アニメ版シグルイ感想(特別版、第一景〜第五景)

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2007年7月1日
シグルイ特別版 見れる、見れるのだ!

 アニメ版『シグルイ』がついにはじまる。はじまるのだ。
 今回は無料放送での特別版であり、本放送は有料である。
 放送に先だち漫画版の作者である山口先生がシグルイについて語っていた。

山口貴由先生
 原作の小説『駿河城御前試合』の使用許可を得るため、南條範夫先生へ逢いに行った話が面白かった。
 しどろもどろになりながら許可を求めたらしい。
 山口先生すら恐れさせた(?)迫力が、虎眼先生誕生のきっかけとなったのだ。
 どんな対面だったんだろう。

 また、山口先生が"残酷"について語っていた。
 流血や人死にが"残酷"なのではない。
『善なるものが報われない』
『努力した人が報われない』
『そういう世界が残酷だと思う』


 深いッ!
 原作の結末を知っている人なら、泣いて謝りたくなるほど深い意味がある。
 いや、すでに努力している善人が報われていないんですけどね。
 シグルイは、時代劇であるが、現代にも通じるテーマが流れていたのだ。


陰腹 駿河大納言 徳川忠長
 そして、本編がはじまる。
 特別編だからどうかはワカらないが、説明が少ない。
 漫画版だとナレーションが懇切丁寧に解説しているのだが、アニメはあまりしゃべらないのだ。
 鳥居どのが陰腹召していたと、初見の人は理解できるのでしょうか?

 シグルイの見せ場である内臓取り出しのシーンにはモザイクがかかっている。
 最近のアニメだと、DVDで乳首解禁することがあるが、シグルイはDVDで内臓解禁なんでしょうか。
 なお、徳川忠長さまは、原作よりも表情が豊かだ。
 楽しんでおられるッ!


背な 無明逆流れ
 藤木源之助の背中に鬼がやどるッ!
 そして、伊良子清玄の無明逆流れだッ!
 藤木の隻腕を入場時にはじめて見せて、その後に背中の話を回想する演出は話をもりあげる。

 細かい部分で話の省略があるのだが、アニメはどこまで話を進めるのだろう?
 原作が終わっていないから、止める場所が難しい。
 今回は特別編なので、ダイジェスト版という可能性はある。
 とりあえず、7月19日の本放送を待ちたい。
 って、チャンピオンREDの発売日じゃないか。おまけに週刊チャンピオンの発売日でもある。
 三つが重なるというのは、感想サイトにとって厳しいスケジュールだ。


牛股権左衛門
 そして、話は七年前にとぶ。
 まだ、おだやかそうな表情の牛股師範であった。
 登場したてのころは、人が良いだけで無能そうだと思っていたものだ。

 このころは"手心"なんて言っていたんだよな。
 手心なんてものは、このエピソードの後半で牛股師範から消えてしまうのだった。
 それとも、手心は門下生向けの特殊な心情だったのだろうか。


伊達
 例によって伊達(=はで ハンサム 男まえ)の説明がないのだった。
 伊達にして帰すべしと言われても、意味がわからんぞ。
 映像で察してくれと言うことなんだろうか。
 言っている内容はワカらんが、やっている行為はワカった。要するに残酷だ。

 ちなみに、この辺の説明は丸子・山崎・興津・宗像の四人が交互に行っている。
 虎眼流の四重奏で非常に怖い。
 まさに必聴の演技であった。


牛股権左衛門
 源之助は兄弟子のこの笑顔に絶大な信頼を寄せていた。
 にぱー☆
 怒髪天をついているクレーマーも おとなしくなるような百点満点の笑顔である。
 源之助がこの笑顔に絶大な信頼を置くようになったのは、経験則だろうな。
 笑顔の後に毎回スゴいことが起きるのだろう。

 虎眼流道場において、笑顔は危険信号である。
『笑うという行為は本来攻撃的なものであり』
『獣が牙をむく行為が原点である』
  (シグルイ4巻 16景)
 藤木は笑わない男だ。実は、非暴力的な人間なのかもしれない。


山崎九郎右衛門
 山崎九郎右衛門が見てた。

 上でも書きましたが、アニメ版では早いうちから丸子・山崎・興津・宗像の四人が登場している。
 すぐに話のメインには絡まないのだろうけど、たまに顔を出すのだろう。
 そして、ナレーター氏の仕事をうばう。

 なお、山崎さんは今のところ普通の声でした。
 やはり、美少年を見ないと本気になれないんだろうな。
 山崎の見せ場でどれほどの怪演を見ることができるのか、今から楽しみだ。
by とら


2007年7月19日
第一景 駿府城御前試合

 ついにアニメ版シグルイが本格始動となった。
 本放送は先行版よりも少しシーンが増えております。
 小説『駿河城御前試合』を漫画化した『シグルイ』をアニメ化したものが、本作である。
 今回のタイトルになにか違和感があると思ったら『駿河(するが)』が『駿府(すんぷ)』になっているんですね。

 実際のお城は駿府城なので、アニメ版の表記が現実にそくしている。
 もしかすると『駿河城』という表記は「この作品はフィクションです」という作者からのメッセージなのかもしれない。


 駿府城御前試合は駿河大納言 徳川忠長が開催した。
 忠長は征夷大将軍の後継者争いにやぶれ、競争相手だった徳川家光の家臣となった。
 その胸にうずまく不満はいかほどの物であろうか?

 だが、ストレス発散に真剣勝負を組むというのは、いかがなものでござろうか?
 部下は当然いさめるのだが、暗君は聞いちゃくれない。

 真剣をもって殺しあう二人は、隻腕の藤木源之助と盲目・跛足の伊良子清玄であった。
 この二人の因縁は七年前からはじまっている。
 藤木は濃尾無双と称えられた無双虎眼流の師範代であった。
 その虎眼流の道場にやってきた道場破りが伊良子だ。
 すべては七年前の、この日からはじまった。


 先行版はR-15指定では無かったためか、過激なシーンが押さえられている。
 今回の放送では血は赤く、モザイクは晴れ、濡れ場もある。
 たとえば、以下のような状態だ。

陰腹 → 陰腹
 出てる!
 出ちゃっているッ!
 色もついて、うねっているよ。
 これは15歳未満には見せられない。
 そんな感じで出血が赤くなっている。

ぬれ場

 そして、いくさんの濡れ場も少し出てきます。
 暗くてワカりにくいが、乳首も解禁している。
 内臓描写に気を取られがちだが、シグルイはけっこう女性の裸も出てくるのだ。

 なんにせよ、アニメ版は踏みこんだ描写に挑戦しているようだ。
 内臓描写に関しては、思った以上に踏みこみすぎだった。
 ただ、武士社会の残酷さと武士の意地を表現するためには、内臓のつかみ出しは必要な描写なのだ。


 改めて見ると、セリフの少ないアニメであることがわかる。
 体のきしむ音が鳴り、静寂を感じさせる動きが多い。
 絵の構図も人物を中央におかず、陰影を意識する物が多いようだ。
 メリハリを利かせているのだろう。

 ところで、御前試合のあった寛永六年九月二十四日は、グレゴリオ暦でいうと1629年11月9日となる(ちなみに、友引)。
 11月にセミが飛んでいるのは、おかしい気もするが、時空を超えて回想シーンに突入するところなので、季節の誤差ぐらい気にしていられない。
 シグルイでは、セミがたびたび登場する。
 幼虫から生まれかわる存在であり、成虫後は短い命だ。
 道を一歩ふみはずしただけで切腹が待っている武士社会も命は短い。
by とら


2007年7月26日
第二景 涎小豆

 アニメ版は漫画版の時系列を多少いじっている。
 今回の目玉は、なんと言っても濃尾無双の達人・岩本虎眼先生が登場するのだ。
 アニメ第一話を見ただけだと、ただの色ボケ師範に見えたかもしれない。
 だが、この人は本当にスゴい人なのだ。

 虎眼流最大の奥義『流れ星』は、掛川城主 松平隠岐守定勝をして「神妙古今に比類なし」と言わしめた技だ。
 そして、柳生新陰流の柳生宗矩すら虎眼先生を恐れたという。
 なんか虎眼先生は都市伝説みたいな存在だ。
 虎眼先生が大坂城をレイプして生まれたのが江戸城だという伝説も、さがせばあるかもしれない。

 なお、虎眼先生が柳生宗矩をビビらせた文禄4年(1595年)ごろは、まだ豊臣の時代である。
 徳川家康が次に天下を取るかどうかは、ワカらない。
 だが、虎眼先生は正確に時代の先を読んでいる。
 さりげなく頭脳派だったのだ。昔はッ!
 現在はちょっと重度に曖昧だけどな。


伊良子清玄

 話はもどって、虎眼道場の顛末となる。
 牛股師範の猛攻で、伊良子清玄は耳を斬られかけて、泣きそうになっている。
 今回も出血量に容赦や妥協はありません。TVアニメ表現の限界に挑む!
 ちょっと、効果がついて画像が荒くなるのは、限界に近いからだろうか?

 ヘタに道場破りをすると、門弟全員に襲われて殺されることもある。道場は敵地だと言うことを忘れるな。
 引き分けをよそおい、「おぬしは見所があるので、これで修行しなされ」と礼金をもらうのが、道場破りの作法だ。
 という話を小説などで知っていたのだが、『刃牙』の板垣先生はリアルでにたような目にあっている。
 最初は弟子にやらせて相手の実力をはかり、体力を削るのがポイントらしい。
 道場破りは、危険だからちびっ子で無くとも、マネすんな。

 危うく殺されるところだった伊良子だが、なんとか切り抜けて弟子入りを志願する。
 天井の梁にぶら下がった状態で真槍(やり)を持ってこられたのに、どうやって生き延びたのか謎のままだけど。
 上空から5接地転回法で着地しつつ土下座して謝ったのだろうか?


ぬれ場

 牢に閉じこめられた伊良子だが、三重を犯して婿の座ゲットの妄想(ゆめ)をみる。
 かなり丹念に妄想しています。
 体位を変えて念入りに妄想している。

 牢に閉じこめられて、下手すると殺されるような状況だ。
 でも、イチバン熱心に考えることはエロ方面である。
 エロ妄想 > 命の心配
 ―――おそろしく性に貪欲な男だった。
ONE PIECE』のサンジですら子供に見える。伊良子が透明人間になったら、日本は壊滅するぞ。
 烈火のような性欲が伊良子自身を破滅に追いこまねば良いのだが……。

 なお、三百石の岩本家はかなり裕福な家庭だ。
 江戸初期の三百石は、現代感覚だと一億円以上の価値になる。参考
 武士はいざと言うときに、戦闘要員を出さなくてはならない。
 戦闘要員をやしなうために給料を多くもらえるのだ。
 三百石だと、中小企業を経営しているのと同じような感覚なのだろう。


岩本三重

 涎小豆を製作しながら、歯をいじる三重であった。
 伊良子にたいして、なんらかの感情を持ってしまったんだろうか?
 江戸時代の女子は結婚すると眉を剃って、お歯黒をつける。
 輝く歯は未婚の証だ。

 もっとも、現在の風習からかけ離れすぎているので、時代劇でお歯黒を再現することはほとんどない。
 時代考証をマジメにやってお歯黒つけたら、大河ドラマに出演する女優が激減する。


涎小豆

 完成した涎小豆は虎眼先生の手により四つ切にされたッ!
 ただのボケ老人ではない、達人のボケ老人だ。
 濃尾無双・岩本虎眼ここにあり。

 宮本武蔵は小姓のひたいに米粒をつけて、米粒だけを斬ったというエピソードがある。
 当時の剣客たちの間に流行っていた技なのかもしれない。
 曖昧な虎眼先生は、赤い目印をむやみに斬るのだろうか?
 みんなが ひたいに血をつけるのは、「ここの赤はつぶれて広がったから斬らなくてもOKです」の合図かもしれない。
 演習でペイント弾が当たったから戦死あつかいにするようなものだ。

 涎小豆の粘りが足りないと、たれて鼻とかアゴとかが伊達(男前、ハンサム)になってしまうのかも。
 ねばりは重要です。
 説明不足なのも、恐怖心を与えることで虎眼先生の偉大さを知らしめる効果を狙っているのでしょう。
 斬っちゃったときは、虎眼先生が入門を認めなかったと解釈して死体を捨てるんだろうな。

虎眼先生、失禁

 そして、一仕事終えた虎眼先生は尿を解放するのであった。
 TVアニメの基準ってよくワカらんが、失禁に優しくない場合が多い。
 虎眼先生の場合は、質・量ともにハイクオリティーだ。
 とくに色ッ!
 生々しいまでの黄色がスゴい。くつろいでビール飲みながら見るアニメではないのだ。
 居住まいを正し、正座して見よう。
by とら


2007年8月2日
第三景 鎌鼬(かまいたち)

 ニ景のラストシーンから一年がたった。
 虎眼流に入門した伊良子清玄は、メキメキと頭角をあらわし道場での存在感を高めている。
 もともと無口な藤木源之助はますます目立たなくなるのだった。
 大丈夫だ。目立たなくたって主人公をやっていける人間は実在するッ!
 餓狼伝の丹波文七とか。いや、丹波はいくらなんでも出番なさすぎ……

 道場で名を上げるのと同じように、伊良子はナンパ道でも名を上げるのだった。
 行きずりの少女を陥落(おと)して、即ヤる。
 相変わらず、いろいろな体位で責めるのがお好きなようで。


道場での虎眼先生 師弟三人の図

 虎眼先生も曖昧ながら、稽古に参加している。
 参加しているだけで精一杯なご様子だけど。
 でも、虎眼先生がいると緊張感がちがうのだろう。
 なんか、時限爆弾が置いてあるような緊張感だ。
 この稽古で、胆力がつきます。

 虎眼先生の送り迎えは、将来有望な内弟子である藤木と伊良子が行っている。
 こうして見ると、藤木と伊良子は仲がよさそうに見えるんだよな。
 実際のところ、剣のライバルというだけで、友になりうる可能性は高かったと思う。
 変に虎眼流の跡目争いだと、二人を煽るからややこしいコトになったのだ。
 ただ、伊良子に野心があるかぎり、悲劇の道へと どうしても進んでしまう。

 伊良子も伊良子なりに、一流の剣客である虎眼先生を尊敬しつつ恐れているのだろう。
 侮っていたら、首に巻かれた虎眼先生の腕に力が入るところだ。

 ところで、虎眼先生はニトログリセリンなみに丁重に扱わないとマズいのだろう。
 廊下で、うっかり落しちゃったら、家ごと大惨事になります。
 実力のない者に虎眼先生を扱わせる事は、ガソリンをかぶって火事の現場に行くぐらいの危険行為だ。


 そして、虎眼先生は覚醒する!
 長くて半日しか持たぬ覚醒状態であったが、湯をつかうことを優先する虎眼先生であった。
 ダンディズム優先です。
 それとも体に染みついた尿のニオイを洗い流したいだけか?


牛股師範1 牛股師範2 牛股師範3

 虎眼先生は、とりあえず牛股師範を呼びつけ、甘い考えにたいし仕置きをする。
 いきなり ハンパじゃない攻撃がきた。
 なにがキツイって、この状態で返事を求めるのがキツイ。
 しゃべることなんて、できません。

 しかし、虎眼先生はやり慣れているのか、血あぶくの弾けるような音を聞きわけ牛股師範の返答を聞きとるのだった。
 さすが虎眼先生だ。
 モニター越しに見ているぐらいの付合いがちょうどイイけど、シビれて憧れる。

 虎眼先生は、三重の婿(虎眼流の跡目)として、藤木と伊良子を競わせる。
 題目は首取りゲームだッ!
 江戸時代でも、超犯罪である。
 見つかれば良くて切腹クラスの犯罪だ。
 まあ、武士社会はたいがいが切腹で片付くんですけど。

 狙う首は、舟木道場の跡取りである兵馬・数馬の兄弟だ。
 ふたごである彼らなら、藤木と伊良子の実力を計る指標になるというもの。
 実力テストとして、跡取り二人の首をくださいと言うわけにもイカンしなぁ。
 弟子たちは真剣に悩むのであった。

舟木ぬふぅ兄弟 ぬふぅ 舟木ぬふぅ兄弟

 舟木道場の兵馬数馬は、その日も同時に達した。
 角度を変えて、イキ顔をもう一枚見せる。スタッフの本気度が伝わってくるカットだ。
 ニオイたつほど伝わってしまう。

 そして、お聞かせできないのが残念だが、とても爽やかな声だ!
 橘 大典近藤 隆のコンビの声は、テニスの王子様の一シーンといっても通じそうな爽やかさだ。
『ぬふぅ』の、後味も陰にこもることなく、シトラスの香りと共に鼻から頭頂に抜けていきそうな感じさえある。
 ごめん、言いすぎた。

 しかし、ものすごく爽やかにしゃべるので、身も心もピッカピカな感じになってしまう。
 餃子だと思っていたらスイーツだったような意外感だ。
 臭みもほとんど無く、これなら女性でも安心して食べることができます。


虎眼流『流れ』

 そんな舟木兄弟を狩るため、藤木と伊良子がやってくるのだった。
 藤木は虎眼流の必殺剣『流れ』を使用する。
 刀をかついだ状態からの必殺技だ。

 濃尾無双と恐れられる虎眼流が少しずつあきらかになっていく。
 無事に、ぬふぅ兄弟を討ちとった藤木と伊良子である。
 ここでも、両者は並んでしまった。
 二人の意志とは無関係に、どんどん対立が深まって行く。

 次回は、いかなる無残が二人を待ち受けているのか?
(更新 07/8/3)
by とら


2007年8月9日
第四景 童歌(わらべうた)

 闇討ち首取り大会は引き分けに終わった。
 見つかったら、良くて切腹です。
 まあ、証拠がないので訴えようがないのだろう。

 今回は虎眼先生の愛妾・いくについての童歌から話がはじまる。
 いくに関わった人間は斬られて死ぬという。
 虎眼先生なら死ぬ事はないから、安心して妾になっているのだろうか。
 虎眼先生は、殺す側の人間だし。

あ〜かい まえだれ さ〜いた 七丁念仏
 曖昧、三寸斬りゃ死ぬってことかい。腸!
 もってけ! セーラー服風の童歌なら、こんな感じだろうか。
 今回も元気に腸が飛び出すアニメであった。

 とくに、なんの許可も取らずに下男の腹を"七丁念仏"する虎眼先生であった。
 内臓が出ていても、CGなんで放送しても大丈夫です(そうか?)。
 このCGを作った人は、直後の食事になにを食べたんだろうか。

 七丁念仏のエピソードは、あとで意外な真相が判明する。
 8/21発売予定の9巻にのっていると思われる47景であきらかになるのだが……。
 やっぱり、伏線が感じられないな。

虎子の間

 そして、内弟子たち五人は六畳一間に同居しているのだった。
 伊良子もたぶん内弟子だろうから、いっしょに寝泊りしていそうだけど。
 いまだに座敷牢で暮らしていたりして。
 伊良子を野放しにしていると、家の下女を孕ましてしまう可能性が高いし。

 そして、一億円以上の収入がありながら、紙を買ってもらえない藤木が不憫だ。
 マジメに努力しても、評価されるとは限らない。報われない事だってある。
 世界は残酷だ。

牛股師範

 牛股師範も虎眼先生に誠心誠意つくしているのに、こんな口にされちゃった。
 本当に報われない人だよな。
 後継者候補に、名前があがりもしないし。
 牛股師範の謎はやっぱり9巻(45景)であきらかになる。

 しかし、牛股師範の粘着質な警戒心はどこから来ているのだろうか?
 いくに対して、歪んだ愛情を抱いていそうだ。
 伊良子の脳内では、牛股師範なんて楽勝らしい。
 まあ、妄想するのは自由ですから。
 伊良子の腕は確かだが、全国のネコ好きを敵に回したのは間違いない。

藤木源之助

 今回は内臓が飛び出しまくる。
 だが、もっとも残酷なシーンはここだ。
 特別版で山口先生が語っていた残酷がここにある。
『善なるものが報われない』『努力した人が報われない』『そういう世界が残酷だと思う』

 純粋な好意や、努力が報われない。
 三重もつらいだろうけど、藤木もつらいのだ。それこそ鼻血が出るぐらいつらい。
 性交直前シーンで鼻血だすから、誤解されるかもしれないけど、つらいのだ。
 鼻血は出ているけど、興奮していません。

 ただ、努力という後天的なモノより、素質という先天的なモノを遺伝したほうがイイという理屈はワカる。
 虎眼先生はそのへんの見極めを間違ってはいない。
 ただ、人間の性質ももうちょっと考慮したほうが良かったのではなかろうか。
 伊良子が野球選手だったら、イチローの年俸10億円を目指したりするんだろうな。

藤木の新手

 報われず鼻血や鼻水を出す藤木だったが、剣は見放していなかった。
 極限状態で偶然生まれた新手だ。
 日々の研鑽がこのつかみを生みだした。

 ちなみに、藤木は脇差(短いほうの刀)を使用している。
 虎眼流は片手で刀をにぎるコトが多い。また、脇差を多用する流派なのだ。
 宮本武蔵に通じるものがあるかもしれない。
 刀を抜くとき、刀身が短いと速く抜くことができる。
 ゆえに、虎眼流は抜き打ちのさいに脇差を多用するのだ。

 ただ、脇差だと長さが足りない。
 足りない分を補うために、深く踏み込んだりする。
 または、刀のつかみ方を変えるのも方法の一つだ。
 虎眼流は、つかみに工夫を加えてリーチをかせいでいる。

 藤木がもうちょっと早く新手を生み出していれば……
 せっかくの喜びも、すこし曇ってしまう。
 一度、落として絶望を味あわせ、ちょっと持ち上げて、さらに落す。
 なんか、より深くダメージを与えるために、小さな幸せを与えているような気もするんですけど。
(更新 07/8/10)
by とら


2007年8月23日
第五景 秘剣伝授(ひけんでんじゅ)

 勝った第三部完!
 というコトで、虎眼家の種馬に指定された伊良子清玄は大喜びだった。
 勝者の余裕もあって、自主トレなんかもやっちゃう。
 さりげなく、鍛錬している姿を三重に見せつけて好感度UP↑↑だ。
 みんな見えないところで自主トレやっているんだけどな。

藤木斬り

 ちなみに、今日の伊良子は藤木を斬り殺すイメージトレーニングだ。
 勝者の余裕で、敗者を徹底的にこきおろします。
 さすがに、こういうイメージトレーニングは不毛なのでは……。
 勝ったと思っている今でも、仮想的は藤木なのか。

 自分にとって都合のいい妄想を描きがちなところが、伊良子の欠点だ。
 オマケに、妄想を強く描くうちに、妄想を真実だと思いはじめる。
 この性格がめぐりめぐって駿河城御前試合につながるのであった。
 迷惑なことです。


放浪する藤木

 一方、婿勝負に敗れた藤木源之助はまだ放浪していたらしい。
 黄昏すぎちゃって、松の木か藤木なのか判別つかなくなっている。
 右から二番目の黒いヤツが藤木で、、残りは松だ。
 アニメのシグルイは、こういう空間を広く取るカットを多用している。

 なんでも藤木は家に帰っていないらしい。虎子の間にいる仲間たちも藤木を心配している。
 誰がどう見ても、失恋直後だ。そりゃ、ショック受けるさ。
 失恋した若者である。見て見ぬふりをする情が虎眼流剣士たちにも存在した。

 ちなみに、藤木のいる道は、前回刺客を斬殺した場所だ。
 一晩中歩き回って町内を一周したのか?
 犯人は現場にもどるって、本当だったらしい。

 藤木に斬られた刺客・信楽伊右衛門(しがらき いえもん)の死体はないが、温石(おんじゃく)は残っていた。
 死体はどこに消えたのだろうか?
 虎眼流の誰かが気をきかせて始末したのかもしれない。
 もちろん、犯人は虎眼先生だと誤解して片付けたのだろう。
 よくあるんだろうな、こういうコトが。


密会する伊良子といく

 そのころ、伊良子といくは密会をしていた。
 いくが、伊良子に捨てないでと懇願するシーンは原作にあって漫画版にはない。
 漫画だと、いくに対する伊良子の気持ちは、ただの性欲でしかなかったようにも見える。
 伊良子にとっても、いくにとっても不幸な関係だった。

 アニメ版は原作のシーンを加えることで、悪いとわかっているけど離れがたい二人を演出しているようだ。
 それでも、不義密通は手討ちモノなんだろうけど。


藤木 特訓中

 伊良子が宿屋に泊まって、店のオヤジに「昨晩はお楽しみでしたね」と言われていた頃、藤木は修行中だった。
 偶然が生みだした新手を必然にかえる。
 次は偶然ではなく、己が意志で扱えるようにするのだ。
 上手くいったときの感覚を忘れないうちに復習する。上達の基本です。

 そして、藤木は仏像を斬り捨てることで、新技を完璧に我が物とするのだった。
 仏に逢っては仏を斬り状態である。
 なんか、虎眼流の人たちは仏像を斬る趣味があるようだ。
 迷惑な趣味だな。

 なお、この特訓シーンもアニメのオリジナルである。
 今回はオリジナル要素が多い。


伊良子誕生秘話1 伊良子誕生秘話2

 そして、伊良子誕生秘話だ。
『生まれたその日に四足で這い歩いた 獣の子がそうであるように』
 生まれていきなり、母親の腹にのぼろうとする。
 なんか、描写がホラーなんですけど。

 出産シーンが今回最大のグロ映像だったかもしれない。
 へその緒も内臓です。


クモ

 虎眼先生にまさぐられるのを、クモにたとえる漫画の手法は非常に上手いと思う。
 グレート巽の超握力を、指が蛇になっていると描写した餓狼伝に匹敵する手法だ。

 曖昧になっていても、濃尾無双はダテじゃない。
 殺気を感じ取って、虎眼先生は覚醒する。
 クモのようにまさぐっていたのも、獲物をアミに絡め取るという暗喩だったのかもしれない。


乳首落とし

 そして、今回も無残だ!
 指にて、いくの乳首をもぎ取った。
 なにしろ『三尺七寸の太刀を神速にて操る』力がありますから、素手でも十分強い。
 つうか、太刀長いな。だいたい112cmですよ。

 Wikipediaの記述によれば佐々木小次郎の長刀で有名な「物干竿」が三尺三寸(約99.99cm)である。
 虎眼先生の愛刀はmさらに四寸長い。
 今までうっかり見落としていたが、虎眼先生の偉大さを改めて知った。
 なお、刀の常寸(一般的なサイズ)は二尺三寸(約70cm)である。
 虎眼先生の異常っぷりが良くわかるサイズだ。


 弟子と愛妾の不義をしった虎眼先生は大激怒する。
 合戦の準備までするほどの怒りだ。
 方向性がイマイチよくわからんが、迫力があるのでスゴい怒りだとわかる。
 そして、秘剣伝授をエサに伊良子清玄を呼びつけるのであった。

 手のこんだ仕置きっぷりが、虎眼先生のただならぬ精神状態を表している。
 私なら栗を買わせたあたりで、面倒になって、もっと簡単にお仕置きすると思う。
 海よりも深く、靴底についたガムよりもねちっこい復讐心だ。
 伊良子にちょっとだけ、同情した。

 次回、壮絶な仕置きがはじまる……
(更新 07/8/24)
by とら


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