スペシャルマッチ! (26)〜(30)


スペシャル・マッチ!(26)〜栗木拓次の資質!(前編)作:MBO

<前回までのあらすじ>
タッグトーナメント決勝戦に突如、”史上最弱の生物”栗木拓次が乱入!!
それを阻止せんと張、高木ら4人の戦士が立ちあがった! 1対4の激闘が始まる!!
どうなる、タッグトーナメント! 決勝戦はこのまま、忘れ去られてしまうのか!?

栗木「図に乗りやがって…」
アナ「おおーっ! 栗木の体から怪しげなオーラが出ている!!」
栗木の妙な迫力に押され、後ずさる西田たち。栗木が叫んだ。
栗木「大体てめえら汚ねえんだよォ! 1対1じゃ勝てねえと踏んで4人で来やがって…!!」
おいおい、”4人掛け”って言ったのはオマエだろ。
栗木「だがなァ、他の奴ならいざ知らず、どうやら相手が悪かったようだな!!」
と言って、栗木はビシッと西田たちを指差した!
栗木「どんな大人数でかかって来ようと、一度に闘えるのは4人までだッ!」
いや、4人じゃん! と突っ込む間も与えず、栗木は大きくスタンスを広げた構えをとった!
アナ「ああーっと、これはマッハ突きの構えだァー!!」
観客「マジ!?」「できんのか栗木!」
栗木「フッ」
だが、栗木は不敵に笑ったかと思うと別の構えに移行した!
アナ「こ、今度は剛体術の構えだァッ!!」
と、思いきゃまたもマッハ突きの構えに戻る!
観客「どっちにするか迷ってんじゃねえか〜!!」
栗木「ええい、うるさいぞ外野! 俺が剛体術やマッハ突きなんちゅうチンケな技を使うか!!
  ……見せてやるぜ……その名も、剛体マッハ拳!!
アナ「な、何とォ〜ッ! 剛体マッハ拳!! どんな技だ〜ッ!」
西田「も、もしかして剛体術とマッハ突きのいいとこどりな技なんじゃないですか!?」
張「ば、バカヤロウ、そんなすげえ技、あいつが使えるワケねえだろ! はったりに決まってる!」
しかし口では強がっていたものの、張をはじめ高木や風間にも焦りは隠せなかった。
栗木「剛体術は全身の関節を固定し、マッハ突きは全身の関節を同時に加速させる……この、
  相反する二つの思想の中間に、剛体マッハ拳は位置する!!」
アナ「剛体術とマッハ突きの中間の思想〜!?」
栗木「そう! 剛体マッハ拳は、全身の関節をてきとうに動かす!!
観客「うわあーっダメだぁーっ!」「なんじゃそりゃーッ!!」
だが、栗木は観客の罵倒など気にもせず空中高く舞い上がった!
栗木「いくぜ! 剛体マッハ拳4人同時攻撃!!」
そう叫ぶと、栗木は両手両足をめちゃくちゃに交差させ、右手で張を、左手で西田を、右足で風間を、左足で高木を狙った!
アナ「うそォ〜ッ!! 無茶苦茶だァ〜〜〜ッ!!!」
栗木「フハハハハ、不可能を可能にする男、それがオレ、栗木!!」
しかし、無理が通れば道理が引っ込む。
栗木「うおおーーーっ!」
ぐちゃっ
栗木は、不自然過ぎるポーズのまま、顔面から床に落ちた。
アナ「栗木自爆〜〜〜〜ッ!!!」
小坊主「勝負ありッッ」
余りの事に静まり返る場内、だが、とりあえず真っ先に栗木の元に駆けつけたのは西田だった。
西田「く、栗木さん、しっかりして下さいッ!」
栗木「……フッ、栗木を倒せる者はやはり栗木しかいなかったという事だ…」
例によって栗木の言うことはワケが解らなかったが、西田にはハッと気づく所があった。
西田「そうか、栗木さんは俺たちザコ連中を引き立てるためにわざと自ら犠牲になって……
  栗木さん、ありがとうございます!!」
西田は、相変わらずカンが悪かった。
                                  (後半へ続く)



スペシャル・マッチ!(26)〜栗木拓次の資質!(後編)作:MBO

<前編のあらすじ>
奥義・剛体マッハ拳炸裂で、栗木爆死!!

本部「パワーだとかスピードとか、そんな些末な問題じゃねえ」
担架で運ばれていく栗木を見ながら、本部が呟いた。
本部「あの栗木って男は、全てが俺たちより劣ってるんだ」
何故か、本部の顔は満足そうだった。
本部「腕力も、技術も、知識も、戦略も、100m走のタイムも、英会話も、CGの上手さも、
  ネチケットも、ミニ4駆の組み立ても、ルービックマジックも、何もかんもぜ〜〜〜んぶだ」
加藤は、むしろこんな本部ごときにここまで言われる栗木っていったい、と思っていた。
本部「栗木拓次と互角に渡り合える男を一人だけ挙げるとするなら……」
ピクッ その言葉に、加藤の耳が超反応する。
本部「小林流……知念さんぐらいのものか」

しばらく後、応急手当の済んだ栗木は、医務室のベッドに寝かされていた。
そして、その隣のベッドには先客がいた。大柄な巨体の巨漢だった。
栗木「待たせたな知念さん」
ベッドに横たわったまま、栗木が呟く。そう、先客とは、通路で泡吹いて倒れてるところを発見され担ぎ込まれた、知念さんだったのである。
栗木「アンタとやりたかった…」
それを聞いて、知念さんの口元がクスリと笑った。
知念さん「まさか、君が本気で俺に勝てると思っていたとはな…」
やがて、二人は顔を見合わせると、どちらからともなく笑いが漏れた。
二人「ハハハ、ハハハハハ、ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
端から見るとコワい光景だが、二人の間には友情やライバル意識を超えた何かがあるのだ。
そして、二人は同時に言った。
二人「また今度な!」
お互い満身創痍で、動くこともままならなかったのであった。
                                     (続く)



スペシャル・マッチ!(27)〜ええと、何の話だっけ、これ?作:MBO

<前回までのあらすじ>
そうだ、タッグトーナメントの決勝戦をやっていたんだ。

アナ「栗木拓次という超ウルトラド級のハリケーンが去りッ」
今、地下闘技場は乱入騒ぎのごたごたも済み、決勝戦の仕切り直しが行われようとしていた。
アナ「いよいよ決勝戦が再開だ〜〜〜ッッ」
が、しかし。
アナ「て言うか、本当に再開なのか〜〜〜??
そう、その前に一つ、片付けてしまわねばならない問題があった。それは…
象山「さあ、範馬グレート君、今度こそ本当に本物の範馬グレートなのかどうか、君の覆面を取ってみてくれ」
グレート「ぐ…」
刃牙「あっちゃー、しょうがねえな、こうなったらもう正体明かしちまってもいいんじゃねえの、な、グレート」
ポンと、にこやかにグレートの肩を叩く刃牙。しかし、そうできないのが偽者(ジャック)の辛い所であった。巽、象山、観客達、そして刃牙。全員の視線が集中する中、どうすることもできず立ち尽くすグレート。

加藤「なあ本部、お前は誰だと思う? グレートの正体」
つい、加藤は尋ねてしまった。いったい本部の予想が当たることが、この世の中にどれだけあるものなのか、十分知っていたはずだったのに。
本部「………」
本部は必死に考えていたが、(案の定)分からなかった。
そもそもデータを分析しようにも、範馬グレートが今までの試合でやったことはと言えば、
1回戦で(しかも試合が終わった後に)渋川のじいさんを不意打ちで殴り倒した事と、
2回戦で刃牙をナイフからかばった事だけじゃないか。これだけの材料では正体を推測するなど、土台無理な話だった。

本部「もし、範馬グレートが刃牙と同じだけの実力を持っているなら、と仮定しての話だが…」
意を決して、本部が話し始めた。
加藤「刃牙と同じ実力? そんなヤツがいるのか?」
本部「……本部以蔵、以外には考えられん」
バキッ
加藤のパンチが速攻で炸裂した。

巽「フフフ、どうやら範馬グレート君本人はマスクを取りたくない様だ。それなら……刃牙君、君は当然、パートナーの正体を知っているだろうね、教えてくれないか」
ヤバい、とジャックは思った。
刃牙「ヘッ、俺達はは・ん・まブラザーズだぜ? それだけでもう、初めからバラしちまってるようなもんじゃん」
よもや、ブラザーズの方にむしろ重点が置かれるべきだったとは、この時誰も思わなかった。唯一人、勇次郎だけが、にやにやとこの状況を眺めていた。
象山「ほう……」
ジャックは、緊張がピークに達していた。もういい。正体を明かしてしまおう。
グレート「ちょ、ちょっと待ってくれ、分かった、マスクを取る!!」
ガバッ
ジャックは、いきなり自らの手で覆面を剥ぎ取った!
アナ「な、何とォ〜〜〜〜〜ッ!!?」
観客「えーっ!?」「おいおい、マジかよ〜ッ」
ざわめく観客達。
呆然と範馬グレートの素顔を見つめるヘル・グラップラーズ。そして刃牙。
ついに、ジャックが正体であることがバレてしまったのだった。
ジャック「すまん、刃牙…」
両手をついて頭を下げるジャック。だが、無表情のまま刃牙は返事をした。
刃牙「驚かねえよ…」
ジャック「え?」
しかし、それ以上の会話はヘル・グラップラーズによって遮られてしまった。
巽「御老公、ご覧の通り奴等はマスクマンであるのをいいことに複数の選手を戦わせている!」
象山「ジャック・ハンマー選手は既に1回戦第四試合で敗退し、戦う権利はないはず!!」
巽「そうだ、選手登録帳にちゃんと書いてあるはずだ! こんなことが許されるはずがない!!」
慌てて、小坊主が選手登録帳を持って来た。パラパラと、それを開く巽。しかし!
巽&象山「ゲーーーッ!」
アナ「あ〜〜っと、これはどうした事だァ〜!? ヘル・グラップラーズが選手の名前を見て驚愕している〜〜ッ!!」
そう、そこには『範馬ブラザーズ=刃牙&範馬グレート←実はジャック』と汚い字で殴り書きされていたのだ!
そしてドーピングコンビの方には『北沢&ジャック←実はニセモノ、て言うか知らん人』と書かれている!!
勇次郎「フッフッフ」
こんな事もあろうかと、あらかじめ勇次郎があぶり出しで書いておいたのだった。
(続く)



スペシャル・マッチ!(28)〜衝撃の真実!の巻!作:MBO

<前回までのあらすじ>
ついにグレートの正体がジャックだということがバレてしまった! あ〜あ〜やっとですか。

選手登録帳を覗き込んだまま、ぐうの音もでないヘル・グラップラーズ。
ジャック「(何だか解らんが、どうやら助かったらしい)よし、チャンスだ刃牙!! この隙に一気に畳み掛けるぞ!」
が、振り返ったジャックの目に飛び込んできたのは、ご丁寧にもハンモックを吊るしてだらだらと寝そべっている刃牙の姿だった。
刃牙「はァ〜〜? アニキなら、あんな奴等、一人で十分っしょ。頑張って下さいませよ〜」
明らかにふてくされた様子でそう言うと、刃牙はそっぽを向いてしまった。
ジャック「ぐう……!」
ジャックは思った。こいつ、俺が2回戦の時からずっとグレートになりすまして、騙してた事を知ってやがるんだ。怒ってやがるんだ。
ジャック「ちっくしょぉ〜〜〜ッ!!」
やむを得ず、ジャックは一人でヘル・グラップラーズに突進した。
が、その頃には既に象山と巽も立ち直っていた。
象山「フンッ」
巽「ダッシャァ!!」
バキドカゴスボスドキャッ
ぼこぼこにやられるジャック。
「一度負けたキャラは弱くなるの法則」&「いい人になったキャラは雑魚に転落するの法則」によって弱体化していたジャックには、もはや象山と巽の二人を相手にするだけの力など残されてはいなかったのだ! あやうしジャック!!
観客「決まっちまうぞおいッ」「刃牙は何で助けに行かないんだ!?」
加藤「ヘッ、どうせまた範馬の血が覚醒した、とかなるんだろ?」
が、加藤の悪意ある予想とは裏腹に、ジャックは一方的にボコられ続けるばかりであった。
小坊主「御老公、そろそろ止めたほうが…」
光成「もうどうでもええわ。好きにせい」
が、しかし、小坊主が勝負ありを宣言しようとした時、奇跡は起こった!!
象山「ムッ!?」
巽「ぬうッ!!」
アナ「ああっとこれはどうした事だァ〜!? ヘル・グラップラーズの汗が肌色に〜ッ!!」
そう、後援会の手による特殊メイクが、落ち始めてしまったのだ!
予想外に栗木に時間を取られてしまったのが原因だった。
象山「フッ、やむを得んな、巽!!」
巽「そうだな、向こうも範馬グレートの正体を明かした事だし、我々としても素顔をお目にかけねばなるまいッ!」
と、二人は攻撃の手を休め、自ら変装を落とした!!
観客「おッ、おい、あれは……ッ!」
アナ「ああ〜〜ッ!! 何と、松尾象山のヅラの下から、見慣れた眼帯の顔が〜〜ッ!!」
(続く)



スペシャル・マッチ!(29)〜えっ今更?作:MBO

<前回までのあらすじ>
タッグトーナメント決勝戦、範馬兄弟VSヘル・グラップラーズ!
ヘル・グラップラーズの正体が、実は独歩と猪狩だったことが分かってあらびっくり!!

アナ「ああ〜〜何と、象山の正体は独歩、そして巽の正体は猪狩だったァ〜〜〜ッ!!」
ジャック「何だと、お前ら結局そういうオチだったのか!」
猪狩「そ、それは違うぞ!」
独歩「我々は独歩と猪狩であり、そして同時に象山と巽でもある!!」
猪狩&独歩「つまり同一人物だったのだ
観客「そ、そんな無茶な!」「やり過ぎだッ」
あまりの展開に、文句たれる観客達。
本部「聞いたことがある、複数の世界を股にかけて存在するキャラクターの存在を…!!曰くエターナルチャンピオン、曰くスターバンクシステム!」
猪狩「我々はかねてから不満に思っていたのだ。何故『餓狼伝』では最強の存在として君臨する我々が、『刃牙』の方ではこんなにも待遇が悪いのだろうかと!!」
ここまでの設定、よく分かんねえやって人は、『餓狼伝』という番組にそれぞれ象山、巽というキャラクターで出演している俳優が、『刃牙』という番組で演じている独歩、猪狩というキャラクターの処遇について愚痴ってきた、と解釈してください。
独歩「そんな折りに、バーズでの連載が終わることになり、またチャンピオンで『刃牙』も第一部が終了した。そこで我々は思ったのだ。このトーナメントでお前達を倒し、『刃牙』の第二部は餓狼伝キャラで制圧してやろうと…!!」
アナ「ああ〜っと今明かされる衝撃の真実、でも第二部『バキ』が始まり、『餓狼伝』もアッパーズで連載がとっくに再開された今となってはもう笑うしかありません!」
猪狩&独歩「わはははははははははは」
観客その他の皆さん「わはははははははははははは」
みんなで「わははははははははははははははは」


……しばし和んだ空気が流れた後、突然、それまで動きの見られなかった刃牙が立ち上がった!!
刃牙「とにかくお前らの正体がお馴染みの2人って事が分かった以上、もう全然怖くなんてねえぜ!」
猪狩&独歩「あっ! し、しまった!」
刃牙「いくぞ兄貴、一気に片をつけるぜ!!」
ジャック「お、おう!!」
と、ヘル・グラップラーズに向かってダッシュする2人。
アナ「おお〜っと、珍しく息が合っているぞ範馬ブラザーズ! これはツープラトン攻撃かぁ!?」
刃牙は独歩の方へと回り込み、ジャックは猪狩に狙いを定めた!
本部「ま、まさかあれをやる気か!!」(←ハッタリ)

ズガッ!!

突然真っ白になる闘技場、立ち込める煙! そしてその煙が晴れた時、そこに映っていたのは独歩に剛体術を決める刃牙と、猪狩に噛み付きを決めるジャックの姿だった!
アナ「剛体術と噛み付きのドッキングだァ〜〜〜ッ!!」
なんだいこりゃ。
(続く)



スペシャル・マッチ!(30)〜第一部完・闘いたい!作:MBO

<前回のあらすじ>
永かった戦いよ、さらばーっ!


加藤「ま、まさか、剛体術と噛み付きのドッキングなんて……」
本部「こんなことが……物理的に可能なのかッ!!」
いや、ドッキングじゃねえよこれ。
独歩「ぐふッ」
猪狩「ガハッ」
なにはともあれ、崩れ落ちるヘル・グラップラーズ。
アナ「ああ〜〜ッま、まさかッ! さんざんここまで引っ張っといて、こんなにもあっけなく決着なのか〜〜〜!!」
しかしアナウンサーの悲痛の叫びも空しく、倒れたヘル・グラップラーズが立ち上がることは二度となかった。
アナ「けっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
ザッ
構えを解き、大きく息を吐き出す刃牙とジャック。
小坊主「勝負ありッッ」
アナ「ちゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜く!!!」
観客たち「うおおおおおおおお!!」
アナ「範馬ブラザーズ、優勝だ〜〜〜!!!!」
興奮した観客たちが続々と闘技場へ駆け下り始める。
だがしかしその時、異変が起こった!

ガシッ

ジャック「!?」
何と、突如、刃牙がジャックにフロントネックロックをきめたのだ!!
刃牙「兄さん、この技に耐えたらあなたの勝ちだーッ!!」
アナ「何を血迷った範馬刃牙〜!」
突然のことに騒然となる場内。しかし、刃牙は冷静だった。
刃牙「頂点に立つものは常に一人! タッグバトルといえば最後は2人が戦うってのがパターンに決まってる!!」
アナ「な、なるほど!」
と、勝手な言い分をほざく刃牙だったが、ヘル・グラップラーズとの戦いで消耗しきっていた上にいきなり不意打ちを食らったジャックには抗う術など残されていようはずが無かった。
ピシッ
例によって歯を全部折られ、ジャックは泡を吹いて意識を失った。哀れすぎ。
アナ「か、完全決着〜〜〜ッ!!」
ドワアアアアア
今度こそ本当に決着って事で、観客や選手たちが刃牙のもとに殺到した。
勿論、優勝者である刃牙を胴上げするためである。
アナ「ストロングイズビューティフル!!」
みんな「バッキッ!!」「バッキッ!!」「バッキッ!!」
歓声を受けつつ、刃牙の体は何度も何度も宙を舞った。
アナ「…そしてッ全ての選手が、イカしてたァ〜〜〜〜〜!!」
アナウンサーが、泣きながら叫ぶ。その場にいた誰もが、今までの名勝負の数々を思い浮かべ、感動の涙をにじませていた。
みんな「バッキッ!!」「バッキッ!!」「バッキッ!!」
刃牙「ま……」
と、その時、刃牙がつぶやいた。
刃牙「まいったねど〜も」
みんな「へ?」
一瞬、胴上げの手が止まる。刃牙の体が、地面に落ちる。
刃牙「こうまで…こうまでリハーサル通りだとさ……」
みんな「…………!!」
刃牙は、その場で全員に袋にされた。
(完)



ある、よく晴れた日の東京ドーム。
その日は何のイベントも組まれていないはずの、東京ドーム。
その通路を真っ直ぐ歩いて行く、二つの人影があった。
二人は共に、空手の胴着らしきものを着ていた。一人は小柄でちょび髭を生やし、いま一人は長身でハゲであった。二人とも、満面に笑みを浮かべている。
栗木「観客はゼロだ」
知念さん「うむ…」
(続く)




スペシャルマッチ! 外伝

1話 〜 3話  4話 〜 6話  7話 〜 最終話


スペシャルマッチ!

1話 〜 5話  6話 〜 10話  11話 〜 15話

16話 〜 20話  21話 〜 25話  26話 〜 最終話



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