今週の『真・餓狼伝』感想(41〜50)

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2014年1月30日(9号)
第四十一話 / 息子よ

 丹波文吉と黒岡京太郎の戦いも決着寸前だ。
 ずいぶん前から煮詰まっていた感じなんだけど、そろそろ決着か?

 文吉が父・久右衛門と二人がかりで京太郎をほめ殺している。
 闘って肉体を破壊するだけが勝利ではない。
 精神を折るのも勝利である。
 丹水流話術、恐るべし。

 文吉たちは、京太郎の剣術が父の喜八そっくりだとおだて上げる。
 そんなにホメられたら、京太郎 泣いちゃう。
 すっかり闘志の牙を抜かれてしまったようだ。

 さらに喜八と戦ったことのある太浦警視総監も、喜八の生き写しみたいだと言いだす。
 なんと、三人がかりかよ。
 京太郎は完全に戦意喪失の丸はだか状態だ。

 防具なしで木剣を使用した死合だった。
 本格的に死にそうになる前に、止めたいと言うのが太浦の考えなのかもしれない。
 やっぱ、死人が出たら責任問題だし、気持ちのいいもんじゃないしな。
 ちょっとイイこと言って試合を止めてしまおうと考えているのかも。
 太浦さん、ダテに警視総監まで登りつめていない。ヤリ手だッ!

「剣に代わって西洋の銃が台頭している」
「この時代…」
「廃刀令により」
「剣の携帯も許されぬ」
「この時代…」
「もやは剣術など」
「無用の長物だ」


 闘う気分じゃなくなった京太郎だが、剣術が時代遅れになっている現実はかわらない。
 気の毒なのは確かなのだが、剣が銃にとって代わられた現象って戦国時代に通過ずみだぞ。
 剣術がさかんになったのは江戸時代で、竹刀と防具によるスポーツ化のお陰でもある。
 京太郎も殺人剣を引退して、護身術とかスポーツ化したらどうだろう。

 最大の問題は収入なんだろうけど。
 って、京太郎は父がいないのに生活に不自由していないっぽい。
 わりと財産があるんだろうか。
 江戸も末期になると武士の生活も苦しくなって、たくわえ無さそうなんだが。

 ああ見えて、喜八は上級武士だったのかも。
 それとも商才があったとか?

「剣術を無くしちゃダメだ」

 今にも引退しそうな京太郎だったが、紀州丹水流の道場生たちが続投を懇願する。
 強く派手で繊細な、黒岡の剣がみんなを魅了していたのだ。
 文吉との試合が最高のデモンストレーションになっていた。
 計算していたとは思えないが結果的に京太郎を救ったことになる。

 黒岡一族が鍛え受け継いできた剣術を、京太郎も父・喜八から引き継いでいた。
 虎は死して皮を留め、人は死して名を残す。
 そして、戦士は死して技を残す。ってところだ。

「………俺はもう」
「過去とは戦わん」


 ついに京太郎が暗い呪縛から解放され、未来に進むことを決めた!
 試合はウヤムヤになったけど、勝負じゃ文吉の勝ちですかね。
 力で相手を屈服させるのではなく、心を折る。
 いや、折るのともチョット違う。

 平成の世が舞台の『餓狼伝』や『獅子の門』では、闘って友達になるケースが多い。
 すべてをぶつけあった二人は、深く理解しあえる。
 文吉と京太郎も全力でぶつかり、互いを理解できた。
 そして、文吉はドン詰まりの京太郎を未来に引っぱり上げた。
 就職先まで見つけてあげたようなモンだし。

 合気道の達人・塩田剛三は、敵を倒すのではなく友達になることが最強の護身(大意)と言っていた。
 文吉は牙をもてあましていた餓狼と友達になり、手なずけ、飢えを満たしてやったのだ。
 武道家として偉業を達成した感じだぞ。

 文吉は、闇のなかにいた京太郎を明るい場所に引っ張り出した。
 だが、そんな文吉が数年後は講道館柔道を闇討ちするようになる。
 なぜ文吉は暗黒面に転落したのだろうか。
 そのナゾが解明されるハズの回想だったと思っていたのだが……
 次回から、丹波文吉の新たな回想が始まるのかッ!?


2014年2月6日(10号)
第四十二話 / 誓い

 出会いがあれば、別離(わか)れもある。
 丹波文吉と黒岡京太郎は、出会い、闘い、理解しあえた。
 短い期間だったが、濃密なまじわりをした二人は長年の友のようになっている。

 文吉は学校で孤立していた。
 その後は父・久右衛門と二人だけで修行している。
 友達の少ない人生だ。
 やっと同年代の友ができた。
 でも、お別れです。

 東京にいく太浦警視総監は京太郎を連れいていく。
 いまの京太郎なら紀州に残していても、みんなに認められて育ちそうだ。
 でも、やっぱり責任をもって自分が育てるってことなのか。
 太浦のところで生活すれば肉もたっぷり食えそうだし、もしかしたら大きくなれるかも。
 小兵のハンデに苦しんでいた黒岡一族が身長を手にいれたら、最強だ!

 もはや言葉を交わさずとも通じあってしまっている文吉と京太郎であった。
 だが、それはそれとして京太郎の父・喜八の剣を踏み折った件をわびなきゃイケない。
 文吉のとった責任とはッ!

「詫の印に金輪際甘い物」
「食わね――ゼ」


 ッ!
 好物の甘い物を断つ!
 この壮絶な決意にみんな大爆笑する。
 たしかにガキっぽい決意だけど、文吉が下戸だったら人生に大打撃だぞ

 こうして文吉と京太郎はわかれていく。
 京太郎は東京で警官を目指すらしい。
 のちに文吉が講道館柔道を狙って闇討ちするようになる。
 警官になった京太郎が、犯人見つけて刀でブッた斬ってみたら、文吉だったなんてオチはないよね。

「喜八は」
「誇り高き武人じゃった…
 おそらくは死を選んでまでも…」
「京太郎君に強き侍の姿以外を見せたく無かったのじゃろう…」


 久右衛門は喜八切腹の理由をこう考えた。
 ずっとナゾのままだった喜八が自害した理由が判明したぞ!
 久右衛門の推測だけど、親友の言うコトだから大きく外れていないだろう。

 しかし、喜八はもうちょっと説明してから切腹してほしかった。
 タダでさえ切腹と言う衝撃が大きいのに、さらに大きな疑問まで置いていくなんて。
 武士はなりと投げっぱなしですね。
 それとも急な病気とかで、いきなり衰えていたのかもしれない。

『皮肉にも…この時 丹波久右衛門の身に喜八と同じく…』
『"死"の選択が近づいて…いた!!』


 って、久右衛門に死かよ!
 やっと本題に入ったな。
 ながい遠回りの回想だったが、ついに久右衛門の死に関する謎があきらかになりそうだ。
 もう、これ以上の寄り道はしないよね?

 久右衛門はいまさら体面を保つ必要もない。
 自分から戦うようなこともないだろう。
 死ぬ要素があまり思いあたらないのだが……

 文吉は講道館の嘉納治五郎をうらんでいた。
 うらむだけの問題がこれから起きるのだろう。
 文吉は京太郎の闇を闘うことで吹き飛ばした。
 だが、自分自身の闇を消すコトはできなかったようだ。
 純粋な格闘技好きの少年が、闘争に餓えた狼と化す瞬間が迫っている!ッ


2014年2月13日(11号)
第四十三話 / 二人の想い

 丹波文吉と黒岡京太郎の素手と木剣の長かった死闘もついに終わった。
 長かった。
 ほんとうに長かった。
 とにかく終わったのだ。長かったけど。

 丹波親子は紀州から東北の自宅へ帰る。
 文吉は、丹水流の交流会に参加するつもりだ。
 各地の丹水流が代表者を出し最強者を決める。それが交流会だ。

 丹水流って、けっこう全国に広がっているんですね。
 油断していたらシベリア丹水流とか出てくるかもしれない。
 武術にとって門下生の数は難しい問題だ。
 多くの人間に学んでもらい、勢力を拡大したい。
 だが、多くの人に知られると研究されて弱点も知られる。

 江戸時代に各藩が御留流として、武術の秘密を守ろうとしたのも弱点を隠すためだ。
 なので、全国各地に丹水流が分派しているのは、けっこう異常なことである。
 これは丹水流の成立や技術体系などに関わるコトなのだろうか?

 丹波久右衛門は本家の人間なので、なんか知っているハズだ。
 だが、秘密があるそぶりすら見せない。
 当事者だから自分の流派の歴史はあたりまえで、べつに触れることもないんだろうけど。
 文吉は強いけど、まだ元服前の十五歳だし、まだ秘密を教えていないのかもしれない。
 ナゾがあるのかどうかすら、ナゾの状態である。

『数か月の後 丹波親子は』
『丹水流交流会の当日を迎えた』

『決勝戦の相手は当交流会の大本命と目されし男 "千切り締め"の杉村真澄』
百進百退の攻防の末――――――――』
『今 丹水流交流会を丹波文吉が制したのである』


 早ッ!
 京太郎との試合を長くやっていた反動なのか、回想で流しやがった!
 たしかに交流会はあまり重要じゃないのかもしれない。
 話の本筋は、丹波久右衛門と嘉納治五郎の因縁だ。
 そろそろ本題にもどるべき時かもしれない。

 京太郎は一見関係なさそうだけど、文吉と同年代の友であり兄弟弟子という縁ふかき相手である。
 第一話の表紙にも出ているっぽいし、京太郎は文吉にとっての重要人物だ。
 いつか文吉が苦しみ抜け出せなくなったとき、助けに来てくれるかもしれない。
 警官になる予定だから、助けるよりも取り締まる側になる可能性高いですが。
 身内だから、よけいにキビしくいくぞ!

 とりあえず、丹水流本家が優勝して、復活をアピールした。
 丹波文吉は当面の目標を達成したといえる。
 すると、次にすることはなんだろうか?
 他流との交流か?

 だが、事件は向こうからやってくる。
 交流会が終わり、帰宅した丹波親子に迫る影があった。

『その晩』
『闇よりも深き漆黒を纏いし人影が…』
『丹波家へと接近(ちか)づいていた』


 黒いフードをかぶりドクロの面をつけた人影が、5人以上いる!
 なんだ、この中二病まるだしの連中はッ!?
 いきなり雰囲気が あやしくなってきた。
 超・柔術で能力バトルになったりするのか?

 いきなり世界観を破壊するような刺客がやってきた。
 まさか普通に玄関から入って、弟子にしてくださいと土下座したりしないだろう。
 黒だから夜に目立たない格好のつもりだろうか。だが、間違いなく変態です! と主張している衣装だ。
 白い服を着ているよりも、キケン度が高い。
 彼らの本気度がワカる。なにに本気なのかワカらんが、正気を疑うレベルの本気だ。

 武術家の家はいつ襲われてもいいように要塞化している、かもしれない。
 丹波親子は黒衣のドクロ集団をしりぞけるコトができるのか?
 そして、無事に世界観を守る事ができるのか?
 緊迫の次回につづくのだった。


 前にも書いたが、小説餓狼伝に登場するナゾの古流柔術・スクネ流にはタンスイという技(または毒物)がある。
 それが丹水流とかかわりがあるのかもしれない。
 自体は、硫化水銀や薬の総称だ。
 タンスイとは、いかにも毒物っぽい名前である。

 鉱物の採掘には土地を探さないといけない。
 全国各地を巡り有望な土地を探す山師を、政府が派遣していたことだろう。
 各地を回るのだから、ついでに情報収集もしたはずだ。
 実際に旅をする商人や僧などはスパイの役割も果たしている。

 そうなると身の危険も増えるので、独自に護身術を編み出したかも。
 こうして日本の各地に丹水流を名乗る武術家が増える。
 そんな妄想が広がる。
 スクネ流は天皇の護衛であり、暗殺者でもあった。
 そんなスクネ流の出先機関として各地に散らばるタンスイ流があるのかもしれない。

 丹水流に誕生した稀代の天才・丹波文吉を真の本家であるスクネ流が狙っているのかも。
 餓狼伝では、嘉納治五郎がスクネ流の秘伝書を持っていたことになっている。
 秘伝書といえば、久右衛門が数多くの本を書いているのだが……

 ついに、餓狼伝から始まるナゾの武術が明らかになっていくのだろうか?
 なぞ、この物語が、"真"餓狼伝なのか?
 すべての謎が明らかになるかもしれない。
 たぶん、ずいぶん後になってからだろうけど。


2014年2月20日(12号)
第四十四話 / 闇の伝言

 丹波文吉は丹水流の交流会で優勝し、本家復活を見せつけた。
 だが、喜びに浸る間もなく、不気味な影が丹波親子に忍び寄る。
 ドクロの顔をした黒衣の者だッ!

 いきなりトンでもない中二病っぽさが炸裂する。
 この格好で家から出たんだろうか?
 それとも外で着替えたのかもしれない。
 どちらにしても、ご近所さんには見られたくない姿だ。
 隠密行動だからね!

 三体の影が久右衛門の寝室に忍びこむ。
 ヤバい、久右衛門が襲われる!
 エッチな拷問されちゃう!
 と、思ったがそんなコト無かった。

 ドクロは見間違えで、黒衣の爺さんだ。
 う〜む、しなびた感じがドクロってことなのか?
 身にまとったただならぬ気配がダークな感じでドクロっぽくて最強に見えるのかも。
 こんなんでも家に帰ると孫に甘いお祖父ちゃんだったりするのだろうか。

「丹水流水鵺… 「証(しょう)」の言伝に参上した」

 丹水流本家である久右衛門すらウワサ程度にしか知らなかった"水鵺"だ!
 ぬえは妖怪だが、水がつくとは面妖な。
 丹"水"流だけに、水が重要なんだろうか。
 とにかく、名前からしても中二病っぽさがスパークしている。

 丹水流では80年に一度「その時節で"最強"と謳われる流派・人物に」門下最強の刺客を送りこみ倒す習慣がある。
 なんて迷惑な習慣をもっているんだ。
 ひそやかな死闘なので世間的な知名度はない。
 一部の武芸者などに丹水流が最強とおそれられているのは、この勝負"証"があるからだ。

「陰水の流れ止め得ぬ八十年 餓鬼を見下ろす冷月に似て
 日の当たる表舞台に出ること無く丹水流は世の武芸者衆へと睨みをきかせ続けてきた」


 前半ナニ言ってるのかワカらんが、とにかく丹水流最強ってコトらしい。
 で、今年が八十年目なので"証"を実行する。
 選ばれたのは交流戦で優勝した丹波文吉だッ!

 "証"に負けたら死ね!
 逃げたら一族ごと殺す!
 なんかキッツイ使命がきちゃった。
 すぐに殺すとか死ねと言うのは、やっぱ中二病だぞ。
 丹波文吉、十五歳にして死寸前の大ピンチだ。
 次回につづく。


 水鵺…ですか。
 ナゾの組織内組織が出てきた。
 陰水とか言っていますが、とことん陰属性をつらぬいているようだ。
 陰ってことは、陽もあるハズなんだが……
 そっちが表の組織なんだろうか。

 で、ぬえだよ。
 合成生物、つまりキマイラだ。
 まさか、『キマイラ・吼』と関連はしないと思うけど……
 餓狼伝世界とキマイラ世界は、気の運用などの武術法則がちがう世界だから混ざらないと思うんだけど。

 逆に混ざっちゃったら、『陰陽師』とも混ざりそうだ。
 陰陽師の陰で武をふるっていたのが丹水流だったりして。
 で、武の陽として世間に姿を見せていたのがスクネ流とか?
 妄想が膨らみすぎて収集がつかなくなるな。

 とにかく、80年に一度の殺戮の宴だ。
 80年に一度ってのは周期長いな。
 前回に参加した人なんて生きていないだろう。
 12年に一度ぐらいにしておけば、知識の継承もできるだろうに。

 だいたい、80年に一度って周期がわからん。
 日本の暦だと60年で一周期なんだが、なぜに80年だ?
 でも、たぶんなんかの理由があるんだろうな。
 80年周期のせいで、本人たちも知らないかもしれないが。

 "証"の案内人・水鵺は、みな年寄りだ。
 さすがに80年も生きていないだろうが、前世代の水鵺とは会っているかもしれない。
 年寄りばかりだから、うまくすれば全員倒せそうな気もするんだけど。
 やっぱ、体力があふれている現役世代もいれないと組織が腐るよ。

 とにかく、今回のターゲットが気になる。
 現在、もっとも勢いのある流派は講道館柔道だろう。
 丹波文吉が講道館への刺客となるのか?
 そして、久右衛門は文吉を死なせないための行動を取りそうな予感がする。
 真・餓狼伝のクライマックスが近い!


2014年2月27日(13号)
第四十五話 / 懇願

 丹水流を最強たらしめているのは、当代最強者を倒す"証(しょう)"を80年に1度おこなっているからだ。
 今回の証を行うのはわずか15歳の丹波文吉である。
 なお、証に失敗したら殺されるらしい。
 まことに迷惑な伝統だ。

 文吉の父・久右衛門は、息子をそんな危険な目にあわせるわけにいかないと大反対だ。
 しかし、証の運営をする水鵺のジイさんたちは掟だからダメだと譲らない。
 もう明治になって日本の武術も衰退しはじめている。
 武術の最強を誇っている場合じゃない気もするんだけど。

 もっともそう言うコトがワカるのは、後の歴史を知っている身だからだ。
 この時代の日本で問題に気がついているのは講道館柔道の嘉納治五郎ぐらいだろう。
 水鵺の老人たちは時代の変化を考えずに、ひたすら掟を守ろうとしているようだ。

 世の武士たちは収入が無くなってしまい、誇りとか掟どころじゃなくなる。
 老人たちは、いまさら働かなくてもイイので武に没頭できているのかもしれない。
 というか、普段はなにをやっているんだろう。
 世捨て人のように定職につかず暗殺武術を極める日々なのかも。
 中二病をこじらせたまま老人になっちゃったような人生なんだろうか。

 水鵺たちも文吉が若すぎるのが不安らしい。
 なので、闘って試す!
 水鵺の一人が文吉に襲いかかる。

 この老人は左目から耳にかけて大きなアザがあった。
 いや、アザではない。
 左耳が無く、穴だけが残っている。
 耳を引きちぎられ、皮膚も一緒にちぎれて、現在のアザ状になったのかもしれない。
 かなり異常な戦いをしたんだろうな。

 水鵺の老人たちは瞬間移動のような動きをする。
 いきなり背後にいたり、軽やかに攻撃をかわす。
 これは水鵺の秘奥義だろうか?
 スクネ流の動きに似ているのかもしれない。

 片耳の老人は文吉の腕をとって投げる。
 倒れた文吉の顔面を踏んだ。踏む、踏む!
 たちまち文吉の顔が血だらけになる。
 文吉が弱ったところで腕の関節を狙いにいく。

 投げて、打って、極める。
 格闘要素を総合的に使いまくって闘っているな。
 片耳老人は文句なしに強い。
 もしかして、前回"証"の実行者だろうか。
 って、前回20歳で参加していたら、いま100歳だよな。そりゃ無いか。

 ヘタしたら文吉の命は今宵かぎりだ。
 殺されない程度に善戦して、骨折ぐらいすれば許してもらえそうな気もするんだけど。
 なんか久右衛門さんを人質に取られて死ぬ気で闘わされそうだ。
 ジイさんたち、こんなに強いんだから自分たちで証をやればいいのに。

 回想前の状態から察するに、丹波親子の悲劇は不可避である。
 もう、あとはスゴい悲劇か、ほどほどの悲劇か選ぶぐらいの自由しかない。
 せめて水鵺秘伝の技とか教えてほしいものだ。

 あと、文吉が証を実行するなら、やっぱ黒装束を着てドクロの雰囲気を演出するんだろうか?
 15歳だけに、中二病感がツボに入って病みつきになってしまうかも。
 恐怖の記憶は精子を通じて遺伝すると言う報告もある。
 以後、丹波文吉の遺伝子には"闇討ち大好き"の要素が刻まれてしまったりして。


2014年3月6日(14号)
第四十六話 / 証頂者

 15歳にして柔術丹水流の頂点にたった丹波文吉に、はじめての闇討ち指令がおりた。
 失敗したら死ね!
 逃げたら、殺す!
 もう、ムチャクチャですな。
 でも、明治の武術ってのはこんなもんなのかも。

 文吉は若すぎるので実力を試すと言うのが今宵の主旨だ。
 試して弱かったら、死んでしまえ!
 水鵺の人たちは、こんなんばっかりだ。

 寝技で腕の関節を極められそうになった文吉は、回転して脱出する。
 上手い!
 柔道の寝技攻防みたいな動きだ。
 古流柔術もこういった動きをしていたんだろうか。

 ちなみに丹水流の道場はタタミではなく板張りだ。
 タタミは安全性を考慮して柔道が採用したらしい。
 古流はダメージの高い板張りだ。
 転がると痛いだろうな。
 丹水流は、砂利道の路上でも転がれるような特訓をしているのかもしれない。

 両者は立ちあがる。
 文吉は襟をとるが、老人に手首をつかまれて投げられてしまう。
 このパターンで二度投げられる。

「貴様……」
「本当に証頂者か」

「ご教授ありがとよジーチャン」
「お陰でよーく分かったぜ」


 他のヤツが言うと、本当にワカってんのかよと不安になるところだが、文吉だと安心できる。
 なぜなら、理論派の父・久右衛門が教えているから。
 気合とかポエムなどの精神論でなく、理合で闘えるのだ。

 文吉は老人の手首をつかむ!
 老人が手首をつかみ返す。
 文吉がさらにつかみ返して、老人がさらにさらにつかむ。
 繰り返される手首取りの連鎖だ。なに、やってんだろ……
 四本の腕が"井"型に絡みあう。

 この状態で文吉は投げられる。
 だが、宙で体を返し着地して、投げ返す。
 文吉が理合(システム)をつかんだ!

 水鵺の技は、手首をとって関節を極めることで相手を崩す技術体系のようだ。
 文吉は相手の技術を理解して、コピーした。
 基礎ができているから、応用もきく。
 応用の仕方がわかれば、すぐに実践できるのだろう。

 あきあがった老人は、あせりながら丹波の手首をとる。
 今度の丹波は襟をとって頭突きだ。
 前回でやっていた、打撃をいれて相手を弱らせて極めるだな。
 丹波文吉は理論的なコピー能力者だ。

 久右衛門がかけつけたとき、文吉は水鵺の二人を倒していた。
 たおされた二人の水鵺――――猫目と梟は文吉の実力を認める。
 丹波文吉が15歳にして証頂者に決定した瞬間であった。

「……一つだけ」
「代役を立てる道がある」


 それは丹波文吉よりも強い人間を連れてくることだ。
 証が行われる一ヵ月後までに文吉よりも強い人間を用意しなくちゃならない。
 かなり強くなってしまった文吉より強い人間を用意できるのだろうか?
 難易度の高いクエストを依頼されてしまった。

 最近、才能が開花しはじめた父・久右衛門が丹水流の秘薬でドーピングして一時的に文吉より強くなるとか、どうだろう。
 というか、のちの文吉発言を考えるに久右衛門が身代わりになって死んだような感じがある。
 この過酷な運命もすでに回想シーンだ。

 丹波親子は、不幸が確定している未来にむかって進むしかない。
 それとも、最悪を回避できる秘策があるのか?
 文吉とドーピングした久右衛門が協力して、黒岡京太郎も呼んできて、水鵺を全滅させるとか、どうだ?


2014年3月13日(15号)
第四十七話 / 父の覚悟

 丹水流を最強たらしめているのは"証(しょう)"と呼ばれる、他流派への挑戦にあった。
 早い話、強い流派を闇討ちで倒してビビらせるのだ。
 餓狼伝は闇討ち大好きな男たちの物語である。
 歴史は闇討ちで動く。
 きっと本能寺の変も、明智光秀が闇討ちしたいだけだったんだ。
 誰でも良かったと供述していそう。

 今回、証を行うのは、15歳の丹波文吉だ。
 失敗したら死をもって償うのが"証"のオキテである。
 過激な制裁だが、証拠隠滅って意味もあるんだろうな。
 悪いことをしているという自覚がありまくりだ。

 早熟の天才である文吉は丹水流の交流会で最強者となった。
 だが、実戦はなにが起きるかワカらない。
 とくに経験不足の文吉は実力を発揮できず敗北する可能性も考えられる。
 若すぎる文吉を心配して、父・久右衛門が動く!

「私 丹波久右衛門が」
「「証」の任への挑戦を望みます」


 オヤジが文吉を倒して、身代わりになる気だッ!
 けっきょく、これしか方法がないんだよな。
 いや、みんなで協力して"証"の運営をしている水鵺を壊滅させる方法もあると思うのだが。

 でも、"証"を否定するのは、丹水流を否定するようなものだ。
 文吉の安全をとるのか、丹水流の破滅をとるのか?
 どっちもイヤな二択を迫られ、久右衛門は自分がすべてを受けきると言う第三の選択をした。

 今日は"証"の出陣日だ。
 急な申し出だが、水鵺の代表者っぽい「御語様」は挑戦を許可する。
 なんで水鵺の人は、揃いもそろって不気味な容貌をしているんだろう。
 非合法的な活動をして、ドクロ的雰囲気をまとっていると、素顔も不気味になるんだろうか?
 文吉も闇討ちばかりやっていると、人相が悪くなってしまうぞ。
 丹波文吉なんて闇討ちしている内に、影が薄くなったし。
 ……あまり関係ないか。

 さて、文吉は「奉納試合」とダマされて道場にやってくる。
 でも、武才のないオヤジとは闘えませんと上から目線だ。
 そんなダラけた文吉に久右衛門・見開きパンチだッ!
 油断しているところに不意討ちかよ。
 オヤジ殿は、文吉を無事にすませるためなら、文吉をフルボッコにする覚悟だ!(ん?

 殴られた文吉の左目の下が裂傷(きれ)た。
 文吉の顔にあった傷はこのときにできたモノだったのか!
 徐々に伏線がつながっていく。

 父・久右衛門の思いを知らぬまま、文吉は「奉納試合」をはじめようとしている。
 才能は圧倒的に文吉がうえだ。
 だが、勝負に対する覚悟がちがいすぎる。
 久右衛門は、文吉を守るためなら文吉の両目をエグることもためらわないだろう。(あれ?

 戦いは最上のコミュニケーションというのは範馬勇次郎の言葉だ。
 文吉は戦いのなかで久右衛門の思いに気がつくのだろうか?
 久右衛門にとって、負けられない闘いが始まるッ!


 特訓シーンも無く、一ヶ月がすぎてしまった。
 久右衛門はどんな方法で強くなったんだろう。
 やっぱ、やっちゃいけないような薬でパワーアップしちゃったんだろうか。
 明治のドーピングなんてたかが知れていそうだけど、丹水流にはすごい秘薬とかありそうだしな。
 そういえば、久右衛門の髪型ってジャック・ハンマーにそっくりじゃね?

 才能では負けているが、久右衛門が有利なところもある。
 文吉は黒岡京太郎の剣術を見切れた。(40話
 それは、文吉が黒岡の剣を知っていたからだ。
 久右衛門は文吉の技をすべて知っている!
 なにしろ教えたのは久右衛門だから。

 丹水流の人間が総当たり戦をして順位をつけたら、久右衛門は上位10%に入れないだろう。
 だが、文吉との闘いに限定するなら、久右衛門は文吉にとっての強敵ランク最上位クラスだ。
 久右衛門は、文吉に勝つためだけにこの一ヶ月を過ごしてきたのだろう。
 その覚悟と準備は重い。才能の差を埋めるだけの重さがある。

 だが、久右衛門は文吉戦に特化したことで、文吉以外の相手に関して弱くなっているかもしれない。
 さらにピークを文吉戦に合わせたため、その後で証をする体力が残っていないかも。
 久右衛門は勝つことで文吉を救えるかもしれない。
 だが、自分を救うコトはできないだろう。
 決死の覚悟がつまった攻撃に、文吉はどこまで耐える事ができるのか?


前回コメントより
> 文吉は強者との戦いを純粋に喜びそうなイメージがあるんだけど……
 確かに文吉なら喜んで戦って、勝っちゃいそう。だから久右衛門さんはダマっていたんでしょうね。

> こちらのサイトは該当していますがもしもの場合はどう対応するのでしょうか
> ネットの「全文ネタバレ」に出版社が“断固たる措置”? サイト運営者が過去記事を削除する動き
> http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140306-00000029-zdn_n-sci
 該当していないと思います。
 すこし長いのですが説明しておきましょう。
 当サイト(blog)は、ジャンルとして評論にあたります。
 過去の裁判で、評論における引用は引用先への許可を取らなくとも合法との判例が出ています。(脱ゴーマニズム宣言事件など)
 ただし、合法なのはあくまで評論が主であり、引用が従となっている場合です。
 当サイトでは、セリフやストーリーの要約をした場合、それ以上の量の考察・小ネタ・パロディーを入れるようにしています。(できていない時もあるかもしれませんが)
 20文字の引用をしたら、30文字以上の考察を書くという具合ですね。
 問題となっているのは、主従逆転で転載そのものが目的となっているサイトですので、当サイトと条件が違う。と言うのが、私の見解です。
 ただ、私は出版社に迷惑をかけたいわけではないので、問い合わせがあった場合は上記見解のうえで話し合い両者納得できる落としどころを探したいと思います。

> 親父さんが文吉を闇討ちし、代わりの証頂者として講道館と闘い、そして・・・という展開を想像しました。
 餓狼伝の世界史ではみんな闇討ち大好きなんですよ。


2014年3月20日(16号)
第四十八話 / 心

 丹波文吉をキケンな任務に行かせたくない。
 父である丹波久右衛門はそれを阻止すべく、文吉を倒さなくてはならないのだ。
 守る方法とは、文吉のかわりに自分が死地に向かうことなのだが……

 文吉も父の気迫から、この試合がただ事でないことをわかっていた。
 やはり、戦闘は最大のコミュニケーションってことですね。
 あいてにぶつかることで強さも弱さもモロわかりだ。

 久右衛門の真剣さに、文吉も本気で闘っていた。
 15歳ながら丹水流の当代随一の使い手である文吉が本気になっても充分に闘えている。
 武才がないと評判だった久右衛門も強くなっているようだ。
 そして、この日のために、ひと月のあいだ鍛え研究してきたんだろうな。

 ある意味、自分が死ぬためにここまで鍛えた。
 すごい精神力だ。
 息子を死なせないための愛のちからだよ。
 この一ヶ月、どんな気持ちで眠りについていたのだろう。

『ワシは実は…』
『前々からこうして…』
『お前と真剣勝負を』
『したかったのかもしれん』
『そうしてお前の成長を』
『この身に』
『深く…』
『深く』
『刻み込みたかった』


 久右衛門にとって文吉は最高傑作の作品でもある。
 父子関係では血肉をあたえた。師弟関係では技をさずけた。
 文吉の強さを我が身に受けることは、痛みを伴いながら至福の時間だろう。
 人生の残り時間がわずかなことを自覚しているだけに。

 久右衛門が完成させた丹水流の最強者である丹波文吉をどうやって倒すのか?
 スピードと技はもちろん、パワーですら久右衛門より上らしい。
 こりゃ、勝てる要素がなにもないな。
 晩飯に一服もったぐらいのコトをしておかないと勝てない。
 でも、卑怯なことをすると審判をしている水鵺の連中にバレるだろうしな。

 愚地独歩は「武道家は特攻隊じゃない」「勝算のないケンカはせんよ」と言っている。(G刃牙6巻 48話)
 久右衛門もなにか秘策があるのだろう。
 なお、独歩と同じようなことを本部以蔵も言っている。
 教訓として「計算ができないとケンカに勝てんよ」ってコトですね。

 久右衛門は文吉を引き込み、寝技へ移行する。
 上になった文吉が袖車絞めをかけた。
 久右衛門の気管が潰される!?
 この技は、吉田秀彦が総合での試合で何度か使い印象にのこっている。
 即座に落ちる(失神)ことはないのだが、きまると何秒も耐えられないキケンな技だ。
 これは勝負あったか?

 だが、久右衛門は下から文吉を抱きしめる。
 万力のごとく締め付ける、愛の抱擁が久右衛門の切り札だった!
 この技(?)は、どれぐらい効くのか?
 とにかく捨て身のファイナルアタックで文吉を沈められるのか?
 袖車絞めがきまっている以上、あと数秒で戦闘不能になるだろう。
 胸への圧迫は遅効性って感じで心配なんだけど……。心肺への攻撃だけに。

 とりあえず文吉は悲鳴をあげているので、けっこう痛いようだ。
 なんか抱きしめかたにコツがあるのか?
 久右衛門の体臭とか加齢臭がキツいから、苦しいってことはないだろうけど。
 それと、あまり変な技で勝っちゃうと、水鵺が文吉の代役として認めてくれない可能性があるのが最大の問題だ。


2014年3月27日(17号)
第四十九話 / 父の愛

 丹水流が陰で最強といわれているのは80年に一度、当代最強者を闇討ちで倒し実力を見せつけるからだ。
 今回の闇討ち担当は15歳の若き天才・丹波文吉である。
 闇討ちに失敗したら、死ねッ! という厳しい中二病的ルールを恐れ、文吉の父・久右衛門は文吉の代役になろうとしていた。

 代役になるには文吉に勝たなくてはならない。
 自らが鍛え育て上げた武の最高傑作である文吉に勝てるのか!?
 丹波久右衛門の負けられない闘いがクライマックスをむかえようとしている。

「文吉… ワシはぼっこれ故」
「とうの昔に技も力もお前に負けておる」
「じゃが"握力"というものは」
「年がいっても衰えぬものじゃ」


 握力にそんな秘密があったのか!
 じゃあ、花山薫とかお爺ちゃんになっても握撃ができるってことですね。
 怪力ジジイとか、合気よりも怖そうだ。
 とにかく、久右衛門の秘策はコレだった。

 幼少のころから文吉を育ててきた久右衛門だ。
 自分と文吉の能力差を確実に把握しているのだろう。
 孫子いわく「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」ってヤツだ。

 文吉は天才であり強いのだが、この一ヶ月の準備がちがう。
 久右衛門は、この一戦にすべてをかけて調整してきたハズだ。
 なにも知らず すごしてきた文吉とは体調も覚悟もちがう!

 久右衛門の抱きしめに、文吉はせっかくきめた袖車絞めを外してしまった。
 この痛がりようは、ただ抱きしめているだけか?
 かくれてツネっていたりして。
 自慢の握力でッ!

 必殺の抱きしめ、博愛固めの効果は痛みだけじゃなかった。
 子供のころからの抱きしめられていた記憶が文吉の肉体には残っている。
 文吉は痛みと懐かしみと愛情に包まれて気絶するのだった。
 この勝利で久右衛門は代役の資格をえる。

 かなり特殊な技で勝っちゃったから、資格なしと言われるかと心配だった。
 闇討ち運営委員会である水鵺の人たちは、わりとボンクラなんだろうか。
 なにしろ、80年に一度だから実戦経験が少なくなるハズだ。
 期間が長すぎて技術継承とかも難しそうだし。

 久右衛門は文吉に勝利した。
 それは、つまり久右衛門が死闘を肩代わりすることでもある。
 これだけの闘いをしておいて、この直後に闇討ちしに行かなくちゃいけないのだ。
 うむ、こりゃ絶対に失敗するな。
 次回が、久右衛門の命日なのかッ!?


2014年4月3日(18号)
第五十話 / 勝の目

 丹波久右衛門は命をかけて息子・文吉の危機を救った。
 だが、ここからが本番だ。
 文吉のかわりに、当代最強の流派に闇討ちをしなくてはならない。
 負けたら、死んでわびろ!

 さて、現在(明治32年・1899年ごろ?)の最強流派といえば、講道館柔道である。
 その講道館へ向かう人物がいた。
 幕末の有名人・勝海舟(1823〜1899)である。
 って、この人は1899年に亡くなっているのか。
 ならば、現在は1899年より前ってことだな。

 文吉が講道館に闇討ちを仕掛けるようになるのは、明治37年(1904年)だ。
 この回想って、けっこう前の話だったんですね。
 あと、明治37年の文吉は20歳以上ってことになる。
 かなり前田光世に十代だと思われていたが、かなりの童顔だったんですね。

 勝海舟は講道館の館長・嘉納治五郎と昵懇のなかである。
 『東天の獅子』(AA)にも勝は出てくるぞ。
 勝は巨漢の米国人をつれている。

「こいつぁ クリス・バーナードっつって」「アメリカ大使の息子で」
「全米レスリングの」
「チャンピオンだってんだな」

「俺はカリフォルニア州ヘヴィ級ボクシングのチャンプでもあるんだぜ」


 早い話、腕自慢の南蛮人がケンカ売りにきたのだ。
 人格はともかく、実力がありそうだ。
 レスリングとボクシングと言う組み技・打撃技の二つを極めている。
 どちらも試合で優劣を決めるスポーツであり、実戦的だ。

 しかも、ヘヴィー級ですよ。
 刃牙でも体重差は絶対だと解説している。刃牙道3話
 いや、かえって説得力ないかもしれないが、体重差は大きいんですよ。

 だが、講道館には柔道の鬼・巨漢の横山作次郎がいる。
 そして、若き日の前田光世もいるのだ。
 レスリングやボクシングで闘ったら負けるかもしれないが、講道館ルールで戦うなら問題ない。

 が、クリスはシャツを着ている。
 柔道衣を着てくれないと、エリとかが取れず、ちょっと……いやかなり不利だ。
 前田光世は無敗と言われているが、それは上着を着たジャケットマッチでの話で、上の階級に出場したレスリングで二回負けている。(ライオンの夢―コンデ・コマ=前田光世伝

 でも、着衣や体格のハンデも講道館ルールであれば問題ない!
 無礼な南蛮人を血祭りにあげてやれ!
 と言った感じで横山と前田がいきりたつ。
 だが、嘉納は二人を止める。

「君たちは」
「…加減を」
「知りませんから」

 嘉納治五郎が自ら指導にでる!
 夢枕獏史観というか『東天の獅子』だと、嘉納は投げに限定すれば天才的といわれていた。
 投げだけで決着がつくのか不安があるが 嘉納治五郎の実力を見ることができそうだ。

 そして、久右衛門はこんな怪物ぞろいの講道館に闇討ちを仕掛けなきゃいけない。
 嘉納は人格者だから優しく倒してくれそうだけど、横山と闘うハメになったらヒドい目に会いそうだ。
 どちらにしても、久右衛門には逃れられぬ死が待ちうけている。
 楽に死ぬか、苦しんで死ぬかの違いぐらいしかない。


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