刃牙道「181〜190話」感想

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2017年11月16日(51号)
第4部 第181話「喰らわば」 (1160回)

 ついに最強の18歳・範馬刃牙と最強の剣豪・宮本武蔵が激突するッ!
 激突する、かもしれない。
 まだまだ巻き戻しや別アングルを駆使して、進まないかも。

 かつて武蔵は刃牙に『地平線まで続く懐石料理(ごちそう)』を見た。(3巻 24話
 だが現在の刃牙から感じる映像は空っぽの器だけだ。
 いったい刃牙の身に何が起きたッ!?
 ってのが前々回で、今回はその解答編か。

「貴様が食ったかっっ」

「はい?」
「…………何が…?」

「マジで何言ってンのか ワカんないンスけど」


 武蔵が自分の脳内イメージをもとにブチ切れるが、刃牙には意味がわからない。
 そりゃ、こんな原因で怒られても困るよ。
 今日見た夢の中でお前の態度が悪かったッ! と怒鳴られて一升瓶で殴られるぐらい理不尽だ。
 自分の妄想を燃料にして怒りだすと、無限に怒ることができそうで、とても厄介ですよ。

 もしかして、ワケわからん怒りかたで困惑させるのが狙いだったりして。
 「小次郎敗れたり。勝って帰るなら、なにゆえ鞘を捨てるか」みたいに一瞬なやませちゃう。
 刃牙もいきなり「貴様が食ったかっっ」と言われても困る。
 噂通りの噂以上、これが宮本武蔵の精神攻撃かッ!?

 武蔵は一方的に怒って、一方的に刃牙を倒す決意をかためる。
 食い物の恨みは恐ろしいのだ。
 たとえそれが妄想の恨みであっても。
 お爺ちゃん、現実には御馳走なんて無いんですよ。

「今から為すことも」
「その結果起こる事もなんら変わりない」
「血の一滴までも啜りきろうぞ」


 表現がチョット猟奇的でワカりにくいが、要は刃牙をブッ殺すって事で良いのだろうか。
 たいする刃牙も武蔵を葬り去ると、あちこちに言いふらしている。
 つまり、この勝負は死をもって決すると両者が言う。
 何十人も斬殺している武蔵はともかく、刃牙の発言が信用ならないのですが。

 試合前の奇妙なやり取りで武蔵は殺意を高めた。
 刃牙は汗を流して少し動揺している。
 試合前の心理戦は武蔵の優勢だ。
 百戦錬磨の宮本武蔵は、やっぱり手ごわい。

 もっとも刃牙はムラっ気があって、ちょっとキツめに攻撃されないと本気を出せない体質だ。
 試合前から精神的ダメージを受けたと言うことは、本気になるタイミングが前倒しになったのかも。
 そう考えると、武蔵の精神攻撃はヤブヘビだったと言える。

 開始前から始まっている二人だが、ここで小坊主が登場だ。
 おなじみの口上ではなく「火器を除く」「全ての武器使用が許容(ゆる)されます」と言う。
 火器はダメなのか!
 いや、刃牙は使わないだろうけど、本部流がガッカリしそうだ。
 本部流の機関銃(マシンガン)術さえ許可されれば、宮本武蔵など10秒でミンチにできるのに。

 なお、今回の小坊主はわりと年配の人だ。
 どういう人選なのか不明だが、いつもは若い男が勤めている。
 今回は死が予想される戦いなので、ベテランの人を読んできたのかも。

 武器の使用も認める。
 さらに言えば勝つためなら手段を選ばないのが宮本武蔵だ。
 火器禁止と言われたら、むしろ拳銃を隠しもっているかもしれない。

 刃牙は宮本武蔵が史上最悪の反則魔であると断じる。
 さすがにそれは言い過ぎじゃないか?
 武蔵よりも卑怯な人はいくらでもいるぞ。
 とにかく、刃牙は武蔵に対して油断していない。
 でも、刃牙の事だから油断していないという心構えが油断となって凡ミスをしそうだ。

 ついに死闘が始まろうとする。
 だが、刃牙は刃牙なりに異変を感じていた。
 宮本武蔵から感じるイメージがッ!

(生クリームの?)
(き………… 宮殿!!?)

(あん(甘)……まくて辟易しそうだぜ……)


 巨大なデザートかッ!
 甘いだけでなく、見た目もオシャレだッ!
 というか、やっぱ刃牙はナメてんじゃないかァッッ!
 油断しまくりだな、オイ。
 まったく、砂糖みてェにあめェ〜〜〜えイメージだ。

 以前、刃牙が武蔵に感じたイメージは大爆発の『巨大なキノコ雲』だった。(3巻 24話
 それが完食すればイッパツで糖尿病になりそうな生クリームの宮殿に変化している。
 刃牙にとって武蔵が脅威ではなくなったと言うことか?
 いや、糖尿病リスクに変わったのかも。

 武蔵は刃牙のイメージを喰えなくなる。
 刃牙は武蔵に甘い相手をイメージした。
 両者の評価が逆転したようだ。
 そして、このまま試合が始まってくれるのだろうか?
 次回につづく。


 刃牙のイメージが御馳走から空の器になったという謎は謎のままだ。
 最初は刃牙が無価値になったのだろうと予想した。
 だが、食べられない存在に変わったと言うことだろう。

 武蔵は他の戦士たちを花畑や黄金などのイメージで見ていた。
 刃牙と同じような現象が起きると、枯れた花や金メッキのニセモノになったりするんだろうか?
 いろいろと謎だ。

 そして、刃牙は武蔵の事を甘く見るようになった。
 文字通りの大甘クリームだッ!
 美味いかもしれないが、まちがいなく健康には良くないぞ。

 けっきょくイメージがかわったのは、刃牙が急激に強くなった影響だろうか?
 このまま激突すると、得をするのは刃牙ということになりそうだ。
 刃牙と武蔵は、互いに食べ物のイメージを感じている。
 つまり日持ちしないので、早く食べないと腐ってしまう。
 お互いに気持ちがノっているうちにスタートしないとダメになるぞ。

 幼年編の刃牙は、ブラジルの英雄ディクソンに言われたことがある。
 強くなると「対戦相手が美女(ボニータ)に見えるのさ」と。
 まさにミステリー・ボニータだ。
 はやい話、ブッ倒したくてしょういがない状態になる。

 でも、刃牙の場合は巨大な生クリームの宮殿でした。
 美味いだろうけど、とちゅうで飽きるか胸やけしそうだ。
 やはり、早く勝負をつけないとダメかも。

 刃牙は対戦相手が美女(ボニータ)ではなくクリームに見えた。
 それは、刃牙の恋人が梢江であることと関係しているのだろうか?
 対戦相手が梢江に見えたのなら……
 なんか、スネを蹴ってきそうで嫌だな。
 やっぱりクリームのほうが良いか。少なくとも蹴りを入れてこないし。

追記1 (17/11/21)
 とりあえず刃牙道がちゃんと載っていて一安心だ。
 話もそこそこ進んだような気がするし。
 だが、今週の刃牙は休載だ。
 そのかわり来週が2倍祭りだ。
 先週が休載だったのは描きだめのスケジュール管理を誤ったからか?

 今週は木曜日が祝日なので、チャンピオンは水曜発売だ。
 でも、刃牙は休載でペースを崩さない。
 刃牙は安定の木曜掲載だ。

 今週が休載なので来週は刃牙二倍祭りらしい。
 二話分だから、急に話が動くのかも。
 もはや幻となりつつある武蔵の無手の斬撃が復活したりとか。
 でも、強力だったのになぜか使わなくなる必殺技(柳の低酸素の毒とか)あるし、武蔵が無刀をやめても違和感ないかも。

 刃牙のイメージが空っぽの皿になった件については、ハッキリとした答えが出ていない。
 普通に考えたら刃牙が急に強くなったから、刃牙と武蔵のイメージが変わったのだろう。
 でも、生クリームの宮殿はまちがいなく身体に悪い。
 刃牙が武蔵に勝ったら、囚人リクの剣崎みたいに短時間で異次元の太りかたをしたりして。
 剣崎が太ったシステムがいまだに気になって仕方がない。

 と言った感じで刃牙は武蔵に勝つと同時に、太らないように注意しないとダメだ。
 いや、思いきって太ってみて親しみを増したほうが良いのかもしれない。
 もとの身体に戻るという新しい目標もできるし。

追記2 (17/11/22)
 今週は刃牙道が休載ですが、そのかわり来週が刃牙二倍祭りで二話掲載です。
 刃牙道は戦士の退屈と、宮本武蔵の復活から始まった。

 そして、ついに範馬刃牙vs宮本武蔵が開始(はじ)まろうとしている。
 この試合こそ、刃牙道における折り返し地点で前半の山場だろう。
 なので、ちょっと今までの主な対戦をちょっと振り返ってみる。

・宮本武蔵 vs 烈海王
 武器の使用を認めた試合だ!
 武蔵は何度も油断して負けそうになったが、それは現代武術を学ぶためだったらしい。
 壮絶な死闘の末に烈海王は……
 烈海王がどうなったのかは、若干ぼかされている。

・宮本武蔵 vs 本部以蔵
 武蔵に斬殺されそうになったピクルを守護(まも)るべく本部以蔵が出陣だ!
 最近、凶器としてのビール瓶が注目されています。
 本部は一升瓶で武蔵を殴り大ダメージを与えている。
 まさに時代を先取りした凶器攻撃だ。

 というか、一升瓶で殴られても平気な武蔵のタフネスがすげェや。
 宮本武蔵が吉岡一門と戦った時、木刀の先につけた分銅を額に喰らったが頑丈だったので死ななかったという話がある。
 信憑性はともかく、武蔵の撃たれ強さは歴史的事実だッッ!(迫力で押し切る)

 そして本部以蔵が勝利する。
 五輪書で生涯無敗を誇っている宮本武蔵に初めて土をつけた!
 歴史的偉業なんだけど、練習試合だからノーカンあつかいされているようです。
 この試合は得たものよりも失ったものが大きい、勝者無き戦いだったのかも。

・宮本武蔵 vs 国家
 刃牙シリーズでも最大級の死者が出た戦いだった。
 これに匹敵する死者数はベトナム時代の勇次郎ぐらいだろうか。
 戦争で兵士同士が殺人をするのは罪に問われないが、日常で警察官を殺したら罪に問われる。
 この一件で武蔵の命運は決まったらしい。
 もう武蔵は日本国内では生きることができない、ハズだ。

・宮本武蔵 vs 花山薫
 両者ともに武器をつかう戦いがつづいていたが、ここで原点回帰だ。
 素手の花山が武蔵を苦しめる。
 今までは武蔵の日本刀に武器・防具で対抗しようとしていたが、素手でもけっこうイケるとわかった。

・宮本武蔵 vs 範馬刃牙
 花山が教えてくれた道を、今度は刃牙が行く!
 というワケで、刃牙は素手で戦うようだ。
 でも、やっぱり刃物対策が必要な気もするけど。

 刃牙は武蔵の事を甘く見ているので、今のままでイケると感じているようだ。
 でも、武蔵が日本刀を持った瞬間に「生クリームの宮殿」にはカミソリの刃がギッチリ詰まっていることがワカったりして。

追記3 (17/11/29)
 刃牙道は一回休みからの二倍祭りだッ!
 実はまだ試合が始まっていないので、本当に始まるのかどうかチョット不安だったりする。
 今の刃牙はスキを見せたら全速力で逃げだしたりしそうで怖い。

 今回の宮本武蔵はいったん刀を手放している。
 と、なると試合が始まってからは武器を手にするタイミングと、武器を手放すタイミングが転機になりそうだ。

 ガチで勝ちたいのなら武蔵が抜刀する前に倒すべきだ。
 前に書きましたが、武蔵の刀をつかんで投げすてたら、かなり有利になる。
 でも、武蔵に勝つというのは、そういう事じゃ無いんだろうからやらないだろうな。
 武蔵を殺したいだけなら、やっぱり鉄砲隊による射撃で済むんだけど。

 いちおう武蔵には未完成だが無刀の境地があるらしい。
 刀を持たずとも天下無双・生涯無敗の宮本武蔵だ!
 でも、最近の武蔵は無刀の奥義を忘れちゃっているっぽいから、刀を無くしたらダメかもしれない。

 いっぽうの刃牙だけど、刃物対策はちゃんとしているのだろうか?
 刃牙は肌露出度がかなりすごいから斬られ放題だよ。
 道着とかを着ていたら、こっそり具足を着込んでダメージ減らす事もできるだろうに。
 それとも、生クリームからの連想で特殊クリームを塗っていて、刃が滑るのだろうか?

 刃牙がどうやって日本刀の攻撃を防ぐのか、まだ謎だ。
 いちおう、最近の刃牙は自動回避に目覚めたらしいので勝手によけるのかもしれない。
 それとも、範馬の筋肉はスゴい理論が発動して、斬れないのかも。

 話の流れとしては、自動回避が防御の本命だろう。
 刃牙が自動回避を極めていくと学校で先生が指名しようと視線を向けた瞬間に上半身が消えて回避できるようになるんだろうか。
 根本解決になっていないけど。
 テストの時も刃牙が自動回避で動きまくって、自分も見えないし、文字も読めない状態で回避したりして。
 やっぱり根本解決になっていないけど。

 というか、最近の刃牙は学校行っているのかどうかも謎だ。
 卒業したけど、就職も就学もせすに自動回避で自然に鍛えているのだろうか。
 バトル系漫画の主人公は、闘争を職業にしないとニートになる危険性が高いんだよな。
 刃牙の進む道は、どっちだ!?

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2017年11月30日(1号)
第4部 第182話「極点」 (1161回)

 ついに範馬刃牙と宮本武蔵の試合が始まろうとしているッ!
 今までイロイロあったから直前で台無しになるかもしれない。
 勝負あり! の宣言があって、勝者が敗者の見舞いに行くまでが遠足じゃなくて、試合です。

 闘技場には二人だけ。
 つちかったすべてを出すしかない。
 逆に、すべてを出して良い空間だ。
 火器の使用以外、すべてを認めます!
 濃密な闘争の空間に刃牙がたかぶっている。

 武蔵と戦った戦士は良くて重傷、悪くて死亡している。
 しかし、刃牙に恐れはない。
 恐怖や緊張は身体をかたくさせるが、刃牙はリラックスしているようだ。
 前向きな精神状態で、イイ感じに戦闘モードになっている。

 チョット気になるのが、刃牙の心理が自己完結していて、武蔵の事を考えていない。
 古の武術に対する興味とか、伝説の剣豪に対する憧憬とか無いんだろうか。
 それとも戦うことで武蔵と対話して相互理解が進むのかも。

 渋川剛気、愚地独歩、鎬紅葉、寂海王、鎬昂昇が見守る中、徳川光成が開始の合図をかける。
 ついに開始の合図だ。
 もう止められない!
 そして、武蔵は無刀のままだ。

 宮本武蔵の定番となった油断だろうか?
 と思ったらオリバたちの目には武蔵が二刀を手にしているのが見えるらしい。
 見ただけでも理解(わか)る圧倒的な戦力だ。
 さっそく寂海王のスカウト魂が刺激されている。

 武蔵は最近リアルな斬殺感を楽しんでいたのだが、一歩後退で無手のエア斬撃にもどったようだ。
 エア斬撃のほうが安全だし、最初から最後までエアで戦ってくれたら良かったのに。
 リアルな武器と違っていつでも使えるし、相手へのダメージも大きすぎないので過剰防衛にならない。
 護身術としても最適だ
 寂海王なら喜んで学習しそう。

 最終的に武蔵は刀を抜くのだろう。
 単純に勝負だけを考えるなら、その前に倒すか大ダメージを与えたいところだが……
 刃牙はむしろ自分が大ダメージを受ける戦いかたするンだよな。

 試合開始だが、両者棒立ちの静かな立ち上がりだ。
 エア二刀で強さを見せる武蔵は動かない。
 刃牙のほうから近づいていく。
 狙ったのか偶然なのか、闘技場の盛り土に突きさされている二刀と武蔵の間に立った。
 武蔵のリアル帯刀を阻止したぞ!
 偶然かもしれないけど。

 自分が素手なら勝てる気か!
 と武蔵には見えたらしい。
 いや、でも刃牙は素手の武蔵に惨敗した。(3巻 24話〜)
 勝った武蔵も、負けた刃牙も、それを忘れているのか?

 もちろん刃牙は武蔵を侮っていない。
 話しかけて気をそらしつつ、右の上段回し蹴りを仕掛ける。
 蹴りおわったあと、身体が反転し相手に背を向けるほどの勢いだ。
 反撃されにくい遠い間合から、全力の一撃である。

 だが、武蔵は紙一重、いや薄皮一枚でかわしていた。
 左目の横が切れている。
 この位置なら出血が目に入ることもなさそうだが、武蔵が最初のダメージを受けた。

 不意討ちの蹴りだったが、浅い。
 奇襲失敗だが刃牙は余裕の表情を崩さない。
 が、足にダメージを感じて倒れた!
 エア斬撃で蹴った左足をやられているッ!
 倒れた刃牙に武蔵が容赦のない右前蹴りを放つのであった。

 無刀の武蔵を侮っていない。
 でも、油断して反撃されちゃいました。
 刃牙っぽい凡ミスのおかげで、武蔵が最初の有効打をとる。

 倒れた刃牙は反撃できるのか?
 今週は刃牙二倍祭りなので、このまま次回へッ!
 なぜか次回のまえに『ロロッロ』がはさまれていますが、クッションみたいなもんなんでしょうか。


2017年11月30日(1号)
第4部 第183話「立ち合いの継続(つづ)き」 (1162回)

 最初の有効打は武蔵の前蹴りだ!
 倒れていた刃牙は顔面に喰らってしまう。
 後方に飛んだ刃牙は両手をついて、逆立ちっぽく着地し、立ちなおる。

 奇襲の蹴りを放つが、逆に足を斬られる。
 強烈な一撃を喰らったが逆立ちで立ちあがった。
 刃牙vs鎬昂昇や、刃牙vs鎬紅葉の試合を思いださせる構図だ。
 逆立ちしたのは紅葉ですけど。

 この逆立ちして立ちあがるってのは、ダメージ無いよアピールだな。
 刃牙は鼻血出して汗をかき息も乱れていた。
 あ、やっぱりダメージありますね。
 とりあえず追撃されなかったので良しとしましょう。

 前に刃牙と戦ったとき、武蔵は蹴り技にダメ出しをしていた。(3巻 26話
 だが、現在の武蔵はしっかりと蹴りを学習している。
 ヘソから上を蹴ったりしないが、転んだ相手になら効果はバツグンだ!

 実戦では腰より上を蹴るなと言う中国武術もある。
 安定や反撃を考えると、ローキックは実戦向きだ。
 二刀流に加えて蹴りも使えるなら、武蔵の武術はより立体的な攻撃が可能になりそう。
 流派名が二天一流から三天一流になったりして。

「「強き人」に一度 煮え湯を飲まされとる」
「金的(つりがね)ならば「剣」よりもいい」


 勇次郎に股間を蹴りあげられた あの一撃を武蔵は記憶している。(10巻 85話
 キンタマへの一撃は刃牙世界における必殺技で正義だ!
 強いッ! 痛いッッ! 正しいッッッ!
 みんなが睾丸へスペシャルアタックを決める事を夢見ているのだ。

 武蔵も世界が終わるような痛みとともに、蹴りの重要性を学習したのだろう。
 これは刃牙に対し、金的攻撃するというプレッシャーを与える狙いかも。
 陰嚢を気にしすぎて、刃牙の構えが内股にならなきゃいいんだが。

 武蔵の金玉を蹴りあげて悶絶させた男は範馬勇次郎、刃牙の父親である。
 勇次郎に勝った(決まり手:味噌汁つくらせた)と言われている刃牙は、勇次郎の代理だ。
 車イスで見守る本部以蔵は、この勝負が水入りで終わった範馬勇次郎vs宮本武蔵の立ち合いの継続(つづ)きであると認識する。

 さすが解説王・本部以蔵だ!
 この試合を見事に表現している。
 でも、せっかく良いこと言ったんだから、もうちょっと世間に広めて欲しい。
 せっかくの解説を聞いているのはガイアだけだもんな。

「心配いらねェ」
「俺の邪魔は入らねぇ」


 本部はそう言うのだった。
 って、邪魔したという自覚があったのかよッ!10巻 87話
 本部は守護(まも)る守護ると言いまくっていたが、本心じゃ邪魔したいだけだったのかも。
 スマホ向けゲーム『グラップラー刃牙アルティメットチャンピオンシップ』での本部は卑怯の代表選手みたいなあつかいだ。
 「卑怯の宮」イベントじゃ、100戦目のボスキャラだったし。
 本部は、人の嫌がる事をするのが大好きなのかも。

 現在の本部は両手両足に大ダメージを受けている。
 これなら邪魔はできんな。
 なので今の試合はちゃんと決着まで行けそうだ。

 刃牙を勇次郎の代理として、武蔵は認識した。
 最強の敵と戦うため、武蔵は必殺技を使用する。
 膝を抜き身体を落下さえ、カカトを支えにして横方向の動きにした。
 脱力ダッシュだ!

 重力を利用した技はいくつかの武術にもある。
 さっきググってみたら、ゴルフも重力を利用したスイングをしているらしい。
 古流でありながら現代的な重力利用ダッシュだ!

 が、刃牙はもっと速いッ!
 ゴキブリの中身は液体だという誤解を妄想に変えて放つ、脱力液化ゴキブリダッシュだ。
 しかも、ストレートパンチを上中下で三発入れた!
 当ったのは眉間・みぞおち・股間か!?

 ダッシュを決めたと思った瞬間に反撃されて、武蔵がダウンする。
 今度は刃牙が反撃だ。
 武蔵も、いつもどおりに油断している。

 これで武蔵は目が覚めて、あわてて刀をつかみに行くのか?
 刃牙は刀を取らせまいと阻止するのだろうか?
 武蔵編の最終決戦は序盤から大技の激突だった。

追記 (17/12/6)
板垣恵介 vs 堀口恭司 激闘対談!!

 2015年9月の対談に続いて、2回目の対談だ。
 堀口恭司選手はこの2年で着実にキャリアを重ねている。
 いっぽうの板垣先生は、いきなりテンションマックスでRIZIN 7/30の所英男 戦でのワンシーンについて質問を投げかけた。

板垣 最後のフィニッシュに至る、蹴りからのパンチ。コンマ1秒のあの瞬間、堀口選手の中に何が起こっているのか!?

堀口 あの試合は、所さんを倒しに行っていましたから、あの蹴りからのパンチの流れも、頭の中ではもうできていたんですよね。

堀口 まず左の蹴りを蹴って。
板垣 あれっ、前蹴りに近いよな。
堀口 あれはミゾ(みぞおち)を狙ったんですよ。相手が下がって、着地した時にちょうどいい距離にいたから右ストレートを打って。

板垣 だけどスローでもう一回観た時に、左の蹴りから右のパンチを出す直前に、所選手がカウンターを狙って左のパンチを出したんだけど、堀口選手はそれを避けたんだよお!(興奮気味に)



 板垣先生が、いきなりフィニッシュでの攻防について熱く語りだす。
 つまり、堀口選手が右ストレートパンチで倒すつもりで攻撃モーションに入ったとき、所選手があわせてカウンターを打ってきた。
 このタイミングでのカウンターは普通よけられない。
 だが、堀口選手はカウンターをよけて攻撃した!

 普通では考えられないカウンターのカウンターだ。
 スロー再生とはいえ、そこに気がつく板垣先生もスゴいな。


板垣 左のパンチを避けてから、右ストレートを当てたんだよ。あれは、いわゆる融通無碍(※ 何事にもとらわれず、自由である様子)の世界の話。相手がどう来ても動ける状態にあったんだ、というね。


 まるで刃牙の自動回避みたいな状態だ!
 というか、これが自動回避の元ネタだったりして。
 これはもう達人の世界ですね。

 堀口選手はあの距離なら攻撃が来るだろうと予想していたので避けられたと言っている。
 つまり、自動回避ではなくある程度計算された技術だったらしい。
 技術ってことは、何度でも再現できる可能性がある。
 この境地は、やっぱり達人の域かもしれない。

 刃牙も自動回避の先に、技術としての回避が完成するかも。
 受けとめることのできない日本刀での攻撃に対抗するには、よけるしかない!


板垣 話は変わるけど、那須川天心をどう観ています?
堀口 自分とやったらってことですか?

堀口 でもMMAルールでやりたいんですかね? それともキックルールでやりたいんですかね? 自分は天心選手とキックルールでやってみるのも面白いと思うんですよ。
板垣 うわあ! それは面白そうだね! そしたら俺、しめきりがあっても行くよ!



 同じく若手の有望選手那須川天心の話も出る。
 『トリケラトプス拳』を使う那須川天心は4月に板垣先生と対談していたので、質問がでたようだ。
 そして「そしたら俺、しめきりがあっても行くよ!」ですか。
 最後に不吉な事を言う。
 板垣先生は急な取材のため今週はお休みします、にならないと良いな。

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2017年12月7日(2+3号)
第4部 第184話「絶技」 (1163回)

 最強の18歳・範馬刃牙と蘇りし剣豪・宮本武蔵がついに激闘開始だッ!
 格闘技は近代になって急激に発展した。
 試合という形での実戦が激増し、ビデオなどで情報を記録・分析できるようになった事が大きい。
 だが、現代に伝わらなかった技術もある。
 現代の刃牙vs古代の武蔵だッ!

 最初の有効打は武蔵が放った。
 だが、ここから刃牙が反撃だッ!
 超高速ダッシュからの三連ジャブを放つッッ!

「三つが一つにしか聞こえぬほどの」
「超高速の「段打ち」…」


 一般の観客は一発のジャブだと思ったが、三発打っています。
 三発だと理解(わか)ったのは愚地克巳・独歩、郭海皇、渋川剛気など一流戦士たちだけだ。
 ……顔を見せていないだけで本部も理解(わか)っているよね?
 えー、とにかく観客が驚き 一流戦士が解説するという王道の展開である。
 やっぱり、ここで解説王・本部以蔵の解説が欲しかった。

『ボブ・マンデン(1942年〜2012年)
 伝説のガンマンである』


 ギネス世界記録のボブ・マンデンは0.02秒の早撃ちで、二発撃っても銃声が一回しか聞こえない!
 ジャブより早ぇえッ!
 じゃなくて、のび太(0.1秒)よりも早いッ!?(参考:早撃ち
 実在の人物を舐めちゃいけねェな。

 高速で銃を扱うため、持ち手には10Gの負荷がかかるらしい。
 10Gってことは、重力加速度9.8m/s2の10倍だ。
 静止状態から1秒で98m/sの速度に達する。

 ボブ・マンデンはカードを縦に引き裂く握力とピンチ(指力)で、早撃ちを可能にした。
 花山なみの握力じゃねぇか!?
 スゴイな、このオッサンは。
 YouTubeに動画ありますね。

 そして刃牙の三弾ジャブだッ!
 顔面・水月(みぞおち)・金的という上中下の急所を撃つ。
 速いと言うだけで、早撃ちの技術と関係ない気がするんだけど、そこは迫力による説得力だ!

 さらに刃牙オリジナルのゴキブリダッシュで間合をつめる。
 ゴキブリダッシュは、究極の脱力をすることで静止状態から一瞬で時速270kmに達する技(?)だ。
 なお10G加速の1秒後は98m/s = 時速352.8kmだ。
 ゴキブリダッシュを超えるかもしれない。

 もっとも、早撃ちで動かすのは腕だけだから速いのだろう。
 克巳のマッハ突きなら時速1225kmだしな。
 そういえば武蔵がやったヒザ抜けで落下を利用した加速って、地球の重力加速度でしかないから加速9.8m/s2だ。
 つまり、あまり速く無いんですけど筋肉を使わないので、動きを読まれにくい動きになるらしい。

『脱力を十分に効かせた――――』
『手首(リスト)から先端(さき)の操作によるフリッカージャブの初弾は』
『武蔵の眉間を深く抉った』


 しかも、手首から先の用法、というかフリッカージャブか。
 現代格闘技の技術を三段重ねだ。
 って、ゴキブリダッシュも現代格闘技術なのかよ。

 ゴキブリダッシュって強固な思いこみによる魔術みたいな技だよな。
 早撃ちジャブも、技術じゃなくて問答無用な超絶筋肉による力技っぽい。
 フリッカージャブだけはちゃんとした現代格闘技だけど。

 鎬昂昇は刃牙の先端操作に汗ダラダラで驚愕する。
 刃牙が昂昇の道場に来た時、空手の強みは手首から先と足首から先の使いかたにあると話をしていた。(174話
 フリッカージャブも手首から先の使いかたなのかも。
 お株をうばわれて昂昇はちょっと悔しいか?

 いっぽう紅葉は刃牙の姿が消えたように見えたらしい。
 単純なゴキブリダッシュだけでなく、なんか左右にも変化して見えなくなったのか?
 刃牙の動きは、異次元の進化をしつつあるようだ。
 ……顔を見せていないけど、本部も正しく驚愕しているんだろうか。

「ふしゅ…」
「ふしゅる…」


 さて、眉間・水月・金的を打たれた武蔵は、はいつくばって悶えていた。
 呼吸音が本部の弟子とか、手負いのシコルスキーみたいになっている!
 宮本武蔵、思わぬところで第三の「ふしゅる」つかいになった。
 本部の弟子や、シコルスキーと同じグループに入るのは、なんかダメっぽいな。

 刃牙は、ダウンした武蔵を追撃しない。
 股間を押さえて苦しんでいる姿を見ると攻撃したくなる。
 それだけに危険なワナなのかも。
 スキだらけなのは、逆にアヤしい。

(仕留めるなら――)
(動きながらがいい……)


 武蔵を倒す流れが刃牙にはあるようだ。
 動きながら、というのはナニを意味するのか?
 単純に考えると組み技を使わないって事だ。
 でも、そんな単純な事とは思えない。
 ならば、攻防の応酬による虚実の中に勝機を見いだすつもりか?

 ただ、相手は百戦錬磨で一回分の人生経験のある転生・宮本武蔵だ。
 複雑な動きを読む展開だと、武蔵のほうが上手じゃなかろうか。
 もっとも、刃牙も武蔵もうっかりミスが多いので、動いていると致命的なミスをやらかしそうだ。
 武蔵のミス待ちなのか?

「有り難い」
「金的(つりがね)を上から叩いた」
「下から打たれたら」
「もう……終了(おわ)っていた」


 夜のチャンバラができなくなる的な、男の終了(おわ)りを回避したか。
 あ、そうじゃなくて、今この場のダメージですね。

 金的打ちは、刃牙世界において必殺の威力を誇る。
 だが、金的打ちは難しい技だ。
 そもそも、キンタマは左右の太ももの間にある。
 太ももは筋肉が大きいので、自然と防御の柱となり、キンタマに届く攻撃角度が限られてしまう。

 さらに、タマの前にはサオがたれさががっている。
 これも軽い防御になり、タマへの直撃を防ぐ。
 武蔵の言うように上や正面から打つと直撃しない。
 下から蹴り上げられていたら、タマに直撃して世界の崩壊を感じることになっただろう。

 イスラエルの格闘術『クラヴ・マガ』では、かなり熱心に金的攻撃を推奨している。(『最強護身術 クラヴマガ感想
 だが、先ほど説明したように金的は信頼性に欠ける技なので、そこがちょっと疑問だったりする。

 空手では基本の構えに「後屈立ち」があります。
 これはヒザをかるく絞るように立つことで金的蹴りを防ぐ効果がある。
 鍛えた人の太い足ならば、金的攻撃はほぼ当たらない。

 とは言うもののK-1の武蔵選手は現役時代に何度も何度も金的に打撃を喰らっていた。
 人によっては、股間が異常に無防備になるのかもしれない。
 刃牙も、あえてスタンスを大きく取り、金的を受けいれているのだろうか。
 痛みを避けるのではなく、耐える。
 実にストイックな戦闘スタイルであり、変態だ。

 武蔵が股間をまさぐっている。
 そのスキを狙い、刃牙がハイキックを放つ。
 が、武蔵は刃牙の軸足を蹴り、攻撃を無効化した!
 刃牙の超高速攻撃に、もう対応している!

「よし見えた」
「いざ組み打たん」


 武蔵は股間を揉みほぐしながら、反撃を宣言するのであった。
 打たれた睾丸が上にあがったのを位置調節(アジャスト)しているのだろうか。
 心臓マッサージするかのように、陰嚢を揉みほぐす。
 銃に弾丸を装填するように、袋に睾丸をそっと納める。
 宮本武蔵は反撃の準備が整ったようだ。

 刃牙のゴキブリダッシュは見切られた。
 そして、動きながら仕留めると考える刃牙の逆を行くような組み打ち発言だ。
 なんか刃牙の手が読まれている気がするぞ。
 つぎは武蔵の反撃なのか?
 次回へつづく。


 近代格闘技(?)で刃牙が優位に立ったものの、すぐに並ばれてしまった。
 これは武蔵の対応力を誉めるべきか。

 刃牙たちは武蔵の技術を盗めていない。
 でも、武蔵は刃牙たちの技を盗んでいるんだよな。
 いまや、蹴りは立派な武蔵の武器だ。

 で、武蔵が反撃してきそうだ。
 やっぱり、リベンジ金的(つりがね)攻撃だろうか。
 ここから互いの股間を狙いあう戦慄の鐘打合戦が始まりそうだ。
 ちょうど年末だし、除夜の鐘のように合計108回ぐらい打ち合いそう。

追記 (17/12/20)
 刃牙vs武蔵は素手対決で始まった。
 日本刀を持ってこそ最強の剣豪・宮本武蔵なんだが、また振り出しに戻っちゃいましたね。
 まあ、武蔵が無刀になっているのは、接待プレイなんだろうけど。
 雇われ者の剣客は肩身が狭い時もある。

 しかし、素手の武蔵にこれだけ苦戦しちゃうと、刀を抜かれたらまるでダメみたいな気がする。
 でも、刃牙は序盤に油断して手抜きする傾向があるので、これで良いのかも。
 いや、本当なら抜く前に倒し切るのがベストなんですけど。
 痛みを喜びに変えてしまうマゾ体質な刃牙は攻撃を受けずにいられないのだ。

 しかし、最終的に武蔵は刀を抜くのだろう。
 で、刃牙に刃物対策はあるのか?
 対策もナニも、刃牙の装備は短パン一丁と手足のテーピングだけだ。
 レンジャーのナイフ使いから借りっぱなしのナイフをパンツの中に仕込んでいるとか。

 関の刀匠にうってもらった現代刀の最高峰だ!(借り物です)
 だが、武蔵の愛刀・金重が真っ二つにするんだろうな。
 ゴメン、二つになっちゃった! と笑って返せるかどうか。
 春巻みたいに良い笑顔で許してくれるかも。

cp2017_44

 あとは加藤が「これを使えッ!」とテグスを投げこんでくれる」とか。
 テグスも当然斬られるのだろうが、加藤のテグスはまだあるぞ!
 というか、素直に本部から防具とかを借りておけば良かったのに。

週刊少年チャンピオン2018年02+03号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2018年2+3号



2017年12月14日
週刊少年チャンピオンはお休みです

 一週早いクリスマス休みでチャンピオンはお休みです。
 ヤンジャンとモーニングは発売しているので、チャンピオンだけが独自路線だ。
 競合を避けるブルーオーシャン戦略だったりして。
 いや、実は日程組むの間違えたとかのほうがチャンピオンらしいな。
 ちょうど間が空いたので、書き忘れていた作者コメントについてふれておきます。


 チャンピオン2018年2+3号 板垣先生 作者コメント
『ハッキリさせておく。板垣は毎週休まず
 アップさせ、手渡している。以上。』

 たぶんチャンピオン2017年50号での刃牙道の休載についての事なんでしょう。
 アレもちゃんと原稿あげて手渡していたんだろうか。

 でも、お詫びがのるような休載ってのは尋常じゃない。
 なにか、とてつもない事件が起きたのだろうか?
 それとも担当がスケジュールを間違えて伝えていたのかも。

 クリスマス休暇って言うくらいだから、チャンピオンの休載日って12/21だと思っていた!
 『浦安鉄筋家族』も『吸血鬼すぐ死ぬ』も『ベルリンは鐘 ヤッホー!』も、2週間早いクリスマスネタやっちゃったよ!
 なんて事故があったのかもしれない。
 まあ、真相はヤブの中ですが。


 週刊少年チャンピオン2018年1号 板垣先生 作者コメント
『「五十歩百歩」という言葉がある。あれ
 変でしょ。絶対100歩が重罪でしょ!』

 「五十歩百歩」は『孟子』で、孟子と梁の恵王の会話として出てくる話です。
 ところが、秦の法律だと100歩逃げたほうが重罪になるらしい。(人間・始皇帝
 キビしい法律で国を治めている秦らしい基準ですね。

 で、なんで板垣先生が急にこんなことを言いだしたのだろう。
 スケジュールの伝達ミスがあって「1日分だろうと2日分だろうと、間違えたのなら同じだろう」と言われたけど、差はあると言いたかったのかも。
 ええ、すべて真相はヤブの中ですが。

 刃牙道の本編は、武蔵がなぜかリアル刀を手にしないまま序盤の攻防となっている。
 いまさら何で刀を使わなくなったのか?
 この真相は明らかにされるのだろうか?
 どうも、とくに理由は無いで済ましちゃいそうな気がする。

 理由も、ただあれば良いわけじゃない。
 なるべく多くの人が納得できるようなものが良いに決まっている。
 50点の理由と 100点の理由なら、絶対100点が良いでしょ!

2017年12月21日(4+5号)
第4部 第185話「出端(でばな)」 (1164回)

 範馬刃牙vs宮本武蔵は序盤から全力激突だッ!
 もっとも宮本武蔵はまだ素手なので手加減した全力だけど。
 刃牙はこの状態で優勢になれないと、あとがつらいぞ。

 神速の三段ジャブ+液化のゴキブリダッシュ+オマケのフリッカージャブという三倍祭りで刃牙が武蔵に痛打を与える。
 金的にも決まり、武蔵は悶絶して睾丸を揉まずにいられない。
 今の武蔵は二刀流どころか、片手しか使えないぞ。

 しかし、こんな状態の武蔵だが、刃牙の左ハイキックを蹴り止める。
 宮本武蔵が剣豪・達人と言われるのは、相手の殺気を読みとることができるからだ。(4巻 31話
 今回も武蔵は刃牙の殺気を読んで、先手を打った。
 前回と同じ失敗をした刃牙は、過去の敗北をマルっと忘れちゃったのだろうか?

「金的(つりがね)がな」
「だいぶ降りてきた」


 宮本武蔵が金玉の位置を正位置にもみもどす。
 というか蹴られて上がっていたのか。
 痛いのはタマ本体へのダメージであって、位置ってあんまり関係ないような気がするんだけど。
 だが、格闘技において構えが重要であるように、睾丸もあるべき位置が重要なのかも。
 剣の基本が正眼の構えであるように、金玉の基本位置は正玉の構えだッ!

 武蔵はダメージが抜けた。
 もう手は股間からはなれている。
 宮本武蔵、完全復活だッ!

 柴千春は刃牙のゴキブリダッシュを体験している。(範馬刃牙28巻 235話
 ゴキブリダッシュの速度は、見てから反応できるものじゃない。
 と言うか、見えない。
 そのダッシュを、武蔵はあっさり破った。
 おそるべし宮本武蔵、と柴千春は汗ダラダラになる。

 刃牙を誉めつつ、武蔵も誉めた。
 驚き役として見事な働きである。
 武蔵編の最終戦として驚き役も豪華だ。

 武蔵のほうも刃牙のダッシュに驚く。
 初速から最高速度と言う謎の技術だ。
 刃牙の妄想がうんだ奇跡の技だもんな。

 だが、そのゴキブリダッシュも動く前の動きを感じとり「出端(でばな)」を潰せば破ることができる。
 最初の三段ジャブの時は、気配を感じていたのに不覚をとったらしい。
 刃牙のダッシュは、先読みしても喰らうほどの超スピードだったようだ。
 でも、二度目は通用しない。
 やっぱり先読み能力は偉大だ。

「ガイアよ」

「お前さんにはあって」
「俺にないもの」

「それがあの「初動」の察知能力だ」


 ガイアには相手の殺気を読む能力がある。
 これも刃牙や武蔵の先読み能力とおなじモノらしい。
 いちおうガイアだって範馬勇次郎と並び立つ傭兵と言われていたこともあった。
 本当なら かなり強いんですよね。

 その強いはずのガイアも武蔵には負けている。(13巻 112話
 お互いに先読みができるから、ガイアは握力の分だけ負けたって事なのかも。
 刃牙世界において握力は強さの指標(バロメーター)である。

 ガイアは本部も先読みができると言う。
 実際に本部道場でガイアは子供のようにあしらわれてしまった。(11巻 91話
 当時のことを思いだしたのか、ガイアに汗が目立つ。

「俺のは「読み」」
「経験値からくる単なる「読み」だ」
「脳の奥には届いちゃいねぇ」


 本部が才の無さを告白する!
 でも、努力と経験で同等の能力を発揮できる「読み」を会得したのだ。
 才能なんかよりも誇って良いことだぞ。
 遺産で得たお金より、自分で稼いだお金のほうが誇って良いような感じで。

 しかし、本部の「読み」はどれほど確かなのか?
 師匠は弟子を指導するので、そのクセや技の弱点を把握できる。
 なので弟子の動きを簡単に「読む」事ができるのだ。

 それを続けていくと、自己暗示と言うか条件反射みたいになって、師匠はますます弟子の動きをコントロールできるようになる。
 結果、自分の道場で弟子相手に戦う時だけ究極の達人になることができる師匠が、ときどき誕生してしまうらしい。
 ミステリアスな合気という技も、自分の道場で弟子相手になら出せるって人もいるとか。

 ガイアの様子からすると、本部はガイアの動きを「読み」切っているのだろう。道場では。
 でも、最大トーナメントの本部は金竜山の張り手を喰らって吹っ飛んだり、打撃を前さばきで叩き落されたりと、普通に劣勢だった。
 ガイアも最大トーナメントを見ていたら、本部への尊敬が弱くなっていたかも。

 愚地独歩、愚地克巳、郭海皇、鎬昂昇、柴千春、オリバが見守るなか、試合は新たな局面へとうつる。
 先読み能力vs先読み能力だッ!
 ここから先はより深く読んだほうが勝つ。

 そうなると人生経験の長い武蔵のほうが有利かも。
 いや、経験ではなく才脳勝負だとしたら、範馬勇次郎の息子・刃牙はでっかい資産を相続しているぞ。
 この勝負はどっちに有利なのか?
 次回につづく。


 驚き役と解説役が先読み能力を盛りあげる。
 本部は自分の事がワカっているんですね。
 なのに最大トーナメントの時のミス連発は何だったんだろう。

 刃牙も、武蔵も先読み能力を持っている。
 あとは能力の優劣か、運動能力の優劣が勝敗の分かれ目だ。
 やっぱり伝説の剣豪である武蔵のほうが優れていそうな印象がある。

 ところで、先読み能力がある人は、他にどれぐらいいるのだろう。
 範馬刃牙と範馬勇次郎は親子喧嘩で互いに読みあっていた。
 いま戦っている宮本武蔵も使える。
 そして、超軍人ガイアも使えるぞ。
 あと、連続攻撃の中から虚実を感じとった渋川さんもたぶん使える。

 独歩は散眼で防御していたので、まだ「見て」防御するレベルだ。
 これが「感じて」防御できるなら、目を閉じたままでも戦えそう。
 ただ、独歩には気配を消して攻撃できる菩薩拳がある。
 相手がガードしようがカウンターをしようが無効化できるぞ!

 あと、視界が無い状態で防御したこともある烈海王も「読み」とることができたのかも。
 克巳のマッハ突きをカウンターで切って落としたのは、先読みのお蔭だったとか、どうでしょう。
 当然、郭海皇も先読みできそうだ。

 こうして考えると、先読みができると有利だけど絶対的では無い。
 だから本部が先読みできなくても問題ないだろう。
 その本部に負けたジャック兄さんは先読みができるようになった方が良いと思いますが。
 やっぱりジャック兄さんには才が足りないのだろうか。

追記 (18/1/3)
 2018年一発目の刃牙道だッ!
 もっとも刃牙vs武蔵は武蔵編の最後を飾るだけに、まったりと戦うのだろう。
 185話も本部が解説したんで何か意味があったように感じたけど、話としては進んでいない。
 でも、本部の解説を久しぶりに聞けたんで良いか。

 ガイアよりも強い本部だが、殺気を感じる才能は無いらしい。
 つまり、本部は才能の無い人間が努力で到達できる最終点なのだろうか。
 範馬一族の超筋力とかの反則には勝てないけど、充分に強い。

 いや、本部はジャックに勝っている。
 ジャックには背中に鬼が出現していない。
 残念だけどジャックの範馬率は低かったのだろう。

 そこ行くと、宮本武蔵は才能も肉体もかなり強い。
 もしかしたら、過去の範馬一族となにかのつながりがあるのかも。
 範馬一族は筋肉の時代にこそ、その強さが発揮されるハズだ。
 戦国時代とか、範馬一族はナニやっていたんでしょうね。

 プレイボーイでやっている『TOUGH 龍を継ぐ男』では鬼龍の子らが沢山でてきている。
 武蔵の後には、範馬一族が大量に出てきても良いとは思うんですけど。
 ジャックみたいに範馬が敗北することも許されているようだ。
 ムエタイ範馬とか、柔道範馬とか、ロシアア範馬とか、ブラジリアン範馬なら、克巳を出すまでも無く加藤で勝てそう。

週刊少年チャンピオン2018年04+05号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2018年4+5号


2018年1月4日(6号)
第4部 第186話「間近」 (1165回)

 現代を代表する地下闘技場王者・範馬刃牙と、戦国〜江戸期を代表する剣豪・宮本武蔵の激突は新たな局面を迎える。
 近代格闘技+思いこみによる謎理論による刃牙の攻撃は、近代格闘技を学習した武蔵に二度通用しない。
 まあ、おなじ攻撃を何度も繰りかえすのは読まれやすいから止めたほうが良いと思いますが。
 とにかく、ここからは本部以蔵の解説が勝負をわけるッ!
 いや、本部の解説でなく、刃牙と武蔵の読み合いだッッ!

 本部の弟子ガイアは、刃牙と武蔵が超高度な読み合いをしていることに発汗する。
 だが、解説王・本部は涼しい顔で汗一つない。
 まさに貫禄の解説王だ。両手両足を負傷していても、口さえあれば開設できるッ!

 現在の状況は「攻撃をするという意識」が発生する前の予兆を読み合う対決だ。
 どちらがより深く読めるのか?
 などと考えるガイアだが、本部の意見は違う。

「展開はそう変わらんぜ」

 本部の言葉どおり刃牙は無造作に武蔵へ近づいていく。
 なんと本部の予想通りだ!
 本部は現在の事象を解説するのは得意でも、次の展開を予想するのが苦手だったりする。
 範馬勇次郎vs愚地独歩では神技とも言える解説と、いちいち外す予想が鮮やかだった。

 本部の予想が当たるというのは、何か不吉な気もする。
 だが、刃牙は普通に歩いて間合いを詰めていく。大丈夫か?
 本部たちに加え、柴千春と郭海皇が見守る。
 なんで この二人なんだ?
 刃牙の速度を知る柴千春と、武蔵に同胞を斬られた郭海皇が、最も因縁深いと言うのか。

 近づいた刃牙は右の回し蹴りを放つッ!
 一撃に見えたが、衝撃は五発だ。
 だが、武蔵もその五連撃を見事にガードした。
 愚地克巳や オリバも眼を見開く神速の攻防である。

「三打が一打に」
「四打が二打に聞こえるほどの速度だぜ」
「一部始終を見ていたって」
「捌けねぇものは捌けねぇ」


 本部がきっちりと解説する!
 五連撃じゃなくて、3+4打で1+2音の七連撃だったのか?
 でも、音は「パパァン」だったので二打音という感じもする。
 本部の解説がなんか怪しくなってきたぞ。

 前に刃牙が放ったのは一音の三連撃だった。
 で、今回が二音の四連撃と本部が判断したのかも。
 本部は、一発分見落としちゃったね。

 もっとも解説のキモは打撃音でなく、速度についてだ。
 プロ野球選手のピッチャーが投げる球は、たとえモーションを見ていてもシロウトに対応できないッ!
 先読みとか言う以前に、身体能力が高過ぎて無意味になっているようだ。

 かつてガイアと刃牙が戦ったとき、刃牙は予測を超える矢継ぎ早の攻撃をして先読み能力を攻略した。(G刃牙17巻 148話)
 先読みの能力も、経験による技も、圧倒的な身体能力には屈するしかない。
 ほとんどの格闘技が体重別になっている現実と同じだ。
 体力差は技術差を はるかに凌駕する。

 ただ、身長を伸ばした事で体重(ウエイト)も増えたジャック・ハンマーという例外の存在がいます。
 海上自衛隊「特別警備隊」創設に関わった伊藤祐靖によると、『人間の急所は下半身に集中していますから、背が高いということは、弱点をさらして歩いているようなものなのです。ですから、大きいと格闘でやられてしまいます。それに、体が小さいと酸素消費量と燃料というか、食料も少なくて済みます。ただ、ある程度体重がないとダメなので、165センチは必要です。』との事だ。(伊藤祐靖 × 成毛眞 特別対談(2)
 体重は必要だけど、ジャック兄さんは急所をさらしすぎているのかも。
 金的も打ち放題だ。

 本部もガイアも、刃牙や武蔵の身体能力に勝てないのだろう。
 刃牙の持つ範馬一族の肉体は都会のモヤシっ子とゴリラぐらいの差がありそうな反則筋肉だし。
 逆に武蔵の身体能力が、あれほど高いという謎が生じてしまうのだが。

 刃牙vs武蔵は先読み以前に、身体能力の競いあいだ。
 残念だが、本部やガイアのような普通の人間とは次元がちがう。
 肉体の差を知っている本部と 気が付いていなかったガイアには、師と弟子の差というか、洞察力の差がある。
 その差が汗の差になっているワケだ。
 己を知っているだけ本部のほうが上って事ですね。
 本部以蔵は やっぱり あなどれない。

 神速の攻防で刃牙と互角に戦った武蔵は、さらに本気をだす。
 左右の手に日本刀をイメージする。
 エア二刀流だッ!
 武蔵のパントマイムに 渋川さんや鎬兄弟たち会場の誰もが日本刀を感じてしまう。

「斬る」「突く」「刺す」「打つ」「組む」「自在なり」
(我っっ  現在(いま)正に自在也…っっ)


 両手に刀を持った宮本武蔵は融通無碍(※ 何事にもとらわれず、自由である様子)の境地なり。
 刀で斬って突くだけでなく、組むことも自在にできるらしい。
 エアだから何とでもなるって事か?

 武蔵が全局面に対応可能となった。
 対する刃牙はエア真剣の圧力に冷や汗を流す。
 リアルシャドーの達人であり マゾヒストの気がある刃牙にとって、エア斬撃はご褒美だ。
 斬った武蔵のほうがビックリするほどのリアル出血大サービスでダメージを受けそう。

 素手で日本刀を防ぐことができるのか?
 日本刀への防御は、vs武蔵で必ず問題になる。
 体重差以上に武装の差ってのは大きいはずだぞ。

 烈海王は自分も武器を使用した。
 本部は防具を着込んだ。
 花山は肉体の強さで乗りきろうとした。
 だが、三人とも一時しのぎにしかならなかったようだ。
 刃牙は、どうする!?

(誰の言葉だっけ…)
("斬り結ぶ……)
(太刀の下こそ地獄なれ…)
(一足進めば…………)
(後は極楽也……")


 刃牙は上半身を振り、激しくステップを踏んで武蔵のフトコロに飛びこむ。
 日本刀と言えども近い間合では斬りにくい。
 刃の間合いを踏みこえれば、素手の間合いだ。

 この言葉をググってみたら、宮本武蔵と柳生石舟斎(柳生宗厳)の二人が元ネタのようです。
 五輪書にも書いてある通り、宮本武蔵には肩での体当たりという必殺技がある。
 間合の中も危険地帯なのだ。
 なので、柳生石舟斎のほうが、らしい気がするけど、どうだろう。

 刃牙の変な動きはフェイントだろう。
 変則的な動きで幻惑して飛びこむ。
 だが、近間で刃牙はエア袈裟斬りにされたッ!
 左肩から右脇腹まで真っ二つだ。

 真剣なら確実に死んでいる一撃である。
 エア斬殺に思わず刃牙が動きを止めてしまう。
 長い打刀だけでなく、短い脇差を同時にもっている。
 極楽に思えた近間は、脇差による斬撃地獄だったのかッ!?

 エアなのは置いといても、刀による斬撃があるとワカっていたハズだ。
 やっぱりノープランで突っこむのは無謀だったか。
 エアだけど、刃牙のダメージは大きそうだ。
 新年早々、大ピンチの刃牙であった。
 次回につづく。


 刃牙が斬られた!
 自慢していた自動回避はなんだったんだろう。
 エアだからノーカンなのか?
 痛みを喜びとする刃牙の性癖が、死なない斬撃を受けさせたのかも。

 逆に考えると、痛みに強い刃牙はエア斬撃じゃ倒せない。
 武蔵がいくらエア斬撃で痛みを与えても、刃牙はむしろ喜ぶ。
 エアじゃ倒せないと理解した武蔵がリアル日本刀を抜くまでは お遊びみたいなものか?

 刃牙と武蔵はスゴい身体能力だから、先読みですら無意味と本部が言う。
 だが、武蔵のフトコロに飛びこむ前の刃牙はフェイントを多用していたようだ。
 フェイントだと、先読みで見破ることができる。
 つまり刃牙は失敗する要素を最大限に盛りこんで特攻したのだ。
 やっぱり、刃牙の本性はマゾなんですかねぇ、と言うのが2018年最初の感想でした。

追記 (18/1/10)
 刃牙vs武蔵は律儀にエア斬撃からやりなおしている。
 自動回避能力は妄想相手でも有効だったけどエア斬撃には効かないのか。
 もっとも刃牙が本気でマゾっ気を炸裂させて、わざと受けた疑惑が消えませんが。

 今年の刃牙はアニメ化が本格的に始まる……らしい。
 本当なら2017年アニメだったハズなんですけど。
 残虐描写とか出しにくい事情があるのかもしれない。

 スポーツ界に目を向けると、昨年末のRAIZINでは那須川天心選手がトリケラトプス拳を披露していた!(試合後ですが)
 紹介映像では試合中にトリケラトプス拳のシーンを出してくれたぞ。
 優勝の記念撮影でトリケラトプス拳の構えをとったときは「トリケラトプス拳の構え」とアナウンスも入っていた。
 知らん人は、本当にポカーンとなっただろうな。

 さらに正月の番組でカヌーリオ銅メダリスト羽根田卓也選手がグラップラー刃牙を愛読していると話していた。
 カヌー内で踏ん張るのに三戦立ちを応用していると言ったり、実用面もアピールだ。
 今年は刃牙がなんか妙なブレイクが起きそうと期待してしまう。

 残念ながらカヌーは薬物混入事件のほうが目立っちゃって、三戦立ちの優位性アピールが弱まっちゃったことか。
 東京オリンピックで、日本のカヌー選手が全員「呼ッ」と三戦立ちしている絵を期待していたんですけど。

 オリンピック選手は薬物混入対策で自分で用意した物しか飲み食いしないし、ペットボトルもひねったときにカチっと音がしないものは飲まないとか。
 まるで昔の武術家みたいですね。
 みんなも、本部が出した酒やタバコは口にしちゃダメだぞ!

週刊少年チャンピオン2018年06号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2018年6号


2018年1月11日(7号)
第4部 第187話「引き出し」 (1166回)

 ついに宮本武蔵がエア斬撃を解禁する。
 二人の戦いは妄想戦へと発展した。
 刃牙は基本的にマゾだから こういう攻撃を美味しくいただいちゃうんだろうな。

 普通の観客たちは刃牙がなんで痛がっているのか理解(わか)らないようだ。
 だが、一流戦士の柴千春、愚地克巳、ジャック・ハンマー、寂海王、郭海皇たちは危険なモノを感じ汗をながす。
 柴千春もイケるんですね。
 意図的に武道から遠ざかっている千春だが、実戦経験が豊富なので殺気を感じることができるのだろう。
 加藤はちゃんと感じとれるのだろうか? ちょっと心配になった。
 ガイアも理解(わか)っているのだろうが、本部の衝撃はさらに大きい。

(ほぼほぼ0間合いからの斬撃……ッッ
 それにしてもッッ)
(あの間合いで斬るかァ〜〜ッッ)


 さすが本部だ。
 ゼロ距離斬撃の技術に驚愕している。
 違いのわかる本部以蔵だ。
 ほかの一流戦士たちはエア斬撃に驚いているだけっぽい。
 この差が一流と二流の差だろうか。解説者として。

 普通は刀を振る間合いが無いと斬ることができない。
 居合の技に横方向に抜刀して、横から突くというゼロ距離の技があるんですが、武蔵は両断までしている。
 どういう理合の技なのか本部さんに解説して欲しい。
 が、今日の本部は驚くだけだった。
 そこ解説して! 本部が今ここに居る存在理由(レーゾンデートル)を思いだすんだッ!

 愚地独歩や渋川剛気などエア斬撃の体験者は刃牙に同情的である。
 エア斬撃は斬られたという実感が強烈すぎて肉体が反応しちゃうそうだ。
 パントマイムや妄想とかではなく、エア斬撃は精神攻撃だったのかも。
 エア斬撃に対抗するには、エア防具とかの精神防御が必要だったりして。

 刃牙がエア斬撃で身をひきちぎられ、くるい もだえる。たぶん喜びで。
 武蔵は、スキだらけの刃牙を放置するような お人よしではない。
 刃牙をつかんで、金的にヒザ蹴りだッ!
 目には目を歯には歯を、玉には玉をッッ!
 刃牙が声にならない声をあげて、くるい もだえる。たぶん喜びで。

 股間を押さえ、体をまるめて刃牙は無防備に背中をさらしている。
 またまたスキだらけだ!
 武蔵じゃなくても、攻撃したくなる。
 いや、もしかして誘っているのか?

 184話で刃牙に睾丸を打たれた武蔵は、わざとスキを見せていた気配がある。
 刃牙も反撃を狙っているのか?
 あ、でも「金的(つりがね)を」「下から打たれたら」「終了(おわ)っていた」と武蔵が言っていた。
 刃牙はすでに終了(おわ)っているのか?

 武蔵はさらにエア斬撃で刃牙をエア輪切りにする。
 そしてエア死体になった刃牙へ肩で体当たりだ!
 刃牙が闘技場の柵まで吹っ飛んでいく。

 武蔵の意外なタックル攻撃に鎬紅葉も驚く。
 ここにきて宮本武蔵が、まだ隠していた技の引き出しをあけた。
 戦場では刀も槍も、いつ折れるかわからない。
 なので、宮本武蔵には刀に頼らない秘密(?)の戦場格闘術があったのだ。

「素手の武蔵は強くない
 そんな奇跡は期待しないほうがいい……」


 本部が武蔵と素手の組み合わせを華麗に表現してくれた。
 しかし、武蔵が素手でも充分強いのは知っている。
 ピクル相手だと攻撃力が足りなくて泣きが入ったけど、あのピクル相手でも充分に戦えていた。
 ちょっと解説が遅すぎるんじゃなかろうか。

 とりあえず、武蔵は素手でも強いということが改めて認定されました。
 股間を下から打たれた刃牙は終わっているのか?
 打たれた場所が場所だけに滑稽な感じだが、いちおう大ピンチだ。
 刃牙はふたたび立ちあがることができるのか?
 次回へつづく。


 武蔵は無刀の奥義があると言い、素手で戦っていた時期もある。
 本部はそのあたりの情報を知らなかったのかも。
 肝心な情報を見逃すのは本部らしい失敗かも。

 武蔵は現代の格闘技から蹴りをとりいれた。
 そして今度はタックルだ。
 前にも書きましたが五輪書 水之巻に「身の当り〔体当たり〕は、敵のそばへ入り込んで、体で敵にぶつかるということである。(中略)この入り方を習得できれば、敵が二間も三間もぶっ飛ぶほど強いものである。敵が死んでしまうほどの衝撃でぶつかるのである。」と書いてある。
 宮本武蔵による無手の必殺技だ。

 武蔵は拳や目突きなど手首から先の使いかたを変えて多彩に戦っている。
 独歩たち古流の武術を知る者から見ると、失われた技術に出会えたようで興奮しているのかも。
 この試合の後は古流武術の復興派と近代科学の応用武術派の争いになったりして。

 野球もちゃんとデータ解析すると見逃していた法則が見えてくる。(「マネーボール」感想「ビッグデータ・ベースボール」感想
 分析と解析をおこなえば、格闘技もより有効な戦いかたが見つかるだろう。
 その辺は鎬紅葉に頑張ってもらいたい。

 戦場で鍛えた格闘術という点で、宮本武蔵と範馬勇次郎は同類かもしれない。
 そういう意味では、やっぱり宮本武蔵を倒せるのは刃牙しかいないな。
 股間を押さえてもだえたりしていますが、いつもの事なので超回復して反撃するだろう。

 しかし、試合前に吹聴していた自動回避はどうなったんだろうか。
 自動どころか、意識しても回避できていないぞ。
 それともホンのちょっと急所をズラして無事だったりして。
 武蔵が膝蹴りしたと思っていた金的ですが、フクロの中で玉が自在に動いて自動回避していたのかも。
 いや、あまり激しく動いたらかえって自滅しそうだけど。
 でも そういう自滅は刃牙らしいかな。

追記 (18/1/17)
 宮本武蔵編の最終章らしく、いままでの復習をやってんですかね。
 というワケで近代格闘技が誇る最速の攻撃ジャブとか、先読みとか、エア斬とか、イチから復習しているワケです。
 さらに素手でも強いとか、今更なネタをしている。

 最終的にやっぱり真剣もつと強いという今更になるのだろう。
 あと、まだやっていない今更ネタは武蔵は握力が強い、か。

 逆に刃牙の今更ネタってなんだろう。
 鬼の背中と、鬼の脳、あと新卍固めか。
 武士の時代は不用意に組みつくと脇差とかで刺される可能性が高い。
 組み技は素手で戦う試合によって高度に発達した技術だ。
 武蔵も初見は変な技でビックリしてくれそう。

 刃牙世界の戦士はあるとワカっている問題の対策なしに戦いに行く傾向がある。
 日本刀を持っているのが最初から分かっているんだから、防具とか用意すればいいのに。
 まあ、本部は防具ごと斬られちゃいましたが。

 それにしても刃牙はあまりにも露出が多すぎ。
 股間さえ隠しておけばOKなのか?
 その股間も下から蹴られて大ピンチですけど。

週刊少年チャンピオン2018年07号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2018年7号


2018年1月18日(8号)
第4部 第188話「到達」 (1167回)

 リアル戦場を経験している宮本武蔵は日本刀を持たずとも強いッ!
 けっこう前から武蔵は素手でも強いと判明(わか)っていたんですが、大事な事らしいので繰り返しだ!
 そもそも刃牙が最初に武蔵と戦った時は、素手の武蔵に敗北している。(3巻 25話
 言われなくても素手の武蔵が強いことは知って、……おぼえているハズだ。

 だが、解説王・本部以蔵はさらなる説明をする。
 本部にとって解説は食事や水よりも重要なのかッ!
 さすがに空気とまでは言いませんが。
 だって、空気がないと声を出せず解説できないし。
 とにかく本部が言うには昔の戦争は大変だったらしい。

 戦国時代などの戦場が実際にどう大変だったのか。
 実はこれが良くワカらない。
 当時の人の手記などから、ぼんやりとワカる程度だ。
 しかも太平の世になると、戦場の記憶はあっという間に風化して、講談師の語る物語に上書きされてしまう。
 現代日本でも戦争経験者もいるけど、戦場の実情はほとんどワカらなくなっている。

「そんな戦場においてさえ あの漢(おとこ)は
 "天下無双"の称号をほしいままにしていたのだ」


 現代の講談師・本部以蔵が理想の宮本武蔵像を物語るッ!
 宮本武蔵は何度か戦場に出ているが"天下無双"と呼ばれるほどの活躍はしていないようだ。
 島原の乱に参加した時は投石をくらい負傷している。
 投石による負傷は10.3%で刀傷の3.8%よりも高い。(刀と首取り
 当時の感覚では、投石の負傷など常識の範囲内だったのだろう。

 五輪書には兵法者と勝負して勝ったと書いているが、戦場の働きにふれていない。
 戦国時代では集団戦が多くなっているので隊列を組んで戦う。
 その場合、一人が突出して暴れると隊列が乱れて部隊として弱くなる。
 ただ、戦国時代の日本人はワガママで個人主義なので けっこう抜け駆けとかをしていたようだし、『葉隠』を読んだ感じだと大名も抜け駆けするような曲者(くせもの)を好んでいるようだ。

 けっきょく戦場のリアルはわからない。
 だから、宮本武蔵は戦場でも"天下無双"で良いのかも。
 そう言っとかないと話が進まないし。

 その天下無双に股下双金を蹴られた刃牙だが股間を押さえつつ立ちあがる。
 でも、目が白眼になってアセダラダラだ。
 武蔵は「下から打たれたら」「終了(おわ)っていた」と言っていた。
 刃牙はその「下から金的を打たれた」状態である。
 だが、刃牙は終了(おわ)ってなどいない!

 範馬刃牙は いままでに何度も股間を攻撃されている。
 格闘漫画の主人公としては世界一だろう。
 だが、刃牙は睾丸に打撃を受けても、たちあがる。
 何度攻撃されても決して砕けぬ鋼鉄の金玉だ。
 アンブレイカブル・スチール・ゴールデンボールッ!

 柴千春、寂海王、オリバ、ジャック、渋川などが見守るなか、もう刃牙は平常運転だ。
 股間から手をはなし、汗も引いている。
 本当に頑丈な金玉だ。
 もう鋼鉄と言うより、ダイヤモンドかもしれない。
 いや、ダイヤモンドは衝撃に弱いって言うしな。
 むしろゴムか?

 金的蹴りなど無かったかのような刃牙は、武蔵に襲いかかる。
 攻撃をすると決意する0.5秒前のきざしを読む!
 武蔵の動きを読んだ刃牙の動きを武蔵が読んで、放り投げる。

 超高度な先読み対決だ!
 このままでは先読みの無限ループになって、異次元に放り出されるかも。
 バキのアニメ化も最初は2017年アニメと言っていたのに、2017年冬にネットで先行配信となり、今週号で2018年夏に先行配信と発表された。
 バキのアニメも、先送り対決でいつまでたっても辿りつけないんじゃないかと心配だ。

 投げられた刃牙は身軽に着地し、すぐに反撃の動きにはいる。
 武蔵の念を感じ、先手をうってジャンプした。
 だが、刃牙の攻撃は武蔵にカウンターで返される。
 今度は地面に叩きつけられダメージも大きいぞ。

「あの「撒き餌」には食い付くかァ〜〜〜〜〜ッッ!!!」

 独歩、渋川、本部たち武の達人はこの攻防の意味を感じているのか?
 とくに本部は渋い顔になっている。
 武蔵はあえて刃牙に先読みさせてエサとしているのだろうか?

 なんといっても宮本武蔵は60年以上生きたベテランだ。
 肉体は若返ったが、老成した経験が体内にあるのだろう。
 こういう駆け引きなら刃牙より上だろうな。

 チャンピオンに載っていた『板垣恵介 vs 堀口恭司 対談』で、「ボクシングだったら、ワンツーから左っていうのはもうカラダに染み付いてい、最初の左を出してからはもうカラダが勝手に動いちゃう」と言っていた。
 なので、刃牙が武蔵の動きを読んで攻撃態勢に入っちゃうと、武蔵が動きを変えても対応できない、って事なのだろう。

 先読み対決をしていても、「ここに攻撃してくる」とワカっているなら、カウンターに取るのも楽勝だ。
 素手でも強く、読み合いでも勝つ。
 剣豪・宮本武蔵に死角は無いのか?
 刃牙は良いところがないまま、次回へつづくのだった。


 前回は改めて武蔵は素手でも強いとのアピールだ。
 で、今回は武蔵は先読みでも一枚上手とアピールする。
 やっぱり過去にやったことの再確認だろうか。
 186話だから、二話前の話の再確認だ。

 で、先読み対決の攻略方法も186話でやっている。
 圧倒的な速度・威力で攻めるなら、先読みしても追いつかない!
 というワケで、刃牙なら反撃できるだろう。
 今現在で失敗しているのは、まだ金的膝蹴りのダメージが残っているのかも。

 武蔵はまだ刀に触れてもいない。
 つまり ぜんぜん本気じゃないのだ。
 本気でない武蔵にこれだけ翻弄されている。
 なんか、刃牙が惨敗しそう。

 でも、武蔵が本気を出していないから、刃牙も本気じゃ無いのかも。
 お互いにジラして、本気を温存する作戦か?
 自動回避とか連続攻撃を忘れている刃牙である。
 だが、武蔵が本気を出せば、刃牙も本気を出せるかもしれない。
 この勝負は、互いに本気を温存しまくる悪循環に入っちゃったかも。
 次回になったら本気を出す!

追記 (18/1/24)
 刃牙vs武蔵は意識の先読み対決になっている。
 意識の0.5秒前って話は『ユーザーイリュージョン』(AA)って本から来ているのだが、刃牙世界だと間違った(誤読)情報になっている。(こちらも参考に『ユーザーイリュージョン』感想

 刃牙世界では意識の0.5秒前に起きる兆しを感じとっているようだ。
 でも、実際は身体が動いた0.5秒後に動こうという意識が生じる。
 これを意識は0.5秒遅れて発生していると言っているのだ。

 殴ると決意してから殴る、その決意の0.5秒前を察知する。ではない。
 殴った0.5秒後に殴ると決意するのだ。
 板垣先生が表紙を描いている『史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち』によると、インド哲学だと意識は演劇を見ている観客みたいなものらしい。
 つまり、自分が動いて演じているのではなく、演じている人を見てその動きを追体験している。雑な説明なんで、できれば本を読んでください。
 脳科学と古くからの哲学が、実は同じような結論に達しているってのは、けっこうあちこちで指摘されている現象です。

 でも、刃牙世界では意識の0.5秒前に兆しがある世界だと思ったほうが無難かも。
 あの世界は永久歯が何度でも生えてくるみたいだし。
 ちなみにろくでなしBLUESも奥歯が生える世界だった。

 そんなワケで、0.5秒前の兆しについては、今後もちょっとゴニョった対応になると思います。

週刊少年チャンピオン2018年08号 [雑誌]
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2018年1月25日(9号)
第4部 第189話「修行観」 (1168回)

 範馬刃牙vs宮本武蔵は、武蔵が刃牙を圧倒しはじめた。
 行動の先読み対決は武蔵が圧勝している。
 やっぱり経験の差が大きいようだ。
 試合前に刃牙が自慢していた自動回避能力はどこへ行ったんだろう。

 刃牙は急に回想空間に入りこむ。
 同級生の久保井一(くぼい はじめ)は、範馬刃牙が凄く鍛えているとインタビューに答える。
 相変わらず、なんのインタビューなのやら。
 大塚平兵衛へのインタビューは時間軸を超えて行われていたようだし、存在自体が謎のインタビューです。16巻 142話

 グラップラー刃牙時代の刃牙はいちおう普通の学生として学校に通っていた。
 ボクシングの高山を圧倒したりと要所で強さを見せていましたが。
 だが、バキ時代になると不良から狙われて刃物や拳銃まで用意されてしまう。
 ドイルが教室に襲撃をかけた時もあった。
 それでもまだ、久保井は刃牙の正体を知らないようだ。
 刃牙は完璧な擬態をしているって事か?

 というか、刃牙はまだ学校に行っていたようだ。
 最近は登校シーンが無いし、学校にも行かず昼から出歩いている。
 本格的にニートを始めたんじゃないかと心配でした。
 いや、刃牙の場合は戦うことがお仕事みたいなものか。
 地下闘技場は賞金などがないらしいんですが、ファンから小遣いをもらっているかも。

 しかし、筋肉オバケの刃牙だというのに良く同級生の目をあざむけたものだ。
 真の名刀は斬りたいときにだけ斬れると言います。
 刃牙も真の強者になったので、強そうオーラのオン・オフを自在に操ることができるのかも。
 となると、武蔵に圧倒されているのはスイッチの入れ忘れだったりして。

 刃牙の強さを後押しする回想はともかくとして、刃牙がピンチだ。
 意識の前に生じる無意識の起こりをフェイントにする。
 宮本武蔵の超高等技術だ。
 真剣勝負で敗北が死につながる時代の武芸者ならではの技術だと本部が解説する。

 前に書きましたが、敗北による被害が大きいと勝負自体を避けるようになってしまう。
 さらに才能ある若者が未熟なうちに死ぬことが増える。
 けっきょく強い者ではなく、卑怯な者ほど生き残るので、全体のレベルが下がりそうだ。

 解説はともかく、絶望的になっているガイアに本部は希望を伝える。
 達人・渋川剛気が本部をたずねた時、本部は「日に数度」「心が「武」から離れ」ると言った。(14巻 124話
 そこまで武に惚れこんで、追い求めている。
 さすがの達人もこれには脱帽だ。

「この渋川剛気にそこまでの"武愛"があるか…?」
「我が師 御子柴には!?」
「「合気」の祖 武田惣角には!?」


 ついに武田惣角まで出してきたか!
 技や肉体の素質という点で本部は並かもしれない。
 だが、熱意・武愛に関して言えば伝説の達人級だッ!
 そのレジェンド級の熱意と努力量でも横綱には勝てなかったのが寂しい。

 本部は、渋川さんも認める伝説級の武愛を持っている。
 だが、本部はその上の存在を知っているという。

「ある人物に修業観をくつがえされました」

「範馬刃牙です」
「あれこそが行住坐臥」 「頑張ることも耐えることも
 日常の全てが"遊び"」
「日がな丸一日を「武」の中に」
「"遊ぶ"」
「あれをやられちゃ たまらない」
「努力する者が 楽しむ者に勝てるワケがない」


 刃牙は自動回避能力を身につけ、妄想の攻撃すら回避することで自動的に鍛えられている。
 なぜか本部はこの事実を知ったらしい。
 この人なんでも知っとるわ〜
 しかし、刃牙の妄想修業は本当に効果的なのだろうか?
 武蔵あいてに絶賛苦戦中なんですけど。

 楽しく修行するのと、努力して修行するのとでは、どちらが良いのだろうか。
 長続きするのは楽しいほうだと思う。
 時間当たりの効率では努力だろうか。
 どちらにしても、本部は刃牙スタイルに負けたと思ったようだ。

 つまり、苦痛を快楽にかえる刃牙スタイルがスゴイらしい。
 至高の修業とはッ、究極のマゾヒズムなのだッッ!
 正気は変態に勝てない、と。

 本部も認めた最高の変態である刃牙が動いた。
 闘技場に置かれていた武蔵の二刀をとる。
 ひとつは武蔵へ投げてわたし、もう一つを手に取り抜刀した。
 刃牙の構えは宮本武蔵と同じだ!

 最近使っていないんで忘れがちですが、刃牙は対戦相手の技をコピーできる。
 日本刀の扱いもマネたのか!?
 マゾヒスター刃牙は、ついに刃物の痛みに挑戦する気っぽい。
 この行動は当たりかハズか?
 次回へ つづくのであった。


 刃牙は、金的蹴りの痛みぐらいじゃ満足できなくなったのだろうか?
 それとも自動回避を発動させるためには日本刀が必要だったりして。
 とにかく、やられっぱなしだった刃牙が反撃に出たようだ。

 なんかヤケクソな行動に見える、
 実際ヤケクソなんだろうけど、こういうムチャな流れから逆転するのが刃牙だ。
 あえて不利な状況を作り、甘美な苦痛を味わう。
 努力する者が、楽しむ者に勝てるワケがない理論だ。

 殺気の先読み対決は、刃牙が敏感すぎた。
 これがもっと鈍い人だったら武蔵のフェイントに気がつかず普通に攻撃できただろうに。
 刃牙は加藤からテグスの使いかたを学んでおくべきだったか?

 しかし「努力する者が、楽しむ者に勝てるワケがない」ってのは、誰よりもジャック兄さんに刺さるな。
 強くなるため、努力し、手段を選ばず、苦痛にも耐えた。
 でも、楽しむ者には勝てない。そう言われてしまう。

 つまり、ジャック兄さんは一度楽しんで解放されないとダメなんだろう。
 骨をのばすより、髪をのばしてチャラくなってみたらどうか。
 いや、もう手遅れっぽい。

追記 (18/1/31)
 武蔵の先読みフェイントに対応できない刃牙は、武蔵の刀を取って日本刀対決に持ちこむッ
 劣勢の刃牙がなぜ あえて相手の土俵にあがって不利になるのか?
 あとで思いだしたんですけど、これは猪狩vs金竜山のパターンだ。

 横綱として盤石の安定をほこる金竜山を崩せない猪狩が、あえて相撲対決をよそおい倒す。
 刃牙はこれを狙っているのかもしれない。
 武蔵を倒した本部を倒した金竜山と言う因縁もあるし、必勝の作戦だ!

 上手いこと打ち合いになれば二本とも刀が折れる可能性だってある。
 本当なら武蔵に刀を投げる時、柄に毒針とかを仕込むのが武なんだうな。

 でも、刃牙の場合は良くワカらない自信と実力による日本刀勝負なのかも。
 自らを不利に追いこむことで真の力に目覚める反則体質が範馬刃牙だ!
 この体質をちょっとでもジャック兄さんに分けてあげて欲しい。

週刊少年チャンピオン2018年09号 [雑誌]
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2018年2月1日(10号)
第4部 第190話「おさばら」 (1169回)

 範馬刃牙vs宮本武蔵は武蔵優勢で戦いが進む。
 が、ここにきて刃牙が武蔵に刀を手渡し、自分も刀をにぎる。
 追いつめられた刃牙が相手の土俵にのってさらに自分を追いつめたッ!
 やっぱ、変態の考えることは理解(わか)らん。

 長年、刃牙を観察していた私ですが理解(わか)らない。
 宮本武蔵も理解(わか)らんようだ。
 武芸者として超一流の宮本武蔵にも理解(わか)らん。
 つまり、刃牙の行動は武術的じゃないのだろう。
 やっぱ、ド変態だな(確信)!

「本身も抜かぬまま」
「屠っちゃ気の毒すぎる」

「ここで」
「アンタとおさらばするつもりで来た」


 劣勢の刃牙が武蔵にほざくッ!
 謎の上から目線に、オリバ、柴千春、郭海皇、鎬兄弟、愚地克巳たちが、みんな驚愕する。
 さすが刃牙よ。観客を謎セリフだけで汗ダラダラにさせてしまう。
 刃牙の絶頂変人っぷりは、仲間内でも浮いているんじゃないかとチョット心配になってしまう。

 この発言で刃牙は武蔵に頭の心配をされる。
 武蔵は刃牙の事をよく知らない。
 だから、刃牙がたまに意味不明な妄言をはく人物だと知らないのだ。
 刃牙の発言をあまり正直に取らないほうが良いですよ。

 ところで、今回のタイトルは「おさばら」だ。
 「おさらば」ではない。タイトルだけ誤字っているようですね。
 前回のタイトルも「修行観」なのに、作中セリフだと「修業観」で、どっちが正解だよって感じでしたが。
 刃牙の言動にタイトルまでも翻弄されている!

 武蔵は死ぬわけにいかず、斬り登って出世すると言い切った。
 刃牙は出世など無理だと思っている。
 でも、武蔵はすでに斬り登って出世しているのだ。20巻 172話

 多数の警官を死傷させたことは無かったことになっているようだ。
 すでに警察の対応も「容疑者への尾行」から「重要人物の監視と護衛」になっているっぽい。
 とりあえず今現在では斬り登って出世したんだし、今後も出世できるんじゃなかろうか。

 武蔵の出世という現実を否定し、刃牙は武蔵が現代に居ちゃダメだと断言する。
 刃牙はリアルシャドーでこの先の展開をシミュレートしたのだろうか?
 常識的に考えたら刃牙の言う通りなんだけど、現実に出世したと武蔵は思っている。
 客観的に見ても、武蔵の待遇はかなり良くなった。
 状態の良い今のうちに武蔵には退場してもらおうという事かも。

 刃牙は得意のコピー能力で、武蔵の握りを再現する。
 だが、刃牙は斬らずに投げたッ!
 言っていることもワカらんが、行動も投げ槍……じゃなくて、投げ刀で変則的だ!
 しかし、蠅をハシでつまむことができる武蔵は当然のように刃を右手でキャッチする。
 意表を突けたようで、突けていないぞ。

「武蔵さん 信じていたよ…」
「アンタならきっと止めるッッ」
「結果――――」
「両手とも塞がってくれる……ッッ」


 左手に鞘に収まったままの大刀をもち、左手に刃牙が投げた小刀を握る。
 たしかに今の武蔵は両手がふさがっているぞ。
 そのスキを狙って刃牙が飛び蹴りだァ〜〜ッッ!

 久しぶりに刃牙の有効打だ。
 しかし、汚いッ!
 超ダーティープレーだ。
 もっとも武の世界じゃ、卑怯も武の内だし、アリなんだけど。

 なんか印象が、まともに戦ったら勝てないから反則使いましたって感じだ。
 主人公らしくないというか、異質な存在を屠るっていう手段がそれかよと言うか。

 しかし、この場合だと勝たないとどんな主張も通らない。
 力なき正義が無力とならないためにも勝たねば。
 実力で負けているんだから、これも仕方が無いのか。
 美しくないけど。

 しかし、武蔵もこの程度の奇襲に後れを取るとは、ニブったか。
 鞘ごと受けるとか、体さばきでかわすとか、方法はあるのに。
 キャッチと言う難しい動作をした直後で気がゆるんでしまったのかも。

 武蔵の頭から意識(?)が抜けだし、大の字にダウンだ!
 刃牙は投げつけた小刀をふたたびキャッチし、武蔵を見おろす。
 うむ、刃牙が調子コいてますね。
 増長王子の復活だ。

 ふたたび優位に立った刃牙は、凶器を手にしてどーするのか?
 意識を飛ばして無抵抗な武蔵に斬りつける容赦ない手に出るかもしれない。
 それとも、素手になっている武蔵に寝技をかけるのも良いだろう。
 最大のチャンスを得た状態だが、刃牙はこの好機をイカせるのかッ!?
 次回へつづく。


 セコイが有効な奇襲で刃牙が優位にたつ。
 これは刃牙の仲間内から どういう評価を受けるのだろう。
 卑怯技については みんな容認派だろうな。

 でも、これで決着がついちゃったら、闘技場内でもかなり議論がわきあがりそうだ。
 最終的に油断した武蔵が悪いで済むんだろうけど。
 いつの時代も、どの場所でも、油断を誉めてくれる人はいない。

 意識が飛んでしまったような武蔵だがコレで終わったりしないだろう。
 なにしろ、優位に立った刃牙がすでに油断しているっぽいからだ。
 次の油断は刃牙の番だぞ!

追記 (18/2/7)
 武蔵の出す気配によるフェイントに翻弄されていた刃牙だが、相手の注意をそらして反撃する!
 掲示板などのコメントで、武蔵は烈や本部の時も不意打ちをくらっているとの指摘がありました。
 確かに武蔵は注意をそらされると攻撃を喰らっちゃう。
 そう考えると、フェイント入れた後の打撃は当たりやすいという至極まっとうな話になるのかも。

 殺気の先読みはオカルトっぽく達人の領域って感じだ。
 筋肉が動く前に生じる準備電位があるのは確からしいが、そのわずかな電位をなんで離れた人間が感知できるんだって話ですよ。
 そんな些細な電位に反応していたら、電化製品あふれる現代日本じゃ雑音が大きすぎて生きにくいぞ。

 板垣先生と堀口選手との対談では、予想している反撃ならよけてカウンター出せるという話がでていた。
 本部がいう経験による予想ですね。
 予想であれば訓練できそうだし、安定して発動しそうだし、よりスゴイ技術って気がする。

 武蔵を罠にかけてダウンを奪った。
 ついでに刀も また奪ったぞ。
 刃牙は刀を使うんだろうか?
 そういえば刃牙ってナイフ使いの人からナイフ奪ったりで、意外と素手へのこだわりは少ないのかも。
 勇次郎を素手で殺すと息巻いていた時期がありましたが、もう済んだことだしな。

 それとも、刀にこっそり接着剤ぬって抜けないようにして武蔵に返すとか。
 刃牙は本部みたいに卑怯を極めて新流派・刃牙道を作ってみたらどうだろう。

追記2 (18/2/14)
 一回休みの刃牙道が再開だ。
 今のところ定番の油断合戦で武蔵が油断するターンか。
 でも今回は刃牙の作戦勝ちと言っていいのかも。

 刀を使って相手の気をそらすと言う刃牙の作戦は、184話で言っていたヤツだろうか。
(仕留めるなら――)(動きながらがいい……)

 相手が止まっている時は、攻撃しやすいけど、相手だって迎撃しやすい状況である、みたいな。
 動きながらという不確定でカオスな状況こそが刃牙の狙い目かも。
 真剣勝負はダメージのリスクが大きいから、慎重にならざるを得ない。
 そこ行くと素手の戦いは負けても死なないし、果敢に攻めることができる。
 混沌とした乱戦こそ刃牙のフィールドなのだ。

 いや、天然だからそこまで考えていないかも。

週刊少年チャンピオン2018年10号 [雑誌]
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2018年2月8日(11号)
刃牙道はお休みです

 今週は刃牙道がお休みです。
 前回ラストで『次号 刃牙、反撃開始』とあったので油断していました。
 次号じゃなくて次回だな。

baki_d190_1

 もっとも、次号の予告をちゃんとチェックすれば刃牙道が無いので休載なのは予定通りだったとワカる。
 次号予告ページは毎回律儀に作品名が全部出ているのだ。
 逆に言えば休載作品は名前が載っていない。

baki_d190_2

 あと、一押し作品は絵付きで予告になる。
 つまり、ここの小枠内に入っている作品は最終回が近い可能性があるので要注意だ。
 悔いる前にアンケートを出すべし。

 こういう部分の観察も経験と予想ってことで本部流の先読みにつながりそうだ。
 予測していれば技術として動けるってのを実際の試合で堀口選手がやっていて、板垣先生がそこに感動している。
 この技術は今後の刃牙道にも影響するんじゃないかと期待しちゃうな。

 来週号にはちゃんと刃牙道の予告が載っている。
 二倍祭りでも三倍祭りでもないが、刃牙道の再開だッ!
 刃牙はふたたび手にした日本刀をどうするのか?
 今度は刃牙が油断して逆転されるという予想があるので、刃牙が醜態をさらしても対応できるぞ!

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