餓狼伝 (VOL.1、VOL.2)
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2011年3月31日(18号)
餓狼伝 Vol.1
試合ではなく、見世物でもない。
ただ純粋に戦う男たちの物語。それが餓狼伝だ。
闘争に餓えた狼たちの物語である。
もちろん真っ直ぐ歩いたつもりでも、けっこうグニャグニャと歪んでいることは多いんですけど。
どちらかと言うと迷子体質なのかもしれない。
というワケで、餓狼伝の第一話が掲載された!
なぜか週刊少年チャンピオンに、だ。
餓狼伝が
チャンピオンコミックス
になって再出版だから、その宣伝をかねているのだろうけど。
というワケでボーイじゃない程度に若い丹波文七の登場だ。
最初のエモノは
サンシャイン60
!
vs高層ビルだッ!
丹波は道着にきがえてサンシャイン60の横にたつ。
どこで きがえたのだろう?
人目につかない所をチャックしておいて、疾風のように脱いで着たのか?
超人的な行動のウラには地道な努力があるのだ。
丹波は全力でサンシャイン60に正拳突きを打ちこむが、壊れも揺れもしない。
このへんが『刃牙シリーズ』とはちがい、常識が限界を作っているのだろう。
でも、59階のレストランではチョットだけ揺れたらしい。
第一話にしてムチャ格闘漫画がリアル系を侵食しようとしている……
丹波は横綱・北乃華に不意打ちをしかけて倒す。
もっとも倒れにくい人間であるハズの横綱を足払いで崩した。
やりかたはセコイけど、たしかな技量をもつ丹波文七である。
でも、どうしてもセコイ感じがしてしまう。
ただ、丹波くんは
23巻
あたりから、また闇討ちをはじめている。
セコイとか、汚いとか以前に、
闇討ちが丹波のシュミなのかも
。
……シュミじゃしょうがないか。……いいや、良くない。
まあ、丹波もアレが卑怯な攻撃だと自覚していたらしい。
弟子というか弟分の涼二とビジネスホテルで丹波は食事をしている。
ハム・牛乳・サバ缶・生卵を食っていく。
ちょっと塩分が多いとの指摘もあるが、とにかく
タンパク質
だ。
格闘士はタンパク質さえとっておけば なんとかなる。
生卵のジョッキ飲みは映画『
ロッキー
』(
AA
)の影響らしいぞ。
闘争を求める丹波文七は餓えた狼のように今日も徘徊する。
ターゲットは陰陽流柔術道場の肥野彦一だ。
この人も彦一か……
日本人には彦一という名前が多いな。(※ そんなことありません)
「…でどのようなご用向きで?」
「立ち合いたい」
「あのォ…… どこで……」
「本日この場…」
丹波がいった瞬間、彦一が仕掛けたッ!
眼突きッ!
容赦なくエグりにきた。
が、丹波は彦一の手首をつかんでとめる。
ここから関節技にもっていけるか?
しかし、彦一は丹波より早く動いた。
反対の手で丹波の手首をつかみ、ジャンプする。
両足を丹波の腕に絡ませて、引き倒す。
そのまま腕十字にッ!
行けないッッッ!
丹波は片腕の力だけで彦一を持ちあげて、技を無効化させていた。
なんというパワーだ。
卑怯でセコイけど、鍛えているから強い。
あと、タンパク質も大量にとっているしな。
その腕力で丹波は彦一を殴る。
一発で勝負アリだった。
勝利のあとも丹波は鍛錬を怠らない。
夜の公園で技の稽古もする。
丹波は道場に通っていないのだ。
我流というか、野武士系の戦士である。
深夜といっても人通りもあるだろう。通報されないか、ちょっと心配だ。
だが、周囲への警戒心と逃げ足を鍛える特訓になるかもしれない。
今日も丹波は強敵を求めて徘徊する。
たまたま訪れたのは、プロレス団体FAWの道場だった。
道場には使いこまれた器具が多数置かれている。
FAWが本気で鍛えていることが、そこからワカった。
連勝街道を走る丹波はプロレスとはじめて戦うらしい。
丹波の相手はどんなレスラーなのだろうか?
次回につづく!
って、二話もやるのか!?
けっこう中途半端なところで終わっちゃうんだけど、つづきが気になる人はコミックス買ってくれってコトなのか?
というワケで、なつかしの餓狼伝だった。
この頃の丹波はあまり悩むことなく明るい感じですね。
最新の丹波はイロイロとつらい経験を重ねてきたので、かなりスレた感じになっていますが。
それにしても、丹波が何者なのかビックリするぐらい説明していない。
空手着を着ているのが丹波なりの良心なんだろうな。
2011年4月7日(19号)
餓狼伝 Vol.2
プロレス団体FAWの道場にのりこんだのは、最強を目指す餓狼・丹波文七だ。
空手をベースにして鍛えてきた丹波の実力はプロレスに通用するのか?
プロレスラーが出てきた。
どいつもこいつも、デカいッ!
180cmを超える丹波よりもさらにデカい男たちだ。
丹波はFAWコーチ川辺を挑発する。
ここで川辺が出してきたのが、梶原年男だった。
なんとなくニブそうな雰囲気をしているが、体つきはホンモノだ。
(潰れた鼻…………)
(よじれた耳……………)
(太
(ブ)
ッとい首 ブ厚い筋肉……………)
(打たれ強さは想像以上だろう………………)
(――――だが…)
(スピードでは俺だろう…… 捕まる以前
(まえ)
に)
(ブチ当てる!)
打撃でつぶれた鼻に、寝技で傷ついた耳をもっている。
鍛えあげられた肉体は高い攻撃力と防御力をうみだすだろう。
しかし、身体が重くなるぶんスピードは落ちる。
原作1巻(
AA
)だと、丹波はスピードを出すために体重を軽くする考えだった。
プロレスラーが攻撃と防御を重視する戦車タイプなら、丹波はスピードと攻撃力を重視する戦闘機タイプだ。
丹波のスピードが落ちる前に、梶原を撃破できるのか?
敵地であるFAW道場で、ゴングがなる。
アップライトにかまえる丹波は打撃の構えだ。
たいする梶原は低く構えた。組み技の構えである。
梶原が不気味に微笑んだ。
間合いをはかりつつ緊張した時間がながれる。
静寂を破ったのは丹波の左中段前蹴りだった。
すさまじい一撃だ。
ツマ先が梶原の腹にメリこむ。
(な……… なんだ!?)
(今の感触は…!!)
(硬い………ッ)
(いや……! ゴムに包んだ岩!!)
(幾層にも重ねた岩!!!)
蹴ったほうが衝撃をうける驚異的な筋肉だ。
肉の感触で、この梶原年男がタダモノでないことがわかる。
やはり重要なのは肉情報だ。
丹波は、梶原に連打をたたきこむ。
一気に倒さなくては、やられる!
防御力の問題から、乱打戦になったら丹波に分がわるい。
自分の体力があるうちに、ダメージを受けてスピードが落ちる前に、ケリをつける。
アッパーをアゴに決め、ヒジを額に打ちこみ、ヒザを鼻に叩きこむ。
どれもイッパツでKOできるような攻撃だ。
しかし梶原は沈まない。
はやく決着をつけたい丹波のあせりが、技のキレを悪くしているのか?
それとも、梶原の肉体がスゴイのか?
息もつかせぬ連続攻撃で、ついに梶原が倒れ……
……ないッ!
踏みとどまった。
倒したと思ったのに、倒せない。
こういう期待を裏切られる状況は大きな精神的ダメージとなる。
(
〈勝負脳〉の鍛え方
)
梶原を倒せなかった丹波はさらにあせった。
汗が、流れている。
あわてて殴るが、梶原は動じない。
すぐさま梶原は丹波の頭をつかんで、頭突きをかます。
ついに反撃がはじまった。
鼻に頭突きをくらい、丹波の目がゆれる。
思考が一瞬とまった。
梶原は、すかさずバックをとって
ジャーマン・スープレックス
だ。
そこから腕と首を同時に極める関節技
チキン・ウィング・フェイスロック
が極まった。
きっちり極まった関節技は脱出不可能といわれている。
しかも丹波は空手家だ。
この状況から逃げる練習をしていないだろう。
第2話にして、最大のピンチだ。
「梶原」
「折っていいぞ」
川辺コーチが非情なる命令をだす。
丹波文七、はやくも第3話で大ケガとなるのだろうか?
次回へつづく。
というか、つづきは
コミックス1巻
で。
表紙以外はとくに変化ないので、ちょっと残念だ。
スペシャル企画の餓狼伝1話・2話でした。
まだ若く、髪の横側を刈りあげている丹波文七だ。
そして
強い梶原年男
がでてきた。
梶原が強いんだ。
丹波を圧倒している。
今回、はじめて餓狼伝を読んだ人は、きっと梶原が丹波にとって生涯のライバルになると思ったにちがいない。
実際に生涯にわたって関わってきそうな男です。
……バカヤロウ、なに泣いているんだよ、俺はッッッ!
というワケで、チャンピオンの餓狼伝でした。
序盤はまだ激闘の予感程度なので、ここからが本番なんですけど。
3話は竹宮流の泉さんも登場して、ものすごく密度の濃い闘争が行われる。
そして1巻のラストには、もはや伝説となった丹波文七の熊技が登場だ。
刃牙とは一味ちがう格闘伝説が餓狼伝だ。
現在、休載中なんですけど、復活が近いのだろうか?
『範馬刃牙』は、ついに最終決戦である親子喧嘩が始まろうとしている。
この二つが意味することは……
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