今週の範馬刃牙 SON OF OGRE 231話〜240話

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2010年11月4日(49号)
第3部 第231話 出迎え (887回)

 表紙は刃牙だけど、烈海王がメインの話だよ!
 いきなり出鼻をくじかれた感じだ。
 100m走のスタートダッシュでクツが脱げるような悲劇に近い。
 本編がはじまる前から烈海王に不吉なものを感じてしまう。

 烈海王は冒頭から殴られまくっていた。
 右フックをアゴに喰らい、左フックが肝臓にメリこむ。
 さらに右拳が胸にクレータをうがち、烈はアホ顔をさらすハメに。
 雷属性の左をジョーにヒットさせられてダウンする。

 烈の脳髄は 恋する乙女なみに ゆれまくりだ。
 視界は夢見心地にゆがみまくる。作画・福本伸行でも問題ないような状態だった。
 烈はコーナーポストに背中を預けて倒れこむ。
 いつのまにか、コーナーに追いつめられていたらしい。

 笑撃の大回転ディフェンスをやられると攻撃が無効化されちゃう。
 だから、コーナーに追いつめたってコトだろうか?
 ボクシングの常識はあんなトンデモ防御にも通用する! スゲェ!
 やっぱ、基礎は大事なんですよ。地道な努力は裏切らないんだッ!
 烈はボクシングの練習をサボったツケが回ってきたな。

 いっぽうシェイクされている烈の脳みそは、切り札である回想モードにはいっていた。
 この試合、二枚目の切り札だよ。乱発しなきゃ乗り切れないほどのピンチだな。
 生命危機を回避するための方法を記憶から検索するのが走馬灯だ。(シグルイ4巻 16景)
 ならば、ピンチで回想突入するのは理にかなっている!
 コレは明日から使える豆知識だ。

 さて、烈は幼年期の記憶を再生している。
 烈少年は郭海皇に打撃対策を教わっていた。
 教材は例によって豆腐だ。
 豆腐 好きだね。お寺だから精進料理ってことなのか?

 どちらにしろ、また豆腐だ。
 同しだ。227話の時と同しだ――――――――
 だったらイケるぜ!
 いやいや、そうじゃないだろ。

 なんで最初から郭海皇が教えてくれないのかな。出し惜しみですか。
 改めて郭海皇が教えるってことは、227話の回転は意味ないってことだよね。
 そうなると烈は回転したぶんだけ赤っ恥ですよ。
 実際に打たれてダウンしているし。
 烈は怒っていいぞ!

 それは置いといて、とりあえず郭海皇の話をきこう。
 郭海皇の手には椀にはいった豆腐がある。
 すでにフルフルにゆれた状態だ。
 未熟な人間であれば必ず打たれ、脳がフルフルになる。
 熟練したとしても、敵が強敵であれば被弾は避けられない。
 では、どうするのか?

「自ら揺れて」
「こちらから迎える」


 答えはカンタン、逆方向に振動を加えて揺れを相殺するのだ!
 なにィ!? そんな理屈でいいのか??
 さすがに、その理屈はおかしいだろ。
 ちょっと責任者……は郭海皇か。
 問い詰めたら攻めの消力(シャオリー)で殴られそうだな。

 でも、郭海皇が改めて烈に豆腐技を見せた意味はわかる。
 これは超ド級に変態なみの荒業なのだ。
 回転することで打撃の勢いを殺すのは、わりと簡単にできそうだ。
 でも、振動を止めることは難しい。
 たぶんハンパ者がマネしたら、相殺どころかダメージ2倍で廃人コースだろう。

 烈と郭海皇は知り合いではあるが、烈と劉海王のような親しさを感じない。
 たぶん二人は他流派だ。流派をこえて郭海皇が素質のありそうな少年に特別授業をしたのだろう。
 ほんらい中国武術は排他的で他流に技を教えたりしない。
 中国武術に限らず、武術は自分たちの長所や弱点を知られないように技を隠すものだ。

 それを他流の少年に教えている。
 郭海皇は、せまい意識にとらわれず広く武術を発展させるつもりなのだろうか?
 大擂台賽があれだけ公開されているのも、郭海皇の考えなのかもしれない。
 克己にも秘伝を教えているし、実は大人物だよな。

 偉大な郭海皇を思いだしつつ、烈は自分の脳内に意識を集中させる。
 脳がゆれるのと逆のタイミングで……――――
 自分の頭を殴る!
 カウント・ナインで烈がハネ起きた!
 元気だ。メチャメチャ元気だよ。ちょっと元気すぎ。
 叩きすぎで脳がビックリして脳内麻薬だしてない?

 とにかく烈海王が復活した。
 汗まで引っこんでいる。
 復活の烈海王、反撃の時か!?
 次回につづく。いや、次回は刃牙のターンか?


 今回の感想を一言でいうと「そりゃムチャだッ!」です。
 打撃を受けてゆれている脳は、崩れた豆腐状態だ。
 逆の振動をあたえても、豆腐が元通りになるわけない。

 でも、逆の振動で打撃を打ち消すってのは意外とまともな理論かも。
 例えば戦車などのリアクティブアーマーは爆発することで攻撃を相殺する装甲だ。
 外音と逆位相の音をぶつけて音を消すノイズキャンセラーヘッドホンもある。→

 ならば、ダメージに逆方向の衝撃をあたえることで、相殺できるかもしれない。
 まあ、左右から同時に圧力がかかって豆腐が爆発するオチだろうけど。
 髪の毛がアフロ状になって、白林寺ドリフ拳の完成かもしれない。
  ティアック KOSS ノイズリダクションヘッドホン QZ99

 そもそも、打撃を受けたあと 脳はゆれつづけない。
 頭蓋骨の内部は突起が多くある。
 揺れた脳は突起や頭蓋骨の内部にぶつかってダメージをうけるそうだ。(最強格闘技の科学
 脳震盪はゆれつづけるから起きるのではなく、ゆれてぶつかったダメージでおきる機能障害だろう。
 ボディーブローだって、衝撃がのこっているからダメージになるワケじゃない。
 内臓が傷つくからダメージになるのだ。

 でも、そこは烈海王である。
 不可能を可能にするのが中国拳法だ。軍師だったらビームぐらいは出せる。
 きっと烈はうまく首をまわして、脳を中央でコマのように回転させたのだろう。
 そうすれば頭蓋骨の内部にぶつからない。
 回しすぎて神経がネジ切れそうな気もするけど、中国四千年だから大丈夫だ!
 ワイヤーアクションなくても空ぐらい飛べる!

 物理的な理屈はあっているかも知れんが、生物的にダメ! って感じの豆腐理論だった。
 しかし、刃牙世界での説得力は迫力に比例するッッッ!(迫力による力説ッ!)
 恐竜時代に人間はいなかったという常識は、ピクルの迫力のまえに敗れさった。
 そして、自分で自分の頭を殴ってみせる烈海王の迫力に負けた気がする。
 むしろ復活した後の立ち上がりかたに負けた。
 レフリーもカウントを忘れてしまうようなカッコ良さだ。
 龍書文の立ち上がりかたにも勝る動きだった。(バキ24巻 209話

 でも、問題は解決していないのだ。
 烈はクレーザーの攻撃をよける事ができず、クレーザーに攻撃を当てることもできていない。
 ダメージは回復したものの、まだクレーザー攻略は始まっていないのだ。
 どうやって烈はクレーザーの攻撃をかわすのか。
 そして、どうやって打撃を叩き込むのか?
 もっと四千年の英知を回想する必要がありそうだ。

 今回は『バキどもえ』が特別掲載されている。
 一発目から うんこネタかよ!
 「う●こ」と伏字にしたら衝撃が伝わらない、超うんこネタ!
 ある意味、実にバキらしいネタかもしれないが……
 だめだこりゃ。

追記 (10/11/10)
 烈が、スゴいね4000年 ♥(はぁと)で回復しちゃった。
 そういえば烈が敗北した相手は刃牙とピクルだが、脳震盪以上のダメージを受けていたようだ。
 頚骨をはずしたり、足を食いちぎられたりしないかぎり烈海王は敗北しないのだろうか。

 いっぽう刃牙は柴千春をエンドレスにボコりながら、お勉強しているハズだ。
 たぶん次は刃牙のターンだけど、いつまで千春をボコっているのだろう。
 烈海王の例もあるし、拳を骨折した時点で千春は刃牙に勝てないのだろう。
 相手が刃牙という時点ですでに勝ちの目はほとんど無かったんだけど。
 せめて相手が柔道かボクサーなら逆転できたんだろうけどな。

 刃牙は千春をどうやって劇的に倒すのか悩んでいるのかもしれない。
 餓狼伝のサクラみたいに、クライマックスの演出に悩んでスキを見せるような展開だ。
 現在の刃牙なら、それぐらいの油断はしてくれる。
 殴って気絶させた千春にイタズラ書きしようと油性マジックペン(極太)を探しているところを背後から襲われて欲しいものだ。

 経験則からいうと刃牙は不意打ちに弱い。
 とりあえず金的打ちをすれば1話分ぐらいは悶絶して反撃できないハズだ。
 千春に逆転があるとすれば、それぐらいかな。

 あとは花山の登場に期待をかけるしかない。
 でも、他人の喧嘩に口も手も出さなさそうだから花山に期待してもダメかも。
 ならば どうするのか?
 梢江が遊びにきて、刃牙が男色SMプレイをしているとカンちがいして罵声を浴びせるぐらいしかないかな。

 シルベスタ・スタローンにロッキー7を作れば、それが最高傑作になると言っていた板垣先生だ。
 次回の刃牙はきっと覚醒して、なんかスゴいことになる! ……かもしれない。
 範馬勇次郎に勝つための重要なステップアップになるんでしょうか?
 とりあえず、梢江に変態と思われてふられて、ヤケクソになった勢いでパワーアップするんだ!


2010年11月11日(50号)
第3部 第232話 千春流 (888回)

 今回は範馬刃牙vs.柴千春だ。
 米国じゃ烈さんが、すごいっすね4000年をかまして逆転しそうな勢いだ。
 刃牙は逆転もなにも、ほぼ優勢のままですが。

 今回も刃牙が ひたすら千春をボコりまくる展開になりそう。
 柴千春は悲鳴をあげずに耐えることができるのか?
 刃牙は、どこまで千春を破壊するのか?
 残虐ショーの幕が開けようとしている。

 刃牙が買い物袋をガードレールに引っかけた!
 本格的に戦うつもりだ。
 シューズのカカト潰したまま履くようなナメた態度ではない。成長した!228話
 圧倒的な格下相手に本気をだす範馬刃牙を拝めるぜ!
 今日の天気は「晴れのち血の雨」だな。
 ……刃牙の血だったらいいのに。

「見せてやるよ」
「柴 千春を」


 刃牙がまた変なコト言ったッ!
 リアルシャドーで幻覚をみせる気か?
 初心者にはワカりにくいぞ。

 刃牙の不思議ちゃん発言は、やっぱり千春に理解できないようだ。
 千春は刃牙がリアルシャドーで恐竜から昆虫まで召喚できることを知らない。
 その気になればドーピングして改造手術して各界の達人に指導を受けた上に、範馬勇次郎の娘との間に生まれた雄みたいなスーパー柴千春を呼びだすこともできる。
 いや、もうそれは柴千春じゃないな。範馬千春だ!(そういう問題でもない)

 刃牙は「柴千春のように戦いたい」と言いなおす。
 最初から、そう言ってくれ。ワカりにくいッ! オマエがにくいッ!
 ヒグマのように戦いたいという人はいても、ヒグマになりたいって言わないでしょ。
 あ、餓狼伝にいたな、ヒグマ志望の人。(餓狼伝18巻 161話

 刃牙は刃牙のままで強いんだから、千春のマネしなくてもイイんじゃね?
 だが、刃牙のまま戦っても柴千春の心を折ることはできない。
 つまり、千春により大きな精神的ダメージを与えるために、千春のマネをする。
 酷いな。うん、これは酷い。さすが巨凶・範馬の一族だよ。酷い。

 柴千春をコピーするのは、烈海王のコピーなんかとは違う。
 烈海王などの拳法家は肉体の動きである技術をマネることができる。
 だが、心意気で戦う柴千春をマネるというのは、その精神を再現することだ。
 花山薫にあこがれ、あえて体を鍛えず勝負してきた人生を再現できるというのか?
 なんか、刃牙に「お前の人生は安っぽい。113KBぐらいしかない」と言われたようなものだ。
 ちなみに、113KBは範馬刃牙感想(221話〜230話)のサイズです。読むのに1時間もかからないぞ。

 千春が激怒する。
 だが、怒ったら刃牙の狙い通りという気がする。
 刃牙のしかけたキケンな罠が待ちうけているぞ。

(出来るに決まってる)
(なんでかって………?)
(千春さん…………………)
(俺…………
 アンタに憧れてンもの…………)


 嘘だァ――――――――ッッッ!
 ギャルゲーの主人公なみに その場で調子のイイこと言いやがって。
 呼びかたが「柴さん」から「千春さん」になるのが憧れか?(224話
 弱すぎて練習台にならないと言ったり、徹底的に痛めつけるのが、憧れかよッッッ!?(226話
 でも勇次郎の精神性は そんな感じと反論されたら、言い返せないな。
 範馬家において 痛めつけるのは愛情のしるし。

 それとも刃牙は千春に殴られたあたりから、憧れたのだろうか?(228話
 だとしたら、ずいぶん歴史の短い あこがれだ。
 みつどもえのアニメを最終回だけ見たけど、俺すっげぇファンになったから! …って感じか?
 ある意味、超進化する18歳っぽい覚醒かもしれない。
 ちょっと(かなり)殴りたいタイプの人格ですが。

 刃牙は千春のアッパーを顔面で迎撃する。
 千春の拳が砕けた。
 攻撃してくる相手の拳に顔面をぶつけて破壊するのは、たしかに千春の得意技だった。
 チハル流をコピー完了!
 刃牙が誇らしげ。まさに、どや顔だ!

 拳が砕けても柴千春は止まらない。
 今度は蹴りだ。
 しかし、刃牙はまたまた顔面で迎撃する。
 相手の攻撃が最大となるポイントに、全力で顔面をぶつけに行く。
 生タマゴに生タマゴをぶつけるかのようなカウンターだ。共に砕けろ!
 だが、砕けたのは千春だけ。足が折れた!

『フツウの体力(フィジカル)に―――』
『鋼鉄(はがね)の精神力(メンタル)……』
『千春の鋼鉄(はがね)が』
『大きく揺らぎ始めた………』


 攻撃をカウンターで迎撃されるのはつらい。
 そのうちに、手を出さないほうが良いんじゃないのか?という気持ちになってくる。
 末期になると、どう攻撃していいのかワカらない状態になった。
 昔、空手をやっていた浅い経験だとそんな感じだけど、千春の精神はもっと丈夫だろう。
 しかし、無限の耐久力をもつモノなどない。
 このままでは、千春の心も折れてしまう。

 相手の嫌がることをするのが超得意な範馬の血筋だ。
 刃牙の放った毒が千春を蝕んでいく。
 次回につづく。


 刃牙の必殺技「見た技をパクリまくる」が発動した。
 千春は精神的に打撃をうけた。
 自分の得意技をコピーされたら、そりゃショックだよな。
 コピー能力には精神的打撃をあたえる効果もあったのか。

 なんとなく雰囲気で千春はパクられた気分になっている。
 だが、刃牙は柴千春を完全にコピーしていない。
 けっきょく刃牙がやったのは、千春の動きをマネることだ。
 柴千春の核である精神性を 再現していない。

 外道の精神力(メンタル)に怪物の体力(フィジカル)をもつ範馬刃牙だ。
 千春の動きをマネれば、本家よりもはるかに破壊力が大きくなる。
 拳は折れやすいから千春でもできるだろう。
 だが、蹴ってきた足を砕くのは、刃牙じゃないとできない。
 基礎体力の差が破壊力の差になっているな。

 千春には技術がないから、タイミングとかわかってないハズ。
 刃牙は技術でムリヤリ千春の攻撃を再現している。
 絶滅した動物を遺伝子操作でムリヤリ再現して、自然を回復させたというようなモノだ。
 千春は骨折の痛みと迫力でダマされている。

 前回の追記で、烈は脳震盪じゃ倒せないと書いた。
 重要なのは骨を断つことだ。
 千春も同じかもしれない。
 心を折るには、まず骨を折れ。
 回復に時間のかかるダメージを与えていくのが肝要かと。

 バキ時代のデータですが、腕が使えなくなった場合の戦歴をまとめた事がある。
 あたりまえだけど、折れたらたいがい負けるのだ。
 刃牙は徹底的に千春の手足を破壊していき、戦意をヘシ折るつもりかもしれない。
 おそるべき拷問フルコースになっているな。
 本当にバキさん、ヒドいっす。

 柴千春らしさって何だろう。
 そう思うと千春の地下デビュー戦が思いだされる。
 試合に勝利した千春を見て、刃牙はいった。

「彼のほうがずっとダメージ デカいのに……」G刃牙24巻 211話)

 より大きなダメージを受けているけど、根性で勝つ。
 それが柴千春らしさだ。
 刃牙のやっていることは「自分がうけるダメージより大きなダメージを与えて勝つ」ように見える。
 やっぱり格闘家の勝ちかただよな。

 顔面で相手の攻撃を迎撃する。
 刃牙はこれで勇次郎とも戦うのだろうか?
 さすがに勇次郎あいてだと、岩に生タマゴをぶつけるようなものだよな。
 ゆでタマゴかもしれないけど。
 そういう無謀な心意気を身につけるのがテーマなんだろうか?

 どちらにしても、鋼鉄(はがね)の体力(フィジカル)をもつ刃牙じゃ顔面受けですらヌルすぎる。
 柴千春をきどるなら、もっと過酷な受けをしなくてはならない。
 …………睾丸で打撃を迎撃してみたらどうか?
 過去なんど打たれても砕けなかった鋼鉄(はがね)の金玉が大きく揺らぎ始める!

追記 (10/11/17)
 順番どおりなら、次は烈海王のターンだ。
 烈は、打撃による脳震盪を打撃で相殺して完全復活している。
 試合展開も烈海王のターンだ。

 こんな技術をやられちゃ、もう烈を倒せなくなりそうだ。
 やっぱり、骨を折らないとダメなんだろうか。
 さすがに骨折を一瞬で治すワザは、中国武術にも無いだろうし。
 いや、烈海王ならやってしまうかもしれない。

 とりあえず次の課題はクレーザーに打撃を当てることだ。
 ディフェンス巧者でもあり、煙のように手ごたえのない男である。
 どうやって打撃を当てるのか?
 攻撃のため、三度目の回想に突入するしかない!

 烈はディフェンスにやった事を逆にして、攻撃すればいいのかも。
 当たった瞬間に回転して受けながす。逆にすれば、触れてから回転して打撃を与える。
 ゆれている脳に逆の振動を与えて相殺する。逆にすれば、小さな振動を重ねることで大きなダメージにする。
 う〜む、どうも難しいな。

 烈だって自分の頭を殴ってスッキリするのは簡単なコトではないだろう。
 さっきはウマく行ったけど、次で失敗するかもしれない。
 失敗したらダメージ二倍ですよ。
 もう全身の穴からイロイロな液体をぶちまけての壮絶ダウンしちゃうかもしれない。
 救急隊員ですら汚そうで近づきたくないヒドい状態だろう。

 そうだ、多汗な烈海王だけにつかえるボクサー殺しの技があるじゃなイカ!
 汗をぶちまけて、リングをすべる状態にするんだ。
 そうすれば、クレーザーも足がすべって、思うように戦えなくなるぞ。
 中国四千年の歴史を見守ってきた黄河のように、黄色い液体をぶちまけるんだ!
 いや、黄色はダメだ。


2010年11月18日(51号)
第3部 第233話 コーチ (889回)

 アゴを打たれてダウンするなら、側頭部を打って相殺すればいいじゃない。
 いいか、ボウズ。理屈ってのは迫力のあとについてくンだよ。
 とにかく烈海王復活!×3 と思っておけばよろしい。

 烈の復活は深町コーチや観客にとって衝撃だったようだ。
 どよめきが止まらない。
 そりゃ、自分の頭を殴って復活する人なんて いないもんな。
 刃牙世界の超生物学になれた私だって おじや入り炭酸抜きコーラふくよ。

 だが、クレーザーはあまり驚いてない。
 スゴイな。度胸がすわっている。
 リングないの非日常空間ではありえないコトが起きると思っているのかも。
 マイク・タイソンも「リングの中にくらべたら、日常は余りにも退屈だ。」と言っている。(G刃牙1巻 あとがき)
 いくら日常が退屈だからって、犯罪やって全部を非日常にしなくても……

 とにかく、クレーザーに動揺はない。
 あいてが得体のしれない変態でも、いつもどおりの仕事をするだけだと考えているようだ。

 だが、ここでゴングが鳴る。
 この試合はルールがどうなっているのかワカらない。
 多いのは1ラウンドで3回ダウンしたら負けってルールだ。
 烈はすでに2回ダウンしている。あと1回たおれたら負けるところだった。
 危ないところだ。

 コーナーに戻った烈を深町コーチがむかえる。
 戦いはすでにボクシングから、超ボクシングになってしまった。
 一般ボクシングコーチの深町さんには、与えるアドバイスがない。
 そりゃ、選手に「タイミングをあわせて自分の頭を叩け!」なんて絶対いわないだろう。
 テニスで選手に「分身しろ」アドバイスしないのと同じだ。

 だが、烈は2つの拳だけで戦っている以上、ボクシングだと言いはる。
 烈のやっているものはボクシングではなく、もっとおぞましい何かだ。
 それでも烈はアドバイスをもとめる。
 ムチャをいう。なんか魚に陸上生活のアドバイスを求めているようなものだぞ。

 時間がきてもコーナーで粘る烈に深町コーチは助言をする。
 クレーザーの背後から奇襲を烈はジャンプでかわした。
 烈がうけた助言はッ!?

(持てるものの全てを使い切る)
(的確な―― 助言だッッ)


 "とにかくガンバレ"みたいな助言という気もする。
 だが、烈はこの助言をありがたく受けとった。
 初心にかえって、全力で戦う。

 烈はいままで第2ラウンドをむかえたことがない。
 初体験の第2ラウンドで、気持ちを切り替えることもできるだろう。
 さらに休息(インターバル)もとれた。
 ここからは烈海王フルスロットルだ!
 または、フルアヘッド! 烈海王!

「全てを使い切ろう…ッッ」
「それが…」
「師(コーチ)への報恩」


 烈を二度沈めたクレーザーの必殺左フックがせまる。
 義足となった右足を烈は降りあげた。
 足でガードする気か?
 そういう方向に使いきっちゃうのかよ?

 だが、違った。
 烈は足を思いっきり踏みおろす。
 これは震脚の技術だろうか?
 地面を蹴りつけるような動作の反動を利用してパンチを撃つ。
 クレーザーの左をかわしつつ、右のカウンターを決めた!

 さらに左足を踏みしめつつ、左ストレートだ!
 これまた命中!
 クレーザーのマウスピースが飛ぶ。
 ボクシングにおいてマウスピースが飛ぶのは深刻なダメージの証だ。
 鼻血や汗の上をいく損害を受けた。
 クレーザーのダメージは本物だ!

 さらにさらに烈は義足を中心に回転して右フックだ。
 豆腐ディフェンスで見せた回転を攻撃に応用したのだろうか?
 いつものクレーザーなら当たらないだろうけど、ふらついている今はスキだらけ。みごとに命中する。
 三度の絶技をくらったクレーザーはヒザをついた。

「やっと」
「ボクシングになってきた………な」


 飛んだクレーザーのマウスピースをキャッチしたのは、拳闘神マホメド・アライだった。
 大勢の観客がいるなかで、彼のところに飛んでくる。
 まさにボクシングの神に愛されている男だな。

 あまり助言になってなかった気もするが、烈は深町コーチの恩義に報いるため全力を尽くす。
 深町コーチは文句をいいながらも米国までついてきてくれた。
 ボクシングに反逆しまくる烈を見捨てずセコンドについてくれている。
 これは友情パワーかもしれない。
 烈海王 炎の友情で、次回につづく。


 いままで防戦一方だった烈海王が反撃開始だ。
 でも、なんで急に当たりだしたのだろう。
 震脚を利用した打撃はボクシングのパンチとはタイミングや間合いがちがうので、よけられないのかも。

 流れを変えた最初の一発は後ろ足で踏みこんでいる。
 烈の足元を見て間合いを測っていたのだとすると、予想とズレたのかもしれない。
 あの一発でクレーザーはモウロウとなって、つづく攻撃を喰らいまくるようになった。
 立ちあがったクレーザーに再度攻撃をしかけるとき、烈の全力が通用するかどうかが試される。

 烈が苦戦していたのは、クレーザーの圧倒的な攻撃力に手がでなかっただけかもしれない。
 攻撃すればフツウに当たっていたのかも。
 もし、そうなら これで両者が攻防するボクシングになってきたといえるだろう。
 今まではクレーザーがひたすら殴り、烈がひたすら防御する展開だった。
 これからは、攻撃・防御の駆け引きがあるボクシングらしい戦いになりそうだ。

 コーチに報恩するというのが義理堅い烈らしい。
 刃牙もこういった友情パワーを見習えばいいのに。
 報恩よりも、刃牙の場合は報復だもんな。
 殴られた痛みを10倍がえし。骨を折りまくりだ。

 ところで、深町コーチの名前なのだが、彼は一時期「原田」と呼ばれていた。
 しかし、範馬刃牙 26巻では名前が深町に統一されている。
 実にめでたい。
 本編が刃牙と烈の話に分裂しているから、コーチの名前も分裂したのだろうか?

 コミックス発売に合わせて、今回からコーチの名前は「深町」で確定だ。
 烈が自分で自分の頭を打ったことで思考がクリアになったのかもしれない。
 刃牙も自分の頭を打ってみたら、性格が慈悲ぶかくなるかも。

追記 (10/11/24)
 烈海王の逆転がはじまる!
 ボクシングとは打撃のパターンがちがうから対応しにくいのだろうか。
 というか、急に攻撃してきたからビックリして対応間違えた、だったりして。
 幕之内一歩クラスの逆転男だ。

 烈の攻撃が震脚だろうかと書いた件について、掲示板で00さんから情報をいただきました。

『震脚は主に前足だったような。あれは反動というより体重を乗せるためにやってたハズなので。
 後足で強く踏むのはどちらかというと大地を蹴るボクシング流な気がします。』

 ボクシングの場合は後ろ足で体を押し出し、前足で踏みこむステップインの動きが一般的だ。(参考:ボクシング
 参考リンク先の画像では、前足を踏み出しているとき、後ろ足のふくらはぎに力が入って緊張しているのがわかる。
 アライJr.の攻撃も同じような感じで、前足で着地して後ろ足が浮いている事がおおい。

 烈の技術はやっぱり中国拳法の特殊な動きなのかも。
 二回目に烈が攻撃したときは、前足を踏みつけているので震脚っぽいですね。
 どちらにしてもボクシングの常識にはない攻撃だ。
 このまま烈は非常識ボクシングをつづけて、相手のペースを乱すのかも!

 逆立ちッ!
 チャイニーズ・逆立ち打法ッ!
 転蓮華ッ!
 驚愕の転蓮華パンチ!
 おしりッ!
 プリキュアおしりパンチ! おしりなのにパンチ!?

 これをやったら、ボクシング界から追放されます。

追記 (10/12/1)
 次は刃牙vs.千春のターンでいいのだろうか。
 一週あいたから、なんかまた烈のターンという気分になっている。
 もう12月になったんだし、いっそうの事 年内は烈の話に集中してもいいかも。

 それでも刃牙の話もやるのだろう。
 柴千春がひたすらボコられて不憫な展開ではあるんだけど。
 先週のまとめで書いたのだが、刃牙が勇次郎にビビったのが、千春をぶつけた理由っぽい。
 完全に刃牙の都合なのにふりまわされる千春は、やっぱり気の毒だ。

 刃牙は千春から「強敵から逃げない勇気」を学ぶはずだ。
 しかし、どーも目先の弱者をいたぶる快楽に酔っている気がする。
 人間は動物の本能が抜けきっていないから目先の利益を優先しちゃうらしい。(行動経済学入門
 とりあえず刃牙に必要なのは、動物的本能をおさえる訓練かも。

 だが、よく考えたら範馬勇次郎こそ人間のもつ獣性を最大限まで開放している人間だ。
 常識的に欲望を抑制することよりも、ハジけて開放しちゃったほうがイイのかも。
 範馬勇次郎を常識で倒すなんて、常識的に考えてありえないだろ。(変な文)

 いっそうの事、刃牙は『どげせん』を読んで土下座での勝利を目指してみたらどうか?
 って、すでに土下座で勇次郎の意思をくじいていたな。(219話
 アレが『どげせん』のルーツだったのだろうか?
 つうか土下座は最強かもしれない。

 もし勇次郎が土下座したら、大地に頭突きかまして大地震を起こすね。
 振動で地盤がゆがんで土下座しているはずの勇次郎の場所が盛り上がり、土下座なのに相手を見下すという結果になりそう。
 地震(アースクエイク)土下座の完成だ!


2010年11月25日(52号)
まとめ 烈と刃牙の覚醒(ボクシング二戦目1)

 今週は刃牙が休載なので、烈ボクシング編をまとめてみる。
 186話〜203話 烈ボクシング挑戦!204話〜217話 烈ボクシング初陣!とボクシング編も三度目のまとめだ。
 ちょうどボクシング編から1年がたとうとしている。
 もう1年ぐらいはボクシングをつづけるのだろうか。

まとめ 218話〜233話 烈と刃牙の覚醒(ボクシング二戦目1)
 サブタイトル  内容
 218話 家族会議 刃牙ハウスに範馬勇次郎がやってくる。コーヒー不味い! 喧嘩うられた! 
 219話 ちゃぶ台返し  刃牙が謝って喧嘩は回避。あらためて力尽くでの勝負を持ちかけられる 
 220話 選択 刃牙は勇次郎にビビっていた。烈の対戦者が決まった
 221話 拳闘の神 次の対戦者クレーザーは強敵だとアライが告げる
 222話 威圧感 柴千春は刃牙に喧嘩を売る。烈vs.クレーザーが始まった
 223話 戦う理由 千春が戦うのに理由はいらない。烈はアゴに被弾した
 224話 無数の傷 刃牙は容赦のない連撃を千春に打ちこむ
 225話 グローブ ダウンしつつも千春はやる気っぽい。ダウンした烈の視界はグニャる
 226話 最高峰 千春をなめきった刃牙は油断して反撃を喰らう
 227話 闘譜 烈は豆腐を崩さない方法を教わったことを回想する
 228話 戦闘力 柴千春は身体能力以上の戦闘力を発揮した。刃牙はテーマを見つける
 229話 震盪 烈の回転防御! パンチが無効化される。でも、打たれた!
 230話 純闘志 気迫で戦う千春だが、刃牙にフルボッコにされる
 231話 出迎え 中国四千年の秘技、脳震盪を逆方向から叩いて相殺!
 232話 千春流 刃牙は千春流の技「相手の攻撃を顔面で迎撃!」をパクった
 233話 コーチ 烈は全力を出しきることに専念して攻撃をする。クレーザーをダウンさせた 


 刃牙は範馬勇次郎と戦うキッカケをつかみながら、回避してしまった。
 勇次郎の意をくじくという偉業は達成しているが、ビビってもいる。
 やっぱり、刃牙の心が弱いのだろう。

 というワケで千春に学べと花山が気をきかせてくれたのだろう。
 圧倒的な実力差をもつ相手だろうと、あきらめず果敢に戦え!
 そして、刃牙は千春の技を表面だけパクって一方的な虐待を楽しむのだった。
 いや違う。たぶん違う。違っていてくれ。

 烈はボクシング第二戦だ。
 今回の相手クレーザーは強敵だぞ。
 前フリもあって強敵アピールはあったのだが、イマイチ強さがわかりにくい。
 なんか、いつの間にか烈がやられてピンチになって、全力出したら逆転したという感じがする。
 クレーザーに、さらなる本気があるのだろうか?

 この戦いで烈はボクシングの奥深さを知った。
 ここからが、本当の拳法vs.ボクシングだ。
 そして、最終目標は現役チャンピオンだろう。
 烈はそこまで昇りつめることができるのだろうか。
 あと、アイアン・マイケルは話に絡めるんだろうか。
 アライ父が存在感を見せているのに、アイアン・マイケルは……


 浦安鉄筋家族の浜岡コメントが『漫画ゴラクで始まった板垣先生&倫先生の『どげせん』、超おもしれ〜。』だった。
 『どげせん』の漫画担当であるRIN先生の正体はナゾだったが、やはり笠原倫先生だろうか。

 日刊!浦安鉄筋家族 THE WEBで連載している『ばきどもえ』が本誌オリジナルのネタで登場している。
 なぜか、鞭打を使いこなす梢江ッ!
 その軟体の一撃は、まさに蛸ッ!
 松本蛸ェ!?

 そして、梢江を挑発してあえて打たれる刃牙は、とことんマゾだと思いました。
 リアルシャドーで打たれて、現実でも打たれる。
 二度も打たれて さぞ満足だろう。

 そして『モンスターハンターポータブル 3rd』(AA)と刃牙のコラボが発表された。
 記事の内容を見るかぎり、刃牙たちの技をイメージした武器が登場するかもしれないそうだ。
 刃牙が敵ででてきたら最悪ですよ。
 斬っても刺しても死なないし、30m上空から落としても体育座りしてピンピンしている。
 むしろマゾだから喜んじゃう。とんでもないバグキャラだよ。


2010年12月2日(1号)
第3部 第234話 千春イズム (890回)

 範馬刃牙ダウンッ!
 範馬刃牙ダウンッッ!!
 範馬刃牙ダウンッッッ!!!
 柴千春の蹴りを顔面で迎撃した範馬刃牙だった。
 みごとに千春の足を折ったのだが、ダウンしたのは刃牙だ。
 なんでコケてんの? ダメージをアピールしたいのか?

 作用・反作用の法則どおり、刃牙の顔面にも骨折クラスの衝撃がきている。
 千春に向かったエネルギーは骨を折ることにつかわれた。
 いっぽう、刃牙は吹っ飛んで倒れることでエネルギーを消費したのだろう。
 だから刃牙の顔面は骨折していない。ついでに言えば、ツラの皮が厚かったので助かったのかも。
 倒れたのはブザマに見えるが、戦いという局面において刃牙の反応が正解だ。
 やはり格闘技の申し子か。

 柳は風を受けながすことで倒れることはない。
 ヘンに抵抗するより流されたほうが良いときもあるのだ。
 柳龍光は勇次郎に逆らってヒドい目にあったし。(バキ18巻 157話)

 刃牙としては今の攻防で千春をフッ飛ばせると思っていたらしい。
 下からくる蹴りを、上から迎撃する頭突きでフッ飛ばす気だったのかよ。
 刃牙さんの上から思考は東京スカイツリーよりも高いぜ!
 この今思いついたようなホメ言葉は、どんな罠だ。

 いちおう刃牙は、千春の攻撃が予測より強かったとほめている。
 でも、骨折したけどね〜〜〜! と思っているのかもしれない。
 勝者のよゆうでほめているように見えるが、実際はどうなんだろう。

 刃牙は千春をほめることで闘争を終結させようと狙っているのかもしれない。
 アンタが強いのは充分ワカっている。でも、お互いにケガしているし、このへんで手打ちにしないか?
 そんな感じだろうか。
 刃牙の目的は永遠に千春を殴りつけることではなく、千春に敗北を認めさせることだ。……たぶん。
 勝利のために、刃牙は千春との妥協点を探っているのかもしれない。

「闘志天翔…………………」
「気持ち一つで駆け上がれる高み」
「境地――――――」
「アナタひとりで押し上げているかのようだ」


 刃牙が千春を大絶賛する。
 くやしいけど「闘志天翔」ってフレーズはカッコイイな。
 ちなみにググってみたら『闘志天翔』は佐竹雅昭の考えた言葉らしい。
 十数年まえに板垣先生と佐竹選手(当時)が対談した時の、刃牙に僕も出してください発言が実ったのか?

 千春もこれだけスゴイっすを連発されたら悪い気はしないだろう。
 でも、かえって勝負から降りにくくなったかも。
 こんだけ ホメられているんだし、もうチョット根性ださなきゃ。
 松岡修造の応援ビデを見せられて、強制的にガンバらなきゃという空気を感じるぞ。
 まさか、刃牙は永遠に千春を痛めつけるため、ワザとホメてんじゃないよな?

 右手は砕け、左足は折れた。
 痛みは鼓動のように消えず自己主張をしている。
 だが、痛みでギブアップするのは千春イズムではない。

(気迫……)(魂……)
(気骨……)(気合……)
(根性……)
土性骨(どしょうぼね)……)
(負けん気……)
(矜持……)(気概……)
(狂気……)
(無茶……)(無謀……)
(がむしゃら……)(向こう見ず……)
(無策……)(無鉄砲……)


 肉体ではなく精神で、魂で戦う漢(おとこ)だ。
 気持ちでぶつかり、肉ではなく骨で闘う。
 勝算がなくとも下がらない。
 柔道金メダリスト、ヘビー級ボクシング王者、750ccのバイク、どんな相手でも逃走(にげ)なかった。
 そのうちトラックや象兵にも特攻するかもしれない。

 ここで緊急インタビューが入ってくる。
 自称千春の一の子分であるトモジ(17)は、こう語った。
 東京マラソンに千春が出場したら、根性で優勝する!

 根性で優勝かよ!
 スゴいね 人体 ♥(はぁと)に匹敵するムチャフリだ。(バキ30巻 265話
 まあ、根性でアイアン・マイケルに勝っちゃったしな。
 千春ならやりかねないと一瞬だけ思ってしまう。
 いや、一瞬だけですよ。ンな、ムチャな。カステラじゃないんだから、根性だけで、ハハ……
 ちなみに、「千春の一の子分」と自称している人は10人以上いるらしい
 10人以上いるから、迫力も10倍で、信頼性も10倍って寸法だな。

 オリンピックで優勝とは言わない。
 市民参加マラソンの東京マラソンを選んでいるあたりが、本気を感じさせる。

 そんな根性のカリスマが、自分の考えた作戦に戦慄していた。
 ここで刃牙が降伏勧告をする。
 だが、おそかった。
 すでに千春は策を思いついている。
 思いついたならば、使わずにいられない。

 千春ですら恐れる秘策とはッ!?
 指での目潰しだッ!
 次の攻撃は目潰しをすると予告してきた。
 刃牙は、これを弱点である目で受けてみせるのか?

『二人共に』
『追い詰められていた』

「外すなよ…………」


 まさか、目潰しを眼球で受けとめるのか!?
 金的攻撃を睾丸で受けとめるぐらいなら楽勝というか、大歓迎だっただろうけど。(マゾだから)
 映画『スーパーマン リターンズ』(BDDVD)では、銃弾が目に飛んできても平気ってシーンがあった。
 刃牙も大丈夫なんだろうか?
 ドラゴニックオーラというか、ハンマオーラで千春の指を弾きかえしたりして。

 どちらも引かないから、とうとう追い詰められてしまった。
 視力をかけた究極のチキンレースだ。
 この決着はどうなる!?
 次回へつづく。


 ひたすら刃牙が千春をいたぶるターンかと思っていたが、意外な作戦がきた。
 いくら刃牙でも眼球はきたえられない。
 外すなと言っているから高速で動いて「外したのはお前が悪い」と千春に言いがかりをつけるのかも。
 目で受けるってのは無いよな。

 刃牙は追いこまれた。
 そして、千春も追いこまれている。
 千春のスゴさは、自分が苦しくても我慢してやりとげる根性にあった。
 しかし、この目潰しチキンランは刃牙に苦痛を耐えさせる状況になっている。
 本来なら、刃牙が攻撃で千春が防御にまわらなくちゃいけない。

 どちらかというと、千春が自分の手足が壊されるのを覚悟した上で、それでも攻撃するという展開がベストだった。
 千春を痛めつけている刃牙が、頼むから俺に反撃させないでくれと土下座するまで攻撃する。
 これが千春にとっての勝利だっただろう。
 窮地に立たされた千春は、ダメージから逃げたと言えるかもしれない。
 千春は痛みを根性で耐えている。でも、刃牙は痛みを喜んで耐えているのだ。勝負にならん。

 急に刃牙が千春をほめだしたら、ナゾのインタビューまではじまってしまった。
 これは落とすダメージを大きくするための、持ちあげる動作だろうか。
 トモジ(17)は刃牙のリアルシャドーが生んだ非実在ヤンキーかも。
 ただ、柴千春のコンセプトは「根性でマラソン優勝しちゃう」だ。(板垣恵介トークショー感想
 千春の本質をとらえているコトは間違いない。

 どちらが痛みに耐えることができるのか?
 そんな根性勝負だったハズが、刃牙だけに痛みがくる勝負になってしまう。
 精神的に追いこまれているのは柴千春だろうか。
 千春は自分の誇りを取りもどすため、途中で攻撃の手を止めるかもしれない。
 そこで決着! ……かな?

 もしかしたら、指を引っ込めて股間を出すのかも。
 アンタの玉と俺の玉をぶつけて勝負だ!
 ここで刃牙は攻撃がふれた瞬間に体を回転させてカウンターという必殺技をひさしぶりにだす。
 刃牙が急に気分をかえれば千春はカウンターのエジキだ。

 刃牙が、胴廻し回転金的特攻をしかけ、両者の睾丸が激突する!
 まさに玉砕戦法だ。
 この方法なら間違いなく刃牙の勝ちですね。

 しかし、もっと平和的な解決はないもんだろうか?
 話し合えってワケじゃない。
 現状だと不毛な「痛みガマン大会」だよ。
 どんな若手芸人向けの企画なんだか。

 もう、いっそうのこと二人で東京マラソンに参加すればいいのに。
 千春は片足骨折しているから、圧倒的に有利!
 ニヤリ。すべて計算通り!
 などと、思ったけど刃牙は速く走ることより苦しく走るほうが好きだった。
 やっぱり刃牙は「痛みガマン大会」をやりたいだけなんだろうか。

追記 (10/12/8)
 海老蔵事件は板垣先生の脳になんらかのスパークをおこすのだろうか?
 元暴走族で(じゃあ現在は?)黒人とのハーフが殴ってきたらッ!?
 あらかじめ灰皿に入れておいたテキーラを目に浴びせて、灰皿で殴る。
 その場にあるものを利用する環境利用闘法だ!

 千春の目潰し攻撃に、刃牙はたまたま買い物したテキーラで反撃だ!
 というのでどうだろうか?
 刃牙は範馬という暴力の貴族で人間国宝候補だ。
 現役暴走族の柴千春に国宝を傷つけさせるワケには行かない。
 というワケで、刃牙の買い物袋に秘密があるというのでどうか?

 まあ、次回は烈のターンだろうから解決編はしばらく後ですね。
 烈海王vs.クレーザーはやっとボクシングになってきたらしい。
 つまり、ここからがスタートだ。
 中国拳法の打撃と、ボクシングの打撃がぶつかり合う。
 スピードと手数のボクシングに中国拳法はどう対応するのだろうか?

 空手だとボクシングにはない打撃がいくつかある。
 ヒジ関節を支点にした打撃などはショートレンジでの奇襲になるだろう。
 たぶん中国拳法にもそういう技術があるハズだ。

 烈が中国拳法による防御の絶技を見せてくれた。
 今度は攻撃の絶技を見せてほしい。
 それをクレーザーがボクシングのディフェンスで どう対応するのか?
 攻守交替の戦いを見たい。

 千春の眼つぶしをどうかわすのか?
 烈はどんなボクシングをみせるのか?
 どちらも行き当たりバッタリというか、何も考えてないニオイする。
 最近、話が交互になっているのは、板垣先生がつづきを思いつくのに二週間かかっているからかもしれない。
 豆腐の話を二回もやったのは、二週間で追いつかなくなりつつあるからかも。


2010年12月9日(2+3号)
第3部 第235話 眼突き (891回)

 柴千春の眼突き攻撃を、刃牙は眼球で受けるのか?
 眼は指に勝てるのか?
 先端恐怖症の人は、今週の刃牙を読めるのか?
 うずまく疑問のなか、二週つづけて刃牙のターンだ!

 くっ、烈の話だと思っていたのに、読みをはずされた。前回追記が とんだ赤っ恥だよ。
 221話から、烈バキのパターンが7回つづいたので、もう連続は絶対にない。
 バキではこういう考えが一番危ない。
 嵌っている。すでに全身丸ごと岩塩層に嵌まって、後年に恥さらし状態だ。

 恥はさておき。
 刃牙と千春のあいだは4mほどだろうか?
 間合いが遠すぎる。
 おたがいに接近することを恐れているのだろう。
 二人の距離が接近すれば、決着だ。その結果は失明か。これでは近づけない。

 刃牙は微笑ともとれる不敵な表情だ。
 しかし千春は汗まみれになっている。
 おなじ玉をつぶすなら眼球でなく、金玉にしておけば良かったのに。
 千春だってヤりやすいだろうし、刃牙だって受けて立ちやすかろう。
 金的受けなんて、刃牙にとっちゃ朝食に目玉焼きをつけるぐらい簡単だ。
 むしろチョットした副菜感覚で美味しくいただくだろう。

 千春流は、人体の弱部である顔面で相手の攻撃を迎撃する。
 痛み・恐怖・ダメージ、すべてを耐える精神力がないとできない。
 そして顔面で相手の拳や足を破壊する。
 もちろん自分の顔面も傷つくが、そこはガマン。
 痛みと痛みのぶつかり合い。根性くらべだ!。

 だが刃牙相手だとなんかちがう。
 なぜなら範馬刃牙はマゾだから。
 痛み・恐怖・ダメージ、すべてご褒美にかえてしまう。
 千春は苦痛を耐えている。刃牙は快楽に耐えている。
 条件がちがいすぎて勝負にならない。
 そして、場の主導権は刃牙が掌握した。

 千春は眼突きなどやったことがない。
 刃牙はそう断言する。
 プレッシャーを与えつづけている。
 同時に逃げ道をふさいでいるようだ。

 餓狼伝の鞍馬は刃物をもたされ、動きが限定されてしまい敗北した。(餓狼伝 24巻 218話
 千春も眼突きをやるしかない状況にまで追いこまれている。
 こうなると、刃牙は千春の指だけを警戒しておけば良い。

 動き回る頭についている小さな標的が目だ。
 狙うには高度な打撃技術が必要だと刃牙はいう。
 もちろん俺はできるけどねー。と言いたいのかも。
 刃牙は千春に眼突きを止めるように説得する気だろうか?
 いくらマゾでも目は再生しない。
 目潰しは回避したいのが本音だろう。

「俺が目で捕らえる」
「アンタの両指を…」


 刃牙が自分からぶつかりにいく宣言だ!
 この発想は無かった!
 痛みに飛びこんでいくマゾの発想だよ。
 やはり刃牙は(ある意味)天才だッ!

 でも刃牙が飛びこむのなら、当たるも外すも刃牙しだいってコトだ。
 目で受けようが、鼻で受けようが思いのまま。
 やはり場の主導権を握っているな。
 オマエは棒立ちしていろ。ここは俺が仕切る。

 とろ‥‥

 まるで体が液化したような音がした。
 刃牙がやわらかく体を投げだす。
 ギリギリの低空飛行だ。この音ッ、この構えはッッ、まさかッッッ!?

 刃牙のシューズが二つとも爆ぜる。
 千春のわきを突風が吹きぬけた。そのように見えた。
 次の瞬間には刃牙が千春のはるか後方で転倒して跳ねている。
 千春は当たる直前に指を拳に変えようと考えていた。
 だが、刃牙の移動をまったく認識することができず、指は折れている。

「奥義開眼……」
「その名も「蜚蠊(ゴキブリ)ダッシュ」………とか…?」


 G師匠の技を実戦で使用(つか)ったッ!
 そして眼球で千春の指をヘシ折る。
 目は充血ぎみで血涙が流れているけどつぶれていない。
 刃牙、完全勝利だ!

 柴千春は当たる直前で指を引っこめようとした。
 チキンランで言えばブレーキをふむ行為に等しい。
 指だけではなく、千春の心も折れた。
 誇りたかき漢・柴千春は自分の折れた心を無視できないだろう。
 いずれ再挑戦するかもしれないが、ひとまず千春の敗北だ。

 刃牙は失明を恐れず危険に飛びこみ勝利した。
 オマケに蜚蠊(ゴキブリ)ダッシュという奥義も手にいれる。
 主人公らしからぬ技の名前だが、威力はバツグンだ。
 千春戦で手にした勇気と技をつかえば、…………範馬勇次郎に並びたてる! ……かも。
 次回へつづく。


 まさかの刃牙ダブルアタック・自爆アタック・蜚蠊(ゴキブリ)ダッシュだった。
 すっかり刃牙と烈が交互にやってくるペースにならされていたから、奇襲効果バツグンだ。
 目潰し攻撃をどうやって目で受けるのだろうと悩んでいたけど、高速で受けるのが正解だったらしい。

 速すぎてワカらなかったけど、刃牙はちゃんと目で受けたのだろうか?
 指を額で受けて折った後に目に当たったのかもしれない。
 なお千春の指は立てていた人差し指と中指以外にも、薬指が折れているようだ。
 これは指全体が額などに当たった証拠じゃなかろうか?

 刃牙は千春とのケンカにテーマを見つけていたはずだ。(228話
 私はそのテーマを精神力だと解釈していた。
 勇次郎みたいな怪物相手でもひかない心を身につけるというのがテーマだ、と。
 しかし、どうも刃牙は新しい痛めつけかたを覚えるというのをテーマにしているっぽかった。
 それで勇次郎に通じるんだろうか?

 だが今回、刃牙は失明を恐れずに突っこむ勇気を得た。
 勇気と無謀はちがう言葉だけど、まあとにかく前進したんだよ。
 これにゴキブリダッシュを加えれば、なんとかなるかもしれない。

 刃牙はGダッシュを訓練で身につけた。(26巻 210話
 今回、実戦での使用にも成功している。
 力・速度・耐久力・経験・精神力。刃牙は、どの要素でも勇次郎に勝てそうに無かった。
 だが速度だけは勇次郎を超えるかもしれない。

 G師匠のようにダッシュし、G師匠のように急停止する。
 こっちをジっと観察して、たまに飛ぶ。
 不気味な刃牙の攻撃に、さすがの勇次郎も戦慄するだろう。
 もちろんリアルシャドー的なイメージでG師匠の幻影を見せつつ戦うのだ。
 勇次郎だけでなく、読者にも厳しい一手となろう。

 なんか、読者も千春流で読まないとついていけない感じだな。
 もっとも精神的に弱い時間帯である食事時にG師匠の絵を見ながら読む!
 …………ごめん。私は千春になれない。マイク・クイン(すぐギブアップしたペイントレスラー)でいいや。

追記1 (10/12/15)
 奥義開眼「蜚蠊(ゴキブリ)ダッシュ」だ!
 闘争においてスピードは重要な要素である。
 ゴキブリなみの速度を手に入れた刃牙は勇次郎に挑戦できるようになった。
 目で相手の指を折れるんだから、拳や頭で当たればたいがいの物を砕けますよ。
 まあ、勇次郎の肉体はたいがいの物じゃ砕けないんですけど。

 掲示板やネットを見ていると蜚蠊(ゴキブリ)ダッシュのネタがいくつかあった。
(1) これってワリバシと紙袋だよね?
(2) 鎬昂昇も眼で骨を砕こうとした
(3) けっきょく蜚蠊(ゴキブリ)ダッシュの原理ってなんなのさ?

 上から順番に検証していこう。

(1) これってワリバシと紙袋だよね?
 グラップラー刃牙1巻 6話のネタですね。
 速いスピードで当てれば、やわな紙袋でもワリバシを折る事ができる!
「ただし紙袋のほうもヘコんだり破けたりするがね」
 ダメじゃん!

 リアルっぽさが昔より退化しているよ。
 いや、進化なのか?
 刃牙の頑強さはたしかに加速が進化しているようなデタラメっぷりだけど。
 やっぱり、額でうけて折ってから目に入ったんじゃないかと愚考する。

(2) 鎬昂昇も眼で骨を砕こうとした
 肉親には使えぬ眼底砕きですね。(グラップラー刃牙32巻 279話)
「眼球というものは普通考えられているより はるかに固いもの………」
 なんでも知ってる本部さんもこう言っている。
 指を砕けるぐらい固いらしいですよ?

 もっとも、眼底の骨は葉書ぐらいの厚さしかなく、とても弱い。(「死体は語る」か「死体は生きている」)
 そもそも、大多数の動物には眼底の骨がない。目を重要視する人間などに特徴的な骨だ。
 弱くてもしかたがないのかも。
 まあ、指を折れるぐらいにカタイのかもしれない。

(3) けっきょく蜚蠊(ゴキブリ)ダッシュの原理ってなんなのさ?
 究極の脱力による移動の消力(シャオリー)なんじゃなかろうか。
 あと、克己がやらかした骨の細分化みたいな、思い込みによるパワーアップだろう。
 説得力を生むのは、理屈じゃなくて迫力なんだよッッッ!
 いや、さすがに迫力だけじゃムリかな。

追記2 (10/12/16)
 今日は『ラジオデイズ:対談 板垣恵介の巻』の感想をちょっと書きます。
 板垣先生は笑っちゃうぐらいスゴい表現を目指しているので、ギャグ漫画と言われてもOKらしい。
 シリアスなギャグというより、真剣なギャグだ。むしろマジメにやっているのにギャグ、か?
 恐竜時代の塩漬け人間が現代によみがえるってのは、ギャグを通り越してマジメになったけど、やっぱりギャグだよ。

 このスゴすぎて笑っちゃう表現ってのは、口コミ効果を狙っているっぽい。
 思わず人に話したくなる描写ってワケだ。
 たしかに刃牙は、その手の描写や名言がおおい。
 つい最近だと、奥義開眼「蜚蠊(ゴキブリ)ダッシュ」とか。(235話
 関連して、(お久しぶりです………)(師匠………………)も、そうだ。(26巻 210話
 G師匠の登場は、まさに(作者の脳は正常か?という議論をするため)人に話したくなるネタだった。

 他にも「トリケラトプス拳」や「ピクル」「サムワン撃ちん」なども話題になったネタだと思う。
 どうも珍技が話題になりやすいのかも。
 そう言う意味では「ゴキブリダッシュ」は有望な技かもしれない。
 ゴキブリダッシュから派生するあまたのゴキブリ技が完成すれば刃牙の口コミ効果はバツグンだ。
 人気の面では、残念な結果になりそうだけど。

 とりあえず刃牙と勇次郎に戦ってもらうのが板垣先生の構想らしい。
 新たな勇次郎の子供が出てくるとしても、親子喧嘩の後にするそうだ。
 そう考えると、ゴキブルリダッシュを身につけた刃牙は、ついに勇次郎と決着をつけに行くのかもしれない。
「あっちゃ〜〜。やっぱ、勝てない。ムリだったわ〜〜」(範馬刃牙・完!)みたいな感じで終わりそう。

 地下闘技場・徳川ファイナルイベントがさっぱり進まないのも、先に親子喧嘩をやるつもりだからかも。
 烈のボクシング挑戦が片付いたら、ついに親子喧嘩がはじまるのかッ!?
 バキは31巻で終了だった。範馬刃牙はもうすぐ27巻がでる。
 コミックスの巻数としても、そろそろ頃合かも。


2010年12月22日(4+5号)
第3部 第236話 煙払い (892回)

 おっ、烈のターンだ。
 刃牙に話を持っていかたままじゃないかと心配だった。
 油断すると2ヶ月ぐらいは余裕で放置されるのが刃牙世界の恐いところだ。
 早く復帰できてよかった。
 そんなワケで、烈海王ボクシング挑戦編です。

 烈の反撃によりジョー・クレーザーがダウンした。
 強者クレーザーのダウンに観客は大興奮している。
 深町コーチは愛弟子(マイサン)がジョーをひざまずかせたと大興奮だ。

 カイザーはサングラスがズリ落ちんばかりに驚愕している。
 アンタ、クレーザーはロートルだから楽勝って言ってたのに、なんだこのリアクション!?(27巻 221話
 やっぱり本当は烈がクレーザーに勝てないと思っていたのかも。
 ファイトマネー受け取るときに烈が見せた態度が気に入らなかったのだろうか?(26巻 217話
 このプロモーター、油断ならない。

 クレーザーはカウント8で立ちあがった。
 汗は流しているが、目に力がある。
 まだまだ、やれるようだ。

(ジョーが…
 ダウンから起き上がるということ…)
(その時…)
(ボクシングは
 スポーツの範疇を超える)


 拳闘神・アライ父が解説をした。
 いやいやいや、ミスター。
 もうとっくにスポーツを超えていますから!
 烈がリングにあがった時点で超ボクシングに変容しています。

 それとも、クレーザーまでもが超変身するのだろうか。
 烈だけでも大変なのに、二人とも超人化しちゃったらどうなるんだろう。
 超変態ボクシングになりそうだ。
 やっぱりスポーツじゃなくなるな。

 烈は低い姿勢でかまえる。
 クレーザーはいつものように前進あるのみだ。
 交錯ッ!
 烈をカチあげようとクレーザーはアッパーカットを放つ。
 だが、烈はそれよりさらに低い動きでアッパーをかいくぐる。

 前足の踏みこみかたがボクシングとはまるでちがう。
 これが中国武術の運足なのだろうか。
 ふところに飛びこんだ烈は、クレーザーの目をグローブでおおう。
 巨人ボクサー アンドレイ・ワーレフをほふった無明無寸勁の流れか?26巻 216話

 だが、クレーザーはワーレフとちがい、目隠しの効果が薄い。
 手を払ったりせずに、見えないまま烈を攻撃してきた。
 さすがの烈も攻撃をよける。
 どうも長時間の目隠しをすることができなさそうだ。
 焦りがあるのか、烈はスグに右拳を打ちこむ。

 浅いッ!
 クレーザーは倒れない。反撃してくる。
 烈はジャンプで回避だ。
 って、またジャンプかよ!
 ボクサーがそんなピョンピョン飛ぶなよ!

 池上彰なら、ここで「実はこのジャンプも中国四千年なんですよ」と解説してくれるだろう。
 そう、また四千問題なのだ。また回想だよ。
 すでに天才拳士とよばれていた少年時代の烈は師匠に稽古をつけてもらっていた。
 ジャンプした師匠に頭をピシャッと叩かれている。

「頭上から襲いくるものは 防御(ふせぐ)ことしかかなわぬ」

 はい! はい! 知ってます!
「宙空からの敵には反撃できねェ」グラップラー刃牙25巻 216話)
 ってヤツですね。
 天内の技ですら通過済みだったとはッ!

 じゃあ、ボクサー全員がジャンプすればいいんだよ。
 とは、ならないんだろうな。
 あんな変態的ジャンプ力は誰もマネできまい。
 まさに中国四千年の奇跡だ。
 烈海王は、片足義足なんだぜ。あれでも。

 とにかく空中からの攻撃は、反撃できないので防御するしかないらしい。
 これは負けないと言う意味で必勝の攻撃パターンだ。
 ……なんでピクルと戦ったときにやらなかったのだろう。
 ジャンプ疲れで体力切れになるかもしれない。
 そうか、ピクル相手にジャンプ殺法をしていたら一万回ジャンプしても倒しきれずに自分が倒れるな。

 烈はロープを蹴ってさらに高くジャンプする。
 さらに回転して攻撃だ!
 これはッ! まさかッ! 伝説の……
 いつもの2倍のジャンプに、いつもの3倍の回転をくわえれば1200万パワーだーっ!!
 これも通過していたというのか、四千年ッッ!

「気を付けろ……………」
「手負いのジョーにとり…」
「ボクシングとは殺し合いだ!!!」


 アライ父がまた警告をする。
 二度も言いやがった。よっぽどクレーザーが危険なんだろうな。
 だが、烈の1200万パワーパンチを喰らってクレーザーはふたたびダウンするのだった。
 ミスター、警告がからぶりでなイカ?
 しかも、二度も。

 すでに手負いだったクレーザーがさらに手負いになった。
 これでますますボクシングから離れて行くらしい。
 殺し合いと言う点に関しては、烈だってプロフェッショナルだ。
 足喰われて死にそうになったり、背後から注射されて死んだように眠ったりと、なんども死線を潜り抜けている。
 むしろボクシングでなくなるのは、烈にとって歓迎すべき状況って気がするんですけど。

 なんにしても、次からが本番だ。
 ボクシングが殺し合いにかわる。
 宙を舞った烈海王だが、今度はどんな妙技を披露するのだろうか?
 今日は刃牙3倍祭りなので、このまま次回へッ!


2010年12月22日(4+5号)
第3部 第237話 報告 (893回)

 刃牙の超絶マゾっぷりと、変態タフネスっぷりに敗北した柴千春は花山のところで反省会をしていた。
 お茶を出してもらっているけど、両腕がギブスで固定されているのでコップもてないよね。
 敗者に同情は不要ってことで、冷たい対応になっているんだろうか?
 いや、千春の根性があればなんとかしてくれる!

 刃牙は眼玉で指をヘシ折った。
 あまりにムチャな話なので花山も信じられなかったようだ。
 むしろ千春が、眼で折られたと確信しているところに疑問を感じるけど。
 なにしろ千春は、高速移動する刃牙の姿が見えていなかった。
 でも、指は目に当たって折れたという。

 現場を見ることができなかったのに、なぜ眼で折られたと信じ切れるのか?
 刃牙のパフォーマンスと思い込みの力に引きずられたっぽい。
 狂気は伝染するのだ。(参考:フォリ・ア・ドゥ

 さすがに柴千春でも眼で相手の指を折るのはムリらしい。
 そりゃ、普通は眼のほうがつぶれる。
 刃牙さん、マジすげぇ。と言うのが結論だ。
 BMW!(バキさん、マジで、ワンダフル)
 BGM!(バキさん、ゴキブリですよ、マジで)

 ただ、刃牙は高速で当たれば眼で指を折れると思っていたのでは無いか。柴千春はそう考える。
 新幹線ぐらいのスピードがあれば可能だろう。
 相変わらずのムチャ理論です。
 男根をマッハで壁にぶつけたら、障子紙を破るようにコンクリートを突き抜けるとでも思っているのだろうか?
 刃牙ならやってくれそうな気もするけど。
 スピードが上がれば当てられた指も当てた眼も、両方ともダメージが増えるだけだ。

 でも、圧倒的な迫力のまえに花山も納得するしかないのだった。
 刃牙はついに新幹線なみの速度を手に入れたのだ。
 自宅で休憩していた刃牙は、姿を見せたG師匠に感謝の土下座をする。
 刃牙さん、人類の尊厳が……

 そのころ徳川邸では栗谷川さんがマッチメークを報告に来ていた。
 水面下というより深海で行われていた大会がついに開催決定なのか?
 果たして、どんな選手が登場して、誰と戦うのだろう。
 次回へつづく。


 二話目は正直、内容がうすかった。
 G師匠に土下座するという絵がシュールすぎて面白いぐらいだろうか。
 板垣先生プロデュースの『どげせん』を読んで、刃牙も土下座にハマったのかも。

 土下座の伏せるスタイルは獅子の構えだ。(どげせん5話
 悟空道でも力を溜める凪の構えって言っていたし。
 刃牙の場合は獅子土下座というよりも、ゴキブリ土下座だ。
 時速270km、最速のゴキブリ構えでである。
 空気抵抗が最小になって、最速を生みだす。……たぶん。

 最速を手に入れた刃牙は地下闘技場のファイナルイベントに呼んでもらえるのだろうか?
 メインイベントとして、刃牙vs.勇次郎が用意されているのかもしれない。
 おそらく、徳川さんが最期に望む試合が範馬親子喧嘩だろう。
 その感動の試合にゴキブリダッシュを見せて良いものやら……

追記 (11/1/5)
 新年一発目の刃牙はどんな感じだろうか?
 前回の引きが地下闘技場御前試合が決まったようだった。
 ならば、全カード紹介! だろうか。

「ご老公、第一試合からド肝抜いていきますよ」
「ほう。第一試合はどんなカードじゃ?」
「第一試合! アイアン・マイケル vs 加藤清澄!」
「び、微妙じゃ! たしかに勝敗はわからん気もするが、わからなくてもイイ気がする」
「ふふふ。ご老公でさえ勝負の行方がわからないという言葉、たしかに頂戴いたしました」
 栗谷川さん、会心のどや顔だ!

「第二試合は玄人好みの渋い試合です」
「うむ。最近はインパクト重視の試合が多いからな。たまには尺八の調べが聞こえてくるような試合が見たい」
「第二試合! 古武道 鬼頭流柔術 鬼頭文吉 vs 柔道130キロ超級 佐藤君」
「渋い! というかマニアックすぎ! グラップラー刃牙1巻、4巻に出てくる雑魚キャラなんて、ほとんど覚えてないよ!」
「ガンダムシリーズのヒロインで誰が好きと聞かれてジュリと答えるような玄人好みでしょ」
「しらんぞ、そんな種の眼鏡っ子。なんで瞬殺された物同士のカードなんて組むの?」
「加藤にいつの間にか倒された鬼頭と、花田に一撃で倒された佐藤君。まさに加藤と花田の代理戦争ですね」
「いや、加藤と花田は戦ってるから。花田カタキン潰されて負けたから」

「第三試合は刃牙らしく、野生の対決です」
「ああ、夜叉猿とアナコンダじゃな。ネットでは使い古されたネタじゃよ」
「刃牙の愛犬ムサシと夜叉猿に倒されて「人間じゃねぇ」発言をした栗木君」
「ええっ!? これまた微妙!」
「なおハンデとして、栗木君には日本刀の使用を許可しています。動物には日本刀を装備して対等と言われていますから」
「栗谷川くん、今すぐ出ていけ」

 と、まあ、へっぽこカードなら徳川さんがその場で吐血してしまいそうだ。
 正直に言って、過去の試合を上回る組み合わせが出てくるのかどうか、不安と期待でいっぱいです。
 でも、アイアン・マイケル vs 加藤清澄 はけっこうイイ試合しそうな気がするけど、どうか?


2011年1月6日(6号)
第3部 第238話 マッチメイカー (894回)

 命燃え尽きようとする徳川光成のために栗谷川さんが用意した極上のマッチメークはどんな試合だ!?
 巨人ボクサー アンドレイ・ワーレフ vs. 巨人レスラー アレクサンダー・ガーレンという超大型対決だったりして。
 そんな沈撃の巨人対決を見せられたら、徳川さんの寿命が逆に縮む。
 確かに、どっちの巨人が負けるのかと言う意味では、展開の読めない試合になりそうだけど。
 ジャック兄さんが、すべての巨人を相手に戦うハンデマッチのほうが、まだマシかな。

 栗谷川さんはノートパソコンを取りだす。
 そして、対戦カードではなく武神・愚地独歩の活躍する姿を見せはじめる。
 話を末端からはじめた! じらし殺法なのか?
 ピクル編での様子からすると、徳川さんはじらしプレイがけっこう好きっぽい。(19巻 154話
 栗谷川さんは客先要望にこたえる男のようだ。

 街を歩く独歩の話をはじめよう。
 ある男とスレちがった時、独歩は思わず足を止めた。
 男からは強い香水(コロン)のニオイが感じられる。
 だが、それでも体臭を感じた。頭髪は乱れ、爪には垢がたまり、汚れた襟に無精ヒゲだ。
 最近フロに入っていない。すさんだ生活を感じさせる。
 まるでコミケ3日目から帰還した戦士のようだ。

(なのに……… 男から漂う不自然な――――)
(脂と―――――― 金属の臭い…)
(重心から察するに――)
(ベルトの右側だ………)
(歩き方が伝える…)
(物(ぶつ)の大きさは)
(刃渡り30センチは超えていよう……)


 男は大きな刃物=牛刀を隠しもっている。
 脂のニオイがするのは、脂がつくようなモノを切ったのだろうか?
 つまり肉だ。
 猫? 犬? それとも……

 男から感じた雑多な情報の組み合わせに不自然を感じ、独歩は危険を感知する。
 まさに、雑多な情報(information)を分析した情報(intelligence)に変える作業だ。
 こういう分析をすることで使える情報になる。(「情報」と国家戦略
 個人の闘争にかぎれば、愚地独歩の分析力はCIAに匹敵するかもしれない。

(この男 何処かで抜く!)

 愚地独歩が断言した!
 汚れた格好だけ見ればコミケ帰りと思われたかもしれない。
 世にはばかるような同人誌を大量に所持していないから違うとワカりますが。
 なお、コミケ帰りの男も(この男 何処かで抜く!)と判断される可能性が非常に高い。
 せめて家に帰ってからにしようや。

 男は小さな子供に目をつけたらしい。
 牛刀を抜いた。
 左手にもつ。左利きか?
 そして、子供に斬りかかる。

『容疑者 三村雄稀』
『ブログに残した言葉…』
『「誰でもいい………」』

「喝ッ」


 独歩が大声をだす。
 牛刀男・三村の一撃は子供の胸を浅く斬った。
 独歩の声が三村の意識をみだし、狙いを外させたようだ。
 このへんの呼吸はさすが達人です。

 とことんまでヤると決めていたのか、三村はひるまない。
 自分をジャマした人間=独歩に向きなおる。
 逆上した三村が牛刀を振りかざして突っこんできた。

 独歩は左を打ちこむ。
 いや、打撃じゃない。
 人差し指、中指、親指で三村の甲状軟骨(のどぼとけ)をつかんでいる。
 そして、甲状軟骨を引きちぎった!

 さらに、右手を掌底(平拳?)にして、男の股間を強打する。
 潰した!?
 いや、狙いは恥骨だ。恥骨を破砕する!
 砕いたってことは、やっぱり掌底だろう。
 恥骨だけに、ここの治療を受けるのは恥ずかしい。

 独歩はまだ止まらない。
 もうやめて、三村のライフはゼロ、……っつうか恥骨くだかれた時点でマイナスです。
 諦めてください。試合終了しています。
 でも、独歩は必殺スペシャルコンボを完成させてしまう。

「肋骨………… 開放性骨折」

 左貫手を突っこみ、肋骨をつかんで引きぬく。
 独歩の手には三村の骨が二本にぎられていた。
 開放性なんてモンじゃないよ。
 もう骨折というカテゴリーに入れて良いのかすらワカらない。
 愚地独歩、超過剰防衛で殺人未遂犯を撃破する。

『空手には……………』
『存在してはならない技術がある』


 そして、この映像を見ている徳川さんは大興奮しているようだ。
 ヒトがヒトを破壊する残虐ショーを喜んで見ている。
 地下闘技場には…………存在してはならない娯楽がある。……のか?

 栗谷川さんの選んだ最初の戦士は愚地独歩なのだろうか?
 闘争に餓えすぎて、とうとう禁じ手まで使いだしちゃったようだ。
 こんな独歩には戦う相手が必要だろう。
 はたして栗谷川さんの選んだ対戦相手とはッ!?
 次回へつづく。


 "戈(ほこ)"を"止"めるのが"武"なのに、愚地独歩が過剰に暴力ふるっている。
 コレには本人である独歩も困り顔だ。
 に書きましたが、『武は、戈を止めるの意』は後漢の許慎が『説文解字』に書いて広まった。
 だが、本来『武』は『止は足の象形で、いくの意味。戈はほこの象形。ほこを持って戦いに行くの意味』だ。(漢語林
 少林寺拳法の創設者宗道臣も『説文解字』説にしたがっている。(少林寺拳法奥義
 1900年前に通過した誤解だけに、なかなか解消されないのだ。

 武は相手を攻めることである。
 乱世では専守防衛ってのもなかなか難しい。
 独歩の武は、相手を徹底的に倒す、本来の武なのかも。
 現代日本だと、確実に過剰防衛になってしまいそうですが。

 最初の一撃でいきなり過剰防衛ですよ。
 二撃目で超剰防衛になって、三撃目で抹殺のラストブリットになった。
 『スクライド』(AA)ファンは大喜びだ。
 裁判にもちこまれたら、かなり不利だろうな。
 動機はきっと、つい楽しくなって、やりすぎちゃいました。

 ノドは人体の急所だ。
 笠原倫が昔描いた読切りマンガで妹を殺された主人公が、裁判中に素手で犯人を殺そうと計画する。
 空手の達人にすぐに素手で人を殺せる技を聞いたら、貫手でノドを狙えと言われた。
 それだけノドへの攻撃は危険で有効なのだ。
 ちなみに、このマンガでは達人が裁判所にいて主人公を止めて罪を犯させない。
 心神喪失で無罪を狙っていた犯人は主人公の行動に取り乱し馬脚をあらわすというオチだった。

 肋骨をえぐりとる技も危険きわまりない。
 大きな血管や内臓が近くにあるから、超キケンだ。
 貫手で折れた肋骨を心臓に叩きこまれたガーレンなみに危険な状態です。
 恥骨はよくワカりませんが、イメージ的にとても痛そうだよな。治療が恥ずかしそうだし。

 肉親どころか、他人にも使っちゃいけないような技を解禁しちゃった愚地独歩だ。
 スーパー独歩ちゃんと化した彼と戦える人間がいるのだろうか?
 渋川先生は一度戦っているから、たぶん無いな。
 そうなると……郭海皇あたりか?

 いや、郭海皇には日中の達人対決ということで渋川先生と戦っていただきたい。
 合気と消力(シャオリー)の激突で東京ドームが崩れて地下に沈むかも。
 すごい達人対決が期待できそうだ。

 今の独歩は悪魔に魂を売る寸前だ。
 デビルハンドと化した独歩と戦うのは、やっぱ危険なヤツだろう。
 たとえば、…………武器をもった本部以蔵!
 危険そうだけど、なにか ちがう気がする。

追記 (11/1/12)
 刃牙vs.柴千春がかたづいたら、今度は愚地独歩だ。
 烈海王オンリーイベントはなかなか やってきませんね。
 次回も独歩の話だろうか。
 ここで放置されたら、けっこう厳しいぞ。

 独歩の対戦相手は誰だろう。
 思いきって新人が登場するかもしれない。
 愚地独歩、宿命のライバル登場って感じで。

 餓狼伝だと松尾象山のライバル磯村露風が、すげぇ後になって唐突にでてきて読者をビックリさせた。
 ならば、独歩のライバルが突然でてきてもおかしくない!
 もっともライバルポジションは本部以蔵なんだろうけど。
 いや、本部じゃダメか。いやいやいや、これが本部にとって輝ける最後のチャンスが今回かもしれない。

 そんなワケでパワーアップした本部が独歩の前に立ちふさがるという展開はどうだろうか?
 ジャック・ハンマーと鎬紅葉の協力を得て、ドーピングと骨延長をしたスーパー本部の誕生だ。
 でも、本部さんはけっこう年だし、ドーピングとかは良くないよな。

 予想外の強敵としては、アライ父って可能性もあるかも。
 アライJr.はイマイチ活躍できなかったが、パパは違う。
 なにしろ初登場のときは白髪だったのに、今じゃ黒髪だ。若返っている!
 偉大な父親対決だ。


2011年1月13日(7号)
第3部 第239話 好事魔多し (895回)

 素手で相手のノドボトケをむしりとり、恥骨を粉砕し、肋骨をえぐりとる。
 愚地独歩が必殺の空手術を開放した!
 一回でじゅうぶん相手を無力化できるような攻撃を三回もブチこむ。
 デッドボールを二回当てた相手に、ダメ押しで全力の牽制球を当てに行くようなものだ。
 ムエタイ選手なら四回は敗北するような攻撃だよ。

 エグい攻撃は見慣れているハズの私ですらビビった攻撃である。
 襲われた小学生もビビっただろうな。
 もちろん斬られたショックも大きいのだろうけど。
 なんか独歩がダメ押しのトラウマを与えたような感じだ。

 けっきょく独歩は警察に事情聴取をうけたらしい。
 これは過剰防衛で逮捕されそうだな。
 独歩は逃げなかったのだろうか?
 返り血がすごすぎて逃げてもすぐバレる状態だったのかも。

 あと、素手で肋骨えぐりだせる人は日本に何人もいない。
 独歩は三村容疑者の身体に名刺を置いていったようなものだ。
 せめて普通に殴っていればバレなかったろうに。
 危険な技を使いたくてしかたがなかったのだろう。
 私も「この男 何処かで抜く!」ってセリフを使いたくてしかたがない一週間でした。

 栗谷川さんはなぜか警視庁での事情聴取の内容を知っている。
 機密保持がまるで なってない。
 それとも栗谷川さんの情報収集力がすごいのか。
 まあ、独歩本人に聞いたのかもしれませんが。

「徒手(素手)の武術空手 拳法には」
「存在してはならない技がある」
「不当な暴力による愛する者への生命の危機」
「圧倒的弱者への一方的な暴力的危害」
「そして戦争……」
「使用が認められるとするなら」
「それら例外的なケースのみ」


 本来は使っちゃダメだけど緊急の場合は使うしかない。
 ある意味、自爆装置みたいなモンですね。
 私もパソコンにしかけて、万が一急死しそうな時は証拠隠滅したいものだ。

 独歩のいう条件に「自分の身を守る」が入っていない。
 こういう技を使える人は、普通の攻撃でじゅうぶん身を守れるということなのだろう。
 つまり、自分以外のモノをまもるため仕方なく使うのが危険な技なのだ。

『平然と人を殺傷できるのは、二つの理由が挙げられます。「殺せという司令官の命令に従う」ことと「仲間を守るため」』(毛利元貞護身の科学」)
 人を殺めるような危険な技を使うのは大義名分があるときだけなのかも。
 そして、独歩は言う。

「使用法に誤りはありません」

 ド外道を制圧するのに必殺技×3を使うのは間違ってないってコトか?
 なんか論点をずらされている気もしますが。
 一発でじゅうぶん死にかけているのに、なんで三回もやったの? ってコトを聞きたいのだろうけど。
 迫力で押し切られたら、なんか説得されちゃう感じだよ。

 愛するものを守るときにだけ使っていい危険な技がある。
 独歩は危険な技を思いっきり闘争に使ってみたいのかも。
 危険な欲望を満たすことができる場所は地下闘技場か。
 そして、独歩の相手になる人物は?


 烈海王の戦うラスベガスでは、ボクシングの試合が殺し合いに変貌しようとしている。
 二度ダウンしたジョー・クレーザーは、もうフラフラだ。
 トドメを刺すべく烈はダッシュしてラッシュする。
 中国拳法らしいストレート系の打撃で連打だ!

 だが、クレーザーが右フックで反撃した。
 アゴにくらった烈は目が泳いでしまう。変顔だ! ダメージけっこう大きいよ。
 やっぱり、拳の連打はボクシングのほうが一枚上手なのだろう。
 烈は勝利をあせって相手の得意分野に踏みこんでしまった。

 百戦錬磨の烈海王だって冷静さを保つのは難しいのだ。
 感情の起伏が激しいツンデレ体質の男だし。
 べ、べつにアンタにあわせてパンチの打ち合いを挑んだワケじゃないんだからね!

 クレーザーの反撃をくらった烈はたまらずジャンプする。
「頭上から襲いくるものは 防御(ふせぐ)ことしかかなわぬ」236話
 空中に退避してとりあえず逃げるつもりらしい。
 が、ボディーに打撃をくらって脱出失敗だ。
 直前に腹を殴られたせいでジャンプ力が落ちて、高さがたりなかったのかも。

 着地した烈にクレーザーが襲いかかる。
 連打につぐ連打だ。まさにボクシングの攻撃である。
 大きなダメージを受けているのにクレーザーはさがらない。
 不退転の決意だ。柴千春的な精神力をもっている。

 パンチの嵐から脱出したい烈は蹴りを出した。
 反則!?
 いや、ロープを蹴っている。
 その反動を利用して、クレーザーを殴った!

 変形三角蹴りってところだろうか。
 正統ボクシングで攻められたら、ボクシングに無い技で反撃する。
 中国四千年のおかげで助かったわ〜

 と、思ったらクレーザーがまた反撃してきた。
 打たれても打ち返す。
 クレーザーはけっして止まらない。さがらない。
 後退のネジを外した男だ。
 ヤツを止めるには、もう命を絶つしかないのか?

 烈は今後のためにとっておいた、秘術(とっておき)をだす気になった。
 拳の握りを変化させる。グローブが異形に変化した。
 なかで人差し指一本拳にしているのだろう。
 打撃を面から点にかえて、急所を狙い撃つ気か?
 烈の秘術(とっておき)はクレーザーを止められるのか?
 次回につづく。


 独歩は禁じ手を使いたくてしかたがないようだ。
 相手を選んでいるとはいえ、危険すぎる。
 町にでてくる熊より危険だ。
 やっぱり、達人(から一般人)を保護しないとダメだな。

 武器をもたず素手で戦う。
 肉体を武器にする。
 非武装だけど、もっとも危険な男。
 独歩の向かう先は範馬勇次郎のように見える。

 護身術の枠を超えて、闘争の鬼と化すのだろうか。
 素手の拳がこんなに危険なわけがない。
 素手の拳なんかぜんぜん安全じゃないんだからねっ!!
 愚地独歩が人道を踏みはずしそうな気がする。

 いっぽう、烈は秘術(とっておき)をだす気だ。
 これは試合でつかえる安全な技なんだろうか?
 烈も使うべきでない危険な技を開放しちゃうのかも。

 死ぬまで止まらない勢いのクレーザーを倒すには、どうすればいいのか?
 クレーザーを倒すのは、柴千春を倒すのと似ている。
 刃牙の行動をマネるのなら、相手の攻撃をカウンターで迎撃だ。
 骨折させるのも有効である。
 心を折るには、まず骨を折るんだ!

 刃牙の行動を参考にするなら、烈の攻撃は不発になりそう。
 必要なのは鋭い針ではなく、骨を折るハンマーだ。
 烈はクレーザーのパンチを頭で迎撃する作業に入ればイイ。
 でも、この場合はグローブつけているから、頭のほうがダメになるか。

 それと範馬刃牙作戦は一般人にオススメできない。
 痛みを喜びに変えることのできる特異性癖でないとムリだ。
 烈にはちょっとキビしいだろう。
 ゴキブリのマネをして、ゴキブリダッシュするのも精神的にキツそうだし。

追記 (11/1/18)
 古流空手は、手首と足首から先の造りと使用法がキモである。と本部さんも言っている。(G刃牙31巻 269話)
 中国拳法も同じだ!
 でも、グローブをつけてシューズ履いたら普通のボクシングと変わらない。
 そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。

 グローブごしに拳の形を変形させるッ!
 そんな強引な事が可能なのかッ!?
 まあ、烈海王だからできるのだろう。
 きっと準花山クラスの握力があればできるのかもしれない。
 花山の拳は超握力のため異形の拳になるが、烈はグローブを異形にするのだ!

 どのていど意味があるのか良くわかりませんけど。
 一本拳のような鋭い打撃は、人体の柔らかい部分を狙うのがセオリーだ。
 ボクシングでそれをやったら反則にならないか?
 エキシビジョンマッチだからルールが比較的ゆるいのかも。

 刃牙だと一本拳で人中を狙う場合がおおい。
 夢枕獏的には、高難易度の必殺技という扱いだ。
 耳たぶの後ろ、アゴ関節の継ぎ目あたりを狙うのもポイント高いぞ。
 やっぱり、反則かもしれないが。

 基本的にボクシングってナックルパート(拳の第1関節と第2関節との間の部分)で殴るものだ。
 アマチュアのボクシングだと、グローブのナックルパートの色がちがっているぐらいだから重要なのだろう。
 で、ナックルパートを無視して攻撃していいものなんだろうかと……

 まあ、そこはボクシングで国体にも出場したことのある板垣先生だから、すごい解決方法がありそうだ!
 かつてガーレンはルールを知っているだけの素人だけど身体能力がすごいから金メダルを取っていたという設定があった。
 もしかしたら、ルールすら知らないけど身体能力だけで国体出場しちゃった人もいたのかもしれない。


2011年1月20日(8号)
第3部 第240話 一本拳 (896回)

 烈海王vs.ジョー・"スモーキン"・クレーザーも最終局面へッ!
 これまでの展開は波乱に満ちていた。
 烈が自分の頭をたたいて脳震盪を相殺する(231話)。でも、また打撃を喰らう。
 空中からの攻撃には反撃ができない(236話)。……ハズだったが、ジャンプの途中で迎撃された。
 秘術のかぎりをつくす烈海王だけど、いつも残念な結果になっているな。

 烈のせいで、リング上は超ボクシングの発表会みたいになっちゃった。
 それにつきあって、烈を凌駕するクレーザーはスゴイな。
 でも、気をつけないと普通のボクシングに帰ってこれなくなるぞ。
 それはともかく、クレーザーはボクシングで烈を苦しめている。

 追いつめられた烈はとっておきの秘術を使用(つか)う。
 今までの流れでいくと、不発になりそうだ。
 ついでに言えば、ルール的に大丈夫なんだろうか?
 まあ、空中殺法がOKなんだから たいがいの技も大丈夫だろうな。

 烈はグローブの中で拳の形を変化させる。
 中指が突出した形の握り、――――中指一本拳だ。
 グローブの形が五角形になっている。
 今度の攻撃は、まさに蜂のように刺す一撃になるぞ!

 烈は足を止め、足幅(スタンス)を大きくとった。
 動きよりも安定を重視した構えだ。
 左手は防御に専念し、右の一本拳で貫く構えか。

 立ち止まって迎え撃つ姿勢の烈にたいし、クレーザーは突っこんで行く。
 前進。常に前へ。少しでも前に。
 それがクレーザーのボクシングであり人生だ。
 いかにも罠を張っていそうな烈だったが、クレーザーは突っこんで行く。
 連打だ。烈の足がすべって後退するような圧力がある。

 だが、連打の間隙をついて烈は拳をだす。
 一本拳がクレーザーの鼻と唇の間に当てられた。

『人中』
『一本拳にて直角に打突 顔面神経の分岐点にて』
『痛急所 当込急所』
『仮死または殺傷に至る急所にて四肢を麻痺させ行動を完全に停止させる』


 愚地独歩が心瞑活殺流 船井零に使用した必殺の人中突きだ。(26巻 209話
 時と場所をかえて、烈もボクシングで使うコトになるとはッ!
 けっこう危険だけど、自分のために使ってもイイ技なんだろうか?
 寸勁の要素をくわえているのが烈らしい。

 この一撃でクレーザーの動きを止めて、トドメの一撃を打つつもりだろうか?
 『はじめの一歩』で言えば、相手の心臓を打って動きを止めるハートブレイク・ショットみたいなものか?
 そうなるとフィニッシュは超大技・転蓮華パンチか?(どんな技だよ

 人中への一本拳はジャブにすぎない。そんなふうに考えていた時期がページをめくる前の俺でした。
 烈の一本拳をくらったクレーザーはシリモチをつくようにダウンする。
 死ぬまで止まらない。ボクシングを殺し合いに変える男だ。
 そう評されてきたクレーザーだが、あっさり失神KOしてしまう。

 クレーザーがあっさり負けた。
 信じられない幕切れに深町コーチは烈に抱きついて喜ぶ。
 烈の見せた謎の攻撃に、アライ父は「…………………ミステリアス…」というしかなかった。
 たしかにコレはミステリーだ。
 さらなる上位(うえ)で使用(つか)われるハズだった秘術と言うだけあって、威力バツグンだな。
 正直、あなどってた。

 一本拳は鋭い打撃だ。
 だからグローブをつけたら、優位点が失われてしまう。
 と思うのだが、四千年の前ではグローブのクッション性など誤差範囲だったらしい。
 それとも、試合中にチョットずつグローブのクッションをズラして薄くしていたのだろうか?

「スンゲェよオメエッッ」
「ホンモノのヘヴィ級に勝っちまったッッ」


 深町コーチはまだ喜んでいる。
 ホンモノって、アンタ……
 巨人ボクサーのアンドレイ・ワーレフはニセモノだったと言うのか?26巻 212話〜)
 確かに刃牙世界の巨人は見かけばかりで勝てない人が多いけど。

 肉体的に恵まれていたワーレフとちがい、クレーザーは純粋にボクシング技術を高めて昇ってきた男だ。
 ある意味、誰よりも、チャンピオンよりもボクサーらしい選手なのかもしれない。
 そのクレーザーは勝者の烈に声をかける。

「久しぶりに……………」
「死んだ親父に会った」
「長話してたら――――――」
「試合が終わってた」
「フフ……」
「長く話せたのは――」
「アンタのおかげだ」


 クレーザーは臨死体験していたのだろうか?
 さすが仮死または殺傷にいたる技だ。
 そして、親父の話は振り返るな前に進め的なものだった。
 助言に反して、死んだ親父と言う過去を振り返っちゃったのがクレーザーの敗因だろうか。

 でも、死んだ父親と話すのは過去を清算できてイイことかもしれない。
 クレーザーの表情は妙にスッキリしている。
 今日は負けた。だが、その敗北を引きずらない。振りかえらない。
 明日からは、また前を見て進んで行くだけだ。
 そんな感じに気持ちを切りかえられたのかも。

 逆に烈の表情はかたい。
 後で使うはずの技を使っちゃったので、今後が心配なのだろうか?
 来年まくはずの種モミを喰っちゃったようなモノだ。

(スモーキン ジョー…… 違うんだ…………)
(君は敗北者ではない………)
(私が使用(つか)った あの技術(わざ)は…)


 だが、烈の悩みはちがうところにあったらしい。
 人中突きは烈にとって反則だったのだろうか?
 烈はグローブ破りのパフォーマンスを見せた時も悩んでいた。(範馬刃牙25巻 206話
 けっこう面倒なヤツだな。

 烈は、ボクシングと言う競技と選手を尊敬しているのだろう。
 だから汚い技を使うと自己嫌悪に陥ってしまうのだ。
 使ったあとの達成感が消えると、急に冷静になって反省しちゃうのか?
 蛮勇でならした烈海王だが、賢者タイムが来るコトもあるらしい。

 烈は衝動的に走りだそうとする。
 クレーザーの背中めがけて! ……なのか?
 まあ、とにかく走ろうとするワケですよ。
 ところが何者かに手首をつかまれる。
 つかんだ男こそ、現ヘビー級王者(チャンピオン)のボルトだった。

「今さら………」
「どこに行こうというんだい」
「逃ィ〜〜がさ〜ない ♥(はぁと)

(ケタ外れの握力…ッッ)
(引き戻せない……ッッ)
(この男…ッッ)
(強い!!!)


 刃牙世界でもっとも重要な要素は筋力だ!
 烈がビビるほどの握力をもっている。
 それだけでボルトの強さがワカるって寸法だ。

 腕をつかまれた烈は、不覚にも汗を流してしまった。
 ボクシング編の最終目標がついにあらわれる。
 エンディングが見えた!

 だが、ラスボスだけにボルトは強そうだ。
 名前から察するにスピードもあるのだろう。
 烈とは火属性の名前だ。対するボルトは電気属性である。
 ファイヤー×ボルトの激闘が始まりそうだ。

 プロモーターのカイザーはふつうに喜んでいる。
 ボルトの登場はカイザーのシナリオ通りなのだろうか?
 切り札を失い、プロモーターも信用できない。状況は悪い。きわめて悪い。
 だが、烈海王は前に進むのだろう。
 次回へつづく。


 長かったジョー・"スモーキン"・クレーザー編もついに終了だ。
 かなりあっけない幕切れでしたが。
 てっきり「この男を倒すには殺すしかないのか!?」みたいな状況に追いこまれると思っていたのだが。
 柴千春にくらべると根性が足りないのかも。
 いや、10カウント以内に立ちあがらないと負けになるルールがあるからか。

 そして、ついにボクシング編のゴールが見えた。
 チャンピオンに勝てば勝ちだよね。
 ただ、ボクシングにはいくつも団体がある。
 ボルトを倒しても「ヤツは4大世界王者の中でもイチバンの小物」と言われる可能性もあるけど。
 たぶん、ボルトに勝てば決着だろう。
 でないと永遠に終わらないぞ。

 勝利したものの烈は自分のやっているコトに疑問を持ちはじめたらしい。
 いまごろかよ!
 とツッコミたい部分もあるが、マジメな烈らしい態度だ。
 きっと、ホンモノのボクサーであるクレーザーを見て反省したのだろう。

 刃牙もすこしは反省すれば良いのに。
 千春に学んだと言っていた刃牙は、千春ではなくゴキブリに土下座していた。
 ……刃牙は謝りたいと感じる相手を間違えているンじゃね?

追記 (11/1/26)
 烈海王はジョー・"スモーキン"・クレーザーとの戦いに勝利した。
 そして、王者ボルトがついに姿をあらわす。
 ついにボクシング編も決着が見えてきた。
 でも、ボルトはかなりの強敵みたいですね。
 握力だけで烈に汗をかかせるとはッ!

 いっぽうで愚地独歩の対戦相手も、そろそろ発表して欲しいものだ。
 烈の決着がついたから気持ちよく次の話題にうつれると思うのだが……
 前にも書いたけど、烈の試合を見て気持ちに火がついたアライ父と戦うってのはどうだ?
 思いきって独歩・克己vsアライ父・アライJr.の親子タッグマッチなんでどうでしょう。

 克己のマッハ突きとアライJr.の超高速連打はどっちが速い!?
 ともに偉大な父をもちながら、イマイチ活躍しきれなかった二人に光を当ててあげたいよ。
 って、独歩の話からズレてきている。

 独歩は名勝負を繰りひろげてきた。
 勇次郎との死闘や、渋川さんとの達人対決、ドリアンとのバトルなど熱い戦いが多い。
 一つぐらい、克己や加藤・末藤にわけてあげられないものか?
 神心会は刃牙世界の最大派閥なんだけど、独歩と克己以外の扱いが悪すぎる。
 まあ、加藤と末堂のお仕事は応援だしな。

 他の試合と兼ね合いもあるから、渋川さんとの再戦や花山と戦ったりしないだろう。
 独歩が花山やジャックと戦ったら、それはそれでスゴい試合になりそうだけど。
 餓狼伝が休載しちゃっているし、時空を超えて丹波文七と闘うのもアリか?


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