今週の『ゆうえんち −バキ外伝−』(71回〜80回)感想
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2019年10月26日(47号)
第71回 巻の九「ワシだってね、そのくらいはできるよ」
格闘遊技場"ゆうえんち"での話はいったん置いといて、渋川剛気が神速子連れ観音という異名を持つ神野羽矢雄(かんの はやお)について語る。
まさか、葛城無門を放置して二回も回想するとは思わなかったぜ。
さすがに、三回目は無いと思うが……
神野羽矢雄は、あらゆる攻撃をよける殴られ屋をやっていた。
で、相手をしていたヤクザがとうとう拳銃を持ちだす。
だが、神野は拳銃チャレンジを簡単に承諾してしまう。
銃弾をも凌駕するという自信があるようだ。
さすがに銃弾をよけたことは無いだろうが、それに近い経験があるのだろうか?
鉄砲の上手に8メートルの間合いで、拳銃を撃たせる。
神野は三枚重ねのフライパンで銃弾を受けるという勝負になった。
やるか。
やろう。
そういうことになった。
で、神野は表情もかえず、あっさり銃弾をフライパンで受ける!
なんという神技か!
本当にスゴいのは、平然と普通にスゴいことをやってのける事だ。
ちょっと演出があったほうが世間受けするんだろうけど。
『ワシだってね、そのくらいはできるよ。』
渋川先生、超負けず嫌い!
拳銃を持っているなら、今ここでやると言い出す。
日本ですから、拳銃なんて持っていないと見越して言っているのだろう。
もっとも、本当に拳銃を撃ってきても受けそうだ。
それどころか、合気フライパン返しで銃弾を撃ち返しそう。
渋川剛気は分析する。
拳銃で狙うなら的の大きい胴体だ。
フライパンなら大部分をカバーできる。
さらに拳銃を持つ手の動きから、着弾点を予想すれば可能じゃ!
『
キマイラ
』シリーズの宇名月典善も同じこと言って拳銃をフライパンで受けていたな。
うん、達人なら可能だ。
可能なのだッッ!
『神野羽矢雄のやつ、柳龍光と出合っちまったってわけだね。』
『その席に、ワシも呼ばれてたってわけだね。』
ついに、その時がきたッ!
ヤクザ代理戦としての神野羽矢雄vs柳龍光だ。
そして、その場に渋川剛気までいる。
これは危険な組み合わせだ。
渋川剛気はスキあらば柳龍光を倒そうと狙っていそうだし。
ヘタすると大惨事が起きるぞ。
誰が渋川剛気を呼んだんだよ。
いや、柳がくると聞いて、渋川さん来ちゃったんだろうな。
神野は柳龍光を見て、ルール変更を申しでる。
自分も攻撃させて欲しいと。
柳を見ただけで、その危険性を見破ったのか!
神野は反射神経だけでなく、洞察力も優れているようだ。
『で、ふたりは、二畳の正方形の中で向きあったんだ。』
この狭い空間で柳龍光と神野羽矢雄が殴りあう。
それを神野の息子・神野仁がじっと見ている。
さらに、背後で渋川剛気も見ているぞ。
なんという光景だ。
柳龍光は鍛えに鍛えて強くなった。
逆に神野羽矢雄は、たぐいまれな素質があって、もともと強い。
正反対の二人が勝負する。
まずは、柳が鞭打で攻撃し、神野がよけた。
互いの力量は、コレでわかったようだ。
真の闘争はこれから始まる!
と、言いつつ、話の流れ的に、神野羽矢雄は死にそうだ。
息子・仁の目の前で柳に殺される。
毒手なのか、空掌なのかはワカらんが、
こりゃ死ぬな
。
で、渋川剛気が襲いかかるスキを与えず柳は逃げる。
神野仁は父のカタキとして柳を殺したい。
葛城無門も師・松本太山のカタキ討ちで柳と戦いたいのだ。
こりゃ、柳の取りあいですね。
そうなると「勝ったほうが柳とやる」状態になって、戦うハメになりそうだ。
葛城無門の出番が無いのに、強敵ばかり増えている。
なんか、今回の"ゆうえんち"で柳と戦えるのかあやしくなってきた。
このまま第三の回想と敵が出てきたら、柳はあきらめたほうが良いのかも。
週刊少年チャンピオン2019年47号
2019年11月2日(48号)
第72回 巻の九「よけようがないんだよ」
神速子連れ観音という異名を持つ殴られない殴られ屋の神野羽矢雄(かんの はやお)は柳龍光と勝負することになる。
それを渋川剛気が見ていた。
恐ろしく濃い面子が集まった空間で死闘がはじまる。
二畳という狭い空間が濃縮された戦場だ。
柳龍光が鞭打をしかける。
だが神野は鞭打をかわす。
常人よりも反応速度が高いと言われる神野らしい回避だ。
渋川さんが言うには、鞭打は肩の動きを見るとよけることができるらしい。
いや、できねーよ!
達人基準で物を言うなッ!
刃牙だって鞭打を喰らっていたんだし。
いや、刃牙の場合はマゾだから、わざと喰らっていたのかも。
柳はわざとスキを作りながら攻撃する。
神野はそのスキにのらない。
互いに意図を読みあう高度な攻防だ。
神野は反射神経だけでなく、頭の回転も早いらしい。
一分がすぎ、のこり二分となった。
次の一分はさらに高度な攻防となる。
柳はフェイントをはさむなど攻撃のバリエーションを増やす。
神野は攻撃をすることで逃げ方のバリエーションを増やし対抗した。
応用力もかなりスゴいぞ。
最後の一分になり、柳の動きが変わった。
ゆっくりと動きだす。
速く動いてダメなら、逆にゆっくり動くのか!
畳二畳のせまい空間でこれをやられると――
『よけようがないんだよ。』
神野は攻撃することで脱出しようとする。
だが、柳は空掌を使ってきた!
空掌は真空状態を作って相手の身体に吸いつく技だ。
拳の中に真空をつくり、手を開くと真空ができて、物を2センチぐらい吸いこむ事ができる。
真空をつくるって、こういう理屈だったのか!
ムチャ理論には違いないが、理屈になっている。
どっちにしても、手の平が丈夫でないとできない技だよな。
自分の手の平の皮が逆にはがされてしまいかねない。
この見えない2センチが神野の読みを狂わせた。
2センチ届かないハズが、手に吸い込まれて届いてしまう。
柳龍光の右掌が神野の左頬にはりついた。
そして、柳が右手を引く!
『神野の顔の左頬の肉、半分、引きはがされちゃったんだなあ。』
それでも諦めない神野に、柳は追撃の空掌をかける。
顔面の筋肉がもっていかれ、神野の顔の左半分は骨がむきだしとなった。
神野の息子・仁は泣き出し、神野の敗北でゲーム終了となる。
お払い箱になった神野羽矢雄は入院するも顔は元に戻らなかった。
そして、退院半年後に自殺する。
強いという自信のあった男が、誇りを砕かれ打倒されたのだ。
この屈辱をはらすには、柳を倒すしかない。
だが、その自信がわかなかったのだろう。
そして、負けたままで生きていけるほどプライドが低くなかったようだ。
のこされた息子・神野仁は、柳の師匠である空道のマスター国松に弟子いりする。
父・羽矢雄は才能があったが、柳龍光の努力と経験に敗れた。
もっとも、柳も天才ではあるんだろうけど。
息子・神野仁は、父譲りの才能に加えて努力と経験を積んだ。
この怪物ならば、柳龍光にも勝てるのか!?
神野仁も柳龍光を狙っている。
葛城無門と出会ったとき、神野仁はすでに"ゆうえんち"を知っていた。(
26回
)
今回の"ゆうえんち"にも参加しているかも。
そうなると、現在の"ゆうえんち"には、葛城無門・柳龍光・龍金剛・神野仁の4人がいることになる。
とんだ怪物ぞろいの"ゆうえんち"だ。
さすがに、もう怪物の追加は無いと思うが……
そして、ちゃんと葛城無門は登場するのだろうか?
週刊少年チャンピオン2019年48号
2019年11月9日(49号)
第73回 巻の九「いずれ殺し合うことになるよ」
神野羽矢雄(かんの はやお)は柳龍光に敗北した。
職を失い、顔面も半分失い、強者としての誇りも失い、自ら命を絶つ。
その遺児・神野仁が柳龍光に復讐を誓うのは当然の成り行きだろう。
葛城無門と同じような境遇だ。
柳龍光はあちこちで恨まれているな。
神野仁も今回の"ゆうえんち"に参加していた。
スタート地点から観覧車が見えたので、ここが相模オリエンタルランドだと知る。
観覧車の近くってことは、龍金剛の近くにいるってことだ。
って、ことはしばらく後に葛城無門がやってくるだろう。
神野仁もカタキと狙う柳龍光と戦う前に波乱がありそうだ。
そもそも、神野仁が"ゆうえんち"に参加したのは、ボクシングの早田ジムをつぶせなかったためである。
って事は、葛城無門とも因縁が生じているな。
早田ジム襲撃を指示したのは、父が世話になっていた北諸天組の組長・北諸天平三郎(きたしょてん へいざぶろう)である。
神野仁も世話になり、大日本武術空道の道場にも通わせてもらった。
北諸天には強い手駒をそだてるという思惑があったのだろう。
しかし、北諸天平三郎とはスゴい名前だな。
三文字姓に三文字名前を合わせる。通常の1.5倍はある名前だ。
で、
あ
・北諸天(
きたしょてん
)か。
秋田組の傘下なのかもしれない。
神野仁は道場に通い、空道を身につけた。
父ゆずりの神速もあり、神野仁は道場一の強さとなる。
だが、師匠のマスター国松が怖いことを言ったので道場を出ることになった。
「ワシとキミとはね、いずれ殺し合うことになるよ」
「師と弟子とはね、そういう関係なんだよ。弟子が強くなってきたら、先生はその弟子と殺し合うことになるのさ。柳龍光とも、まあ、そんな感じだったよ。これは避けられない」
やっぱ、この世界のマスター国松は良いぞッ! 怖いぞッッ!
武術の世界は、こんな荒んだ師弟関係ばかりじゃないだろうけど。
ただ、師匠の威厳を保ちたいから、弟子は定期的に叩いて強さを見せつけるということがあるらしい。
合気道の塩田剛三も黒帯会を開いて似たようなことをやっていたそうだ。(
格闘士烈伝
)
マスター国松の場合は、柳龍光という先例があるから性格に問題のある弟子を警戒しているのだろう。
とりあえず柳龍光を血祭りにあげてから、次の弟子を考えようという気分かも。
でも、安全を考えるなら出ていくのが吉だ。
北諸天組の客分となった神野仁は素手で人をぶちのめす仕事をさせられる。
だが、早田ジム潰しに失敗したので、挽回として"ゆうえんち"に行くことになった。
神野仁は、柳龍光も"ゆうえんち"に参加するらしいという情報を得ていたため、参加を決心する。
起きあがった神野仁は木陰でストレッチをした。
かなり慎重な性格のようだ。
柳を見ると感情的になる葛城無門とは逆の性格ですね。
いや、神野仁も柳を前にしたら激昂するかもしれない。
神野仁は慎重にゆっくり歩く。
すると前に人影を見つける。
『柳龍光だった。』
いきなり、柳龍光だッ!
龍金剛のいる地点にみんな集合しているッ!
葛城無門はすでに龍金剛の足跡をふんだ。
柳龍光と神野仁は、その手前あたりだろうか。
この位置関係なら葛城無門vs龍金剛と、柳龍光vs神野仁のダブルヘッダーだ。
激闘の予感をさせつつ、あとは神野仁の性格しだいだな。
神野仁が本当に冷静な男なら、まだ手を出さずに柳龍光が弱ったところを狙うだろう。
父の汚名を晴らしたいのなら、正々堂々と勝負だ。
神野仁は、どちらの行動をとるのか!?
あと、そろそろ葛城無門の出番も欲しいところですが、こりゃしばらくムリかも。
週刊少年チャンピオン2019年49号
2019年11月16日(50号)
第74回 巻の九「どのような愛の言葉よりも」
バキ前半で大暴れした最凶死刑囚5人の一人である柳龍光は昔から暴力をふるい人を破壊しつづけていた。
葛城無門の師・松本太山の腹の肉をえぐり、致命傷を与えている。
神速子連れ観音という異名を持つ神野羽矢雄も柳龍光に顔面を破壊され、屈辱を胸に自殺した。
なので、葛城無門に狙われ、神野羽矢雄の息子・神野仁にも狙われている。
追う執念と偶然に導かれ、二人とも柳龍光とともに"ゆうえんち"に参加しているのだ。
狙われていると知っているのか知らないのか、柳龍光は"ゆうえんち"を ゆっくり歩いていた。
葛城無門とゴブリン春日が戦っているところから離れてた直後だ。(
ゆうえんち60回
)
柳龍光は敗北を知りたいと思っている。
それはもう変態的に、ねちっこく、夢枕獏口調でねっとりと思っているのだ。
自分が無残に敗北することを思うと射精しそうになる。
――――変態だ!
きわめつけの変態、たまらぬ変態である。
性癖はかなり異常だけど、甘美な敗北を
「そこいらのどんな坊主よりもストイックに」
追求するのが柳龍光であった。
快楽を求め禁欲的と言う矛盾が後の最凶死刑囚らしいな。
葛城無門とゴブリン春日の勝者と戦えば、消耗した相手なので楽に勝てるだろう。
だが、そういう楽はしたくないらしい。
戦うからには全力を尽くすし、卑怯な手だって使う。
だが、戦う前に相手の強さを弱めるような策はしたくないようだ。
毒をもったり、人質をとったりしない、と。
その辺が柳龍光の美学のようだ。
刃牙と戦った時は背後から武器で襲いかかったり、SAGAで刃牙も読者も疲れているところに出てきたりしていた。
刑務所での生活で、柳の美意識も多少変化したのかも。
いや、価値観の変わる何かが柳の身に起きたのだろうか。
このころの柳龍光は、きれいな柳龍光だ。
柳龍光が、無門たちのところから去ったのには、もう一つ理由がある。
尾行(つ)けられている気配を感じていたのだ。
かなりの手練れであり、そうとうな殺気をはらんでいる。
敗北を渇望する柳龍光にとって、こりゃフル勃起もののお誘いですね。
やはり、ドえらい変態だ。
『こういう剥き出しの殺気は、どのような愛の言葉よりも、その気にさせる。』
柳龍光がムラムラきているぞ!
相手の事ばかり考えて、相手をどうしようと妄想ばかりしてしまう。
愛も殺意も、相手を思う気持ちの強さは同しだッッ!
そりゃ、柳もそそられると言うものである。
柳としては背後から不意打ちなど、卑怯な攻撃をして欲しかった。
自分が容赦ない攻撃をするのだから、相手にも求めるのだろう。
まさに歪んだ性癖全開だ。
本来なら、ジャック・ハンマーみたいな相手と戦いたかったんだろうな。
ジャック・ハンマーからのガイアというシコルスキー殺しコースを味あわせてあげたい。
柳龍光は待ちきれず、自分から誘いをかける。
尾行(つ)けていた相手は、もちろん神野仁だ。
ついに父親のカタキである柳龍光の前に姿をあらわした。
死闘の予感をさせつつ、次回につづく。
神野仁は、ずっと柳の後を尾行(つ)けていた。
葛城無門と柳龍光が戦いそうなときも見ていたのだ。(
ゆうえんち59回
)
神野仁は葛城無門よりはるかに辛抱強く柳龍光を狙っている。
それだけ、柳龍光への憎しみ・恨みが大きいのだろう。
最終的に柳龍光を殺せればいい。そう思っているのかも。
いっぽうで神野仁は柳を背後から不意打ちしなかった。
正面から倒したいと思っているのか?
それとも、柳が自分に気がついていて反撃されると読んだのかも。
いきなり襲いかからないのは慎重な性格だと思っていいだろう。
恨みを長年捨てていないので、ねちっこい性格でもある。
葛城無門とは別の場所でも超絶バトルが開始(はじ)まりそうだ。
神野仁の復讐は成功するのか!?
もっとも、柳が死んだり再起不能になったりしない未来があるのは確かだ。
あとは、柳にどれぐらいのダメージを与えてくれるのか?
そして神野仁が受けるダメージはどれぐらいだろう。
葛城無門は強敵と遭遇しまくって大変だ。
柳龍光のほうも強敵と遭遇してダメージを受ける可能性がある。
葛城無門と柳龍光の対決は、両者万全の状態で心置きなく戦って欲しいかも。
だが、『バキ』の柳龍光は敗北を知りたいと言っていた。
つまり
「戦う前からダメージあったから、この敗北は認めない」
と言うオチになりそう。
そして葛城無門は、この後どこへ行くのだろうか。
週刊少年チャンピオン2019年50号
2019年11月23日(51号)
第75回 巻の九「仇を討ちたいなんて不純だろ」
柳龍光を殺すために生きて強くなってきた。
それが神野仁の人生である。
父の神野羽矢雄は柳に殺されたも同然であり、そのカタキ討ちが目的だろう。
柳と同じ武術を学び、わずかな手がかりを手繰って、ついに柳龍光の前に立つ。
夜の格闘遊技場"ゆうえんち"で、新たな死闘が開始(はじ)まろうとしていた。
神野仁は
「へひい……」
と内心で喜悦の声をあげる。
こりゃ、本気の声だ。
最強だと思っていた父を倒した男が柳龍光である。
その強さ、まさに魔王だと神野仁は思っていた。
魔王なのか!? ちょっと発想が独特だな。
悪魔とかよりも高貴でリスペクトを感じる。
神野仁は父・羽矢雄を強いと尊敬していたものの、好きじゃなかった。
って、前提をひっくり返す意外な告白だ!
ならば、カタキ討ちしに来たワケじゃないのか?
でも、柳龍光を殺すと言っていたんだけど。(
ゆうえんち25回
)
「馬鹿で、あんなことしかできなくて、泥臭くて――」
羽矢雄は強かったけど、生き方がカッコ良くなかった、と。
たしかに殴られ屋という職業は、あまり良くない。
人類最強クラスに強いんだったら、ボクシングみたいなプロスポーツをやればよかった。
反応速度だって早いんだから野球選手でも良い。
表の世界で地位も名誉も得るだけの強さを持っていたハズだ。
神野羽矢雄がもっている強さを活かしきれなかったのは、性格に問題があったからだろうか?
目立つのが苦手だったりして。
父を泥臭いという神野仁も、ヤクザの客分として用心棒をやっている。
死ぬ直前の父と似たような仕事だ。
現在の自分がイヤになったりしないんだろうか?
神野仁は世界チャンピオンになって名誉と金を手に入れればイイのに。
「おれは、あんたを尊敬している」
「だから、あんたに勝ちたいんだよ」
「仇を討ちたいなんて、あんたにとってもおれにとっても不純だろ」
神野仁は最強に強い柳龍光を尊敬しているのか!
そうなると、やっぱり父・羽矢雄を強く尊敬していたっぽい。
馬鹿で泥臭くても強ければ良いのだろう。
神野仁が最終的に求めるものは、馬鹿だろうと泥臭かろうと、誰にも負けぬ強さだ!
強さこそが最大の価値であり、求めるべきものである。
そう考えると神野仁が柳龍光にこだわる理由もワカるってものだ。
最強だと思っていた父を倒した、真の最強が柳龍光である。
だから、自分が最強になるためには、柳龍光を倒さねばならない。
最強を目指すことが神野仁の動機だろう。
「もう、やろうよ、柳さん……」
「そうだねえ、これは、やるしかないよねえ――」
まるで男女がベッドに誘い合うように、甘美にエロチックに、死闘へ誘う。
おっさんずバトルなんだけど、色っぽく開始(はじ)まったぞ!
挑戦者である神野仁は自分が有利だと考えている。
神野仁は柳龍光の使う武術・大日本武術空道を学んだ。
柳龍光がどんな技を使うのか知っている。
だが、柳龍光は神野仁が空道を学んだことを知らない!
本当に知らないのか?
柳龍光は自分の師匠であるマスター国松と敵対している。
マスター国松が柳龍光を狙っていることも知っているだろう。
だとしたら柳は大日本武術空道を監視しているかも。
そこに神野仁と言う優秀な弟子が入門したことも把握している可能性がある。
なにしろ、柳は松本太山の娘のことまで調べ上げていたのだから。
今日の柳龍光は右手に手袋をしている。
神野仁は、そこに気を留めるが、毒手の可能性を考えない。
毒手の事を知らないのか?
神野仁は空道のすべてを知らないし、自分が知らないということも知らない。
こりゃ、情報差の落とし穴に落ちそうだ。
まずは、柳龍光が鞭打を仕掛ける。
神野仁は父親譲りの神速でよけた。
この結果は両者の予想通りだろう。
あえて予想通りの動きをした柳の狙いは何か?
神野仁の反応を観察しているのかも。
やられた事をやり返したくなるのが人情だ。
つられて神野仁が鞭打を出すように誘った、とか?
鞭打の質を見れば、空道の力量も理解(わ)かると言うものだ。
とにかく柳龍光vs神野仁の死闘が開始(はじ)まった。
まずは探り合いをしているようだ。
神野仁の狙い通りなら、柳龍光は技を読まれ、空道の技と言う奇襲で不覚をとる。
そう簡単には行かないと思いますが。
この勝負は、どちらがより驚愕するかの戦いかもしれない。
次回につづくのである。
神野仁は葛城無門と同じような境遇だった。
だが、柳龍光への思いと動機がずいぶん違う。
カタキ討ちは不純な動機なのだろうか?
強くなれるのなら、どんな動機でもいいような気もする。
以前に、柳龍光を卑怯と言えば成長が止まると言っていた。(
ゆうえんち50回
)
ならば、柳龍光への憎しみを捨てたほうが純粋に強くなれるのかもしれない。
葛城無門はどんな感情で柳龍光に立ち向かうのだろうか。
もっとも、その前に龍金剛と戦って勝つ必要があるような、無いような。
柳龍光vs神野仁が始まったし、しばらく葛城無門の出番なしか?
週刊少年チャンピオン2019年51号
2019年11月28日(52号)
第76回 巻の九「騙される方が悪いのだ」
後の最凶死刑囚・柳龍光と、神速と空道を使う神野仁が激突する。
二人とも強く残虐だ。
この勝負は、どちらかが死ぬまでつづくかもしれない。
『よく効く技は、卑怯な技だ。』
『騙される方が悪いのだ。』
神野仁はそう考える。
強い攻撃よりも、当たる攻撃のほうが人を倒すためには重要だ。
そして、当たる攻撃と言うのは卑怯なほうが効果的である。
卑怯というとイメージ悪いが、フェイントとかそういう技術の事らしい。
野球でも危険球気味のボール球をつかうと効果的だったろするしな。
神野仁の父・神野羽矢雄(かんの はやお)は神速と言う素質だけで戦っていた。
あまり卑怯な技は使わなかったのだろう。
だから、柳龍光に敗北した。
神野仁はそう思っていそうだ。
柳龍光は卑怯な技を使えるから、父に勝った。
だから、神野仁はあくまで卑怯に柳と戦う気だろう。
柳の流派である空道を学んだ。
この知識が奇襲となって役に立つだろう。
神野仁は柳以上の卑怯で勝つ気だ!
柳龍光は自分から神野仁に話しかける。
わたしのことを調べたんだろうな。
なんで手袋をしているのか気になるよね?
と話しかける。
神野は上手く返事をして、柳を油断させた気になっている。
本当にダマせているのだろうか?
そもそも神野は柳との会話を警戒していた。
『魔物と会話するということは、相手の結界の中へ入ってゆくようなものだからだ。しかも相手は魔王だ。』
(
ゆうえんち75回
)
なんか、今はバッチリ会話している。
神野は気がつかないうちに、柳の結界内にとらわれているのかも。
仕掛けられた会話で神野は柳が手袋をしている理由を考えてしまう。
これは集中力が乱れているのか?
よけいな事を考えていると言う感じがするが。
神野は手袋を毒手用と考える。
毒手でうっかり人に触らないようにする対策だ。
毒手対策として神野は全身にワセリンをぬっていた。
ワセリンは空掌対策としても有効だ。
自分で試して効果を確認している。
『それに、空掌対策は、まだある。
秘策もあるのだ。』
自分が有利だという考えが神野を油断させているのかも。
でも、秘策があるので、そこは期待できそうだ。
やっぱり油断しているのか、神野は柳の行動を黙って見てしまう。
好奇心もあって見ている。
でも、真に卑怯であるなら相手の行動を極力妨害するモンだぞ。
柳はひろった石を左の手袋でつつむ。
手袋からヒモをのばすと、凶器完成だ!
鎖鎌の分銅を簡易再現した武器である。
柳は鎖鎌が本当に好きだな。
なんか鎌に思い入れでもあるんだろうか?
「四号のPEラインだよ」
ヒモは釣り糸、
四号のPEライン
か!
この新素材のラインは100kgを超えるマグロを釣り上げることもできる強さをもつらしい。
古代ローマ軍の投石(鉛弾)は.44マグナム弾なみだという。(
古代ローマ軍の鉛弾
)
また投弾の通常の到達距離は350〜450mで弓矢よりも遠く飛び、威力も高い。(
戦争の考古学
p71)
柳の石分銅も一撃で人を絶命しうる威力を秘めているだろう。
神野は空掌対策をしてきたが、武器対策はあるのだろうか?
柳が石分銅を振りまわしたのにあわせて、神野は靴を脱ぐ。
これはマスター国松がやった足でやる『空掌』を使う気なのだろうか?
(
ゆうえんち30回
)
とにかくここから死闘再開である。
この勝負は、卑怯なダマしあいになりそうだ。
どちらが、より卑怯にダマせるのか!?
次回につづく。
週刊少年チャンピオン2019年52号
2019年12月7日(1号)
第77回 巻の九「ふたつの意味があった」
柳龍光の毒々暗器工作で、お手軽分銅の作りかたも解説だ。
前回の説明で充分にワカりやすかったんだが、絵入りでより丁寧に説明しているぞ。
日本で普通に生活している分には役に立つこと無いと思いますが。
そして、ちゃんと使用上の注意も入っているのであった。
『★この工作は物語の世界観を元にしています。現実世界では思わぬ怪我やトラブルを招くことがあります。』
柳龍光と神野仁の死闘が開始(はじ)まった。
お手軽分銅を作った柳は、さっそく分銅による遠距離攻撃を行う。
分銅につながるPEラインを操作することで、軌道を自在に操っている。
一撃必殺の威力でありながら、変幻自在の動きだ。
こりゃ、武器術の大家である本部以蔵でも対応が難しそうだぞ。
『それは、神野仁の頭頂に生えている体毛を数本こそげとって、通過していった。』
神野は分銅の音を聞いて、見ずにかわす。
父譲りの神速による反応だ。
って、スキンヘッドに見える神野仁の頭頂に毛があるのか!?
いや、体毛と書いているので、短い毛なのだろう。
剃っているけど、時間とともに少し伸びていると考えられる。
髪の毛は捕まれる可能性があるので、剃ったほうがより実戦的だ。
柳龍光を倒すことに執念を燃やす神野は、髪の毛をも捨てたッ!
スキンヘッドの執念は柳龍光との戦いで有利に働くのか!?
「草薙」「おろち」「満月」「霞」「つるべ落とし」「三日月」
柳龍光は次々と分銅を変化させて、神野を攻撃する。
しかも、技名通りに攻撃したり、技名と違う攻撃をしたりと、虚実をまじえた攻撃だ。
二重の変化で神野を攻撃する。
卑怯な技ほど効果的を地で行くような攻撃だ。
この攻撃を本部以蔵ならジャングルジムで防げるのだろうか?
やって見ないとワカらんな。
柳は武器を鎌に変えたことで、攻撃力を高めたが、変化の努力を怠ったのかも。
武器にたよった結果かもしれない。
柳との距離を詰めたい神野だが、変幻と虚実の分銅技で接近できなかった。
しかし、焦りはない。
神野仁には策がある。
戦う前に脱いだスニーカーだ。
『スニーカーをさっき脱いだのには、ふたつの意味があった。』
ふたつ!?
足で空掌とかでなく、二つの狙いか!
神野は移動しながらスニーカーをひろう。
あえて脱ぎ捨てることで、柳の警戒をそらす狙いだ。
手にしたスニーカーは防具として役に立つ。
変化する分銅を受けることに成功した。
さらなる攻撃を防ぎ、スニーカーにPEラインを巻きつけ、からめとる。
分銅を封じ、神野は勝利を確信した。
「勝たせてもらうよ、柳さん」
柳龍光がつかう空掌は知っている。
だが、自分も空掌を使えることを柳は知らない。
さらに、自分の空掌のほうが速いのだ。
さらに、靴を脱いだもう一つの理由がある。
これが神野の計算らしい。
神野は勝った気でいるが、まだ早いような。
死刑囚ってのは、泣きながら敗北を認め地面に倒れこんでも油断しちゃいけない連中だ。
本当に柳の技を封じることができたのか!?
次回につづくのであった。
週刊少年チャンピオン2020年1号
2019年12月14日(2+3号)
第78回 巻の九「なんて、可愛いやつなんだ、柳龍光」
夜の暗黒遊技場"ゆうえんち"では、柳龍光vs神野仁の死闘が続いている。
神野仁は柳龍光に勝つため、子供時代から長年かけて準備をしてきた。
柳の流派である空道を学び、柳の技に対策をたてている。
今のところ神野仁の狙い通りの展開となっているが、このまま行るのか!?
柳龍光がつかう手袋分銅を上手くからめとり封じた。
神野仁は勝機を感じとる。
柳は右手に手袋をしているので空掌が使えない。
手袋をはずすという動作がスキとなる。
今、攻撃すれば先手が取れるはずだ!
神野は父譲りの神速で間合いを詰める。
だが、柳は分銅をつなぐラインを手放して、反撃してきた。
すでに手袋を外している左手で神野の顔に空掌をしかける。
だが、空気が入って失敗した!
「何か、顔に塗っているね……」
「ポリテトラフルオロエチレン……」
フライフィッシングの脱水パウダーだ。
これに乾燥材のシリカ・ゲルを混ぜている。
空掌で吸いつける際に必要な湿り気を無くす工夫だ!
父・神野羽矢雄が敗北した空掌を徹底的に研究して対策している。
それにしても、柳も神野も釣り道具が好きですね。
釣具店に行く人のなかには、暗殺道具のヒントを求めて行く人がいるんだろうか。
テグスとか脱水パウダーを手に取ってニヤニヤしているオッサンがいたら、気をつけたほうが良いかもしれない。
葛城無門は、神野仁ほどの研究と対策をしているのだろうか?
神野仁のほうがずっと長く柳を追っているので対策の差が出ているのは仕方がない。
だが、時間があっても、ここまでの対策はできないかも。
葛城無門は性格的に粘着性が足りないのかもしれない。
人としては、それで良いんだろうけど、それで柳龍光に勝てるのか?
「こんな格好にさせられちゃったみたいだし……」
柳が空掌を仕掛けたとき、神野は右足の爪でひっかいていた。
神野は両脚の爪をマスター国松の指先のように硬く鋭くしている。
この爪でひっかき、柳のTシャツを破いたのだ。
裸になった。これで空掌が使える。
『神野仁は、肚(はら)の中で嗤(わら)った。』
神野が空掌をしかける準備は整う。
いっぽうで柳への策もはまっている。
柳は空掌対策をパウダーのみだと考え、ワセリンに気がついていない。
攻撃の準備は整い、防御の策が残っている。
攻守において万全の態勢だ!
『柳龍光は、何も知らない。
なんて、可愛いやつなんだ、柳龍光。』
神野仁が調子にのっている!
ここまで上手く策がはまったので、柳龍光が可愛く見えるらしい。
ちょっと調子にのりすぎて油断している気もする。
長年の執念と準備が実を結んでいるので調子に乗ってもしかたがないか。
神野仁は自分から攻撃する。
有利な状況だし、神野にはまだ隠し技があった。
まだあるのかよ!?
なんという執念とねちっこさだ。
こりゃ、本当に柳龍光にも勝てるかもしれない。
神野仁の隠し技は
26回
でやろうとした、右手を頭の後ろに隠す技だろうか?
今のところ神野仁が優勢に戦いを進めている。
だが、相手は柳龍光だ。
このまま簡単に倒せたら苦労しない。
神野仁の秘策はちゃんと通用するのか!?
次回につづくッッ!
週刊少年チャンピオン2020年2+3号
2019年12月29日(4+5号)
第79回 巻の九「これだから、やめられない」
柳龍光vs神野仁の死闘がつづく。
ともに空道を学んだ超実戦派で、人体破壊のエキスパートだ。
そして、勝つための卑怯を賞賛する者たちでもある。
より狡猾なのは、どっちだ!?
神野仁の秘策は足による空掌だった。
あえて蹴りの威力が出ない間合いから蹴りをだす。
この距離では蹴りの威力が出ないから、柳もよけずに受ける。
だが、足による空掌なら肉をエグる必殺技となるのだ!
『手でやるべき空掌を足でやる――言うなれば空足だ。
師であるマスター国松が考えた技だ。
それを、盗んだのだ。
マスター国松が、ひそかにこの空足の稽古をしているのを、おれは見た。』
深夜の道場でマスター国松が空足で天井にはりついているのを目撃したのだ。
マジもんの妖怪だッ!
神野仁は肝が据わっているから、声も尿も漏らさなかった。
私なら、どっちも漏らしてるな。
深夜の道場で誰にも見られずに修行をしていた。
秘密特訓である。
本来の武術は訓練を部外者に見せたりしない。
見た人間は殺す!
つまり、のぞき見がバレたら、殺される!
さすがに動揺してしまった神野仁は、マスター国松に気配を勘づかれた。
慌てて逃げたが、顔は見られていなかったので、その後も普段どうりの行動を心掛ける。
命の危機はあったがマスター国松の新技を見ることができた。
柳龍光を倒す必殺技を得たのだ!
服が破れて肌が露出している。
神野は、柳に必殺の空足を喰らわせた!
柳の肉を吸いつけて、エグりとるッ!
――とれないッ!?
「腹だけじゃないよ、全身にワセリンを塗らせてもらってるよ」
柳龍光は神野がスニーカーを脱いだ理由を考えていた。
そして、ちょっと考えて正解にたどりつく。
たしかに
76回
でクツを脱いだのは不自然だったな。
勝ちたいという欲求が用心深さを上回ってしまったか。
卑怯を肯定する神野にとって痛恨のミスだ。
たんに空足が失敗した、というだけじゃない。
神野が空掌を研究していることも知られただろう。
不意打ち効果のある隠し技がいくつか不発になった。
これで勝率がかなり下がったぞ。
「ああ、これだから、やめられないねえ。きみのそのくやしそうな顔、絶望的な表情。これまで、わたしに勝つため、一生懸命稽古したんだよねえ。空掌が使えるってことは、国松先生に習ったってことだね。」
柳龍光のサディズムが炸裂する!
相手を絶望に落とし、命乞いをさせて、それでも殺す!
それが柳龍光が相手に与える敗北であり、自分が望む敗北だ。
神野仁は勝利の方程式を崩されてしまった。
だが、まだ策がある!
まだ絶望していない。
神野は前に出て、攻める!
『神野仁は、柳龍光の左掌を、自分の左掌で迎え撃っていた。』
空掌を使う手のひらにはワセリンが塗っていない!
逆転の発想だ!
だが、これは空掌を空掌で受けていることになる。
空掌による綱引きだ!
スゴい絶技対決だが、ちょっとマヌケな勝負みたいだぞ。
これが神野の秘策らしいが、膠着状態になるだけだな。
いや、ここから何かの技に発展するのかも。
さらなる逆転の策を神野は持っているのか!?
神野の剃った頭の秘密がココで炸裂するかも。
お互いに空掌で吸着している。
文字通り膠着した状態だ。
二人が手をつないだまま、年を越し、次回につづくのであった。
週刊少年チャンピオン2020年4+5号
2020年1月11日(6号)
第80回 巻の九「きみには、ひとつ忠告しておこう」
夜の格闘遊技場"ゆうえんち"では、各地で最初の戦いが終了しようとしていた。
敗者は倒れ、病院送りになる。
勝者は疲労とダメージを抱えながら、次の相手を探す。
強敵ゴブリン春日を倒した葛城無門は、師・松本太山のカタキである柳龍光を探して歩くのだった。
観覧車の近くで葛城無門は、地面に倒れている男を見つけた。(
ゆうえんち65回
)
ここから回り道が長かったな。
回想に次ぐ回想ッ、そして別地点での死闘だ!
葛城無門の出番がないまま年を越してしまった。
倒れたふりをしているのかもしれない。
葛城無門は警戒しながら倒れている男に近づく。
男の前歯は全部折れていた。
左の頬骨が陥没している。
傷つき気絶している男は、神野仁であった。
って、前回まで神野仁は柳龍光と戦っていたじゃないか!
無門とゴブリン春日の死闘が長引いていたから、神野仁vs柳龍光のほうが先に片付いちゃったようだ。
しかし、メチャクチャにやられている。
柳に勝つため長年かけて鍛えて準備して、通じなかった。
神野仁はどんな絶望の表情をして悲鳴をあげたのだろう。
そして、柳は神野の恐怖を堪能していたんだろうな。
瀕死の神野仁だったが、まだ意識はあった。
神野は柳龍光にやられたと言う。
左手の肉が失われて骨がムキ出しになっているので、空掌勝負に負けたようだ。
「やつの、柳の右手、右手の手袋に、気をつけろ……」
そう言った後、神野仁は恐怖の叫びをあげて、ふたたび気絶した。
柳龍光の右手袋には、なにか仕掛けがあるようだ。
神野はちゃんと情報を伝えてから気絶すればいいのに。
頬と歯にダメージを負っているので、顔面を狙った攻撃だろうか?
あまり手袋に気を取られると、別の部分にスキが生まれそうだし、あまり警戒しすぎないほうが良いかも。
気配を感じて無門がふり返ると、黄海王がいた。
158センチぐらいの小兵だが、凄腕の拳法家だ。
黄海王はレフェリー的な立場として"ゆうえんち"に参加している。
蘭陵王、蛟小金丸、久我重明はモニターで鑑賞中だ。
そそられたら蘭陵王も参加すると言っていたが、まだ動いていないようだ。
まずは、柳龍光をめぐる因縁の死闘を見学したいのだろう。
柳の近くに無門や神野を配置したので、期待通りの死闘になったぞ。
「普段は、口を出さないんだが、葛城くん。きみには、ひとつ忠告しておこう」
「誰かをやっつけたら、ちゃんと金をもってゆかなきゃいけないよ」
お金は大事だ!
ということ以外にもなんか理由があるらしい。
あとで治療費とかが必要になるから、金を貯めておけって事なのか?
わざわざ忠告してくれたんだから、お金をゲットしておこう。
黄海王はそれ以上は話さない。
葛城無門も柳龍光を探して歩きだす。
園内には後の横綱・龍金剛もいる。
今度こそ葛城無門は柳龍光と戦えるだろうか?
話の流れ的にしばらく無理だろうな。
たぶん、新手の回想が襲いかかってくるぞ!
週刊少年チャンピオン2020年6号
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