今週のグラップラー刃牙(アニメ版)
第16話〜第20話

幼年編+少年王者編 第1話〜 第6話〜 第11話〜 第16話〜 第21話〜最終話
最大トーナメント編 第1話〜 第6話〜 第11話〜 第16話〜 第21話〜最終話
ラスト・アニメ刃牙→

2001年4月24日(火)
第16話 聖地への道

 今回から地下闘技場に話が移るのでオープニングが変わっている事を期待していたのですが、前回と同じでした。
 まあ、正確な意味での地下闘技場編(少年王者編)は次回から始まるので、今回はまだお預けと言うことなんでしょうね。

 煙管をふかし登場するは徳川光成。水戸黄門の子孫に当たるお方です。
 それに対峙するのは、燃える闘魂アントニオ猪狩です。
 地上最強の生物・範馬勇次郎の息子である刃牙の噂話を猪狩がはじめます。ユリーや花山との闘い(ちょっと情報が錯乱しているようですが ^_^)。勇次郎と立ち会ったと言う噂…、そして現在の刃牙は、日本を飛び出していると語られます。

 範馬刃牙・15歳、アメリカに立つ!
 やはり、そこでも数々のバトルを繰り広げる刃牙でした。缶コーラーを振って炭酸を抜いて飲む刃牙、捨て犬・ムサシとの出会い、そして、より強者を求めブラジルへ。
 そこには、ディックソンがいる!700戦無敗の男、だが刃牙の前に姿をあらわしたディックソンは車椅子に座るほどの大怪我をしていた。
 ここで、ディックソン(原作より「ッ」が多いですね?)が、東京の地下闘技場にて敗れ去った事を語る。その回想に出てくる手足は、レスリングシューズをはいている事からレスラーの可能性が高いです。
 かつてディクソンの対戦相手が誰だったのかと言う疑問が出た時に、刃牙研究者の第一人者である杉山雅俊氏によってアントニオ猪狩の地下格闘技場・引退試合の相手がディクソンだったのではないかと言う論説が展開された事がありました。
 このアニメの展開を見ると猪狩は不自然なまでに刃牙のブラジルでの動向を詳しく知っており、来日のタイミングまでぴったりと合っています。
 もし、猪狩がディクソンと闘ったのだとしたら、その闘いを通じ芽生えた絆からディクソンが猪狩に連絡をしたと言う可能性は非常に高いものと推測されます。アニメ版と原作では設定が微妙に違うと思いますが、この流れはディクソンを倒したのは猪狩ではないかと言う説に新たなる説得力を与えるものではないかと思われます。

 一方、徳川さんを守るのは警備隊長・加納秀明であった。
 ご老公の前で互いに気を吐く、猪狩と加納。2人の間がピリピリしているのは不穏な空気が流れていたからであった。
 そう、範馬刃牙はすぐそこにいる。
 ちなみに、飛騨の山の長老に挨拶に行っている刃牙は中々微笑ましいですね。

 アイキャッチも相変わらずですが、これも次回から変わるのでしょう。

 そして、刃牙が来た! 止めるのであれば、猪狩でさえもぶちのめして進むと言い放つ刃牙の気迫に猪狩も将来が楽しみに思ったのか、道を空けます。

 徳川邸に進入するとたちまち現われる黒服の警備隊たち。それらを片っ端から刃牙は倒して行きます。全員を倒したと思った瞬間、刃牙の背後に立ったのは警備隊長・加納秀明だった。世界中から集めても50人に満たないと言われる正ファイターの1人・加納秀明。後々わかるのですが、なぜ、そんなに大口が叩けて猪狩に対してえらそうにできるんだ、加納秀明!?
 彼も存在と言うかポジションが微妙に謎です。
 地下闘技場の歴史を説明しながら、刃牙と闘い。刃牙の言動になぜかシンクロして頷く徳川さんをカットに入れつつ、刃牙の必殺の攻撃に敗れ去る。

 ちなみに刃牙が放ったこの技は、作家・夢枕獏先生と刃牙の原作者・板垣恵介先生が互いのアイデアを合わせて合作した技でして、夢枕先生の小説「餓狼伝」や「キマイラ」シリーズにも登場します。
 関節と打撃を組み合わせた強力無比な必殺技なんですよ、これは。

 そして、地下闘技場への挑戦券を手に入れた刃牙は、新たなる闘いを迎える事になる。
 次回、「集結」に続く!

 次回予告に愚地独歩や加藤清澄の姿が見えていました。ファンにとっては失禁モノの人気キャラクターの登場ですね。見えたシーンから判断するに、かなり話を端折ってしまいそうなんですが、まあそれはしかたが無いかもしれません。


おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)

範馬刃牙   菊地正美
徳川光成   楠見尚巳
アントニオ猪狩 大川透
加納秀明   小野健一
ディックソン 北川勝博
ディックソンの執事 柳沢栄治
レスラー   永野善一
格闘家    清水敏考
ストリートファイトの男 中田雅之
ムサシ    藤本隆行

脚本 十川 誠志
演出   横川 広行
作画監督 栗井 重紀

 さり気なく、初登場の声優さんは一人もいないというのが今回のキャスティングです。
 まず、御老公・徳川光成は幼年編で刃牙を見守りつづけた木戸刑事役の楠見尚巳さん。父親的な視点で刃牙を暖かく見つめる演技が期待できます。
 猪狩には、巨漢の傭兵・倉石を演じた大川透さん。杉山雅俊氏の指摘によると倉石 → くらいし → クライシ → グレイシーで倉石のモデルは「ヒクソン・グレイシー」と言う事だそうですが、今回登場したディックソンも明らかにモデルは「ヒクソン・グレイシー」です。ブラジルつながりで、もしかすると闘った事があるかもしれない猪狩とディックソンの2人ですが、変なところで変な縁があるようですね。
 花山役の中田雅之さんがチョイ役で出ています。これは中田さんがなにかの役で続投すると言う可能性を示しているのではないでしょうか。中田さんのやりそうな役と言うと、アレですか、実戦を追求してヤクザの用心棒をやってしまう空手家…。当たっていて欲しいような欲しくないような…
 で、独歩の声を誰が当てるのかと言う問題もあるのですが、今までのメンバーからの続投であるのならば、栗谷川さんを演じた小室正幸さんか、安藤さん(ディックソンも)を演じた北川勝博さんなどが適任と言う気がします。
 ま、どっちにしろ来週のお楽しみですね。
by とら


2001年5月1日(火)
第17話 集結

 今回から正式に地下闘技場編! 真の意味での格闘士・刃牙はここから始まります!
 一見、前回と同じオープニングと思わせてさり気なくカットがいくつか変わっています。
 おそらく刃牙の部屋の地下にあると思われるトレーニングの機器に地下闘技場。これらのカットはオープニングのためのカットではなく本編のカットを持ってきているだけのような気がします。実際に、後で確認すると確かに本編に登場しているカットです。これはオープニングの作画が間に合わなかったのでしょうか?
 まあ、その辺は次回を見てのお楽しみですね。実際にオープニングが間に合っていないアニメって過去にも存在していますし(^^;

 それはさておき本編の開始です。
 人知れず草の中に眠る江珠さんの墓にを花山と木崎がれる。ウイスキーの首をねじ切る花山薫にしかできない荒業で酒を注ぐ。
「早いものですね、2代目。もう5年になりますか…」
 そう呟く木崎の台詞には深い意味があります。そう、祝・花山薫20歳!
 原作よりも1歳年上だ!
(そうなると刃牙も18歳?)

 これはつまり、晴れて飲酒解禁ッ!
 規制に縛られる事なく、堂々と酒を飲む事ができます。アニメスタッフの苦肉の策でしょうか(笑)
 すれ違いで花山に会う事はできませんでしたが刃牙も江珠の墓を訪れます。
「花山さんか…」
 首をねじ切ったウイスキービンとそれに刺した1輪の花がなければ「どこの酔っ払いがこんな事やりやがった、くぅらァッッ!」となりかねない状況です。
 そして、花山も地下闘技場に刃牙が現われていると言う噂を入手していた事がわかります。…刃牙君、友達には帰ってきた事をちゃんと教えておきましょうね(^^;

 一方舞台は変わって、実戦空手の総本山・神心会館へ!
「どぉ〜〜〜っぽぉ」
 と、前回に引き続いて、大はしゃぎの御老公・徳川光成さん。それを迎えるのは御老公のアイドル 武神・愚地独歩!
 高笑いする御老公とそれを受ける独歩のやり取りは、お互いただ者ではない、タヌキ同士の化かし合いの感もあり、絵の動きと声の演技が十分に楽しめます。
「あのなぁ、克巳君を地下に呼べんかのぉ」
「克巳を? アイツは今、アメリカに遠征中ですが。が、しかしなぜ克巳を?」
「いやなにオーガの倅とどっちが強いのかと思うての…」
 おそらく克巳がアメリカに行っている事など十分に承知している上で話を切り出し、独歩の関心を引く1番のキーワードを出すと言う御老公の超一流の話術です。いや、ここまで来るともはや謀略レベルの会話ですね。
 なお、ここで名前の出ている愚地克巳ですが、しばらく後に登場する人気キャラクターです。名前だけでも登場させてファンサービスという事でしょうか。しかし、克巳はアメリカに行っていたんですね。どうりで出てこない訳だ(笑)
「かつて地下で最強を誇ったお前さんの養子・克巳とオーガの倅が闘う姿を見たかったのだがのぅ。遠征中じゃ、しょうがないかのぅ」
「是非、会いたいものですな範馬刃牙に。後身に道を開かんとしてこの本部を立てた私ではありますが、あなたの元で闘ったあの日は1日足りとも忘れた事はありません。ましてオーガと聞いただけで震えが来ています」
 まんまと御老公の策略に乗って刃牙に興味を持った独歩さん。最初の頃は、後身に道を開かんとしていたのかも知れませんが、今では全国100万人の門下生を使っていざと言うときに役立てようと考えていたのかもしれません。
 ところで、御老公の台詞「かつて地下で最強を誇ったお前さんの養子・克巳」ですが、最強を誇ったのが独歩なのか克巳なのかわかりにくいですね(^_^;

 そんな話し合いの中に突如入ってきたのは金髪に髪を染めた巨漢の空手家・末堂厚! 原作では刃牙と闘ったりと見せ場のあった彼も、アニメでは活躍がかなり削られています。
 しかし、末堂が少々小さく見えるんですが…。設定上2mを超えているんですけど、彼は…
 ともかく末堂はかつての神心会門下生・加藤が帰ってきた事を伝えます。
 加藤清澄とは実戦を求めて神心会を飛び出しヤクザの世界に入った男である。
「神心会の名前を汚すことばかりしてきやがって!」
「へー、それは光栄の行ったり来たり…」

 激昂する末堂に対して、加藤はふざけた返事で返す。
 突進する末堂は加藤の腕を取りつつヒジ打ち、さらに取った左腕を手首→ヒジ→肩と極めながら落としていく!
 が、加藤は不利な体勢から、蹴りを繰り出し逆転する!
 この技の攻防は打撃から関節の見事な連携が美しく原作でも好きなシーンなのですが、それを見事に再現しています。
 ただ、原作では柔術家の技として出てきているので、空手家の末堂が使うにはやや不自然な気もします…。末堂らしからぬ技ですし、末堂が館長に助けを乞いに行くとは思えません。まあ、時間内に原作のエッセンスを詰めこもうとするとこう言う方法しかないんでしょうけど。
 実際に、細かい設定を気にしなければ、テンポの良い見事な演出になっています。
 地下闘技場の噂を聞いてやって来た加藤。
「うちの組の幹部会で話が出てよォ」
 と言っているのですが、加藤のいた組は花山組なんでしょうか?
 このシーンの直前に木崎が地下闘技場の事を話していただけに、そのタイミングが気になります。
 一方、強い男には目が無い御老公は加藤の事が大お気に入りの様だ。加藤に抱き着いて大喜びしています。
「なんだよ、ジジィ。もしかして、そっちの趣味かッ!?」
 と、これには無頼の加藤も冷や汗かいています。
 まあ、無理も無いですね、何しろ身長差のせいで御老公の頬が加藤の股間をグリグリしているんですから!(爆)
 これは堪らん。いろんな意味で。

 さて、帰宅した刃牙はトレーニングに余念がありません。
 そこに大家さんの娘・松本梢江嬢がムサシのご飯を届けてくれます。…と言うか、この松本梢江は私の知っている松本梢江では無いッ! ムリヤリ椅子に縛り付けてドーピングしたようなカスタマイズで美少女にされています。シャレになっていませんね、こりゃ。梢江ちゃん萌ェ!と言い出す人がいてもおかしくありません。…いや、おかしいか?
 ものぐさなムサシのために目の前にまでエサを持っていってあげる心優しい美少女にムサシも飼い主の刃牙以上に愛想を振り撒きます。
 一方、梢江ちゃんの母親・絹代さんも負けてはいません。
 トレーニングを終えて水浴びをしている刃牙にタオルを持っていってあげます。そして、背中をふきながら今は亡き夫、かつて地下格闘士であった夫の思い出話を語り始める。
 刃牙がこの家にすむ様になったのは、徳川さんから紹介されたと言う事のようです。原作で疑問視されていた刃牙と松本親子の関係は大方の予想通り地下闘技場戦士つながりだった様ですが、やはりこの辺の作りは凄く丁寧なものを感じます。
 しかし、女子高生には部屋に上がりこまれ、熟女に背中をふかれるなんて、ギャルゲーの様だ…。原作のときは梢江ちゃんの容貌のためあまり羨ましくなかったんですけど、アニメ版はちょっと羨ましいかも(爆)
 ちなみに、原作の絹代さんはいつも和服を着ている古風な女性に描かれていましたが、アニメでは現代風の美人になっています。

 そして、ここでアイキャッチ。絵は刃牙17歳バージョン!いや、18歳なのか?

 そして後半戦は、独歩と加藤の食事から始まります。
 個室でカニに舌鼓を打つ独歩と、手をつけない加藤。余裕ある態度の独歩に対して、尖りまくる加藤の二人の姿が対比されています。
「お前、アッチの世界じゃそれなりに名前を売ったらしいじゃねェか」
「言っとくが道場の10倍はスリリングだったぜ」
「そのスリルも、もう喰い飽きたか…」
 より激しい戦いを求める加藤と、その先を知っている独歩の会話には迫力があります。
「知ってるかい? 目玉に指突っ込むと生温ったけぇんだぜェ〜」
「んなことは、とっくの昔に知っとる」

 相手は違えど原作通りの台詞を吐く加藤と、そんな境地はとっくに通過済みの独歩の常人の闘争を超えた経験が語られる。しかし、加藤は釈迦に説法状態でちょっとカッコ悪い。
「俺と立ち会ってみるかい? 俺の空手はぴすとるの10倍はスリリングだぜ」
「いつやる」
「いつでも」

 そう言った瞬間、加藤はテーブルを蹴り上げそのままテーブル越しに蹴りを放った!

 必勝の笑みを浮かべる加藤、だが、その背後には無傷の独歩が立っている。
 独歩の気配に気がつきとっさに金的蹴りを繰り出す。
 コキャッ!
 金的に確実にヒットしたと思われたその一撃がなぜか効かない!
 コツカケ。睾丸を腹にしまいこむと言う沖縄唐手の技だ。
 こんなとんでもない技を使う連中がゴロゴロするのが地下闘技場! ルールは一切無しの喧嘩マッチ!
 戦慄のバトルへ加藤も足を踏み入れていく事になります。

 舞台は再び松本家へ、今日は珍しく刃牙も登校します。
 セーラー服だった原作とは違い梢江ちゃんの制服はブレザーになっています。アニメ版は制服にもこだわっている様です。梢江ちゃんを美少女に見せるチャンスがあれば、それを決して逃さないと言う姿勢を感じますね。
 そんな梢江ちゃんと(他人から見たら)いちゃつきながら登校する刃牙でした。
「おっはよ。朝からあんたたち危ないよ」
 と、友人(麻衣)に冷やかされたりもします。ちなみに、この素人丸出しの演技の声優は何者だろうと気になっていると、後にキャスティングで大笑いする事に…
 で、久しぶりに登校した学校も、掃除当番をサボって梢江ちゃんに怒られるなどとラブコメマンガのような事をしつつ、さっさとフケる刃牙でした。
 カバンを投げ塀を飛び越え、着地してから投げたカバンをナイスキャッチ! と、そこにリムジンがやってきて案内人の松雄さん登場。
 この一連のタイミングがバッチリで、見事なテンポを生み出しています。
 そして、刃牙はリムジンに乗込み、地下闘技場へ!

 今度は舞台は東京ドーム
 加藤を引き連れて独歩が登場します。それを迎えるのは御老公。よっぽど股間に頬をグリグリされたのが嫌だったのか、加藤は冷や汗だらだらです。
 そんな、加藤はさて置き、一行は東京ドーム地下6階へ。ここで加藤が東京ドームは地下2階のはずと天性の驚き&実況ぶりを発揮してくれます。
 そう、そこは御伽の国、格闘の聖地、地下闘技場なのだ!
「加藤、口を閉じろよ」
 さすがの加藤も文字通り開いた口がふさがらない地下闘技場、ここで刃牙の闘いが行われるのだ!

 さて、対戦前の刃牙といえば、オジヤにバナナと梅干、炭酸抜きコーラを飲んでエネルギー補充中です。
 相変わらずのいい飲みっぷりで、エネルギー効率のいい炭酸抜きコーラを飲み干します。
 ところで炭酸抜きコーラは、アメリカ系のマラソンランナーの一部が本当にも愛飲しているそうです。バナナとオジヤの即効性エネルギー補充食品を食べているかどうかは知りませんが(^^;

「この雰囲気、変わりませんなぁ。嵐の前の静けさ…」
 OBらしい感慨を持って闘いの始まりを待つ愚地独歩。
 そして…
「白虎の方角をご覧下さい。挑戦者、鎬昂昇の登場です!」
 まずは白虎(西)から挑戦者の危険な空手家・鎬昂昇の登場!
「飛んだ!」
 膝をほとんど曲げず、ふわりと浮き立つようなジャンプで闘技場の柵を飛び越える鎬昂昇!
 相変わらず、見事なリアクションでそれを称える(?)加藤!
 戦いはすでに始まっているッ!?

 更にアナウンスは続く!
「この地下闘技場の史上300年最も若く、もっともエキサイティングな王者の登場だ! 見よ! 青竜の方角!」
 我らがチャンピオン・範馬刃牙の登場だッ!


「見よ、独歩! あやつが範馬刃牙じゃ!」
「チャンピオン? ガキじゃねぇか?」
「あの少年…華を持っとる」

 遂に目にした、少年王者・範馬刃牙!

 それぞれの反応を示しつつも、地下闘技場の戦いの幕は開けようとします。

「武器の使用以外全てを認めますッ!」

 まさにルール無用!
 今、戦いの火蓋は切って落とされようとしているッ!

 次回、「紐切り」に続く!


おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)

範馬刃牙 菊地正美
愚地独歩 麦人
加藤清澄 室園丈裕
末堂厚  永野善一
徳川光成 楠見尚巳
松本梢江 小島幸子
松本絹代 日野由利加
松尾   小野健一
木崎   山野井仁
麻衣   青柳涼子
ムサシ  藤本隆行
アナウンサー 清水敏考

脚本   富岡 淳広
演出   日巻 裕二
作画監督 佐藤 雅将

 今回初登場の声優さんは美少女・梢江(笑)役の小島幸子さん。どうも洋画の吹き替えを中心に活躍されているようです。
 そして、愚地独歩役の麦人さん。渋い演技が光っています。やはり独歩の声は重低音であるべきですね。
 さらに、麻衣役で青柳涼子さんが声優初挑戦(?)。刃牙のオープニング、エンディングを歌っている彼女ですが、見事にしょっぱい演技を見せてくれました(^^;
 いや、本職で無い人の演技としては標準クラスだと思います。PSゲームの「ドキドキプリティーリーグ」に出演していた秋山久美さんの様に出ずっぱりで無いだけずっとマシです。

 今回のスタッフさんは名作「牙と絆」の演出&作画コンビですね。やっぱり、この人の作画の回はキャラクターが良く動きます。

 そして、次回は…予告の絵を見る限り、決着まで行きそうですね(^^;
 相変わらず、ハイテンポ。今回もコミックス2巻分+αも話が進んでいますし。
 しかし、今回の話は明らかに面白かった!
 次回も期待・です!
by とら


2001年5月8日(火)
第18話 紐切り

 トーキョードーム地下で密かに行われるルール無用のデスマッチ!
 最後に立つものは、チャンピオン・範馬刃牙か、挑戦者・鎬昂昇か!?

 刃牙の無事を祈るのか、大家の絹代さんが亡き夫の遺影に祈ります。
 そして、梢江ちゃんも梢江ちゃんで、心配をしているようです。
「夜遊びは不良の始まり…。あんなボーとしたヤツがグレる訳無いか」
 などと自分ツッコミをしていますが、刃牙ってとっくの昔にグレ切って今ではスッキリしちゃっているんですよね。
 さて、当事者である史上最年少の王者である範馬刃牙は地下闘技場で開始の合図を待っている。
 そこに、アナウンサーの解説が始まります。
「ルールは4つ、
 一つ、一切の武器の使用は認めぬものとする
 一つ、一切の怪我、損傷を負いたるも、これ、保証なきものとする
 一つ、一切の金品、賞の類、授与は認めぬものとする
 一つ、玉座に就きし者、その名は永遠に銘記されるものとする
 保証も賞金も無い、名誉と誇りだけを賭けた闘いであります」

 って、下の3つはルールとは言えないのでは? などと思いながらも、緊張が高まって行くッ!

「範馬くん、わたしが今どんなに興奮しているかわかるかい?
 まるで美女と一夜を共にする純情(うぶ)な少年のような心境さ。
 ハッキリ言うが、わたしは今日どんな技でも使用(つか)う気でいるよ」
「鎬さん、あなたが強いって事はわかる。でも、必殺技の一つや二つでこの闘技場で勝てるなんて思わないほうがいい。
 ここは地上最強を決める聖地だからね」
「どうやら、君もコードを切る必要があるようだ」
 え…、「君も」って「誰と」「同じ」って事なんでしょう??

 原作では直前にプロレスラーの「コード」を切っているんですけど、アニメではそのシーンは無いんですよね。
 この辺がちょっと残念です。
「まさか、紐切り鎬が地下闘技場(ここ)へ出場(でて)てくるとは…」
 空手の頂点を極めた漢・愚地独歩が解説をしてくれます。
「紐切り空手、偉大な伝統を持ちながらその危険さ故に今の時代では対戦相手に恵まれぬ悲劇の流派と聞きおよびます」
 アニメ版では、「紐切り空手」が一つの流派になっているようです。確かに、グローブを着けたり、顔面禁止のルールでは闘えない超危険な流派では対戦相手も見つからないでしょう。
 それだけ危険な空手家が鎬昂昇!
 そして、御老公が鎬をスカウトした時の話が披露されます。
 スペイン『サン・フェルミン祭』にて…、走り来る闘牛に一歩も引かず耳の後ろの急所へ抜き手を決めたのが鎬昂昇だったッ!
 ん、となると先ほどの「君もコードを切る必要があるようだ」に対する、かつてコードを切った相手は「牛」!
 つまり、刃牙は牛と同レベルに見られているッッ!
 刃牙は気がついていないかもしれませんが、恐るべき侮辱ですね、こりゃ。

 両手に刃物を持っているような恐怖心と警戒心の中向き合う二人だが、互いに心に鬼を飼う者同士、闘いへの欲求に勝てなくなったのはやはり刃牙ッ!
 セオリー無視のいきなりの飛び蹴りを繰り出す。
 しかし、刃物の様に鍛えぬかれた手刀と足刀で鎬が迎撃ッ! 見えにくいながらも出血しています。
「なんて切れ味だ!」
 きっちり加藤が驚き技の凄さを伝えてくれます。
 だが、刃牙も負けていません。正拳中段突きから一気にラッシュに持っていきます。
 刃牙有利と思われたその時、鎬の人差し指が刃牙の右上腕に突き刺さる。直に体内の神経を指で引き抜き、切る!
 これが、紐切りだッ!
 神経を切られ、刃牙の右腕が動かない。
 だが、百戦錬磨のタフネスを誇る刃牙は打たれながらも、鎬と互角の打ち合いに持ちこむ。
 この辺の攻防は原作とは多少アレンジしてよりアニメーション映えする展開になっています。蹴りを喰らってクルクル回る刃牙や、視点を回転させながらの打ち合い、など見所満載です。
 刃牙の飛び関節がカットされたのはその後の展開での関節技を印象付けるためでしょうか?
 その代償として鎬の「軸足を刈られても倒れない」と言う立って闘う空手家らしい表現が無くなっているのが少し残念です。

 全力で闘う事のできる喜びに身を震わす両者。そして、鎬昂昇は己の闘いの原点を回想する。
「俺の兄ちゃん、頭が良くて、喧嘩も強くて、優しくてカッコ良くて、俺、世界一尊敬しているんです。俺ももっともっと強くなりたいんです!」
 幼き日の昂昇はそして強くなる手段として紐切り空手を選び、「執念と情念と、憧れの対象」を武器に強くなっていく…。
 ちょっとお兄さんに美化入っているような気がしますが、とにかく強くなって行った昂昇は師から免許皆伝を受ける。
 その証は師の利き指! 直接は表現していませんが、上手く表現しています。
 原作よりテンポを速めて道場内で話を進め、「これからは鎬流空手を名乗りなさい」と師に言わせる事で、流派が「鎬流」と言う所に説得力を持たせています。
 武術で免許皆伝は、例えば柳生新陰流のように自分の流派を開く事を許されるそうですが、鎬もこれで流派を起こしたわけです。

 熱き思いを込めた紐切り空手・鎬流。その全てを鎬はぶつけてくるッ!
 一方、地下闘技場に現われた新たなる影が…。そう、ストライダム登場!


 ここでアイキャッチ! 絵は残念ながら刃牙のままでした。


 後半戦、空手に手を染めて15年…。鍛えに鍛えた指先はもはや猛獣の爪に匹敵するッ!
 ところで、鎬の年齢ですが、空手を始めた時の年齢は10歳ぐらいのようなので、今は25歳と言うところでしょうか。と、なるといずれ出てくるお兄さんは30歳ぐらいかと…。ヴィジュアル系の兄弟らしくどちらも若く見えますね。
と、言うかほとんどのキャラクターが年齢不詳のような気もしますが。

 鎬昂昇の猛獣の連撃を受けながらも、刃牙は反撃のチャンスを掴む。
「確かに凄い攻撃だ。でも、アイツほどじゃない!」
 そう、刃牙の目指す相手・勇次郎の攻撃に比べればこの攻撃も問題ではない。軌道の単純さをついて刃牙が反撃する。
 だが、鎬昂昇の執念も普通ではない。己の右腕を犠牲にし、刃牙の右眼を利かなくさせる!
 片目になり刃牙は距離感が掴めない。打撃技を当てる事ができない。だが、死角をついて攻撃する鎬昂昇を捕まえる事も困難だ。
 最後の逆転のチャンスは、鎬のフィニッシュ、紐を切る瞬間に止まった腕をつかむ事だった!
 そこから関節技で大逆転!
 アニメでは中盤で関節技を出さなかったため鎬に関節に対する警戒が少なかったと言う印象が出てきています。
 この状態でも負けを認めず「腕を折れ!」と言う鎬に対し刃牙は拳をぶち込み失神させ完全決着!

 勝利の後の通路で刃牙は独歩&加藤と出会います。
 しかし、首に傷を負っている刃牙の首に抱きつく御老公はハチャメチャだと思う。
 いきがる加藤の自己紹介に続いて、今まで顔だけ出していた本部さんも登場です!
 超実戦柔術の雄である彼ですが、この後どのような見せ場があるのでしょう…。個人的には好きなキャラクターなんですけどね。対戦相手に恵まれていないというか…
「似とらんな…」
 と思わせぶりな台詞を残して本部は去ります。
 更にストライダムも刃牙の前に現われ、今のままでは勇次郎には勝てないと言い放ち、更に勇次郎がいずれ現われると言い残し立ち去ります。
 一つの戦いが終わり、さらなる嵐の予感を残し次回へ…
 次回、「対戦者」に続く!

 今回のちょっといい顔…、鎬昂昇の獣の連撃をかわした時の「ニィ」と笑う刃牙の顔は悪っぽくていい感じです。
 ドクターにからかわれた鎬昂昇の微かな笑顔は全力で闘った後の満足感が出ている様で、なんかいいです。
 蛇足ですが、ドクターに「ご対面ー!」と言われた時、夜叉猿を思い出して嫌な気分にならなかったのでしょうか?


おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)

範馬刃牙 菊地正美
愚地独歩 麦人
加藤清澄 室園丈裕
徳川光成 楠見尚巳
鎬昂昇  中田和宏
鎬昂昇の師匠 柳沢栄治
本部以蔵 小室正幸
ドクター 永野善一
ストライダム 中村秀利
松本梢江 小島幸子
松本絹代 日野由利加
ムサシ  藤本隆行
アナウンサー 清水敏考

脚本   志茂 文彦
演出   岩崎 太郎
作画監督 佐々木 敦子

 本部さんは栗谷川役の小室正幸さんが担当していますね。これはちょっと嬉しい配役です。
 鎬昂昇役の中田和宏さんは昂昇のイメージからするとやや太い声のような気がしますが中々好演しています。OVAグラップラー刃牙では昂昇役は残念ながら亡くなられた塩沢兼人さんだったのですが、塩沢さんとは一味違った昂昇を演じておられます。
 ちなみにOVAは昂昇と会話した所で終わっているので、なんかそのまま最終回になってしまうような錯覚がしてちょっと寂しかったです(苦笑)
 今回はOVAと同じシーンをアニメにした事になるのですが、OVAが原作の動きをそのままトレースしようとしてアニメ的に無理な動きになってしまったのに対し、TVアニメでは原作のエッセンスをアニメ映えする動きに換えて表現したような気がします。
 どちらがいいかは好みの分かれる所でしょうが、私としてはTV版に好感を持ちます。

 さて、次回ですが原作には出てこなかった猪狩が登場しています。また、対戦相手候補の中国拳法の張さんも顔を出しています。
 今回の話の流れから刃牙が本部の道場に行く可能性は高いと思うのですが、アイツの登場はあるのでしょうか? ひょっとするとカットされそうな予感が…(^^;
 加藤は指導員の高木を相手に組み手をするようですが、加藤がアイツの替わりに窓から飛びこんで来たりして…。
 それと、次回も梢江ちゃんに出番があるようですね。不良に絡まれていそうな気がしますが…。刃牙とイチゃつくのならほどほどにして下さい。
by とら


2001年5月15日(火)
第19話 対戦者

 チャンピオンのアニメ情報によると今回はオリジナル色が強くなるそうですが、どう言う展開になるのか楽しみです。

 今回から神心会に正式に復帰した加藤清澄を独歩が門下生たちに改めて紹介する。
「3年間、極道ごっこにうつつを抜かしとったそうだが、今日から心を入れ替え諸君らと共に再び神聖なる空手道に邁進する事にしたそうだ」
 なんちゅう紹介の仕方なんでしょうね…。そんな加藤に稽古をつけてくれるのは指導員の木くんです。組手で自分の番が近づくと腹痛を覚えていた彼も逞しくなって加藤に挑む様です。
「空手界の格弾頭(かくだんとう)と呼ばれていたアンタが、まさかピストルに怯えて逃げ帰ってくるとはな」
 神心会は格闘技による人間兵器化…「格兵器」を計画していると言う噂があるのですが、その噂もまんざら嘘では無いようです。
 ヤクザの下で超実戦空手を鍛えてきた加藤の前に、高木の目潰しは甘っちょろすぎます。手刀で迎撃し指の間を切り裂きます。今回はしっかりと出血もして規制に対して頑張っているようです。
「マネごとの目潰しで俺の眼ン玉に触れるとでも思ったか?
 その指じゃ生卵だって潰せねェぜ!」
 もう良く分からない台詞で木を圧倒する加藤。さらに残りの門下生をまとめて相手にする。
「まだまだ、喰い足りねぇ…。テメェらじゃ全然喰い足りねェんだよぉッ!」
 闘いながら吠える加藤の脳裏には先日の戦う刃牙の姿が…。先週は気がつかなかったんですけど、勝利の刃牙の笑顔って結構かわいいんですね…。ショタ好きの人、どうです? ダメっすか…?

 一方の刃牙はのどかな学園生活を楽しんでいるようです。授業中に居眠りして先生に怒られ、昼飯に大量のパンを食う。
 一般人の生活に馴染めない刃牙のギャップをコミカルに描いています。
 ところで刃牙の食事ですが、試合前は消化吸収の良いオジヤやバナナを主食としているようですが、普段は高ビタミン・高タンパク質を重視した食事のような気がするのですが、今回の話を見ると菓子パンばっかり食って栄養が偏っている気がします。
 学校では気弱な学生を演じる(?)刃牙は不良にも絡まれたりもしますが、そう言うハンパ者は相手にしていないようです。
 助けに入った梢江ちゃんをお姫様だっこで抱えて走って逃げ出すありさまです。
 しかし、「つかまって」と刃牙に言われて首根っこにしがみつく梢江ちゃんはちょっと可愛いかもしれない(--; ついでだったら、ここでパンチラの一つでもかましておけば良かったのに(爆)
 同じ秋田書店のアニメ「花右京メイド隊」は過激なお色気シーンの描写でかなりの反響を得ているようですが、刃牙はあんまり反響を聞きませんね(--;
 ちなみに、今回も麻衣(CV 青柳涼子)ちゃんが出演しています。1回こっきりのゲストじゃなかったんですね。無理に出さなくても良いと思うのですが…。

 さて御老公のもとに次回の刃牙の挑戦権を求めて伝統派武術の猛者たちが詰め寄ります。
「紐切り空手などと言う曲芸まがいの技の使い手を闘わせたりしたのですかッ!」
 などと勝手な事を言って無礼千万です。
 彼らの実力がどの程度か分かりませんが、なんか言う事がやけに押しつけがましいです。なんかコレでは伝統武術を学ぶ人達がみな無頼漢のように見えてしまいます。
 そこに、加藤が乱入し、さらにアントニオ猪狩も入ってきます。
 これは波瀾必死か!?

 と、ここでシーンが変わり本部道場です。
 本部門下生の花田の姿も見えファンサービスとなっておりますが、これまでのカットのされ方や声が地下闘技場アナウンサーの清水敏考さんである事から今後驚き役も含めて出番はほとんど無いといえるのではないでしょうか(泣)
 そこに入って来たのは範馬刃牙だった。
「俺に稽古をつけてもらえませんか?」
 なんと、次回対戦相手候補の一人である本部に稽古を持ちかけるというのだ。
「よかろう…」
 互いの腹を探り合う危険な稽古が始まろうとしていた…

 ここで前半終了。アイキャッチへ。

 CM開けは猪狩乱入のシーンから始まります。
「地下闘技場ってのは地上最強を自負する者同士が誰にも邪魔されず、己の力だけで覇を競うためにある格闘士(グラップラー)の聖地だ。歴史だの伝統だのかび臭ぇものを後生大事に守る場所じゃねェんだよ」
 しかし、彼ら伝統派は偉大な伝統を誇る紐切り空手を否定しておきながら、伝統にこだわるって論理が破綻していますよ。
 しかし、主催者の御老公はもっと直接的です。
「だって、ワシ人間が犬や鶏みたいに戦うところが見たいんだモン」
 やはり、このジイさんは危険思想の持ち主の様です…。
 人の命を何だと思っているのやら…。
 原作の御老公はこの頃は格闘技が大好きで、伝統派だろうが何だろうが「強い者」にこそ刃牙への挑戦権があると言っていたんですけどね。
 最近は連載では強い連中の戦う姿が見たいだけの困った人になっている気もしますが…
 とにかく、この御老公の暴言にさすがの伝統派の面々も呆れかえったのか、帰って行きます。

 シーンは刃牙と本部の稽古に移ります。ちゃんと普通に稽古をしているようですが、刃牙は一歩的に投げられている様にも見えます。
 これでは闘った時に刃牙がピンチなのでは? と思ってしまいますが、刃牙の打たれ強さに勇次郎の強さを確認し本部は本部なりに満足した様です。
 本部も刃牙と同じく勇次郎との対戦を望む者なのですね。

 その頃、梢江ちゃんは先に帰ったはずの麻衣ちゃんとアイスを食べながらおしゃべり中です。と、そこに前半部分に出てきていた不良3人が再登場だ。梢江ちゃん大ピンチ!
 このシチュエーションにちょっぴり「無限のリヴァイアス」と言うアニメの「こずえ」ちゃんを思い出してしまったり…
 この大ピンチを救うのはやはり刃牙だった。

 一方、徳川邸を出た猪狩と加藤に、再び伝統派が絡んできます。
「我々は有力な情報を得たんだ。次の範馬刃牙の対戦相手がプロレスに決まったとな」
 それだけで猪狩に大人数で襲いかかり挑戦権を奪おうとするムチャな伝統派の方々だった…。どこから来るんでしょうね、その妄執は…
 言いがかりをつける彼らの背後に、巨大な男が立つ。
 圧倒的なパワーで次々と伝統派の男たちをなぎ倒していくその男の正体とは…

 一方、梢江ちゃんのピンチになんとか間に合った刃牙はちょっと怒って不良をあしらう。
 ちなみに、不良がズボンのベルトを外したらしき効果音が入っていてなんか生々しかったです。
 白馬に乗った王子様状態の刃牙にちょっとトキめいているっぽい梢江ちゃんを残し刃牙は試合へ(?)
 今回は展開が早すぎて時系列が分かりにくいです。

 そして、刃牙の対戦相手とは日本プロレス界の巨魁(ドン)・マウント斗羽であった!
 喋り方がモデルの馬場さんぽくってイメージに合っています。
 ちなみに、斗羽さん小坊主に肩にかけていたタオルを渡していますが、いきなり渡されても困ってしまうでしょうね。ちゃんとお付きの人も連れてきてください。
 あと、さり気なく驚いていた本部さんもチャーミングでした。

 2メートルを超える巨人を相手に刃牙がどう闘うのか…。これもまた注目の1戦です。
「武器の使用以外全てを認めますッ!」
 試合開始と同時に、斗羽の脳天から竹割りが刃牙を襲う!
 そのパワーに一撃でダウンをきっする刃牙ッ!
 勝てるのか、この男にッッ!?

 次回、「名誉ある敗北」に続く!


 今回はかなりオリジナル色の強いエピソードでした。
 私が原作の中で最も次回の刃牙が見たくてしょうがなかった回は、斗羽登場の回の1つ前なのですが、見事に丸ごとカットされていますね(^^;
 原作では伝統派の方々がちゃんと1対1で挑戦権を得ようと闘いを挑むのですが、そのシーンもカットです。
 そう言う意味ではやや不満の残る回ではありました。
 特に対伝統派との闘いは、プロレスラーの頑強さ、攻撃のさいのウエイトの問題、柔道家の打撃対策の甘さ、地面と言う名の武器など格闘物には欠かせないエッセンスの詰まった闘いで好きだったんですけどね。
 それと、もう一つ不満が残ったのが斗羽さんの描写です。
 原作では台詞や行動の節々に人格者たるマウント斗羽の性格が滲み出ていたのですが、そう言うシーンがカットされています。
 特に「いい選手なんだろうねきっと……」と言う、まだ見ぬ刃牙に対する親しみのこもった台詞は是非とも入れて欲しかったですね。

 逆に、アニメオリジナルの展開として、猪狩と加藤を出会わせたり、刃牙の学園生活を描いているのは丁寧な展開です。
 特に今回は刃牙の行動と加藤の行動を交互に入れ替える演出がされていますが、これがかなり効果的です。
 交互にシンクロしながら進んでいくストーリは無理なく話を同時進行させて行き、視聴者の興味を離しません。
 やっぱり、アニメ・刃牙はこう言う演出が非常に丁寧に作られているのを感じました。

おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)

範馬刃牙 菊地正美
愚地独歩 麦人
加藤清澄 室園丈裕
アントニオ猪狩 大川透
本部以蔵 小室正幸
マウント斗羽 島香裕
徳川光成 楠見尚巳
松本梢江 小島幸子
麻衣   青柳涼子
審判   山野井仁
花田   清水敏考
高木   中田雅之
内藤   川村拓央
高田   永野善一
張    並木伸一
教師   小野健一

脚本   植田 浩二
絵コンテ 吉川 浩司
演出   吉川 浩司
作画監督 中井 準

 今回の演出&作画監督コンビは「侠客立ち」の回の2人です。
「侠客立ち」では刃牙の後をつける花山の演出がさえていましたが、今回は顔を見せずに闘う斗羽さんの姿がかなりイカしていました。
 人を蹴り飛ばし、殴り飛ばす姿はまさに暴風雨です。不自然ではなく、迫力をしっかりと出す見事な演出でした。

 さて、次回ですが、タイトルからすると決着がつくようですね。相変わらずのハイテンポです。
 オチが原作通りかどうかが気になりますが…、どうなるんでしょうか。次回も見逃せません。
by とら


2001年5月22日(火)
第20話 名誉ある敗北

 闘いを前に斗羽の決意がよみがえる。くたびれた膝を抱えての真剣勝負。だが、30年間で1度も本気でその膝を使っていないと言う。
 今日、生涯最初で最後の本気の喧嘩が始まるッ!
 戦闘開始と同時に刃牙へ奇襲を仕掛け、更に本格的な重量級ボクサー並のパンチを繰り出す。更に一流空手家のような蹴りを放ち、アマレスも腰を抜かすブリッジで刃牙を空高く放り投げる!
「こりゃぁ、そのうち殺人ショーになっちまうぜ…」

 恐るべき斗羽の猛攻にさすがの加藤も驚き役になるしかありません。
「知っているかね。プロレスラーとは1度プロレスのリングの外に出たら最後、絶対に負けてはならんのだ」

 封印されていた本気の斗羽が、かつてジャイアント・デビルと呼ばれていた斗羽が暴威を振るう。
 そんな危険な部分を秘めて、明かるく楽しいプロレスを行っていた斗羽…
「おそらくそれは恩師の教えだったはずだ。彼はその教えを守り抜いてきたって訳だ。
 だがな、人間ただ守るだけの人生なんて送れるもんじゃねぇのさ。特に俺たちみてぇな人間は、なぁ…」

 妙に事情に詳しい独歩が語ります。まるで過去にストーカーでもしていたのでは無いかと邪推してしまいます。
 それにしても、原作には出てきた「力剛山」の名前がなぜか出てきませんが、なんか複雑な事情があるのでしょうか?
 顔面に攻撃をつなぎ逆転を狙う刃牙だが、打撃や出血に対する免疫度がそこらの格闘家とは段違いの斗羽には攻撃が通用しない!
 ここで勝利を確信して観客に向け腕を上げ、その後攻撃を喰らう刃牙の姿は、PS2版の「グラップラー刃牙」に出て来た必殺技『偽ギブアップ』の様でなんか微笑ましかったです。
 その斗羽の強さを支えるものは果たして何か…
 斗羽の回想が始まる。

 極道者に刺され死亡した斗羽の師匠。斗羽は師の明るく楽しい客を楽しませるプロレスを受け継ぐ事を誓う。
 だが、世間の評判を聞き「プロレスラーは何があっても喧嘩に負けちゃいけない」と決意を持つのだった。
 その決意を胸に抱いた30年! マウント斗羽の決意が闘いをヒートアップさせる。
 だが、刃牙も負けてはいない。己の舌を噛み切り、その血を目つぶしとして利用しピンチを脱出すると、攻撃を身体の末端に集中させ、最後に顎への集中放火ッ!
 遂に斗羽をノックダウンさせる!

 ここで、アイキャッチ!
 絵は残念ながら刃牙のまんまです。

 師への思いを軸に原作とは違う角度から闘いの動機を描いているアニメ版ですが、葬式のシーンでさり気なく猪狩が出ているのがサービス満点ですね(^^;
 この辺の斗羽の決意と過去の回想はキャラクターを徹底的に立たせると言う板垣先生のお家芸なのですが、今回は刃牙の回想がカットされたために刃牙の「闘いへの執念」が表現されず、感情移入の点で斗羽に負けている気がします。
 見ていて、不自然に刃牙が強くなった様に感じてしまったのですが…
 そう言う意味では、原作の板垣先生の演出の冴と言うものを改めて感じます。

 CM開けは刃牙の優勢だ!
 関節技から、斗羽のお株を奪うスープレックスと次々に技を仕掛けて行くッ!
「イカンッ! ハンパな技を仕かけおってッ!」
 だが、歴戦の勇士・愚地独歩は冷静に状況を見ていた。
 立ち上がった斗羽の姿はやはりダメージを感じさせない。
「君の輝かしい未来を思ってずっと迷っていた。今のスープレックスでふっきれたよ。もはや迷いはない!」
 なんと、今までの攻撃でも手加減していたと言う。
「斗羽の構えが基本にもどった。本気の本気で終わらせる気だ」
 独歩が唸る。まだまだ、ここからが本番だと言うのか!?
「まだ本気じゃなかったのかよ」
 と加藤も的確に驚き突っ込む、見事に息のあった師弟です。
「打たれる覚悟で望む斗羽は難攻不落の要塞…」と負けずに本部さんも解説を加えます。
 師の人を魅了するレスラーとしての「華」に憧れプロレスラーになった斗羽。だが、師が亡くなり、斗羽は本当の強さを求めるようになる。どんなに追い求めても師の「華」には勝てないと悟ったからだった。
 ただ、1度だけ格闘士として闘う。30年間のレスラー人生を悔いを残さずに終わらせるために!
 そして、150キロの体重を利用した斗羽スペシャルが炸裂する!
 だが、真剣勝負をこなしていない斗羽は止めを刺さず、刃牙に回復のチャンスを与えてしまう。
 斗羽は起き上がる刃牙に師に匹敵する「華」を見る。
 斗羽は、そんな刃牙に、己の全てをかける覚悟で再び斗羽スペシャルを敢行しようとする。
「マズイッ!」
 と、そこで試合前に斗羽の膝を見ていたドクターが御老公へ駆け寄るッ!
「喜ろこんどる場合か! はよ止めんかい!」
「何を言う。こっからが本当の勝負じゃろうが」
「アイツの膝はあの技を2度続けられる状態やない!」
「なんじゃと!?」

 とことん人が犬やニワトリのように闘う姿を楽しむ御老公に人道的提言を成すドクターであった。
 が、ドクターの意見など聞いてもらえなかったのか、指示が間に合わなかったのか、試合は続行! 刃牙の機転により斗羽スペシャルは不発に終わり、斗羽の膝は遂に壊れてしまう。
 それでもなお闘おうとする斗羽に刃牙は偉大な男への礼節として、容赦ない攻撃を膝に撃ちこむ。

 決して手を抜かない、真剣勝負としての名誉ある敗北を刃牙は斗羽に与えたのだ。
 だが駆けつけたドクターはその膝が治りやすい角度に折られていると、斗羽にこっそり教えるのだった。
 格闘士として真剣に、人として思いやりをもち…。この頃の刃牙はとても輝いています(それに引き換え今の刃牙は…)

 だが、壮絶かつ感動の決着は新たなる波瀾の始まりでしかなかった…

「バカが…相変わらず甘ったれたガキだぜ…」

 で、出やがった。

 地上最強の生物・範馬勇次郎
 地下闘技場に降臨すッ!


 観客席最上段から一気に闘技場へ飛ぶ勇次郎ッ!
 どうするッ!?
 どうなるッ!?
 次回、「殺傷本能」に続く!



おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)

範馬刃牙   菊地正美
範馬勇次郎  乃村健次
愚地独歩   麦人
加藤清澄   室園丈裕
本部以蔵   小室正幸
マウント斗羽 島香裕
徳川光成   楠見尚巳
審判     山野井仁
アナウンサー 清水敏考
ドクター   永野善一

脚本   十川 誠志
絵コンテ 伊原 尚住
演出   中島 弘明
作画監督 服部 憲知

 斗羽さんの闘いへの理由付けや台詞を言う人間などに違いはありましたが、今回はかなり原作に近い展開でした。
 上でも書きましたが、少しだけ刃牙のプッシュが弱いような気がします。それは今回に限らず、鎬昂昇戦にも言える事なんですけどね。
 時間と言う制約がある以上、どこかを削らなくてはいけないのでしょうが、それが刃牙に集中しちゃっただけの事なんでしょうね。ひょっとして刃牙ってスタッフに冷遇されている?

 次回予告を見ると、虎殺しがちゃんと再現される様です。ただしホワイトタイガーではなく普通の虎のようですが。
 相変わらず早い展開です。この後のペースを考えると、
 21話 勇次郎大暴れ・ビックカード決定!
 22話 対 勇次郎戦が始まる。
 23話 対 勇次郎戦が終了する。
 24話 少年王者編・終了
 と言う最速の展開が予想されます。
 で、25話から最大トーナメント編スタート!?
by とら


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