今週のグラップラー刃牙(アニメ版)
最大トーナメント編
 第16話〜第20話

幼年編+少年王者編 第1話〜 第6話〜 第11話〜 第16話〜 第21話〜最終話
最大トーナメント編 第1話〜 第6話〜 第11話〜 第16話〜 第21話〜最終話
ラスト・アニメ刃牙→

2001年11月6日(火)
第16話 明日を捨てた男(第40回)

 今回はアンドレアノ・ガーランドとジャック・ハンマーの怪物対決です。
 先週のあらすじが終了して、まずは冒頭からジャックの協力者である謎のドクターの登場で話は始まります。
 原作ではまとめて出てきたジャックの回想シーン+ジョン博士(アニメでは名前は出てきません)がアニメでは地下格闘技場での闘いと同時に話が進んでいきます。
 原作での回想シーンは、内容のインパクトとストーリに関わる重要性は非常に高いのですが、バトルに挿入されるタイミングは決して良いとは言えずバトルと回想がバラバラと言う印象が多少ありました。
 アニメではその辺を考えて今回の構成にしていると思われます。

 最初に博士の研究の動機が勇次郎にあると言う事を見せると言うのは伏線としては有効に機能していると思いますが、その代わりインパクトを失う結果になっています。
 それにしても、目を赤く光らせる勇次郎にはちょっと違和感が…

 場面は試合会場に戻りガーランドの一方的な攻撃を再び描きます。怪獣のような地響きを立て目を光らせて迫るその姿は迫力満点です。多少、やり過ぎと言う気もしますが…

 そして、場面は再び回想シーンに戻り、スリムだった頃のジャックと博士の出会いを描きます。
 残念ながら、冒頭のシーンでジャックのこの姿がモニター場に映っていたので、やはりインパクトに欠けています。
 ここでのシーンですが、ナイフで斬りつけると言うシーンがNGなのは分かりますが、このジャックの初登場のシーンを上手く演出すれば説明不要でジャックの凄みは伝わると思うので、無理に杖で殴らなくてもよかったのではないかと思います。

 場面はあわただしく地下闘技場に戻り、今度はジャックの反撃が始まります。今度はジャックが目を光らせ、過度のドーピングによって変化した異形を発動させる。

 と、ここで前半終了です。今日もメンコのCMが熱いぜッ!

 CM開けはまたまた回想シーンでした。
 やっぱり、この場面の切り替えの多さは、ちょっとあわただし過ぎる気がします。
 自分の過去の話をレポート風にまとめながら視聴者に見せると言う演出自体は非常に効果的だと思う。
 情報を違和感なく視聴者に伝え、なおかつジャックの過去に視聴者の興味を引き込む事に成功しているが、それゆえに試合に対する関心がやや弱くなって(結果が見えていると言う事もありますが)しまった気がします。

 格闘技界の鼻つまみ者と言われているジャックに、同じく学会の鼻つまみ者となっている博士が共感を覚えると言うアニメオリジナルのセリフや、ジャックに薬物を投与する前にその効果を見せると言うシーンなどはポイントが高いと思います。
 特に鼻つまみ者同士の共感を挿入した事で、博士がジャックに対して実験材料として割りきれていないように見えて、その後のストーリに深みを与えています。
 でも、魚に薬物を与えて活性化(?)させると言うシーンはちょっとやりすぎと言う気がしました。
 そもそも、魚と人間では冷血・温血の違いから始まり、脳構造にも差があり、呼吸方法や心臓の形状など、違っている所の方が多すぎて実験サンプルとしてはあまり役に立たない気がします。
 原作のようにネズミで実験と言うのは生々しいからダメだったんでしょうか?

 それと、今まであまり感情の起伏を見せなかったジャックですが、今回は絶叫を連発するなど坂口候一さんが熱い演技を聞かせてくれます。
 また、それを受ける博士役の樫井笙人さんもマッドサイエンティストらしい悪い笑い方や、それでも最後に残る人間らしい心などを好演しておリ、この2人の演技は聞き応えがあります。
 細かい事ですが原作では「フランケン・シュタインになって」とあったセリフが「フランケン・シュタインの怪物」と直されています。バケモノはフランケン・シュタイン博士ではなく彼の作った生物なので厳密に言えばアニメ版の方の表記が正しいんですよね。

 そして、ジャックの回想ばかりに気を取られているうちにジャックがガーランドをボコボコにして、抜き手で折った肋骨を心臓に叩きこむと言う荒業を決める。
 先週なぜか徳川さんの横の特等席に座っていた本部さんも刃牙の横で驚き役になるしかない凄まじい攻撃を喰らってもまだ闘いの意思をみせるガーランドに対し、ジャックはかつて勇次郎が白熊を仕留めたのとシンクロするようなとどめのパンチを叩きこむのだった。
 しかし、ガーランドさんは熊と同じ扱いですか…。

 そして、ジャックの常軌を逸した行動と強さに恐れを成した博士が、ジャックが勇次郎以上の破壊で倒した白熊の死体の前で自ら命を絶つ事で、今回の話は幕となるのだった。

 さて、次回は「独歩、舞う!」……って、またこう言うタイトルのつけ方ですか? う〜〜ん…


おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)

範馬刃牙 菊地 正美
徳川光成 楠見 尚巳
本部以蔵 小室 正幸
ジャック・ハンマー 坂口 候一
アンドレアノ・ガーランド 柳沢栄治
博 士  樫井 笙人
アナウンサー 清水 敏考
ドクター 永野 善一
審 判   山野井 仁

脚本   鈴木 達也
演出   板垣 伸
作画監督 栗井 重紀・大木 賢一

 今回は珍しく作画監督が2人いるようです。そのせいか作中で微妙に絵の質が違っているような気がしました。
 今回は絵は時々CGでごまかしていましたが、なかなかいい動きをしていて見ごたえがありました。
 特に今回の大胆な絵コンテの動きをきっちりと表現しているのは賞賛するべきところでしょう。ただ、今回はキャラクターの動きが大胆過ぎ、顔のアップがやや多かったせいでどう言うアクションをしているのか分かりにくいシーンもあり、その辺は今後改良していってもらいたいです。
 栗井重紀さんは今まで千春の回を担当していた方なのですが、回を増すごとに動きがよくなっているような気がします。
 これで次回があるなら、更に?
 それにしても、今回はみんな目を光らせすぎ
 今回の話は、ストーリの整合性を取ってインパクトを捨てたと言う印象があります。
 例えば、ジャックの破壊した白熊の死体は、直前に勇次郎の破壊した白熊を見せるからその破壊の差が目立ち、ジャックは勇次郎を超えたのかと思わせる物になるんですけど、ストーリーを順序だてるためにその演出を捨てていると言った気がします。
 その演出が良いのか悪いのかは、作品を最後まで見てみないと判断できないと思いますし、私自身もどっちが良いと言いきれません。
 ただ、「漫画・グラップラー刃牙」と言う作品は緻密な伏線を見せるよりも、その場の思いつきのようなハチャメチャなインパクトを楽しむ作品だと思います。
 ですがアニメはゴールが見えている状態で始めているので、伏線に対しても気を使うのは当然なのかもしれませんね。

 ゴールと言うと次回予告ですが、ゴールではなく第1ラウンドのタイトルを持ってくるのはいかがなものでしょうか。序盤の攻防のタイトル「愚地、舞う!!」から取っているんでしょうけど、試合はこの後2転も3転もするんですから…
 この試合なら「達人対決」「剛対柔」「最強の矛と盾」「本当の正拳」「闘いの年季」など、いいタイトル候補がいくらでもあるんですけどね。
by とら


2001年11月13日(火)
第17話 独歩、舞う!(第41回)

 え〜〜〜、実は飛行機墜落のニュースをぼーっと眺めていたらとんでもない時間になっていて、今回の刃牙はほとんど見ていません。
 映像をなんとか入手する事ができそうなので、運がよければ明日に更新すると思います。

 さて、私が見たときには、もう独歩は負けた後だったのですが、看板を下ろすと言う独歩と、それに詰め寄る加藤の2人演技が素晴らしいです。
 2人とも映像では泣いてはいませんが、声が本当に泣いているかのように熱が入っています。
 強き師に憧れる師匠思いの加藤。組織も、自分に憧れる弟子の思いすら切り捨てて強くなりたいと願う独歩のそれぞれに熱い思いが感じられます。
 この2人が後に原作で繰り広げるやり取りを思うと、とても感慨深いものがあります。
 そして、そこにやって来たのは、刃牙でイチバン可愛い女性と呼び声高い独歩の奥さんの夏恵さんでした。
 原作では「もう強くなんかならないわ」と武道家にとってはキッツイ事をさらりと言っていましたが、アニメではカットされています。
 原作のこのセリフは真意がよく分からないのですが、闘い傷つく独歩を心配して出たセリフなのかもしれません。
 ちょっと欲を言うと、加藤と末堂に「ドッポちゃん?」と言わせて欲しかった。

 そして、核シェルターのような鉄の扉の中に監禁されていた勇次郎がついに覚醒ッ!
 素手で扉を破壊して堂々と出て行くのでした…。

 こちらも原作とは違い「扉を開けな……」と言う事なく、いきなり扉を殴っています。
 ここで勇次郎に一言も喋らせないのは、彼の威圧感を際立たせていて効果的な演出になっていると思います。
 逆に小坊主の方をペラペラ喋らせた方がより勇次郎が際立ったと思いますが、なぜかスモークの中から出て来る勇次郎の姿がカッコよかったので良しとしましょう。
 ちなみにあのスモークは勇次郎を強制冬眠(?)させるために室温をかなり下げていたためと考えられます。
 そもそも、あの部屋自体が選手の試し割り用動物(アナコンダ等)を閉じこめておく部屋だと思われますので、急速冷凍や催眠ガスなども出るのでしょう。


 そして、次回は「継ぐ者」
 これは久々に深い意味の込められたタイトルですね。海王の名を継ぐ者…、地上最強の生物の血を継ぐ者…、2人の天才が激突するッ!
 でも、絵があんまり動いていないような…


おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)

範馬刃牙 菊地 正美
愚地独歩 麦人
加藤清澄 室園 丈裕
末堂 厚 永野 善一
渋川剛気 中 博史
御子柴喜平 北村 弘一
本部以蔵 小室 正幸
徳川光成 楠見 尚巳
愚地夏恵 水原リン
アナウンサー 清水 敏考
審 判   山野井 仁

脚本   山田 靖智
演出   中島 弘明
作画監督 佐藤 雅将

 今回は書ける事が無いので、ちょっとアニメ「グラップラー刃牙」の微妙な事情を考察してみます。

 そもそも民放のテレビ番組と言う物はスポンサーによって成り立っています。
 スポンサーの要求する事はその番組に放映するCMを視聴者が見る、と言う事です。だから、ビデオ録画で番組を見ている人は視聴率に反映しないのは正しい事なのかもしれません。ビデオを見る時はCMを早送りしちゃいますからね。
 つまり、スポンサーが視聴率が悪いといえばその番組は打ち切りになります。有名所では初代ガンダムと最後にテレビ朝日系で放送されたガンダムであるガンダムXは打ち切られています。

 また、視聴率が悪くなくても番組が打ち切られると言う現象もあります。
 「ゾイド新世紀/ゼロ(スラッシュ・ゼロ)」はスポンサーの意向で放送枠を「ウルトラマンコスモス」に譲ったそうですが、こう言う厳しいスポンサー事情はそこら中に転がっています。

 1番分かりやすい例はプロ野球の延長です。局によって、延長時間が違うのはそれぞれの局のスポンサー事情が関係しているそうです。
 今回私が録画し損ねた理由の飛行機墜落のニュースで一部地域は放送が半分しかなかったそうですが、ニュースが長引いたからと言って番組時間をずらせるほどスポンサー事情は甘くないのです。

 ニュースステーションのスポーツコーナーで野球とサッカーの話題が切れ変わるときにスタジオの映像を流して軽い雑談をしているのは、そこでスポンサーを切り替えているからで画面下の方にある提供のお知らせが変更しきってからでないと次の話題に移れないそうです。久米宏本人が番組中でそう言っているのを聞いた事があるんで本当にそう言う事なんでしょうけど、厳しい現実です。

 刃牙は最大トーナメント編に入ってからスポンサーが一部変わっているような気がしますが、監督交代の理由もこの辺にあるのかもしれません。

 まあ、そんなわけでスポンサーさんも携帯電話を作ったり、メンコ作ったりと大変みたいですね。

 おそらく、年内いっぱいで刃牙は終了だと思われますが、最後までお付き合いして行くつもりです。もう、録画し忘れません…(-_-;



追記・11月14日

 そして、無事に見る事ができました。今回の話はかなり評判がよかったのですが、まさに評判以上のできと言っても良い内容でした。

 通して見ると今回の主役は武神・独歩と達人・剛気なのですが、脇に控える愛弟子の加藤&末堂と、解説の本部さんの存在も光っています
 冒頭の独歩が本当の正拳について語るシーンで、自分たちも正拳を握ってみる加藤達はユーモラスですし、独歩の活躍に一喜一憂している姿がとても生き生きとしています。
 まあ、自分の試合ではまったく見せ場が無かったくせに師匠の試合の驚き役で光ると言うのはかなり悲しい事なのかもしれませんが…

 また、試合での画面左右分割と言う演出は2人が同じ構えをとったという効果を最大限に表現していますし、その後の攻防も実によく動いています。
 ところで、今回も観客席に園田警視正と思われる人がいましたが、お世話になっている渋川先生の応援にきているのでしょうか?

 驚き役の面目躍如と言うべきか、加藤が渋川先生が構えをとらない事に驚いていましたが、戦国末期の古流の剣術は構えをとらない事が多かったそうです。理由は簡単で、構えを取るとなんの流派を習っているのかが推測されてしまいその分不利になるからなのでしょう。
 一応、平和な江戸時代の中で剣は闘争の技と言うよりも儀式的な部分が多くなっていき、そう行った殺るか殺られるかと言った部分は少なくなっていったのでしょう。
 しかし、渋川流柔術は超実戦派!
 試合前のウォームアップもしませんし、不意打ちだってします。

 そして、構えを取っているものの独歩だって実戦派!
 子供の頃から思い描いてきた、究極の正拳がついに披露される。
 原作とは違い、拳を出した後で回想を入れると言うのは、演出として効果的に働いています。
 更に「999999999999………」と言う文字が引いていくと「1」と言う形に並んでいて、それが拳に重なると言う演出は秀逸です。イヤでも盛り上げてくれます。

 一方の渋川先生の回想シーンですが、これだけを見ると渋川先生はかなり反抗的なお弟子さんの様に見えるかもしれませんが、たぶんアレは尊敬しているが故に師を超えたいと言う気概の現われだと思います。
 渋川剛気のモデル塩田剛三先生の著書「合気道修行」では師の植芝盛平先生に対する尊敬と共に
『私が修行中に考えていたことはただひとつ、
「いつか、植芝先生をブン投げてやる
 ということだけでした。』

 と書いておられます。そう言う意味では、この渋川剛気と言うキャラクターはモデルを忠実に再現しているのかもしれません。

 そんなこんなで回想も終わり、2人の闘いは己の全力を出しきった最終局面へ突入します。
 この時、渋川先生に「若造」呼ばわりされてビックリしている独歩はなんか、とてもチャーミングです。そりゃ、夏恵さんも惚れるわなぁ。

 そして、武に関わった年数のみが決め手となったような決着ッ!
 勝者・渋川剛気ッ!

 さすが佐藤雅将さんが作画監督を担当している回と言うべきハイクオリティーな絵とそれに負けない演出、そして達人対決を見事に描ききった原作に、原作のセリフに魂を込めて演じてくださった声優陣の三位一体となった素晴らしい回でした。
 おそらく、佐藤さんの担当の回はこれで終了でしょうが、本当にお疲れさまでした。
 絵は原作に似ていないかも知れないけど、アンタの作画が1番イカしていたッ!
by とら


2001年11月20日(火)
第18話 継ぐ者(第42回)

 今週は我らが主人公・範馬刃牙と烈海王の対戦になります。
 私は4年ほど前からWeb上の刃牙サイトをそれなりに見ていますが、烈海王vs愚地克巳から現在までの間で、最もファンのブーイングが強かったのがこの最大トーナメントの準決勝でしょう。
 理由はやっぱり、刃牙の強さの理由を血筋にしてしまった事で、その辺に転がっている少年漫画的な安易な設定が不評でした。

 そして、アニメ化にあたりその辺を配慮したのか、今回は色々と気を使った構成になっています。何しろ谷田部監督自らが絵コンテを切っているのですから、その気合のほどが分かると言うものです。

 特別控え室から脱出した範馬勇次郎は愛息・刃牙の対戦相手に精神的動揺を与えに行ったようです。まったくもって、親バカな人です。烈が刃牙のリアルシャドー中の音と同じ音をさせて壁に穴をあけている所に押しかけます。
 ところで烈先生のこの打撃は今や伝説となりつつある半紙の上でクルクル回る克巳の様に恐るべき動きをしています。と、言うか今回は全体的にそんな動きが多いんですけど……
 とにかく人様の闘技場の壁に穴をあけている傍若無人を見て勇次郎の野獣性が刺激されたのか、対抗して壁に手をついた状態から一撃で壁を粉にしてしまいます。
 烈の打撃は、壁に対しての間合いを完全に見切った上で触れるか触れないかの拳を叩き込んで、その微細な震動だけで壁を粉にしていると思われます。つまり、烈の打撃は神業とも言える境地に立っている事を証明している挿話です。
 ところがアニメオリジナルの勇次郎の攻撃は、普通の人間には使えない神秘の技としか見えず(壁が壊れることはあっても、粉にはならないだろう…)、勇次郎の神秘性を増す演出と考えられます。
 そこに勇次郎の語る「範馬の歴史」と言う言葉だ。「血筋」と言う努力ではどうにもならない要素ではなく、脈々と受け継がれている歴史に強さの秘密があると誰もが納得できる(かもしれない)理由に変えている。
 でも、中国4000年と言っている人に歴史を説くと言うのはどうなんでしょうか…。オマケに烈も「どれほどのものか見極めさせてもらうぞ」とちゃんと付き合ってあげちゃっています。

 そして、試合が始まり刃牙はいきなりリアルシャドーの種明かしをします。
 原作では「勝ったのは俺だ」と言い放ち、ファンから批判の対象になっていましたが、アニメではそこを考慮して「勝負はつかなかった」としています。
 ついでに、ちょっとムリヤリ過ぎと言われたリアルシャドーの原理も簡単に説明する事でごまかしています。ただし、簡単に説明しているせいで、より信憑性を無くし大笑いしてしまうような意外性も無くなってしまったのは残念です。
 特に試合中に謎を明らかにする事で試合を盛り上げていた原作とは違い、いきなり隠しダマを見せておいて、でも役に立ちませんでしたと告白する事で、刃牙って凄いのか凄く無いのかわから無くしてしまう演出は珍しいと思います。

 そして、試合が始まる!
 アナウンサーも「何が起こっているのか確認できない」と言うほどの高速バトル!
 まさに絵が追いついていません。まあ、カクカクっと動かしてCGで残像をかけるのが今回の演出のようですから、それはそれで良いのですが、全試合を通じて最も高速の闘いと思っている烈vs刃牙戦だっただけに少し寂しい気がします。
 また、批判の対象になっている不条理なまでの刃牙のタフネスも寸勁を自分から飛んでダメージを消すと言った手段を用いる事で説明つけています。
 そのお陰で不自然な展開にはなっていないかもしれませんが、中国拳法の強さを表現する事を犠牲にしています。
 主人公は刃牙ですし、これはこれで良いのかもしれませんが、このせいで強敵を倒す事による感動が損なわれてしまった気がします。

 そんなこんなでCMに突入します。準決勝からはアイキャッチも新しくなっています。

 CM開けからは烈がシューズを脱いで本気を出し始めます。なんか重い特性のシューズをはいていたみたいですが、それって凶器なのでは…。
 まあ、シューズを脱いだ事ですからやはり、そりゃ嘘だろと(良い意味での)ツッコミを受けまくったシルクロードの話が出てくると思ったのですが、なぜかオリジナルの話でした。
 同門の仲間を試合で殺してしまった烈、だが後悔はしていないと言う…。そんな烈にドリアン(?)は海王襲名を推薦する…。と、なんかメチャクチャな内容です。烈先生が童貞を捨てていたと言う内容は衝撃的です。
 それから、トンネル掘りの話の時に烈がドリアンの存在を知らなかったのにもかかわらずドリアンが出てきたり、彼にヒゲが無かったり、気になる点が多すぎます。
 原作ファンへのサービスなんでしょうけど、明らかに時間軸がおかしいですし、今後アニメにドリアンが出てこないと思われるのに意味ありげに登場させると言うのは、アニメファンと原作ファンの事を安易に考えすぎている気がします。
 原作ファンには消化不良で中途半端な登場ですし、アニメしか見ていない人はただの意味不明なキャラクターで終わってしまう事でしょう。
 たとえ、2部まで続けるのであってもこの戦いの最中に彼を出さなくてはならない理由はありません。
 勇次郎が刃牙の潜在能力を解き放つ相手として烈を選んだのは中国4000年に裏打ちされた実力だからであり、それは中国拳法が4000年と言う時をかけて誰にも超えられぬ壁となったと言うリアリティーを見せる事で視聴者に強烈な印象を与える物だと思います。
 原作のシルクロードの話は現実世界での事実だとは思いませんが、刃牙世界内での中国拳法の強さを見せるエピソードとして、強烈なインパクトを出していました。
 その中国拳法4000年と言う世界を捨てて、烈個人の闘いに対する思いだけを語られては、範馬の歴史には勝てる訳がありません。

 結局、歴史なのか血なのかわかりませんが、範馬に目覚めてしまった刃牙(性格悪し)の反撃で烈は敗れる。
 一応、最後の一歩だけは踏み越えず、手加減していたようですが、首関節を外している烈の首に容赦なく首に蹴りを入れるなど、やっぱり殺し兼ねない攻撃をしています。
 烈の首を捻ったとき、刃牙が我に返るカットを追加するのでしたら、その後の烈の反撃はカットした方が刃牙の優しさを演出できたと思うのですが…。
 最後の烈の反撃は、刃牙の見せ場と言うよりも、首が折れても闘う烈士(英雄の意)・烈海王の見せ場ですし、刃牙を目立たせるのであればあのシーンは特にいらなかったのではないでしょうか。
 その後の勝利した刃牙はどよめきで送られて、敗北した烈が拍手で送られると言う、闘いの質の差を見せ付けると言うシーンはカットしているんですけどね。

 次回、セミファイナル第2試合! 「達人 vs 怪物」


おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)

範馬刃牙  菊地 正美
範馬勇次郎 乃村 健次
加藤清澄  室園 丈裕
末堂 厚  永野 善一
烈海王/小龍 安井 邦彦
劉 海王  小形 満
鎬 紅葉  宮本 充
本部以蔵 小室 正幸
徳川光成 楠見 尚巳
審 判   山野井 仁
アナウンサー 清水 敏考

脚本   あべけん
絵コンテ 谷田部 勝義
演出   木宮 茂
作画監督 宗崎 暢芳

 今回は、あべけんさんが脚本で谷田部監督が絵コンテと言う凄い布陣です。
今回も「〜〜で言う所の〜〜」と言うセリフを入れていて、相変わらずギャグの世界で言う所のワンパターンの手法にこだわっているようです。
 作画監督の宗崎さんは独歩vsフィルス、渋川vsハーロンの回である「達人」を担当していた人なのですが、絵コンテが違うとかなり印象が変わってくるのでしょうか、動かないところばかりが目立ったような気がします。
 昔の映画フイルムで撮影したようなカクカクした動きと言うのは映画「プライベートライアン」や「ハンニバル」で演出として利用されているのを見た事がありますが、同じ手法でもアニメに使うと動画枚数が足りていない様にも見えちゃうのが難点ですね。
by とら


2001年11月27日(火)
第19話 達人 vs 怪物(第43回)

 冒頭から渋川先生の眼鏡が不吉に割れる。ファンには不評な準決勝第2試合はこうして始まります。
 強い者に対して見事な嗅覚を発揮して、解説屋・本部と驚き屋・花田が挨拶にやってきます。
 が、二人の前で突然こけてしまう達人。
 闘う事が危険だと、体が告げているのだ。真護身とは危険な場面に遭遇する事も無いと言う。ここに来て護身完成だ!
 ですが、本部さんも心配しているように独歩戦のダメージが脳にきていて幻覚を見ていると言う説もありますが…。
 今回は時間的に余裕があるのか原作のセリフを色々と肉付けしている部分が多いようです。
 アニメスタッフがよっぽど気に入ったのか今回も「かごめかごめ」を口ずさみながら危険の待つ闘技場へと向かう達人であった。なんか歌ってばかりいるとボケちゃっているような印象があるんですけど…

 そして、闘技場で待っていたのは今大会中最も危険な男・ジャック・ハンマーであった。
 己のキケン度をアピールするがごとくヤシの実を歯でかじり切る。わざわざそんな物を持ちこんで来るとは、密かに目立ちたがりなんでしょうか。 派手なパフォーマンスをしたがるところなんかは遺伝なんでしょうか?
 だが、渋川陣営も負けてはいない。
 本部以蔵がヤシの実にも解説を敢行!
「あの固く複雑な繊維が密集したヤシの実をッッ」
 と原作ではアナウンサーの喋っていたセリフを見事に奪い取って、解説してしまう。どうやら本部も駆け引きの何たるかを学び始めているようです。
 そんな本部さんも渋川先生の聞こえていない所では「ジイさん」呼ばわりしていたりするのですが…。
 そのジイさん、渋川剛気は涙穴への水鉄砲を敢行する!
 その攻撃により地上で溺れるジャックに容赦無く追い討ちをかける達人だが、ドーピングに次ぐドーピングによって造られたジャックの肉体はその程度ではダメージを受けないのだった。
 逆にスキを見せた達人の足首に噛みつき、大ダメージを負わせる。

「長生きできるトレーニングなどたかが知れている……」

 と轟然と言い放ち、ジャック・ハンマーが達人に突っかけるッ!

 ここで、前半終了。

 後半はジャックの攻撃で始まります。
 傷つきながらもなんとかジャックの攻撃をかわす達人ですが、やはりピンチと言う印象はぬぐえません。
 激しい攻撃をかわすものの足の負傷のために踏ん張りがきかず倒れてしまう。
 しかし、こう行った攻防をアナウンサーがいちいち説明すると言うのは、漫画では気になら無いのですがアニメだとかなり説明過剰に思えます。アナウンサーが喋り終わるまで2人が固まったまま待っているような感じでかなり不自然ですし…。この辺はなんとか改善できないものでしょうか。
 噛みつき攻撃すら合気で返したり、座ったままでの名さばきなど達人らしさを見せるものの、ジャックの合気封じの攻撃の前についに達人は敗れる。

 ちなみに、ジャックがゆっくりと手を伸ばすのを見て本部が独歩と同じ合気封じと言っていますが、それは質が違っていると思います。
 独歩は自分から攻めない事で、逆に達人に攻めさせて、それを意を消した菩薩拳で迎撃すると言う方法を取っています。
 ジャックはゆっくりですが攻めに言っています。握手をしている状態からでも有効なのが合気なのですから、達人なら相手が力をいれるのを待てば良いわけです。
 それを待たずに自分から相手の手を取りに行ってしまったのは、達人の調子が悪かったのか、ジャックが達人に手を取らせるように誘いをかけたと考えた方が理にかなっています。
 ジャックは元々は様々な格闘技を学んでいた男です。ドーピングによってバカ力を手に入れてからは肉体能力だけで闘っている感じがしますが、その技のキレもかなりの物があるはずです。ジャックは闘いながら相手の技を吸収しているのでしょう。
 1回戦のシルバ以外の試合では、ある程度は相手に攻めさせてその技を見極めてから反撃すると言うパターンが見えてきます。
 今回も達人の合気を受けながらタイミングを盗んでいき、ゆっくり手を差し出した時にはすでに合気を相殺できるレベルにあり、その経験から今度は合気返しができるレベルにまで一気に成長したのではないでしょうか。
 そう言う、成長性などを含めて渋川先生はジャックの事を「だ〜れも勝てねェ」と評したと思われます。

 一方、鎬紅葉は医者としての観点からジャックに忠告を与えに来ます。
 しかし、1度負けてしまった人間の悲しい所でジャックに良いようにあしらわれて噛ませ犬状態となってしまいます。
 原作では「死ぬ」と言っていましたが、直接的な言葉を避けたのかその辺は上手くぼかしています。
 今まではちゃんと表現していてたジャックのドーピングシーンも今回はカットしていますし、ちょっと規制を気にしているのでしょうか。

 次回、セミファイナル第2試合! 「決勝(ファイナル)」

 ところで、準決勝がなんで不評かと言うと、やっぱり本来の実力なら決勝に勝ちあがるべき二人が理不尽な理由でらしくない闘い方をしたあげく敗北すると言う展開に問題があったのでしょう。
 私は、烈が負けた時に「これで渋川先生が負けたら、もう刃牙を買うのをやめる」と言って本当に実行した人を知っています。そう言われ無いような納得の行く内容であればよかったのですが…。
 この渋川 vs ジャック戦が意外と短時間で終わっているのは、渋川剛気に魅力が無かったからでは無く、渋川剛気を倒す方法が見つからなかったから早めに終わらせてしまったのではないかと言う気がします。


おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)

ジャック・ハンマー 坂口 候一
徳川光成 楠見 尚巳
渋川剛気 中 博史
御子柴喜平 北村 弘一
鎬 紅葉 宮本 充
本部以蔵 小室 正幸
アナウンサー・花田 清水 敏考
審 判   山野井 仁

脚本   鈴木 達也
演出   吉川 浩司
作画監督 ヒサユキ ヒロカズ

 今回は本気で刃牙がいませんね。
 そして、なぜか今ごろ花田のキャスティングを載せています。最大トーナメント編に入ってからはずっとアナウンサーで統一していたのですが、どうしたのでしょうか。

 公式サイトの情報によると、決勝戦は4週に渡ってやるそうです。今まで急いでやってきた分、じっくりと名試合に仕上げてもらいたいものです。
 次回予告の絵を見る限りではかなり高画質の絵のようですし、とりあえず第1回としては期待がもてそうです。ただ、出血は乗り越えられても、超える事のできない表現上の壁・失禁描写をどうするのか気になりますが…。

 それと、相変わらず次回の楽しみを無くすような予告はどうかと思うのですが…。昔ドラゴンボールZでトランクスが謎の青年として初登場した回の次回予告で「ボクの名前はトランクス、ベジータの息子です」と言って大ヒンシュクを買ったと言う話がありますが、今回の予告もそれに匹敵するものだったような気がします。
by とら


2001年12月4日(火)
第20話 決勝(ファイナル)(第44回)

 冒頭でパンクラチオンの王者が腰に巻いたと言う黄金のベルトを久しぶりに見せてくれます。
 ちなみに地下闘技場では賞や金品の類は渡さないと言う掟があったのですが、徳川さんは禁を破ったようですね。
 そして、徳川さんの熱い語りで試合が迎えられます。なぜか、人のいない控え室で鎬兄弟と本部だけが寂しげにモニターを見ている姿が、リストラされた会社員のように哀愁を漂わせています。…本当に、なんで誰もいないんだろ?

 それはともかく、決勝戦、両者入場!

 と、ここで時間が少し過去に戻り、オジヤを喰う刃牙の姿が出てきます。

「オレとやった時もああだった」

 と、食い過ぎを心配する梢江ちゃんに末堂が解説してあげるのですが…、アニメ版じゃ君は闘っていないよね?
 なんかすごくあたり前のような顔をして言っているんですけど、ムチャクチャですね。せめて「鎬戦の前と同じ」とでもしておいてくれれば良かったのに。

 明日を捨てているジャックの「今日」は常に重いと言う加藤に対して、刃牙もより明日強くなるためにと思いつづけて来た自分の「今日」も重さでは負けないと言う。そして、ここで更に回想が入ります。ユリーや夜叉猿、花山、ガイアと言ったかつての強敵たちとの死闘とそこで手に入れた絆、刃牙は自分の歩んで来た「今日」の重さを再確認するのでした。梢江ちゃんに膝枕をしてもらいながら…

 一方、ジャックは駐車場で勇次郎と対峙していた。
 で、ここでも回想開始。ガーレン戦の時の回想をそのまま持ってきているので、刃牙の時のように懐かしい感じはしないで、ちょっと手抜きな印象を受けてしまいます。
 所々で勇次郎とジャックの動きやポーズをかぶらせて二人を対比する演出をしているのが効果的ですが、使いまわしの映像が多すぎるのがちょっと難点でしょうか。
 あと、ジャックが博士が死んでいるのを知っているような口調で話しているのもちょっと違和感があります。
 ジャックが、自分にもひとつだけかけがえの無い物があると言って前半は終了です。

 アイキャッチは決勝モード! 刃牙vsジャックだ!
 そう言えば、刃牙めんこのCMがバージョンアップしているようです。「体育会系トレーディングカード」と言うフレーズがイカしています。

 CM開けはまたもや刃牙に場面を戻します。
 梢江ちゃんの膝枕のおかげで昂ぶってしまったのか刃牙は人間スチームとなる。

「まさか病気にでも!?」

 と、末堂がごく普通のリアクション(そのせいで逆に浮いている)で驚いてくれますが、医者の鎬紅葉が登場して大丈夫と太鼓判を押してくれます。これで、だだっ広い控え室に鎬昂昇と本部以蔵は二人っきりです。
 さらにここから刃牙の回想シーンが再び始まります。
 幼年編の勇次郎との因縁から地下闘技場の闘いまで駆け足で回想していきます。漫画版・餓狼伝でついに公開された「虎王」を加納相手に決めたシーンもちゃんと出てきているとことが良いですね。
 改めて見ると江珠さんの熱い演技が目立ちます。

 そして、やっとシーンが選手入場に戻ります。
 前回予告で出ちゃっていますが、ついにジャックが自らのルーツを「範馬」と公開します。原作でもそうでしたが「範馬」ガウンのダサさときたら勇次郎も笑い出しそうな勢いで、2回ぐらいは笑えます。
 さらに、ご丁寧に回想シーンが始まります。
 権利が大アリだったシーンを流し、CM前の駐車場での勇次郎とジャックの語りの続きを流します。まあ、不発で終わるのは予想通りでしょう。

 そして、ガウンを見ても兄弟だと気が付かなかった刃牙にジャックは改めて説明をする。結構面倒見の良い兄貴ですね。

「範馬に受け継がれし天賦、私たちはそれを等しく与えられた者同士なのだ」

 と、この作品では範馬の血を引いていない人間は(動物も)全て噛ませ犬だと改めて宣言してくれます。
 原作では言ってねェよそこまで…って感じでごまかしていたのですが、アニメ版は妥協が無いと言うか夢も希望も無いと言うか、はっきりキッパリ言ってくれますね。

「神々はまさにオーガの落とし子から2人の超越者を選んだのです!」

 と、懇切丁寧にアナウンサーも念を押してくれます。
 ここまで言われたら、「現在(いま)のわたしは烈海王にだって勝てる!!!」と範馬の血筋をないがしろにした発言をしたくなる気持ちもわかると言うものです。
 と、言うか範馬は強さの対象外・別枠・シード選手なんでしょうか?

 まあ、それはともかく血が繋がっているらしいと確認をしたところで、神に選ばれた血筋同士殴りあって次回 「シークレットウォー」に続きます。
 ところで、ラストの絵が今週で1番ヘボいと言う気がするんですけど…。


おまけデーター・今回のスタッフ(敬称略)

範馬刃牙  菊地 正美
範馬勇次郎 乃村 健次
花山 薫  中田 雅之
朱沢江珠  日野由利加
栗谷川   小室 正幸
徳川光成  楠見 尚巳
ジャック・ハンマー 坂口 候一
加藤清澄 室園 丈裕
末堂 厚 永野 善一
鎬 紅葉 宮本 充
夜叉猿  柳沢 栄治
ガイア  遊佐 浩二
松本梢江 小島 幸子
博 士  樫井 笙人
ユリー・チャコフスキー 高塚 正也
アナウンサー 清水 敏考
審 判  山野井 仁

脚本   田中 哲生
絵コンテ 谷田部 勝義
演出   中島 弘明
作画監督 李 R ?(←漢字表記ができません。女偏に正)

 今回は監督自ら絵コンテを切っておられます。
 この回想の多い複層的な話しの流れは誰が考えたのか知りませんが…、わかりにくいですよ(苦笑)
 刃牙の方はいいんですけど、ジャックのほうが場面が飛び過ぎと言う気がします。
 ガウンでの範馬公開と言うインパクトを出すために場面展開をこった物にしたのでしょうが、先週の予告でバラしているのであまり驚かないでしょうし、代償としてジャックと勇次郎の会話に緊迫感が無くなってしまった気がします。

 それと、刃牙がジャックが兄だと気が付かないのに、どう言う意図があるのか分かりません。読者の戸惑いを主人公に代弁させているのでしょうが、2人が兄弟と言う伏線は割りとシンプルで丁寧に説明しなくても良いと思います。
 この演出は、原作にあった2人の絆の表現を見事に消し去っています。原作では周囲が戸惑っている中で刃牙とジャックだけが納得して殴り合うと言う雰囲気があるのですが、アニメだと良く分からないけどとりあえず殴り合っていると言う感じです。
 ある意味ではアニメの方が湿っぽくなくて純粋なバトルをしていると言う印象があるので、視聴者に余計な気遣いをさせること無く話を進められて良いのかもしれません。
 ページをめくる権利が読者にある漫画と、話が容赦無く流れていくアニメと言う表現媒体の差なのでしょうか。
 私は原作の方が好きだ。

 次回は、「ベトナム」と言う固有名詞を外していますが戦争の話になりそうです。今なら「アフガン」はもっと放送禁止用語ですね。
 ところで、ジェーンさんがポニーテールなんですけど…。アニメのための美少女化計画なのか!?
by とら


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