餓狼伝 (VOL.231〜VOL.240)
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2010年2月9日(05号)
餓狼伝 Vol.231
昨年末
石井慧
が敗北したことは、村瀬豪三の将来にどんな影響を与えるのか?
高いところにのぼらせておいてハシゴをはずすような事態になるかもしれない。
決着が予想できない戦いがはじまる。
今年も原作ブレイクだ!
堤城平はいつでも かかってこいと言う。
空手はスポーツではない。不意打ちされても文句は言わん。
堤はグレート巽と同じようなコトを言っている。(
24巻
219話
)
グレート巽の発言は正しいらしい。
武術は戦争のための技術だ。
山本五十六元帥いわく「軍人にとって、眠っている敵を打撃することは自慢にならない。それは単に打撃されたものの恥に過ぎない」(
名将たちの戦争学
)
戦争で不意打ちされるのは不名誉なことだ。
米国の
キンメル大将
は真珠湾攻撃で責任をとわれて解任・降格している。
武道家も不意打ちされたことを言い訳にはできないのだろう。
村瀬は空手家・堤城平の言葉に感心しているようだ。
3コマ使って味わっている。
そして
「ここじゃアレなんで」
と言うことで場所を変えることを提案した。
なるほど、ここじゃアレだもんな。
……どれだよ?
ここは堤のかよっているスポーツジムだ。
周囲の人間はすべて堤の味方となる可能性が高い。
場所を変えるのは冷静な判断といえるだろう。
つうか、堤が帰宅するところを襲えばかったのに。
村瀬は紳士だから正面からケンカを売ってしまったのだろうか?
そして、周囲の人に迷惑をかけないため場所移動をするのかも。
やはり、この男は紳士だ。
トレーナーの下にスーツとネクタイをつけていそうなぐらい紳士の風格がある。
堤は場所を変えることに同意し、着替えにいくのだった。
う〜む。堤もマジメですね。
これが松尾象山やグレート巽なら着替えにいくと見せかけて、部屋の反対側にまわって背後から奇襲をかけるぐらいやる。
むしろ、着替えるから待っとけと言って、そのまま逃げ出しちゃうかも。
やっぱり相手のペースで戦いをはじめるのは不利だ。
主導権を握る意味でも、自分の好きなタイミングで再戦という選択はアリだと思う。
だが、紳士とマジメ者はちゃんと着替えて近所の空き地で勝負するのだった。
この二人、性格が噛みあっている!
堤は上着を脱いで構える。
やや前かがみな前羽の構えといったところだろうか。
フックや回し蹴りなど、左右の攻撃から頭をまもる構えだ。
突然の戦いにも堤の表情は揺るがない。服の上からでも筋肉が盛りあがっているのがワカる。
堤の構えを見ただけで村瀬は汗を流した。
ッッ!
もう汗かよ。
はやい! はやいよ、村瀬さん。
汗を流すのは敗北フラグその1ですよ。
それとも悪いリアクションを先に出して後半で逆転するつもりだろうか。
プロレスの善玉(ベビーフェイス)レスラーは最初苦戦するの法則を意図的に適用するのかも。
ただ、餓狼伝ではあまりブザマな姿をさらすと、ブザマなまま消えることも多い。
長田と戦った鞍馬とか、姫川と戦った長田とか。
超回復作戦は扱いのむずかしい劇薬だ!
村瀬は腰をおとし構える。
腕は下げていた。ノーガードか?
なんらかの奇策を考えていそうだ。
と、思ったら地面を蹴る。正確には足元の石などを蹴り飛ばした。
蹴られた石や土が散弾のように堤を襲う。
堤は眼を閉じず、動きもしないで石を顔面にうける。
村瀬の奇襲は不発か?
それでも村瀬は突っこんできた。
石を受けて堤がスキを見せれば儲け物ぐらいの気持だったのだろう。
奇襲はあくまでオマケであり、本命は鍛えられた技と身体のようだ。
八の字に構える堤の両腕。
その間を狙った豪快なアッパーだ。
体格差がかなりあるから、蹴りやストレート系で攻めれば安全に戦える。
だが村瀬は最大の攻撃を選んだようだ。
結果は不発ッ!
堤城平の右拳がカウンターで入る。
村瀬の身体や首がねじれるような豪打を受けた。
さらに堤がローキックッ!
さらに堤がハイキックッ!
『短軀のうえに低い体勢――――』
『更に八の字を描く構えを見る限り――』
『上げ突き
(アッパー)
はいかにも有効だった』
『しかし…』
『相手は あの――』
『堤 城平だった…』
復活した堤が先制した。
村瀬豪三、
228話
に登場して間もないのに早くも撃沈か?
いやッ、村瀬はまだ出血していない。
流血しなければダメージは意外とすくないのが世界の法則だ。
村瀬は次回 逆転するのか?
堤が噛ませ犬になるという心配は、とりあえず外れた。
だが、最終的にどうなるか。
まだまだ油断はできない。
今までの闘いを見ていると、村瀬は打撃・関節・投げを複合した技を得意としている。
だが、堤にはアッパーしか出していない。
打撃の得意な堤の土俵で戦えば不利になるのは当然だ。
堤の攻撃をしのぎきれば、関節や投げなどで反撃を狙うかもしれない。
さらに村瀬には容赦ない攻撃がある。
相手の目に指をつっこんだり、ためらいなく折ったり。
堤はそういう危険な技にも対応できるだろうけど、つかまったら危ないかも。
リーチの短さが堤の弱点だ。
堤が攻撃するとき、それは相手の反撃を受ける間合いでもある。
そして、丹波文七はなにをやっているんだろうか?
今年は出番が多いとイイね。
イブニング誌上で出番のすくない主人公といえば『餓狼伝』丹波文七と『
もやしもん
』沢木直保が双璧だろう。
ちなみに今号の『もやしもん』で沢木は『恐らくイブニング誌上最もキャラが弱い主人公。』と紹介されていた。
フッ……
出番のすくなさで丹波に勝てないから表現を変えてきやがったぜ。
丹波文七の勝ちだ。
……勝ったのに、なんか哀しいな。
2010年2月23日(06号)
餓狼伝 Vol.232
小兵の堤城平と巨漢の村瀬豪三が激突だ。
だが、堤はただの小柄ではない。
軽自動車に大型トレーラーのエンジン
と評されている男なのだ。(
餓狼伝10巻
78話)
加速がちがう。回転がちがう。持久力がちがう。全部ちがう。
これが堤の無限コンボだッ!
左ハイキックでゆらし、右ヒザでアゴをカチあげる。
さらに掌底でなぐった。
まるでバレーボールのアタックだ。
攻撃後のスキとかを考えていない攻撃っぽいぞ。
大猿にも通用しそうな一撃だ。
村瀬がダウン寸前で反撃できないから使ったのだろうか?
頭突き。コメカミを鶏口で痛打。
つま先。貫き手。足の甲を裏拳で打つ。
手首から先の使いかたが多様だ。競技空手とは一線を画す。
村瀬に「これが堤城平か」と思わせることもさせない怒涛のラッシュだ。
せっかく村瀬が堤を賞賛しようとするのに、途中で攻撃くらってキャンセルされる。
なんかギャグキャラのポジションみたいだな。
今後のことを考えてイメチェンしているのだろうか?
やっと「堤城平」って言えたときには、フルボッコでダウン寸前だったのが切ない。でも、ちょっと笑えた。
まるで分身して攻撃しているかのような、堤ラッシュだ。
連打をあびて壁に押しつけられていた村瀬は、そのまま尻もちついてダウンする。
一発も反撃できずに?
バ…バカな… か…簡単すぎる… あっけなさすぎる…
堤も警戒して残心の構えをとる。堤はホラー映画に出演しても生きのこるタイプだな。
だが、村瀬は完全に沈黙しているようだ。しばらく様子を見ても動かない。
そこで堤は去っていく。
敗者を一瞥することもなく。
これが堤城平の喧嘩だ。
北辰会館の本部道場では、ある情報が飛びかっていた。
伊達潮と泉先生が襲撃されたのだ。
北辰館と関係の深い二人である。
次は、北辰館のメンバーに直接くるのではないか?
そんな予想が出ている。
うむ、それは大当たりだよ。
かつて藤巻十三に狙われたことのある北辰館だ。
すっかり闇討ちなれしてしまった。
襲われたという話が、日常の会話になりつつある。
こうして、試合だけではない実戦派の空手組織になっていくんだろうか。
北辰館の門下生は、伊達の実力を「喧嘩となったら」「北辰館(うち)のトップクラスが勝てるかどうか」と評している。
これは、ちょっと意外だった。
格闘技をやっていると、自分の流派がイチバン強いみたいなことを考えがちだ。
所属する組織を賞賛するのは、愛国心などと同じで人間の特性らしい。
自分の流派こそが最強と思うのは、ある意味しかたがない部分なのだ。
でも、北辰館は喧嘩にたいして冷静に強さを測るようになっているようだ。
藤巻の闇討ち事件があってから、北辰館は真剣に喧嘩対策を考えているのかもしれない。
自分の流派が最強だと思うと、そこで思考停止して対策を考えなくなってしまう傾向がある。
敵の強さを認めるから、対策も考えるのだ。
そして、プロレスラーはけっこう強いという認識が生まれたらしい。
実際にトーナメントでプロレスラー長田が決勝まで残ったという実績もあるし。
本気で鍛えたプロレスラーは強い。
現在の北辰館では、そういう認識になっているようだ。
そんな話題の中、堤城平が入ってきた。
北辰館での実力者だけに、みんなの挨拶が一段と熱いようだ。
堤といえば夢枕世界の重要地点である
花巻
を拠点にしていたはずだが、東京に来ているのだろうか?
花巻運輸の仕事はどうしているのだろう。
もしかして、花巻運輸の東京支店に移動になったのか?
こまかいことは置いといて。
堤につづいて、もうひとり入ってきた。
顔面をはらしまくった、村瀬豪三である。
歯が少なくとも3本は抜けていた。
でも、前歯が上下とも3本ずつ残っているから、わりとダメージは少ないのか?
北辰館の本部にのりこんだ村瀬はナニをする気だ?
堤の強さにほれこんで弟子入りなのか?
いや、普通にラウンド2かも。
もはや立ち位置がバキのシコルスキーみたいになってきた感のある村瀬だが、このあとどう動く!?
喧嘩は堤の圧勝だ。
村瀬は 泉さんを一蹴した実力者とは思えないほど あっさり負けた。(
229話
)
現役引退と思ってしまったところで泉さんの強さは急激に失われたのだろうか。
負けてしまった村瀬は負け犬のスパイラルに落ちるかもしれない。
シコルスキーのようなロシア悲劇
を回避するにはどうすればいいのか?
ちなみに、ブラジル悲劇だと一発で散って灰も残らない。
ムエタイ悲劇には、まだ底がありそう。
話をもどす。
村瀬は負け犬の連鎖を断ち切るため、堤に弟子入りするのではなかろうか?
なんの策もないまま、ここで勝負を挑んでもダメだ。
フルチンで金的うたれて窓から落ちるのがオチだよ。
まさにロシア悲劇だ。
村瀬が堤の弟子になった場合、北辰会館 vs FAWの対抗戦で有力なコマとなる。
まあ、対抗戦の話が出なくなっているから、開催中止になるかもしれないけど。
とにかく、村瀬は北辰会館と同盟しそうだ。
大きな問題がある。
村瀬は丹波文七に用があったはずなんだけど……
丹波のことは後回しですか。
またかッ!
また、丹波は中心から外れたのか!
丹波の出番は、彗星みたいな楕円軌道かよ。
オリンピックなみの周期でしか出番ないのか?
夏冬あわせてじゃなくて、冬のオリンピックのみで活躍みたいな感じに。
丹波の不遇はつづくよ、どこまでも。
いつになったら花が咲くんでしょうか。
それともキノコみたいな菌類だから花は咲かないんでしょうか。
こうなったら村瀬に丹波との因縁をつくって盛りあげてもらうしかない。
村瀬ってのは偽名で本名は、山田だったとかな。
そう、餓狼伝BOYで丹波と互角だった山田のことだ。
(
餓狼伝BOY 2巻
13話
)
因縁のライバル登場なら、みんなも丹波中心に回ってくれるかもしれない。
2010年3月23日(08号)
餓狼伝はお休みです
また餓狼伝がお休みだ。
チャンピオンで板垣先生の画業20周年記念をやっているから、余裕ないんでしょうか。
『範馬刃牙』では最終決戦を視野にいれた、最後の格闘大会が開催されそうな感じだ。
餓狼伝も同じように原作を離れて、オリジナルの試合を組むのかもしれない。
原作だと堤城平の出番はずっと先なんだよな。
食べたい料理をすぐに食べるが如く、描きたいキャラの再登場をガマンできなかったのだろうか?
そして村瀬豪三の立ち位置はどこになるのだろう。
堤に弟子入りして、丹波と戦うというのがありそうな気がする。
これって、鞍馬と同じパターンだよな。
鞍馬は久我重明にボコられて空手を知ったんだし。
村瀬は鞍馬とちがい謙虚そうなので、堤の技をしっかり吸収するかもしれない。
ただ そうなると独特の組み技をもつ村瀬の持ち味がイカせなくなるかも。
堤から学ぶのは打撃への防御だけで、組み技で攻撃をすればイイのか?
あとはグレート巽ひきいるプロレス勢の動向なんだけど……
巽以外のレスラーは魅力の源泉が枯れてしまった感がある。
丹波が枯らした。
そうなると新レスラーの投入か、負け犬レスラーの復活しかないのだが……
梶原は、いまでもノーチャンスなんだろうな。
あとは、ブラジリアン柔術の来日をどうゴマかすかなんだけど。
マンガ餓狼伝の世界では総合格闘家への対応が冷たい。
黒船がこなくて、そのまま発展した架空・江戸みたいな世界になるんだろうか。
技術は進歩するけど、武士が生き残っているみたいな感じで。
総合格闘技に対応はするけど、プロレスラーはガチで強いみたいな。
まあ「ただし梶原を除く」とか言われちゃうんだろうけど。
2010年4月13日(09号)
餓狼伝 Vol.233
村瀬豪三がふたたび現れたッ!
目的はなんだ!?
つうか、先に病院行け。アンパンマンなみの腫れっぷりだぞ。
片方の鼻にはティッシュつまったままだし。
鼻血を止めてから来たほうがイイんじゃね?
村瀬はクツを脱いで道場にあがる。
やはり紳士だ。
クツをはいたままだと、克巳が激怒する。(
バキ14巻
123話
)
ちゃんと礼儀を守るので、やっぱり村瀬は武術経験者なんだろうか?
「……で」
「ここへ何しに…?」
「それは…」
「復讐
(リベンジ)
を」
再戦希望かッ!
弟子入りじゃなくて。
あっさり目的をいってしまうあたり、紳士的……なのか?
少なくとも、ちがうコトをいって不意打ちしないところは紳士だよな。
そして、村瀬は問われるまま、自分が伊達潮と泉宗一郎を倒したと認める。
基本的にウソはつかない人みたいだ。
伊達はともかく、泉さんを倒した人間となると、北辰会館はダマっちゃいない。
泉先生に指導をうけた人間が北辰会館には多いのだ。
とうぜん村瀬をカタキと狙っている人間もいるだろう。
道場の空気がかわった。
みんな血管が浮きでて表情をゆがめている。
ここの人間が外道なら集団リンチされかねない雰囲気だ。
相手の道場に乗りこむ。
それは敵地に入るのと同じだ。
圧倒的に不利な状況である。
あえて死地に入った村瀬には、なんか策があるのだろうか?
というか、よほどのバカじゃないかぎり無策で突入はしないよな。
泉先生のカタキと知っていれば、先ほどのケンカで病院送りにしていた。
堤城平は白目になって、そう言う。
あれだけフルボッコにしていたけど、堤としては手加減していたのだろうか。
村瀬が歩いて道場にあらわれたことに、堤はあまり驚いていなかった。
やっぱり、手心を加えていたようだ。
村瀬は無事に帰れない。
たとえ堤に勝ったとしても、のこり全員に叩きのめされる。
太気拳の道場でボコボコにされた板垣先生も
『俺は最初の相手の顔面をカットしている。だから、あれぐらいは傷つかないと帰れないんだ』
という状況になった。
実際は数倍返しというか、もっとヒドい目にあわされたんですけど。(
格闘士烈伝
)
それがワカらぬ村瀬ではあるまい。
だが、村瀬は堤のあとで他のみんなとも戦いたいと言う。
なに退路断ってんの、この人!?
やっぱりなんか企んでいる。
ドイルみたいに粉塵爆発やる気か?
いわゆる、背水の陣か?
退路を断つことで死に物狂いになる効果を狙っているのかもしれない。
背水の陣のような不利な状況は『態勢の弱点』という。(
戦術と指揮
)
補給が不足しているなどの『自身の弱点』と違い、本来は回避できる弱点だ。
なので『態勢の弱点』は罠である可能性が高いらしい。
村瀬の場合は……?
「全員……」
「壁際に整列」
堤が全員に声をかけた。
門下生たちが、それぞれに壁に向かって移動をはじめる。
津波がくる前の引き潮のような、空白の間がうまれた。
その一瞬をついて、村瀬がタックルをきめる。
開始前の奇襲だ。
村瀬はタックルをしながら、掌を堤のアゴに当てる。
そして、堤の後頭部を地面に向けて落とす。
村瀬と堤、二人分の体重がすべて後頭部にかかる。
闇に星が光るなか、堤の意識はフェードアウトしていく。
こんな状況で次回につづいちゃう。
村瀬が普通にラウンド2だった。
正攻法じゃ勝てないと奇襲にきりかえたらしい。
あえて相手の有利なところに飛びこみ油断させた。
さらに、堤を怒らせて冷静さを失わせている。
結果だけ見たら、見事に計画された奇襲だ。
本来の堤は勝ちたいという欲すら戦いには不要と思っている男だった。
だが、相手を打ちのめしたいという不要な欲求を持ってしまったのだろう。
いつもとはちがう精神状態が堤に異変をもたらしたのかもしれない。
村瀬は堤を倒したのだろう。
だが、北辰会館の人間を全員相手にはできない。
堤を倒したあとで、走って逃げるのだろうか?
で、
そこに丹波文七が登場して村瀬をつかまえればヒーローだ!
だけど、丹波はそういうキャラじゃないよね。
すべて終わったあとで、村瀬の逃げっぷりを聞かせてもらう姿のほうが似合う。
村瀬が堤に復讐したように、堤は村瀬を狙うのだろうか?
北辰会館とFAWが対決するのなら、リベンジマッチが開催されるかもしれない。
でも、それだと丹波の出番がまた無くなっちゃうんだよな。
物語の中心人物は、台風の目みたいに無風なんだろうか。
2010年5月11日(11号)
餓狼伝 Vol.234
今週は餓狼伝がのってるッ! でも、話が1コマしか進んでない。
まあ、バトル漫画には良くあることです。
前回のあらすじ:AとBが戦う
今回のあらすじ:AとBが戦う
次回のあらすじ:AとBが戦う
こんな感じだ。
最近のBLEACHのあらすじ:油断している愛染に攻撃をしかけたけど効いてなかった。
たぶん、次回もこれで通用するはず。
大切なのは結果ではなく過程だ。
って、ことなんだろうな。
ニュースで試合の結果だけ見ても楽しくない。
ちゃんと試合内容を見ないと!
と、いうワケで村瀬豪三vs堤城平が再開される。
村瀬が奇襲を仕掛けた。
タックルに後頭部を打ちつける要素を加えた強力な技だ。
脳震盪を起こした堤の意識は闇のなか……
……に落ちたけど、
もう意識を取りもどした!
早ッ!
状況を見るに、頭を打ってすぐに覚醒したようだ。
北辰会館の国内エース・立脇如水は、気絶後して控え室に運ばれてから目を覚ました。(
餓狼伝15巻
126話
)
立脇に比べると堤の回復力はスゴい。
ランクAの超スゴいだ。
だが、意識がもどっても状況は最悪だった。
倒されて、相手に上から押さえこまれている空手家になにができよう。
愚地克巳だったら「ああなる以前(まえ)に」「終わらせるのが空手」と答える。(
G刃牙26巻
228話)
独歩ちゃんなら、素手で相手の生爪はがして脱出だろう。(グラップラー刃牙31巻 268話)
克巳タイプの近代空手だと打つ手なし。古流空手だと可能性アリ。
堤はどっちだ?
だが、その前に北辰会館の門下生たちが動いた。
アリの集団みたいに村瀬にむらがり、耳を引っ張ったり、口の端に指を突っこんで引っぱる。
耳や口を引っぱるのは、どっちも古流武術で使われる、危険なつかみかただ。
自然にこういう技が出てくるあたり、北辰会館は危険なつかみも練習しているのだろう。
たぶん、
画面に写らないところで村瀬の股間や肛門を攻撃しているな
。
そのうち、目に指を突っこみかねない。
「全員離れろッッ」
「続けるッ」
「このまま」
「止めることは許さん」
「邪魔する者は」
「殺す」
堤が吼えたッ!
勝敗がどうなろうと、戦いに介入するのは許さん。
戦いに誇りをもつ武士(もののふ)だ。
だが、勝利のためならいかなる手段だろうと用いるのも、また武士である。
これがもしグレート巽であれば、容赦なく仲間に攻撃させたかもしれない。
それでいて、賞賛を受けちゃうところが巽のカリスマだ。
もっとも、巽ならこういう状況になるようなヘマはしないだろうけど。
堤は、武士というより求道者って感じだろうか。
あまりに真っ直ぐだ。
常に全力疾走の戦闘スタイルだし。
敵の卑怯を責める前に、自分の油断を責める。
それが堤城平だ。
堤は正々堂々と戦おうとしている。
村瀬はそんな堤に賞賛をおくった。
そして、頭突きをかます。
両腕は堤の動きを封じている。だから自由になる頭で攻撃だ。
頭突き
は初期の総合ぐらいでしか許されなかった攻撃である。
けっこう危険な技なのだ。
大相撲最強伝説の根拠のひとつに頭突きが許されているって入っているのかも。
チャンピオンの相撲漫画『
バチバチ
』(
AA
)見てると、ぶちかまし(頭突き)最強と思ってしまう。
堤はガード不能状態で頭突きをくらいまくる。
ふりあげる腕に力はなく、また失神したのかもしれない。
堤の両腕をおさえる必要がなくなった。
村瀬はそう判断したのだろう。攻撃を拳に変えてきた。
全体重をのせるような、打ち下ろしの右拳が炸裂する。
今度は左拳。まるで試し割をしているかのような左右の連打だ。
このままでは堤が殺される!
私がそう思ったぐらいだから、現場の人はもっと緊迫していただろう。
さすがに止めようと門下生が動く。
「それまでッッ」
場を沈める声が響いた。
肉食獣の出現でいっせいにふりむく草食動物のように、門下生たちが声の主を見る。
声の主はッ、北辰館館長・松尾象山だッ!
原作者も頼りにしている『困ったときの松尾象山』である。(
餓狼伝ブレイクブロウ完全格闘指南
)
この場を収めることができるのは松尾象山しかいない。
次回、どう決着をつけるのか!?
ストーリーとしては「松尾象山 登場!」だけなんだよな。
前回のラストに、松尾象山が登場するコマをくっつければ、たぶん次回と話もつながるだろうし。
まあ、それはそれとして、壮絶な攻撃が今回の見所だった。
松尾象山はどう動くのか?
とりあえず、堤の敗北をフォローするだろう。
堤に勝ったぐらいで北辰会館に勝ったと言うな。オイラが北辰会館だ!
と言って、堤の負けを無効化する。
で、村瀬を改めてフルボッコするのかが読めない。
負傷している村瀬とケンカしても楽しめないと思っていそうだ。
でも、ここはケジメとして殴るべき。
館長の職務と個人の思いで、松尾象山であっても悩みそうだ。
一度は堤が勝ったんだから、コレで一勝一敗。
決着は試合でつけよう。
などという展開が無難かな。
でも、これだと丹波文七の入る余地がない。
主人公なのに、事件の起きている現場にいないよ。
堤のダメージが大きいので、かわりに丹波が出るというパターンはありそうだけど……
とにかく村瀬の運命も、丹波の出番も、松尾象山しだいか。
ところで、丹波だけではなく、姫川も出ていない。
おかげで松尾象山が付き人なしだ。
まあ、姫川は腕を負傷しているから治療しているのだろう。
丹波がピザのチーズで乳製品を補充しているとき、姫川は冴子の乳で補充しているのだろうか?
非モテの恨みを力にかえて、丹波には立ち上がっていただきたあい。
他人に運命を握られる主人公だが、強敵(とも)堤の姿を見て怒りの覚醒とかできないのだろうか?
まあ、丹波はピザを喰えば覚醒できるから、堤いらないのかも。
2010年6月22日(14号)
餓狼伝 Vol.235
餓狼伝の暫定最強者・松尾象山が登場だ!
男たちはいっせいに松尾象山のほうを見る。
無視できぬ圧力を発しているのだろう。
いるだけで酸素濃度が下がりそうだ。
換気が欲しくなるような圧倒的な存在感がある。
「すンゲエ タマがいたもんだ」
敵地に単身乗りこみ、堤城平をたおす。
度胸も腕っ節も並外れた襲撃者に、松尾象山は興味をもったようだ。
で、襲撃者がふりむいてみたら村瀬豪三だった。
体つきを見ただけで村瀬と判別できなかったの
これは松尾象山にとって不覚なのだろうか?
それとも、村瀬の印象はそれほど強くなかったのかもしれない。
堤を倒すのは並大抵ではない。
そりゃ、伊達潮じゃ歯が立たないワケだと松尾象山は納得する。
倒されたあとも、間接的に噛まれる伊達がすこし不憫だった。
堤は強い。
常に全力で戦う性格は短期の戦いに向いている。
逆にトーナメント形式だと途中で力尽きてしまうんだけど。
さらに、不意打ちにたいする心構えもある。
突発的な戦いだと無類の強さを発揮するタイプだ。
その堤を倒した村瀬もタダ者ではない。
だが、二人の戦いを見ていた北辰会館の門下生は異をとなえる。
「彼のやったことは」
「明らかな反則ですッッ」
村瀬は開始前に不意打ちをした。
門下生たちは、そこを問題視している。
タックル・マウントポジション・頭突きは不問にしているのが面白い。
これらはもちろん、空手ルール外の技だ。
頭突きなんて試合で許可している格闘技のほうがすくない。
でも、それらはOKと考えるのが北辰会館なのだろう。
北辰会館は空手競技の団体ではなく、空手技を使って喧嘩スタイルに勝つ団体だという自負があるのだろう。
そういえば、丹波との試合で堤も頭突きを使っていた。(
餓狼伝10巻
78話)
コイツらの試合はつねにフリーダムだ。
でも、試合開始の合図は守れということらしい。
この物言いに対して松尾象山がとった行動は?
デコピン!
しかも、鼻に!
大量鼻血で門下生は涙目だ。
「恥を知りなさい」
「君たち」
「武道にはねェ……」
「反則なんて言葉はねェんだよ」
最初はやさしく語りはじめ、最後に怒ってみせる。
これが松尾象山の指導かッ!?
門下生たちは全員汗をながす。
武道には反則が無い。
きびしい内容だ。
生きるか死ぬかの瀬戸際に、キレイも汚いもないってことなのだろう。
相手がなにをしようと対応しろ。
そして、目玉えぐって逆襲すべし。
……ぐらいの覚悟が必要なんだろうな。
ここで堤城平が立ちあがった。
完全に失神するほど殴られていたのに、なんというタフネスだ。
オマケに松尾象山の台詞をちゃんと聞いていたらしい。
いつから覚醒していたんだろう。
「仮にも松尾象山の直弟子を名乗る以上――――」
「不意打ちでの不覚」
「恥とせねばなりません」
つねに一貫して堤城平だった。
相手の不意打ちを非難せず、自分の未熟を責めている。
そして、この場で再戦する覚悟だ。
期せずして3本勝負かァ!!!
ダメージは大きいが、最初からはじめれば堤が優勢だろう。
いや、村瀬にはまだ隠している技があるかもしれない。
泉さんに使ったような、キケンな技などが……(
餓狼伝25巻
229話
)
実際に村瀬の表情は笑っている。
戦いを楽しめるというだけではないだろう。
勝利の確信がありそうだ。
松尾象山は、そんな村瀬の肩を叩く。
ど
ム
松尾象山の拳が腹にメリこんだァ!
村瀬の巨体が浮いている。
たった一発で村瀬は白目むいて気絶した。
「人ン家
(ち)
上がりこんで―――」
「ボヤっとしてんじゃねェや……」
武道には反則が無い。
やるからには、やられる覚悟が必要だ。
村瀬の甘さを一撃で打ち砕く。
これが松尾象山だ。
堤の甘さも、村瀬の油断も、ぜんぶ松尾象山が持っていってしまった。
まさに象が踏み荒らしていったあとみたいだ。
みんなペラペラに潰されている。
ひとり立つのが松尾象山ってところだ。
弟子に任せず自分で手を出したのは、単に殴りたくなったからだろうか?
前に村瀬と接触したとき、伊達にじゃまされて戦えなかった。
それなりに欲求不満だったのだろう。
負傷している堤を心配して村瀬を倒した。
というのは、松尾象山らしくない。
弟子にはキビしく、負けても這いあがれって感じの人だし。
やっぱり、暴れたかっただけかも。
堤にお手本を見せたという可能性はある。
反則なんて無い。
つまり「戦う」と宣言するまでもなく、いきなり殴れ。
意識を取りもどしたのなら、松尾象山に許可を求めるまでもなく襲いかかればいい。
そんな感じで、いきなり村瀬を殴ったのかも。
同時に村瀬にも勉強させている。
敵地で油断するな。
それと、最大の敵である松尾象山に背を向けるな。
ついでに尻も向けるな。
武道に反則はない。武士も似たような心構えで生きていたらしい。
福岡藩黒田家に奥女中として仕えていた「ひさ」さんは、「奥女中は、女とはいっても、武士なんです」と孫に言わしめる人だったそうだ。
『ひさは、寝顔を決して人には見せず、朝は四時頃に起きた。また、道は必ず真ん中を歩いた。もし、横道から狼藉者が出てきたら、対処できないからだという。』
(
教科書には出てこない江戸時代
)
武士度の高い生活です。
松尾象山も、武道家ならこういう生活をすべきと考えていそうだ。
まあ、現代だと道路の真ん中あるくと交通事故になりそうで、かえって危険かもしれないが。
武道に反則は無い。
村瀬への対応は、堤がとめようとも集団で叩きのめすのが正解だったのだろうか?
北辰会館の無敗を守るためには、正しいかもしれない。
会話のやり取りが多い小説だと「君が倒したのは堤という個人であって、北辰会館に勝ったわけではない」と言いそうな場面だし。
さて、倒された村瀬はどうなるのか?
北辰会館の手によって改心して、忠実なしもべに生まれ変わったりして。
そうなると北辰会館は強力な手駒を入手したコトになる。
それにしても、村瀬の目的は丹波文七だったはずだ。
どこで丹波行きの列車から乗りかえちゃったんだろう。
武道に反則は無い。
戦わなければ負けも無い。
ならば、丹波無敗。
そんな逆転の発想なのかもしれない。
2010年7月13日(15号)
餓狼伝 Vol.236
松尾象山が不意打ちに放った正拳突きで、村瀬豪三はダウンした。
ボヤっとしているオマエが悪い。
不意打ちをしながら、松尾象山は村瀬が悪いと言い放つ。
さすが松尾象山だ。
俺がルールブック
状態である。
「俺がガンダム」とは違うぞ。
松尾象山の暴挙に、門下生までもが固まってしまった。
みんな声も出ないで、汗ばかり流れる。
どうフォローすれば良いんだ!? とか思っているのだろうか。
そこは、シグルイみたいに
「お美事(みごと)にございまする」
を連発だよ。(
シグルイ1巻
4景)
すると、村瀬が立ち上がろうと もがきはじめた。
立つ気か!?
松尾象山の一撃を喰らってッッッ!?
フルフルになりながら、村瀬は立った。
恐るべき耐久力だ。
このタフネスは不死身の天然レスラー鞍馬彦一を超えるかもしれない。
いや、鞍馬は丹波のパンチ一発でダウンしちゃうぐらい弱体化しちゃった。(
24巻
218話
)
もうタフネスの代名詞とは言えないかも。
ここで、
さすが丹波さん、パンチ強ぇー!
と思えないのが困ったところだ。
本当ならサンシャインをゆらせる豪拳なんだけどな。(
1巻
1話)
「ありがとうございます」
「憧れの――――」
「伝説の空手家松尾象山を」
「堪能させていただきました」
紳士だッッッ!
さすが さわやかさに定評のある村瀬豪三です。
闇討ちはやるけど、相手に恨まれにくい。
逆に不意打ちされても、相手を恨まないのだ。
きっちり頭をさげてお礼をいっている。
村瀬にとって北辰会館の道場は敵地だ。
ボスである松尾象山と友好な関係になって、うまく切り抜けようという考えだろうか?
喧嘩ではなく戦闘レベルになると『ボスとは戦う相手ではなくて話し合うべき存在であり、戦線の拡大と報復を防ぐために絶対必要な存在となる。』(
達人烈伝
)
村瀬は、このへんで安全を確保する気になったのかもしれない。
松尾象山も、ほめられて悪い気がしないのだろう。
村瀬の健闘をたたえて握手をもとめる。
つられて村瀬も手をだす。
ッッッ!
こいつらが、フツーに握手するワケない。
ページをめくると、きっと殴ったり掴んだりしているハズだ。
カッ
蹴ったッッッ!
松尾象山が体をひねって後ろ蹴りか?
妙にアクロバティックな動きなので、どんな技かワカりにくい。
とにかく村瀬のアゴがカチあげられてる。
村瀬はうつろな眼をして、頭からダウンした。
アスファルトの上なら死ぬかもしれない落ちかただ。
たおれる村瀬を見ながら、松尾象山は残心を忘れていない。
ルールなしの戦いになれていた村瀬だが、油断があったようだ。
松尾象山は、戦いの年季が違うってコトだろうか?
村瀬が完全にのびているのを見た松尾象山は、なぜか部屋を出ていく。
弟子たちが またもやポカーン状態だ。
すると、何かを引きはがすような音が廊下から聞こえてくる。
松尾象山が戻ってきた。
手には、力任せに引っぱがしたドアを持っている。
「運び出せ」
「道場破りは戸板に乗せて帰す」
「慣習
(ならわし)
ってもんだ」
道場破りは、自分の足で歩いて帰れない状態にしろってことですね。
和風の引き戸ならともかくドアだと、入り口より扉のほうが大きいから、ナナメにしないと通れないよね。
そうなったら村瀬が落ちる。追加ダメージ間違いなし。
松尾象山は、これも狙っているのだろうか?
不意打ちで殴ったのに村瀬を倒しきれなかった。
全力ではなかっただろうが、松尾象山にとって、ちょっとムカつくことだったのだろう。
だから二回目はもっと強く蹴った。
乱暴な方法で戸板をゲットしたのも、なかば八つ当たりだったのかも。
夜。
堤は血に染まった道衣を着たまま正座していた。
自己反省による正座だろうか?
そこへ松尾象山がやってくる。
村瀬を戸板に乗せて運んだから 流したけど、堤は村瀬に敗北した。
師匠が弟子をかばった形になる。
ついでに流派の面子も守ったのだろう。
堤も自分の未熟を猛省していた。
「見直す時期
(とき)
がきた」
「空手そのものを」
松尾象山が空手の改革宣言だ。
でも、なにをどう見直すというのだろうか?
堤の敗因は油断だった。
油断しない心構えを鍛えるのか?
実戦空手を再立ち上げするつもりかも。
それとも、堤がマウントポジションを取られてから何もできなかったコトを改善するのだろうか?
人によるミスというのは減らすことはできても、無くすことはできない。
命にかかわる医療や航空産業でも、これは定説だ。
だからミスをしてもカバーできる体勢作りが必要になる。
つまり、
組みつかれ倒されても反撃できる空手が必要ってことだ。
北辰会館は、より実戦に近づくため直接打撃(フルコンタクト)での試合を行った。
さらにルールを改正して、"なんでもあり"をやろうというのだろうか?
マウントポジションを取られた空手は、どう返すのか?
全格闘技対応の空手に進化するときが来た!
それは、
すでに丹波文七がやっているコトなんだけど、マルっと無視されとる。
時代を先取りしすぎて、丹波が孤立化してしまうのか?
次回へつづく。
どこまでも松尾象山な暴れっぷりだった。
自分の意を通しまくり。
ワガママを貫けるコトが強いってコトなんだよ!(
16巻
140話
)
餓狼伝で一番ワガママを貫く男、それが松尾象山だ。
村瀬もワガママを貫いていたけど、松尾象山に飲みこまれた。
握手で油断したのは村瀬らしくないな。
直前にくらったパンチで、心が折れていたのかもしれない。
で、松尾象山に誉められたから「無事に帰れる」と思って油断したのかも。
松尾象山が村瀬をほめるシーンだが、わりと細かい配慮をしている。
すでに北辰会館という組織の敗北を防ごうという意識が出ているのだ。
「不意打ちだろうが何だろうが」
「堤 城平に一矢報いた」
この言いかただと、「全体では負けたけど、少しだけ堤に反撃できた」という意味だ。(参考:
一矢(いっし)を報(むく)・いる
)
つまり、松尾象山は村瀬の敗北を前提として話している。
この言い回しに気をとられて、村瀬は油断したのかもしれない。
正面から戦っても勝てるのだろうけど、松尾象山は磐石の勝利を望んでいるようだ。
ここまで勝ちに貪欲ってのもスゴいよな。
そして、松尾象山は貪欲に空手の全方位勝利を狙っているのだろうか?
今後の展開は、バーリ・トゥード(なんでもあり)対決になりそうだ。
これなら主人公である丹波文七にも出番があるかも。
で、村瀬の流派と正体はなんだったのだろう?
行楽の季節を先取りして、村瀬は山か海に行っているんでしょうか?
山で地面にもぐったり、海に沈められたり、そんな感じ。
いやいや、さすがに殺しはしないよね。
あのまま板に打ちつけて、晒し者にするかもしれないけど。
2010年8月24日(18号)
餓狼伝 Vol.237
北辰会館空手が大進化する! ……かも。
松尾象山が特別講義をはじめる。
それはおよそ一切の流派に聞いたことも見たこともない奇怪な構えであった。
110キロ超の門下生が仰向けに寝ている。
その上に松尾象山が馬乗りしていた。
のちにマウントポジションと呼ばれる構えだ。
って、マウントポジションかよッ!
原作では最先端の情報だったんだけど、十数年の時が流れた現在だと基本知識みたいなものだ。
まあ、空手が寝技ありにも対応するために、欠かせない再確認みたいなものだろう。
松尾象山は門下生にマウントポジションをハネのけてみろと命じた。
門下生はブリッジをして体をよじり、松尾象山を落とそうとする。
だが松尾象山は落ちない。まるで荒馬にまたがる
ロデオ
のようだ。
門下生が暴れても松尾象山は落ちない。
やっぱり重心が低いと安定なのか? 短足バンザイ!
だが、ついに松尾象山が落ちてしまう。
松尾象山といえども無敵の超人ではないのだ。
失敗することもある。
負けることは無いかもしれないけど。
昨日の堤城平はマウントポジションから脱出できず一方的に殴られ敗北した。
村瀬豪三はひそかに、この技術を磨いていたのだ。
空手はマウントポジションの技術に勝てないのか?
門下生が問いかける。
「バカを言っちゃあいけない」
「忘れたのかねオマエたち」
「空手とは」
「全方位角 総合格闘技だよッッ」
あくまで頼れる松尾象山であった。
ゆるがざること象や山のごとし。
自分たちの流派は負けないという気迫は、グレート巽と同じだ。(
24巻
219話
)
組織のトップは簡単に自流はダメなどと言わないのだろう。
やっぱり人に技術を教えている以上、最強であるという自信が必要なのかもしれない。
そして、言ったからには最強を証明する必要がある。
すなわち戦って勝つしかない。
空手は総合格闘技を、プロレスは武術を、倒して強さを証明する必要がある!
「――――とは言ってはみたもののなァ……」
館長室で、松尾象山はちょっと弱気だった。
勢いで全方位角総合格闘技って言っちゃったんだろうか?
自分は勝てるけど、門下生の勝ちまでは保障しかねる。そんな悩みかもしれない。
松尾象山は最強に近い存在だ。でも、育てるのが上手いかどうかは良くわからん。
名選手必ずしも名監督にならずって言うし。
天然で思うままに行動しちゃう松尾象山であった。
だが、周囲のサポート役はきっちり仕事をしている。
その第一人者である姫川勉は、村瀬豪三のことを調査(しら)べさせていた。
長田との試合で片腕治療中だと思うのだが、仕事はやっているらしい。
思ったよりも、ずっと勤勉な男ですね。
村瀬の技は古流柔術のようでありながら、総合格闘技のようなタックルも使う。
謎に包まれた村瀬の正体は?
そして、松尾象山は新空手を教えることができるのか?
次回へつづく。
最近、休載が多かったせいか餓狼伝世界が浦島太郎となりつつあるのかも。
今頃になってマウントポジションの解説ですよ。
おなじイブニングで連載されている『
オールラウンダー廻
』(
AA
)だと、主人公が高校生だからブラジリアン柔術ショックを知らない。
ところが、餓狼伝では まさに今現在ショックがやってくるようだ。
まあ、長期連載の弊害ってヤツですね。
原作の餓狼伝に携帯電話が出てくると、いまだに落ち着きません。
知っている人も多いでしょうが、総合格闘技とマウントポジションについて簡単におさらいする。
打撃はたった状態で使うモノであり、寝た状態だと関節技や絞め技で戦うモノだ。
というのが総合格闘技以前の考えだった。
だから、打撃系は寝かせてしまえば簡単にしとめることが出来ると言われていた。
総合格闘技は、この中間である、寝た状態での打撃という概念をもたらす。
もちろん、打撃から関節技に移行する場合も多いのだが。
マウントポジションは、寝た状態での打撃を制するための技術といえよう。
ブラジリアン柔術は総合格闘技に近いルールでずっと戦ってきた。
なので、マウントポジションを含めた総合格闘技の技術を高めてきたのだ。
マウントポジションになると、上側が圧倒的に有利になる。
上側は上半身を動かせるので間合いが自由に取れるが、下側は身動き取れない。
柱に胴をしばりつけられている人間を殴るようなものだ。
攻撃のタイミングを自由に取れるので、有利の攻撃できる。
また、上側の体重がかかるため、下側は圧迫され体力が奪われるらしい。
もっとも、
ヒクソン
のマウントは体重がほとんどかからないそうだ。
『ヒクソンのマウントポジションは、足腰を密着させてガッチリ固めてるわけではないんだ。腹の上にお尻をチョコンと乗っけている感じ。』
『もう少しで逃げれるんじゃないかと思うたび、俺の動く方向をあらかじめ知っていたかのようにヒクソンは重心を合わせてきて、俺の動きの要所を潰し、それ以上の行動を封じてしまう。』(
板垣恵介の激闘達人烈伝
)
上手い人にマウントポジションをとられると、かなり絶望的だ。
だが、試合だとけっこう逃げる人もいる。
理屈は良く分からんが、なんかスルっと抜けることが最近でもある。
あきらめなければチャンスはあるってコトなのだろう。
松尾象山のマウントポジションは下手な部類なのだろう。
本人は空手家だし。
しかし、
手を使わずにあれだけのロデオをやって見せたのだ。
やっぱりすごい才能である。
普通は下側が逃げないように打撃を加えて注意をそらすものだけど、腰から下だけで押さえていた。
松尾象山が柔術家を目指していたら、そっちの世界でも頂点を取れたかもしれない。
もし、松尾象山がマウントポジションをとられても、ちゃんと反撃するのだろう。
腕力だけのフックで、相手の足を破壊するかもしれない。
やっぱり、松尾象山以外の人間には不可能な脱出方法だ。
松尾象山の怪物技を人間用に調整するのが北辰会館の仕事なんだろうな。
北辰会館は総合格闘技へ向かおうとしている。
しばらく出番が無かったが、グレート巽のFAWは迎えうつ体制を固めているだろう。
そして、主人公・丹波文七はどこに絡むのか?
ちゃんと絡めるんだろうか?
そもそも、今どこでナニしているんだろ。
餓狼伝の
最新刊
は もうすぐ発売だ。
そろそろ主人公も新しい動きを見せて欲しいのだけど。
まさか丹波もマウントポジションを練習中ってコトは無いよね?
2010年10月12日(21号)
餓狼伝 Vol.238
謎の路上戦士・村瀬豪三を姫川勉が調べあげた!
彼れを知り己れを知らば、百戦して殆(あや)うからず。
暴力集団である北辰会館にとって情報収集は死活問題だ。
きっと他流の試合に殴りこんで選手をフルボッコにするための情報をためこんでいるのだろう。
北辰会館トーナメントで他流選手について、かなり詳しかったし。(
13巻
110話
)
姫川は都内数百の武術・格闘技の道場やジムを調査した。
すると村瀬がいくつかの道場に所属している事が判明する。
柔道、空手、ボクシングなど習う流派はバラバラだ。
一般的に、複数の流派を少しずつやるってのはダメと言われている。
原作・餓狼伝でプロレスに道場破りしにいった松尾象山もイロイロやってると言ったら、伊達潮男たちにバカにされていた。
まあ、結果はとうぜん松尾象山の圧勝なんだけど、
そりゃ松尾象山だからだ
。
普通だと、ちゃんぽんはダメ。
色をいっぱい使えばイイ絵が描けるワケじゃない。
同じイブニングの『
オールラウンダー廻
』(
AA
)では、ボクシングとか習いつつ
「空手という箱の中に入れようとしている」
と言っている。
基本の幹がしっかりしてないと枝をいっぱいつけるコトができない。
野球やサッカーでいえば、どうやって得点して、失点を防ぐかというスタイルを確立しないとダメってことだ。
なんでもかんでも技術を学ぶのではなく、目的に合わせて技術を学ぶ。
村瀬豪三の背骨はなんなのだろう?
打撃をメインに考えているのか、それとも組み技か?
闘いかたを見ていると、組み技系という印象をうけるが……
ナゾはまだ残る。
ついでに姫川の報告もまだ残っていた。
そのころ、ウワサの村瀬豪三は夜の路上を歩いていた。
路上は現代戦士にとって舞台というか戦場です。
とうぜん村瀬は獲物を追っている。
狙う相手は、みんなが大好きな丹波文七だッ!
丹波ァ!
久しぶりに出てきてくれたよ。
つうか、村瀬は丹波を狙うコト忘れてなかったんだ。
丹波はつけられているのに気がついているのだろうか?
人気のない神社にはよらずに、道をまっすぐに進む。
と、思ったら公園らしき、場所に入っていく。
こりゃ、誘っていますね。
草地に木が生えていているけど、道路からはわりと丸見えだ。
丹波文七は短期決着を予想しているのだろうか。
身に餓狼を飼う者同士に言葉はいらない。
夜の公園で武術家2人……………、勝負でしょう。
丹波くんが実にイイ貌(かお)をしています。
餓狼の顔だ。何年ぶりに見たんだろうって感じのイイ顔ですよ。
ところで、姫川レポートのつづきがナレーションとして流れている。
複数の格闘技を学んでいる村瀬の実力についてだ。
「彼は所属していながら――――」
「一切の試合をしていないのです」
「全国レベルというワケではないのでしょうが――――――」
「どの道場ジムでも実力はトップをキープしているようです」
村瀬は各分野の頂点には興味がない。
狙うのはトータルファイティングだろう。
上でも書いたけど、その中心となるスタイルはなんなのだろうか?
自己流による新武術だったりして。
それじゃ、まんまグラップラー刃牙だよな。
「全科目に100点をとる必要はない」
「100点満点と闘うなら――――」
「20点ずつを―――――――― 六課目」
「合計120点」
「物理的に勝ちは転がり込む」
これが村瀬の考えらしい。
でも、100点に20点×6だと負けそうだ。
輪になっている鎖を引っ張ると弱いところで切れる。
100点の分野で攻めてこられたら対応できずに決壊して、みんな台無しになってしまいそう。
ただ、村瀬の実力はジムでトップクラスだ。
20点どころか、80点はある。
これだけ打撃100点が相手だろうと、他の分野で張りあえるだろう。
しかし、丹波文七は空手使いでありながら関節技や投げもできる万能選手だ。
村瀬に遅れはとらんッ!
その村瀬は不適な笑いを浮かべている。
腕は高く構えて、背筋を伸ばしていた。
キックを想定した打撃の構えだ。
対する丹波は、腕を垂らした自然体をしている。
ナニをするのかワカらない。
構えないことで手の内を読ませないつもりだろうか。
村瀬がいきなり、突っこむ。
打撃の構えだったが、タックルにきた。構えはフェイントだったのか?
技量の高さがわかる低空タックルだ。
だが、前フリもなくタックルをして決まるほど、世の中と丹波と塩は甘くない。
丹波は飛び蹴りでカウンターだ!
〜〜〜〜〜〜ッッッ!?
ハデすぎだよ、丹波さん。
そんな攻撃だと、スキがうまれまくりですよ。
ひさしぶりの闘いだからハリキリすぎていないか?
でも、全身で突っこむタックルに、全身で飛び込む飛び蹴りを合わせたのだ。
村瀬は体勢を崩して、後退する。
そこへ丹波の右拳が打ちこまれた。
必勝のコンビネーション!
と、思ったら 丹波は腕をとられて投げられる。
地面は土の草地だから致命的なダメージじゃないだろう。
だが、鮮やかに投げられている。
倒れたあとの寝技も怖い。
丹波文七、登場するなり大ピンチだ。
「新たな時代の開始
(はじ)
まりです……」
丹波のピンチに姫川のナレーションがかぶさる。
なんだ?
主役交代で、新時代とでも言いたいのだろうか?
次回につづく。
『御愛読いただいた『餓狼伝』は当号をもって休載いたします。』
『再開等の情報は本誌及びHP等で告知する予定です。』
ッッッ!
これが、新たな時代の開始(はじ)まりッ!?
と、言うわけで餓狼伝はしばらくお休みのようです。
イブニングには不定期連載のまま音信不通になっている作品がいくつかあるが、その仲間入りだろうか?
やはり原作との間に開いた時間の壁が話の展開を難しくしているのかもしれない。
知らんぷりして、ブラジリアン柔術の来日を描けば良いような気もするんですけど、難しいんだろうか。
現在の餓狼伝世界は、北辰会館とFAWの闘いが迫っている。
このイベントに向けて、各人が動いているところだ。
両陣営は、ぜひとも戦力が欲しい。
そこで物語の焦点となっているのが、打撃も関節もつかえる丹波文七だ。
丹波を制したものが、大会を制す。
ハズだったのだが、新戦力として村瀬が出てきた。
まさに餓狼世界は新たな時代をむかえようとしている。
って、ところで休載ですよ。
とりあえずコミックス25巻が12月に発売すると決まったので、良しとしよう。
そう丹波文七という男は、悩むと旅に出るのだ。
すぐ悩むから、すぐ旅に出る。
どっちにしろ旅先でもトラブルに巻きこまれて闘うハメになるんだけど。
丹波文七は旅に出たのだ。
帰ってくれば、きっとたくましくなっているだろう。
その日を期待して待つだけだ。
ちなみに、原作小説もすごい盛り上がっているところで旅に出ているんだが……、早く新刊が読みたいです。
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