今週のグラップラー刃牙(アニメ版)
最大トーナメント編
 第11話〜第15話

幼年編+少年王者編 第1話〜 第6話〜 第11話〜 第16話〜 第21話〜最終話
最大トーナメント編 第1話〜 第6話〜 第11話〜 第16話〜 第21話〜最終話
ラスト・アニメ刃牙→

2001年10月2日(火)
第11話 牙(第35回)

 先週のラストとはパンツの色を変えて(勝負パンツ?)ガーランドが猛る!
 なぜか原作での鎖引き千切りはカットされ、上品に鍵で手の鎖を外しています。
 これは、鎖を切ったのはいいんだけど、手首の部分はどうやって外したの? と言う無用なツッコミを避けるためなのでしょうか?
 それと、自分から国に従属するために鎖に縛られているのに、許可無く自分できると言う事は国に対しての反逆行為に当たるのでは無いかという、余計なツッコミを避けるためなのかもしれません。
 でも、こう言う細かい所を気にすると言う事は、逆に作品の勢いを殺す結果になる場合もあります。
 アニメの最大トーナメント編はやたらと解説が多く入るのですが、それは映像表現に自信が無い事の裏返しなのでは無いだろうかと、今更ですが、気になりました。

「残っている選手全員を闘技場に集めてくれ。我が祖国の誇りを示してやる!」
 と猛りまくるガーランドですが、個人的に彼らしくて好きだった台詞「一人残らず投げ殺して」はカットされていますし、「ロシア民族の最強」も変更されています。
 やはり、アメリカの同時多発テロの影響か、「殺す」と言う言葉や民族主義を思わせる台詞はカットされるのでしょうか?
 刃牙は宗教色がほとんど無い作品ですが、宗教色の強い台詞があれば、そもれカットされるのでしょうね。
 それと、全体的にガーランドの口調が丁寧になっています。徳川さんに「集めてくれ」と命令口調では無く、お願い口調になっています。
 どうやら、アニメ版のガーランドは善人改良の対象者のようです。
 ガーランドに対して機嫌を取るロジャー・ハーロンにも「なるべく優しくフォールしてあげよう」と親切な台詞です。
 原作では「なるべく」が無かったせいで、恐るべき自信と威圧感があったのですが、アニメ版だと「自信は無いけど怪我させないように試合をしてあげよう」と言うような親切心を感じます。
 もっとも、噛みついてくる相手はきっちりと潰すのが、ロシア最強のレスラーです。
 イアンと殴り合ったせい(?)で顔の輪郭がムチャクチャになってしまった柴千春を天井にめり込ませ、殴りかかってきた花山を投げで沈める。
 加藤くんがその強引な技に驚いていますが、裸で闘うレスリングは柔道よりも強引な(に見える)投げが多いような気がするのですが…
 ま、それはともかく恐るべき実力で地下闘技場の誇るタフネス二人を倒してのけます。

 そんなガーランドのエピソードを遠く離れた祖国ロシアで、大統領と秘書(?)のマコエフ君が話しています。
 日常で使える刃牙会話の筆頭とも言える、マコエフ君の「同感です、大統領」や「加うるに閣下――――」は残念ながらカットされていますが、この2人のやり取りはなかなかいい感じです。

 舞台は控え室に戻り、恐るべき潜在能力を見せるガーランドにジャック・ハンマーは「好みのタイプ」と告白をする。
 そのガーレンと闘うためには、ジャック・ハンマーは小林寺拳法の三崎健吾を倒さなくてはならない。
 秒間12連攻とも言われる三崎健吾の飛燕の連撃にジャックは成すすべ無し…、と思いきや攻めていた三崎健吾の左手首から謎の出血ッ!

 と、ここでアイキャッチ。前半終了。

 CM開けは三崎健吾の疑問の独白と、BGM代わりにお客さんの拍手…。本当に血を見るのが好きな客ですね。
 最近やっとわかったのですが、ここのお客さんの反応は大相撲の観客と同じなんですね。
 だから、凄い攻防があって四つになって闘いが膠着すると思わず拍手しちゃう訳です。日本人の好みを計算に入れた見事な演出なんでしょうけど、やっぱり違和感が…

 それはともかく、出血にもめげずに闘う三崎健吾だが出血しているせいかやや余裕の無い戦いとなっている。
 ちなみに、この闘いは所々にいい動きをするのですが、相変わらず静止画が多い演出です。飛燕の連撃なんかは、動きに繰り返しが多かったものの人間の動きの限界を超えているようなスピードで笑えたんですけど。
 いつもは解説過剰なアナウンサーですが、1番解説が必要と思われる関節を極めているジャックに対して三崎が蹴りを加えるシーンに何も言わないのが不思議です。
 ここで、珍しくラフファイトをする三崎健吾の追い詰められている精神状態をちゃんと解説しておかないと試合の緊迫感が出ないと思うのですが…
 とにかく三崎を追い詰めていた謎の出血はジャックの「噛みつき」が正体であり、その恐るべき必殺技に三崎健吾は敗れさる。
 凄惨な試合の多い地下闘技場の闘いの中でも、ジャックの闘いはこの「噛み付き」と言う必殺技のお陰でひときわ危険な描写が多いのですが、さすがにアニメでは再現しきれていないようです
 今回の脚本は、絵がアレで割を食っている時ばかり担当している(烈の2つの闘いですね)あべけんさんなのですが、台詞の端々が微妙に変えられていて、原作に対する妙なこだわりは相変わらずのようです。
 この戦いの後に、梢江ちゃんは刃牙に戦いを止めるように懇願するシーンを入れるのは非常に説得力が出ていていい感じなのですが、このシーンってそんなに入れる必要があるのでしょうか?
 はっきり言って時間の足りないアニメ版では、このシーンと次回の川原のシーンはいらないと思うのですが。
 それより、刃牙を抱え上げるジャックのシーンを入れて欲しかった。その後、あのシーンにはそれなりの意味が出てくるだけに…


 さて、話は次の試合の愚地独歩vs天内悠に移ります。
 闘技場に向かう独歩と克巳の会話が良い感じです。できれば、この2人の会話にはもうちょっと時間を与えてじっくりとやってもらいたかったです。
 放送時間の終了にせかされて台詞を喋っている様な感じがして、本来の演技力を発揮しきれていないような気がします。

 ちなみに、以前みっちゃんに克巳が俺よりも強いと言っていたのは、愚地流の完成前なので、今では「やっぱり俺のほうが強い」と思っているんでしょうね。
 そして、実際に独歩のほうが強そうな気がする。


 そして、独歩と戦う天内は相変わらず偽善者っぽいところをみせている。
 と、ここで次回次回 「究極! 愚地流」へ。
 正直なところ天内の性格がこう言う偽善的なタイプだと、闘いの流れをどう変えるのか凄く気になります。かなり強引な展開が待っているような…。

 そして、予告に顔も出さなかった刃牙&梢江の逃避行はいかに?


おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)

範馬刃牙  菊地 正美
範馬勇次郎 乃村 健次
花山 薫  中田 雅之
愚地独歩  麦人
愚地克巳  藤原 啓司
天内 悠  高塚 正也
加藤清澄  室園 丈裕
柴 千春  西村 朋紘
三健吾崎  山野井 仁
徳川光成  楠見 尚巳
ジャック・ハンマー 坂口 候一
アンドレアノ・ガーランド 柳沢栄治
ロジャー・ハーロン 小形 満
松本梢江  小島 幸子
アナウンサー 清水 敏考

脚本   あべけん
演出   中島 弘明
作画監督 ヒサユキヒロカズ


 今回はわりと原作に近い作画でありながら、安定性の低い絵だった様な気がします。シーンによってキャラクターの絵がコロコロ変わると言うのは原作通り(爆)なのですが、それが悪い方向に働いてしまったようです。
 そして、ガーレンじゃなくてガーランドですが、夜叉猿を演じておられた柳沢栄治さんが担当していますね。相変わらず、人間と動物の中間のような役ばかり…(失礼)
 今後の迫力ある演技に期待しております。
by とら


2001年10月9日(火)
第12話 究極! 愚地流(第36回)

 2回戦も残すところ2試合。
 次なる試合は世界最大の空手組織である神心会空手の創始者・愚地独歩と米国大統領のボディーガードを務める天内流柔術(?)・天内悠の異色対決ッ!
 でも、いつの間に天内流柔術になったんでしょう?

 それはともかく試合開始!
 と、同時に独歩は天内の背後に回りこみ奇襲をかける。が、天内もダテにボディーガードをやってない。背後に迫る殺気を感知し、驚異的な瞬発力で飛びあがり独歩の奇襲を見事にかわす!
 不意の襲撃を防げ無いようではボディーガードは務まらないとばかりに、不意打ちをかけた独歩に対しても余裕の笑みを浮かべ、独歩と闘える事を純粋に喜ぶ。もちろんこれは自分が勝つと言う事を前提にした喜びなんでしょうけど…。
 が、そんな天内の余裕とノーモーションジャンプ(今回はちゃんとモーション付き)からの攻撃を打ち砕くのは、気の遠くなるような永い年月をかけて作られた空手の技術だった。前羽の構えから鉄壁のわまし受けッ!
 更に怒涛の攻撃で天内を圧倒する!
 時代の最先端を走るロボットである「morph(モルフ)」も独歩に憧れて三戦立ちを身に付けた(※)と言われるぐらいです、独歩の実力は本物です。
 ※ 本当に独歩の影響かどうかは知りませんが、「CEATEC JAPAN 2001」で行われたデモでmorphは三戦立ちからの正拳突きを見せていました。滑ってコケましたが(苦笑)。しかし、一般のお客さんに「空手の三戦立ちから正拳突き」と説明してもわからないと思うのですが、それでもプログラムを作った人はかなりの格闘マニアだと思う(^_^;)
 起死回生を狙う天内の三角飛びを飛び蹴りで迎撃する。
 天内の得意技である空中殺法を逆に切り返し、独歩の圧倒的優勢だッ!
 ちなみに、今回のお客さんの中にちょっと園田警視正に似ている人が居ます。特にこの空中殺法の後に出て来るお客さん(1番最後に出てくる人)はかなり似ている…。

 独歩は、さらに天内の足を「コキャッ」っと破壊する。が、天内はひるまない。整った顔を怒りに歪め、ハイキックから独歩の首に足を絡め寝技に持ち込む。

「わたしのこの異様に長い手足が何のためにあるのかお教えしましょう」

 と、1回戦で天内と闘った山本稔が聞いたら恥ずかしくて表を歩けなくなるような台詞を吐き、長い手足をいかし見事なグラウンドの攻撃を見せるッ!
 刃牙がズールにマウントポジションを取られた時、独歩は克巳にどうすると尋ね、克巳は「ああなる以前に終わらせるのが空手」と答えています。つまり、近代空手では脱出不能と言う事だ。マウントポジションではないものの、この状態の愚地独歩はこのまま敗北するのかッ!?

 一方、先週こっそりと会場を抜け出した刃牙と梢江ちゃんは、なぜ刃牙が闘いを求めるのか、そのルーツに触れる。
 原作ではズール戦の前に入っていた闘い者が傷つくと言う事は、彼の身内も同時に傷つくのではないかと言う梢江ちゃんの意見が出てきます。
 この台詞は後の展開に関わる非常に重要な台詞だったので、無かった事に対してやや不満がありましたが、ここでちゃんと再現している所に好感が持てます。
 そして、刃牙が己の戦う理由を梢江ちゃんに淡々と語ります。
 この辺は久しぶりに出番のある主人公・刃牙を演じる菊地さんが好演していて、静かな中にも刃牙の激しい感情が見える名シーンに仕上がっています。

 刃牙の壮絶な過去と決意を知り、梢江が刃牙を止める事ができないと自覚した頃、地下闘技場では圧倒的優勢にいたはずの天内が悲鳴を上げ技を解いてしまう!
 いったい独歩は何をしたと言うのだ!?
 と、ここでアイキャッチ。CMへ…


 CM開けは独歩生還の秘密から…
 それは天内の足の爪を引きはがす事で、耐えがたい痛みを与え技を解かせると言う手段だったのだ。
 小説版・餓狼伝でも、マウントポジションを脱出する方法は耐える事のできない痛みを与えてスキを作り脱出すると言う手法がとられていましたが、圧倒的に不利な状況からの脱出には予想外の伊丹を与える行動が有効なのでしょうか?  どちらにしろこれは、スポーツ空手・近代空手の発想では無い、古流空手の、手足が凶器になるまで鍛え上げると言う思想だ。
 さらに独歩は手首・足首から先を徹底的に鍛えた古流空手の闘法で再び逆転し、天内を追い詰める。
 この独歩の攻撃を解説するのはもちろん伝説の解説家・本部以蔵である。なんかずいぶん久しぶりの感じがしますが、やはりこの人の解説は重みが違います(なんとなく)。
 圧倒的優勢で攻める独歩ですが、愛妻・夏恵さんと養子・克巳は言い知れぬ不安を感じている。
 そして、その不安通り勝利を確信した独歩が天内にとどめを刺さずに背を向けた時、天内が背後から攻撃をしかけ、独歩は危ういところで難を逃れる。
 ここで、「勝負あり」もなく背を向ける独歩はちょっと油断しすぎと言う気がします。しかし、夏恵さんと克巳が不安に思うのはちょっと変では無いでしょうか?
 戦闘力と言うのは単純比較できるものでは無いのですが、独歩と天内の実力はほぼ互角かむしろ独歩がやや強いぐらいだと思います。
 ですから、むしろ2人が感じている不安は天内が原因と言うよりは、この闘いを見て血がたぎり暴れたくてウズウズしているある人物による物なのかもしれません。

 それはともかく、復活した天内は恐るべき読みで独歩の攻撃を読み、再び独歩に組みつき独歩の左膝を破壊する。
 だが、独歩がとどめを刺さなかったように天内も独歩の膝を破壊するにとどまった。
 天内が血涙を流しながらも立ったように、独歩も左膝を破壊されながらも立ち上がる。
 ところで血の涙は流していても「血涙」と言う単語はNGになっています。昔アニメの「キン肉マン」でラーメンマンが血の涙を流すシーンがNGになっていたのですが、血涙は何がなんでもNGなんでしょうか?

 あくまで闘おうとする独歩を前に天内は自分の勝利を御老公や観客に訴える。
 自分は頭蓋の縫合を外されても闘っていたくせに、相手が戦う意思を見せると自分の勝ちを主張すると言う思想はどう考えても自分勝手なものです。
 その辺が甘いと言うか、読みが甘いと言うか、どうもイケていません。
 今週の天内は先週までの偽善的な態度がほとんど無くて、先週までの演出は何だったのか、よくわからないのですが。
 とにかく同意する人も無いままアピールを続ける天内に怒りをぶつけたのは、闘争を何よりも欲する男・勇次郎だった。
 勝利を哀願する天内を「腑抜け」と断じ無残に破壊する。
 ここでは、原作通り「この」を入れて欲しかったところですが、久々に爆発した勇次郎が迫力満点だったので、まあ良しとしましょう。
 特に乱入してきた勇次郎に対し刃牙が「闘争に最も必要なものってなんだい?」と問いかけるのに対し「考えたこともねェ」と返すシーンは、勇次郎が答える時だけBGMが消えると言う音の演出も冴えていて見事に原作の緊迫感を出しています。

 勝ち残った選手の9人掛けを申し出る勇次郎に対し、鎬紅葉が敗退した選手から有望な9人を選び勇次郎を止めようとする!
 果たして、この悪鬼を止める事が出来るのか!?
 次回次回 「揃い踏み」へ。

 ちなみに、この9人のメンバーにほとんど無傷にもかかわらず呼ばれなかったマイク・クインは相当ヘッポコなんでしょうね、やっぱり。


おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)

範馬刃牙  菊地 正美
範馬勇次郎 乃村 健次
愚地独歩  麦人
愚地克巳  藤原 啓司
愚地夏恵  水原リン
天内 悠  高塚 正也
鎬 紅葉  宮本 充
加藤清澄  室園 丈裕
末堂 厚  永野 善一
本部以蔵  小室 正幸
徳川光成  楠見 尚巳
松本梢江  小島 幸子
朱沢江珠  日野由利加
朱沢鋭一  真殿光昭
審 判   山野井 仁
アナウンサー 清水 敏考

脚本   田中 哲生
演出   岩崎 太郎
作画監督 宗崎 暢芳

 今回は作画も動きも良く、なおかつ脚本や演出にも光る部分がありかなりハイレベルな回となっていました。天内がジャンプした時はひねりも加えて欲しかったと言うような、細かい不満は有りますが、それでも見ごたえの有る回です。
 刃牙の残酷シーン10選があればランキングされるであろう天内破壊劇は簡単に処理していますが、それは相変わらずの地上波アニメの宿命ですね。

 ただ、予告編でもう鎬昂昇と渋川先生を見せちゃっているのは気が早いような気がしますが…。
 新シリーズになってからの予告は視聴者に余り期待(または誤解)させないと言うものになっている気がします。視聴者全員が原作を読んでいるわけではないんですから、もう少し展開が読めないような予告にしても良いと思うのですが…
by とら


2001年10月16日(火)
第13話 揃い踏み(第37回)

 ついに動き出した地上最強の生物・範馬勇次郎!

「負け犬どもがハネッ返りおって………」

 負け組み9人を前にしても臆すどころか、怒りを募らせます。

 先陣を切って攻撃を仕掛ける李猛虎を、お株を奪うカカト落しで撃沈する。
 と、ここで今回の作画が妙な事に気がつきます。なんか、線が少ないと言うか簡単にかかれていると言うか…。
 李猛虎が叩きつけられるシーンなど動きに関してはかなりいい感じに動いていたんですけど、肝心の絵の方がちょっと…。
 次に、世界チャンピオン、イアン・マクレガーが突っかける、が勇次郎はそれをボクシングで撃破する。
 そして、お客さん喜びすぎ…。やっぱり、彼らは人間性が足りません。

 ここで原作だとロジャー・ハーロンの顔面に拳がめり込むのだが、アニメでは勇次郎がそれぞれの得意ジャンルで相手を圧倒すると言う部分を強調したかったのか、アニメではクラッチしてから投げ飛ばす。
 受身もとれず、胸から無様に地面に落下するハーロン…。しかし、これだけでダウンしてしまうとは、あまりにも打たれ弱いッッ!
 何を喰って育ったら、あんなに打たれ弱く育つんだ??


 と、思う間もなく、フィルスの拳を頭突きで破壊し、金的蹴りで宙に舞わせる。きりもみ1回ひねりと言う高等技術で芸術点も高そうだ。
 お次は、柔道の畑中です。一本背負いを力で止めて、後ろから抱え上げる。ここで、原作通り「オシッコポーズ」をさせて、お客さんに涙を流すほど笑われると言う最高級の恥辱プレイをするのかと心配したのですが、そこはカットでした。
 でも、投げ飛ばす直前にやろうかどうか考えていたのか、ちょっとタメが入っていてドキドキ物でした。
 そして、金竜山もなんとなく作画で損をしているような印象を与えつつ脊髄損傷で敗れる。
 ロブは、彼らしく5秒で退場でした。相変わらず、いいヤラれっぷりです。猪狩の時も、勇次郎の時も、第二部に奇跡の復活を遂げた時も…、実質1週以上持たない即死っぷりです。
 刃牙の登場人物の中で3度も瞬殺された人はロブ・ロビンソンぐらいではないでしょうか。
 さらに克巳と名試合を演じたイスタス グスタフもフロントネックを決められる。なんとなくタップの仕方がのんびりしていて余裕を感じられるのですが、アナウンサーが「グスタフたまらずタップ、しかし勇次郎にそんなルールは通用しない!」と実に客観的かつ他人行儀にアナウンスをいれてくれているせいで、そう見えてしまうのかもしれません。

 そして、あっと言う間に一人になってしまった鎬紅葉でした。
 紅葉に対しては勇次郎も興味津々のようで「そそられていた」舌を盛大に伸ばして文字通りの舌なめずりをする。
 こんな事をされてしまうと、一応美形格闘家の紅葉は色々な意味で我が身を案じなくてはなりません。
 そんな紅葉のピンチを救ったのは、弟の鎬昂昇であった。
 居合術の黒川さんもかわせなかった勇次郎の振り向き様の裏拳を見事にかわして見せ、確実に成長をしている所を印象付ける。
 鎬昂昇のこのシーンが私は好きなのですが、残念ながらアニメではその迫力が半減しています。これは今回の作画全般に言えることなのですが、動かそうとしていることは凄いのですが(舌なめずりも凄く効果的でした)、作画のデッサン力がそれに追いついていないと言う気がします。

 そこへ抜け駆けは許さぬと、勝ち残った9人が揃い踏み!
 9人の戦士それぞれが勇次郎への闘志をたぎらせる!
 その態度に勇次郎は血管ピクピク状態で激昂する。(ただし、絵はイマイチ)

 が、激闘は始まらなかった。戦いを止めたのは銃弾だった。御老公が密かに準備させていた腕っこきのハンターによる銃撃だった。
 このシーンはちょっと何ですね。勇次郎の動きが素早くて銃弾が当たらないかもしれないから、先にネットをかぶせそこに銃撃を加えると言うのが手順なんですけど、銃弾を先に当ててからネットをかぶせて、さらに銃撃と言うメチャクチャな順番なんですよね。
 撃たれた後の勇次郎の反応も悪いし、これでは負け組み8人潰しで上げた勇次郎の株がまた下がってしまいます。
 原作でも勇次郎がここで銃に勝てなかった事から銃を持った人間こそが最強と言う説が残るハメになっています。アニメ版のこの表現はやっぱり銃には勝てないと言う印象を強く残す事になりそうです。
 ちなみに、渋川剛気のモデルである塩田剛三先生の著書「合気道 修行」には塩田先生の師である植芝盛平先生が25メートルの距離から6丁のピストルで撃たれてもかわす事ができたと言う話が載っています。ですが、猟師の名人が挑戦してきたときは、最初から当たるつもりで撃とうとしている鉄砲はよけられないと言って負けを認めたそうです。
 つまり、勇次郎と言えども腕っこきのハンターに狙われては勝ちが危ういと言うことなのでしょう。
 ただ、今回の様に油断しきっていなければ、鉄砲に狙われるような場所に無防備な姿をさらしたりはしないでしょうし、十分に対処できるものと思います。
 ベトナム戦争の経験者である勇次郎はスナイパーの恐ろしさと対処法を十分に理解しているはずですから。
 まあ、刃牙がズールに負けたのは範馬の血に流れる「油断」と言う遺伝による所が大きかったのではないかと思いつつ、範馬勇次郎は退場する。

 そして、試合は再開し、鎬昂昇vs渋川剛気の、空手vs柔術の古武道対決だッ!

 と、ここでアイキャッチ、CMへ。今回の新CMはグラップラー刃牙メンコ…。TUTAYAさん、そんなモン独占販売せんでも…(^_^;


 さて、CM開けはとぼけたおじいちゃんっぷりをいかんなく発揮する渋川さん。

「試合中の小便はありかな?」
「あの、それは、ちょっと…」


 と、オリジナルの台詞で審判を困らせる始末です。
 しかし、試合中の小便はダメですか。
 この台詞は失禁が多いこの作品に対する批判でしょうか? となると、決勝戦での壮絶なあのシーンはやっぱりNGと言うか、刃牙の反則負けになっちゃうのか??
 などと、視聴者もすでに達人の術中にはまってしまいます。

 一方、試合を見ている加藤は達人の実力に疑問を持っています。
「1回戦の相手が油断しただけじゃねェのか?」
 などと言っていますが、これもロジャー・ハーロンが勇次郎の投げ一発でダウンさせられてしまったせいでしょうか。
 そこに現われたのが、本部以蔵です。すでに渋川先生の眼鏡持ちをして、ご機嫌取りをしているようです。

 そして、1番戸惑っているのが対戦者である鎬昂昇であった。試合が始まり、華麗なフットワークを使うもののまるで自分が操られているような感覚を味わっています。
 こう言う場合は焦って動いては圧倒的に不利なので、じっくりと構えるべきなのですが若さが邪魔したのか、昂昇の取った行動とは…
「ならば、それに乗ってみるか」
 と、自ら術中にはまってみます。

 そして、案の定、翻弄されっぱなし。

「空手の弱点って物を知り尽くしているんだ。油断ならねェ、ジジィだぜ」

 と、それを見て、預かっているはずの眼鏡を弄びながら、暴言を吐く本部さん。老人は肝心な話は耳が遠くて聞こえないくせに悪口は100m先からでも聞き取ると言う伝説があるのですが、あとで叱られたりしないでしょうか。

 渋川剛気の恐るべき能力に、鎬昂昇も敬老精神を捨て、兄弟には使えぬ技を解禁する。

 古流殺法・眼底砕き!

 もはや伝説と言ってもいいほどの壮絶な殴り合いとなったK−1でのレイ・セフォー vs マーク・ハント戦でもレイ・セフォーは眼底骨折をしたそうで、やはり眼底は骨折しやすいようです。

 しかし、とうの昔に義眼じゃた渋川剛気には眼底砕きは通用せず、必殺の投げをまともに喰らい鎬昂昇は敗れてしまう。

 義眼だったから効かなかったと言うのも微妙なところなのですが、その後の渋川さんは幻覚を見たと言う噂もありますし、実はこれで脳に障害を受けていたりして…。

 こうして、2回戦も終了し、ガーランドの正式参戦と独歩の勝利が確定し、準々決勝が始まる!

 だが、ここで刃牙の対戦相手である猪狩が「勝ちを譲ってくれ」と問題発言をする…。果たして、その真意とはッ!?
 次回 「プロレス勝負!」へ。


おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)

範馬刃牙  菊地 正美
範馬勇次郎 乃村 健次
愚地独歩  麦人
加藤清澄  室園 丈裕
渋川剛気  中 博史
徳川光成  楠見 尚巳
鎬 紅葉  宮本 充
鎬 昂昇   中田 和宏
猪狩完至 大川 透
本部以蔵  小室 正幸
金竜山  川村 拓央
畑中公平  平川 大輔
アンドレアノ・ガーランド 柳沢栄治
イアン・マクレガー 小形 満
李 猛虎   永野 善一
リチャード・フィルス 中田 雅之
アナウンサー 清水 敏考
審 判   山野井 仁

脚本   山田 靖智
演出   吉川 浩司
絵コンテ 吉川 浩司
作画監督 井上 哲

 今回は、上でも何度も書きましたが、ちょっと絵が…。
 動きは中々良かったんですけどね。

 それと、達人・渋川剛気はもう少しハジけた感じにやってもらいたかったです。まあ、本番は次の、vs独歩の達人対決なんですけどね。

 次回予告の絵を見て、凄く不安が…。また、外注でしょうか??
 猪狩が号泣するこの回こそ、佐藤 雅将さんに作画監督を担当していただきたいものです。
 それは、小便禁止だけど大丈夫なの?な回までお預けなんでしょうか?
by とら


2001年10月23日(火)
第14話 プロレス勝負!(第38回)

 冒頭から猪狩の哀願を刃牙は受ける。土下座までして刃牙に勝たせてくれと迫る猪狩。
 並の男がやれば情けないだけの土下座も猪狩がやれば一つの技とすら思える美しさ(?)です。後で猪狩はまた土下座する事になるんですけど、それはまた別の話…
 脚本家さんが猪狩に気を使ったのか、自分の年齢の3分の1程度しか生きていない刃牙に「刃牙さん」とさん付けして号泣すると言う原作のシーンはカットされています。
 でも、これでは猪狩の勝利に対する執念が表現しきれておらず、中途ハンパな悪人に見えてしまうのが残念です。

 試合が始まり、猪狩はいきなりノーモーションの脳天蹴りで刃牙に奇襲をかける。絵をケチったのではないかと思わせるほどのいきなりの延髄蹴りに、最初のうちはどんな技か分かりませんでした。

 しかし、その奇襲も刃牙にはダメージ無し。
 攻撃もロクにできない自分に攻撃をするのかと猪狩に責められた刃牙は一瞬左足のテーピングが消えてしまうほど強力な延髄蹴りで返答する。
 さらに攻めたてる刃牙に猪狩は刃牙だけに聞こえるようにギブアップをして油断を誘い、金的蹴りで逆襲する。
 格闘漫画数あれど、これほど金的を蹴ったり蹴られたりする主人公も珍しいでしょう。
 人の玉は潰すくせに自分の玉は潰れない驚異のタフネスは主人公の証です。
 そして、この金的を足がかりに自分のペースに猪狩は持ち込んで行く。
 今までとはまるで違った実力を見せる猪狩に、加藤も「野郎ハッタリかましてやがったのか。汚ねェぜ」と非難を浴びせる。
 野良犬空手家で武器の使用も辞さ無い加藤が、猪狩の事を汚いと言うのも変ですが、この台詞はアニメオリジナルの台詞なので、前半の卑屈な振る舞いを省いたので「汚い」と言う事で釣り合いを取っているのかも知れません。

 力技だけではなく、ヒザ抜けを使用し、相手の手足をマヒさせるパンチを打ち込むなどテクニシャンな所も発揮する。
 さらに見せつけるのはプロレスラーとしての打たれる覚悟からくる驚異のタフネスにより刃牙の攻撃もしのぎ切る。

 ちなみに猪狩が使用したヒザ抜けに対し渋川先生が「柔を使いよるか」と言っています。江戸時代の頃は柔術の総称として「やわら」と言っていたそうですから、柔術系の相手のバランスを崩しコントロールする技術を猪狩が身につけていると言う事なのでしょう。
 最初は卑怯に見せておいて、こう言う所で秘めた実力を見せると言う展開は猪狩の凄みを見せる展開となっていて、猪狩に悪印象を持っていた人もその実力を認める事になるでしょう。

 が攻めこまれ、ピンチと思われていた刃牙も格闘家としての武器で逆襲を狙う。

 と、ここで前半終了。

 後半は刃牙が猪狩が覚悟する間も与えず一気に攻めたてる事で逆転を狙う。
 しかし、猪狩にはその戦力差を補う人間力と言う武器があった。
 今まで控えていた久隅に合図を出す猪狩、そして出て来たのは、
 …………………誰?

 声は江珠さんの様ですが、顔が似ていない…。
 とりあえず花山さんも驚いてみますが、刃牙もすぐに気がつく「違う!」と。
 だが、そのスキを見逃す猪狩では無かった。ドロップキックから卍固め。数ある猪狩の必殺技の中でもベストを上げるのならば、これ卍固めだッ!
 自分の愛人に特殊メイキャップを施してまで作り上げた必殺のチャンスを生かすべく、刃牙を締め上げる。
 ヨダレをたらし悶えていたはずの刃牙は、あっさりと卍固めから脱出してします。
 ここで過去の回想シーンが流れますがやっぱり本物の江珠さんは美人ですね…。それと悪鬼勇次郎はちょっとやり過ぎ…。あの姿は地上最強の生物かもしれませんが、人間ではありません

 母の姿を見る事で己の闘う意義を再確認した刃牙は猪狩に対しプロレス勝負を挑む
 新コブラ、一歩足4の字、新卍と多彩な技で猪狩を攻めたて、刃牙は観客の心も猪狩の愛人の心もつかみ取る

 勝利を掴むためにあらゆる物をかけ、そして全てを失う。全てを無くした猪狩はおそらく本来の自分に戻ったのだろう。
「もうなにもいらん」
 と独白し(もっと雄々しく言って欲しかった…)、修行時代を思い起こす猪狩がしかけた技は最初に習ったプロレス技、ヘッドロック!

 全ての策略を捨て去り、自分自身の肉体だけで闘う猪狩の姿は本物の強さと美しさを持っていた。
 刃牙はそんな猪狩に敬意を込めて最後の技をしかけ止めを刺すのだった。

 刃牙の勝利で次回「悲運! 音速拳」へ続く。


おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)

範馬刃牙 菊地 正美
愚地独歩 麦人
加藤清澄 室園 丈裕
徳川光成 楠見 尚巳
猪狩完至 大川 透
マウント斗羽 島香 裕
久 隅  永野 善一
渋川剛気 中 博史
ニセ朱沢江珠 日野由利加
アナウンサー 清水 敏考
審 判   山野井 仁

脚本   あべけん
演出   上野 史博
絵コンテ 上條 修
作画監督 崔 慶硝

 今回の作画はまた海外発注でした。いつもの崔 景石さんではなく、崔 慶硝さんと言う方(身内の方でしょうか?)だったのでまた微妙に絵が違っていました。なんと言うか目がかわいいと言うか…。刃牙や加藤だけではなく斗羽さんまでなんかつぶらな瞳でした。
 ちょっと、動きや絵は気になる部分があったんですけど、まあ、中だるみの回なんでしょうね…。
 妙にイケてない梢江ちゃんはある意味原作に忠実なのかもしれませんが。

 今回はプロレスが絡むと演出が偏ると言う新・アニ刃牙の特徴が非常によく出ている回でした。
 原作では柵にふってラリアットと言うシーンでもドロップキックに変更されていたりフィニッシュホールドが「幻の大技アントニオ・ドライバー」になっていたりとプロレスファンは大喜びなのかもしれません。私自身はそれほどファンと言うわけでは無いのでよくわから無い技だなぁと言う印象しかありませんでしたが…
 ですから、こう言う変更点に猪狩と金竜山の語らいのシーンを削ってまで入れる価値があったのかどうかも判断しかねます。

 それと毎度説明過剰なアナウンサーと、必要なときに黙っていて喋らなくて言い時に喋る加藤がちょっと気になりました。
 クライマックスのヘッドロックのシーンで「猪狩まだあきらめない」とアナウンスを入れる必要性があったのかどうか。

 空手家の加藤に「ヘッドロックなんてつなぎの技…」「格闘士烈伝」からの引用を思わせる台詞を、皆が息を飲んで見守っているはずのシーンに言わせる必要があったのか。
 私はどちらにも必要性を感じません。
 この作品はなんでタメであるべきシーンに過剰に声やBGMを入れたがるのでしょうか。しかも、BGMは種類が少ないし…。新曲を作って欲しいものです。

 もう一つ毎度の事なのですが、盛り上がりや期待と言う事を何も考えていないような次回予告の作りも何とかしてもらいたいものです。
 今回なんて、次回を見なくても克巳が負けるのもガーレンの意外な対戦相手も全て分かってしまいます。

 そう言えば、次回から今刃を書き始めた時に追いつきます。
 当時は今ほど突っ込んで書いていないので、今読むと味気ないですね(^^;

 ところで、刃牙に勝ちを譲ってくれと哀願する猪狩に「そうやって決勝まで登るつもりかよ」と言っていますが、猪狩の事ですし対烈用には劉海王の偽者、対ジャックには母親の偽者、対渋川にはおかーちゃん、を用意して決勝まで登る気だったに違いありません。
 金竜山の親方と独歩の奥さん夏恵さんは先に本物が姿を現してしまったので偽者を出すタイミングを逃し不発に終わっているようですが…。
by とら


2001年10月30日(火)
第15話 悲運! 音速拳(第39回)

 握撃に傷ついた右足と折れた肋骨を抱える愚地克巳だが、その表情には余裕が見える。
 その余裕は激戦だった花山との闘いに勝ちぬき生き残った自信がそうさせているのだろう。そして、自信だけでは無く限界を超えた闘いをした事で確実にレベルアップしているようだ。師である独歩も克巳が負けたなら看板を下ろそうと言い、克巳の背中を見て「いい背中見せやがる」と感心する。
「お前ら、任せときな」
 と、頼もしいセリフで克巳は加藤と末堂を振り返る。
 ここでサブタイトル「悲運! 音速拳」が出て来る…。いきなりオチ言ってどうするよ…。
 そして、ここで独歩がはじめて克巳と出会った時の事を回想する。原作では心技体、全てに置いて天才と言う克巳の早熟さを描いていましたがアニメでは時間の都合上、心と体のみを簡単に描いているようです。
 ちなみに暴れるライオンを克巳が静められなかったら、銃を持ってくるよりも早く独歩が飛び出し撲殺した事でしょう。そうなっていたら独歩の異名は「虎殺し」ではなく「獅子殺し」か「獅子喰い愚地」になっていたのかもしれません。
 その天才・愚地克巳は拳雄・烈海王に対し初っ端から全力で挑む。大きくスタンスを取る構えは音速を超える正拳・マッハ突きの構えだ。
 あらゆる攻撃にカウンターが取れるとされるマッハ突きの構えのまま、じりじりと克巳は間合いを詰める。
 それに対し烈は己の肺に最大限の空気を溜めこみ上半身を膨らませる。
「へっ、もう間合いだぜ」
 と、烈の不気味な動きに対しても余裕を捨てない克巳であったが、極限まで溜めた息を吹きつける烈海王の見えない目潰しに一瞬視界を奪われスキを作ってしまう。
 そのスキを逃さず、克巳に迫る烈海王。
 たまらず、正拳を撃ち込む克巳だったが、烈のカウンターに逆に返される。闘技場の柵を超えて吹っ飛ぶ克巳。
 ここで烈の強さ、――――中国拳法の強さのエピソードが披露される。
 2部に登場するドリアンもこっそり友情出演し、岩を素手で球体に削り上げると言う打岩が披露される。
 原作では、烈の打岩エピソード → 克巳の過去 → 克巳に空手の歴史を託す → 試合と言う順番だったのを、アニメでは克巳に空手の歴史を託す → 克巳の過去 → 試合 → 烈の打岩エピソードと替えています。
 原作では互いの天才性をアピールし壮絶な試合を予想させた上で、一撃で決着させ、以外性を強調しています。
 烈vs克巳戦をベストバトルに上げる人はあまりいませんが、試合前の盛り上がり方から壮絶な決着と言うストーリーの流れは名試合と言うにふさわしいと思います。
 それに対して、アニメ版では烈の強さを隠し、克巳有利と見せて烈の予想外の実力をアピールしているという印象を受けました。
 次に対戦する刃牙のために烈の強さを再確認させようと言う考えでしょうか。
 意図はともかく、なんとなく新鮮なストーリー展開と言う気がしました。
 でも、烈の見えない目潰しの原理が全く説明されていないのはかなり不自然と言う気がします。
 ガイアの使用した近代傭兵格闘術も中国拳法はとっくに通過済みと言う可能性もある技だったんですけど、最近から見始めた人のためにあまり過去のネタにはこだわらないようにしたのかもしれません。
 それと、間合いに入ってから目潰しと言うのも何か違うと言う気がするんですけど…。  克巳が敗れて、Bブロックからの進出者は烈海王に決定!
 前半終了です。
 そういえば、準決勝か終わったら勝者が誰もいないブロックができちゃうんですけど、アイキャッチも変更するんでしょうか?

 後半戦はスペシャルマッチ!
 闘っていないガーランドが闘わせると主張した事から、試合が組まれます。
 相手は……、アナコンダ!
 数々の動物と闘ってきたグラップラー刃牙ですがついに爬虫類も闘いの場に呼び出します。
 ヘビを相手にレスリングをするガーランドですが、普通の人ならこう言う試合はバカにされているのかと思って怒るのでは無いかと思うのですが…。冷や汗はかいたりするものの楽しげに闘っているので、やっぱりこの人は闘争が好きなんでしょうね。
 一応アマレスの技で闘っていたガーランドですが、やっぱり手も足も出ないヤツが相手だけにまともに戦うのがつらくなったのか、殴る蹴るとアマレスではない闘いで勝負をつけます。
 ここで今度はガーレンの強さが回想されます。
 ネット界では結構人気のあるマコエフ君も登場しガーランドの天然の強さを紹介します。
 ところでこのマコエフ君は微妙に外国語鈍りっぽい喋り方をするのですが、これも演出でしょうか?

 一方、ガーランドの対戦相手のジャックは今回もドーピングに余念がありません。薬をがぶ飲みして舌舐めずりする所は2度目だったのであまり新鮮味がありませんが、相変わらず不気味な感じです。
 小坊主も走って逃げ出すほどの血管が浮き出た姿で、ジャックは明日を捨て闘いに望みます。
 やっぱり今回も失禁はNGのようです。今後出て来るであろう名失禁シーンもカットされると言う事なんでしょうか。ちょっと寂しいです。

 試合が始まり、ジャックとガーランドはぶつかり合います。
 一方的に攻めるガーランドに対しジャックは危険な光を目に宿し、なにかを企んでいるようで…、と言う所で次回に続く。
 次回は「明日を捨てた男」だ!


おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)

範馬刃牙 菊地 正美
愚地独歩 麦人
愚地克巳 藤原 啓司
加藤清澄 室園 丈裕
ジャック・ハンマー 坂口 候一
烈海王  安井 邦彦
本部以蔵 小室 正幸
アンドレアノ・ガーランド 柳沢栄治
マコエフ 高塚 正也
徳川光成 楠見 尚巳
老僧侶  小形 満
少年時代の克巳 前川 優子
審 判   山野井 仁
アナウンサー 清水 敏考

脚本   田中 哲生
演出   木宮 茂
作画監督 原田 峰文

 今回は原田峰文さんが作画監督だったので絵がきれいでした。特に、やっと男前に描いてもらった烈海王が見れてかなり嬉しかったです。
 ただ、前回同様に止め絵を多用すると言う演出傾向があって動きを楽しむと言う点では少し不満が出てきちゃいます。
 それと、絵が足りていないのかアナウンサーのアップを多用(しかも絵を使い回して)しているのが気になりました。
 相変わらず説明多加なアナウンサーの喋りもあって、今回は一際アナウンサーが存在感をアピールしています。こればっかりは、勘弁してもらいたいんです。

 次回予告は割りと期待を持たせる仕上がりになっていて、中々良さげです。絵に関しては独特な影のつけ方をしている気がするのですが、どなたが担当しているのでしょうか…。
by とら


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