残虐超人と化した大阪の猛攻は止まらない!
しかし相手はまがりなりにも最凶死刑囚!
油断するな、大阪!!
スペック
「AOOOOOOOOO!!」
悶絶するスペックに対し、大阪のとった行動とは、
大阪
「♪どっちの雲がシャーベット〜?
そうやね どっちやろ〜?」
歌うな。
お前はVS加藤戦のドリアンかっ!?
しかしスペックもタダでは転ばない!!
隠し持っていた特殊警棒で、大阪に
一矢を報いんと試みる!!
その時、ちょうどそこに
にゃも先生が現れた!!
にゃも
「ちょっと、あなた達・・・やけに帰りが遅いと思ったら
何やってんのよ!!
体育教師・黒沢みなも(26)は
この時の様子をこう語っている―――
にゃも
「春日さんと・・・ええと、スペックさんとの決着までの
時間ですって?
いや・・・ホント2,3分かそこらで・・・ええ」
スペック
「ホントウニ甘イ・・・ヤハリ少女(ガール)デス・・・」
ガッ! ガガッ! ドガガガッ!!
特殊警棒で大阪をメッタ打ちにするスペック!!
スペック
「アノママ一気ニ追イコメバ、キミノ勝チモ
充分ニアリ得タ」
そして、彼が再びふところから取り出したのは・・・
拳銃!!
ドンッ! ドンッ! ッドォン!
その弾丸の1発は大阪の太腿をかすめ、
2発目は肩の部分を貫通し、最期の一発の弾丸は
大阪の上腕部をそぎ取り、危うく難を逃れた!!
大阪
「あうッッ!?」
本部
「いかん!撃たれたッッ!!」
スペック
「ヘッ・・・運ノイイオ嬢チャンダ・・・
急所ニハ当タラナカッタノカ・・・」
「喧嘩(ファイト)ジャナイ」
「殺シ合イナンダヨ」
「コレハネ、オ嬢チャン・・・喧嘩ノヨウナ
甘〜〜イ世界ジャナインダ。」
「ワタシノヨウナ世界ニ生キル人間ニトッテ」
「勝負トハ♪」
「タトエバ
キミト僕トノ全テヲ賭ケタ・・・命ノ奪イ合イ
不意打チ・ダマシ打チ・武器使用、全テOK」
だが、負傷にあえぐ大阪の口から
放たれたのは、あまりにも意外な言葉だった!!
大阪
「ぐぅっ・・・た、確かに・・・その通りや」
「ようわかっとるやないの・・・」
スペック
「ホウ・・・?」
大阪
「せやけど・・・私の考えとあんたの考えとは
ちょっと違う・・・」
「さっき・・・あんたは言うたな、
私との全てを賭けた殺し合いやと・・・!
私に言わせれば・・・これはもはや喧嘩でも
殺し合いでもない・・・
これはもはやそれ以上・・・
私とあんたとの全威信と面子を賭けた・・・」
戦争やッッ!!」
本部
「あの娘・・・ついにキレおったな・・・!」
続きます!
やはり攻勢に転じたのはスペックだった!
しかし、まだ大阪の心は折れてはいない!
はたして、いったいどうなる!?
スペック
「戦争・・・ダト?」
大阪
「そうや。喧嘩も殺し合いも確かにあんたの言うとおり
私とあんたとの奪い合いや・・・。
でもな、おそらくは人間の競争・競合・闘争と
いった類の争い事の最大の単位・・・
それが「戦争」っちゅうことや。
言っとくけど単なる喧嘩や
殺し合いとは争いのレベルが違うで・・・」
スペック
「ヘッ・・・何ヲ今サラ・・・」
スペックはそう言うと、閃光弾の引き金に
手を伸ばす!!
だが、大阪はスペックが素早く目隠しをしたその瞬間、
なんと跳躍からの
「大上段後方回転胴回し蹴り」で
その手から中空に放り投げられた閃光弾を
自らのはるか背後に蹴り飛ばした!!
カッッ!
校舎裏の菜園の向こうで、
この世でイチバン強烈な光が炸裂する!!
スペック
「ジ・・・ジーザズ・・・!」
大阪
「まだ分かっとらんようやな。せやったら・・・教えたる。
さっきの銃撃のとき、あんたは「急所を外れた」言うたな。
やけど、それは「言葉としては」正しくない。
・・・正確には「私が」「急所を外した」や!」
本部
「な・・・何じゃとおッッ!?
まさかあの娘、あの至近距離から発射された
弾丸を見切り、最小限の回避運動で自らの
被害を急所から外したというのかッッ!?」
スペック
「ナ・・・ソ、ソンナッ!」
大阪
「教えたる・・・私にとって戦争とは・・・
こういう事を言うんやッッ!!」
にゃも
「ええ・・・いつのまにか春日さんの右手には、
ミネラルウォーターがパンパンに
入った2リットル入りのペットボトルが
握られていました。それでスペックの頭を・・・
ボィンボィン、ボィンボィンと何度も何度も
殴り続けたんです。
このペットボトルによる打撃攻撃は、
なんでも相当に危険なものらしいんですね。
というのも、例えば普通に硬いもので頭を叩いても、
人間の丈夫な頭蓋骨が「脳に伝わるダメージ」を
緩和・防御してくれます。
しかし、ああいうペットボトル等の
ある程度柔らかく、しかも弾力性のあるもので
頭部を殴打すると、その衝撃は頭蓋骨を浸透して、
直接脳へ伝わると聞いたことがあります。
そんな攻撃を際限なく繰り返すっていうんですから・・・
さすがの死刑囚も視界がドロドロだったでしょうね。
「古流殺法・脳髄砕き」って言われてるんですって?
後で聞いたんですけど。
(ペットボトルってそんな古い時代からあったのか?)
ビックリしましたね・・・私も4〜5年くらい
体育教師やってますけど、まさかあの運動も勉強も、
何も極端に出来ない春日さんが、
あんなに強かったなんて・・・!」
次回、ついに決着! 続きます!
大阪VSスペック、今決着の時!!
はたして勝者は最凶死刑囚か!?
それとも最凶ヒロインか!?
「古流殺法・脳髄砕き」炸裂!
だが、スペックの必死の抵抗が大阪を狙う!!
にゃも
「局部でしたね。(以下タグ使用します)
中指でこう・・・根元まで
ずっぽりイッてましたよ」
あれは処女膜や膣道を越えて子宮まで達してたかも
知れませんねえ―――
彼女も、体内で激しく指を動かされたとからしくて
顔を赤くして「えぅッッ・・・!」とかあえいでましたね。
しかし、そこまでしても春日さんの
攻撃は止められなかった―――
顔です。俗に言う「アイアンクロー」ですね。
私は知らなかったんですが、春日さんの本気の
握力って、握力計では計れないんですってね。
粉薬をオブラートで飲めないからって
握って錠剤にして飲むっていうんですから・・・
万力じゃあるまいし」
「もちろん、スペックの顔はグシャグシャに潰されました。
そしてさらに、その時不思議なことが起こったんです。
そうですね・・・ほとんど平らと言っても
過言ではなかった彼女の胸が、突然風船のように
ふくらみはじめたんです。まるで周囲の空気を
吸い尽くさんとばかりに・・・。
その次の瞬間、起こった出来事を、私は一生忘れることが
出来ないでしょうね・・・「空想科学読本」で読んだんですが、
音っていうのは熱量に換算すると
莫大な量になるらしいですね。
そう、例えるなら
「大気の雷(いかずち)」
とでもいうんでしょうかね・・・アレは。」
本部
「いかん!全員耳をふさぐんじゃあッッ!!」
大阪
「へーちょッッ!!」
ドッゴオオオオン!!
・・・再び校舎が揺れた。
大阪の本気のくしゃみ「へーちょ」、
通称「音響砲」が放たれたのだ!!
極限まで肺に蓄積された空気を、
くしゃみとともに瞬時に吐き出したなら、
その轟音は兵器となる!!
その場にいた者全ては後方に吹き飛ばされ、
直撃を受けたスペックは
鼓膜破りをも凌駕する
その圧倒的な衝撃波の前に
微塵の原型もとどめることなく、
バラバラとその場に崩れ去った―――!!
にゃも
「立ってましたね。
ええ、肩口を撃たれていたことは確かです。
あれこそは乙女立ち(おんなだち)
とでも言えばいいでしょうか・・・
貞操と引き替えに勝利を手に入れた―――」
「それが春日さんなんですねえ・・・」
25分7秒
音響砲
大阪〇―●スペック
大阪VSスペック、完全決着!!
続きます!
大阪とスペックの壮絶な闘いは、
最凶ヒロインの勝利によって
幕を下ろした。一方、その頃―――・・・・・・
???
「め・・・ざめ・・・よ・・・」
とも
「う・・・うう〜ん・・・?・・・誰〜?」
???
「目覚めよ・・・滝野・・・智・・・」
とも
「・・・うぅん・・・あと五分・・・って・・・
うわ!?」
???
「私が・・・誰か・・・分かるかい・・・?」
ともが驚いて目を覚ましたのは、
虚空ともいうべき真っ暗な、しかし
どこか暖かさを湛えたような不思議な空間―――
そしてそこに居たのは、ネコをふくらましたような
二足歩行の異様な生物の姿だった―――
とも
「あ・・・あんた、確か大阪がちよちゃんの誕生日に
あげた、変なネコのぬいぐるみじゃん!!
な、何でこんなトコにいんの!?」
???
「滝野 智よ・・・
私は君たちを・・・この場所へ連れて来た者だ。」
とも
「へ・・・?
ど、どういうコト!?あんたが私たちをこの未来に・・・!?
な・・・何でそんなコトしたのー!?」
???
「今は・・・分からなくてもいい。
ただ・・・これだけは知っていて欲しい。
君の友達である・・・美浜 ちよ・・・春日 歩
そして・・・紺野 雪江・・・この3人によって、私の試みは
より「目的」へと近づいた・・・」
とも
「は!? 何いってんの!?」
???
「私は正直言って、驚きを隠せないでいる・・・
まさか・・・本来ならば、この世界にとって
イレギュラーな存在でしかなかった者たちが・・・
次々と「己の意思で」・・・この世界での
ニッチェ(生態的地位)を獲得する力を
手に入れ始めたのだから・・・」
とも
「いれぎゅらー・・・?にっちぇ・・・?
何言ってるのかぜんぜんわかんない・・・」
???
「滝野 智よ・・・君もまたその例外ではない・・・
強く・・・強く願うのだ・・・君の友達を・・・
大事な人々を無くしたくないと・・・
そうすれば・・・君のその手刀は、その願いを
かなえ得る力を以って、残り3人の
「災い招くものたち」を・・・退けるだろう・・・
さあ・・・新たなる戦場はすでに用意されている・・・」
そういうと、彼はふわふわと空へと
舞い上がっていく・・・
とも
「あ、待って!!
ど、どういうこと!?そうやって強く願うと
私のチョップがどーなるってゆうの!?」
???
「俺に聞かれてもなぁー・・・」
そう答えると、不思議なネコのような生き物は
空の彼方へとゆっくりと飛び去っていった―――
電撃大王高校・家庭科室―――
よみ
「とも・・・とも!!
起きろ!!」
とも
「ふぁれ・・・よみ・・・?」
よみ
「ったく、こんな時にノンキに居眠りなんてしやがってぇ」
とも
「ゆ・・・夢・・・?
こんな時って・・・!?」
よみ
「大阪が、死刑囚に襲われて大ケガしたんだよ!」
とも
「えええッッ!?
そ、それで大阪、大丈夫なの!?」
よみ
「ああ、何でもさっきの爺さんが
スゴい柔術家だったらしくて
一応そいつは倒せはしたらしいがな・・・」
(なんか大阪第2形態には緘口令が敷かれているらしいです)
なにやら急転直下の展開になってきましたが
次回へ続きます。
とも、予期せぬ未知との遭遇!!
本部、予期せぬ株急上昇!!
(Mr・サタンかあんたは)
そして、未来世界にはさらなる異変が・・・!?
大阪
「いたい〜」
榊さん
「よしよし、もう大丈夫だ・・・」(抱っこしながら)
かおりん
「(いいなあ、大阪さん・・・私もあんなふうに介抱されたいな〜)」
神山
「ふぅ・・・何はともあれ、春日さんが
無事でよかったよ。」
林田
「まったくだ。前田、おまえがついていながら
何でこんなふうになっちまったんだよ?」
前田
「いや・・・その・・・なんて言うか・・・
なっ、爺さん?」
本部
「お、おお・・・そうじゃの。あ、あと少し
ワシが出るのが遅かったらエライことになっとったわい、ハハ」
神楽
「しっかし、お爺さんって強いんだね〜。私はてっきり
ただの解説役かと思ってたよ(注:ただの解説役です)。」
その時、その中にいたフレディが無言で
ある方向を指差した―――!
林田
「ん?どうしたんだ?フレディ・・・・って、
な、なんだありゃあ!?」
よみ
「そ・・・そんな・・・!今の今まであんなモン
なかったよな!?なっ!?なっ!?」
そう、電撃大王高校から数百mほど離れた
その場所には,突如として大規模な「遊園地」が
出現していたのだった!!
大阪
「どうゆうこと〜?」
とも
「はっ!!(確かあのネコが言ってた言葉の中に
「新たなる戦場はすでに用意されている」・・・)
ってのがあった・・・まさか、アレが・・・!?)」
林田「なあ、せっかくだからあそこに行ってみないか?
もしかしたら、誰か人がいるかもしれないしな」
神山「そうですね・・・おそらくあの遊園地も
偶然、我々と同じくタイムスリップに巻き込まれた
可能性が高いですから・・・」
かおりん
「で、でも何か変じゃないですか?」
ゆかり
「ま、気分転換にはいいかもね。みんな、急に
環境が変わっちゃって精神的に疲れてるだろうし。」
とも
「わーい!遊園地だ!遊園地だー!!」
(どうも彼女は話の流れを把握してないようです)
よみ
「私も行くよ。みんなどうする?・・・あ・・・」
大阪
「ええで〜、みんな楽しんできてや〜。
おみやげ楽しみに待っとるからな〜。」
榊
「じゃあ、私はここに残って看病してる・・・」
かくして、電撃・クロマティ高校一同は、探索を兼ねて
その遊園地へ向かうこととなった・・・・・・
しかし、彼らはまだ知らなかった―――その遊園地が
いずれとんでもない戦場に変わるということを―――
そして、メンバーの中からいつのまにか
ちよ様の姿が消えているということを―――!!
続きます。
風雲急を告げる未来世界の荒野に、
突如として現れた巨大な遊園地!!
これはいったい何を意味するものなのか!?
そして、ともの見た夢との関係は!?
とも
「ねーねー、何に乗ろっか!?」
林田
「そうだな、豪快にフリーフォールとか乗りてえな。」
神楽
「あー、あたしもー!でもジェットコースターを先に
行っとかなくちゃ通とは言えないねー!!」
ドリアン
「私はメリーゴーランドがいいな・・・」
神山
「ははは、おじさん、まだまだお若いですねぇ。」
本部
「ワシもあまりキツイのはカンベンしたいのぅ。」
かおりん
「あーあ、どうせなら榊さんと来たかったな〜。」
前田
「仕方ねえよ。あのコを一人学校においとくわけには・・・
(あ、彼女なら一人でも大丈夫だな、そういや)」
ドリアン
「お嬢ちゃんは絶叫マシーンは平気かな?」
よみ
「う〜ん、微妙かな〜・・・」
かおりん
「私はゆかり先生の運転で慣れちゃいました。」
よみ
「あははは、アレはひどかったもんねぇ。
私は見てただけだったけど。」
ゆかり
「うっさいわねぇ、これでも最近、バックで駐車できるように
なったのよ!」
にゃも
「・・・アンタ、いったいどうやって免許とったんだ?」
ゆかり
「ま、いーじゃないの!それよりホラ、遊園地よ、遊園地!!」
とも
「イェ―――イ!こうなりゃ全部乗ってやるぜ―――!!」
神楽
「あれ?そういや、ちよちゃんは?」
神山
「ああ、何かメカ山の修理とかしてたから、そのうち
来るんじゃないかな?」
そして、一行は遊園地に到着する。
彼らを入園場で出迎えたのは、ピエロに扮した
一人の男だった。
遊園地の支配人・芦田さん
「あ、お客さんですね!ようこそいらっしゃいました!」
本部
「ほう、ピエロのお出ましとはまた凝った趣向じゃな。」
芦田さん
「いや、私といたしましても、いきなり遊園地ごとこんな場所へ
移動しちゃって・・・参ってたんですよ。
お客さんも来ないし、何がなんだかわかんなくって。
まあ、今日は皆さん、楽しんでいってください!!」
一同「わ――――――い!!」
―――早く気づけアンタら。
まるまる1エピソードをボケに費やしてくれるとは
我ながらいい度胸だな、珈琲選定評議会よ(マジですいません)。
というわけで、続きます。
遊園地での行楽を満喫する、電撃・クロ校
御一行様・・・&謎の巨大な白人。
頼むから誰かツッコんでくれッッ!!
夕日が一同の顔を照らし出す頃、時刻は
5時ちょうどを告げようとしていた―――
とも
「あー、楽しかった!
もう最高だったね、あのジェットコースター!」
神楽
「うん、乗り物も一通り乗ったし、大阪と榊のみやげも買ったし
もう思い残すことはねーな。」
林田
「おい、あのオッサン・・・まだはしゃいでるぜ」
神山
「ホントだ・・・
ところで、あの人誰?」
林田
「さあ・・・?」
やはりツッコミの口火を切ったのは
神山&林田だったようだ。
一方、ドリアンは童心に帰ったかのように
まだコーヒーカップを回して遊んでいる。
その笑顔は最高に素直な、まるで幼い子供のような
表情を浮かべている・・・・・・
ギュルルルルルウゥゥン!!
が、突然そのコーヒーカップの
超高速の回転運動は、何者かの指一本だけの
抵抗によって簡単に静止された!!
ギュルルルッ!ビタッッ!!
ドリアン
「おおッッ!?」
ゆかり
「あ・・・あれは・・・
ちよちゃん!?」
ちよ様「この時を・・・待っておった。」
「世紀末覇者拳王・ちよという者である。」
「その殺気・・・先ほどの侵入者とよく似ておる・・・」
「だが・・・どことなく幼さに似た純粋さも感じられる・・・
解せん輩よ・・・!」
ドリアン
「この国に来て初めて―――
サイズ的にはわたしと見合うな」
(たぶんちよ様のほうがはるかに大きいと思いますが)
ちよ様
「ひとつ聞こう・・・うぬは北斗七星の脇に輝く
小さな星を見たことがあるか・・・?」
ドリアン
「いや・・・?天文学に興味はないが・・・?」
ちよ様
「そうか・・・だがどちらにしろ、うぬはこの拳の前に
ひれ伏す事になるであろう!」
「ぬんッッ!!」
ドゴオォッ!!
拳王ちよ様の先制攻撃がドリアンにヒット!
ギャギャギャギャアッ!
その拳圧の前に、約2mになるであろうドリアンの体躯も
不快な摩擦音を上げて後方に強制スライドされる!!
それに応じるかのように、反撃に転じるドリアンッ!!
ドリアン
「憤(フン)ッッ!!」
ガッ!ドッ!ドッ!
出たッッ!中国拳法仕込みの3連突き!!
だが・・・
その直後、奇妙な静寂が訪れる・・・!!
ポタッ・・・ポタッ・・・
ドリアンの頭上から、何か水滴の落ちるような
音が聞こえてくる・・・
ス―――ッ・・・なんと、それは
ちよ様の流しておられる涙の音ではないかッ!!
ちよ様
「き・・・効かぬ!」
「効かぬのだ!!」
拳王ちよ様、謎の落涙!!
いったい、どういう事なのか!?
続きます!
怒れるちよ様の眦(まなじり)から
涙が・・・!?いったいどういう事なのか!?
そして一方、学校に残った榊と大阪は・・・!?
スペックとの激闘で負傷し、静かに保健室のベッドで
眠る大阪。その傍らには、健気に彼女を優しく介抱する
榊さんの姿があった。
ポン・・・ポン・・・と榊さんは、眠れる大阪の身体を癒すかのように
その手のひらでゆっくりと、まるで子守唄のように静かに叩いていた。
大阪
「・・・ん〜〜・・・?」
榊さん
「あ・・・起こしちゃった・・・?」
大阪
「ん〜ん・・・榊ちゃん・・・ありがと〜・・・」(どうやら半起きらしい)
榊さん
「・・・・・・」
「春日・・・さん・・・あの禿げた大きな人、やっつけたの・・・
春日さん・・・だよね?」
大阪
「あれ・・・?
なんで榊ちゃん・・・そのこと知っとん・・・?」
榊さん
「・・・2階から見えた・・・」
大阪
「・・・えへへ・・・榊ちゃん、ひどいな〜・・・
せやったら、なんで助けにきてくれへんかったん・・・?」
榊さん
「・・・わかってたから。
あの勝負に勝つのは・・・
春日さんだったって・・・
だから・・・助けにはいかなかった。」
「でも・・・ごめん。こんなことになるなら、
例え足手まといになるってわかってても・・・
助けに行くべきだった・・・」
大阪
「そっか〜〜・・・でも、私はな・・・その気持ちだけで・・・
充分うれしいで・・・ほんまにありがとう・・・」
榊さん
「・・・・・・・・・」
大阪
「なぁ、榊ちゃん・・・」
榊さん
「え?」
大阪
「もしよかったら・・・さっきみたいに、抱っこしてくれへん・・・?
まだ・・・肩のキズがいたいんよ・・・」
榊
「え・・・?あ・・・う、うん。わかった」
榊さんは、ゆっくりとなにか大事な宝物を
触るかのように、優しくまるで寄り添う恋人のように、
ベッドに腰掛けて大阪を抱擁する・・・
大阪
「えへへ・・・榊ちゃん・・・なんかお母ちゃんみたいや・・・」
榊
「・・・お母さん・・・?」
ドクン
その言葉が、榊さんの心の裡(うち)の何かを
叩く音がした。そしてそれは、大阪も同様だった。
榊さんの胸に抱かれた大阪は、甘く眠たげな声でつぶやく。
大阪
「お母ちゃん・・・
・・・お母ちゃんの胸と・・・いっしょや・・・」
大阪の眼から、ひとすじの涙が頬を伝い、
わずかに榊さんの制服を濡らした。
ドクン
今までにない展開に、どうする榊さん、そして大阪!?
続きます。
・・・・・・一方、遊園地。
謎の涙を流すちよ様とドリアンの死闘の
行方や如何に!?
ドリアン
「くッ・・・効かぬだと!?」
キラ・・・キラ・・・ッ!
ドリアンの持っていたライター状の小物から、
必殺のアラミド・チタニウム合金繊維が展開される!!
4ミクロンにして張力200kgという
この前代未聞のとてつもない秘密兵器が
―――ちよ様の首の頚動脈に向けて
投げ輪のように巻かれる瞬間!!
シュバババアアァァッッ!!
ちよ様「効かぬのだドリアン!!
北斗鋼裂把ッ!!
我が指先はいかなる物をも引き裂く!!」
なんと、最先端科学の結晶ともいえる
アラミド繊維が、ちよ様の秘奥義によって
音もなく引き千切られた!!
本部
「おおおッッ!!」
ドリアン
「ヒッ・・・!」
ダダダアァッッ!!
急に怖気づいたのか、
あるいは何らかの策があるのか、
ちよ様に背を向けて、突如ドリアンは
脱兎の如く逃げ出したッ!
ちよ様
「フン・・・逃がさぬ!!」
ピイィ――――――ッッ!!
ちよ様の指笛が遊園地内に響き渡るッ!
そして―――
それに呼応するかのように・・・遠くから
聞こえてくる地鳴りのような轟音がッッ!!
ドドドドドド・・・!
とも
「なっ・・・なんだ!?なんの音!?」
ドドドドドド・・・!
神山
「地震・・・いや、違うぞ!」
ドドドドドドドドッッ!!
本部
「こッ!これはァッッ!?」!
バッ!
「ワオ―――ン!!」
なんと、そこに飛び出してきたのは、
象・・・よりも遥かに巨大な、太古に存在した
ティラノサウルスくらいはあろうかと思われる
あまりにも巨きな白い犬!!その名も
「忠吉号」ッッ!!!
林田
「で、でででで・・・デケえッ!!
とんでもなくデカい犬がッッ!!」
ちよ様
「はいや―――ッッ」
すかさず「忠吉号」のその背に飛び乗るちよ様!!
「忠吉よ、あの者を追えい!!」
忠吉「わん!!」
はじまるはじまるヒトとイヌとの
地獄の猛レース!!
続きます!
夕日に染まる遊園地を舞台に、二人の漢と
一頭の犬が阿鼻叫喚の爆走大レース!!
「3人のかけっこは、とても楽しいです」
(BGM:チキチキマシン猛レース)
一方、学校に残った二人は・・・!?
電撃大王高校・保健室――――
大阪
「お母ちゃん・・・大好きや・・・」
榊さんの頬に顔をよせる大阪―――
榊さん
「春日・・・さん・・・?
(寝ぼけてる・・・?)」
大阪
「ちゃうで・・・私のこと「あゆむ」って・・・
いっつもゆうてたやんか・・・」
榊さん
「・・・・・・・・・・・
(「あゆむ」・・・・・)」
大阪
「・・・な〜、お母ちゃん・・・
また・・・いっしょにねんねしよ〜・・・」
榊さん
「え・・・?」
大阪
「お母ちゃん・・・ゆうてたな・・・
「あんたはほんまに甘えんぼさんや」て・・・
そんでも・・・ずっと・・・小学生になっても・・・
いっしょにねんねしてくれてた・・・
ごめんな・・・お母ちゃん・・・」
榊さん
「・・・春日さ・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
大阪
「・・・お母ちゃん・・・」
榊さん
「・・・・・「あゆむ」・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「うん・・・また・・・いっしょに「ねんね」しよう・・・」
大阪
「・・・わぁい・・・お母ちゃん・・・」
夕日が保健室の窓から、そっと二人の
ひとつになった影を伸ばす―――
いつのまにか―――
頬ずりをしていた二人の顔は
近づきあい、その小さな唇は―――
音もなくただ朱の静寂の中で
触れあっていた――――――
榊さんと―――
大阪と――――
初めての―――
キス―――――
とろけそうに甘く――――
モノクロ映画の1シーンのように切なく―――――
されど、煉獄の業火よりも熱い―――――
ファーストキス―――――
そして―――互いの唇を
重ね合わせたまま―――
大阪のしなやかな指が
榊さんの制服のリボンを―――――
スローモーションでほどいてゆく―――――
だが、そんな蜜月の時間を分け合う二人を、
屋上から見守る一つの影があった―――――!!
???
「(いい子だ・・・・・・起きて来い!!)」
この言葉の真意とは―――!?
そして、ついに一線を超えた二人は―――!?
続きます。
校舎の屋上から大阪と榊さんを見下ろす影!!
そしてこちら遊園地爆走建造物大破壊レースも
マキシマムパワーでヒートアップ中!!
(それは日本語として合ってるのか?)
場内に設置された全てのスピーカーからは,
交響曲第9番<歓喜の歌>が流れる!!
芦田さんナイス仕事!!!これぞまさに音響演出だッッ!!
(CDお持ちの方はどうぞ合わせてお楽しみください)
(♪フロイデーシューネルゲッテルフンケン
トホーテルアウスエーリーズィムー〜♪)
大音響の中を全速力でドリアンが逃げるッッ!!
「はひいいいいいッッ!?」
ダダダダダダダダダダアァッ!!
その後方からちよ様(と忠吉号)が追い上げる!!
「はいや―――ッ!」
ドドドドドドドドドドオォッ!!
(♪ヴィルベートレーテンフォイエルトルンケン
ヒムーリッシェーダインハーイリヒトゥム!♪)
ドゴオォン!! バギバギバギィッッ!!
ガガガゴォンッ!!ッズズウウッン!!
メシャアアアッッ! パリパリパリィン!!
メリーゴーランド・・・!コーヒーカップ・・・!
バイキングシップ・・・!フリーフォール・・・!
ありとあらゆる遊戯施設がこの大暴走により
完全に破壊されていく!!
ダダダダダダダダダダッッ!!
ドドドドドドドドドドッッ!!
ドリアン
「(ティ・・・T−REXより怖えええッッ!!)」
(♪ダイネーツァウベルビンデンヴィーデル
ヴァスディイーモーデーシュトレングゲータィルト〜♪)
ちよ様
「行け――――い!!」
忠吉
「オン!!」
ドリアンとちよ様の行く手に待ち受けしは・・・
巨大観覧車!!
ダダダダダダダダダッッ!!
ドリアン
「うおおおおおおおおォッッ!!」
ダダダッダダダッダダダッッダダッ!!
観覧車の向きと垂直方向から走ってきた
ドリアンは、必死の思いで観覧車を
外周から一気に駆け登るッッ!!
とも
「うおおおお――ッッ!?
あ、あのおじさんスゲエ―――ッッ!!」
そして、忠吉が跳ぶッッ!!
バァッ!!
本部
「バ・・・バカな・・・あの犬・・・
一度の跳躍で観覧車の頂上の上まで
跳びおったああッッ!!」
背景の夕陽に巨大な犬が映える!!
「ワオ―――――――ン!!!」
(♪アーレーメンシェンヴェルデンブリューウーデル
ヴォーダインザンフテルフリューウーゲルヴァイルト〜)
ドリアン
「ま・・・まだ追ってくるというのかッッ!?
ハア、ハア、ハア、ハア・・・の、残るは・・・
あの場所に逃げるしかないッッ!!」
ダダダダダダダダダダッッ!!
やっとの思いでドリアンは、唯一まだ破壊されてない
遊戯施設へと逃げ込んだ―――そう、そこは
ドリアン因縁のステージ、
ジェットコースター!!
ちよ様
「ふ・・・入ったな・・・」
「さて・・・うぬの覚悟、どれほどのものか
見極めさせてもらおうか!!」
<ちなみにこの内容とここで流れている曲は、現在保健室のなかで
行われているコトとある意味リンクしています(私子供だからわかんな〜い♪)>
続きます!!