今週の『真・餓狼伝』感想(31〜40)

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2013年11月7日(49号)
第三十一話 / 生きている

 拳と剣で死合いを行うッ!
 まさに異種格闘技だッ!
 素手側にはせめて防具の着用を許可してあげて欲しい気もするけど。

 このトンデモ試合を宣言したのは警視総監の太浦だ。
 警察のトップがお墨付きをくれるなら、違法行為で逮捕とかもないだろう。
 その点だけは安心だ。
 文吉の身体は心配すぎるけど。

「こりゃあ」

 ここで空気を読まない怒声がひびく。
 紀州丹水流の当主(だよね?)である剣三郎だ。
 自分ぬきで話をすすめられたのが気にくわないらしい。
 権威主義者の道場主としては、自分が中心でないとゆるせないのだろう。

 ここで剣三郎は、自分が怒鳴った相手が警視総監・太浦金武だと教えられる。
 権威主義者は、自分より肩書きが上の人間に弱いのが定番だ。
 警視総監の肩書きに剣三郎は大人しくなってしまう。

 とくに証明も無く、いきなり信用したのかよ。
 なんか偉そうな肩書きを見せられたら、剣三郎はあっさりサギにあいそうだ。
 とにかく、これで死合い決定となる。

 文吉は京太郎をたきつけるため、京太郎の父・喜八の形見である日本刀を踏んだ。
 鞘が割れただけじゃないかとチョット期待していたのだが、折れています。
 ツバ近く、はばきのすぐ先で折れていた。

 こりゃ、ダメだ。完全にアウトだな。
 と、思ったがすりあげたら短めの刀として再生できそうだ。
 長い刀の根本のほうを折って柄に入れられるように再加工するのがすりあげなんですが、とうぜん銘が無くなっちゃう欠点がある。
 隆慶一郎『鬼麿斬人剣』(AA)でも、刀が長すぎるんで短くしたいけど、そうするとせっかくの清麿銘が台無しだという会話があった。

 まあ、喜八はどう考えても貧乏だったので安い刀だから銘は関係ないだろうけど。
 西南戦争の実戦くぐりぬけて血だけはたっぷり吸っていそう。
 なんかすごい妖気をまとっていそうだから、短くするぐらいで丁度いいのかも。

 太浦さんも、同じぐらいのポジティブ思考で文吉が京太郎を認めているから、ここまでの事をしたのかもと言う。
 いや、それは……ちょっと好意的に考えすぎじゃね?
 でも、文句いっても折れた刀が戻るわけじゃないし。
 同年代の同門である文吉と友情フラグを立ててあげることが現状のベストなのかも。

 いっぽう文吉は父・久右衛門に怒られていた。
 そりゃ怒られる。
 だが、文吉は逆ギレ返しだ!
 京太郎はすごい剣術を持っているのに、過去にとらわれて前に進もうとしない。

「京太郎の」
「過去を取っ払っちゃえば」
「少しだけ…」「少しだけでも」
「前に進めんのかな……」
「なんて…」


 形見の刀を折ったけど、良いことした系の発言だな。
 しかし、刀は再利用できるし、廃刀令のせいで装備できないんだから、短くなっても残れば良いんじゃなかろうか。
 けっきょく形見って、過去の記憶を呼び出すためのキッカケにすぎないんだろうし。
 葬式と同じで、形見も生きている人のためのものだろうな。

 それはそれとして、素手で刀にどうやって勝てばいいのか?
 文吉は久右衛門に質問をする。
 丹波文吉、実はなにも考えていなかった。
 考えずに感じた結果がコレか。

「……剣術の」
「熟練者に勝つことなぞ無理じゃよ」


 終わったッ!
 拳VS剣 編、完ッ!
 と、なりそうだけど、久右衛門にはなにやら策がありそうだ。

 防具だね。防具!
 武器の使用は禁じたけど、防具は禁じてないと言い張れ!
 いや、違うか。

『江戸時代の初期に、戦場経験の豊富な黒田家の侍が剣術者と立ち合った話がある。この男は、剣術者の打ち込んでくる木剣を左手を上げて受けとめる』『その侍は戦場ではいつもこうだといって、刀疵だらけの鉄籠手を見せた』(刀と首取り
 と言う話もある。防具の使用を認めさせたら勝ちも出てくるかも。

 京太郎は父・喜八が使用していたと思われる木剣をわたされる。
 刀を装備しただけで、危険度が3倍になったような感覚だ。
 こりゃ、おとなしく骨を折られて負けを認めたほうが良さそうな気がする。
 次回は丹波文吉の公開撲殺なのか!?


 形見の刀を踏み折ったコトは父・久右衛門もドン引きでした。
 けっこう武士って刀を大事にしていないのだが、形見となると話が違うだろうな。

 『葉隠』第七(26)に、次のような話がのっている。
 ある人が、町家へ行った時のことだ。用がすんで帰るとき、預けていた刀が抜けかけていることに気がついた。知らん顔で宿にもどり調べると、はばきをこじり取ろうとしたあとがあった。金メッキのはばきなので、全部取らなかったようだ。男は貧乏暮らしで恥をかいたと言う。「金の鎺(はばき)を盗ませてこそ、さすが鍋島侍の刀はちがうと評判になったろうに」(葉隠 中 原本現代訳

 なんか価値観が違いすぎてツッコミどころ満載なのだが、刀よりも体面というか世間体を大事にしていることがワカる。
 その場で怒って皆殺しにするような無分別を葉隠は推奨していたハズだが、セレブ気取りのほうが良いのだろうか?
 足元が暗いとき、札束に火をつけて足元を照らすような行為をすれば、さすがお侍さまと評判になると思っていたりして。

 まあ、そういう事もあるし、刀の恨みは忘れてもらいたい。
 警視総監の名前が大浦兼武じゃないのも、実在の人物をいじるワケにもいかないと言うコトで忘れておきたい。
 でも、丹波文吉が試合で撲殺されたら、動機は形見の刀を折られたからとなりそうだ。

 未来の文吉は、父の無念を晴らすため闇討ちを行っているっぽい。
 京太郎が過去にとらわれていると行っていた本人が、過去にとらわれてしまう。
 この一戦で、文吉の精神が京太郎に影響されるのかも。
 それは、妖刀の呪いだったりして。


2013年11月14日(50号)
第三十二話 / 父の握り

 武器の使用もすべて認めます!
 超過激ルールで特別試合が開始されようとしている。
 立会人は警視総監・太浦だッ!
 つまり警察公認の死合です。

 木剣で打たれたら死ぬ可能性が おおいにあるけどイイよね?
 と、丹波文吉は太浦に念押しをされてしまう。
 やっぱ死んだら責任問題になるから予防線を張っておいたのだろうか。

 文吉は真っ直ぐな目で了承する。
 主人公に必須な澄んだ瞳だ。
 こりゃ、太浦さんは、保身のためでなく、文吉の覚悟を確認するために質問したっぽいな。
 文吉が戦いを恐れぬ武士(もののふ)であるかを試したのだろう。
 で、好みのタイプだったワケですね。

 いっぽう京太郎はかつて亡父の使っていた木剣を握っていた。
 持ち手の部分がすれてエグれている。
 さらに血でドス黒く変色していた。
 父の執念が染みついている。

 父の形見である日本刀は折られてしまった。
 だが、こっちの木剣を新しい形見にしても良いかもしれない。
 日本刀には敵の血がしみこんでいるが、木剣にゃ父の血がしみこんでいる。
 より形見っぽい!

 どっちも、呪われていそうなアイテムですが。
 寝室にはあまり置きたくないアイテムだ。
 夢に出てきそう。
 いや、夢でなく現実に化けて出てこられたら、漏らしてしまうかもしれない。

「京太郎」

「振りし数のみが」「己の力となる」


 父の教えがよみがえる。
 初めてもった木剣が手になじみ、ふるう姿が父とダブった。
 小柄な黒岡一族にとって不釣合いなほどの長剣だ。
 これを使いこなすのはかなりの技量がいるだろう。

 父の木剣を得て、京太郎は新たな境地に立ったようだ。
 もう、ムリに闘わんでも良さそうな気すらするんだけど。
 丹波文吉・撲殺ショーはやっぱり開始されるみたいだ。

「はじめい」

 容赦なくはじまった!
 が、いきなり文吉が驚愕している!
 京太郎がなんか変な構えでもしているんだろうか。
 それとも、文吉を無視して仲の悪い道場生を叩きのめしていたりして。

 しかし、素手で剣とどう戦うんだろうと心配して二ヶ月以上たっているんだけど、まだ解決していない。
 文吉は驚いている場合じゃないぞ。
 なんか対策はあるのか?

 それとも京太郎が剣を捨て素手になったりして。
 せっかく作戦を用意したのに不発に終わったら泣ける。
 どちらにしても、次回から素手で剣と戦う方法の解答編だ!
 ……たぶん。
 この遠回り感こそが、餓狼伝の醍醐味だッッ!


2013年11月21日(51号)
第三十三話 / ありがとよ

 明治は格闘技のワンダーランドである。全ての試合がなんでもありの総合格闘技だった。(夢枕獏)
 なんでもありの究極が「武器の使用も認めます!」だ
 若き餓狼・丹波文吉は木剣との死合をはじめようとしていた。

 そして、文吉がいきなり驚愕する!
 相手の黒岡京太郎の構えはごく普通だ。
 切っ先を相手の目の位置に向けて中段に構える正眼をとっている。
 正攻法の構えなのに、どこに驚いたんだろう。

 京太郎の木剣は、ごく普通の構えに見える。
 だが、対する文吉には剣が巨大化して見えていた。
 迫力が剣を大きく見せているのか!?
 強者は身体がデカく見えるの法則発動だ!

(達人の構えは)
(己が剣で我が身を隠すと云う)


 剣の達人でもある警視総監・太浦が解説をする。
 切っ先で相手の視界を防ぐ技術なのか。
 それとも気力によるものだろうか。

 チャンピオンの名作『魔界都市ハンター』でヒロインさやかの祖母が同じように剣で体を隠していた。
 剣といっても、なぎなたですが。
 達人は剣で体を隠せて一人前なんだろうか。
 一流ボクサーもグローブで我が身を隠せたりしそうだな。

 圧倒的な剣気がまとわりつき、丹波は身体が動かない。
 血液のような粘度の高い液体が体に絡みつくような圧力、これが剣気だ!
 たぶん生命危機を感じて肉体がビビっているのだろう。
 背をむけて逃げ去りたいような感覚があるにちがいない。

 だが、文吉は逃げない。
 京太郎の刀を折ったとき、殺される覚悟をしたのだ!
 ……折る前じゃなくて、折った時に覚悟したのか。
 あちゃ〜、やっちゃった。こりゃ、殺されるかもしれない。って感じですね。
 文吉は衝動的な生きかたをしているな。

 覚悟を決めたら、楽しくなってきた。
 闘う相手の京太郎に、ありがとう。
 対戦相手に礼を言いだしたら、すでに餓狼伝ワールドの精神世界に鼻まで漬かっている状態だ。
 開始直後からクライマックスかよ。

 恐怖を喜びに変化させて丹波文吉が進む。
 だが相手は木剣だ。
 近づく前に、たちまち腹と肩付近に攻撃をくらう。

 木剣の一撃をまともに受けたら簡単に骨折しそうだぞ。
 文吉のダメージはどうだ!?
 次回につづく。


 素手で剣とどう戦うかの方針のないまま精神世界に入っちゃいそうだ。
 順番が逆だろ。
 一方的に撲殺されながら、ほうけて死ぬ気か?

 丹波文吉のこれからに不安を感じつつありますが、とにかく試合が始まってしまった。
 それにしても文吉は驚愕体質ですね。
 いきなり驚きすぎだ。
 戦士としての素質よりも、驚き役としての素質のほうがあったりして。

 こりゃ、京太郎の打撃をうけたら、イイ反応しそうだな。
 次回は丹波文吉のリアクション芸が炸裂するのか?
 なんか、その道は出番がでてこない丹波文七っぽくて、らしいけど不吉だぞ。


2013年11月28日(52号)
第三十四話 / 剣の時代

 素手vs木剣ッ!
 武士にとって最大級の異種格闘技戦だ。
 興行規模としては相撲のほうが上かもしれないが。

 矢とか鉄砲とかの飛び道具はさすがに格闘じゃない。
 槍とかの長物も戦争用の武器だ。
 日常の延長で考えたら腰にさしている刀が異種格闘技戦の限界だろう。
 でも、廃刀令のせいで刀装備ダメになったけどな!

 素手の丹波文吉は、木剣の黒岡京太郎の猛攻に押されている。
 木剣のリーチ・速度・破壊力は素手より上だッ!
 文吉は飛んだり跳ねたり転がったりで攻撃をよけている。
 すごい運動能力だ。
 猫の三寸ができる文吉ならではの動きである。1巻 5話

 しかし、文吉の動きは柔術家も武士も超えて忍者のそれになっている。
 いや、忍者と言うよりニンジャ。なんか間違って伝わった感じの超戦士っぽさがにじみ出ているぞ。
 油断したら3mぐらいは跳躍しそうだ。ちゃんとしたニンジャなら30mは跳ぶのだろうけど。

 文吉は剣撃の嵐をかいくぐり打撃で反撃しようとする。
 そりゃムチャだ。
 案の定、拳を伸ばしきる前に回避行動しなきゃいけない状態におちいっている。
 体を反らせるマトリックスよけで文吉は被弾をさけた。

「分かったか」
「未だ 剣の時代は終わってなどいない!」
「剣は最強だ」


 剣をもった京太郎はイキイキしている。
 ちょっとヤバいまでの輝きだ。
 武士の時代に生まれていたら、さぞ高名の辻斬りになっていただろうな。

 剣最強を宣言しているが、槍や弓矢や鉄砲には勝てないぞ。
 いや、今の京太郎は本気で鉄砲にも勝てると思っているかも。
 作中時間の数年後にあたる明治42年(1909)に改正された『歩兵操典』は白兵主義を打ち出すことになる。(刀と首取り
 まさか、京太郎の剣最強が警視総監を通じて政府に影響していたりして。

(円の中心を取れば勝機が)

 こりずに文吉は接近戦を狙う。
 ほかになんか策は無いのか?
 あまりに愚直すぎるぞ。
 ダメだ、バカッ!

 ガッ

 つかんだ!
 なんだ、つかめちゃったよ。
 文吉がわりとアッサリ京太郎の襟をとった。
 このまま相手を引きずりまわせば逆転できる。

 と思ったら、京太郎は刀を返し、柄で文吉のアゴを打ちあげた。
 近い間合いでも万能だな。本当に刀最強かもしれない。
 白土三平の漫画でも柄で打つ剣術が出てくるが(「カムイ伝」の竜之進とか)、古流剣術にはよくある技術なのかも。

 相手をつかめば勝てると思っていた文吉はアゴを打たれて倒れる。
 ガッカリで死亡寸前だ。
 このまま敗北してしまうのか?
 というか、本当に無策で闘っているんですかい。

 剣最強を感じている京太郎は、なぜ父がすべてを捨てて死を選んだのかという疑問を考えはじめる余裕すら出てきた。
 これは回想が始まりそうな予感がする。
 うまくすれば京太郎が回想しているスキにダメージ回復の時間がうまれるぞ。

 もっとも、無策だったら回復してもまたやられちゃうだけなんだけど。
 次回は、回想か、回復かッ!?
 とにかく回る!


2013年12月5日(1号)
第三十五話 / 遠き処

 拳vs剣ッ!
 明治の格闘技は超なんでもアリだ!
 素手の丹波文吉は、木剣の黒岡京太郎に勝てるのか?

 とりあえず、文吉は素手の攻撃がとどかずに一撃も当てることができない。
 逆に京太郎の木剣でフルボッコにされています。
 攻略の糸口すらない。
 こりゃ文吉もあせって表情がグニャっているだろうな。

「全ッ然」
「効かねぇな〜〜〜〜〜」


 文吉、元気だ。
 でも、奥歯が折れているぞ。
 効いてないと言っても、説得力まるでなし。
 だが、文吉の異常性が伝わってくる。
 この男、本物の変態! じゃなくて、餓狼だッ!

 文吉は京太郎の剣には迷いがあると言う。
 その言葉に京太郎は迷うのだった。
 ッッッ!?
 迷ってるじゃなくて、迷わせてるんじゃねーか!
 なんだ、この展開ッ!

 文吉が知性派の戦士であれば、みごとな心理戦と評価できる。
 だが、文吉は猪突猛進の猛将タイプだ。
 本気の京太郎と闘いたいと言っていたのに、弱体化させてどうする。
 文吉からの精神攻撃を受けた京太郎は回復すべく、三年前のことを回想するのだった。
 う〜ん、怪我の功名だな。

「暫(しばら)く」
「旅に出る」


 京太郎の父・黒岡喜八はそういって家をでた。
 出立にあたり、喜八は黒岡家の伝統である長い刀を京太郎にわたす。
 三年前の京太郎少年は驚きながら刀をうけとる。

 この頃の京太郎は可愛かったんだな。まだ、刀疵も無いし。
 輝く瞳をもった少年がたった三年で血走った目で刀を振り回しているんだから、武士道無残としか言いようが無い。
 あの傷跡は、いつ誰によってつけられたのか?
 京太郎の抱える闇はまだまだ深そうだ。

 京太郎に見送られ、喜八は旅立つ。
 具体的な土地に行くのでなく、黄泉路への旅だ。
 城を遠景で望む高台で喜八は切腹した。
 介錯なしだと出血多量で死ねるまで一晩かかるとか言いますが、楽に逝けたんだろうか。

『我が剣術の刻(とき)は別せり
 次の時世(とき)へと期するもの也――――――』


 明治は武士身分が崩壊していく時代だ。
 幕府は倒れ、廃藩置県で藩も無くなり、ちょんまげが消え、廃刀令が出された。
 喜八は消え行く武士階級に殉じたのだろうか。

 切腹ってのは武士的行為の象徴だ。
 職業戦士である武士は死を恐れない事が前提であり、失敗に対して自分で責任をとって死ぬことができるというのが切腹である。(図解 武士道のことが面白いほどわかる本
 じゃあ、喜八はなにに対して責任を取ったんだろうと言う話なんだけど……
 なんか時代に置いてかれたから、隠居するかわりに死にますって感じだ。
 ちょっと逃避っぽい。

 京太郎は父親に捨てられたような状態だ。
 文吉は父が捨てようとした武をひろった。
 二人の少年は時代に逆行して武を極めようとしている。
 境遇は正反対に近いが、おなじ武の道を行くもの同士で仲良くできないものだろうか。

 つーか、文吉は天然の言動で京太郎の心を掻き乱さんでほしい。
 純粋な闘争から、だんだんズレてきている気がするぞ。
 でも、無意識にやっちゃうから天然なんだろうな。
 マネのしにくい天然素材である丹波文吉は、すごい天才なのかもしれない。


2013年12月12日(2+3号)
第三十六話 / 敵わぬ相手

 拳vs剣というキビしい闘いをすることになった。
 丹波文吉と黒岡京太郎の死合いもそろそろクライマックスか?

 京太郎のふるう木剣は長く鋭く重い。
 丹波は後方に跳び、倒れこみ、転がり、ふたたび跳んだ!
 すごい運動能力だぞ。
 でも、武士っぽくない。
 回避成功が逆に剣の、武士の時代が終わったことをしめしているようだ。

 せっかく必死で回避したのに、立った瞬間を京太郎に狙われた。
 腹にキッツイ一撃を喰らう。
 大丈夫、音が「ドンッ」だから骨は折れていない!
 いや、折れてなくてもダメだろうな、こりゃ。

 文吉は壁まで吹っ飛ぶ。
 真剣だったら死んでたな。
 いや、左側から攻撃を受けたから腰に刀をさしているとみなせば逆胴で無効だ!
 問題ない、イケる!
 虚勢でガンバレ!

 見学者たちは声も無い。
 みんな、文吉が死亡確認的な状態になっていると思っているんだろう。

 京太郎は剣術の強さに酔いしれていた。
 これほど強い剣なのに、なぜ父はひとりで死を選んだのか?
 けっきょく疑問はそこに戻っていく。

 でも、京太郎だって剣を振るう機会をえられず腐っていたじゃないか。
 最強の勇者だって魔王を倒して世界が平和になったら、強いだけの潜在的脅威として肩身の狭い生活になるだろう。
 戦国時代に遅れて生まれた武士みたいなもので、平和な世に居場所がないのだ。

 打たれた丹波が走る。
 メチャメチャ元気じゃないか。
 脅威のタフネスだ。
 主人公っぽいぞ。

 右拳!
 左拳!
 右蹴り!
 左拳!
 恕等の連打だ。

 明治時代はまだ打撃格闘技が発達していない。
 これだけの打撃技をだせる丹水流は かなり研究熱心で特殊な武術だ。
 だが、京太郎もまた丹水流だ。
 文吉の打撃を、剣を使うまでもなくぜんぶ回避している。
 京太郎は体術もかなり優秀だ。

 剣を防御に使用(つか)わない。
 攻撃のためにこそ剣を使用(つか)う!
 丹波の肩を打って動きを止め、ふたたび胴を打った。

 さらに京太郎の攻撃がつづく。
 どうも打撃が首より下に当たっている。
 せめての情けで、頭は狙っていないのだろうか。

 丹水流門下生は、京太郎の圧倒的な強さに驚愕している。
 剣さえもてば強いのだ。
 廃刀令のご時勢じゃ、発揮できない強さだけどな。

「…けど」
「驚くべきは…」
『…文吉の折れぬ心じゃ』


 これだけ打たれても前にでる。
 不屈の闘志に太浦警視総監も冷や汗を押さえられない。
 太浦も一流の剣士だから、文吉のスゴさがよくワカるのだ。

 たしかに丹波の折れない心はスゴい。
 が、それよりも折れない骨もスゴいぞ!
 これだけ打たれても折れていないなんて、骨がアダマンチウム合金でコーティングされているんじゃないのか?
 いや、ガマンしているだけで本当は折れているのかもしれないが。

 イスラエルの格闘術『クラヴ・マガ』では棒の攻撃に対して、腕の角度つけて防御する技術を紹介している。(『最強護身術 クラヴマガ感想
 棒の攻撃を垂直に受けると腕が折れるから、腕をナナメの角度にして受け流すように防御するそうだ。
 理屈はその通りだけど、ナナメに受けると防御範囲が減るから熟練が必要になりそう。

 とにかく文吉もなんかの技術でうまく防御しているのだろう。
 いやに吹っ飛んでいるのは、威力を殺すためかも。
 当たっているところも、肩や腹といった肉の厚い部分だ。
 意識的に丈夫なところで受けているのだろうか。
 よし。今度は尻で受けろ!

 防戦一方の文吉だが、まだ倒れていない。
 前進する限り、チャンスがあるハズだ。
 父・久右衛門が授けた秘策はあるのか?


2013年12月26日(4+5号)
第三十七話 / 骨肉

 素手vs木剣ッ!
 圧倒的に不利な条件で素手の丹波文吉は木剣の黒岡京太郎と闘う。
 文吉はすでに何度も木剣で打たれている。
 そろそろ骨が何本か折れているんじゃなかろうか。

 などと困ったときは父・久右衛門の教えですよ。
 冒頭から回想開始だッ!

「骨で受けず肉で受けるのじゃ さすれば効かぬ」

 その手があったか!
 硬い骨で木剣を受けると衝撃をマトモにうけて折れる。
 だが、筋肉で受けるなら衝撃は分散・吸収されて少しマシになるのだ。

 でも、モノには限度があるよな。
 久右衛門は自分の腹を木剣で打たせて見せて、悶絶する。
 自分は鍛えていないから死にそうになっているが、鍛えた腹なら大丈夫だ!
 あまり説得力を感じないのだが……
 とにかく、骨で受けるよりはマシだ。
 たぶん骨折もしない!

 頭脳派の久右衛門が教えた秘策で、なんとか骨も折れず心も折れていないようだ。
 でも、骨が折れなきゃイイってワケでもない。
 人間は尻を蹴られて死ぬこともあるのだ。
 上野正彦さんが解剖した死体にも尻を蹴られて死んだのがあったそうだし。

 さらに言うと文吉が若すぎるのが問題だ。
 まだ成長期なので体つきが華奢で肉が足りない。
 小説・餓狼伝の丹波文七ですら、防御力を高めるため筋肉をもっとつけたほうが良いと言われるような世界だ。(餓狼伝
 肉の足りない文吉はどこまで攻撃に耐えられるのか?

 実際に文吉のダメージは深刻だ。
 太浦警視総監の見立てでは、そろそろ限界らしい。
 いっぽう文吉をなかなか倒せない京太郎は、文吉が肉で受けていることに気がつく。

(丹波ァ)
(頭ぁふっ飛ばしてやるぜ)


 狙いは頭か!?
 それは死ぬぞ。
 木剣対策もバレて、丹波文吉が大ピンチだ。

 海岸のスイカ割りのように丹波の頭が割れてしまう!
 京太郎の木剣が容赦なく丹波の頭蓋を割りにいく!
 威力を高めるため、ハンマー投げ選手なみに回転して威力を高めたトルネード兜割りが襲いかかる!

 パシイィ

「へへへへ」
「親父やっと先が読めるようになったぜ」


 丹波文吉が両の掌で木剣をはさみこんだ。
 これは伝説の秘技・真剣白刃取りか!?
 いや、真剣じゃないから木剣白刃取りと言うべきかも。

 相手が木剣だから掌で受けとめるような形で白刃取りを成功させたのだろうか。
 京太郎が丹波の頭を狙ったコトで軌道が読みやすくなったのも成功要因だ。
 真剣白刃取りは実戦向けの技じゃないと言われている。
 文吉はイロイロな条件が重なって奇跡のように成功したのだろう。

 合掌のように木剣をはさむ形は、南無三宝残月独楽の手刀攻撃の形に似ている。
 もしかして、木剣をはさんだ状態で前方回転してカカト落としにつなげたりして。
 2013年に誕生した日本古来の伝統『オ・モ・テ・ナ・シ』は南無三宝残月独楽の合掌がルーツなのかもしれない。
 白刃取りで迎えて、カカト落としでおもてなしだッ!


2014年1月9日(6号)
第三十八話 / 旧き親友(とも)の絆

 究極の技・木剣白刃取りが炸裂だ!
 ありえないような秘技だが、丹水流ってこんなコトもできるのかッ!?
 ニンジャクラスの超人だぞ。

 驚愕の奇跡を達成した少年・丹波文吉は、木剣をつかんで一気に逆転する!
 と思ったら、しない!
 木剣を手放しちゃった!
 バッ、バカか貴様ァッッ!

 木剣を解放された黒岡京太郎は、ふたたび丹波に襲いかかる。
 1ッ! 2ッ! 3ッ! 4ッ!
 四回の攻撃をぜんぶ白刃取りした!
 これは偶然じゃない。
 文吉は、どんなマジックを使ったんだ!?

(こげんこつ
 出来るワケなかっと…)


 立会人の太浦警視総監も驚愕している。
 真・餓狼伝の世界が異常ってワケでなく、やっぱり異常事態のようだ。
 偶然ではなく、必然であり、普通じゃない事態がおきている。
 錯覚を利用して、実はぜんぶ喰らっているとか?
 いや、そりゃ無いな。

 動揺する京太郎のスキをつく。
 文吉が京太郎の襟をとった。
 引き込んで転がし、マウントポジションをとる!

 明治時代じゃマウントポジションという言葉はないか。
 敵を取り押さえる捕物で相手を殺さずとらえる技術も必要だっただろうし、マウントポジション自体はありそうだけど。
 でも、棒とかで死なない程度に殴りつけたほうが手っ取り早い気がする。

 どっちにしてもマウントをとって文吉は絶対優位を手に入れた。
 こんどこそ木剣を使わせずに攻めて、勝利をもぎ取るのか?

「なぁ 京太郎 知ってっか?」
「お前の親父さん黒岡喜八殿と」
「俺のオヤジ丹波久右衛門は」
「親友だったみてーでよ――――」


 才のある喜八が体を動かし、頭脳派の久右衛門が理論を書にまとめる。
 二人の少年はそうやって黒岡剣術の教本をまとめていった。
 京太郎も、その書から剣を学んだ。

 つまり、丹波久右衛門は最初から黒岡流を知り尽くしていた。
 数十年前、文吉と京太郎が生まれる前から全部すべてマルっとお見通しだ!
 文吉勝利の伏線はずいぶん前からあったんですね。
 あと、武術の技は漏洩させちゃダメだってコトの実例だな、こりゃ。

 文吉は京太郎の襟を取り、絞めの体勢にはいる。
 あわてて文吉を木剣で叩いても、絞め落とされるのが先っぽいぞ。
 丹波文吉、今度こそ勝利か!?
 次回につづく。


 丹波は最初から太刀筋を知っていたってコトですね。
 急に教えられても対応できないだろうから、日々の稽古で学んでいたのだろう。
 京太郎は剣術をしっかり学んだため、教科書どおりの太刀筋で攻撃しちゃっているハズだ。
 文吉と京太郎が共に鍛え抜いた結果、この奇跡が生まれた。

 前回感想で丹水流が棒対策をしっかりしている点についてスルーしていた。
 武士は刀を装備しているが、抜いて斬っちゃうとそれなりのペナルティーがある。
 喧嘩とみなされたら両成敗になり、問答無用で切腹するハメになるし。

 また、町人には町人の分があって刀でなく棒を使用することが多い。
 有名な荒木又右衛門の決闘で、相手方の小者(武士身分でない使用人)は木剣を使用している。
 相手側は槍を用意するなど準備万端で油断していたワケではない。
 身分をわきまえた武装だったのだろう。

 葉隠でも町人と喧嘩して棒で袋叩きにあう武士の話がたまに出てくる。
 対棒術は学んでいて損をしないのだろう。

 というか、葉隠を読んでみたら酔って喧嘩して切腹コースがやたら出てくる。
 剣術を学ぶよりも酒の飲み方を学んだほうが良くないか?
 酔って人に絡んだらかなりの確率で死ぬとワカっているハズなのに……
 武士にとって宴会の場は、戦場なみに気をつける必要がある。

 さて、長かった死闘もやっと決着がつきそうだ。
 京太郎の悩みはなにも解決していないけど、暴れたらスッキリしただろ? って言って解決しそう。
 それより、なにより、この回想は本題じゃない
 久右衛門の死(?)と嘉納治五郎との関係をめぐるナゾを解くための回想だったハズだ。

 長すぎた回想で文吉自身が、目的を忘れていなければ良いんだけど。
 油断すると、さらに寄り道回想しそう。
 だが、この止まらない回想の連鎖こそが夢枕世界の醍醐味だ。
 逆に聞こう。いつから回想していないと思っていた?(※ 第一話ラストからが回想です)


2014年1月16日(7号)
第三十九話 / 文吉の剣

 素手vs木剣の勝負も決着間近だ!
 丹波文吉は黒岡京太郎に馬乗りになる。
 マウントポジションだ。
 この状態なら素手の文吉でも木剣の京太郎に勝てる。勝てるぞッ!

 文吉が絞めにはいった。
 近代の総合格闘技ではマウントを取ったら打撃でダメージを与えるのが基本だ。
 明治時代だと、まだそういう技術体系が確立していないのだろう。
 近代ならば、打撃で弱らせたうえで背後をとって絞めるのが必勝パターンである。
 しかし、正面からの絞めでも体格に劣る京太郎は文吉を排除できまい。
 これで倒せる!

 京太郎の表情が苦悶に歪む。
 落ちるのも時間の問題だ。
 だが、京太郎はあきらめていない。
 文吉のワキに木剣を挿しこみ、テコの原理でひねる。
 木剣を使用した関節技が決まった!

「黒岡剣術には寝技もあるッ」


 寝技に持ち込んだら勝ちだと思っていたのに……
 丹波文吉、ガッカリの巻だ。
 たしかに杖術などでは、捕縛のため棒状の武器をを使用したかため技・関節技がある。
 総合武術である丹水流にあってもおかしくない。
 油断していたな。

 文吉も初めて体験する剣術の寝技だ。
 父・久右衛門ですら初めて見たらしい。
 こんなん習ってないよ! と文吉は父に文句を言うのだった。

 関節を極められて身動き取れない文吉にとって、自由に動かせるのが舌だ。
 丹水流会話術で活路を開け!
 使える武器はすべて使うのが戦場での格闘術だ。

 文吉は剣術を習っていた。
 京太郎は、その意味を問いただしてしまう。
 うむ。会話に引っかかった。
 ちょろい な。
 サギに合わないか心配だ。

「俺は お前の親父さん」
「黒岡喜八殿の剣を学んだんだ」


 黒岡流の技術書を書いたのは久右衛門だ。
 ついでに自分用も作っていた。
 そう、秘伝書は二冊あったのだ。
 久右衛門さん、とぼけたフリして油断なら無いお人よ……

 喜八と久右衛門が二人で作り上げた秘伝書を、息子である文吉と京太郎が学び受けつぐ。
 文吉と京太郎はいわば、兄弟弟子といえる間柄なのだ。
 驚愕の事実に京太郎の技がゆるむ。
 丹波は、そのスキに脱出した。
 これぞ、丹水流会話術だッ!

 前回感想で推察していた以上の情報漏洩だ。
 文吉が京太郎の太刀筋を読めるのも、同じ技を学んでいるからである。
 構えや重心移動など、すべて同じ理論で学んでいるのだ。
 闇の中でも自分の鼻をつまめるように、自然になじんだ動きである。

 父に見捨てられ、時代に置いていかれたと京太郎はなげいていた。
 だが、思いがけないところに兄弟がいたのだ。
 黒岡の剣は、別の場所でも生き残っていた。
 これは生き別れの兄弟的な展開だぞ。
 まさに、ナイスカップリングってヤツか。

 闘いは劣勢だけど、精神的に揺さぶって優位に立ったような気がする。
 カン違いかもしれないけど。
 文吉の駆け引き上手っぷりは、久右衛門が直接指導したお陰だろうか?
 逆に動揺しやすい京太郎は、父親が早くに亡くなったことが原因かもしれない。

 勝負はどうなるのか、まだワカらない。
 だが、いちおうの目的である京太郎の心を救うコトは達成できたとおもう。
 京太郎の剣術は紀州丹水流のみなに認められた。
 文吉と言う兄弟弟子も見つかる。
 もう、京太郎は孤独じゃない。

 勝とうが負けようが、これからの京太郎は前向きにやって行けそうだ。
 とくに考えなしだったけど、文吉の活人拳が炸裂した。
 しかし、久右衛門は、もっと早く事情を教えてくれよ。
 それとも、京太郎を動揺させるため、ギリギリまで情報を隠していたのか?
 だとしたら、丹波久右衛門こそが超腹黒だよ。


2014年1月23日(8号)
第四十話 / 断じて

 丹波文吉と黒岡京太郎は、黒岡喜八の剣術を学ぶ兄弟弟子だったのだッ!
 兄弟ネタは女性向け方面でも萌え度が上がると一般的に言われている。
 今年の夏コミはバチバチの空流親方×虎城親方と、文吉×京太郎が大人気になるんだろうな。

 京太郎はそんなカップリングに納得できない。
 兄弟だなんて認めないぞ!
 激昂した京太郎が激情の木剣をふるう。
 だが、当たらないッ!

「「水月斬」その四」「だろ?」

「「水蝶散」その五」「だよな?」


 京太郎の攻撃はすべてお見通しだ。
 あらゆる攻撃パターンを見切っている。
 ついでにカッコ良くキメた名前も知られちゃっているぞ。
 こうなると、もう京太郎に勝ちはなさそう。

 京太郎は自信喪失で崩れ落ちそうだ。
 これがミステリー作品なら崖っぷちにフラフラ歩き出しているところだぞ。
 もう一押しでトドメを刺せそうなんだ。
 でも、トドメ刺しちゃうと、ショックで京太郎は切腹しちゃいそうな気がする。
 あまり追いつめない程度に優しくトドメを刺すんだ!

 京太郎は、自分が弱いのは才がないからッ! と嘆く。
 だが、丹波久右衛門は言うのだった。

「喜八の剣は」
「才など求めておらぬ」
「厳しい鍛錬のみで」
「成しておる技じゃ」


 黒岡流は難しい技じゃない。
 単純な技だが、練習を重ねて速く正確な攻撃を繰り出す。
 シンプル・イズ・ベストな剣術ですね。

 根性さえあれば誰でも強くなれる!
 逆に言えば、努力できない人には向いていない剣術ってことか。

 ……久右衛門さんは、黒岡流をモノにできなかったンですよね。
 武の才能がないって言ってたし。
 努力できなかったのか、黒岡流すら学べないぐらい才がなかったのか、どっちだろう。
 でも、今は文吉の鍛錬につきあってそこそこ強くなっているンだよな。
 努力できなかったのか……

 久右衛門はさておき……
 鍛錬を重ねてきた京太郎の剣は、父・喜八とそっくりだと言う。
 京太郎の努力は無駄ではなかった。
 黒岡の剣は京太郎が受けついでいる!

 久右衛門の誉め言葉に京太郎は涙する。
 この男、完全に陥落(おち)だッ!
 親子二人がかりで、戦闘意欲を折りにきましたね。
 決着はまだついていないけど、なんか終了っぽい感じになっている。
 決まり手は久右衛門による 誉め殺し、だな。


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