今週の『ゆうえんち −バキ外伝−』(131回〜140回)感想

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2021年1月30日(9号)
第131回 巻の十六「息子」

 葛城無門は師・松本太山の仇である柳龍光とついに闘いはじめた。
 柳の不意打ちを読んで、逆に奇襲をかけたのだがかわされてしまう。
 ここからが葛城無門vs柳龍光の本番だ!

 だが、柳龍光はすぐに襲ってこない。
 無門がゴブリン春日と闘っていた少年だと気がついて話しかけてきた。
 う〜む、最凶死刑囚と会話をするのは良くない。
 精神的な動揺を狙われてしまう。
 と無門は知らないのがピンチだ。

 柳は無門の背後をとったが攻撃しなかった。
 無門に興味を持ったので、すぐに倒すのが惜しかったようだ。
 葛城無門という名前に覚えは無い。
 松本太山と無門の関係はどうか?

「息子だよ」
『弟子、と言うかわりに、無門はそう言った。
 本気でそう思っていた。』


 ああ、やっぱり無門にとって松本太山は父親だったのか。
 本当の父親である葛城渡流(わたる)は早くに殺されている。
 義理の父である加奈村正介こそが渡流を殺した男であり、無門にとって敵だった。
 無門を育ててくれた父親は松本太山しかしないのだ!
 それにしても、言い切ったな。

 松本太山が父親ってことは、梢江ちゃんは妹なのか?
 そうなると刃牙は義弟になったりして。
 さらに愚地克巳が無門の実弟だから、刃牙と克巳も親戚になる。
 ……なんか、ややこしい関係になりそうだ。

 柳もあまり深くつっこまず戦闘態勢に入る。
 右手に黒い手袋をはめた。
 神野仁を倒した技の準備に入ったか?
 柳の不気味な言動に、無門は思わずさがってしまう。

『いけない。
 何故なら、今、自分は柳龍光に呑まれているからだ。』


 せっかく柳を高所から落としたのにダメージを与えられなかった。
 そのうえ、精神的動揺すら与えていない。
 計画が失敗したことで、逆に無門が動揺している。
 それがワカっているから、ますます動揺してしまう。
 無門は失点を取り返そうとブラフをかけた。

「その手袋、おれには効かないよ。知ってるから……」

「嘘だね」


 即、バレたッ!
 ダマし合いじゃ、柳に勝てない。
 無門はけっこう素直だから駆け引きに弱そうだ。
 それに、こういう妖怪と駆け引きした経験が少なすぎる。

 ブラフをかますなら、神野仁の名前を出して、話を聞いたとか言えば良かったのに。
 嘘を信じさせるには、本当のことを混ぜるもんだと言う。
 でも、本当に知っていたら、自分は知っていると言わないよね。
 相手の切り札を無効にできたら、すごいチャンスになるだろうし。
 やっぱり、柳に精神戦で勝てなさそう。

 何年も追いかけて来た柳龍光と闘っている。
 だが、無門は精神的に追いつめられていた。
 闘うどころか、ジリジリ後退するしまつだ。

『自分は、この男に勝てない。』

 無門の心が折れたッ!

 闘いの序盤で折れたのかよ。
 健闘経験の少なさが効いてしまったか?

 だが、クソ強いうえに平気で人を殺せる加奈村正介に無門は勝っている。
 柳龍光のような妖怪が相手でも活路はあるはずだ。
 諦めさえしなければ可能性は消えないッ!
 葛城無門には、それだけの実力がある。
 松本太山が与えてくれた強さがあるのだ。

 あとは、精神的な動揺を押さえる方法だな。
 範馬刃牙だと、範馬勇次郎の教えを思い出すことで立ち直ることが多い。
 無門の場合は松本太山の教えだろうか?
 なにか、良い教訓をのこしていてくれ!

・追記 (21/2/3)
 書き忘れていたんですが、作者コメントが重要情報だった。
『まだ、詳しいことは書けませんが、わたしの格闘技小説がアニメ化されることになりました。(夢枕)』

 なんと、アニメ化だ!?
 格闘技小説となると有名どころで『餓狼伝』『獅子の門』だろうか?
 劇場版だと短編という可能性もあるな。

『餓狼伝』は板垣先生が漫画化しているんですが、漫画とは関係なくオリジナルで行くか?
 もっとも『餓狼伝』は時代が古すぎるという問題がある。
 フルコンタクト空手vs本当は強いプロレスというのが序盤の展開だけど、1985年の話だもんな。
 いや、もう35年前だ。

 でも、最近は古い作品がアニメ化されても、なんとなく現代にアレンジしている。
 ベトナム戦争を湾岸戦争に変えたりして、だ。
『餓狼伝』も、上手いことアレンジしてくれるかも。

 アニメ『バキ』はNetflixで人気だった。
 格闘技アニメはけっこう需要があるのだろう。
 そうなると過去の名作がアニメ化されるという流れもあるのかも。
 夢枕獏の格闘技小説がアニメ化も同じ流れかもしれない。
 だとすれば、『グラップラー刃牙』のリメイクアニメ化だってアリか?

週刊少年チャンピオン2021年9号
週刊少年チャンピオン2021年9号


2021年2月6日(10号)
第132回 巻の十六「闘えば、負ける」

 葛城無門は師・松本太山の仇である柳龍光とついに闘いはじめる。
 だが、のちの最凶死刑囚・柳龍光は無門の想像と予想を超える怪物だった。
 ビルから落とされても傷ひとつなく、精神状態も平静を保っている。
 葛城無門は、この怪物に勝てるのかッ!?

『闘えば、負ける。』


 ダメだ。もう、心が折れている。
 決着とは、勝ち負けとは、闘っている本人が負けたと思った時に決まる。
 柳龍光を含める後の最凶死刑囚たちは、折れない心をもつしぶとい連中だった。
 逆に無門は負けると思ってしまう。
 つまり、葛城無門は、今ここで敗北したのだッッ!

 聡明な無門は自分が勝てないと悟った。
 だが、逃げるワケに行かない。
 一度逃げてしまえば、また逃げるようになってしまう。
 だから、逃げないと決意した。
 しかし、逆転のアイデアはない。

『思考も、筋肉も、硬くなっている。』

 無門はまだ19歳の少年だ。
 経験値が圧倒的に足りない。
 準備と工夫と訓練で何とかしてきたが、この辺りが限界か。
 松本太山に、もう少し教えてもらえたら助かったかもしれない。

 だが、助けは意外な方向から訪れた。
 愚地独歩だッ!
 無門と柳の勝負を見学に来た。
 独歩は周囲を見まわして、二人が屋上から落下したのを見破る。
 まるで見聞色の覇気だ。
 これこそが無門に足りていない 経験だな。

 無門の実弟・克巳は愚地独歩の養子になっている。
 その縁があるので、無門の勝負を見届けにきたのだ。
 でも、機会があれば柳龍光とも闘っちゃうよ!
 そんな茶目っ気を見せるのが愚地独歩という空手家なのだ。

 独歩の登場で場の空気が変わった!
 無門は柳に金的蹴りを仕掛ける。
 不意討ち+急所攻撃の卑怯スペシャルコースだ。

 とうぜん柳は よける。
 だが、無門も当たるとは思っていなかったようだ。
 硬さがぬけてリラックスできた。
 独歩のおかげだ。
 復ッ活ッ! 葛城無門、復活ッ! 葛城無門、復活ッ! 葛城無門、復活ッ!

 タイミングの良すぎる登場だった。
 独歩が偶然のふりをして助けてくれたのかもしれない。
 百戦錬磨の独歩なら、これぐらいの芝居もできるだろう。
 そんな可能性もあるが、とりあえず無門は柳に集中する。

 無門と克巳と独歩の関係は面白い。
 どんな認識でいるのだろう。
 無門は弟である克巳に会いたいと思っているのか?
 父親殺しをしたという罪の意識があるから、会う気にならないんだろうな。

 冷静さを取りもどした無門は考える。
 柳が右手に手袋をした。
 理由はワカらない。
 でも、過剰に怖がることは無いのだ。

『柳龍光の右手について、様子を見るなら、どうしたらよいのか、自分はすでに、それを学んでいる。』

 無門はしゃがんで、右ヒザを地につけた。
 御式内の構えだ!
 加奈村狂太との死闘が役にたった。
 けっこう死にそうな感じだったけど、ここで活きたぞ!

 相手の攻撃を蹴りだけに限定できる御式内の構えだ。
 だが、柳龍光には手袋を分銅にする技がある。
 遠距離攻撃だから、相手が座っていようと寝ていようと関係ない。
 それを知らない無門は、わりとピンチだぞ。

週刊少年チャンピオン2021年10号
週刊少年チャンピオン2021年10号


2021年2月11日(11号)
第133回 巻の十六「芸術家」

 葛城無門は師・松本太山の仇である柳龍光とついに闘う。
 想像以上の妖怪性を見せる柳にのまれかかるが、愚地独歩の出現に助けられ無門は冷静さを取りもどす。
 柳の技を警戒する無門は加奈村狂太から学んだ技を仕掛ける。
 片膝ついた状態で闘う御式内の構えだッ!

 初見殺しの技はどの世界でも強い。
 未知の技である御式内なら柳も対応できないだろう。
 だが、柳龍光には神野仁との戦いで使った手袋分銅がある。(ゆうえんち76回)
 アレを出されたら御式内は通用しないんだよな。

「おやおや、そんなことまで知ってるんだねえ。」

 柳、知っていたのかよッ!
 いきなり予定が狂った!
 御式内はかなり秘密主義の武術だと思っていたけど、わりと知られているんだな。
 現代の使い手が、わりとあちこちで闘っているせいだな。
 なにしろ無門も今日知って早速使ったし、今後も使うだろうし。

 柳は無門の構えがつたないのを見ぬく。
 見ぬけるほど御式内に詳しいのだ。
 やはり柳龍光は恐ろしい。

 ただ、無門は御式内だけで勝つ気は無かった。
 時間を稼ぎ、落ち着いて柳を観察するためのつなぎだ。
 改めて見ると、柳のTシャツは前部分が破れていた。
 神野仁との戦いで敗れたのだろうと無門は推測する。
 柳は簡単に修復していたので、パッと見ただけじゃワカらなかった。

 無門は一つの情報を得た。
 だが、情報を吟味する時間を得られない。
 柳は動いた。
 手袋分銅かッ!?
 と、思ったらズボンのベルトをはずしはじめた。
 また予想を上回りやがる!

「武器はね、どんなものでも、どんな時でも、その発想しだいで、まったく新しいものになる。わたしは芸術家だからね。同じ発想のことはしないんだよ。」

 柳はベルトの新技を開発してきたッ!
 芸術家と言うだけあって、こだわりが強いようだ。
 範馬刃牙を一発でしとめた低酸素の毒をその後使わなかったのも、こだわりだったのかも。

 おそらく柳はベルトにテグスを取り付けた。
 ベルトを投げ輪のように投げ、テグスで操る!
 自由自在にベルトを動かして、無門をとらえに行く。
 無門はベルトを払うが、ベルトは軌道を変えて無門の頭にかぶさる。

 頭が引かれた。
 その力にさからわず無門は前に倒れる。
 柳は無門の頭を引っかけ、倒れかかったところに蹴りを入れるつもりだろう。
 無門はその先を行く!
 柳が蹴りの動きに入る前に、前方へ飛び出した。

 無門は柳の両足首をつかむ。
 そのまま逆立ちの動きをする。
 加奈村狂太が見せた最後の必殺技だ!(ゆうえんち109回)
 身体か柔らかい無門はよけることができた。
 柳龍光に、これをかわせるか!?

 じつは新技にこだわりがある芸術家肌の柳龍光であった。
 一方の葛城無門だって、変態数学者である加奈村狂太と美しい数式を作りあげている。
 コピー技の多い無門だけど、だいたいの芸術は模倣(コピー)から始まるものだ。
 この勝負は、無門が闘争のさなかに新しい芸術を生み出し、柳を失禁するほど喜ばすだろう。

 この一撃で柳が倒されるとは思えない。
 だが、立ち直った葛城無門なら、なにかヤッてくれる!
 見学している独歩おもわず乱入したくなる新必殺技を見せてくれ!
 そうなると、蘭陵王が闖入してきそうで、ちょっと心配だ。

 あと、柳のTシャツが破れたところを直している件について。
 柳が直したのには、なにか意味がありそうだ。
 無門がなにかに気がつきそうだったが、ジャマが入ってしまったな。
 逆立ち蹴りをすると、足が柳の胸の前を通る。
 そこに罠があると、ちょっとヤバいかも。

週刊少年チャンピオン2021年11号
週刊少年チャンピオン2021年11号


2021年2月20日(12号)
第134回 巻の十六「ぼくからやらせてもらうよ」

 葛城無門は師・松本太山の仇である柳龍光とついに闘う。
 予想以上の妖怪である柳龍光に無門は苦戦する。
 だが、無門は今まで闘ってきた難敵の技をコピーして対抗した。
 加奈村狂太の御式内だッ!

 相手の両足首をつかみ、逆立ちの状態になって相手のアゴを蹴りあげる!
 加奈村狂太が最後に使った技だ。
 相手の足首をつかんでいるので、逃げられない。
 この蹴りで柳を撃破できるか!

 だが、柳は上体をそらして左右の蹴りあげをよける。
 柳は身体の柔軟性もスゴい!
 攻撃が不発に終わった無門は、後ろにさがる。
 逆立ちをしたままでは、股間を無防備にさらしてしまうからだ。

 ちなみに無門はちゃんとコツカケをしているらしい。
 松本太山に教わったんだろうか?
 睾丸をこうやって、ココに収めるのだ、と手ほどきを受けて?

 それはともかく、無門は足元に危険なものを感じた。
 柳の作ったベルトの輪に左足が入っている。
 あの攻防のなかで罠をしかけていた!
 恐るべし柳龍光ッ!

 柳は無門が動いた瞬間にベルトを引っ張るだろう。
 そうなればバランスを崩し、致命的なスキをさらすことになる。
 無門は、このワナをどう切り抜けるのか!?

 切り抜けるには柳を出し抜かねばならない。
 今までの攻防を見ていると、難しそうだ。
 無門は頭もキレるほうだろう。
 でも、無門にはダマす卑怯さとかが足りない気がする。
 人間として好ましいんだけど、戦士としてマイナスか?

「おじさんがこないんなら、ぼくからやらせてもらうよ」

「この布を、宙に広げて、その上を歩きながら、この輪の外に出てゆくんだよ」


 無門はあえて柳を挑発する。
 左手の布を外して両手でもつ。
 宙に浮いた布の上を歩く、ように見せる!
 忍者・羽鳥の使った技をコピーする気だ!
 難易度高そうだけど、ぶっつけ本番でイケるのか!?

 柳も無門の行動が気になるようだ。
 上手くのせる事ができた。
 さすがの柳も忍者技は知るまい。
 無門は、布を宙に投げた。

『それと同時に――いや、それより一瞬速く、無門は空中に飛びあがっていた。』

 相手の意識のスキをつくトリックだ。
 そして、忍者・羽鳥の技をコピーする。(ゆうえんち 88回
 ジャンプして、布の上を走ったように見せるのだ。
 だが、無門は飛べなかった。

『なんと、柳龍光は、無門が跳躍した左足を追って、ベルトの輪を浮かせていたのである。』

 読まれていたッ!
 やっぱり読みあい、ダマしあいは柳のほうが上手だ。
 ジャンプの途中で引かれた無門は落下するだろう。
 無門は柳の追撃から逃げる事ができるのか!?
 大ピンチで次回へつづくのであった。

週刊少年チャンピオン2021年12号
週刊少年チャンピオン2021年12号


2021年2月27日(13号)
第135回 巻の十六「この時のために、温存してきた技」

 葛城無門と柳龍光の死闘はつづく。
 地上20階のビルから飛び降りたりと、死スレスレの戦いだ。
 老練な柳の駆け引きに無門は苦戦する。
 無門は柳の罠から抜け出せるのかッ!?

 無門はベルトの輪に左足を取られ、ジャンプ中に足を引かれる。
 空中でバランスを崩して大ピンチだッ!
 大ピンチだがッ、引かれる力を利用して空中一回転しつつ右足で、ベルトを押し出す。
 ベルトの輪から左足を抜くことに大成功だッ!
 空中にいる状態でなんと器用なッ!

 さすがサーカスの天才児だ。
 今でもサーカスに戻ればトップはれるよ。
 羽鳥から盗んだ「忍法 宙に投げた布の上を歩く」は失敗したが、第一目標である「ベルトの輪から足を抜く」が成功した。
 ここから無門の逆襲が始まるか?

『実は、無門は、左手に巻いた布を解きながら、もうひとつ、同時にやっていたことがあったのだ。それは、右手に巻いた布の結び目を、一緒に解くことであった。』

 この布で迫る柳を迎撃する。
 だが、左足を抜くため一回転したぶんだけ動きが遅れた。
 予定より早く柳が迫る。柳が左拳を打ってきた。
 無門は右手で受けつつ、手に持った布を絡める。
 柳の左手を封じた。左側がガラ空きだ!

「しゃあ!!」

「くわっ!」


 ふたりが吠える!
 無門は右ハイキックを放った。
 柳は右手でその蹴りを受ける。
 窮屈な形で受けた。

『激痛!』

 柳は手袋の中に石を握りこんでいたのだ。
 その石で無門のスネを迎撃した。
 スネは『弁慶の泣きどころ』と言われるだけあり、とても痛い急所の一つだ。
 骨がむき出しに近いので、もろに衝撃を受ける。

 スゴく痛いはずだが、無門は平静だ。
 神野仁が手袋に気をつけろと言っていたのは、このことか!(ゆうえんち80回
 正確には「やつの、柳の右手、右手の手袋に、気をつけろ……」と言っていた。
 これなら「手袋の中に石」ぐらい言って欲しかったな。
 でも、かなりのダメージを受けていたから、仕方がないか。

 スネにダメージを受けたが、これで未知の脅威が消えた。
 これで安心して闘えるというものだ。
 でも、無門がそう思っているだけで、実は別のことと言う可能性ものこっているけど。

『柳龍光と闘う時――今、この時のために、温存してきた技があるのだ。』

 ちゃんと温存している技があったッ!
 無寸雷神ばっかりじゃないぞ!
 この技で、わが父 松本太山に代わり貴様を倒す! とか言いだしたら喜びで失禁しちゃいそうだ。

 柳龍光の右頬が裂けたッ!
 無門はシャツの両袖に細工をしていたのだ。
 マスター国松の使っていた、袖攻撃である。ゆうえんち1巻 28回

 また、コピー技か。
 悪くはないし、マスター国松の怨念が籠っていそうで強そうだ。
 でも、そろそろ無門オリジナルの技とかも欲しいな。
 屋上から飛び降り、とかは立派なオリジナルだったけど。

 柳龍光 被害者友の会からの恨みがこもったプレゼントみたいだ。
 出血した柳龍光は驚いている。
 ここから無門の逆襲が始まるのか!?

週刊少年チャンピオン2021年13号
週刊少年チャンピオン2021年13号


2021年3月6日(14号)
第136回 巻の十六「喰っちゃったんだよ」

 葛城無門と柳龍光は激しく闘う。
 無門は対柳用にとっておいた技を使った。
 マスター国松からコピーした袖攻撃だッ!
 そもそも、この技はマスター国松が柳への復讐のために編みだした。
 勝手に使ったら、マスター国松さん、怒るだろうな。

 無門は両腕の袖を加えた両手両脚両袖の6連攻撃をしかける。
 だが、柳もバケモノだ。
 無門の攻撃を最小のダメージで切りぬけた。

『さすがは、柳龍光だ。
 実戦慣れしている。』


 善悪や恩讐をぬきにして柳龍光と言う戦士は素晴らしい。
 無門は敵であっても柳の技量を認めているようだ。
 柳のような実力者と闘うのだから、楽しまないともったいない。
 でも、今後の無門は柳クラスの相手と闘えるのだろうか?
 退屈な余生になってしまいそうだ。

 無門は柳に少しずつ打撃を当てていく。
 だが、決定的な一撃とはならない。
 逆に無門は頭を覆っていた布の端をつかまれてしまう。
 布を引かれたら、頭が引っ張られる。
 致命的なスキを見せてしまう。

「かかったね、おじさん……」

 無門は、布が簡単にはずれるように巻いていた。
 柳は、無門の罠に引っかかったのだ。
 マスター国松の袖攻撃だけではなく、いろいろ策を用意していた!

 このスキを逃さない!
 無門は一気に攻撃を叩きこむ。
 だが、やっぱり柳は強敵で致命傷を負わずにかわす。
 神野仁の神速に負けない反応速度だ。

「凄いね、キミ」
「これは、血だねえ」
「ああ、久しぶりだよ。自分の血の味を思い出すのはね……」


 流血しても余裕の柳龍光であった。
 しばらく流血すらしたことが無かったようだ。
 もっとも数年後に刃牙たちと闘い、イヤというほど自分の血と涙の味を味わうことになる。
 最終的にアゴまで砕かれるもんな。

 柳は、無門の技がマスター国松のものだと見破る。
 優れた洞察力と推理力だ。
 マスター国松が無門に技を教えるはずがないので、実験台にされて技を見たと読む。

 柳が恐ろしいのは、こういう分析力だ。
 相手の技を解析し、その長所も短所も把握する。
 おそらく袖攻撃の対策も考えているのだろう。
 マスター国松は、秘密兵器を勝手に使われて対策をされるのだから、お気の毒ですね。

 柳龍光にとってマスター国松は師匠でもある。
 忘れられない強敵でもあった。
 国松の左腕を切り落としたのは柳である。
 無門だけでなく、マスター国松にとっても柳は宿敵だ。

「ねえ、無門くん。あの腕、今、どこにあるかわかるかい」
「わたしのところだよ。わたしのところに、飾ってあるんだ。その腕、どうしたかわかるかい?」
「喰っちゃったんだよ」

 喰ったッ!?

 ちょっ、ええッ、喰ったの!?
 確かに骨になっていたけど、肉を喰ったのかッ!?
 柳龍光、ここまで変態だったのかよ!

 衝撃の告白だった。
 もしかして柳はマスター国松を食べたいほど好きだったのか?
 柳の変態告白を聞かされて無門が精神的にダメージを受けそう。
 なんか、別の変態をぶつけて相殺できんもんかね。

週刊少年チャンピオン2021年14号
週刊少年チャンピオン2021年14号


2021年3月13日(15号)
第137回 巻の十六「キミを、全力で潰そう」

 葛城無門と柳龍光の死闘がつづく。
 この時のための策が効果をあげて無門が押しかえす。
 だが、柳は逆転の精神攻撃をしかけてきた。
 柳はマスター国松の切り落とした左腕を喰ったと告白する。

『もちろん、聞きたくない。』


 無門はさっそく精神的ダメージをうけてしまった。
 だが、聞きたくないから攻撃するような愚かなマネもしない。
 柳の誘いをかわした。

 でも、柳はこの話を止める。
 国松の腕を喰ったという経験が自分を強くした。
 その記憶を話す気はない。

 柳は敗北を知りたいと言っている。
 だが、相手を強くすることはしたくないらしい。
 強敵を育てたくなった範馬勇次郎の域には達してないな。
 敗北を知りたいけど敵は強くしたくない。
 この矛盾を抱えているのが、やっぱり後の最凶死刑囚だな。

 仕切り直して、二人が死闘を再開する。
 無門は両袖の攻撃で柳を攻めた。
 だが、柳は袖を破り取り、空掌を無門の顔面に当ててくる。
 顔面の肉をはぎとられてしまう!

 神野仁も柳も身体にワセリンをぬることで空掌対策をしていた。
 無門は顔に布をまきつけて対策をしていたが、布が取れている。
 バキ世界では貴重な美形が破壊されてしまうのか!?
 だが、空掌は失敗する。
 無門は口から息を吐くことで、空掌の真空を消した!

 柳も感心する空掌破りだッ!
 とっさのヒラメキが天才的だぞ。
 そして、美形が無事で一安心だ。

 『新・餓狼伝』に覆面忍者・葛城流忍術の猿神跳魚(さるがみとびお)という男がでてくる。(新・餓狼伝5感想
 葛城流なので、もしかしたら葛城無門かもしれない。
 そうだとすると、覆面している理由が気になる。
 もしかしたら、顔面をひどく損傷しているのかも……
 なので、葛城無門への顔面攻撃が心配だ。

 空掌がスカった柳は勢いで半回転してしまう。
 無門は勝機とみて、柳の背後からしかける。
 腕を絡めて締めあげた技は――――

『チキン・ウィング・フェイスロック!!』

 餓狼伝で丹波文七が梶原年男に極められて敗北した因縁の技だ。
 敗北を知った丹波も、この技を研究し使うようになる。
 完璧に決まれば脱出不可能なスペシャルホールドだ!

 だが、無門は極めきる前に技をといた。
 柳には空掌がある。
 右腕の肉を狙われたので、よけたのだ。

 ここで右腕を犠牲にして極めるという選択はあっただろうか?
 おなじ腕一本だが空掌だと肉がもがれるので、出血も激しいだろう。
 ダメージは無門のほうが大きそうだ。
 組み技でなく打撃のほうが良かったか?

 無門の善戦に柳は興奮している。
 眼は濡れて光り、股間が膨らんでいく。
 ……へ、変態めッッ!
 ここまで変態になりやがったか。

「無門くん、キミを、全力で潰そう。もう、無駄なことは一切しないよ。」

 そういって、柳は構えをかえた。
 左手を前にだし、右手を頭の後ろに隠す。
 この構えは、神野仁がした構えだ!ゆうえんち1巻 26回

 無門は、この構えを知っている。
 その後の変化を見ていないが、無門のことだから想像していただろう。
 だが、柳は無門が知っていることを知らない。
 これは、ものすごいチャンスかも!
 次回が勝利の正念場か!?

週刊少年チャンピオン2021年15号
週刊少年チャンピオン2021年15号


2021年3月21日(16号)
第138回 巻の十六「絶望の顔」

 夜の格闘遊技場"ゆうえんち"にて、葛城無門と柳龍光が宿命の対決をつづける。
 お互いに、とっておきの必殺技・隠し技を出すが、なかなか致命傷には至らない。
 ここで柳龍光が新しい技を仕掛ける。
 無門は、この構えを知っていた!
 もしかしたら、返し技のチャンスか!?

 左手は手のひらを上にして前方につき出し、右手を頭の後ろに隠す。
 この異様な構えを葛城無門は見たことがある。
 神野仁の構えだ!ゆうえんち1巻 26回
 だが、無門はこの構えからどういう技になるのか考えていなかった!

 無門が予想していたという予想が外れた!
 あのころの無門は、初めて得た柳龍光への手がかりで頭がいっぱいだっただろう。
 神野仁の技を考える余裕が無かったんだろうな。
 これは、タイミングが悪かった。

 無門は考える。
 この技は神野仁の技だ。
 おそらく神野が柳に仕掛けたのだろう。
 柳はこの技を喰らってもあまりダメージは無かったようだ。
 しかし、この技の強さは認めたのでコピーした。

『柳龍光が、効果的と考えている技――それだけで おそろしい。』

 思わず無門は後ろにさがる。
 無門のその動きだけで柳は、無門がこの構えを見たことはあるが、技の正体を知らないことまで見ぬく。
 なんという洞察力だ。
 柳は名探偵になることができるぞ。
 まあ、性癖に問題があるので、なるなら犯人なんだろうけど。

 無門は神野仁のダメージを思い出す。(ゆうえんち80回
 そこから技のヒントをさぐる。
 これは、あまり良くない行動だ。
 目の前に敵がいるのに、余計な事を考えている。
 技を知らないよりも悪い状態かも。

 無門はとりあえず柳に下段攻撃を仕掛けようとする。
 だが、何かが無門の左眼にぶつかった!
 眼へ攻撃は軽くても反射的に動きが止まる。
 そこへ柳の連打を喰らってしまう。

 大ダメージは避けたが、何度か打たれてしまった。
 柳が右手に手袋をはめていたので、毒のダメージは無い。
 そこはラッキーだった。
 だが、最初に喰らった見えない目潰しがヤバい。

 烈海王は驚異的な肺活量から空気の目潰しを撃っていた。
 空気だから見えないという危険な技だ。
 柳龍光は、前に出した左手に右手を叩きつけて圧縮空気を撃ち出した。
 真空を作り出すことのできる両手で作る空気弾だ!
 烈海王の空気弾とも遜色あるまい。

 神野仁は傷ついた左手でやろうとしたので自爆したのだろう。
 無門はそう推察する。
 そして、この技のヤバさに改めて恐怖した。

「いいねえ、その顔、神野くんも、わたしにやられる前、そんな顔をしていたよ」
『そんな顔――
 つまり、絶望の顔か!?』


 葛城無門が絶望した!
 いや、ちょっと早いんじゃないか?
 確かに見えない目潰しはこわい。
 だが、撃つための動作が大きいから、タイミングは見切りやすいハズだ。

 初見殺しの必殺技だが、その初見を無門は生きのびた。
 むしろ絶望を乗りきったと思えばいいのに。
 この精神的な弱さは実戦経験の少なさが原因だろうか。
 なんとか気持ちを切り替えて欲しい。
 心が折れたら、そこで試合終了ですよ。

 見学している独歩が助言をくれるのだろうか?
 ここは、やっぱり松本太山の教えを思い出して欲しい。

週刊少年チャンピオン2021年16号
週刊少年チャンピオン2021年16号


2021年3月27日(17号)
第139回 巻の十六「柳龍光になくて、自分にあるもの」

 葛城無門と柳龍光の闘いは、重大な局面をむかえる。
 柳の攻撃を受けて、無門の心が折れかけているのだ。
 無門はこのまま敗北してしまうのか?

 柳を呼びだし、無門の得意な空中戦を仕掛けた。
 だが、無門の攻撃はあまり効いていない。
 逆に無門は柳の攻撃でダメージが蓄積している。
 さらに、柳の空掌対策だった布を失った。

 柳は無門が絶望の顔をしていると嬉しそうに話す。
 無門は、そんなこと無いと自分に言い聞かせるが、心が弱っている。
 言葉による精神攻撃も効いているぞ。
 葛城無門は泥沼の大ピンチだ。

『まだ、やれる。』
『あるはずだ。
 柳龍光になくて、自分にあるもの。
 あった。
 ある。
 それはサーカスだ。』


 無門は自分の内面に勝機を探す。
 答えはサーカスだ!
 サーカス技なら、柳の上を行ける!
 無門は自力が復活か?

 でも、サーカス技だと攻撃力が足りなさそうだ。
 それに、この状況でどう使うのか?
 希望が見えたのは良いけど、小さな灯だ。

 どっちかと言うと、松本太山の教えを思い出してほしかった。
 松本太山は、葛城無門と言う逸材を鍛えあげたのだ。
 その中には葛城無門にしかできないような絶技もあっただろう。
 松本太山のカタキは、松本太山に教わった技で討て!

「わたしは、これを空弾と呼ぶことにしたよ。」

 柳はふたたび空弾と名づけた技の構えをとる。
 右手を頭の後ろに隠すことで技の出所を見えにくくする効果があるらしい。
 動きが大きそうに感じたが、ちゃんと考えられているんですね。

 無門の左眼はまだダメージが残っている。
 右眼にも喰らったら終わりだ。
 柳の狙いはワカっているから、もう喰らわない!
 と考えていたら、喰らってしまった!

 無門は目を閉じることで、空弾を防いだ。
 だが、その動きは柳に読まれていて、眼を閉じた瞬間に攻撃されてしまう。
 無門はもっともスキが少ない動作を選択したつもりだったが、むしろ大きなスキをさらしてしまった。

 鳩尾(みぞおち)に貫手を喰らう。
 ボディーで一番効くのは肝臓だといわれているが、鳩尾も効く。
 胃と横隔膜にダメージが来るので、呼吸困難になる。
 つづく柳の攻撃をなんとかしのいだが、二発被弾した。

 ここで鳩尾へのダメージが効いて、無門は胃液を吐く。
 新たに大きなスキを作ってしまった。
 そこに柳の右膝が襲いかかる。
 いまの無門は、この攻撃をかわせるのか!?
 次回へつづく。


 前回より、さらに大ピンチになってしまった。
 サーカス技で勝つというプランができたのは良い。
 でも、サーカス技を出す前に敗北してしまいそうだ。

 そもそも、どうやってサーカス技を使うのだろう。
 玉乗り、空中ブランコ、綱渡り、乗馬、猛獣、どれも、この場に無い。
 ここから、どうやってサーカスにもって行くんだろうか?
 考えようによっては、猛獣がそばにいる。
 愚地独歩という猛獣を使えばいいのか!?

 あと、葛城無門にとって最大の能力を使い切っていない。
 無門のコピー能力だ。
 まだコピーしていない技がある。
 無門なら、空掌をコピーして逆襲できそうだけど、どうか?

週刊少年チャンピオン2021年17号
週刊少年チャンピオン2021年17号


2021年4月3日(18号)
第140回 巻の十六「ファイターは、聖人なのだ」

 葛城無門は師匠・松本太山を父として慕っていた。
 その松本太山の死因を作った柳龍光をついに見つけ出し、勝負を挑む。
 だが、柳龍光は想像を違う方向に踏み外した 変態 怪物だった。
 無門は心折れ、敗北してしまうのか!?

『七割をかわして、三割を被弾する。』


 柳龍光の連打が炸裂する。
 無門の身体にダメージが蓄積されていく。
 このままだと被弾率が上がっていき、最後は滅多打ちになって敗北する。
 それがワカっているが、無門に策は無い。
 まさに万策尽きて、万事休すか!

 この展開は、加奈村狂太との死闘に似ている。(ゆうえんち108回)
 格上の相手と闘い、ジワジワと疲労とダメージが蓄積していく。
 ヘビに絞め殺されるネズミのように、ゆっくりと死へ近づいていくのだ。
 加奈村狂太の時と同じように無門の意識は混濁していく。
 しかし、あの時の無門は ここから逆転したのだ!

 だが、今回はダメージよりも、疲労が大きいようだ。
 無門は倒れて楽になってしまいたいと思いはじめる。
 柳龍光の前で倒れてしまえば、恐るべき変態技の餌食になるだろう。
 それでも楽になってしまいたい。
 無門の心が折れようとしている。

 柳は空掌や毒を使わなくても充分に強い。
 というか、まだ右手に手袋をつけて毒手を出していないのに無門を圧倒している。
 それだけの実力差があるのだろうか?

 ただ、無門は疲労を強く感じている。
 今夜は強敵三人と三連戦した後だ。
 とくに加奈村狂太には敗北寸前まで追いこまれている。
 連戦による疲労が最大の問題か?

 朦朧とした無門は松本太山の幻影を見始める。
 えっ、三途の川の向こう岸で手をふっている系のヤツか!?
 と思ったら、そうではなく現在の無門に語りかけてくる感じの幻影だった。
 これは加奈村狂太戦での奇跡が再びか?

『もう、休め。』

 予想と違う言葉だ!
 松本太山にそう言われたら、もう終わりだな。
 あきらめよう、ここで試合終了ですよ。

 だが、幻想の松本太山は難しいことを言いはじめる。しかも、話が長い。
 普段の無門とは知識が違うようだ。
 となると、修行中の無門に語っていたことが、今よみがえってきているのか?

『時には、負けることも必要なんだ。』
『どんなにがんばったって、できないことはある。
 それを知ることは、悲しいことだ。』

『何で強くなりたいのか。』
『その欲望は人の中心を貫いている。
 だけどなあ――』
『最後の最後、人生のどんづまりのところでは、人のために生きなきゃあいけない。
 人のために、自分の命を使うんだ。』

『泣いている人間が、ひとりでもいるうちは、闘う者は、聖者のように立ち上がらなくちゃあいけないんだ。
 ファイターは、聖人なのだ。』


 倒れても良いんだ。
 と認めてからの、大逆転で人類を救う規模の使命感を与えてきたッ!
 いや、ちょっと、スケールが急に大きくなり過ぎじゃないですか?
 変態と闘っているだけなのに、ウルトラマンになって人類を守ってぐらいの事を言われたような。

 『スティール・ボール・ラン』では、聖人は死後に2回奇跡を起こさないと認定されないと言っていた。
 無門は、その聖人の域にたっしなければならないのか?
 そういえば、松本太山が無門を助けるのは、これで死後に2回目だ。
 ならば、松本太山こそ聖人に認定されるかも。

『敗北を知らない人間が、人に優しくできるものか。
 だから、今は、休んでいいんだ。』


 デカい目標を設定したが、でもやっぱり負けて良いと言う。
 上げたいのか、下げたいのか、どっちだ!?
 いや、大きな目標のためなら、ここで小さな敗北をしても良いよって事なんだろうけど。

 松本太山の考えは、柳龍光と正反対だ。
 強くなるための理由が違う。
 敗北に対する考えも逆だ。
 だとすると、無門はやっぱり柳に勝たなくちゃいけない気がする。
 松本太山が正しいことを証明するため、柳龍光に勝たねばならんのだ。
 まあ、今日は負けて、後日リベンジでも良いのだろうけど。

 休んでいいと松本太山は言った。
 だが、無門はもうすこしだけ頑張る。
 まだ、自分は立つことができるからだ。
 聖者のように立ちあがれ!

 人のために強くなれ。
 だけど、無門は誰のために強くなるのだろうか?
 加奈村正介を倒したときは、母と弟のために強くなった。
 今の無門を支える明確なモチベーションがあったほうがガンバれそうだよな。

 松本太山と会話をしながら無門は闘う。
 気がつけば、シャツがはだけて皮膚がむきだしだ。
 柳龍光は、これを狙っていた。
 素肌に空掌をしかける!
 無門は胸に柳の手が吸いついてきたのを感じ、次回へつづくッッ!

 やっぱり、最後は松本太山の教えか!
 なんか愚地独歩が龍金剛と登った高みみたいだ。
 無門は、十代の若さでスゴい領域に行っちゃったのかも。

 人間は、私欲で頑張ると限界があると言う。
 大義に殉じるから頑張れるのだ。
 松本太山の教えは、そういう事なのだろう。
 だが、現実の空掌は銃弾と同じように善悪ぬきに人体を破壊する。
 無門の空掌対策は、まだあるのか!?


週刊少年チャンピオン2021年18号
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