爪で独歩の眼帯を切り落とす。この爪の使い方は、vs刃牙戦で烈が見せたものに似ている事から中国拳法の技かも知れません。
 勇次郎に抉り取られて以来、初めて見せる眼帯の下の右目。渋川剛気は闘いのクライマックス近くになると義眼をよく落としますが、遂に独歩もすべてをさらけ出しての最大全開モードだ!
 繰り出されるドリアンの手刀を一度は切り落とされた左の拳で迎え撃ち、爪も指もボッキボキに破壊する。
 だが、そのダメージにもひるむ所を見せずにドリアンはカカト落としを繰り出す。しかも、クツ底から刃物が飛び出す「殺し屋1−イチ−」のような刃物付きカカト落としだ!
 だが、なんとその刃物を真剣白刃取り!
 そのままノドに足刀を決める、強いぞ独歩! 果てしなく強い!

 だが、ドリアンには不気味な余裕が感じられます。
「日本に闘神(ファイティングゴッド)がいると聞いた その鉄拳は木材を断ち切り虎をも屠り去ると
 君ならあるいは!!?
 夢をかなえてくれるのでは!!?
 こうすれば良かったとか――――
 あれを使用ったら勝てたとか――
 一点の疑問の入る余地もなく――――――
 曇りもなく

 真の敗北を与えてくれるのでは!!?

 久しぶりに出てきた「敗北を知りたい」と言う謎の言葉です。
 自分の砕けた左指を見て恍惚としているようなドリアンの表情から、この言葉が嘘とは思えません(それとも私がペテンにかけられているのかなぁ?)。
 ドリアンの望む敗北とは自分の全能力を全て出しきって、なお及ばず負ける事を指しているようです。
 花山に負けたスペックもそうでした。自信のあった素手の攻撃が通用せず、武器を使っても敵わず、最後にもう一度すがった己の肉体も理不尽な握力の前に敗れ去る。
 運が無かったとか、もっと卑怯な手を使えばとかそう言う問題ではなく、完璧に圧倒的に敗北しています。
 これは「敗北」と言うよりは、「己の全力を出しきった」と言えるのではないでしょうか。
 今まで、相手が弱すぎて全力を出すことができなかった。だから、自分が敗北するぐらい全力で闘いたいと言う思いがあったと言う気がします。
 一歩間違えると敗北して「なんか…… 気持ちいいや」と言ったアンドレアス・リーガンと同レベルになってしまうところが情けない推論なのですが(^^;
 この推論で行くと死刑囚が勇次郎と闘わない理由にもなります。彼らはただ敗北したいのではなく、最後の一滴までの力を振り絞って倒れたいのです。勇次郎が相手だと、全力を出す前に潰される可能性があります。全力を出しきるには、自分の力量とほぼ互角の相手と戦うのが1番望ましいはずです。
 つまり、勇次郎は他の相手では自分に敗北を味あわせる事ができなかった時の最後の切り札です。
 少しづつ戦う相手のレベルを上げていきながら、自分と互角の力量を持つ者を探しているのなら、いきなり勇次郎と闘ったりはしないでしょう。

 ただ、そうなると、勇次郎の方が死刑囚にからんでこない理由と言うのがわからないんですよね。
 こっちの方は色を知ってしまった息子さんの行動によって明らかになるのでしょうか?

 今週はラストのアオリ文句が無い事からも編集さんも困惑する引きと言う事が推測されますが、次回は本気の本気を出したドリアンの最後の攻撃が始まるのではないかと思います。
 最後の方のページの予告では「ドリアンvs独歩!! ついに決着か!?」と書かれていますが、まだ荒れそうな予感がします。
 どうなる、次回!?
by とら


2001年4月26日(22+23号)
第2部 第78話 再会(458回)

「再会」と言うサブタイトルですが、本当の自分に再会と言う意味なのか? となるとドリアン復活なのか? などと考えつつ、今週の刃牙を読むのであった。

「真剣白刃取り」「実戦で使用されるのを初めて 見たッッ」
 と、まるで加藤のような驚き方をする克巳です。すっかり驚き役と言うか実況者として板についてきていますね。
 しかし、10年以上も独歩と暮らして来て「伝えられることは全て伝えた」などと言っていた割には伝えていない事が結構ありますね。
 まあ、それはともかく、独歩の猛攻によってついにドリアンが冷や汗を流すッ!
 刃牙にとって、冷や汗は敗北のサインだ。今度こそペテン師ドリアンも年貢の納め時か?
「強いなドッポ・オロチ」「感動的なほど」
「弱気じゃねェか」「一途に打ち込んじまったオイラによォ」
 息を乱し冷や汗をかきながらも減らず口を叩くドリアン。
 己の全てをカラテに捧げたから、決して勝てないと言われた事を根に持っていたのか手厳しい言葉を返す、愚地独歩。
 共に凄まじき戦士同士の激闘もクライマックスが近いようです。
 反撃を試みるドリアンに対しての独歩の反撃が強烈です。
「どうでェ」「砕かれたばかりの拳を蹴られた気分は」
 エ、エゲツナイですよ…この人は。容赦無くダメージを与えていきます。
「OH〜〜〜」
 さすがのドリアンも、なぜか独歩に背を向けカメラ目線でスペックに負けない声で叫んでいます。
 さらに連打 連打! 連打!!
「あの人の正拳中段突きは特別製だ」「ブ厚い筋肉に守られちゃいるが胸骨は無事じゃすまねェ」
 またもや適切な実況を伝えてくれる克巳です。もっとも、その正拳突きも勇次郎には通用しなかったのですが…。しかし、ドリアンには通用した! 喰って胸骨がベキボキです。
「どうでェ……空手に全てを捧げた男のパンチは…?」
「武に全てを捧げるのではなく―――」
「武が己に全てを捧げたとカン違いしている おまえさんにゃとうていできねェ芸当だ」

 うーん、凄いです。さすが土日無しで人をブッ叩くことしか考えて来なかった武神・愚地独歩は一味も二味も違います。
 今は亡き(?)加藤が言っていた言葉「愚地独歩にとっての空手とは道」がここで生きています。思えば加藤の特攻はドリアンから催眠術を引き出し、武道に対する「道」と「道具」と言う姿勢の違いを見せたと言う意味で作品に一つの深いテーマを加えたのでは無いでしょうか。
 そう、加藤の死(?)は無駄ではなかったのです…。
 とりあえず、末堂よりは意味があったような気が(^^;

 加速する独歩の攻撃は、さらにドリアンの両膝を砕きます。
「武の神様はケチでしみったれなんだ」
「あれもこれもどれも全て―――
 差し出す者にしか本物はくれねェよ」

 とどめを刺そうと、握る拳は菩薩の拳
「武に全てを50年奉げ続けて」「やっと手に入れた珠玉の正拳突きだ」
「敗れるのか!? わたしが!!?」
 左手を破壊され、胸骨を砕かれ、膝を折られ、大量に出血するドリアンが震える。
「震えている…………!!?
 わたしが怖れている!!!」

 敗北も、恐怖する事もペテン師ドリアンにとって初めてなのか、自分の感情に戸惑っています。
 だが、この展開はドリアンが自分の中に眠る力に目覚めちゃいそうで、少々ページをめくるのが怖いです。
 そして、放たれた独歩の拳はなぜか寸止めッ!
 なぜ、寸止め?
 誰もがその疑問を感じている。
「おい」「いいぜ」
 と、寸止めをした独歩が何者かに声をかける。そして、ページをめくると……

「か…ッッ」「加藤ォォッ」
 猪狩よりも酷い包帯巻き、目は虚ろ、口は半開きでよだれがたれている、おまけに車椅子に乗せられている。
 この痛々しい姿で加藤清澄、電撃退院ッ!
 って、それはちょっとムチャし過ぎなのでは…。どう見ても本人の意識は無さそうですよ、コイツ。ちゃんと病院で寝かせてあげていた方がいいと思うのですが…
 加藤が何をしに(されに)やって来たかは次回のお楽しみだ!?

 またもや板垣先生に予想外の展開を突きつけられたのですが、加藤の役割を推測してみます。

(1)目の前で敵討ち
 1番シンプルな理由がこれですね。
 シンプル過ぎて、外れそうですが。

(2)説教
「見とけよォ、加藤。オイラが勝つところを…。空手は『道具』じゃねェ『道』なんだ」

 と加藤に語り掛けるふりをして、実は道を踏み外しそうな克巳に説教をする。
 まあ、相手はともかく説教と言うのはありがちな感じですよ。問題は加藤の意識が無いっぽい所ですね。声が届かないですよ。

(3)加藤を闘わせる
「この秘孔を突けば一時的に動く事ができる。だが、その後は…」

 と渋る烈にムリヤリ秘孔を突かせてドリアンと闘わせる。
「神心会に敗北は無い!」
 と、言って本人の意思も確かめず、闘わせちゃう。と、言うのはさすがに無いか…。
 でも、重傷の加藤をあえてこの場に呼んだのは、「自分の仇は自分で討たせる」いうぐらいの理由がありそうな気がします。
 なんにせよ、次週…………、あゴールデン・ウィークが間に入るから次回は5月10日で再来週ですね。とにかく、次回だ!
by とら


2001年5月10日(24号)
第2部 第79話 決着(459回)

 サブタイトルは「決着」ですか、どう「決着」つけるのか非常に気になります。

 車椅子に乗せられ、加藤清澄・電撃参戦!?
 2部に入ってからの加藤は読者を驚かせる事に文字通り命をかけているようです。点滴や輸血用のパックを確認できるだけで3つも付け、片手に3本づつ管を刺しています。ハッキリ言って死にかけにしか見えないのですが…
 ちなみに車椅子を押しているのは、神心会の門下生の様です。ひょっとすると指導員の木ではないかと期待されていたのですが、今回初登場のようです。
 まあ、そんなことより危篤状態の獅子(デンジャラスライオン)加藤です。
 前回、よだれだと思ったのはビンで切られた痕のようですが、なんかファンタジーな点描が背景に浮いていて非常にヤバそうだ。
 これには克巳も「マジかよ…」と本気ツッコミし烈先生も冷や汗を流すしかない。
 そんな二人の表情を見てか、なんか満足そうな独歩であった。
 と、そこへ1台の車が突入してくる!初老の紳士が車から出てくる。
「どういうつもりだ君ら」
「重体の患者をこんなところへ引っ張り出してッッ」

「殺すつもりか君らは」
「ええ?」

 と、一息に読者の疑問と、一般的正論をまくし立てる!
 ええ、まったくその通りです。何を考えているんでしょうね、独歩は?
 なお「君ら」と共犯者にされた克巳&烈先生や「殺すつもりか君らは」と言うより今から殺されそうなドリアンさんもまとめて怒鳴られているので非常に気の毒です。

「従業員に君の門下生がいたので強引にここへ連れて来させた」
「君のやろうとしていることは殺人事件にすらなりかねない」
「納得のゆく説明をしていただかねば警察へ連絡させてもらうつもりだ」

 やはり加藤が入院していたのは神心会の息のかかった病院だった様です。さすが全国100万人の組織ですね、その気になればクーデーターぐらい簡単に起こせますよ。
 そして、殺人事件になりかねないと言っていますが、そのすぐそばに両膝を破壊され胸骨をボキボキに折られた脱走中の死刑囚と、ジェットコースターから落ちて瀕死の空手家が転がっているはずなのですが、そちらはいいのでしょうか?
 と、言うかこの時点で、殺人未遂は言うに及ばず、集団による誘拐、監禁(?)、銃刀法違反、密入国、脱獄など数々の現行犯の証拠が山盛りと言う気がしますが…
 とりあえずドリアンの件だけでも、警察に連絡は必要だと思います。
 もっとも、神心会関係者によってその連絡は握りつぶされる可能性が高そうですが。
 そんな渦巻く疑問の中で独歩の答えは、
「闘う」
「あそこでヘバっているでっかい白人を加藤がとどめを刺すのさ」

 って、ムチャや それ!と全国の読者が突っ込んだ事でしょう。
 当然、医者も突っ込みます。
「あのね………」「現在加藤君は」「全身打撲10数ヶ所骨折の重体にあり」「さらには出血多量により意識もなく」「闘えるとか闘えないとかそういう次元の………………」
 と親切な解説の間に、点滴のチューブをブチブチ引っ剥がし意識の無い患者(クランケ)が歩き出す!
 目も虚ろのまま、ドリアンの前に立つ加藤。何が加藤をそこまで動かすのか、なぜ加藤が動けるのか。ただ立っているだけで壮絶な加藤の姿に、ドリアンはガチガチと歯を打ち鳴らす!
「ダメージは五分といったところだ」
「加藤」
「ブチのめしてやれいッッ」

 その言葉に加藤が動いた!
 くすぶり燃えている命の切れ端を激しく燃やし尽くすがごとく、加藤が踏みこむ!



「わたしの敗けだァァッッッ」


 ドリアンが吠える。敗北に涙と鼻水をほとばしらせ、ドリアンが哭くッ!

 夢にまで見た敗北を知った喜びの涙なのか、初めて感じた恐怖による涙なのか、とにかくドリアンは敗北した。
 肉体は独歩に凌駕され、精神では侮っていた加藤に圧倒され、ドリアンの完全敗北!
 本当に凄い敗北(まけ)っぷりです、この人。
「心配かけたなドクター」
「タンパク質とカルシウムでしか人体を語れねェ医者にはワカらねェ世界だろうな」
 もはや、打撲・骨折など小ざかしい事しか言えない無知な医者にはたどり着きたくない境地です。
「決着だ」
 そして、締めの言葉と言うおいしい所はやっぱり持っていく武神・愚地独歩であった。

 まあ、ある程度予想の範囲内で終わったような気もするのですが、最後の最後で加藤の凄まじい人間力が炸裂した所にドリアン編の全てが詰まっている気がします。
 思えば、ドリアン編は「ドリアンvs独歩」では無く「ドリアンvs神心会空手」だったのでは無いでしょうか?
 最初に、武道の意義を忘れかけスポーツになりかかった神心会空手をドリアンが強襲する。
 そして、日々の鍛錬をあざ笑うかのように超科学は鍛えられた肉体を破壊する。
 手段を選ばぬドリアンに対抗すべく、空手家でなくて言いと言い放ち武器を手にする神心会空手であったが、空手の意義とは手を空にする事にあり、肉体を武器に変えることにあると初心を取り戻す。
 武器を手にし、それでも敗北した神心会空手は復讐を決意し、組織力でドリアンを追い詰める。だが、一対一でしか闘えない体質を突かれ簡単には優位に立てない。
 ドリアンの罠を古来より淘汰され研究されてきた技を用い破るものの、さらなる罠により傷つく。
 だが、武に全てを捧げて来た神心会空手は、武が己に全てを捧げたと思っていたドリアンを遂に凌駕するのだった。
 最後にドリアンに決定的な敗北を与えたのは気迫だった。
 こうして最終的に神心会空手は鍛えられた己の肉体と不屈の闘志で勝利を収めたのだった。
 このドリアン編の主役は独歩であり、克巳であり、加藤であり、末堂でもある。神心会の皆が皆イカしていた。もちろん客分の烈海王も、「存分に堪能なさるのが よろしゅうございますよ」のウエイターさんもタクシー運ちゃんもイカしていた。
 今回は独歩がほとんどダメージを受けていないと言う話を良く聞くが、神心会としてはかなり満身創痍の勝利だったと思う。

 そして、長かったドリアン編も終了し、次回は誰の登場になるんでしょうね?
 1番長い間、出番が無かったのはシコルなんですけど、出番自体が少ないのはドイルです。この2人のどちらかが出てくる事に期待ですね。
 個人的には色を知ってしまった刃牙とその父のその後が非常に気になるのですが…
 ちなみに、アニ刃の梢江ちゃんは「ヒロイン・梢江ちゃんもより魅力的に描かれているぞ」と紹介されていますが、それでは本編の梢江ちゃんに魅力が無いみたいですよ…(^^;

 それと、5月25日にDVD&ビデオが1巻、2巻同時発売!
 ベストの呼び声も高い感動の第四話「牙と絆」までが収録される様です。と、言うかなぜ2巻同時??
 秋田書店の経営戦略は難しすぎます。コミックス版「バトルロワイヤル」も2巻同時発売だったし…
by とら


2001年5月17日(25号)
第2部 第80話 策略(460回)

 なんですか、このサブタイトルは?
 そしてアオリ文句は「闘いは未だ序章――――――」
なんじゃ、こりゃァッ!

「なんだこれは!?」
 またもや読者の気持ちを代弁するかのように、例の医者が呟きます。
 何を見て呟いたのかと言うと…
「ミスター・ドリアンの右上腕なんですが…」「わたしもビックリしちゃって……………」「治療用の補助器具でしょうか」
 ドリアンの右手のレントゲン写真の様です。手の平側、手首の付け根近くに四角い何かの影が…
「電池…」「小型の爆弾のようにも見える」
「……とすると起爆装置が下――――――」
「つまり手首側にきているワケだ」

 掌底の手首側を物にぶつけると起爆装置に衝撃が走り、爆発する!という構造なのだろうか…。医者の的確な推理により使い方まで解説されています。
「イヤ…その」「今夜はお疲れのようですので」
 折角の名推理だと思うのですが、助手(神心会所属)が勝手に老人の考えすぎ(妄想扱い)にしてしまいます。
「ウム…」「今夜は飛躍したものを見すぎてな……………」
「お察しします」

 と、この医者コンビは納得してしまうのでした。
 所詮、タンパク質とカルシウムでしか人体を語れねェ医者にはワカらねェ世界だろうな。どうも彼らは、まだまだ飛躍したものを見足りないようです。
 ところでドリアンの手のレントゲン写真ですが、どうも映画「ハンニバル」の影響があるような気がします。今回の死刑囚編で度々使われていた映画「羊たちの沈黙」の続編に当たるこの映画では、冒頭でレクター博士の手のレントゲン写真が出てきます。ちょっと、その影響を感じました。
 ちなみに映画では触れていないのですが、レクター博士は左手に6本目の指がありレントゲンはその指の切除手術の痕を示すものです。パンフレットにはそのレントゲン写真が載っていてファンはニヤリとさせられます。

 そんな事は構わず、医者2人はのんきなものです。
「他の手足は壊滅状態なのに右腕だけは無事……」「まるで………」「最後の武器としてとっておいたような…」
 と、そこまで話しても特に対策を取る様子もありません。

 そして、「401号室 ドリアン 様」の病室には…、誰もいない。
 そして、「343号室 加藤 清澄 様」の病室には…、ドリアン侵入!
 縁起の悪い「4」の付く病室に入れられながら、二人の状態はまるで違います。

「これが君たちの弱点だ」
「眠る枕元へわたしを立たせてしまっている」
「わたしのように命乞いを演じて切りぬけようか――――――?」
「睡眠薬で夢の中にいる今の君ではそれも無理だろう」
「君は止めを刺されているのだよミスター加藤」

 左手、両足にダメージを負いながらも勝利を確信するミスター=ペテン師=ドリアン。
 先週、鼻が裏返るのではないかと言うような勢いで泣いた、あの敗北ですら彼の演技だったのですか!?
 そして、ドリアンは加藤に止めを刺すこと無く3階から飛び立った。3階からの落下には5接地転回法をマスターしているのが望ましい所なんですけど、大丈夫なんでしょうか?

 一方、ドリアン戦を終えた独歩は恋女房の待つ自宅へ帰ります。
「女房(カカア)驚きやがるぜこの左手見たら……………」
 と、早くもラブラブモードに入りかける独歩ちゃん。今晩こそ夏恵さんの尻を撫でてやる事ができるのでしょうか?
 だが、不穏な空気を感じ鍵のかかっていないドアに不審を抱いた独歩はいきなり蹴りこみドアを破壊する!
 クツを脱ぐのも忘れ、駆け込んだ独歩の目の前には荒らされた室内が映る。
「夏………恵……ッッ」
 さすがの武神・愚地独歩も最愛の人の安否が気になります。
 そこで独歩が眼にしたのは、ドリアンの繊維入りライターだった。
 夏恵さんに見せてを驚かそうとしていた左拳を握り締め、怒りに張り詰める肩は背広を破り、独歩は吠える。
「ドリアンッッ」

 だが、振り向く独歩の顔面に、ドリアンの「最後の武器」爆裂・掌底炸裂するッ!
 恐るべき展開で、次回へ続く!


 しかし、死刑囚はしつこいですね。
 スペックもそうでしたが彼らは1度敗北したと見せてからが、真のバトルの開始の様です。
 まさに「止めの合図があったなどという言い訳」は通用しない世界です。
 こうすれば良かったとか、あれを使用ったら勝てたとか、一点の疑問の入る余地もなく、曇りもなく…をドリアン氏はちゃんと実践していますね。
 この爆薬攻撃は一発しか使えないハイリスクの攻撃のようですから、遊園地で使うと最悪の状況で克巳と闘わなくてはならない。
 だから負けたふりをして、一旦状況を整え独歩の家に潜み、独歩が一人だと確認してから最大の攻撃を仕掛ける。作戦としてはかなり高度です。
 遊園地でドリアンは独歩に有効な攻撃を与えられていないわけですから、通常ではあの爆撃も当たらない可能性が非常に高いと思われます。
 つまり、この奇襲はドリアンにとって最大にして最後のチャンスと言う訳です。
 独歩がこの攻撃を耐え、まだ闘う事ができれば勝つチャンスはあります。

 しかし、パジャマのままで出歩いとったんか、コイツ…。

 前回の感想で、神心会vsドリアンと見れば死闘だったと書きましたが、独歩個人とドリアンの闘いと言う点ではたしかに消化不良な部分があったことは見とめざるを得ません。
 今回の動きはその辺を補う展開になるのでしょうか?
 どっちにしろ最後の切り札を使ってしまったドリアンはもう長く無いと思いますが…
 さて、次回はどう転ぶのやら…。
 とりあえず、夏恵さんを人質にするという展開が待っている可能性が高そうです。

映画「ハンニバル」ネタで行けば(以下保護色)夏恵さんの髪の毛を冷蔵庫に挟んでいる展開もあるかもしれません。
 ちなみに映画で「(切断するのは)手首の上と下どっちが良い?」と言う台詞を聞きながら独歩を思い出した私はどうしようもなくバキファンです。
 次回作では「気ン持ちい〜〜〜〜〜」とレクター博士が言う事でしょう。
(保護色終わり)

 今週は「バキ」の後ろの漫画は「浦安鉄筋家族」だったのですが、そこでは白ヒゲのオヤジのラリアットが炸裂していてなんかシンクロニシティー。
 この方、亡くなっているんですけど私の地元・市川市に住んでいたとは知りませんでした(嘘)。


 おまけ
 いずれ突っ込まれるであろうから自分で突っ込む、今週のバキの謎。

:ドリアンが飛び降りるシーンで開いている窓は最上階の物なんですけど、加藤の部屋は3階でドリアンの部屋は4階、これっておかしくないですか?

:部屋番号が離れている事から、病棟が違うのでしょう。
 病棟が違うと建物の高さも設備も違ってきます。ある病棟には最新の設備があるのに、別の病棟では落ちるのでは無いかと不安になるほどエレベーターがボロかったりします。
 特に国立大学系の病院は建て増しが多く、ほとんど迷路のような作りになっていることが多いのです。
 そんな病院で夜中に一生懸命加藤の病室を探していたであろうドリアンの姿を想像すると微笑ましいですね。
by とら


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バックナンバー(仮)    今週の餓狼伝(最新版)    今週のグラップラー刃牙(アニメ版)(5月26日更新予定)