今週の TVアニメ グラップラー刃牙
地下闘技場最大トーナメント編 第21話〜第23話
幼年編+少年王者編 第1話〜 第6話〜 第11話〜 第16話〜 第21話〜最終話
最大トーナメント編 第1話〜 第6話〜 第11話〜 第16話〜 第21話〜最終話
ラスト・アニメ刃牙→
2001年12月11日(火)
第21話 シークレットウォー(第45回)
冒頭でいきなり「現在の世界情勢を考慮して、原作とは一部異なった内容で放送しております。」と言うテロップが流れる。
まあ、原作と一部異なった内容で放送しているのはいつものことなんですけど、今回は戦争の表現に関わるので改めて断りをいれているようです。だから、ベトナム、アメリカ、国連と言った固有名詞はきれいに省かれています。
ところで、最近のアフガニスタン関連の報道でNHKのレポーターに「太 勇次郎」と言う方がいて、やっぱり勇次郎は世界の紛争地域にやってくるんだ…と妙にしみじみ思ったのは私だけでしょうか。
それはともかく地上最強の兄弟喧嘩の始まりです。
冒頭から形容しがたい攻撃を刃牙とジャックは繰り出す。
「こんな打撃戦は前代未聞です」
と、アナウンサーも冷静に言ってしまうほど、体重の乗っていなさそうな打撃と、打撃が当たっていないかのような反応でカクカクと殴りつづける。
たまに表情がアップになっても、苦しそうな表情に見えないところが格闘家っぽいと言えば格闘家っぽいです。
そして原作では大爆笑と、梢江ちゃんアブノーマル趣味疑惑の原因となった刃牙大失禁のシーンも今までの傾向通りカットされています。出血に関しての規制はわりと緩やかになった感がありますが、失禁に関しては最後までシビアに描かれてしまいました。
で、いつのまにか流していた涙と汗の闘いの 汚水 聖水を浴びて飲み干す梢江ちゃんでしたが、原作のような迫力はありません。これも世界情勢を考慮してのことなのでしょうか。
それにしても今回の作画はちょっとナンですね。刃牙の足払いをジャックが飛んでかわしたと思えるシーンも、実はちゃんとヒットしていてジャックが吹っ飛んでいただけだったりするなど格闘表現のレベルが落ちています。
その他の様々な攻防もやはり動きがやや不自然で今回はかなり悲しいクオリティーになっています。
攻撃を受けたジャックが白目になるシーンなどはもうちょっと上手く処理すれば迫力の出るシーンになったと思いますし、非常に残念です。
今回も過去の回想シーンがいくつか出て来るのですが、過去の絵との差が見えてしまうのも印象を悪くしていると思います。
さて、勇次郎との因縁を思い起こさせる刃牙の仕掛けた背後からのチョークを力のみで外したジャックは「おまえには勝利を与えられない。私はおまえに負けるわけにはいかないのだ」と号泣して宣言するのだった。
原作では「ここからは兄弟じゃない」と言う、互いの絆を確認した上で絆の決別を告げ、自分が勝利に執着する理由をはずみで長々と語ってしまいます。
アニメでは闘いの前に兄弟の絆を確認していないので、改めて兄弟である事を確認する事は避けたかったのでしょうか。
おまえとは神に選ばれた他人同士とでも言っているような感じですが、そんなこんなでCMに。
ちなみに、CM開けにもジャックが泣くシーンを繰り返して時間をちょっと稼いでいる(?)ようです。
さて、問題となっているジャック出生の秘密を明らかにする回想シーンが始まります。
久しぶりに登場のキャプテン・ストライダムが戦場に生きる悪鬼・勇次郎について語り始めます。
多くの兵士の命と戦争の勝利に関わると言う勇次郎の闘いぶりとは…
・同じ日に何十キロも離れた場所で複数の部隊を壊滅させた。
・敵軍の旗下にはいないで、1人で闘っている。捕虜からも詳しい情報は得られていない。
・一切の武器を持たずに闘う。
・待ち伏せと部隊内への潜入による奇襲攻撃を主とし、時には土や水の中に1月も息を潜めて敵を待ちつづける。
・これまでに標的にされて全滅しなかった部隊は一つもない。
・その戦闘力は1個師団に相当する。
1人で闘っていると言うことは移動手段を持たないのでしょうが、異常な機動力を持っています。補給も無しにじっくりと土や水の中で長時間潜んでいるといる割りには被害者が多そうです。部隊は全て全滅させられて、捕虜からも情報が得られないのに勇次郎の実力はしっかり分かっている。
軍隊と言うのは現実主義の固まりなのですから、こんなツッコミ所満載のムチャクチャな報告を受けてはゲーリー准将も困ってしまいます。
ところで、このシーンは2人のいる部屋の壁に次のシーンの絵が映し出され、場面転換するなど中々面白い演出をしています。
ついでに天井で回っているファンがいかにも蒸し暑そうなベトナムと言う感じを出していて良い感じです。
ちなみに映画「ハンニバル」にもファンが写るシーンが多くあるのですが、それはその場で永遠に回りつづけて先に進めないファンのイメージを取り入れているそうです。
刃牙のこのシーンもたった一人の男に引っ掻き回されている苛立ちをファンに込めているのかもしれません。
そんな勇次郎に対してゲーリー准将は、なんらかの策を講じているらしい…
そして場面は勇次郎に移ります。
爆撃を地下でやり過ごす勇次郎は、武器と呼べるものはナイフ一本拒んでいたはずですが、食事用の道具としてならセーフなのか、ナイフでネズミを獲ったりして潜んでいます。
ちなみに元グリーンベレー教官の柘植久慶氏の著書「サバイバル・ブック」によると人間は1日2リットルの飲み水が必要だそうです。
明らかにそれに足りない水で1ヶ月過ごせる勇次郎はやっぱりただ者ではないですね。
そんな勇次郎と出会ったのがジェーンであった。
ポニーテールで美人度をアップして声は毎度おなじみの日野由利加さん。
こうして2人は見事に忌まわしき出会いを果たすのでした。
しかし、また声が日野さんとは…。
アレですかね、勇次郎が女性を認める条件は「声」なんでしょうか? 勇次郎が声フェチ(または声優好き)と言うのはちょっとイメージに合いませんが…
今後の2人の運命を気にしつつ次回は「進化する天才」に続きます。
おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)
範馬刃牙 菊地 正美
範馬勇次郎 乃村 健次
加藤清澄 室園 丈裕
徳川光成 楠見 尚巳
鎬 紅葉 宮本 充
鎬 昂昇 中田 和宏
末堂 厚 永野 善一
アナウンサー 清水 敏考
ジャック・ハンマー 坂口 候一
ジェーン 日野由利加
ゲーリー 柳沢 栄治
ストライダム 中村秀利
脚本 田中 哲生
絵コンテ 上條 修
演出 上野 史博
作画監督 崔 媛碩(背景と重なって字が読みにくく間違っているかもしれません)
今回も作画は外国産です。崔一族(?)の3人目の刺客はかなりの強敵で見ていてハラハラしてしまいました。
最終回まで後2回ぐらいですが、ここに来て息が切れはじめて来たのでしょうか。
今回の脚本は、前回と同じく田中 哲生さんでした。今回と前回で刃牙とジャックの関わり方を淡白にしているのは意図的と言うことになるようですが、短い尺の刃牙ではそう言う細かい所は描けないと判断して切り捨てたのでしょうか。
そうだとすると、最終回の「遅えぞチャンプ」のシーンでの説得力が半減してしまうような気がします。まあ、そこは見てみない事にはなんとも言えないのですが…。
2001年12月18日(火)
第22話 進化する天才(第46回)
今週も「世界情勢を考慮して」のテロップが流れ、実際にオリジナルの展開がいくつかありました。刃牙がプロレス技を使ったりとか…
先週のラストの意味はなんだったのか分からないような急展開でサム・ゲーリー准将は爆撃跡を1人闊歩して、勇次郎に襲われます。
先週では自信ありげに策があるにおわせていたが、その自信と策はなんだったのでしょうか…。
原作ほどエグイ手段の変装はさすがにNGだったようで、生皮をはぐと言うよりは精巧な変装用マスクをつけているような感じで、ゲーリー准将に変装した勇次郎は見事に潜入に成功する。
ちなみに、医務室の兵士にアナウンサー役の清水さんが居るのですが、いつもの演技のお陰で緊迫感を打ち消していてマッタリ空間を演出しています。
そして、部屋を出たら銃を構えた兵士数名とストライダムが待ち構えている。
これがゲーリー准将の考えた、自身をエサにする捨て身の作戦だったと言うのならすごいのですが、犠牲が大きすぎるので多分それは無いでしょう。
考えられるのであれば、軍部内に派閥争いがあり、ストライダムが勇次郎を利用してゲーリー准将を亡き者にしようと企んでいたと考えられます。で、証拠隠滅のために勇次郎も殺そうと、変装を見破って医療室の前に兵を伏せて居たのではないでしょうか。
更に宿舎の外に戦車を配置しているところに、周到な計画性を感じます。ただ、あまりに完璧に計画をしていたので、ゲーリー准将を見殺しにしたと疑いを持たれたのかもしれません。何しろ20年後の今も階級は同じ大尉(キャプテン)で仕事も無さげにフラフラしていますからね。
さて、勇次郎はストライダムを逆に利用したった一人で敵本部を攻め落とす覚悟です。
互いに近づきすぎていて銃がからまり、そこを攻撃されると言うシーンはさらっと流しすぎたために原作を知らない人は何が起きているのか分かりにくいのではないでしょうか。
そして、勇次郎の見せ場である単身での大暴れも最初のストライダムの部下を叩きのめすシーンは素晴らしい出来だったのですが、大部分が削られているお陰で寂しい出来になっています。
そう言う意味では勇次郎を助けに来たジェーンも唐突過ぎるし、そのジェーンが国連のスパイだと明らかになると、結局ゲーリー准将の策はジェーンとは関係無いと言うことになってしまいますし、原作の展開を応用して伏線を張ったのが逆に失敗で終わっていると感じました。
国連側のジェーンを捨て駒に使おうとする冷たい態度や仕打ちをカットしたせいでジャックがなんで恨みに思っているのかも不明なまま、いつジェーンに子種を付けたのも不明なまま、結局何が言いたいのか分からないままジャックの回想が終わり、前半終了です。
先週オリジナルのシーンで勇次郎を暴れさせていましたが、そう言う部分を入れるぐらいなら、今週の話にもっと力を入れて欲しかったところです。
CMが開けると、ジャックの話をぼんやりと聞いていて油断をしたのか刃牙が思いっきり殴られて回転して吹っ飛びます。
闘いに父だの母だのを持ち出すのは屈折していると、自分の事を棚に上げて刃牙がジャックを批判します。最もジャックは人間が出来ているのか、その言いぐさを鼻で笑って済ませてくれます。
原作ではここで互いに因縁を持って生まれた兄弟ではあっても今は純粋に目の前の闘いが全てだと言う事で、逆に2人の間に闘いを通じての絆が生まれる事を予感させますが、アニメではこの辺は例によってカットされています。
そして、刃牙が「1度やってみたかった」と言ったプロレス技「シャイニングウィザード」(お好きなページを開いてください)でジャックの攻撃を止めて逆襲に出る。
この辺の原作とは一部異なった内容が、世界情勢と関係のあるところなんでしょうか?
原作の通り、刃牙が得意技の胴回し回転蹴りをイチかバチかでハデに決めるよりも、今まで出していない新技を確実に決めた方が演出的に効果が出ると判断したのでしょう。
そのまま勢いに乗ってジャックの最大の攻撃である噛み付きを封じようと歯を集中的に狙う。
だが、ジャックの歯は世界一ィィィ!
普通の人なら総入れ歯になるほどの猛攻でもまったく問題にしません。花山たちの歯に比べてなんと言う丈夫さでしょうか…
ちなみに柵に叩き付ける時の効果音が「ピューーゥオン」って感じでなんとなくディズニーアニメのギャグシーンようで笑えます。
攻撃が通じないどころか、噛み付きを更に敢行し、ついにジャックの牙が刃牙の上腕を切り裂く。
やはり、解説となれば本部さんです。今回は医者の鎬紅葉と共に動脈についての解説をし、刃牙に残された戦闘時間が残り3分であると宣言します。
アニメの放映時間はまだ6分ほど残っているのですが、刃牙はバンテージを腕に巻く事で出血を止めます(と言うように見える)。
圧倒的不利な状況でも刃牙はあくまで闘おうとするのだった。
が、やはり体格で負けている分ダメージが蓄積していたのか、ジャックとの打ち合いに押されダウンする。
ここで梢江ちゃんが、闘うことの愚かさと、それを喜んで見る観客の非人道性を訴えますが、木崎に「うるせェ女だ…」で片付けられてしまいます。
確かに人が血を流して闘っているのを安全な立場から見て喜んでいる観客+御老公は気まずそうにしちゃっていますし、せっかく楽しんでいる所に水を差しやがってと言う気分なんでしょう。
と、言うわけで梢江ちゃんは黙殺して、闘いを続行します。
かつて闘った敵の技をも駆使して2人は最後の攻防を繰り広げる。
でも「天才め!!!」のセリフが無いので今回のタイトルの意味が半減しちゃっています。
更に世界情勢の都合なのか「猪狩が試合中に、あのインドの狂虎・シンの腕を破壊した伝説のアームブリ−カーだ!」を炸裂させて刃牙がジャックの腕を折る。
お客さんは喜んでいるけど、この技はアニメ版だと猪狩が金竜山に使っているんですよね…。その時にちゃんと喜べよ、本人が使っているんだからさ。
こんな風に、いきなりプロレス好き(特に猪木好き)な展開にされても、統一された思想では無くその場の思い付きで書いているみたいで、好感が持てません。
腕を折られてジャックのピンチと思いきや、ジャックは限界の限界「マックシング」に突入し、己の肉体を滅ぼす覚悟で攻撃をしかけてくるのだった。
たった一撃でガードした刃牙の腕を破壊し、次回「決着!」へ続くッ!
おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)
範馬刃牙 菊地 正美
範馬勇次郎 乃村 健次
加藤清澄 室園 丈裕
末堂 厚 永野 善一
徳川光成 楠見 尚巳
ジャック・ハンマー 坂口 候一
ジェーン 日野由利加
鎬 紅葉 宮本 充
鎬 昂昇 中田 和宏
本部以蔵 小室 正幸
ストライダム 中村秀利
ゲーリー 柳沢 栄治
木 崎 山野井 仁
松本梢江 小島 幸子
アナウンサー 清水 敏考
脚本 山田 靖智
演出 木宮 茂
作画監督 原田 峰文
と、言うわけでラスト1回前と言う展開です。
刃牙の脚本でプロレス好きと言えばあべけん氏が筆頭と思いますが、今回の山田靖智氏もかなりのもののようです。と、言うか監督の趣味でしょうか?
山田靖智氏は白鳥の舞いで大反響となった「第5話 ヤツと闘る権利」、独歩vsフィルスと渋川vsハーロンを描いた「第6話 達人」、勇次郎が負け組み相手に大暴れの「第13話 揃い踏み」、ベストの呼び声高い達人対決「第17話 独歩、舞う!」の回の脚本を担当している方ですが、今までは特にプロレス好きな展開は見せていませんでした。
並べて見るとオリジナルの要素を入れるのが好きなようです。割りと作画が良い回を担当しているので(13話は外れですが…)得をしている気もしますが…。
それにしても相変わらず、心の交流や絆に関する表現は丁寧に削っている印象があります。
個人的にはマックシングに入る前にジャックが刃牙に語りかけるシーンが、兄弟としての情を無理にでも断ち切って非常な戦士となろうとしているジャックの葛藤を感じて好きだったのですが、そこもあっさりしたものに変更されています。
梢江ちゃんの悲痛な訴えも、気持ち良く闘いを見るのには不必要な部分ですし、なるべく痛みを与えないように配慮しているのを感じました。
やはり、最大トーナメント編はバトルにこそ重点を置いているので、闘う事の痛みはなるべく押さえているのでは無いでしょうか。純粋にバトルを楽しめって事ですね。
さて、次回の作画は…、どこに行っていたんだ(汗と涙の)チャンピオン!
作画監督 佐藤雅将の登場か!?
伊達に2回海外発注を出して、今回も含めて回想シーンを多用していません。最後の最後に佐藤雅将さんをもって来るとはッッ。
感涙のラストシーンが楽しみだッッ!!
2001年12月15日(火)
第23話 決着!(第47回)
先週のラストからの引きで、刃牙が吹っ飛び転がる所から始まります。
限界を超えたジャックの一撃で刃牙の左腕は破壊され大ピンチになる。更に肌の色が茶色に変色して半分ゾンビと化したジャックの追い討ちが決まる。
さすが佐藤雅将さんの作画だけあって刃牙は良く回転し、ジャックはキモイ顔しています。目が泳いでいる感じとかが実にイイ感じです。
「もう、終わりかな…」
ついに刃牙が半ば勝負を諦めたような弱気な台詞を吐き、ジャックが勝利を確信した笑みを浮かべる。が、その笑みが激しくゆれ顔や全身の筋肉が躍り始める。
胃カメラで撮影したような食道内の映像から、緑色の液体が流れ出し、その流れにカメラ視点も流され口中にたどり着き、一気に吹き出す。
出るわ出るわ、緑色の液体が止めどもなく出て行く。エクソシストの悪霊もビビって逃げ出すほどの大容量が闘技場の地面に広がる。
ジャックの主成分が緑色の液体だったと言うかのごとく、ジャックの体がみる間にしぼんでいく。
この辺のジャックの筋肉の動きとかもイイ感じです。ただ、紅葉の動きとかがややカクカクしちゃっています。まあ、この辺の事に関しては後で書きます。
たまらずドクターストップをかけにやってきた鎬紅葉がジャックの体に触れたときに、その異変に気が付いた。
「この弾力は!?」
と、言う間もなくジャックに片手で張り倒されブンブン回転し地面を転がり、柵も転がり超えて観客席まで吹っ飛ぶ!
実に芸術的な転がり方だ。
で、どんな弾力だったのでしょうか。意外とマシュマロのようにぷにぷにしてて、思わずなごんでしまい油断したのかもしれません。
薬物を凌駕する超ハードトレーニングにより生まれた奇蹟の肉体。ついにジャックは限界を超えると共に薬物をも超えた肉体を手に入れたのだ。
ジャックの更なる猛攻に刃牙は反撃できずサンドバック状態になる。
意識を失いつつある刃牙に呼応するかのように意識を取り戻す男がいた。烈海王、彼の見た最後の映像こそが自分の首を捻る刃牙の表情だったのだ。
それこそ、中国拳法4000年の歴史が範馬の歴史に敗れた瞬間だったのだ。
ちなみに、この回想シーンは新作書き下ろしの国産品になっていて非常に迫力のある映像になっています。
ついでに今回はクライマックスだけあって声優陣の熱演も聞き逃せません。刃牙の叫びやジャックの咆哮、そして烈先生の悲鳴など聞き所満載です。
カメの状態に身を丸めている刃牙の背に乗り猛攻を加えつづけるジャックの攻撃が一瞬止まる。ジャックが刃牙の背中に「鬼の形相(めん)」を見出したからだ。
その一瞬の隙を見逃さず、刃牙がジャックの首をつかみ投げ飛ばす。
原作よりも一瞬早く背中が出ていますが、ここで出す必要は特に無いと思うのですが…。
(アニメ版の)ジャックは勇次郎の背中の事をジェーンに聞いていなかったのでしょうか?
なお、原作ではこのシーンで耳をつかんで投げていたのですが、耳をつかむのは危険なので首に変更されているようです。
ジャックを投げ飛ばし、そのまま刃牙がフロントネックロックをしかける。
「ジャック…。いや、兄さんと呼べばいいのかな。これ、最後の技です」
と、ついに絆を否定しつづける事に無理が出て来たのか一部妥協するような事を言い、刃牙が最後の技を掛ける。
と、ここで最終的に刃牙の背中に「鬼の形相(めん)」が覚醒する!
ここで、アイキャッチでCMに。最終回まで刃牙メンコは近日発売予定のままでしたね…(^_^;
刃牙の背に浮かんだ鬼の形相に、今まで冷静だったアナウンサーも眼鏡がずれる大ショックをうける。(CMの間に直したようですが)
そして、ジャックは歯を噛み締めすぎついに歯が崩壊する。ジャック・ハンマーの歯を破壊できる物はジャック・ハンマーの歯以外に無かったと言うことなんでしょうか。
こうして、刃牙が地下闘技場最大トーナメントのチャンピオンにッ!
間髪を入れずにベルトを渡しにくる徳川さん。
当然、大ダメージで起きあがれない刃牙に無理やり渡そうとする。さすがに、刃牙も勘弁してよ…と言う感じの弱々しい目で視線を落としてしまう。
そんな刃牙を助け起こしたのがジャックだった。
ちゃんと止血もしてあげるところが、命令するだけの徳川さんとは違い兄らしい面倒見の良さです。
と、言うわけで最後は兄弟支え合ってベルトを掲げる。
一方、試合を見守っていた花山と木崎は、勝利を祝福されている刃牙を横目に早々と帰る。
特に祝ってやる必要は無いと言うことなんでしょうか。加藤は激しく涙ぐんでいますが末堂はちょっと感動している程度で、本部&鎬昂昇などは控え室で拍手するだけでした。
ジャックは祝福を受ける刃牙を置いてどこかへ向かう。
刃牙も、それに気がつきながらも何もアクションを起こさないがのがドライな感覚のアニメ版・刃牙らしいところです。
ジャックの向かった先は当然の様に勇次郎の元であった。
傷ついた体でありながらも勇次郎に挑み、そして敗れるジャック。
ジャックがどこに行こうと知ったこっちゃないと言うのか、刃牙は無人の闘技場に戻り再び闘いの意思を確認するのだった。
と、言うわけで以下スタッフロールと後日談風にエンディングが流れます。
重症のまま族と走る柴千春。
アメリカに向かう飛行機には、ボクシング世界チャンピオン・イワンとプロレスラー・リーガン、バウンサー・フィルス、さらに生きていたらしい天内などが居ます。
猪狩と斗羽さんは、猪狩の愛人が経営する(?)クラブで飲み潰れています。
渋川先生は決勝を見ずに帰ってしまったそうです。なんでも「自分が負けたのにいつまでもウロウロしてられっかよ」との事…。
ジャックは、ジェーンさんが看病に来てくれたようで安らかな寝顔を見せています。
鎬兄弟はそれぞれに修行に余念が無いようで、加藤と末堂は2人で修行のロードワークです。まさに共に砂を噛んだ間柄ですね。
愚地独歩・克巳は家で修行を再開するようです。ちなみに、この2人も決勝を見ずに帰ってしまったようで…
そして、最後の提供のカットは、連載中の死刑囚編での服装をしている烈海王でした。これが、最後の原作派へのサービスだったようですね。
と、言うわけで「グラップラー刃牙 最大トーナメント編」完
おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)
範馬刃牙 菊地 正美
範馬勇次郎 乃村 健次
花山薫 中田 雅之
愚地独歩 麦人
愚地克巳 藤原 啓司
愚地夏恵 水原リン
渋川剛気 中 博史
烈海王 安井 邦彦
鎬 紅葉 宮本 充
鎬 昂昇 中田 和宏
加藤清澄 室園 丈裕
末堂 厚 永野 善一
本部以蔵 小室 正幸
ジャック・ハンマー 坂口 候一
柴 千春 西村 朋紘
徳川光成 楠見 尚巳
木 崎 山野井 仁
松本梢江 小島 幸子
猪狩の愛人 日野 由利加
アナウンサー 清水 敏考
脚本 山田 靖智
演出 中島 弘明
作画監督 佐藤 雅将
と、言うわけで最終回の監督は佐藤雅将さんでした。ただ、今回はスケジュール調整が上手く行かなかったのか(行っていませんね、どう考えても)最後は絵がカクカクしたり作画レベルが落ちたりしていました。
ここで、ちょっと弁護しておきますが、「作画」は絵コンテを元に動きの中心となる絵を描く作業で、「動画」はその原画の間を埋めていく作業です。
つまり、本来なら絵が動かないのは「動画」の責任となるのですが(真の意味ではスケジュールを立てて、物事を取り締まる人の責任なんでしょうが。ほら、プロ野球の巨人はすごい選手をそろえていても優勝できなかったし)、刃牙は通常よりも原画が多そうな印象があり、そこに原画の影響があるのでは無いでしょうか。
ちなみに今回の作画は16人。動画は4社によって作られています。前回が原画6人、動画9人+1社だった事を考えると原画のクオリティーが高かった事が理解できると思います。
原画に力を入れすぎちゃって、動画が間に合わなかったと言う事かもしれませんが…。
ちなみに、刃牙の製作に携わっている「さんだる」さんのホームページ寒月館(URL:http://www.hoops.livedoor.com/~sandaru_/)に業界用語の説明や刃牙製作の裏側が見える日記などがありますので興味のある方はごらんになると良いと思います。
去年の日記は見れ無いのですが、刃牙は動画も原画レベルと書かれていたのが懐かしいものです…。
刃牙がアニメ化されて、一つ教訓になったとすれば、日本の熟練アニメターは貴重な財産だな、と言う事ですか…。
さて、最終回の今回も今までの方針にのっとり、絆の描写は極力減らし、ドライなドラマとバトルを描く方針だったようです。
と、言うわけで敗者は早々と去り、勝者は敗者の事を気にも止めず前だけを見る。これが最大トーナメント編のスタンスだったようです。
しかし、ラストで安らかに寝ていたジャックは何なんでしょうか。母の身に何があったのかわかりませんが、現在のジェーンさんは元気そうですし、ジャックとの仲もよさそうです。そんな母を置いて明日を捨てて父を倒そうとする心境がわかりません。
親より早く死ぬと言うのは何よりの親不孝だと思うのですが…。
今は作品を見終わったばかりですし、もう少し精神的に落ちついたら(できれば来週木曜日までに)、総括として「アニメ版・グラップラー刃牙」の感想を書きたいと思います。
2002年1月8日(火)
TVアニメ グラップラー刃牙 総括
テレビアニメとしてのグラップラー刃牙も無事(?)に終了しました。と、言うわけで簡単に総括です。
やっぱり全体的に急ぎ足だった感が否めないシリーズ構成でした。
幼年編+少年王者編は時々オリジナルの部分を作って話を縮めていましたが、最大トーナメント編は話を全体的に縮めている感じがします。
まあ、時間枠が限られているTVアニメではこう言う事が起きるのでしょうが、その辺をどう処理するかがアニメ化の醍醐味なんでしょうけど。
幼年編では物語の始まりからユリーとの出会いまでがかなり端折られていましたが、正直なところ幼年の最初の頃は話の盛り上がりに欠けている感じがして、早めに切ってしまった方が良かったと思います。
で、早めに登場した夜叉猿編は見事な感動話に仕上がっていて、刃牙がアニメ化して良かったと心底思ったものです。
その後も話は短くまとめてありましたが、まあ許容範囲内の変更点というところでしょうか。
そんな中で、いくつか気になったのが斗羽さんと紅葉の過去でした。
斗羽さんは花田を出す事ができなかったので、オリジナルの展開になっていて、それが多少無理な展開に見えた気がします。
特に刃牙に華が見えたと言うあたりは、現在の刃牙を知っている者にとってはすげェウソ臭ェと思えてしまいます。いや、これはアニメスタッフが悪いわけじゃないですね(爆)
そして、少年王者編で1番困ったのが紅葉の扱いだったと思います。
あまりの設定のヤバさからか、無免許医という更にヤバい人になって居ましたが、まあその辺はご愛嬌でしょうか。
この辺のオリジナル要素を見ると「幼年編+少年王者編」は刃牙が闘いを通して人間関係を深めていくと言う基本方針と、地上波で放送するために色々と苦労したあとが感じられます。
個人的には、選手間の絆の描写が良い感じにできていて、製作目的は達成できていたのではないかと思います。
さて、ここからは最大トーナメント編についてです。
こっちの方は最近の話のなので生々しい記憶が色々と残っているのですが…、先に結論を言っちゃうと、「最大トーナメント編」は原作ファンとプロレスファンにサービスしつつ、スケジュールやその他で色々と苦労した作品と言う気がします。
「幼年編+少年王者編」の時は高め安定だった作画レベルが、浮き沈みの激しい作画レベルに変わり視聴者を色々な意味で飽きさせませんでした。
で、その分をファンサービスで埋めている様で、谷田部監督のコメントによると、テレビでは放送できなかった24話もDVDに収録するそうです。しかも、勇次郎が主役と言う徹底したファンサービス振りだ!
そう言うスタンスのお陰か、DVDの3巻と4巻は妙に店に置いていなくて買うのに苦労しました(苦笑
ストーリーに関しては絆の表現は前半部分で十分にやったと言う事なのか、最大トーナメント編では1番最初に削られているようでした。
最後も優勝した刃牙を祝福するような事はせずに帰ってしまった選手たちの姿が象徴的です。
ところで独歩がジャックの優勝を予想し、克巳が刃牙の優勝を予想したと言う部分ですが、これはそれぞれが敗れた渋川・烈に勝った相手が優勝すると予想していたようですね。だから、この2人は渋川・烈が負けた時点でこれ以上見る必要は無いと判断して帰ったようです。
病院直行ならともかく、自力で立つ事ができるのに決勝戦を見ずに帰っちゃうと言う話は現実ではあまり聞きませんが、そこは原作との差別化を狙った部分なのでしょう。
その辺は見る人によって感じ方が違うと思いますが、私にとっては最大トーナメント編は原作の良さを活かし切れず臭いの強烈な香辛料でごまかされた感じがします。
アニメと漫画と言う表現媒体の違いがあるので、原作を忠実に再現すれば良いと言うわけではないのはわかっていますが、重要なシーンは削られ余計なシーンが追加されすぎていると言う気がします。
もちろん、それら(CGを駆使したオープニング、ドリアンの登場、何度も登場するプロレス技と猪木への熱いメッセージ、刃牙をカッコ良く見せようとする演出)はファンサービスなんでしょうけど、そう言う部分は余計な部分にしか思えませんでした。
アナウンサーが事細かに状況を説明するなど説明過剰な感じもしましたが、ストーリーを再構成して初めて見る人にもわかりやすくしている部分は十分に評価に値すると思います。オリジナル要素に関してもこの姿勢で向かってもらいたかったと思います。
最大トーナメント編では出血に関しての描写が派手になっていましたが、こう言うのは監督のお手柄になるのでしょうか。TV局との政治的駆け引きと言う気がして良く分かりませんが、暴力描写での頑張りは立派だったと思います。
もう一つ、これだけは本当に立派だと思えるのが声優さんたちの名演技です。
最初は不安だった菊地正美さんの刃牙も熱血な感じがすごくはまっていましたし、勇次郎役の乃村健次さんも渋い声でらしさを見せていました。花山役の中田雅之や、独歩役の麦人さんなどもハマっていましたが、中でも朱沢江珠役の日野由利加さんの雄々しい(?)演技は見事に役に生命を吹き込んでいました。
最近は演技よりも声の質だけで売れている若手女性声優が増えている気がしますが、グラップラー刃牙は声の質と言う点でも演技の点でも既存のアニメ番組から抜きん出ていると感じました。女性は少ないですが…(^_^ゞ
グラップラー刃牙は本当の意味で、究極の声優番組だったのかもしれません。そりゃ、もうモエモエ(注:バーニングの方)です。
台詞はそこそこ再現されているので、アニメを流しつつ原作を読むと、朗読してもらっているようで良いかも(爆)
さて、今後のグラップラー刃牙のメディア展開なのですが、現在も格闘技ブームが続いているので、第2部・死刑囚編の映像化と言うのも夢ではないかもしれません。
ただ、今回のアニメ化で、出血描写等への規制や、長期に渡ってクオリティーを維持していく事の大変さを見せ付けられてしまった事ですし、次にアニメ化するのでしたらOVA化とと言うのが望ましそうです。
映画化と言う噂も1部に流れていますが、今度はあまり慌てずにじっくりと作ってもらいたいものです。
2002年5月27日(月)
第24話 邂逅(第48回)
いろいろ有りましたが、TVアニメ版・グラップラー刃牙もついに最終巻を迎えました。
ちなみにカクカクな動きで放送された23話も完全版となってご家庭に届いております。
生々しく動く佐藤雅将さんの作画はやはり素晴らしい出来です。その佐藤さんですが、「最終兵器彼女」の総作画監督をされるそうです。プロフィールを見ると代表作に「グラップラー刃牙」の字が輝いています。多分、汗と涙と体液にまみれた美少女がうねうね動くんでしょうね。
ある意味、作品に似合いすぎ。
オマケですが、「最終兵器彼女」には刃牙でニーナ役を演じた浅井清己さんや、超美少女ヒロインを演じた小島幸子さん(現在連載中の世界情勢を考慮して、刃牙での名前は伏せて書かせていただきます)も出演されています。
でも、なぜかこの二人は代表作が書かれていないんですよね…。なぜ?(やっぱ、世界情勢? イメージダウン?)
前置きが長くなってしまいましたが、アニメ刃牙のオリジナルストーリーである24話の感想に移ります。
オフィシャルページの谷田部監督のコメントに「TVコードなんか無視!過激です。このままでは TV放送出来ません。」と力強く書かれている通りちゃんと「赤い」血が飛び散っています。
半死体で入院中のジャックを前にストライダムが勇次郎の過去を回想する…
範馬勇次郎18歳………。
ベトナムから約2年、勇次郎は相変わらず戦場を素手で渡り歩き、今は南米で暴れまわっていた。
その勇次郎をアメリカ合衆国は危険な存在と認識する。麻薬組織壊滅を名目にグリーンベレー、シールズ、デルタフォースとアメリカ特殊部隊動かすのだが、その真の狙いは勇次郎の完全抹殺であった。
「ヤツを抹殺する事はミサイルや空爆では不可能なのです。方法は一つ白兵戦で直接息の根を止める事、しかも確実に…」
ストライダムがSirに勇次郎抹殺の秘策を語る。
でも、この人ベトナムでなにも学んでいませんね…。勇次郎に白兵戦を挑むのは無謀を通り越してアホです。
それでも上層部の作戦にしたがって、まずグリーンベレーが勇次郎に挑む。巧妙に仕掛けられたトラップで次第に勇次郎を追い詰めていく!
最新最強を誇るアメリカ特殊部隊ですが、なぜか前世紀的な木や手榴弾を利用した古典的な罠ばかり使っています。人力では持ち上げられそうも無い巨木を高所に仕掛けるのにものすごい科学力を使ったのかもしれませんが、どうもベトナム戦争以前の兵器しか使っていない気がします。
最初のトラップにクレイモア対人指向性地雷でも置いておけば、勇次郎を倒すことができていた様に思えるのですが…
そう言ううっかりミスが多そうな米軍らしく、勇次郎を落とし穴に追い込みながらも、つい長々とアメリカの自慢話をしてしまい勇次郎に逆転される。
江戸の昔から伝わる「冥土の土産に教えてやろう」的なお喋りをすると死ぬの法則はここでも有効でした。
「グリーンベレー壊滅」
続いてシルベスタ・スタローン似のシールズ隊長も、あっけなく倒される。
「シールズ壊滅」
あまりの勇次郎の強さにストライダムは撤退を進言するが、長官にはまだ秘策があった。
「毒には毒を以て毒を制すると言う言葉がある」
そう、アメリカの恥部であると同時に切り札でもある「あの男」が投入されるのだ。
アリゾナ州刑務所…、ドイルに良く似た囚人やイレズミ無しのスペックっぽい囚人や無理をすれば柳に見えなくもない囚人が収容されているこの刑務所には1人の怪人が住んでいた。
その囚人・オリバに政府高官(声は刃牙役だった菊地正美さん)が訪問するのですが、やはり原作の園田さんのプリティーぶりにはかないません。ヘタレの歴史が違いすぎます。
タダでさえ松尾象山に似ていると言われているオリバさんですが、アニメではヒゲが無くなっているため、より松尾象山に似ています。
その代わり谷村新司には似ていません。
そしてオリバは好き勝手にやらせてもらう事を条件に、南米の麻薬組織壊滅へと向かうのだった。
一方、勇次郎は麻薬組織のゲリラが撲殺されている現場に出る。
怪物性あふれる殺し方は米軍には出来ない。そう勇次郎が推測していると、アーノルド・シュワルツネッガー似のデルタフォース隊長が現われ、勇次郎に戦いを挑む。
もちろん勇次郎に勝てる訳も無く、銃を撃つ前になにか一言言いたがる習性も災いして、寂しく倒される。
「デルタフォース壊滅」
この報告に大統領は、食欲に似た闘争欲を持つ男・範馬勇次郎に戦慄を覚えるのだった。
ところで、勇次郎はジャングルを裸足で歩いているのだが、寄生虫とか色々危険が多そうで心配です。それとも地上最凶の生物は寄生虫などに対しても最強なんでしょうか。
適度に雑魚を喰らいつつ麻薬組織のボスの元へやって来た勇次郎だったが、すでにオリバが本拠地に乗り込んで暴れていた。
オリバは妙に薄そうな机を盾にして機関銃の攻撃を防ぎ、ナイフで刺されても物ともせずにボスを投げ飛ばす。
銃弾の避け方が、すごく不器用でバカっぽいのが気になりますが、一応組織壊滅の依頼は果たしたようです。
ここで二人の猛獣が対面するのだが、とりあえず互いに自己紹介をする。
勇次郎は、すでにオリバが「誰もそのその存在をつなぎとめる事ができない」=「アンチェイン」と呼ばれていることを話す。物知りな18歳です。
このままバトルが始まるのかと思わせて、勇次郎はまだオリバが喰べ時ではないと判断し、去っていく。
18歳時点の勇次郎はオリバとほぼ互角の強さで、この場で闘って消耗する事を避けたのかもしれません。
なんいしても、勇次郎らしくない行動です。
次に勇次郎が向かうはホワイトハウス、アメリカ大統領のいる場所だった。
ここでCIAは起死回生の奇策を打つ。
「勇次郎は、なにがあっても絶対に抵抗しない相手には、なにもしようとしない」
と言うわけでみんな並んで友好的にお出迎えをする。
必死にご機嫌を取る大統領が哀れです。
「まるで冷めた料理だ…」
狙い通り、勇次郎興味を無くし、何処かへ去っていくのだった。
と言うわけでアメリカは範馬勇次郎ただ1人に敗北した。
END
今回のオマケ話は、本編とはほとんど関わりのない話でした。一応、決勝戦の勇次郎少年編(?)に入るべき話だったのでしょうが、そうなると決勝戦の闘いよりも回想シーンの方が長くなっちゃいそうで困った展開になったかもしれません。
原作には無かったシーンを追加し、無理にオリバさんを出そうとしたせいかシナリオの整合性が無茶苦茶になっています。
勇次郎抹殺が目的で、それをカモフラージュするために麻薬組織壊滅を唱えていた米軍なのに、オリバへの依頼内容は「麻薬組織のボスを倒すこと」になっています。目的のためには手段を選ばず、手段のために目的を見失っています。
こう言う難しい脚本を書くのは、烈の回想にドリアンを出したり、刃牙にアントニオ・ドライバーを決めさせた、あべけん氏でした。
今回も原作には登場しなかった技を解説付きで入れるなど随所に特徴が感じられます。
読者が読むスピードをコントロールできる漫画と違い、常に時間の流れているアニメで解説を入れるのはタイミングが非常に難しいと思うのですが、今回もテンポが悪くなっている気がします。
特に悪代官最後の大演説みたいな描写が続くと、かなり緊迫感が薄れます。
でも、ラストで大統領が引きつった笑顔で勇次郎を迎えると言うギャグへの伏線であるのなら効果的でしたが。
デルタフォースとシールズの隊長はアクション映画スターそっくりさんだったのですが、(シュワルツネッガーは似ていないので推測)そうなるとグリーンベレーの隊長もモデルがいそうな感じです。
どこかで見たような顔をしているんですけど、イマイチ確信が持てません。
心当たりのある方は、ご一報を!
おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)
範馬勇次郎 乃村 健次
オリバ 屋良 有作
ストライダム 中村秀利
サー 塚田 正昭
大統領 長 克己
長官 辻 親八
刑務所所長 日野 由利加
CIA局員 小島 幸子
高官 菊地 正美
デルタフォース隊長 中田 雅之
グリーンベレー隊長 酒井 哲也
グリーンベレー兵士 永野 善一
グリーンベレー兵士 松本 吉郎
脚本 あべけん
演出 木宮 茂
作画監督 原田 峰文
絵に関しては、良質の作画だった原田峰文で、綺麗な絵と十分な動きを見せる動画でした。
声優陣もさり気なくレギュラーの方々が出演していて、声の演技も十分に堪能できます。
オリバ=屋良有作さんですが、個人的にはオリバ=内海賢二(北斗の拳のラオウや、Dr.スランプの千兵衛さん)が似合うのではないかと思っていましたが、屋良さんの「ホッホー」と言う喋りがかなりマッチしていたので、キャスティングとしては文句ありません。
個人的にですが、屋良さんも内海さんも「いやらしさ」を感じさせる声優であると言う点では共通しているので、オリバのイメージに合っているのだと思います。
ちなみにドリアンに声を当てる人がいるのなら若山弦蔵さん(ショーン・コネリーの吹き替えの人)以外には考えられません。特に「大列車強盗」での、ねちっこくていやらしいペテン師ショーン・コネリーの演技(一部誇張)はそのままドリアンに当てはまります。
でも、死刑囚編はなにかと問題ありそうなんで、実現は難しそうですけどね…
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