今週の『ゆうえんち −バキ外伝−』(31回〜40回)感想

← 21回〜30回  ↑最新の感想↑  バックナンバー  41話〜50話→
刃牙 バキアニメ blog 掲示板 Twitter 疵面 拳刃 謝男 餓狼伝 リンク12 TOP

2018年12月27日(4+5号)
第31回 巻の四「柳龍光だよ」

 ついに葛城無門は師・松本太山の死に関わった"ゆうえんち"と"柳龍光"の情報をつかんだ。
 細い糸ではあるが、ついに手がかりを得た!
 だが、その糸の先には、暗黒街に棲む暗器の久我重明がいる。
 葛城無門の復讐はまだ遠そうだ。

『巻の四 花山組構成員 寒村東吉の証言』

 新たな証言者は花山組の寒村東吉だ。
 かつて謝男(シャーマン)拝一穴の教え子だった男である。謝男1巻 2話
 さらに拝一穴のいた治ヶ浦高校の校長である国松拳はマスター国松の兄だそうだ。
 なんかスゴい奇縁だな。

 「刃牙シリーズ」「餓狼伝」「獅子の門」に共通する人物が出てきていたんですが、ここに「謝男(シャーマン)」も加わったか。
 ゴラク世界は毛色が違うと思っていたが、本当に何でもアリだな。
 あとは「メイキャッパー」からもゲスト出演してきたりして。

 現在、花山組にいる寒村は花山のために命を捨てる覚悟で生きている。
 人にそこまでの覚悟をさせるのは花山の人徳だろう。
 ただ強いだけじゃ、ここまで人を魅了しない。
 花山には、まだ知られざる強さがあるのだろう。

 さて、寒村は花山組に入る前に娯楽組に所属していた。
 ゴ・ラ・ク・組!
 ヤクザとは思えぬ楽しそうな名前だ。
 なぜか元少年ジャンプ作品が妙に多い組織だったりするんだろうか。

 寒村は使いぱしりとして働き、組長の泊まる新宿の帝王プラザホテル47階4701号室に向かう。
 そこには組長以下、幹部の笠間、石川、ボディーガードの市村など重要人物がそろっていた。
 だからだろうか、恐るべき襲撃者がやってくる。
 ドアからでは無い。窓からだ。
 地上180メートル47階の窓だぞ!

 まるでヤモリのように張りついているそれは、柳龍光だった。
 地上から180メートル登って来たのか!?
 いや屋上から降りてきたのかもしれない。
 どちらにしても人間じゃねェ……、妖怪だ。
 国松一門は妖怪ばっかりだな!



 柳龍光は無差別殺人者じゃない。
 自分の強さを極める過程で実験台として殺している感じだ。
 刃牙にあしらわれた柳は、ドイルへの制裁を決行していた。
 柳なりの美学がありそうだし、たんなる八つ当たりかもしれない。

 今回の娯楽組襲撃は、どういう心境なんだろうか。
 とくにイヤな目に合ってないだろうし、八つ当たりの可能性は少ない。
 柳龍光にも生活があるんだし、雇われ仕事かも。

 理由はともかく、柳が娯楽組を潰したとなると、ヤクザ世界の抗争に巻き込まれることになりそうだ。
 娯楽組と縁の深い組織がケジメとして柳龍光を狙うかもしれない。
 手練れの柳龍光をしとめるには、やはり強い人間をさしむけないとダメだ。
 久我重明の出番だろうか?

 物事が動くと、その姿は目立つようになる。
 葛城無門はその動きを捕らえることができるのか?
 とりあえず、これからは壁にはりついている妖怪がいないか警戒したほうが良さそうだ。


週刊少年チャンピオン2019年4+5号


2019年1月11日(6号)
第32回 巻の四「敗北を知りたい」

 寒村東吉はマスター国松の空道を習っていた時期がある。
 そこで、マスター国松の左腕が切られた経緯を聞くことができた。
 もちろん本人には聞けないので、先輩に聞いたそうだ。
 ……その先輩は誰から聞いたのだろうか?(信頼性に若干の疑問アリ)

「敗北を知りたい」
「教えてやろうか」


 柳龍光とマスター国松がそう言葉を交わした瞬間に戦闘が始まったらしい。
 やっぱり誰も見ていないので、伝聞と言うか伝説みたいな話だろうだ。
 柳龍光は鎖鎌を使ったとも言われている。

 マスター国松の左腕を斬り落としたのだ。
 素手ではなく刃物を使った可能性が高い。
 もし柳が鎖鎌でマスター国松の左腕を切ったのだとしたら……
 柳が、本部以蔵に鎖鎌で右腕を斬られたのは因果応報かもしれない。

 師匠が弟子に敗れる。
 老いとか、素質とか、色々な条件があるが、建前として弟子を自分よりも強く育てるのが師匠の務めだ。
 でも、師匠の本音として、弟子が自分より強くなったら威張れないから困る。
 なので、弟子に教え渋る師匠もいるらしい。

 マスター国松は柳に敗れたのかもしれないが、他の弟子たちから尊敬を集めている。
 左腕を失ったがマスター国松はそれ以上の何かを得たのかも。
 柳への復讐心がマスター国松をより強くした可能性もある。
 と言うか、柳に負けようが、片腕になろうが、マスター国松は充分すぎるほど妖怪なので恐れられているのだろう。


 で、ホテルの窓に、その柳龍光がはりついているのだ。
 怖いという以前に不気味だな。
 師のマスター国松も妖怪だが、弟子の柳龍光も妖怪だ。

 柳は二重構造の窓ガラスを破り侵入してきた。
 最強の空掌使いと言われるだけあって、丈夫な二重構造ガラスをあっさり破っている。
 この妖怪の侵入にヤクザたちは拳銃を抜いて身構えた。
 だが、普通のホテルで発砲したら警察沙汰になる。
 オマケにシャブの取引で得た大金が部屋にあるので、ますます警察に来てほしくない。

 銃を撃つに撃てない状況だが、ボディーガードの市村は我慢できずに発砲する。
 のちに最凶死刑囚となる柳龍光は拳銃を恐れていなかった。
 この状況で発砲されても回避する自信があるのだろう。

 侵入してきた柳龍光の狙いはヤクザの持つ大金だった。
 "ゆうえんち"で遊ぶため、500万円をいただきに来たらしい。
 となると、このエピソードは時系列的に松本太山が死ぬ前の話だろうか?
 話の流れがすっきりしたようで、また複雑になってしまったかも。
 次回、撃たれた柳龍光の安否と、主人公・葛城無門の出番はどうなる!?


週刊少年チャンピオン2019年6号


2019年1月18日(7号)
第33回 巻の四「"ゆうえんち"に、遊びに行くんでね」

 大日本武術空道における最大の天才と言われた柳龍光は、師であるマスター国松の左腕を斬り落とし、逃走した。
 逃亡者である柳だが、わりと自由気ままに殺戮を楽しんでいるっぽい。
 のちに最凶死刑囚・猛毒の柳龍光と呼ばれる男の逮捕前の姿である。

 ヤクザ娯楽組が集まったホテルの一室に柳龍光が侵入してきた。
 目的は金だ!
 逃亡者である柳龍光は真っ当な方法で金を稼げないのだろう。
 だからといってヤクザから金をむしりとりに来るとは、やっぱり危険を愛する男だ。

 柳龍光の襲撃現場にいた寒村東吉の証言がつづく。
 娯楽組の市村が柳に向けて発砲した!
 だが、柳が市村の腕を折り、銃口を市村の顔に向けていたのだ。
 頭を貫通したし、こりゃ死んだな。

 五反田、新橋、笠間と言った猛者たちも柳龍光に容易く破壊された。
 銃や刃物のある戦闘でも柳龍光は動じず自在に動いている。
 こういう経験を何度もしているんだろうな。
 若い時には渋川さんの目をえぐっているし。
 戦後の混乱期を生き抜いた武術家は修羅場の経験値が違う!

 桜田組長もドスが頬に刺さり大ダメージだ。
 あと二人いた女の子のうち一人が巻きこまれた。
 柳は彼女をドスからの盾とし、振りまわして当てることで武器にもしたのだ!
 鍛えていない人間がこんな扱いをされたら壊れる。
 一命はとりとめたそうだが、後遺症の残りそうなダメージだよな。

 柳龍光は周囲にある物を容赦なく使う。
 人間を物あつかいするなど外道の極みだ。
 素早く的確で無慈悲な圧倒的暴力を振るう。
 女の子へのとばっちりがヒドい。
 否ッ! ヒドすぎるッッ!!

 けっきょく無傷だったのは寒村東吉と石川ともう一人の女の子だけだった。
 動かなかったことが命を救ったのだ。
 地球の動物は、生命危機の突発事態に死んだように固まることが多い。
 昆虫も鳥類も哺乳類にも備わる謎の習性だ。(生き残る判断 生き残れない行動

 こういう習性が本能に組みこまれているって事は、それなりに役に立つのだろう。
 熊に襲われたら死んだフリをしろって言いますが、本当は熊に襲われたら本能で麻痺して死んだフリみたいになってしまうのかも。
 で、生存した人は成功体験として死んだふりが有効だというのだろう。
 死んだフリが通じなかった人は食われてしまうので、情報が伝わらない。
 なお、マヒ状態の時は痛みも恐怖も感じないそうだ。
 ライオンに噛まれてブンまわされた人の証言なのだが、よく生きて帰れたな。

「"ゆうえんち"に、遊びに行くんでね」

 まあ、とにかく寒村東吉は生きのこった。
 柳龍光が"ゆうえんち"の参加費として500万円を奪っていくのを見ながら生還できたのだ。
 この事件の十日後ぐらいに、この話を聞きに来た人物がいる。
 そう、葛城無門だ。
 ついに柳龍光まで十日間というところまで近づいた。


週刊少年チャンピオン2019年7号


2019年1月25日(8号)
第34回 巻の四「決めたんだよ」

 長い回想の果てに、葛城無門は久我重明と並んで座っていた。
 え〜と、今って時系列ではどの辺だっけ?
 とりあえず『ゆうえんち』における現在時間に戻ってきたと思っておけば良いのだろう。
 でも、この『ゆうえんち』の時間自体が、柳龍光が警察に捕まる前の話なんですけどね。
 やっぱり、ややこしい。

 久我重明は、葛城無門が使用した『無寸雷神』が気になるようだ。
 葛城無門は磯村露風に教わったと話す。
 こういう必殺技は情報を隠しておくものだ。
 あちこちで情報漏洩されたら困るだろうな。
 本来の技の使用者である須久根流が。

 闘人市場で姫川源三と磯村露風が戦ったのを久我重明は見ていた。
 そこで姫川源三の技である『無寸雷神』を磯村露風が盗んで使用(つか)ったのだ。
 もう『無寸雷神』は情報バレまくりで、パクられまくっている。
 やっぱり、一番の被害者は姫川源三の須久根流だな。

 なお姫川源三vs磯村露風のレフリーをしたのは、あの丹波文七である。
 久我重明の回想映像でもちゃんと真ん中にいるぞ!

新・餓狼伝 巻ノ四 闘人市場編感想

 葛城無門は娯楽組を襲撃した柳龍光が"ゆうえんち"に行くと言っていた情報を語った。
 久我重明の見立てでは、もうすぐ"ゆうえんち"が開催される。
 闘争に狂った者たちが集う場所が"ゆうえんち"だ。
 柳龍光は確実に行くだろう。
 "ゆうえんち"を目指す葛城無門も狂っているのだろうか?

「死ぬぞ」

『死んでもいいよ――
 そうは言えなかった。
 死なないよ――
 そうも言えなかった。
 しかし、答えはひとつだ。』
「決めたんだよ」


 葛城無門は、ついに決定的な選択をした。
 狂った者が行くという"ゆうえんち"に行く。
 松本太山に致命傷を与えた柳龍光と戦う。
 はたして生きて帰ることができるのか?
 生きて帰ったとしても、五体無事でいられるのかもわからない。

 もし生きて帰ったのなら、久我重明は葛城無門と手合わせしたくなるかもしれない。
 久我重明は、黒くたまらない笑みを浮かべる。
 次回、ついに"ゆうえんち"の姿が語られそうだ!


 長い回り道をしたが、ついに"ゆうえんち"に辿りつきそうだ。
 複雑な回想の道のりは、葛城無門の道のりと同じく闇夜を迷いながら進むような心地だった。
 とりあえず中間地点まで来たって感じですね。

 今回、餓狼伝に出てきた闘人市場の話が出た。
 だが、この世界の現在は柳龍光が逮捕される前だ。
 シンクロニシティーで柳龍光が脱獄するのは数年後のことになる。
 そうなると餓狼伝の世界は、刃牙より数年前の世界なんだろうか?

 さらに磯村露風が葛城無門に無寸雷神を見せたのは、現在よりさらに10年ぐらい前だ。(17回
 そうなると、餓狼伝の世界は刃牙の世界より十数年前ってことになってしまう。
 むしろ、"ゆうえんち"世界には若き日の範馬勇次郎とかが出てきたりするんだろうか?
 この世界は、まだまだ謎に満ちている。

週刊少年チャンピオン2019年8号
週刊少年チャンピオン2019年8号


2019年1月31日(9号)
第35回 巻の四「自分の技で、人を殺してみたい」

 葛城無門は師・松本太山のカタキである柳龍光に出会える場所"ゆうえんち"を探している。
 そして、ついに闇の武術家・久我重明により"ゆうえんち"がいかなる場所か語られるのであったッ!
 久我重明は志村礼二を弟子にしたこともある。
 美形で若く才能のあるキレやすい少年が好きなのかもしれない。
 重要なのは才能か? 美形か?

 それはさておき"ゆうえんち"についてだ。
『噂では、明治二〇年。』
 古いなッ!
 西暦で言うと1887年だ! 132年前だぞ!
 100年以上前の話だと、どれくらい信じて良いのかワカらんな。

 明治20年前後の日本では格闘技における転換期を迎えていた。
 武士身分の消滅により、剣術や柔術などの道場がすたれていったのだ。
 そんな中で、嘉納流柔術――講道館柔道の嘉納治五郎は柔道をスポーツ化することで生き残りをはかっていた。
 まあ、それは別の話で、今の大河ドラマ『いだてん』を見ていれば、嘉納治五郎が柔道だけに限らずスポーツを日本に定着させようとしていた思想と活動が見えてくるだろう。
 明治初期の物語は『真・餓狼伝』(AA)や『東天の獅子』(AA)の世界ですね。

 武術道場がすたれて行くなかで武芸者はなにを思ったのか。
 実力はあっても秘伝の技ゆえに表舞台に立てぬ武芸者たちもいる。

『葵流。
 竹宮流。
 須久根流。
 萩尾流。
 九鬼流(くかみりゅう)。
 当麻真玄流。
 紀伊丹天流。
 三輪神方流。
 伊賀活殺流。』


 餓狼伝に登場する『葵流』『竹宮流』『須久根流』、獅子の門で久我重明が使う『萩尾流』、キマイラに登場する『当麻真玄流』などなど……
 こりゃ、危険な流派の新年大入り福袋状態だッ!
 そりゃ表には出ることができない流派もあるよね。
 さらに、空手(唐手)やヤマト流もいるぞ!

 だが、彼等は身に着けた技を振るう機会を失った。
 太平の世の江戸時代でも、殺人技を使う機会などそんなに無かっただろう。
 でも、明治になってさらに悪くなった。
 というか、ぶっちゃけ本音は

『自分の技で、人を殺してみたい。』


 武術の、殺人術の究極は、やっぱり殺人の実行だ。
 登山家は山に登る。釣り人は魚を釣る。
 ならば武術家は、人を殺めないと完成しないのかも。

 そんな不満を抱えた武術家に、蘭陵王から試合の誘いが来るのだった。
 観客は蘭陵王ただ一人だ。
 これなら情報漏洩の心配も少ないし、思う存分ヤれる!

 最初は勝者に賞金が出ていたのだが、金目当ての弱い武術家まで集まるようになり、試合を有料に変更した。
 相手を殺すために金を払うようなものだ。

 敗れた方は、三割がその場で死に、二割は数日後に死ぬ。
 四割は回復不能のダメージを受ける。たぶん失明とかでしょうね。
 無事で済むのはわずか1割だ。

 勝者も試合後に1割が死ぬ。松本太山は、このパターンだろう。
 やっぱり、四割は回復不能のダメージを受ける。
 無事なのは5割だ。

 こんな過酷な試合が"ゆうえんち"である。
 なりたちは地下闘技場と同じだ。
 地下闘技場は戦国時代が終わり、平和な江戸時代になった時に生まれた。
 活躍の場が無くなった武芸者たちの不満解消として、闘技場を開催したのだ。

 地下闘技場は幕府による企画であり、観客も居たのだろう。
 わりと健全な格闘試合になったと思われる。

 だが、"ゆうえんち"は個人の開催で、無観客の試合だ。
 地下闘技場に不満をもった徳川さんの先祖が始めたという可能性もある。
 100年以上つづく"ゆうえんち"は蘭陵王も代替わりしながら運営されているようだ。

 と言うのが久我重明の話でした。
 たぶん萩尾流も過去に何人か"ゆうえんち"に出場したのだろう。
 そこに葛城無門も行くというのか。
 柳龍光以外の怪物も参加しそうだし、とても危険そうだ。

 だが、葛城無門は行くのだろう。
 そして、確率からすると……、誰かを殺すことになるかもしれない。
 でも、とりあえず参加料の500万円が泣きどころだ。
 葛城無門は、期日までに500万円を集めることができるのか!?

週刊少年チャンピオン2019年9号
週刊少年チャンピオン2019年9号


2019年2月9日(10号)
第36回 巻の五「ライオンにチョークスリーパーかけて、落とす」

 愚地克巳は語る。
 って、愚地克巳が語るのか!
 葛城無門が両親のもとから家出した事情を弟である愚地克巳なら知っているかもしれない。
 と言うワケで愚地克巳が兄・葛城無門について語るのであった。

 そもそも葛城無門・克巳の兄弟のルーツが複雑だった。
 サーカスでライオンに噛み殺された父親・葛城正介は無門・克巳の父親である。
 だが、実父ではなかった!

 二人の母は葛城渡流(わたる)と結婚し、無門・克巳が生まれたる。
 克巳が一歳の時に渡流が死んで、母は神奈村正介と再婚した。
 姓を変えないのが条件だったので、そのまま葛城を名乗ったのだ。

 イロイロと複雑で謎の多いファミリーヒストリーですね。
 母親の名前が出てこない。というのは置いといて、実父が違ったと。
 葛城無門や克巳の高い身体能力やバランス性は、サーカスをやっている父親の遺伝かと思っていたが、血縁関係が無い。
 無門と克巳の強さは謎の男・葛城渡流の遺伝なのかも。
 または、母親の血か。

『どうしていなくなっちゃったのか、おれにはわからないね。』

 残念だが無門が失踪した理由を克巳は知らない。
 母親は何か知っているらしいが、気を使って聞いていないそうだ。
 また、母親で情報が止まったか。
 つまり兄弟の実母に話を聞けば、いくつかの謎が解消するのかも知れない。

 無門と克巳の母親は存命なので、いつか話も聞けるだろう。
 姓を変えたくなかったという事情も気になるが、それもいずれわかるかもしれない。
 考えても答えが出なさそうなことを追求するのは時間のムダになりがちだ。
 母親問題については新情報が出るのを待とう。

 克巳は四歳年上の兄・無門の天才性について話をする。
 どんな運動でも一度見たらコピーできる天才だった。
 それ言うと刃牙もマッハ突きを一度見ただけでコピーしちゃったけどね。

 兄・無門は天才だった。
 だが、自分には愚地独歩に学んだ空手がある。
 もし現在、兄と戦ったとしても、

『必ず勝つとは言わないよ。
 けどね、負ける気もしないね。』


 独歩の空手があるから愚地克巳は負けない!
 克巳はもともと天才だったし、愚地独歩に教えてもらった。
 どんな相手でも簡単に負けたりしない!

 ここで克巳は実父ではなかった葛城正介、かつて神奈村正介という名前だった義父の話をする。
 ライオンの調教師であった葛城正介は超一流の男であった。
 人間と動物の強さは段違いだ。
 有名な空手の師範が豚に正拳突きを喰らわせたがまるで効かなかったという話がある。
 正道会館石井館長みたいなエピソードですね。(格闘士烈伝

 葛城正介がスゴいのは、素手でライオンをボコボコにして調教してしまうところだ。
 ライオンにチョークスリーパーをかけて落とす!
 最低でもローランド・イスタスぐらいの強さを持っている。
 バキ世界において動物を倒すのは一流戦士の証だ。
 夜叉猿を倒せなかった加藤清澄よりも強いのかもしれない。

 強さでライオンを屈服させる葛城正介だったが、スキを見せたことで逆襲され殺された。
 ライオンだって復讐の機会を狙っていたのだ。
 しかし、本当だろうか?
 ライオンを相手に油断するとは、あまりに不自然だ。
 葛城無門の失踪と関連があったりして。

 そもそも、葛城無門は なぜ家を出たのか?
 養父である正介との折り合いが悪かったのかもしれない。
 水野サーカスには、葛城無門の自由が無かったようだ。(13回
 出ていくついでに正介へ、なんらかのダメージを与え、それが原因でライオンに不覚を取ったのかも。

「相手が、どれだけ親しかろうと、身内だろうと、ほんとうはやれるんです……」19回
 と、葛城無門は言っていたが、真相はどうなのだろう。

 そして、正介にはもっと強い弟がいた。
 名を神奈村狂太と言う。
 ライオンがその辺を歩いているわけないので、ライオン殺しはしていないだろうが、人間相手のケンカで強いってことだな。

 もし、葛城無門が正介の死にかかわっているとしたら……
 神奈村狂太は無門を兄のカタキとして狙うのだろうか?
 葛城無門が柳龍光を松本太山のカタキと狙うように。

週刊少年チャンピオン2019年9号
週刊少年チャンピオン2019年10号


2019年2月16日(11号)
第37回 巻の五「女は、預かっておく」

 ついに"ゆうえんち"の全容が明らかになり、葛城無門が向かおうとしている。
 決戦は近い
 そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。
 今回の『ゆうえんち −バキ外伝−』は、新キャラによる新展開だ!
 夢枕獏作品の定番である、その場のノリが楽しくなっちゃって、先に進めないパターンだな。

 茶室に和服を着た少年がいる。
 和服には一匹の蛇が自分の尾を咥えて輪になっているウロボロスの紋があった。
 日本の紋には無いタイプらしい。
 そうなると海外の人なんだろうか?
 髪の色が白いし。

 その少年は蛟黄金丸(みずち こがねまる)と呼ばれている。
 は竜の一種という説が多い。
 ウロボロスの紋とも関係がありそうだ。
 名前はコテコテの日本人だけど、黄金丸というネーミングセンスは異質な気がする。
 やっぱり海外のセンスが混じっていそうだ。
 文字通りのキラキラネームだな。



 聖涼高校の華道部にいる黄金丸はしおれた花を蘇らせる秘術を見せた。
 桜を開花させた松本太山のような技か?4回
 誰でもできる事じゃ無いだけに、松本太山との関係が気になる。

 文武両道の優秀な生徒が通う聖涼高校である。
 そのエリート高校の華道部に似つかわしくない、暴力的でザラついた声が聞こえてきた。
 声の主は蛟に何かをやらせようとしているらしい。
 こりゃ、ヤクザ関係の危険人物か?

 蛟は落ちついて対応している。
 強さに自信があるのか、後ろ盾に自信があるのか。
 さすがにバカだから危機感もてていないって事はないだろうけど。

 声の主は、茶室に手を入れ女子生徒をつかんで持っていった。
 女子生徒と言っても、人間ひとりの体重を片手で引きずったのだ。
 かなりの怪力である。

「女は、預かっておく」

 人質を取り、蛟になにかをやらせる気だろう。
 花咲かせるウロボロス少年・蛟黄金丸は、このトラブルを解決できるのか?
 新たな美少年は、"ゆうえんち"にエントリーするのかも。
 バトルロイヤルの"ゆうえんち"だけに、葛城無門や柳龍光以外にも参加者がいるのだろう。
 これからも、新手の怪物が続々出てくるのだろうか?

 "ゆうえんち"の正体が判明して、物語は決着に向かうのかと思ったが、違った。
 登るべき山が見えただけで、ここからが山登りの本番らしい。
 『ゆうえんち −バキ外伝−』は、だまだつづく!

週刊少年チャンピオン2019年11号
週刊少年チャンピオン2019年11号


2019年2月23日(12号)
第38回 巻の五「私立聖涼高校の生徒会長」

 若き復讐鬼・葛城無門とルール無しの殺人遊技場"ゆうえんち"の物語は小休憩で、エリート高校生・蛟黄金丸(みずち こがねまる)が登場する。
 茶道部の女子部員・生野奈美を拉致された黄金丸は彼女を取り戻せるのか!?

 というワケで、黄金丸は体育館横を歩いていた。
 歩いている!
 走らないのか。余裕と言うか落ち着いているな。
 かなりの大人物みたいだ。
 ニブイだけかもしれないが。

 体育館の裏手には拉致された生野奈美が逆さづりにされていた。
 生野奈美をさらった男は空手部副将・権藤征次(185cm 105kg)である。
 高校生だったのかよ!?
 てっきりヤクザ者かと思っていたよ。
 高校生にしてとんでもない暴力的な行動をしているな。

 レスリング部・工藤静也、柔道部・坂本和之、剣道部・志沢隆、この三人はボコボコにされて地面に正座している。
 どうも権藤征次にやられたようだ。
 三人ともオリンピック代表候補クラスの実力者らしい。
 その三人をフルボッコにしたが、権藤にダメージは無いようだ。
 権藤の強さは幼年編の刃牙ぐらいあるかも。

 この光景を見ても黄金丸は動じない。
 冷静に生野奈美を返せという。
 この落ち着き、どういう高校生なんだ?
 今まで、どんな人生をおくって来たんだろう。

 権藤は和服を着る時に下着をはかないというウワサを生野奈美で試そうとしている。
 急に『謀略のパンツァー』みたいな事を言いだしたぞ。
 格が急激に下がった気がする。
 「あっ、パンチラ!」と指をさしたら確実によそ見してスキを作りそうだ。

 この場には空手部主将の加山文吾もいる。
 全然喋っていないので存在感が薄かったが、主将なんだし権藤より強いのかも。
 今年の裏のしきりはこの加山がやる事になった。
 それを生徒会長である黄金丸に報告している。

 エリート学校でも裏のしきりとかあるのか!
 どうやら暴力のトップを選出しているようだ。
 黄金丸が落ちついているのは暴力においても自信があるからだろう。
 空手部の二人を相手にしても蛟黄金丸は勝つ気のようだ。
 そして生野奈美の股間は守られるのか!?
 むしろ、その股間を見ようとして権藤は敗北しそうだけど。

週刊少年チャンピオン2019年12号
週刊少年チャンピオン2019年12号


2019年3月2日(13号)
第39回 巻の五「120グラム」

 私立聖涼高校は超エリート高校だ。
 文では東大・京大への合格者をあまた出す。
 武ではオリンピック代表クラスの選手を輩出していた。
 そのエリート高校の生徒会長が蛟黄金丸(みずち こがねまる)である。

 文の代表である生徒会長の黄金丸に、空手部が挑む。
 空手部は暴力で裏を取り仕切ることに成功した。
 いわば武の代表者だ。
 黄金丸と空手部の確執は文武の権力争いなのかもしれない。

 空手部の副将・権藤征次が黄金丸に襲いかかる!
 だが、黄金丸は猫だましで注意をそらし、姿を消す。
 実は権藤の両肩の上に立っていたのだ。

 権藤は185cm・105kgの屈強な肉体をもっている。
 だが、男子一人分の体重がかかっているのに気がつかないってのは、どういう事だ?
 体重を感じさせない絶妙な動きをしているのだろうか?
 黄金丸ならば、うすい氷の上でも氷を割らず滑るように歩けるのかもしれない。
 いや、権藤がものすごくニブいのかも。

 黄金丸が体重をかけると権藤は顔面から落ちて負傷する。
 きっちり権藤の後頭部を踏んでダメージアップだ。
 歯が二本折れて血まみれになり、それでも権藤は意識があった。
 このダメージでも闘志が萎えないのは、かなりスゴいぞ。
 さすが空手部副将といったところか。

 ここで空手部主将・加山文吾が動く。
 加山は卒業した空手部の先輩・日村から蛟黄金丸には手を出すなと忠告されていた。
 だが、そういう事をいわれたら、手を出したくなるのが人情ってものだ。
 というか、自制心が足りないな。
 やっぱ、空手部だから脳筋気味なのか?

 加山は猫足立ちの構えだ。
 猫だましに対抗して、猫足立ちか!?
 いや、違うか。

 鍛えられた空手の前蹴りは素人には見えない!
 リーチは腕よりも長く、両腕をガードに使えるのでスキも少ない攻撃だ。
 だが、黄金丸は右の人差し指一本で左前蹴りを止める。
 なんという曲芸だ!
 おそらく相手の足が伸びきって動きが止まった瞬間に指を添えたのだろう。
 この技量は、葛城無門とどちらが上か!?

 奇跡のような絶技を見せられても加山は諦めない。
 権藤と同じく折れない心の持ち主だ。
 というか、やっぱり脳筋だからニブいのか?

 逆上した加山は右拳で襲いかかる。
 黄金丸は再び人差し指を動かす。
 また、止める気か?
 と思っていたら、権藤の頬に生温かいものが飛んできた。

『加山の、右腕の肉片であった。
「一二〇グラム……」
 黄金丸が、優しく嗤った。』


 加山の肉を削りとった!
 まさか空掌を使ったのか?
 いや、人差し指でやったようだな。
 ならば、鎬昂昇と同じ斬撃空手と言う可能性もあるかも。

 どちらにしても、蛟小金丸は素手で相手の肉をエグりとる恐るべき技を持っている。
 きっちり重さまで計測しているが、10kgの肉を切り取るつもりか?
 それとも『ヴェニスの商人』のように肉1ポンド(約454グラム)を要求するのかも。
 蛟小金丸は、どんな技を使ったのか!?
 それと逆さづりにされている生野奈美の事もフォローしてあげてください。

週刊少年チャンピオン2019年13号
週刊少年チャンピオン2019年13号


2019年3月9日(14号)
第40回 巻の五「こいつと闘れるかなって思った時、笑うんだよ」

 若き復讐鬼・葛城無門がカタキである柳龍光と出会えるであろう殺人遊技場"ゆうえんち"の情報を久我重明から得ていたころ、別の若き天才が暴れていた。
 私立聖涼高校の生徒会長・蛟小金丸(みずち こがねまる)である。

 小金丸は、体重を感じさせることなく、人の肩の上に立つ。
 指一本で空手部主将・加山文吾の前蹴りを止める。
 さらに指で加山の肉をそぎ落とす。
 まるで斬撃空手だ!
 いや、鎬昂昇よりも上かも。昂昇、立場ないな。

 肉をエグり取られたら、どれだけ痛いのか?
 普通の人なら、これだけで戦意喪失になりそうだ。
 だが、加山は止まらない。
 空手部主将だけに、かなり肝がすわっている!

『小金丸が微笑する。』

 だが、小金丸は微笑しながら、次々と加山の肉を切り飛ばす。
 しかも、その肉片をすべて空手部副将・権藤征次の顔に命中させている!
 スゴすぎる技だが、スゴすぎて使う場面が限られていそうだ。
 小金丸は、この絶技をいつか使う気で練習していたんだろうか?
 だとしたら、恐ろしいまでの加虐性癖の持ち主なのかも。

 黄金丸は重量をグラム単位で計測しながら加山の肉をムシりつづける。
 加山の空手着をむきとり、肌の露出した上半身から肉をエグった!
 狙う面積が増えたので肉の切り取り出血大サービスのバーゲンセールだッ!

 ここで、ようやく加山は正気にもどった。
 アドレナリンの分泌で消えていた痛みと恐怖も戻ってきて、加山は悲鳴をあげて泣きだす。
 これは再起不能なダメージだな。
 肉体じゃなくて、精神的に。
 不登校になりそうなトラウマを与えられた。

 黄金丸は宙吊りにされていた生野奈美をたすけだし、お姫様抱っこでクールに去る。
 お姫様抱っこと簡単に言うが、女子一人を抱えるとは力持ちだ。
 黄金丸は心技体のすべてが高水準らしい。
 心は暗黒面の底の底かもしれないが。

 生野を送りだした黄金丸は体育館の屋根にいる人物へ声をかける。
 屋根だと!?
 なんで? どうやって? いつから?
 疑問しか出てこない謎の人物登場だ。

「出番がございませんでしたな……」

 口調からして、黄金丸に仕える立場の人間のようだ。
 屋根にのぼっているし、忍者か?
 忍者なら屋根にのぼるのもアリだな。
 ただ、黄金丸の外国人説と忍者の相性が悪い。
 忍者は忍者でもアレクサンダー流忍者なのかも。

「今日、久我さん、来るんだよね」
「そのようにうかがっております」
「松本太山の弟子を、連れてくるんだって?」
「はい」
「楽しみだね」


 黄金丸の口調からすると、松本太山より久我重明に敬意を持っているようだ。
 実力の差と言うより、おなじ闇の住人としての親近感だろうか?
 そして、葛城無門と黄金丸が出会うようだ。
 要件は500万円借りることと、"ゆうえんち"への参加要請のどちらかだろうな。

 葛城無門が差しだせる担保は自分の強さしかない。
 強さを見せつけて、黄金丸から黄金を引き出すのだ!
 そうなると、相手は誰なのかが問題だな。
 柳龍光と戦う前に、大怪我しなきゃ良いんだけど。

『巻の六 鹿久間源(かくま げん)、一杯やりながら語る』

 久我重明が『獅子の門』から出張してきているならッ!
 おなじく『獅子の門』から鹿久間源が出てきてもおかしくないッッ!
 睾丸を潰したことも潰されたこともある巨漢怪力、久間源の登場だ!

 鹿久間源が語るのは久我重明の事だった。
 久我重明は狂っている、と。
 普通の人間なら、ゲームとか漫画とか女とか釣りとかに楽しみを見いだす。
 だが、久我重明にはそういう所がない。

 たしかにゲームやったり、漫画読んだりしないよな。
 久我重明が「スマホゲームで今月5万も課金しちゃったよ」などと言う姿は想像できない。
 全身を黒く包んだ久我重明は、スマホもまた黒だった。(電源常にOFF)

 そんな久我重明も笑うときがある。
 強いヤツと会って、闘えそうだと思った時に久我重明は笑うのだ。
 なるほど、それが久我重明にとっての娯楽なのか。

 葛城無門が久我重明に"ゆうえんち"の話を聞いたとき、笑っていた。(34回
 うん、たしかに久我重明は笑っていたな。
 葛城無門の腕試しの相手に久我重明が指名されたら……
 久我重明は笑顔で受けるだろう。
 これは大怪我コースなのか?

週刊少年チャンピオン2019年14号
週刊少年チャンピオン2019年14号


← 21回〜30回  ↑最新の感想↑  バックナンバー  41話〜50話→
刃牙 バキアニメ blog 掲示板 Twitter 疵面 拳刃 謝男 餓狼伝 リンク12 TOP

和書
コミック

 チャンピオン 
ジャンプ
マガジン
サンデー
RED
 板垣恵介 
夢枕獏
山口貴由

DVD
アニメ
CD
 ゲーム 
DS
PSP
Wii
PS3
360
PS2
PCゲーム
 PCギャルゲー 
フィギュア
パソコン
テレビ
メディア
家電
サプリメント
板垣恵介の激闘達人烈伝 板垣恵介の格闘士烈伝
駿河城御前試合 獅子の門 雲竜編 (カッパ・ノベルス)
管理人:とら  連絡先(E-mail):E-Mail
【特定電子メール法に基づく表示】広告メール、迷惑メールの送信はお断りします