今週のグラップラー刃牙(アニメ版)
第6話〜第10話
幼年編+少年王者編 第1話〜 第6話〜 第11話〜 第16話〜 第21話〜最終話
最大トーナメント編 第1話〜 第6話〜 第11話〜 第16話〜 第21話〜最終話
ラスト・アニメ刃牙→
2001年2月13日(火)
第6話 侠客立ち
単身ヤクザの事務所へ乗込む刃牙。悠然と眼鏡を外す花山に強烈無比なハイキック!
アングルを変えて、3ショットのこのハイキックは今までのどの攻撃よりも見事な描写ッッ!
あの花山がダウンするだけの破壊力を見ている者に納得させる動きです。
警察の登場によって勝負は水入りとなりますが、このやり取りには緊迫感があります。ここでの花山はパトカーのサイレンが聞こえると視線を窓の外にはずしますが、これは花山らしくないと思います。喧嘩の最中に花山が視線をそらすとは考えにくいのですが…。ここは組員が窓の下を覗くだけでいいと思います。
「最近 矢島組ともめているって言うじゃねぇか」と言う警察の台詞はふるっています。こう言う細かい所で、刃牙ワールドを形成する台詞が出てくると言う事はスタッフが刃牙をしっかりと理解している事の証のような気がします。なんか嬉しいですね。
さて、刃牙に屈辱的ナックダウンを味あわされた花山さんは大怒りでキャデラック粉砕です。
このシーンもイカしています。
刑事さんが連絡をしている後ろを巨体が通りすぎる様はまるで怪獣です。
車をひっくり返し、タイヤを引きちぎる。その腕力、まさに国宝級ッ!
「二代目は今までどんな相手だろうが地面に膝も手もついた事がねぇ、倒れた事がねぇんだ。俺たちにとっても二代目の強さは組の誇りそのものよ。それをあのチビ、たった一発でやがった。ノックダウンをよ…」
原作ではナレーターとして語られていた花山・不倒の伝説を木崎さんが語ります。
この台詞には花山の強さと、それを倒した刃牙の強さ、さらに花山に対する信頼も感じさせる豪華な台詞になっています。花山には花山の絆があると言う、刃牙のテーマの一つである『絆』を強く意識させてくれます。
ところで、立ち去る花山の背景や刃牙を乗せて走る栗谷川さんの車の背景などに最近流行りのCG処理(「地球少女アルジュナ」ではゲロを吐くほど多用されています)が使われているようですが、予算が出てきたんでしょうか(^^;
一方、ユリーは己の腕が爆ぜるシーンを夢に見ています。
先週描けなかった鬱憤を晴らすがごとく、派手に血を飛びちらしていて迫力満点!
やっぱりココでは「ボクサーとして鍛えあがった動体視力は………」と言うナレーションが欲しいところですが、アニメでは不自然になってしまうんでしょうね。
マンガと違って語りが入ると、視聴者に1歩引いたポジションを思い出させて、感情移入が弱くなってしまうのかもしれません。
目覚めたユリーの側には、美少女・ニーナさんがッ。
そして、極悪人の会長も登場ッ! って、この人怖ッ。なんか花山組の人よりも極道って感じですよ。
その会長がねちっこくニーナちゃんに迫る様は、超セクハラ親父。原作以上に必要以上にいやらしい攻めを見せています。
そこに刃牙登場であっさり会長を放り出します。この辺ちょっと台詞を削っていますが、これは動きの間と台詞の間にギャップが生じるので、こう言う選択になったんでしょう。
技の解説が多い刃牙のアニメ化における弱点の一つですね、これは。
拳を握れなくなったと言うユリーに対して「そう言う事もあるよ。格闘技やってるんだからさ」と刃牙は言う。「そんな言い方…」とニーナさんが絡んできます。
なんか、砂漠において一滴の水も無駄にはしない思想に通じる、一瞬の美少女登場も逃さない演出は、たちこめる漢の臭気に対する緩和材なのでしょうか(笑)
ここでの会話は「戦士」と言う言葉が加味されて、刃牙がよりユリーに思想的に近く、それだけ絆が深まっていると言う演出意図を感じます。やはり、アニメ版では『絆』がクローズアップされているようですね。
で、帰り際にニーナさんに「ニーナさん手ぶらでゴメン。今度はドーンとお見舞いを持ってくるよ」とモーションをかける刃牙ッ。さすが未来の口説きの達人ッ!(笑)
ちなみに刃牙のお見舞いは、タッパいっぱいのおじやと炭酸抜きコーラでしょうか?
一方の花山は病床の母親の見舞いへ。
原作には無かった、点滴などの器具がすごく病気のイメージを強めていて花山の心情を感じさせます。
そして、ギャップに大笑いの回想シーン。少年・花山を演じる、くまいもとこさんは難波監督の作品「YAT安心宇宙旅行」で主役を演じていましたが、その特徴的な声は一発で誰か判別できるシロモノ! この人、なにかのギャルゲーに出ているらしいのですが信じられません(^^;)
最近 徳間書店から発売された「激闘 達人烈伝」によると板垣先生はこのシーンの前に母親を亡くされているらしく、原作では実体験から来たと思われる寂寥感が表現されています。
そして、やっぱり声付きで演出されると、効きます、このシーン。実際に身内を亡くされた方だと、ひょっとしたら涙ぐんでしまうのではないでしょうか。
ただ、原作には「ほわ〜ん」とした背景があったので『匂い』を感じる事ができましたがアニメにはそれが無かったせいか『匂い』があまり感じられなかったのが残念です。
このシーンは連載当時に読んでいるときは謎だったんですけど、今思うと「刃牙を殺す」と言いながらも花山は刃牙に殺される覚悟もしていたのでは無いでしょうか。だから、自分が死んだときに一番悲しむ人の顔を見て、闘い、勝ち、生き残る、その気迫を持ちたかったのでは無いでしょうか。
そして、刃牙は…、6話にて初の学校シーンッッ!原作からの疑問ですが、日数は足りているんでしょうか?
北沢さんも一瞬ですが出てきて、ファンサービスをしていますね。
幼年編の刃牙も学校では普通の学生をやっているようです。髪赤いですけど。
そして、伝説の決戦場・フクロウビルへッ!
大型モニターに映し出される水着の女性で潤いを求めて、一気にバトル開始だッ!
闘いの場所は、原作のゲームセンターからクラブに変更されていますが、これも世間的な対策でしょうね。若い人が立ち寄りそうな場所を闘いの舞台にするのは差し障りがあるんでしょうね。
で、ギャラリーが勝手に喋るのがハッキリ聞こえるのは不自然と言う事か、クラブDJがナレーターを買って出ます。
「喧嘩だ! 喧嘩だ! 喧嘩だァ! 極道とジャリの喧嘩だァ!」
あ、なんか不自然…。店の人なら、止めるでしょう、普通(笑) でも、このDJ妙に面白いんで許します。
いきなり始まってしまった喧嘩に、とうとううろたえてしまった栗谷川さんと原作通りさり気なく豆乳を飲んでいる木崎さんがいいですね。
さすがに、ここでの攻防はド迫力ッ!
たまに腕の伸びきらない花山のパンチに違和感が出てきますが、全体的にはいい感じです。これくらいのシーンになると血が出なくても迫力が出てくるもんなんですね。
特に窓の外に投げ出される刃牙のシーンはアニメの動きで落ちる感じが良く出ています。
睨み合い、グニィ〜と歪む空間。反撃の刃牙の動きがまたいいです。
特に「握力が自慢って訳かい?」のあとのラッシュは秀逸です。速さと重さが見事に表現されています。
ちょい残念なのがその手前のバク宙の動き。刃牙がスローモーションで動くのはいいんですけど刃牙以外の物(破片もしくは花山)を刃牙よりも遅いスピードで動かす事で刃牙の素早い動きが表現できると思うのですが…。
あとは、肩に乗ってから蹴り続けるシーンで、刃牙が宙に浮いているように見えています。本当は蹴った反動で体が落ちないと言う理屈なんでしょうけど、それがわかりにくい。
もっとも、一発蹴るごとに体に反動をつける動きをさせていたら、アニメーターが何人死ぬかワカったもんじゃありませんけど(^^;
花山が吹っ飛ばされモニターに出ている水着ギャルの股間に激突するのは演出的にGOODですね。
「怒りに燃えた花山、フンドシ解禁、侠客立ち開帳、戦闘力全面開放!
モニター全面に映し出される侠客立ちは迫力があります。モニターのまん前に立っているのに、どうやって映したかは謎ですが(笑)
そして、次回は「握撃」!
さらなるヒートアップが期待できます!
予告を見る限りでは、次回ギリギリ決着がつきそう何ですけど、もっとこの二人の闘いを見ていたいですね。
おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)
範馬刃牙 菊地正美
朱沢江珠 日野由利加
花山薫 中田雅之
栗谷川 小室正幸
木崎 山野井仁
ユリー・チャコフスキー 高塚正也
ニーナ 浅井清己
帝王ジム会長 楠見尚巳
クラブDJ 永野善一
刑事 柳沢栄治
花山の母 堀越真己
少年時代の花山 くまいもとこ
組員 清水敏考
組員 川村拓央
脚本 富岡 淳広
作画監督 中井 準
絵コンテ 吉川 浩司
演出 吉川 浩司
今回は女性声優が4人もいる珍しい回でした。多分クラブのお客さんとして次回も登場するんでしょうね(笑)
2001年2月20日(火)
第7話 握撃
ついにふんどしを解禁した、じゃなくて花山家に代々伝わる刺青侠客立ちを披露した花山薫ッ!
そして、侠客立ちの誕生秘話が語られる。彫達さん改心の刺青を「駄目だ。『侠客立ち』じゃねェ………」「完成じゃねェ…」
と言い捨て花山は何処かへ行ってしまう。
「あの格好のままでどこに行かれたんでしょう?」
ともっともな疑問を吐く組員一同。確かにふんどし一丁に上着とズボンを羽織っただけの格好で、どこへ行くと言うのやら(^^;
刃牙とのバトルと回想シーンを交えつつ、『侠客立ち』のエピソードを挿入するこの展開は秀逸です。富沢会に単身殴り込みをかける花山の姿をフラッシュバック的に入れ、『侠客立ち』の出来に自ら筆を折ってしまう彫達さんの姿などは、漫画とアニメの表現の違いはあるのでしょうが原作よりも場面の持って行き方は効果的に感じます。
ちなみに神戸にあると設定されている「富沢会」ですが板垣先生の元アシスタントの富沢ひとし先生から来ていると思われます。「エイリアン9」でブレイクし、今度「エイリアン9」がアニメ化するらしいです。現在の絵を見て、板垣先生の元アシスタントだなんて誰も思わないだろうなぁ(^^;
そして、回想終了でパワーアップした(?)花山がついに刃牙を捕らえる。握撃が炸裂ッ!
諸所の事情で傷口を見せられないのか、すぐに刃牙が傷口を縛ってしまいますが、ちゃんと爆ぜています。
この辺でDJのオッサンが的確と言うか過剰なまでの解説だ(笑)
でも「チビの牛若丸小僧に果たして勝ち目はあるのか?」の一言は刃牙を言い表していて、なかなかいいですね。
そして、ここで前半終了。アイキャッチは花山だァ!
CM開けもピンチが続く刃牙。だが、力の流れを読み取る天性の才能で逆転の糸口を掴む。
うーん、ここでも勇次郎の姿は出てきませんか…。
あ、ちなみにCM前に空母からヘリでキャプテン・ストライダムが出動しています。後ろに「ニィ〜」と笑う人を乗せて…。つい、画面に合わせて「ニィ〜」とやってしまいました、ハハ。
だが、花山も天性の能力である握力を最大限に利用した攻撃で反撃。そして、今日二発目の回想開始ッ!
原作では現在15歳の花山なのに「10年前、10歳だった」とあり物議をかもし出していたシーンでしたが、アニメでは「二代目が10歳の時」と10年前が正しいのか10歳が正しいのかの疑問に決着をつけてくれました。
私は5歳だと思っていたんですけどね…。花山5年で育ちすぎ。
そして、花山の豪打が炸裂ッ!
…なんか今回の話しはあんまり絵が動いて無い気がします。止め絵で迫力を出すのは悪くないんですけど、それは普段動いている絵があるからこそ引き立つものだと思うんですよ。
花山のパンチが迫っていくシーンとかはすごく良かったので、その動きをもっと見せて欲しかったと言うのが欲張りなファンのわがままです。あとは、刃牙が背にしている壁をもっと壊して欲しかったですね。
未成年の花山さんに酒を渡せないので、木崎さんは上着を渡す。ズボンも用意しておきなよ(笑)
だが、帰り支度をする花山に刃牙が声をかける。
「はァ〜〜〜〜〜〜〜
なァ〜〜〜〜〜〜〜
やァ〜〜〜〜〜〜〜
まァ〜〜〜〜〜〜〜」
う〜〜〜〜〜〜〜ん、やっぱりプロの演技はいいですね。刃牙の熱さが滲み出ています。
しかし、ここで流れるコメディータッチのBGMは何なんでしょうね。ちょい、違う気がするんですけど…。
そして、花山パンチを指一本にしぼって迎撃する刃牙。ちゃんと折れていますが、「痛さ」がちょっと足り無い気がします。リアルに描けないのなら、音をもっと痛そうにして欲しかったです。
愉悦(たの)しむ刃牙がカットされているのは問題ないんですけど、刃牙が口の中に入れていたガラスを吐き出すシーンはちょっと寂しいです。もっと大量のガラスを吐いて欲しかった。あと、音もガラスにして欲しかった。実際は血で濡れているのでガラスの音はしない筈なんでしょうけど、そう言う嘘はあってもいいと思うんですよね。
勝負が終わった時のお客さんも、もっと過剰に喜んで欲しかったなぁ。こう言うときにこそ、盛り上げろよDJ。
なお、花山さんの台詞なんですけど発音から察するに上顎・下顎ともに永久犬歯から第2大臼歯まで欠損しているようです。演技なのか演出なのか分かりませんが、なんかスゲェ…。
さて、栗谷川さんはきっちりと江珠さんに報告の電話を…。だが、江珠さんは胸元をはだけさせて勇次郎の到来を感じています。メチャメチャいいカンしていますよ、この人。
そして、ヘリは…
「着いたぞ、フクロウビルだ。勇次郎…」
「ニィ〜」と、次回「鬼」へ続く!
もう、勇次郎が出るたびにひいきの歌舞伎役者が出てきたときのように大喜びしてしまいました。
ちなみにアメリカ人は映画を見るときに喚声を上げたりブーイングを浴びせたりするらしいです。「スターウォーズ」がプロモーションで放映されたとき日本人のあまりの無反応にプロモーターは日本ではヒットしないと思ったとか。
映画「スクリーム2」の冒頭のシーンは多少誇張されているのでしょうがアメリカ流の映画の楽しみ方のようですね。
だから、アメリカ人が今週の刃牙を見ていたら、勇次郎の登場シーンで「YAHHHHHHHH!!」と喚声を上げたに違いありません。
日本の刃牙ファンは、勇次郎の登場シーンで9割方が「ニィ〜」とやっていたのでは無いでしょうか?
次回は勇次郎と江珠の出会いをやるようですね。うーん、楽しみだ。
しかし、この後のスケジュールはどうなっているんでしょう??
ガイアたちは出てこれるのか?
おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)
範馬刃牙 菊地正美
朱沢江珠 日野由利加
花山薫 中田雅之
栗谷川 小室正幸
木崎 山野井仁
組員 清水敏考
組員 川村拓央
彫達 北村弘一
ストライダム 中村秀利
少年時代の花山 くまいもとこ
盗賊頭 柳沢栄治
クラブDJ 永野善一
脚本 植田 浩二
作画監督 阿部 雅司
絵コンテ 服部 憲知
演出 中島 弘明
相変わらずスタッフさんがコロコロ替わっていますね。
キャストで行くと、花山弥吉を誰がやっていたのか、ちょっと気になります。
2001年2月27日(火)
第8話 鬼(オーガ)
「なぜワシが銃を捨てちまったか…、だったな…」
なんと、登場したのは伝説的な狩人・コジュシャーキン氏だ!
ここで登場とは小憎い演出です。確かに、謎の取材陣による(?)一連の勇次郎インタビューのトップを飾るには、コジュシャーキン氏を持ってくるしかありません。
が、ちょっと残念なのは、『カムチャッカ半島北西部…』と言うナレーションが入っていない事です。やはりここはドキュメンタリー風にやって欲しかったですね。
熊の毛皮が出てくるシーンが見事に表現されていただけに、ちょっと残念。
あと、勇次郎の背中を見せちゃったのは、微妙なファンサービスなのですが、連載時に衝撃の『鬼の正体』を見た者としては、アレはもっともったいぶって欲しかったです。現に連載中の刃牙でも勇次郎の『アレ』はごくわずかしか出てこないスペシャルサービスなんですよね。
さて、タイトルの「鬼」なんですけど、私は家に遊びに来た人に(ムリヤリ)刃牙を見せているのですが、サブタイトルが読めないと言う指摘がありました(苦笑)
「侠客立ち」「握撃」、普通は読めません。
「あ、今度は読める『おに』でしょ」
「残念『オーガ』です」
新規のお客さんのためにも、ふり仮名をつけましょうよ(^^;
そして、ついに
オーガ=範馬勇次郎、降臨す。
しかし、栗谷川さん、ロープを見ただけで「まさかッ!?」と異常にカンが鋭いんですけど(^^;
ここで残虐性を押さえるためか、刃牙ではおなじみのダメージを読みきる台詞は無し。ですが、勇次郎の声は結構渋くていい感じです。
死力を尽くした刃牙と花山の二人をさらに戦わせようとする勇次郎。原作では文句を言うギャラリーを「しゃッ」と一喝するところが無くなっています。このシーンはすごく好きなのでちょっと残念です。
一方、夢見る乙女モードに入ってしまった江珠さんの回想シーンが発動、ハネームン時代に場面は移ります。
甘い新婚旅行から謎のパーティーへ。ところで朱沢鋭一さん、原作よりかなり悪人顔ですね。言動も金持ちを鼻にかけた感じでイヤらしさを出しています。演じる声優は真殿光昭さん。上手いですね、こう言うイヤらしい演技が。愚地克巳を演じていただけると似合いそうですね。
そして、ロリオン・トレーシーの登場。ゴングの直後から腕を折るまで13秒だッ!
名前が変わっちゃっていますが、「グラッシー」はヤバくて使えなかったんでしょうか(^^;
ついでに言うとちょっとロリオンさん台詞が棒読みのような…(^^;
ロリオンが勇次郎にのされて、前半終了。
アイキャッチに勇次郎が出てこなくてちょっと残念。
で、CM開けでさっさと鋭一をコキャッとやられてしまいます。
「俺の子を生め…」
台詞の解釈の違いでしょうか。私にとってこの台詞は、わがままの極致と言うか、相手の心情を考えない理不尽な命令と思っていたのですが、アニメ版では一目惚れに近いほのかな愛情を感じさせる台詞になっています。
これはアニメでは「絆」をより重視すると言う演出方針からなのでしょうか。
さて、日本に帰ってきた江珠さんはいきなり宣言をします。
「これからは主人を習って今まで以上に朱沢グループを発展させていきます」
「あの方のためにも…」と言ってお腹をさすっていますが、もう妊娠しているようですね。
しかし、その誤魔化し方はどうなんでしょうね(^^;
刃牙って「範馬」の姓を名乗っているんですけど(笑)
江珠さんの回想が終わると今度は現実で勇次郎が暴れる番です。
圧倒的なパワーで花山を破壊していく勇次郎。今まで純粋に父に憧れていた刃牙が初めて父親の行動に対して疑問を抱きます。
原作には無かった、幼い日の刃牙と勇次郎の特訓の姿は二人の決別を盛り上げています。
戦いを通じて友情の芽生えた花山が目の前で無残に破壊され無念のうちに意識を失う刃牙。親子の絆が破綻する最初のエピソードですね。
刃牙が甘っちょろく育った事で文句を言いに勇次郎は江珠の元へ行きます。
原作では江珠が勇次郎の写真を舐めると言う生々しい愛情表現がありましたが、アニメではそれも無し。江珠さんの下着姿や裸もご法度のようです。もっとも、視聴者はそんな物を見せられても喜ばないでしょうけどね(^^;
ここでの二人のやり取りは、「息子」「あなたの子だから」「俺の子だ」などと原作以上に家族の絆を強調しています。こうやって必死につなぎ止めようとしている家族の絆が激しく崩壊する、幼年編の終局へ向けて話しがゆっくりと進んで行くのを感じます。
ちなみに「おまえには無理だ、俺がやる」と言う台詞は加藤を思い出させて、なんとなく嬉しいですね。
「刃牙を喰ってみたくなった」と言う勇次郎の宣言で本日はおしまい。
次回「決別」へ続く!
ついに姿をあらわした勇次郎ですが、完璧に牙の生えているデザインなんですね。
それにしても範馬の血筋は髪が赤いんでしょうか。刃牙が17歳になっても髪は赤いままだったりして(^^;
おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)
範馬刃牙 菊地正美
範馬勇次郎 乃村健次
朱沢江珠 日野由利加
花山薫 中田雅之
栗谷川 小室正幸
木崎 山野井仁
ストライダム 中村秀利
朱沢健一 真殿光昭
ロリオン・トレーシー 清水敏考
ジョン・ハーロン 川村拓央
リングアナ 藤本隆行
コジュシャーキン 辻つとむ
脚本 富岡 淳広
作画監督 原田 峰文
絵コンテ 木宮 茂
演出 木宮 茂
今回、パーティー会場で女性の声が聞こえましたが、あれは日野由利加さんの声なんでしょうか? ちょっと違う感じがしたんですけど…。
2001年3月6日(火)
第9話 決別
勇次郎という超ウルトラど級のハリケーンが去り、場面は朱沢邸へ…。
勇次郎との実力差を眼にし、勇次郎の人間性を眼にし、刃牙は気がつく「親父とは違う」と、刃牙が闘いの中で絆を感じていたのに対し、勇次郎の行動原理は己のエゴイズムを満足させるために闘っている。その決定的な差に、刃牙はついに気がついたのだ。
花山から届いた手紙を目にし、花山の病室へ駆けつける刃牙。ちなみに原作では住所は都内としかわからなかったのですが、アニメでは「世田谷区成城」とまで見えています。よく知りませんが「成城」って高級住宅街のある所でしたっけ?
手足をギブスに固めた痛々しい姿の花山。
「オレがやった喧嘩だ後悔はしちゃいねェ」
弱気になりかける刃牙を花山なりに励ましているのでしょう。実際に花山と逢う事で刃牙の中の迷いは吹っ切れているようです。
ちなみに原作にあった「この体じゃもう第一線にゃ復帰(もど)れねェ………」と言う台詞はカットされています。当然ですが(笑)
そして、来るべき勇次郎戦に備えてか、刃牙はトレーニングを開始する。
それを影でこっそりと覗いているストーカーな江珠と栗谷川さんです。
刃牙の鳥を使ったトレーニングを解説する栗谷川さんの喋り方に刃牙に対する好意と、勇次郎しか見ていない江珠に対する批判のようなものを感じます。この辺の積み重ねが、後に出てくるであろう「あ………アンタら……ッッ」「実の親子だろォ…?」と言う血を吐くような台詞につながるのでは無いでしょうか。こう言う丁寧な演出は好感が持てます。
そこへ謎のかばん(箱?)を持参して勇次郎が出現する。
「一ヶ月後立ち会ってやる」
ガチガチと歯を鳴らす刃牙。歯をガチガチいわせるアニメなんて初めて見たと思います。この辺の演出もイカしていますねー。
「そうだ、おまえにお土産があるんだ。つまらねェもんなんだがよォ…」
「久しぶりにご対面〜ってか!」
ガバっとかばんを開ける。
「や、夜叉猿ッッ!!!」
「はい、おしまいッ」
そして、驚愕する刃牙をあざ笑い、向かって来る刃牙にかばんを投げつけ中身ごと蹴り飛ばす。
この辺は、テレビで放送できるギリギリのラインにストーリーを置き換えたと言う意味では成功していると思います。
ただ、それは合格点を取っているというだけで、もう少し気合の入れた演出もできたと思うんですけど。
例えば、かばんの中身を見せない。中身を見て、最初は何かわからずに戸惑い、やがてそれを理解して、そして衝撃が走る。そう言う刃牙の表情の変化で中に何が入っているのかを想像させた方が生々しい衝撃を与える事ができるのではないかと思います。現実に見るより、なにかを想像させるほうが時には恐怖を感じる事ってありますよね。
絵を見せる事が出来ないのなら、そう言う想像の恐怖を感じさせて欲しかったです。
その後の夜叉猿の破片を握った手を口に突っ込ませてから蹴ると言う、エグイシーンも再現しているだけに、この場面ではじっくりとやってもらいたかったと思います。
その後の勇次郎が実の父親だろうとこんなことをするヤツは許してはいけないと原作通りに言いますが、この台詞は私の中ではいまだに謎の台詞です。
まるで、自分の破滅を望んでいるような矛盾に満ちた台詞ですが、刃牙を焚きつけ鍛え上げようとする意図があるのなら一応納得が出来ます。ただ、親バカの勇次郎とはいえ、ここまでの台詞が出てくるのか少々疑問ではあるのですが…。たぶん、この謎が解けることは無いんでしょうけど。
それはともかく、夜叉猿の牙を噛み砕き飲み込み刃牙は決意を新たにする。
「あの男を倒す!」
どうも、このシーンの後から勇次郎の事を「あの男」と呼んでいるようです。サブタイトルの通り、まさに決別ですね。
そして、刃牙はストライダムから恐るべき5人の軍人の話を聞かされる。さすがに防衛庁が秘密裏に結成した最強の実戦部隊と言う設定はヤバ過ぎるのか、雇われた危険な連中という扱いになっています。
そして一気に刃牙はヘリにて北海道へ。
次回、闘いの場は「戦場」へッ!
登場が心配だった、最強レンジャー5人組みもちゃんと出てくるようですね。まずは一安心です。
今回はやっぱり話を詰めこみすぎていたような気がします。話を詰めこんでいる割には、過去の回想で絵を使いまわしたりして、時間を食っている。
絵が間に合わなくなってきているのか、他に理由があるのか、どっちにしろ、やや食い足りない気分です。他の部分のできがかなり良いだけに、もったいないですね。
今回の作画はスッキリした感じで好感が持てるものですが、勇次郎はちょっと顔が変な気が……。
目を見開くとなんか違う人みたいなんですけど(^^;
おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)
範馬刃牙 菊地正美
範馬勇次郎 乃村健次
朱沢江珠 日野由利加
花山薫 中田雅之
栗谷川 小室正幸
ストライダム 中村秀利
総監 納谷六郎
師団長 柳沢栄治
子供 浅井清己
脚本 高橋 ナツコ
作画監督 栗井 重紀
絵コンテ 横山 広行
演出 横山 広行
今回の注目は納谷六郎さん。かなりのベテランを持ってきています。まさか、このまま端役で終わるとは思えません。七色の声を持つとも言われる、この方ならば多重人格の役も演じきれると思うのですが…。過去に幽遊白書で仙水と言う多重人格者を演じた経験もありますしね。
2001年3月13日(火)
第10話 戦場
いきなりヘリからダイビング!
「100個にひとつぐらいは開かないヤツもあるらしいがな」とストライダムさんに脅かされ、眼下の風景を見る刃牙の顔は妙にアホ面だ。
この独特の表情に見覚えがあると思って確認して見ましたが、今回の作画監督さんは第4話で「牙と絆」の見事なバトルシーンと刃牙の泣く姿を描ききった佐藤雅将さんでした。ハッキリ言って原作にイチバン似ていない作画監督なんですけど、表情や動きのクオリティーはイチバン良いと思います。
パラシュートの急速な降下から見事な5接地転回法で刃牙は着地する。降下速度が急と言うのは、原作では刃牙が感想を言いながら落ちているので分かりやすいのですが、アニメではその説明が無いのが残念です。自衛隊時代、実際にパラシュート降下を経験した板垣先生のリアリズム溢れるシーンを映像は見事に再現していると思うのですが、原作を読んでいないでパラシュート降下もした事が無い人は、パラシュートはゆっくりと落ちると言う先入観からこのシーンのリアリズムを感じる事ができないのではないでしょうか。
でも、着地と同時に周囲に気を配り戦闘態勢を取る刃牙の姿がカッコ良かったので、良し。
その後に誰も出てこないで、飛ぶ鳥を映し場面を切り替え、いつのまにかパラシュートを片付けている。この展開は自然でありながら素早いシーン運びで演出のさえを感じます。
そして、いきなり木の中から飛び出し裸締めの奇襲ッ!
反撃も虚しくセシウムガスで動きを封じられる。しかし、この作監さんは涙の描写が上手いですね。夜叉猿に牙をもらったかのような大量の涙と鼻水を出しまくっています。
「顔を見られちまったなぁ」「ああ、帰せなくなった」「殺害(ころ)して埋めるか…」「俺たちに会うって事は……、死を意味する。ここは法の外だ」
と、荒木飛呂彦の「バオー来訪者」のような台詞を吐くレンジャー部隊の方々です。
原作の「食料として解体しちまうか…」と言う台詞はさすがにカットされていますが(笑)
「じゃあ、そろそろ殺りますか」「どうせ殺すなら、楽しく…」「楽しみを長引かせる方法は…」
などと、レンジャー5人衆の性格がアニメでは軍人的なものから、快楽主義者的なものにずらされているのも、アニメ化にあたっての変更でしょう。原作では、感情の入る余地の無い冷徹な現実主義の軍人的考え(顔を見られた → 殺すしかない → 殺すなら食料に → どうせ食うならウマイ肉)が異常に怖かったんですけど、アニメでは「楽しむ」と言う人間的感情を強調してサイコっぽくはあるんですけど親しみが持てるようなキャラクター作りになっていると思います。
一方、刃牙を送り出したストライダムは「兵士の中の兵士」と呼ばれる男・サーのもとを訪れます。
「わしが勝てると断言できないのは…」とさり気なくとんでもなく思いあがった事を口走っていますが、その後ガイアについての年代を間違う事などから、やはりボケていたのでしょうか?
場面は戻って、北海道の刃牙はナイフ使いとのバトルに入ります。
ちなみに、カを潰すときの彼や、サーの目が影になっている絵はすごく板垣チックで決まっています。これで目が光るとサイコーですね(笑)
関の刀匠に造らせた一品でヒゲを剃る描写が簡易化されていたのは残念なんですけど、この二人のバトルシーンはスピード感と危険さが見事に表現されています。金的も無いんですけどね(^^;
で、ここでアイキャッチ。後半へ続きます。
後半は倉石さんとのバトルが開始ッ!
なお、目潰しを喰らった刃牙が自ら沼に飛びこむのは、機転を利かす刃牙の戦闘センスを見せる演出と言う気がします。
刃牙のチョークにしても、わざわざ刃牙を水から引き出してあげなければ食らう事無かったような感じですし、ここでも、あんまり卑怯な攻撃を仕掛けず、好感度アップを狙っているようです。
そして、埋められながらも刃牙に対し逃げろと忠告する倉石さん。刃牙が居なくなっても妙に得意げに説教する倉石さんとナイフ使いの二人はなんか漫才コンビです。
そして、スカンク男・野村もあっさり撃沈。アニメでは大便から立ちションになっていますが、大はマズイのでしょうか??
それにしても野村くん、妙にのっぺりした顔にされていますねぇ。
そして、最後の二人。ファンの間では伝説となった熊のぬいぐるみからの奇襲ッ、は板垣版・餓狼伝の丹波文七ですが、きっちり熊の毛皮を着て中から登場です。
そして、一対複数の双子とのバトル開始ッ!
このバトルは、かなりアニメオリジナルの動きをしているのですが、それがうまくハマっています。スローモーションや残像が非常に効果的に働いていて、アニメーションの醍醐味が存分に堪能できます。
関の刀匠製のナイフも戦闘の小道具として効果的に使われていますし、出血ができないと言う制限をクリアしつつ新しい表現に昇華させていると感じました。
そして、双子に勝利した瞬間ッ!
「ヒッ、臭いがするよ」
「アドレナリンの臭いがするよォッ」
と、野村が大爆発!
多重人格者が人格の変わる時に「臭い」を感じると言う設定は、どこかで見た記憶があるのですが(多重人格探偵サイコの小説版か?)、それを持ってきつつ、臭いが「アドレナリン」と言うあたりにアニメスタッフのセンスを感じます。
そして、やっぱり涙と鼻水を出しまくる野村! 作画監督・佐藤雅将氏は今後、涙と鼻水の作画監督と呼ばれるのではないかと心配です(笑)
それにしても凄いハイスピードの展開ですね。結局、コミックス約1巻分を消費しちゃっています。
もう少し丁寧にやって欲しかったとも思いますが、今回の話は個人的に気に入っています。
さて、次回は「ガイア」だッ!
おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)
範馬刃牙 菊地正美
ストライダム 中村秀利
サー 塚田正昭
兵士 藤本隆行
千葉・兄 西村朋紘
千葉・弟 並木伸一
倉石 大川透
真田 松本大
野村 遊佐浩二
脚本 十川 誠志
作画監督 佐藤 雅将
絵コンテ 東海林 真一
演出 下司 泰弘
前回出演されていた納谷六郎さんはゲストだったようです。うーん、もったいない。
今回、以外だったのが「ナイフ使い」の名前が「真田」、双子の兵士の名前が「千葉」だと判明した事です。ちゃんと名前があったんですね(^_^)
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