今週の範馬刃牙 SON OF OGRE 261話〜270話

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2011年7月21日(34号)
第3部 第261話 大観衆 (917回)

 勇次郎に投げられた刃牙が壁をやぶって落下したッ!
 最近の刃牙にとって落下なんてご褒美みたいなモノだから問題なし。
 高い所から落ちたほうがより快感も大きいとか思っていそうだ。

 刃牙は普通に受身をとってことなきを得る。
 普通の受身かよ!?
 五接地転回法は7〜8mの高さから落ちても大丈夫らしい。(グラップラー17巻 148話)
 だが、刃牙は普通の受身でそれ以上の効果を出せるようになった。

 進化する怪物だなぁ……
 なんかもう、普通の正拳突きをするだけで剛体術なみの破壊力をだしそう
 それとも、あの受身はG師匠が憑依した"昆虫は墜落死なんてしないんです受身"だろうか?

 刃牙の息の根を止めるには、殺虫剤だけじゃ足りないかもしれない。
 熱湯とか液体洗剤とかホウ酸ダンゴとか、とにかくイロイロ試すしかなさそう。
 ちなみに液体洗剤が効くのは昆虫の呼吸器官である気門を液体がふさいで窒息死するからだ。つまりサラダ油でも代用可能です。
 刃牙もオイルぬってテッカテカになると死んでしまうかも。

 落下した刃牙はワンバウンドで体勢を立て直し、ファイティングポーズで着地した
 師匠はGだけど、この動作は純正の戦士だ。
 性格に問題があったり、師匠が好きになれなかったり、イロイロ困った部分のある範馬刃牙だけど、今回はちょっとカッコ良かった。
 これで女性ファンが7人ぐらい増えたかもしれない。
 ゴキブリダッシュで、91人ぐらい減ったと思うけど。

 ファイティングポーズをとった刃牙は背中に大歓声を受けた。
 ふりかえって、ビックリする。
 そこには大観衆がいた。

「バキか!?」
「これがバキ!?」
「ホンモノか!?」
「小せぇな意外と」
「ホンモノだッッ」
「ガタイいい〜ッッ」
「カワイイ〜〜♥(はぁと)
「バキィ〜ッ」
「お父さんはァ!?」
「カッコいい〜〜ッッ」
「オーガが叩き出したんだッッ」


 みんな、かなりの事情通だ。
 予想外の観客登場で、刃牙も勇次郎もポカーンとなってしまう
 ちょっとカッコ悪いところを見せてしまった。
 闘争はコンマ1秒の奪い合いだというのに、数秒ぐらいスキだらけだったぞ。

 なんでこんなに人が集まったのか?
 それは、新宿区セントラル○○○○○○○ホテルの封鎖がニュースで伝えられたからだ。
 ニュースで伝えちゃうのかよ!?

 しかも、封鎖の理由が『親子喧嘩』だと言っている。
 それはいくら何でもプライベートな話題を配信しすぎじゃないか?
 blogやTwitterで、なにを食べたのか逐一報告している人でも、ニュースで『親子喧嘩なう』を伝えられたらイヤだろう。
 視聴者だって、他人の晩飯メニューを報道されても特に嬉しくない。

 もっとも、ニュースは公共の利益になることを伝える役割もある。
 新宿のホテルが封鎖されたのは、有益な情報だ。
 知人がホテルにいたのなら、その安否だって確認したいだろう。

 で、ホテル閉鎖の原因だって知っておきたい。
 テロか? 事故か? 地震か?
 正解は親子喧嘩でした。
 ホテルに銃を持った男がたてこもっているような危険な状況となっている。

「現場からの中継が入ったもようです」
「春日さん!?」


 台風中継のように現場の春日さんがレポートする。
 範馬親子がダイビングの下敷きにした車をカメラで写す。
 現場で起きている破壊の象徴として、ワカりやすい絵だ。
 ゾウが上にのっても、こんな風に壊れないだろう。

 ちなみに、この車は総理大臣専用車だそうで。
 勇次郎は知ってて狙ったのだろうか?
 だとすれば、なかなかシャレだことしますね。
 親子喧嘩を止めようとして、徳川さんに鞭打(ビンタ)されたりと、首相は痛い思いばかりだ。

 範馬親子の都市伝説を知っている人たちは、この報道に反応した。
 噂だと思っていたことが現実となっている。
 野次馬根性がスパークして点火(イグニッション)しちゃった。
 馬どもはホンモノの範馬親子を見ようと新宿へ向かう!

 作中は何曜日なんでしょうね。
 報道ステーションっぽいニュースで伝わったみたいだから、10時すぎだ。
 今から新宿に行ったら、翌日の学校や仕事が大変ですよ。
 これだけ人が集まっているから、金曜日か土曜日なんだろうか。
 まあ、なんにしてもみんなヒマ人だよな。
 私なら、金曜日か土曜日だったら サイト更新サボってでも行きますが。

「いやァ……」
「ま…………」
「しょうがねェッかァ…」


 刃牙は、この状況を しょうがない で片付けた。
 ものすごい投げっぷりだ。
 細かいことをまったく気にしてない。
 この大らかな性格なら、将来ハゲないんだろうな。

 刃牙は、それでイイかもしれないが勇次郎はどうなんだろう。
 大勢に見られるのは恥ずかしいのか?
 気持ちを素早く切り替えられたぶん刃牙のほうが有利かもしれない。
 範馬親子喧嘩は公開喧嘩へとスタイルを変えた。
 このまま劇場型喧嘩となるのか?
 次回へつづく。


 これだけの人間が集まったのはテレビの報道が原因だったのか。
 東京都の人口は1000万人以上だ。
 視聴率10%だとして、100万人の人間が親子喧嘩の情報を知る。
 そのうち1%の人間が行動したとしても、1万人が集まる。
 テレビの宣伝効果はまだまだ捨てたもんじゃない。

 範馬の親子喧嘩はこのまま独占生中継されてしまうのだろうか?
 そうなったら古舘伊知郎がニュースそっちのけで実況をはじめそうだ
 やはり、コレだけの大一番はみんなに見てもらいたいという天の采配だろうか。

 だが、それでも情報漏洩の原因が気になる。
 たぶん首相の周辺なんだろうけど。
 だいたい、グシャグシャに壊れた車がなんで総理大臣専用車だとワカったのか?
 周辺の人間(あるいは本人)が情報を漏らしたのだろう。
 これはもう罰ゲームとして、勇次郎にオシッコポーズをとらされるの刑しかないな。

 観客ができたことで、刃牙と勇次郎の意識に変化が生じたハズだ。
 とりあえず、全裸にはなりにくくなっただろう。
 刃牙なら辱めを受けるために、あえて全裸になるかもしれないけど。
 写メでパシャパシャ撮られるのが、賞賛の拍手に聞こえるぜ!

 外野がうるさければ、勇次郎も集中力を切らすかもしれない。
 観客におどろいているので、すでに集中力が切れている可能性もありますが。
 刃牙はもともと集中力が足りなくて不意打ちをよく喰らう子なので、まったく問題なし。

 コレだけ世間に知れ渡っているのなら、刃牙たちの友人知人も大集合するかも。
 かつて戦った強敵(とも)たちが刃牙を応援する王道展開だ!
 神心会グループは正拳突きで応援する。
 花山たち暗黒街グループは無言で見守る。
 渋川先生、本部さんなどの武術家グループは解説対決だ。

 烈は米国にいるので、事件を知るのが十数時間後になる。
 あまりの疎外感に、烈はひとりで こっそり泣くのだった。
 そもそも、最近は出番もない放置プレイだしな。

追記 (11/7/27)
 刃牙は一回休みで、来週が三倍祭りらしい。
 あいかわらず誰が喜ぶのかワカらない企画だけど、今回もヤるみたいだ。
 そんなワケで明日は、親子喧嘩のまとめ予定です。
 振り返るとワカることがあるかもしれない。

 一回休載を挟んで、刃牙と勇次郎のバトルは新局面をむかえるのだろう。
 なにしろ二回分だし、話が進むのは間違いあるまい。
 意外と大ゴマで殴りあうだけのシーンが二回つづく可能性もありますが。
 ノーガードで殴りあいはクライマックスでやるものだから、まだ早いか。

 やっぱり、大勢の観客をどう使うかが今後のカギになりそう。
 刃牙も読んでいた小池一夫『人を惹きつける技術』(AA)では、主人公にオーラを、ライバルにはカリスマをと書いてある。
 温かみのある人間的魅力がオーラで、人を恐れさせ支配する力がカリスマだ。
 勇次郎は圧倒的な強さで、人を恐れさせ支配し、ストライダムに会計を清算させる。
 たいする刃牙はオーラを身につけねばならない。
 もう今さら遅い気がするというか、確実に遅いんだけど、なんとかしないと。

 温かみのある人間的魅力ですよ。
 昔はあったような気がするけど、今の刃牙は生温みのある非人間的な魅力の持ち主になっている。
 戦っている途中で人間的に成長して魅力が増すってのは、難しそうだよな。

 でも、克己は花山と戦って人間的に成長した。
 克己にできたのなら、刃牙にだってできるハズ。
 なにしろ、パクるの得意だし。
 だけど、試合に勝って勝負に負けたと、自分の未熟を認める心が必要なんだよな。
 刃牙は土台から作り直さないとダメかもしれない。

追記 (11/8/3)
 次回、刃牙三倍祭り!
 本当は本編19ページ×2 + カラー袋とじ8ページだから、2.5倍祭りなんだけどな。
 カラーで袋とじにすると二倍強いんだよ!
 きっと購買力が二倍になる! ……のはエロだけという気がします。
 Amazonの商品紹介でもエロは3倍売れるというウワサだし。(※ ただし、バキSAGAは除く)

 刃牙もさらに飛躍するのならエロはさけて通れない道かも。
 とりあえず梢江が出てきて無意味にパンチラを連発する。
 ……のは、G師匠が大量に出現するのに匹敵する劇薬だから、やめたほうがいいか。

 そうなると、刃牙と勇次郎のセクシーファイトに期待するしかない。
 いきなり竹ヤリでB-29を落とすみたいな高難易度の課題になった気がするが、梢江ファイトよりはマシかも。
 オイルぬって親子で半裸の絡みあいをすれば、一部好事家にバカ受けするかもしれない。
 大勢あつまった観客は刃牙を「カワイイ〜〜(はぁと)」「カッコいい〜〜ッッ」と絶賛していた。
 刃牙のセクシー大アピール作戦はけっこう賞賛が高いのだ。
 作中世界では。

 最近はTwitterなどもあるので、情報の拡散が早い。
 刃牙と勇次郎の闘いもすぐに世界に知れわたることだろう。
 セクシーハッスルバトルが始まってしまったら、無修正の画像が世界中に流出するにちがいない。
 なんか、変な方向での世界征服を完成させてしまいそうだ。

 中国人のこだわりは、性・闘・食だったハズ。
 食事にはじまり、闘いに発展した範馬親子は、エロで幕を閉じるとみた。
 実現したら、一回休んでの刃牙三倍祭りをはるかに凌駕する誰得な展開だな。


2011年7月28日(35号)
まとめ 234話〜261話 ボクシングから親子喧嘩へ

 今週は刃牙が休載なので、過去の話を振りかえってみる。約7ヶ月分だ。
 186〜203話 烈ボクシング挑戦!204〜217話 烈ボクシング初陣218〜233話 烈ボクシング二戦目1と、レッツ・ボクシングが続いていたのだが、急に範馬親子の対決になる。
 ホント、思いつきで動いているかのような展開です。
 おかげで、烈が超・放置状態ですよ。


234話〜241話 烈と刃牙の覚醒(ボクシング二戦目2)
 サブタイトル  内容
 234話 千春イズム 刃牙の千春殺法に追いつめられた千春は、眼つぶしを狙う
 235話 眼突き 刃牙はゴキブリダッシュの超スピードで、千春の指を眼球で折った
 236話 煙払い 烈は空中からの攻撃してクレーザーを追いつめる
 237話 報告 ゴキブリダッシュは時速270キロぐらいある(柴千春/談)
 238話 マッチメイカー   刃物を持った男に、独歩は禁断の空手技を過剰に叩き込む
 239話 好事魔多し 烈の空中殺法をクレーザーは破る。烈は奥の手を使う覚悟を決めた
 240話 一本拳 烈は必殺の一本拳でクレーザーを倒した。ついにチャンピオン登場
 241話 最速と最強 100m走王者にしてボクシング王者ボルト! 勇次郎が料理にむけて動く?  

 思えば烈海王vs.ジョー・スモーキン・クレーザー戦も途中から刃牙に侵食されていたのだ。
 刃牙が勇次郎に勝てそうな気がしてきたので、ボクシングは後回しにしたンだろうか?
 ボクシング編ではついにラスボスが登場だ。
 正統派ボクサーではなく、陸上から移籍した異端者ボクサーだった。
 王者も挑戦者も異端者というイロモノ頂上決戦になってしまいそう。

 正統派ボクシングと中国武術が激突すればどうなるのか?
 中国武術は、アウトボクシングをどうやって攻略するのだろう。
 そんなコンセプトは、あまり実現しなかった。
 ボクサー話は詳しすぎるせいでトンデモネタが出てこないのかも。

 そして、最後の切り札である最速のボクサーが登場した。
 チャンピオン・ボルトがどんなボクシングをするのかはけっこう気になります。
 最速の瞬発力を打撃に活かすのは、どんな打撃なのか?
 でも、ボクシング編の再開は来年ぐらいなんだろうなー



242話〜261話 範馬の親子喧嘩 (1)
 サブタイトル  内容
 242話 逞(たくま)しさ 勇次郎の夢は刃牙に倒されることだった
 243話 親子愛 首相は親子喧嘩対策をし、刃牙は渋川先生に会いにいく
 244話 来訪 刃牙は親子邂逅がちかいと予感する
 245話 親子、接触す 範馬親子の食事会がはじまるッ! 勇次郎も食事の前には会釈する!
 246話 教育 意外とマジメに食生活を語る勇次郎であった
 247話 ジャンケン 勇次郎のチョキはグーを砕く!
 248話 機動隊曰く 勇次郎は刃牙を食事に招待し、機動隊をビビらせながら帰る
 249話 最後の晩餐 刃牙と勇次郎の食事会は舌戦から始まり、穏やかに進む
 250話 史上最強の親子喧嘩   大地震の中で二人の親子喧嘩が始まった。まずは仕置きで尻ビンタ!
 251話 真・親子喧嘩 ホテルから落下して、暴れまわる範馬の仕置きであった
 252話 仕置き 勇次郎はダメージを狙わない攻撃で刃牙を打ちまくる
 253話 超えられぬ父 勇次郎は鞭打で刃牙を責めまくる
 254話 窮鼠 痛みは得意だった刃牙も鞭打はキツい。刃牙も鞭打で対抗だ
 255話 絶大なる激痛 勇次郎は激痛で激痛をキャンセルし、刃牙はファイティングポーズをとる  
 256話 反撃の狼煙 本気を出さない刃牙に勇次郎は本気を出してくれと哀願する
 257話 溶解 刃牙こそ範馬勇次郎が作りあげた格闘の最高傑作なのだ
 258話 時速270キロ ゴキブリダッシュは時速270キロぐらいある(範馬刃牙/談)
 259話 都市伝説 範馬親子は最強の親子として都市伝説になっていた
 260話 壁の先 最強範馬親子伝説を聞いた人たちが見学に来た。勇次郎もビックリ
 261話 大観衆 親子喧嘩がニュースで報道されてしまったので、大観衆がやってきた

 そして、刃牙と範馬勇次郎の親子喧嘩が始まる。
 第一次食事会、第二次食事会、仕置き、喧嘩、大観衆と話が展開していく。
 振り返るとワカるンですけど、食事が終わってから話の展開が遅くなっている。
 範馬の親子喧嘩は超スローペースで進みそうだ。

 この調子で戦っていたら、いつ決着がつくというのだろう。
 たぶん決着は来年だとニラんでいますが、もしかしたら再来年かも。
 親子喧嘩に決着がついたら、たぶん『範馬刃牙』も最終回になるだろう。
 『範馬刃牙』は勇次郎と決着をつけるためのシリーズなのだから。

 ……烈とチャンピオンの対決は、放置か!?


・おまけ 新作情報
 今月号では藤澤勇希「BM」復活、そして来月号では板垣恵介×叶精作の新連載。プレイコミックが熱い!
 秋田書店系のプレイコミックの次号(8月25日発売)で板垣先生が原作担当の作品が新連載らしい。
 最近の板垣先生は原作担当に力を入れていくつもりなんだろうか?
 徹底したキャラ立てと、濃いセリフが板垣作品の売りだから、原作担当が向いているのかも。
 来月からは購入雑誌がひとつ増えそうだ……


2011年8月4日(36+37号)
第3部 第262話 大炎上 (918回)

 地上最強の生物と呼ばれ、最強国アメリカの大統領ですら恐縮する存在、それが範馬勇次郎だ。
 人をビビらせて汗を流させることはあっても、自分が汗を流す事などない。(ごくまれに流しますが)
 そんな範馬勇次郎が動揺して汗を流している!

 範馬勇次郎を発汗させたのは大観衆の存在だった。
 みんなが携帯電話をもって写真をとっている。
 たしかにコレは気まずいというか、イヤな感じだな。
 恥ずかしい写真を撮らないで! おっと、読点をつけ忘れた。恥ずかしい、写真を撮らないで!

『突如 眼前に現れた想定外………』
『どれほどの数か想像もつかぬ程の大観衆………………』
『緻密な頭脳を持つ勇次郎にして』
『あまりにも予想外の出来事だった』


 有名プロレスラーのアントニオ猪狩とマウント斗羽が戦うのならともかく、範馬親子が戦うことでこんなに人が集まるなんて。
 勇次郎にとっては地下闘技場内で狙撃されることなみに意表をつかれる出来事だったのだろう。
 鬼の肌にも汗だ。
 この場にストライダムがいたら、八つ当たりで怒鳴りつけられていただろうな。
 勇次郎が必要以上に怒らないように、あえて怒られるのもストライダムの仕事です。……たぶん。

 観客はさらに増えていく。
 きっと刃牙世界のTwitterでは範馬親子についての話題がトレンドしまくっているんだろう。
 「夫の局部」「範馬親子」「完全にちぎれる」みたいな感じにならんでいるハズ。
 しかし、現地に見学しにくるとはヒマな人が多いですね。

 いや、ヒマというより熱心な人かもしれない。
 みんな目を輝かせて勇次郎たちを見ていた。
 そして、写メる。
 方法はともかく、みんな大喜びだ。

『この空気…』
『馴染まない……!!』


 勇次郎にはやりづらいらしい。
 戦場などで人体を破壊することに喜びを感じていた人間だ。こういう大歓声は慣れていない。
 勇次郎のテンションがどんどん下がっていくようだ。
 地面におりて刃牙の前にたつが、やっぱり気持ちが盛りあがらない。

 刃牙のほうは、この場に馴染んでいるようだ。
 なにしろ地下闘技場じゃ、無敗の王者としてアイドルみたいにチヤホヤされていた。
 大観衆の大歓声は大好物ですよ。
 勇次郎に押されっぱなしだった刃牙が、反撃できるポイントを見つけたか!?

 テンション下がりまくりの勇次郎は、もう帰ると言いだす。
 弱気な勇次郎は、ちょっとカワイイ系のキャラになっている。
 気持ちはワカるが、ここで帰るのはもったいない。
 刃牙もそう思ったのか、勇次郎を引きとめる。

「言い方が違うぜ親父」
「人前で不覚を取るのは恥ずかしい」
「ここはひとつ引いてはもらえないだろうか」
「…じゃね?


 刃牙さんが悪い顔になっている!
 勇次郎の思い通りにはまわさないッ!
 そうだ! そうだった! 刃牙はこういうヤツだったンだ。
 刃牙は「やろう」と言うと「やらない」、「後日やろう」と言うと「今やろう」と答える。
 こだまですか? いいえ、嫌がらせです。

 オリバとの戦いも、後日に試合するからと言われて刃牙が反逆して始まった。
 刃牙にとって、相手のイヤがることをするのはストロングスタイルだ。
 本格的に刃牙のエンジンがあったまってきた。
 ここからは調子コキまくって刃牙の態度が悪くなるターンだ。

 勇次郎にぶつけた暴言をジャブとして、刃牙は追撃を放つ。
 すばやく脱力した刃牙は高速ダッシュから勇次郎に 右ストレート・左ローキック・右ハイキックの三連撃を叩きこむ。
 どの攻撃も象だって倒せそうなパワーだ。

「え!!?」
「何…? 今の…」
「破裂音……?」
「いきなり宙にあらわれて」
「パァンて…」

 速すぎて観客の眼には見えない攻撃だ。
 時速270キロの新幹線だって眼に見えないほどじゃない。
 刃牙は新幹線の速度を超えたのか?
 あ、でも新幹線は長い距離を走っているから眼でおえるのか。
 いきなり、数メートルをダッシュされたら見えないかも。

 進化しつづける反逆児・刃牙が勇次郎に神速の打撃を叩きこんだ。
 でも、勇次郎には効いていないっぽいぞ。
 このまま刃牙が攻めるのか、それとも勇次郎が逆襲するのか?
 本日は刃牙三倍祭りなので、このまま次回に突入する!


2011年8月4日(36+37号)
第3部 第263話 無礼 (919回)

『人間(ひと)は強大なものが大好きだ』

 いきなり人間は強いものが大好き理論が語られる。
 まあ、じっさい人間は野生動物の本性が抜け切っていないという説があります。(先進国ではなぜ、少子化するのか “理想の”狩猟採集生活に戻ろうとしている現代人
 獲物を狩ることに原始的な喜びを感じる。1年後にもらえる1万円より、今もらえる100円を好む傾向も野生動物的だとか。

 野生動物にとって、強いことは正義だ。
 食を確保し、危険を回避し、雌を得る。
 強くなければ子孫を残せない。
 人工物にかこまれて暮らすようになった現在でも、人間がもつ強さへの憧憬は消えないのだ。

 武器・国家権力・兵器などの力に負けない腕力を持つ男が範馬勇次郎である。
 その範馬勇次郎がどれだけ強いのか? どれだけ凄いのか?
 是非、見てみたい。
 人間の本能に根ざす欲求に突き動かされて大勢の観客が集まったのだ。

 だが、残念なことに範馬親子の攻防は高度すぎて見ることすらできなかった。
 立川談志も『よく芸は盗むものだと云うがあれは嘘だ。盗む方にもキャリアが必要なんだ。』と言っている。(赤めだか
 シロウトにワインの違いがわからないように、観客たちにはレベルの高すぎる戦いだ。
 上等な料理を出されても、よくワカらないからマヨネーズを山盛りかけるがごとき行為ッ!

「始まってる」
「とうに開始(はじ)まってるぜ」


 ワカっている人もいた。
 って、愚地独歩じゃねーか!
 この人も一流だよ。達人のなかの達人だ。
 もう、独歩を見て驚かない時点で、お前らシロウトすぎる。
 家帰ってマヨネーズでも吸ってろ。

 観客は興味本位で来ただけなので、見る技術がほとんどないらしい。
 範馬親子の喧嘩という地上最強の闘争を盛りあげるには、やや寂しい面子だ。
 量は多いけど、質が悪い。

「そうなんだよ」
「達人同士ってそういうものなんだよ」
「向き合ったときには始まっている」


 独歩の言葉をうけて、一人の男が知ったように解説した。
 周囲は男の言葉に納得する。
 う〜む、歯がゆい。
 開始(はじ)まってるってのはそういう意味じゃないのに。

 ここは神心会に仕切ってもらいたいな。
 みんなで正拳突きだ。
 克己はどこにいる!?
 まだ到着していないのか?

「ペッ」
「他人(ひと)の手により出血するのはいつ以来のことか」
「フフ………」
「我が身に迫る危険」
「自力で解決せねばな」


 刃牙の打撃で勇次郎が口の中を切っていた。
 あの猛攻で、たった これだけのダメージなのか。
 なんと頑丈な体をしてイヤがる。

 たぶん郭海皇以来の出血ダメージだ。(バキ27巻 237話
 勇次郎を出血させただけで立派な戦績になる
 そこにいる独歩だって、勇次郎を出血させた稀有な男だ。

 闘争の終了は、双方が認めるまでつづく。
 刃牙が続行を願う以上、勇次郎は「敗北を認める」or「逃げる」or「つづける」の選択をする必要がある。
 勇次郎に「敗北を認める」「逃げる」という選択はないだろう。
 ならば、戦闘の続行だ。
 髪を逆立てて、範馬勇次郎は再び戦闘モードに入った。

(いくしか ねェわな…… 緩めて…… 溶けて……)
(意識を…… 水……)
(ま…………… こんなもんか……)


 瞬時に刃牙が液化した。(※ イメージ)
 キモッ!
 刃牙のイメージ力はさらに上がっている。
 真夏の雪ダルマもビックリな高速液化だ。
 ジャブより速ェ……、いやさすがにジャブよりは遅いか。

 だが、ゴキブリダッシュは不発だった。
 勇次郎が瞬時に前進している。
 刃牙は地面を蹴った瞬間、勇次郎の腹に顔をうずめていた。
 勇次郎の速度はゴキブリダッシュ以上なのか?

「この俺を相手どり…」
「同じ手を2度も…」

("無礼者"…………確かそんな言葉を耳にした――――――――
 気がする……


 同じ技は通用しないのか!?
 バカの一つ覚えというか、バキの一つ覚え状態のゴキブリダッシュがいきなり通用しなくなる。
 必殺技が敗れてショックを受けているところで、勇次郎が刃牙に張り手をかます。
 これはハデに回転しそうだ。
 勇次郎は観客を喜ばすパフォーマンスを心がけているのか?
 次回につづく。

 せっかく環境を武器にできたと思ったら、必殺技が破られたでござるの巻。
 戦いの方程式を崩されてしまい、刃牙は今後どうするのだろう。
 やっぱり、新技を作るしかないよね。

 でも、観客が多く騒がしい中でヒラメクのだろうか?
 少しでいいから時間が欲しいところだ。
 そうなると、独歩に「ここはお前に任せるから、俺は先に行く」と勇次郎を押しつけて修行するしかないか。

追記 (11/8/17)
 ついに範馬勇次郎の反撃がはじまった!
 と、思うのは早計だよな、うん。
 まだグーじゃなくてパーで殴っているし。

 勇次郎のパー攻撃で刃牙は大回転だ。
 これなら見る目のないお客さんも大満足だろう。
 大ヒットさせるためには、ワカりやすいってコトも重要だ。
 勇次郎は顧客のニーズに応えている。

 刃牙も勇次郎を見習ってワカりやすい闘争に切りかえるかも。
 つまり闘争を通じたパフォーマンス合戦だ。
 なんか、猪狩vs.斗羽みたいな勝負になっちゃいそうだけど。

 刃牙も勇次郎も人間を超越した肉体パフォーマンスを披露すれば、みんな大喜びだろう。
 とりあえず、ホテルの外壁を破壊してみたらどうか?
 それぐらいワカりやすければ、ワカってもらえる。
 刃牙のイイとこが見えてないダメ観客に勇次郎も怒りはじめているだろう。
 このへんで刃牙に声援をおくってもらわないと勇次郎が暴れはじめる。

 しかし、刃牙が必死になってダラっとして手に入れた脱力を勇次郎はすでに会得していたのだろうか。
 それどころか刃牙よりあとに動いて、先に移動しているように見えた。
 つまり、刃牙より上位の技術を手に入れている。
 脱力だけではなく、緊張にもコツがあるのかもしれない。

 逆に勇次郎の瞬間移動を刃牙がマスターできれば、今度こそ互角の戦いになるのかも。
 そうなれば、ついに勇次郎が拳を握るかもしれないぞ。
 真の喧嘩は、そこから始まるのかと思うと、まだ先は長い。
 今年中に決着つくンだろうか?


2011年8月18日(38号)
第3部 第264話 激 (920回)

 地上最強の生物・範馬勇次郎と最強高校生・範馬刃牙の親子が闘う!
 いつのまにか都市伝説になっていたほどの武力をもつ親子がぶつかりあうと知って、大観衆がやってきた。
 範馬家の親子喧嘩は、家庭内のもめごとから路上パフォーマンスへと変化をつげつつある。
 これは金の取れる戦いだよなー。猪狩あたりが知ったら、機会損失を泣いてくやしがりそう。

 加速なしで、いきなり時速270キロで動ける刃牙のゴキブリダッシュは凄すぎて、一般人に見えなかった。
 大衆向けを狙うなら もっとワカりやすくないとダメだ。
 そこで、勇次郎がお手本の攻撃を見せる。
 張り手です。

 勇次郎の全力張り手を顔面に喰らった刃牙は吹っ飛んだ。
 布団がふっとんだ どころの騒ぎじゃない。
 10mは飛んだ。
 走幅跳の世界記録でさえ8m95だよ。
 助走なしで人を張り飛ばして10m飛ぶなんて、どんな腕力しているんだッ!

 と、突っ込めパンピーどもッッッ!
 お前らに解説は求めていないが、驚き役レベルまでもが低い。
 解説は独歩がやってくれるかもしれないけど、前フリとして驚愕(おどろ)け。
 加藤と花田を呼んでこい。今すぐにだッッ!

 刃牙は観客の中に落下する。
 ちゃんとクッション(観客)のある所に落とすのが勇次郎の優しさだ。
 打たれた刃牙は鼻血と涙で顔がグショグショになっている。

『日本人でありながら稀代の中国拳法家として名を馳せる 達人 澤井健一氏がこんな言葉を残している』
『"野球の投手が投げるような柔らかさと手の振りで相手の顔を正面から打ったなら大変な攻撃となる" "目も鼻も一度に打たれて相手が見えなくなるほど涙が出るだろう"
 佐藤嘉道著「拳聖澤井健一先生」より』


 鼻を打たれたら涙が出ちゃう。
 しかも、打ったのが泣く子は漏らし 鬼すら泣かす勇次郎だ。
 刃牙は顔をおさえて呻くだけで反撃もできない。

 拳ではなく、手のひらで攻撃しているので骨折するようなダメージは無いが、反撃不能の状態になってしまった。
 勇次郎はまだ仕置きの続きをしている感覚なのだろうか?
 それとも獲物をいたぶるように攻撃しているのかも。
 どちらにしても、勇次郎は刃牙と長く闘いたいのだろう。

「うわァ アアッッ」
「こっちきたァッッ」
「オヤジでッけェェッッ」


 刃牙は動けないので勇次郎が向かう。
 たちまち観客が散っていく。
 怪獣同士の戦いに遭遇しているという自覚を持て。キケンだぞ。

 刃牙が意外と小さいのはわかる。
 そして「オヤジでッけェェッッ」ってのは今更だな。
 もっとも、スゴい威圧感があるからデータ以上に大きく見えるのだろうけど。
 このセリフはナゼだか面白かった。
 一般のお客さんが放つリアクションもあなどれない。
 加藤の驚愕王としてのポジションも危ういかも。

 眼は見えずとも、勇次郎が近づいているコトがわかったのだろう。
 刃牙がハネおきた!
 逆エビに反り返って跳ねる!
 コレって何が憑依してンだ!? スゴい動きをしているぞ。
 人間じゃない。ハヒィィ〜〜!!

 だが、またもや顔面ビンタで迎撃された。
 そして、そのまま地面に叩きつける。
 普通の人間なら即死するようなダメージだ。ムエタイ選手なら一発退場していただろう。
 だが、刃牙にとって懐かしい痛みかもしれない。
『ボクの格闘技修行は、父にコンクリートに叩きつけられるところから始まりました…………』だし。(G刃牙4巻 31話)

 刃牙は涙を流し、なすすべが無い。
 知ってから知らずか、勇次郎に背をむけて丸くなっている。
 寂海王の必殺技(?)護身開眼の構えか?バキ25巻 220話
 たしかに、アレなら顔は打たれないかもしれないけど。

 刃牙の背後に勇次郎が近づく。
 眼は見えなくとも、勇次郎が近づいただけで髪が逆立つ。
 反射的に刃牙は攻撃をしかけていた。
 闇の中にいようと、刃牙は格闘の申し子だ。
 奇襲となった、この反撃で逆襲できるか!?

 ……また、打ち落とされました。
 モグラ叩きか、ハエ叩きって感じて叩かれまくりだ。
 この暴力ショーにさすがの観客もドン引きして声も出ない。

(オーガよ…)
(なァオーガ……)

(よかったなァ おい…………)

(夢が叶っちまったんだ…)

(恋して… 恋して……)
(恋焦がれて……)
(育て…… 育み……)
(そして……)
(今日なんだなァ…)
(フフ……)
(チョッピリ妬けるぜ…)


 誰が見ても刃牙陵辱・顔面張り手責めなんだけど、独歩だけが違う感想をもっていた。
 そう、独歩だけが勇次郎の夢を知っている。
 勇次郎は刃牙に倒されたいと思っているのだ。29巻 242話

 全力で刃牙を育ててきた。
 そして、刃牙は全力で叩いても壊れないほど頑丈に育っている。
 間違いなく、この地上で範馬勇次郎の次に強い生物だろう。
 いや、独歩の口ぶりだと刃牙は勇次郎以上の強さを秘めているのかもしれない
 ついに今日この場で範馬刃牙が最後の覚醒をして、勇次郎を倒すというのだろうか?

 独歩にも克巳という立派な息子がいる。養子だけど。
 自分の関節が増えるという妄想をして、超加速ができるようになり音速を超えた男だ。
 そんな克巳がいて、なお刃牙の存在を羨ましく思うのだろうか?
 刃牙はそれほどに偉大な成果をあげようとしているのか?

『打撃による生体反応か』
『己の無力への落胆か………』
『夥しい涙にまみれ……』
『少年は静かに決意するしかなかった』
『親子喧嘩どころではない』
『格闘(たたか)わねば…』


 ついに刃牙が覚悟を決めた。
 血管が浮きでるほどに拳を握りしめる。
 浮きですぎて、拳なのか瞬時にワカらなくなるほどだ。
 もう、お仕置きではない。喧嘩でもない。
 ここからは、格闘(たたか)いだ。

 って、最新最大最速最強の必殺技ゴキブリダッシュを出しておいて、まだ本気じゃなかったのかよ?
 刃牙はどこまで出し惜しみする子なんだろう。
 とりあえず、格闘(たたか)いの先には、戦争(ころしあ)いになりそうだけど……
 範馬家の親子喧嘩は、次なるステージに進みそうだ。
 次回につづく。


 独歩が刃牙の成長を予言して、刃牙は格闘(たたか)いの決意をする。
 さんざん喧嘩だ喧嘩だと言っておいて、けっきょく格闘なんですね。
 この大雑把な感じが刃牙らしいけど。

 刃牙が格闘(たたか)う決意をしたのは良い。
 だが、できることは もう無いンじゃなかろうか?
 ゴキブリダッシュは完全に破られている。
 その他の技が通用するとも思えない。
 なにか秘策があるのか?

 どっちかと言うと刃牙は追いつめられると伸びるタイプだ
 事前の準備とか、試合前の秘密特訓で勝つほうが珍しい。
 ゴキブリダッシュという必殺技を使ってしまった。
 だが、それは必殺技の欄に空きができたコトでもある。
 今の刃牙は新必殺技がヒラメク余地があるのだ。

 これから刃牙は最終進化をとげるかもしれない。
 必殺技がゴキブリダッシュじゃ主人公としてイメージ悪いもんな。
 勇次郎の鬼を上回るような筋肉をもりあがらせるんだ。
 鬼に対抗して菩薩とか。ピクルからもらった(ことにした)恐竜パワーなんてどうだろう。
 思いきって、俺リスペクトだ。
 刃牙の背中に、バキ(自画像)が浮かびあがった!
 さすがに、これは無いな。

 それにしても「格闘(たたか)い」ってのは、新しい読みかただ。
 今までに「闘争(たたか)い」ってのはあったけど、「格闘(たたか)い」は初めてのハズ。
 もう、なんでもアリですね。

 例えば、こんなのもアリか?
 「死闘(たたか)い」「食事(たたか)い」「解説(たたか)い」「性交(たたか)い」とか……
 ストライダム「ユージローと年に一度は接待(たたか)ってる!」 米兵「スゲー! ストライダムさんカッケー!」
 接待も たたかいだ!

追記 (11/8/24)
 ついに、刃牙が本気になった!
 って何度目だよ。
 もっとも、強い負荷を受けてそこから回復すると以前よりパワーアップする理論(超回復)がある。
 勇次郎はきっと刃牙が壊れないように最新の注意をはらって負荷を加えているのだろう。

 そんなワケで次回あたりで進化した刃牙ver.2を見ることができるかもしれない。
 あんまり調べたくないので うろ覚え情報だけど、ゴキブリって不完全変態の昆虫だったよね。
 カブトムシだったら、幼虫 → サナギ → 成虫という三段変態できるのだが、G師匠じゃ先がない。
 やっぱり師匠の選択をあやまったな。

 つまり、刃牙が進化するにはG師匠から離脱しなきゃならない。……と思う。
 地球という揺りかごから、過酷な宇宙に進出することで人類がニュータイプになったら良いな的発想だ。
 黒いGから離脱して、刃牙がニュー刃牙にかわるコトを期待する。

 マジメな話、刃牙が勇次郎とちゃんと喧嘩するには まだまだ実力が足りないんですよ。
 圧倒的な不足です。そりゃあもう、ゼロカロリーのコーラで餓えを満たそうとするような不足だ。
 その辺にいる独歩を捕食してパワーアップしてもまだ足りないレベルですよ。
 正直、始まってしまった親子仕置き(まだ、ケンカじゃない)をどう終わらせるのか考えてないんだろうなー

 刃牙を強くするだけじゃ限界がある。
 逆転の発想で勇次郎を弱くしたらどうか?
 忘れているかもしれないが、範馬親子がケンカしているのは大地震が起きた日だ。
 都心でも液状化とか、帰宅困難者とかでエライ騒ぎになっている。
 こんな状況でみんな良く新宿にくるなー
 きっと、ネットで良くワカらないデマが流れているのだろう。

 とにかく、勇次郎が液状化を拳で沈めて、筋力で瓦礫撤去をしたりと大活躍する。
 そして、疲れ果てて弱った勇次郎に刃牙がトドメを刺すってのはどうか?
 かなりのブーイングが起きるコトは間違いないが、刃牙が勇次郎を倒すには天災の力を借りなきゃダメなレベルなのだ。……たぶん。

 これでダメなら、勇次郎に炭酸抜いてないコーラ飲ませたら泡ふいて倒れたみたいな展開しか残っていないぞ。
 勇次郎の弱点は炭酸飲料だったのだ! って脱力するオチだ。
 でも、意外と勇次郎って庶民的な部分が弱点そうだよね。
 食券買わないとダメなお店で行動に迷いそうな感じがする。

・おまけ
挙聖 沢井健一先生
作中に出てきた
佐藤嘉道著「拳聖澤井健一先生」です。
板垣先生をフルボッコにしたのは澤井先生の弟子である島田先生というのは、有名な話だ。


2011年8月25日(39号)
第3部 第265話 戯れ合い (921回)

 範馬勇次郎の連続顔面ビンタを喰らって刃牙は涙と鼻血で顔がグショグショだ。
 だが、刃牙の心は折れていない。
 それどころか、範馬勇次郎とは喧嘩じゃダメだ、格闘(たたか)うしかないと決意する。
 格闘なら なんとかなると思っていそうな自信過剰が刃牙らしい。
 急所を狙うとか狙わないとかの次元じゃないよね。

 刃牙の鼻血大出血を見て観客もビビっている。
 一般のお客さんが多いようだし、出血への耐性がすくないのだろう。
 刃牙は手鼻をかむ要領で鼻血をふきだす。
 コレは餓狼伝の丹波文七も堤戦でやった行為だ。(餓狼伝11巻 VOL.83)
 格闘者の荒々しい精神状態が伝わってくる。
 今宵の刃牙はチョットだけ漢だぜ。

 そして、刃牙の鼻血は止まっていた。
 バキ世界ではよくあるコトなので流してしまう所だが、今回はナレーションが入る。
 本来ならここで本部さんが活躍すべきなのに。
 最近は解説を全部ナレーションにふっている。
 録音された音楽より、ライブ演奏をききたいものだ。

『リング上での出血の際』
『応急処置として使用される止血剤』
『成分のアドレナリンが』
『血管を収縮させ止血効果を生む』
『しかし止血の最も効果的な決定打』
『それは闘志である!』


 闘志がアドレナリンを血中にめぐらせるのだ!
 出血が止まったのは、刃牙の心が敗北していない証拠である。
 超ド級美少女・松本梢江を相手にしても、まったく萎えずに完遂できたほどの闘志を持つ男だ。
 鼻血を2リットル出そうが、まったく問題なし!
 ちなみに血液は体重の7〜8%で、血液の約30%を失うと死亡だから、刃牙の場合だと死ぬのは1.6kg〜1.8kgか。(参考:出血した時の応急手当
 よし、刃牙なら問題なし!

 そもそも刃牙は脳内麻薬を分泌させる達人だ
 耳をひねっただけでエンドルフィンがでまくる。
 さらに、ガイア流のアドレナリン効果も会得したのかもしれない。
 光と闇が両方そなわり最強に見える、な。

『アドレナリンの分泌を促す』
『体内から働きかけるアドレナリンの止血効果は比類なく』
『優秀なセコンドは意識的に選手を挑発し』
『闘志をアオり止血した実例がある』


 ここで優秀なセコンドのイメージ画像が『あしたのジョー』の丹下段平だ!
 なんで、丹下段平なのッ!?
 あわてて選手を見直したが、選手は矢吹丈じゃないようだ。
 丹下段平をもってこられたら、闘志で止血できると思わざるをえないな。
 そりゃ、おっちゃんの迫力なら止まる。
   ラバーマスク 丹下 段平

 ボクシングの小話が、丹下段平と一緒に出てきた。
 つまり、まだ烈のボクシング編を忘れてないってことだ!
 ボクシングへの情熱と興味はまだ尽きない。
 あしたの烈海王だ!
 今日は出番なくても、いつかきっと!(ちょっと切ない)

 闘志 満タン タンタンメンの刃牙は改めて勇次郎と対峙する。
 ジャンプして一気に間合いを詰めて……金的蹴りだ!
 フェイントも入った必殺の蹴り。
 お父さんの息子を息子が破壊する気かッッッ!?

 だが、勇次郎は正拳で刃牙の蹴りを止める。
 並の戦士なら今の一撃で足がくだけているところだが、刃牙はちがう。
 すぐに反撃して、右ハイキック、左フック、右ローキック、左アッパーと矢継ぎ早に攻撃をしかけた。
 だが、すべて止められている。

「速いッ」
「わっかんねェよ速くてッ」
「マジ見えない……」
「こ…ッ こんなに速ぇえのかよ」
「すっげェェェ」
「見えねェ…」
「音だけが……」
「手足が消えてる…………」


 やはり観客には見えていないが、見えないことがスゴいと理解された。
 刃牙は見えない打撃を放つ。
 勇次郎は見えない打撃を防御する。
 常人の視力を超える超スピードの超人バトルだ。

 しかも、二人ともこのスピードで動きつづけている。
 どちらもトンでもない運動量だ。
 こんな攻防を長時間つづける体力もスゴい。
 超一流の親子による超一流の親子喧嘩だ!

 刃牙は全力で攻撃し、勇次郎はそれを受けきる。
 見ている独歩にはなにやら思うところがありそうだ。
 ちなみに、周囲のレベルが低すぎて独歩の解説が通用しなかった。
 だから、独歩はもう見るだけに専念しているようだ。
 もったいない。実にもったいない。

(よかったなァ………………バキ)
(遊んでもらえ…)
(存分に遊んでもらえバキ…………)
(こんなに遊んでくれる親父……
 他にゃいねェんだぞ!!!)

 赤ん坊の刃牙が、父勇次郎に戯れている。
 独歩の隻眼にはそんな光景がうつっているようだ。
 まだ、刃牙と勇次郎の実力差は大人と赤ん坊ぐらいだというのか?

 そして、独歩は二人の関係を良きものとして見ている。
 微笑ましい関係だというのだろうか。
 たしかに今までの因縁を考えれば格闘というコミュニケーションをしている状態は、スゴい改善だ。
 でも、戦士としての刃牙は赤ん坊のままじゃダメだろう
 勇次郎も、それを望んでいない。

 独歩の感想は何を意味するのだろう。
 赤ん坊の刃牙が急成長するという意味だろうか?
 それとも、勇次郎がイクメンに宗旨がえするという意味かいや、それは無いな。
 次回、ナゾがあきらかになる! ……と、イイな。


 刃牙は闘志を燃やし、勇次郎が刃牙の思いを受け止める。
 独歩が良かったと思ったほど、心あたたまる光景かもしれない。
 でも、刃牙はそれで満足できないし、満足しちゃダメだろうな。

 刃牙が金的を狙ったからにはスゴい本気なのだろう。
 だけど、勇次郎にはまったく届いていない。
 相手の名前に「どらえもん」とだけ書かれた子供の出した手紙なみに届かない。ドラはカタカナが正解だし。

 刃牙が勇次郎に打撃を当てるには、闘志や殺意だけじゃダメなのかもしれない。
 天内悠のように、相手を愛することで気持ちをさっするのが重要なのかも
 相手の心を読んだうえで望みの逆をする、サディスティックなプレイが勝敗のカギだ。
 嫌がらせは刃牙の得意技だし、これならイケる!

 でも、勇次郎が真に望まないコトって刃牙がやる気を無くすことだよな。
 読者にとっても望まないコトだけに、刃牙が本気で嫌がらせをしないコトを願う。
 闘争中止の最も効果的な決定打、それは土下座である!
 勇次郎にとって、もっともニガテな技は土下座かもしれない。
 もっとも、勇次郎なら平気で土下座している人の後頭部にカカト落しするかもしれないけど。

追記 (11/8/31)
 ウサイン・ボルトがフライングで失格になってしまった。(何と!ボルト フライングで失格
 刃牙世界で噛まれた選手は現実でも不幸な目にあうという法則がありますが、噛まれる前に不幸になるのは珍しい。
 むしろ、これはボルトが陸上をやめてボクシングをはじめる予兆かも。
 刃牙世界が現実を侵食する展開だ。
 そのうち恐竜と格闘している原始人の塩漬け死体が発掘されるぞ!(それはない

 どちらにしても、烈ボクシング編は親子喧嘩に決着がつくまで放置されるのだろう。
 それだけ時間がすぎればボクシングネタが増えて、板垣先生の妄想も熟成されるというものだ。
 描きたいネタが出てきたら、あっさりボルトを潰してネタ投入しちゃうんだろうな。
 フライングで敗北したボルトには魅力が無くなったとか言って。

 一時期、刃牙の出番がガクッと減ったのは刃牙の魅力が無くなったからだろうか?
 なんとなく、イラっとする言動が増えていた時期があったのは確かだと思う。
 むしろ、刃牙の魅力ってどこって聞かれると困ってしまうかもしれないが。
 イロイロな意味で破天荒なところは魅力ですよね。
 前向きでいれば、けっこう面白いヤツなんだけど。

 勇次郎とからめば刃牙という素材も活きてくる感じだ。
 やはり、勇次郎がいてこその刃牙なのかもしれない。
 すると刃牙が勇次郎を倒す行為は、自分自身を倒すことと同意義なのかも。

 刃牙が勇次郎大好きっ子なのはすでにあきらかだ。
 勇次郎を倒しちゃうと、刃牙の目標は本当になくなってしまうかもしれない。
 もっとも、刃牙って無目的にダラダラすごすのも得意そうだから特に心配はしませんけど。
 ダラダラすごすのだけど、基本マゾなんで肉体をいじめるトレーニングは欠かさないという手に負えない主人公だ。


2011年9月1日(40号)
第3部 第266話 象形拳 (922回)

 刃牙と勇次郎の攻防は速すぎて常人には見えないッッッ!
 手足が消えて、音だけが聞こえるような攻防だ。
 まるで怪談話ですな。
 きっと新たな都市伝説がまたひとつ生まれた。

 激しく動きまわる刃牙に対して、勇次郎は不動のまま両手だけで防御している。
 今のところ二人の実力差は大きい。
 このままでは動きまわる刃牙だけが体力を消耗して、さらに不利になりそうだ。
 攻撃は防御よりも疲れる。
 刃牙はこのまま疲労という沼に沈み自滅するのか?

 刃牙が後方に跳ぶ。
 まったく勇次郎に当たらないので、チョット休憩だろうか。
 汗をかいているが、細かい汗であり、まだ余裕がありそうだ。
 刃牙のスタミナとタフネスは人間の水準をはるかに上回っている。
 常人の基準で消耗するなどと判断しちゃダメみたいだ。

「恩にきるぞ神崎」
「自衛隊と機動隊の連携」
「スムーズではないか……………」


 徳川さんは神崎首相とならんで座り戦いを見学している。
 機動隊バスの上にパイプイスを置いて、文字通り高みの見物だ。(参考:バスパトカー(機動隊)
 首相は、これだけ目立つ所に座っていても観客に気がついてもらえていない。
 みんな背をむけて範馬親子を見ている。
 チョットみじめだ。

 民間人への被害を出さないように自衛隊と機動隊を配備しているが、まだ近すぎるだろう。
 野球だってもっと離れて見るもんだ。
 範馬親子の喧嘩なんて、ゴジラとガメラがプロレスしているようなものだぞ。
 まだキケンすぎる。

 喧嘩が終わり、時間が経過すれば神崎首相は辞任することになるだろう。
 つまり、親子喧嘩の被害を拡大させてしまい責任を取る結末が待ち受けているのかも。
 危機にたいする見通しが甘すぎる。(みっちゃんも同罪だけど)
 こりゃ、いカンな。

(血のなせる業…………)
「フフ………」
(ここまでは……)
(上出来だ……)
(ま………… スポーツ格闘技ではあるが……………)


 刃牙の攻撃に範馬勇次郎も満足している。
 ま、俺の血だからね! と思っているあたりが勇次郎的だ。
 刃牙を誉めるとみせて、自分リスペクトだよ。
 この超ワガママな俺様最高という精神力が勇次郎の最強をささえているのだ。

 刃牙の打撃を受けた手足はビリビリとしびれていた。
 けっこう効いていたらしい。
 それでも、スポーツ格闘技だと自分より低く見る。
 勇次郎の自分最強伝説はゆるがない。

 きっとプロ野球の剛速球を受けてダメージを受けても「しょせんスポーツ!」と気合で乗りきるのだろう。
 恐るべき精神力だ。
 足の小指をタンスの角にぶつけても、全力で痛くないフリをするにちがいない
 全身に血管うかせてリキみまくって誤魔化すだろう。(255話

「!」
(そうか…)
(来てるんだ……)


 ここで刃牙はナニカを感じとった!
 宇宙から電波を受信しちゃったんだろうか?
 勇次郎との戦闘中なのにキョロキョロ周囲を見回している。
 時速200kmで運転している最中によそ見をするようなキケン行為だ。
 恐れを知らない態度と言うか、マイペースすぎる。

 刃牙は両手を天にかかげた。
 本格的に電波を受信する気なのか?
 それとも、星屑との握手とシャレこんでいるのだろうか?

 開いていた手を握りこむ。
 拳を振りおろし、足踏みをする。
 刃牙がとった、その構えは――――ッ!

『観客達(ギャラリー)は まざまざと見ていた』
『未だ見たこともない』

『Tレックス最大の好敵手(ライバル) その勇姿(すがた)を…!!!』


 トリケラトプス拳、ふたたびッッッ!
 ピクルとの死闘で刃牙が身につけた禁断の魔技だ。(20巻 166話
 今回は観客達にもハッキリとトリケラトプスの姿を見せている。
 刃牙の妄想力が強くなったのか、模写が上手くなったのか知らんが、変な方向に成長しまくりだ。

 重量ではTレックスを上回る超ヘビー級の恐竜が現代の新宿に出現した。
 観客にもワカりやすい超必殺技が出たぞ。
 つうか、やっぱ刃牙的にも「トリケラトプス > ゴキブリ」なんだ。
 やっぱりゴキブリはイメージ良くないよね。

 見方によっちゃ宴会でのイッパツ芸みたいなトリケラトプス拳だ。
 この大技に勇次郎はどう反応するのか?
 まずは驚愕する。当たり前だ。勇次郎でも、こりゃビックリする。
 汗を一筋流させた時点で、トリケラトプス拳は成功だ。
 つづく、勇次郎の反応はッ!?

「この親孝行者めが」

 大喜びだ!
 ……たぶん。
 顔が怖いので喜んでいるのかどうか、不安だけどセリフの内容は喜んでる。
 どういう喜びの表情なんだよ、コレ。

 勇次郎も子供の頃は恐竜好きな少年だったのだろうか?
 今でも、こっそり恐竜博に行って周囲の人間をビビらせているのかもしれない。
 憧れのトリケラトプスに逢えて、勇次郎大感激の巻か?

『この時…』
『この親子喧嘩を見下ろす視力』
『凡そ8.0以上…?』

 ピクルさんが見てた!
 遠くから親子対決を見守っている。
 刃牙の超感覚がピクルの存在を感じとったのだ。
 つまり、あの構えは友情のトリケラトプス拳である。

 強敵(とも)の おかげで身についたトリケラトプス拳で刃牙は戦う。
 この友情パワーこそが勇次郎にない刃牙の強さだ。
 生まれつき強すぎた漢の悲劇と言うべきか、勇次郎には対等の存在がいない。
 もまれて育ってきた刃牙と、孤高の勇次郎という違いだ。
 次回、勇次郎vs.トリケラトプスの異種バトルか!?


 独歩の次はピクルが登場だ。
 けっきょく戦士たちが多数集まってきたりして。
 とりあえず米国にいる烈海王はこないと思うけど。
 あと、渋川さんもたどりつけるのかどうか、ちょっとアヤシい。

 刃牙はトリケラトプス拳で観客の心をガッチリつかんだ。
 みんなトリケラトプスの名前ぐらいおぼえておこうよ。
 やっぱり見せる戦いに関しては勇次郎よりも上手い。
 人気の高い恐竜技で観客を味方につけた。

 さらに刃牙には三竜合体技もある。
 プテラノドン・トリケラトプス・ティラノサウルスを合体させたプトティラ拳だ。21巻 167話
 原人ピクルですら泣いて怖がった異形の怪物を登場させれば、観客はさらに喜ぶだろう。
 パフォーマンス勝負なら、刃牙が勝てる!

 ただ、相手は範馬勇次郎だ。
 刃牙が恐竜になるのなら、勇次郎だって変身するかもしれない。
 実在の生物で恐竜は最大=最強といってイイだろう。
 だから、刃牙のトリケラトプス拳に並のエア象形拳じゃ勝てない。

 ならば、どうするのか?
 オリジナルの生物を出せばイイのかもしれない。
 または、伝説の怪物を出す。
 それとも、ロボットか?
 俺がガンダムだ! と宣言して、ガンダム・オーガとなり恐竜を銃殺したりして。
 いや、勇次郎は武器を使わないのでガンダムファイトで倒す。(そもそも、ガンダムは兵器ですけど)

 鞭打やトリケラトプス拳などと過去の必殺技が再登場している。
 これはバキ闘争史を振りかえりつつ戦うってコトなんだろうか?
 ならば、紐切りやマッハ突き、転蓮華、千春殺法、菩薩拳、オリバのパックマン攻撃、不発だった地球拳、握力で天井にぶら下がるシコルスキー、……などの絶技が出まくるかもしれない。

 特に期待するのが、新コブラツイスト、新卍固め、一本足四の字のプロレス技かな。
 センサラック・ディーノイ、デントラニー・シットパイカー、チャモアンというムエタイ死天王の三人までを撃破し、大将サムワン海王で新必殺技を披露して欲しい。
 勇次郎にプロレス技は通じないだろうから、ゲストが必要なんですよ。

 都合よくムエタイ死天王がやってくるのか、って?
 そりゃ刃牙の独闘(リアルシャドー)ですよ。
 一瞬でトリケラトプスを感じさせた今の刃牙なら、リアルシャドーで対戦相手を見せることも簡単なハズだ。
 むしろ、刃牙に魅了されているこの観客達が実は刃牙の生みだした幻想(リアルシャドー)ってコト無いよね。

追記 (11/9/7)
 ドラクエXの発表で忘れていたが、「ワンピース 海賊無双」(バンダイナムコ、PS3「ワンピース 海賊無双」制作開始)が発表になった。
 ワンピースと無双ってのは相性が良さそうだ。
 現在の話も海賊10万人(実質5万人)を倒す勢いだし。

 だったら、刃牙グラップラー無双ってのもアリだろう。
 刃牙が不良100人を今度こそ倒したり、勇次郎が100人に押し勝ったりする。
 ムエタイ選手が1000人いっせいに襲いかかってきたら壮観だろう。
 飛び道具をもっている雑魚キャラは米兵か腕っこきのハンターあたりで。油断すると勇次郎でもヤられる。

 知名度とかで上手くないのなら、チャンピオン無双にするしかないな。
 ドカベンとかが1000本打ちまくったりする。
 浦安鉄筋家族には参加して欲しいが、扱いに困るのが難点だ。
 武闘派キャラはいるけど主役の小鉄が出てこないのは困るよね。

 超人的な戦闘キャラは『覚悟のススメ』『魔界都市ハンター』『カオシックルーン』『舞-HiME』『スクライド』『マーズ』『キューティーハニー』あたりがあるから、ロボットが出てきたって叩きつぶせる。
 『ギャンブルフィッシュ』で1000人賭けとかやっても良いし、『本気!』で骨髄ドナーを1000人集めてもいい。
 チャンピオンだけになんでもありだ。

 かなりの被害者が出るだろうけど、そこはブラックジャックが全員治療してくれるだろう。
 一度に四人の治療ができれば、全世界の人間が相手でも治療できる!


2011年9月8日(41号)
第3部 第267話 共同幻想 (923回)

 これがトリケラトプス拳だ!
 思いこみの天才・範馬刃牙がトリケラトプスになりきって動いたら、トリケラトプスに見えるのは当然を超えた必然である。
 掲示板情報によれば、6歳の恐竜マニアに「これトリケラトプスじゃなくてスティラコサウルスだよ!」と指摘されたらしいが問題ない。(スティラコサウルス - Wikipedia

 たしかにトリケラトプスのフリルは、あんなにトゲトゲしていない。 参考→
 だが、コレは刃牙のイメージしたトリケラトプスだ。
 トリケラトプスの中のトリケラトプスッ!
 むしろ、トリケラトプスを超えたトリケラトプスッ!
 超(スーパー)トリケラトプスだッッッ!
 というのは、前にも書きました。(20巻 166話

 とりあえず、トリケラトプスの中でもトゲが異常に発達しているタイプと思っておけば良いのだろう。
 範馬一族は背筋が異形の発達をしている。
 弱虫ペダルの待宮だって肩甲骨が異常に発達しているといっているし。
   サファリ レプリカ トリケラトプス
トリケラトプス デスクトップモデル

 とにかく、トゲトゲしていた方が強そうなんだよって理屈だ。
 最新の学説だと、トリケラトプスの前足は甲を外側にむけていたと言われている。
 くわしいことはトリケラトプスが主人公の『AL』(AA)を描いていた所十三先生に聞けば良かったのに……

 でも、真実が正解とは限らないって聞き流しそう。
 せっかく恐竜が出てくるなら、化石に忠実で弱そうなヤツより、間違ってても強そうなヤツのほうが良いでしょ?
 『迫力があるから説得力もあるって寸法だ』格闘士烈伝
 でないと塩漬け原始人なんて出てこない。

『少年の動きに帯びる力強さ(ダイナミズム)が』
『踏みしめる脚の重量感が』
『古代の闘争心を思わせる眼光が』
『その場にいる者 全てに共有させた』
『この構え(フォーム)の持つ意志を』
『この構え(フォーム)に備わる重量(おも)さを』
『この構え(フォーム)が醸す殺意(ころし)を』
『余すところなく思い知らせた』


 有無を言わせぬトリケラトプスらしさだ。
 周囲の人間は共同幻想にかかって、もうトリケラトプスにしか見えない。
 ネットへの書き込み情報が「最強の親子喧嘩やってる」から「トリケラトプスが出現」に変わったな。
 のちに集団ヒステリー新宿トリケラトプス事件と呼ばれることだろう。

 生きた恐竜を見た人間はいない。
 だから、刃牙は自分のイメージした恐竜像を見せつけているのだろう。
 デカいぞ、ツノだぞ、トリケラトプスだ。
 父さん、これが僕のトリケラトプスです!

 そして、父・勇次郎は大喜びしていた。
 強いモノが大好きな範馬勇次郎は恐竜も大好きだったのだ!
 ……そういう理由じゃしかたがない。
 もっとも勇次郎が好きな強さって生物としての強さなんだろうな。
 銃とか兵器への興味はすくなさそうだし。

『少年期から折に触れ思いを馳せた』
『五体の意志に目覚めるにつれ』
『思いを馳せた』
『正直 すっかり大人になってからも』
『思いを馳せた』
『五度や六度じゃない!!!』
『こいつら一体どんだけ強いんだ!!?』


 少年時代、ダイヤル式のテレビで恐竜を見たときから、興味があった。
 そんな少年の心を失わぬまま、大人になったのが勇次郎だ。
 子供の頃に抱く、誰よりも強くありたいというワガママを貫きとおした男だけに、子供の興味を失っていない。
 地上最強を夢見るのと同じ熱意で、地上最強の生物"恐竜"を見たいと思う。
 夢にまで見た、恐竜との戦いが実現しようとしている!

 勇次郎は両手をあげる本気の構えをとった。
 トリケラトプスとの戦いで興奮しちゃっている!
 本気だ。チョー本気だよ。今夜、はじめて本気になった。
 チョット、かわいい所ありますね。

 もう『神がかり的洞察力を持つ父の眼』には、トリケラトプスしか見えない!
 いやいやいや。ノーノーノー。
 洞察力をそういう方向にむけて使うのか!?
 シャーロック・ホームズが、ワトソンのヒゲを材料に美少女とのめくるめく性倒錯の世界を妄想するようなものだぞ。
 知性は正しく使おうよ。リアルシャドーの嘘を見抜け。

 でも、勇次郎は恐竜と戦いたかったのだ。
 だから全能力をかたむけて恐竜をイメージしているのだろう。
 物事を否定するのではなく、肯定する。
 なんというポジティブ思考だ。こりゃ
 このトリケラトプスは親子の共同作業(リアルシャドー)で生まれた。

『発動!』
『過去 遂に使用されなかった』
『トリケラトプス拳!!?』


 そして、刃牙 ――――否、トリケラトプスが行った!
 三本角が勇次郎に襲いかかる。
 勇次郎はよけない。
 上二本のツノをつかんで真っ向勝負の力比べをいどむ気だ。

 刃牙本来の力であれば勇次郎には勝てない。
 だが、勇次郎もリアルシャドーでトリケラトプスをイメージしているのなら、刃牙のパワーはリアル恐竜並だ。
 否! 否、否、否ッ!
 勇次郎が恐竜に大きな期待をしていれば、本物よりも強い。
 刃牙は勇次郎を押し切ることができるかも。

 パワー負けしそうな勇次郎は、どう挽回するのか?
 ピクルの時みたいに、恐竜に合気をかけてヒックリ返しそうだ。
 勇次郎vsトリケラトプスの時空を超えた戦いはどこへ行くのか?
 次回へつづく。


 勇次郎が恐竜と戦いたがっていたのは意外だけど納得だ。
 本当なら最強恐竜との呼び声も高いティラノサウルスとやりたかったんだろうな。
 映画『ジュラシック・パーク』(AA)なんかを見たら、帰り道は血がたぎりまくっていたことだろう。
 いや、勇次郎はおとなしく映画を見るタイプじゃなさそうだ。

 まあ、とにかく孝行息子の刃牙は父の夢である恐竜との戦いを体験させてくれる。
 トリケラトプスに反応して、ゴキブリに反応しなかったのは外見の差だろうな。
 普段から巨大ゴキブリと戦いたいなんて勇次郎が思っていたら、反応したかもしれないけど。
 巨大カマキリだったら、反応したんだろうか?

 刃牙は両腕を上二本のツノに見立てて攻撃した。
 鼻先にある三本目のツノはどうするんだろう?
 刃牙と勇次郎のイメージがスパークすれば、下から立ち上がってくるかも。
 股間……じゃなくて、ヒザが。
 でも、足をつかうと一本足になるから突進力が落ちるよね。
 これもイメージでカバーすればいいのか?

 恐竜と戦えて勇次郎は喜んでいる。
 だが、勇次郎の思考に敗北の文字はないだろう。
 相手が恐竜だろうと100%勝つつもりだ。
 刃牙のトリケラトプス化にイメージ協力しても、倒す気マンマンです。

 トリケラトプスは勇次郎を相手に善戦するだろう。
 だが、それは最終的にボコられるという前提で、だ。
 悟空がくる前にヤムチャが戦うようなもので、負けるに決まっている。

 トリケラトプスのままじゃ勝てない。
 刃牙は勇次郎の猛攻から逃げる必要がある。
 恐竜を超えたプトティラコンボを出して勇次郎をビビらせる手もあるかもしれないが……
「オリジナル恐竜? それはダメ。萎えた」と嫌がられそうだ。
 空想で強い生物をつくるんだったら、強い人間をイメージしろ。むしろお前が強くなれ。
 そんなふうに言われそう。

 刃牙はトリケラトプスとして勇次郎に屠られるのは不本意だ。
 ここは、身代わりがいる。
 さいわい近くに独歩がいた。
「アレ? 親父、あそこに眼帯つけたパキケファロサウルスがいるよ」と、刃牙がシャドーふりすれば乗ってくれるかも。
 ハゲた感じが独歩と似ているからダマせる可能性は高い。

「いや、あれは丹下段平だろ」と、かわされたらアウトだけど。

 次回も、ハゲしい攻防が予想される。
   パキケファロサウルス ソフトモデル

ラバーマスク 丹下 段平

追記 (11/9/14)
 去年、トリケラトプスの名前が消えるという誤報が広まった。
 今年も同じネタが蒸しかえされているようです。(参考:トリケラトプス - Wikipedia(トロサウルスとの関係)
 これはやっぱり刃牙がトリケラトプス拳をだしたことによる現実への干渉だな。
 現実っぽく見せるリアルシャドーを超えて、シャドーが現実になるシャドーリアルだ。
 やっぱ、そのうちに恐竜時代に生きていた原始人の塩漬けが発見されるよ。

 勇次郎はトリケラトプス拳だけで満足するワケないよな。
 ティラノサウルス拳をだせとリクエストしてきそうだ。
 恐竜合体プトティラコンボはお気に召すのだろうか。
 勇次郎って食事の時に酒飲んでいたから、チョット酔っているのかも。
 酔っているから、あんなにトリケラトプスで喜んでいるんだろうな。

 勇次郎は恐竜と戦いたかった。
 ってコトはピクルとも戦いたかったんだろう。
 食事より、水より、酸素より、闘争を愛する男といわれた勇次郎が好敵手を刃牙にゆずった。
 ピクルを刃牙に譲ったのは、真の愛情だろうな。
 もっともソレも、刃牙を強く育てるためのガマンですか。

 単に強いヤツと戦いたいだけなら、恐竜じゃなくてガンダムでもいいわけだ。
 素手でモビルスーツを破壊した東方不敗を目指す。
 そんなコトを言い出すと強さのインフレに歯止めがかからない。
 勇次郎の基準は少なくとも実在していたコトのある存在なんだろうか。
 【閲覧注意】巨大生物の画像貼ろうぜみたいなのを見て、巨大生物とヤリてェ〜〜〜と思っていたりしていそう。

 でも、勇次郎は体格に恵まれたジャック・ハンマーより、刃牙に期待していた。
 刃牙世界らしく、デカいだけの戦士には試し割りの瓦ぐらいにしか興味をもっていないのかも。


2011年9月15日(42号)
第3部 第268話 真・象形拳 (924回)

 トリケラトプスになりきった刃牙が突進する。
 ツノ三本に一本足りなかったり、足が二本だったりとイロイロ不足しているのだが、みんなにトリケラトプスが見えているらしい。
 刃牙は芸人か役者としても充分やっていけるよ。

 勇次郎は刃牙のトリケラトプスを正面から受けとめる。
 息子の芸にこたえる父の愛だ。
 というか、恐竜との対決は勇次郎が望んでいたことなので、本人の希望どおりかもしれないが。

 ところがどっこい、刃牙のタックルを勇次郎は止められません!
 踏ん張っても地面を削るだけで後ろにすべる。
 まるで、オリバ戦の末期を見ているような怪現象だ。

 範馬勇次郎が押し負けている!?
 機動隊100人に押し勝った男が、18歳の少年ひとり に負けるのか!?
 得体のしれない力が刃牙を後押ししているのか?

 二人は近くに駐車していた大きな車にぶつかり、ヒックリ返して止まった。
 ホテルの周囲で駐車場でもないのに、なんで車が止まっているのだろうか?
 違法駐車かもしれない。
 大破した車を見て、持ち主はココに止めたコトを後悔するだろう。
 これも、首相の車だったりして。

「100キロを大きく上回る俺を」
「アスファルトを削りながら押し切り…」
「あまつさえ」
「車輌を横転させるその体力…」
「70キロに満たぬオマエのものではない」
「原始の膂力を堪能した」


 勇次郎も絶賛する超常現象だ。
 刃牙世界は精神力至上主義者が多い。
 気合さえあれば何でもできる。
 根性さえあればマラソンで優勝できるって思想だ。

 花山は精神力でトリケラトプス並のパワーを発揮した。
 克巳も思い込みの力で関節を増やして真マッハ突きをだす。
 勇次郎だって、その強さを支えているのは強靭な精神だとストライダムが保障している。
 ストライダムの言うことだから、チョット信用して良いのか悩むところですが。

 軽量の刃牙だけど、妄想の重さはトリケラトプス級だ。
 勇次郎が上手いことおだてているだけで、地面のくぼみを利用して強い突進力を出しているだけかもしれないけど。
 もしかして、削れたアスファルトも勇次郎の演出だったりして
 刃牙のために勇次郎が小芝居しただけって可能性もあるよな。

「象形拳なるものの理想……」
「或いは」
「目指すべき方向とでもいうべきか」
「キサマに伝授(おし)えよう」


 いきなり勇次郎がえらそうに語りだした。
 刃牙のトリケラトプス拳に満足したみたいだけど、別の不満があるのだろうか?
 それとも、刃牙成長のために特別授業かも
 刃牙を強くするためには手間を惜しまない人だ。

 とりあえずトリケラトプス拳には満足した。
 ティラノサウルス拳とかには興味がないらしい。
 今のままだと、モノマネの宴会芸みたいなものだ。
 体重以上のパワーを出せても、そこ止まりになる。
 より実戦的・戦闘的に改良したほうがイイってことだろう。

「言うなれば所詮は模倣(ものまね)ッッ」
「仮に"ゴジラの型"を完成させ」
「火を吐いて闘おうが」
「模倣(まね)は模倣(まね)


 火は吐けねェだろ!
 アンタの身体には肺の横に火炎袋でもついてんのかよ!
 つうか勇次郎さん、ゴジラに興味がおありですか?
 本当はゴジラと戦いたい人ですね。
 でも、ゴジラは身長が50m以上あるから、さすがに人間サイズじゃ相手にならんな。
 ガンダムの倍以上あるよ。

 吐けるかどうかはともかく、たとえ火を吐いても勇次郎的にはダメらしい。
 オリジナルと同じことをやっても、模倣(まね)だ。
 ゲームのリメイクなんかで、まったく同じに移植しても意味は薄い。
 問題点を改良した完成版としてリメイクしなきゃダメってことか。

「見逃すな……」
「象形拳の理想形」

「モノマネじゃん!」

『そこに居る者』
『全てが眼にした』
『象形拳の完成形』

「こ……」
「こいつは想定外だ…」


 刃牙とおなじくモノマネッ!
 と、見せかけてナニかやらかしたッッッ!
 ビルを振動させるほどの地響きを立てて、勇次郎が見せた『象形拳の完成形』とはナニか!?

 刃牙は想定外と言っているが、アイツ難しいこと考えてないっぽいので大概のことが想定外だろう。
 でも、勇次郎の行動が読めないのは確かだ。
 いったい、勇次郎はナニをやらかした!?
 キッツイ謎を残して、次回につづくのだった。
 この仕打ちは、まさに鬼ッ!


 勇次郎はなにを仕出かしたのだろう。
 あの人のやるコトは本当に予想がつかない。
 刃牙にダメ出ししたくせに、自分もトリケラトプスになるぐらいはやりそう。
 むしろ、ゴジラになって本当に火を吐くとか。
 刃牙が妄想パワーで飛べるんだから、勇次郎なら火を吐けるハズ。

 象形拳というか、武術の目指すべき方向ってのはワカる。
 狭い意味では、敵を倒すことだ。
 広い意味だと護身だったり、人生をよりよく生きることだったりする。
 イスラエルの格闘術『クラヴ・マガ』だと、ストレートな表現で無事に自宅に帰ることが目的だ。(最強護身術 クラヴマガ
 『少林寺拳法』だと、トラブルが発生しても素手である程度乗りきれる技術と自信をもつことで人生を充実させることも目的にしている。(少林寺拳法奥義

 じゃあ、トリケラトプス拳のおかげで無事に自宅に帰れたり、人生が充実するのだろうか?
 宴会芸として受ければ人生もすこし豊かになりそうだ。
 芸人として大成すればフトコロも豊かになるだろうし。
 だが、勇次郎にとって重要なのは狭い意味での目指すべき方向だろう。
 つまり、敵を倒す強さだ。

 形象拳はマネをするのが目的ではなく、有効な動きをして敵を倒すことが目的だ。
 お客さんを楽しませることが目的ならば、リメイクゲームは必ずしも追加要素を必要としない。
 刃牙のトリケラトプス拳は本物っぽさを追求しすぎている。
 確かにパワーはスゴいが、動きは直線的で単純だ。
 獣そのもの動きだから、深みがない。

 では、理想のトリケラトプス拳とはなんだろう?
 恐竜のパワーを持ちつつ、人間を倒せる動きをする。
 トリケラトプスそのものではなく、トリケラトプスと人間が融合した怪人形態が理想形なのかも。
 これじゃ、ますます仮面ライダー的な感じになるな。

 でも、勇次郎の動きでズンズンとビルに衝撃が走っている。
 少なくとも体重は恐竜なみになっていそうだ。
 恐竜なみのパワーと体重をもった怪人形態になっているのだろうか?
 それだと、巨人サイズだよな。
 巨大化は弱体化だから、やっちゃダメなパワーアップだぞ。

 トリケラトプス怪人になったとすると、頭には三本のツノが生えていそうだ
 その姿は、まさに鬼そのものだろう。
 観客も勇次郎が鬼<オーガ>と呼ばれていることに納得するハズだ。

 ならば、刃牙はどう対抗すれば良いのか?
 怪人を倒すのなら、ヒーローになるしかない。
 後楽園地下闘技場のご当地ゆるキャラ・ヒーローであるバキマンの誕生だ。
 これでお客さんの心もわしづかみだ。

 でも、これらは すべて刃牙を強くして人気者にするため、勇次郎が描いたシナリオだったりして。
 まるで、『泣いた赤鬼』状態だ。勇次郎も鬼だけに。

追記 (11/9/21)
 範馬勇次郎が見せた、象形拳の理想形とはッ!?
 イロイロな意見がありました。
 たとえば理想の範馬勇次郎を体現した範馬勇次郎拳なんて予想もある。
 こればっかりは答えを見てみないとワカらんですね。
 間違いなく、予想外の所にスゴい玉を落としてくる。

 思いきって勇次郎台風拳で暴風雨を巻き起こしたらどうか?
 地震を止める自信がある勇次郎だから、自然現象すら操るかもしれない。
 まさに地震雷火事親父拳だ。
 けっきょく親父が最後の切り札で、自分リスペクトです。

 勇次郎がなにを出すのか不明だ。
 問題なのは、刃牙が勇次郎の芸を上回らないとダメってところだろう。
 せっかくトリケラトプス拳で、勇次郎よりもスゴいところを見せることができたのに。
 刃牙はちょっと優位に立つと地盤ごと沈められる展開だなー。

 次に刃牙がすべき技はなんだろう?
 単に強いとか速いとかじゃ、勇次郎に勝てそうにない。
 もっと刃牙の持ち味をイカす戦いかたは無いのか?

 刃牙といえば、マゾだッ!
 痛みに強い。
 勇次郎は痛みをごまかしガマンして耐えて勝ったように見せていた。
 だが、刃牙はちがう。純粋に痛みを味わい堪能して負けている。
 もっと痛みを追求したらどうか?

 リアルシャドーでトリケラトプスに踏まれる。
 地割れに落ちて、落雷を受けて、火事にあう。最後に勇次郎に殴られろ。
 こういう不毛なリアルシャドーによる自傷行為に勇次郎が付きあえるとは思えない。
 さすがの勇次郎もあきれて帰るだろう。
 いや、帰られたらダメなんだけど。

 というか、この喧嘩は江珠死亡の真実を問い詰めるところが発端だったことを思い出さないと、大変キケンだ。
 このままだと、二人とも芸の披露をするだけで終了(お)わってしまう。
 まあ、芸を見せるだけでも観客は喜んでくれるし、達成感もあるだろうから、イイか。



S.H.モンスターアーツ ゴジラ (初回特典付き) S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーオーズ プトティラ コンボ
ゴジラとヒーロー


2011年9月22日(43号)
第3部 第269話 溶け合い (925回)

 範馬勇次郎が象形拳の理想形を見せるという。
 それは一体どんな技なのか?
 なんの生物を模倣しているのだろう。
 衝撃の回答編がはじまる!

 だが、簡単にはじまらないのが刃牙だった。
 まずは象形拳の意義から説明をする。
 そこからかよ!
 なんか九九のおさらいまで さかのぼった感じだ。
 じらすのぅ。
 CMのあと衝撃の展開がと言っておきながら、もう一回CM入れる衝撃の展開サギだよ。

 生存競争という戦場で生き抜いてきた生命は、優れた能力をもっている。
 それをパクるのが形象拳だ。
 と、言うのが大雑把な説明だった。詳しくは本誌を見てください。
 ならば、範馬勇次郎はッ!?

(何を模倣(まね)る…!?)

「バ〜〜カ」
「こんな動作」
「テキトーにキマってんじゃん」


 模倣(まね)じゃなかった!?
 それっぽい動きで誤魔化しただけッ!
 なんか今日の勇次郎はお茶目度が高いッ!
 やっぱり、刃牙との食事会でテンションあがってんのか。

 勇次郎は上半身に力をこめる。
 膨張した筋肉が服をやぶった!
 クロス・アウッ!!(脱衣)
 服がこなごなに砕け散った。
 ――――ッッ!?
 細かく千切れすぎだろ。なんか仕込んでンのか?

 さらに勇次郎の脱衣で衝撃波が発生した。
 オマケに発光現象もおきる。
 本当になんでもアリだな、この人……

『眼に見えぬ"衝撃波?"に叩かれた見物人(ギャラリー)
『体験したOL』
『水原理香(27)は後に語る』


 近くのビル4階から見物していた彼女にも衝撃が届いていた。
 衝撃は窓を揺らし音をたてる。
 音速を超える動きは衝撃波を生む。
 勇次郎は超音速のマッハ脱衣で衝撃波を作ったようだ。
 むしろ衝撃波を作ることで服を破って脱衣したのかも。

 だが、新宿の美人OL水原理香(27)は衝撃よりも、光にビビった。
 本当に光ったのかどうか不明だが、観客は"光"を感じている。
 優れた美術品が自身で光るように、一流の芸能人が輝いてみるように、勇次郎の脱衣も光った。

 勇次郎の強靭な意志を感じた人間が、光と認識したのかもしれない。
 観客達は、光が巨大な鬼の容貌だったと のちに語る。
 自分より強い存在を認めない、勇次郎の地上最強な意志力が見ている人に光を感じさせたのだろう。
 上半身裸で、両腕を高くあげるポーズは、範馬勇次郎が本気を出した構えだ。

「なるほどね………」
「いかにも」
「親父らしいや」

「より"強き者"の戦闘法から学ぶ象形拳」
「だから行き着く」

『範馬勇次郎…………の型』


 究極至高の象形拳とは、地上最強の生物・範馬勇次郎を模倣(まね)たものだった!
 カマキリより、虎より、熊より、恐竜よりも強い範馬勇次郎拳こそが最強なのだ
 浦居高校のグリズリー大熊ルイとか言っている時点で、しょせんクマレベルってことか。
 アナログマも生息地が岩手・宮城・福島の3県だけになって絶滅寸前だし、もう熊に用はない。

 勇次郎の背中に浮きでた"鬼の形相"を見て観客達がどよめく。
 光のなかに浮かびあがった鬼の表情にそっくりだ。
 鬼の形相は突然変異かなにかで、筋肉のつきかたが常人とちがう異形だと思っていた。
 だが、もしかすると強靭な意志が筋肉の形状を変化させたのかもしれない。

 より強い打撃を望む勇次郎は筋肉の形状を変化させてしまった。
 異形の筋肉は精神力万能主義の成果だ。
 そして、見た目のインパクトも求めた結果が、鬼面の背筋なのだろう。

「すまねェな………」
「これより強ぇのは知らんもので……………」


 オレ様こそが最強だ!
 誰はばかることなく宣言できるのが範馬勇次郎の強さを証明している。
 イロイロあったけど、ついに範馬勇次郎が本気をだした!

 勇次郎の本気を引きだしたのは良いが、刃牙はどう闘う?
 もう、トリケラトプス拳は通用しないぞ。
 最初から通用してなかった気もするけど。
 親子対決は、クライマックスに近づいているのか!?
 次回へつづく。


 究極の象形拳、その正体は範馬勇次郎拳だった。
 正解の方、おめでとうございます。
 つうか、これが正解でイイのか?
 究極のフランス料理を食わせてやるといって、最高の素材こそ究極だと刺身を出すようなものだぞ。

 生物をお手本にするのは重要だけど、それだけで到達できない高みがあるのも事実だ。
 代表的なものは飛行機ですね。
 人間は鳥をヒントに飛ぼうと努力してきた。
 だが、鳥の羽ばたくシステムをすてることで、飛行機は飛ぶことができたのだ。
 自然の模倣だけじゃ、時にうまく行かない。
 なんか、不自然主義のほうが強いって結論になりそう。

 そもそも、人間は他の生物からすると、かなり変な生き物だ。
 ツメも牙も弱い裸の生物は脆弱で、戦うようにできていない。
 だからこそ、他の生物のマネをするのではなく、オリジナルで勝負するってのが重要なのだろう。

 自分らしさを演出した勇次郎に、刃牙はどうこたえるのか?
 負けずに範馬バキ拳をだすって方法もある。
 でも、刃牙のスタイルは勇次郎のパクリが多い。
 劣化勇次郎で本家に挑んでも勝てないだろう。

 刃牙も自分らしさを演出するしかない。
 ゴキブリダッシュもパクり技だ。
 刃牙らしさあふれるオリジナル技って、ナニがあるんだろうか?
 新卍固めなどを筆頭にした、オリジナルプロレス技かなぁ。
 親バカ勇次郎なら、うっかり技にかかってくれそう。

 あとは、アレだよな。
 刃牙の得意技である愛され上手だ。
 なんかもう理不尽さを感じるほどに大人気な刃牙ですよ。
 そりゃ、親父も観客もメロメロにしてしまう。
「最愛の息子を殴れるワケなかろう」と勇次郎に言わせたら、勝ちだ。

 勇次郎は打撃力を高めるため、背中の打撃筋肉(ヒッティングマッスル)を異形にまで強化した。
 ならば、刃牙はラブ注入されるために、もっと萌ヂカラを強化しなきゃならない。
 とりあえず、ネコ耳でも生やすか?
 失敗して、本気で殴りたくなるかもしれませんけど。

追記 (11/9/28)
 究極最強の生物は範馬勇次郎だから、最強の形象拳は範馬勇次郎拳だ。
 範馬勇次郎らしく、オレ様最強理論ですね。

 これで刃牙まで範馬勇次郎拳をやったら、範馬勇次郎vs.範馬勇次郎ですよ。
 たぶん、それが勇次郎の夢なんだろうな。
 恐竜と戦うよりも、自分自身と戦いたいハズだ。
 オレより強いヤツはいないから、オレ自身と戦いたい。
 なんか、地獄のミサワみたいなカッコイイ台詞だよ。

 それはともかく、刃牙はやっと勇次郎の本気を引き出すことに成功した。
 やっと、これからが本番だよ。本番だよね?
 トップギアになった勇次郎についていけず、いきなり刃牙がやられてしまうかもしれないけど。

 ドジャッッ!
(やっぱ、親父にはかなわねェ……)

 範馬刃牙・完!
 次回、いきなり最終回という可能性があったりして。

 本当に刃牙はどうやって勇次郎と戦うつもりだろう。
 ゴキブリもダメ、恐竜も通じない。打つ手がない。

 こうなったら、やっぱり刃牙お得意のパクリ技しかないか?
 ゴキブリや恐竜よりも、良く知り頼りになる強敵をパクる。
 そう、かつて闘った強敵(とも)たちの技だ。

 愚地克巳の真マッハ突き!(※ 克巳とはちゃん戦ってませんが)
 渋川剛気の合気(※ 渋川先生と戦ってませんけど)
 愚地独歩の菩薩拳!(※ 独歩とも戦ってません)
 純ゲバルの地球拳!(※ ゲバジュンには張り飛ばされたことがある)
 郭海皇の攻めの消力(シャオリー)!(※ たぶん会話もしていない)
 範海王の克巳にそっくりでなんか実力者っぽいオーラ!(※ 板垣先生、範海王の存在そのものを忘れていた)

 範馬勇次郎にはない無敵の友情パワーで戦う!
 でも、誰も勇次郎に勝てないんだよな。
 全員で合体してスーパー刃牙になるしかないんだろうか?


2011年9月29日(44号)
第3部 第270話 巨凶出現 (926回)

 範馬勇次郎が提案した至高の形象拳は、最強である自分を真似た技・範馬勇次郎拳であった!
 もはや、海原雄山が自分に女体盛り(男体盛り、か)して もてなすような力技だ。
 コレには刃牙も観客もポカーンとなるしかあるまい。

 いっぽう範馬勇次郎は、範馬勇次郎の「型」を披露しまくるのだった。
 自分アピールが大好きだな。
 芸人に与えられたフリータイムじゃないんだから、そんなに技を披露しなくてもいいのに。
 でも、息子・刃牙の前だからか、勇次郎は張り切っちゃう。

 上半身が透けて見えるほど高速で振りかぶって打つ、直突きッ!
 高い打点で弧を描く廻し蹴りッ!
 天をつくような前蹴りッ!
 地震すら停止(と)めそうな、足元への正拳打ち下ろしッ!

 どれをとっても範馬勇次郎だ。金太郎アメのように、ドコを切り取っても範馬勇次郎が出てくる。
 まさに範馬勇次郎らしい攻撃だった。
 数多のタックルを撃墜させたカカト落しがなかったのは残念だけど。

 勇次郎の攻撃は見えない圧をうみ、刃牙や見物人たちに衝撃を与えていた。
 とうとう、ここまで来ちゃったか。
 そのうち拳圧とか闘気で物を壊せちゃいそうだ。
 いや、それは無いか。刃牙世界では、かめはめ波を出して欲しくないものだ。

『見物人達(ギャラリー)は』
『興奮していた』
『大国さえも畏怖(おそ)れると云われる個人の武力が』
『かくも美しいものだったとは…………………』


 勇次郎の肉体が見せる強く速く洗練された動きは美しい。
 強い肉食獣の肉体が美しいように、機能美なんですかね。
 ダンサーのように鍛えられた肉体のパフォーマンスを見て、観客もメロメロですよ。
 たぶん勇次郎の本音は、この美しい姿を刃牙に見せたかったのだろう。

 これは刃牙のトリケラトプス芸に張り合ったのかも。
 勇次郎は観客を魅了する芸をもってないと思っていた。
 しかし、素の範馬勇次郎でじゅうぶん観客を沸かせられる。
 そのまんま勇次郎か、勇次郎天然素材って所ですね。
 勇次郎は負けず嫌いだから、観客の支持も刃牙以上に得たかったのだろう。

 観客の心をつかむパフォーマンスでも勇次郎は刃牙の上をいったかもしれない。
 刃牙がやったのは所詮モノマネだ。
 しかし、勇次郎は本物の自分を見せた。
 模造品と本物では、勝負にならない。

「矢沢永吉が矢沢永吉を完璧に演じるように」
「範馬勇次郎演じる」
「範馬勇次郎は」
「完璧に決まってんじゃん」


 刃牙が勇次郎を大絶賛だ。
 矢沢永吉を例に出しているのが謎だけど。
 もっと年をとった人なら、矢沢永吉のスゴさがわかる。
 矢沢永吉が矢沢永吉を演じるって意味も理解できるだろう。

 だが、18歳の刃牙にYAZAWAがワカるんだろうか?
 私ですら、ちょっと危ういのに。
 刃牙は、若いのにけっこうオッサン趣味ですね。
 もしかしたら、勇次郎からヤザワのCDか本をプレゼントされてハマったのかも。

 私にとって、矢沢永吉っていうと詐欺にあってスゴい借金をした数年後のインタビューでの印象が強い。
 普通なら返済不可能みたいな額の借金だったららしいが、銀行なんかに矢沢永吉としての資産を計算されて返済できると言われたそうだ。
 破産という選択肢も合ったが、矢沢永吉が逃げていいのか。矢沢永吉ならば戦わなくてはならない。
 そんな感じで、矢沢永吉は矢沢永吉として戦う決意をしたみたいなコトを応えていた。

 歴史上の英雄って、英雄として生まれるワケではない。
 自分が英雄になるという意思が英雄を生むのだろう。
 そういう意味で、矢沢永吉はロックスター矢沢永吉を演じている。
 範馬勇次郎も、地上最強の生物・範馬勇次郎を演じているのかもしれない。

 まあ、でも、範馬勇次郎は刃牙に矢沢永吉みたいだと誉められてメッチャ満足した。
 この、笑顔ッ!
 春の上野公園にさく桜みたいに満開の笑顔だッ! 花見のできるような笑顔だよ。
 もの凄く嬉しいんだろうな。
 下手したら今週の『囚人リク』の椿(たぶん、今死んでも悔いがないぐらいの嬉しさ)よりも嬉しい状態かもしれない。

「――けど親父……」

「はい」

 勇次郎が「はい」だとッ!?
 あんた、どんだけ嬉しいんだ。
 なに普通の受け答えしているんだよ。
 返事が「はい」かよ。背景もえらいファンシーな感じだし。

 範馬勇次郎がデレまくっている。
 やっぱり、勇次郎を殺すのは愛なんだろうか。
 勇次郎は言った「力みなくして解放のカタルシスはありえねェ…」と。(バキ27巻 バキ233話
 こんなに弛緩していては、力めなくなりそうだぞ。

 刃牙はいう。「型」はモノマネ(見た目)が重要じゃない、と。
 ココにきてイキナリの模倣否定だ。
 じゃあ、トリケラトプスの型はなんだったんだよ。

「え?」
「見た目じゃない?」
「じゃあなんだろ??」

「ヘェ……」
「知らなきゃ教えなきゃね」
(そう…)
(「型」の目的地はいつだって実戦性)
(それを――)
(お父さんに教えなきゃ……)


 勇次郎は答えを知らない。
 いや、知らないフリをしているのか?
 この表情は、なんか怪しい。

 そして刃牙は実戦性こそが重要だという。
 268話感想で書いたことと、だいたい同じですね。
 重要なのは、実戦で使える技ってコトだ。
 うん、やっぱりトリケラトプス拳を否定してないか?
 刃牙は思いつきでしゃべりすぎる。

 範馬勇次郎はだれよりも素手で戦ってきた。
 戦場でも素手で戦うぐらいだ。
 そんな勇次郎に、実戦性を教える。
 刃牙の増長っぷりが戻ってきたぞ
 戻らなくても良かったんだけど。

 刃牙と勇次郎は間合いを詰める。
 そして、いきなり勇次郎が倒れそうになった。
 この技はオリバ戦で使用した、意識が0.5秒おくれる性質をついた攻撃か?(9巻 70話

 勇次郎もオリバと同じようにダウンしてしまいそうだ。
 それとも、ダウンするフリだろうか?
 象形拳をすてさった刃牙は、型から開放された。まさに型破りだ!
 常識からも逸脱した刃牙は増長が加速して行くぞ。
 次回につづく。


 また、『ユーザーイリュージョン』(AA)のネタですね。
 人間は無意識に選択・行動している。意識は0.5秒遅れで行動を自覚し、すでに行った行動を自分が選択したと思っているにすぎない。
 という内容だ。
 だから、0.5秒のスキマに攻撃すれば反応できないってワケじゃない。

 防御側の意識が0.5秒おくれているなら、攻撃側だって0.5秒おくれている。
 両者が同じように遅れているのだから、スキマ攻撃だって意味ない。
 そもそも、無意識で防御するから大丈夫だ。
 本当に0.5秒が意識できないのなら時計の秒針が動くのを認識できない瞬間があるってコトになる。

 もっとも、勇次郎は倒れたフリで、0.5秒以内に反撃するのかも。
 こうなると、ますます一般人には見えない攻防になってしまいそうだ。
 しかし、刃牙は最新の必殺技ゴキブリダッシュを使わなくても強い技いっぱい持っているんだな。
 なんでゴキブリダッシュなんて開発しちゃったんだろう。

 勇次郎がオレ様最高を見せれば、刃牙も過去のオレ様スゲーを見せる。
 なんて似た者親子なんだろう。
 二人とも、自分たちが最強最高だと思っているんだろうな。
 それにしても、今回の勇次郎は表情が豊かと言うか、顔芸が凄まじいというか……

 やっぱり、勇次郎も刃牙に誉められるのがイチバン嬉しいんだろうか。
 勇次郎は、強風の日に女子高生のパンチラ見てもあんな表情しないだろうな。
 刃牙にパンチ誉められて、あんな表情するくせに。
 私はパンチよりパンツのほうが良いな。

追記 (11/10/5)
 刃牙の"0.5秒おくれる意識"拳が炸裂か?
 勇次郎はダウンすらしたこと無いだろうから、当たっているのなら画期的な事件だ。
 でも、勇次郎のコトだから逆に刃牙の意識に生じた0.5秒をついて反撃しそう。
 0.5秒の意識空白は誤解釈から生まれた困った技なので、できればそっとしておいたほうがイイと思うんだけど。
 首筋の神経切ったら失明するよりもタチが悪いよ。

 それにしても、刃牙のゴキブリダッシュはどんどん株が下がるな。
 何のために柴千春の骨を何本も折ったんだか。
 まさに骨折り損のくたびれもうけだよ!
 千春の骨のためにもゴキブリ技を再利用できないものか。
 いや、やっぱゴキブリはいらない。

 刃牙は"0.5秒おくれる意識"拳をなんでピクル戦で使わなかったのだろう。
 勇次郎と言うメインディッシュの前という意識でピクルを軽く見ていたのかもしれない。
 刃牙って血統の強さに胡坐かいて、不利な勝負に挑んだり油断したりするから厄介なんだよな。
 さすがに勇次郎相手でも余裕をかますことはないと思うけど。

 どちらにしても、過去にライバルたちを屠ってきた技を使うってのは、ラスとバトルっぽくていい。
 やっぱり、最後はジャック兄さんを屠ったチョークで絞めるんだろうか?
 あと、千春の骨を折ったコトにたいする謝罪の意味でも、相手の拳に顔面をぶつける千春流を使って欲しい。
 範馬勇次郎相手に千春流だ。これは死ねる。750CC(ナナハン)喰らうよりも確実に。

 最愛の息子を殺したくない範馬勇次郎がとっさに拳を引く。
 そのスキだらけに、刃牙は真・剛体マッハ地球菩薩拳を決めるのだ。股間にッ!
 地球の核の硬さと睾丸の硬さがぶつかり合って、割れるのは勇次郎の玉だろう。
 もう、刃牙が勝つにはコレぐらいやらないとダメだ。
 それとも互いの玉をぶつけ合って、玉砕するしかないんだろうか。

・おまけ
成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集 (角川文庫)
矢沢永吉 成りあがり

板垣先生がこの本を読んで、もう公務員(自衛隊)なんてやってられない。
自分の持ち味をイカしてBIGになる!
と、なって漫画家を目指したのは有名な話です。


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