今月のジャイアントロボ 地球の燃え尽きる日(21〜30)

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2008年5月19日(7号)
【第21話】カナーリの牢獄編2 / 恋と十手とお銀ちゃん

 林冲さんの謎はどうしたッ!?
 衝撃のラストだった前回だが、話がつづいていない。
 今回は、お銀ちゃんの過去話だ。
 外伝の銀鈴シリーズよりも、本編を進めてください。

 お銀は独断で大作たちのあとを追う。
 正確には大作ではなく、林冲を狙っている。
 林冲はお銀の師匠だった。今でも敬意をいだいているらしい。
 しかし、追いかける林冲は本物なんだろうか?

 お銀が心配な竜作は、特徴的なシルエットをもつ弟たちに こっそり追わせる。
 また、お銀だけ助けてもらって、村雨健二が負傷するという寸法だろう。
 とことん不憫な男だ。
 きっと大作は、路上の雑草みたいに健二をスルーするんだろうな。


 お銀は、かつて梁山泊で修行していた。
 習っていたのは、変身の術らしい。
 体術やメカの操縦ではなく、術から学ぶというのが、梁山泊のトレンドなのだろうか?
 草間博士がいないので、無明幻妖斎の呪術至上主義が台頭しているのかもしれない。
 きっと携帯電話を使わずに、呪術通信とかしているんだろうな。遠坂パパみたいだ。

 お銀は落ちこぼれだった。
 成長したお鈴を見ればワカるが、彼女は肉体派だ。イロイロな意味で。
 術とかメカは苦手なんだろう。
 人には向き不向きがあるから、ムリに術を教えなくても良さそうだが。

 お銀と同年代の すみちゃん ・とし子ちゃんは完璧に変身できる。
 なにしろ、『魔法使いサリー』の人たちだからな。
 そういえば、前回の表紙に出ていたサニー・ザ・マジシャンらしき少女はまだ出てこないんでしょうか。
 いや、それより林冲と残月の関係をハッキリさせてくれ。早く、来月号をッ!

 みんなの人気者である林冲に、韓信と中条長官は嫉妬している。
 林冲がつれてきたお銀をネタに林冲を責めるのだが、素直な態度に通用しない。
 逆に責める韓信と中条長官のほうが、もっふ もっふしている。
 実直・潔癖な林冲であった。
 しかし、現在の林冲は……

 なかなか術が上手くならないお銀に、林冲はおつかいを頼む。
 届けるものは、『好きな能力に目覚める巻物』だ。
 ウソくせ〜〜。いくらなんでも、それは無いだろ。
 三倍回転したら超人パワーが三倍になる理論なみにウソくさい。
 バッファローマンがいつもより ひねりを加えたら、どうするつもりだったんだよ。

 元気よく飛びだした お銀だが、当然のように巻物を使ってみる。
 使っても減らないし、持っているだけで効果がある優れものだ。そりゃ、使うだろう。
 でも、使用条件がゆるすぎるのがアヤシイ。
 きっと孔明の罠だ。

 とりあえず、お銀はセクシー美女に変身する。
 この肉体で林冲を陥落(おと)す!
 と、思った お銀だが、先にヤるべき相手がいた。
 日頃の恨みをはらすのだ。
 恨み > 林冲  なのか。そうなのか。

 まず、お銀は無明幻妖斎をねらう。
 セクシー衣装に眼鏡も装備して、お色気攻撃だ。
 女教師風の責苦である。並の男ならば、すぐに陥落していたであろう。
 だが、そこは梁山泊の重鎮・幻妖斎だ。まったく動揺しない。
 不動たる無明幻妖斎にシビレを切らしたお銀は最終奥義をくりだした。

 むむぅ、あの技は……
 知っておるのか、武天老師?
 ワシも一度くらい出血多量で死ぬところであった。
 あの技こそ、伝説の魔技『ぱふぱふ』じゃッ!
 変幻の魔獣ウーロンが編みだしたと言われる、恐るべき技である。

 まさに変身の術つながりである。
 だが、人間要塞と呼ばれる無明幻妖斎は、ぱふぱふに耐えきるのだった。
 と、見せかけ鼻血の噴水を上げて倒れる。
 自慢の結界が一瞬崩壊するほどのダメージであった。

 お銀は、さらに変身を繰りかえして韓信と中条長官をもてあそぶ。
 いまさらだが、巻物自体に力は無かった。
 思いこみと、信じる心と、自信がお銀の能力を開花させたのだ。
 そう、思いこみの力だ。巨大カマキリだって思いえがけば出現する。空も飛べる。

 お銀は、林冲に追いつくため、マジメに修行すると誓った。
 いつか自分だけの力を手に入れることを思いながら。
 お銀は、今日も林冲を追いかける。
 でも、その林冲はニセモノかも……
 状況が状況だけに、いいオチなのか判別つきにくい。


 う〜む、だから林冲の状況が気になるんだってば。
 お銀の記憶にある林冲は誠実な人だ。
 でも、人をダマす茶目っ気もある。
 人を驚かせるために、白昼の残月に変身したのだろうか?

 お銀は古くからの林冲を知っているから、不自然な言動をすれば正体に気がつくハズだ。
 大作たちの命運は、お銀がにぎっている。
 そのためにも合流しないとな。
 林冲と残月、どちらが本物の林冲なのか?
 意表をついて、九紋龍史進が史進だったりして。
(更新 08/5/20)
by とら


2008年6月19日(8号)
【第22話】カナーリの牢獄編3 / 法の守り人

 豹子頭・林冲の人望にひかれる人間は約一万だ。
 宣伝もしていないのに、すごい観客動員数だな。
 もうちょっと頑張れば、ロボットでも人間になれそうだ。
 でも、その林冲さんは本物デスカ?

 さて、『カナーリの牢獄』はBF団が作ったものらしい。
 10年前の『草間の乱』以前より存在し、『草間の乱』では避難場所となった。
 林冲はそこを実力で勝ちあがる。
 まるで、ガンダムファイトだ!

 しかし、ややこしい。
 十傑衆は『草間の乱』のとき、幻夜に世話になった。
 おそらく、幻夜が十傑衆を『カナーリの牢獄』にブチこんで助けたのだろう。
 うわー、親切だ(棒読み)。

 林冲は10年前の『草間の乱』でお銀を助けて弟子にしている。
 その後、林冲は『カナーリの牢獄』侵入(と、この林冲は言っている)した。
 だから林冲は十傑衆たちが去った後の『カナーリの牢獄』に入ったはずだ。
 つまり、BF団にとって不要・有害な人間ばかりが残されている。
 国際警察連合にとっては有用な人間だ。
 だから、林冲は侵入したのだろう。

 そして、残月=本物の林冲(?)はBF団に潜入した。
 どちらも潜入捜査にはちがいない。
 二人の林冲は、シンクロしているのだろうか。

 そもそも、BF団はなんで『カナーリの牢獄』を作ったのだろうか?
 砂漠の砂嵐に隠されたバベルの塔の防御機構を強化する実験だったりして。
 地球を焼き尽くせるような爆弾を作っちゃったから、捨て場所を作ったのかもしれない。


 謎が謎を呼んで収拾のつかない状態だが、とにかく『カナーリの牢獄』へッ!
 だが、そこに乱入するパトカーがあった。
 群集を跳ね飛ばしながら直進してくる。
 って、そのネタは穏やかじゃないゾッッッ!
 電車男が来月分の原稿を載せちゃったことがあるので、描いたのは2カ月以上前なのだろうけど……

 やってきたのは、大塚署長だ。
 林冲がニセモノの疑いがあるので逮捕しにきた。
 中条長官と韓信元帥は残月の言うことを信じたのだろうか。
 まあ、とりあえず二人ともブン殴るのが確実だからな。

『大塚式ウソ発見器!!!』

 カツ丼だッ!
 巨大カツ丼 空間による取調べ。
 ウソをつくと手錠が拘束する特殊空間らしい。

 林冲はすすめられるままカツ丼を喰らう。
 うむ、美味そうだ。
 カツ丼が喰いたくなるぞ。
 大作やギャラリーも生唾を飲んで見守る。

 美味いカツ丼を喰ったあとには、真実を告げるしかない!
 ちなみに、実際の取調べは出前を頼めるというだけで、タダじゃないらしいぞ。
 大塚署長の問いに、答える名前はッ!?

「私の…」
「名前は…!!」
「豹子頭・林冲」

 無罪だ――――――!!
 林冲の勝訴に会場は沸きあがる。
 大塚署長は、この林冲を本物と認めて送りだす。

 だが。
 手錠が一本だけ林冲の右手にかかっている。
 これは、一体どういうことだろうか?
 大塚署長もはじめての経験なので、対応がワカらない。
 疑惑が晴れぬまま、次回につづくのだった。


 大塚署長もちゃんと強かったんですね。
 めちゃくちゃ変化球な能力なので、強さにムラがありそうですが。
 戦時だろうか平和だろうが、役に立つ能力というのが素晴らしい。

 さて、林冲はウソをついているのだろうか?
 少なくとも本人は真実を話していると思っているようだ。
 本当だと思ってしゃべれば、大塚署長の攻撃も発動しないのだろう。
 記憶は真実だと思っていても、肉体が憶えているのだろうか。

 残月の左腕は無い。
 林冲の右手に手錠がかかっているのは、左手に問題があるためかもしれない。
 まあ、残月が本当に林冲であるという証拠もないのだが。
 真実は、見えない。白昼の残月のごとく。
(更新 08/6/21)

2008年7月19日(9号)
【第23話】カナーリの牢獄編4 / 対決! 超人間!!

 いざ行かん『カナーリの牢獄』へ!
 さまざまな疑問を残しつつ、大作たちは侵入を開始する。
 しかし、お銀ちゃんはまだ到着していないのだが、いいのか?

 激流に飲みこまれるような突入で、大作は林冲に手を離すなといわれる。
 だが大作は手を離してしまう。
 禁止をされると、やりたくなってしまうのが人のサガだ。
 封印を守れと命令されたら、失敗しなくてはならない。
 シズマ管は三本そろえて、大怪球に組み込んじゃいけないぞ。

 林冲とはぐれた大作は不思議な少女に出逢う。
 『魔法使いサリー』っぽい外見の少女は、大作に『カナーリの牢獄』へ来てはいけないと言う。
 でも、この状況で帰れといわれてもなぁ。
 洗濯機で脱水までしているときに、この服は洗濯機で洗っちゃダメだと忠告されるようなものだ。
 呉先生でなくとも、すべてが遅すぎたと頭を抱えます。

 この状況から、どうやって脱出すればいいのか?
 そもそも、なんで『カナーリの牢獄』に行ってはいけないのだろう。
 二点の疑問は非常に重要だ。

 大作も一瞬、疑問について頭を悩ませたらしい。
 しかし、大作は少女が自分のことをなぜ知っているのかが気になる。
 まあ、歳の近い女の子だし、そっちのほうが気になるか。
 常にミスリード思考をするのが大作の特徴だ。

 少女は大作の疑問になにひとつ答えない。
 それどころか、林冲を信用してはいけないと言いだし、大作の混乱にトドメを刺す。
 大作は疑問ばかり増えて、解決しないまま放りだされるのだった。
 ……お気の毒だ。ストレス溜まる生活だろうな。


 ヒロインは遅れてやってくる。
 お銀ちゃんもようやく登場だ。
 さっそくサービスシーンを展開する。
 大塚署長は、お銀を『カナーリの牢獄』に入れたくない。
 だが、大作をショウタロウ君の二の舞にさせないためにも、自分を通してくれと、お銀は言う。

 言わずとしれた『鉄人28号』の主人公・金田正太郎がモチーフの少年なのだろう。
 巨大ロボットをあやつる少年なのは、大作と共通だ。
 ショウタロウ君はすでに行方不明になっていると言うことなのだろうか?
 これも、新たなる伏線の予感がする。
 実は残月の中の人が、成長したショウタロウ君だったりして。

 ショウタロウ君を持ちだされると、さすがの大塚署長も弱い。
 あっさりと、お銀に通行許可を与える。
 いざと言うときの保険だろう。
 今までも、お銀は最後にちょこっと活躍していたし、最後の砦として最適なのかもしれない。


 大作は、けっきょく『カナーリの牢獄』内部に到着する。
 林冲が到着していたが、史進の姿は見えない。
 でも、別の問題が発生しているので、史進のことは忘れてください
 大作と林冲をむかえたのは、ドラグネット博士の使い"超人間ケリー"
 OVAで銀鈴が初登場時に変装していたロボット刑事Kが元ネタだ。
 つまり、中身は銀鈴なのか?(違う

 超人間ケリーは、大作を連れてくるという条件で、林冲を脱出させてくれたという。
 いや、林冲ではない『白昼の残月』と約束をかわしたのだ。
 目の前にいる人間は林冲なのか?
 それとも残月なのか?
 微妙につもっていた疑問から、大作は林冲(?)の言葉を信じきれない。

 おかしいのは林冲も同じだ。
 ケニーに残月といわれ取り乱す。
 そして自分は残月ではないと主張する。
 林冲が残月なら(ややこしい文)、「だまされたな大作め」と言って大作をケニーにわたせば良い。
 否定するからには、自分が林冲であると言う根拠というか自信があるのだろう。

 ケニーと林冲が激突する。
 だが、実力はケニーのほうが上らしい。
 林冲は肉体的にピンチだが、精神的にもピンチだ。
 中身は林冲なのか、残月なのか?
 本当は残月だけど、自分を林冲と思い込んでいる展開がイチバン無難な展開だろう。
 そうすると、なんで残月が変な思い込みをしているのかが謎なんですが?

 外では、巨大ロボット『ギルバート』が出現するなど、更なる混乱が発生している。
 どうしようもなく話が混乱していく中、大作にナニができるのだろうか?
 とりあえず、全てはドラグネット博士のワナだと判明した。
 ならば、ジャイアントロボの修理は絶望的だ
 大作の暴走は、やっぱり高くついたらしい。


 林冲と残月の関係はどうなっているのだろう?
 二人とも、自分が林冲だと思っている。
 でも、林冲が二人いるわけないので、ニセモノがいるはずだ。
 ちょっと整理してみよう。

・白昼の残月(梁山泊で拘束中のほう)
 BF団に潜入捜査をした林冲だと主張している。
 中条長官と韓信元帥は、その主張に納得しているようだ。
 幻夜は、残月本人もしらない悲劇があると言っている。
 アルベルトも残月の正体を察しているようだ。
 ということは、孔明も知っているんだろうな。
 すべて孔明のワナか?

・豹子頭・林冲(大作と同行しているほう)
 史進たちなどとの記憶が整合している。
 性格は林冲と同じらしい。
 ドラグネット博士は、残月だと認識している。
 大塚式ウソ発見器では、手錠ひとつぶん怪しい。


 答えがさっぱり見えてこない。
 可能性のある、ちゃぶ台返しとして林冲も残月も、二人ともニセモノという展開がありそうだ。
 この謎がとける日はいつになるのだろう。
 そして、ジャイアントロボの復活はあるのだろうか?
(更新 08/7/20)

追記 (08/7/23)
 掲示板で多くの方から超人間ケリーの元ネタは鉄人28号に出てきた超人間ケリーではないかと指摘を受けました。
 しかも、ロボット刑事は横山作品ではなく、石森作品だ。
 これはもう、呉先生を笑えないレベルの超凡ミスでした。まことに申し訳ありません。
 また、情報提供ありがとうございます。

 なんということを……
 私は十年間も間違いを犯しつづけていたというのか……
 あの時、友人がもらした一言はこの事だったのか……
 と言うわけで、記憶をフラッシュバックさせつつ、もだえております。

 ところで、『ロボット刑事』って石森章太郎時代の作品なんでしょうか。
 BSでやっていた石ノ森章太郎特集で、ゲストの島本和彦先生が、作品時期にあわせて「石森」と「石ノ森」を使いわけていた。
 あんた、どれだけファンなんだよ。
 と、思うと同時にこれぐらいのファンにならんとイカンと思った。

 次回から、より精進いたします。


ロボット刑事 Vol.1
今回の元ネタ・ロボット刑事
by とら


2008年8月19日(10号)
【第24話】カナーリの牢獄編5 / 動き出す時間

 仲間と離れ離れになった草間大作は、ドラグネットの城に軟禁されていた。
 ジャイアントロボは破壊されて動けない。
 林冲はケリーに敗れ負傷中だ。
 草間大作 自身は普通の少年なので、ひとりでは何もできない。

 そういや、本当に大作はロボ無しだとなにもできないよな。
 鉄人の操縦者である正太郎くんはいちおう優秀な探偵だ。
 大作もビームを撃てるようになるか、IQを200ぐらいに上げないと、今後活躍できないぞ。
 ちなみに、ビームもIQ200も一般人にはムリなので マネをしないように。

 大作の前に、例の少女が姿をあらわす。
 部屋にあった像に のりうつっているのだろうか?
 コミックスで加筆されそうな感じに全裸なので大作に対して説得力が増すっていう寸法だ。
 大作は、林冲と少女のどちらをより深く信頼しているのだろうか?

 少女の名前はサリーという。
 大作の父・草間博士に命を助けられ、10年前の『草間博士の乱』のときから『カナーリの牢獄』に閉じこめられているらしい。
 って、また来ましたよ10年前の話が。
 全ては10年前のバシュタールの惨劇から始まっていたのです的なお約束だ。

 って、ことはサリーは十歳以上ということになる。
 大作が見ている姿は精神体だ。実際は二十代の大人かもしれない。
 実年齢が高いせいかカナーリの牢獄に引きこもっていたわりに、サリーは情報通だ。
 大作はジャイアントロボに出会わなかったほうが良かった さっさと帰れ、と忠告してくれる。
 言っていることは正しいのかもしれないけど、いまさら言われてもなぁ。
 どうやって帰るんだよ。

 大作は父の罪を償うためロボが必要だと力説する。
 でも、扱いは乱暴なんだよな。
 大作少年は反抗期なのかもしれない。
 まあ、失敗はどうってこと無いとOVAの戴宗さんも言っていた。
 成長すれば、失敗なんて帳消しだ!


 と、ここでドラグネット博士が乱入してくる。
 凄まじいまでのカニ頭だ。
 これはもう、ズワイガニ級ですよ。
 髪のトガリ具合からさっするに、今日の博士は絶好調だろう。
 なにしろ念願の草間大作がきてくれたのだし。

 博士はサリーの言葉を子供の妄言とかたづける。
 しかし、中学生ぐらいでも じゅうぶん物を考えることはできるはず。
 10年カナーリにいた少女の言葉を否定はできない。

 ただ、サリーが中二病だったら別だけど。
 中三の秋、巫女という設定だった私的なノリで、世界を破滅させかけた科学者に命を助けられて幽閉された魔女っ子という脳内設定を作っているのかも。
 どっちが真実なのだろう。
 ますます ワカらなくなってきたぞアルベルト。

 とりあえずドラグネット博士はロボを直して欲しいんだろと せまる。
 まあ、それが最大の目的ですから。
 ロボが直らないと、作品タイトルがとても虚しいものになる。
 餓狼伝のタイトルが『丹波文七伝』だったら、虚しさニ倍だ。
 だが、大作は林冲の正体が気になるのだった。
 たしかに、気になる。博士にいわれるまで、ジャイアントロボが壊れていたこと忘れていたよ。

 博士にとって、林冲は『白昼の残月』だった。
 基本的に説明不要で押しきられる。
 博士は残月にたいする報酬を用意しているらしい。
 その報酬とは、なんなのだろうか?
 謎が増えすぎて、脳がバッファオーバーフローですよ。

 残月(林冲?)のことはともかく、ドラグネット博士の狙いは大作の体だった。
 性的な意味じゃなくて実験動物的な意味でなんだろうな。
 それじゃあ、ロボ直してもらっても意味無いじゃん。
 しかも、大作の体を提供するのは10年前に草間博士とかわされていた約束だという。
 またまた10年前かよ!
 大作は親の借金をはらえとヤクザに狙われたような大ピンチをむかえるのだった。
 まるで「火車」ですな。仮面ライダーキバでもいいけど。


 一方、ケリーに敗れた林冲(残月?)は、お銀によってすくわれていた。
 そして、九門龍史進は動けぬ林冲にかわって大作の救助をこころみる。
 すっかり根性の座った漢(おとこ)になった。
 大作も史進のように成長するのだろうか?
 しかし、史進は大作にたどりつく前に、バリヤーで焼け焦げてしまうかもしれない。
 ガンバレ史進。死なない程度に。

 林冲は自分の記憶にかけている部分があると気がついていた。
 カナーリにいた10年のあいだに、なにが……
 と、ココで浮かぶシルエットは諸葛孔明のものだった。
 やはり、すべて孔明のワナなのか?

 林冲は、自分すら信じられなくなっている。
 だが、林冲との思い出をかたるお銀に、なにかを感じ自信を取りもどしたようだ。
 顔もオトコマエにもどっている。
 彼の正体が何者であろうと、その精神は立派だった林冲さんなのだ。
 たぶん。なんか不安だけど。
 お銀ちゃんの説得は感動的な勢いで ごまかしているけど、問題が解決してないのだ。

 それでも、とにかく元気を取りもどした林冲は、外の様子を見て驚愕する。
 カナーリから出て行った巨大ロボット『ギルバート』がジャイアントロボを運んできていたのだ。
 梁山泊のボンクラーズはあっさりロボを奪われたのだろうか。
 さすが、OVAファンを涙の海に沈めた劣化・中条長官たちだ。
 お願いだから、仕事しようよ。

 ドラグネット博士は、ムリヤリ契約をすすめ、大作の体をゲットするつもりなのか?
 史進は消し炭になるまえに、大作と合流できるのか?
 そして、林冲もしくは残月の正体は一体?
 一つ謎が出るたびに、二つぐらい忘れていそうな この展開のまま次回につづくのだった。


 すべては10年前のあの事件が発端なのだ。
(1) 10年前、草間博士は全世界とBF団を破滅寸前に追い込んだ。(2話)
(2) 10年前、お銀の両親は十常寺に殺される。お銀本人は林冲にたすけられる。(9話)
(3) 10年前、梁山泊に光球がとんできて、幻妖斎が寿命の半分を使って封印した。(11話)
(4) 10年前、幻夜はBF団をたすけた。(20話)
(5) 10年前、林冲は白昼の残月となりBF団に潜入した。(20話)
(6) 10年前、BF団は『草間の乱』から避難するためカナーリへ入った。(22話)
(7) 10年前、林冲はカナーリの牢獄に入った。(NEW!)

 林冲関係の情報がメチャメチャだ。
 お銀をたすけ、お銀を鍛えた林冲がいた。そして史進の計略で行方不明となる。
 白昼の残月となりBF団に潜入する林冲がいた。
 カナーリの牢獄に入り白昼の残月と呼ばれていた林冲は、今ここにいる。

 つまり、林冲は三人いることになる??
 少なくとも、いまお銀が話している林冲は、お銀を鍛えた林冲とは別人だ。
 だが、なぜこの林冲にはお銀の記憶があるのだろうか?
 やはり、すべて孔明のワナ!?
by とら


2008年9月19日(11号)
【第24話】カナーリの牢獄編6 / 遠い約束

 自分の正体がワカらない林冲のもとにジャイアントロボが届けられる。
 すべて孔明の罠だ!
 カナーリに捕らえられていた囚人たちが逃げ出したのも孔明の計画どおりだ。
 林冲にややこしい事実を告げたのは『史文恭』と『曹家の五虎』だった。

 史文恭も曹家の五虎も水滸伝の敵役である。
 とくに史文恭は梁山泊の初代首領である晁蓋を殺した重要人物だ。
 で、仇である史文恭を倒したものが二代目首領となる……というのが水滸伝での流れだ。
 ジャイアントロボでは、史文恭を倒したものがロボの操縦者になるのだろうか?
 そう思わせるのも、孔明の罠か?

 話はもどって、ジャイアントロボ強奪事件の顛末が語られる。
 巨大ロボット・ギルバートとドラグネット博士は、梁山泊に侵入してロボを運びだす。
 ついでに中条長官もおもちかえりだ。
 と、いうことは中条長官もカナーリ内部に入るのだろう。
 OVAの『静かなる中条』が一瞬でもよみがえれば、逆転の切り札になるんだけど……
 漫画版の中条長官に期待するのは、無理か?

 ギルバートは幻妖斎の結界に邪魔されずに進入した。
 なんか理由がありそうだ……
 そして、残月の死体がなくなっている。
 これらの意味するところは何なのだろうか?
 結界を出入り自由な残月(林冲)がギルバートを招きいれて、便乗して脱出したのかもしれない。

 中条長官と隻腕の残月が大作たちの運命を大きく狂わせるカギになりそうだ。
 逆転のチャンスというより、舞台を荒らすだけになりそうなんだけど。
 もう、話をまとめてくれそうな人が思い浮かばない。
 また幻夜に出てきてもらうのは期待できない気がするし。
 一応、史進が大作救出を目指して努力していたハズだ。
 もう史進にたよるしかないのか?


 一方、大作はドラグネット博士の自慢話を聞かされていた。
 ドラグネット博士は、自分のほうが草間博士より優秀だと主張する。
 大作はムッとしているが、反論しない。
 狂人博士に口ごたえしたら面倒なことになりそうだ。
 大作は空気のよめる少年に成長したらしい。

 そして、超人間ケリーはドラグネット博士の息子だったと判明する。
 ドラグネット博士は完全なる人間を作り出そうと研究していた。
 そのための実験台が実の息子だったのだ。
 子供にやっかいな物を押しつける、今川作品の歴史に新たな1ページが……

 大作はスキをついてケリーを火かき棒で胸をつらぬき、逃げ出そうとする。
 だが、ケリーには自己修復装置がついていた。
 これこそ、ドラグネット博士がジャイアントロボを修理できると言われていた理由だ。
 しかし、不意打ちとはいえケリーにダメージを負わせるなんて、大作の筋力も成長しているな。
 単純な攻撃力なら、九大天王に匹敵するかもしれない。

 体が修復されて気持ちがハイになったのか、ケリーはジャイアントロボの秘密をしゃべりだす。
 大作の前に操縦者と予定されていた男がいた。その男こそが『白昼の残月』なのだ!
 草間大作、リストラの危機である。
 そして、肉体をドラグネット博士に改造されちゃうかもしれないという危機もある。
 事態がどんどん悪化するまま次回につづくのだった。


 大作がもつ唯一の優位点『ロボをただ一人動かせる者』が消えてしまった。
 これは大ピンチだ。
 でも、自分が特別じゃないと知れば大作もロボたちに優しくなるかもしれない。
 ピンチをチャンスに変えるんだ、大作!
 っと、その前に脱出しないとね。
 頼りになる人が、誰もいないんだよな。

 隻腕の残月がついてきたのなら、林冲と顔をあわせることになる。
 真の林冲を決めるべく、二人が激突するのだろうか?
 どちらにしても、大作を助ける余裕なんて無いんだろうな。
 やっぱり、史進にたよるしかないのか。

 白昼の残月が、もう一人の操縦者という展開は劇場アニメ『鉄人28号 白昼の残月』(AA)と似ている。
 主人公より先に操縦者に選ばれていた人間と、顔を隠した謎の人物『白昼の残月』。
 ジャイアントロボも似た展開になるのだろうか?
 隻腕となった『白昼の残月』の包帯の下に隠された素顔は誰だ?
 こっちが本物の林冲だったらお銀ちゃんの立場無いよな。

 ところで、今回は24話なんですが、前回も24話だったような…
 まあ、チャンピオンREDでは話数が乱れるのは、よくある現象なのだ。


 最新刊出ました。
 カナーリの牢獄編における最大の見せ場『大塚式ウソ発見器!!!』も収録されているぞ!
ジャイアントロボ地球の燃え尽きる日 4
ジャイアントロボ 4巻

更新(2008/9/21)
by とら


2008年10月18日(12号)
【第26話】カナーリの牢獄編7 / 消せぬ後悔

 『カナーリの牢獄』の動力源は『魔法使いサリー』だったッ!
 北京支部の電力を一人で放出して見せたOVA版・戴宗の兄貴よりもスゲェな。
 10年間、一人で異空間を支えていたとは、恐るべき魔法力だ。
 サリーが次期十桀衆の候補というウワサがあるんだが、この能力なら納得できる。

 さすがにアンプみたいな物で力を増幅しているんだろうけど。
 つまり、『カナーリの牢獄』はサリーを救出するか、装置を壊せば機能停止だ。
 弱点はワカったから、あとは行動だけなんだけど。
 実行者がいないんだよな。

 サリーは半石化状態で年もとらずに10年間をすごしていたらしい。
 むむぅ、永遠の幼女ですか。ちょっと心動かされる設定だ。
 復活しても石化の影響で成長しないとか。
 でも、石のごとく硬いままだと悲しいな。

 だが、さすがのサリーも最近は弱ってきている。
 そこで、サリーのかわりに草間大作を新たな動力源にするのが、ドラグネット博士の計画なのだ。
 大作はただの人だから、1日で干からびそうな気もしますが……
 なんにしても非人道的な計画だから、大作少年にガンバってもらって、カナーリを壊滅してもらおう!
 でも、ロボのない大作はただの少年なんだよな……


 カナーリの外では、衝撃のアルベルトが参戦してきたッ!
 もちろん、最強候補の頼れるオヤジだ。
 さらに、残月(隻腕のほう)の正体に気がついているらしい知的な一面もある。
 混迷を極める状況下に一筋の光明がさした。

 アルベルトは大塚署長と旧知で、敷島博士以外で『大塚』と呼びすてにできるのはアルベルトだけらしい。
 OVAでの戴宗とアルベルトみたいに好敵手としての友情が芽生えているのだろうか?
 まあ、大塚署長は食えない人なので、真意はわかりにくいけど。
 銃を撃ったら強いみたいだし。
 なんか、本当に強そうだから困る。

 アルベルトは(土偶型のロボット『シン』 + エージェント『イワン』)×3 を同行させている。
 なんでイワンが三人もいるの??
 これも孔明のワナかッ!?
 まあ、おなじみのポーズで登場するイワンに、ちょっと感動した。

 前回の時点でカナーリの入り口に異変があると察していたドラグネット博士は、さっそく迎撃に出る。
 全裸のサリーからエロい感じにエネルギーをしぼり出し、触手でアルベルトたちを攻撃だ。
 普通は触手で幼女をまさぐって、外部にエネルギー放出じゃないか?
 ドラグネット博士は素材の活かしかたをワカっておられぬ。
 まあ、前衛的な方法かもしれないが。つうか、髪型にあわせたカニっぽいヘルメットがすでに前衛的だ。


 発端は例によって10年前にさかのぼる。
 草間博士の乱により、BF団は壊滅状態だった。
 サリーは『HUNTER×HUNTER』(AA)のピトーが使う念能力『玩具修理者(ドクターブライス) 』みたいな力で負傷者をムリヤリ元気にさせて働かせていた。
 純真だけど、イメージ悪い能力だな。
 なので、サリーちゃんのパパ(アルベルト)は、娘をしかるのだった。

「我々は全てビッグファイア様のために生き そして死ぬ」
「なのに お前はその『命』をもてあそび 我がモノのように扱うかっ…!?」


 パパさん、しかり方が一般的じゃないな。
 さすがBF団というか。
 見方をかえれば命をもてあそんでいる。そこは同意です。
 ビッグファイアのために死んでこそのBF団というコトなんだろうか。
 きびしい。さすがBF団はきびしい。
 徳川忠長のおさめる駿河藩の次ぐらい部下にきびしい。

 アルベルトがきびしいのも、サリーに期待しているからだろう。
 これは愛のムチだ。忠長のは八つ当たりとドSだけど。
 混世魔王・樊瑞もサリーには期待している。
 きびしすぎないかと、甘いおじ様モードに入っています。

 そして、諸葛孔明も期待していたッ!
 要所で絡んでくる孔明であった。
 今回はドラグネット博士をBF団本部にまねいている。
 ということは、ドラグネット博士の行動すら、孔明のシナリオどおりなのだろうか?
 10年におよぶ計画を立てるなんて、やはりタダ者ではない。
 政権交代があるので長期の計画を立てるのがむずかしいコトが、選挙制の弱点なんだよな。

 樊瑞は、ドラグネット博士に不審なものを感じた。
 可能であれば小一時間ほど問いつめたいところだろう。
 だが、ここで国際警察連合の九大天王が来襲する。

 影丸
 あばれ天童
 ディック牧


 忍術・木刀・超能力と、心技体のバランスが取れた三名ッ!
 樊瑞とアルベルトは迎撃に向かわざるをえない。
 激闘の、そして陰謀の予感がする。
 能力者 同士の頂上決戦が始まるのか!?
 ――――次回へつづく。


 また、10年前ですね。
 本当に全ては10年前の、あの惨劇からはじまっているワケだ。
 で、このときに残月と林冲がややこしいコトになるハズだが?
 やっぱり、ぜんぶ孔明のワナですかい。
 ちょっと孔明に責任負わせすぎだよな。

 アルベルトがサリーを放置したことが、生涯の不覚につながるのだろう。
 それでいながら孔明の言うことには一応したがっているんだよな。
 ビッグファイアの名前を出されると逆らえないのだろう。
 やっぱり、駿河藩の次にきびしい職場だ。

 そして、次回は超バトルが期待される。
 最近は陰謀が渦巻いてばかりだから、純粋なバトルもちょっと見たくなったぞ。
 九大天王は中条長官と韓信元帥が株を下げまくっていたが、他の人たちの期待値は高い!
 もっとも、天童くんはさりげなくネタ化・やられ役化している。(1巻 5話・追記

 現在も生きているから死ぬことはないと思うけど、ネタにされる恐れはある。
 まあ、ネタ要員としても大塚署長に勝てるとは思えませんが。
 名前も「大あばれ」から「あばれ」に弱体化しているだけに、活躍は難しいか?
更新(2008/10/19)
by とら


2008年11月19日(1号)
【第27話】カナーリの牢獄編8 / 少女の決意

 BF団を襲撃するは、九大天王『影丸』『あばれ天童』『ディック牧』だッ!
 草間博士の反乱にくわえて、強敵の襲撃である。
 これ誠に危急存亡の秋(とき)なり。
 迎え撃つは、十桀衆『混世魔王・樊瑞』『衝撃のアルベルト』だッ!

 あばれ天童の「霞の小太刀」がうなり、ディック・牧の「テレキネシス(念動力)」が炸裂する。
 樊瑞が一発で八つ裂きにされた。
 が、これぐらいで死ぬ樊瑞では無い。すぐに斬れた身体がくっつく。
 普通、この手のパターンだと幻術や変わり身なんだけど、生身でくっつくのがさすが十桀衆だ。
 もちろん、再生の説明いっさい無しッ!

 切れても死なないので、影丸が「忍法 木の葉火輪」で燃やす。
 念のために手裏剣を正中線に刺しまくってトドメとする。
 う〜ん、コイツら首をハネるぐらいしないと死なない気がするな。
 アルベルトなんて首が引っ込むから、ハネ飛ばしても油断できないし。

 だが、九大天王たちは死亡確認ということで、先に進む。
 中条長官や韓信元帥が上司だと、こういう部下が育つんだろうか。
 いままでBF団と互角に戦えていたのか疑問だ。
 あきらかに軍師というか知将がたりないんだよな。


 一方、BF団の頭脳である諸葛孔明は着実に計画をすすめていた。
 実行犯をドラグネット博士に押しつけているあたりが、知将だ。
 座右の銘は『部下は過労死』だろうか。

 孔明とドラグネット博士は、サリーにBF団へ貢献するチャンスだといってたぶらかすのだった。
 洋服で扇をもつ異様なファッションセンスだが、侮れない。
 孔明が扇をもつ理由は、本場でも説明できないらしく映画『レッドクリフ』だと「頭を冷やすため」と言っていました。
 こっちの孔明は純粋な趣味っぽいよな。


 そのころ、やっぱり生きていた樊瑞とアルベルトは、九大天王を急襲する。
 上下から+極・−極ではさんだ『挟撃 超電撃』だッ!
 もう、ノリだけでしゃべっていますね、この人たち。
 二人はいつから電撃の人になったのだろうか。
 十桀衆ともなると、気合で電撃が出せるんだろうな。

「変わり身!?」

 今度こそ変わり身だった。
 影丸の仕業か!?
 さすが忍者だ。『NARUTO』では常套手段の変わり身を使ってきやがった。

 そして、九大天王は三つの光球をひとつにまとめ、アルベルトたちにぶつけようとする。
 この回転技はタダゴトじゃない。
 ぜひともアニメ化して欲しい動きだ。
 Gガン超級覇王電影弾みたいなニオイがする。

 この大技に対抗するには、アルベルトと樊瑞が心をあわせるしかない。
 指と指を絡ませ、ビッグファイアのために一体となった攻撃だ。
 まさか、伝説の「石破ラブラブ天驚拳」かッ!?
 ぜひとも、これもアニメ化して欲しい。

 だが、攻撃はスカった。
 ドラグネット博士の装置が発動したため、BF団はアジトごと異空間に移動したのだ。
 サリーがその動力となっている。
 アルベルトは怒るのだが、ビッグファイアの名前を出されると黙るしかなかった。
 そして、十年がたってしまう。

 世間にあまり転がっていないタイプの苦労をしたアルベルトは、やっとサリー救出の好機を得た。
 ドラグネットのせいでショウタロウ君を失った経験のある大塚署長も、大いに同情する。
 そして、アルベルトと大塚署長は組織の壁をこえコンビを組むのだった。
 なんとしてもサリーをたすけ隊だ。
 ……大作のことは無視してイイのか?

 誰も想像しなかった夢のタッグが結成された。
 うまく機能するのか、心配だが期待も大きい。ネタ的な意味で。
 そして話の中心にいるハズなのに影がうすい大作と林冲は、無事にピンチを切り抜けることができるのか?
 次回へつづく。


 やっぱり、すべては10年前からはじまっているのだ。
 10年前はイベントが盛りだくさんすぎるな。
 ぜんぶの悪だくみに関わっていそうな諸葛亮は、本人も過労死しそうだ。
 会社人間としては優秀な人なんだろうけど。

 アルベルトと大塚所長の連携技はどんな感じになるのだろうか。
 電撃とカツ丼ではさんだ、『カツ撃 超電丼』とか出したりして。
 アルベルトがカツ丼の上手さに飛びながら電撃だしまくる。
更新(2008/11/21)
by とら


2008年12月19日(2号)
【第28話】カナーリの牢獄編9 / 膨れあがる野心

 衝撃のアルベルト+大塚署長のハチャメチャコンビが結成だ。
 だが、カナーリ侵入時に抵抗されて あっさり孤立されられる。
 いきなりコンビ解消でした。

 いっぽう風変わりな二人組みが誕生しようとしている。
 BF団・諸葛孔明の部屋に、国際警察連合・韓信元帥が侵入した。
 今までアホなところばかり見せていたが、韓信はけっこうスゴイ人だったらしい。
 なんでも"背水の陣"の使い手だとか。(参考
 侵入と関係ない部分をほめるのが、孔明のわかりにくさだ。

 策士二人がそろって、密謀だろうか。
 ジャイアントロボと大作を引き離すことで、ジャイアントロボの能力を無力化する。
 それが二人の作戦だった。
 だが、カナーリでロボと大作はふたたびいっしょになる。

 カナーリは異次元なので、かえって地球が安全になった。
 だが、カナーリの異次元空間が世界を侵食しはじめている。
 異空間が、こちらの空間を飲みこもうとしているのだ。

 別の角度から地球が大ピンチになってしまった。
 アンタら、本ッ当〜〜〜〜に地球規模のピンチが好きだな。
 連載がはじまってから、何度目のピンチだ?
 きっと、わざとピンチを作りだしているんだろうな。
 地球をピンチにすることで、韓信元帥の背水の陣が冴えまくるのかもしれない。

「そのために私は一つの防御策を仕込んでおきました それが――」
「白昼の残月!!」
「いや…韓信元帥(あなた)の手も入っているというべきか」


 やはり、残月は孔明のワナだったらしい。
 孔明と韓信が、べつべつに白昼の残月というトロイの木馬をしかけたのだろうか。
 たがいにワナが食いあって不発したりしないのか心配だ。
 つうか、はりつけにされていた方の残月は、どっちのワナだろう。
 林冲だったほうの残月(?)が、孔明のワナっぽいのだが。


 異空間につかまっていたアルベルトは、サリーの光を目印に闇を脱する。
 父娘の絆がファイアーだ。
 親子関係を重視するジャイアントロボ世界で、めずらしく生きたまま思いが通じた例だ。
 まあ、一度は決裂しているから、それが反省材料になったのだろう。

 みごと次元の壁を突破し、カナーリ内に入ったアルベルトたち御一行だった。
 眼下にはジャイアントロボがッ!
 同時に、林冲に異変が起きた。

「私は…」
「すべてを思い出した…」

「私のもう一つの名は『白昼の残月』!!」
「そしてそれはあの"断崖門"の―――」
「その『前夜』にすべては始まった―――!!」


 はじまりは断崖門だったのか!(2巻 8話
 残月編の最初から、いちおう伏線が張られていたらしい。
 史進がBF団のワナにかかったのも、孔明の計算どおりだったのだろうか?
 十年をかけたややこしい作戦だな。

 ついに動き出したジャイアントロボ!
 謎が解明されていく。
 林冲の正体は誰なのか?
 孔明のワナとはいったい?
 話の中心が大作からはなれていく中、クライマックスが近づいていく。
 次回、なにが起きる!?


 8ヶ月前に発覚した林冲=残月という疑惑ッ!(4巻 20話
 ついに、答えがあきらかになろうとしている。
 どんな秘密が隠されているのだろうか?

 話を引っ張っている間に、謎が大きく膨らみすぎた感もある。
 一話分じゃ、すべて回収できないんだろうな。
 ぜんぶ懇切丁寧に説明していたら、四話分ぐらいかかるかもしれない。
 とりあえず、林冲が肝心な話をしはじめたら、残月が割って入って妨害するのだけは止めて欲しいな。
更新(2008/12/20)
by とら


2009年1月19日(3号)
【第29話】カナーリの牢獄編10 / よみがえる記憶

 ついに『豹子頭・林冲』と『白昼の残月』の因縁が明らかになる。
 長かった。本当に長かった。
 残月が自分は林冲だと言いだしたのが、去年の4月だから9ヶ月間も待たされたのだ。(4巻 20話
 ついに解決編がはじまるッ!

 話は9年前『断崖門の決闘』前夜にさかのぼる。このエピソードもずいぶん前から出ていた。長かった。(2巻 8話
 林冲は、韓信元帥+中条長官から極秘の呼びだしをうける。
 梁山泊を裏切った草間博士が、なんとカナーリの牢獄に潜伏しているのだ。
 そして、世界を滅ぼすロボットの計画『GR計画』を発動しているというッ!

 BF団にとって超トップシークレットな情報である。
 なんで、アンタらが知ってるの?
 とても あやしい。うそ臭い。ニセ情報じゃないのか。
 だが、林冲は 深く考えず 仲間の情報を信じて、GR奪取作戦を遂行するのだった。

 ちなみに、小説・『水滸伝』における林冲は『豹頭環眼、燕頜虎鬚、身の丈八尺ばかり、年のほど三十四五歳』という容貌だ。
 これは三国志演義 張飛の『身長八尺、豹頭環眼、燕頜虎鬚』と同じ表現だ。
 さらなる元ネタは後漢の勇将・班超らしい。
 後漢書・班超伝に『燕頜虎鬚、飛んで肉を食う、これは万里候の相だ』とある。(参考:高島俊男水滸伝の世界」)

 張飛っぽいキャラクターだから、頭はあまりよろしくないのだろう。知力40以下って感じで。
 でも、林冲は美人の奥さんがいる関係で、美形になっている。
 三国志演義の呂布も恋愛話があるので、美形ポイントが高めになっているらしいぞ。
 その法則だと、女性関係が華やかな曹操も美形のハズなのだが……
 人妻フェチが災いしたのだろうか。

 まあ、とにかく知力低めの林冲は陰謀に気がつかない。
 もしくは人を疑うことのできない性格が裏目に出たのかも。


 閑話休題(それはさておき)。
 断崖門から落下した林冲をひろったのはBF団の策士・孔明であった。
 またまた孔明のワナかァ〜〜〜ッッ!?

 林冲は韓信元帥&中条長官に売られたのだ。
 梁山泊における自分たちの地位を守るため、林冲をおとしいれた。
 草間博士のGR計画はこわいけど、自分たちの足元を揺るがされるほうが、もっと怖い。
 行きすぎた成果主義の弊害ですな。

 それにしても、歴史上の韓信とは、反対の精神性だ。
 名将・韓信は天下統一に尽くすのだが、その才を恐れられて皇帝に殺される。
 「狡兎死して良狗煮られ」ってヤツだ。
 悲劇の名将が、別世界で逆に裏切ったのだろうか。

 林冲は孔明につかまる。そして、記憶を消された。
 最強の敵を最大の仲間にする奇策だ。
 将棋でいえば相手の飛車をとったぐらいの逆転である。

 だが、BF団はカナーリの牢獄に逃げこまなくてはいけないぐらい疲弊していた。
 林冲を手に入れても、まだ互角には遠いのだろう。
 真に互角になるには、GR計画の発動をまつ必要がある。
 韓信たちも、きっと同じような計算をしたのだろう。勝者の余裕だな。
 あと、兎を狩りつくさない知恵が猟犬にあったのだろう。

 孔明によって林冲は記憶を消された。
 だが、不屈の精神力を持つ林冲は自力で記憶を取りもどす。
 さすが豹子頭だ。頭の中も豹並みに強い。

 仲間に裏切られたのだが、生真面目な林冲は任務続行を選択する。
 そのため、記憶を無くしたフリをしてBF団としての活動をつづけるのだった。
 BF団として戦う。
 それは かつての仲間や親兄弟と戦い、殺すということだ。

 もしかして、これも孔明のワナか?

 記憶がもどったときの保険として、扱いやすいポジションに残月(林冲)を置いたのだろう。
 利用しているつもりの林冲だったが、孔明に利用されている。
 知力で対決したら、孔明には勝てんよな。

 そして、わざと林冲と親しい相手と戦うように仕向けたのだろう。
 大きな犠牲を取りもどすため、林冲はさらに戦いつづけなければならない。
 林冲は地獄の中をさらに進むことになる。
 ジャイアントロボの操縦者となり、世界に平和をもたらすために。

 だが、ジャイアントロボの操縦者は草間大作となる。
 仲間に裏切られ、名をすて、周囲にウソをつき、友を殺し、親兄弟も殺した。
 すべての努力と苦痛はすべてムダに終わったのだ。
 存在理由を失い、現実に絶望したとき、林冲の肉体と精神は二つに引き裂かれた。
 比喩ではなく、本当に分裂したのだッ!
 これにはキョウジ兄さんもビックリな超展開ですよ。

 林冲と残月が分裂した瞬間に、孔明も居合わせていた。
 策士たる孔明も驚きを禁じえなかったといっているが、ウソだろ。
 あんまり驚いている表情じゃないし。
 林冲がいつ苦しんでもいいように陰から見守っていたのだろう。
 この策士は、マジ酷い。

 しかし、多重人格どころじゃなくて、多重人間かよ。
 まるでドッペルゲンガーですな。
 ちなみに、精神医学でのドッペルゲンガーってのは『どのような姿をとって現れても、その人物像が自己自身の像であると直感的に確信』する存在らしい。(参考

 二人にわかれた林冲のうち、残月は自分が許せず己の目を潰し左腕を切り落とした。
 そして、残月はなおもBF団に潜伏する。
 林冲はBF団およびカナーリの牢獄を抜けだし、白昼の残月編につづいたのだろうか。

 現実に絶望した林冲は都合の悪い過去を忘れた。
 現実に絶望した残月はすべてを無かったことにしたかった。
 梁山泊からも拒否された残月は、のこる半身である林冲の存在を憎む。
 忌まわしい記憶に苦しみスキだらけの林冲を、背後から残月が襲う!
 白昼の残月は、太陽を破壊し、唯一の光となるつもりだろうか。

 林冲の壮絶な過去があきらかとなった。
 ドラゴンボールで言うところのピッコロ大魔王みたいな状態だ。
 ならば、次回はピッコロと神様の合体になるのだろうか。
 実現すれば、すごい強そうだぞ。

 つうか、悪いのは韓信と中条長官だよな。
 どうせ恨むならオッサン二人を狙えばいいのに。
 それと、草間大作にも恨みが飛び火しそうな予感もする。
 新年早々、未来が暗い……
更新(2009/1/20)

by とら

2009年2月19日(4号)
【第30話】 カナーリの牢獄編11 / 砕かれし真実

 国際警察連合の九大天王・豹子頭林冲ッ!
 BF団の十傑衆・白昼の残月ッ!
 絶望のあまり二人に分裂した二人が争いあう。
 鮭が母川へ回帰するように、二人はひとりに戻ろうとしているのだ。
 いや、鮭はちょっと違うな。

 勝者は敗者を吸収してひとりに戻る。
 前回もどった記憶の内容にショックを受けてスキだらけだった林冲は、残月の奇襲を受けてしまった。
 第一ラウンドでダウンするようなダメージを受けたようなものだ。
 今後の逆転はむずかしい。
 ここで九紋龍史進が来てくれればいいのだが……

「残月(ワタシ)と林冲(お前)は二人で一人の存在!!
 "善"と"悪"の……
 いや 違うな私とお前は…!!」
「"悪"と"悪"の!!!」

「いいや 林冲感じたハズだ…!!
 ロボを自らの声で動かしたとき 自分の心に」
「ロボを己の物とした"喜び"をな!!」


 残月がねちっこく責めたてる。
 ここは是非とも声つきで聞きたいところだった。
 残月は、己も林冲も悪だと断じる。
 『ジキル博士とハイド氏』(AA青空文庫)どころではない、二人ともハイドだッ!
 ジキルには善も悪もあるが、ハイドには悪しかない。
 なすべき使命を重荷としてすてた二人には、自己の欲望しかのこっていなかったのだろうか。

 強い力を手にしたときに喜びを感じるのは人間のサガだ。
 だが、林冲が感じた喜びはもっと上のモノだったのだろうか。
 ロボを手に入れたい林冲は、わざとロボを傷つけさせ大作に資格がないと思わせた。と残月は断定する。
 いや、ロボを傷つけさせたのは残月だろ。3巻 16話

 残月はもう狂っているのかもしれない。
 自分のやったことと、林冲のやったことの区別がついていない。
 そして、きっちり否定できない林冲は錯乱している。
 もう、手のつけられない状態だ。

「そして林冲……」
「ここでお前は…!!」
「消滅するのだッ!!!」


 残月の貫手が林冲をつらぬき、林冲は煙となって消滅した。
 勝利したのは白昼の残月だ。
 かつて林冲だった男は、もう残月のみしかいない。
 白昼の残月、第二の誕生である。

 自ら引きちぎった左腕も、つぶした目も、元にもどらない。
 残月の怒りと怨念は消えていないのだ。
 この残月は世界に迷惑をかけるタイプの狂人だよ。

「問題は無い 当初の目的のごとく」
「ジャイアントロボ奪取作戦は!!」
「この『残月』が果たす!!」


 やっぱり、狂ってる〜〜ッ! ガビーン!
 ロボはすでに梁山泊で保護されていたんだから、奪取する必要なんてないのに。
 とりあえず大作は梁山泊と共闘関係にある。
 頭の弱い大作ぐらいカンタンに操作できるだろう。
 残月は手段にこだわるあまり、目的を見失っているようだ。

 今のところドラグネットの作戦どおりらしい。
 このまま残月が外に出て、力尽きたロボが爆発して、地球が燃え尽きる。
 そうなると、世界に残るのは『カナーリの牢獄』のみだ。
 生きのこったドラグネットが新世界の神になるッ!

 領土を拡大する世界征服ではない。
 自分の領土以外を消滅させて世界を小さくして征服する作戦だ。
 なんという逆転の発想!
 壮大だけど、ケチくさい作戦だな。
 ハーレムを作っても、すごい小規模だし。
 残月だけではなくドラグネットも狂っているのかもしれない。

 二人が狂っていることは、諸葛孔明の策に織り込み済みなのだろうか?
 ドラグネットとロボを異世界で安全に葬る気かもしれない。
 でも、それだとBF団のメリットが少ないな。
 孔明のワナは読みきれません。


「だが 残月は己の目的に熱心すぎて」
「ロボ自体には関心薄のようだ」
「……このままではロボは死ぬな!!」


 ドラグネットの息子・ケリーはけっこう冷静に状況を判断していた。
 狂っていない人を見ると、ホッとしますね。
 シグルイも狂人ばかりだから、二日つづけて感想書くと狂人疲れします。

 修理が必要だったロボをムリヤリ動かしているので、壊れそうだ。
 そんなロボを修理するには、ケリーが装備する自己修復装置を取りつけるしかないッ!
 交換条件として、大作はカナーリの動力源になれ!
 と、ケリーはせまるのだった。

 狂ってないよな? 言ってることはムチャだけど、破綻していない。
 手詰まりの中で、大作はどんな決断をするのか!?
 次回へつづく。

 ケリーは狂っていないようだが、ロボを修復しちゃうと父ドラグネットの作戦は失敗になりそうだ。
 地球を燃え尽きさせる作戦は どうするんだろう?
 どうも、この親子は意思の疎通ができていない。
 親子関係は、ジャイアントロボのテーマでもある。
 大作は、ドラグネット親子からなにを感じるのだろうか?
 そして、最強の親バカ・衝撃のアルベルトは無事に娘サリーを取り返せるのか!?



・おまけ
ジャイアント ロボ THE ANIMATION 地球が静止する日 CUSTOM COMPOSITE BOX [DVD]ジャイアントロボ DVD-BOX
 伝説の名作、OVAジャイアントロボがDVD-BOXで再販だ。
 最初に出たDVD-BOXをもっているから無理に買う必要はないんだけど、これにはコメンタリーがついているんだよな。
 BDになるまで待つべきか……


更新(2009/2/22)
by とら

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