グラップラー刃牙の謎・にゃんこ3兄弟スペシャル(2)
質問者:にゃんこ3兄弟

メイン回答者:杉山雅俊



Q51.刃牙Vsジャック戦の途中で昂昇らしき男が登場するけど、眉の下の影がない。あれはアイシャドウを塗ってたの? 昂昇ってお化粧してたの? もしかして…変態なの?

A:昂昇はビジュアル系ですから、当然化粧をしているのでしょう。ビジュアル系は変態ではありませんよ。あのイザムだってちゃんと結婚したんですから、昂昇だって多分ノーマルでしょう。



Q52.世界中から最強のファイターを網羅したはずの大会に、神心会一団体だけから3名も出場できたのはなぜ?

A:予算不足で、充分な出場人数が集まらなかったのでしょう。最初は愚地克巳だけが出場する予定だったのですが、人数が足りないので徳川氏が「スマンの独歩」と独歩に出場を頼んだのでしょう。それでも不足するので、加藤と花田が最後の席を争ったのでしょう。



Q53.紅葉って、考えてみると格闘技者として今までに何の実績もないじゃん。どうしてこの大会に出場できたの?

A:これも、予算不足で充分な出場人数が集まらなかったからです。そして本編でも語られていたように、昂昇の出場を聞いて驚いた紅葉が、徳川氏に是非出場させろと強く申し出たのです。



Q54.斗羽,紅葉は地下闘技場で刃牙と闘ってるけど、飽くまで臨時にゲスト出場しただけみたいですよね。独歩と猪狩はOBですし、加藤も結局地下闘技場ファイターになったのかどうかはよくわからない。ということは、地下闘技場正ファイターで大会に出場してるのは、刃牙と昂昇だけ。地下ファイターって、結局あんまり強くなかったんじゃぁ…?

A:あんまり強くないと思います。刃牙の次期挑戦者候補が、金田,張,島田,内藤,程度ですからね。アルティメットの出場者も、あまり一流の人はいませんでした。“強さ”より“勇気”の問題でしょうね。



Q55.ローランド・イスタスって、「レスリングの神様」らしいけど、プロレスラーなの?アマチュア・レスラーなの?

A:プロレスラーでしょう。理由は次の通り。
 ・師匠ビル・ライレーは、愚地独歩と闘った時、リングであること、トランクスをはいていることから、プロレスラーと思われる。そのライレーの弟子であるから。
 ・アマレスには基本的に関節技がなく、関節フェチのイスタスは欲求不満になってしまうはずであるから。



Q56.ピット・ファイティングって、結局どんなものなの? ジャックはいつそんなことやってたの?

A:スポンサーになる人が賞金を出したり、互いに金を賭けて素手の殴り合いの試合をさせる大会らしいですね。アメリカでは州によっては禁止されているそうです。
 ジョン博士のおかげで筋肉モリモリになった後、それまで通っていたトレーニングジムはやめてしまいましたし、普通のスポーツは薬物チェックに引っかかるため、できません。そこで実戦トレーニングとしてピット・ファイティングに出場していたのでしょう。



Q57.刃牙は斗羽や猪狩のファンだったらしいし、新卍固めやボーアンドアローを使いこなしたり、かなりのプロレスファンらしい。でも、小さいころのエピソードを見ると、自分が強くなること精一杯で、とてもプロレスなんか毎週テレビで見てる子供とは思えない。どうなってるの?

A:プロレスなど格闘技ではない、と考える人もいますが、勇次郎も刃牙もそう考えてはいないようです。実際、地下闘技場にはプロレスラーが多数出場し、他の格闘技と互角以上に闘っているのです。プロレスもまた格闘技であり、プロレスラーは非常に強い、と考えていたのならば、毎週プロレス中継を見て研究していたとしても、当然です。



Q58.勇次郎は、ジェット戦闘機に乗ってハワイから横田基地に飛んできたはず。でも天内は同乗していたようには見えない。別行動だったの?

A:別行動だったのでしょうね。大統領官邸のあるワシントンから、日本に直行したのでしょう。
 何と言っても大統領ボディーガードですから、大会直前まで忙しかったのでしょうね。



Q59.加藤は元気そうなのに、どうして勇次郎と闘う9人に加わらなかったの?

A:理由は二つ考えられます。
 ・最初は愚地克巳を倒して刃牙と闘うつもりだったのに、自分が歯が立たなかった夜叉猿を克巳がKOしたのを見て、すっかり自信をなくしてしまった。
 ・鎬紅葉は、医務室にいた連中に声をかけて引き連れてきた。加藤は本部とともに白虎の門のあたりにいたので、声をかけられなかった。



Q60.控え室で烈とタクタロフが喧嘩したとき、烈が襲いかかろうとしたときの構えは、昂昇の構えとそっくりですよね。もしかして“新紐切り”を出そうとしていたの?

A:“新紐切り”ではないでしょうが、360度の手首のひねりを利用した何かの技を出そうとしていたのではないでしょうか。本番ではタクタロフを掌底突きでぶっ飛ばしていましたから、この時も掌底突きを出そうとしていた、という可能性がありますね。



Q61.空手道選手権大会で見せた独歩の「土管砕き」のパフォーマンスだけど、観客に破片が飛んでいって、危なくてしょうがないじゃん。神心会は安全面についてどう考えてるの?

A:そうですね。何にも考えていないんじゃないでしょうか。一応、独歩としては破片が観客席まで飛ばない範囲で、ギリギリに力をセーブしているのかも知れません。


>とら
A:大抵の格闘観戦チケットには「万が一、観戦中負傷されても責任は負いかねます」等の文字があります。多少のことは気にしていないのでしょう。
さらに、水族館のシャチショーの水しぶき、地下闘技場決勝の闘いの聖水など、マニアックなお客さんは何かが体にかかることを喜びます。これは、ファンサービスなのかもしれません。



Q62.大会を見に来た柔道家・吉村功の「攻道館」は、オデン屋さんの「講道会」とどう違うの?
A:それぞれ別の柔道の組織です。名前の似た組織というのは、いろいろあるのですよ。

 空手の組織だってそうでしょう。「士道館」と「誠道塾」と「大道塾」と「正道会館」とどう違うかわかりますか? その他、「日本拳法」と「日本拳法空手道」は違うとか、「少林寺拳法」と「少林寺流空手」は違うとか、世の中いろいろあるのです。



Q63.そもそも加藤清澄は、空手道選手権大会に何しに来たの?(あんなもの凄い選手である)刃牙が出場することは知らなかったはずだし、顔面も打てないママゴトルールの空手大会なんか、バカバカしいんじゃなかったの?

A: 同期である末堂厚の応援です。大会3連覇である末堂はエリート空手家のように思えますが、実は喧嘩好きであり、無頼派の加藤と性格的には合うようです。最大トーナメントでも、克巳の応援をいっしょにやったり、いつも仲良さそうですよね。親友同士なのでしょう。



Q64.松本絹代さんは、なんで亡くなった御主人に仏壇を買ってあげないの? 遺影だけで位牌がないのも変だし…。

A:そう言うけど、仏壇って結構高いんですよ。母子家庭で家計は非常に苦しいと思われます。現在は仏壇を買うお金を貯金しているところなのでは…。 位牌がないのは、そういう宗派なのでは? 位牌はお寺にあずけてあるのではないか、と思われます。



Q65.刃牙がボクシング部の高山と闘ったころは、ハリー・フィールドという選手がプロボクシング・ヘヴィ級統一世界チャンピオンだったはずだけど、アイアン・マイケルより強いの? マイケルに敗けたの?

A:マイケルに敗けたんでしょうね。従ってマイケルより弱いのでしょう。



Q66.高山君はその後プロボクサーになったの? リチャード・デュパ氏にスカウトされたの? それともオリンピック選手になったの?

A:荒南高の荻野君にやられた怪我が心配ですね。その怪我さえ大したことがなければ、性格的にはオリンピックよりもプロボクサーを目指しているのではないでしょうか。デュパ氏にスカウトされたかどうかは、何とも言えません。もしヘヴィ級プロボクサーになったのならば、いずれはアイアン・マイケルと闘うことでしょう。



Q67.加藤っていったい何歳なの? 20歳の克巳を「大将」とか呼んで立ててるから、克巳より年下なんじゃないかと思うけど、だったら(19歳だとしても)3年前は16歳。そんな若いころから「核弾頭」と呼ばれてたの?

A:17歳の刃牙が地下闘技場不動の王者なんですから、別に不思議ではありません。本部も加藤のことを「小僧」と呼んでいますから、まだ加藤は18,9ぐらいの未成年ではないでしょうか。



Q68.加藤は神心会に復帰するとき、ヤクザを辞めたの? 組が、指詰めてけ、とか言ってこないの?

A:ヤクザは辞めたのでしょうね。組には、愚地独歩の方から上手く話しをつけたのでしょう。モデルである大山倍達氏も、ヤクザの社会には顔が利いたらしいです。(梶原一騎「男の星座」によると)



Q69.戦国時代が終止符を打ち、武芸者の自己表現の場として闘技場が作られたんですよね。一番最初に闘技場を作らせたのは、徳川家光だそうだけど、だったら始めのころは刀や槍で闘ってたの? それじゃ柳生十兵衛も出場してたの?

A:刀や槍で闘っていた可能性はありますね。ただし、木刀,竹刀,タンポ槍ででしょうが。
 柳生十兵衛が出場したかどうかはわかりませんが、徳川家光は武芸好きであり、柳生一門がこの闘技場に出場させられた、という可能性は多いにあります。事実家光は、“江戸柳生Vs尾張柳生”という究極の闘いを企画し、御前試合で実際に闘わせた、という記録があります。



Q70.龍金剛が久隅公平を倒した技、渋川剛気の得意の決め技に似てますよね。龍金剛は合気柔術を知ってたの?

A:力で強引に決めているのでしょうから合気柔術ではないでしょう。しかし、合気道の入り身投げを研究し、地下試合用に自分の技に取り入れた、という可能性はあります。



Q71.昂昇の“紐切り”は、独歩によると「血管・リンパ管・腱・神経! これらの紐を断つ!」という技らしいけど、どうして頚動脈や手足の腱を切らないの?

A:昂昇の美学と加虐趣味のためなんでしょうねェ。血管を切ると大出血する。血はあまり見たくない。腱を切ると相手は動けなくなって、そこで試合はおしまい。それより視力を奪って無抵抗にしておいて、いたぶり抜くのが昂昇の趣味なのでしょう。



Q72.刃牙は昂昇と闘う準備として、空手を研究するために末堂と闘ったはずですよね。でも昂昇と末堂では体格も戦法も全然違うし、研究にならないんじゃないの? 加藤と闘った方がまだしも近かったんじゃあ…。

A:刃牙は昂昇と闘う前、「どんな技を持っているか知らないけど」と言っています。つまり、事前に昂昇がどんなタイプの空手家か、刃牙は知らされていなかったのです。従って刃牙はただ一般的に「空手」を研究するために神心会の大会に出場したのです。
 加藤と闘わなかったのは、いかな刃牙も末堂との闘いでエネルギーを使い果たしていたからでしょう。
 なお、刃牙はVs斗羽戦でもVs紅葉戦でも、どんな相手か事前に知らされてはいなかったようです。刃牙が強過ぎるゆえのハンディでしょうか。



Q73.昂昇は牛を殺すためだけに、わざわざスペインまで行ってたの?

A:かも知れません。牛を殺すとトラック一杯の金が集まるそうですから?(大山倍達氏談)
 動物愛護協会がうるさくて、日本では牛殺しなんかやれませんし、金もかかるでしょう。牛と闘いたければスペインの牛祭りに行くのが最も簡単な方法でしょうね。
 あるいは世界中を武者修業の旅をして回っていた、途中の出来事だったのかも知れません。



Q74.鎬流って何なの? 自分で勝手に作った流派なの? それともあの頭のハゲた師匠も鎬流なの?

A:あの師匠も鎬流だとすると、鎬流は鎬一族秘伝の武術ということになります。父親か、伯父さんかでしょうね。昂昇に対して「昂昇」と呼びかけています。他人だったら「鎬君」でしょう。
 父親だとするとちょっと態度がよそよそしい感じもします。顔も似ていません。伯父さんでしょうか。
 また、ハゲ師匠が鎬流でないとすると、兄紅葉と二人で創った流派とも考えられます。“紐切り”はあまりにも解剖学的な技ですので、医者である紅葉が協力して創った技である可能性があります。



Q75.頭のハゲた師匠に入門したころの昂昇は、凄くキツイ目付きをした子供だったのに、兄の紅葉と闘ったときの回想シーンの昂昇は兄に守られた気弱な子供でした。どうして変わったの?

A:昔は兄ちゃんに護ってもらう気弱な少年だったのですが、いつのころからか、これではいけない、兄ちゃんを超えるような強い男にならなければ、と思うようになり、一念発起、空手道場に入門したものと思われます。



Q76.倒れた昂昇を診察して、「ウム…単なる脳しんとうだ…」とか言ってたポニーテールの医者は、どうしてその後登場しないの?

A:ドクター・ルームの奥の、見えないところで黙々と負傷者の治療を続けているのでしょう。



Q77.花田純一って男らしいのに、格闘空手の高田(島田?)はどうして「オカマ野郎」と呼ぶの?
 本当にオカマ…じゃないよね女好きだから。

A:硬派の男の目から見ると、軟派の男はみんな「オカマ野郎」に見えるらしいです。



Q78.単行本第4巻110ページの図からすると、地下闘技場の地面から天井まで35mくらいありますよね。
 斗羽はそんな高さからワゴン車の上に落下したの? そんなとんでもない不死身なら、膝の負傷さえなければ、もしかしてジャックよりオーガより強いんじゃないの?

A:オーガより強いのかも知れませんよ。刃牙も、全盛期だったらとても斗羽にはかなわない、みたいな発言をしています。



Q79.東京ドームの地下3階から5階までには、何があるの?

A:闘技場の入り口は地下6階ですが、ドーム部分が地下3階から5階を占めているのです。



Q80.斗羽は16文の廻し蹴りや後ろ廻し蹴りやかかと落しを、どうしてプロレスの試合で使用わないの?

A:次のような3つの理由が考えられます。
 ・斗羽の蹴りは威力があり過ぎる。年間百数十試合もするのに、毎試合使っていたら、相手レスラーの身がもたない。
 ・同じく、斗羽自身の体力がもたない。
 ・軽々しく見え、斗羽の重厚なイメージに合わない。



Q81.力剛山のプロレス道場に入門したとき、斗羽は学生服を着てたけど、学生だったの? プロ野球選手じゃなかったの?

A:プロ野球選手ではなかったのでしょうね。アンドレアス・リーガンのモデルはエル・ヒガンテですが、ヒガンテが元バスケット・ボール選手だったのに、リーガンはボクシング選手だったようです。ガーレンのモデルのカレリンが、昔ウラン鉱山で働いていたという話も聞きませんし…。
 まァ、そういうもんです。モデルの過去の経歴と、必ずしも一致しないのでしょう。



Q82.地下闘技場王者だったはずの力剛山が、なんで暴力団と喧嘩して殺されちゃうの? 相手ももの凄く強かったの? (花山の父親とか…)

A:酒です。全ては酒のせいです。独歩もそうだったように、酒が力剛山の反応をコンマ1秒遅らせたのです。



Q83.猪狩の卍固めをスルリと外しちゃうほど体が柔らかいんなら、斗羽のチキンウィング・フェースロックくらい、噛付かなくても抜けられたんじゃないの?

A:あの技はジャイアント馬場も得意技にしていましたが、関節を極めているから抜けれないのではなくて、パワー,プラス長い腕で締め付けているので、摩擦力が大きくて抜けられないのです。
 ですから、体が柔らかいだけでは抜けられません。
 馬場は、めったに使いませんでしたがコブラツイストなども得意技でした。あの長い腕と脚でからみつかれると脱出不可能で、一種の禁じ手であったそうです。



Q84.橘流拳法道場に殴り込みをかけたとき、勇次郎は黒い道着を着ていたけど、やっぱり勇次郎も空手道場か何かに入門していたの?

A:これは難しい問題です。勇次郎は“御殿手”などの技を身につけていますが、これはそれなりの師匠について習ったのか? それとも闘った相手から盗み取ったのか?
 おそらく、勇次郎は道場に入門したり、師匠について技を習ったりはしていないと思われます。
 ではなぜ黒い道着を着ていたのか? 黒い服が好き、ということと、着心地が良かったからでは?



Q85.刃牙が勇次郎に叩き込もうとしたマッハ・パンチって、マッハ突きとは違うものなの?

A:違うものです。マッハ・パンチは、元キック・ボクシングのミドル級チャンピオン、猪狩元秀氏(K-1レフェリーとしても有名)が、現役時代得意とした技です。日本拳法の直突きを応用した技のようです。



Q86.刃牙Vs斗羽戦の後で独歩と勇次郎がぶつかったとき、「もう半歩踏み込まれりゃ心臓をえぐられてた…」と言っていましたが、シャツが破れてるのは右胸の上の方。勇次郎の心臓はあんな位置にあるの?

A:そうですよねェェ…?? 観客も、「心臓の部分が破れている!」と言っています。これは大きな疑問として保留にさせて下さい。


>とら
これは、相対的な位置の問題です。
心臓の位置は一般に言われているよりも胸のほぼ中央にあり、古代の戦士の教育では胸を狙うときは中央を狙えと教えたそうです。
独歩が勇次郎の右側から攻撃を仕掛けたとすると、心臓にまっすぐ届かせるためには右の胸を通過する必要があります。(この解説にはいずれ図を入れる予定です)



Q87.公園で勇次郎と闘った本部以蔵、「いくらキサマでもあの『人喰いオロチ』では相手が悪すぎるわ…」ちょっと待った。以前は独歩に向かって、「今の貴様なら1分以内に殺せる」とか言ってたじゃないか。どっちが本当なの?

A:単純な話です。「今の貴様なら1分以内に殺せる」は、独歩に対する挑発とハッタリで言ったのですし、「『人喰いオロチ』では相手が悪すぎるわ…」というのは勇次郎に喧嘩を売る口実です。
 要は喧嘩ができれば何でも良かったのです。



Q88.御殿手がよくわからないんですけど。正中線を維持したまま左右の揺れが一切ないと、どうして打ち込む隙が皆無なの? そんなの剣道とかでも基本じゃん。

A:御殿手について詳しいことはよくわかりません。詳しい方、お教え下さい。


>蛍
御殿手の特徴である正中心を維持したままの歩法についてですが、うわべだけ見て、体が真っ直ぐになっているというわけではありません。
別の見方をしてみましょう。
あの歩法の特徴は、

1、両足に五分五分に体重が乗っている。
2、体のバランスが崩れていない。
3、無理な力がかかっていない。

あらゆる方向からの攻撃に対して、どの方向にも即座に移動する事が可能なのが特徴です。
剣道は私もやっていましたが(二段でやめましたけど)、あれは前に飛びこむための体勢であり、相手の攻撃をかわすためのものではありません。
御殿手をはじめとする古流の歩法は、足が居着くことを避けます。
実際の達人系の方の足の動きは、それほど速くありません。せいぜい歩くくらいです。 しかし、特筆すべきは動くまでの変化の早さです。
攻撃がきた刹那、滑らかな動作ですぐさま歩き始めます。
例えて言うならば、羽毛が風に吹かれ、なかなか手では捕まえられないような感じです。
足に無理な力を入れず、常に五分五分の体重配分で、どの方向にも重心移動が可能な体勢を維持する事が、正中を維持するという事です。
出来る人は、体の中に軸を感じるといいます。(これは本人の感覚的なものであって、神秘のエネルギーが流れているわけではありません)
ゆえに「打ち込む隙は皆無」なのです。


>超飛龍
オレ以前になんかのテレビ番組で御殿手みましたよ。
たしか90歳を超えるじいさんが(何代目だか忘れたけど・・・)武器を持って襲い掛かってくるやつらを歩くだけで、次々と投げ飛ばしてました。
いや、投げ飛ばすというより、間合いに入ったモノが、勝手にふっとんでました。
その姿は、合気道の開祖「植芝盛平」(字あってるかなあ・・・)のような超能力じみたものを感じさせられました。
ようするに、相手に触ってないのに、歩いてるだけで相手が飛ぶのです。
正直に言って、かなり信憑性のない画面でした。
ただ、アレが本当だったとしたらウドンデイは「防御のための技術」という感じで、殺傷力はあまりなさそうでした。(トドメをささないんです)
あと、「一対多を想定している技術」という点では、かなり合気道に近いモノであると感じました。


>とら ひょっとしたら「世界ふしぎ発見!」でやっていた物でしょうか?
ビデオにとって置いたのですがどこに行ったのか分かりません(T_T)
武器を持つ人の間を飄々と歩く爺さん、次々に倒されていく人々。武道の造詣の深い人には本気でやっているのが分かるというナレーターが入っていましたが、僕にはイマイチ分かりませんでした。
達人の闘いは難しすぎるッッー!


>蛍
上原清吉さん(御殿手やってるじいさん)はそこそこはいけるらしいですけど、あそこまで見事に決まるのはお弟子さんだからです。

御殿手は武器有り、一対多数、不整地での戦闘、倒すのではなく殺す必要性有り、の闘いのものなので、路上の戦闘が持つ、試合にはない緊張感、相手との微妙な呼吸などをうまく利用する事が多いようです。
ゆっくりなのは格好をつけているのではありません。
速く動くと、相手もそれにつられて速く動くようになるのを防ぐためです。




Q89.「散眼」は、飛んでくる無数の矢を払いきるために、カメレオンの眼の動きにヒントを得て古代インドの僧侶があみだした技ですよね。でも、古代インドにカメレオンっていたの?

A:カメレオンはアフリカ原産の動物ですからインドにはいません。しかし古代インドの王様が、インド洋を通ってはるばるアフリカから船でカメレオンを運んでこさせた、ということはあり得るでしょう。


>こばち
史実上、インド洋で交易していたアーンドラ朝(前1〜3世紀)は仏教を信仰していましたし、交易相手のローマはエジプトを支配下においていましたから、アフリカ原産のカメレオンがその中にあったかもしれませんね。いっぽう、古代の中国では象や豹がいたことが確認されているので、インド固有種のカメレオンが当時はいたとしても、おかしくはありません。
単なる外来種か、あるいは絶滅した固有種がいたか、どちらかだろうと思います。
それにしても、散眼はいつ中国に伝わったのでしょうか?
たぶん、ドラゴン・ロードを渡っている途中でインドを訪れ、学んだのだろうと推測するのですが。


Q90.鎬紅葉は、胃を攻撃するには下30度から手首を効かせると内部に響きやすいとか、下顎は掌を使ってできるだけスピーディーにとか、わかってるならなんで最初からやらないの? 刃牙もどうして「当てられる瞬間チョットだけ急所を外す」ことができなくなったの?

A:あの、肩甲骨裏側の肋骨を折ったのが分岐点なのです。胃を下30度から手首を効かせて攻撃するとか、下顎は掌を使ってスピーディーにとか、紅葉は実はその通りにやっていたのですが、刃牙に見切られて「チョットだけ」はずされていたのです。ところが肋骨を折った時から刃牙はその激痛で、思うように動けなくなったのです。



Q91.剛体術って空手の技なの? だったら空手を研究し始めたのが3ヶ月前だから、それから身に付けたの? 50年空手やってる独歩にはできるの?

A:空手の技のように思われますね。対巨漢用の技と思われるのに、あれほど苦戦したマウント斗羽戦では使っていませんから、斗羽戦後に身につけたのでしょう。おそらく勇次郎の出現に、ショックを受けて猛特訓したのだと思われます。
  愚地独歩のように体重のある空手家は、剛体術でなくても充分“重い”突きが出せますから、必要ないのではないでしょうか



92.刃牙はいったいどのくらい巨大樹の下で瞑想してたの? 数日なの? 数ヶ月なの?

A:瞑想に入った時は冬で、瞑想から覚めた時が初夏から夏ごろですから、信じがたいですが数ヶ月でしょう。



93.栗谷川さんってけっこう度胸が据わってるし、腕も立つみたい。どんな過去の経歴がある人なの?

A:わかりませんねェ…。彼も地下闘技場戦士の一人だった?



94.花山の必殺技の「握撃」って、見た目は派手だけど、刃牙にも克巳にも完全に戦闘能力を奪うことはできていませんよね。トミー・カービンの腕を握ったときには、骨を引きちぎって腕の肉を引き伸ばしています。この方がよっぽど凄い技なんじゃないの? どうしてその後はやらないの?

A:確かに、「握撃」って必殺技とは呼べませんよね。見た目が派手なだけ。
  実はトミー・カービンにも「握撃」をやるつもりだったのです。ところが彼は、骨粗しょう症で骨が脆く、結果はああなってしまったのです。



95.ユリー・チャコフスキーが刃牙を倒したパンチも、よく見ると渋川剛気の得意の決め技に似てますよね。ユリーも合気柔術を知ってたの?

A:合気柔術ではないでしょうが、ユリーの喧嘩術の一つなのでしょう。顔面パンチ,プラス後頭部をマットに叩き付ける。合理的な必殺喧嘩技ですよね。



96.刃牙の山ごもりのときだけど、山の中に行くのにバーベル持って行かなくてもいいんじゃないの?
天然の大きな石とか持ち上げる方が、実戦的なトレーニングになるってカール・ゴッチも言ってるよ?

A:私もそう思います。ですが、子供のころからコーチに教わった科学的トレーニング法は、簡単には変えられないのでしょう。そこへ安藤氏から、もっと大自然の中でのナチュラルなトレーニング法を教わって、刃牙は変貌したわけです。



97.刃牙は熊の肉と猪の薫製と内臓の塩漬けとを喰いまくってでかくなったけど、家から持ってきたオカラや乾燥貝柱や納豆は食べなかったの?

A:食べたんじゃないですか? 熊や猪の肉ばかりじゃ栄養もかたよるし、飽きてしまいます。



98.死に際の集中力でスローモーションに見える眼を身に付けたのはいいけど、あんな高い崖から膝までの深さしかない川に飛び込んで、どうして刃牙は死なないの?

A:落ちながら崖を蹴ることで、ブレーキをかけていたのです。



99.勇次郎は、「中国にいたころよく猿の脳みそを喰った」と言っているけど、いつごろ中国にいたの?
中国武術の研究をしてたの?

A:ベトナム戦(16歳)の後、傭兵としてレバノンに行く(19歳)以前にか、それともベトナム戦以前か、それははっきりとはしません。中国武術の研究をしていたかどうかよくわかりませんが、劉海王とのからみも何かあったかも知れません。



100.刃牙が夜叉猿を倒した技も、よく見ると渋川剛気の得意の決め技に似て…もしかするとユリーに倒された経験から身につけた技?

A:その可能性は大いにあります。自分が倒された経験からその威力が頭にしみつき、とっさに出たのではないでしょうか。
このコーナーへの疑問・感想は こちらへお願いします。

小ネタ特集ページへ    メニューに戻る