バジリスク〜甲賀忍法帖〜 感想

 基本的に原作ネタバレです。
参考リンク:せがわまさき先生の公式ページ
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 最終殺「一対一」(04年6月15日掲載分)

 ついに最終回だ。
 だからもう、原作ネタバレで書くことは無いんですけどね。

 一筆書くことで甲賀の勝ちになるのかと前から疑問に思っていたが、それは服部半蔵の温情(?)で解決らしい。
 初代・服部半蔵も温情の人で、徳川家康の嫡男・徳川信康の介錯を任せられたさい涙が止まらず刀を振り下ろせなかったと言われる(真偽は不明)。
 この話には、半蔵が取り乱すことで信康への愛情を演出してみせたという話もある。
 どちらにしても、忍者の世界はキレイ事では済まないということだ。
 阿福へのささやかな嫌がらせをする服部半蔵に、ちょっとお小遣いをあげたい気分だ。

 最終ページに『次回作の風太郎忍法帖を準備中です。ご期待ください』とある。
 これは、「風太郎忍法帖シリーズのどれか」ということなんだろう。
 なにを漫画化するのかは、出てからのお楽しみと言う感じですが、なるべく長い話だといいな〜。
(04/6/15)
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 第三十三殺 「一対二」(04年6月1日掲載分)

 甲賀弦之介と朧の対峙まで話が進むとは思わなかった。
 でも、残りページの事を考えると、これくらいが妥当か。
 この後もやらなくちゃいけないことが結構多いし。

 原作と違い朧が気絶しなかったのは、阿福の性格なら止める人がいない限り気絶している弦之介にトドメを刺しちゃうと判断したからだろう。
 せがわ先生は話の整合性に気を使っていますし。

 で、薬師寺天膳は最後まで悪をつらぬく。
 朧も呼び捨てにして、怒りを見せる。

 私は、この作品において薬師寺天膳こそが主人公だったのではないかと思う。
 物語を引っ張りかき回し、破綻させて、面白くしているのは薬師寺天膳だ。
 こいつが冷静なヤツだったら伊賀の圧勝で終わっていただろう。
 まあ、歴史の事実で伊賀が勝つことは最初からわかっていたんですけど。

 誰よりも強く勝利を望みながら、寄り道したり、うかつな作戦で失敗を重ねていった男が薬師寺天膳だ。
 肝心なところがあやふやな彼の作戦に、常に読者はドキドキだ。
 最後の最後まで、余計なことにばかり熱心な人であった。
(04/6/1)
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 第三十二殺 「二対二(その三)」(04年5月18日掲載分)

 あと2回だから、次回こそ「ハヒィー、お止めください朧さま…」な薬師寺天膳だろうか。
 今回もペタッと尻をついてみたり、萌えに余念がない朧さんであった。
 まあ、最後に点数稼いで置かないと、「伊賀の地雷女」とか言われそうだし。

 とりあえず、漫画版における朧の犠牲者は「鵜殿丈助」「雨夜陣五郎」「陽炎」「薬師寺天膳」で確定しそうだ。
 漫画オリジナルが、「鵜殿丈助」だ。
 これで伊賀・甲賀、かろうじて五分と五分である。
 あやうく、味方の損害のほうが大きくなるところでござった。

 そして、家政婦は見たって感じの中の人。
 本体と中の人、どっちが証言をするのだろう。

 次回は天膳の衝撃の告白までだろうか。
 たぶん天膳カウントは、されていないだろうからタイトルは「二対一」だろう。

 しかし、天膳はタイマンにとことん弱い。
 甲斐高風さん甲賀忍法帖生き残り対策マニュアルでも、指摘されていますが、おどろいている相手じゃないと常に一回負けている。
 まあ、そのうかつが天膳の魅力なんでしょうけど。
 ドジっ娘の朧とはけっこう相性が良かったりして。
(04/5/18)
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 第三十一殺 「二対二(その二)」(04年5月1日掲載分)

 朧が板割った瞬間、私は叫んだ。
「原因は、お前か! このバカ者かッ!」
 いや、もちろん心の中でですが、朧のあまりのドジっぷりに肌に粟が生じた。
 しかも、この女「ぐす」とか泣きやがるんですよ。萌えるじゃねェか。
 とにかく薬師寺天膳の死は、初めも終わりも朧の手柄だったわけだ。

 まあ、うかつっぷりはともかく、見た目はカッコよかった。
 死ぬ前の最後の花場だ、がんばれ。

 そして、最終回まであと3回。
 カウントダウンが始まった。

 天膳のうかつっぷりも次回で見納めだろうか。
 最後には「ハヒィー、お止めください朧さま…」みたいな表情になるんだろうな。
 楽しみ。
(04/5/1)
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 第三十殺 「二対二」(04年4月20日掲載分)

 ついに、ここまできた。
 原作で言えば最終章『最後の勝敗』に入ろうとしている。
 今までのペースから考えると5巻分で完結だろうか。

 今回の陽炎は原作以上に死にそう感が出ている。
 今回の薬師寺天膳は原作以上にうかつっぷりを出している。
 そりゃ、死体を駕籠に詰め込まれたりもしますよ。

 ちなみに わたくし、漫画を読むまで、天膳の死体が駕籠に入っていたことに気がついていませんでした。
 てっきり復活済みで部屋を覗いていたのかと思っていた。
「あの駕籠にはだれがはいっているのです」は原作でもちゃんと言っている。

 たぶん、その後の「唾(つば)を下さりませ」で脳が初期化されたのだろう。
 このセリフは生々しくてちょっと苦手だ。カットされていて、すこしホッとする。
 ちょっと、あからさまに誘いすぎだし。
 こんなのに引っかかるのは天膳と若造ぐらいですよ。
 むむっ? 合っているじゃないか。

 次回は、お待ちかねの「伊賀責め」だ。
 ああ、天膳のいう「伊賀責め」とはこのことか。
 甲賀忍法帖における最大級の見せ場だ。
 陽炎には、本気でお気の毒なんだけど。

 陽炎の人生最悪の日は、すなわち天膳の人生最良の日だ。
 天膳が、どれだけ嬉しそうな表情を見せるのか見物だ。
(04/4/20)
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 第二十九殺 「三対二」(04年4月6日掲載分)

 得意げに己の弱点と能力の全貌をさらけだす薬師寺天膳であった。
 うつけ者め。

 陽炎をさっさと倒せばいいのに一時の痴情で命を捨てる。
 おろか者め。
 しかも、見られるのがお好きですか? 極めつけの変態だ。

 この人は、なにかと見せつけるのが大好きだ。
 古くは朧を襲うさまを筑摩小四郎に聞かせた。
 朧との祝言を甲賀弦之介に見せつけるとも言っていた。
 少し未来では、伊賀責めをしているとき、陽炎に朧とまぐわうさまを見せつけようとする。
 やっぱり、変態だ。

 原作では変態であってもスゴ腕・忍者である天膳は如月左衛門を自ら刺す。
 漫画版では、うかつ者ゆえか自分で手を出していない。
 今までも、そして これからも失態を繰り返す彼だから、その方が似合う。
(04/4/11)
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 第二十八殺 「三対三(その四)」(04年3月16日掲載分)

 薬師寺天膳は、芸が細かすぎ。
 手首を固定する添え木とかつけないんでいい。そんな小道具にこだわらずに現場に急行すれば、朱絹は助かったのかもしれないのに。
 きっと一人じゃ心細いので、阿福配下の武士を泣きながら説得して(自分が本物だと)、編み笠借りて添木をつけて出発したのだろ。うぬは、馬鹿か。

 もっとも、単独で天膳がむかっても、返り討ちにあいそうなので、あまり責められない。
 天膳は優秀な忍者であるという描写が原作では端々にある。しかし、結果がまるで伴っていない。
 正面切って戦えば雨夜陣五郎にも負けるのではないかと心配してしまう。
 実際、盲の甲賀弦之介にも負けているし。

 次回はきっと「中の人」について解説してくれるのだろう。
 しかし、不死身を自慢するのはいいが、正しいトドメの刺し方を大勢の前でしゃべるのは、やっぱりどうかと思う。うぬは、アホか。
 この話は、前回も書きましたが、何度言っても足りないので、次回も書くと思います。
(04/3/16)
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