アニメ版シグルイ感想(第六景〜第十景)

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2007年8月30日
第六景 産声(うぶごえ)

 秘剣伝授をエサに伊良子清玄を仕置きする虎眼道場の方々であった。
 ナンパのとき以外は空気を読まず押し通す伊良子の性格が、ここで災いしている。
 伊良子には自業自得という言葉がどうしても似合ってしまう。

 そのころ、いくは縛られて監禁されていた。
 牛股師範は追い討ちでネチネチといびる。
 虎眼先生を裏切った いくを許せないのだろう。

牛股師範の乳首喰い 牛股師範

 切り落とされた いくの乳首を喰う。
 愛人・伊良子を仕置きする宣言をする。
 こうやって、いくを追いつめるのだった。

 なんか、いくに対する歪んだ愛情を感じる。
 虎眼先生の愛妾だから手を出せなかっただけで、スゴい欲情を持っていたのではなかろうか。
 そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。

 のちに判明するのだが、牛股師範といくの間には、想像以上にややこしい関係と秘密がある。
 この時点では、まったくワカらんですが。
 ワカる人がいたら天才を超えた変態だ。


伊良子清玄、流れ 牛股権左衛門

 そして、伊良子への仕置きがはじまる。
 最初は試合と見せかけて、伊良子を痛めつけるのだった。

 伊良子はきっちりと虎眼流の奥義『流れ』を使っている。
 自分が正統派であるとアピールしているのだろう。

 牛股師範が、ここで劣勢だったのは演技なのか、本気だったのか……
 のちの活躍を考えると、牛股師範の実力はけっして伊良子に劣っていない。
 やはり演技なのだろう。
 仕置きは、芝居をする場所でござるか?


笑う伊良子 笑う藤木

 勝利の栄光を確信して笑う伊良子清玄と、伊良子と戦う前に笑う藤木であった。
 伊良子は立身出世が欲しく、藤木は戦いが欲しいのだろう。
 とにかく笑わない主人公である藤木の、笑顔は貴重だ。

 出会ってすぐに戦った、因縁の二人である。
 これが、二度目の戦いだ。
 二年の歳月が両者をどのように変えたのか。
 伊良子の天才は藤木を上回っている。
 しかし、藤木はつい数日前、新手に開眼したばかりなのだ。

 虎眼先生も注目する、猫科動物が爪を立てるが如き異様な掴みであった。
 藤木がもっと早くに開眼してれば、イロイロな悲劇は回避できたんだけど。
 けっきょく、藤木が伊良子のアゴに神速の一撃をあたえる。


脳震盪 マウントポジション

 藤木の一撃で伊良子の脳はゆれた。
 静止画だとワカりにくいですが、内部映像がゆれまくる。

 だが、伊良子は生きていた。
 藤木の背後から襲いかかる。
 しかし、ダメージが残っていたのか、あっさり返されてマウントポジションを取られてしまう。
 そして激しい打撃だ。漫画で読んでいたときは、ゆっくり強く叩いていたと思ったが、すごく速い。
 ヒョードルも真っ青なパウンド連打である。
 はやくレフリーが止めないと、ヤバい感じだ。


セクシー伊良子

 そして、伊良子の地獄はまだつづくのだった。
 まずは焼きゴテで股間の悪根を焼き断つ!
 最初の拷問からいきなりクライマックスだ。
 もうちょっと、ソフトなところから責めればいいのに。

 伊良子の悪根は本人のためにも焼ききってあげればいいのに。
 いくは、よけいな仏心をだして、かえって伊良子を不幸な目にあわせたのかもしれない。
 なんにしても、大胆なセクシーショットであった。
 これで女性ファンの心もわしづかみだ。


伊良子  藤木  三重

 そして、伊良子へ最後の仕置きがくだされる。
 天才剣士の眼は、虎眼先生によって斬り裂かれた。
 あ〜かい まがくし さいた

 伊良子は視力を失った。
 しかし、怪物として第二の生をうける。
 藤木もまた、変化を見せていた。
 そして、三重も……。
 この日生まれ出でた怪物は三匹……


 ナレーションの入りかたからすると、怪物は伊良子・藤木・三重だと思われる。
 ただ、藤木と三重は、まだ怪物化していない感じだ。
 今後の三重は次第に危険な人物になっていくのだけど。

 藤木の表情はなにを意味していたのか?
 三重を得ることよりも、剣士・伊良子の喪失のほうが藤木にとって重いのかもしれない。
 それとも、伊良子の失態ではなく、ちゃんと競って三重をめとりたかったのだろうか。
 このへんの事情は、いまだに判明しない謎である。

 今回でシグルイは一つの章を終えた。
 序章である第一景を見ればわかるように、藤木は左腕を失い、伊良子は盲目・跛足となる。
 今回が最初の喪失であり、いずれ藤木も腕を失う。

 これからのシグルイは、悲劇の第二章へと入る。
(更新 07/8/31)
by とら


2007年9月6日
第七景 牙

 伊良子清玄の仕置きから三年が過ぎた。
 前回産まれた怪物たちは、三年間でそれぞれに成長している。
 どう成長したのか判明するのは、もう少し先になるのだった。

 伊良子はあれだけ近所の婦人を陥落(おと)しまくっていたのだから、けっこう有名な存在だったはずだ。
 そんな伊良子がとつぜん居なくなって、周囲の人は疑問に思わなかったのだろうか?

 ……虎眼流だしな。
 たぶん、虎眼流だからと言う理由で皆は納得する。
 行方不明者が出たのは、今回が初めてではあるまい。
 なにしろ鎌鼬(かまいたち)だって出てくるぐらいだ。
 日頃の行いは重要である。


駿河大納言 徳川忠長 徳川忠長が踏む

 一方、駿河大納言 徳川忠長はしもじもの生活とは関係なく、悪行を働くのであった。
 子作りは藩主としての責務である。夜のハッピータイム自体は悪くない。
 しかし、殺すのはマズかろう。
 それは快楽のみの行為の上に人を苦しめる。完璧な悪行だ。

 人を痛めつけても、将軍になれなかった不満は解決することない。悪行はさらに加速する。
 破滅とわかっていても、忠長は己を止められないのだろう。
 彼も権力の犠牲者なのだ。同情できないけど。

 そんな忠長の性癖に引き寄せられるように(ここ伏線)、不逞の牢人が集まる。
 当時の幕府は諸藩を潰し、その領土を徳川家に組みこみ、幕府の力を強化することを狙っていた。
 つぶれた藩に仕えていた者は、職を求めて牢人となる。
 戦国時代が終わり高度成長期にあたる時代だが、就職難もあったのだろう。

 牢人たちが名を出した宮本武蔵も就職浪人だったし。
 ダメな人を見本にしているあたり、牢人たちの知力が知れるというものだ。
 まあ、武蔵の場合は、高望みしすぎなんですが。

柿右衛門が支払ったのは鉄扇であった

 就職牢人たちは凶暴であった。
 無銭飲食での上に殺人まで重ねる。
 殺害の理由が小さいことから、彼らの器も小さいと推測できよう。
 もっとも、宇宙の真理を追究するためとかムダにスケールの大きい理由を用意しても、殺人はいかん。

 実際のところ、町人や農民をむやみに無礼討ちすると、きっちり怒られる。
 それに、弱いものイジメは、武士らしくない行為だ。(少なくとも建前では)
 町人をいじめて満足しているようでは、就職も難しかろう。
 コイツらは流れ者であり、すぐに現場を離れるので逃げられるという計算があるのかもしれない。

 牢人者たちの狙いは、虎眼流を倒すことによる売名行為だ。
「田舎剣法ならぬ いかれ剣法てか!」
 そういう彼らの主張は、けっこう正しかったりする。
 虎眼流はシグルってございます。


近藤涼之介 牛股師範(にぱ〜☆) 笑う虎子たち

 虎眼流をバカにする者は、仕置きされる。
 これが掛川における血の掟だ。
 憶えておかないと、死ぬ!
 若き虎眼流剣士・近藤涼之介が牢人者たちと戦うことになる。

 援軍は、虎眼流の実力派たちだ。
 流血の予感に、みんなが笑っている。お日様も笑っている。
 今日はいい天気だ。
『笑うという行為は本来攻撃的なものであり』
『獣が牙をむく行為が原点である』
  (シグルイ4巻 16景)

 同門であった伊良子にあれだけのコトをした虎眼流である。
 狼藉者たちには、もっとヒドいことをするに違いない。
 山崎九郎右衛門なんて、今から焼きゴテの準備をしていそうだ。


 浪人者たちとの対決するきっかけとなった、近藤涼之介とは何者であろうか?
 涼之介が入門するころに話はさかのぼる。
 祖父・伝蔵が虎眼の旧知であるため涼之介は中目録をもらった。
 だが、麒麟児と呼ばれているので、才能はあるのだろう。

近藤涼之介 近藤涼之介

 なによりも、美少年フェロモンの持ち主であった。
 木刀を振って汗を光らせる姿は、一部の門下生に大人気らしい。
 先日発売された『シグルイ奥義秘伝書』でも、「衆道は一般的な行為でした」とフォローが入っている。
 むしろ、児童ポルノ方面で問題があるかもしれない。

 涼之介が前髪と呼ばれたのは、元服(成人)前の髪型で前髪が残っているからだ。
 ぬふぅ兄弟も好んでいた、フェチズムである。
 鉄人28号の主人公・正太郎の半ズボンにときめいたり、ランドセルがたまらなかったりする感じだ。
 パンツにこだわって行くうちに、子供っぽいパンツの良さに覚醒(めざめ)たといってもいい。
 まっこと、虎眼道場は危険がいっぱいでござる。

 涼之介は藤木の厳しい教えに落ちこむ。
 自分は嫌われているのだろうか?
 藤木が不器用な人間だと、涼之介は知らないのだ。

 涼之介は、牢人者の首を一刀で跳ね飛ばしている。
 刀を突きつけられても動揺しなかった。
 腕も度胸も、この年齢にしては優れている。
 藤木も見込みがあるから厳しい打ち込みをしたのであろう。
 そして、虎眼道場にかよっていると刀を突きつけられたぐらいじゃ動揺しなくなるらしい。
 虎眼道場は下手な戦場よりも危険地帯なのだろうか。

山崎九郎右衛門が見てる

 そんな涼之介をやさしく見守る山崎九郎右衛門であった。
 ……って、なんかキレイな九郎右衛門になってるッッ!

 山崎といえば、ネコ科の獣みたいな目をした怪しい人ですよ。
 なんで、こんな爽やかになっているんだ。
 ……もしかして、恋?

山崎九郎右衛門 笑う虎子たち

 普段の山崎九郎右衛門はこんな感じであった。
 彼もまた覚醒(めざめ)てしまったのだろうか。
 ナニにかはしらんが、とにかく良し。
 これで、人前に出せる眼球になった。


三重

 そのころ、三重さんは人前には出られない感じになっていた。
 画像が暗くてワカりにくいでしょうが、世の中ワカらないほうが良いこともあります。

 産まれた怪物とは、このコトだったのだろうか?
 もう少しで『リング』の貞子みたいな大物になれそうな予感がする。

 三重は『ヤンデレ大全』(AA)に載っていない(山崎はいる)。
 彼女は病んでいるけど、デレじゃないからだろう。
 デレまでは求めないけど、早目に快復してください。


虎眼先生のお世話

 今回は『シグルイ6巻 三十景』のエピソードも」混じっている。
 虎眼先生よりさずかった徳利を見て、藤木が『流れ星』に開眼するのだ。
 畳にこぼれる謎の液体をふく仕事が報われた瞬間である。

 そして、藤木は『流れ星』を応用した裏拳攻撃を牢人者の丹波蝙也斎に叩き込むのであった。
 奥義の片鱗を披露するだけに、必殺を超えた超殺ぐらいの勢いだ。
 やりすぎ。

飛ぶ、アゴ 藤木源之助

 丹波蝙也斎の下アゴが吹っ飛びました。
 これは、若き日の虎眼先生が舟木一伝斎のアゴを飛ばした故事にならっているのだろうか。
 一族を根絶やしにするぐらいの恨みがこもった一撃である。

 そして、有望な弟弟子にこっそりと技を見せる意味合いもあったのだろう。
 藤木の細やかな心づかいだ。
 涼之介のオカズは、ちょっとだけ良い物だったりするのかもしれない。
 そして、山崎九郎右衛門は涼之介をオカズにする。
 世界の命はめぐりめぐっているのだ。(良い話っぽく終わる)


近藤涼之介

 だが、皆の弟 諸君らが愛してくれた近藤涼之介は死んだ! 何故だ!?
 というわけで、せっかく愛らしいキャラクターが出てきたと思ったら、顔を縦に割られた上に首を斬られるのだった。
 容赦なく無残な展開だ。

 今回の話は比較的平和だったんだけど、オチがむごい。
 全部、オチで絶望させるための伏線だったのかと疑りたくなる。
 前回までは、伊良子が視力を喪失する残酷を描いていた。
 今回からは、虎眼流が失墜する残酷が描かれる。

 約束された破滅にむけた最初の生贄は近藤涼之介であった。
 これから訪れるであろう無残を体験しなかった分、彼は幸せだったのかもしれない。
(更新 07/9/8)
by とら


2007年9月13日
第八景 蝉しぐれ

 斬殺事件の多いシグルイではあるが、もっとも痛ましい事件が少年である涼之介の殺害である。
 さすがの虎眼流も動揺を隠せない。
 牛股師範は斬りおとされた涼之介の首をもち、師のもとへ向かう。
 まず、最初に確認すべきことがあるのだ。

牛股師範 血痕

『虎眼流邸内で死体が発見された場合』
『その犯人として最初に疑うべきは外部の者ではない』


 虎眼先生の部屋へとつづく血痕を発見したとき、牛股師範はいかなる心情だったのだろうか?
 もう、マジ泣きしたい気分だろうな。
 アレです、蟹座の人が聖闘士星矢デスマスクを見たような気分だ。マンモス哀れな奴……
 チャンピオンで連載中の『THE LOST CANVAS 冥王神話』では、カニもわりとカッコよさげですが、今後どうなるのやら。

 まあ、牛股師範は名前からして牡牛座だろうから、カニ関係ない。
 とりあえず、師匠の正気度に望みをかけて、部屋の中を見るのだった。


鯉喰う虎眼先生

 そこには、鯉をむさぼり喰う虎眼先生の姿があった。
 普段なら畳を血で汚しちゃってとか、また三重さまの病が悪化するとか、困りごとばかりだ。
 しかし、今日ばかりは「鯉で良かった」と思ったにちがいない。
 虎眼先生、グッジョブッ!

 でも、生の淡水魚って寄生虫の心配がある。
 弟子としては師匠の暴食を止めたほうがいいのかもしれない。
 まあ、虎眼先生なら寄生虫にも勝てそうだけど。
 脳に虫がまわったりしていないよな……


徳川忠長が踏む 徳川忠長が踏む

 虎眼先生が犯人ではないと聞き、内弟子たちは胸をなでおろす。
 強い流派だし、下級武士にも優しいのだが、師匠が完全に恍惚の人というのがつらい。
 確認をする牛股師範も大変だが、部屋でまっている方もつらかろう。
 下手人が虎眼先生ではないとワカってはじめて、役所に届けることができるのだった。

 牛股師範たちは、とりあえず虎眼流の名を落さないことが重要だと考える。
 武士ってのは暴力でなめられちゃいけない職業なのだ。
 町人に喧嘩で負けたら、一族郎党を呼んできてでも仕返しして皆殺しにしなくてはならない。
 そんなことしたら切腹することになるが、武士の面目を失うよりはマシなのである。(参考:山本博文「切腹」「『葉隠』の武士道」)

 とりあえず、誰かを討ちとって一応の下手人にしようと方針が決まる。
 うむ、普通にヒデェ。
 急激に名を上げた団体だし、乱暴な方法で名を上げたので敵には困っていないのだ。

 ところが、山崎九郎右衛門は涼之介の恨みを晴らすことにこだわる。
 優しいイイ人だ。などと考えていた時期が俺にはあまりありませんでした。
 三十分以内にボロが出る。
 いずれ本当の仇を討てると、みんなは山崎をなだめるのであった。


宗像進八郎、死す

 だが、真犯人によって宗像進八郎が討たれる。
 容赦のない闇討ち攻勢に虎眼流は大ピンチだ。
 それでも、出かけるときは最低三人でなどといった防御策をたてないのが、虎眼流の自信であり、過信である。

 本気で卑怯な手段(集団の弓矢攻撃とか)をとられたら、個人で切り抜ける事は難しい。
 もうちょっと具体的な作戦を取ったほうが良いのだが……。
 良くも悪くも、虎眼流は個人の剣士を鍛えるところなのだろう。


虎拳 鉄槌 目玉喰い

 山崎九郎右衛門は荒れていた。
 虎眼流の悪口を言っていた牢人を徹底的に倒す。ちょっと八つ当たり気味だな。

 なお、武士の面目と言う点では、悪口を言われたら言い返したり、殺すのが正しい作法らしい。
 もちろん相手を斬れば、切腹になる可能性は高い。
 だが、怖くて反論できなかったと思われたら、すくたれ者として領地を取り上げられてお家断絶になることもある。
 斬れば、天晴れという評価で、かえって加増されることもあるし、斬ったほうがずっとお得なのだ。
 武士社会は、シグルイである。

 このとき山崎が見せたコンビネーションについては、昔日記で書きました
 早い話、山崎の打撃技は刀を持ったままでも使えるような技ではなかろうか、ということだ。
 あくまで実戦にこだわる虎眼流なのだろう。

 しかし、目玉喰いは良く映像化できたな……


山崎九郎右衛門 山崎九郎右衛門 vs. …… 晒される山崎の首

 山崎がもつ涼之介への思いは、情愛だった。
 涼之介の裸を思い浮かべながら、山崎は自分の一物を口でなぐさめる。
 この柔軟性も虎眼流のおかげなんだろうか。
 なんか、ちがう方向にスゴい能力を発揮している。
 フィニッシュと思われるシーンで、タンポポの種が飛んでいくイメージ映像が流れた。
 ココ、笑っていいところなんでしょうか?

 そして、山崎の前にも殺害犯があらわれる。
 涼之介の恨みを晴らすべく立ちむかう山崎だったが、返討ちにあい、やはり首を晒されるコトになるのだった。

 次回、虎眼流の反撃なるのか?
 スイカや梨を食べている場合じゃないぞ!

 ちなみに、江戸時代の梨は高級品だったようだ。
 磯田道史『武士の家計簿』によると、金沢藩士の猪山成之は幼年期に天然痘かかったとき「なし・みかん・たらこ」などの高価なものを食べさせられた。
 当時の天然痘は死亡率が非常に高く、成之が生き残ったのはかなりの幸運だったらしい。
 治療費は合計で銭2625文、現代感覚だと12万5000円らしい。梨はその一部だろうけど、やっぱり高価そうだ。
 あの梨は、三重に与えるための物だったりして。

 などと、梨談義をしている間に死者が増える。
 虎眼流に明日はあるのか?
(更新 07/9/14)
by とら


2007年9月20日
第九景 虎子

 敵のすがたが見えぬまま、仲間たちの数は確実に減っていく。
 危機的状況下にある虎眼流だったが、その遠縁は二年前にあった。
 おそらく涼之介が入門したての頃だろう。

食事中

 内弟子たちは食事中だった。
 漫画版だとワカりにくかったが、台所の横で食事をしているらしい。
 江戸時代は火事の心配があるので、台所は入り口のすぐ横にあったりする。
 藤木たちもは台所のそばで食事中だ。
 給仕もいない。かなり質素な食事である。
 虎眼流はけっこう金持ちなんですが、弟子には厳しいようだ。

 江戸時代も後半になってくると米の価値が下がる。しかし、武士の給料(米で支給)は変わらない。
 米のインフレ化が進んで悲惨な目にあう。
 食えるうちに白いご飯を食べておいたほうが良いぞ。
 まあ、子孫にはあまり関係ないですが。


三重 三重

 そのころ、三重は四足獣の肝をむりやり口に入れられていた。
 挿入しているのは、父親である虎眼先生だ。父親だから大丈夫、いやらしい気持ちはない。
 でも、なんか別の行為をされているよに見えるだ。
 刃牙を読んだあとだけに。

 体力をつけるためには、高カロリーの食品が望ましい。
 果物とか砂糖を用意すれば、三重も食べることができたかもしれないのに。
 虎眼先生の親切は自分を基準に考えているから、迷惑行為になってしまう。
 プレゼントで、憎い相手の生首とか贈られたら、普通の人は困る。

 ところで、この肝は虎眼先生が直々に取ってきたのだろうか?
 前回の鯉も虎眼先生が釣りあげてきたのだろう。
 牛股師範が、鯉の存在を知らなかったぐらいだし。
 三重に与えるための熱意は理解できるが、せめて調理して欲しい。焼くとか、煮るとか。
 なるべくなら、切って皿に盛りつけてください。


三重 三重

 たびかさなる心労で、三重さまも奇行に走ってしまうのであった。
 シグルイがゲーム化したら、三重も使用可能キャラになるのだろうか?

 三重も虎眼先生の娘として、剣術を学んでいるのだろう。
 「流れ」も秘密の技なんだし。
 夫や弟子たちの技量が理解できるほうが、なにかと便利だし。


山崎九郎右衛門

 三重を止めるため、山崎九郎右衛門も出陣する。
 たぶんこれが最後の出番だ。
 涼之介を前にしていないせいか、いつもの山崎になっている。
 きれいな山崎九郎右衛門は、もう帰ってこない。

 今回の回想はここまででござる。
 回想と言っても、回想中に回想しているんだけどな。


蔦の市

 虎眼流は、下手人を伊良子清玄と仮定して捜査をはじめる。
 遅いよ、君ら。
 やはり虎眼流は小賢しいことや、料理が苦手なようだ。
 でも、異能を見せつけて相手を精神的に追い込むのは得意だったりする。

 畳を素手でつらぬく異常な音で、盲人を責めるのだった。
 しょせん一般人の蔦の市はビビりまくる。
 いろいろな所からいろいろな液体が流れだす。
 でも、相手をビビらせるだけで、有益な情報を引き出せないのが、虎眼流らしい。
 威圧するのは得意だけど、誰を威圧すればいいのか考えるのが苦手なのだ。


丸子彦兵衛 丸子彦兵衛

 そして、丸子彦兵衛も風呂屋で討たれる。
 無駄にカッコイイ入浴シーンを披露できたのが、不幸中の幸いであろうか。

 牛股師範に次ぐ怪力という異名も、しょせん二番手と言うことでインパクトが弱い。
 8景の宗像のように剣の強さを見せることもなかった。
 丸子は内弟子の中でイチバン目立たない存在だ。
 『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』でいえば、アーダンみたいなポジションにいる。
 がんばって一人クリア目指してくださいって感じだ。

 そんな丸子も風呂場では輝いていた。
 湯の中に内臓の花も咲かせたし。
 ちゃんとした見せ場は無かったけど、これで成仏してください。


裏切りの現場

 伊良子がタイミングよく待ち伏せしていたのは、興津三十郎の手引きだった。
 興津は金で虎眼流を売ったのだ。
 藤木源之助はひそかにあとをつけ、現場を押さえる。

 なんの根拠もなく、興津をつけたとは思えない。
 藤木と牛股師範は興津の動きに不審を感じていたのだろう。
 虎眼流とは思えない推理力だ。

 もしかすると、藤木は生き残った興津の身を案じていたのかもしれない。

 伊良子は常に標的が一人になる瞬間を狙っていた。
 ならば、こっそりとあとをつけることで護衛にもなるし、伊良子を探し出せるかもしれない。
 潜伏する敵は探すよりも、おびき出すほうがたやすいのだ。
 対ゲリラの戦術も、探して追いかけるより、包囲してあぶりだすほうが効果的である。(ゲリラの戦争学指揮官の条件

 藤木としては、護衛のつもりだったが、意外にも裏切りの現場を見てしまったのかもしれない。
 最初から疑っていたにしては、藤木一人で待ち伏せる行動は不用意だ。
 検校屋敷に逃げ込まれたら、手出しできないし。
 偶然、裏切りを見たため、勢いで勝負に出たのだろう。


興津三十郎 興津三十郎 藤木源之助

 興津は虎眼流の未来に絶望していた。
 虎眼先生は曖昧だし、三重の心は壊れている。
 さらに、おとうと弟子には剣術で先をこされ、呼び捨てで名前を呼ばれる始末だ。
 興津の心もまた、壊れているのだろう。

 藤木を不器用と言いつつ、興津の言葉にはあざけりの調子が無い。
 このへんのやりとりは漫画よりも、興津に同情の余地がのこる感じになっている。
 ただ、今回は話を詰め込みすぎたせいで、ちょっとテンポが早い。なにしろ、漫画三話分だ。

 三重の心が壊れたときから、虎眼流の未来が暗くなった。
 二年半前から、虎眼流は衰退しつつある。
 そう考えると、すべて伊良子清玄のもつ魔性の魅力にはじまっている。
 やはり、ヤツの根を焼いておくべきだったか。

 藤木のつかみを盗んだものの、藤木には追いつけなかった。
 腕を切断され、興津は可愛がっていた弟分に殺される。
 勝った藤木にも喜びの表情はない。
 身内で喰いあい、のこる虎は三匹となった。

 岩本虎眼、牛股権左衛門、藤木源之助。
 彼ら三人と伊良子清玄の死闘は、これから本格的にはじまる。
 はじまるのだが、十二回がアニメ版の最終回と確定した。
 アニメ版シグルイも、残り三回である。
 ちょっと中途半端な終わりかたになりそうだ。
 第二期シリーズとか、やるのだろうか?
(更新 07/9/21)
by とら


2007年9月27日
第十景 検校仕置屋敷

 虎眼流の斬殺事件は、内部抗争だった。
 世間にはそういうウワサが流れる。
 虎眼流を倒せるのは虎眼流という認識であれば、とりあえず良し。
 やはり、日頃の行いがアレだから、内輪もめで斬殺しましたと言っても納得してもらえるのだろう。

 しかし、虎眼先生はそれで納得しない。
 内弟子に裏切られたショックは、結構デカかった。
 藤木源之助と牛股師範にも疑いの目を向けている。

折檻中

 師の叱責を受けて、藤木と牛股師範は殴られるのだった。
 いきなりボッコボコにされていて不憫だ。
 さらに牛股師範は液体入りのツボ攻撃まで受ける。

 なんで牛股師範ばかり、かわいがりを受けるのだろうか?
 殴りやすい顔だからかもしれない。
 原作の藤木は美青年と言う設定である。
 きれいなものは汚しにくいのだろう。

 サッカー日本代表がドーハの悲劇で敗れたとき、負傷で試合に出ることの無かった都並敏史選手は一人だけ監督に声をかけられなかった。
 都並選手がつとめるはずだった左サイドバックは、最後まで代役が見つからなかったのだ。
 負傷して試合に出ることのできなかった選手にイチバンの怒りを感じていたのではないかと、都並選手は回想している。(狂気の左サイドバック

 牛股師範もある事情で、虎眼流跡目の候補になることができない。
 虎眼先生の怒りは、そういう部分にも理由がありそうだ。
 なにも、そこまでやらんでもと、歯がゆくて仕方ないのだろう。
 まあ、責任の大部分は虎眼先生自身にもあるんですが。



「へへぇ〜」虎眼先生の笑顔 夕雲

 虎眼流の一向は、今回の黒幕である賤機検校の屋敷によばれる。
 当然、ワナだ。
 いくら虎眼先生がステキ笑顔でご機嫌をとっても通用しない。
 なにしろ、相手は盲目だし。

 検校の刺客は、いすぱにあ(スペイン)流レイピア使いの夕雲であった。
 未知の技術と戦うのは、非常に危険だ。
 総合格闘技ブームの初期にブラジリアン柔術が強かったことは、記憶に新しい。

虎眼先生 vs. 夕雲 虎眼先生 vs. 夕雲

 片手突きを主体とするレイピアの攻撃に、虎眼先生も苦戦気味だ。
 ついでに、検校さまお抱えの剣士だから殺しちゃうと、無作法のそしりを受けてしまう。
 殺していいのなら、とっくに殺しているんだろうな。

 レイピアの片手突きは、リーチも長く素早い攻撃だ。
 一撃離脱でもあり、攻守に優れている。
 一対一の試合でならかなり有効な技法だろう。

 虎眼流は片手で刀を使うことが多い。
 さらに柄の握りにも工夫を加え、より速く、より遠くへの攻撃を狙っている。
 レイピアの攻撃は、虎眼流に近いのだ。
 だから、虎眼先生も初見でありながらレイピアに対応できているのだろう。


戯れなれば当て身にて… 戯れなれば当て身にて… 戯れなれば当て身にて…

 戯れなれば当て身にて…
 殺さないけど必殺の、虎眼コンボである(笑顔ふくむ)。

 虎拳、ヒジ、笑顔と怒涛の攻撃で、普通なら死にます。
 拳はけっこう骨折しやすい部位なので、それ以外で殴ったのだろう。
 刀を手放さずに攻撃できるのもポイントが高い。
 そして、戯れなれば当て身にて…だ。

 四巻感想でも書いたが、「虎拳」は御前試合で立ち合うときに「戯れなれば当て身にて…」と言うために開発したのだろう。
 手加減したというアピールをしつつ、殴る。
 もう、無作法とは呼ばせない。
 合法的な暴力集団・虎眼流の真髄であった。

 とりあえず、緊急の問題を回避した虎眼流であったが、根本的な部分は解決していない。
 おぞましい何かとなった伊良子清玄のねちっこい復讐はまだつづいている。
 伊良子は、まず藤木を倒すと宣言した。
 こうなったら、もう暗殺どころではない。
 虎眼流 vs. 検校の戦いが始まる。


 今回、二輪のエピソードが丸ごとカットされていた。
 たしかに無くても困らない話しだし。
 そして、残りニ話でいっきに第一部完!となる。
 第二部はあるのだろうか?
(更新 07/9/28)
by とら


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