今週の『ゆうえんち −バキ外伝−』(11回〜20回)感想

← 1回〜10回  ↑最新の感想↑  バックナンバー  21話〜30話→
刃牙 バキアニメ blog 掲示板 Twitter 疵面 拳刃 謝男 餓狼伝 リンク12 TOP

2018年7月26日(35号)
第11回「巻の一 1(承前)」

 葛城無門は若輩ながら恐るべき体術をみせる。
 無門は強さを久我重明にアピールしたいらしい。
 久我重明のすむ闇の世界に用があるようだ。
 それは松本太山がらみの案件と予想されるが、答えにいつたどり着くのだろうか?(夢枕獏あるある)

 極東プロレスの町田隼人は葛城無門の強さを認めた!
 だが、無門は容赦ない連打を町田隼人に叩きこむ!
 倒しても倒しても起きあがってくるプロレスラーを何度も見てきた。
 葛城無門は、勝ってなお油断しないッ!
 若いけど、用心深い戦い方をする。
 それだけ、修羅場の経験値があるってことだろうか?

 一方的に攻撃されている町田は待ったをかける。
 もうちょっとプロレスっぽくバトルにつきあって欲しい。
 町田に言われて、無門は攻撃をやめる。
 無門の目的は久我重明へのアピールなので、ただ勝てば良いというワケじゃ無いのだろう。
 容赦ない攻撃もできるが、普通に戦っても強いと見せつけたいッ!

 立ちあがった町田はもうダメージが回復している。
 これがプロレスラーの超肉体かッ!?
 若いのならともかく、町田は44歳だ。
 体力の衰えを感じても良い年齢なのに元気イッパイだぜ。

 町田はフェイントから、隠しもった土を投げつける!
 プロレスラーらしい、凶器攻撃だ!
 散弾のように飛んでくる土をよけるか、ガードするか?
 どう動こうとスキが生まれて、そこを狙われるだろう。
 葛城無門はいかに動くかッ!?

 後ろ回し蹴りだッ!
 一回転することで、顔面への攻撃をさけつつ、蹴りで反撃する。
 攻防一体の後ろ回し蹴りが町田の鳩尾(みぞおち)に入ったッ!
 やはり葛城無門の格闘センスはズバ抜けている!

 だが、相手はプロレスラー町田隼人だ。
 武道家なら肉を切らせて骨を断つことを狙うだろう。
 しかし、プロレスラーは骨を断たせて肉を切る!
 一撃必殺の攻撃を喰らいながらも、無門の足をつかみ投げをうったッ!

 プロレスラーが容赦なく殺す気で仕掛ける投げだッ!
 だが、葛城無門は指・手首・肘・肩・背と威力を分散させながら受け身をとる。
 なんという受身の天才だッ!
 そして、やっぱり逆にすべての関節を加速させたら愚地克巳の必殺技マッハ突きが撃てそうな気がする。

 やっとつかんだチャンスの投げが不発に終わった。
 だが、この状態は町田の得意分野だ。
 つかまえて、折る。潰す!
 無門よりも30kg重い肉体がうみだすパワーでヘシ折る気だッ!
 はずみとか、事故ではない。殺す気で、死ぬように折るッ!
 脳が狂気にそまった町田は、そう決めた。

 手四つでは 無門も互角に戦えていた。
 いまは投げられ地面に着地した直後に背中を取られている。
 かなりポジションが悪い。
 ここから攻撃されて、しのぐことができるのか?
 葛城無門、絶体絶命のピンチで次回へつづく。


 やっぱりプロレスラーってことで町田隼人もタフだ。
 本気で倒すのなら久我重明のように落とすことを狙ったほうが良いのかも。
 無門は柔軟性がありそうだし、この苦しい体勢から逆に絞め技をしかけたりできそうだ。

 受身の天才でもある無門なら、威力分散を逆転させて威力集中もできるだろう。
 肩やヒジの関節を使わず、他の部分の関節で生みだした威力を叩きこむ。
 密着状態からの寸勁で脱出するかもしれない。

 どちらにしても、この絶体絶命の状況を逆転することが実力アピールになる。
 ピンチをチャンスに変えることができるのかッ!?
 ――ってところですが、久我重明がちゃんと見ているのか心配だ。
 ちょっと前から足音一つしない。

 久我重明の事だから、こっそりスマフォゲームをやったりはしないだろう。
 葛城無門にとって、この勝負に勝つことよりも、久我重明に自分を売りこむほうが重要だ。
 しかし、久我重明の動向は不明のままです。
 葛城無門が勝利の雄叫びをあげた時、周囲には倒れたプロレスラーしか居なかったらガックリくるぞ。

週刊少年チャンピオン2018年35号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2018年35号


2018年8月2日(36号)
第12回「巻の一 1(承前)」

 葛城無門は若輩ながら恐るべき身体操作能力を持つ。
 さらに容赦ない攻撃をかける残虐性も持っている。
 この若き天才に苦しめられたプロレスラー町田隼人は憤怒による狂気のなかで葛城無門を殺すと決意するのであった。

 だが、葛城無門はただ殺されるようなタマじゃない!
 指を口に引っかけられたら、指に噛みつく。
 パンチを入れようとしたら、睾丸を攻撃する。
 普通の試合なら許されない反則攻撃のバーゲンセールだッ!

 無門はこういう野試合になれているようだ。
 町田の攻撃も一般的に反則になる攻撃だが、動じず反則攻撃で返している。
 無門はこの若さでどういう修羅場を潜り抜けてきたのだろうか?
 暗黒街の人間である久我重明を知っているので、そうとうヤバい世界を知っていそうだ。

 反則攻撃でも無門に負けた町田は、噛みつきをしようとする。
 だが、無門は町田の頭を両手ではさみ、衝撃を与えた。
 この一撃であれほどタフだった町田隼人がダウンする。
 立ち上がることもできない。

「町田隼人を動かなくした技だ。須久根流の技だろう」
「よく知ってるね」
「無寸雷神――」
「そうだよ」
「姫川源三というのが、得意にしてた技だ……」


 勝者・葛城無門に久我重明が話しかける。
 なにしろ無門の決まり手が尋常じゃない。
 天皇を警護するための武術ゆえに菊式の異名をもつ謎の武術・須久根流の奥義を使っているのだ!

 6回で道場破りはご丁寧にフルボッコして殺すとありましたが、情報漏洩への対策という意味もある。
 昔の武術では、練習をのぞき見しているのがバレたら殺すか 目を潰すぐらいしていたらしい。
 それほど重要な秘密の奥義を、なぜ葛城無門が使えるのか?

 無寸雷神は寸勁を発展させた技だ。
 相手に接触したまま、全身の筋肉を使い相手に打撃の衝撃を与えるのが寸勁である。
 無寸雷神は寝た状態でも両足を地面に接触させて衝撃を生みだす。
 相手をはさむ両手から ほんの少しタイミングをズラして衝撃を与えることで相手の脳にダメージを与える。
 狼藉者を無傷で捕らえ尋問したい護衛官が必要から生みだした技なのかも。

 葛城無門は、無寸雷神をどこの誰に教わったのか?
 それを教えれば、対価として"ゆうえんち"の場所を教えてほしい。
 葛城無門は、ゆうえんちを目指しているのだ。


・巻の二 ミズノサーカス団長 水野和正の証言
 神心会の愚地独歩と古い親友(ダチ)という水野和正は、独歩に才能があるスゴい子がいるとサーカスに呼んだことのある人物だ。
 愚地克巳が愚地独歩の養子になった、あの一件のことですね。
 だが、水野が推していた少年は克巳じゃ無かった。

 克巳よりもはるかに優れた素質をもった少年だ。
 当時5歳だった克巳の兄である葛城無門(9)である。
 克巳の兄だとッ!?
 なんでも独歩がくる直前に失踪してしまったらしい。
 克巳と無門の父・葛城正介が事故死してしまったので、無門をさがす余裕がなかったそうだ。

 愚地克巳には、克巳を上回る天才の兄がいたッ!
 今までの活躍を見ていると、たしかに克巳よりも天才的かもしれない。
 こりゃ、克巳のマッハ突きを上回る、新マッハ突きとかも完成させちゃいそうだ。

 そして、葛城無門の失踪時期は、どうも4回で松本太山と出会ったころらしい。
 食い逃げをしているから、すでに家出をしたあとだろう。
 なぜ、葛城無門は家を出たのか?
 この謎はいつか明らかになるのだろう。

 葛城無門の目的が"ゆうえんち"にあると判明した。
 家出をした無門が、松本太山と疑似親子関係になったのかもしれない。
 そして、松本太山のカタキをとるため、"ゆうえんち"を目指している。
 と言う流れなら、いちおう筋が通っているが、どうだろう。

 葛城無門は天才と言われる愚地克巳を上まわる天才だ。
 そして、ルール無用のラフファイトの経験も多い。
 さらに須久根流の秘技・無寸雷神をも使いこなす。
 天才・野蛮・秘伝と三拍子そろっている。
 葛城無門は"ゆうえんち"にたどりつけるのかッ!?

週刊少年チャンピオン2018年36号
週刊少年チャンピオン2018年36号


2018年8月9日(37+38号)
第13回「巻の二 1」

 葛城無門、14歳の春であった。
 桜の下のベンチに座り、松本太山をまっている。
 無門が松本太山に戦闘技術をならって5年がたった。
 その卒業試験として松本太山と本気の試合をするのだ!

 松本太山の強さはハンパじゃ無い。
 その松本太山とガチ勝負できるだけの実力がついたって事だ。
 だが、無門との試合の前に松本太山は「ゆうえんち」に行く事になったと言う。
 ああ、こりゃ死亡フラグだ。


 松本太山を待ちながら、葛城無門は5年前の出会いを思いだす。
 5年前、無門は松本太山に戦闘技術を教えて欲しいといった。
 サーカースでも天才と言われた葛城無門だ。
 その素質は期間限定SSR(ダブルスーパーレア)クラスと言える。
 これだけの原石を見つけてしまったら、磨きたくなるってものだ。
 松本さんの流派は不明だが、弟子とかも欲しい年ごろかもしれない。

 当時の無門はまだ9歳の少年だった。
 義務教育も終わっていない。
 その辺は松本太山が徳川さんに頼んで何とかしたようだ。
 さすが徳川さん、恐るべき影響力を持っている。
 アレな人でも使いようによっては、とても便利だ。

「何故、強くなりたいんだ」
「自由でいたいから」


 太山は無門の言葉に驚愕する。
 バキ世界において「強さとはワガママをつらぬく力」だ。
 無門のセリフは、おなじ意味を別の言葉で言ったことになる。
 自分の心のまま自由でいるには強さが必要だ。
 もっとも、これは戦闘力だけでなく財力とかのパワーも含まれていそうだけど。

 重要なのは9歳の葛城無門が自由になるため強くなりたいと考えている点だ。
 サーカスでの生活は自由、……じゃ無かったってコトか?
 家出をした時は無門の両親も健在だった。
 天才とみんなに期待されていただろうし、居心地は良かっただろう。
 と考えられるのだが、どうも違うっぽい、

 無門の家出直後に父親は事故死した。
 愚地独歩の養子になった克巳の実母は、いちおう健在だ。
 克巳がピクルと戦う前にあっている。(範馬刃牙16巻 123話

 だが、葛城無門は両親は死んだと言う。
 無門と克巳は母親が違うのだろうか?
 ならば、たとえ天才であってもサーカス団には居づらかったのかも。
 いや、実子である克巳を超える才をもつ前妻の子に対して、克巳の母が脅威と嫉妬を感じていたとしたら……

 とにかく9歳とは思えない重い過去と決意が葛城無門にはあるようだ。
 強くなりたい。
 だから、スゴく強い松本太山に教えて欲しいと頼む。
 ついでに桜に抱きついて開花させる方法も教えてもらったらどうか?

 松本太山が最初に教えようとしたのは、無門の才能の危険性についてだ。
 才能があるがゆえに、才におぼれることは良くある。
 ただの天才では、超一流に届かない。
 努力する天才だけが、超一流への階段を一歩一歩あがっていくのだ。

 口で言ってもワカらないだろうと言うことで、まずは身体に教える!
 超マッチョな親父が美少年の身体に教えこむという淫靡で妖しげな特訓だ。
 これはエロスとバイオレンスの予感がするぞ!
 チャンピオンはいちおう少年誌だけど、大丈夫なのか!?
 危険な芳香を感じさせつつ、次回につづくのであった。

週刊少年チャンピオン2018年37+38号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2018年37+38号


2018年8月23日(39号)
第14回「巻の二 3(承前)」

 9歳の葛城無門は松本太山に戦うすべを教えてもらう。
 最初のレッスンは、無門を壊すことだ。
 夜の公園で超マッチョ親父が美少年を蹂躙するッ!

 松本太山はTシャツを脱ぎ、筋肉膨張でズボンを破って動きやすい格好になる。
 こりゃ、奥さんに怒られるぞ。
 ズボンも脱いでパンイチになれば良かったのに。
 いや、マッチョ親父がパンイチで美少年に襲いかかるのは、誤解を招きそうで危険か。

 まずは松本太山が頑強さを見せつける。
 二分間、好きなように攻撃しろッ!
 強そうなのはワカっているが、好きに攻撃しろってサービスしすぎじゃね?
 金玉とか目玉とか打たれたらどうしようもない部分だってあるんだし。

 葛城無門はいきなり金的蹴りを放ったッ!
 なんという容赦のない一撃か。
 普通の人なら様子を見るために、胸とか腹とかを打つもんだ。
 いきなり睾丸への攻撃かよ。
 この思いっきりの良い性格は戦士向きなのかもしれない。

 だが、松本太山は揺るがない。
 股間を蹴られてもノーダメージだ。
 秘技「吊り鐘隠し」である。

『日本の、古流には、自分の睾丸を、体内に押し込んで、恥骨の奥に隠してしまう技がある。
 これが吊り鐘隠しである。
 琉球空手で言う、骨掛け(こつかけ)だ。』


 松本さん、いつのまに隠した!?
 特訓前に股の間をイジっているようすは無かったが。
 またぐらをバレないようにイジる動作も一流のようだ。

 刃牙シリーズでは愚地独歩が得意とする鉄壁の金的防御術である。
 喧嘩やノールールの試合では股間への攻撃を警戒しないといけない。
 おぼえておくと助かるわざだ。

『たとえ、こういう試合でなくても、骨掛けは男の身だしなみだからな。』新・餓狼伝4

 コツカケは男の身だしなみ、男のダンディズム!
 そう、セクシーと言うよりダンディーだッ!
 股間を押さえてうずくまる姿はみっともない。
 そんな最悪をさけるために準備するのが男の身だしなみですよ。
 刃牙もコツカケを学べば良いのに。

 ただ、睾丸が外に出ているのは熱に弱いからだ。
 あまりコツカケをやると、精子生産に副作用が出るのかも。
 いったい幾人の武術家たちがこの高級コールガールの毒牙(コツカケ)にかかったことか。

 とにかく、松本太山の鍛えられた肉体はどこを打たれても平気らしい。
 葛城無門は容赦のない攻撃を仕掛ける。
 腹へ、鼻へ、尻……肛門へ、後頭部へッ!
 試合であれば反則になるような部位への攻撃だ。
 だが松本太山は鍛えた肉体による防御力で全て受けきる。

 けっきょく、葛城無門が目を狙わなかった。
 金的蹴りが不発だったので目も諦めたのだろうか?
 それとも睾丸を潰しても良いが、目はダメというコダワリがあるのかも。
 無門には彼なりの美意識がありそうだ。

 最後に無門は腹の一点を連続して蹴る。
 筋肉のスキマと言うか、弱そうな所へ一点集中攻撃か?
 だが、この攻撃の効果が出る前に約束の二分がすぎてしまう。
 実は少しぐらい効いていたのかもしれない。

 松本太山が二分経過を告げた。
 ここから反撃、というか松本太山が攻めに転じる。
 体重差65kgぐらいという圧倒的なパワー差で、松本太山が迫る気だ。

 葛城無門は非凡な攻撃をやってみせた。
 今度は防御の番だ。
 圧倒的パワーをスピードとテクニックでかわすことができるのかッ!?
 松本太山のターンで、次回につづく。


 超マッチョな松本太山はプロレスラーとか、スポーツ競技化した武術である柔道とかの使い手かと思っていた。
 しかし、コツカケを使えるところをみると、古流武術も使えるようだ。

 古流武術はあまり筋トレをしない。
 筋肉に頼った強さは老いとともに衰えていく。
 生涯稽古・生涯現役を目指す古流武術は、だから筋トレよりも技の習得を重視する。

 松本太山は古流武術と近代格闘技の良いとこ取りをした戦士なのかも。
 合気道の塩田剛三先生も若いうちは筋トレするのも良いと言っているし、合理的な考えで筋肉と技を鍛えていそうだ。
 鍛える、と言うことは時間をかけた努力が必要になる。
 松本太山の肉体は長い年月と努力によって完成した筋肉の城だ。

 葛城無門ほどの天才になると、あまり努力しなくても技が身につくのかも。
 努力の習慣や、挫折からの復帰方法は、早いうちに体験する方が良い。
 努力で肉体を鍛えあげた松本太山は、無門に敗北を与えて努力の価値を教えようとしていそうだ。
 次回、葛城無門は どう壊されるのかッ!?

週刊少年チャンピオン2018年39号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2018年39号


2018年8月30日(40号)
第15回「巻の二 3(承前)」

 自由でいたいから強くなりたい。
 強さを求める葛城無門は謎のマッチョ男・松本太山に教えをこう。
 最初のレッスンは葛城無門を壊すこと! らしい。
 いきなり再起不能になったら困るので手加減と言うか手心をくわえて欲しいところだ。

 松本太山は2分のあいだ無抵抗で葛城無門の攻撃を受けつづけた。
 鍛え抜かれた超筋肉は葛城無門の攻撃を通さない。
 葛城無門の技とスピードはたいしたものだが、圧倒的な筋肉量に通用しないのだ。
 攻撃力・防御力・スピードの優先順位についての話なのかも。
 小説の餓狼伝で、序盤の丹波はスピードを重視しすぎてプレロスに敗北している。

 2分たったので、今度の松本太山は動く!
 今までの攻撃が通用しなかった葛城無門は筋肉をパンプアップさせて筋肉を盛りあげる。
 マウント斗羽を思わせる全身のパンプアップだ!

 9歳でこんな芸当ができるとは、体質・才能・努力どれも超スゴイってことなのだろう。
 パンプアップから筋トレ解説という流れになった。
 筋肉に負荷を与え破壊して、時間をかけて再生させる。
 その繰り返しが筋トレだ。

『この理屈を乗り越えてしまったのが、ジャック・ハンマーであるのは、言うまでもない。』

 いきなりジャック・ハンマーの話がきたッ!
 バキ外伝だったことを忘れかけていたよ。
 リアルな筋トレの話から常識や理論を超えたジャック・ハンマーに話題をふる。
 つまり松本太山の常識内で鍛えた肉体も、ジャック・ハンマーには理不尽に砕かれるのかもしれない。

 だが、とりあえずパンプアップした葛城無門の攻撃も、松本太山には通用しないようだ。
 そして、左腕を数ミリ動かした。
 フェイントではなく、仮想攻撃だ。
 本当に攻撃したら当るので、防御しておけという行動らしい。
 松本さんは葛城無門の肉体にダメージは与えず、精神を凹ませる狙いか?

 無門は次々と攻撃を出す。
 太山はその攻撃を受けつつ、軽く押しかえしたりしていた。
 これらの細かい反撃がダメージの蓄積になっているらしい。
 さらにイメージ攻撃がヒットするようになる。
 疲労とダメージが無門の攻撃を雑にしているのだろう。

 無門は空手やボクシングの技を使用する。
 天才と呼ばれた無門はどんな技術でもすぐに憶えて使うことができるのだ。
 だが、その程度の技術では地下闘技場戦士に通用しない。
 松本太山の両腕は傷つき腫れている。
 防御はしたものの、それなりのダメージはあったのだ。

 攻撃していた側の葛城無門はあおむけに倒れ息を乱していた。
 一発のパンチももらわず疲れてダウンだ。
 まさに圧倒的な実力差を見せつけられた。

 松本太山がお前を壊すと言ったのは、このコトか。
 天才と呼ばれ、実際に天才だった葛城無門のプライドは粉々に壊されたことだろう。
 なんでもできる天才が、敗北を知ることで努力する天才に生まれ変わるか。
 最初のレッスンは精神に大きなダメージを与えるすさまじい物だった。

 ここから葛城無門は強者への道を進むのだろう。
 誰かのコピー技ではなく、自分だけのオリジナル技を生みだす。
 自分だけのオリジナル技を完成させたなら、最初の攻撃に奇襲効果がつくので有利に闘える。
 松本太山のガードをスリ抜けるような攻撃があれば、無門にも勝機があったハズだ。
 葛城無門は、自由であるための強さを手に入れることができるのか!?

週刊少年チャンピオン2018年40号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2018年40号


2018年9月6日(41号)
第16回「巻の二 4(承前)」

 自由でいるための強さが欲しい。
 強くなるため葛城無門は、松本太山に弟子入りする。
 最初のレッスンは無門の精神を徹底的に壊すことだった。
 卒業試験として松本太山との勝負を待ちながら葛城無門は5年前のことを思い出す。

 と言うワケで回想シーンなんだが、そもそも現在の葛城無門は"ゆうえんち"へ行くため久我重明に強さアピールをしているところだ。
 松本太山をまつ葛城無門もまた回想ってことになる。
 回想中に回想開始ッ!
 まさに夢枕獏の醍醐味だ。

 9歳だった葛城無門は全力で攻撃を仕掛けるが、松本太山にまったく効かない。
 二時間つづけても、まるでダメだ。
 そんなに続けていたのかよ!
 マラソンじゃ無いんだから。
 しかも、マラソンなら給水とかしているのに、無門は無補給で二時間だ。
 これは熱中症状態で倒れてもおかしくないぞ。

『これほど、何もできないものなのか。
 山だとか、大地だとか、そういうものを相手にしているような気分になった。』


 松本太山だけに山のような肉体だ。
 山とか出されちゃ勝てないよな。
 今まで岩とかに感じられた人間も居たけど、さらにスケールアップしちゃった。

 人間の力じゃ山を動かすことは不可能だ。
 なのに無門が止まらない。
 無門はなぜ、ここまで戦い続けようとするのだろう。

『ここでやめたら、この後、辛いことに出会ったら、同じようにやめてしまうだろう。そんなことがあってはならない。だから、今、やめないのだ。』


 これが葛城無門の覚悟かッ!
 わずか9歳で、両親(少なくとも実父は生きていた)のもとから家出し、喰うあてもなく放浪する。
 そんな過酷な生活を選択するほどの事件があったのだろうか?

 葛城無門は天才だ。
 なんでもすぐにできてしまう。
 そんな苦労知らずの人間なのに、この執念がなぜ生まれたのだろうか?
 むしろ無門の弟である克巳にも影響がありそうだけど。
 その辺りは、回想の回想の回想で明らかになるのだろうか?

「安心しろ。おれが、おまえを強くしてやる」
「おれよりもな」


 松本太山は無門に徹底的な敗北を与え、優しさも与えるのだった。
 肉体だけでなく優しさも山のように大きい男だ。
 もし、松本太山が生きて範馬刃牙にあっていたなら、刃牙の人生も少し変わっていたのかも。

 とにかく松本太山は天才的素質のある葛城無門を鍛えることにした。
 一を聞いて十を知るような理解力が無門にはある。
 さらに、絶妙なバランス感覚もあるので空中での姿勢維持も得意だ。
 貴重な素質をもつ葛城無門に、松本太山は強くなるとさらに念押しする。

 修業二年目の冬に、松本太山は奇妙な人物を連れてきた。
 身長177センチぐらいの男、磯村露風である。
 来ちゃった!
 餓狼伝では松尾象山のライバルとして登場し、世界征服を狙っている磯村露風だッ!(新・餓狼伝3 感想
 やっぱり、ここでも世界征服宣言ですね。

 磯村露風の流派ヤマト流はバランスを重視する。
 相手のバランスを崩し、倒す。
 バランス感覚に優れていて身の軽い葛城無門にはピッタリの技術だ。
 最高の素材を、最高に調理できる人選である。
 松本太山は強いだけでなく、鑑識眼があり顔もひろい!

 磯村露風の技術を吸収すれば、葛城無門はさらに強くなるだろう。
 恐るべきバランス格闘家の誕生だッ!
 天才に異端の技を教えたなら、怪物に化けるか!?
 ちょっと強化しすぎと言う気もしますが。
 刃牙とかもかすんじゃうほどの超戦士になりそうだ。
 オマケに美形だしな。

 1回で名前が出ていたとはいえ、磯村露風まで呼んでくるとは思わなかった。
 これだけ強力な教師を呼んできたんだし、無門だけに教えるのはもったいないぞ。
 バランスのいい山本選手にも教えて、バランス道を極めてもらいたい!

週刊少年チャンピオン2018年41号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2018年41号


2018年9月13日(42号)
第17回「巻の二 5(承前)」

 最高の素材である葛城無門を最強に育てるため、松本太山は特別コーチを呼んだ。
 その男の名は磯村露風、松尾象山のライバルであり、将来の夢が世界征服の男である。
 バランス感覚に優れる葛城無門にとって最良の師だ。
 技術面では最良かもしれないが、磯村門下にはいると利用されてしまいそうで心配ですね。

 松本太山は磯村露風に彼の絶技をリクエストする。
 倒れるバットを蹴り上げて、ぴたりと立てるのだ。
 手でバットを立てようとしても難しい。
 それを蹴って立てる。しかも、手はハンドポケットのままだ。

 恐るべきバランス感覚である。
 だが、これをどう実戦に役立てるのだろうか?
 天内悠が空中から連続蹴りを放った時に、絶妙なバランスを保って最後まで倒れない、……とか?

 合気道の達人・塩田剛三は竹の束に全力で木刀を打ちつけ、ピタっと押さえつける稽古をしていたらしい。
 ただ、本人がどういう稽古なのかの説明を誰にもしていないので謎の稽古となっている。(格闘士烈伝
 磯村露風のバランス術にも何かの意味があるのだろう。
 ちゃんと存命中に説明しておいてください。

「半年で、これができるようになれ」

「お前は、今、見た。できる人間がいる。ならば、おまえにもできるということだ」


 見せるだけかよ!
 磯村露風は神技のバランスを見せるだけで指導するワケじゃない。
 松本太山の修行は甘やかしとは無縁だな。

 ただ、先駆者がいるというのは心強い。
 未知の領域を進むよりずっとやりやすいハズだ。
 松本太山の真意はどんなスゴい奴がいても、人間なんだからお前にだってできる。
 できるようになるんだ!

 これは今後の生きかたや、考えかたにも影響する。
 葛城無門を強くするために鍛えるのではなく、強くなる手段を教えるのだ。
 問題の答えを丸暗記じゃあなくて、問題を解く方法を教えるってヤツですね。
 うまく行けば、生涯成長をつづけて無限に強くなるかもしれない。
 松本太山が居なくとも、自分で強くなって行けばいいのだ。

 最後に磯村露風はバットの上に立ってみせた。
 恐るべきバランス感覚であり、これも葛城無門への課題となるのだろう。
 あいかわらず、どう実戦で使えば良いのかワカらんが。

 磯村露風はバットを松本太山にわたす。
 今度は松本太山にパフォーマンスを見せてくれと言うのだ。
 松本太山の売りは、超パワーである。
 特製圧縮バットを握りつぶし、ねじり折ったッ!

 さすがにコレを半年でできるようになれとは言わない。
 というか、マネをしろとも言わないな。
 葛城無門の戦闘スタイルはパワー系じゃないので勧めないのだろうか?
 とにかく松本太山もタダ者ではない。
 そして、葛城無門を強くするという点においては、かなり真面目に考えてくれているようだ。

 と、ここで葛城無門の回想が終わる。
 14歳の葛城無門は夜の公園で松本太山を待っていたのだ。
 その松本太山が姿をあらわすのだが、左胸を押さえ相当な出血をしている。
 まさに"ゆうえんち"で戦ってきた後の姿だ。

 すでに大ダメージの身でありながら松本太山は卒業式をやろうという。
 葛城無門を鍛えあげた卒業式だ。
 本気で戦う卒業式である。
 このダメージで本気のファイトができるのだろうか?

 どう考えても戦うコンディションじゃない。
 そして、我々はすでに知っているのだ。
 今夜、松本太山が死ぬという事を……
 次回、松本太山は死ぬのか!?


 ついにXデーというか、運命の日がきてしまった。
 松本さんが死亡寸前だよ。
 この状況だと予想されるケースは二択だ。

 松本太山が重傷すぎるので卒業式を延期する。
 葛城無門は松本太山に肩をかし、松本家まで連れて行く。
 出迎えた奥さんに太山をあずけた無門は背中越しに太山が「今日も勝ったぞ」と嬉しそうに話しているのを聞く。
 翌日、松本家を訪れた無門は……
 と言うのが、ケース1だ。

 太山がケガをしているから後日にしようと無門は言うが、松本太山が容赦なく襲いかかってくる。
 重傷の太山を気にかけた心のスキをつかれ、無門は敗北する。
 最後に良いことを教えてやれた。いいか、相手がどんな状態だろうと勝負を始めたからには容赦するな! それさえ忘れなきゃ、今回も、これからもお前が勝つだろう。
 意気揚々と帰っていく太山を見送った無門は、翌日に松本家を訪れるのだが……
 と言うのが、ケース2だ。

 松本太山はケガぐらいで勝負を辞退する人ではなさそうだ。
 ここはケース2の可能性が高いか?

 どちらにしても、葛城無門は卒業式をちゃんと済ますことができないだろう。
 神聖な儀式を台無しにし、松本太山に大ケガをおわせた相手をブチのめさねば気が済まない。
 今後の葛城無門は"ゆうえんち"と太山と闘った相手を探すことになる。
 はたして松本太山を負傷させた相手とは誰なのか?
 "ゆうえんち"巻の二がクライマックスを迎えようとしているぞ!

週刊少年チャンピオン2018年42号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2018年42号


2018年9月20日(43号)
第18回「巻の二 6(承前)」

 葛城無門が師である松本太山と最後の真剣勝負をする。
 それが二人の卒業式だ。
 だが、神聖なこの儀式に異変が生じる。
 遅れてやってきた松本太山は一目でわかるほどの重傷をおっていた。

 松本太山は地下闘技場戦士である。
 その辺の格闘家だったら、片手で折りたたんでしまうだろう。
 いったい誰が太山に重傷をおわせたのだろうか?
 このころの範馬勇次郎は危険人物なので、あいつの可能性もあるんだよな。

「病院へ……」
「駄目だ」
「どうして?」
「時間が無いんだよ」
「時間!?」


 こんな時になんの時間だというのか?
 だが、14歳であっても聡明な葛城無門はワカってしまう。
 その時間とは、松本太山の命の時間だ。
 松本太山の寿命はもはや尽きようとしている。
 それほどの重傷なのだ。

 失血により大山の顔色が青い。
 いや、土の色にまっている。
 だが、この状態でも松本太山は卒業式を行うという。
 のこり少ない時間で、まだ身体の動くうちに無門へ教えることがあるッ!

 松本太山が最後の力をふりしぼり、攻撃を仕掛けた。
 だが、その攻撃は悲しいほどに軽い。
 桜を咲かせてしまうほどの熱を放った男の炎が消えようとしている。

 本気でありながら、まるで弱い松本太山の攻撃だ。
 うける葛城無門は泣いていた。
 殴る松本太山も泣いている。
 ふたりは泣きながら戦う。

 なんという卒業式だ。
 師匠は命をかけて弟子に伝えたいことがある。
 弟子はなんとしても師匠に生きのびて欲しい。
 生と死が入り混じる壮絶な激突だ。



 松本太山にうながされて、葛城無門が攻撃する。
 もはや松本太山に立つ力は残っていなかった。
 ダウンした太山は無門にトドメを刺せと言う。
 相手が近しい人であろうと、倒さなくてはならない!
 そうでないと、てっぺんには行けないのだ。

「おれにはできません」

 叫んだ。
 あまり感情をあらわにしないクールな無門が吠えた!
 そして、倒れる太山にすがりつく。
 病院へ行こうと訴えた。

 だが、松本太山はしたがわず葛城無門を抱きしめる。
 超単純な力技ベアハッグだ!
 瀕死の重傷でも松本大山の剛力は変わらない。
 葛城無門は単純な腕力に圧迫され意識が遠のいていくのだった。
 松本太山はこのまま死ぬのか!?
 次回へつづく。


 松本梢江の父親は「今日も勝った」と言って亡くなったと伝わっている。
 なので、ここで松本太山が勝つことはワカっていたのだが、実に壮絶だ。
 最初のレッスンが葛城無門の自信と精神を砕くことだった。
 そして、最後のレッスンは自分を砕かせることで、無門の精神を強くすることだったのか。

 松本太山には、まだやることがあるらしい。
 動けなくても良いという事は、奥さんへの遺言か何かだろうか?
 最後に家族のもとへ行かず、葛城無門に会った。
 その詫びかもしれない。

 そして、葛城無門は自分と松本太山が行ったであろう卒業式を台無しにした相手を探そうとするハズだ。
 久我重明の前に立ち、「ゆうえんち」について尋ねるのが19歳である。
 14歳から5年もかかってしまった。
 葛城無門には5年たっても消えぬ復讐の炎が燃えている。
 恐るべき復讐鬼は、「ゆうえんち」と仇を探し出せるのだろうか?

週刊少年チャンピオン2018年43号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2018年43号


2018年9月27日(44号)
第19回「巻の二 6(承前)」

 葛城無門の卒業試験は師匠である松本太山との真剣勝負、になるハズだった。
 だが、あらわれた松本太山は瀕死の重傷だ。
 それでも卒業試験で戦うと松本太山は言う。
 あと数刻の命という重傷なのに松本太山の攻撃は容赦がない。
 葛城無門は、恩人である松本太山にトドメを刺せるのかッ!?

 ふたりの出会いは葛城無門9歳のときであり、5年間を共に過ごしてきた。
 9歳から14歳と言う多感な時期を濃密にかかわったのだ。
 その関係は師匠と言うより親子に近いかもしれない。
 だが、だからこそ、葛城無門は松本太山にトドメを刺す必要がある。
 親しい相手にも必殺の一撃を叩きこめるようになれ! それも卒業に必要なことなのだ。

 松本太山のベアハッグが葛城無門をしめあげる。
 葛城無門は最後の力で、磯村露風から盗んだスクネ流の奥義『無寸雷神』を使用し、なんとか脱出した。
 太山がもっと強力な技を使っていれば、無門に脱出のチャンスは無かっただろう。
 非情の攻撃を無門に出させたことが、最後の教えだったようだ。

 卒業だ。
 そういった太山は、もう一つのやるべきことを伝える。
 胸筋をエグられ瀕死の重傷である松本太山は、なぜか2500万円もの現金をもっていた。

 現金か!
 地下闘技場には賞金がない。
 つまり、松本太山は金が必要になったので、闇の格闘場"ゆうえんち"に行ったようだ。
 太山は病院ではなく、ある男の所へ運んでくれと無門に頼む。


『巻の三 拳獣王  徳川光成の証言』

 松本太山が運んでくれと言ったのは、徳川光成の屋敷だった。
 愛娘・梢江の治療のため、太山は徳川さんに500万円を借り5倍にふやしたのだ。
 そして、500万円を返しに来たという事だ。
 無利子か! さすが徳川さんですね。
 資金援助ではなく、借りるだけ。
 そこが松本太山の美学なのだろう。

 松本太山は地下闘技場で負傷したことにして、帰宅し妻の手を握り死んだ。
 おのれの命で娘の命を救ったとも言える。
 死ぬには惜しい人だし、非常に残念で悲しいが、見事な最期だった。
 娘の梢江も今では元気で範馬刃牙とつきあっている。
 ちょっと元気すぎて花山のスネを蹴ったりしちゃっていますが。

 葛城無門は徳川邸で姿を消した。
 松本太山が行くと言っていた"ゆうえんち"に、太山のカタキがいる。
 徳川光成が、うっかり漏らした「こんなことができるのは、柳龍光くらい」という言葉を聞きのがさない。
 こういう余計なひとことが、別の意味でさすがの徳川さんだ。
 煙の無いところに、油をまいて火をつけるような所業ですよ。

 14歳の少年は充分な強さを得て卒業した。
 これで今までよりも自由に行動できる。
 最初に選択する行動は、復讐だろうか?

 ゆうえんちでの賭け試合で、松本太山は現金を5倍にしたのだろう。
 おそらく相手は柳龍光だ。
 柳は渋川剛気に勝利し、片目を奪った男である。
 裏でもかなり有名だろうし、松本太山が勝ったら5倍と言う賭け率はありそうだ。

 そうなると、松本太山は柳龍光に勝っているんだよね。
 太山が柳に賭けて、わざと負けた可能性もあるが、バレたときのリスクを考えると死ぬ気で勝ちに行ったほうが自然だ。
 柳の事だから、「しょせん試合は試合よ。生き死にの勝負では私の勝ちだ」とか言って平気そうにしているだろうけど。

 もしかしたら、本当にガチで柳がボロ負けした可能性もある。
 なにしろ松本太山だもんな。
 無門が柳を見つけた時、柳の肉体はまだダメージが残っていたのかも。
 傷をいやしたい柳はあえて刑務所に入ることで無門の追跡を振りきった、とか。

 柳は低酸素の毒を刑務所内で完成させている。
 探求心で技を開発したのだろうか?
 それとも、新しい技が必要な事情があったのかも。
 完成させたこの技で、しつこく自分を狙う葛城無門を返り討ちにする計画だったりして。

 大山に重傷を負わせたのが柳龍光だとすると、いろいろ因縁深い。
 娘である梢江の彼氏・範馬刃牙に柳はコケにされている。
 ドイルに八つ当たりしたくなるほどの精神ダメージを受けた。

 そう考えると、松本太山は梢江をとおして刃牙にパワーをあたえ、柳に二度目の勝利をしたと言える。
 もっとも、その刃牙も勝負に勝ったが、柳の毒に負けそうになった。
 葛城無門も毒には気をつけろ!
 せっかくのイケメンが毒にただれてしまい、隠すために覆面レスラーになったりするんじゃないぞ!


週刊少年チャンピオン2018年44号


2018年10月4日(45号)
第20回「巻の三」

 松本太山に鍛えられ葛城無門は強くなった。
 だが、松本太山が何者かと戦い、その時の傷が原因で死亡する。
 松本太山の死にかかわる二つの単語が「ゆうえんち」「柳龍光」だ。
 葛城無門は14歳にして、仇討ちの暗く長い道を歩む決意をかためる。

 無門は「大日本武術空道」の道場にいた。
 空道は柳龍光が学んでいた武術だ。
 ついに無門はここまで来たかッ!
 だが、柳龍光はとっくに出奔しているハズなので、まだゴールじゃないだろうな。

 「ゆうえんち」と「柳龍光」を追い求めて3年がたっていた。
 どっちも暗黒街の情報なのでググっても出てこないらしい。
 「ゆうえんち」はともかく、「柳龍光」なら出てきそうなんだけど。
 傷害事件の容疑者として。
 それとも、現在の柳は地下に潜伏して偽名を使っているとか?

 葛城無門は生活のために働く必要もあった。
 体力はあるので肉体労働で何とかやって行けるようだ。
 でも、中卒の15歳が一人で生きていくのは厳しい。
 そんな状況でも鍛えることと復讐を忘れないのは立派だ。

『一年が、あっという間に過ぎた。
 二年目は、あきらめかけた。
 三年目で、手懸りが見つかった。』


 夏、夜の公園で無門が稽古をしていた時のことだ。
 無門は飛んでいる蚊などの昆虫をパンチで撃ち落としていた。
 速く正確な打撃でないと、こうは行かない。
 難しい稽古だけど金がかからないのがイイね。
 無門は貧乏だろうし。

 この稽古は松本太山に教わったのだろうか?
 松本さんも貧乏っぽかったしな。
 どちらにしても、無門は独りで稽古し強さを維持しているようだ。

 そんな無門に三人の男が絡んできた。
 近くのボクシングジムの練習生らしき二人と、私服の男がひとりだ。
 無門の動きを見てボクサーだと思い絡んできたらしい。
 夜の公園で武術家が出会う。勝負でしょう。

 ボクシングを習って強くなったと思いはじめると、実戦で試したくなるものだ。
 ジムに通っているんだから、スパーリングをすれば良いのだろうが、実戦で試したくなるのが無頼者のサガなのだろう。
 無門は美少年だし、無頼者たちの加虐心に響いたのかもしれない。
 そして、無頼者であれば裏の世界にも通じている可能性がある。
 これが葛城無門が手に入れた、手懸りか?
 次回につづく!


週刊少年チャンピオン2018年45号


← 1回〜10回  ↑最新の感想↑  バックナンバー  21話〜30話→
刃牙 バキアニメ blog 掲示板 Twitter 疵面 拳刃 謝男 餓狼伝 リンク12 TOP

和書
コミック

 チャンピオン 
ジャンプ
マガジン
サンデー
RED
 板垣恵介 
夢枕獏
山口貴由

DVD
アニメ
CD
 ゲーム 
DS
PSP
Wii
PS3
360
PS2
PCゲーム
 PCギャルゲー 
フィギュア
パソコン
テレビ
メディア
家電
サプリメント
板垣恵介の激闘達人烈伝 板垣恵介の格闘士烈伝
駿河城御前試合 獅子の門 雲竜編 (カッパ・ノベルス)
管理人:とら  連絡先(E-mail):E-Mail
【特定電子メール法に基づく表示】広告メール、迷惑メールの送信はお断りします