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第十一殺「六対七」(03年7月1日掲載分)
忍法帖とは乳わしづかみとみつけたり。
朱絹に続いてじかにつかまれてしまったお胡夷であった。
次の犠牲者は朧さまであろう。ねちっこく天膳にもまれるに決まっている。がんばれ小四郎。助けろ小四郎。
そして陽炎も予定に組み込まれているのだろうが、蛍火は…。
う〜〜ん、あの子はつかみどころのない子だしなぁ。
それにしてもお胡夷は腕を鍛えている。体力的は兄の如月左衛門よりもありそうだ。
とか言いながら見直して、また凹む。うぅ、むごい話だ。
ここでは精神に焼けた針を刺しこまれるような苦痛にたえている如月左衛門だが、後に彼は蛍火を殺す。
夜叉丸に化けていたときに、蛍火とはちょっとだけ(かなり)ラブラブになっていただけに別の意味でつらいだろう。
個人的には蛍火が死ぬところが1番つらかったが、漫画版でもつらい話になりそうだ。
ところで細かいことだが、朧が走って塩倉に行く途中で霞形部とすれ違ったと思うのだが、保護色がとけたりしなかったのだろうか。
雨の中全裸で立つ男1人、誰も気づかず。
感想2ページ目も開設とキリのいいところなので、現在の戦況をまとめてみました。
甲賀弾正
甲賀弦之介
地虫十兵衛
風待将監
霞形部
鵜殿丈助
如月左衛門
室賀豹馬
陽炎
お胡夷
お幻
朧
夜叉丸
小豆蝋斉
薬師寺天膳
雨夜陣五郎
筑摩小四郎
蓑念鬼
蛍火
朱絹
甲賀・五 対 伊賀・七 死闘は続く。(03/7/7)感想目次へ戻る
第十二殺「五対七」(03年7月15日掲載分)
日記で弦之介の技をうっかり猫眼瞳術と書いたが、それは室賀豹馬の技であって、弦之介の技とは違うかもしれない。
猫の眼は暗闇でこそ光るのであり、常に光ることのできる弦之介の目こそが「邪眼」だろう。
タイトルの「バジリスク」を考えれば蛇眼瞳術としたほうがいいかもしれない。
この時点では夜叉丸の死は確認されていない。だから蛍火は夜叉丸に化けた如月左衛門を捕まえて安否を聞き出そうとしているのだろう。
執念のあまり、鬼の形相になっていますが…。
弦之介と朧もそうだが、蛍火と夜叉丸はどんなおつきあいをしていたのか気になる。
薬師寺天膳が命令をする相手がつねに筑摩小四郎だと言うのが2人の立場を表わしている。
「小四郎、巻物を」とか「小四郎、配下を集めよ」とか「小四郎、お茶!」とか子飼いの部下も大変だ。
そんな小四郎もイケメンで人気を得たのに次回で包帯男にクラスチェンジだ。
個人的には、そうなってからの小四郎の方が好きなんですけどね。
蓑念鬼と天膳の確執は今回も存在している。
いうことを聞かない蓑さんは、やっぱりその後も命令違反をして、最後までそんなちょうしのままだ。
そして、男の死に様はさらっと流されると思われる。
蛍火なら「夜叉丸どの……」とかいえば絵になるが、蓑さんの場合はギャグにしかならない気がする。
今回の朧は最初から最後まで泣きっぱなしだ。
横で朱絹が支えているのがポイント高い。
朱絹は看護婦属性というか、弱っている人をみたら助けたくなる性質をもっているのだろう。
面倒見のいいお姉さんって感じだ。
(03/7/19)感想目次へ戻る
第十三殺「五対七(その二)」(03年8月5日掲載分)
今回の薬師寺天膳は眉間からひたいにかけてシワが入りっぱなしだ。それだけ必死なのだ。
不死身の天膳を唯一たおすことのできる忍法は朧と弦之介の瞳術しかない。
でも、弦之介に見られると具体的にどうなるんだろう。長生きしていた反動で一気に老いるとか?
イケメンで女性人気をゲットした筑摩小四郎だが、今回でイケメンは見納めだ。
個人的にはこれからの小四郎のほうが好感度が高い。そりゃあもう、けなげですからコイツ。
今回の朧の所業もうらまず、忠義の心は決して忘れない。天膳とは違います。
傷を負った小四郎だが、朱絹姐さんがやさしく看病してくれるのが救いだろう。
イメチェンした包帯男としての再登場に期待します。
七夜盲の秘薬だが、あれを弦之介につけるのは難題だ。
小説の印象では、もっと液体っぽい感じだと思っていたのだが、漫画版はベットリとしてちゃんと塗らないとダメっぽい。
どうやって弦之介のまぶたに塗るのか、お楽しみってところだろう。(03/8/10)感想目次へ戻る
第十四殺「五対七(その三)」(03年8月19日掲載分)
今回から珍道中記の始まり。
甲賀・伊賀ともに忍法の正体はバレている(ただし室賀豹馬はまだヒミツ)。
今までの闘いは、意外な忍法によって勝負が決まっている。自分の忍法が隠されているほうが圧倒的に有利だ。
だが、これからは自分の忍法をいかに利用するかの駆け引きに闘いが変化する。
つまり、これからが応用編なのだ。
そういう意味で、自分の能力を応用して勝利をよびよせた朱絹の闘いはあっけないけど、好きだ。
たけっている2人、霞刑部と蓑念鬼が走っている。
上司のいうことに細かいところで反発していた2人だけに、ついに暴発という感じがする。
暴発したら無事にすまないのは、銃も人もおなじだ。 2人とも周囲の人間を巻きこんだ被害を出すのが、ちょっとだけにている。
(03/8/27)感想目次へ戻る
第十五殺「五対七(その四)」(03年9月2日掲載分)
あ〜〜〜、やっぱ猫目瞳術はいいなー。
師匠の貫禄十分です。夜だけという限定条件も不利ではあるが、魅力に感じる。
原作を読んでいたときは「ゴゴゴゴ……」と威圧感をだしながらゆっくりとまぶたが上がっていき、光が下方に漏れはじめたと思った瞬間「グワっ!」と目を全開で見開くイメージだった。
やっぱり、小説だと各個人でそういうイメージに差があるのだろう。
最近だと、北方謙三「三国志」の呂布がちょっとおもしろかった。私のイメージでは引き締まった体の、わりかし美形。ごつくありません。
友人も「あの呂布はわりと男前だろう」と言っていた。おなじく張飛も男ッ前だと思う。
むしろ董卓以外は全員男前?
イメージの話しだが、私のなかの豹馬はハゲだった。
ちゃんと原作には総髪(月代を剃らない髪型)と書いてあるのに、盲目 → 耳なし法一 → 坊主・ハゲと間違った連想をしたらしい。
如月左衛門もハゲをイメージしていたし(変装するので髪はかつら)、地虫十兵衛もハゲだし(虫に毛は不用)、如月左衛門(正解)もハゲだと思っていた。
甲賀の男半数以上を不毛ときめつける、不届きな所業である。
すみません、私はハゲキャラそうとう好きらしいです。
今回のラストで左衛門が棒手裏剣をなげている。
蛍さんも書いているのだが、山田風太郎作品なら撒きびしを推薦したいところだ。
ちなみに、なんかの文庫本巻末対談で菊地秀行と対談してその話題がでていたのだが、手裏剣だとありきたりなので撒きびしを多用しているそうだ。
菊地氏は、棒手裏剣は重量があるのであまり数量が持てないから軽量の撒きびしにしたのかと推測していたらしい。
携帯に不便だが殺傷力を求めて手裏剣は重くつくられているのだろう。
隆慶一郎作品では、棒手裏剣は刺さらなくても重量の打撃で骨を粉砕できるという描写がなんどか出てくる。
次回は、その棒手裏剣をうけた蛍火を、あにさま(左衛門)がうっかり仏心をだして逃がしてしまうのだろうか。
でないと、みのさんの死体がもったいない。
現在の人別帖は以下のとおりでる。
甲賀弾正
甲賀弦之介
地虫十兵衛
風待将監
霞形部
鵜殿丈助
如月左衛門
室賀豹馬
陽炎
お胡夷お幻
朧
夜叉丸
小豆蝋斉
薬師寺天膳
雨夜陣五郎
筑摩小四郎
蓑念鬼
蛍火
朱絹
のこる忍者は甲賀五名、伊賀六名なり。両陣営の戦力が拮抗しはじめている。
いまごろ気がついたのだが、今回の感想ってまったく原作ネタバレではないな。
(03/9/11)感想目次へ戻る
第十六殺「五対六」(03年9月16日掲載分)
原作とはちがいかなり苦労しながら蛍火は如月左衛門をまいている。
常に待機状態にあると思われる蝶・蛾とはちがい、カナブンを一瞬で呼び寄せる忍術はさすがである。次回、ぬんですけど(T_T)
朧をちらちらと見る薬師寺天膳には、ねちっこい好色がある気がしてならない。
いかに、いのちの精をそそぎこむのか考えているのだろう。
原作での筑摩小四郎は「ただ復讐欲だけで同行しているような手負いであり」と書かれている。
漫画版では、復讐心を育てる前の恐怖の確認中だろうか。
傷つけられた顔と誇りの借りをかえすため、小四郎は盲目の復讐鬼となりそうだ。
ただ、朱絹姐さんの色気に怒りの炎もすこし弱まりそうだが。
今回は蓑念鬼に化けた左衛門の登場で終わっている。
さて、あの髪と鼻毛はミノさんから抜いて植えつけたのだろうか。
世界初、鼻毛の植毛ついに成功なのか!?
原作では、ミノさんの手に毛がないことで蛍火はニセモノだと見破る。しかし、漫画版のミノさんは手を服でおおっている。
しゃべっている途中で、鼻毛が落ちて正体がバレるのだろうか?(03/9/20)感想目次へ戻る
第十七殺 「五対六(その二)」(03年10月7日掲載分)
蛍火さんがお亡くなりになりました。
原作どおり、蝶がとんでいますね。うぅ、せつない…。
しかし、ちょっと女性キャラの死にざまだけ優遇されている気がするんですけど。
男性キャラは死ぬときに意味のある言葉すらしゃべっていない。
次に死すは雨夜陣五郎なので、なにか心に残る言葉で最期を迎えてほしい。
「天膳め、だから海路はイヤだって行ったじゃないか…ぁ………」
最期まで上司への怨み節か?
ちなみに、今回の陣五郎は海が弱点といわずに船をイヤがっている。
なぜイヤがっているのかは、次回のお楽しみなんだろう。
しかし、あらためて考えると、せつない死にかたができる男はいるのだろうか。(弦之介は除く)
筑摩小四郎には可能性がすこし残っているが、勘違いのうちに死ぬのがポイント低い。
そうなると、如月左衛門しかいないのだろうか。
あの世で待つ妹の胸に顔をうずめる幻想のなかで死ぬ。…………どんな兄だッ!?
せつなくは無いのだが、蓑念鬼の死にざまは歴史に残るものだと思う。
それを超す可能性があるのは霞刑部だろうか。
ぜひとも「が、眼福ぅぅ……」といって死んでほしい。
(03/10/14)感想目次へ戻る
第十八殺 「五対五」(03年10月21日掲載分)
予想通り、海水はイヤでござると陣五郎。地虫十兵衛が生きておれば「雨夜陣五郎、なんじの星は、凶と出た!」と言ったであろう。
死相というには、どこが相でどこがヒダなのかわからないし星で占うしかないのだろうな。
今週のワンポイントは「小四郎どのこちらへ」と手を引く朱絹の姿だ。
早くもラブラヴ・ドッキューンですよ。
惚れるのは朱絹さんのほうが先だから、このころすでに母性愛は沸点に達していると見た。
如月左衛門の指の包帯とか陣五郎・朱絹の話など、バジリスクは伏線の張りかたが上手いと思う。
後で大活躍する鷹も今から存在感を主張している。はっきり言って、あの鷹は小豆蝋斉よりも役に立ったと思う。
そして本領発揮をした薬師寺"エロ"天膳の魔の手が潜りこむ。
なんでもいいんですが、こんなワードで検索をしないでください。ナンバー1というより、オンリー1で、うっかり笑ってしまいました。
まあ、それは置いといて、七夜盲のあとが涙のように見えて朧さんがますます不憫にみえます。
陣五郎を蹴り落としたときや(漫画ではやっていません)、筑摩小四郎を自爆させたときは、あれほど憎たらしかったのに(ぇ
(03/10/27)感想目次へ戻る
第十九殺 「五対五(その二)」(03年11月4日掲載分)
前回あたりから鷹が目立っているのは今後の伏線だろう。鷹はこれからも大活躍だ。
ところで、鷹が落ちつかなかったのは霞刑部のせいなのか、薬師寺天膳のせいなのか。
姫様の危機ということで、天膳の行動を警告していたと、私は思っている。
うかつ天膳、二度の死をむかえる。
周囲は天膳が死んでいても誰も心配していないように見える。もう、なれているのだろう。
そりゃ夜叉丸も「殺されたのがあなた様でようござった」と言います。
伊賀では死体になって転がる天膳の姿は日常の風景なのだろう。
陣五郎をたすけるために脱ぐ朱絹姐さんも伏線だろう。
原作では保護色になる刑部を見つけるために脱ぐ。
漫画版では次回への引きを天膳復活として、朱絹が脱いだ意味をごまかしているのだろう。
(03/11/9)感想目次へ戻る
第二十殺 「五対五(その三)」(03年11月18日掲載分)
そろそろ、ネタバレの感想も少なくなってきました。
とりあえずポイントなのは頭巾の男のどちらが甲賀弦之介で、どちらが室賀豹馬なのか?
首領より先にしゃべるのは失礼になるかもしれないので、先にしゃべったのが弦之介だろうか。
よく見れば、服装が違っていて、やはり先にしゃべっていた方が弦之介と思われる。
先にしゃべっているほうが攻撃的なことをいっているんですけど、ほんとうにやる気があるんでしょうか?
泥に顔をうずめる弦之介の姿は描かれるのだろうか?
「待ってくれ、息がつづかぬ」
「弦之介さま、しばしのご辛抱を、豹馬お手を押さえてくれ」
「キシャー、弦之介さまになんてことをッ」
なんて漫才はやらないのだろうけど。
しかし、薬師寺天膳のうかつさは、本人の行動だけでなく作戦にも現れている。
つきあわされる筑摩小四郎もたまったものではないだろう。
天膳は死なないからいいんだろうけどさぁ。
伊賀では天膳が死体で転がっているなんて日常の風景なんだろうな。
「天膳、天膳はおらんか?」
「お幻玄さま、薬師寺殿なら女湯のそばで頭に手裏剣つきたてられて死んでます」
「やれやれ、またかい。生き返ったら私のところに来るように伝えとくれ」
てな、感じなんでしょうね。
(03/11/27)感想目次へ戻る